JP2024007652A - 自動走行方法、自動走行システム、およびプログラム - Google Patents

自動走行方法、自動走行システム、およびプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】オフセット作業機を作業車両に装着して自動走行による作業を行う際に、手動操向に慣れていないオペレータが作業車両に搭乗した場合でも、オフセット作業機による作業を効率よく行うことを可能にする。【解決手段】自動走行方法は、作業車両に対して左右いずれかの方向にずれて装着された作業機の作業幅の情報を取得することと、作業車両の基準となる走行方向および走行経路を示す基準線を生成することと、基準線が示す走行方向と同じ方向に作業車両が走行する際の目標経路として、基準線に対して作業幅の間隔で並ぶ第1目標経路を生成することと、基準線が示す走行方向と逆方向に作業車両が走行する際の目標経路として、第1目標経路とずれた位置に、作業幅の間隔で並ぶ第2目標経路を生成することと、第1目標経路および第2目標経路のいずれかに沿って前記作業車両を自動走行させることと、を含む。【選択図】図10

Description

本発明は、自動走行方法、自動走行システム、およびプログラムに関する。
トラクタなどの作業車両に耕耘機などの作業機を装着して、作業車両を自動走行させる技術が知られている。自動走行のモードとしては、例えば特許文献1に開示された走行モードがある。上記走行モードでは、作業車両の直進走行のみを自動で行う。したがって、旋回走行においては、オペレータ(操縦者、ユーザ)による手動操向が行われる。
上記走行モードにおける自動走行は、予め生成される走行予定ルート(目標経路)に沿って行われる。上記の目標経路は、以下のようにして生成される。まず、作業機が作業を開始する位置に作業車両を位置させて始点を設定する。その後、手動操作で作業車両を直進走行させ、終端位置に来たときに終点を設定する。そして、始点と終点とを結ぶ基準線を設定する。目標経路は、基準線と平行でかつ作業機の作業幅の間隔で生成される。
特許文献1では、作業車両の真後ろに作業機を装着して作業を行うことを想定している。これに対して、例えば特許文献2では、作業車両に対して左右いずれかの方向にずれた位置に作業機を装着し、自動走行により作業を行う場合の走行経路が検討されている。特許文献2では、上記走行経路として、作業領域の外周形状に応じた周回経路と、周回経路よりも内側に位置する内側経路とを生成している。そして、作業車両を周回経路に沿って自動走行させて作業を終えた後、内側領域を自動走行させて作業を行うようにしている。内側領域では、作業車両の往復走行により、作業機による作業が行われる。
特開2019-054746号公報 特開2020-184973号公報
作業車両に対して左右方向にずれて位置する作業機(オフセット作業機)によって作業を行う場合、作業幅間隔で等ピッチで生成される目標経路に沿って作業車両を往復走行させると、オフセット作業機によって実際に作業が行われた作業済み領域が等ピッチで並ばず、結果的に重複作業領域が生じる可能性がある(この点の詳細については後述する)。重複作業領域が生じる作業は、作業の重複を招く点で効率のよい作業であるとは言い難い。
特に、作業車両の直進走行のみを自動で行う走行モードでは、旋回走行を手動操向によって行う場合に、手動操向に慣れていないオペレータは、直進走行後、次にどの目標経路に入ればよいか(どの目標経路に入れば作業済み領域を等ピッチにできるか)を認識することが難しく、そのような認識に基づく手動操向の修正も困難である。このため、上記走行モードでは、特に、手動操向に慣れていないオペレータが作業車両に搭乗したときに、効率のよい作業を行うことが困難であるという上記の問題が顕著となる。
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたものであり、その目的は、オフセット作業機を作業車両に装着して自動走行による作業を行う際に、手動操向に慣れていないオペレータが作業車両に搭乗した場合でも、オフセット作業機による作業を効率よく行うことができる自動走行方法、自動走行システム、およびプログラムを提供することにある。
本発明の一側面に係る自動走行方法は、作業車両に対して左右いずれかの方向にずれて装着された作業機の作業幅の情報を取得することと、前記作業車両の基準となる走行方向および走行経路を示す基準線を生成することと、前記基準線が示す前記走行方向と同じ方向に前記作業車両が走行する際の目標経路として、前記基準線に対して前記作業幅の間隔で並ぶ第1目標経路を生成することと、前記基準線が示す前記走行方向と逆方向に前記作業車両が走行する際の目標経路として、前記第1目標経路とずれた位置に、前記作業幅の間隔で並ぶ第2目標経路を生成することと、前記第1目標経路および前記第2目標経路のいずれかに沿って前記作業車両を自動走行させることと、を含む。
本発明の他の側面に係る自動走行システムは、作業車両に対して左右いずれかの方向にずれて装着された作業機の作業幅の情報を取得する車体情報取得部と、前記作業車両の基準となる走行方向および走行経路を示す基準線を生成する基準線生成部と、前記基準線が示す前記走行方向と同じ方向に前記作業車両が走行する際の目標経路として、前記基準線に対して前記作業幅の間隔で並ぶ第1目標経路を生成する第1目標経路生成部と、前記基準線が示す前記走行方向と逆方向に前記作業車両が走行する際の目標経路として、前記第1目標経路とずれた位置に、前記作業幅の間隔で並ぶ第2目標経路を生成する第2目標経路生成部と、前記第1目標経路および前記第2目標経路のいずれかに沿って前記作業車両を自動走行させる自動走行制御部と、を備える。
本発明のさらに他の側面に係るプログラムは、作業車両に対して左右いずれかの方向にずれて装着された作業機の作業幅の情報を取得することと、前記作業車両の基準となる走行方向および走行経路を示す基準線を生成することと、前記基準線が示す前記走行方向と同じ方向に前記作業車両が走行する際の目標経路として、前記基準線に対して前記作業幅の間隔で並ぶ第1目標経路を生成することと、前記基準線が示す前記走行方向と逆方向に前記作業車両が走行する際の目標経路として、前記第1目標経路とずれた位置に、前記作業幅の間隔で並ぶ第2目標経路を生成することと、前記第1目標経路および前記第2目標経路のいずれかに沿って前記作業車両を自動走行させることと、をコンピュータに実行させるためのプログラムである。
オフセット作業機を作業車両に装着して自動走行による作業を行う際に、手動操向に慣れていないオペレータが作業車両に搭乗した場合でも、オフセット作業機による作業を効率よく行うことができる。
本発明の実施の一形態に係る自動走行システムの概略の構成を示す説明図である。 上記自動走行システムの概略の構成を示すブロック図である。 上記自動走行システムの作業車両に装着される作業機の情報が入力される表示デバイスの表示画面を示す説明図である。 上記自動走行システムが有する目標経路生成部の詳細な構成を示すブロック図である。 上記作業車両が走行する目標経路としての第1周回経路を示す説明図である。 上記目標経路としての第2周回経路を示す説明図である。 上記目標経路としての内側経路を示す説明図である。 作業機が作業車両の真後ろに装着されて作業を行う場合の上記目標経路を模式的に示す説明図である。 上記作業機による作業後の重複作業領域を模式的に示す説明図である。 上記作業車両が自動走行する際の動作の流れを示すフローチャートである。 上記作業機の作業幅およびオフセット量を示す説明図である。 上記目標経路生成部が生成した第1目標経路を模式的に示す説明図である。 上記目標経路生成部が生成した第2目標経路を模式的に示す説明図である。 上記目標経路生成部が生成した基準線と上記第2目標経路との位置関係を模式的に示す説明図である。 上記第1目標経路と上記第2目標経路との位置関係を模式的に示す説明図である。 上記作業機による作業が行われるレーンを模式的に示す説明図である。 上記第1目標経路と上記第2目標経路を、表示デバイスの画面に同時に表示した状態を模式的に示す説明図である。
本発明の実施の形態について、図面に基づいて説明すれば、以下の通りである。なお、本実施形態では、作業車両としてトラクタを例に挙げて説明するが、乗用型の作業車両であればよい。トラクタ以外の乗用型の作業車両としては、例えば、各種の収穫機、草刈機、田植機、コンバイン、土木・建築作業機械(ホイールローダなど)、除雪車等が考えられる。
また、本明細書では、方向を以下のように定義する。まず、作業車両としてのトラクタが作業時に進行する方向を「前」とし、その逆方向を「後」とする。また、トラクタの進行方向に向かって右側を右とし、左側を左とする。そして、トラクタの前後方向および左右方向に垂直な方向を上下方向とする。このとき、重力方向を下とし、その反対側を上とする。
〔1.自動走行システムの構成〕
図1は、本実施形態の自動走行システム100の概略の構成を示す説明図である。自動走行システム100は、作業車両としてのトラクタ1を含む。トラクタ1は、その後部に3点リンク機構2を介して、作業機の一例であるオフセットモア3が昇降可能かつローリング可能に連結されている。これにより、トラクタ1は、草刈り仕様に構成されている。
オフセットモア3は、トラクタ1の後方に、トラクタ1に対して左右いずれかの方向にずれて装着されたオフセット作業機である。トラクタ1の後方には、オフセットモア3に代えて、ロータリ耕耘装置、プラウ、ディスクハロー、カルチベータ、サブソイラ、播種装置、散布装置等の各種の作業機を連結することもできる。
図2は、自動走行システム100の概略の構成を示すブロック図である。自動走行システム100には、トラクタ1に搭載された自動走行ユニット4と、携帯通信端末5とが含まれる。携帯通信端末5は、自動走行ユニット4と無線通信可能に通信設定された無線通信機器の一例である。携帯通信端末5には、表示デバイス50等が設けられる。表示デバイス50は、自動走行に関する各種の情報表示および入力操作等を可能にするマルチタッチ式のデバイスであり、例えば液晶パネルで構成される。
なお、携帯通信端末5には、タブレット型のパーソナルコンピュータ、スマートフォン等を採用することができる。無線通信には、Wi-Fi(登録商標)等の無線LAN(Local Area Network)、Bluetooth (登録商標)等の近距離無線通信等を採用することができる。
図1に示すように、トラクタ1には、駆動可能で操舵可能な左右の前輪10と、駆動可能な左右の後輪11と、搭乗式の運転部12を形成するキャビン13と、コモンレールシステムを有する電子制御式のディーゼルエンジン(以下、エンジンと称する)14と、エンジン14等を覆うボンネット15と、が設けられる。
図2に示すように、トラクタ1には、エンジン14からの動力を変速する変速ユニット16と、左右の前輪10を操舵する全油圧式のパワーステアリングユニット17と、左右の後輪11を制動するブレーキユニット18と、オフセットモア3への伝動を断続する電子油圧制御式の作業クラッチユニット19と、オフセットモア3を昇降駆動する電子油圧制御式の昇降駆動ユニット20と、オフセットモア3をロール方向に駆動する電子油圧制御式のローリングユニット21と、トラクタ1における各種の設定状態および各部の動作状態等を検出する車両状態検出機器22と、各種の制御部を有する車載制御ユニット23と、が設けられる。
なお、エンジン14には、電子ガバナを有する電子制御式のガソリンエンジン等を採用してもよい。また、パワーステアリングユニット17には、操舵用の電動モータを有する電動式を採用してもよい。
図1に示すように、運転部12には、手動操舵用のステアリングホイール25と、オペレータが着座する座席26と、各種の情報表示および入力操作等を可能にするマルチタッチ式の液晶モニタ27とが設けられる。図示は省略するが、運転部12には、操作レバー類および操作ペダル類も設けられる。操作レバー類は、アクセルレバー、変速レバー等を含む。操作ペダル類は、アクセルペダル、クラッチペダル等を含む。
変速ユニット16(図2参照)には、エンジン14からの動力を変速する電子制御式の無段変速装置が含まれる。無段変速装置には、例えばI-HMT(Integrated Hydro-static Mechanical Transmission)が採用されている。I-HMTは、静油圧式無段変速装置(HST:Hydro Static Transmission)よりも伝動効率が高い油圧機械式無段変速装置の一例である。
変速ユニット16には、無段変速装置による変速後の動力を前進用と後進用とに切り換える電子油圧制御式の前後進切換装置が含まれる。前後進切換装置には、前進動力断続用の油圧クラッチと、後進動力断続用の油圧クラッチと、それらに対するオイルの流れを制御する電磁バルブとが含まれる。
無段変速装置には、I-HMTの代わりに、油圧機械式無段変速装置の一例であるHMT(Hydraulic Mechanical Transmission)が採用されてもよい。また、無段変速装置には、HSTまたはベルト式無段変速装置が採用されてもよい。
変速ユニット16には、無段変速装置の代わりに、複数の変速用の油圧クラッチとそれらに対するオイルの流れを制御する複数の電磁バルブとを有する電子油圧制御式の有段変速装置が含まれていてもよい。
ブレーキユニット18(図2参照)には、左右の後輪11を個別に制動する左右のブレーキのほか、フットブレーキ系、パーキングブレーキ系、および旋回ブレーキ系が含まれる。フットブレーキ系は、運転部12に設けられた左右のブレーキペダルの踏み込み操作に連動して左右のブレーキを作動させる。パーキングブレーキ系は、運転部12に設けられたパーキングレバーの操作に連動して左右のブレーキを作動させる。旋回ブレーキ系は、左右の前輪10の設定角度以上の操舵に連動して旋回内側のブレーキを作動させる。
車両状態検出機器22(図2参照)は、トラクタ1の各部に備えられた各種のセンサおよびスイッチ等の総称である。具体的には、車両状態検出機器22には、トラクタ1の車速を検出する車速センサと、エンジン14の出力回転数を検出する回転センサと、アクセルレバーの操作位置を検出するアクセルセンサと、変速レバーの操作位置を検出する変速用の第1位置センサと、前後進切り換え用のリバーサレバーの操作位置を検出する前後進切り換え用の第2位置センサと、前輪10の操舵角を検出する舵角センサとが含まれる。
図2に示すように、車載制御ユニット23には、エンジン制御部23A、車速制御部23B、ステアリング制御部23C、作業機制御部23D、表示制御部23E、自動走行制御部23F、および車載記憶部23Gが含まれる。
エンジン制御部23Aは、エンジン14に関する制御を行う。車速制御部23Bは、トラクタ1の車速および前後進の切り換えに関する制御を行う。ステアリング制御部23Cは、ステアリングに関する制御を行う。作業機制御部23Dは、オフセットモア3等の作業機に関する制御を行う。表示制御部23Eは、液晶モニタ27等に対する表示および報知に関する制御を行う。自動走行制御部23Fは、自動走行に関する制御を行う。車載記憶部23Gは、生成された自動走行用の目標経路T(図5~図7参照)等を記憶する不揮発性のメモリである。
エンジン制御部23A、車速制御部23B、ステアリング制御部23C、作業機制御部23D、表示制御部23E、および自動走行制御部23Fは、マイクロコントローラ等が集積された電子制御ユニットや各種の制御プログラム等によって構築されており、CAN(Controller Area Network)を介して相互通信可能に接続されている。
エンジン制御部23A、車速制御部23B、ステアリング制御部23C、作業機制御部23D、表示制御部23E、および自動走行制御部23Fの相互通信には、CAN以外の通信規格または次世代通信規格が採用されてもよい。例えば、車載Ethernet、CAN-FD(CAN with Flexible Data rate)等が採用されてもよい。
エンジン制御部23Aは、アクセルセンサからの検出情報と、回転センサからの検出情報とに基づいて、エンジン回転数をアクセルレバーの操作位置に応じた回転数に維持するエンジン回転数維持制御を実行する。
車速制御部23Bは、第1位置センサからの検出情報と、車速センサからの検出情報等とに基づいて、トラクタ1の車速が変速レバーの操作位置に応じた速度に変更されるように無段変速装置の作動を制御する車速制御、および、第2位置センサからの検出情報に基づいて前後進切換装置の伝動状態を切り換える前後進切り換え制御を実行する。車速制御には、変速レバーが零速位置に操作された場合に、無段変速装置を零速状態まで減速制御してトラクタ1の走行を停止させる減速停止処理が含まれる。
作業機制御部23Dは、作業クラッチ制御、昇降制御、およびローリング制御を実行する。作業クラッチ制御では、PTOスイッチの操作等に基づいて、作業クラッチユニット19の作動を制御する。昇降制御では、昇降スイッチの操作、高さ設定ダイヤルの設定値等に基づいて、昇降駆動ユニット20の作動を制御する。ローリング制御では、ロール角設定ダイヤルの設定値等に基づいて、ローリングユニット21の作動を制御する。なお、上記のPTOスイッチ、昇降スイッチ、高さ設定ダイヤル、およびロール角設定ダイヤルは、車両状態検出機器22に含まれる。
図2に示すように、トラクタ1には、測位ユニット30が設けられる。測位ユニット30は、トラクタ1の現在位置(緯度、経度)および現在方位等を測定する。より詳しくは、測位ユニット30は、衛星航法装置31および慣性計測装置(IMU:Inertial Measurement Unit)32を有する。衛星航法装置31は、衛星測位システム(NSS:Navigation Satellite System)の一例であるGNSS(Global Navigation Satellite System)を利用して、トラクタ1の現在位置と現在方位とを測定する。慣性計測装置は、3軸のジャイロスコープおよび3方向の加速度センサ等を有して、トラクタ1の姿勢や方位等を測定する。
GNSSを利用した測位方法には、DGNSS(Differential GNSS:相対測位方式)、RTK-GNSS(Real Time Kinematic GNSS:干渉測位方式)等がある。本実施形態においては、移動体の測位に適したRTK-GNSSが採用されている。そのため、図1に示すように、作業地周辺の既知位置には、RTK-GNSSによる測位を可能にする基準局6が設置されている。
図2に示すように、トラクタ1には、第1GNSSアンテナ33と、第1通信モジュール34とが設けられる。また、図1および図2に示すように、基準局6には、第2GNSSアンテナ60と、第2通信モジュール61とが設けられる。第1GNSSアンテナ33および第2GNSSアンテナ60は、測位衛星7(図1参照)から送信された電波を受信する。第1通信モジュール34および第2通信モジュール61は、トラクタ1と基準局6との間における測位情報を含む各情報の無線通信を可能にする通信モジュールである。この構成により、測位ユニット30の衛星航法装置31は、トラクタ1側の第1GNSSアンテナ33が測位衛星7からの電波を受信して得た測位情報と、基準局6側の第2GNSSアンテナ60が測位衛星7からの電波を受信して得た測位情報とに基づいて、トラクタ1の現在位置および現在方位を高い精度で測定することができる。測位ユニット30は、衛星航法装置31と慣性計測装置32とを有することにより、トラクタ1の現在位置、現在方位、姿勢角(ヨー角、ロール角、ピッチ角)を高精度に測定することができる。
トラクタ1において、測位ユニット30の慣性計測装置32、第1GNSSアンテナ33、および第1通信モジュール34は、図1に示すアンテナユニット35に含まれる。アンテナユニット35は、キャビン13の前面側における上部の左右中央箇所に配置されている。そして、トラクタ1における第1GNSSアンテナ33の取り付け位置が、GNSSを利用してトラクタ1の現在位置等を測定するときの測位対象位置となっている。
図2に示すように、携帯通信端末5には、上記の表示デバイス50の他、端末制御ユニット51および第3通信モジュール52が設けられる。端末制御ユニット51は、マイクロコントローラ等が集積された電子制御ユニットと、各種の制御プログラムの記憶部等を有する。第3通信モジュール52は、トラクタ1側の第1通信モジュール34との間における、測位情報を含む各情報の無線通信を可能にする通信モジュールである。
端末制御ユニット51には、表示制御部51Aと、車体情報取得部51Bと、作業領域情報取得部51Cと、目標経路生成部51Dと、端末記憶部51Eとが含まれる。表示制御部51Aは、表示デバイス50等に対する表示および報知に関する制御を行う。車体情報取得部51Bは、オフセットモア3に関する情報(作業機情報)を含む後述の車体情報を取得する。作業領域情報取得部51Cは、作業領域情報を取得する。作業領域情報は、オフセットモア3による作業の対象となる作業領域(例えば圃場)の情報である。作業領域情報には、作業領域の位置情報および地形情報が含まれる。目標経路生成部51Dは、自動走行用の目標経路を生成する。端末記憶部51Eは、ユーザが表示デバイス50を操作して入力した入力情報、外部から第3通信モジュール52を介して取得した情報、目標経路生成部51Dが生成した目標経路、端末制御ユニット51の制御プログラム等を記憶する不揮発性のメモリである。
目標経路生成部51Dが目標経路を生成するにあたり、携帯通信端末5の表示デバイス50に表示された目標経路の設定用の入力案内に従って、ユーザは、トラクタ1等の作業車両の機種、オフセットモア3等の作業機の種類および作業幅等の作業機情報を入力する。これにより、車体情報取得部51Bは、上記作業機情報を車体情報として取得することができる。なお、携帯通信端末5の上記ユーザは、トラクタ1に乗車するオペレータと同一人物であってもよいし、異なる人物であってもよい。
図3は、表示デバイス50に表示される作業機情報の入力画面(編集画面)を示している。図3に示すように、例えば、登録名が「作業機AA」である作業機について、ユーザは、作業機長さ、作業機幅、作業幅、オフセット量、オフセット幅等の各種の情報を入力することができる。ここで、作業機長さは、作業車両の後端から作業機の後端までの前後方向の長さである。作業機幅は、作業機の左右方向の幅である。作業幅は、作業機において実際に作業が行われる領域の左右方向の幅であり、通常、作業機幅よりも狭い。オフセット量は、トラクタ中心と作業機中心との左右方向のズレ量である。オフセット幅は、作業機によって作業が行われる領域が左右方向に並ぶ場合の隣り合う領域同士の間隔である。隣り合う領域同士が重複するように作業を行う場合は、オーバーラップ量(重複部分の幅)を設定することも可能である。また、作業機AAを装着した場合に、後進運転を可能とするか否か、作業機昇降を自動とするか手動とするか、PTOの自動駆動をONとするかOFFとするか等について、ユーザは上記入力画面にて選択することができる。
作業領域情報取得部51Cは、端末記憶部51Eまたは外部のデータベース等に格納されている地図情報等から、作業領域の位置情報、形状情報等の作業領域情報を取得する。作業領域情報取得部51Cは、地図情報に限らず、例えば、作業領域の形状や位置等を実際に計測したときの計測情報等から作業領域情報を取得することもでき、各種の手法を用いて作業領域情報を取得することができる。
車体情報取得部51Bにて取得された車体情報、および作業領域情報取得部51Cにて取得された作業領域情報は、端末記憶部51Eに記憶される。目標経路生成部51Dは、上記車体情報および上記作業領域情報を用いて、作業領域内に目標経路を生成する。
〔2.目標経路について〕
以下、目標経路生成部51Dが生成する目標経路について説明する。本実施形態では、トラクタ1に装着する作業機をオフセットモア3とし、トラクタ1に対して左右いずれかの方向にオフセットモア3をずらして装着している。したがって、本実施形態では、オフセットモア3のようなオフセット作業機に対応する目標経路を生成する。
図4は、目標経路生成部51Dの詳細な構成を示すブロック図である。図5~図7は、上記目標経路の一例を示す。なお、ここでは、トラクタ1に対してオフセットモア3が右側にずれて装着されている場合の目標経路を説明するが、トラクタ1に対してオフセットモア3が左側にずれて装着されている場合は、以下で示す目標経路と逆向きの経路を目標経路とすればよい。
目標経路生成部51Dは、周回経路生成部511と、内側経路生成部512と、を備える。周回経路生成部511は、目標経路Tとして、第1周回経路Ta(図5参照)および第2周回経路Tb(図6参照)を生成する。第1周回経路Taおよび第2周回経路Tbは、図5および図6に示すように、作業対象となる作業領域RAの内側で、かつ、外周に近い側に枠状に生成される。
内側経路生成部512は、目標経路Tとして、内側経路Tc(図7参照)を生成する。内側経路Tcは、図7に示すように、第1周回経路Taおよび第2周回経路Tbよりも内側に生成される。図4に示すように、内側経路生成部512は、基準線生成部512aと、第1目標経路生成部512bと、第2目標経路生成部512cと、を備える。なお、基準線生成部512a等の機能の詳細については、後述する「3.内側領域の自動走行の手順」の中で説明する。
図5~図7では、便宜上、オフセットモア3による作業が未作業である領域(未作業領域)をハッチングありで示し、オフセットモア3による作業が行われた作業済みの領域をハッチングなしで示している。作業領域RAにおける所定の作業(例えば刈り取り作業)は、作業領域RAの外周に近い側から内側にかけて順番に行われる。そのため、トラクタ1は、第1周回経路Ta、第2周回経路Tb、内側経路Tcの順に自動走行する。よって、図5では、作業領域RAの全体が未作業領域となっている。図6では、作業領域RAの中で外周に近い部分が、第1周回経路Taの走行による作業済みの領域となっている。図7では、作業領域RAのうち、外周に近い部分が第1周回経路Taおよび第2周回経路Tbの走行による作業済み領域となり、作業済み領域よりも内側の領域が未作業領域となっている。なお、図7の上記作業済み領域を、以下では、外周領域R1とも称し、図7の上記未作業領域を、以下では、内側領域R2とも称する。
本実施形態では、図7の内側領域R2に対して作業を行う際に、トラクタ1の走行モードとして、直進のみ自動走行を行う直進モードが設定されているとする。したがって、直進走行後のトラクタ1の旋回走行は、トラクタ1に搭乗するオペレータの手動操向によって行われる。
なお、ここで言う「直進」とは、後述する基準線の始点から終点に沿って進むことを指す。したがって、基準線が直線状である場合は勿論のこと、基準線に湾曲部が含まれる場合であっても、基準線に沿って進む限り、「直進」の概念に含まれるとする。
第1周回経路Taおよび第2周回経路Tbは、図5および図6に示すように、作業領域RAの外周形状に応じた周回経路となっている。本実施形態では、作業領域RAの外周形状を四角形状としており、それゆえ、第1周回経路Taおよび第2周回経路Tbも四角形状に生成される。第1周回経路Taおよび第2周回経路Tbは、上記所定の作業を行う状態でトラクタ1が自動走行する経路として生成される。
第1周回経路Taは、図5に示すように、トラクタ1の走行位置よりもオフセットモア3の作業位置を作業領域RAの外周側に位置させる状態で反時計周りに周回走行させる周回経路である。第2周回経路Tbは、図6に示すように、トラクタ1の走行位置よりもオフセットモア3の作業位置を作業領域RAの内側に位置させる状態で時計周りに周回走行させる周回経路である。
第1周回経路Taおよび第2周回経路Tbを何周分生成するかについては、車体情報取得部51Bが取得した車体情報、および作業領域情報取得部51Cが取得した作業領域情報に基づいて、目標経路生成部51D(特に周回経路生成部511)が決定することができる。例えば、オフセットモア3の作業幅と周回数との積が、作業領域RA内で確保すべきトラクタ1の走行スペースの幅RB(図6参照)よりも大きくなるように、目標経路生成部51Dが最小の周回数を設定することができる。なお、上記の走行スペースの幅RBについては、ユーザが表示デバイス50を操作することにより、予め設定してもよい。また、ユーザが表示デバイス50を操作することにより、上記の周回数をダイレクトに設定してもよい。
このように第1周回経路Taおよび第2周回経路Tbを生成することにより、トラクタ1が第2周回経路Tbを走行する際には、第1周回経路Taの走行によって作業が既に済んだ領域(図6においてハッチングなしの領域)を走行しながら、オフセットモア3によって作業を行うことができる。言い換えれば、トラクタ1が第2周回経路Tbを走行する際に、未作業の領域を走行することを回避しながら作業を行うことができる。したがって、第2周回経路Tbの走行において、トラクタ1が未作業の領域の刈り取り対象の草を踏み倒してその刈り取りが困難になるおそれを低減することができる。
なお、第1周回経路Taおよび第2周回経路Tbの走行は、両方とも自動走行であってもよいし、両方とも手動走行であってもよいし、どちらか一方が自動走行で他方が手動走行であってもよい。なお、自動走行の場合にあっては、基準線を登録する必要があるため、一部の経路の走行は手動走行となる。
内側経路Tcは、図7に示すように、基準線(図示せず)に沿って平行に並ぶ複数の直線部で形成される。トラクタ1が上記直線部に沿って一方向に(例えば南から北に向かって)自動走行することにより、オフセットモア3による所定の作業が行われる。直線部を一方向に走行した後のトラクタ1は、オペレータの手動操向により旋回走行して別の直線部に入る。そして、トラクタ1は、上記別の直線部を逆方向に(例えば北から南に向かって)走行する。これにより、オフセットモア3による所定の作業が行われる。以降は、トラクタ1の自動走行および旋回走行を繰り返し行うことにより、図7で示した内側領域R2全体に対して所定の作業を行うことができる。なお、上記別の直線部の選択は、トラクタ1に搭乗するオペレータによって適宜選択(決定)され、オペレータは、選択した直線部に入る位置にトラクタ1を手動操向によって走行させる。
ここで、図8は、作業機3aが作業車両1aの真後ろに(左右方向の位置ズレなしに)装着されて、内側領域R2に対して作業を行う場合の目標経路Tを模式的に示している。目標経路Tは、始点Aから終点Bに向かって引いた基準線Roに対して、作業機3aの作業幅と同じピッチNで(等間隔に)生成される。作業車両1aの左右方向の中心と作業機3aの左右方向の中心とが一致した状態で、作業車両1aを走行させて作業機3aによる作業を行う場合、各目標経路Tに沿って作業車両1aを基準線Roと同じ一方向または逆方向に走行させることにより、図8に示すように、作業済み領域Eを等ピッチで形成することができる。
これに対して、作業車両1aの左右方向の中心と作業機3aの左右方向の中心とがずれた状態で、作業車両1aを走行させて作業機3aによる作業を行う場合、図8で示した目標経路Tに沿って作業車両1aを一方向または逆方向に走行させると、全ての作業済み領域Eが等ピッチで並ばない。
例えば、作業車両1aが内側領域R2を渦巻き状に走行して作業機3aによる作業を行う場合(自動走行は直進部のみ)、図9に示すように、一部の隣り合う作業済み領域Eが重複して重複作業領域Gが生じ得る。なお、作業車両1aの渦巻き状の走行とは、図9において、作業機3aの走行領域(作業を行う領域)を、基準線Ro側から、第1レーン、第2レーン、・・・第8レーンとしたとき、作業機3aが第1レーン、第8レーン、第2レーン、第7レーン、第3レーン、第6レーン、第4レーン、第5レーン、の順に走行するように、作業車両1aが走行する形態を言う。図9では、作業機3aが第4レーンを基準線Roと同じ一方向に走行して形成される作業済み領域Eと、作業機3aが第5レーンを基準線Roと逆方向に走行して形成される作業済み領域Eとが重複している状態を示す。
このように、重複作業領域Gが生じる理由は、作業機3aが作業車両1aに対して左右方向にずれて位置することに加えて、作業機3aがオフセット作業機であるにもかかわらず、オフセットされていない作業機3aが作業車両1aに装着された場合と同様に、作業車両1aの車体(特に左右方向の中心)を基準として目標経路Tが生成されていることによる。重複作業領域Gが生じる作業は、作業の重複を招く点で、効率のよい作業であるとは言い難い。
そこで、本実施形態では、作業機3aとして、オフセットモア3のようなオフセット作業機を用いて内側領域R2に対して作業を行う場合、内側経路Tcとして以下の目標経路T(第1目標経路T1、第2目標経路T2)を生成して、作業車両1aとしてのトラクタ1を自動走行させる。以下、自動走行の手順について説明する。
〔3.内側領域の自動走行の手順〕
図10は、内側領域の自動走行する際の動作の流れを示すフローチャートである。まず、携帯通信端末5の車体情報取得部51Bは、トラクタ1に対して左右いずれかの方向にずれて装着されたオフセットモア3の作業機情報を車体情報として取得する(S1)。上記作業機情報は、図11に示すように、トラクタ1の後方に装着されたオフセットモア3の作業幅Wの情報、およびオフセット量Lcの情報を含む。オフセット量Lcは、トラクタ1(の左右方向の中心)に対するオフセットモア3の作業幅Wの中心の左右方向のずれ量を指す。
上記作業機情報は、例えばトラクタ1が作業領域RA(図5等参照)に入る前に、図3で示した表示デバイス50の入力画面においてユーザによって予め入力され、上述した第1周回経路Taおよび第2周回経路Tbを含む目標経路の生成に利用される。したがって、車体情報取得部51Bは、上記の段階で入力された上記作業機情報を、車体情報として取得することができる。
次に、携帯通信端末5の目標経路生成部51Dの基準線生成部512aは、トラクタ1の基準となる走行方向および走行経路を示す基準線Ro(図12等参照)を生成する(S2)。具体的には、以下の通りである。
例えば、オペレータは、内側領域R2の作業開始位置にオフセットモア3が位置するようにトラクタ1を手動操向により移動させて、表示デバイス50の所望のボタン(図示せず)を押す。すると、基準線Roの始点Aが設定されるとともに、始点Aの位置情報が端末記憶部51Eに記憶される。なお、始点Aの位置情報は、例えば上記ボタンの押圧時に、トラクタ1の測位ユニット30によって測定されたトラクタ1の位置情報を、携帯通信端末5がトラクタ1から受信することによって得られる。
次に、オペレータは、トラクタ1を手動で直進走行させる。このとき、同時に、オフセットモア3による作業を行う。そして、直進走行後の作業終了位置にオフセットモア3が位置したときに、表示デバイス50の所望のボタン(図示せず)を押す。すると、基準線Roの終点Bが設定されるとともに、終点Bの位置情報が端末記憶部51Eに記憶される。なお、終点Bの位置情報は、例えば上記ボタンの押圧時に、トラクタ1の測位ユニット30によって測定されたトラクタ1の位置情報を、携帯通信端末5がトラクタ1から受信することによって得られる。
基準線生成部512aは、上記の始点Aと終点Bとを結ぶ直線を基準線Roとして生成する。生成した基準線Roの情報も端末記憶部51Eに記憶される。なお、基準線Roの情報には、トラクタ1の基準となる走行方向(上記の例では、始点Aから終点Bに向かう方向)、および走行経路(始点Aから終点Bに向かう経路)の情報が含まれる。
なお、上記の例では、実際にトラクタ1を走行させて始点Aおよび終点Bの各位置情報を取得することによって基準線Roを生成しているが、基準線Roの生成方法は上記の例には限定されない。例えば、トラクタ1を実際に走行させなくても、予め外部端末で設定された始点Aおよび終点Bの位置情報を、外部端末から携帯通信端末5が受信(取得)して、基準線Roを生成してもよい。また、例えば始点Aの位置情報と、測位ユニット30によって測定されるトラクタ1の向き(方位)と、内側領域R2の作業領域情報(位置情報)とに基づいて、終点Bを設定し、始点Aと終点Bとを結ぶ直線を基準線Roとして生成してもよい。さらに、第1周回経路Taまたは第2周回経路Tbの走行時に始点Aおよび始点Bの位置情報を取得することで基準線Roを生成してもよい。つまり、第1周回経路Taまたは第2周回経路Tbを走行すると、内側の未刈の領域の形状がわかることから、上記未刈の領域の形状のみから始点Aおよび始点Bの位置情報を取得して、基準線Roを生成してもよい。
次に、目標経路生成部51Dの第1目標経路生成部512bは、基準線Roが示す走行方向と同じ方向にトラクタ1が走行する際の目標経路Tとして、基準線Roに対して作業幅Wの間隔で並ぶ第1目標経路T1を生成する(S3)。なお、第1目標経路T1が並ぶ方向のピッチをNとすると、N=Wである。図12は、第1目標経路生成部512bが生成した第1目標経路T1を模式的に示している。
次に、目標経路生成部51Dの第2目標経路生成部512cは、基準線Roが示す走行方向と逆方向にトラクタ1が走行する際の目標経路Tとして、第1目標経路T1とずれた位置に、作業幅Wの間隔で並ぶ第2目標経路T2を生成する(S4)。なお、第2目標経路T2が並ぶ方向のピッチをNとすると、N=Wである。図13は、第2目標経路生成部512cが生成した第2目標経路T2を模式的に示している。参考のため、図13では、S3で生成した第1目標経路T1を破線で示す。第2目標経路T2については、(A)基準線Roを元に第2目標経路T2を生成する方法、(B)第1目標経路T1を元に第2目標経路T2を生成する方法、のいずれかの方法で生成することができる。具体的には、以下の通りである。
図14は、基準線Roと第2目標経路T2との位置関係を模式的に示す説明図である。基準線Roに対する第2目標経路T2のずれ量を第1規定幅D1としたとき、同図の幾何学的関係より、第1規定幅D1がオフセット量Lcの2倍と等しければ、トラクタ1が基準線Roに沿って一方向に走行したときのオフセットモア3による作業済み領域Eと、トラクタ1が第2目標経路T2に沿って上記とは逆方向に走行したときのオフセットモア3による作業済み領域Eとを、位置ズレすることなく重ね合わせることができる。オフセットモア3の作業幅(作業済み領域Eの幅)をWとすると、上記のようにして生成した、最も基準線Roに近い第2目標経路T2から、W間隔で目標経路Tを並べることにより、複数の第2目標経路T2を生成することができる。
図15は、第1目標経路T1と第2目標経路T2との位置関係を模式的に示す説明図である。第1目標経路T1と第2目標経路T2のずれ量を第2規定幅D2とし、オフセットモア3の作業幅(作業済み領域Eの幅)をWとしたとき、同図の幾何学的関係より、D2=W-2×(W-Lc)であれば、トラクタ1が第1目標経路T1に沿って一方向に走行したときのオフセットモア3による作業済み領域Eと、トラクタ1が第2目標経路T2に沿って上記とは逆方向に走行したときのオフセットモア3による作業済み領域Eとを隣接して(重複および離間することなく)並べることができる。したがって、S3にて、基準線Roに対してWの間隔で複数の第1目標経路T1を並べて生成した後、各第1目標経路T1を全て第2規定幅D2だけずらすことにより、複数の第2目標経路T2を一括して生成することができる。
次に、トラクタ1の自動走行制御部23Fは、トラクタ1の走行方向(走行する向き)の情報(走行情報)を取得する(S5)。例えば、トラクタ1の走行中の向きは、トラクタ1の測位ユニット30によって検出される。また、トラクタ1の走行が停止した場合、停止したトラクタ1の向きは、トラクタ1の停止直前の向きとほぼ一致すると考えることができ、この向きは測位ユニット30によって検出される。したがって、自動走行制御部23Fは、トラクタ1が走行中であっても停止中であっても、測位ユニット30での検出結果に基づいて、トラクタ1の走行情報を取得することができる。S5で取得した走行方向の情報は、トラクタ1から携帯通信端末5に送信される。
続いて、携帯通信端末5の表示デバイス50は、表示制御部51Aの制御により、S5で取得した走行情報に含まれるトラクタ1の走行方向に応じて、図12で示した第1目標経路T1、または図13で示した第2目標経路T2を表示する(S6)。具体的には、以下の通りである。
図16は、内側領域R2において、オフセットモア3による作業が行われるレーンを模式的に示す。なお、図16では、便宜的に、第1目標経路T1および第2目標経路T2を破線で示す。ここでは、トラクタ1が渦巻き状に走行して、内側領域R2に対してオフセットモア3による作業を行う場合を考える。つまり、内側領域R2を、基準線Ro側から、平行に並ぶ複数のレーン、すなわち、第1レーン、第2レーン、・・・第8レーンに分けたとき、トラクタ1の渦巻き状の前進走行により、オフセットモア3が第1レーン、第8レーン、第2レーン、第7レーン、第3レーン、第6レーン、第4レーン、第5レーン、の順に走行して作業を行う場合を考える。図16において、各レーンの位置に示した数字は、各レーンの番号を示す。
なお、上述したS2での基準線Roの生成において、トラクタ1の手動での直進走行により、オフセットモア3による第1レーンの作業は済んでいる。このため、オペレータはトラクタ1を手動で操向して、第8レーンの作業開始位置にオフセットモア3が位置するようにトラクタ1を移動させる。なお、トラクタ1の旋回時においては、オフセットモア3は昇降駆動ユニット20により上昇するため、刈り取り作業は行われない(以降の旋回走行においても同様である)。
なお、トラクタ1の走行によってオフセットモア3が第8レーンの作業開始位置に近づくと、表示デバイス50は、オフセットモア3が上記作業開始位置に入る案内経路をトラクタ1の現在位置(自車位置)とともに表示して、トラクタ1の走行を誘導してもよい。この場合、オペレータは表示デバイス50の表示画面を見ながらトラクタ1を手動操向して、オフセットモア3の位置を上記作業開始位置に合わせることが容易となる。
第8レーンの作業開始位置にオフセットモア3が位置したとき、トラクタ1の向きは基準線Roが示す走行方向とは逆向きであることが、S5にて検出されている。したがって、S6において、表示デバイス50は、図13で示した第2目標経路T2を表示画面に表示する(このとき、図13中の第1目標経路T1は非表示とする)。なお、表示デバイス50は、オフセットモア3が第8レーンを走行して作業するときのトラクタ1の第2目標経路T2を、他の第2目標経路T2とは色または線種を変えて表示するなどして、強調表示してもよい。
トラクタ1が第8レーンの第2目標経路T2の走行開始位置に到達すると、昇降駆動ユニット20はオフセットモア3を下降させる。そして、トラクタ1の自動走行制御部23Fは、端末制御ユニット51から出力(送信)される制御信号(走行開始指示)に基づき、第2目標経路T2に沿ってトラクタ1を自動走行させる(S7)。オフセットモア3は下降位置にあるため、第8レーンに対してオフセットモア3による刈り取り作業が行われる。
S7の後、内側領域R2の全てに対して、オフセットモア3による作業が完了していない場合には(S8にてNo)、S5以降の工程が繰り返し行われる。上記の例では、オペレータはトラクタ1を手動で操向して、第2レーンの作業開始位置にオフセットモア3が位置するようにトラクタ1を移動させる。
第2レーンの作業開始位置にオフセットモア3が位置したとき、トラクタ1の向きは基準線Roが示す走行方向とは同方向であることが、S5にて検出されている。したがって、表示デバイス50は、図12で示した第1目標経路T1を表示画面に表示する(S6)。なお、表示デバイス50は、オフセットモア3が第2レーンを走行して作業するときのトラクタ1の第1目標経路T1を、他の第1目標経路T1とは色または線種を変えて表示するなどして、強調表示してもよい。
トラクタ1が第2レーンの第1目標経路T1の走行開始位置に到達すると、昇降駆動ユニット20はオフセットモア3を下降させる。そして、トラクタ1の自動走行制御部23Fは、端末制御ユニット51から出力される制御信号(走行開始指示)に基づき、第1目標経路T1に沿ってトラクタ1を自動走行させる(S7)。これにより、第2レーンに対してオフセットモア3による刈り取り作業が行われる。
以降、第7レーン、第3レーン、第6レーン、第4レーン、第5レーン、の作業についても上記と同様の工程が繰り返し行われる。第5レーンに対する作業が終了すると(S8にてYes)、内側領域R2の全体に対しての作業が終了する。
以上のように、本実施形態では、トラクタ1の目標経路Tとして、第1目標経路T1と第2目標経路T2との2種類が生成される。第2目標経路T2は、第1目標経路T1とずれた位置に等間隔で生成される(図13参照)。これにより、トラクタ1に対して左右方向にずれて装着されたオフセット作業機(オフセットモア3)によって作業を行う場合に、上述したように、基準線Roが示す走行方向と同じ方向にトラクタ1が走行するか、逆方向に走行するかによって、トラクタ1の目標経路Tを、第1目標経路T1と第2目標経路T2とで使い分けることができる。そして、自動走行制御部23Fが、トラクタ1の走行方向に応じて、第1目標経路T1および第2目標経路T2のいずれかに沿ってトラクタ1を自動走行させることにより、図16に示すように、オフセットモア3による作業済み領域Eを、作業幅Wの一定のピッチで並べて形成することができる。したがって、作業領域RA(特に内側領域R2)において、図9で示したような重複作業領域Gが生じるおそれを低減して、オフセットモア3による作業を効率よく行うことができる。
特に、直進のみ自動走行を行うトラクタ1の走行モードが設定されている場合においては、旋回時の手動操向に慣れていないオペレータは、直進走行後、次にどの目標経路Tに入れば作業済み領域Eを等ピッチで形成できるかを認識することが難しく、そのような認識に基づく手動操向の修正も困難である。本実施形態の自動走行方法では、2種類の目標経路T(第1目標経路T1、第2目標経路T2)を生成し、どちらかの目標経路Tに沿って自動走行させることにより作業済み領域Eを等ピッチにすることができるため、旋回時の手動操向に慣れていないオペレータがトラクタ1に搭乗した場合でも、第1目標経路T1または第2目標経路T2にトラクタ1を導いて自動走行させることにより、オフセットモア3による作業を効率よく行うことが可能となる。つまり、本実施形態の自動走行方法は、旋回時の手動操向に慣れていないオペレータがトラクタ1に搭乗した場合でも、オフセットモア3による作業を効率よく行うことができる点で、特に有効となる。
第1目標経路T1と第2目標経路T2とを確実にずらして位置させるために、第2目標経路T2は、図13で示したように、基準線Roに対して第1規定幅D1だけずれた位置から、作業幅Wの間隔で並んでいてもよい。このとき、第1規定幅D1を適切に設定する観点から、第1規定幅D1は、図14で示したように、トラクタ1に対するオフセットモア3の作業幅中心のずれ量、すなわち、オフセット量Lcに応じて設定されることが望ましい。具体的には、D1=2Lcであることが望ましい。
また、第1目標経路T1と第2目標経路T2とを確実にずらして位置させるために、第2目標経路T2は、図13で示したように、第1目標経路T1に対して第2規定幅D2だけずれて位置してもよい。このとき、第2規定幅D2を適切に設定する観点から、第2規定幅D2は、図15で示したように、上記のオフセット量Lcと、作業幅Wとに基づいて設定されることが望ましい。具体的には、D2=2Lc-Wであることが望ましい。
オフセットモア3による作業済み領域Eを確実に等ピッチで並べる観点では、トラクタ1の目標経路Tを、トラクタ1の走行方向に応じて、第1目標経路T1と第2目標経路T2とで使い分け、第1目標経路T1または第2目標経路T2に沿ってトラクタ1を自動走行させることが望ましい。そのためには、本実施形態のように、自動走行制御部23Fは、S5で取得したトラクタ1の走行情報に基づき、基準線Roが示す走行方向(始点Aから終点Bに向かう方向)と同じ方向にトラクタ1が走行する場合には、第1目標経路T1に沿ってトラクタ1を自動走行させる一方、基準線Roが示す走行方向と逆方向にトラクタ1が走行する場合には、第2目標経路T2に沿ってトラクタ1を自動走行させることが望ましい。
トラクタ1が自動走行中に、第1目標経路T1および第2目標経路T2のどちらに沿って走行しているかをオペレータに容易に認識させる観点では、上述したS6において、表示制御部51Aの制御により、表示デバイス50は、(図12で示した)第1目標経路T1と(図13で示した)第2目標経路T2とを切り替え可能に表示することが望ましい。特に、表示デバイス50は、本実施形態のように、トラクタ1の向き(走行方向)に応じて、第1目標経路T1と第2目標経路T2とを切り替えて表示することが望ましい。つまり、基準線Roが示す走行方向と同じ方向にトラクタ1が走行する場合には、表示デバイス50はS6にて第1目標経路T1を表示する一方、基準線Roが示す走行方向と逆方向にトラクタ1が走行する場合には、表示デバイス50はS6にて第2目標経路T2を表示することが望ましい。
図17は、上記した第1目標経路T1と第2目標経路T2を、表示デバイス50の画面に同時に表示した状態を模式的に示す。オフセットモア3による作業をより効率よく行うためには、オペレータが、トラクタ1が次に走行すべき目標経路Tの位置を事前に把握し、その位置に手動操向によってトラクタ1を旋回させてスムーズに移動させることが望ましい。そのためには、オペレータに、第1目標経路T1と第2目標経路T2とを両方同時に認識させることが望ましい。この観点では、表示デバイス50は、図17に示すように、第1目標経路T1と第2目標経路T2を同一画面に表示することが望ましい。
このとき、基準線Roに近い位置では、基準線Roが示す走行方向と同じ方向にトラクタ1を走行させ、基準線Roから遠い位置では、基準線Roが示す走行方向と逆方向にトラクタ1を走行させることが、トラクタ1を渦巻き状の走行に導くことが容易となる点で望ましい。この観点では、表示デバイス50において、図17に示すように、少なくとも1つの第2目標経路T2は、少なくとも1つの第1目標経路T1に対して、基準線Roとは反対側(基準線Roから遠い側)に表示されることが望ましい。
また、オペレータが、次に進入すべき目標経路Tの位置およびその方向を容易に把握するためには、表示デバイス50の表示画面上で、第1目標経路T1と第2目標経路T2とを明確に区別して表示することが望ましい。この観点では、表示制御部51Aの制御により、表示デバイス50は、第1目標経路T1と第2目標経路T2とを異なる態様で表示することが望ましい。本実施形態では、図12および図17に示すように、第1目標経路T1を太い実線で表示し、図13および図17に示すように、第2目標経路T2を細い実線で表示することにより、第1目標経路T1と第2目標経路T2とで異なる表示態様を実現している。
なお、例えば、第1目標経路T1と第2目標経路T2とで、線種(実線、破線等)、色)等を変えることにより、上記異なる表示態様を実現してもよい。また、第1目標経路T1および第2目標経路T2の一方を常時表示し、他方を点滅して表示することにより、上記異なる表示態様を実現してもよい。
〔4.補足〕
本実施形態では、トラクタ1の左右方向において、トラクタ1の走行位置に対してオフセットモア3の作業位置が右側にオフセットしている場合について説明したが、逆に、トラクタ1の左右方向において、トラクタ1の走行位置に対してオフセットモア3の作業位置が左側にオフセットしていてもよい。
本実施形態では、トラクタ1が前進走行のみを行う場合について説明したが、トラクタ1の走行に後進走行が含まれていてもよい。例えば、刈り取る草の傾斜方向によっては、トラクタ1を後進させてオフセットモア3による作業を行うほうが、刈り取りをきれいに行うことができる場合がある。この場合、変速ユニット16によってトラクタ1の走行方向が後進に切り替えられ、昇降駆動ユニット20によってオフセットモア3が下降位置にあるときに、自動走行制御部23Fは、第1目標経路T1および第2目標経路T2に沿ってトラクタ1を逆向きに走行させればよい。
携帯通信端末5の車体情報取得部51B、作業領域情報取得部51C、および目標経路生成部51Dは、トラクタ1の車載制御ユニット23に設けられてもよい。また、車体情報取得部51B、作業領域情報取得部51C、および目標経路生成部51Dは、トラクタ1の自動走行ユニット4および携帯通信端末5とインターネットなどの通信網を介して通信可能に接続された管理センタの管理用コンピュータ等に設けられてもよい。
携帯通信端末5の機能(表示、入力、各種制御、通信に関する機能)は、トラクタ1の液晶モニタ27が有していてもよい。
オフセットモア3などのオフセット作業機は、トラクタ1の前後方向の中央部(ミッドPTO)に装着されてもよい。
トラクタ1の構成については、種々の変更が可能である。例えば、トラクタ1は、以下のように構成されてもよい。すなわち、トラクタ1は、左右の後輪11に代えて左右のクローラを備えるセミクローラ仕様に構成されてもよい。トラクタ1は、左右の前輪10および左右の後輪11に代えて左右のクローラを備えるフルクローラ仕様に構成されてもよい。トラクタ1は、左右の後輪11が操舵輪として機能する後輪ステアリング仕様に構成されてもよい。トラクタ1は、エンジン14の代わりに走行用の電動モータを備える電動仕様に構成されてもよい。トラクタ1は、エンジン14と走行用の電動モータとを備えるハイブリッド仕様に構成されてもよい。
〔4.プログラム〕
本実施形態で説明した自動走行システム100における携帯通信端末5、または携帯通信端末5の機能を有する車両制御ユニット23は、例えば、所定のプログラム(アプリケーションソフトウェア)をインストールしたコンピュータ(PC)で構成することができる。上記プログラムをコンピュータ(例えば端末制御ユニット51)が読み取って実行することにより、携帯通信端末5または自動走行システム100の各部を動作させて、上述した各処理(各工程)を実行させることができる。このようなプログラムは、例えばネットワークを介して外部からダウンロードすることによって取得されて記憶部(端末記憶部51Eまたは車載記憶部23G)に記憶される。また、上記プログラムは、例えばCD-ROM(Compact Disk-Read Only Memory)または可搬型の不揮発性メモリなどのコンピュータ読取可能な記録媒体に記録され、この記録媒体から上記プログラムをコンピュータが読み取って上記記憶部に記憶される形態であってもよい。すなわち、本実施形態のプログラムは、本実施形態の自動走行方法をコンピュータに実行させるためのプログラムである。なお、プログラムは、携帯通信端末5用のプログラムとトラクタ1用のプログラムとに分割されて携帯通信端末5およびトラクタ1にそれぞれインストールされて、各部を動作させてもよい。
〔6.付記〕
本実施形態で説明した自動走行方法、自動走行システム、およびプログラムは、以下の付記(1)~(13)のように表現することができる。
付記(1)の自動走行方法は、
作業車両に対して左右いずれかの方向にずれて装着された作業機の作業幅の情報を(車体情報取得部が)取得することと、
前記作業車両の基準となる走行方向および走行経路を示す基準線を(基準線生成部が)生成することと、
前記基準線が示す前記走行方向と同じ方向に前記作業車両が走行する際の目標経路として、前記基準線に対して前記作業幅の間隔で並ぶ第1目標経路を(第1目標経路生成部が)生成することと、
前記基準線が示す前記走行方向と逆方向に前記作業車両が走行する際の目標経路として、前記第1目標経路とずれた位置に、前記作業幅の間隔で並ぶ第2目標経路を(第2目標経路生成部が)生成することと、
(自動走行制御部が)前記第1目標経路および前記第2目標経路のいずれかに沿って前記作業車両を自動走行させることと、を含む。
付記(2)の自動走行方法は、付記(1)に記載の自動走行方法において、
前記第2目標経路は、前記基準線に対して第1規定幅だけずれた位置から、前記作業幅の間隔で並ぶ。
付記(3)の自動走行方法は、付記(2)に記載の自動走行方法において、
前記作業車両に対する前記作業機の前記作業幅の中心の左右方向のずれ量の情報を(車体情報取得部が)取得することをさらに含み、
前記第1規定幅は、前記ずれ量に応じて設定される。
付記(4)の自動走行方法は、付記(1)に記載の自動走行方法において、
前記第2目標経路は、前記第1目標経路に対して第2規定幅だけずれて位置する。
付記(5)の自動走行方法は、付記(4)に記載の自動走行方法において、
前記作業車両に対する前記作業機の前記作業幅の中心の左右方向のずれ量の情報を(車体情報取得部が)取得することをさらに含み、
前記第2規定幅は、前記ずれ量と、前記作業幅とに基づいて設定される。
付記(6)の自動走行方法は、付記(1)から(5)のいずれかに記載の自動走行方法において、
前記作業車両の走行方向の情報を(自動走行制御部が)取得することをさらに含み、
(前記自動走行制御部は前記走行方向の情報に基づき)前記基準線が示す前記走行方向と同じ方向に前記作業車両が走行する場合には、前記第1目標経路に沿って前記作業車両を自動走行させる一方、前記基準線が示す前記走行方向と逆方向に前記作業車両が走行する場合には、前記第2目標経路に沿って前記作業車両を自動走行させる。
付記(7)の自動走行方法は、付記(1)から(6)のいずれかに記載の自動走行方法において、
(表示装置が)前記第1目標経路と前記第2目標経路とを切り替え可能に表示することをさらに含む。なお、上記表示装置は、表示デバイス50であってもよく、液晶モニタ27であってもよい。
付記(8)の自動走行方法は、付記(7)に記載の自動走行方法において、
前記作業車両の走行方向の情報を(自動走行制御部が)取得することをさらに含み、
(前記表示装置が)前記第1目標経路と前記第2目標経路とを、前記作業車両の走行方向に応じて切り替えて表示する。
付記(9)の自動走行方法は、付記(1)から(6)のいずれかに記載の自動走行方法において、
(表示装置が)前記第1目標経路と前記第2目標経路を同一画面に表示することをさらに含む。なお、上記表示装置は、表示デバイス50であってもよく、液晶モニタ27であってもよい。
付記(10)の自動走行方法は、付記(9)に記載の自動走行方法において、
少なくとも1つの前記第2目標経路は、少なくとも1つの前記第1目標経路に対して、前記基準線とは反対側に表示される。
付記(11)の自動走行方法は、付記(1)から(10)のいずれかに記載の自動走行方法において、
(表示装置が)前記第1目標経路と前記第2目標経路とを異なる態様で表示することをさらに含む。なお、上記表示装置は、表示デバイス50であってもよく、液晶モニタ27であってもよい。
付記(12)の自動走行システムは。
作業車両に対して左右いずれかの方向にずれて装着された作業機の作業幅の情報を取得する車体情報取得部と、
前記作業車両の基準となる走行方向および走行経路を示す基準線を生成する基準線生成部と、
前記基準線が示す前記走行方向と同じ方向に前記作業車両が走行する際の目標経路として、前記基準線に対して前記作業幅の間隔で並ぶ第1目標経路を生成する第1目標経路生成部と、
前記基準線が示す前記走行方向と逆方向に前記作業車両が走行する際の目標経路として、前記第1目標経路とずれた位置に、前記作業幅の間隔で並ぶ第2目標経路を生成する第2目標経路生成部と、
前記第1目標経路および前記第2目標経路のいずれかに沿って前記作業車両を自動走行させる自動走行制御部と、を備える。
付記(13)のプログラムは、
作業車両に対して左右いずれかの方向にずれて装着された作業機の作業幅の情報を(車体情報取得部が)取得することと、
前記作業車両の基準となる走行方向および走行経路を示す基準線を(基準線生成部が)生成することと、
前記基準線が示す前記走行方向と同じ方向に前記作業車両が走行する際の目標経路として、前記基準線に対して前記作業幅の間隔で並ぶ第1目標経路を(第1目標経路生成部が)生成することと、
前記基準線が示す前記走行方向と逆方向に前記作業車両が走行する際の目標経路として、前記第1目標経路とずれた位置に、前記作業幅の間隔で並ぶ第2目標経路を(第2目標経路生成部が)生成することと、
(端末制御ユニットが自動走行制御部に制御信号を出力して)前記第1目標経路および前記第2目標経路のいずれかに沿って前記作業車両を自動走行させることと、をコンピュータに実行させるためのプログラムである。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明の範囲はこれに限定されるものではなく、発明の主旨を逸脱しない範囲で拡張または変更して実施することができる。
本発明は、例えばトラクタなどの作業車両に利用可能である。
1 トラクタ(作業車両)
3 オフセットモア(作業機)
23F 自動走行制御部
51B 車体情報取得部
51D 目標経路生成部
100 自動走行システム
512a 基準線生成部
512b 第1目標経路生成部
512c 第2目標経路生成部
D1 第1規定幅
D2 第2規定幅
Lc オフセット量(ずれ量)
Ro 基準線
T 目標経路
T1 第1目標経路
T2 第2目標経路
W 作業幅

Claims (13)

  1. 作業車両に対して左右いずれかの方向にずれて装着された作業機の作業幅の情報を取得することと、
    前記作業車両の基準となる走行方向および走行経路を示す基準線を生成することと、
    前記基準線が示す前記走行方向と同じ方向に前記作業車両が走行する際の目標経路として、前記基準線に対して前記作業幅の間隔で並ぶ第1目標経路を生成することと、
    前記基準線が示す前記走行方向と逆方向に前記作業車両が走行する際の目標経路として、前記第1目標経路とずれた位置に、前記作業幅の間隔で並ぶ第2目標経路を生成することと、
    前記第1目標経路および前記第2目標経路のいずれかに沿って前記作業車両を自動走行させることと、を含む、自動走行方法。
  2. 前記第2目標経路は、前記基準線に対して第1規定幅だけずれた位置から、前記作業幅の間隔で並ぶ、請求項1に記載の自動走行方法。
  3. 前記作業車両に対する前記作業機の前記作業幅の中心の左右方向のずれ量の情報を取得することをさらに含み、
    前記第1規定幅は、前記ずれ量に応じて設定される、請求項2に記載の自動走行方法。
  4. 前記第2目標経路は、前記第1目標経路に対して第2規定幅だけずれて位置する、請求項1に記載の自動走行方法。
  5. 前記作業車両に対する前記作業機の前記作業幅の中心の左右方向のずれ量の情報を取得することをさらに含み、
    前記第2規定幅は、前記ずれ量と、前記作業幅とに基づいて設定される、請求項4に記載の自動走行方法。
  6. 前記作業車両の走行方向の情報を取得することをさらに含み、
    前記基準線が示す前記走行方向と同じ方向に前記作業車両が走行する場合には、前記第1目標経路に沿って前記作業車両を自動走行させる一方、前記基準線が示す前記走行方向と逆方向に前記作業車両が走行する場合には、前記第2目標経路に沿って前記作業車両を自動走行させる、請求項1に記載の自動走行方法。
  7. 前記第1目標経路と前記第2目標経路とを切り替え可能に表示することをさらに含む、請求項1に記載の自動走行方法。
  8. 前記作業車両の走行方向の情報を取得することをさらに含み、
    前記第1目標経路と前記第2目標経路とを、前記作業車両の走行方向に応じて切り替えて表示する、請求項7に記載の自動走行方法。
  9. 前記第1目標経路と前記第2目標経路を同一画面に表示することをさらに含む、請求項1に記載の自動走行方法。
  10. 少なくとも1つの前記第2目標経路は、少なくとも1つの前記第1目標経路に対して、前記基準線とは反対側に表示される、請求項9に記載の自動走行方法。
  11. 前記第1目標経路と前記第2目標経路とを異なる態様で表示することをさらに含む、請求項1から10のいずれかに記載の自動走行方法。
  12. 作業車両に対して左右いずれかの方向にずれて装着された作業機の作業幅の情報を取得する車体情報取得部と、
    前記作業車両の基準となる走行方向および走行経路を示す基準線を生成する基準線生成部と、
    前記基準線が示す前記走行方向と同じ方向に前記作業車両が走行する際の目標経路として、前記基準線に対して前記作業幅の間隔で並ぶ第1目標経路を生成する第1目標経路生成部と、
    前記基準線が示す前記走行方向と逆方向に前記作業車両が走行する際の目標経路として、前記第1目標経路とずれた位置に、前記作業幅の間隔で並ぶ第2目標経路を生成する第2目標経路生成部と、
    前記第1目標経路および前記第2目標経路のいずれかに沿って前記作業車両を自動走行させる自動走行制御部と、を備える自動走行システム。
  13. 作業車両に対して左右いずれかの方向にずれて装着された作業機の作業幅の情報を取得することと、
    前記作業車両の基準となる走行方向および走行経路を示す基準線を生成することと、
    前記基準線が示す前記走行方向と同じ方向に前記作業車両が走行する際の目標経路として、前記基準線に対して前記作業幅の間隔で並ぶ第1目標経路を生成することと、
    前記基準線が示す前記走行方向と逆方向に前記作業車両が走行する際の目標経路として、前記第1目標経路とずれた位置に、前記作業幅の間隔で並ぶ第2目標経路を生成することと、
    前記第1目標経路および前記第2目標経路のいずれかに沿って前記作業車両を自動走行させることと、をコンピュータに実行させるためのプログラム。
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