JP2022059941A - ガスセンサ - Google Patents

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Abstract

【課題】エンジンの始動後にガスセンサを早期に始動させたとしても、センサ素子においてクラックが発生しにくいガスセンサを提供する。【解決手段】ガスセンサは、被測定ガスにおける所定ガス成分の濃度を測定するように構成されている。このガスセンサは、センサ素子を備える。センサ素子の内部には、外部空間から前記被測定ガスを導入するように構成された内部空所が形成されている。センサ素子は、平面視において、長辺及び短辺を有する。センサ素子において、短辺の長さに対する、内部空所が形成されていない部分のうち短辺方向の長さが最も短い部分における短辺方向の長さの割合は、0.22以上である。センサ素子は、上面及び下面を有する。センサ素子の厚みに対する、内部空所の上記下面寄りの端部から上記下面までの長さの割合は、0.50以上、0.65以下である。【選択図】図1

Description

本発明は、ガスセンサに関し、特に、被測定ガスにおける所定ガス成分の濃度を測定するように構成されたガスセンサに関する。
特許第3860590号公報(特許文献1)は、ガスセンサを開示する。このガスセンサは、被測定ガスにおけるNOx濃度を測定するように構成されている。このガスセンサはセンサ素子を備え、該センサ素子の主成分は酸素イオン伝導性を有する固体電解質である。
このセンサ素子においては、外部空間から被測定ガスを導入するように構成された第1室と、第1室に連通した第2室とが形成されている。第2室内には、NOx濃度の測定に用いられる検出電極が形成されている。このガスセンサにおいては、第1室内に形成された内側ポンプ電極と、第1室外に形成された外側ポンプ電極とを含む主ポンプセルによって、第1室内の酸素濃度が調節される。
すなわち、このガスセンサにおいては、酸素分圧が低い値に保たれた被測定ガスが検出電極に供給され、該被測定ガスに基づいてNOx濃度が測定される(特許文献1参照)。
特許第3860590号公報
ガスセンサは、例えば、エンジンの排気管に取り付けられる。近年、エンジンの始動後にガスセンサを早期に始動させることが求められている。すなわち、エンジンの始動後において、センサ素子の昇温タイミングを早めること、及び、センサ素子を急昇温させることが求められている。
エンジンの始動直後には、排気管内に凝縮水が存在する場合がある。エンジンの始動後におけるセンサ素子の昇温タイミングが早められると、昇温されたセンサ素子に凝縮水が付着する可能性がある。例えば、上記特許文献1に開示されているガスセンサにおいてセンサ素子の昇温タイミングが早められると、センサ素子に凝縮水が付着することにより生じる熱応力によって、センサ素子においてクラックが発生する可能性がある。
また、例えば、上記特許文献1に開示されているガスセンサにおいてセンサ素子を急昇温させると、急昇温に起因する熱応力によって、センサ素子においてクラックが発生する可能性がある。
本発明は、このような問題を解決するためになされたものであって、その目的は、エンジンの始動後にガスセンサを早期に始動させたとしても、センサ素子においてクラックが発生しにくいガスセンサを提供することである。
本発明に従うガスセンサは、被測定ガスにおける所定ガス成分の濃度を測定するように構成されている。このガスセンサは、センサ素子を備える。センサ素子の主成分は、酸素イオン伝導性を有する固体電解質である。センサ素子の内部には、外部空間から前記被測定ガスを導入するように構成された内部空所が形成されている。センサ素子は、酸素ポンピングセルを備える。酸素ポンピングセルは、内側ポンプ電極と、外側ポンプ電極とを備える。内側ポンプ電極は、内部空所内に形成されている。外側ポンプ電極は、内部空所とは異なる空間に形成されている。酸素ポンピングセルは、内側ポンプ電極及び外側ポンプ電極の間に電圧を印加することによって、内部空所内の酸素を汲み出すように構成されている。センサ素子は、平面視において、長辺及び短辺を有する。上記短辺の長さに対する、内部空所の上記短辺方向の長さの割合は、0.40以上、0.55以下である。センサ素子は、上面及び下面を有する。センサ素子の厚みに対する、内部空所の上記下面寄りの端部から上記下面までの長さの割合は、0.50以上、0.65以下である。
本発明者(ら)は、センサ素子のクラックが主に内部空所から発生することに着目した。その上で、本発明者(ら)は、内部空所が形成されていない部分のうち上記短辺方向の長さが最も短い部分の長さをある程度確保することによって、特に、急昇温に起因するセンサ素子のクラックを抑制可能であることを見出した。本発明に従うガスセンサにおいて、上記短辺の長さに対する、内部空所が形成されていない部分のうち短辺方向の長さが最も短い部分における短辺方向の長さの割合は、0.22以上である。したがって、このガスセンサによれば、内部空所が形成されていない部分のうち短辺方向の長さが最も短い部分における短辺方向の長さがある程度長いため、急昇温に起因するセンサ素子のクラックを抑制することができる。
また、本発明者(ら)は、センサ素子の厚み方向における内部空所の位置を中心に近付けることによって、特に、凝縮水の付着に起因するセンサ素子のクラックを抑制可能であることを見出した。本発明に従うガスセンサにおいては、センサ素子の厚みに対する、内部空所の上記下面寄りの端部から上記下面までの長さの割合は、0.50以上、0.65以下である。したがって、このガスセンサによれば、センサ素子の厚み方向における内部空所の位置がある程度中心に近いため、凝縮水の付着に起因するセンサ素子のクラックを抑制することができる。したがって、本発明によれば、エンジンの始動後にガスセンサを早期に始動させたとしても、センサ素子においてクラックが発生しくにくいガスセンサを提供することができる。
上記ガスセンサにおいて、センサ素子の上記短辺の長さに対する、内部空所の短辺方向の長さの割合は、0.40以上、0.55以下であってもよい。
本発明者(ら)は、上記短辺方向における内部空所の長さを短くすることによって、特に、急昇温に起因するセンサ素子のクラックを抑制可能であることを見出した。上記短辺の長さに対する、内部空所の上記短辺方向の長さの割合は、0.40以上、0.55以下である。したがって、このガスセンサによれば、上記短辺方向における内部空所の長さがある程度短いため、急昇温に起因するセンサ素子のクラックを抑制することができる。
上記ガスセンサにおいて、センサ素子は、発熱するように構成された発熱部をさらに備え、発熱部は、センサ素子の厚み方向において、上記上面よりも上記下面に近い位置に配置されていてもよい。
また、上記ガスセンサにおいて、センサ素子の内部には、拡散律速部がさらに形成されており、拡散律速部は、ガス導入口を介して外部空間から取り込まれた被測定ガスに所定の拡散抵抗を付与するように構成されており、拡散律速部は、上記長辺方向に延びる孔を含み、ガス導入口と内部空所とを連通させ、上記厚み方向における上記孔の長さに対する、上記短辺方向における上記孔の長さの割合は、0.50以上、30.00以下であってもよい。
また、上記ガスセンサにおいて、拡散律速部は、第1拡散律速部と、第2拡散律速部とを含み、第1及び第2拡散律速部は、長辺方向に並んでおり、第1拡散律速部の上記厚み方向の断面形状と、第2拡散律速部の上記厚み方向の断面形状とは、互いに異なっていてもよい。
また、上記ガスセンサにおいて、第1及び第2拡散律速部の一方は、上記孔を含み、第1及び第2拡散律速部の他方は、上記厚み方向に並んだ2つのスリットを含んでいてもよい。
このガスセンサによれば、第1及び第2拡散律速部の一方が上記孔を含むため、センサ素子の剛性を高めることができるとともに、第1及び第2拡散律速部の他方が上記厚み方向に並んだ2つのスリットを含むため、排気圧の脈動に起因する所定ガス成分に関する測定精度の低下を抑制することができる。すなわち、このガスセンサによれば、センサ素子の剛性の向上と、所定ガス成分に関する測定精度の低下抑制とを両立することができる。
また、上記ガスセンサにおいて、センサ素子は、複数のセラミック層の積層体であり、センサ素子においては、外側ポンプ電極が複数のセラミック層のいずれかによって覆われており、外側ポンプ電極を覆うセラミック層と、外側ポンプ電極との間には、外部空間につながるスリット部が形成されていてもよい。
このガスセンサによれば、外側ポンプ電極がセラミック層によって覆われているため、外側ポンプ電極が被水することを抑制することができるとともに、セラミック層と外側ポンプ電極との間にスリット部が形成されているため、外側ポンプ電極から外部空間に酸素を効率的に排出することができる。
本発明によれば、エンジンの始動後にガスセンサを早期に始動させたとしても、センサ素子においてクラックが発生しにくいガスセンサを提供することができる。
ガスセンサの構成の一例を概略的に示した断面模式図である。 センサ素子等の温度がどのように変化するかの一例を示す図である。 実施の形態に従うガスセンサの断面の一部を示す模式図と、比較対象のガスセンサの断面の一部を示す模式図とを含む図である。 実施の形態に従うガスセンサの平面の一部を示す模式図と、比較対象のガスセンサの平面の一部を示す模式図とを含む図である。 図4のV-V断面の一部を模式的に示す図である。 図4のVI-VI断面の一部を模式的に示す図である。 3室構造のセンサ素子を含むガスセンサの構成の一例を概略的に示した断面模式図である。 変形例における、センサ素子の厚み方向断面の一部を模式的に示す図である。 変形例における、ガスセンサの平面の一部を示す図である。 変形例における、他のガスセンサの平面の一部を示す図である。 耐被水性試験において用いられる装置を模式的に示す図である。 ヒータ抵抗の変化の一例を示す図である。 耐被水性試験の結果を示す図である。 急昇温性試験の結果を示す図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一又は相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
[1.ガスセンサの概略構成]
図1は、ガスセンサ100の構成の一例を概略的に示した断面模式図である。センサ素子101は、それぞれがジルコニア(ZrO2)等の酸素イオン伝導性固体電解質層からなる第1基板層1と、第2基板層2と、第3基板層3と、第1固体電解質層4と、スペーサ層5と、第2固体電解質層6と、上部層7との7つの層が、図面視で下側からこの順に積層された構造を有する素子である。また、これら7つの層を形成する固体電界質は緻密な気密のものである。係るセンサ素子101は、例えば、各層に対応するセラミックスグリーンシートに所定の加工及び配線パターンの印刷などを行った後にそれらを積層し、さらに、焼成して一体化させることによって製造される。センサ素子101は、例えば、複数のセラミック層の積層体である。
センサ素子101の一先端部であって、第2固体電解質層6の下面と第1固体電解質層4の上面との間には、ガス導入口10と、第1拡散律速部11と、緩衝空間12と、第2拡散律速部13と、第1内部空所20と、第3拡散律速部30と、第2内部空所40とが、この順に連通する態様にて隣接形成されてなる。
ガス導入口10と、緩衝空間12と、第1内部空所20と、第2内部空所40とは、スペーサ層5をくり抜いた態様にて設けられた上部を第2固体電解質層6の下面で、下部を第1固体電解質層4の上面で、側部をスペーサ層5の側面で区画されたセンサ素子101内部の空間である。
第1拡散律速部11は、2本の横長の(図面に垂直な方向に開口が長辺方向を有する)スリットとして設けられる。また、第2拡散律速部13及び第3拡散律速部30の各々は、図面に垂直な方向に延びる長さが第1内部空所20及び第2内部空所40の各々よりも短い孔として設けられる。第2拡散律速部13及び第3拡散律速部30については、後程詳しく説明する。なお、ガス導入口10から第2内部空所40に至る部位をガス流通部とも称する。
また、ガス流通部よりも先端側から遠い位置には、第3基板層3の上面と、スペーサ層5の下面との間であって、側部を第1固体電解質層4の側面で区画される位置に基準ガス導入空間43が設けられている。基準ガス導入空間43には、例えば大気が導入される。なお、第1固体電解質層4がセンサ素子101の後端まで延びており、基準ガス導入空間43が形成されていなくてもよい。また、基準ガス導入空間43が形成されていない場合に、大気導入層48がセンサ素子101の後端まで延びていてもよい(例えば、図7参照)。
大気導入層48は、多孔質アルミナからなる層であって、大気導入層48には基準ガス導入空間43を通じて基準ガスが導入されるようになっている。また、大気導入層48は、基準電極42を被覆するように形成されている。
基準電極42は、第3基板層3の上面と第1固体電解質層4とに挟まれる態様にて形成される電極であり、上述のように、その周囲には、基準ガス導入空間43につながる大気導入層48が設けられている。また、後述するように、基準電極42を用いて第1内部空所20内や第2内部空所40内の酸素濃度(酸素分圧)を測定することが可能となっている。
ガス流通部において、ガス導入口10は、外部空間に対して開口してなる部位であり、該ガス導入口10を通じて外部空間からセンサ素子101内に被測定ガスが取り込まれるようになっている。
第1拡散律速部11は、ガス導入口10から取り込まれた被測定ガスに対して、所定の拡散抵抗を付与する部位である。
緩衝空間12は、第1拡散律速部11より導入された被測定ガスを第2拡散律速部13へと導くために設けられた空間である。
第2拡散律速部13は、緩衝空間12から第1内部空所20に導入される被測定ガスに対して、所定の拡散抵抗を付与する部位である。
被測定ガスが、センサ素子101外部から第1内部空所20内まで導入されるにあたって、外部空間における被測定ガスの圧力変動(被測定ガスが自動車の排気ガスの場合であれば排気圧の脈動)によってガス導入口10からセンサ素子101内部に急激に取り込まれた被測定ガスは、直接第1内部空所20へ導入されるのではなく、第1拡散律速部11、緩衝空間12、第2拡散律速部13を通じて被測定ガスの濃度変動が打ち消された後、第1内部空所20へ導入されるようになっている。これによって、第1内部空間へ導入される被測定ガスの濃度変動はほとんど無視できる程度のものとなる。
第1内部空所20は、第2拡散律速部13を通じて導入された被測定ガス中の酸素分圧を調整するための空間として設けられている。係る酸素分圧は、主ポンプセル21が作動することによって調整される。
主ポンプセル21は、第1内部空所20に面する第2固体電解質層6の下面のほぼ全面に設けられた天井電極部22aを有する内側ポンプ電極22と、第2固体電解質層6の上面の天井電極部22aと対応する領域に外部空間に露出する態様にて設けられた外側ポンプ電極23と、これらの電極に挟まれた第2固体電解質層6とによって構成されてなる電気化学的ポンプセルである。
内側ポンプ電極22は、第1内部空所20を区画する上下の固体電解質層(第2固体電解質層6及び第1固体電解質層4)、及び、側壁を与えるスペーサ層5にまたがって形成されている。具体的には、第1内部空所20の天井面を与える第2固体電解質層6の下面には天井電極部22aが形成され、また、底面を与える第1固体電解質層4の上面には底部電極部22bが形成され、そして、それら天井電極部22aと底部電極部22bとを接続するように、側部電極部(図示省略)が第1内部空所20の両側壁部を構成するスペーサ層5の側壁面(内面)に形成されて、該側部電極部の配設部位においてトンネル形態とされた構造において配設されている。
また、外側ポンプ電極23の上方には、上部層7が位置している。外側ポンプ電極23と上部層7との間には、外部空間につながるスリット部24が介在している。スリット部24は、図面の垂直方向において、センサ素子101の一端から他端まで延びている。スリット部24には、例えば、多孔質アルミナ等の多孔質材が埋められている。
内側ポンプ電極22と外側ポンプ電極23とは、多孔質サーメット電極(例えば、Auを1%含むPtとZrOとのサーメット電極)として形成される。なお、被測定ガスに接触する内側ポンプ電極22は、被測定ガス中の窒素酸化物(NOx)成分に対する還元能力を弱めた材料を用いて形成される。
主ポンプセル21においては、内側ポンプ電極22と外側ポンプ電極23との間に所望のポンプ電圧Vp0を印加して、内側ポンプ電極22と外側ポンプ電極23との間に正方向あるいは負方向にポンプ電流Ip0を流すことにより、第1内部空所20内の酸素を外部空間に汲み出し、あるいは、外部空間の酸素を第1内部空所20に汲み入れることが可能となっている。
また、第1内部空所20における雰囲気中の酸素濃度(酸素分圧)を検出するために、内側ポンプ電極22と、第2固体電解質層6と、スペーサ層5と、第1固体電解質層4と、第3基板層3と、基準電極42によって、電気化学的なセンサセル、すなわち、主ポンプ制御用酸素分圧検出センサセル80が構成されている。
主ポンプ制御用酸素分圧検出センサセル80における起電力V0を測定することで第1内部空所20内の酸素濃度(酸素分圧)がわかるようになっている。さらに、起電力V0が一定となるようにVp0をフィードバック制御することでポンプ電流Ip0が制御されている。これによって、第1内部空所内20内の酸素濃度は所定の一定値に保つことができる。
第3拡散律速部30は、第1内部空所20で主ポンプセル21の動作により酸素濃度(酸素分圧)が制御された被測定ガスに所定の拡散抵抗を付与して、該被測定ガスを第2内部空所40に導く部位である。
第2内部空所40は、第3拡散律速部30を通じて導入された被測定ガス中の窒素酸化物濃度の測定に係る処理を行うための空間として設けられている。NOx濃度の測定は、主として、補助ポンプセル50により酸素濃度が調整された第2内部空所40において、さらに、測定用ポンプセル41の動作によりNOx濃度が測定される。
第2内部空所40では、あらかじめ第1内部空所20において酸素濃度(酸素分圧)が調整された後、第3拡散律速部を通じて導入された被測定ガスに対して、さらに補助ポンプセル50による酸素分圧の調整が行われるようになっている。これにより、第2内部空所40内の酸素濃度を高精度に一定に保つことができるため、係るガスセンサ100においては精度の高いNOx濃度測定が可能となる。
補助ポンプセル50は、第2内部空所40に面する第2固体電解質層6の下面の略全体に設けられた天井電極部51aを有する補助ポンプ電極51と、外側ポンプ電極23(外側ポンプ電極23に限られるものではなく、センサ素子101と外側の適当な電極であれば足りる)と、第2固体電解質層6とによって構成される、補助的な電気化学的ポンプセルである。
係る補助ポンプ電極51は、先の第1内部空所20内に設けられた内側ポンプ電極22と同様なトンネル形態とされた構造において、第2内部空所40内に配設されている。つまり、第2内部空所40の天井面を与える第2固体電解質層6に対して天井電極部51aが形成され、また、第2内部空所40の底面を与える第1固体電解質層4には、底部電極部51bが形成され、そして、それらの天井電極部51aと底部電極部51bとを連結する側部電極部(図示省略)が、第2内部空所40の側壁を与えるスペーサ層5の両壁面にそれぞれ形成されたトンネル形態の構造となっている。
なお、補助ポンプ電極51についても、内側ポンプ電極22と同様に、被測定ガス中の窒素酸化物成分に対する還元能力を弱めた材料を用いて形成される。
補助ポンプセル50においては、補助ポンプ電極51と外側ポンプ電極23との間に所望の電圧Vp1を印加することにより、第2内部空所40内の雰囲気中の酸素を外部空間に汲み出し、あるいは、外部空間から第2内部空所40内に汲み入れることが可能となっている。
また、第2内部空所40内における雰囲気中の酸素分圧を制御するために、補助ポンプ電極51と、基準電極42と、第2固体電解質層6と、スペーサ層5と、第1固体電解質層4と、第3基板層3とによって電気化学的なセンサセル、すなわち、補助ポンプ制御用酸素分圧検出センサセル81が構成されている。
なお、この補助ポンプ制御用酸素分圧検出センサセル81にて検出される起電力V1に基づいて電圧制御される可変電源52にて、補助ポンプセル50がポンピングを行う。これにより第2内部空所40内の雰囲気中の酸素分圧は、NOxの測定に実質的に影響がない低い分圧にまで制御されるようになっている。
また、これとともに、そのポンプ電流Ip1が、主ポンプ制御用酸素分圧検出センサセル80の起電力の制御に用いられるようになっている。具体的には、ポンプ電流Ip1は、制御信号として主ポンプ制御用酸素分圧検出センサセル80に入力され、その起電力V0が制御されることにより、第3拡散律速部30から第2内部空所40内に導入される被測定ガス中の酸素分圧の勾配が常に一定となるように制御されている。NOxセンサとして使用する際は、主ポンプセル21と補助ポンプセル50との働きによって、第2内部空所40内での酸素濃度は約0.001ppm程度の一定の値に保たれる。
測定用ポンプセル41は、第2内部空所40内において、被測定ガス中の窒素酸化物濃度の測定を行う。測定用ポンプセル41は、第2内部空所40に面する第1固体電解質層4の上面であって第3拡散律速部30から離間した位置に設けられた測定電極44と、外側ポンプ電極23と、第2固体電解質層6と、スペーサ層5と、第1固体電解質層4とによって構成された電気化学的ポンプセルである。
測定電極44は、多孔質サーメット電極である。測定電極44は、第2内部空所40内の雰囲気中に存在するNOxを還元するNOx還元触媒としても機能する。さらに、測定電極44は、第4拡散律速部45によって被覆されてなる。
第4拡散律速部45は、アルミナ(Al)を主成分とする多孔体にて構成される膜である。第4拡散律速部45は、測定電極44に流入するNOxの量を制限する役割を担うとともに、測定電極44の保護膜としても機能する。
測定用ポンプセル41においては、測定電極44の周囲の雰囲気中における窒素酸化物の分解によって生じた酸素を汲み出して、その発生量をポンプ電流Ip2として検出することができる。
また、測定電極44の周囲の酸素分圧を検出するために、第2固体電解質層6と、スペーサ層5と、第1固体電解質層4と、第3基板層3と、測定電極44と、基準電極42とによって電気化学的なセンサセル、すなわち、測定用ポンプ制御用酸素分圧検出センサセル82が構成されている。測定用ポンプ制御用酸素分圧検出センサセル82にて検出された起電力V2に基づいて可変電源46が制御される。
第2内部空所40内に導かれた被測定ガスは、酸素分圧が制御された状況下で第4拡散律速部45を通じて測定電極44に到達することとなる。測定電極44の周囲の被測定ガス中の窒素酸化物は還元されて(2NO→N+O)酸素を発生する。そして、この発生した酸素は測定用ポンプセル41によってポンピングされることとなるが、その際、測定用ポンプ制御用酸素分圧検出センサセル82にて検出された制御電圧V2が一定となるように可変電源の電圧Vp2が制御される。測定電極44の周囲において発生する酸素の量は、被測定ガス中の窒素酸化物の濃度に比例するものであるから、測定用ポンプセル41におけるポンプ電流Ip2を用いて被測定ガス中の窒素酸化物濃度が算出されることとなる。
また、測定電極44と、第1固体電解質層4と、第3基板層3と、基準電極42とを組み合わせて、電気化学的センサセルとして酸素分圧検出手段を構成するようにすれば、測定電極44の周りの雰囲気中のNOx成分の還元によって発生した酸素の量と基準大気に含まれる酸素の量との差に応じた起電力を検出することができ、これによって被測定ガス中の窒素酸化物成分の濃度を求めることも可能である。
また、第2固体電解質層6と、スペーサ層5と、第1固体電解質層4と、第3基板層3と、外側ポンプ電極23と、基準電極42とから電気化学的なセンサセル83が構成されており、このセンサセル83によって得られる起電力Vrefによりセンサ外部の被測定ガス中の酸素分圧を検出可能となっている。
このような構成を有するガスセンサ100においては、主ポンプセル21と補助ポンプセル50とを作動させることによって酸素分圧が常に一定の低い値(NOxの測定に実質的に影響がない値)に保たれた被測定ガスが測定用ポンプセル41に与えられる。したがって、被測定ガス中の窒素酸化物の濃度に略比例して、NOxの還元によって発生する酸素が測定用ポンプセル41より汲み出されることによって流れるポンプ電流Ip2に基づいて、被測定ガス中の窒素酸化物濃度を知ることができるようになっている。
さらに、センサ素子101は、固体電解質の酸素イオン伝導性を高めるために、センサ素子101を加熱して保温する温度調整の役割を担うヒータ部70を備えている。ヒータ部70は、ヒータ電極71と、ヒータ72と、スルーホール73と、ヒータ絶縁層74と、圧力放散孔75とを備えている。ヒータ部70は、センサ素子101の厚み方向において、センサ素子101の上面よりもセンサ素子101の下面に近い位置に配置されている。なお、センサ素子101の上面は上部層7の上面であり、センサ素子101の下面は第1基板層1の下面である。
ヒータ電極71は、第1基板層1の下面に接する態様にて形成されてなる電極である。ヒータ電極71を外部電源と接続することによって、外部からヒータ部70へ給電することができるようになっている。
ヒータ72は、第2基板層2と第3基板層3とに上下から挟まれた態様にて形成される電気抵抗体である。ヒータ72は、スルーホール73を介してヒータ電極71と接続されており、該ヒータ電極71を通して外部より給電されることにより発熱し、センサ素子101を形成する固体電解質の加熱と保温を行う。
また、ヒータ72は、第1内部空所20から第2内部空所40の全域に渡って埋設されており、センサ素子101全体を上記固体電解質が活性化する温度に調整することが可能となっている。
ヒータ絶縁層74は、ヒータ72の上下面に、アルミナ等の絶縁体によって形成されてなる絶縁層である。ヒータ絶縁層74は、第2基板層2とヒータ72との間の電気的絶縁性、及び、第3基板層3とヒータ72との間の電気的絶縁性を得る目的で形成されている。
圧力放散孔75は、第3基板層3を貫通し、基準ガス導入空間43に連通するように設けられてなる部位であり、ヒータ絶縁層74内の温度上昇に伴う内圧上昇を緩和する目的で形成されてなる。
[2.ガスセンサの早期始動に伴なって生じる問題]
ガスセンサ100は、例えば、車両のエンジンの排気管に取り付けられる。近年、エンジンの始動後にガスセンサ100を早期に始動させることが求められている。すなわち、エンジンの始動後において、センサ素子101の昇温タイミングを早めること、及び、センサ素子101を急昇温させることが求められている。
図2は、センサ素子101等の温度がどのように変化するかの一例を示す図である。図2を参照して、横軸は時間を示し、縦軸は温度を示す。線W2はセンサ素子101の温度変化の一例を示し、線W1は比較対象のセンサ素子の温度変化の一例を示す。線W3は、エンジンの排気管を通る排気ガスの温度変化の一例を示す。
時刻t0において、エンジンが始動する。時刻t0においては、排気管内に凝縮水が存在する。エンジンの始動後に、凝縮水は、排気管内で飛散し、ガスセンサ100内に進入する。排気ガスの温度上昇に伴って、例えば、時刻t2において、ガスセンサ100内は乾燥状態になる。
比較対象のセンサ素子は、ガスセンサ100内が乾燥状態となった後(時刻t2)に昇温を開始する。その後、比較対象のセンサ素子の温度は、時刻t3の時点で温度T2になる。温度T2は、ガスセンサが機能するのに必要な温度である。比較対象のセンサ素子はガスセンサ100内が乾燥状態となった後に昇温を開始し、かつ、昇温は緩やかであるため、比較対象のセンサ素子にクラックが生じる可能性は低い。しかしながら、比較対象のセンサ素子は、時刻t3まで機能を発揮することができない。
一方、センサ素子101は、例えば、エンジンの始動と同時(時刻t0)に昇温を開始する。センサ素子101の温度は、時刻t1の時点で温度T2になる。時刻t0から時刻t1までの時間は、時刻t2から時刻t3までの時間よりも短い。すなわち、センサ素子101の昇温タイミングは比較対象のセンサ素子の昇温タイミングよりも早く、センサ素子101は比較対象のセンサ素子よりも急昇温する。
時刻t0にセンサ素子101の昇温を開始すると、昇温されたセンサ素子101に凝縮水が付着する可能性がある。仮に特に構造上の工夫を施していないセンサ素子の昇温を時刻t0に開始すると、センサ素子に凝縮水が付着することにより生じる熱応力によって、センサ素子においてクラックが発生する可能性がある。
また、仮に特に構造上の工夫を施していないセンサ素子を時刻t0から時刻t1までの短時間で温度T2まで急昇温させると、急昇温に起因する熱応力によって、センサ素子においてクラックが発生する可能性がある。
本実施の形態に従うガスセンサ100においては、センサ素子101に構造上の工夫が施されている。その結果、エンジンの始動後にガスセンサ100を早期に始動させたとしても、センサ素子101においてクラックが発生しにくくなっている。以下、センサ素子101における構造上の工夫について、詳細に説明する。
[3.ガスセンサにおける特徴的な構造]
<3-1.厚み方向における各内部空所の位置>
図3は、本実施の形態に従うガスセンサ100の断面の一部を示す模式図と、比較対象のガスセンサ100Aの断面の一部を示す模式図とを含む図である。図3を参照して、本実施の形態に従うガスセンサ100の断面の一部は右方に示され、比較対象のガスセンサ100Aの断面の一部は左方に示されている。
ガスセンサ100Aにおいては、第1内部空所20Aがセンサ素子101Aの上面により近い位置に形成されている。その結果、センサ素子101Aの上面から第1内部空所20Aの上端までの長さL1が短くなっている。センサ素子101Aの昇温途中でセンサ素子101Aに凝縮水が付着すると、長さL1が短いため、センサ素子101Aの上面寄りの位置でクラックが発生し得る。
一方、本実施の形態に従うガスセンサ100においては、比較対象のガスセンサ100Aと比較して、センサ素子101の厚み方向において、第1内部空所20がセンサ素子101の中心に近い位置に形成されている。第1内部空所20がセンサ素子101の中心に近い位置に形成されることによって、センサ素子101の上面から第1内部空所20の上端までの長さL2、及び、第1内部空所20の下端からセンサ素子101の下面までの長さL3の各々がある程度長くなっている。長さL2及び長さL3の各々がある程度長いため、センサ素子101の上面側及び下面側の各々の剛性はある程度高くなっている。その結果、センサ素子101の昇温途中でセンサ素子101に凝縮水が付着しても、センサ素子101においてはクラックが発生しにくい。
すなわち、本発明者(ら)は、センサ素子101の厚み方向における第1内部空所20の位置を中心に近付けることによって、特に、凝縮水の付着に起因するセンサ素子101のクラックを抑制可能であることを見出した。本実施の形態に従うガスセンサ100においては、センサ素子101の厚み(L4)に対する、第1内部空所20のセンサ素子101の下面寄りの端部からセンサ素子101の下面までの長さ(L3)の割合(L3/L4)は、0.50以上、0.65以下である。したがって、ガスセンサ100によれば、センサ素子101の厚み方向における第1内部空所20の位置がある程度中心に近いため、凝縮水の付着に起因するセンサ素子101のクラックを抑制することができる。
<3-2.短辺方向における第1内部空所の長さ>
図4は、本実施の形態に従うガスセンサ100の平面の一部を示す模式図と、比較対象のガスセンサ100Aの平面の一部を示す模式図とを含む図である。図4を参照して、本実施の形態に従うガスセンサ100の平面の一部は右方に示され、比較対象のガスセンサ100Aの平面の一部は左方に示されている。
センサ素子101及びセンサ素子101Aの各々は、平面視において、長辺及び短辺を有している。センサ素子101Aにおいて、短辺方向における第1内部空所20Aの長さL5は、比較的長くなっている。その結果、第1内部空所20Aの側壁を形成する部分(第1内部空所20Aが形成されていない部分のうち短辺方向の長さが最も短い部分)の長さL9が短くなっている。センサ素子101Aが急昇温すると、長さL9が短いため、第1内部空所20Aの側壁部分でクラックが発生し得る。
一方、本実施の形態に従うガスセンサ100に含まれるセンサ素子101においては、比較対象のセンサ素子101Aと比較して、センサ素子101の短辺方向における第1内部空所20の長さが短い。その結果、第1内部空所20の側壁を形成する部分(第1内部空所20及び第2内部空所40が形成されていない部分のうち短辺方向の長さが最も短い部分)の長さL8が長くなっている。長さL8がある程度長いため、第1内部空所20の側壁の剛性はある程度高くなっている。その結果、センサ素子101が急昇温しても、センサ素子101においてはクラックが発生しにくい。
すなわち、本発明者(ら)は、センサ素子101において、第1内部空所20及び第2内部空所40が形成されていない部分のうち短辺方向の長さが最も短い部分の長さ(L8)をある程度確保することによって、特に、急昇温に起因するセンサ素子101のクラックを抑制可能であることを見出した。ガスセンサ100においては、センサ素子101の短辺の長さ(L7)に対する、第1内部空所20及び第2内部空所40が形成されていない部分のうち短辺方向の長さが最も短い部分における短辺方向の長さ(L8)の割合(L8/L7)は、0.22以上である。したがって、ガスセンサ100によれば、第1内部空所20及び第2内部空所40が形成されていない部分のうち短辺方向の長さが最も短い部分における短辺方向の長さがある程度長いため、急昇温に起因するセンサ素子101のクラックを抑制することができる。
言い換えると、本発明者(ら)は、センサ素子101の短辺方向における第1内部空所20の長さを短くすることによって、特に、急昇温に起因するセンサ素子101のクラックを抑制可能であることを見出したともいえる。本実施の形態に従うガスセンサ100においては、センサ素子101の短辺の長さ(L7)に対する、第1内部空所20のセンサ素子101の短辺方向の長さ(L6)の割合(L6/L7)は、0.40以上、0.55以下である。したがって、ガスセンサ100によれば、センサ素子101の短辺方向における第1内部空所20の長さがある程度短いため、急昇温に起因するセンサ素子101のクラックを抑制することができる。
<3-3.厚み方向断面における第1及び第2拡散律速部の形状>
図5は、図4のV-V断面の一部を模式的に示す図である。すなわち、図5は、センサ素子101の厚み方向断面の一部を模式的に示す図である。本明細書において、センサ素子101の「厚み方向断面」とは、センサ素子101を厚み方向に切ることによって形成される断面のことをいう。
図4及び図5を参照して、第2拡散律速部13は、センサ素子101の長辺方向に延びる孔によって形成されている。センサ素子101の厚み方向における第2拡散律速部13(孔)の長さ(L11)に対する、センサ素子101の短辺方向における第2拡散律速部13の長さ(L10)の割合(L10/L11)は、例えば、0.50以上、30.00以下である。
図6は、図4のVI-VI断面の一部を模式的に示す図である。図4及び図6を参照して、第1拡散律速部11は、センサ素子101の厚み方向に並んだ2つのスリットSL1,SL2を含んでいる。ガスセンサ100においては、第1拡散律速部11の厚み方向断面がこのような形状を有することによって、排気圧の脈動に起因する所定ガス成分に関する測定精度の低下をより効率的に抑制することができる。
一方、第1拡散律速部11において、スリットSL1の領域A1,A3及びスリットSL2の領域A2,A4は、比較的強度が低い。仮に、第2拡散律速部13の厚み方向断面の形状が、第1拡散律速部11と同様であると、センサ素子101におけるクラック発生の可能性が高まる。
ガスセンサ100において、第1拡散律速部11の厚み方向断面の形状と、第2拡散律速部13の厚み方向断面の形状とは、互いに異なる。第2拡散律速部13の構造は、第1拡散律速部11と比較して剛性が高い。したがって、ガスセンサ100においては、センサ素子101においてクラックが発生する可能性が低減されている。
ガスセンサ100によれば、第2拡散律速部13が上述の孔によって形成されているため、センサ素子101の剛性を高めることができるとともに、第1拡散律速部11がセンサ素子101の厚み方向に並んだ2つのスリットSL1,SL2を含むため、排気圧の脈動に起因する所定ガス成分に関する測定精度の低下を抑制することができる。すなわち、ガスセンサ100によれば、センサ素子101の剛性の向上と、所定ガス成分に関する測定精度の低下抑制とを両立することができる。なお、第1拡散律速部11の形状と第2拡散律速部13の形状とは、反対であってもよい。すなわち、第1拡散律速部11が上述の孔によって形成され、第2拡散律速部13が厚み方向に並んだ2つのスリットSL1,SL2によって形成されてもよい。
[4.特徴]
以上のように、本実施の形態に従うガスセンサ100において、センサ素子101の短辺の長さに対する、第1内部空所20及び第2内部空所40が形成されていない部分のうち短辺方向の長さが最も短い部分における短辺方向の長さの割合は、0.22以上である。したがって、ガスセンサ100によれば、第1内部空所20及び第2内部空所40が形成されていない部分のうち短辺方向の長さが最も短い部分における短辺方向の長さがある程度長いため、急昇温に起因するセンサ素子101のクラックを抑制することができる。
また、本実施の形態に従うガスセンサ100において、センサ素子101の厚みに対する、第1内部空所20の下端からセンサ素子101の下面までの長さの割合は、0.50以上、0.65以下である。したがって、ガスセンサ100によれば、センサ素子101の厚み方向における第1内部空所20の位置がある程度中心に近いため、凝縮水の付着に起因するセンサ素子101のクラックを抑制することができる。したがって、ガスセンサ100によれば、エンジンの始動後にガスセンサ100を早期に始動させたとしても、センサ素子101におけるクラックの発生を抑制することができる。
[5.変形例]
以上、実施の形態について説明したが、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて、種々の変更が可能である。以下、変形例について説明する。
<5-1>
上記実施の形態に従うガスセンサ100において、センサ素子101には、第1内部空所20と、第2内部空所40とが形成されていた。すなわち、センサ素子101は、2室構造であった。しかしながら、センサ素子101は、必ずしも2室構造である必要はない。たとえば、センサ素子101は、3室構造であってもよい。
図7は、3室構造のセンサ素子101Xを含むガスセンサ100Xの構成の一例を概略的に示した断面模式図である。図7に示されるように、第2内部空所40(図1)を第5拡散律速部60でさらに2室に分け、第2内部空所40Xと第3内部空所61とを作成してもよい。この場合、第2内部空所40Xに補助ポンプ電極51Xを配置し、第3内部空所61に測定電極44Xを配置してもよい。また3室構造にする場合には、第4拡散律速部45を省略してもよい。
<5-2>
また、上記実施の形態に従うガスセンサ100において、スリット部24には多孔質材が埋められていた。しかしながら、スリット部24には、必ずしも多孔質材が埋められていなくてもよい。
図8は、変形例における、センサ素子101Yの厚み方向断面の一部を模式的に示す図である。図8に示されるように、外側ポンプ電極23の上方には、上部層7が位置している。外側ポンプ電極23と上部層7との間には、スリット部24が介在している。変形例において、スリット部24は空洞となっている。なお、スリット部24の幅は、上部層7の幅と同一である。このように、スリット部24は空洞であってもよい。
<5-3>
また、上記実施の形態に従うガスセンサ100において、センサ素子101は、上部層7を含んでいた。しかしながら、センサ素子101は、必ずしも上部層7を含まなくてもよい。この場合には、外側ポンプ電極23の上方に、スリット部24が形成されず、外側ポンプ電極23の上方が外部に露出していてもよい。
<5-4>
また、上記実施の形態に従うガスセンサ100においては、センサ素子101の短辺方向において、ガス流通部(ガス導入口10から第2内部空所40に至る部位)は中央に位置していた。しかしながら、センサ素子101の短辺方向において、ガス流通部は必ずしも中央に位置していなくてもよい。
図9は、変形例における、ガスセンサ100Z1の平面の一部を示す図である。図9に示されるように、センサ素子101Z1の短辺方向において、ガス流通部は、一方に偏った位置に形成されてもよい。この場合に、内部空所が形成されていない部分のうち短辺方向の長さが最も短い部分の長さはL13である。すなわち、この場合には、センサ素子101Z1の短辺の長さ(L14)に対する、内部空所が形成されていない部分のうち短辺方向の長さが最も短い部分における短辺方向の長さ(L13)の割合(L13/L14)が0.22以上である。
<5-5>
また、上記実施の形態に従うガスセンサ100において、第1内部空所20の形状は矩形状であった。しかしながら、第1内部空所20の形状は必ずしも矩形状でなくてもよい。例えば、第1内部空所20の形状は、台形状であってもよい。
図10は、変形例における、他のガスセンサ100Z2の平面の一部を示す図である。図10に示されるように、第1内部空所20Z2の形状は台形状である。この場合に、内部空所が形成されていない部分のうち短辺方向の長さが最も短い部分の長さはL15である。すなわち、この場合には、センサ素子101Z2の短辺の長さ(L17)に対する、内部空所が形成されていない部分のうち短辺方向の長さが最も短い部分における短辺方向の長さ(L15)の割合(L15/L17)が0.22以上である。
[6.実施例等]
<6-1.実施例及び比較例>
まず、次に説明する方法により、実施例1となるセンサ素子101を作成した。
ジルコニア等の酸素イオン伝導性固体電解質をセラミックス成分として含む7枚の未焼成のセラミックスグリーンシートを用意した。なお、各セラミックスグリーンシートは、安定化剤のイットリアを4mol%添加したジルコニア粒子と有機バインダーと有機溶剤とを混合し、テープ成形により成形した。このグリーンシートには、印刷時や積層時の位置決めに用いるシート穴や必要なスルーホール等を予め複数形成しておいた。
また、スペーサ層5となるグリーンシートにはガス流通部となる空間を予め打ち抜き処理によって設けておいた。第2拡散律速部13及び第3拡散律速部30も打ち抜き処理によって設けられた。そして、第1基板層1と、第2基板層2と、第3基板層3と、第1固体電解質層4と、スペーサ層5と、第2固体電解質層6と、上部層7のそれぞれに対応して、各セラミックスグリーンシートに種々のパターンを形成するパターン印刷処理及び乾燥処理を行なった。
形成されたパターンは、具体的には、上述した各電極、各電極に接続されるリード線、大気導入層48、ヒータ部70等のパターンであった。パターン印刷は、それぞれの形成対象に要求される特性に応じて用意したパターン形成用ペーストを、公知のスクリーン印刷技術を利用してグリーンシート上に塗布することにより行なった。乾燥処理についても、公知の乾燥手段を用いて行なった。パターン印刷及び乾燥が終わると、各層に対応するグリーンシート同士を積層及び接着するための接着用ペーストの印刷及び乾燥処理を行なった。
そして、接着用ペーストを形成したグリーンシートをシート穴により位置決めしつつ所定の順序に積層して、所定の温度・圧力条件を加えることで圧着させ、一つの積層体とする圧着処理を行なった。こうして得られた積層体は、複数個のセンサ素子101を包含したものであった。その積層体を切断してセンサ素子101の大きさに切り分けた。そして、切り分けた積層体を所定の焼成温度で焼成し、センサ素子101を得た。
実施例1において、センサ素子101の厚みは1550μmであった。第1内部空所20の下端からセンサ素子101の下面までの長さは900μmであった。すなわち、センサ素子101の厚みに対する、第1内部空所20の下端からセンサ素子101の下面までの長さの割合は0.58であった。また、センサ素子101の短辺の長さは4.25mmであった。センサ素子101の短辺方向における第1内部空所20の長さは、2.00mmであった。すなわち、センサ素子101の短辺の長さに対する、センサ素子101の短辺方向における第1内部空所20の長さの割合は0.47であった。また、センサ素子101において、内部空所が形成されていない部分のうち短辺方向の長さが最も短い部分における短辺方向の長さは、1.125mmであった。すなわち、センサ素子101の短辺の長さに対する、内部空所が形成されていない部分のうち短辺方向の長さが最も短い部分における短辺方向の長さの割合は、約0.26であった。また、第2拡散律速部13は、打ち抜き加工によって形成された孔によって構成されていた。
また、比較例1-3のセンサ素子を作成した。比較例1-3のセンサ素子の作成方法は、実施例1のセンサ素子101の作成方法とほぼ同じであった。実施例1のセンサ素子101と、比較例1-3のセンサ素子との主要な違いは、センサ素子の厚み方向における第1内部空所の位置、第1内部空所の幅(第1内部空所が形成されていない部分のうち短辺方向の長さが最も短い部分における短辺方向の長さ)、及び、第2拡散律速部の形状であった。
比較例1において、センサ素子の厚みは1550μmであった。第1内部空所の下端からセンサ素子の下面までの長さは1020μmであった。すなわち、センサ素子の厚みに対する、第1内部空所の下端からセンサ素子の下面までの長さの割合は0.66であった。また、センサ素子の短辺の長さは4.25mmであった。センサ素子の短辺方向における第1内部空所の長さは、2.50mmであった。すなわち、センサ素子の短辺の長さに対する、センサ素子の短辺方向における第1内部空所の長さの割合は0.59であった。また、センサ素子において、内部空所が形成されていない部分のうち短辺方向の長さが最も短い部分における短辺方向の長さは、0.875mmであった。すなわち、センサ素子の短辺の長さに対する、内部空所が形成されていない部分のうち短辺方向の長さが最も短い部分における短辺方向の長さの割合は、約0.21であった。また、第2拡散律速部は、第1拡散律速部11と同様のスリットによって構成されていた。
比較例2において、センサ素子の厚みは1550μmであった。第1内部空所の下端からセンサ素子の下面までの長さは1020μmであった。すなわち、センサ素子の厚みに対する、第1内部空所の下端からセンサ素子の下面までの長さの割合は0.66であった。また、センサ素子の短辺の長さは4.25mmであった。センサ素子の短辺方向における第1内部空所の長さは、2.50mmであった。すなわち、センサ素子の短辺の長さに対する、センサ素子の短辺方向における第1内部空所の長さの割合は0.59であった。また、センサ素子において、内部空所が形成されていない部分のうち短辺方向の長さが最も短い部分における短辺方向の長さは、0.875mmであった。すなわち、センサ素子の短辺の長さに対する、内部空所が形成されていない部分のうち短辺方向の長さが最も短い部分における短辺方向の長さの割合は、約0.21であった。また、第2拡散律速部は、打ち抜き加工によって形成された孔によって構成されていた。
比較例3において、センサ素子の厚みは1550μmであった。第1内部空所の下端からセンサ素子の下面までの長さは1020μmであった。すなわち、センサ素子の厚みに対する、第1内部空所の下端からセンサ素子の下面までの長さの割合は0.66であった。また、センサ素子の短辺の長さは4.25mmであった。センサ素子の短辺方向における第1内部空所の長さは、2.00mmであった。すなわち、センサ素子の短辺の長さに対する、センサ素子の短辺方向における第1内部空所の長さの割合は0.47であった。また、センサ素子において、内部空所が形成されていない部分のうち短辺方向の長さが最も短い部分における短辺方向の長さは、1.125mmであった。すなわち、センサ素子の短辺の長さに対する、内部空所が形成されていない部分のうち短辺方向の長さが最も短い部分における短辺方向の長さの割合は、約0.26であった。また、第2拡散律速部は、打ち抜き加工によって形成された孔によって構成されていた。
<6-2.耐被水性試験>
図11は、耐被水性試験において用いられる装置を模式的に示す図である。図11に示されるように、ディスペンサ500は、ヘッド510と、ノズル520とを含んでいる。センサ素子101は、素子用クランプ530によって保持されている。
耐被水性試験においては、液体貯留部から内径が3mm以下のノズル520へ液体が供給される。具体的には、大気圧に1-10kPa上乗せした圧力で加圧することによって、液体がノズル520へ供給される。液だれを利用して、ノズル520の先端から3-70μLの範囲で設定された所望の滴下量の液滴をセンサ素子101上に1滴滴下する。液滴の滴下によるセンサ素子101への影響を評価する。
より具体的には、センサ素子101の所定位置に液滴を第1の所定時間ノズルを開いて液滴を滴下する。センサ素子101に異常が生じなければ、センサ素子101の所定位置に第1の所定時間よりも長い第2の所定時間液滴を滴下する。この作業を、センサ素子101に異常が生じるまで、又は、予め定められた全ての所定時間のパターンをやり切るまで繰り返す。
液滴の滴下によって、センサ素子101においてクラックが発生すると、第1内部空所20内に酸素に進入し、Ip0(図1)が急激に上昇する。Ip0の急激な上昇の有無によって、センサ素子101におけるクラック発生の有無を判断する。実施例1及び比較例1-3の各々におけるサンプル数は5であった。このような方法によって、耐被水性試験が行なわれた。
<6-3.急昇温性試験>
通常は50秒かけてヒータ72の温度を所定温度まで上昇させるところ、15秒でヒータ72の温度を所定温度まで上昇させることによって急昇温性試験を行なった。ヒータ72の温度は、ヒータ抵抗によって制御される。ガスセンサ100の駆動時におけるヒータ抵抗は、室温時のヒータ抵抗(サンプル固有値)に定数を積算することによって求められる。急昇温性試験においては、ヒータ抵抗が15秒で駆動時のヒータ抵抗に達するようにヒータ部70に電圧を印加した。
図12は、ヒータ抵抗の変化の一例を示す図である。図12を参照して、横軸は時間を示し、縦軸はヒータ抵抗を示す。センサ素子101においてクラックが生じていない場合には、例えば、線W4が示すようにヒータ抵抗が上昇する。すなわち、ヒータ抵抗値が時刻t5(15秒)で駆動時のヒータ抵抗R1に達する。一方、センサ素子101にクラックが生じている場合には、例えば、線W5が示すようにヒータ抵抗が異常値を示す。10本のセンサ素子におけるクラック発生率によって、急昇温性を評価した。
<6-4.試験結果>
図13は、耐被水性試験の結果を示す図である。図13に示されるように、比較例1においては、少なくとも7μLの被水によってすべてのサンプルにクラックが発生した。比較例2においては、少なくとも8μLの被水によってすべてのサンプルにクラックが発生した。比較例3においては、少なくとも6μLの被水によってすべてのサンプルにクラックが発生した。一方、実施例1においては、9μLの被水によって一部のサンプルにクラックが生じたが、8μLの被水によってはいずれのサンプルにもクラックが発生しなかった。
図14は、急昇温性試験の結果を示す図である。図14に示されるように、比較例1においては、70%のサンプルにおいてクラックが発生した。比較例2においては、60%のサンプルにおいてクラックが発生した。比較例3及び実施例1においては、クラックが発生しなかった。実施例1に関しては、比較例1-3と異なり、耐被水性試験及び急昇温性試験の両方において、高い成績を収めた。
1 第1基板層、2 第2基板層、3 第3基板層、4 第1固体電解質層、5 スペーサ層、6 第2固体電解質層、7. 上部層、10 ガス導入口、11 第1拡散律速部、12 緩衝空間、13 第2拡散律速部、20,20A 第1内部空所、21 主ポンプセル、22 内側ポンプ電極、22a,51a,51aX 天井電極部、22b,51b,51bX 底部電極部、23 外側ポンプ電極、24,24Y スリット部、30 第3拡散律速部、40,40X 第2内部空所、41 測定用ポンプセル、42 基準電極、43 基準ガス導入空間、44,44X 測定電極、45 第4拡散律速部、46,52 可変電源、48 大気導入層、50 補助ポンプセル、51,51X 補助ポンプ電極、60 第5拡散律速部、61 第3内部空所、70 ヒータ部、71 ヒータ電極、72 ヒータ、73 スルーホール、74 ヒータ絶縁層、75 圧力放散孔、80 主ポンプ制御用酸素分圧検出センサセル、81 補助ポンプ制御用酸素分圧検出センサセル、82 測定用ポンプ制御用酸素分圧検出センサセル、83 センサセル、100,100A ガスセンサ、101 センサ素子、500 ディスペンサ、510 ヘッド、520 ノズル、530 素子用クランプ、A1,A2,A3,A4 領域、W1,W2,W3,W4,W5 線。

Claims (7)

  1. 被測定ガスにおける所定ガス成分の濃度を測定するように構成されたガスセンサであって、
    センサ素子を備え、
    前記センサ素子は、酸素イオン伝導性を有する固体電解質を備え、
    前記センサ素子の内部には、外部空間から前記被測定ガスを導入するように構成された内部空所が形成されており、
    前記センサ素子は酸素ポンピングセルを備え、
    前記酸素ポンピングセルは、
    前記内部空所内に形成された内側ポンプ電極と、
    前記内部空所とは異なる空間に形成された外側ポンプ電極とを備え、
    前記酸素ポンピングセルは、前記内側ポンプ電極及び前記外側ポンプ電極の間に電圧を印加することによって、前記内部空所内の酸素を汲み出すように構成されており、
    前記センサ素子は、平面視において、長辺及び短辺を有し、
    前記センサ素子において、前記短辺の長さに対する、前記内部空所が形成されていない部分のうち前記短辺方向の長さが最も短い部分における前記短辺方向の長さの割合は、0.22以上であり、
    前記センサ素子は、上面及び下面を有し、
    前記センサ素子の厚みに対する、前記内部空所の前記下面寄りの端部から前記下面までの長さの割合は、0.50以上、0.65以下である、ガスセンサ。
  2. 前記短辺の長さに対する、前記内部空所の前記短辺方向の長さの割合は、0.40以上、0.58以下である、請求項1に記載のガスセンサ。
  3. 前記センサ素子は、発熱するように構成された発熱部をさらに備え、
    前記発熱部は、前記センサ素子の厚み方向において、前記上面よりも前記下面に近い位置に配置されている、請求項1又は請求項2に記載のガスセンサ。
  4. 前記センサ素子の内部には、拡散律速部がさらに形成されており、
    前記拡散律速部は、ガス導入口を介して前記外部空間から取り込まれた前記被測定ガスに所定の拡散抵抗を付与するように構成されており、
    前記拡散律速部は、前記長辺方向に延びる孔を含み、前記ガス導入口と前記内部空所とを連通させ、
    前記厚み方向における前記孔の長さに対する、前記短辺方向における前記孔の長さの割合は、0.50以上、30.00以下である、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のガスセンサ。
  5. 前記拡散律速部は、第1拡散律速部と、第2拡散律速部とを含み、
    前記第1及び第2拡散律速部は、前記長辺方向に並んでおり、
    前記第1拡散律速部の前記厚み方向の断面形状と、前記第2拡散律速部の前記厚み方向の断面形状とは、互いに異なる、請求項4に記載のガスセンサ。
  6. 前記第1及び第2拡散律速部の一方は、前記孔を含み、
    前記第1及び第2拡散律速部の他方は、前記厚み方向に並んだ2つのスリットを含む、請求項5に記載のガスセンサ。
  7. 前記センサ素子は、複数のセラミック層の積層体であり、
    前記センサ素子においては、前記外側ポンプ電極が前記複数のセラミック層のいずれかによって覆われており、
    前記外側ポンプ電極を覆うセラミック層と、前記外側ポンプ電極との間には、前記外部空間につながるスリット部が形成されている、請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のガスセンサ。
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