JP2022054761A - 水添ランダム共重合体の製造方法 - Google Patents

水添ランダム共重合体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、生産性、加工性に優れ、更に、例えば、タイヤトレッドにした際の耐摩耗性に優れる水添ランダム共重合体の提供を目的とする。【解決手段】芳香族ビニル化合物及び共役ジエン化合物を重合して重合体を得る重合工程と、得られた重合体に水素を添加して水添反応を行うことにより水添ランダム共重合体を得る水添反応工程と、を有し、前記水添反応工程において、得られる水添ランダム共重合体の100℃のムーニー応力緩和を水素添加前の重合体の100℃のムーニー応力緩和に対して0.85以上1.05未満とし、前記水添反応工程において、得られる水添ランダム共重合体の100℃のムーニー粘度を80以上200以下とする、水添ランダム共重合体の製造方法。【選択図】なし

Description

本発明は、水添ランダム共重合体の製造方法、クラムの製造方法、ベールの製造方法及び空気入りタイヤの製造方法に関する。
自動運転技術の将来の普及に伴い、タイヤの交換頻度の低減、すなわち、タイヤの耐久性の向上が求められる。タイヤの耐久性向上のためにはタイヤの材料の耐摩耗性の向上が求められている。例えば、特許文献1では、エチレン構造を含むポリマーのタイヤトレッドへの使用によるタイヤの材料の耐摩耗性の向上が開示されている。
エチレン構造を含むポリマーを得る方法として、例えば、ブタジエンの構造単位を鎖中に有する共役ジエン重合体に水素を添加する方法が挙げられる。例えば、特許文献1ではスチレンブタジエン共重合体を水添することでエチレン構造を有する共重合体を得る方法が開示されている。
特許第6004081号公報
しかし、特許文献1に記載のように水添ポリマーはタイヤ配合物とする際の加工性が十分でなく、改善が求められている。特許文献1ではタイヤ配合物とする際の加工性をロールへの粘着性を指標として評価している。一般的に、このポリマーのロールへの粘着性評価は、ポリマーを製造する際の生産性評価にも相関している。具体的には、粘着性の低い水添ポリマーは、生産時のスチームストリッピング工程で生まれるクラムの粘着性も低く、クラムが細かく、続く脱水工程で脱水効率の低下を引き起こし製品中の含水率の上昇を引き起こす傾向がある。
特許文献1では、タイヤ配合物とする際の加工性を、高分子水添ポリマーと低分子水添ポリマーとの2種類をブレンドすることで改善している。しかし、高分子水添ポリマーと低分子水添ポリマーとは別々で製造しているため、工程が複雑である。
そのため、水添ポリマーを生産する際の生産性の改善、具体的にはスチームストリッピング工程でのクラムの粒径の大きさをコントロールできる技術が望まれている。
そこで、本発明は、生産性、加工性に優れ、更に、例えば、タイヤトレッドにした際の耐摩耗性に優れる水添ランダム共重合体の提供を目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、特定の製造方法により得られた水添ランダム共重合体が、生産性、加工性に優れ、更に、例えば、タイヤトレッドにした際の耐摩耗性に優れることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下に関する。
[1]
芳香族ビニル化合物及び共役ジエン化合物を重合して重合体を得る重合工程と、
得られた重合体に水素を添加して水添反応を行うことにより水添ランダム共重合体を得る水添反応工程と、を有し、
前記水添反応工程において、得られる水添ランダム共重合体の100℃のムーニー応力緩和を水素添加前の重合体の100℃のムーニー応力緩和に対して0.85以上1.05未満とし、
前記水添反応工程において、得られる水添ランダム共重合体の100℃のムーニー粘度を80以上200以下とする、水添ランダム共重合体の製造方法。
[2]
前記重合工程で得られた重合体に、カップリング剤及び/又は変性剤を反応させる工程をさらに有する、[1]に記載の水添ランダム共重合体の製造方法。
[3]
前記水添反応工程において、得られる水添ランダム共重合体の全水添率を50%以上95%以下とする、[1]又は[2]に記載の水添ランダム共重合体の製造方法。
[4]
前記水添反応工程において、得られる水添ランダム共重合体の100℃のムーニー応力緩和を0.2~0.6とする、[1]~[3]のいずれかに記載の水添ランダム共重合体の製造方法。
[5]
溶媒中で芳香族ビニル化合物及び共役ジエン化合物を重合して重合体溶液を得る重合工程と、
得られた重合体溶液に水素を添加して水添反応を行うことにより水添ランダム共重合体溶液を得る水添反応工程と、
得られた水添ランダム共重合体溶液から溶媒を除去し、メディアン径(D50)が6mm以上15mm未満である水添ランダム共重合体のクラムを得る工程と、を有し、
前記水添反応工程において、得られる水添ランダム共重合体の100℃のムーニー応力緩和を水素添加前の重合体の100℃のムーニー応力緩和に対して0.85以上1.05未満とし、
前記水添反応工程において、得られる水添ランダム共重合体の100℃のムーニー粘度を80以上200以下とする、クラムの製造方法。
[6]
[5]に記載の製造方法によりクラムを得る工程と、
得られたクラムを圧縮してベールを得る工程と、を有するベールの製造方法。
[7]
[1]~[4]のいずれかに記載の製造方法により水添ランダム共重合体を得る工程と、
得られた水添ランダム共重合体と、可塑剤成分と、充填剤成分とを混合してゴム組成物を得る工程と、
得られたゴム組成物を成形して空気入りタイヤを得る工程と、を有する空気入りタイヤの製造方法。
本発明によれば、生産性、加工性に優れ、更に、例えば、タイヤトレッドにした際の耐摩耗性に優れる水添ランダム共重合体を提供できる。
以下、本発明を実施するための形態(以下、「本実施形態」という。)について詳細に説明する。
なお、以下の本実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。本発明は、その要旨の範囲内で適宜に変形して実施することができる。
[水添ランダム共重合体の製造方法]
本実施形態の水添ランダム共重合体の製造方法は、
芳香族ビニル化合物及び共役ジエン化合物を重合して重合体を得る重合工程と、
得られた重合体に水素を添加して水添反応を行うことにより水添ランダム共重合体を得る水添反応工程と、を有し、
前記水添反応工程において、得られる水添ランダム共重合体の100℃のムーニー応力緩和を水素添加前の重合体の100℃のムーニー応力緩和に対して0.85以上1.05未満とし、
前記水添反応工程において、得られる水添ランダム共重合体の100℃のムーニー粘度を80以上200以下とする。
このような製造方法により得られる水添ランダム共重合体は、生産性、加工性に優れ、更に、例えば、タイヤトレッドにした際の耐摩耗性に優れる。
このような製造方法により得られる水添ランダム共重合体が上記効果を発現するメカニズムは明らかではないが、本発明者らは以下のとおり推定している。前記水添反応工程において、得られる水添ランダム共重合体の100℃のムーニー粘度と水素添加前後のランダム共重合体の100℃のムーニー応力緩和比とを適当な範囲に制御することで、例えば、タイヤ用のゴム組成物の成分として好ましい水添ランダム共重合体を製造する際のクラム粒径が細かくなりすぎず、優れたクラムの脱水効率を示す。このような効果は、水素添加前後のランダム共重合体の100℃のムーニー応力緩和の変化率を特定の範囲に制御することで、クラム粒径の肥大化に効果的な粘性成分を残存させることができると推測される。
(水添ランダム共重合体の構成)
本実施形態の製造方法で得られる水添ランダム共重合体は、例えば、芳香族ビニル化合物に基づく構成単位及び共役ジエン化合物に基づく構成単位を有し、共役ジエン化合物に基づく構成単位の一部が水素化された水添ランダム共重合体であり、100℃のムーニー粘度が80以上200以下であり、水素添加前後での100℃のムーニー応力緩和の比(水添後/水添前)が0.85以上1.05未満である。水添ランダム共重合体は、共役ジエン部中の二重結合部分に水素が添加されることで、共役ジエン部の一部又は全部がエチレン部に変化したものであり、全水添率を高くすることで、エチレン部の含有量を高めることができる。
なお、水添ランダム共重合体では、共役ジエン化合物の主鎖の両端でポリマー鎖を形成するもの(例えば、1,3-ブタジエンをモノマーとした重合体の1,4結合)に対して水素が添加されたものをエチレン部とし、その他の形態(例えば、1,3-ブタジエンをモノマーとした重合体の1,2結合(ビニル結合))に対して水素が添加されたものはエチレン部に含めない。
本実施形態に用いる芳香族ビニル化合物としては、特に限定されないが、例えばスチレン、α-メチルスチレン、1-ビニルナフタレン、3-ビニルトルエン、エチルビニルベンゼン、ジビニルベンゼン、4-シクロヘキシルスチレン、2,4,6-トリメチルスチレン等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよいが、これらの中で、モノマーの入手容易性等の実用面の観点でスチレンが特に好ましい。
本実施形態に用いる共役ジエン化合物としては、特に限定されないが、例えば1,3-ブタジエン、イソプレン、1,3-ペンタジエン、2,3-ジメチルブタジエン、2-フェニル-1,3-ブタジエン、1,3-ヘキサジエン等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよいが、これらの中で、モノマーの入手容易性等の実用面の観点から1,3-ブタジエン、イソプレンが好ましく、1,3-ブタジエンがより好ましい。
本実施形態において、「水添ランダム共重合体」とは、芳香族ビニル化合物に由来する構造単位が8個以上連続した連鎖の含有量(以下「長連鎖割合」とも記す)が、芳香族ビニル化合物由来の構造単位の全体に対して10質量%以下であることを意味する。長連鎖割合が10質量%を超えると低燃費性が悪化する傾向にある。
ここで、長連鎖割合は、第一の重合体を、重クロロホルムを溶媒として測定した1H-NMRスペクトルで、以下の(a)~(c)の各化学シフト範囲の積分値の合計に対する、(a)の範囲の積分値の割合で計算することができる。例えば、芳香族ビニルがスチレンの場合、(a)~(c)の各範囲の積分値の合計に対する(a)の範囲の積分値の割合を求め、その値を2.5倍することでスチレンの割合を計算できる。これにより、芳香族ビニル化合物に由来する構造単位の連鎖の状態を把握できる。
(a)芳香族ビニル化合物連鎖8以上: 6.00≦S<6.68
(b)芳香族ビニル化合物連鎖2~7: 6.68≦S<6.89
(c)芳香族ビニル化合物短連鎖 : 6.89≦S≦8.00
また、本実施形態の水添ランダム共重合体の製造方法は、水添反応工程において、得られる水添ランダム共重合体の100℃のムーニー粘度と、水素添加前後のランダム共重合体のムーニー応力緩和の比(水添後/水添前)とを特定の範囲に制御するために、重合体に分岐構造を導入することが好ましい。直鎖状のポリマーの場合、水添により応力緩和値が下がる傾向があるが、重合体を3分岐以上に分岐した構造にすることで、ムーニー応力緩和の水添による低下を抑制し、応力緩和の比を一定の範囲に制御し易くなる。
重合体に導入する分岐が多いほど、ムーニー応力緩和は低下しにくいが、水素添加前後のランダム共重合体のムーニー応力緩和の比(水添後/水添前)を特定の範囲に制御するためには、重合体に導入する分岐数の下限は、4分岐以上が好ましく、6分岐以上がより好ましく、8分岐以上が更に好ましい。また、重合体に導入する分岐数の上限は、14分岐以下が好ましく、12分岐以下がより好ましく、10分岐以下が更に好ましい。
また、本実施形態の水添ランダム共重合体の製造方法は、重合工程で得られた重合体に、カップリング剤を反応させる工程をさらに有することが好ましい。重合体に、官能基を有するカップリング剤を反応させて、変性した分岐ポリマーにすることは、ブレーキ性能と耐摩耗性との観点において好ましい。
このようなカップリング剤の具体例としては、特に限定されないが、例えば、テトラメトキシシランなどのアルコキシシラン化合物が挙げられる。
また、本実施形態の水添ランダム共重合体の製造方法は、水添反応工程において、得られる水添ランダム共重合体の100℃のムーニー粘度は80以上200以下である。
水添反応工程において、得られる水添ランダム共重合体は、100℃のムーニー粘度が80以上であることにより、例えば、ゴム組成物とした際の耐摩耗性に優れる。水添反応工程において、得られる水添ランダム共重合体の100℃のムーニー粘度は、好ましくは95以上、より好ましくは110以上、さらに好ましくは125以上である。
水添反応工程において、得られる水添ランダム共重合体は、100℃のムーニー粘度が200以下であることにより、例えば、ゴム組成物とした際の加工性に優れる。水添反応工程において、得られる水添ランダム共重合体の100℃のムーニー粘度は、好ましくは185以下、より好ましくは170以下、更に好ましくは155以下である。
水添反応工程において、得られる水添ランダム共重合体の100℃のムーニー粘度を上記特定の範囲に制御する方法としては、例えば、重合開始剤や変性剤の添加量、芳香族ビニル化合物と共役ジエン化合物との組成比、1,2-ビニル結合量、重量平均分子量、全水添率などにより制御する方法が挙げられる。具体的には、例えば、重合開始剤、変性剤の添加量を多くすると、水添ランダム共重合体のムーニー粘度が小さくなる傾向がある。
また、例えば、水添ランダム共重合体の重量平均分子量を大きくすると、水添ランダム共重合体の100℃のムーニー粘度が上がる傾向があり、逆に水添ランダム共重合体の重量平均分子量を小さくすると、水添ランダム共重合体の100℃のムーニー粘度が下がる傾向がある。
具体的には、水添ランダム共重合体の重量平均分子量を36万に設定した際は、例えば、水添ランダム共重合体における芳香族ビニル単量体の割合を20質量%、共役ジエン化合物中の1,2-ビニル結合量を20mol%とした場合、全水添率を65%以下にすることで100℃のムーニー粘度を80以上に制御することができる。また、例えば、重量平均分子量を36万より大きく設定した場合は、水添ランダム共重合体の100℃のムーニー粘度が上がる傾向があるので、水添ランダム共重合体の全水添率は50%以下に下げた方が好ましい。逆に水添ランダム共重合体の重量平均分子量を36万より小さく設定すると、水添ランダム共重合体の100℃のムーニー粘度が下がる傾向があるので、水添ランダム共重合体の全水添率は70%以上に上げた方が好ましい。
また、例えば、水添ランダム共重合体において、芳香族ビニル単量体の質量比を16質量%にした際は、共役ジエン化合物中の1,2-ビニル結合量を19mol%、重量平均分子量を106万以下に設定した場合、全水添率を48%以下にすることで100℃のムーニー粘度を200以下に制御することができる。また、例えば、水添ランダム共重合体において、芳香族ビニル単量体の質量比を16質量%より大きくした場合、100℃のムーニー粘度が上がる傾向があるので、重量平均分子量は86万以下に下げた方が好ましい。また、例えば、水添ランダム共重合体において、逆に芳香族ビニル単量体の質量比を小さくすると、100℃のムーニー粘度が下がる傾向があるので、全水添率は70%以上に上げた方が好ましい。
なお、本実施形態において、水添ランダム共重合体の100℃のムーニー粘度は、後述の実施例に記載の方法により測定される。
本実施形態の水添ランダム共重合体の製造方法において、ランダム共重合体の水素添加前後での100℃のムーニー応力緩和の比(水添後/水添前)が0.85以上1.05未満である。
ランダム共重合体の水素添加前後での100℃のムーニー応力緩和の比(水添後/水添前)が0.85以上であることにより、例えば、水添ランダム共重合体のクラムを製造する際、スチームストリッピング工程でのクラムの粒径が大きくなり、生産安定性に優れる。同様の観点から、ランダム共重合体の水素添加前後での100℃のムーニー応力緩和の比(水添後/水添前)は、好ましくは0.87以上、より好ましくは0.90以上、さらに好ましくは0.93以上である。
ランダム共重合体の水素添加前後での100℃のムーニー応力緩和の比(水添後/水添前)が1.05未満であることにより、例えば、水添ランダム共重合体を含むゴム組成物とした際の加工性に優れる。同様の観点から、ランダム共重合体の水素添加前後での100℃のムーニー応力緩和の比(水添後/水添前)は、好ましくは1.02以下、より好ましくは0.99以下、更に好ましくは0.96以下である。
ランダム共重合体の水素添加前後での100℃のムーニー応力緩和の比(水添後/水添前)を上記特定の範囲に制御する方法としては、例えば、芳香族ビニル化合物と共役ジエン化合物との組成比、結合スチレン量、1,2-ビニル結合量、変性剤後ポリマーの分岐度、重量平均分子量、開始末端ブタジエンの有無などにより制御する方法が挙げられる。具体的には、例えば、水添ランダム共重合体の重量平均分子量を小さくすると、ランダム共重合体の水素添加前後での100℃のムーニー応力緩和の比(水添後/水添前)が上がる傾向がある。また、例えば、水添ランダム共重合体における結合スチレン量を小さくすると、ランダム共重合体の水素添加前後での100℃のムーニー応力緩和の比(水添後/水添前)が上がる傾向がある。
また、具体的には、例えば、芳香族ビニル単量体の質量比を10質量%にした際は、共役ジエン化合物中の1,2-ビニル結合量を40%とした場合、変性後ポリマーの分岐度が4分岐で、開始末端ブタジエンが存在することで、ランダム共重合体の水素添加前後での100℃のムーニー応力緩和の比(水添後/水添前)を1.05未満に制御することができる。
また、例えば、芳香族ビニル単量体の割合を20質量%にした際は、共役ジエン化合物中の1,2-ビニル結合量を20%とした場合、全水添率を65%以下にすることで、ランダム共重合体の水素添加前後での100℃のムーニー応力緩和の比(水添後/水添前)を0.85以上に制御することができる。
上述のように、重合体が分岐構造を有することで、水添によるランダム共重合体の100℃のムーニー応力緩和の低下が小さくなるので、この場合、ランダム共重合体の水素添加前後での100℃のムーニー応力緩和の比が水添率に依存しにくくなる傾向がある。
なお、本実施形態において、ランダム共重合体の水素添加前後での100℃のムーニー応力緩和の比(水添後/水添前)は、後述の実施例に記載の方法により測定される。
ムーニー応力緩和の数値が大きい、つまり緩和が早い材料ほど、粘性が高く弾性が低いと判断される。一般的には、水添ポリマーは粘性が小さく、パサつくために、クラムがまとまらずに粉々になる傾向があるが、本実施形態の製造方法で得られる水添ランダム共重合体は、水素添加前後でのムーニー応力緩和の変化が小さいことから、水素化により粘性を損なわないため、例えば、水添ランダム共重合体のクラムを製造する場合、スチームストリッピング工程でのクラムの粒径が大きくなり、生産安定性に優れ、また、例えば、ゴム組成物とした際にも高粘度においても、加工性を損なわないと推測される。
本実施形態の水添ランダム共重合体の製造方法は、水添反応工程において、得られる水添ランダム共重合体の100℃のムーニー応力緩和を0.2~0.6とすることが好ましく、0.3~0.55であることがより好ましく、0.4~0.5であることが更に好ましい。得られる水添ランダム共重合体の100℃のムーニー応力緩和が前記範囲であると、適度に分岐した構造となるため、ムーニー応力緩和の水添による低下を抑制し、応力緩和の比を一定の範囲に制御し易くなる傾向にある。
なお、本実施形態において、水添ランダム共重合体の100℃のムーニー応力緩和は、後述の実施例に記載の方法により測定される。
本実施形態の水添ランダム共重合体の製造方法は、水添反応工程において、得られる水添ランダム共重合体の水素添加率(共役ジエン部に対して水素添加された割合、以下「全水添率」とも記す)は、架橋性の観点から、好ましくは50%以上、より好ましくは60%以上、更に好ましくは70%以上とする。また、本実施形態の水添ランダム共重合体の製造方法は、水添反応工程において、得られる水添ランダム共重合体の全水添率は、架橋性の観点から、好ましくは95%以下、より好ましくは90%以下、更に好ましくは85%以下とする。
なお、本実施形態において、水添ランダム共重合体の全水添率は、1H-NMRを測定して得られたスペクトルの不飽和結合部のスペクトル減少率から計算することができる。具体的には、後述の実施例に記載の方法により測定できる。
本実施形態の製造方法で得られる水添ランダム共重合体は、100質量%中、芳香族部(芳香族ビニル化合物に基づく構成単位)の含有量が、ウェットグリップ性能の観点から、好ましくは10質量%以上、より好ましくは20質量%以上、更に好ましくは30質量%以上であり、また、低燃費性の観点から、好ましくは60質量%以下、より好ましくは50質量%以下である。
なお、本実施形態において、水添ランダム共重合体における芳香族部の含有量は、後述する実施例に記載の方法により測定される。
本実施形態の製造方法で得られる水添ランダム共重合体の重量平均分子量(Mw)は、40万以上110万以下であることが好ましい。本実施形態の製造方法で得られる水添ランダム共重合体の重量平均分子量(Mw)は、例えば、水添ランダム共重合体をタイヤ組成物に用いた際の耐摩耗性の観点から、好ましくは40万以上、より好ましくは45万以上、さらに好ましくは50万以上であり、水添ランダム共重合体のムーニー粘度の観点から、好ましくは110万以下、より好ましくは105万以下、さらに好ましくは100万以下である。
水添ランダム共重合体の重量平均分子量は、例えば、重合工程における単量体添加量、重合時間、重合温度等の重合条件を調整することにより、上記数値範囲に制御できる。
本実施形態の製造方法で得られる水添ランダム共重合体の分子量分布(Mw/Mn)は、1.0以上1.5以下であることが好ましい。
本実施形態の製造方法で得られる水添ランダム共重合体の分子量分布(Mw/Mn)は、例えば、水添ランダム共重合体をタイヤ組成物に用いた際の低燃費性の観点から、好ましくは1.0以上、より好ましくは1.1以上、さらに好ましくは1.2以上であり、水添ランダム共重合体のムーニー粘度の観点から、好ましくは1.5以下、より好ましくは1.4以下、さらに好ましくは1.3以下である。
なお、本実施形態において、水添ランダム共重合体重量平均分子量(Mw)及び分子量分布(Mw/Mn)は、後述する実施例に記載の方法により測定される。
(水添ランダム共重合体の製造方法)
(重合方法)
本実施形態の水添ランダム共重合体の製造方法は、重合工程における重合方法については、特に制限はなく、溶液重合法、気相重合法、バルク重合法のいずれも用いることができるが、商業生産上の観点で、特に溶液重合法が好ましい。また、重合形式は、回分式及び連続式のいずれであってもよい。
溶液重合法を用いた場合には、溶液中のモノマー濃度は、5質量%以上が好ましく、10質量%以上がより好ましい。溶液中のモノマー濃度が5質量%以上であると、得られる共重合体の量が多くなり、コストが安くなる傾向がある。また、溶液中のモノマー濃度は50質量%以下が好ましく、30質量%以下がより好ましい。溶液中のモノマー濃度が50質量%以下であると、溶液粘度が低くなり撹拌が容易となり、重合し易くなる傾向がある。
(重合開始剤)
本実施形態において、重合工程でアニオン重合を行う場合、重合開始剤としては特に制限はないが、有機リチウム化合物が好ましく用いられる。有機リチウム化合物としては、炭素数2~20のアルキル基を有するものが好ましく、例えばエチルリチウム、n-プロピルリチウム、イソプロピルリチウム、n-ブチルリチウム、sec-ブチルリチウム、tert-ブチルリチウム、tert-オクチルリチウム、n-デシルリチウム、フェニルリチウム、2-ナフチルリチウム、2-ブチルーフェニルリチウム、4-フェニル-ブチルリチウム、シクロヘキシルリチウム、シクロペンチルリチウム、ジイソプロペニルベンゼンとブチルリチウムとの反応生成物等が挙げられるが、これらの中で、入手容易性、安全性等の観点からn-ブチルリチウム又はsec-ブチルリチウムが好ましい。
(重合の方法)
本実施形態において、重合工程で重合開始剤を用いてランダム共重合体を製造する方法としては、特に制限はなく、従来公知の方法を用いることができる。
具体的には、反応に不活性な有機溶剤、例えば脂肪族、脂環族、芳香族炭化水素化合物等の炭化水素系溶剤中において、例えばブチルリチウムを重合開始剤とし、必要に応じてランダマイザーの存在下でスチレン、1,3-ブタジエン等を重合させることにより、目的のランダム共重合体を得ることができる。
ランダム共重合体の水素添加後の100℃のムーニー応力緩和を制御するために、例えば、スチレン、1,3-ブタジエン存在下、ランダマイザー不存在下で、ブタジエン単独重合で開始し、その後にランダマイザーを添加して、共重合させることが好ましい。これにより、開始末端にブタジエンブロックが生成し、運動しやすい鎖末端に凝集力の低いブタジエンブロックが存在することでポリマー鎖の絡み合いが低くなり、緩和が早くなるため、ランダム共重合体の水素添加前後の100℃のムーニー応力緩和の比(水添後/水添前)が所定範囲に制御される。
ブタジエンを重合反応完結前に添加することで、鎖末端がブタジエニルアニオンであるリビングポリマー鎖が増え、後述の変性工程での反応性が向上するため、ブタジエンを追添することが好ましい。追添ブタジエン量は、全モノマー量の2%以上25%未満が好ましい。追添は、モノマー転化率が90%以上100%未満が好ましい。
(炭化水素系溶剤)
本実施形態において、重合工程で用いる炭化水素系溶剤としては、炭素数3~8のものが好ましく、具体的には、特に限定されないが、例えばプロパン、n-ブタン、イソブタン、n-ペンタン、イソペンタン、n-ヘキサン、シクロヘキサン、プロペン、1-ブテン、イソブテン、トランス-2-ブテン、シス-2-ブテン、1-ペンテン、2-ペンテン、1-ヘキセン、2-ヘキセン、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等を挙げることができる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
(アニオン重合におけるランダマイザー)
ランダマイザーとは、ランダム共重合体中の共役ジエン部分のミクロ構造制御、例えばブタジエンにおける1,2-結合、イソプレンにおける3,4-結合の増加等、あるいはランダム共重合体におけるモノマー単位の組成分布の制御、例えばスチレンブタジエン共重合体におけるスチレン単位、ブタジエン単位のランダム化等の作用を有する化合物のことである。このランダマイザーとしては、特に制限はなく、従来ランダマイザーとして一般に使用されている公知の化合物の中から任意のものを用いることができる。具体的には、特に限定されないが、例えば、ジメトキシベンゼン、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、2,2ージ(2ーテトラヒドロフリル)プロパン、トリエチルアミン、ピリジン、N-メチルモルホリン、N,N,N’,N’-テトラメチルエチレンジアミン、1,2-ジピペリジノエタン等のエーテル類及び第三級アミン類等を挙げることができる。また、具体的には、特に限定されないが、例えば、カリウム-t-アミレート、カリウム-t-ブトキシド等のカリウム塩類、ナトリウム-t-アミレート等のナトリウム塩類も用いることができる。これらのランダマイザーは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、ランダマイザーの使用量は、有機リチウム化合物1モル当たり、0.01モル当量以上が好ましく、0.05モル当量以上がより好ましい。ランダマイザーの使用量が0.01モル当量以上であると、添加効果が十分に得られ、ランダム化し易くなる傾向がある。また、ランダマイザーの使用量は、有機リチウム化合物1モル当たり1000モル当量以下が好ましく、500モル当量以下がより好ましい。ランダマイザーの使用量が1000モル当量以下であると、モノマーの反応速度の大きな変化が抑制され、ランダム化し易くなる傾向がある。
(反応温度)
本実施形態において、重合工程の際の反応温度は、好適に反応が進行する限り特に限定はないが、通常-10℃~100℃であることが好ましく、25℃~70℃であることがより好ましい。
(変性工程)
本実施形態の水添ランダム共重合体の製造方法は、重合工程で得られた重合体に、変性剤を反応させる変性工程をさらに有することが好ましい。
例えば、重合工程により得られた共重合体の活性末端と、シリカと相互作用する官能基を有する化合物とを反応させる工程により、共重合体の重合終了末端に、シリカと相互作用する官能基を導入することができる。これにより、重合終了末端が変性された共重合体が得られる。なお、本実施形態において末端とは、分子鎖の端に存在する、炭素-炭素二重結合を有するモノマーに由来する構造以外の部分を意味する。
変性反応(以下、末端変性反応ともいう。)に用いる共重合体は、活性末端を有している限り、重合開始末端が未変性のものでもよいし、変性されたものでもよい。また、共重合体の活性末端と反応させる化合物としては、シリカと相互作用する官能基を有し、かつ重合活性末端と反応し得る化合物であれば特に限定されない。具体的な末端変性剤を導入する方法としては、スズ原子又は窒素原子を含有する末端変性剤を用いて導入する方法が好ましく、窒素原子を含有する末端変性剤を用いて導入する方法がより好ましい。
窒素変性の場合は、窒素に対する吸着性の異なるカラムを利用して、変性率を測定することが可能であるので、変性率を特定する場合は、窒素変性が好適であるし、タイヤトレッドとして重合体を利用する場合には、省燃費性などの観点で窒素変性は好ましい態様である。
末端変性剤としては、ポリマーが反応後に分岐構造を取る2官能以上の変性剤が好ましく、タイヤトレッドに使用した際の低燃費性の点で、窒素含有アルコキシシラン化合物がより好ましい。
窒素含有アルコキシシラン化合物として、好ましい例としては、2,2-ジメトキシ-1-(3-トリメトキシシリルプロピル)-1-アザ-2-シラシクロペンタン、2,2-ジエトキシ-1-(3-トリエトキシシリルプロピル)-1-アザ-2-シラシクロペンタン、2,2-ジメトキシ-1-(4-トリメトキシシリルブチル)-1-アザ-2-シラシクロヘキサン、2,2-ジメトキシ-1-(5-トリメトキシシリルペンチル)-1-アザ-2-シラシクロヘプタン、2,2-ジメトキシ-1-(3-ジメトキシメチルシリルプロピル)-1-アザ-2-シラシクロペンタン、2,2-ジエトキシ-1-(3-ジエトキシエチルシリルプロピル)-1-アザ-2-シラシクロペンタン、2-メトキシ,2-メチル-1-(3-トリメトキシシリルプロピル)-1-アザ-2-シラシクロペンタン、2-エトキシ,2-エチル-1-(3-トリエトキシシリルプロピル)-1-アザ-2-シラシクロペンタン、2-メトキシ,2-メチル-1-(3-ジメトキシメチルシリルプロピル)-1-アザ-2-シラシクロペンタン、及び2-エトキシ,2-エチル-1-(3-ジエトキシエチルシリルプロピル)-1-アザ-2-シラシクロペンタン、トリス(3-トリメトキシシリルプロピル)アミン、トリス(3-メチルジメトキシシリルプロピル)アミン、トリス(3-トリエトキシシリルプロピル)アミン、トリス(3-メチルジエトキシシリルプロピル)アミン、トリス(トリメトキシシリルメチル)アミン、トリス(2-トリメトキシシリルエチル)アミン、及びトリス(4-トリメトキシシリルブチル)アミン、テトラキス[3-(2,2-ジメトキシ-1-アザ-2-シラシクロペンタン)プロピル]-1,3-プロパンジアミン、テトラキス(3-トリメトキシシリルプロピル)-1,3-プロパンジアミン、テトラキス(3-トリメトキシシリルプロピル)-1,3-ビスアミノメチルシクロヘキサン、及びN1-(3-(ビス(3-(トリメトキシシリル)プロピル)アミノ)プロピル)-N1-メチル-N3-(3-(メチル(3-(トリメトキシシリル)プロピル)アミノ)プロピル)-N3-(3-(トリメトキシシリル)プロピル)-1,3-プロパンジアミンなどが挙げられる。
末端変性反応は、例えば溶液反応として行うことができる。この溶液反応は、重合工程における重合反応の終了後の未反応モノマーを含む溶液を用いて行ってもよく、当該溶液に含まれる共重合体を単離し、シクロヘキサン等の適当な溶媒に溶解した上で行ってもよい。また、末端変性反応は、回分式及び連続式のいずれを用いて行ってもよい。
このとき、末端変性剤の添加方法は特に制限されず、例えば、一括して添加する方法、分割して添加する方法、連続的に添加する方法等が挙げられる。
末端変性反応に使用する化合物の量は、反応に使用する化合物の種類に応じて適宜設定すればよいが、重合開始剤が有する重合反応に関与する金属原子に対し、好ましくは0.4モル当量以上、より好ましくは0.7モル当量以上である。0.4モル当量以上とすることにより、変性反応を充分に進行させることができ、ランダム共重合体の水素添加前後の100℃のムーニー応力緩和の比を制御することができる。
末端変性反応の温度は、通常、前記重合工程における反応の温度と同じであることが好ましく、-20~150℃であることが好ましく、0~120℃であることがより好ましく、20~100℃であることが特に好ましい。末端変性反応の温度が前記下限値以上であると、変性共重合体の粘度が低下する傾向がある。一方、末端変性反応の温度が前記上限値以下であると、重合活性末端が失活し難くなる。
末端変性反応の反応時間は、好ましくは1分~5時間であり、より好ましくは2分~1時間である。
(反応停止)
アニオン重合は、この分野で通常使用する反応停止剤の添加により、停止させることができる。そのような反応停止剤としては、特に限定されないが、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール又は酢酸等の活性プロトンを有する極性溶媒及びこれらの混液、又はそれらの極性溶媒とヘキサン、シクロヘキサン等の無極性溶媒との混液が挙げられる。反応停止剤の添加量は、通常、アニオン重合開始剤に対し、同モル量もしくは2倍モル量程度で充分である。
(水素添加方法)
水添ランダム共重合体を水素添加により製造する場合、水素添加の方法、反応条件については特に限定はなく、公知の方法、公知の条件で水素添加すればよい。通常は、20~150℃、0.1~10MPaの水素加圧下、水添触媒の存在下で実施されることが好ましい。なお、水添ランダム共重合体の水素添加率は、水添触媒の量、水添反応時の水素圧力、反応時間等を変えることにより、任意に選定することができる。水添反応工程に用いる水添触媒として、通常は、元素周期表4~11族金属のいずれかを含む化合物を用いることができる。具体的には、特に限定されないが、例えば、Ti、V、Co、Ni、Zr、Ru、Rh、Pd、Hf、Re、Pt原子を含む化合物を水添触媒として用いることができる。より具体的な水添触媒としては、特に限定されないが、例えば、Ti、Zr、Hf、Co、Ni、Pd、Pt、Ru、Rh、Re等のメタロセン化合物;Pd、Ni、Pt、Rh、Ru等の金属をカーボン、シリカ、アルミナ、ケイソウ土等の担体に担持させた担持型不均一系触媒;Ni、Co等の金属元素の有機塩又はアセチルアセトン塩と有機アルミニウム等の還元剤とを組み合わせた均一系チーグラー型触媒;Ru、Rh等の有機金属化合物又は錯体;水素を吸蔵させたフラーレンやカーボンナノチューブ等を挙げることができる。
これらのうち、Ti、Zr、Hf、Co、Niのいずれかを含むメタロセン化合物は、不活性有機溶媒中、均一系で水添反応できる点で好ましい。更に、Ti、Zr、Hfのいずれかを含むメタロセン化合物が好ましい。水添触媒は、一種単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
本実施形態において、水添ランダム共重合体を得る好ましい方法は、溶液重合し、得られた重合体溶液をそのまま用いて変性処理を行い、次いで必要に応じて水添工程に供することである。
[クラムの製造方法]
本実施形態のクラムの製造方法は、
溶媒中で芳香族ビニル化合物及び共役ジエン化合物を重合して重合体溶液を得る重合工程と、
得られた重合体溶液に水素を添加して水添反応を行うことにより水添ランダム共重合体溶液を得る水添反応工程と、
得られた水添ランダム共重合体溶液から溶媒を除去し、メディアン径(D50)が6mm以上15mm未満である水添ランダム共重合体のクラムを得る工程と、を有し、
前記水添反応工程において、得られる水添ランダム共重合体の100℃のムーニー応力緩和を水素添加前の重合体の100℃のムーニー応力緩和に対して0.85以上1.05未満とし、
前記水添反応工程において、得られる水添ランダム共重合体の100℃のムーニー粘度を80以上200以下とする。
なお、本実施形態のクラムの製造方法において、水添ランダム共重合体溶液を得る方法は、上記[水添ランダム共重合体の製造方法]で記載した方法と同様の方法を用いることができる。
水添ランダム共重合体溶液から溶媒を除去する方法としては、メディアン径(D50)が6mm以上15mm未満である水添ランダム共重合体のクラムを得ることができる方法であれば特に限定されないが、例えばスチームストリッピング等の公知の脱溶媒方法及び脱水押出機、乾燥押出機、コンベアを使用した熱処理等の乾燥操作によって行う方法が挙げられる。
(クラムのメディアン径(D50))
水添ランダム共重合体溶液から溶媒を除去することにより得られるクラムの平均粒径、例えば、スチームストリッピング工程で得られるクラムの平均粒径は、続く脱水押出工程、乾燥押出工程、乾燥コンベア工程での乾燥能力に影響を及ぼす。クラムの平均粒径が大きすぎずなければ、例えば、乾燥コンベアでの脱水効率が上がり、製品ベール中の含水率を下げることができる。他方でクラムの平均粒径が小さすぎなければ、例えば、脱水押出機や乾燥押出機で十分にせん断圧力がかかるため、脱水効率が上がり、製品ベール中の含水率を下げることができる。
例えば、スチームストリッピング工程を行う場合、クラムの平均粒径が大きくなりすぎることを防ぐ観点から、例えば、スチームストリッピングの温度は70℃以上が好ましく、80℃以上がより好ましく、90℃以上がさらに好ましい。また、スチーム使用量の観点から、スチームストリッピングの温度は110℃以下が好ましく、100℃以下がより好ましく、95℃以下がさらに好ましい。
続く脱水押出工程、乾燥押出工程を行う場合、押出機の好ましい回転数や羽の形状は、槽の形状にも依存するので、形状を考慮に入れた上で設定するのが好ましい。
クラムの平均粒径はクラムの粒度分布で議論することができ、特にクラムのメディアン径(D50)が乾燥工程には重要な値となる。
クラムの搬送効率の観点から、水添ランダム共重合体のクラムのメディアン径(D50)は、6.0mm以上、好ましくは8.0mm以上、より好ましくは8.5mm以上、さらに好ましくは9.0mm以上である。
また、クラムの脱水効率の観点から、水添ランダム共重合体のクラムのメディアン径(D50)は、15mm未満、好ましくは12mm以下、より好ましくは11mm以下、さらに好ましくは10mm以下である。
本実施形態において、クラムのメディアン径(D50)は後述の実施例に記載の方法により測定される。
例えば、スチームストリッピング工程において得られる水中に分散したクラムの濃度は、好ましくは、0.1~20質量%、より好ましくは0.5~15質量%、さらに好ましくは1~10質量%(スチームストリッピング時の水に対する割合)であり、この範囲であれば運転上の支障をきたすことなく、良好な粒径を有するクラムを得ることができる。
[ベールの製造方法]
本実施形態のベールの製造方法は、上述のクラムの製造方法によりクラムを得る工程と、
得られたクラムを圧縮してベールを得る工程と、を有する。
クラムを圧縮する方法としては、特に限定されないが、例えば、ベール成形機により圧縮する方法が挙げられる。
ベール成形時の圧縮圧力は、好ましくは、3~30MPa、より好ましくは10~20MPaである。ベール成形時の圧縮圧力が30MPa以下では装置をコンパクトに設計することができ、設置効率が良く、ベール成形時の圧縮圧力が3MPa以上ではベール成形性が良好である。ベールの成形性が良い場合は、ベール表面が滑らかで、成形工程以降での重合体の剥離が無く、成形後の膨張が抑えられる傾向にある。
ベール成形時の水添ランダム共重合体のクラムの温度は30~120℃が好ましく、より好ましくは残溶剤低減と熱劣化抑制との観点から50~100℃である。ベール成形時の水添ランダム共重合体のクラムの温度が30℃以上では、ベールの成形性が良く、ベール成形時の水添ランダム共重合体のクラムの温度が120℃以下ではベール成形後の熱劣化によるゲル生成が抑えられるため好ましい。
水添ランダム共重合体の分子量やプロセスオイルの組成が同じであれば、ベール成形時の温度及び圧力は高い程、ベールの比表面積は小さくなる。
圧縮時の保圧時間は、好ましくは3~30秒で、より好ましくは5~20秒である。圧縮時の保圧時間が30秒以下では生産効率が良く、5秒以上では成形性が良い。
[空気入りタイヤの製造方法]
本実施形態の空気入りタイヤの製造方法は、
上述の水添ランダム共重合体の製造方法により水添ランダム共重合体を得る工程と、
得られた水添ランダム共重合体と、可塑剤成分と、充填剤成分とを混合してゴム組成物を得る工程と、
得られたゴム組成物を成形して空気入りタイヤを得る工程と、を有する。
前記ゴム組成物は、ゴム成分として、上述の水添ランダム共重合体の製造方法により得られた水添ランダム共重合体を含む。上記水添ランダム共重合体以外で、一般的なタイヤ用ゴム組成物に汎用されているものを使用可能であり、具体的には、特に限定されないが、例えば、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR)等が挙げられる。これらは、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記ゴム組成物において、充填剤成分の含有量(A)、可塑剤成分の含有量(B)は特に限定されず、ゴム組成物全体を100質量%として、充填剤成分の含有量は、20~50質量%が好ましく、可塑剤成分の含有量は、10~40質量%が好ましい。
充填剤成分は、ゴムの補強を目的にゴム組成物に配合されるものであり、特に限定されないが、例えば、シリカ、炭酸カルシウム、雲母、水酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、クレー、タルク、アルミナ、酸化チタン、マイカ等の白色充填剤(無機充填剤)や、カーボンブラック等が挙げられる。これらは、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。なかでも、シリカ、カーボンブラックが好ましく、これらの併用がより好ましい。
シリカとしては特に限定されず、例えば、乾式法シリカ(無水シリカ)、湿式法シリカ(含水シリカ)等が挙げられるが、シラノール基が多いという理由から、湿式法シリカが好ましい。
シリカの窒素吸着比表面積(N2SA)は、耐摩耗性の観点から、好ましくは60m2/g以上、より好ましくは120m2/g以上であり、低燃費性の観点から、好ましくは300m2/g以下、より好ましくは200m2/g以下である。
なお、シリカの窒素吸着比表面積は、ASTM D3037-81に準じてBET法で測定される値である。
シリカの含有量は、低燃費性の観点から、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは30質量部以上、より好ましくは50質量部以上であり、また、ムーニー粘度の観点から、好ましくは120質量部以下、より好ましくは100質量部以下である。
カーボンブラックとしては、特に限定されないが、例えば、SAF、ISAF、HAF、MAF、FEF、SRF、GPF、APF、FF、CF、SCF及びECFのようなファーネスブラック(ファーネスカーボンブラック);アセチレンブラック(アセチレンカーボンブラック);FT及びMTのようなサーマルブラック(サーマルカーボンブラック);EPC、MPC及びCCのようなチャンネルブラック(チャンネルカーボンブラック);グラファイト等を挙げることができる。これらは1種又は2種以上組み合わせて用いることができる。
カーボンブラックの窒素吸着比表面積(N2SA)は、通常5~200m2/gであり、耐摩耗性の観点から、好ましくは50m2/g以上、より好ましくは80m2/g以上であり、また、低燃費性の観点から、好ましくは150m2/g以下、より好ましくは120m2/g以下である。また、カーボンブラックのジブチルフタレート(DBP)吸収量は、通常5~300mL/100gであり、下限は80mL/100g、上限は180mL/100gであることが好ましい。該窒素吸着比表面積は、ASTM D4820-93に従って測定され、該DBP吸収量は、ASTM D2414-93に従って測定される。
カーボンブラックの含有量は、耐摩耗性の観点から、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは1質量部以上、より好ましくは3質量部以上であり、また、低燃費性の観点から、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは30質量部以下、より好ましくは15質量部以下である。
シリカは、シランカップリング剤と併用することが好ましい。シランカップリング剤としては、従来から公知のものを用いることができ、特に限定されないが、例えば、ビス(3-トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2-トリエトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(3-トリメトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2-トリメトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(3-トリエトキシシリルプロピル)トリスルフィド、ビス(3-トリメトキシシリルプロピル)トリスルフィド、ビス(3-トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(3-トリメトキシシリルプロピル)ジスルフィド、3-トリメトキシシリルプロピル-N,N-ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、3-トリメトキシシリルプロピルベンゾチアゾリルテトラスルフィド、3-トリエトキシシリルプロピルベンゾチアゾールテトラスルフィド、3-トリエトキシシリルプロピルメタクリレートモノスルフィド、3-トリメトキシシリルプロピルメタクリレートモノスルフィド等のスルフィド系、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリエトキシシラン、2-メルカプトエチルトリメトキシシラン、2-メルカプトエチルトリエトキシシラン等のメルカプト系、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン等のビニル系、3-アミノプロピルトリエトキシシラン、3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-(2-アミノエチル)アミノプロピルトリエトキシシラン、3-(2-アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン等のアミノ系、γ-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン等のグリシドキシ系、3-ニトロプロピルトリメトキシシラン、3-ニトロプロピルトリエトキシシラン等のニトロ系、3-クロロプロピルトリメトキシシラン、3-クロロプロピルトリエトキシシラン、2-クロロエチルトリメトキシシラン、2-クロロエチルトリエトキシシラン等のクロロ系が挙げられる。なお、前記のシランカップリング剤は、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。なかでも、シランカップリング剤によるカップリング効果、加工性、コストの観点から、スルフィド系シランカップリング剤が好ましく、ビス(3-トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(3-トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィドがより好ましい。
シランカップリング剤の含有量は、低燃費性、耐摩耗性の観点から、シリカ100質量部に対して、好ましくは3質量部以上、より好ましくは5質量部以上であり、また、ムーニー粘度の観点から、シリカ100質量部に対して、好ましくは15質量部以下、より好ましくは10質量部以下である。
可塑剤成分としては、特に限定されないが、例えば、伸展油、樹脂、老化防止剤、ワックス、ステアリン酸、加硫促進剤等が挙げられる。これらは、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
伸展油としては、特に限定されないが、例えば、アロマチック系鉱物油(粘度比重恒数(V.G.C.値)0.900~1.049)、ナフテン系鉱物油(V.G.C.値0.850~0.899)、パラフィン系鉱物油(V.G.C.値0.790~0.849)等を挙げることができる。伸展油の多環芳香族含有量は、好ましくは3質量%未満であり、より好ましくは1質量%未満である。該多環芳香族含有量は、英国石油学会346/92法に従って測定される。また、伸展油の芳香族化合物含有量(CA)は、好ましくは20質量%以上である。これらの伸展油は、2種以上組み合わされて用いられてもよい。
伸展油の含有量は、ムーニー粘度の観点から、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは5質量部以上、より好ましくは10質量部以上であり、また、低燃費性の観点から、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは50質量部以下、より好ましくは40質量部以下である。
樹脂としては、特に限定されないが、例えば、C5系石油樹脂、C9系石油樹脂、クマロンインデン樹脂、インデン樹脂、フェノール系樹脂、α-メチルスチレン及び/又はスチレンの共重合体等が挙げられる。これらは、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。なかでも、クマロンインデン樹脂、フェノール系樹脂(特に、テルペンフェノール樹脂)、α-メチルスチレン及び/又はスチレンの共重合体が好ましく、α-メチルスチレン及びスチレンの共重合体がより好ましい。
樹脂の含有量は、ウェットグリップ性能の観点から、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは1質量部以上、より好ましくは3質量部以上であり、また、低燃費性の観点から、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは20質量部以下、より好ましくは10質量部以下である。
老化防止剤としては、特に限定されないが、例えば、フェニル-α-ナフチルアミン等のナフチルアミン系老化防止剤;オクチル化ジフェニルアミン、4,4′-ビス(α,α′-ジメチルベンジル)ジフェニルアミン等のジフェニルアミン系老化防止剤;N-フェニル-N’-イソプロピル-p-フェニレンジアミン、N-(1,3-ジメチルブチル)-N′-フェニル-p-フェニレンジアミン、N,N′-ジ-2-ナフチル-p-フェニレンジアミン等のp-フェニレンジアミン系老化防止剤;2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキノリンの重合物等のキノリン系老化防止剤;2,6-ジ-t-ブチル-4-メチルフェノール、スチレン化フェノール等のモノフェノール系老化防止剤;テトラキス-[メチレン-3-(3′,5′-ジ-t-ブチル-4′-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン等のビス、トリス、ポリフェノール系老化防止剤等が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。なかでも、p-フェニレンジアミン系老化防止剤が好ましく、N-フェニル-N’-イソプロピル-p-フェニレンジアミンがより好ましい。老化防止剤の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは0.1~5質量部、より好ましくは0.2~4質量部である。
ワックスとしては、特に限定されないが、例えば、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス等の石油系ワックス;植物系ワックス、動物系ワックス等の天然系ワックス;エチレン、プロピレン等の重合物等の合成ワックス等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、石油系ワックスが好ましく、パラフィンワックスがより好ましい。ワックスの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは0.1~5質量部、より好ましくは0.2~4質量部である。
ステアリン酸としては、従来公知のものを使用でき、特に限定されないが、例えば、日油(株)、NOF社、花王(株)、和光純薬工業(株)、千葉脂肪酸(株)等の製品を使用できる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。ステアリン酸の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは0.1~5質量部、より好ましくは0.2~4質量部である。
加硫促進剤としては、特に限定されないが、例えば、2-メルカプトベンゾチアゾール、ジベンゾチアジルジサルファイド、N-シクロヘキシル-2-ベンゾチアジルスルフェンアミド等のチアゾール系加硫促進剤;テトラメチルチウラムモノスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィド等のチウラム系加硫促進剤;N-シクロヘキシル-2-ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N-t-ブチル-2-ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N-オキシエチレン-2-ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N-オキシエチレン-2-ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N,N’-ジイソプロピル-2-ベンゾチアゾールスルフェンアミド等のスルフェンアミド系加硫促進剤;ジフェニルグアニジン、ジオルトトリルグアニジン、オルトトリルビグアニジン等のグアニジン系加硫促進剤を挙げることができる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、本発明の効果がより好適に得られるという理由から、スルフェンアミド系加硫促進剤が好ましく、N-シクロヘキシル-2-ベンゾチアゾールスルフェンアミドがより好ましい。また、更にグアニジン系加硫促進剤を併用することも好ましい。加硫促進剤の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは0.1~5質量部、より好ましくは0.2~4質量部である。
前記ゴム組成物には、前記成分以外にも、硫黄等の加硫剤;酸化亜鉛等の加硫活性化剤;有機過酸化物;滑剤等の加工助剤;老化防止剤等の従来ゴム工業で使用される配合剤を用いることができる。
加硫剤としては、特に限定されないが、硫黄を好適に使用できる。硫黄の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは0.5~5質量部、より好ましくは1~3質量部である。これにより、本発明の効果がより好適に得られる。
前記ゴム組成物は、一般的な方法で製造される。すなわち、バンバリーミキサーやニーダー、オープンロール等で前記各成分を混練りし、その後加硫する方法等により製造できる。
本実施形態の空気入りタイヤの製造方法は、前記ゴム組成物を成形して空気入りタイヤを得ることができるが、前記ゴム組成物は、空気入りタイヤ以外の用途に用いることができる。
前記ゴム組成物は、タイヤの各部材(トレッド、サイドウォール、カーカス、ベルト、ビード、クリンチ、チェーファー等)に使用でき、なかでも、トレッドとして好適に用いられる。2層構造のトレッドの場合には、表面層(キャップトレッド)及び内面層(ベーストレッド)から構成される。
多層構造のトレッドは、シート状にしたものを、所定の形状に貼り合わせる方法や、2本以上の押出し機に装入して押出し機のヘッド出口で2層以上に形成する方法により作製することができる。
(ゴム組成物の成形方法)
本実施形態の空気入りタイヤの製造方法において、前記ゴム組成物を成形する方法は、特に限定されず、通常の方法を用いることができる。すなわち、ゴム成分及び必要に応じて前記各種配合剤を配合したゴム組成物を、未加硫の段階でトレッド等の各タイヤ部材の形状に合わせて押し出し加工し、他のタイヤ部材とともに、タイヤ成型機上にて通常の方法で成形することにより、未加硫タイヤを形成する。この未加硫タイヤを加硫機中で加熱加圧することで、空気入りタイヤが得られる。
本実施形態の製造方法で得られる空気入りタイヤは、乗用車用タイヤ、トラック・バス用タイヤ、二輪車用タイヤ、競技用タイヤ等として好適に用いられ、特に乗用車用タイヤとして好適に用いられる。
以下、具体的な実施例及び比較例を挙げて、本実施形態を更に詳しく説明するが、本実施形態は以下の実施例及び比較例により何ら限定されるものではない。
実施例及び比較例における各種の物性は下記に示す方法により測定した。
(水添前のランダム共重合体の結合スチレン量)
試料100mgを、クロロホルムで100mLにメスアップし、溶解して測定サンプルとした。スチレンのフェニル基による紫外線吸収波長(254nm付近)の吸収量により、試料である水添前のランダム共重合体100質量%に対しての結合スチレン量(質量%)を測定した(測定装置:島津製作所社製の分光光度計「UV-2450」)。
(水添前のランダム共重合体のブタジエン部分の1,2-ビニル結合量)
試料50mgを、10mLの二硫化炭素に溶解して測定サンプルとした。溶液セルを用いて、赤外線スペクトルを600~1000cm-1の範囲で測定して、所定の波数における吸光度によりハンプトンの方法(R.R.Hampton,Analytical Chemistry 21,923(1949)に記載の方法)の計算式に従い、試料である水添前のランダム共重合体におけるブタジエン部分(Bd)のミクロ構造、すなわち、1,2-ビニル結合量(mol%)を求めた(測定装置:日本分光社製のフーリエ変換赤外分光光度計「FT-IR230」)。
(ムーニー粘度及びムーニー応力緩和)
ムーニー粘度計(上島製作所社製の商品名「VR1132」)を用い、JIS K6300(ISO289-1)及びISO289-4に準拠し、水添ランダム共重合体のムーニー粘度、並びに、水添ランダム共重合体及び水添前の重合体のムーニー応力緩和(緩和率)を測定した。
測定温度は100℃とした。まず、試料を1分間予熱した後、2rpmでローターを回転させ、4分後のトルクを測定してムーニー粘度(ML(1+4))とした。その後、水添ランダム共重合体及び水添前の重合体を試料とした場合については、即座にローターの回転を停止させ、停止後1.6~5秒間の0.1秒ごとのトルクをムーニー単位で記録し、トルクと時間(秒)とを両対数プロットした際の直線の傾きを求め、その絶対値をムーニー応力緩和(MSR)とした。
(水添ランダム共重合体の全水添率)
後述の実施例及び比較例の水添ランダム共重合体の製造において、水添反応後の反応液に、大量のメタノールを添加することで、水素添加前の共役ジエン系重合体及び水添共役ジエン系重合体を沈殿させて回収した。次いで、水添ランダム共重合体をアセトンで抽出し、水添ランダム共重合体を真空乾燥した。これを、1H-NMR測定のサンプルとして用いて、水添ランダム共重合体の全水添率を測定した。測定条件を以下に記す。
(測定条件)
測定機器 :JNM-LA400(JEOL製)
溶媒 :重水素化クロロホルム
測定サンプル :ポリマーを水素添加する前後の抜き取り品
サンプル濃度 :50mg/mL
観測周波数 :400MHz
化学シフト基準:TMS(テトラメチルシラン)
パルスディレイ:2.904秒
スキャン回数 :64回
パルス幅 :45°
測定温度 :26℃
(重量平均分子量Mw、数平均分子量Mn、分子量分布MWD(Mw/Mn))
水添ランダム共重合体を試料として、ポリスチレン系ゲルを充填剤としたカラムを3本連結したGPC測定装置を使用して、クロマトグラムを測定し、標準ポリスチレンを使用して得られる検量線に基づいて重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)を求めた。溶離液はテトラヒドロフラン(以下「THF」とも記す)を使用した。カラムは、ガードカラム:東ソー社製社製の商品名「TSKguardcolumn HHR-H」、カラム:東ソー社製の商品名「TSKgel SuperMultipore HZ-H」3本を接続して使用した。オーブン温度40℃、THF in TEA(トリエチルアミン)流量1.0mL/分の条件で、RI(示差屈折率)検出器(東ソー社製の商品名「HLC8020」)を用いた。測定用の試料10mgを20mLのTHFに溶解して測定溶液とし、測定溶液200μLをGPC測定装置に注入して測定した。
(クラムの製造方法)
後述する実施例及び比較例に記載の方法で得られた水添ランダム共重合体溶液を、スチームストリッピング法により溶媒を除去することで所定のメディアン径(D50)の水添ランダム共重合体のクラムを得た。なお、本実施形態において、前述のクラムを得る作業を「クラミング」と称する。クラミングの条件を以下に記す。
水温:80℃
水量:8kg
攪拌槽:内径300mm、高さ300mmの攪拌翼付き攪拌槽
攪拌翼:タービン翼2枚
攪拌翼回転速度:500rpm
クラミングに用いる重合体量:200g
重合体溶液のクラミング槽への添加速度:7g/分
(クラムのD50評価(生産性の評価))
上述のクラミングで得られたクラムを金属製網ふるい(JIS Z 8801-1:2000、株式会社 奥谷金属製作所製)を用いて振るい、各目開きに対応するクラムに分離した。用いた金属製網ふるいの目開きサイズを以下に記す。
26.5mm、22.1mm、19.1mm、15.9mm、12.7mm、11.1mm、9.52mm、7.93mm、6.73mm、4.75mm、3.36mm、0.50mm
各目開きのふるい上のクラム重量を測定し、小さい方から積算した重量で50%となるときのクラムの粒径をメディアン径(D50)として算出した。D50は以下の基準で評価した。クラムのD50が15mm未満であると、例えば、クラムを脱水する場合、脱水押出機入口のホッパーでブリッジの発生を抑制できるため、生産性が向上する。一方、クラムのD50が6mm以上であると、例えば、クラムを脱水する場合、脱水押出機でシェアが適度にかかるため、クラム中の含水率を効率的に下げることができ、その結果、後段の乾燥押出機の負荷が低減され、更にコンベアでの乾燥時間を短縮することができるため、生産性が向上する。
〇:10 mm以上15 mm未満
△:6 mm以上10 mm未満
×:15mm以上又は6 mm未満
(加工性及び耐摩耗性の評価)
<ゴム組成物の製造>
後述する実施例及び比較例に記載の方法で得られた水添ランダム共重合体、並びに後述する参考例に記載の方法で得られたランダム共重合体と、硫黄及び加硫促進剤以外の各原材料を、表1に示す配合内容に従い、(株)神戸製鋼所製の1.7Lバンバリーミキサーを用いて、150℃の条件下で5分間混練りし、混練物を得た。次に、得られた混練物に、表1に示す配合割合で硫黄及び加硫促進剤を添加し、オープンロールを用いて、80℃の条件下で5分間練り込み、未加硫ゴム組成物を得た。
そして、得られた未加硫ゴム組成物を170℃で20分間、0.5mm厚の金型でプレス加硫し、加硫ゴム組成物を得た。
Figure 2022054761000001
<評価項目及び試験方法>
得られた未加硫ゴム組成物及び加硫ゴム組成物について、下記の評価を行った。
(1)加工性
未加硫ゴム組成物を60℃の6インチオープンロールに巻き付け、ロールに対する巻き付き状態を目視で観察し、ロール加工性を以下の指標で評価した。
〇:ロール投入初期から粘着し、ロールに巻きつく。ロール加工性は極めて良好。
△:ロール投入初期から、ある程度ロールに巻き付く。ロール加工性に大きな問題なし。
×:粘着性がなくロールに巻き付かない。ロール加工は困難(試料は粉又は粒状)。
(2)耐摩耗性
LAT試験機(Laboratory Abration and Skid Tester)を用い、荷重50N、速度20km/時間、スリップアングル5°の条件にて、各加硫ゴム組成物(架橋ゴム)の容積損失量を測定した。測定結果は、各実施例及び比較例に対応する非水添の各参考例の加硫ゴム組成物の容積損失量を100として指数化し、耐摩耗性を以下の指標で評価した。
〇:非水添の参考例に対して、110以上
△:非水添の参考例に対して、105以上110未満
×:非水添の参考例に対して、105未満
なお、加工性評価が×のサンプルは、加硫ゴム組成物の作成ができず、耐摩耗性評価は不可能であった。
(水添触媒の調製)
後述する実施例及び比較例において、水添ランダム共重合体を調製する際に用いる水添触媒を、下記の方法により調製した。
窒素置換した反応容器に乾燥及び精製したシクロヘキサン1リットルを仕込み、ビス(η5-シクロペンタジエニル)チタニウムジクロリド100ミリモルを添加し、十分に攪拌しながらトリメチルアルミニウム200ミリモルを含むn-ヘキサン溶液を添加して、室温にて約3日間反応させ水添触媒を得た。
[実施例1]
窒素置換された内容積40Lのオートクレーブ反応器に、シクロヘキサン25800g、スチレン430g、1,3-ブタジエン2980gを仕込んだ。反応器内容物の温度を10℃に調整した後、n-ブチルリチウム2.7gを含むシクロヘキサン溶液を前記反応器に添加して重合を開始し、断熱条件で重合を実施した。
重合開始5分後に、2,2-ジ(2-テトラヒドロフリル)プロパン4.65gを前記反応器に添加して、重合を継続した。重合転化率が99%に達した時点で、追添ブタジエン890gを前記反応器に追加し、さらに5分重合させ、重合体を含む反応液を得た。そして、変性剤として2,2-ジメトキシ-1-(3-(トリメトキシシリル)プロピル)-1,2-アザシロリジン2.74gを加え、重合体の活性点に30分間反応させて、水添前のランダム共重合体溶液を得た。ここで、後述の参考例1のとおり、水添前のランダム共重合体の100℃のムーニー応力緩和等、各物性を測定した。結果を表3に示す。
次いで、水添前後のランダム共重合体の100℃のムーニー応力緩和比、及び、得られる水添ランダム共重合体の100℃のムーニー粘度が所定の範囲となるように以下のとおり水添反応を行った。具体的には、まず、反応液を80℃にして前記反応器に水素を導入した。そして、前記反応器に、上記のようにして調製した水添触媒を、仕込みモノマー量に対してチタン基準で60ppm添加し、水素圧0.8MPa、平均温度85℃で水添反応させた。所定の水素積算流量に到達後、反応液を常温、常圧に戻して反応器より抜き出し、水添ランダム共重合体溶液を得た。
得られた水添ランダム共重合体溶液を前述の条件でクラミングをすることで、水添ランダム共重合体1のクラムを得た。得られたクラムについて、上述した方法でD50を算出し、生産性を評価した。評価結果を表2に示す。クラムのD50を算出後、クラムを90℃に加熱した真空乾燥機で2時間乾燥させることで水添ランダム共重合体1の分析サンプルを得た。得られた水添ランダム共重合体1の加工性及び耐摩耗性を上述した方法で評価した。評価結果を表2に示す。なお、水添ランダム共重合体1の重合条件及び各物性を表2に示す。
[実施例2~3]
重合条件を表2に記載の条件に変更した以外は、実施例1と同様に水添ランダム共重合体2及び3を製造し、評価した。評価結果を表2に示す。なお、水添ランダム共重合体2及び3の重合条件及び各物性を表2に示す。
[実施例4]
変性剤としてN,N-ビス(トリメチルシリル)アミノプロピルトリメトキシシランを6.38gに変更し、重合条件を表2に記載の条件に変更した以外は、実施例1と同様に水添ランダム共重合体4を製造し、評価した。評価結果を表2に示す。なお、水添ランダム共重合体4の重合条件及び各物性を表2に示す。
[実施例5]
変性剤としてテトラキス(3-トリメトキシシリルプロピル)-1,3-プロパンジアミンを2.62gに変更し、重合条件を表2に記載の条件に変更した以外は、実施例1と同様に水添ランダム共重合体5を製造し、評価した。評価結果を表2に示す。なお、水添ランダム共重合体5の重合条件及び各物性を表2に示す。
[実施例6]
変性剤としてN1-(3-(ビス(3-(トリメトキシシシリル)プロピル)アミノ)プロピル)-N1,N3,N3-トリス(3-(トリメトキシシリル)プロピル)プロパン-1,3-ジアミンを1.42gに変更し、重合条件を表2に記載の条件に変更した以外は、実施例1と同様に水添ランダム共重合体6を製造し、評価した。評価結果を表2に示す。なお、水添ランダム共重合体6の重合条件及び各物性を表2に示す。
[実施例7]
変性剤として四塩化スズを1.19gに変更した以外は、実施例2と同様に水添ランダム共重合体7を製造し、評価した。評価結果を表2に示す。なお、水添ランダム共重合体7の重合条件及び各物性を表2に示す。
[実施例8]
水添率を20%にした以外は、実施例6と同様に水添ランダム共重合体8を製造し、評価した。評価結果を表2に示す。なお、水添ランダム共重合体8の重合条件及び各物性を表2に示す。
[比較例1~7]
重合条件を表2に記載の条件に変更した以外は、実施例1と同様に水添ランダム共重合体9~15を製造し、評価した。評価結果を表2に示す。なお、水添ランダム共重合体9~15の重合条件及び各物性を表2に示す。
Figure 2022054761000002
[参考例1~15]
実施例1~8及び比較例1~7の水添前の重合溶液を上述の方法によりクラミングすることで、ランダム共重合体1~15を製造した。なお、ランダム共重合体1~15の重合条件及び各物性を表3に示す。
Figure 2022054761000003
表2の結果より、実施例で製造された水添ランダム共重合体は、クラムを製造した場合、比較例で製造された水添ランダム共重合体よりもクラム粒径が改善されるため、生産性に優れることがわかった。更に表2の結果より、実施例で製造された水添ランダム共重合体は、比較例で製造された水添ランダム共重合体よりも、例えば、タイヤ用のゴム組成物とした際の加工性、耐摩耗性が改善されることがわかった。
以上のとおり、本発明の製造方法で得られた水添ランダム共重合体を用いることで、クラム粒径が改善されるため、生産性に優れ、更に、例えば、タイヤ用のゴム組成物とした際の加工性、耐摩耗性が改善されることがわかった。すなわち、本発明により、生産性、加工性に優れ、更に、例えば、タイヤトレッドにした際の耐摩耗性に優れる水添ランダム共重合体の提供できることが明らかとなった。
本発明は、例えば、タイヤトレッドなどの原料として用い得る水添ランダム共重合体を提供でき、産業上の利用可能性を有する。

Claims (7)

  1. 芳香族ビニル化合物及び共役ジエン化合物を重合して重合体を得る重合工程と、
    得られた重合体に水素を添加して水添反応を行うことにより水添ランダム共重合体を得る水添反応工程と、を有し、
    前記水添反応工程において、得られる水添ランダム共重合体の100℃のムーニー応力緩和を水素添加前の重合体の100℃のムーニー応力緩和に対して0.85以上1.05未満とし、
    前記水添反応工程において、得られる水添ランダム共重合体の100℃のムーニー粘度を80以上200以下とする、水添ランダム共重合体の製造方法。
  2. 前記重合工程で得られた重合体に、カップリング剤及び/又は変性剤を反応させる工程をさらに有する、請求項1に記載の水添ランダム共重合体の製造方法。
  3. 前記水添反応工程において、得られる水添ランダム共重合体の全水添率を50%以上95%以下とする、請求項1又は2に記載の水添ランダム共重合体の製造方法。
  4. 前記水添反応工程において、得られる水添ランダム共重合体の100℃のムーニー応力緩和を0.2~0.6とする、請求項1~3のいずれか一項に記載の水添ランダム共重合体の製造方法。
  5. 溶媒中で芳香族ビニル化合物及び共役ジエン化合物を重合して重合体溶液を得る重合工程と、
    得られた重合体溶液に水素を添加して水添反応を行うことにより水添ランダム共重合体溶液を得る水添反応工程と、
    得られた水添ランダム共重合体溶液から溶媒を除去し、メディアン径(D50)が6mm以上15mm未満である水添ランダム共重合体のクラムを得る工程と、を有し、
    前記水添反応工程において、得られる水添ランダム共重合体の100℃のムーニー応力緩和を水素添加前の重合体の100℃のムーニー応力緩和に対して0.85以上1.05未満とし、
    前記水添反応工程において、得られる水添ランダム共重合体の100℃のムーニー粘度を80以上200以下とする、クラムの製造方法。
  6. 請求項5に記載の製造方法によりクラムを得る工程と、
    得られたクラムを圧縮してベールを得る工程と、を有するベールの製造方法。
  7. 請求項1~4のいずれか一項に記載の製造方法により水添ランダム共重合体を得る工程と、
    得られた水添ランダム共重合体と、可塑剤成分と、充填剤成分とを混合してゴム組成物を得る工程と、
    得られたゴム組成物を成形して空気入りタイヤを得る工程と、を有する空気入りタイヤの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2023026829A1 (ja) 2021-08-25 2023-03-02 三菱瓦斯化学株式会社 樹脂組成物、硬化物、プリプレグ、金属箔張積層板、樹脂シート、および、プリント配線板
WO2024009793A1 (ja) * 2022-07-04 2024-01-11 旭化成株式会社 共役ジエン重合体、ゴム組成物、及びタイヤ用部材

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