JP2022063316A - 作業車両用の目標経路生成システム - Google Patents
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Abstract
Description
しかしながら、任意設定データの入力操作が苦手なユーザにおいては、任意設定データの入力に手間取ることが多いことから、その入力の簡略化が望まれている。また、ユーザの価値観などに基づく任意設定データの入力が適正に行われなかった場合には、それに起因して、例えば、目標経路生成システムにて生成された目標経路から得られる作業面積が狭くなる、あるいは、目標経路生成システムにて生成された目標経路において非作業走行距離が長くなる、といったユーザの価値観などにそぐわない、自動走行による作業時に不利益を生じさせる不適正な目標経路が生成される虞がある。
なお、本発明に係る作業車両用の目標経路生成システムは、トラクタ以外の、乗用田植機、コンバイン、乗用草刈機、ホイールローダ、除雪車、などの乗用作業車両、および、無人草刈機などの無人作業車両に適用することができる。
なお、携帯通信端末3には、ノート型のパーソナルコンピュータまたはスマートフォンなどを採用することができる。
なお、トラクタ1の後部には、ロータリ耕耘装置6に代えて、プラウ、播種装置、散布装置、などの作業装置を連結することができる。
なお、エンジン10には、電子ガバナを備えた電子制御式のガソリンエンジンを採用してもよい。変速装置11には、油圧機械式無段変速装置(HMT)、静油圧式無段変速装置(HST)、または、ベルト式無段変速装置、などを採用することができる。パワーステアリング機構12には、電動モータを備えた電動式のパワーステアリング機構などを採用してもよい。
以下、図3に示すフローチャートに基づいて、目標経路生成制御での目標経路生成部30Dの制御作動について説明する。
圃場データ確認処理(ステップ#1)にて該当する圃場データが記憶されている場合は、その圃場データと、端末記憶部30Aに記憶された車体データとに基づいて、これらに該当する目標経路Pが端末記憶部30Aに記憶されているか否かを確認する目標経路確認処理(ステップ#2)を行う。
目標経路確認処理(ステップ#2)にて該当する目標経路Pが記憶されている場合は、記憶された目標経路Pを端末記憶部30Aから読み出すとともに、読み出した目標経路Pと前述した経路選択部32とを液晶パネル4に表示させて、読み出した目標経路Pを採用するか否かの選択をユーザに行わせる記憶経路選択処理(ステップ#3)を行う。そして、読み出した目標経路Pの採用がユーザにより選択された場合は目標経路生成制御を終了する。
圃場データ確認処理(ステップ#1)にて該当する圃場データが記憶されていない場合は、圃場データを得るための圃場データ取得走行の実行案内を液晶パネル4に表示させる圃場データ取得案内表示処理(ステップ#4)を行って、ユーザに、トラクタ1を圃場の外周に沿って走行させる圃場データ取得走行を行わせる。また、圃場データ取得走行中にトラクタ1の測位ユニット19が測位した測位データをトラクタ側との無線通信で取得する測位データ取得処理(ステップ#5)を測位データ取得部30Bに行わせる。そして、測位データ取得部30Bが取得した測位データから圃場の大きさや形状を含む圃場データを取得する圃場データ取得処理(ステップ#6)を圃場データ取得部30Cに行わせる。これにより、トラクタ1の現在位置に対応する圃場の圃場データを取得する。
目標経路確認処理(ステップ#2)にて該当する目標経路Pが記憶されていない場合、記憶経路選択処理(ステップ#3)にて読み出した目標経路Pの不採用がユーザにより選択された場合、または、圃場データ取得処理(ステップ#6)にて圃場データを取得した場合においては、前述した任意データ入力部33、優先項目選択部34、および、生成指令部35などを、圃場データに含まれた圃場の形状などとともに液晶パネル4に表示させる操作画面表示処理(ステップ#7)を行う。これにより、目標経路Pの生成に関する任意設定データの入力または優先項目の選択をユーザに行わせる。
操作画面表示処理(ステップ#7)にて、ユーザが、任意データ入力部33での任意設定データの入力を行わずに、優先項目選択部34での優先項目の選択を行った後、生成指令部35での指令操作を行った場合は、前述した車体データと圃場データと選択された優先項目とに基づいて、優先項目に応じた第1目標経路を目標経路Pとして生成する第1目標経路生成処理(ステップ#8)を行う。
操作画面表示処理(ステップ#7)にて、ユーザが、優先項目選択部34での優先項目の選択を行わずに、任意データ入力部33での各任意設定データの入力を行った後、生成指令部35での指令操作を行った場合は、前述した車体データと圃場データと入力された各任意設定データとに基づく第2目標経路を目標経路Pとして生成する第2目標経路生成処理(ステップ#9)を行う。
上記の各目標経路生成処理(ステップ#8~9)による目標経路Pの生成後は、生成した目標経路Pを圃場の形状や前述した経路選択部32などとともに液晶パネル4に表示させて、生成した目標経路Pを採用するか否かの選択をユーザに行わせる生成経路選択処理(ステップ#10)を行う。
生成経路選択処理(ステップ#10)にて、生成した目標経路Pの採用がユーザにより選択された場合は、目標経路生成制御を終了する。
生成経路選択処理(ステップ#10)にて、生成した目標経路Pの不採用がユーザにより選択された場合は、操作画面表示処理(ステップ#7)に戻り、再び、任意データ入力部33での任意設定データの入力または優先項目選択部34での優先項目の選択などをユーザに行わせる。そして、このときの操作画面表示処理(ステップ#7)にて、ユーザが、任意データ入力部33での任意設定データの修正入力または追加入力、あるいは、優先項目選択部34での優先項目の追加選択などの修正操作を行った後、生成指令部35での指令操作を行った場合は、目標経路修正処理(ステップ#11)に移行して、前回生成した目標経路Pを、今回入力された任意設定データまたは今回選択された優先項目に基づいて修正し、その後、生成経路選択処理(ステップ#10)に移行する。
なお、作業領域Aを特定する上において、作業領域特定地点の数量を多くすると、圃場の形状に忠実な作業領域Aを特定することはできるが、作業領域Aの特定に要する制御負荷が重くなる。しかも、必ずしも圃場の形状に忠実に特定された作業領域Aが、トラクタ1を自動走行させるための目標経路Pの生成に適しているわけではなく、トラクタ1の作業幅などを考慮して、圃場の形状に対する作業領域Aの適正な簡略化を図れるように作業領域特定地点を選定する必要がある。そのため、選定可能な作業領域特定地点の数量は、制御負荷が過大になることを抑制しながら圃場の形状に適した作業領域Aの特定が可能になるように、所定数量(例えば30箇所)に制限されている。
次に、優先項目などを考慮して基準作業方向θpと自動走行開始地点psと自動走行終了地点peとを自動的に選定し、選定した基準作業方向θpと自動走行開始地点psと自動走行終了地点peとを作業領域Aなどとともに液晶パネル4に表示させてユーザに知らせる(図4参照)。
そして、特定した作業領域Aと選定した基準作業方向θpと自動走行開始地点psと自動走行終了地点peとに基づいて、優先項目に応じた目標経路Pとして第1目標経路を生成し、生成した第1目標経路を作業領域Aなどとともに液晶パネル4に表示させてユーザに知らせる。
また、ユーザによる任意データ入力部33でのタッチ操作により、基準作業方向θpの入力が選択されて基準作業方向θpが任意入力された場合は、任意入力された基準作業方向θpを作業領域Aなどとともに液晶パネル4に表示させてユーザに知らせる(図4参照)。
さらに、ユーザによる任意データ入力部33でのタッチ操作により、自動走行開始地点psおよび自動走行終了地点peの入力が選択されて自動走行開始地点psと自動走行終了地点peとが任意入力された場合は、任意入力された自動走行開始地点psおよび自動走行終了地点peを作業領域Aなどとともに液晶パネル4に表示させてユーザに知らせる(図4参照)。
そして、ユーザによる生成指令部35(図2参照)の操作で生成指令部35からの指令を受けた場合に、第2目標経路生成処理により、特定した作業領域Aと、任意入力された基準作業方向θpと自動走行開始地点psと自動走行終了地点peとに基づく目標経路Pとして第2目標経路を生成し、生成した第2目標経路を作業領域Aなどとともに液晶パネル4に表示させてユーザに知らせる。
図5に示す第2目標経路は、作業領域Aの短辺と同じ長さを有して作業幅に対応する一定距離をあけて平行に配置設定された複数の第1直進作業経路部P2aと、隣接する第1直進作業経路部P2aの終端地点から始端地点にわたる複数の方向転換経路部P3とを有することで、ユーザにより任意入力された自動走行開始地点psから自動走行終了地点peにわたるトラクタ1の自動走行を可能にしている。
図6に示す第2目標経路は、作業領域Aの長辺と同じ長さを有して作業幅に対応する一定距離をあけて平行に配置設定された複数の第2直進作業経路部P2bと、隣接する第2直進作業経路部P2bの終端地点から始端地点にわたる複数の方向転換経路部P3とを有することで、ユーザにより任意入力された自動走行開始地点psから自動走行終了地点peにわたるトラクタ1の自動走行を可能にしている。
そして、図6に示す第2目標経路は、図5に示す第2目標経路よりも方向転換経路部P3の数量が少なくなってトラクタ1の走行距離が短くなることで、燃料消費量の削減や作業時間の短縮などを図ることができる。また、目標経路Pを構成する経路部数量が少なくなることで、目標経路Pの生成に要する負荷の軽減を図ることができる。
図5に示す第1目標経路は、前述した複数の第1直進作業経路部P2aと複数の方向転換経路部P3とを有することで、目標経路生成部30Dが特定した自動走行開始地点psから自動走行終了地点peにわたるトラクタ1の自動走行を可能にしている。
図6に示す第1目標経路は、前述した複数の第2直進作業経路部P2bと複数の方向転換経路部P3とを有することで、目標経路生成部30Dが特定した自動走行開始地点psから自動走行終了地点peにわたるトラクタ1の自動走行を可能にしている。
この場合、ユーザは、2系統の第1目標経路に対して目標経路Pとして採用するか否かの選択を経路選択部32にて行える。そして、これらの第1目標経路のいずれかを目標経路Pとして選択した場合は、圃場中央側の作業領域Aにおいてトラクタ1の自動走行による耕耘作業が行われた後に、その周囲に残る未作業領域からなる周回走行経路部P1の横幅を、作業幅の整数倍と同じまたは略同じにすることができる。その結果、トラクタ1の手動運転または自動走行によるトラクタ1の周回作業走行が行い易くなる。
ここで、図5~6に示す第1目標経路に対して、例えば、圃場におけるトラクタ1の出入口との関係から、ユーザが、自動走行開始地点psと自動走行終了地点peとの位置の入れ換えを望む場合は、経路選択部32にて図5~6に示す第1目標経路の不採用を選択した上で、自動走行開始地点psと自動走行終了地点peとの位置を入れ換えるための任意設定データの入力修正を行った後に、生成指令部35での指令操作を行えば、それに基づく目標経路生成部30Dの目標経路修正処理により、図5~6に示す第1目標経路において自動走行開始地点psと自動走行終了地点peとの位置が入れ換えられた第1目標経路を生成することができる。
図6に示す第1目標経路は、前述した複数の第2直進作業経路部P2bと複数の方向転換経路部P3とを有することで、目標経路生成部30Dが特定した自動走行開始地点psから自動走行終了地点peにわたるトラクタ1の自動走行を可能にしている。
この場合、図6に示す第1目標経路は、図5に示す第1目標経路よりも方向転換経路部P3の数量を少なくすることで、非作業走行距離の最短化が図られている。また、圃場中央側の作業領域Aにおいてトラクタ1の自動走行による耕耘作業を行われた後は、その周囲に残る未作業領域からなる周回走行経路部P1の横幅を、作業幅の整数倍と同じまたは略同じにすることができる。その結果、非作業走行距離の短縮による燃料消費量の削減や作業時間の短縮などが可能になるとともに、トラクタ1の手動運転または自動走行によるトラクタ1の周回作業走行が行い易くなる。
図7に示す第2目標経路は、前述した複数の第2直進作業経路部P2bと、耕耘作業を中断して張出部36を迂回する迂回経路部分Paを備えて最終の第2直進作業経路部P2bに隣接する迂回作業経路部P4と、隣接する第2直進作業経路部P2bおよび迂回作業経路部P4の終端地点から始端地点にわたる複数の方向転換経路部P3とを有することで、ユーザにより任意入力された自動走行開始地点psから自動走行終了地点peにわたるトラクタ1の自動走行を可能にしている。
この場合、最終の第2直進作業経路部P2bにおいては、迂回経路部分Paに隣接する経路部分が、トラクタ1が迂回経路部分Paを自動走行するときに踏み荒らされることで未作業部分Pbとなり、これにより、最終的な作業面積が狭くなる。
逆に、迂回作業経路部P4を有することで作業面積が狭くなる場合には、図8に示すように、迂回作業経路部P4が生成されない矩形状の狭い作業領域Aが得られるように、複数の作業領域特定地点(図8では4箇所の作業領域特定地点Ap1~Ap4)、自動走行開始地点ps、自動走行終了地点pe、基準作業方向θp、などを自動的に特定して、目標経路Pとして図8に示す第1目標経路を生成する。そして、生成経路選択処理により、生成した第1目標経路を前述した経路選択部32などとともに液晶パネル4に表示させて、生成した第1目標経路を採用するか否かの選択をユーザに行わせる。
図7に示す第1目標経路は、前述した複数の第2直進作業経路部P2bと迂回作業経路部P4と複数の方向転換経路部P3とを有することで、目標経路生成部30Dが特定した自動走行開始地点psから自動走行終了地点peにわたるトラクタ1の自動走行を可能にしている。
図8に示す第1目標経路は、前述した複数の第2直進作業経路部P2bと複数の方向転換経路部P3とを有することで、目標経路生成部30Dが特定した自動走行開始地点psから自動走行終了地点peにわたるトラクタ1の自動走行を可能にしている。
ここで、図9に示す第1目標経路に対して、例えば、圃場におけるトラクタ1の出入口との関係から、ユーザが、自動走行終了地点peの図9に示す位置から図10~12に示す位置への変更を望む場合は、経路選択部32にて図9に示す第1目標経路などの不採用を選択した上で、基準作業方向θpを作業領域Aの短辺に沿う方向に特定し、自動走行終了地点peの位置を図10~12に示す位置に変更するための任意設定データの入力修正を行った後に、生成指令部35での指令操作を行えば、それに基づく目標経路生成部30Dの目標経路修正処理により、変更後の自動走行終了地点peに応じた第1目標経路として、例えば図10~12に示す3系統の第1目標経路を生成することができる。
図10に示す第1目標経路は、前述した複数の第1直進作業経路部P2aと、張出部37を迂回する迂回経路部分Paを備えて最終の第1直進作業経路部P2aに隣接する迂回移動経路部P5と、隣接する第1直進作業経路部P2aおよび迂回移動経路部P5の終端地点から始端地点にわたる複数の方向転換経路部P3とを有することで、目標経路生成部30Dが特定した自動走行開始地点psからユーザにより修正入力された自動走行終了地点peにわたるトラクタ1の自動走行を可能にしている。
図11に示す第1目標経路は、前述した複数の第1直進作業経路部P2aと、隣接する第1直進作業経路部P2aの終端地点から始端地点にわたる複数の方向転換経路部P3と、最終の第1直進作業経路部P2aの終端地点から自動走行終了地点peにわたる周回走行経路部P1とを有することで、目標経路生成部30Dが特定した自動走行開始地点psからユーザにより修正入力された自動走行終了地点peにわたるトラクタ1の自動走行を可能にしている。
図12に示す第1目標経路は、前述した複数の第1直進作業経路部P2aと、隣接する第1直進作業経路部P2aの終端地点から始端地点にわたる複数の方向転換経路部P3と、最終の第1直進作業経路部P2aの終端地点から最終の第1直進作業経路部P2aに隣接する最終直前の第1直進作業経路部P2aの始端地点にわたる単一の戻り方向転換経路部P6と、最終直前の第1直進作業経路部P2aの終端地点から自動走行終了地点peにわたる移動経路部P7とを有することで、最終直前の第1直進作業経路部P2aにおいては1回目の移動走行と2回目の作業走行とが行われる経路設定で、目標経路生成部30Dが特定した自動走行開始地点psからユーザにより修正入力された自動走行終了地点peにわたるトラクタ1の自動走行を可能にしている。
この場合、ユーザは、目標経路生成部30Dの生成経路選択処理により、3系統の第1目標経路に対して目標経路Pとして採用するか否かの選択を経路選択部32にて行える。 図10に示す第1目標経路を目標経路Pとして選択した場合は、目標経路Pでの非作業走行距離が比較的短くなることで、非作業走行距離の短縮による燃料消費量の削減や作業時間の短縮などを図ることができる。その反面、最終の第1直進作業経路部P2aにおいては、迂回経路部分Paに隣接する経路部位が、トラクタ1が迂回経路部分Paを自動走行するときに踏み荒らされることで未作業部分Pbとなり、これにより、最終的な作業面積が狭くなる。
図11に示す第1目標経路を目標経路Pとして選択した場合は、作業領域Aの全域にわたって作業を行える上に、トラクタ1が目標経路Pの重複する同一経路部分を複数回走行する重複走行により、その経路部分が踏み固められて作業が行い難くなる、といった不具合の発生を回避することができる。その反面、周回走行経路部P1を有することで、目標経路Pでの非作業走行距離が長くなり、これにより、燃料消費量が多くなるとともに作業時間が長くなる。
図12に示す第1目標経路を目標経路Pとして選択した場合は、作業領域Aの全域にわたって作業を行える上に、目標経路Pでの非作業走行距離が短くなることで、非作業走行距離の短縮による燃料消費量の削減や作業時間の短縮などを図ることができる。その反面、トラクタ1が最終直前の第1直進作業経路部P2aを2回走行する重複走行により、その最終直前の第1直進作業経路部P2aが踏み固められて作業が行い難くなる、といった不具合を招く虞がある。
ここで、図10に示す第2目標経路に対して、例えば、ユーザが最終の第1直進作業経路部P2aにおける未作業部分Pbの発生に不満を感じた場合は、経路選択部32にて図10に示す第2目標経路の不採用を選択した上で、修正用の優先項目として作業面積の最大化を選択した後に、生成指令部35での指令操作を行えば、それに基づく目標経路生成部30Dの目標経路修正処理により、作業面積の最大化に基づく修正後の第2目標経路として、例えば図11~12に示す2系統の第2目標経路を生成することができる。
また、上記のように図10に示す第2目標経路に対して不満を感じた場合に、例えば、経路選択部32にて図10に示す第2目標経路の不採用を選択した上で、修正用の優先項目として作業面積の最大化と重複経路部P0の生成回避とを選択した後に、生成指令部35での指令操作を行えば、それに基づく目標経路生成部30Dの目標経路修正処理により、作業面積の最大化と重複経路部P0の生成回避とに基づく修正後の第2目標経路として、例えば図11に示す第2目標経路を生成することができる。
さらに、上記のように図10に示す第2目標経路に対して不満を感じた場合に、例えば、経路選択部32にて図10に示す第2目標経路の不採用を選択した上で、修正用の優先項目として作業面積の最大化と非作業走行距離の最短化とを選択した後に、生成指令部35での指令操作を行えば、それに基づく目標経路生成部30Dの目標経路修正処理により、作業面積の最大化と非作業走行距離の最短化とに基づく修正後の第2目標経路として、例えば図12に示す第2目標経路を生成することができる。
図13に示す第2目標経路は、前述した複数の第2直進作業経路部P2bと、張出部38を迂回する共通の迂回経路部分Paを有する2本の迂回作業経路部P4と、隣接する第1直進作業経路部P2aおよび迂回作業経路部P4の終端地点から始端地点にわたる複数の方向転換経路部P3とを有することで、ユーザにより任意入力された自動走行開始地点psから自動走行終了地点peにわたるトラクタ1の自動走行を可能にしている。
この場合、共通の迂回経路部分Paは、トラクタ1の自動走行においてトラクタ1が重複走行する重複経路部P0となり、これにより、迂回経路部分Paが、トラクタ1の重複走行で踏み固められて作業が行い難くなる、といった不具合を招く虞がある。
ここで、図13に示す第1目標経路に対して、例えば、ユーザが重複経路部P0の存在に不満を感じた場合は、経路選択部32にて図13に示す第1目標経路などの不採用を選択した上で、修正用の優先項目として重複経路部P0の生成回避を選択した後に、生成指令部35での指令操作を行えば、それに基づく目標経路生成部30Dの目標経路修正処理により、重複経路部P0の生成回避に基づく修正後の第1目標経路として、例えば図14~15に示す2系統の第1目標経路を生成することができる。
目標経路生成部30Dは、図15に示す第1目標経路を生成する上において、9箇所の作業領域特定地点Ap1~Ap9を選定して、凹形状の作業領域Aを、領域の広いL字形状の第1領域A1と領域の狭い矩形状の第2領域A2との2つに自動的に区画し、第1領域A1および第2領域A2における走行開始地点と走行終了地点とを自動的に特定する。 図14に示す第1目標経路は、前述した複数の第2直進作業経路部P2bと、張出部38を迂回する迂回経路部分Paを備えた2本の迂回作業経路部P4と、隣接する第1直進作業経路部P2aおよび迂回作業経路部P4の終端地点から始端地点にわたる複数の方向転換経路部P3とを有することで、目標経路生成部30Dが特定した自動走行開始地点psから自動走行終了地点peにわたるトラクタ1の自動走行を可能にしている。つまり、図14に示す第1目標経路は、2本の迂回作業経路部P4を有することで、図13に示す第1目標経路では生成されていたトラクタ1が重複走行する重複経路部P0がなくなり、これにより、その重複経路部P0が踏み固められて作業が行い難くなる、といった不具合の発生を回避することができる。
図15に示す第1目標経路は、第1領域A1の広域部に生成される前述した複数の第2直進作業経路部P2bと、第2直進作業経路部P2bと同様の配置設定で第1領域A1の狭域部に生成される複数の第3直進作業経路部P2cと、第2直進作業経路部P2bと同様の配置設定で第2領域A2に生成される第4直進作業経路部P2dと、隣接する第1直進作業経路部P2a~第4直進作業経路部P2dの終端地点から始端地点にわたる複数の方向転換経路部P3と、張出部38を迂回する迂回経路部分Paを備えて第1領域A1での走行終端地点から第2領域A2での走行開始地点にわたる単一の迂回移動経路部P8とを有することで、目標経路生成部30Dが特定した自動走行開始地点psから自動走行終了地点peにわたるトラクタ1の自動走行を可能にしている。つまり、図15に示す第1目標経路は、単一の迂回移動経路部P8を有することで、図13に示す第1目標経路では生成されていたトラクタ1が重複走行する重複経路部P0がなくなり、これにより、その重複経路部P0が踏み固められて作業が行い難くなる、といった不具合の発生を回避することができる。
図16に示す第2目標経路は、前述した複数の第2直進作業経路部P2bと、隣接する第2直進作業経路部P2bの終端地点から始端地点にわたる複数の方向転換経路部P3とを有することで、ユーザにより任意入力された自動走行開始地点psから自動走行終了地点peにわたるトラクタ1の自動走行を可能にしている。
図17に示す第1目標経路は、前述した複数の第2直進作業経路部P2bと、隣接する第2直進作業経路部P2bの終端地点から始端地点にわたる複数の方向転換経路部P3とを有することで、目標経路生成部30Dが特定した自動走行開始地点psから自動走行終了地点peにわたるトラクタ1の自動走行を可能にしている。
図17に示す第1目標経路における複数の第2直進作業経路部P2bは、トラクタ1が第2直進作業経路部P2bを自動走行するときに、作業幅の重複量が台形状の作業領域Aに応じて徐々に変化するように、各第2直進作業経路部P2bの方位が、作業領域Aが台形状であることに基づいて、基準作業方向θpに対して異なる調整角θaを有するように設定されている。
これにより、圃場中央側の作業領域Aにおいてトラクタ1の自動走行による耕耘作業が行われた後は、その周囲に残る未作業領域からなる周回走行経路部P1の横幅を、作業幅の整数倍と同じまたは略同じにすることができる。その結果、トラクタ1の手動運転または自動走行によるトラクタ1の周回作業走行が行い易くなる。
これにより、ユーザは、目標経路生成部30Dが複数の目標経路Pを生成した場合に、それらの差を容易に視認することができ、より自身の価値観などに適した目標経路Pを容易に選択することができる。
これにより、目標経路生成部30Dは、測位データ取得部30Bが取得したトラクタ1の現在位置に基づく前述した圃場データ確認処理と、その圃場データと車体データとに基づく前述した目標経路確認処理とを行うことができる。
例えば、操作画面表示処理でのユーザの操作によって入力された複数の作業領域特定地点から特定した作業領域Aが狭すぎて目標経路Pの生成が不可能な場合は、先ず、エラー表示処理において、「目標経路生成エラー」と「作業領域が狭すぎるため、目標経路が生成されませんでした。」などのエラーメッセージを液晶パネル4に表示させてユーザに知らせる。その後、解決策表示処理において、作業対象の圃場の形状と、この圃場の形状に対して適正な作業領域Aと、この適正な作業領域Aへの設定変更を確認するためのメッセージなどを液晶パネル4に表示させてユーザに知らせる。
例えば、操作画面表示処理でのユーザの操作によって入力された複数の作業領域特定地点から特定した作業領域Aの形状が複雑すぎて目標経路Pの生成が不可能な場合は、先ず、エラー表示処理において、「目標経路生成エラー」と「作業領域が複雑すぎるため、目標経路が生成されませんでした。」などのエラーメッセージを液晶パネル4に表示させてユーザに知らせる。その後、解決策表示処理において、作業対象の圃場の形状と、この圃場の形状に対して適正に簡略化された作業領域Aと、この簡略化された作業領域Aへの設定変更を確認するためのメッセージなどを液晶パネル4に表示させてユーザに知らせる。
例えば、操作画面表示処理でのユーザの操作によって入力された基準作業方向θpが不適切で目標経路Pの生成が不可能な場合は、先ず、エラー表示処理において、「目標経路生成エラー」と「基準作業方向が不適切なため、目標経路が生成されませんでした。」などのエラーメッセージを液晶パネル4に表示させてユーザに知らせる。その後、解決策表示処理において、作業対象の圃場の形状と、この圃場の形状に対して適正な基準作業方向θpと、この適正な基準作業方向θpへの設定変更を確認するためのメッセージなどを液晶パネル4に表示させてユーザに知らせる。
これにより、ユーザが任意設定データの入力操作に慣れている場合は、通常操作を行うことにより、自身の価値観などに基づく目標経路P(第2目標経路)を得ることができる。また、ユーザが任意設定データの入力操作が苦手な場合は、簡易操作を行うことにより、自身の価値観などに適した目標経路P(第1目標経路)を手間なく得ることができる。そして、ユーザが、生成された目標経路Pに対して不満を感じた場合は、その不満を解消するための修正操作として、任意データ入力部33での任意設定データの修正入力または追加入力、あるいは、優先項目選択部34での優先項目の追加選択などを行うことにより、不満が解消された目標経路Pを得ることができる。
本発明の他の実施形態について説明する。
なお、以下に説明する各実施形態の構成は、それぞれ単独で適用することに限らず、他の実施形態の構成と組み合わせて適用することも可能である。
例えば、作業車両1は、エンジン10と走行用の電動モータとを備えるハイブリット仕様に構成されていてもよく、また、エンジン10に代えて走行用の電動モータを備える電動仕様に構成されていてもよい。
例えば、作業車両1は、左右の後輪8が操舵輪として機能する後輪ステアリング仕様に構成されていてもよい。
例えば、作業車両1は、左右の後輪8に代えて左右のクローラを備えるセミクローラ仕様に構成されていてもよい。
例えば、作業車両1は、左右の前輪7と左右の後輪8とに代えて左右のクローラを備えるフルクローラ仕様に構成されていてもよい。
第1構成は、作業車両用の目標経路生成システムにおいて、
自動走行用の目標経路を生成するのに必要な基本データを記憶する記憶部と、
前記目標経路の生成に関する優先項目を選択させる優先項目選択部と、
前記基本データと選択された優先項目とに基づいて前記目標経路を生成する目標経路生成部と、
を有している点にある。
これにより、ユーザは、例えば、複数の作業領域特定地点、作業開始位置、作業開始方向、作業終了位置などの目標経路の生成に必要な任意設定データを入力しなくても、自身の価値観などに応じた優先項目の選択操作を行うだけで、自身の価値観などに適した目標経路を得ることができる。
つまり、ユーザに任意設定データの入力を強いることなく、ユーザの価値観などに適した自動走行用の目標経路を生成することができ、自動走行による作業の有益化を図ることができる。
前記目標経路生成部が複数の前記目標経路を生成した場合に、それら複数の前記目標経路から択一的に選択させる経路選択部を有している点にある。
前記目標経路生成部は、1つの前記優先項目に対して複数の前記目標経路を生成する点にある。
目標経路生成用の任意設定データが入力される任意データ入力部を有し、
前記目標経路生成部は、前記基本データと前記優先項目とに基づく第1目標経路と、前記基本データと前記任意設定データとに基づく第2目標経路と、を含む複数の前記目標経路を生成する点にある。
これにより、ユーザが任意設定データの入力が苦手な場合は、簡易操作を行うことにより、自身の価値観などに適した第1目標経路を手間なく得ることができる。また、ユーザが任意設定データの入力に慣れている場合は、通常操作を行うことにより、自身の価値観などに基づく第2目標経路を得ることができる。
その結果、任意設定データの入力が苦手なユーザにおいては、簡易な選択操作を行うことで自動走行による作業の有益化を図ることができる。また、任意設定データの入力に慣れたユーザにおいては、任意設定データの入力を適正に行うことで、自動走行による作業の有益化をより効果的に図ることができる。
前記目標経路を表示する表示部を有し、
前記表示部は、前記目標経路生成部が複数の前記目標経路を生成した場合に、それら複数の前記目標経路とともに複数の前記目標経路の差を表示する点にある。
目標経路生成用の任意設定データの少なくとも一部が入力される任意データ入力部を有し、
前記目標経路生成部は、前記任意設定データに基づいて前記第1目標経路を修正する点にある。
具体的には、ユーザが、目標経路の自動走行開始地点や自動走行終了地点が、作業地における作業車両の出入口から離れている、といった不満を感じた場合は、その不満を解消するのに適した自動走行開始地点や自動走行終了地点を任意データ入力部において入力すると、目標経路生成部が、ユーザにより入力された自動走行開始地点や自動走行終了地点に基づいて、優先項目に応じた目標経路を修正することから、ユーザは、自動走行開始地点や自動走行終了地点が、作業地における作業車両の出入口から近い位置に設定された目標経路を得ることができる。
その結果、ユーザは、比較的簡易な操作を行うことで、より自身の価値観などに適した目標経路を得ることができ、自動走行による作業の有益化をより効果的に図ることができる。
前記優先項目には、作業面積の最大化と、非作業走行距離の最短化と、前記作業地の外周に沿う周回走行経路部の適正化と、重複経路部分の生成回避のうちの少なくとも1つが含まれている点にある。
例えば、優先項目が非作業走行距離の最短化であれば、この優先項目に基づいて、目標経路生成部は、作業車両の自動走行において、非作業走行に要する燃料消費量の削減や作業時間の短縮などを図れる目標経路を生成する。
例えば、優先項目が周回走行経路部の適正化であれば、この優先項目に基づいて、目標経路生成部は、作業車両の自動走行において、作業地の中央側を走行して作業した後の未作業領域となる周回走行経路部の横幅が、作業地の形状にかかわらず、作業車両の作業幅の整数倍と同じまたは略同じになる目標経路を生成する。これにより、作業車両の自動走行または手動運転による周回作業走行が行い易くなる。この目標経路は、作業車両の一例である耕耘仕様のトラクタによる耕耘作業や乗用田植機による植え付け作業などを自動走行で行う場合に好適である。
例えば、優先項目が重複経路部の生成回避であれば、この優先項目に基づいて、目標経路生成部は、重複する経路部分が存在しない目標経路を生成する。これにより、作業車両の自動走行において、作業車両が目標経路の重複する同一経路部分を複数回走行する重複走行により、その経路部分が踏み固められて作業が行い難くなる、といった不具合の発生を回避することができる。この目標経路は、作業車両の一例である耕耘仕様のトラクタによる耕耘作業や乗用田植機による植え付け作業などを自動走行で行う場合に好適である。
つまり、それぞれの優先項目に応じた目標経路を生成することができ、これにより、ユーザによって異なる価値観などに適した自動走行による作業の有益化を図り易くなる。
30A 記憶部
30D 目標経路生成部
32 経路選択部
33 任意データ入力部
34 優先項目選択部
P 目標経路
Claims (7)
- 作業車両を自動走行開始地点から自動走行終了地点まで自動走行させるための目標経路を生成する目標経路生成部を備え、
前記目標経路は、平行に配置設定された複数の直進作業経路部を含み、
前記複数の直進作業経路部のうち、最終の直進作業経路部以外であって当該最終の直進作業経路部の進行方向とは反対方向となる一の直進作業経路部においては、前記作業車両が複数回走行する重複走行が行われ、当該重複走行における1回目の走行は非作業走行であって2回目の走行は作業走行である、
作業車両用の目標経路生成システム。 - 前記目標経路は、前記最終の直進作業経路部の終端地点から前記一の直進作業経路部の始端地点にわたる戻り方向転換経路部を含む、
請求項1に記載の作業車両用の目標経路生成システム。 - 前記一の直進作業経路部は、前記複数の直線作業経路部のうち前記最終の直進作業経路部の直前の直線作業経路部である、
請求項1又は2に記載の作業車両用の目標経路生成システム。 - 前記目標経路に含まれる直進作業経路部の数は奇数である、
請求項1~3のいずれか一項に記載の作業車両用の目標経路生成システム。 - 前記自動走行開始地点と前記自動走行終了地点とは、前記複数の直進作業経路部が設定される作業領域の同一辺側に配置される、
請求項1~4のいずれか一項に記載の作業車両用の目標経路生成システム。 - 前記目標経路生成部は、前記目標経路の生成に必要な基本データと前記目標経路の生成に関する優先項目とに基づいて前記目標経路を生成する、
請求項1~5のいずれか1項に記載の作業車両用の目標経路生成システム。 - 前記優先項目には、作業面積の最大化と、非作業走行距離の最短化と、作業地の外周に沿う周回走行経路部の適正化と、重複経路部分の生成回避とのうちの少なくとも1つが含まれている、
請求項6に記載の作業車両用の目標経路生成システム。
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