JP2022061454A - 計時器バレルのためのコイリング制限デバイス - Google Patents

Abstract

【課題】計時器バレルのためのコイリング制限デバイスを提供すること。【解決手段】計時器バレル１のためのコイリング制限デバイス１００は、脱進機構６００と協働する共振器５００を含む腕時計１０００に組み込まれたバレル１のばねのスライディングフランジと協働するように構成された少なくとも１つの一方向ノッチを含む。このデバイス１００は、デバイス１００に含まれるレセプタクル２０上に配置された腕時計１０００のバレル１のコイリングの音響監視のための音響手段１０を含み、音響手段１０は、スライディングフランジとノッチとの協働の各開始中のクリックノイズを識別するように構成される。前記デバイス１００は、クリックノイズの、または、クリックノイズ繰り返しの、感知の瞬間に、バレル１のコイリングを停止するように構成されたパイロット手段２００を含む。【選択図】図５

Description

本発明は、バレルのばねに含まれるスライディングフランジと協働するように構成された、少なくとも１つの一方向ノッチを含む計時器バレルのコイリングを制限するためのデバイスに関し、前記バレルは、脱進機構と協働する共振器を含む腕時計に組み込まれる。

本発明はまた、バレルのリコイリングのための手段と、少なくとも１つのそのような制限デバイスとを含む、腕時計のワインディングのためのデバイスに関する。

本発明は、計時器バレルのリコイリングの分野に関する。

特にＳＷＡＴＣＨ ＧＲＯＵＰ ＲＥＳＥＡＲＣＨ＆ＤＥＶＥＬＯＰＭＥＮＴ社名義の文書である欧州特許出願公開第２６５０７３５号、欧州特許出願公開第３０９６１９１号、欧州特許出願公開第３１６３３８１号、欧州特許出願公開第３３３９９８４号、欧州特許出願公開第３５７２８８７号、欧州特許出願公開第３７１９５８９号、欧州特許出願公開第１９２１５６２９．７号に記載されている、最近のスマートワインダでは、自動巻腕時計のワインディングは、腕時計が、スライディングフランジの摩擦によるバレルドラムの摩耗を避けるために、完全にワインディングされた場合に停止する。この目的のための、１つの解決策は、接触マイクロフォンによって実行される脱進機ノイズの音響測定で構成される。なぜなら、これらのノイズは、それ自体がバレルのコイリングを表すひげぜんまいの振幅を推定できるからである。

難点は、腕時計に関わらず、および脱進機の種類（スイスのアンカ、同軸など）に関係なく、ひげぜんまいの振幅の正しい値を取得することにある。

この問題を、完全に満足できる方式で解決することは困難である。実施される解決策は、絶対値ではなく振幅変動を測定することである。時計が完全にリコイルされると、振幅の増加が止まる。次に、ワインダは、測定された最大振幅の特定の割合（たとえば、８０％）へ振幅をサーボ制御する。この方法は機能するが、振幅が、高い値で安定するのを待たなければならないという欠点があり、振幅測定のノイズが非常に大きいため、検出するのは困難である。これには時間がかかる場合があり、その間に、ワインダが、バレルを、フランジがスライドする点までワインディングするので、摩耗を引き起こす。

欧州特許出願公開第２６５０７３５号 欧州特許出願公開第３０９６１９１号 欧州特許出願公開第３１６３３８１号 欧州特許出願公開第３３３９９８４号 欧州特許出願公開第３５７２８８７号 欧州特許出願公開第３７１９５８９号 欧州特許出願公開第１９２１５６２９．７号

本発明は、バレルドラムにおけるスライディングフランジによって生じるノイズを識別することによって、自動巻腕時計の完全なワインディングを検出することを意図している。

この目的のために、本発明は、より具体的には、スライディングフランジのノイズを検出するインテリジェントワインダに関する。

この目的のために、本発明は、請求項１に記載の計時器バレルのコイリングを制限するためのデバイスに関する。

本発明はまた、バレルのリコイリングのための手段と、少なくとも１つのそのような制限デバイスとを含む、腕時計をワインディングするためのデバイスに関する。

本発明の他の特徴および利点は、添付の図面を参照して、以下の詳細な説明を読むと明らかになるであろう。

図１は、ドラムの内側の円筒面上にあるスライディングフランジを備えたばねを収容し、一方向ノッチが設けられた、ドラム内の計時器バレルを、概略的かつ平面的に示す図である。 図２は、図１と同様に、自由状態における図１のばねを示す図である。 図３は、そのような制限デバイスを含む腕時計ワインディングデバイスに配置された腕時計において、音響測定手段によって感知されたノイズ信号を表す図であり、脱進機の衝撃に対応する小さなピークと、スライディングフランジの、バレルドラムの一方向ノッチの１つとの協働のノイズに対応する、はるかに顕著なピークとが見られる。 図４は、縮小すると図３と同様であり、おのおのが、バレルドラムの一方向ノッチの１つとのスライディングフランジの協働のこのノイズに対応し、２つの連続するノッチに関連している２つのピークを示す図である。 図５は、腕時計をワインディングするためのデバイスを、機能ブロックを用いて非常に概略的に示す図であり、このデバイスは、センサが設けられ、装置のレセプタクルに固定された自動巻腕時計のバレルのリコイリングを制御するためのモータ手段と、制限デバイスとを含み、制限デバイスは、この腕時計のバレルのコイリングの音響監視のためのそのような音響手段を含み、さらに、決定されたアルゴリズムにしたがって、バレルのコイリングを停止するようにモータ手段を制御するように構成されたパイロット手段を含み、これらのパイロット手段は、ここでも、初期較正のために腕時計を識別するための手段と、腕時計の共振器の速度および／または振幅を測定するための手段とインターフェースされている。

本発明は、バレルドラムにおけるスライディングフランジによって生じるノイズを識別することによって、自動巻腕時計の完全なワインディングを検出することを意図している。

この目的のために、本発明は、より具体的には、スライディングフランジのノイズを検出するインテリジェントワインダに関する。

バレルばねをワインディングするとき、スライディングフランジは、摩擦によって余分なエネルギを放出することができる。しかしながら、ばねは、時々ブロックされ、その後、ばねは、突然一方向ノッチへスライドし、特有のノイズを発生させる。

図１は、従来の自動巻バレル１を示し、図２は、非限定的な図示の例では８つである一方向ノッチ２を内周に含むこのバレルのドラム５に取り付けられる前の、スライディングフランジ３を含むバレルばね４を示す。

腕時計がワインディングされていることを判定するために、音響測定によってこのノイズを識別することが提案されている。

この解決策は、腕時計が完全に巻き上げられた瞬間を即座に識別できるという利点があり、摩耗の可能性を最小限に抑える。それに加えて、最大ワインディングは、より正確に識別されるため、ユーザが腕時計をワインダから外したときのパワーリザーブは、振幅測定方法と比較して最適化される可能性がある。

図３は、スライディングフランジがノッチに入るときの時間の関数としての音響信号を示す。この測定は、手巻自動巻腕時計Ｓｉｓｔｅｍ ５１ Ｓｗａｔｃｈ（登録商標）で実行された。この測定は、スライディングフランジからの音響信号が特に強く、現在の感度およびゲイン設定でも飽和することを示している。ワインディングシステムのノイズも重要であり、これは、脱進機の衝撃を部分的にマスクするが、ワインダが静止しているときに速度と振幅の測定が行われるインテリジェントワインダでは問題にはならない。ピークＰ１は、脱進機の衝撃に対応し、ピークＰ２は、一方向ノッチ２のスライディングフランジ３のノイズに対応する。

図４は、この信号のスペクトログラム（周波数の時間的変化）を示す。シグニチャは特に特徴的であり、特に、０から２５００Ｈｚの周波数帯域において、脱進機およびワインディングシステムからのノイズのシグニチャからは明確に際立っている。２つの連続するＰ２ピークは、明確に区別できる。

しかしながら、腕時計のノイズを連続的に聞き取り、分析する必要があり、ユーザの自宅や販売店などのスタティックワインダでは、電気エネルギの消費は問題になる。リアルタイムのスペクトログラム分析も、リソースを大量に消費する可能性がある。

最大コイリングの検出のロバスト性を高めるために、再チャージをすぐに停止させないことが可能であるが、フランジが実際にノッチからノッチにスライドしていることを確認できる少なくとも第２のノイズを得るために、再チャージを少し長く続けるためには、スライディングフランジとノッチとの協働のノイズのこれら２つの検出間のストローク中の摩擦により、摩耗が少し大きくなるという犠牲を払っていることは事実である。この確認は、ノッチ内のフランジのスライドの音響シグニチャを検証し、その後、１つの経路のみを検出するために、１回だけ行うことができる。

インテリジェントワインダは、腕時計の経年劣化や、アフタサービスへ戻す必要性を識別できる唯一のワインダであるため、振幅の測定を有利に維持できる。２つの分析方法、すなわち、最大コイリングの検出のためのスライディングフランジのノイズの測定、および長期摩耗の評価のための振幅の測定は非常によく共存できる。

フランジのノイズの測定は、変形時には、体系的ではない可能性があることが理解され、フランジのノイズの測定は、振幅測定の認定のための初期較正として使用できる。腕時計認識システムが実施されている場合、ワインダは、フランジのノイズのおかげで、較正時に腕時計に係数を割り当てることができ、時間に正確で不連続であるために電気エネルギの消費が少ない、振幅測定のみを使用することができる。

ワインディングシステムのノイズは、フランジがスライドする前でも、コイリングに依存する可能性があるが、スライディングフランジと、ノッチの１つとの協働のノイズは、非常に特徴的であり、音響信号を処理する際に容易に分離できるため、音のシグニチャは異なる。したがって、そのようなノイズの音響シグニチャを探索および識別する低電力アルゴリズムを使用することが有利である。また、腕時計の各種類毎に、このノイズが腕時計に関係なく類似していることを検証するか、または、そうでない場合は、コイリングの特徴的なノイズ、およびスライディングフランジとドラムノッチとの協働を限定することが必要である。

したがって、より具体的には、本発明は、腕時計バレル１のコイリングを制限するためのデバイス１００に関する。

このバレル１は、脱進機構６００と協働する共振器５００を含む腕時計１０００に組み込まれる。

このバレル１のドラム５は、バレル１のばね４によって含まれるスライディングフランジ３と協働するように構成された少なくとも１つの一方向ノッチ２を含む。

本発明によれば、デバイス１００は、デバイス１００に含まれるレセプタクル２０上に配置された腕時計１０００のバレル１のコイリングの音響監視のための音響手段１０を含む。

これらの音響手段１０は、スライディングフランジ３とノッチ２との協働の各開始中のクリックノイズである基準ノイズを識別するように構成される。

デバイス１００は、クリックノイズの、または、クリックノイズの繰り返しの、感知の瞬間に、バレル１のコイリングを停止するように構成されたパイロット手段２００を含む。

より具体的には、パイロット手段２００は、音響手段１０による測定の実行中、バレルのリコイリングを停止または禁止するように構成される。

より具体的には、音響手段１０は、スライディングフランジ３とノッチ２との協働時に、各入力の基準ノイズを識別するように構成される。

より具体的には、パイロット手段２００は、音響手段１０によって感知される、所与のバレル１の最大ワインディングノイズ、および基準ノイズを記憶するように構成される。

そして、音響手段１０は、より具体的には、スライディングフランジ３とノッチ２との協働の各開始のノイズを識別するように構成される。

パイロット手段２００は、有利なことに、基準ノイズ以上のノイズ信号のみを追跡するように、フィルタリング手段を含む。

より具体的には、パイロット手段２００は、音響手段１０が基準ノイズ以上のノイズを感知したときに、バレル１のリコイリングを停止または禁止するように構成される。

より具体的には、パイロット手段２００は、音響手段１０が、基準ノイズ以上のノイズを初めて感知したときに、バレルのリコイリングを停止または禁止するように設計される。

より具体的には、パイロット手段２００は、音響手段１０が基準ノイズ以上のノイズを２回目に感知したときに、バレルのリコイリングを停止または禁止するように構成される。

より具体的には、音響手段１０は、バレルのコイリング中の音勾配を評価するように構成され、パイロット手段２００は、この音勾配を基準記録と比較するように構成される。

より具体的には、音響手段１０は、脱進機構６００のノイズを聞くことによって、共振器５００の振幅の変動を識別または／および測定するように構成される。

より具体的には、パイロット手段２００は、振幅変動が所定のしきい値を超えたときに、バレル１のコイリングを停止するように構成される。

本発明はまた、バレル１のリコイリングのための手段４００と、少なくとも１つのそのような制限デバイス１００とを含む、腕時計１０００のためのワインディングデバイス３００に関する。

より具体的には、少なくとも１つのそのような制限デバイス１００は、音響手段１０による腕時計の振幅の測定のために、または、振幅の変動測定のために、そのスライディングフランジ３の基準ノイズを測定することにより、腕時計１０００の初期較正のための手段となるように構成される。

より具体的には、ワインディングデバイス３００は、その較正またはその初期較正のために腕時計１０００を識別するための手段６００を含む。

より具体的には、ワインディングデバイス３００は、腕時計１０００を支えるレセプタクル２０が静止しているときに腕時計１０００において速度および／または振幅の測定を行うように構成された速度および／または振幅測定手段７００を含む。

１ バレル
２ ノッチ
３ スライディングフランジ
４ ばね
５ ドラム
１０ 音響手段
２０ レセプタクル
１００ 制限デバイス
２００ パイロット手段
３００ ワインディングデバイス
４００ リコイリング手段
５００ 共振器
６００ 脱進機構
７００ 振幅測定手段
１０００ 腕時計

Claims (14)

1. 計時器バレル（１）のばね（４）に含まれるスライディングフランジ（３）と協働するように構成された、少なくとも１つの一方向ノッチ（２）を含む前記バレル（１）のためのコイリング制限デバイス（１００）であって、前記バレル（１）は、脱進機構（６００）と協働する共振器（５００）を含む腕時計（１０００）に組み込まれ、前記デバイス（１００）は、前記デバイス（１００）に含まれるレセプタクル（２０）上に配置された前記腕時計（１０００）のバレル（１）のコイリングの音響監視のための音響手段（１０）を含み、前記音響手段（１０）は、前記スライディングフランジ（３）と前記ノッチ（２）との協働の各開始中のクリックノイズである基準ノイズを識別するように構成され、前記デバイス（１００）は、前記クリックノイズの、または、前記繰り返しのクリックノイズの、感知の瞬間に、前記バレル（１）のコイリングを停止するように構成されたパイロット手段（２００）を含むことを特徴とする、コイリング制限デバイス（１００）。
2. 前記パイロット手段（２００）は、前記音響手段（１０）による測定の実行中、前記バレルのリコイリングを停止または禁止するように構成されることを特徴とする、請求項１に記載の制限デバイス（１００）。
3. 前記音響手段（１０）は、前記スライディングフランジ（３）と前記ノッチ（２）との協働時に、各入力の前記基準ノイズを識別するように構成されることを特徴とする、請求項１または請求項２に記載の制限デバイス（１００）。
4. 前記パイロット手段（２００）は、前記音響手段（１０）によって感知される、所与のバレルの最大ワインディングノイズ、および前記基準ノイズを記憶するように構成され、前記音響手段（１０）は、前記スライディングフランジ（３）と前記ノッチ（２）との協働の各開始のノイズを識別するように構成され、前記パイロット手段（２００）は、前記基準ノイズ以上のノイズ信号のみを追跡するフィルタリング手段を含むことを特徴とする、請求項３に記載の制限デバイス（１００）。
5. 前記パイロット手段（２００）は、前記音響手段（１０）が前記基準ノイズ以上のノイズを感知したときに、前記バレルのリコイリングを停止または禁止するように構成されることを特徴とする、請求項２および請求項４に記載の制限デバイス（１００）。
6. 前記パイロット手段（２００）は、前記音響手段（１０）が、前記基準ノイズ以上のノイズを初めて感知したときに、前記バレルのリコイリングを停止または禁止するように構成されることを特徴とする、請求項５に記載の制限デバイス（１００）。
7. 前記パイロット手段（２００）は、前記音響手段（１０）が前記基準ノイズ以上のノイズを２回目に感知したときに、前記バレルのリコイリングを停止または禁止するように構成されることを特徴とする、請求項５に記載の制限デバイス（１００）。
8. 前記音響手段（１０）は、前記バレルのコイリング中の音勾配を評価するように構成され、前記パイロット手段（２００）は、前記音勾配を基準記録と比較するように構成されることを特徴とする、請求項１から請求項７のいずれか一項に記載の制限デバイス（１００）。
9. 前記音響手段（１０）は、前記脱進機構（６００）のノイズを聞くことによって、前記共振器（５００）の振幅の変動を識別または／および測定するように構成されることを特徴とする、請求項１から請求項８のいずれか一項に記載の制限デバイス（１００）。
10. 前記パイロット手段（２００）は、前記振幅の変動が所定のしきい値を超えたときに、前記バレル（１）のコイリングを停止するように構成されることを特徴とする、請求項９に記載の制限デバイス（１００）。
11. 前記バレル（１）をリコイリングするための手段（４００）と、請求項１から請求項１０のいずれか一項に記載の少なくとも１つの制限デバイス（１００）とを含む、腕時計（１０００）をワインディングするデバイス（３００）。
12. 少なくとも１つの前記制限デバイス（１００）は、前記音響手段（１０）による前記腕時計の振幅の測定のために、または、前記振幅の変動の測定のために、前記スライディングフランジの前記基準ノイズを測定することにより、前記腕時計（１０００）の初期較正のための手段を構成するように構成されることを特徴とする、請求項１１に記載のワインディングデバイス（３００）。
13. 前記ワインディングデバイス（３００）は、その較正またはその初期較正のために前記腕時計（１０００）を識別するための手段を含むことを特徴とする、請求項１１または請求項１２に記載のワインディングデバイス（３００）。
14. 前記ワインディングデバイス（３００）は、前記腕時計（１０００）を支える前記レセプタクル（２０）が静止しているときに、前記腕時計（２００）において速度および／または振幅測定を行うように構成されることを特徴とする、請求項１１から請求項１３のいずれか一項に記載のワインディングデバイス（３００）。

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