JP2022059121A - 超音波加工装置 - Google Patents

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Seiya Nakai
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Abstract

【課題】着脱・交換自在の取付部材にホーンの超音波振動を効率よく伝達し、被加工物に対して切断、接合、溶着などの加工を精度よく施すことができる超音波加工装置を提供する。【解決手段】切断刃4の長さ方向に直交する上下方向の縦断面において、ホーン側凸条35aと取付部材側凹溝36aとが嵌合した状態で、ホーン35のねじ孔にボルトが螺合したときに、ホーン側凸条35aの周縁のホーン35の下面35cと、取付部材側凹溝36aの周縁の取付部材36の上面36cとが面接触し、面接触するホーン側凸条35aの周縁のホーン35の下面35cおよび取付部材側凹溝36aの周縁の取付部材36の上面36cが、外側に向かって山状に下り傾斜面を成し、かつ、ホーン側凸条35aと取付部材側凹溝36aとの対向する面間に、面接触しないよう隙間Sを設ける。【選択図】図4

Description

本発明は、切断刃に超音波振動を印加して被加工物である切断対象物を切断し、或いは、被加工物を接合、溶着等する超音波加工装置に関し、ホーン先端に着脱・交換可能に取付部材を取り付ける構造に関する。
超音波を利用して加工を行う超音波加工装置として、切断対象物を切断する切断刃に超音波振動を印加する超音波切断装置がある(特許文献1参照)。この種の切断装置では、例えば図27に示すように、超音波切断装置100のホーン101の下端部の1つの側面に複数のボルト穴を形成し、これらのボルト穴にボルト102を螺合して切断刃103を取り付けている。
また、従来、上記した超音波による切断以外に、被加工物を接合或いは溶着する超音波加工装置においても、摩耗や破損によりホーンを取り換える必要が生じた場合に、ホーン全体を取り換えるにはコストがかかり過ぎることから、ホーンの先端である下端部分を着脱・交換自在な取付部材により構成にすることが提案されている。この場合、例えばホーンの下面を断面L字状にし、取付部材の上面をホーン下面のL字と同じL字状にし、ホーンおよび取付部材のL字同士を噛み合わせた状態で、側面においてボルトにより取付部材をホーンに固定するなど、ホーンと取付部材との結合構造としてボルトによる締結構造という簡単な構造が採用されることが多い。
実願昭61-200841号(実開昭63-107595号公報)のCD-ROM(明細書第5頁第18行~第6頁第1行、第3図参照)
しかし、図17示すような切断刃103の取り付け構造では、ホーン101の超音波振動によってボルト102に緩みが生じて切断刃103の締め付けが緩み、切断刃103のぶれが生じて切断対象物をきれいに精度よく切断することができなくなるおそれがある。
また、接合、溶着に使用する従来の超音波加工装置の場合、上記したようにボルトによる簡単な締結構造が採用されるため、超音波振動によりボルトに緩みが生じて超音波振動が取付部材に効率よく伝わらなかったり、ホーンと取付部材との結合面の構造によっては、ホーンが超音波振動したときに取付部材がホーンと一体化せずに結合部分において超音波振動が取付部材に効率よく伝わらなかったりし、取付部材の下面と支持体との間に挟持された被加工物にホーンによる超音波振動が効率よく印加されないことがあり、ホーンと強固に一体化してホーンの超音波振動を取付部材に効率よく伝達できるホーンと取付部材との結合構造が望まれている。
本発明は、上記した課題に鑑みてなされたものであり、着脱・交換自在の取付部材にホーンの超音波振動を効率よく伝達し、被加工物に対して切断、接合、溶着などの加工を精度よく施すことができる超音波加工装置を提供することを目的とする。
上記した課題を解決するために、本発明に係る超音波加工装置は、超音波振動により被加工物に切断、接合、溶着などの加工を施す超音波加工装置において、前記被加工物が載置される支持体と、上下方向に直交する一方向に長尺のホーンを有し、振動子により発生する超音波振動に共振して前記支持体と前記ホーンとの間に挟持した前記被加工物に超音波振動を印加する超音波振動手段と、前記超音波振動手段を前記支持体に近接する方向に移動させて前記ホーンに加圧力を与える加圧手段と、前記ホーンの先端面に着脱・交換自在に取り付けられる前記ホーンの長手方向に長尺の取付部材と、前記取付部材を前記ホーンの先端面に着脱自在に固定する固定手段とを備え、前記取付部材を前記ホーンに固定した状態で、前記ホーンの先端面とこれに対向する前記取付部材の対向面とが面接触し、前記ホーンの長手方向に直交する縦断面において、前記ホーンの先端面および前記取付部材の対向面の中央部分には、前記ホーンの前記先端面と前記取付部材の前記対向面とが互いに接触しない隙間が設けられていることを特徴としている。
このような構成によれば、取付部材をホーンに固定した状態で、ホーンの先端面とこれに対向する取付部材の対向面とが面接触し、ホーンの長手方向に直交する縦断面において、ホーンの先端面および取付部材の対向面の中央部分に、ホーンの先端面と取付部材の対向面とが互いに接触しない隙間を設けるように構成したため、取付部材のホーンへの固定手段による固定強度を上げたときに、ホーンの先端面と取付部材の対向面との間の隙間により撓みや歪みを吸収できるので、面接触するホーンの先端面と取付部材の対向面とを強く圧接させることができる。その結果、超音波振動手段による超音波振動が取付部材に加わったときに、強い接触圧で面接触するホーンの先端面により、ホーンの長手方向に直交する縦断面における取付部材のホーン側の端部が外側へ広がるのを規制することができ、取付部材をホーンと強固に一体化した状態で超音波振動させてホーンの超音波振動を取付部材に効率よく伝達することができ、取付部材と支持体との間に挟持した被加工物を加工(切断、接合、溶着等)する際に、ホーンの超音波振動エネルギーを漏れなく取付部材を介して被加工物に印加して加工することが可能になり、被加工物を精度よく加工することができる。しかも、取付部材が摩耗、破損したときには、ホーン全体を取り換えることなく取付部材のみ交換すればよいため、非常に安価で済む。
このとき、前記ホーンの長手方向に直交する縦断面において、前記隙間の両側の前記ホーンの前記先端面および前記取付部材の前記対向面が中央から外側に向かう下り傾斜面を成して面接触していてもよい。また、前記ホーンの長手方向に直交する縦断面において、前記隙間の両側の前記ホーンの前記先端面および前記取付部材の前記対向面が水平面を成して面接触していてもよい。
また、前記固定手段は、前記取付部材の前記先端面のほぼ中央の位置に、前記取付部材から前記ホーンに向かう方向に貫通して形成されたボルト挿入孔と、前記ホーンの前記先端面のほぼ中央であって、前記ボルト挿入孔に連続する位置に形成されたねじ孔と、前記取付部材の前記対向面と反対側の端面側から前記ボルト挿入孔に挿入され前記ねじ孔に螺合されることにより前記取付部材を前記ホーンに固定するボルトとを備え、前記ボルトは、前記ホーンの前記先端面と前記取付部材の前記対向面との間の前記隙間を貫通するのが望ましい。
この構成によれば、ボルトの締め付け力を高くして取付部材のホーンへの固定強度を上げたときに、ホーンの先端面とこれに対向する取付部材の対向面との間の隙間により撓みや歪みを吸収できるので、面接触するホーンの先端面と取付部材の対向面との接触圧を高めて取付部材をホーンに圧接した状態で取り付けることができる。
また、本発明に係る超音波加工装置は、前記取付部材の前記対向面と反対側の端面に固着されて前記被加工物を切断する切断刃を備えるとよい。
この構成によれば、被加工物である切断対象物を切断刃により切断する場合において、取付部材をホーンに固定した状態で、ホーンの先端面とこれに対向する取付部材の対向面とが面接触し、ホーンの長手方向に直交する縦断面において、ホーンの先端面および取付部材の対向面の中央部分に、ホーンの先端面と取付部材の対向面とが互いに接触しない隙間を設けるように構成したため、取付部材のホーンへの固定手段による固定強度を上げたときに、ホーンの先端面と取付部材の対向面との間の隙間により撓みや歪みを吸収できるので、面接触するホーンの先端面と取付部材の対向面とを強く圧接させることができる。その結果、超音波振動手段による超音波振動が取付部材に加わったときに、強い接触圧で面接触するホーンの先端面により、ホーンの長手方向に直交する縦断面における取付部材のホーン側の端部が外側へ広がるのを規制することができ、取付部材をホーンと一体化して超音波振動させることができ、超音波振動が取付部材に加わっても、取付部材の対向面と反対側の端面に固着された切断刃がぶれるのを確実に防止することができ、切断刃を強固に固着した状態に保持して切断対象物を切断することが可能になる。
また、前記ホーンの長手方向に平行な直線を成す刃先を有する切断刃が、前記取付部材の前記対向面と反対側の端面であって前記ボルトからずれた位置に固着されているとよい。
この構成によれば、ホーンの先端面とこれに対向する取付部材の対向面との間の隙間をボルトが貫通して、取付部材をホーンに固定する場合に、ボルトに干渉することなく切断刃を固定することができる。
また、前記固定手段は、前記ホーンの長手方向に平行な前記ホーンの先端部の両側面のうち少なくとも一側面に、前記ホーンの傾斜した前記先端面まで貫通して形成されたボルト挿入孔と、前記取付部材の傾斜した前記対向面であって、前記ボルト挿入孔に連続する位置に形成されたねじ孔と、前記ホーンの前記一側面から前記ボルト挿入孔に挿入され前記ねじ孔に螺合されて前記取付部材を前記ホーンに固定するボルトとを備えていてもよい。
この構成によれば、ホーンの長手方向に平行なホーンの先端端部または取付部材のホーン側端部の両側面のうち少なくとも一側面に形成したボルト挿入孔にボルトを挿入し、挿入したボルトを取付部材側またはホーン側のねじ孔に螺合することにより、取付部材をホーンに固定することができる。このとき、ボルトの締め付け力を高くして取付部材のホーンへの固定強度を上げたときに、ホーンの先端面とこれに対向する取付部材の対向面との間の隙間により撓みや歪みを吸収できるので、面接触するホーンの先端面と取付部材の対向面との接触圧を高めることができる。
また、前記切断刃は、前記ホーンの長手方向に平行な直線を成す刃先を有し、前記取付部材の前記対向面と反対側の端面のほぼ中央に固着されていてもよい。
また、前記切断刃は、直線と曲線との組み合わせから成る所定の切断パターンとなる刃先形状を有し、前記取付部材の前記対向面と反対側の端面に固着されているとよい。この場合、切断刃により、切断対象物を所定の切断パターンに打ち抜くことができる。
本発明によれば、超音波振動手段による超音波振動が取付部材に加わったときに、強い接触圧で面接触するホーンの先端面により、ホーンの長手方向に直交する縦断面における取付部材のホーン側の端部が外側に広がるのを規制することができるため、取付部材をホーンと強固に一体化して超音波振動させてホーンの超音波振動を取付部材に効率よく伝達することができ、取付部材と支持体との間に挟持した被加工物を加工(切断、接合、溶着等)する際に、ホーンの超音波振動エネルギーを漏れなく取付部材を介して被加工物に印加して加工することが可能になり、被加工物を精度よく加工することが可能になる。さらに、取付部材が摩耗、破損したときには取付部材のみを取り外して新しいものに交換することができるため、ホーン全体を取り換える場合比べて非常に安価で済む。
本発明に係る超音波加工装置を切断に使用する場合の第1実施形態の側面図である。 図1の一部の斜視図である。 図2の分解状態における切断正面図である。 図2の切断正面図である。 比較例の動切断正面図である。 第2実施形態の一部の切断正面図である。 第3実施形態の一部の正面図である。 第4実施形態の一部の正面図である。 第5実施形態の一部の正面図である。 第6実施形態の一部の正面図である。 第7実施形態の一部の正面図である。 第8実施形態の一部を下方から見た斜視図である。 本発明に係る超音波加工装置を溶着に使用する場合の第9実施形態の一部の正面図である。 本発明に係る超音波加工装置を接合に使用する場合の第10実施形態の一部の分解状態における正面図である。 第10実施形態の一部の正面図である。 第10実施形態の変形例を示す図である。 従来例の一部の斜視図である。
<第1実施形態>
本発明に係る超音波加工装置を切断用に適用した第1実施形態について図1ないし図4を参照して説明する。
図1に示す切断用の超音波加工装置1は、支持体2の支持面21と、支持面21に直交する上下方向(図1中のZ軸方向)に超音波振動するホーン35との間に切断対象物を挟んだ状態で、切断対象物をその長手方向である図1中のY軸方向に走行させることにより、切断対象物の押圧箇所を切断対象物の長手方向(Y軸方向)に沿って移動させ、切断対象物をZ方向に押圧しつつ超音波振動を印加することによって、ホーン35の下面側に取り付けられた図1中のX軸方向に長尺の切断刃4により切断対象物を切断し、その後、切断対象物をY軸方向に走行させて切断を繰り返すものである。
支持体2はヘッド部3の下方に配置され、ホーン35の下面側の取付部材36に固定された切断刃4と、支持体2の水平な支持面21との間に、支持体2に載置された被加工物である切断対象物を挟持し、この挟み込み状態で切断刃4により切断対象物に対して所定の押圧力で押圧しつつ超音波振動を加えることで、切断対象物を切断する。なお、支持体2は、チタン、チタン合金、鉄、ステンレス、アルミニウム、ジュラルミン等のアルミニウム合金などの種々の金属材料、ガラス、セラミックス、樹脂など、適宜、種々の材料により形成するとよい。また、切断刃4は、その刃先を化学気相成長(CVD)や物理気相成長(PVD)によって、窒化チタン、炭窒化チタン、チタンアルミナイトライド、アルミクロムナイトライド、ダイヤモンドライクカーボン(DLC:Diamond-like Carbon)などの硬質物質によるコーティングを施すのが望ましい。
ヘッド部3は、上下方向である図1中のZ軸方向へのいわゆる縦振動の超音波振動を印加する振動子31(本発明における「超音波振動手段」に相当)と、振動子31の一方端に接続された共振器32と、振動子31および共振器32を振動方向である上下方向(Z軸方向)に移動自在に支持する支持手段33とを備え、振動子31が共振器32を超音波振動させることにより、切断対象物に超音波振動が印加されて切断対象物が切断される。
具体的には、共振器32は、制御装置(図示せず)により制御される振動子31が生成する超音波振動に共振してその中心軸の方向である上下方向(図1中のZ軸方向)に超音波振動するものであって、ブースタ34とホーン35とを備え、ブースタ34の下端とホーン35の上端とが、互いの中心軸が同軸になるように無頭ねじにより連結されている。ブースタ34は、例えば上下方向(Z軸方向)におけるそのほぼ中央の位置と、その上下の両端位置とが最大振幅点となるように、共振周波数の一波長の長さに形成されている。このとき、上下方向(Z軸方向)において各最大振幅点から1/4波長離れた2つの位置が、それぞれブースタ34の第1および第2最小振幅点に相当する。また、ブースタ34は、その横断面が円形を成す円柱状に形成されている。そして、ブースタ34の上端に、ブースタ34の中心軸と同軸になるように振動子31が無頭ねじにより接続されている。
また、ブースタ34の第1および第2最小振幅点に相当する位置の外周面には、それぞれの周方向に沿って凹状の溝が形成されることによりブースタ34が支持手段33に把持されるための被把持部が形成されている。このとき、ブースタ34の中心軸にほぼ直交する断面形状が円形状やその他の多角形状となるように、被把持部を形成するとよい。
ここで、共振器32(ブースタ34およびホーン35)は、チタン、チタン合金、鉄、ステンレス、アルミニウム、ジュラルミン等のアルミニウム合金など、一般的に共振器を形成するのに用いられる種々の金属材料により形成するとよい。また、共振器32は、その共振周波数が約15kHz~約60kHz、その振動振幅(図1中のZ軸方向における伸縮の振幅)が約2μm~約300μmとなるように構成するのが望ましい。
ホーン35の下面には、ホーン35と同様に図1中のX軸方向の長尺の取付部材36が着脱自在に取り付けられ、この取付部材36の下面に切断刃4が固着され、後述する支持手段によりホーン35を介して支持体2の支持面21に載置された切断対象物が上下方向(Z軸方向)に所定圧で押圧されつつ、振動子31に共振してホーン35が超音波振動することにより切断刃4に超音波振動が印加される。そして、ホーン35は、例えば図1中の上下方向(Z軸方向)におけるその両端位置が最大振幅点となるように、共振周波数の半波長の長さに形成されている。このとき、上下方向(Z軸方向)におけるホーン35のほぼ中央の位置が第3最小振幅点に相当する。
また、図2、図3に示すように、ホーン35は図3中のX軸方向に長尺の直方体状に形成され、ホーン35の下面中央部には、ホーン35の長手方向(図3中のX軸方向)に垂直なZ軸方向の縦断面である垂直断面がほぼ凹状を成す取付部材36を取り付けるために、X軸方向を長さ方向とするホーン側凸条35aが形成され、取付部材36の上面中央部には、X軸方向を長さ方向とする取付部材側凹溝36aが形成され、ホーン側凸条35aと取付部材側凹溝36aとが嵌合することにより、取付部材36がホーン35の下面に取り付けられる。そして、図2、図3に示すように、取付部材36の下面の図3中のY軸方向における中央位置よりも一端(左端)側にずれた位置に、切断刃4の固定用にX軸方向に長尺の溝が形成され、この溝に切断刃4の上端部が嵌め込まれるとともに接着剤により接着或いは溶接されて、取付部材36に切断刃4が固着されている。
さらに、図3に示すように、取付部材36の下面中央部には、取付部材側凹溝36aに連通する複数のボルト挿入孔36bが所定間隔で形成され、ホーン35のホーン側凸条35aの下面には、各ボルト挿入孔36bにそれぞれ連通するねじ孔35bが形成されている。なお、各ボルト挿入孔36bにはボルトBの頭部を収納する収納孔も形成されている。そして、図3中の矢印のように取付部材側凹溝36aがホーン側凸条35aに嵌め合わされた状態で、各ボルト挿入孔36bそれぞれに下方からボルトBが挿入されて、ホーン側凸条35aの複数のねじ孔35bそれぞれに螺合されることにより、取付部材36がホーン35の下面に着脱自在に固定される。このとき、切断刃4は取付部材36ごと取り換えられる。
このとき、図3、図4に示すように、取付部材側凹溝36aに形成されたボルト挿入孔36bに挿入されたボルトBがホーン35側のねじ孔35bに螺合する際、ホーン側凸条35aの周縁のホーン35の下面35cと、取付部材側凹溝36aの周縁の取付部材36の上面36cとが面接触し、かつ、ホーン側凸条35aと取付部材側凹溝36aとの対向面が面接触せずに隙間S(図4参照)が生じるように、ホーン側凸条35aの突出長さ、および、取付部材側凹溝36aが設定されている。
さらに、ホーン35の長手方向(図3中のX軸方向)に直交する上下方向(Z軸方向)の縦断面において、面接触するホーン側凸条35aの周縁のホーン35の先端面である下面35cおよび取付部材側凹溝36aの周縁の取付部材36のホーン35との対向面である上面36cが、中央から外側に向かって下り傾斜面を成すように加工されている。
図1に戻って、支持手段33は、基部37とクランプ手段38とを備え、クランプ手段38でブースタ34の被把持部を把持することにより共振器32を支持するものであり、基部37には、後に詳述する加圧手段5のボールねじに螺合するねじ穴が上下方向(Z軸方向)に形成されている。
また、クランプ手段38は、ブースタ34に形成された2つの被把持部を把持(クランプ)できるように、基部37の2箇所に設けられており、両クランプ手段38それぞれは、ブースタ34の被把持部を挟持する第1および第2部材を備えている。具体的には、クランプ手段38の第1および第2の部材には、被把持部の断面形状に係合可能な形状を有する凹部がそれぞれ設けられ、第1および第2部材の凹部でブースタ34の被把持部を狭持するように、被把持部を形成する凹状の溝に、基部37に支持されたクランプ手段38の第1および第2部材が嵌挿され、ボルトで第1および第2部材が固定されることにより、ブースタ34の被把持部がクランプ手段38により把持されている。
なお、共振器32を支持する支持手段33の構成は、上記したように、ブースタ34に形成された被把持部を把持した状態でボルトにより固定されるクランプ手段38に限られず、例えば、電気制御可能に構成された機械的なクランプ機構や、ワンタッチで取り付け可能なクランプ機構など、ブースタ34の被把持部を支持することができる構成あればどのようなものであってもよい。
また、共振器32に形成される被把持部の位置は、最小振幅点に限らず、共振器32の任意の位置に被把持部を形成すればよい。さらに、被把持部の構成は、共振器32の外周面に周方向に沿って凹状の溝が形成された構成に限られず、例えば、共振器32の外周面に周方向に沿って凸状のフランジが形成された構成など、支持手段33により把持することができれば、被把持部がどのような形状に構成されてもよい。また、被把持部が支持手段33により、Oリングやダイアフラム等の弾性部材を介して支持されていてもよい。
加圧手段5は、取付部材36を介してホーン35に取り付けられた切断刃4が、支持面21と対向するように支持手段33に支持された共振器32を、上下方向(図1中のZ軸方向)に駆動して支持体2に近接または支持体2から離間するよう上下方向に移動させるものであって、駆動モータ51とボールねじ52とを備えている。また、架台(図示省略)に立設された支柱(図示省略)にガイド53が結合されており、加圧手段5は、フレーム54を介して支柱およびガイド53に連結されている。
そして、図1では図示省略された制御装置により、駆動モータ51が制御されて回転することにより、ガイド53に上下方向(図1中のZ軸方向)に設けられた凸状のレール53aと支持手段33に設けられたガイド(図示省略)とが摺接しつつ、ボールねじ52に螺合された支持手段33が上下方向(Z軸方向)に移動し、これにより、支持手段33に支持された共振器32が支持体2に近接し、または、支持体2から離間する。このとき、共振器32の中心軸の方向が基部37に形成されたねじ穴とほぼ同じ方向、つまり共振器32の中心軸の方向と加圧手段5による共振器32の移動方向である上下方向(Z軸方向)とがほぼ平行になり、ホーン35下面の切断刃4が支持体2と対向するように、支持手段33により振動子31および共振器32が上下動自在に、かつ、切断刃4の押圧力を調整可能に支持されている。
すなわち、加圧手段5は、制御装置による制御に基づいて駆動モータ51の駆動トルクを調整することにより、所定の加圧力で切断刃4を支持体2に近接させることができるように構成されている。具体的には、支柱にはリニアエンコーダ(図示省略)が設けられており、これにより上下方向(Z軸方向)におけるヘッド部3の高さが検出されて、リニアエンコーダの検出信号に基づいて制御装置により駆動モータ51が制御されることにより、ヘッド部3の高さが微調整されて、切断刃4による支持体2上に載置された切断対象物の切断時の押圧力が所定値に調整される。
なお、切断対象物は、例えば厚さ数100μmの銅、アルミニウムなどの薄い箔状の金属や樹脂シートであり、例えば供給ローラに巻回された長尺の切断対象物(以下、単にシートという)が、一対の引出ローラによりニップされて供給ローラから繰り出され、繰り出されたシートが支持体2と切断刃4との間に送り出され、シートが上下動する切断刃4によって切断される。
ところで、図1ないし図4に示す第1実施形態における超音波加工装置1では、切断刃4の取り付け部分の構成に特徴がある。すなわち、ホーン側凸条35aと取付部材側凹溝36aとが嵌合した状態で、ねじ孔35bにボルトBが螺合したときに、ホーン側凸条35aの周縁のホーン35の下面35cと、取付部材側凹溝36aの周縁の取付部材36の上面36cとが面接触し、かつ、ホーン側凸条35aと取付部材側凹溝36aとの対向面とは面接触せずに隙間Sが生じるように構成されている。さらに、ホーン35の長手方向(X軸方向)に直交する上下方向(Z軸方向)の縦断面において、面接触するホーン側凸条35aの周縁のホーン35の下面35cおよび取付部材側凹溝36aの周縁の取付部材36の上面36cが、中央から外側に向かって下り傾斜面を成すように形成されている。
上記した特徴的構成によってもたらされる技術的効果について以下に説明する。いま、図5(a)に示すように、ホーン35の長手方向(図5中のX軸方向)に直交する上下方向(図5中のZ軸方向)の縦断面において、ホーン側凸条35aの周縁のホーン35の下面35c’、および、取付部材側凹溝36aの周縁の取付部材36の上面36c’を水平な面にし、ホーン側凸条35aと取付部材側凹溝36aとが嵌合した状態で、ねじ孔35bにボルトが螺合したときに、ホーン側凸条35aと取付部材側凹溝36aとの対向面が面接触し、ホーン35のホーン側凸条35aの周縁のホーン35の下面35c’と、取付部材36の取付部材側凹溝36aの周縁の上面36c’とが接触せずに隙間S’を生じるように形成した比較例の挙動について調べた。
図5(a)の構成の場合、ホーン35に超音波振動を印加すると、同図(b)中の矢印に示すように、ホーン35の長手方向(図5中のX軸方向)に直交する上下方向(Z軸方向)の縦断面において、取付部材36の取付部材側凹溝36aの両側の上面36c’が、超音波振動の周期で外側つまり図5(b)中の矢印方向に開くように変位するため、取付部材36の下面に固定された切断刃4の刃先に、同図(b)中の矢印方向へのぶれが生じ、切断対象物をきれいに切断できないことが判明した。
これに対して、図4に示すように、ホーン側凸条35aと取付部材側凹溝36aとが嵌合した状態で、ねじ孔35bにボルトBが螺合したときに、ホーン側凸条35aの周縁のホーン35の下面35cと、取付部材側凹溝36aの周縁の取付部材36の上面36cとが面接触し、面接触するホーン側凸条35aの周縁のホーン35の下面35cおよび取付部材側凹溝36aの周縁の取付部材36の上面36cが、ホーン35の長手方向(図4中のX軸方向)に直交する上下方向(Z軸方向)の縦断面における中央から外側に向かって下り傾斜面を成し、かつ、ホーン側凸条35aと取付部材側凹溝36aとの対向面が面接触せずに隙間Sが生じるように形成することによって、取付部材36のホーン35へのボルトBの締め付けによる固定強度を上げたときに、ホーン35の下面と取付部材36の上面との間の隙間Sにより撓みや歪みを吸収することができ、ホーン35の下面35cと取付部材36の上面36cとを強く圧接させることができる。そのため、振動子31による超音波振動が共振器32を介して取付部材36に加わっても、ホーン35の長手方向である図4中のX軸方向に直交するZ軸方向の縦断面における取付部材36の上端部が外側に広がるのを規制することが可能になり、切断刃4の刃先にぶれが生じるのを確実に防止することができる。
したがって、上記した第1実施形態によれば、超音波振動手段である振動子31による超音波振動がホーン35を介して取付部材36に加わっても、切断刃4の長さ方向(図1、図3、図4中のX軸方向)に直交する上下方向(Z軸方向)の縦断面における取付部材36の上端部が外側に広がるのを規制することができるため、取付部材36をホーン35と一体化して超音波振動させることが可能になり、超音波振動が取付部材36に加わったときに、取付部材36の下面に固定された切断刃4の刃先にぶれが生じるのを確実に防止することができ、切断刃4を強固に固定した状態に保持して切断対象物をきれいに精度よく切断することができる。しかも、切断刃4が摩耗、破損したときには、ホーン全体を取り換えることなく取付部材36ごと切断刃4を新しいものに交換すればよい。
また、ホーン側凸条35aと取付部材側凹溝36aとの対向面に隙間Sを設けることにより、ボルトBを締め付けたときに、隙間SによりボルトBの強い締め付けによる撓みや歪みを吸収できるので、ホーン側凸条35aの周縁のホーン35の下面35cおよび取付部材側凹溝36aの周縁の取付部材36の上面36cを圧接させることができ、超音波振動が加わったときの取付部材36の上端部の外側への広がりを、より確実に規制することができる。
<第2実施形態>
本発明に係る超音波加工装置の第2実施形態について、図6を参照して説明する。なお、第2実施形態における装置の全体構成は、上記した第1実施形態の超音波加工装置1とほぼ同じであるため、以下では図1ないし図4も参照し、主として第1実施形態と異なる点について説明する。
第2実施形態におけるホーン35および取付部材36が上記した第1実施形態と異なるのは、ホーン側凸条35aおよび取付部材側凹溝36aそれぞれに代え、図6に示すように、ホーン35の下面中央にホーン側凹溝35dを、取付部材36の上面中央に取付部材側凸条36dをそれぞれ形成し、ホーン側凹溝35dと取付部材側凸条36dとを嵌合させるようにした点である。
したがって、第2実施形態によれば、上記した第1実施形態と同等の効果を得ることができる。
<第3実施形態>
本発明に係る超音波加工装置の第3実施形態について、図7を参照して説明する。なお、第2実施形態における装置の全体構成は、上記した第2実施形態の超音波加工装置1とほぼ同じであるため、以下では主として第2実施形態と異なる点について説明する。
第3実施形態におけるホーン35および取付部材36が上記した第2実施形態と異なるのは、図7に示すように、第2実施形態のホーン側凹溝35dおよび取付部材側凸条36dに代え、ホーン35の長手方向(図7中のX軸方向)に直交する上下方向(Z軸方向)の縦断面において、面接触するホーン35の下り傾斜の下面35cおよび取付部材36の下り傾斜の上面36cそれぞれに連続して、中央部分にホーン側水平面35eおよび取付部材側水平面36eを形成し、ホーン側水平面35eと取付部材側水平面36eとの間に隙間Sを設けた点である。
したがって、第3実施形態によれば、上記した第2実施形態と同様、第1実施形態と同等の効果を得ることができる。
<第4実施形態>
次に、本発明に係る超音波加工装置の第4実施形態について、図8を参照して説明する。なお、第4実施形態における装置の全体構成は、上記した第1実施形態の超音波加工装置1とほぼ同じであるため、以下では図1ないし図4も参照し、主として第1実施形態と異なる点について説明する。
第4実施形態におけるホーン35および取付部材36が上記した第1実施形態と異なるのは、図8に示すように、ホーン35の長手方向(図12中のX軸方向)に直交する上下方向(Z軸方向)の縦断面において、第1実施形態のホーン側凸条35aの周縁のホーン35の下面および取付部材側凹溝36aの周縁の取付部材36の上面を、それぞれ傾斜のない水平面35f,36fとした点である。
そして、ホーン側凸条35aと取付部材側凹溝36aとが嵌合した状態で、ねじ孔35bにボルトB(図3参照)が螺合したときに、ホーン35の水平面35fと取付部材36の水平面36fとが面接触し、ホーン側凸条35aと取付部材側凹溝36aとの対向面が面接触せずに隙間Sが生じるようにした点は、上記した第1実施形態と同じである。
したがって、第4実施形態によれば、上記した第1実施形態と同等の効果を得ることができる。
<第5実施形態>
本発明に係る超音波加工装置の第5実施形態について、図9を参照して説明する。なお、第5実施形態における装置の全体構成は、上記した第4実施形態の超音波加工装置1とほぼ同じであるため、以下では主として第4実施形態と異なる点について説明する。
第5実施形態におけるホーン35および取付部材36が上記した第4実施形態(図8参照)と異なるのは、図9に示すように、第4実施形態におけるホーン側凸条35aおよび取付部材側凹溝36aに代え、ホーン35にホーン側凹溝35gを、取付部材36側に取付部材側凸条36gをそれぞれ形成した点である。
なお、ホーン側凹溝35gと取付部材側凸条36gが嵌合し、ホーン35に形成されたねじ孔35bに取付部材36の下面側から挿入されたボルトが螺合したときに、図9に示すように、ホーン側凹溝35gと取付部材側凸条36gとの対向面が面接触せずに隙間Sを生じるように形成した点は、第4実施形態と同じである。
したがって、第5実施形態によれば第4実施形態と同様に、上記した第1実施形態と同等の効果を得ることができる。
<第6実施形態>
本発明に係る超音波加工装置の第6実施形態について、図10を参照して説明する。なお、第6実施形態における装置の全体構成は、上記した第3実施形態の超音波加工装置1とほぼ同じであるため、以下では主として第3実施形態と異なる点について説明する。
第6実施形態において第3実施形態(図7参照)と異なるのは、取付部材36をホーン35に固定する固定手段として、図3に示すように取付部材36の下面側からボルトBをホーン35のねじ孔35bに螺合して固定するのではなく、図10に示すように、ホーン35の長手方向(図10中のX軸方向)に平行なホーン35の下端部の両側面に、ホーン35の下り傾斜した下面35cまで貫通するボルト挿入孔35hを所定間隔で複数ずつ形成し、取付部材36の下り傾斜した上面36cであって、ホーン35の両側面の各ボルト挿入孔35hそれぞれに連続する位置にねじ孔36hを複数ずつ形成し、ホーン35の両側面からボルト挿入孔35hにボルトBをそれぞれ挿入してねじ孔36hに螺合することにより、取付部材36をホーン35に固定し、切断刃4を取付部材36の下面中央に固着した点である。ここで、ホーン側水平面35eと取付部材側水平面36eとの間に隙間Sがあるのは、第3実施形態と同じである。
なお、ホーン35の側面からボルトBを締め付けて取付部材36をホーン35に固定するため、図10に示すように、取付部材36の下面中央に限らず、取付部材36の下面のどの位置であっても切断刃4を固着することができる。
したがって、第6実施形態によれば第3実施形態と同様に、上記した第1実施形態と同等の効果を得ることができる。加えて、取付部材36の下面中央に限らず、取付部材36の下面のどの位置にも切断刃4を固着することが可能になる。
<第7実施形態>
本発明に係る超音波加工装置の第7実施形態について、図11を参照して説明する。なお、第7実施形態における装置の全体構成は、上記した第6実施形態(図10参照)の超音波加工装置1とほぼ同じであり、第6実施形態と異なるのは、ホーン35の長手方向(図11中のX軸方向)に平行なホーン35の下端部の両側面のうち一方の側面にのみ、ホーン35の下り傾斜した下面35cまで貫通するボルト挿入孔35hを所定間隔で複数形成するとともに、取付部材36の下り傾斜した上面36cであって、ボルト挿入孔35hに連続する位置にねじ孔36hを複数形成し、ホーン35の当該一方の側面からボルト挿入孔35hにボルトBを挿入してねじ孔36hに螺合して、取付部材36をホーン35に固定するようにした点である。ここで、ホーン側水平面35eと取付部材側水平面36eとの間に隙間Sがあるのは、第6実施形態と同じである。
したがって、第7実施形態によれば第6実施形態と同等の効果を得ることができる。
<第8実施形態>
本発明に係る超音波加工装置の第8実施形態について、図12を参照して説明する。なお、第8実施形態では切断刃の形状が上記した第3実施形態(図7参照)の超音波加工装置1と異なる点を除き、基本的な装置構成は第3実施形態と同じである。
第8実施形態における切断刃41は、図12に示すように、長方形の4つの角を曲線状に滑らかにした刃先形状を有しており、第3実施形態の切断刃4に代えて、取付部材36の下面のボルトBが挿入される中央から離れた周縁に近い位置にボルトBの配列を囲むように切断刃41が固着されている。ここで、切断刃41は第4実施形態の切断刃4と同様、取付部材36の下面の周縁に形成された溝に切断刃41の上端部が嵌め込まれ、接着剤により接着或いは溶接されて固着される。なお、切断刃41の刃先形状は、図12に示す形状に限るものではない、また、切断刃41を固着する取付部材36およびホーン35の構造も、図12に示すものに限定されることはなく、上記した各実施形態のいずれであってもよい。ここで、ホーン側水平面35eと取付部材側水平面36eとの間に隙間Sがあるのは、第3実施形態と同じである。
したがって、第8実施形態によれば、上記した第3実施形態と同様、第1実施形態と同等の効果を得ることができるのは勿論のこと、所定の刃先形状を有する切断刃41により、切断対象物を所定の切断パターンに打ち抜き加工することが可能になる。
<第9実施形態>
本発明に係る超音波加工装置を樹脂フィルム等の溶着用に適用した場合の第19施形態について、図13を参照して説明する。なお、第9実施形態では、上記した第6実施形態(図10参照)における切断刃4を除きその他の構成は第6実施形態の超音波切断装置1と同じである。
すなわち、第9実施形態は、被加工物である複数の樹脂フィルムを重ねた状態で超音波振動による熱により溶着するなどの場合に、図13に示すように、第6実施形態(図10参照)と同様、取付部材36をホーン35に固定した状態で、ホーン35の下り傾斜の下面35cと取付部材36の下り傾斜の上面36cとが面接触し、ホーン35の長手方向に直交する縦断面において、ホーン35の下面35cおよび取付部材36の上面36cの中央部分であるホーン側水平面35eと取付部材側水平面36eとの間に隙間Sを設けるように構成し、取付部材36を両側面において複数のボルトBによりホーン35に着脱・交換自在に固定し、取付部材36には切断刃4を固着せず、支持体2(図1参照)の支持面21と取付部材36との下面との間に、例えば2枚の樹脂フィルムを重ね合わせた状態で挟持し、ホーン35による超音波振動を両樹脂材に印加して溶着するものである。
このとき、取付部材36の下面に所定間隔で突起を形成し、各突起と支持体2の支持面21との間で樹脂フィルムを挟持し、各突起を介して樹脂フィルムに超音波振動を印加するのが望ましい。こうすると、取付部材36の下面のうち樹脂フィルムに接触するのが各突起だけになるので、各突起を介して超音波振動エネルギーを樹脂フィルムに与えて集中的に加熱することができ、効率よく樹脂フィルムを溶着することができる。
したがって、第9実施形態によれば、取付部材36をホーン35に固定した状態で、ホーン35の下り傾斜の下面35cと取付部材36の下り傾斜の上面36cとが面接触し、ホーン35の長手方向に直交する縦断面において、ホーン35の下面35cおよび取付部材36の上面36cの中央部分に、ホーン35の下面35cと取付部材36の上面36cとが互いに接触しない隙間Sを設けるように構成したため、取付部材36のホーン35へのボルトBによる固定強度を上げたときに、ホーン35のホーン側水平面35eと取付部材36の取付部材側水平面36eとの間の隙間Sにより撓みや歪みを吸収できるので、面接触するホーン35の下面35cと取付部材36の上面36cとを強く圧接させることができる。
そのため、振動子31(図1参照)による超音波振動が取付部材36に加わったときに、強い接触圧で面接触するホーン35の下面により、ホーン35の長手方向に直交する縦断面における取付部材36の上端部が外側へ広がるのを規制することができ、取付部材36をホーン35と強固に一体化した状態で超音波振動させてホーン35の超音波振動を取付部材36に効率よく伝達することができ、取付部材36の下面と支持体2との間に挟持した被加工物である樹脂材と樹脂材を溶着する際に、ホーン35の超音波振動エネルギーを漏れなく取付部材36を介して被加工物に印加して精度よく溶着することができる。
しかも、取付部材36が摩耗、破損したときには、取付部材36のみ交換すればよいため、ホーン全体を取り換える場合に比べて非常に安価で済む。
なお、取付部材36のホーン35への取付構造は、図13に示すもの以外に、上記した第7実施形態(図11参照)における切断刃4を除いた構成であってもよく、取付部材36の被加工物と接触する下面にボルトBが配設されていない構成であるのが望ましい。
ここで、第9実施形態では、ホーン35および取付部材36がX軸方向に長尺な例を挙げたが、必ずしも長尺でなくてもよい。
<第10実施形態>
本発明に係る超音波加工装置を被加工物である金属等の接合用に適用した場合の第10実施形態について、図14および図15を参照して説明する。なお、第10実施形態では、上記した第1実施形態(図1~図4参照)における切断刃4をなくし、被加工物に横振動を与えるために、支持手段33により振動子31、共振器32およびホーン35を横向きに支持し、図14、図15中のY軸方向に横振動させるようにした点を除き、その他の構成は第1実施形態の超音波加工装置1と同じである。
図14、図15に示すように、第1実施形態における切断刃4をなくし、第1実施形態と同様、ホーン35の先端面の中央にX軸方向を長さ方向とするホーン側凸条35aを形成するとともに、取付部材36のホーン35に対向する対向面の中央にX軸方向を長さ方向とする取付部材側凹溝36aを形成し、取付部材36をホーン35に固定した状態で、ホーン35のホーン側凸条35aの周縁の先端面35iと、取付部材36の取付部材側凹溝36aの周縁の対向面36iとが面接触し、ホーン側凸条35aと取付部材側凹溝36aとの相対する面間に隙間Sを設けるように構成したものである。
ここで、図14に示すように、取付部材36の端面中央部には、取付部材側凹溝36aに連通する複数のボルト挿入孔36bを所定間隔で形成し、ホーン35のホーン側凸条35aの端面には、各ボルト挿入孔36bにそれぞれ連通するねじ孔35bを形成し、各ボルト挿入孔36bにはボルトBの頭部を収納する収納孔も形成し、図14中の矢印のように取付部材側凹溝36aをホーン側凸条35aに嵌め合わせた状態で、各ボルト挿入孔36bそれぞれにボルトBを挿入して、ホーン側凸条35aの複数のねじ孔35bそれぞれに螺合することにより、取付部材36をホーン35の下面に着脱・交換自在に固定する点は、向きの違いを除き第1実施形態と同様である。
そして、支持体2の支持面21に被加工物である金属等の接合対象物を載置し、例えば取付部材36の図14、図15中に黒塗りした面である接合面36jを接合対象物に接触した状態で、図14、図15中のY軸方向の超音波振動を接合対象物に与えて、接合対象物の接合を行うようになっている。
したがって、第10実施形態によれば、上記した第9実施形態と同様、ホーン側凸条35aと取付部材側凹溝36aとの相対する面間に隙間Sを設けたことにより、この隙間Sによって撓みや歪みを吸収できるので、面接触するホーン35の先端面35iとこれに対向する取付部材36の対向面36iとを強く圧接させることができる。
そのため、振動子31(図1参照)による横方向(図14、図15中のY軸方向)への超音波振動が取付部材36に加わったときに、強い接触圧で面接触するホーン35の先端面35iおよび取付部材36の対抗面36iにより、ホーン35の長手方向に直交する縦断面における取付部材36のホーン35側の端部が外側へ広がるのを規制することができ、取付部材36をホーン35と強固に一体化した状態で超音波振動させてホーン35の超音波振動を取付部材36に効率よく伝達することができ、取付部材36の接合面36j(図14、図15中の黒塗りの面)支持体2との間に挟持した被加工物である金属等の接合対象物を接合する際に、ホーン35の超音波振動エネルギーを漏れなく取付部材36を介して被加工物に印加して精度よく接合することができる。さらに、取付部材36の接合面36rが摩耗、破損したときには、取付部材36のみ交換することができるため、ホーン全体を取り換える場合に比べて非常に安価で済む。
なお、取付部材36のホーン35への取付構造は、図14、図15に示すもの以外に、上記した第1実施形態(図1~図4参照)、第2実施形態(図6参照)、第3実施形態(図7参照)における切断刃4を除いた構成であってもよく、第7実施形態(図11参照)のようにホーン35や取付部材36の一側面側からボルトBにより取付部材36をホーン35に固定する構成であってボルトBの配列された側面と反対側の取付部材36の側面を接合面として使用するのが望ましい。
ここで、第10実施形態では、ホーン35および取付部材36がX軸方向に長尺な例を挙げたが、必ずしも長尺でなくてもよい。
なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。例えば、上記した実施形態では、被加工物を切断、接合、溶着する装置に本発明を適用した場合について説明したが、加工は切断、接合、溶着に限るものではなく、要するに超音波を利用して被加工物を加工するものに本発明を適用することができる。
また、上記した第1ないし第9実施形態におけるホーン35の傾斜した下面35cおよび取付部材36の傾斜した上面36c、並びに、第10実施形態におけるホーン35の傾斜した先端面35iおよび取付部材36の傾斜した対向面36iは、平坦ではなく同じ曲率の曲面を成すように加工されていてもよい。
また、上記した各実施形態では、取付部材36をホーン35に固定する固定手段として一般的なボルトBを備える場合について説明したが、固定手段はこの種のボルトBに限定されるものではなく、その他の締結具を備えるものであってもよく、要するに取付部材36をホーン35に固定できるものであればどのようなものでもよいが、少なくとも締め付け力を調整できるものが望ましい。
また、第10実施形態の変形例として、図16に示すように、取付部材36のホーン35と反対側の端部をZ軸方向に膨出して断面ほぼT字状を成すような形状に加工し、膨出した取付部材36の一方の側面を接合面36jとしても使用するようにしてもよい。
そして、本発明は、超音波振動を利用して被加工物を加工する超音波加工装置に広く適用することができる。
1 …超音波加工装置
2 …支持体
4,41 …切断刃
5 …加圧手段
31 …振動子(超音波振動手段)
35 …ホーン
35b …ねじ孔
35c …下面(先端面)
35e …ホーン側水平面
35h …ボルト挿入孔
35i …先端面
36 …取付部材
36b …ボルト挿入孔
36c …上面(対向面)
36e …取付部材側水平面
36h …ねじ孔
36i …対向面
36j …接合面
S …隙間
B …ボルト

Claims (9)

  1. 超音波振動により被加工物に切断、接合、溶着などの加工を施す超音波加工装置において、
    前記被加工物が載置される支持体と、
    上下方向に直交する一方向に長尺のホーンを有し、振動子により発生する超音波振動に共振して前記支持体と前記ホーンとの間に挟持した前記被加工物に超音波振動を印加する超音波振動手段と、
    前記超音波振動手段を前記支持体に近接する方向に移動させて前記ホーンに加圧力を与える加圧手段と、
    前記ホーンの先端面に着脱・交換自在に取り付けられる前記ホーンの長手方向に長尺の取付部材と、
    前記取付部材を前記ホーンの先端面に着脱自在に固定する固定手段とを備え、
    前記取付部材を前記ホーンに固定した状態で、前記ホーンの先端面とこれに対向する前記取付部材の対向面とが面接触し、
    前記ホーンの長手方向に直交する縦断面において、前記ホーンの先端面および前記取付部材の対向面の中央部分には、前記ホーンの前記先端面と前記取付部材の前記対向面とが互いに接触しない隙間が設けられていることを特徴とする超音波加工装置。
  2. 前記ホーンの長手方向に直交する縦断面において、前記隙間の両側の前記ホーンの前記先端面および前記取付部材の前記対向面が中央から外側に向かう下り傾斜面を成して面接触していることを特徴とする請求項1に記載の超音波加工装置。
  3. 前記ホーンの長手方向に直交する縦断面において、前記隙間の両側の前記ホーンの前記先端面および前記取付部材の前記対向面が水平面を成して面接触していることを特徴とする請求項1に記載の超音波加工装置。
  4. 前記固定手段は、
    前記取付部材の前記先端面のほぼ中央の位置に、前記取付部材から前記ホーンに向かう方向に貫通して形成されたボルト挿入孔と、
    前記ホーンの前記先端面のほぼ中央であって、前記ボルト挿入孔に連続する位置に形成されたねじ孔と、
    前記取付部材の前記対向面と反対側の端面側から前記ボルト挿入孔に挿入され前記ねじ孔に螺合されることにより前記取付部材を前記ホーンに固定するボルトとを備え、
    前記ボルトは、前記ホーンの前記先端面と前記取付部材の前記対向面との間の前記隙間を貫通することを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の超音波加工装置。
  5. 前記取付部材の前記対向面と反対側の端面に固着されて前記被加工物を切断する切断刃を備えることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の超音波加工装置。
  6. 前記切断刃は、前記ホーンの長手方向に平行な直線を成す刃先を有し、前記取付部材の前記対向面と反対側の端面であって前記ボルトからずれた位置に固着されていることを特徴とする請求項5に記載の超音波加工装置。
  7. 前記固定手段は、
    前記ホーンの長手方向に平行な前記ホーンの先端部の両側面のうち少なくとも一側面に、前記ホーンの傾斜した前記先端面まで貫通して形成されたボルト挿入孔と、
    前記取付部材の傾斜した前記対向面であって、前記ボルト挿入孔に連続する位置に形成されたねじ孔と、
    前記ホーンの前記一側面から前記ボルト挿入孔に挿入され前記ねじ孔に螺合されて前記取付部材を前記ホーンに固定するボルトとを備えることを特徴とする請求項2に記載の超音波加工装置。
  8. 前記ホーンの長手方向に平行な直線を成す刃先を有する切断刃が、前記取付部材の前記対向面と反対側の端面のほぼ中央に固着されていることを特徴とする請求項7に記載の超音波加工装置。
  9. 前記切断刃は、直線と曲線との組み合わせから成る所定の切断パターンとなる刃先形状を有し、前記取付部材の前記対向面と反対側の端面に固着されていることを特徴とする請求項5または8に記載の超音波加工装置。
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