JP2022061754A - 潤滑油組成物 - Google Patents

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Kazunori Sawada
寛之 鈴木
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Abstract

【課題】本発明の目的は、SAE粘度グレード 0W-20に適合する潤滑油組成物において、低温粘度を低減することができる潤滑油組成物、好適な態様としては内燃機関用の潤滑油組成物、さらに好適には過給ガソリンエンジン用の潤滑油組成物を提供することである。【解決手段】(A)潤滑油基油として、(A1)100℃における動粘度2.5~6.0mm2/sを有し、且つ粘度指数128以上を有する鉱油系基油を、潤滑油組成物中に30~90質量%、及び(A2)100℃における動粘度4.0~60.0mm2/sを有する合成油を、潤滑油組成物中に1~25質量%で含むことを特徴とする潤滑油組成物であって、該潤滑油組成物はさらに、任意成分である(A3)100℃における動粘度2.5~6.0mm2/sを有し且つ粘度指数128未満を有する鉱油系基油を潤滑油組成物中に0~35質量%で含み、該潤滑油組成物の-35℃でのCCS粘度が5100mPa・s以下であり、100℃における動粘度が6.9~9.3mm2/s未満であり、150℃での高温高せん断粘度(HTHS粘度)が2.6mPa・s~3.1mPa・s未満であることを特徴とする、前記潤滑油組成物。【選択図】なし

Description

本発明は潤滑油組成物に関し、詳細には、内燃機関用の潤滑油組成物、特にガソリンエンジン用の潤滑油組成物に関する。
潤滑油組成物は、内燃機関用、自動変速機用、ギヤ油用など自動車分野で幅広く使用されている。近年、燃費を向上させるために低粘度化が求められているが、低粘度化により油膜が薄くなり、摩擦を十分に低減することができない。そこで、境界潤滑条件で二硫化モリブデンを生成することにより摩擦を低減することができるモリブデンジチオカーバメート(MoDTC)が従来用いられている。この際、カルシウム系清浄剤を組み合わせて用いるのが通常である(例えば、特許文献1)。また、モリブデン化合物を数種組み合わせて使用することにより、高温清浄性を高め、かつ低燃費化することも開示されている(例えば、特許文献2)。しかし、この組み合わせでは、摩擦の低減に限界があり、特に初期の摩擦の低減が不十分となることがあり、燃費を十分に向上させることができない。
また、潤滑油組成物中に含まれるモリブデン濃度、リン濃度及び硫黄濃度を制御することにより、SAE粘度グレード 0W-20に適合するエンジン油とすることも知られている。しかし、低温での省燃費性は必ずしも十分とは言えない。
特開2005-117876号公報 特開2006-348223号公報 特開2008-024845号公報
本発明の目的は、SAE粘度グレード 0W-20に適合する潤滑油組成物において、低温粘度を低減することができる潤滑油組成物、好適な態様としては内燃機関用の潤滑油組成物、さらに好適には過給ガソリンエンジン用の潤滑油組成物を提供することである。
本発明者らは鋭意検討した結果、特定の潤滑油基油の組み合わせを使用することによって、上記目的が達成されることを見出した。
すなわち、本発明は
(A)潤滑油基油として、
(A1)100℃における動粘度2.5~6.0mm/sを有し、且つ粘度指数128以上を有する鉱油系基油を、潤滑油組成物中に30~90質量%、及び
(A2)100℃における動粘度4.0~60.0mm/sを有する合成油を、潤滑油組成物中に1~25質量%
で含むことを特徴とする潤滑油組成物であって、
該潤滑油組成物はさらに、任意成分である(A3)100℃における動粘度2.5~6.0mm/sを有し且つ粘度指数128未満を有する鉱油系基油を潤滑油組成物中に0~35質量%で含み、
該潤滑油組成物の-35℃でのCCS粘度が5100mPa・s以下であり、100℃における動粘度が6.9~9.3mm/s未満であり、150℃での高温高せん断粘度(HTHS粘度)が2.6mPa・s~3.1mPa・s未満であることを特徴とする、前記潤滑油組成物を提供する。
本発明の好ましい実施態様は、以下の(1)~(3)のとおりである。
(1)さらに(B)粘度指数向上剤を、潤滑油組成物の全質量に対して0.1~20質量%で含有する。
(2)金属清浄剤、ジアルキルジチオリン酸亜鉛、無灰分散剤、及びモリブデン摩擦調整剤から選ばれる少なくとも1種をさらに含む。
(3)内燃機関用である。
本発明の潤滑油組成物は、低温粘度を低減することができる潤滑油組成物であり、特に内燃機関用の潤滑油組成物、さらに過給ガソリンエンジン用の潤滑油組成物として好適に使用できる。
(A)潤滑油基油
本発明の潤滑油組成物は、潤滑油基油として(A1)100℃における動粘度が2.5~6.0mm/sであり、及び粘度指数128以上である鉱油系基油と、(A2)100℃における動粘度が4.0~20.0mm/sである合成油とを含むことを特徴とする。
(A1)成分は、100℃における動粘度が2.5~6.0mm/s、粘度指数128以上である鉱油系基油である。
鉱油としては、例えば、原油を常圧蒸留して得られる常圧残油を減圧蒸留して得られた潤滑油留分を、溶剤脱れき、溶剤抽出、水素化分解、溶剤脱ろう、および水素化精製等の処理の1つ以上に付して精製したもの、或いは、ワックス異性化鉱油、GTL(Gas to Liquid)基油、ATL(Asphalt to Liquid)基油、植物油系基油またはこれらの混合基油を挙げることができる。
100℃における動粘度は、2.5~6.0mm/sであり、2.8~5.0mm/sが好ましく、3.0~5.0mm/sがより好ましい。粘度指数は128以上であり、129以上が好ましく、131以上がさらに好ましい。粘度指数が高いことにより、低温における低粘度化を図ることができる。
(A1)成分の含有量は、潤滑油組成物中に30~90質量%であり、35~88質量%が好ましく、40~85質量%がより好ましい。
(A2)成分は、100℃における動粘度が4.0~20.0mm/sである合成油である。100℃における動粘度は好ましくは5.0~15.0mm/sであり、より好ましくは5.5~12.0mm/sである。
合成油としては、例えば、ポリブテン又はその水素化物;1-オクテンオリゴマー、1-デセンオリゴマー等のポリ-α-オレフィン又はその水素化物;ラウリン酸2-エチルヘキシル、パルミチン酸2-エチルヘキシル、ステアリン酸2-エチルヘキシル等のモノエステル;ジトリデシルグルタレート、ジ-2-エチルヘキシルアジペート、ジイソデシルアジペート、ジトリデシルアジペート、ジ-2-エチルヘキシルセバケート等のジエステル;ネオペンチルグリコールジ-2-エチルヘキサノエート、ネオペンチルグリコールジ-n-オクタノエート、ネオペンチルグリコールジ-n-デカノエート、トリメチロールプロパントリ-n-オクタノエート、トリメチロールプロパントリ-n-デカノエート、ペンタエリスリトールテトラ-n-ペンタノエート、ペンタエリスリトールテトラ-n-ヘキサノエート、ペンタエリスリトールテトラ-2-エチルヘキサノエート等のポリオールエステル;アルキルナフタレン、アルキルベンゼン、芳香族エステル等の芳香族系合成油又はこれらの混合物等が例示できる。中でもポリ-α-オレフィン又はその水素化物であることが好ましい。
(A2)成分の含有量は潤滑油組成物中に1~25質量%であり、1~20質量%が好ましく、2~15質量%がより好ましい。
該(A)潤滑油基油は、上記(A1)成分及び(A2)成分以外の潤滑油基油を包含してもよい。これらの種類及び量は、本発明の潤滑油組成物が有する、後述する動粘度、CCS粘度、及びHTHS粘度を満たすように適宜調整されればよいが、おのずと使用できる潤滑油基油は限定される。より詳細には、任意成分として(A3)100℃における動粘度2.5~6.0mm/sを有し、且つ粘度指数128未満である鉱油系基油を、潤滑油組成物中に0質量%以上35質量%以下で含むことができる。より好ましくは0.1質量%以上33質量%以下、さらに好ましくは0.5質量%以上32質量%以下であればよい。該鉱油系基油の種類は特に制限されるものでなく、上述した鉱油系基油が挙げられる。
本発明の潤滑油組成物は添加剤として、粘度指数向上剤、金属清浄剤、ジアルキルジチオリン酸亜鉛、無灰分散剤、モリブデン摩擦調整剤、及びその他の公知の添加剤を含むことができる。以下、各添加剤について詳細に説明する。
(B)粘度指数向上剤
本発明の潤滑油組成物においては、任意成分として粘度指数向上剤を使用することができる。粘度指数向上剤の含有量は、限定的ではないが、潤滑油組成物中に0.1~20質量%であることが好ましく、1~15質量%であることがより好ましい。
該粘度指数向上剤としては、例えば、ポリメタアクリレート、分散型ポリメタアクリレート、オレフィンコポリマー(ポリイソブチレン、エチレン-プロピレン共重合体)、分散型オレフィンコポリマー、ポリアルキルスチレン、スチレン-ブタジエン水添共重合体、スチレン-無水マレイン酸エステル共重合体、星状イソプレン等を含むものが挙げられる。さらに、少なくともポリオレフィンマクロマーに基づく繰返し単位と炭素数1~30のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートに基づく繰返し単位とを主鎖に含む櫛形ポリマーを用いることもできる。
粘度指数向上剤の重量平均分子量は、限定的ではないが、10,000~2,000,000が好ましく、20,000~1,500,000がより好ましく、30,000~1,000,000がさらに好ましい。
なお、本発明において粘度指数向上剤の重量平均分子量はゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより以下の条件で測定することができる。
<粘度指数向上剤のMwの測定条件>
装置 :「HLC-8320」[東ソー(株)製]
カラム :「TSK gel SuperMultiporeHZ-M」3本
測定温度 :40℃
試料溶液 :0.2(w/v)%のテトラヒドロフラン溶液
溶液注入量 :30μl
検出装置 :屈折率検出器
基準物質 :ポリスチレン(PS t Quick MP-M)
(C)金属清浄剤
本発明の潤滑油組成物は、金属清浄剤を使用する。金属清浄剤としては、限定的ではないが、アルカリ金属又はアルカリ土類金属を有する清浄剤であることが好ましい。
金属清浄剤としては、カルシウムサリシレート、カルシウムスルホネート、カルシウムフェネート、マグネシウムサリシレート、マグネシウムスルホネート、マグネシウムフェネート等が挙げられる。
金属清浄剤として、マグネシウムを有する清浄剤(以下、マグネシウム系清浄剤という)を有することが好ましく、上述のマグネシウムスルホネート、マグネシウムフェネートおよびマグネシウムサリシレート等を使用することができ、これらの中で、特にマグネシウムサリシレート若しくはマグネシウムスルホネートが好ましい。マグネシウム系清浄剤は、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を混合して使用してもよい。
マグネシウム系清浄剤を含有することにより、潤滑油として必要な高温清浄性および防錆性を確保することができる。また、摩擦を低減し、したがって、トルクを低減させることができる。これは、特に燃費特性の点で有利である。
マグネシウム系清浄剤は、限定的ではないが、該潤滑油組成物の質量に対するマグネシウムの濃度が好ましくは200~1200質量ppm、より好ましくは300~1100質量ppm、さらに好ましくは400~1000質量ppmの範囲となるような量で添加される。マグネシウム系清浄剤の量が上記上限を超えると摩耗が大きくなり過ぎ、上記下限を下回ると摩擦の低減効果が低い。
マグネシウム系清浄剤は、特に、過塩基性であるのが好ましい。これにより、潤滑油に必要な酸中和性を確保できる。過塩基性のマグネシウム系清浄剤を使用した場合には、中性のマグネシウムまたはカルシウム系清浄剤を混合してもよい。
マグネシウム系清浄剤の全塩基価は、限定的ではないが、好ましくは20~600mgKOH/g、より好ましくは50~500mgKOH/g、最も好ましくは100~450mgKOH/gである。これにより、潤滑油に必要な酸中和性、高温清浄性および防錆性を確保できる。なお、2種以上の金属清浄剤を混合して使用する場合は、混合して得られた塩基価が、前記の範囲となることが好ましい。
マグネシウム系清浄剤中のマグネシウム含有量は、好ましくは0.5~20質量%であり、より好ましくは1~16質量%、最も好ましくは2~14質量%であるが、潤滑油組成物中に上記範囲の量のマグネシウムが含まれるように添加されれば良い。
金属清浄剤として、カルシウムを有する清浄剤(以下、カルシウム系清浄剤という)を使用することができる。潤滑油組成物がカルシウム系清浄剤をさらに含むことにより、潤滑油として必要な高温清浄性、及び防錆性を更に確保することができる。
さらに、本発明の効果を損なわない範囲で、上記以外の金属系清浄剤として、ナトリウム系清浄剤を含んでいてもよい。ナトリウム系清浄剤とは、ナトリウムを有する化合物であり、例えば、ナトリウムスルホネート、ナトリウムフェネートおよびナトリウムサリシレートが好ましい。これらのナトリウム系清浄剤は、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を混合して使用してもよい。ナトリウム系清浄剤を含むことにより、潤滑油として必要な高温清浄性および防錆性を確保することができる。ナトリウム系清浄剤は、上述したマグネシウム系清浄剤および任意的なカルシウム系清浄剤と併用することができる。
カルシウム系清浄剤としては、上述のカルシウムスルホネート、カルシウムフェネートおよびカルシウムサリシレートが挙げられ、これらのカルシウム系清浄剤は、1種を使用してもよいし、2種以上を混合して使用してもよい。
カルシウム系清浄剤は、過塩基性であるのが好ましい。これにより、潤滑油に必要な酸中和性を確保できる。過塩基性のカルシウム含有清浄剤を使用する場合には、中性のカルシウム系清浄剤を併用してもよい。
カルシウム系清浄剤の全塩基価は、限定的ではないが、好ましくは20~500mgKOH/g、より好ましくは50~400mgKOH/g、最も好ましくは100~350mgKOH/gである。これにより、潤滑油に必要な酸中和性、高温清浄性および防錆性を確保できる。なお、2種以上の金属清浄剤を混合して使用する場合は、混合して得られた塩基価が前記範囲内となることが好ましい。
カルシウム系清浄剤中のカルシウム含有量は、好ましくは0.5~20質量%であり、より好ましくは1~16質量%、最も好ましくは2~14質量%である。
(D)ジアルキルジチオリン酸亜鉛
本発明の潤滑油組成物はジアルキルジチオリン酸亜鉛(ZnDTP(ZDDPともいう))を含む。該化合物は摩耗防止剤として機能するものであり、下記式(1)で表される。
Figure 2022061754000001
上記式(1)において、R及びRは、各々、互いに同一であっても異なっていてもよく、水素原子または炭素数1~26の一価炭化水素基である。一価炭化水素基としては、炭素数1~26の第1級(プライマリー)または第2級(セカンダリー)アルキル基;炭素数2~26のアルケニル基;炭素数6~26のシクロアルキル基;炭素数6~26のアリール基、アルキルアリール基またはアリールアルキル基;またはエステル結合、エーテル結合、アルコール基またはカルボキシル基を含む炭化水素基である。ここで、1級アルキル基とは、置換基R及びRにおいて、ジアルキルジチオリン酸亜鉛中の酸素原子に直接結合する炭素原子が1級炭素原子であるという意味である。同様に2級アルキル基とは、置換基R、Rにおいて、ジアルキルジチオリン酸亜鉛中の酸素原子に直接結合する炭素原子が2級炭素原子であるという意味である。R及びRは、好ましくは、互いに独立に、炭素数3~12の、第1級または第2級アルキル基、炭素数8~18のシクロアルキル基、又は炭素数8~18のアルキルアリール基である。ただし、本発明において、R及びRの少なくとも1は第1級または第2級アルキル基である。第1級アルキル基は、炭素数3~12を有することが好ましく、より好ましくは炭素数4~10を有する。例えば、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、2-エチル-ヘキシル基、及び2,5-ジメチルヘキシル基等が挙げられる。第2級アルキル基は、炭素数3~12を有することが好ましく、より好ましくは炭素数3~10を有する。例えば、イソプロピル基、セカンダリーブチル基、イソペンチル基、及びイソヘキシル基等が挙げられる。
第1級アルキル基を有するジアルキルジチオリン酸亜鉛を使用する場合は、摩耗防止効果だけでなく清浄性効果をもたらし、第2級アルキル基を有するジアルキルジチオリン酸亜鉛を使用する場合は、より摩耗防止効果を高めることができる。
したがって、場合に応じて第1級アルキル基を有するジアルキルジチオリン酸亜鉛と、第2級アルキル基を有するジアルキルジチオリン酸亜鉛とを併用することもできる。
潤滑油組成物中のジアルキルジチオリン酸亜鉛の含有量は、潤滑油組成物の全質量に対し、ジアルキルジチオリン酸亜鉛が有するリンの質量ppmによる濃度[P]として、300~1000質量ppmとなる量であり、好ましくは400~1,000質量ppmであり、より好ましくは500~1,000質量ppmであり、特に好ましくは600~900質量ppmである。
本発明の潤滑油組成物は、ジアルキルジチオリン酸亜鉛以外の摩耗防止剤をさらに含んでもよい。例えば、上記式で表され、R及びRが、互いに独立に、水素原子、または炭素数1~26の、アルキル基でない一価炭化水素基である化合物が挙げられる。該一価炭化水素基としては、炭素数2~26のアルケニル基;炭素数6~26のシクロアルキル基;炭素数6~26のアリール基、アルキルアリール基またはアリールアルキル基;またはエステル結合、エーテル結合、アルコール基またはカルボキシル基を含む炭化水素基である。R及びRは、好ましくは炭素数8~18のシクロアルキル基、炭素数8~18のアルキルアリール基であり、各々、互いに同一であっても異なっていてもよい。また、ジチオカルバミン酸亜鉛(ZnDTC)を組合せて使用してもよい。
また、下記式(2)及び(3)で示されるホスフェート、ホスファイト系のリン化合物、並びにそれらの金属塩及びアミン塩から選ばれる少なくとも1種の化合物を併用することもできる。
Figure 2022061754000002
上記一般式(2)中、Rは炭素数1~30の一価炭化水素基であり、R及びRは互いに独立に、水素原子又は炭素数1~30の一価炭化水素基であり、kは0又は1である。
Figure 2022061754000003
上記一般式(3)中、Rは炭素数1~30の一価炭化水素基であり、R及びRは互いに独立に水素原子又は炭素数1~30の一価炭化水素基であり、tは0又は1である。
上記一般式(2)及び(3)中、R~Rで表される炭素数1~30の一価炭化水素基としては、例えば、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アルキル置換シクロアルキル基、アリール基、アルキル置換アリール基、及びアリールアルキル基を挙げることができる。特には、炭素数1~30のアルキル基、又は炭素数6~24のアリール基であることが好ましく、より好ましくは炭素数3~18のアルキル基、最も好ましくは炭素数4~15のアルキル基である。
上記一般式(2)及び(3)で表されるリン化合物としては、例えば、上記炭素数1~30の炭化水素基を1つ有する亜リン酸モノエステル及び(ヒドロカルビル)亜ホスホン酸、ホスホン酸モノエステル、酸性リン酸モノエステル;上記炭素数1~30の炭化水素基を2つ有する亜リン酸ジエステル、モノチオ亜リン酸ジエステル、ホスホン酸ジエステル、酸性リン酸ジエステル及び(ヒドロカルビル)亜ホスホン酸モノエステル;上記炭素数1~30の炭化水素基を3つ有する亜リン酸トリエステル、及び(ヒドロカルビル)亜ホスホン酸ジエステル;及びこれらの混合物等が挙げられる。
上記一般式(2)及び(3)で表されるリン化合物の金属塩又はアミン塩は、一般式(2)及び(3)で表されるリン化合物に、金属酸化物、金属水酸化物、金属炭酸塩、金属塩化物等の金属塩基、アンモニア、炭素数1~30の炭化水素基又はヒドロキシル基含有炭化水素基のみを分子中に有するアミン化合物等の窒素化合物等を作用させて、残存する酸性水素の一部又は全部を中和することにより得ることができる。上記金属塩基における金属としては、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、セシウム等のアルカリ金属、カルシウム、マグネシウム、バリウム等のアルカリ土類金属、亜鉛、銅、鉄、鉛、ニッケル、銀、マンガン等の重金属(但し、モリブデンは除く)等が挙げられる。これらの中でも、カルシウム、マグネシウム等のアルカリ土類金属及び亜鉛が好ましく、亜鉛が特に好ましい。
(E)無灰分散剤
本発明の潤滑油組成物は、無灰分散剤を有する。無灰分散剤は、特に制限されるものでなく、従来公知のものを使用すればよい。例えば、炭素数40~400の、直鎖構造又は分枝構造を有するアルキル基又はアルケニル基を分子中に少なくとも1個有する含窒素化合物又はその誘導体、あるいはアルケニルコハク酸イミドの変性品等が挙げられる。無灰分散剤は1種類を単独で使用しても、2種類以上を併用してもよい。また、ホウ素化無灰分散剤を使用する場合は、上記したような無灰分散剤をホウ素化したものであればよい。ホウ素化は一般に、含窒素化合物にホウ酸を作用させて、残存するアミノ基及び/又はイミノ基の一部又は全部を中和することにより行われる。
上記アルキル基又はアルケニル基の炭素数は、好ましくは40~400であり、より好ましくは60~350である。アルキル基及びアルケニル基の炭素数が前記下限値未満であると、化合物の潤滑油基油に対する溶解性が低下する傾向にある。また、アルキル基及びアルケニル基の炭素数が上記上限値を超えると、潤滑油組成物の低温流動性が悪化する傾向にある。上記アルキル基及びアルケニル基は、直鎖構造を有していても分枝構造を有していてもよい。好ましい態様としては、例えば、プロピレン、1-ブテン、イソブチレン等のオレフィンのオリゴマー、エチレンとプロピレンのコオリゴマーから誘導される分枝状アルキル基又は分枝状アルケニル基等が挙げられる。
コハク酸イミドには、ポリアミンの一端に無水コハク酸が付加した、いわゆるモノタイプのコハク酸イミドと、ポリアミンの両端に無水コハク酸が付加した、いわゆるビスタイプのコハク酸イミドとがある。本発明の潤滑油組成物は、モノタイプ及びビスタイプのうちいずれか一方を含有してもよいし、あるいは双方を含有してもよい。
モノタイプのコハク酸イミド誘導体は例えば下記式(a)で表すことができる。ビスタイプのコハク酸イミド誘導体は例えば下記式(b)で表すことができる。
Figure 2022061754000004
Figure 2022061754000005
上記式において、Rは互いに独立に炭素数40~400のアルキル基またはアルケニル基であり、mは1~20の整数であり、nは0~20の整数である。特にはビスタイプのコハク酸イミド化合物が好ましい。コハク酸イミド誘導体は、モノタイプ及びビスタイプの併用、2種以上のモノタイプの併用、2種以上のビスタイプの併用であってもよい。
上記コハク酸イミド誘導体とホウ素化合物とを反応させることにより、ホウ素化されたコハク酸イミド誘導体が得られる。ホウ素化合物とは、ホウ酸、ホウ酸無水物、ホウ酸エステル、酸化ホウ素、及びハロゲン化ホウ素などである。ホウ素化コハク酸イミド誘導体は1種単独であっても、2種以上の組合せであってもよい。
例えば、ホウ素化コハク酸イミドの製造方法としては、特公昭42-8013号公報及び同42-8014号公報、特開昭51-52381号公報、及び特開昭51-130408号公報等に開示されている方法等が挙げられる。より詳細には、アルコール類やヘキサン、キシレン等の有機溶媒、軽質潤滑油基油等にポリアミンとポリアルケニルコハク酸(無水物)にホウ酸、ホウ酸エステル、又はホウ酸塩等のホウ素化合物を混合し、適当な条件で加熱処理することにより得ることができる。この様にして得られるホウ素化コハク酸イミドに含まれるホウ素含有量は通常0.1~4質量%とすることができる。特に、アルケニルコハク酸イミド化合物のホウ素変性化合物(ホウ素化コハク酸イミド)は耐熱性、酸化防止性及び摩耗防止性に優れるため好ましい。
無灰分散剤の数平均分子量(Mn)は、限定的ではないが2000以上であることが好ましく、より好ましくは2500以上、より一層好ましくは3000以上、最も好ましくは5000以上であり、また、15000以下であることが好ましい。無灰分散剤の数平均分子量が上記下限値未満では、分散性が十分でない可能性がある。一方、無灰分散剤の数平均分子量が上記上限値を超えると、粘度が高すぎ、流動性が不十分となり、デポジット増加の原因となるおそれがある。
無灰分散剤がホウ素を有する場合、無灰分散剤中のホウ素含有量は限定されることはないが、0.3質量%~5質量%以下有する無灰分散剤であることが好ましく、0.5質量%~3質量%以下有する無灰分散剤であることがより好ましい。無灰分散剤はホウ素を含有する無灰分散剤とホウ素を含有しない無灰分散剤のいずれも使用することができ、併用することもできる。
無灰分散剤の窒素含有量は、限定されることはないが、0.3質量%~5質量%以下有する無灰分散剤であることが好ましく、0.5質量%~3質量%以下有する無灰分散剤であることがより好ましく、0.8質量%~2質量%以下有する無灰分散剤であることがさらに好ましい。
無灰分散剤の潤滑油組成物中の含有量は、ホウ素含有無灰分散剤中のホウ素含有量にもよるが、特にはホウ素含有無灰分散剤の配合量が、組成物全量基準で0~1.5質量%、好ましくは0.001~1.0質量%、より好ましくは0.01~0.75質量%、特に好ましくは0.1~0.5質量%であるのがよい。
(F)モリブデンを有する摩擦調整剤
本発明の潤滑油組成物においては、モリブデンを有する摩擦調整剤(以下、モリブデン系摩擦調整剤という)を使用することができる。モリブデン系摩擦調整剤は特に制限されず、従来公知のものを使用することができる。モリブデン系摩擦調整剤とはモリブデンを有する化合物であり、例えば、モリブデンジチオホスフェート(MoDTP)およびモリブデンジチオカーバメート(MoDTC)等の硫黄を含有する有機モリブデン化合物、モリブデン化合物と硫黄含有有機化合物又はその他の有機化合物との錯体、ならびに硫化モリブデンおよび硫化モリブデン酸等の硫黄含有モリブデン化合物とアルケニルコハク酸イミドとの錯体等を挙げることができる。上記モリブデン化合物としては、例えば、二酸化モリブデンおよび三酸化モリブデン等の酸化モリブデン、オルトモリブデン酸、パラモリブデン酸および(ポリ)硫化モリブデン酸等のモリブデン酸、これらモリブデン酸の金属塩およびアンモニウム塩等のモリブデン酸塩、二硫化モリブデン、三硫化モリブデン、五硫化モリブデンおよびポリ硫化モリブデン等の硫化モリブデン、硫化モリブデン酸、硫化モリブデン酸の金属塩又はアミン塩、塩化モリブデン等のハロゲン化モリブデン等が挙げられる。上記硫黄含有有機化合物としては、例えば、アルキル(チオ)キサンテート、チアジアゾール、メルカプトチアジアゾール、チオカーボネート、テトラハイドロカルビルチウラムジスルフィド、ビス(ジ(チオ)ハイドロカルビルジチオホスホネート)ジスルフィド、有機(ポリ)サルファイドおよび硫化エステル等が挙げられる。特に、モリブデンジチオホスフェート(MoDTP)およびモリブデンジチオカーバメート(MoDTC)等の有機モリブデン化合物が好ましい。
モリブデンジチオカーバメート(MoDTC)は下記式[I]で表される化合物であり、モリブデンジチオホスフェート(MoDTP)は下記[II]で表される化合物である。
Figure 2022061754000006
Figure 2022061754000007
上記一般式[I]および[II]において、R~Rは、互いに同一であっても異なっていてもよく、炭素数1~30の一価炭化水素基である。炭化水素基は直鎖状でも分岐状でもよい。該一価炭化水素基としては、炭素数1~30の直鎖状または分岐状アルキル基;炭素数2~30のアルケニル基;炭素数4~30のシクロアルキル基;炭素数6~30のアリール基、アルキルアリール基またはアリールアルキル基等を挙げることができる。アリールアルキル基において、アルキル基の結合位置は任意である。より詳細には、アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基およびオクタデシル基等、およびこれらの分岐状アルキル基を挙げることができ、特に炭素数3~8のアルキル基が好ましい。また、XおよびXは酸素原子または硫黄原子であり、YおよびYは酸素原子または硫黄原子である。
摩擦調整剤として、硫黄を含まない有機モリブデン化合物も使用できる。このような化合物としては、例えば、モリブデン-アミン錯体、モリブデン-コハク酸イミド錯体、有機酸のモリブデン塩、およびアルコールのモリブデン塩等が挙げられる。
さらに本発明における摩擦調整剤として、米国特許第5,906,968号に記載されている三核モリブデン化合物を用いることもできる。
摩擦調整剤は、潤滑油組成物の質量に対するモリブデンの質量ppmとしての濃度[Mo]が500~1500質量ppm、好ましくは600~1200質量ppmの範囲となるような量で添加される。摩擦調整剤の量が上記上限を超えると、清浄性が悪化する場合があり、上記下限未満であると、摩擦を十分に低減することができなかったり、清浄性が悪化したりする場合がある。
その他の添加剤
本発明の潤滑油組成物は、その性能を向上させるために、目的に応じてその他の添加剤をさらに含有することができる。その他の添加剤としては一般的に潤滑油組成物に使用されているものを使用できるが、例えば、酸化防止剤、上記以外の摩擦調整剤、腐食防止剤、防錆剤、流動点降下剤、抗乳化剤、金属不活性化剤および消泡剤等の添加剤等を挙げることができる。
上記酸化防止剤としては、フェノール系、アミン系等の無灰酸化防止剤、銅系、モリブデン系等の金属系酸化防止剤が挙げられる。例えば、フェノール系無灰酸化防止剤としては、4,4’-メチレンビス(2,6-ジ-tert-ブチルフェノール)、4,4’-ビス(2,6-ジ-tert-ブチルフェノール)、イソオクチル-3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート等が、アミン系無灰酸化防止剤としては、フェニル-α-ナフチルアミン、アルキルフェニル-α-ナフチルアミン、ジアルキルジフェニルアミン等が挙げられる。酸化防止剤は、通常、潤滑油組成物中に0.1~5質量%で配合される。
上記以外の摩擦調整剤としては、例えばエステル、アミン、アミドなどが挙げられる。上記摩擦調整剤は、通常、潤滑油組成物中に0.01~3質量%で配合される。
上記腐食防止剤としては、例えば、ベンゾトリアゾール系、トリルトリアゾール系、チアジアゾール系、イミダゾール系化合物等が挙げられる。上記防錆剤としては、例えば、石油スルホネート、アルキルベンゼンスルホネート、ジノニルナフタレンスルホネート、アルケニルコハク酸エステル、多価アルコールエステル等が挙げられる。腐食防止剤及び防錆剤は、通常、潤滑油組成物中にそれぞれ0.01~5質量%で配合される。
上記流動点降下剤としては、例えば、使用する潤滑油基油に適合するポリメタクリレート系のポリマー等が使用できる。流動点降下剤は、通常、潤滑油組成物中に0.01~3質量%で配される。
上記抗乳化剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルナフチルエーテル等のポリアルキレングリコール系非イオン系界面活性剤等が挙げられる。抗乳化剤は、通常、潤滑油組成物中に0.01~5質量%で配合される。
上記金属不活性化剤としては、例えば、イミダゾリン、ピリミジン誘導体、アルキルチアジアゾール、メルカプトベンゾチアゾール、ベンゾトリアゾール又はその誘導体、1,3,4-チアジアゾールポリスルフィド、1,3,4-チアジアゾリル-2,5-ビスジアルキルジチオカーバメート、2-(アルキルジチオ)ベンゾイミダゾール、β-(o-カルボキシベンジルチオ)プロピオンニトリル等が挙げられる。金属不活性化剤は、通常、潤滑油組成物中に0.01~3質量%で配合される。
上記消泡剤としては、例えば、25℃における動粘度が1000~10万mm/sのシリコーンオイル、アルケニルコハク酸誘導体、ポリヒドロキシ脂肪族アルコールと長鎖脂肪酸のエステル、メチルサリチレートとo-ヒドロキシベンジルアルコール等が挙げられる。消泡剤は、通常、潤滑油組成物中に0.001~1質量%で配合される。
潤滑油組成物
本発明の潤滑油組成物の100℃での動粘度は、6.9~9.3mm/s未満の範囲であることを要し、7.0~9.0mm/sの範囲であることが好ましい。これにより、潤滑油組成物を低粘度化させることができる。
本発明の潤滑油組成物の-35℃でのCCS粘度は5100mPa・s以下であり、好ましくは4800mPa・s以下、より好ましくは4600mPa・s以下である。
本発明の潤滑油組成物の-40℃のMRV粘度は、特に限定されることはないが、好ましくは18,000mPa・s以下、より好ましくは15,000mPa・s以下である。
本発明の潤滑油組成物の粘度指数は、特に限定されることはないが、好ましくは150~350であり、より好ましくは200~330である。
本発明の潤滑油組成物の150℃での高温高せん断粘度(HTHS粘度)は、2.6mPa・s~3.1mPa・s未満の範囲であることを要し、2.6mPa・s~3.0mPa・s以下の範囲であることが好ましい。
以下、本発明を、実施例及び比較例によってより詳細に示すが、本発明は下記実施例に限定されない。
実施例および比較例で使用した材料は以下の通りである。
(A)潤滑油基油
(A1)成分
(A1-1)鉱油1(100℃での動粘度=4.0mm/s、VI=134)
(A2)成分
(A2-1)合成油1(ポリα-オレフィン、100℃での動粘度=6.0mm/s)
(A2-2)合成油2(ポリα-オレフィン、100℃での動粘度=10.0mm/s)
(A2-3)合成油3(ポリα-オレフィン、100℃での動粘度=40.0mm/s)
(A3)成分
(A3-1)鉱油2(100℃での動粘度=4.0mm/s、VI=122)
(A3-2)鉱油3(100℃での動粘度=4.5mm/s、VI=119)
(B)粘度指数向上剤
(B1)ポリメタクリレート(重量平均分子量 300,000)
その他の添加剤
金属清浄剤(カルシウム系清浄剤、マグネシウム系清浄剤の併用、塩基価350mg/KOH・g)、無灰分散剤(ホウ素化コハク酸イミド)、モリブデン摩擦調整剤、ジアルキルジチオリン酸亜鉛、酸化防止剤、抗乳化剤を含むパッケージ
実施例及び比較例
下記表1に示す量で、上記潤滑油基油、粘度指数向上剤、及びその他の成分を混合して潤滑油組成物を調製した。表に記載の質量部は、潤滑油組成物の総量(100質量部)に対する質量部である。なお、その他の添加剤の量は組成物の総質量が100質量部となる残部である。
得られた組成物について、以下に示す測定方法により、100℃での動粘度(KV100)、粘度指数、-35℃でのCCS粘度、150℃での高温高せん断粘度(HTHS150)、及び-40℃におけるMRV粘度を測定した。結果を表1に示す。
(1)100℃の動粘度:ASTM D 445に準拠して測定した。
(2)粘度指数:ASTM D 445に準拠して測定した。
(3)150℃におけるHTHS粘度(「HTHS粘度@150℃」と言うことがある):ASTM D 4683に準拠して測定した。
(4)-35℃におけるCCS粘度(「CCS粘度@-35℃」と言うことがある):ASTM D 5293に準拠して測定した。
(5)-40℃におけるMRV粘度(「MRV粘度@-40℃」と言うことがある):ASTM D 4684に準拠して測定した。
Figure 2022061754000008
上記表1に示す通り、(A2)成分を含まない比較例1の潤滑油組成物、(A1)成分を含まない比較例3~6の潤滑油組成物はいずれも-35℃におけるCCS粘度、及び-40℃におけるMRV粘度が高く、低温粘度を低減することができない。また、実施例と比較例2の対比に示す通り、(A3)成分は含まなくてもよいが、含有量が多すぎると低温粘度を低減することができない。
これに対し、実施例1~6の通り、本発明の潤滑油組成物は、-35℃におけるCCS粘度、及び-40℃におけるMRV粘度を良好に低減することができる。
本発明の潤滑油組成物は低温粘度を低減することができ、特に内燃機関用の潤滑油組成物、さらに過給ガソリンエンジン用の潤滑油組成物として好適に使用できる。

Claims (4)

  1. (A)潤滑油基油として、
    (A1)100℃における動粘度2.5~6.0mm/sを有し、且つ粘度指数128以上を有する鉱油系基油を、潤滑油組成物中に30~90質量%、及び
    (A2)100℃における動粘度4.0~60.0mm/sを有する合成油を、潤滑油組成物中に1~25質量%
    で含むことを特徴とする潤滑油組成物であって、
    該潤滑油組成物はさらに、任意成分である(A3)100℃における動粘度2.5~6.0mm/sを有し且つ粘度指数128未満を有する鉱油系基油を潤滑油組成物中に0~35質量%で含み、
    該潤滑油組成物の-35℃でのCCS粘度が5100mPa・s以下であり、100℃における動粘度が6.9~9.3mm/s未満であり、150℃での高温高せん断粘度(HTHS粘度)が2.6mPa・s~3.1mPa・s未満であることを特徴とする、前記潤滑油組成物。
  2. さらに(B)粘度指数向上剤を、潤滑油組成物の全質量に対して0.1~20質量%で含有することを特徴とする、請求項1記載の潤滑油組成物。
  3. 金属清浄剤、ジアルキルジチオリン酸亜鉛、無灰分散剤、及びモリブデン摩擦調整剤から選ばれる少なくとも1種をさらに含む、請求項1または2記載の潤滑油組成物。
  4. 内燃機関用である、請求項1~3のいずれか1項記載の潤滑油組成物。
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