JP2022061372A - 画像形成装置、及び駆動電圧波形決定方法 - Google Patents

画像形成装置、及び駆動電圧波形決定方法 Download PDF

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Abstract

【課題】画質の低下を低減可能な画像形成装置を提供すること。【解決手段】本発明の一態様に係る画像形成装置は、記録媒体に液滴を付与して画像を形成する画像形成装置であって、前記液滴を吐出する液滴吐出部と、駆動電圧波形を出力して前記液滴吐出部を制御する制御部と、前記液滴吐出部と前記記録媒体を所定方向に相対移動させる移動部と、を有し、前記制御部は、前記記録媒体上で、前記所定方向に沿って隣接する第1の液滴の間に、第2の液滴の少なくとも一部が付与されるように、前記液滴吐出部を制御する。【選択図】図4

Description

本発明は、画像形成装置、及び駆動電圧波形決定方法に関する。
従来、記録媒体に液滴を付与して画像を形成する画像形成装置が知られている。
また、記録媒体上で液滴が付与されるべきではない位置に、液滴を主に構成する主滴に付随するサテライト滴が付与されることを抑制するために、サテライト滴が近傍の主滴に重なりやすいように、記録媒体上での主滴とサテライト滴との距離を調整する構成が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、特許文献1の構成では、主滴(第1の液滴)の記録媒体への着弾位置ずれ等により画質が低下する場合がある。
本発明は、画質の低下を低減可能な画像形成装置を提供することを課題とする。
本発明の一態様に係る画像形成装置は、記録媒体に液滴を付与して画像を形成する画像形成装置であって、前記液滴を吐出する液滴吐出部と、駆動電圧波形を出力して前記液滴吐出部を制御する制御部と、前記液滴吐出部と前記記録媒体を所定方向に相対移動させる移動部と、を有し、前記駆動部は、前記記録媒体上で、前記所定方向に沿って隣接する第1の液滴の間に、第2の液滴の少なくとも一部が付与されるように前記液滴吐出部を制御する。
本発明によれば、画質の低下を低減できる。
実施形態に係る画像形成システムの構成例を示す図である。 実施形態に係る情報処理装置のハードウェア構成例の図である。 実施形態に係る画像形成装置のハードウェア構成例の図である。 実施形態に係る画像形成装置の構成例を示す図である。 ラインヘッド構成の図であり、(a)は第1例、(b)は第2例を示す。 実施形態に係る制御部の機能構成例のブロック図である。 駆動電圧波形の図であり、(a)は第1例、(b)は第2例を示す。 インクの吐出と着弾を示す図であり、(a)はラインヘッドを側方から視た図、(b)はインクが着弾した用紙を上方から視た図である。 千鳥配列ドットのための駆動電圧波形を示す図であり、(a)は奇数ノズルに対する駆動電圧波形、(b)は偶数ノズルに対する駆動電圧波形を示す。 千鳥配列ドットを示す図であり、(a)は格子配列ドットの一例、(b)は千鳥配列ドットの一例を示す。 用紙の凹凸差による着弾位置ずれを説明する図である。 着弾位置ずれによる画質低下(スジ)の一例を示す図であり、(a)は画質低下(スジ)がない場合、(b)は画質低下(スジ)の第1例、(c)は画質低下(スジ)の第2例を示す。 インクの合一による画質低下(粒状感)の一例を示す図であり、(a)は画質低下(粒状感)がない場合、(b)は画質低下(粒状感)の第1例、(c)は画質低下(粒状感)の第2例を示す。 実施形態に係るサテライト滴を説明する図であり、(a)はラインヘッドを側方から視た図、(b)はインクが着弾した用紙を上方から視た図である。 駆動電圧波形の調整方法例を示す図であり、(a)乃至(f)のそれぞれはプル波形及びプッシュ波形を1つずつ含む駆動電圧波形を示す。 駆動電圧波形によるサテライト滴の形成例を示す図であり、(a)乃至(d)は駆動電圧波形、(e)乃至(h)はインクの状態を示す。 電圧倍率に応じたサテライト滴の主滴に対する距離及び滴量の一例の図であり、(a)は電圧倍率と主滴とサテライト滴の距離の関係、(b)は電圧倍率とサテライト滴の滴量の関係、(c)は主滴とサテライト滴の距離とサテライト滴の滴量との関係、(d)はラインヘッドごとに用意される駆動電圧波形群を示す。 第1実施形態に係る着弾位置ずれへの作用例を示す図であり、(a)は第1例、(b)は第2例、(c)は第3例を示す。 第1実施形態に係る合一への作用例を示す図であり、(a)は第1例、(b)は第2例、(c)は第3例を示す。 用紙上でのサテライト滴の付与範囲例を示す図である。 第2実施形態に係る画像の端部例を示す図である。 第2実施形態に係るヘッド吐出制御部の機能構成例の図である。
以下、図面を参照して発明を実施するための形態について説明する。各図面において、同一構成部には同一符号を付し、重複した説明を適宜省略する。
また以下に示す実施形態は、本発明の技術思想を具体化するための画像形成装置を例示するものであって、本発明を以下に示す実施形態に限定するものではない。以下に記載されている構成部品の形状、その相対的配置、パラメータの値等は特定的な記載がない限り、本発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、例示することを意図したものである。また図面が示す部材の大きさや位置関係等は、説明を明確にするため、誇張している場合がある。
実施形態に係る画像形成装置は、普通紙、光沢紙又はフィルム等の記録媒体に液滴を付与して画像を形成する液滴吐出方式の画像形成装置である。該画像形成装置は、液滴を吐出する液滴吐出部と、駆動電圧波形を出力して液滴吐出部を制御する制御部と、液滴吐出部と記録媒体を所定方向に相対移動させる移動部と、を有する。ここで、液滴とは、液滴吐出部により吐出された液体が滴化したものをいう。
このような画像形成装置では、液滴吐出部が吐出した液滴の記録媒体に対する着弾位置ずれ、又は着弾した液滴が記録媒体上で移動する液滴の合一現象(以下、単に合一という)等に起因して、液滴が付着していないスジ状の領域(以下、単にスジという)等が画像に発生し、画質を低下させる場合がある。
実施形態では、記録媒体上で、所定方向に沿って隣接する第1の液滴の間に、第2の液滴の少なくとも一部が付与されるように、駆動電圧波形を出力して液滴吐出部を制御する。
例えば、第1の液滴は、液滴を主に構成する主滴であり、第2の液滴は、主滴に付随するサテライト滴である。この構成により、第1の液滴の着弾位置ずれ、又は合一等により、画像にスジ等の画質低下要因が発生した場合にも、第2の液滴が画像のスジ等を埋めるように作用することで、スジ等を目立たなくし、画質の低下を低減する。
以下では、実施形態に係る画像形成装置を備える画像形成システムを一例として、実施形態を説明する。この画像形成システムは、例えば所望の画像を大量の記録媒体に印刷する商用印刷(プロダクションプリンティング)用の画像形成システムである。また画像形成装置は、液滴吐出部が移動しないライン型インクジェット方式の画像形成装置である。但し、液滴吐出部が移動するシリアル型インクジェット方式の画像形成装置にも実施形態を適用可能である。
なお、実施形態の用語における、画像形成、記録、印字、印写、印刷は何れも同義語とする。また、液体は、液体吐出ヘッドから吐出可能な粘度や表面張力を有するものであればよく、特に限定されないが、常温、常圧下において、または加熱、冷却により粘度が30mPa・s以下となるものであることが好ましい。より具体的には、水や有機溶媒等の溶媒、染料や顔料等の着色剤、重合性化合物、樹脂、界面活性剤等の機能性付与材料、DNA、アミノ酸やたんぱく質、カルシウム等の生体適合材料、天然色素等の可食材料、などを含む溶液、懸濁液、エマルジョンなどであり、これらは例えば、インクジェット用インク、表面処理液、電子素子や発光素子の構成要素や電子回路レジストパターンの形成用液、3次元造形用材料液等の用途で用いることができる。
液滴吐出ヘッドとは、ノズルから液滴を吐出・噴射する機能部品である。液滴を吐出するエネルギー発生源として、圧電アクチュエータ(積層型圧電素子及び薄膜型圧電素子)、発熱抵抗体などの電気熱変換素子を用いるサーマルアクチュエータ、振動板と対向電極からなる静電アクチュエータ等を使用するものが含まれる。
<画像形成システム100の全体構成例>
まず図1を参照して、画像形成システム100の構成の一例を説明する。図1は、画像形成システム100の構成の一例を説明する図である。図1に示すように、画像形成システム100は、クライアントPC(Personal Computer)101と、DFE(Digital Front End)102と、画像形成装置103と、管理サーバ104とを有する。これらはインターネット等を介して相互に通信可能に接続されている。
クライアントPC101は、ユーザが印刷したい印刷ジョブを作成し、DFE102又は管理サーバ104へ印刷ジョブを送信する。液晶ディスプレイである表示部や、マウスやキーボードなどの入力装置を備えている。
DFE102は、クライアントPC101又は管理サーバ104から印刷ジョブを受け取り、受け取った印刷ジョブに基づいて、RIP(Raster Image Processor)エンジンにより描画データを作成し、画像形成装置103へ描画データを送信する。ここでDFE102は、情報処理装置の一例である。
画像形成装置103は、DFE102から受け取った描画データに基づいて、記録媒体に画像形成を行う。
管理サーバ104は、クライアントPC101から受け取った印刷ジョブを管理する。また、DFE102からの要求により、印刷ジョブをDFE102へ送信する。
なお、画像形成システム100には、複数の画像形成装置や複数のクライアントPCが通信可能に接続されてもよい。
<DFE102のハードウェア構成例>
次に図2を参照して、DFE102のハードウェア構成を説明する。図2は、DFE102のハードウェア構成の一例を説明するブロック図である。
図2に示すように、DFE102は、CPU(Central Processing Unit)201と、ROM(Read Only Memory)202と、RAM(Random Access Memory)203と、HDD(Hard Disk)/SSD(Solid State Drive)204と、I/F(Interface)205とを有する。
これらのうち、CPU201は、RAM203を作業領域として使用し、ROM202に格納されているプログラムを実行することで、DFE102全体の動作を制御する。
HDD/SDD204は、記憶部として使用され、予め設定された設定値を格納している。HDD/SSD204に格納されている情報は、CPU201が読み出しプログラム実行時に使用することもある。
I/F205は、DFE102と、クライアントPC101、画像形成装置103及び管理サーバ104とを通信可能にするインターフェースである。
<画像形成装置103のハードウェア構成例>
次に図3を参照して、画像形成装置103のハードウェア構成を説明する。図3は、画像形成装置103のハードウェア構成の一例を説明するブロック図である。
図3に示すように、画像形成装置103は、CPU301と、ROM302と、RAM303と、HDD/SSD304と、I/F305と、画像形成部306と、読取部307とを有する。
これらのうち、CPU301は、RAM303を作業領域として使用し、ROM302に格納されているプログラムを実行することで、画像形成装置103全体の動作を制御する。
HDD/SDD304は、記憶部として使用され、予め設定された設定値を格納している。HDD/SSD304に格納されている情報は、CPU301が読み出しプログラム実行時に使用することもある。
I/F305は、画像形成装置103と、DEF102、クライアントPC101及び管理サーバ104とを通信可能にするインターフェースである。
画像形成部306は、印刷用紙に印刷画像を形成する印刷エンジンである。読取部307は印刷用紙に形成された印刷画像を読み取る読取装置である。
<画像形成装置103の構成例>
図4は、画像形成装置103の構成の一例を説明する図である。画像形成装置103は、制御部2と、ヘッドユニット3と、画像検査部4と、アンワインダー5と、乾燥部6と、リワインダー7とを有する。
画像形成装置103は、用紙P1にインク滴を吐出して画像を形成する。ここで、用紙P1は記録媒体の一例であり、例えば本実施形態ではロール紙である。またインクは液滴の一例である。なお、図4における搬送方向10は、用紙P1の幅方向に直交する用紙P1の搬送方向を表し、幅方向11は、用紙P1の幅方向を表している。用紙P1の搬送方向10は所定方向の一例である。
制御部2は、画像形成装置103を制御する制御装置である。アンワインダー5及びリワインダー7は、制御部2が出力する制御信号T1によって同期し、用紙P1を所定の速度で搬送方向10に沿って搬送する。アンワインダー5、リワインダー7、及び複数の搬送ローラ8は搬送機構50を構成する。
ヘッドユニット3は、ラインヘッド31と、ラインヘッド32と、ラインヘッド33と、ラインヘッド34とを有する。ラインヘッド31乃至34のそれぞれは、液滴吐出ヘッドの一例である。
アンワインダー5及びリワインダー7が搬送する用紙Pがヘッドユニット3の直下を通過する際に、ラインヘッド31、32、33及び34のそれぞれは、画像情報に基づいてインクを吐出し、用紙P1上にインクを付与して画像を形成する。
一例として、ラインヘッド31はブラックのインクを吐出し、ラインヘッド32はシアンのインクを吐出し、ラインヘッド33はマゼンタのインクを吐出し、ラインヘッド34はイエローのインクを吐出することができる。
乾燥部6は、用紙P1を搬送しながら、ヘッドユニット3で用紙P1上に付与されたインクを加熱する加熱ドラムである。乾燥部6は、加熱によりインク中の水分等の液分を蒸発させ、用紙P1上にインクを固着させ、用紙P1に画像を定着させることができる。
画像検査部4は、用紙P1上に定着した画像を読み取り、画像の検査を行う。制御部2は、画像検査部4による画像検査データ等を含む受信信号T2を受信し、画像検査データを用いて各種補正処理を行うことができる。
画像形成装置103は、図4に示した構成以外に他の機能部を適宜追加することもできる。例えば、アンワインダー5とヘッドユニット3との間に画像形成の前処理を行う前処理部を追加したり、乾燥部6とリワインダー7との間に画像形成の後処理を行う後処理部を追加したりすることができる。
前処理部は、インクと反応して滲みを抑制するための処理液を用紙P1に塗布する処理液塗布処理を行うもの等を含むが、前処理の内容については特に制限はない。また後処理部は、用紙を冷却させる冷却機構等を含むが、後処理の内容についても特に制限はない。
次に図5は、ヘッドユニット3におけるラインヘッド31の構成を示す図であり、(a)は第1例、(b)は第2例を示す。図5では、ラインヘッド31の用紙P1に対向する面を平面視している。図5に示すように、ラインヘッド31は、幅方向11に沿って配列する複数のノズル31aを有する。ラインヘッド31は、図5(a)では、複数のノズル31aを1列に配列し、図5(b)では、複数のノズル31aを2列に配列している。ラインヘッド31は、複数のノズル31aのそれぞれからインクを吐出することができる。
なお、図5では、ノズル31aが1列又は2列に配列する構成を例示するが、ラインヘッド31は、3列以上のノズル列を備えることもできる。また図5では、ラインヘッド31が1つのラインヘッドで構成される例を示すが、ラインヘッド31は幅方向11に沿って配列する複数のラインヘッドを備える構成にしてもよい。またラインヘッドが複数のノズル列を備える場合に、複数のノズル列を千鳥配置にしてもよい。この千鳥配置は、例えば、各ノズル列の幅方向11に沿う位置を、ノズル列におけるノズル間隔の略半分だけ相対的にずらした配置である。
なお、ラインヘッド32、33及び34は、ラインヘッド31と同様の構成を有するため、重複する説明を省略する。
<制御部2の機能構成例>
次に図6を参照して、画像形成装置103が備える制御部2の機能構成を説明する。図6は、制御部2の機能構成の一例を説明するブロック図である。
図6に示すように、制御部2は、温度制御部501と、搬送速度制御部502と、ヘッド吐出制御部503と、画像検査装置制御部504とを有する。制御部2は、図3のCPU301がROM302等に記憶されたプログラムをRAM303に展開して実行すること等によりこれらの機能を実現することができる。
温度制御部501は、乾燥部6の温度を制御する。搬送速度制御部502は、ヘッドユニット3と用紙を搬送方向に相対移動させる移動部の一例である。搬送速度制御部502は、アンワインダー5、リワインダー7及び搬送ローラ8等で構成される搬送機構50による搬送速度を制御する。ヘッド吐出制御部503は、駆動電圧波形を出力してラインヘッド31乃至34のそれぞれにインクを吐出させる。画像検査装置制御部504は、画像検査部4を制御する。
画像形成を行う際には、温度制御部501は、乾燥部6が所望の温度となるよう温度制御を開始する。搬送速度制御部502は、乾燥部6が所望の温度になって画像形成の準備が整うタイミングに合うように用紙P1の搬送を開始する。搬送速度制御部502による用紙P1の搬送速度が略一定の速度となり、且つ乾燥部6が所望の温度範囲となったら、ヘッド吐出制御部503は、ヘッドユニット3のラインヘッド31乃至34のそれぞれに駆動電圧波形を出力してインクを吐出させる。画像形成装置103は、ラインヘッド31乃至34のそれぞれから吐出されたインクで、用紙P1上に画像を形成することができる。
各ラインヘッド31乃至34によるインク吐出タイミングは、調整用の画像形成を行い、その際に画像検査部4で読み取った着弾位置に基づいて、予め適正化しておく。なお、画像形成中に画像検査を行ってインク吐出タイミングを調整することもできる。
<インクの吐出と着弾の説明>
次に図7及び図8を参照して、ラインヘッド31乃至34のそれぞれによるインクの吐出と、吐出されたインクの用紙P1への着弾について説明する。
図7は、ラインヘッドに入力される駆動電圧波形を示す図であり、(a)は第1例、(b)は第2例を示す。また図8、駆動電圧波形に基づくインクの吐出と着弾を説明する図である。(a)はラインヘッドを側方から視た図、(b)はインクが着弾した用紙を上方から視た図である。
図7における駆動電圧波形は、基準電位70から電圧を低下させるオン波形71又はオフ波形71'により構成され、ラインヘッドにインクを吐出させるための吐出指令信号である。駆動電圧波形は一定の周波数で繰り返しラインヘッドに入力され、オン波形71に対応するノズルはインクを吐出し、オフ波形71'に対応するノズルはインクを吐出しない。
ラインヘッドは各ノズルに対応する駆動電圧波形を並行に入力する。オン波形71に対応するノズルは、インクが同じタイミングで用紙に着弾するようインクを吐出する。
吐出されたインクは、一定速度で搬送される用紙に格子状に着弾する。ここで、ノズルごとに駆動電圧波形の全体、又は一部をマスク(無効化)して、オンとオフ、又は液滴のサイズ(滴量)を切り替えるようにしてもよい。その場合には、用紙は、埋まっていない格子を含んだり、液滴のサイズが異なるものを含んだりする。
図7(a)では、左から数えて4番目の駆動電圧波形がオフ波形71'になっている。これに対応して図8(b)では位置311'にはインクが着弾していない。また図7(b)では、左から数えて2番目の駆動電圧波形がオフ波形71"になっている。これに対応して図8(b)では位置311"にはインクが着弾していない。画像形成装置103は、理想的には図8(b)に点線で示した格子において、1格子当たり1滴のインクを付与して画像を形成する。
<千鳥配列ドットによる画像形成方法>
次に図9及び図10を参照して、千鳥配列ドットによる画像形成方法について説明する。ここで、千鳥配列ドットとは、用紙上に着弾したインクが千鳥状に配列して形成されるドットをいう。またドットとは、点状のパターンをいう。
図9は、千鳥配列ドットのための駆動電圧波形を説明する図であり、(a)は奇数ノズルに対する駆動電圧波形、(b)は偶数ノズルに対する駆動電圧波形をそれぞれ示す。図10は、千鳥配列ドットを説明する図であり、(a)は格子配列ドットの一例、(b)は千鳥配列ドットの一例を示す。
ラインヘッドと用紙を相対移動させながら、ラインヘッドに駆動電圧波形を一定の繰り返し周波数で入力し、幅方向11に沿って配列する複数のノズルから吐出されるインクの用紙への着弾タイミングがほぼ同時となるようにする。これにより、図10(a)に示すように、ドットは用紙上で格子状に配列する。
またラインヘッドと用紙を相対移動させながら、ラインヘッドに駆動電圧波形を一定の繰り返し周波数で入力し、幅方向11に沿って配列する複数のノズルから吐出されるインクの用紙への着弾タイミングが、ラインヘッドの端から数えて奇数番目と偶数番目のノズルで交互となるようにする。これにより、図10(b)に示すように、ドットは用紙上で千鳥状に配列する。
例えば、図9に示すように、奇数ノズルと偶数ノズルに対する駆動電圧波形のオン波形のタイミングを繰り返し周期Tの略半分だけずらすことで、奇数番目と偶数番目のノズルで、着弾タイミングが交互となるようにすることができる。
図10(b)において、格子ハッチングで示した奇数ドット312は、奇数番目のノズルから吐出されたインクが用紙に着弾して形成されたドットである。またクロスハッチングで示した偶数ドット313は、偶数番目のノズルから吐出されたインクが用紙に着弾して形成されたドットである。
千鳥配列ドットでは、幅方向11のノズル間隔(ノズル密度)を2倍、駆動電圧波形の繰り返し周波数を1/2倍とすることで、格子配列ドットと同じ解像度(画素密度)でドット画像を形成することができる。
つまり、千鳥配列ドットでは、格子配列ドットの場合に対して駆動電圧波形の繰り返し周波数を変えないまま、2倍の搬送速度による画像形成を実現できるというメリットがある。また、ドットの配列を高階調画像とし、繰り返してラインヘッドに入力する駆動電圧波形のオンとオフを切り替えてドットを間引くことで、低階調から中間階調の画像を表現することが可能になる。
一般に千鳥配列ドットの場合には、搬送方向10のノズル密度が高くなるため、奇数ノズルと偶数ノズルで別のノズル列や別のラインヘッドを使用することが多い。この場合、ラインヘッドでインクが吐出される位置が離間するため、用紙の搬送ばらつきにより着弾位置ずれが生じやすくなる。
<千鳥配列ドットにおける着弾位置ずれ>
図11は、搬送方向10の異なる位置にある2つのノズル列の一方を奇数ノズル、他方を偶数ノズルとした場合に、奇数ノズル及び偶数ノズルのそれぞれから吐出されたインクの着弾位置のずれを説明する図である。図11は、用紙P1の凹凸差による着弾位置ずれの一例を説明する図である。
図11において、奇数インク314は、奇数ノズルから吐出されたインクを示している。また偶数インク315は、搬送方向10に沿って、奇数ノズルのノズル列とは離間した位置にある偶数ノズルから吐出されたインクを示している。また用紙P1は凹凸を含んでいる。奇数インク314と偶数インク315の位置が搬送方向に沿って離間することで、用紙P1の凹凸差が大きくなり、偶数ノズル314及び奇数ノズル315(以下、偶奇ノズルという)の間で飛翔時間ΔTが変動することで、凹凸差に応じたインクの着弾位置のずれが大きくなる。
なお、偶奇ノズルが離間していなければ、偶奇ノズル間で飛翔時間ΔTの変動の位相が同じであるため、ミクロな視点で見ると、偶奇ノズルのそれぞれから吐出されたインク(以下、偶奇ドットという)の着弾位置がずれず、スジは発生しない。マクロな視点で見ると濃度ムラが発生するが、搬送速度と吐出周波数、又は吐出タイミングを連動させることで抑制可能である。
しかし、偶奇ノズルが離間していると、偶奇ノズルで飛翔時間ΔTの変動の位相がずれるため、偶奇ドットの着弾位置が逆方向にずれることがあり、スジや、着弾位置の疎密周期に応じた濃度ムラが視認されやすくなる。
このような用紙上へのインクの着弾位置ずれ等により、用紙に形成される画像にスジ等が発生し、画質を低下させる場合がある。
<画質低下例>
次に図12及び図13を参照して、着弾位置ずれ等による画質の低下について説明する。図12は、着弾位置ずれ等による画質低下(スジ)の一例を示す図であり、(a)は画質低下(スジ)がない場合、(b)は画質低下(スジ)の第1例、(c)は画質低下(スジ)の第2例を示す。
また図13は、インクの合一等による画質低下(粒状感)の一例を示す図であり、(a)は画質低下(粒状感)がない場合、(b)は画質低下(粒状感)の第1例、(c)は画質低下(粒状感)の第2例を示す。ここで、合一とは、用紙上のインクが移動することで、複数のドットが合わさって1つになることをいう。
図12(a)は、奇数ノズルと偶数ノズルにより吐出された液滴着弾タイミングが所望のタイミングとなった場合の千鳥配列ドットを示している。図12(b)は、図12(a)の状態から奇数ノズルと偶数ノズル間の液滴着弾タイミングが繰り返し周期Tの1/4だけずれた場合の千鳥配列ドットを示している。搬送方向10における奇数ドット312bと偶数ドット313bとの間の間隔が大きくなっている。図12(b)では合一によりさらにスジが悪化する。
図12(c)は、図12(a)の状態から奇数ノズルと偶数ノズル間の液滴着弾タイミングが繰り返し周期Tの1/2だけずれた場合の千鳥配列ドットを示している。搬送方向10における奇数ドット312cと偶数ドット313cとの間の間隔がさらに大きくなっている。
画像を見るユーザは、図12(b)及び(c)における搬送方向10のドット間隔、又はドット間隔に伴う画像濃度の低下を、画像のスジとして視認する場合がある。
また図13(a)は、空白領域316を空けてドットを形成した場合を示している。図13(b)及び(c)は、近傍に着弾したインク同士が引き寄せ合って移動し、合一ドット316b及び316cが形成された様子を示している。インクの合一により空白領域が大きくなる領域が生じ、画像の粒状性が低下したりする場合がある。
<実施形態に係る画像形成方法例>
次に本実施形態に係る画像形成方法について説明する。
インクと駆動電圧波形の組合せによっては、1回の駆動電圧波形で1滴を吐出しようとした場合でも1つの液滴に、液滴の分裂滴が付随する場合がある。この場合、元の液滴を主滴、分裂滴をサテライト滴という。
サテライト滴が画像上に現れると、画像の線又は図等がぼやけたり、文字が影文字に見えたりして画質が低下する場合がある。そのため一般には、インク処方や駆動電圧波形の作り込み等により、サテライト滴の発生を抑制したり、サテライト滴が画像上に現れにくくするようにしたりする。
これに対し、本実施形態では、サテライト滴を積極的に利用して画像のスジ等の画質低下を低減する。具体的には1回の駆動電圧波形で液滴を複数個吐出し(質量最大のものが主滴、他がサテライト滴に対応する)、用紙上で、主滴と次に吐出される主滴との中間にサテライト滴を付与することで、画像のスジ等の画質低下を低減する。
図14は、このような実施形態に係るサテライト滴を説明する図であり、(a)はラインヘッドを側方から視た図、(b)はインクが着弾した用紙を上方から視た図である。
図14(a)では、主滴317同士の間にサテライト滴317aが発生している。また図14(b)では、搬送方向10に沿って隣接する主滴ドット318のドット間に、サテライト滴ドット318aを付与している。なお、主滴ドット318は、主滴317が用紙に着弾して形成されるドットを意味し、サテライト滴ドット318aは、サテライト滴317aが用紙に着弾して形成されるドットを意味する。このようにすることで、サテライト滴ドット318aを設けない場合よりもドットの被覆率を上げ、濃い画像を形成できるようになっている。
サテライト滴が用紙に着弾する位置と、サテライト滴のサイズ(滴量)は、ラインヘッドの駆動電圧波形の調整により制御することができる。図15は、駆動電圧波形の調整方法の一例を説明する図である。図15(a)乃至(f)のそれぞれは、プル波形及びプッシュ波形を1つずつ含む駆動電圧波形を示している。図15におけるVは電圧を示し、矢印の方向は電圧が大きくなる方向を示す。
ここで、プル波形とは、基準電位より低い電位に電圧を低下させ、ノズル内にメニスカス(インクと空気の界面)を引き込むための駆動電圧波形をいう。またプッシュ波形とは、基準電位より高い電位に電圧を低下させ、ノズル外にメニスカスを押し出すための駆動電圧波形をいう。
インクをノズルから吐出させる方法には、プル波形によりメニスカス内に引き込まれたインクが元に戻ろうとする力を利用して吐出させる場合と、プッシュ波形によりインクをノズルから押し出して吐出させる場合の両方がある。実施形態では前者のプル波形により吐出させる方法を用いるものとする。この場合には、プッシュ波形は、ノズルから突出したインクをノズル内のインクから切断する機能等を有する。なお、プッシュ波形によりインクをノズルから押し出して吐出させる方法を用いる場合にも、実施形態を適用可能である。
図15(a)乃至(c)では、プッシュ波形の電位水準はM2で一定で、プル波形の電位水準をL1乃至L3に変化させた場合を示している。図15(a)は第1水準のプル波形、図15(b)は第2水準のプル波形、図15(c)は第3水準のプル波形をそれぞれ示す。
図15(d)乃至(f)では、プル波形の電位水準はL2で一定で、プッシュ波形の電位水準をM1乃至M3に変化させた場合を示している。図15(d)は第1水準のプッシュ波形、図15(e)は第2水準のプッシュ波形、図15(f)は第3水準のプッシュ波形をそれぞれ示す。
図15に示すように、プル波形又はプッシュ波形の電位水準を変化させたり、駆動電圧波形内でのプル波形又はプッシュ波形のタイミングを変化させたりすることで、ラインヘッドの駆動電圧波形を調整することができる。
次に図16は、駆動電圧波形Wによるサテライト滴の形成の一例を示す図である。図16(a)乃至(d)は、何れも同じ駆動電圧波形Wを示している。タイミングt1乃至t4は、駆動電圧波形Wにおいて駆動電圧が印加されるタイミングを示している。
図16(e)乃至(h)は、駆動電圧波形Wのタイミングごとにおけるノズル31a近傍でのインクの状態を示している。矢印で示した吐出方向12は、インクが吐出される方向を示している。
図16(e)は図16(a)のタイミングt1でのインクの状態、図16(f)は図16(b)のタイミングt2でのインクの状態を示している。また図16(g)は図16(c)のタイミングt2でのインクの状態、図16(h)は図16(d)のタイミングt4でのインクの状態を示している。
図16(e)では、駆動電圧波形Wに含まれるプル波形で引き込まれたメニスカスが元に戻ろうとする力を利用してノズル31aからインクN1が突出している。但しこのタイミングでは、吐出方向12におけるインクの後端はノズル内のインクから分離していない。
図16(f)では、さらにインクN2の液柱が吐出方向12に伸び、図16(g)で、駆動電圧波形Wに含まれるプッシュ波形の作用でインクN3がノズル内のインクから分離している。その後、図16(h)で、図16(g)のインクN3が飛翔中に主滴317とサテライト滴317aに分裂している。
このようにして、サテライト滴を形成することができる。
サテライト滴の主滴に対する距離及びサテライト滴の滴量は、駆動電圧波形の電圧倍率により制御可能である。駆動電圧波形の電圧倍率とは、駆動電圧波形全体の電位の振幅の大きさを変化させる係数をいう。電圧倍率が大きいと駆動電圧波形全体の電位の振幅が大きくなり、電圧倍率が小さいと駆動電圧波形全体の電位の振幅が小さくなる。
図17は、電圧倍率に応じたサテライト滴の主滴に対する距離及び滴量の一例を説明する図である。(a)は電圧倍率と主滴とサテライト滴の距離の関係を示し、(b)は電圧倍率とサテライト滴の滴量の関係を示す。(c)は主滴とサテライト滴の距離と、サテライト滴の滴量との関係を示し、(d)はラインヘッドごとに用意される駆動電圧波形群を示す。
図17(a)では、3つのラインヘッドH1、H2及びH3における電圧倍率に応じた主滴とサテライト滴の距離の変化を示している。星形マークはラインヘッドごとでの主滴とサテライト滴の距離の適正値を示している。
図17(b)でも同様に、3つのラインヘッドH1、H2及びH3における電圧倍率に応じた滴量を示している。星形マークはラインヘッドごとでの滴量の適正値を示している。
図17(c)では、3つの駆動電圧波形W1、W2及びW3における主滴とサテライト滴の距離に応じたサテライト滴の滴量の変化を示している。3つの駆動電圧波形W1、W2及びW3のうち、駆動電圧波形W1は電圧倍率が大きく、駆動電圧波形W2及びW3の順に電圧倍率が小さくなっている。星形マークは、主滴とサテライト滴の距離及びサテライト滴の滴量の適正値を示し、駆動電圧波形W2を用いることで、この適正値を実現できることを表している。
図17(d)では、ラインヘッドH1、H2及びH3ごとで、駆動電圧波形W1、W2及びW3を含む駆動電圧波形群を示している。例えばラインヘッドH1では、駆動電圧波形群の中で駆動電圧波形W2を用いればよいことを、星形マークを付して示している。この場合の電圧倍率は+1%である。
一般に電圧倍率により駆動電圧波形の振幅を増幅させると、主滴とサテライト滴の距離だけでなく、サテライト滴の滴量も同時に増加する。そのため、電圧倍率のみでラインヘッド(またはノズル列)ごとの主滴とサテライト滴の距離を適正化したとしても、サテライト滴の滴量が変化し、ラインヘッド(またはノズル列)ごとに、用紙に形成される画像の濃度が異なる場合がある。
ラインヘッドごとに駆動電圧波形を作り込むことで、主滴とサテライト滴の距離及びサテライト滴の滴量を適正化することが望ましいが、この作り込み作業には膨大な工数がかかる場合がある。
そのため、本実施形態では、以下(A)から(B)の手順による方法で主滴とサテライト滴の距離及びサテライト滴の滴量を適正化する。
(A)駆動電圧波形の電圧倍率を調整した際に、所望の主滴とサテライト滴の距離及びサテライト滴の滴量が選択できるように、予め主滴とサテライト滴の距離又は滴量の水準を振った駆動電圧波形W1、W2及びW3等を複数用意する(図17(c)参照)。ここで、駆動電圧波形W1、W2及びW3を含む駆動波形群は、予め定められた複数の駆動電圧波形を含む駆動電圧波形群の一例である。画像形成装置103は、図3のHDD/SDD304等に、駆動電圧波形W1、W2及びW3等の駆動電圧波形群のデータを格納することで用意する。
(B)続いて、格納された駆動電圧波形群のデータの中から適正な駆動電圧波形を、ラインヘッド又はノズル列ごとに選択して決定する(図17(d)参照)。
このようにすることで、ラインヘッド又はノズル列ごとで、主滴とサテライト滴の距離及びサテライトの滴量を同時に適正化可能な駆動電圧波形を、簡単に取得できるようになっている。
<実施形態に係る画像形成方法の作用例>
図18は、着弾位置ずれへの作用例を示す図であり、(a)は第1例、(b)は第2例、(c)は第3例を示す。
図18(a)では、搬送方向10に沿って隣接する主滴ドット318のドット間に、サテライト滴ドット318aを付与している。図18(b)は、図18(a)の状態から奇数ドット312と偶数ドット313のインクの着弾タイミングが繰り返し周期Tの1/4だけずれた場合のドットを示している。図18(c)は、図18(a)の状態から奇数ドット312と偶数ドット313のインクの着弾タイミングが繰り返し周期Tの1/2だけずれた場合のドットを示している。
搬送方向10における奇数ドット312(第1の液滴の一例)と偶数ドット313(第1の液滴の一例)との間にサテライト滴ドット318a(第2の液滴の一例)を付与することで、画像におけるスジ及び濃度低下を低減できるようになっている。
また図19は、合一への作用例を示す図であり、(a)は第1例、(b)は第2例、(c)は第3例を示す。
図19(a)は、空白領域を空けてドットを付与した場合を示している。図19(b)及び(c)は、近傍に着弾したインク同士が引き寄せ合って移動し、合一ドット316b及び316cが形成された様子を示している。搬送方向10において、合一ドット316bのドット間、及び合一ドット316cのドット間に、それぞれサテライト滴ドット318aを付与することで、合一が発生した場合にも、画像のスジや粒状性の低下を低減できるようになっている。
<画像形成装置103の効果>
以上説明したように、本実施形態では、用紙(記録媒体)上で、搬送方向(所定方向)に沿って隣接する主滴(第1の液滴)の間に、サテライト滴(第2の液滴)の少なくとも一部が付与されるように、駆動電圧波形を出力してヘッドユニット(液滴吐出部)を制御する。
これにより、第1の液滴の着弾位置ずれ、又は合一等により、画像にスジ等の画質低下要因が発生した場合にも、第2の液滴が画像のスジ等を埋めるように作用することで、スジ等を目立たなくし、画質の低下を低減することができる。なお、千鳥配列でない場合でも同様の効果を得ることができる。
ここで、図20は、用紙上でのサテライト滴の付与範囲の一例を説明する図である。実施形態に係る画像形成装置は、搬送方向10における主滴ドット318のドット間である範囲210内に、サテライト滴の少なくとも一部を付与する。サテライト滴318a1のように、一部が主滴ドット318と重なっていてもよいし、サテライト滴318a1及びサテライト滴318a2のように、複数のサテライト滴が範囲210に含まれるように付与してもよい。
なお、実施形態の説明では、用紙上の主滴ドット間にサテライト滴ドットを付与する例を示したが、主滴ドットは主滴により形成されるドットであるため、第1の液滴は主滴ドットを含む。またサテライト滴ドットはサテライト滴により形成されるドットであるため、第2の液滴はサテライト滴ドットを含む。
また本実施形態では、用紙上で、第1の液滴が千鳥状に付与されるように液滴吐出部を制御する。これにより、格子配列ドットの場合に対して駆動電圧波形の繰り返し周波数を変えないまま、2倍の搬送速度による画像形成を実現できる。また、ドットの配列を高階調画像とし、繰り返してラインヘッドに入力する駆動電圧波形のオンとオフを切り替えてドットを間引くことで、低階調から中間階調の画像を表現することが可能になる。
また本実施形態では、液滴吐出部は複数の液滴吐出ヘッドを有し、制御部は予め定められた複数の駆動電圧波形を含む駆動電圧波形群に基づいて、複数の液滴吐出ヘッドごとで決定された駆動電圧波形を出力する。また、駆動電圧波形群に含まれる駆動電圧波形のそれぞれは、駆動電圧波形を増幅するための電圧倍率が異なる。
予め定められた複数の駆動電圧波形のデータの中から選択するだけでよいため、複数の液滴吐出ヘッドごとに駆動電圧波形の作りこみを行う場合と比較して、複数の液滴吐出ヘッドごとで駆動電圧波形を簡単に決定することができる。このような駆動電圧波形を決定する工程は、画像形成装置を製造する段階で、画像形成装置の製造者が行ってもよい。また画像形成装置を販売後に、画像形成装置のサービスマン、又は画像形成装置を購入したユーザが、販売先に設置された画像形成装置のHDD/SDDを参照しながら行ってもよい。
[第2実施形態]
次に、第2実施形態に係る画像形成装置103aを説明する。第1実施形態で説明したものと同じ構成部には同じ番号を付し、重複する説明を適宜省略する。
本実施形態では、用紙上に画像の端部を形成する際には、第1の液滴のみが用紙に付与されるように液滴吐出部を制御する。ここで図21は、画像形成装置103aにより用紙上に形成された画像の端部の一例を示す図である。なお、画像の端部とは、用紙上に形成される画像の最も端の部分をいう。
図21では、端部221が用紙P1上における画像の端部に該当する。図21に示すように、画像の端部221以外の領域では、搬送方向10における主滴ドット318のドット間にサテライト滴ドット318aが付与されている。これに対し、搬送方向10における端部221の下流側には、サテライト滴ドット318aが付与されていない。これにより、画像の端部にサテライト滴ドットが付与されることによる画像の滲み等の画質低下を低減できる。
また本実施形態では、画像形成装置103aは、写真モードを含む複数の画像形成モードの一例として、写真モード、文字モード及び線画モードの3つの画像形成モードを有する。そして画像形成装置103aは、写真モードの場合のみに、搬送方向で隣接する第1の液滴の間に、第2の液滴の少なくとも一部が付与されるように液滴吐出部を制御する。
図22は、画像形成装置103aの制御部が備えるヘッド吐出制御部503aの機能構成の一例を示すブロック図である。図22に示すように、ヘッド吐出制御部503aは、モード判定部510を有する。モード判定部510は、画像形成モードが写真モード、文字モード及び線画モードの3つの画像形成モードのうちの何れであるかを判定することができる。
ヘッド吐出制御部503aは、判定結果に基づき、画像形成モードが写真モードの場合のみに、搬送方向で隣接する主滴の間に、サテライト滴の少なくとも一部が付与されるように制御する。
写真モードでは、用紙におけるドットの被覆率が大きいため、画像のスジ等が目立ちやすいが、写真モード以外の画像形成モードでは、用紙におけるドットの被覆率が小さいため、画像にスジ等が含まれても目立たない。従って写真モードの場合のみにサテライト滴を利用することで、写真モードにおける画質低下を低減するとともに、写真モード以外の画像形成モードにおける制御を簡略化することができる。また写真モード以外の画像形成モードでサテライト滴が画像上に現れることにより、線又は図等がぼやけたり、文字が影文字に見えたりして画質が低下する現象を抑制することができる。
以上、実施形態を説明したが、本発明は、具体的に開示された上記の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲から逸脱することなく、種々の変形や変更が可能である。
なお、画像形成装置103の備える機能の一部、或いはDFE102の備える機能の一部又は全部の機能を外部装置に設けて画像形成システム100を構成してもよい。外部装置として、クラウドサーバ等が挙げられる。又は、画像形成装置103の備える機能の一部をDFE102が備えてもよい。
また、実施形態の説明で用いた序数、数量等の数字は、全て本発明の技術を具体的に説明するために例示するものであり、本発明は例示された数字に制限されない。また、構成要素間の接続関係は、本発明の技術を具体的に説明するために例示するものであり、本発明の機能を実現する接続関係はこれに限定されない。
また、機能ブロック図におけるブロックの分割は一例であり、複数のブロックを一つのブロックとして実現する、一つのブロックを複数に分割する、及び/又は、一部の機能を他のブロックに移してもよい。また、類似する機能を有する複数のブロックの機能を単一のハードウェア又はソフトウェアが並列又は時分割に処理してもよい。
また、実施形態は、駆動電圧波形決定方法も含む。例えば、駆動電圧波形決定方法は、液滴を吐出する液滴吐出部と、前記液滴吐出部と記録媒体を所定方向に相対移動させる移動部と、前記記録媒体上で、前記所定方向に沿って隣接する第1の液滴の間に、第2の液滴の少なくとも一部が付与されるように、駆動電圧波形を出力して前記液滴吐出部を制御する制御部と、を有する画像形成装置における駆動電圧波形決定方法であって、前記液滴吐出部は、複数の液滴吐出ヘッドを有し、予め定められた複数の前記駆動電圧波形を含む駆動電圧波形群に基づいて、前記複数の液滴吐出ヘッドごとで前記駆動電圧波形を決定する工程を行い、前記駆動電圧波形群に含まれる前記駆動電圧波形のそれぞれは、前記駆動電圧波形を増幅するための電圧倍率が異なる。このような駆動電圧波形決定方法により、上述した画像形成装置と同様の効果を得ることができる。
さらに、上記で説明した実施形態の各機能は、一又は複数の処理回路によって実現することが可能である。ここで、本明細書における「処理回路」とは、電子回路により実装されるプロセッサのようにソフトウェアによって各機能を実行するようプログラミングされたプロセッサや、上記で説明した各機能を実行するよう設計されたASIC(Application Specific Integrated Circuit)、DSP(digital signal processor)、FPGA(field programmable gate array)や従来の回路モジュール等のデバイスを含むものとする。
2 制御部
3 ヘッドユニット(液滴吐出部の一例)
31,32,33,34 ラインヘッド(液滴吐出ヘッドの一例)
5 アンワインダー
6 乾燥部
7 リワインダー
10 搬送方向(所定方向の一例)
11 幅方向
100 画像形成システム
101 クライアントPC
102 DFE
103 画像形成装置
104 管理サーバ
221 端部(画像の端部の一例)
312 奇数ドット(第1の液滴の一例)
313 偶数ドット(第1の液滴の一例)
318a サテライト滴ドット(第2の液滴の一例)
501 温度制御部
502 搬送速度制御部
503 ヘッド吐出制御部
504 画像検査装置制御部
P1 用紙(記録媒体の一例)
W 駆動電圧波形
W1,W2,W3 駆動電圧波形(駆動電圧波形群の一例)
L1,L2,L3 プル波形
M1,M2,M3 プッシュ波形
特開2006-168073号公報

Claims (7)

  1. 記録媒体に液滴を付与して画像を形成する画像形成装置であって、
    前記液滴を吐出する液滴吐出部と、
    駆動電圧波形を出力して前記液滴吐出部を制御する制御部と、
    前記液滴吐出部と前記記録媒体を所定方向に相対移動させる移動部と、を有し、
    前記制御部は、前記記録媒体上で、前記所定方向に沿って隣接する第1の液滴の間に、第2の液滴の少なくとも一部が付与されるように前記液滴吐出部を制御する
    画像形成装置。
  2. 前記第1の液滴は、主滴であり、
    前記第2の液滴は、前記主滴に付随するサテライト滴である
    請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記制御部は、前記記録媒体上で、前記第1の液滴が千鳥状に付与されるように、前記液滴吐出部を制御する
    請求項1、又は2に記載の画像形成装置。
  4. 前記液滴吐出部は、複数の液滴吐出ヘッドを有し、
    前記制御部は、予め定められた複数の前記駆動電圧波形を含む駆動電圧波形群に基づき、前記複数の液滴吐出ヘッドごとに決定された前記駆動電圧波形を出力し、
    前記駆動電圧波形群に含まれる前記駆動電圧波形のそれぞれは、前記駆動電圧波形を増幅するための電圧倍率が異なる
    請求項1乃至3の何れか1項に記載の画像形成装置。
  5. 前記制御部は、前記記録媒体上に前記画像の端部を形成する際には、前記第1の液滴のみが前記記録媒体に付与されるように前記液滴吐出部を制御する
    請求項1乃至4の何れか1項に記載の画像形成装置。
  6. 前記画像形成装置は、写真モードを含む複数の画像形成モードを有し、
    前記制御部は、前記写真モードの場合のみに、前記所定方向で隣接する前記第1の液滴の間に、前記第2の液滴の少なくとも一部が付与されるように前記液滴吐出部を制御する
    請求項1乃至5の何れか1項に記載の画像形成装置。
  7. 液滴を吐出する液滴吐出部と、
    前記液滴吐出部と記録媒体を所定方向に相対移動させる移動部と、
    前記記録媒体上で、前記所定方向に沿って隣接する第1の液滴の間に、第2の液滴の少なくとも一部が付与されるように、駆動電圧波形を出力して前記液滴吐出部を制御する制御部と、を有する画像形成装置における駆動電圧波形決定方法であって、
    前記液滴吐出部は、複数の液滴吐出ヘッドを有し、
    予め定められた複数の前記駆動電圧波形を含む駆動電圧波形群に基づいて、前記複数の液滴吐出ヘッドごとで前記駆動電圧波形を決定する工程を行い、
    前記駆動電圧波形群に含まれる前記駆動電圧波形のそれぞれは、前記駆動電圧波形を増幅するための電圧倍率が異なる
    駆動電圧波形決定方法。
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