JP2022059592A - 全固体電池の充放電方法およびそれに用いることができる固体電解質材 - Google Patents

全固体電池の充放電方法およびそれに用いることができる固体電解質材 Download PDF

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Abstract

【課題】リチウムを含有する負極層の表面にデンドライトが析出成長することを抑制できる、全固体電池の充放電方法およびそれに用いることができる固体電解質材を提供すること。【解決手段】リチウムを含む負極、固体電解質材、および正極を含んでなる、全固体電池の充放電方法であって、最初の充放電では放電から始めることを、特徴とする、全固体電池の充放電方法、およびそれに用いることができる固体電解質材。【選択図】図5

Description

本発明は、全固体電池の充放電方法およびそれに用いることができる固体電解質材に関する。
近年におけるパソコン、ビデオカメラおよび携帯電話等の情報関連機器や通信機器等の急速な普及に伴い、その電源として利用される電池の開発が重要視されている。また、自動車産業界等においても、電気自動車用あるいはハイブリッド自動車用の高出力かつ高容量の電池の開発が進められている。現在、種々の電池の中でも、エネルギー密度が高いという観点から、リチウム電池が注目を浴びている。
現在市販されているリチウム電池は、可燃性の有機溶媒を含む電解液が使用されているため、短絡時の温度上昇を抑える安全装置の取り付けが必要となる。これに対し、電解液を固体電解質層に変えて、電池を全固体化したリチウム電池は、電池内に可燃性の有機溶媒を用いないので、安全装置の簡素化が図れ、製造コストや生産性に優れると考えられている。
全固体リチウム電池に用いられる固体電解質材料として、硫化物固体電解質材料が知られている。例えば、非特許文献1においては、Li(4-x)Ge(1-x)の組成を有するLiイオン伝導体(硫化物固体電解質材料)が開示されている。また、特許文献1においては、X線回折測定において特定のピークを有する結晶相の割合が高いLiGePS系の硫化物固体電解質材料が開示されている。さらに、非特許文献2には、12mS/cmという優れたイオン伝導性を有するLiGePS系の硫化物固体電解質材料が開示されている。
また、特許文献2は、Li-P-S系およびLi-P-S-O系の硫化物系固体電解質を含む導電率の高い固体電解質を開示している。
さらに、特許文献3は、導電率の高い固体電解質としてハロゲン化リチウム、例えばLiI(ヨウ化リチウム)について開示している。
国際公開第2011/118801号 特許第5787291号公報 特開2003-051305号公報
Ryoji Kanno et al., "Lithium Ionic Conductor Thio-LISICON The Li2S-GeS2-P2S5 System", Journal of The Electrochemical Society, 148 (7) A742-A746 (2001) Noriaki Kamaya et al., "A lithium superionic conductor", Nature Materials, Advanced online publication, 31 July 2011, DOI:10.1038/NMAT3066
一方で、リチウム二次電池の負極材料として、金属リチウムやリチウム合金といったリチウムを含有する材料、特に金属リチウムを使用した場合、高いエネルギー密度と高い電圧が得られることが知られている。しかし、リチウムを含有する材料を使用すると、充電時に負極層の表面にデンドライトが析出し、充放電の繰り返しに伴いデンドライトが成長して、内部短絡を引き起こす問題がある。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的の一つは、リチウムを含有する負極層の表面にデンドライトが析出成長することを抑制できる、全固体電池の充放電方法およびそれに用いることができる固体電解質材を提供することにある。
上記課題を解決するために、本願発明者は、鋭意検討を行ない、全固体電池の通常の充放電方法は充電から始めるところ、放電から始めることにより、内部短絡を抑制して、充放電サイクル回数を重ねることができることを見出し、本発明を完成に至らしめた。
本発明により、以下の手段が提供される。
[1]
リチウムを含む負極、固体電解質材、および正極を含んでなる、全固体電池の充放電方法であって、
最初の充放電では放電から始めることを、特徴とする、全固体電池の充放電方法。
[2]
前記固体電解質材は、Li3-0.05x0.8+0.01x3.40.2 (0≦x<4)および/またはLi2.9-0.05y0.823.4-0.025y0.2 (0≦y<3)の組成物を含んでなることを、特徴とする、[1]に記載の充放電方法。
[3]
前記固体電解質材は、CuKα線を用いたX線回折測定における2θ=12.25±0.05°、14.10±0.05°、20.02±0.05°、23.54±0.05°、28.46±0.05°、31.00±0.05°、35.04±0.05°、37.25±0.05°、40.70±0.05°、57.73±0.05°の位置にピークを有し、
上記2θ=20.02±0.05°のピークの回折強度をIAとし、
2θ=12.25±0.05°のピークの回折強度をIBとし、
2θ=14.10±0.05°のピークの回折強度をICとした場合に、
IB/IAおよびIC/IAの値が0.10未満であることを、特徴とする、[1]または[2]に記載の充放電方法。
[4]
前記固体電解質材は、四面体T(PS四面体)と、八面体O(LiS八面体)と、四面体T(P(S/I)四面体)とを含む結晶構造を有することを、特徴とする、[1]~[3]のいずれか1項に記載の充放電方法。
[5]
前記固体電解質材は、Raman分光法による局所構造解析において、LiSに対応する378cm-1、およびP(S/I)四面体に対応する417cm-1にシフトが観察されることを、特徴とする、[1]~[4]のいずれか1項に記載の充放電方法。
[6]
前記固体電解質材は、Li2.90.83.3Br0.3 および/またはLi1012Br の組成物を含んでなることを、特徴とする、[1]に記載の充放電方法。
[7]
前記固体電解質材は、CuKα線を用いたX線回折測定における2θ=12.3±0.05°、14.3±0.05°、16.3±0.05°、20.1±0.05°、23.7±0.05°、26.0±0.05°、29.5±0.05°、31.3±0.05°、33.0±0.05°、37.5±0.05°、41.5±0.05°、47.2±0.05°52.±0.05°、55.5±0.05°の位置にピークを有し、
上記2θ=29.5±0.05°のピークの回折強度をIaとし、
2θ=12.3±0.05°のピークの回折強度をIbとし、
2θ=14.3±0.05°のピークの回折強度をIcとした場合に、
Ib/IaおよびIc/Iaの値が0.10未満であることを、特徴とする、[1]または[6]に記載の充放電方法。
[8]
前記固体電解質材は、四面体T(PS四面体)と、八面体O(LiS八面体)と、四面体T(P(S/Br)四面体)とを含む結晶構造を有することを、特徴とする、[1]または[6]~[7]のいずれか1項に記載の充放電方法。
[9]
前記固体電解質材は、Raman分光法による局所構造解析において、LiSに対応する378cm-1、およびP(S/Br)四面体に対応する419cm-1にシフトが観察されることを、特徴とする、[6]~[8]のいずれか1項に記載の充放電方法。
[10]
前記固体電解質材は、2.77mScm-1以上のイオン導電率を有することを、特徴とする、[1]~[9]のいずれか1項に記載の充放電方法。
[11]
前記正極は、Li0.5CoOまたはTiSを含むことを、特徴とする、[1]~[10]のいずれか1項に記載の充放電方法。
[12]
前記正極は、さらにLi10GeP12(LGPS)を含むことを、特徴とする、[11]に記載の充放電方法。
[13]
Li3-0.05x0.8+0.01x3.40.2 (0≦x<4)および/またはLi2.9-0.05y0.823.4-0.025y0.2 (0≦y<3)の組成物を含んでなることを、特徴とする、固体電解質材。
[14]
CuKα線を用いたX線回折測定における2θ=12.25±0.05°、14.10±0.05°、20.02±0.05°、23.54±0.05°、28.46±0.05°、31.00±0.05°、35.04±0.05°、37.25±0.05°、40.70±0.05°、57.73±0.05°の位置にピークを有し、
上記2θ=20.02±0.05°のピークの回折強度をIAとし、
2θ=12.25±0.05°のピークの回折強度をIBとし、
2θ=14.10±0.05°のピークの回折強度をICとした場合に、
IB/IAおよびIC/IAの値が0.10未満であることを、特徴とする、[13]に記載の固体電解質材。
[15]
四面体T(PS四面体)と、八面体O(LiS八面体)と、四面体T(P(S/I)四面体)とを含む結晶構造を有することを、特徴とする、[13]または[14]に記載
の固体電解質材。
[16]
Raman分光法による局所構造解析において、LiSに対応する378cm-1、およびP(S/I)四面体に対応する417cm-1にシフトが観察されることを、特徴とする、[13]~[15]のいずれか1項に記載の固体電解質材。
[17]
Li2.90.83.3Br0.3 および/またはLi1012Br の組成物を含んでなることを、特徴とする、固体電解質材。
[18]
CuKα線を用いたX線回折測定における2θ=12.3±0.05°、14.3±0.05°、16.3±0.05°、20.1±0.05°、23.7±0.05°、26.0±0.05°、29.5±0.05°、31.3±0.05°、33.0±0.05°、37.5±0.05°、41.5±0.05°、47.2±0.05°52.±0.05°、55.5±0.05°の位置にピークを有し、
上記2θ=26.0±0.05°のピークの回折強度をIaとし、
2θ=12.3±0.05°のピークの回折強度をIbとし、
2θ=14.3±0.05°のピークの回折強度をIcとした場合に、
Ib/IaおよびIc/Iaの値が0.10未満であることを、特徴とする、[17]に記載の固体電解質材。
[19]
前記固体電解質材は、四面体T(PS四面体)と、八面体O(LiS八面体)と、四面体T(P(S/Br)四面体)とを含む結晶構造を有することを、特徴とする、[16]または[17]のいずれか1項に記載の固体電解質材。
[20]
Raman分光法による局所構造解析において、LiSに対応する378cm-1、およびP(S/Br)四面体に対応する419cm-1にシフトが観察されることを、特徴とする、[17]~[19]のいずれか1項に記載の固体電解質材。
[21]
2.77mScm-1以上のイオン導電率を有することを、特徴とする、[13]~[20]のいずれか1項に記載の固体電解質材。
本発明の一態様である、全固体電池の充放電方法は、最初の充放電では放電から始める。これにより、リチウムを含有する負極層の表面にデンドライトが析出成長することを抑制できる。したがって、充放電サイクルを安定的に複数回繰り返すことができ、電池の長寿命化が実現される。
さらに、本発明の一態様である、固体電解質材は新規な電解質材であり、上述の充放電方法に用いることができ、リチウムを含有する負極層の表面にデンドライトが析出成長することを抑制できる。また、2.77mScm-1以上の高いイオン導電率を得ることも
できる。
図1は、全固体電池において、デンドライトが成長する機構を説明するための模式図である。 図2は、本発明の一態様により、デンドライトの成長が抑制される機構を説明するための模式図である。 図3は、充放電を放電から始めた場合と充電から始めた場合の充放電試験のチャートの一例を示す。 図4は、充放電を放電から始めた場合と充電から始めた場合の充放電試験のチャートの一例を示す。 図5は、本発明の一態様である固体電解質材の組成を説明するための三元図である。 図6は、Li3-0.05x0.8+0.01x3.40.2 (x=0)のXRDチャートを示す。 図7は、Li3-0.05x0.8+0.01x3.40.2 (x=0~4)のXRDチャートを示す。 図8は、Li2.9-0.05y0.823.4-0.025y0.2 (y=0~3)のXRDチャートを示す。 図9は、本発明の一態様である固体電解質材の結晶構造の一例を説明するための模式図である。 図10は、Li10.2512.250.75および実験組成Li0.83.40.2(=Li11.2512.750.75)のXRDチャートを示す。 図11は、本発明の一態様である固体電解質材のRaman分光法による局所構造解析チャートの一例を示すものである。 図12は、真空下で加熱を行なうことのできる装置の概略構成例を示す。 図13は、本発明の一態様である全固体電池の充放電方法での、充放電試験のチャートの一例を示すものである。 図14は、比較例を説明するための模式図である。 図15は、本発明例を説明するための模式図である。 図16は、本発明の一態様である固体電解質材の組成を説明するための三元図である。 図17は、Li1012Br のXRDチャートを示す。 図18は、Li2.90.83.3Br0.3 およびLi1012Br のX線回折チャートを示す。 図19は、本発明の一態様である固体電解質材の結晶構造の一例を説明するための模式図である。 図20は、Li1012Brの予測モデルからのXRDシミュレーションと実測XRDチャートを示す。 図21は、本発明の一態様である固体電解質材(LiPSI系)のRaman分光法による局所構造、特に四面体PSまわりの局所構造解析チャートの一例を示すものである。 図22は、本発明の一態様である固体電解質材(LiPSBr系)のRaman分光法による局所構造、特に四面体PSまわりの局所構造解析チャートの一例を示すものである。
以下、本発明の一態様である全固体電池の充放電方法について、詳細に説明する。
本発明の一態様による、リチウムを含む負極、固体電解質材、および正極を含んでなる、全固体電池の充放電方法では、
最初の充放電では放電から始めることを、特徴とする。
全固体電池は、負極と正極との間のイオン伝導が固体電解質材を含んでなるセパレータを介して行なわれる電池である。全固体電池は、電解質が固体であり、電解質に有機溶媒を用いないので、安全装置の簡素化が図れ、製造コストや生産性に優れる。
本実施態様では、負極は、リチウムを含む。これにより、高電圧、高エネルギー密度といった電池として有利な特性を得ることができる。一方で、リチウムのデンドライトが成長して、負極から正極まで到達し、内部短絡が生じる場合があることが知られている。これは、図1に示すように、全固体電池の充電時に、リチウムイオンが固体電解質(セパレータ)を通って負極の表面に析出するが、負極の表面の中でも突起部にリチウムが析出しやすいので、デンドライトが成長するためと考えられる。
本実施態様では、最初の充放電では放電から始める。その場合、リチウムイオンが負極の表面から固体電解質材を含んでなるセパレータを通って、正極表面に移動するが、図2に示すように、負極の表面の中でも突起部からリチウムが分離しやすいので、突起部が小さくなり、デンドライトが出来にくくなる。
ここで、放電レート(C)は、1C以下が望ましく、0.5C以下がより望ましく、0.3以下がさらに望ましく、0.1C以下または0.1C未満がさらに好ましい。
図3は、同じ構成の全固体電池を放電から始めた場合(左図)と、充電から始めた場合(右図)の充放電試験のチャートである。放電から始めた場合には、30サイクル以上問題なく動作するが、充電から始めた場合には、動作が安定せず、デンドライトによる内部短絡が生じていることが確認される。
ここで正極に含まれる活物質Li0.5CoOは電気化学反応により作成したものであり、比容量が小さい。
図4は、正極に含まれる活物質をTiSまたはLiTiSにした上で、放電から始めた場合と、充電から始めた場合の充放電試験のチャートである。左図の正極活物質がTiSで放電から始めた場合には、40サイクル以上問題なく動作するが、右図の正極活物質がLiTiSで充電から始めた場合には、正極活物質のLiTiSからリチウムが負極へ移動してデンドライトが成長し、2サイクル目で内部短絡が生じていることが確認される。
ここで正極に含まれる活物質LiTiSは電気化学反応により作成したものである。
固体電解質として、概して、硫化物系と酸化物系、およびポリマー系の3種類の選択肢が知られているが、特に電池の高容量・高出力を発揮しやすい観点で、硫化物系の固体電解質が有望視されている。一方で。高容量・高出力であるほど、イオン伝導性は高まり、デンドライトも生じやすい。本発明者らは、ハロゲン(I、Br等)を添加した硫化物系固体電解質が、デンドライトの抑制効果が高いこと見出し、本発明の一実施態様にこれを採用する。
一実施態様では、固体電解質材は、Li3-0.05x0.8+0.01x3.40.2 (0≦x<4)および/またはLi2.9-0.05y0.823.4-0.025y0.2 (0≦y<3)の組成物を含んでもよい。
図5は、上記の組成を説明するための三元図である。この三元図は、頂点をLiS-LiI-Pとし、各頂点に近いほど、その頂点の組成の比率が高くなる。図5の下図は、本実施態様の組成範囲を拡大したものである。
Li3-0.05x0.8+0.01x3.40.2 では、xが0≦x<4の範囲で変化し、xが少ないほどLiが多く、Pが少ない。
Li2.9-0.05y0.823.4-0.025y0.2 ではyが0≦y<3の範囲で変化し、yが少ないほどLiおよびPが多い。
この組成範囲では、後段で詳述するとおり、少なくとも2.77~5.82mScm-1の優れたイオン伝導度を有することができる。
一実施態様では、固体電解質材がCuKα線を用いてX線回折測定された場合に、2θ=12.25±0.05°、14.10±0.05°、20.02±0.05°、23.54±0.05°、28.46±0.05°、31.00±0.05°、35.04±0.05°、37.25±0.05°、40.70±0.05°、57.73±0.05°の位置にピークを有し、
上記2θ=20.02±0.05°のピークの回折強度をIAとし、
2θ=12.25±0.05°のピークの回折強度をIBとし、
2θ=14.10±0.05°のピークの回折強度をICとした場合に、
IB/IAおよびIC/IAの値が0.10未満であってもよい。
図6は、Li0.83.40.2 (上記組成式でx=0である組成)のX線回折チャートである。
図6に示されるように、本実施態様の固体電解質材のX線回折ピークは、2θ=12.25±0.05°、14.10±0.05°、20.02±0.05°、23.54±0.05°、28.46±0.05°、31.00±0.05°、35.04±0.05°、37.25±0.05°、40.70±0.05°、57.73±0.05°の位置に確認される。
組成の類似するLi9.612がLGPS型結晶構造を有する場合、上記と類似するX線回折ピークが確認されるが、本実施態様の場合、2θ=12.25±0.05°、14.10±0.05°でのピークが相対的に低い。このことから、本実施態様の固体電解質材の結晶構造は、LGPS型結晶構造とは異なる点があり、LGPS型派生構造であることが示唆される。
2θ=12.25±0.05°、14.10±0.05°の相対的に低いX線回折ピークとは、以下の関係式を満たすものである。相対的に高いX線回折ピークとして2θ=20.02±0.05°のピークの回折強度をIAとし、2θ=12.25±0.05°のピークの回折強度をIBとし、2θ=14.10±0.05°のピークの回折強度をICとした場合に、
IB/IA<0.1 且つ IC/IA<0.1 であること。
また、本実施態様の固体電解質材のX線回折ピークは、2θ=31.00±0.05°の位置でも確認される。この位置では、LiSのX線回折ピークも確認される。LiSは、本実施態様の固体電解質材の原料に含まれることがあるので、固体電解質材中に原料のLiSが残存している場合、2θ=31.00±0.05°の位置では、当該固体電解質材とLiSのX線回折ピークを合算したものが確認される。ただし、図6の▼で示されるピークはLiSのものであり、2θ=31.00±0.05°の位置でも確認できるので、それらの位置でのピーク強度を考慮することにより、LiSの存在を確認することが可能である。
なお、本明細書において、特に断りのない限り、X線回折測定は以下の要領で行う。
測定対象の試料に含まれる結晶を同定するために、粉末X線回折装置Ulima-IV(株式会社リガク製)およびSmart Lab(株式会社リガク製)を使用して、粉末X線回折測定を行う。粉末X線回折測定には、X線波長1.5418オングストロームのCu-Kα線を使用した。10~35°の範囲で0.01°ステップで回折角(2θ)で粉末X線回折測定を行う。
図7は、Li3-0.05x0.8+0.01x3.40.2 (x=0、1、2、3または4)のX線回折チャートを示す。
x=4では、本実施態様の固体電解質材のX線回折ピーク以外のピーク、例えばLiI、β-LPS、LiSのピークも確認される。x=0、1、2または3では、LiSのピークを除けば、本実施態様の固体電解質材のX線回折ピークのみが確認される。
図7に併記しているとおり、本実施態様の固体電解質材は、少なくとも2.77~5.82mScm-1の優れたイオン伝導度を有する。
図8は、Li2.9-0.05y0.823.4-0.025y0.2 (y=1、2または3)のX線回折チャートを示す。
y=3では、本実施態様の固体電解質材のX線回折ピーク以外のピーク、例えばLiI、β-LPS、LiSのピークも確認される。y=1または2では、LiSのピークを除けば、本実施態様の固体電解質材のX線回折ピークのみが確認される。
図7に併記しているとおり、本実施態様の固体電解質材は、少なくとも3.42~3.97mScm-1の優れたイオン伝導度を有する。
一実施態様では、固体電解質材が四面体T(PS四面体)と、八面体O(LiS八面体)と、四面体T(P(S/I)四面体)とを含む結晶構造を有してもよい。
図9は、一実施態様である固体電解質材の結晶構造の一例を説明するための模式図である。図9は、Li10.2512.250.75の結晶構造の模式図である。ここに記載された四面体の多くはPSであり、四面体の頂点がSであり、四面体の内部にPが包摂されている。そして、一部のPSでは、頂点のSがIに置換されたP(S/I)として存在することができる。つまり、上述した、組成を有する固体電解質材の結晶構造は、LiPSの結晶構造を基本骨格として、一部のPSの頂点のSをIに置換することにより、実現することができる。
これに関連して、図10は、上記の基本骨格となる結晶構造を有するLi10.2512.250.75と実験組成Li0.83.40.2(=Li11.2512.750.75)のX線回折チャートを示したものである。前者のチャートは、X線回折測定装置の計算機能を用いて導出した。両者を比較すると、2θ=20.02±0.05°、23.54±0.05°、31.00±0.05°、35.04±0.05°、37.25±0.05°、40.70±0.05°の位置に、類似のピークが確認される。これから、両者の結晶構造が類似することが示唆される。
一実施態様では、固体電解質材をRaman分光法による局所構造解析した場合に、LiSに対応する378cm-1、およびPS四面体に対応する417cm-1にシフトが観察されてもよい。
図11は、本発明の一態様である固体電解質材のRaman分光法による局所構造解析チャートの一例を示すものである。
378cm-1にピークを有する破線はLiSのチャートを指し、417cm-1にピークを有する破線はPS 3-のチャートを指し、実線はLiSのチャートとPS 3-のチャートを重ね合わせたものであり、ギザギザのチャートは実験組成Li0.83.40.2(=Li11.2512.750.75)のRaman分光チャートである。
350~450cm-1の範囲ではP-S結合関係のシフトが観察され、特にPS 3-四面体は417~420cm-1の範囲にシフトする。また、LiSは372-377cm-1の範囲にシフトする。
実験組成のチャートは、概ね、LiSのチャートとPS 3-のチャートを重ね合わせたものと一致しており、当該固体電解質材の結晶構造に四面体PSが含まれること、当該固体電解質材に原料であるLiSが残留し得ることが、裏付けられる。
さらに、図21は、当該固体電解質の局所構造、特に四面体PSまわりの局所構造について検討するために、焼成前後およびβ-LiPSのチャートを並べたものである。焼成前の前駆体がβ-LiPSと同様に422cm-1にピークを有しており、焼成前のアモルファス状態では、Iが置換されていない。焼成後には、図21の(b)のカーブフィッティングをした拡大図で示されるとおり、417cm-1にピークが現れており、これがP(S/I)のピークであることが示唆される。
一実施態様では、固体電解質材は、Li2.90.83.3Br0.3 および/またはLi1012Br の組成物を含んでもよい。
図16は、上記の組成を説明するための三元図である。この三元図は、頂点をLiS-LiBr-Pとし、各頂点に近いほど、その頂点の組成の比率が高くなる。
この組成範囲では、後段で詳述するとおり、少なくとも2.94~3.83mScm-1の優れたイオン伝導度を有することができる。
一実施態様では、固体電解質材がCuKα線を用いてX線回折測定された場合に、2θ=12.3±0.05°、14.3±0.05°、16.3±0.05°、20.1±0.05°、23.7±0.05°、26.0±0.05°、29.5±0.05°、31.3±0.05°、33.0±0.05°、37.5±0.05°、41.5±0.05°、47.2±0.05°52.±0.05°、55.5±0.05°の位置にピークを有し、
上記2θ=29.5±0.05°のピークの回折強度をIaとし、
2θ=12.3±0.05°のピークの回折強度をIbとし、
2θ=14.3±0.05°のピークの回折強度をIcとした場合に、
Ib/IaおよびIc/Iaの値が0.10未満であってもよい。
図17は、Li1012Br のX線回折チャートである。
図17に示されるように、本実施態様の固体電解質材のX線回折ピークは、2θ=12.3±0.05°、14.3±0.05°、16.3±0.05°、20.1±0.05°、23.7±0.05°、26.0±0.05°、29.5±0.05°、31.3±0.05°、33.0±0.05°、37.5±0.05°、41.5±0.05°、47.2±0.05°52.±0.05°、55.5±0.05°の位置に確認される。
組成の類似するLi9.612がLGPS型結晶構造を有する場合、上記と類似するX線回折ピークが確認されるが、本実施態様の場合、2θ=12.3±0.05°、14.3±0.05°でのピークが相対的に低い。このことから、本実施態様の固体電解質材の結晶構造は、LGPS型結晶構造とは異なる点があり、LGPS型派生構造であることが示唆される。
2θ=12.3±0.05°、14.3±0.05°の相対的に低いX線回折ピークとは、以下の関係式を満たすものである。相対的に高いX線回折ピークとして2θ=29.5±0.05°のピークの回折強度をIaとし、2θ=12.3±0.05°のピークの回折強度をIbとし、2θ=14.3±0.05°のピークの回折強度をIcとした場合に、
Ib/Ia<0.1 且つ Ic/Ia<0.1 であること。
また、図17のX線回折ピークは、LiPSBrのピークも確認される。これは、Li1012Br の不純物相として生成したものと考えられる。LiPSBrは、0.61mScm-1のイオン伝導度を有することが知られており、製造時の温度制御により除去できると考えられる。
図18は、Li2.90.83.3Br0.3 およびLi1012Br のX線回折チャートを示す。比較参考のために、図18には、LGPS型のLi9.612のX線回折チャートも示す。
Brを含むL-P-S-Br系は、Iを含むL-P-S-I系と同様に、LGPS型のLi9.612と異なり、2θ=10~15°の間の反射が弱いことが確認される。
また、Li2.90.83.3Br0.3のX線回折チャートでは、原料に含まれるLiBr、LiSなどのピークや副生成したと思われるβ-LPSなどのピークが含まれる。その後の組成の最適化の探求を通じて、Li1012Brでは、X線回折チャートが示すとおり、原料や副生成物などが除去され、イオン導電率の向上が確認される。
図18に併記しているとおり、本実施態様の固体電解質材は、少なくとも2.77~5.82mScm-1の優れたイオン伝導度を有する。具体的には、Li2.90.83.3Br0.3は2.94mScm-1、Li1012Brは3.83mScm-1の優れたイオン伝導度を有する。
一実施態様では、固体電解質材が四面体T(PS四面体)と、八面体O(LiS八面体)と、四面体T(P(S/Br)四面体)とを含む結晶構造を有してもよい。
図19は、一実施態様である固体電解質材の結晶構造の一例を説明するための模式図である。図19は、Li1012Brの結晶構造の模式図である。ここに記載された四面体の多くはPSであり、四面体の頂点がSであり、四面体の内部にPが包摂されている。そして、一部のPSでは、頂点のSがBrに置換されたP(S/Br)として存在することができる。つまり、上述した、組成を有する固体電解質材の結晶構造は、Li1012Brの結晶構造を基本骨格として、一部のPSの頂点のSをBrに置換することにより、実現することができる。
なお、図19の右は、P(S/Br)四面体を表したものであり、BrはS2サイトにのみ部分占有していると考えられる。というのは、これ以外のサイトにもBrが部分占有すると、後述するXRDチャートが、実験組成物との相違が大きくなるからである。
図20は、上記の基本骨格となる結晶構造を有する予測モデルLi1012Brと実験組成Li1012BrのX線回折チャートを示したものである。比較参考のために、図20には、LGPS型のLi9.612のX線回折チャートも示す。
Li1012Brのチャートは、X線回折測定装置の計算機能を用いて導出した。
実験組成と比較すると、2θ=20.1±0.05°、23.7±0.05°、29.5±0.05°、31.3±0.05°、33.0±0.05°の位置に、類似のピークが確認される。これから、両者の結晶構造が類似することが示唆される。
比較参考用のLGPS型のLi9.612のX線回折チャートと比べると、Brを含むL-P-S-Br系は、Iを含むL-P-S-I系と同様に、2θ=10~15°の間の反射が弱いことが確認される。これは、図19に示される2aサイトが存在するので、消滅則により、101、110の反射が消えたためと考えられる。
さらに、図22は、本発明の一態様である固体電解質材のRaman分光法による局所構造解析チャートの一例を示すものである。
より詳しくは、当該固体電解質の局所構造、特に四面体PSまわりの局所構造について検討するために、焼成前後およびβ-LiPSのチャートを並べたものである。焼成前の前駆体がβ-LiPSと同様に422cm-1にピークを有しており、焼成前のアモルファス状態では、Brが置換されていない。焼成後には、図22の(b)のカーブフィッティングをした拡大図で示されるとおり、419cm-1にピークが現れており、これがP(S/Br)のピークであることが示唆される。
一実施態様では、固体電解質材は、2.77mScm-1以上のイオン導電率を有してもよい。
図7、図8、および図18に示されるとおり、本実施態様による固体電解質材は、少なくとも2.77~5.82mScm-1の優れたイオン伝導度を有する。なお、これらの測定値を得た固体電解質材のサンプルは、サンプル採取の前に、通常よりも長い時間(約5分)乳鉢粉砕をしてしまったため、結晶性が低下して、イオン伝導度が十分に高くならなかったと考えられる。別途、乳鉢粉砕を短縮(約20秒)にしたことを除いて、同一条件で得られた固体電解質材のサンプルでは、よりイオン伝導度を高めることができ、最大5~6mScm-1のイオン導電率を実現できた。
特定の理論に拘束されることは望まないが、この高いイオン伝導度は、上述の結晶構造に起因するものと考えられる。当該結晶構造の骨格間をリチウムイオンが三次元的に拡散することができるからである。
なお、導電率は、特に断りの無い限り、Liイオンのイオン導電率である。固体電解質材のイオン導電率は、たとえば、周知の交流インピーダンス法により測定される。
一実施態様における正極について説明する。本実施態様における正極は、少なくとも正極活物質を含有する層であり、必要に応じて、固体電解質材料、導電化材および結着材の少なくとも一つを含有していても良い。本実施態様においては、正極、特に正極活物質、の材料としては、特に限定されない。例えば、正極活物質は、コバルト酸リチウム(LiCoO)、二硫化チタン(TiS)、五酸化二バナジウム(V)、ニッケル酸リチウム(LiNiO)、マンガン酸リチウム(LiMn)、LiCo1/3Ni1/3Mn1/3、Li1+xMn2-x-y(Mは、Al、Mg、Co、Fe、Ni、及びZnから選ばれる1種以上の金属元素)で表される組成の異種元素置換Li-Mnスピネル等であってよいが、これらに限定されない。使用用途や使用目的等に合わせて、適宜選択可能である。
特に、正極がLi0.5CoOまたはTiSを含んでもよい。リチウムを含む負極に対して、出力密度を高くすることが可能になり、大電流を流しやすくなるからである。
正極に含まれる固体電解質材料としては、特に限定されない。例えば、当該固体電解質材料は、Li10GeP12などのLGPS系、LiPSなどのLi-P-S系およびLi-P-S-O系の硫化物固体電解質材料等であってよいが、これらに限定されない。
特に、正極がLi10GeP12(LGPS)を含んでもよい。これにより、正極での界面抵抗の低下が期待できる。
導電助剤としては、特に限定されない。例えば、導電助剤は、VGCF(気相成長法炭素繊維、Vapor Grown Carbon Fiber)及びカーボンナノ繊維等の炭素材並びに金属材等であってよいが、これらに限定されない。
バインダーとしては、特に限定されない。例えば、バインダーは、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ブタジエンゴム(BR)若しくはスチレンブタジエンゴム(SBR)等の材料、又はこれらの組合せであってよいが、これらに限定されない。
本発明の別の実施態様により、固体電解質材が提供される。当該固体電解質材は、上述の充放電方法に用いることができるものであってよく、言い換えると、充放電方法について説明された固体電解質材と同じものであってもよい。
すなわち、当該固体電解質材は、Li3-0.05x0.8+0.01x3.40.2 (0≦x<4)および/またはLi2.9-0.05y0.823.4-0.025y0.2 (0≦y<3)の組成物を含むものであってもよい。
さらに、当該固体電解質材は、CuKα線を用いたX線回折測定における2θ=12.25±0.05°、14.10±0.05°、20.02±0.05°、23.54±0.05°、28.46±0.05°、31.00±0.05°、35.04±0.05°、37.25±0.05°、40.70±0.05°、57.73±0.05°の位置にピークを有し、
上記2θ=20.02±0.05°のピークの回折強度をIAとし、
2θ=12.25±0.05°のピークの回折強度をIBとし、
2θ=14.10±0.05°のピークの回折強度をICとした場合に、
IB/IAおよびIC/IAの値が0.10未満であってもよい。
また、当該固体電解質材は、四面体T(PS四面体)と、八面体O(LiS八面体)と、四面体T(P(S/I)四面体)とを含む結晶構造を有してもよい。
また、当該固体電解質材は、Raman分光法による局所構造解析において、LiSに対応する378cm-1、およびP(S/I)四面体に対応する417cm-1にシフトが観察されてもよい。
また、当該固体電解質材は、Li2.90.83.3Br0.3 および/またはLi1012Brの組成物を含むものであってもよい。
さらに、当該固体電解質材は、CuKα線を用いたX線回折測定における2θ=12.3±0.05°、14.3±0.05°、16.3±0.05°、20.1±0.05°、23.7±0.05°、26.0±0.05°、29.5±0.05°、31.3±0.05°、33.0±0.05°、37.5±0.05°、41.5±0.05°、47.2±0.05°52.±0.05°、55.5±0.05°の位置にピークを有し、
上記2θ=26.0±0.05°のピークの回折強度をIaとし、
2θ=12.3±0.05°のピークの回折強度をIbとし、
2θ=14.3±0.05°のピークの回折強度をIcとした場合に、
Ib/IaおよびIc/Iaの値が0.10未満であってもよい。
また、当該固体電解質材は、四面体T(PS四面体)と、八面体O(LiS八面体)と、四面体T(P(S/Br)四面体)とを含む結晶構造を有してもよい。
また、当該固体電解質材は、Raman分光法による局所構造解析において、LiSに対応する378cm-1、およびP(S/Br)四面体に対応する419cm-1にシフトが観察されてもよい。
また、上記の固体電解質材は、2.77mScm-1以上のイオン導電率を有してもよい。
当該固体電解質材は、製造手段が限定されるものではないが、以下の手段により製造することが可能である。
固体電解質材を製造するための原料組成物は、上記の所望の固体電解質材が得られるものであれば特に限定されるものではなく、Li元素、P元素、S元素、I元素またはBr元素の単体または化合物を用意することができ、組成の化学量論比での調製が容易であり、また入手性等の観点から、LiS、PおよびLiIまたはLiBrを用意してもよい。原料組成物は、その後の工程での取り扱いを考慮して、粉末であることが好ましい。以下では、原料組成物を原料粉末と称することがある。
原料粉末を混合して、前駆体粉末とする。混合は、メノウ乳鉢とメノウ乳棒を用いて手作業で混合してもよい。混合時間は、混合する量や混合の程度に応じて、数秒から数時間の範囲で適宜調整してもよい。
手作業での混合に加えてまたはそれに代えて、メカニカルミリングを用いて混合してもよい。メカニカルミリングは、原料粉末を、機械的エネルギーを付与しながら粉砕しながら混合する方法である。原料粉末を機械的に大量に混合できる点で、メカニカルミリングが好ましい。手作業での混合に比べて、メカニカルミリングは原料粉末をより微細化することが容易であり、製品の結晶純度を高めることがあり好ましい。このようなメカニカルミリングとしては、例えば、振動ミル、ボールミル、ターボミル、メカノフュージョン、ディスクミル等を挙げることができ、中でも振動ミルが好ましい。振動ミルの条件は、原料粉末を混合できるものであれば特に限定されるものではない。振動ミルの振動振幅は、例えば5mm~15mmの範囲内、中でも6mm~10mmの範囲内であることが好ましい。振動ミルの振動周波数は、例えば500rpm~2000rpmの範囲内、中でも1000rpm~1800rpmの範囲内であることが好ましい。振動ミルの試料の充填率は、例えば1体積%~80体積%の範囲内、中でも5体積%~60体積%の範囲内、特に10体積%~50体積%の範囲内であることが好ましい。また、振動ミルには、振動子(例えばアルミナ製振動子)を用いることが好ましい。混合時間は、混合する量や混合の程度に応じて、数秒から数時間の範囲で適宜調整してもよい。
原料粉末を用意する工程、および原料粉末を混合し前駆体粉末を得る工程は、空気中の水分によって原料粉末、得られた前駆体粉末が劣化することを防止するために、アルゴン等の不活性ガス雰囲気下のグローブボックス内で作業することが好ましい。
前駆体粉末は、ペレット成形器で押し固められた後に、加熱することにより、固体電解質材に焼成される。この加熱の間、前駆体粉末は真空下に置かれる。真空下で加熱できるものである限り、特に操作は限定されない。ペレットを片側を閉じたパイレックス(登録商標)管のようなガラス管に入れた後、真空引きしながら、ガラス管の開口端を封じて、ペレットの真空封入をしてもよい。また、図12は、加熱を行なう装置の概略構成例を示す。この装置では、ペレットをアルミナ管内のアルミナボート上に静置し、アルミナ管内を真空排気することができる。また、アルミナ管内の真空排気に加えて、アルゴン等の不活性ガスをパージすることも可能である。
加熱温度は、適宜調整可能であるが、180℃以上230℃以下であってもよい。
加熱温度が上記の範囲外で得られた加熱焼成物は、所望の固体電解質材を十分に含まないことがある。このことは、X線回折測定によって確認できる。
より詳しくは、加熱温度が180℃未満であると、反応が進行せずに未反応物が多量の残存し、目的とする組成の合成品を得ることができず、加熱温度が230℃超であると、合成品の熱分解や、β-LiPSやLiIのような目的外組成物の生成等により、所望する組成の合成品の歩留まりが低下することがある。好ましくは、加熱温度が190℃以上であってもよく、さらに好ましくは、加熱温度が200℃以上であってもよい。また、好ましくは、加熱温度が220℃以下であってもよく、さらに好ましくは、加熱温度が210℃以下であってもよい。
なお、加熱時間は、加熱温度及び前駆体粉末の仕込み量に応じて適宜調整してもよい。例えば、加熱時間を、昇温時間と保持時間を含んだものとして、それぞれの時間を30分間~48時間の範囲内としてもよい。
また、加熱終了後に、得られた加熱焼成物を室温まで冷却する際には、自然冷却を採用してもよいし、またはアニーリングをおこなってもよい。
また、前駆体粉末を加熱するための加熱容器を回転することにより、前駆体粉末を攪拌しながら加熱を行ってもよい。
前駆体粉末を加熱する容器は、特に限定されるものではないが、回転できるものであると、加熱効率や攪拌効率の観点から、好ましい。加熱容器は、図12に示すような、略円筒形状のものであると、円筒軸方向に軸回転が容易であり好ましい。
回転速度は、加熱効率等を考慮して適宜調整可能であり、1~100回転/minであってもよい。1回転/min未満であると、回転による加熱効率向上や攪拌効率向上の効果が十分でない場合がある。回転数の上限は特に限定されるものではないが、回転数増加による効果が飽和気味になること、設備コストが増加することから、100回転/minを上限としてもよい。
上記の製造方法に含まれる一連の工程では、空気中の水分によって原料粉末、前駆体粉末、および得られた固体電解質材が劣化することを防止するために、アルゴン等の不活性ガス雰囲気下で作業することが好ましい。
以下、実施例を参照して、本発明をさらに詳細に説明する。なお、下記の実施例は本発明を限定するものではない。
(原料粉末の調製、混合)
原料粉末を用意し、それらを混合して、前駆体粉末を得た。一連の操作は、露点-70℃以下のガス循環精製機付グローブボックス(株式会社美和製作所製 DBO-1.5-T1000)内で行なった。
原料粉末として、硫化リチウム(LiS 三津和化学薬品株式会社製 純度99.9%)、五硫化二リン(P Sigma-Aldrich Corporation製 純度99%)、ヨウ化リチウム(LiI Sigma-Aldrich Corporation製 純度99.999%)および臭化リチウム(LiBr Sigma-Aldrich Corporation製 純度99.999%)を用意した。
混合は、手作業のみで行なうか、または手作業の上メカニカルミリングでも行なった。
所望の組成の固体電解質材が得られるように決定された化学量論比で、上記の原料粉末を所定量秤量して、メノウ乳鉢に入れ、スパチュラを用いて手作業により1分間混合した後に、メノウ乳棒を用いて手作業により15分間混合した。その際、原料混合粉末がメノウ乳鉢の内壁に固着しないように、5分に1回の割合でスパチュラで固着物を掻き落とした。
手作業による混合の後、メカニカルミリングとして、遊星型ボールミル装置(Fritsch Japan製 Pulverisette7)で、粉砕混合処理を40時間行った。
(加熱焼成)
引き続いて、グローブボックス(株式会社美和製作所製 DBO-1.5-T1000)内で、前駆体粉末約1gを粉末成形金型(内径13mm)に入れ、油圧プレス機(理研精機株式会社 足踏油圧ポンプP-6)で表示圧力20MPa(成形圧力は約433MPa)に加圧して、直径10mm、厚さ1cm程度のペレットを作製した。
作製したペレットを、外径13mm 内径11mm 長さ20cm程度の片側を閉じたパイレックス(登録商標)管に入れ、真空ライン(株式会社十條合成化学研究所製 ガラス製)に接続して、パイレックス(登録商標)管内を10Paまで減圧した。
次に、LNG/Oバーナーでパイレックス(登録商標)管のガラス壁を3方向(約120°間隔)から凹ませながら、パイレックス(登録商標)管内にペレットを封入した。
前駆体ペレットを封入したパイレックス(登録商標)管を水平方向から5~10°傾けた状態のアルミナ製炉心管内に入れ、マッフル炉(デンケン・ハイデンタル株式会社製 300-Plus)で210℃まで2時間で昇温後、4時間保持した。
自然冷却した後にグローブボックス内で開管して、焼成物を取り出し、メノウ乳鉢とメノウ乳棒で焼成物を5分間粉砕して、固体電解質材を得た。
なお、固体電解質は、前述のLi3-0.05x0.8+0.01x3.40.2 (0≦x<4)、Li2.9-0.05y0.823.4-0.025y0.2 (0≦y<3)、Li2.90.83.3Br0.3 、またはLi1012Br の組成物を少なくとも一つを含んでなる。
より詳しくは、図13の#1~4で用いた固体電解質は、組成がLi1012Brであり、イオン伝導率が3.83mS/cmであり、#5、6で用いた固体電解質は、組成がLi0.83.40.2であり、イオン伝導率が5.29mS/cmであった。
(全固体電池の組み立て)
得られた固体電解質材をセパレータとして全固体電池を組み立てた。
負極にはLi金属を用いた。なお、負極の集電体には、銅の箔またはメッシュ材を用いた。
正極には正極活物質としてLi0.5CoOまたはTiSを用いた2種類を用意した。なお、正極では、正極活物質に加えてLi10GeP12(LGPS)を加えてセパレータとの界面抵抗が低下するようにした。なお、正極活物質とLGPSとの混合比率は3:7とした(質量比)。これらの、負極、固体電解質材(セパレータ)および正極
を組み合わせて、全固体電池を得た。
(充放電試験)
得られた全固体電池について、1/20Cで充放電を行った。
充放電試験を行なった。いずれも、最初の充放電では放電から始めた。図13に結果のチャートを示す。いずれも、内部短絡等の問題を生じることなく、充放電を複数回繰り返すことができた。
なお、最初の充放電で充電から始めた場合は、図3の(充電からスタート)と記載されたチャートに示されるとおり、動作が安定せず、デンドライトによる内部短絡が生じていることが確認された。
(電流波形、電圧波形)
さらに、定電流で充放電を繰り返すが、最初の充放電で充電から始めた場合(比較例)と、最初の充放電で放電から始めた場合(本発明例)での、電流波形および電圧波形を測定した。結果をそれぞれ図14および15に示す。図14に示されるとおり、充電から始めた場合には、数サイクルで波形が乱れ、特に電圧波形に顕著な乱れが見られた。これに対して、図15に示されるとおり、放電から始めた場合には、複数回のサイクルを経ても電流波形、電圧波形に乱れは見られなかった。このことからも、最初の充放電で放電から始めた場合に、内部短絡等の問題を生じることなく、充放電を複数回繰り返すことができることが確認された。

Claims (21)

  1. リチウムを含む負極、固体電解質材、および正極を含んでなる、全固体電池の充放電方法であって、
    最初の充放電では放電から始めることを、特徴とする、全固体電池の充放電方法。
  2. 前記固体電解質材は、Li3-0.05x0.8+0.01x3.40.2 (0≦x<4)
    および/またはLi2.9-0.05y0.823.4-0.025y0.2 (0≦y<3)の組成物を含んでなることを、特徴とする、請求項1に記載の
    充放電方法。
  3. 前記固体電解質材は、CuKα線を用いたX線回折測定における2θ=12.25±0.05°、14.10±0.05°、20.02±0.05°、23.54±0.05°、28.46±0.05°、31.00±0.05°、35.04±0.05°、37.25±0.05°、40.70±0.05°、57.73±0.05°の位置にピークを有し、
    上記2θ=20.02±0.05°のピークの回折強度をIAとし、
    2θ=12.25±0.05°のピークの回折強度をIBとし、
    2θ=14.10±0.05°のピークの回折強度をICとした場合に、
    IB/IAおよびIC/IAの値が0.10未満であることを、特徴とする、請求項1または2に記載の充放電方法。
  4. 前記固体電解質材は、四面体T(PS四面体)と、八面体O(LiS八面体)と、四面体T(P(S/I)四面体)とを含む結晶構造を有することを、特徴とする、請求項1~3のいずれか1項に記載の充放電方法。
  5. 前記固体電解質材は、Raman分光法による局所構造解析において、LiSに対応する378cm-1、およびP(S/I)四面体に対応する417cm-1にシフトが観察されることを、特徴とする、請求項1~4のいずれか1項に記載の充放電方法。
  6. 前記固体電解質材は、Li2.90.83.3Br0.3 および/または
    Li1012Br の組成物を含んでなることを、特徴とする、請求項1に記載の充放電方法。
  7. 前記固体電解質材は、CuKα線を用いたX線回折測定における2θ=12.3±0.05°、14.3±0.05°、16.3±0.05°、20.1±0.05°、23.7±0.05°、26.0±0.05°、29.5±0.05°、31.3±0.05°、33.0±0.05°、37.5±0.05°、41.5±0.05°、47.2±0.05°52.±0.05°、55.5±0.05°の位置にピークを有し、
    上記2θ=29.5±0.05°のピークの回折強度をIaとし、
    2θ=12.3±0.05°のピークの回折強度をIbとし、
    2θ=14.3±0.05°のピークの回折強度をIcとした場合に、
    Ib/IaおよびIc/Iaの値が0.10未満であることを、特徴とする、請求項1または6に記載の充放電方法。
  8. 前記固体電解質材は、四面体T(PS四面体)と、八面体O(LiS八面体)と、四面体T(P(S/Br)四面体)とを含む結晶構造を有することを、特徴とする、請求項1または請求項6~7のいずれか1項に記載の充放電方法。
  9. 前記固体電解質材は、Raman分光法による局所構造解析において、LiSに対応する378cm-1、およびP(S/Br)四面体に対応する419cm-1にシフトが観察されることを、特徴とする、請求項6~8のいずれか1項に記載の充放電方法。
  10. 前記固体電解質材は、2.77mScm-1以上のイオン導電率を有することを、特徴とする、請求項1~9のいずれか1項に記載の充放電方法。
  11. 前記正極は、Li0.5CoOまたはTiSを含むことを、特徴とする、請求項1~10のいずれか1項に記載の充放電方法。
  12. 前記正極は、さらにLi10GeP12(LGPS)を含むことを、特徴とする、請求項11に記載の充放電方法。
  13. Li3-0.05x0.8+0.01x3.40.2 (0≦x<4)および/または
    Li2.9-0.05y0.823.4-0.025y0.2 (0≦y<3)の組成物を含んでなることを、特徴とする、固体電解質材。
  14. CuKα線を用いたX線回折測定における2θ=12.25±0.05°、14.10±0.05°、20.02±0.05°、23.54±0.05°、28.46±0.05°、31.00±0.05°、35.04±0.05°、37.25±0.05°、40.70±0.05°、57.73±0.05°の位置にピークを有し、
    上記2θ=20.02±0.05°のピークの回折強度をIAとし、
    2θ=12.25±0.05°のピークの回折強度をIBとし、
    2θ=14.10±0.05°のピークの回折強度をICとした場合に、
    IB/IAおよびIC/IAの値が0.10未満であることを、特徴とする、請求項13に記載の固体電解質材。
  15. 四面体T(PS四面体)と、八面体O(LiS八面体)と、四面体T(P(S/I)四面体)とを含む結晶構造を有することを、特徴とする、請求項13または14に記載の固体電解質材。
  16. Raman分光法による局所構造解析において、LiSに対応する378cm-1、およびP(S/I)四面体に対応する417cm-1にシフトが観察されることを、特徴とする、請求項13~15のいずれか1項に記載の固体電解質材。
  17. Li2.90.83.3Br0.3 および/またはLi1012Brの組成物を含んでなることを、特徴とする、固体電解質材。
  18. CuKα線を用いたX線回折測定における2θ=12.3±0.05°、14.3±0.05°、16.3±0.05°、20.1±0.05°、23.7±0.05°、26.0±0.05°、29.5±0.05°、31.3±0.05°、33.0±0.05°、37.5±0.05°、41.5±0.05°、47.2±0.05°52.±0.05°、55.5±0.05°の位置にピークを有し、
    上記2θ=26.0±0.05°のピークの回折強度をIaとし、
    2θ=12.3±0.05°のピークの回折強度をIbとし、
    2θ=14.3±0.05°のピークの回折強度をIcとした場合に、
    Ib/IaおよびIc/Iaの値が0.10未満であることを、特徴とする、請求項17に記載の固体電解質材。
  19. 前記固体電解質材は、四面体T(PS四面体)と、八面体O(LiS八面体)と、四面体T(P(S/Br)四面体)とを含む結晶構造を有することを、特徴とする、請求項17または18のいずれか1項に記載の固体電解質材。
  20. Raman分光法による局所構造解析において、LiSに対応する378cm-1、およびP(S/Br)四面体に対応する419cm-1にシフトが観察されることを、特徴とする、請求項17~19のいずれか1項に記載の固体電解質材。
  21. 2.77mScm-1以上のイオン導電率を有することを、特徴とする、請求項13~20のいずれか1項に記載の固体電解質材。
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