JP2022055627A - 調湿システム及び住宅 - Google Patents
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Abstract
Description
図1には、住宅1の一例を概念的に示す断面図が示されている。本実施形態の住宅1は、例えば、優れた断熱性能を具えた工業化住宅として構成されている。なお、住宅1は、工業化住宅に限定されるものではない。
床下空間2は、基礎5と床6と土間7とで区画されている。
基礎5は、住宅1の外周に連続して配置されている。本実施形態の基礎5は、例えば、鉄筋コンクリート製の布基礎として構成されているが、ベタ基礎であってもよい。本実施形態の基礎5には、断熱材8が配されている。これにより、床下空間2が断熱される。
本実施形態の断熱材8は、基礎5の床下空間2側の側面に沿って、上下に延びている。このような断熱材8は、基礎5を介して伝えられる外気の熱を遮断することができる。これにより、住宅1は、床下空間2の空気(以下、単に「床下空気」ということがある。)A3の温度変化を小さくすることができる。断熱材8としては、例えば、ポリスチレンフォーム等が適宜採用されうる。
図1に示されるように、床6は、基礎5、5の間をのびている。本実施形態の床6は、例えば、複数の板パネルが並べられたフローリングとして構成されている。
土間7は、床下空間2の底面を構成している。本実施形態の土間7は、基礎5、5間に敷設される土間コンクリートとして構成されているが、このような態様に限定されない。土間7には、一年を通して温度変化が小さい地中熱が伝達されている。これにより、土間7は、地中熱と、床下空気A3とを熱交換することができる熱交換部として構成される。したがって、床下空間2には、夏季は外気A1より冷たく、かつ、冬季は外気A1よりも暖かい床下空気A3が蓄えられる。
床上空間3は、床下空間2の上に、床6を介して設けられている。本実施形態の床上空間3は、床6、天井11、外壁12、及び、間仕切り壁13で区画されている。床上空間3には、居室14と、非居室(例えば、トイレ等)15とが含まれる。
本実施形態の住宅1には、調湿システム16が設けられている。調湿システム16は、調湿装置17と、供給装置18とを含んで構成されている。
調湿装置17は、外気A1を除湿又は加湿して得られる調湿空気A2を、床下空間2に供給するためのものである。調湿装置17は、調湿空気A2を得ることができれば、特に限定されない。本実施形態の調湿装置17は、デシカント型である場合が例示される。このようなデシカント型の調湿装置17は、他の種類の調湿装置(図示省略)に比べて、小さく形成されうる。このため、調湿装置17は、住宅1内での占有スペースを小さくすることができる。図2は、調湿装置17の一例を概念的に示す断面図である。
次に、調湿装置17の運転が説明される。本実施形態の調湿装置17では、冬季に比べて外気A1の湿度(相対湿度)が高くなる夏季において、除湿運転が行われる。一方、夏季に比べて外気A1の湿度(相対湿度)が低くなる冬季では、加湿運転が行われる。
除湿運転では、先ず、第1送風機25及び第2送風機26の運転により、第1チャンバー31及び第2チャンバー32内に外気A1がそれぞれ案内される。
加湿運転では、先ず、第1送風機25及び第2送風機26の運転により、第1チャンバー31及び第2チャンバー32内に外気A1がそれぞれ案内される。
本実施形態の調湿装置17では、外気A1が供給される第2入口32a及び第2チャンバー32によって、調湿性能を回復させるための外気A1を供給可能な外気供給経路35が構成されている。このような外気供給経路35は、例えば、調湿性能を回復させるために、図1に示した床上空間3の空気(以下、単に「床上空気」ということがある。)A4が用いられていた従来の調湿装置(図示省略)に比べて、床上空間3が負圧の状態になるのを防ぐことができる。これにより、調湿装置17は、例えば、調湿されていない外気A1が、住宅1の隙間等から床上空間3に案内されるのを防ぐことができるため、住宅1の快適性の低下を抑制しうる。さらに、排気ファン39から排出される床上空気A4の減少を抑制できるため、その床上空気A4からの排熱を効率よく利用することが可能となる。
図2に示されるように、調湿装置17は、第1チャンバー31、第1入口31a及び第1出口31bにより、通風可能なデシカントロータ22を介して、屋外33と床下空間2との間を連通させることができる。これにより、調湿装置17は、第1チャンバー31、第1入口31a及び第1出口31bを、除湿及び加湿をすることなく外気A1を床下空間2に供給可能なバイパス経路36として構成することができる。したがって、調湿装置17は、外気A1の除湿や加湿が必要のない時期において、外気A1を床下空間2に供給することができる。このような床下空気A3が、図1に示した供給装置18によって床上空間3に供給されることによって、住宅1全体を換気することが可能となる。なお、床下空間2に外気A1が効率よく供給されるように、第1送風機25(図2に示す)が運転されるのが望ましい。
調湿装置17は、図1に示した住宅1の内外において、適宜設置されうる。なお、調湿装置17と屋外33との距離が大きくなると、調湿装置17に外気A1を案内するためのダクト(図示省略)や、調湿装置17から屋外33に外気A1を排出するためのダクト(図示省略)が長くなるおそれがある。このような長いダクトは、調湿システム16の初期導入コストの増大や、圧力損失の増加に伴う送風機(図2に示した第1送風機25や第2送風機26)の動力の増大を招く傾向がある。このため、調湿装置17は、基礎5又は外壁12の近傍に取り付けられるのが望ましい。ここで、「近傍に取り付けられる」とは、基礎5又は外壁12からの距離が2.0m以下の領域内に、調湿装置17が取り付けられることを意味している。
図1に示されるように、供給装置18は、床下空気A3を、床上空間3に供給するためのものである。本実施形態の供給装置18は、空気流路37と、送風機38とを含んで構成されている。
本実施形態の調湿システム16では、上述のとおり、調湿装置17によって床下空間2が調湿される。調湿された床下空気A3は、床下空間2の断熱によって温度変化が抑制されるため、その湿度(相対湿度)が安定する。さらに、床下空間2には、一年を通して温度変化が小さい地中熱が伝達されているため、温度変化が効果的に抑制され、床下空気A3の湿度をより安定させることができる。このような床下空気A3が、供給装置18によって床上空間3に供給されることにより、床上空間3を調湿することができる。
調湿システム16には、調湿装置17及び供給装置18の少なくとも一方(本実施形態では、調湿装置17及び供給装置18の双方)の運転を制御する制御装置40がさらに設けられてもよい。制御装置40は、CPU(中央演算装置)からなる演算部(図示省略)と、制御手順が予め記憶されている記憶部(図示省略)と、記憶部から制御手順を読み込む作業用メモリ(図示省略)とを含んで構成されている。このような制御装置40は、例えば、間仕切り壁13等に設置されうる。
調湿システム16には、調湿空気A2を空調するための空気調和機(図示省略)がさらに設けられてもよい。空気調和機は、調湿空気A2(床下空気A3を含む)を空調できれば、調湿装置17と供給装置18との間に設けられてもよいし、供給装置18の下流側に設けられてもよい。
2 床下空間
3 床上空間
16 調湿システム
17 調湿装置
18 供給装置
Claims (14)
- 断熱された床下空間と、前記床下空間の上に設けられた床上空間とを具えた住宅を調湿するための調湿システムであって、
外気を除湿又は加湿して得られる調湿空気を、前記床下空間に供給する調湿装置と、
前記床下空間の空気を、前記床上空間に供給する供給装置とを含む、
調湿システム。 - 前記調湿装置は、デシカント型である、請求項1に記載の調湿システム。
- 前記調湿装置は、調湿性能を回復させるための外気を供給可能な外気供給経路を有する、請求項1又は2に記載の調湿システム。
- 前記調湿装置は、前記除湿及び前記加湿をすることなく、前記外気を前記床下空間に供給可能なバイパス経路を有する、請求項1ないし3のいずれか1項に記載の調湿システム。
- 前記調湿装置及び前記供給装置の運転を制御する制御装置をさらに含む、請求項1ないし4のいずれか1項に記載の調湿システム。
- 前記制御装置は、前記調湿装置からの前記調湿空気の第1供給量と、前記供給装置からの前記床下空間の空気の第2供給量とが一致するように、前記調湿装置及び/又は前記供給装置の運転を制御する、請求項5に記載の調湿システム。
- 前記制御装置は、前記外気と前記床上空間の空気との温度差が、予め定められた閾値よりも大きい場合に、前記第1供給量及び前記第2供給量が小さくなるように、前記調湿装置及び前記供給装置の運転を制御する、請求項6に記載の調湿システム。
- 前記制御装置は、前記床上空間又は前記床下空間の湿度が予め定められた閾値よりも大きい場合に、前記調湿装置を除湿運転させる、請求項5ないし7のいずれか1項に記載の調湿システム。
- 前記制御装置は、前記床上空間の湿度が大きいほど、除湿量が大きくなるように、前記調湿装置の運転を制御する、請求項8に記載の調湿システム。
- 前記制御装置は、前記床上空間又は前記床下空間の湿度が予め定められた閾値よりも小さい場合に、前記調湿装置を加湿運転させる、請求項5ないし9のいずれか1項に記載の調湿システム。
- 前記制御装置は、前記床上空間の湿度が小さいほど、加湿量が大きくなるように、前記調湿装置の運転を制御する、請求項10に記載の調湿システム。
- 前記調湿空気を空調するための空気調和機をさらに具え、
前記供給装置は、空調された空気を前記床上空間に供給する、請求項1ないし11のいずれか1項に記載の調湿システム。 - 住宅であって、
断熱された床下空間と、
前記床下空間の上に設けられた床上空間と、
外気を除湿又は加湿して得られる調湿空気を、前記床下空間に供給する調湿装置と、
前記床下空間の空気を、前記床上空間に供給する供給装置とを含む、
住宅。 - 前記床下空間を区画する基礎と、前記床上空間を区画する外壁とをさらに具え、
前記調湿装置は、前記基礎又は前記外壁の近傍に取り付けられる、請求項13に記載の住宅。
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