JP2022054462A - 医療用吸入器で使用するための流れ調整器アセンブリ - Google Patents

医療用吸入器で使用するための流れ調整器アセンブリ Download PDF

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Abstract

【課題】改良された、医療用吸入器で使用するための流れ調整器アセンブリを提供する。【解決手段】本発明のアセンブリは、空気流路を画定するハウジングと、空気流路内に配置されており、空気流路内の空気流を目標調整体積流量に調整するための流れ調整器と、空気流路内の絞り部と、を含み得る。流れ調整器は、流れ調整器の入口と出口との間の空気の圧力損失に応じて空気流路内の空気流に可変抵抗又は動的抵抗を与えるように構成され得る。絞り部は、空気流路内の空気流に固定抵抗又は静的抵抗を与えるように構成され得る。【選択図】図15

Description

本開示は、概して、医療用吸入器で使用するための流れ調整器アセンブリ、及び流れ調整器アセンブリを備える医療用吸入器に関する。
呼吸疾患及び他の疾患の治療用のエアロゾル化された薬物の気道への送達は、従来、加圧式定量噴霧式吸入器(pressurized matered dose inhaler、pMDI)、ドライパウダー式吸入器(dry powder inhaler、DPI)又はネブライザー型のいずれかの吸入器を使用して行われている。pMDI吸入器は、特に業界標準となっており、喘息又は慢性閉塞性肺疾患(chronic obstructive pulmonary disease、COPD)のいずれかに罹患している多くの患者にとってなじみのあるものである。従来のpMDIデバイスは、医薬製剤を収容するアルミニウム製容器を備える。このアルミニウム製容器はメータリングバルブで密閉されている。医薬製剤は、液状ハイドロフルオロアルカン(hydrofluoroalkane、HFA)推進剤中に懸濁させた1種以上の医薬品化合物の微細粒子、又は推進剤/共溶媒系に溶解させた1種以上の医薬品化合物の溶液のいずれかを含む加圧製剤である。1種の薬剤を溶液で、別の薬剤を懸濁液形態で組み込んだ製剤も知られている。
従来の経肺用pMDIでは、密閉容器はアクチュエータ内にある状態で患者に提供される。アクチュエータは、従来、容器を囲む略円筒状の垂直チューブに加えて、吸気オリフィスを画定する患者ポート(例えば、マウスピース又はノーズピース)を形成する略水平チューブを備える略L字形のプラスチック成形品である。このような吸入器を使用するために、患者は呼気し、患者ポートを体腔(例えば、口又は鼻)に入れ、その後、吸入し、吸気オリフィスを通じて空気を引く。(鼻用pMDIの場合、必ずしも吸入する必要はない。)このような吸入器の大半は経肺用の「プレスアンドブリーズ」型のものであり、患者は、メータリングバルブを動作させて定量の薬物を容器から吸入空気流中に、そこからマウスピースを通じて自身の肺へと放出するために、容器の突出端部を押さなければならない。出てくるエアロゾル化された薬物の雲霧が、最大の治療的利点をもたらすために、肺まで十分に深く届くべき場合、これには吸入と用量放出のタイミングの協調をかなりの程度必要とする。患者が吸息流ができ上がる前に用量を放出した場合、薬剤の一部はマウスピース又は患者の口腔内で失われる傾向がある。逆に、吸入の開始のかなり後で放出された場合、肺の深部領域には既に空気が充満している可能性があり、次に続く放出薬物エアロゾルのボーラスが達しない可能性がある。
一部の患者にとって大きな問題となり得ることを克服するために、自動呼吸作動式起動を用い、患者の吸い込む息のみに応じて用量を放出するpMDIデバイス設計が創出されている。3M Company、St.Paul、MNから入手可能なAUTOHALER(商標)定量噴霧式吸入器、及びTeva Pharmaceutical IndustriesLtd.(Israel)から入手可能なEASIBREATHE(商標)吸入器は、呼吸作動を用い、用量放出を吸入とより適切に協調させようと試みるこうしたpMDIデバイスのうちの2つである。
呼吸作動式吸入器は吸入と薬物用量放出との間の協調の実現を有効に補助するものであり、多くの患者の肺への薬物送達は結果として向上したものの、これらデバイスは、しかしながら、患者が吸入器の使用技法において呈し得る、考えられる欠点の全てを克服することはできない。例えば、患者が用量放出の良好なタイミングを達成することができたとしても、呼吸作動又は単に良好なプレスアンドブリーズの協調によるものであるかを問わず、患者は最適に満たない流量で吸入する傾向を有し得る。例えば、非常に高い吸息流量(即ち、体積流量)は、咽頭後部に過剰かつ問題となる薬剤沈着を生じさせる可能性がある一方、非常に低い吸息流量はエアロゾル化された薬物スプレーの同伴が乏しくなる可能性がある。関連する更なる潜在的課題は、非常に高い吸息流量は肺をより急速に充満することになり得ることから、結果的に、良好な協調が更に一層必要となることである。
吸入と用量放出の乏しい協調のため、多くの患者はその医療用吸入器の治療的利点を完全には得ていない。例えば、コントロール不良の喘息である患者の多くは、(i)10~50リットル/分(L/分)の流量に達することができず、(ii)この流量を少なくとも1.5秒間維持することができず、かつ(iii)吸気後、自身の呼吸を少なくとも5秒間止めることができない。乏しい吸入器使用手技は喘息の不良制御に相関することが判明している。同様の考えは吸入薬剤を使用して治療される他の呼吸器疾患、例えばCOPDにおそらく当てはまる。
製薬会社により提供されているガイダンスにおける一般的見解は、pMDI薬剤は、遅くかつ深い吸入(通常、50~60L/分未満と解釈される)を行う患者が服用すべきであるというものである。
しかしながら、従来のpMDI及び他の吸入器では、吸入流量は、ユーザ毎、更には同一患者の呼吸毎の制御が不十分な場合がある。一部の患者は時として250L/分もの流量に達する場合があるが、他の患者ははるかに低い流量にしか達することができない場合がある。薬物をより低い流量で吸入すると、上気道内の薬剤衝突が減少し、肺のより深部における薬剤沈着が増加する傾向にある。患者が自身の喘息又は吸入器の使用を必要とする何らかの他の呼吸器疾患を制御できない場合、このことは患者の生活の質に影響を及ぼし、更なる医療介入の必要に至る場合がある。
出てくる薬物エアロゾルのプルームの速度を低下させるために、かつ薬物エアロゾルが膨張することができ、その推進剤がより完全に蒸発できる容積を提供するために、pMDIのマウスピース上に装着するスペーサデバイスがこれまでに考案されている。このスペーサデバイスは、協調の課題のいくつかを回避する役割を果たすとともに、過度に速い薬剤粒子の吸入に起因する高度の咽頭沈着の傾向も回避する。しかしながら、スペーサデバイスは非常に嵩張るものであり、過度の割合の薬剤をその壁に保持し得ることで、患者に届く用量が減少する。スペーサデバイスは、また、静電荷に非常に敏感な場合があり、多くの場合、スペーサデバイスが洗浄又は乾燥される手法に強く影響される可能性がある。
患者が自身のpMDIを通じて吸入する手法は、患者の肺への薬剤の送達、ゆえに、患者が薬剤から得る利益の重要な決定因子であることから、本願発明者は、吸入プロファイルを制御しようとするものである。
全ての患者に同様かつ一貫した状態で吸入することには更なる困難が生じる。吸入器の設計はそれぞれ、空気流に対するその固有抵抗(R)を有する。これは、多くの場合、単位(Pa)0.5(分/L)で表され、次式により、吸入空気流量(FR)及び患者が生成する圧力損失(PD)に関連付けられる。
R=PD0.5/FR
既存のpMDI吸入器は、通常、空気流に対し、例えば、0.5Pa0.5分/L以下の低い固有抵抗を有し、患者が自身の吸入流量を制御することを困難にする。呼吸プロファイルは急速すぎるものとなり得る。こうした状況下では、呼吸と用量の協調は困難になる可能性があり、患者間及び患者内両方のばらつきが高くなり得る。これほどの抵抗では、また、患者がおそらく2~2.5秒を超える時間の定常流量に達することは困難な可能性がある。吸息操作中及び吸入間の流量の一貫性を得ることは困難な可能性がある。例えば、相当に高いがかなり一時的な流量に患者が達する、流量の「急上昇」が発生する可能性がある。このことは、患者の気道内における薬剤の乏しい空間的分布につながる恐れがある。
しかしながら、pMDIデバイスの設計に大きな固定(「静的」)抵抗を付加することも問題を招く。吸入器内の空気流路の幾何学的形状を制限することによって、例えば、1.6Pa0.5分/L以上の、はるかに高い抵抗が生成され得る。このような抵抗は、液状推進剤のエネルギー容量なくシステムから用量の薬物粉末を分散させる及び/又は解凝集させるのに必要なエネルギーを生成するために高抵抗を必要とする一部のDPIデバイスでは一般的なものである。しかし、残念ながら、高抵抗によって多くの患者が吸入器を通じてよりゆっくりとかつ絶え間なく、より長時間(例えば、5秒以上)吸入することがはるかに容易になる一方で、このような抵抗に抗して適切な量の空気を苦心して吸入する一部のより虚弱な患者にとって高抵抗は障害となる。特に、COPD患者はその肺機能障害のせいでこのような高抵抗で吸入することを困難と感じることが多い。
スペーサデバイスの必要も排除しつつ、低吸入器抵抗又は高吸入器抵抗のいずれかに関連する上述の課題のいくつかを克服するために、本願発明者は本開示の流れ調整器を開発した。本開示の流れ調整器は、受けた圧力損失(即ち、流れ調整器の入口と出口との間の)に応じてその幾何学的形状と空気流に対する抵抗を変化させる機能を有する。本開示の流れ調整器(「流量制限器」、「流れ制限器」、「流れレギュレータ」、「流れ制限デバイス」又はその派生語とも称され得る)は、空気流量を、低い差圧で得られる値により一致する値に制限して患者間及び患者内の吸入のばらつきを低減するために、高い差圧では空気流抵抗を増加させる一方、低い差圧では相当の空気流量を可能にする。
本開示のいくつかの態様は、医療用吸入器で使用するための流れ調整器アセンブリを提供する。アセンブリはハウジングを含み得る。ハウジングは、空気入口及び空気出口を含む空気流路を画定する。アセンブリは、流れ調整器を更に含み得る。流れ調整器は、空気入口と空気出口との間の空気流路内に配置されており(即ち、ハウジング内に配置されており)、空気流路内の空気流(例えば、実質的に全ての空気流)を目標調整体積流量に調整するためのものである。流れ調整器は、流れ調整器の入口と出口との間の空気の圧力損失に応じて空気流路内の空気流に動的抵抗を与えるように構成され得る。アセンブリは、(即ち、空気入口と空気出口との間の)空気流路内の絞り部を更に含み得る。絞り部は、空気流路内の空気流に静的抵抗を与えるように構成されている。絞り部は、(i)ハウジング内の、流れ調整器の上流側の位置、及び(ii)ハウジング内の、流れ調整器の下流側の位置、のうちの少なくとも1つに配置され得る。
本開示のいくつかの態様において、流れ調整器は、
(i)空気流路の少なくとも一部分を画定する管状要素であって、空気流路内の空気流に応じて内側に曲がるように構成された少なくとも1つの可撓壁を備える、管状要素と、
(ii)管状要素内に配置されており、管状要素の少なくとも1つの可撓壁が内側に曲がったとき、管状要素内の空気流路の少なくとも所定の断面積を維持するように構成されている内部支持構造体と、
を含み得る。
本開示の他の特徴及び態様は、発明を実施するための形態及び添付図面を考慮することによって、明らかになるであろう。
従来の加圧噴霧式定量吸入器(pMDI)の側断面図である。 従来の医療用吸入器を使用したCOPD患者と本開示の流れ調整器を備える医療用吸入器を使用したCOPD患者の流量(L/分)対時間(秒)の吸入流れプロファイルを概略的に示すグラフである。 静止状態で示される本開示の一実施形態による流れ調整器の等角図である。 静止状態で示される、図3の線4-4に沿って取った図3の流れ調整器の前部長手方向断面図である。 静止状態で示される、図3の線5-5に沿って取った図3及び図4の流れ調整器の横断面図である。 静止状態で示される、図3の線6-6に沿って取った図3~図5の流れ調整器の長手方向側断面図である。 動作状態で示される、図3の線5-5に沿って取った図3~図6の流れ調整器の横断面図である。 動作状態で示される、図3のライク6-6に沿って取った図3~図7の流れ調整器の長手方向側断面図である。 静止状態で示される、本開示の別の実施形態による流れ調整器の前部長手方向断面図である。 静止状態で示される、図9の流れ調整器の横断面図である。 静止状態で示される、図9~図10の流れ調整器の長手方向側断面図である。 動作状態で示される、図9~図11の流れ調整器の横断面図である。 動作状態で示される、図9~図12の流れ調整器の長手方向側断面図である。 本開示の別の実施形態による流れ調整器の前部長手方向断面図である。 専用空気流路内に配置された図3~図8の流れ調整器と、薬物容器を受け入れるハウジングの開端部を覆うカバーとを備える本開示の一実施形態による医療用吸入器の側断面図である。 専用空気流路内に配置された図3~図8の流れ調整器と、薬物容器と容器を受け入れるハウジングとの間に配置されたスカートシールとを備える本開示の別の実施形態による医療用吸入器の側断面図である。 薬物容器を受け入れるハウジングの開端部に結合されるように構成されたキャップ内に配置された図3~図8の流れ調整器を備える本開示の別の実施形態による医療用吸入器の側断面図である。 専用空気流路内に配置された図3~図8の流れ調整器と、専用空気流路と流体連通している1つ以上の圧力センサとを備える本開示の別の実施形態による医療用吸入器の側断面図である。 専用空気流路内に配置された図3~図8の流れ調整器を備える本開示の一実施形態による呼吸作動式医療用吸入器の側断面図である。 図3~図8の流れ調整器と、上流側ベンチュリ部と、流れ調整器と流体連通した状態で配置された1つ以上の圧力センサと、を備える、本開示の一実施形態による医療用吸入器の流れ調整器アセンブリの前部長手方向断面図である。 図20の流れ調整器アセンブリの組み立て分解等角図である。 静止状態で示される、本開示の一実施形態による流れ調整器を備える本開示の別の実施形態による医療用吸入器の流れ調整器アセンブリの一部分の長手方向側断面図である。 静止状態で示される、本開示の一実施形態による流れ調整器を備える本開示の別の実施形態による医療用吸入器の流れ調整器アセンブリの一部分の前部長手方向断面図である。 本開示の流れ調整器の3つの異なる実施形態に関する吸入圧力損失(kPa)対吸入流量(L/分)のグラフである。 本開示の流れ調整器の更なる3つの実施形態に関する吸入圧力損失(kPa)対吸入流量(L/分)のグラフである。
本開示は、概して、静的空気流抵抗及び動的空気流抵抗(例えば、生じた圧力損失に応じて変化する)を含む、流れ調整器アセンブリ又は医療用吸入器に関する。流れ調整器は医療用吸入器で用いることができる。いくつかの実施形態では、本開示の流れ調整器アセンブリは、動的空気流抵抗をもたらすための流れ調整器と、静的空気流抵抗をもたらすための1つ以上の絞り部と、を含み得る。
流れ調整器は、その入口とその出口との間の圧力損失に応じて、その幾何学的形状、ゆえにその空気流に対する抵抗を変化するように適合され得る。本開示の流れ調整器は、したがって、患者間及び患者内の吸入のばらつきを低減し、肺内のより再現可能なレベルの薬剤沈着をもたらすために、医療用吸入器内における空気流量(即ち、体積流量)を調整する手段を提供する。このような流れ調整器は、流れ調整器アセンブリ及び/又は医療用吸入器の空気流路内の空気流に対する可変(動的)抵抗を提供することができる。
本開示の1つ以上の流れ調整器を組み込んだ吸入器を使用することで、呼吸性の又はその他の吸入治療される疾患の患者に対し顕著な利益をもたらすことができる。使用及び結果の一貫性の他に、本開示の流れ調整器は、そのような協調の必要性を低下することを目的とした嵩張るスペーサデバイスの必要を排除することができる。流量のデータ記録並びに他の吸入器使用イベント及びデータと併せて使用される場合、本開示の流れ調整器は、医師による慢性疾患の患者の監視も向上させることができる。流れ調整器アセンブリ及び/又は医療用吸入器内に本開示の2つ以上の流れ調整器が用いられる場合、流れ調整器は並列又は直列で配置することができる。
本開示の流れ調整器は、(i)管状要素内に空気流路の少なくとも一部分を画定する管状要素であって、空気流路内の空気流に応じて内側に曲がる(又はつぶれる)ように構成されている1つ以上の可撓壁を備える、管状要素と、(ii)管状要素内に配置されており、管状要素の1つ以上の可撓壁が内側に曲がる(又はつぶれる)と、管状要素内の空気流路の少なくとも所定の断面積を維持するように構成されている(例えば、形状にされている、寸法にされている、配置されている、及び所望の材料特性を有する)内部支持構造体と、を含み得る。その結果、空気流路の断面積の一部は、空気及び放出された薬物の継続的な吸入を可能にするために、管状要素がつぶれているときでも開いたままとなる。「管状要素内の空気流路の所定の断面積」は、内部支持構造体を通過する空気流路の一部分(例えば、内部支持構造体が1つ以上の中空部分又は構成要素を含む場合)、及び管状要素と内部支持構造体との間の空間の断面積を含み得る。管状要素の可撓壁の材料組成は、また、管状要素と内部支持構造体との間の所望の断面積を実現するように選択され得る。
いくつかの実施形態では、所定の断面積の計算は、調整要件を満たすために必要な流れ抵抗に基づき得る。例えば、以下の式を変形して「A」を求める。
R=sqrt[0.5*ρ*(f*l/d+k)]/A
(式中、
A=断面積(例えば、m
ρ=空気密度(例えば、kg/m
f=摩擦係数(無次元)
l=流れの向きにおける壁の長さ(例えば、m)
d=チューブの直径(例えば、m)
k=特異な損失係数(無次元)
R=流れ抵抗(例えば、Pa0.5*分/L)
所定の断面積の維持を確実にすることは、管状要素が断面積が所定の断面積よりも小さくなる地点までつぶれることを物理的に阻止する内部支持構造体の使用によって達成することができ、また、管状要素の可撓壁の材料組成の適切な選択を含んでもよい。
低吸入流量では、患者は空気流に対する低又は中程度の静的抵抗を受けるが、流れ調整器内の吸入流量が特定の流量を超えた場合、管状要素は部分的につぶれ、そうすることで、空気流に対して更なる抵抗を課す。吸入器は、低又は中抵抗吸入器から高抵抗吸入器へと変化する。つまり、流れ調整器は、流れ調整器を備えるアセンブリ及び/又は流れ調整器(若しくは流れ調整器アセンブリ)を備える吸入器に対し可変抵抗を与える。
本願発明者は、患者が特定の(例えば、目的)流量で吸入することをより容易にするためには、静的中抵抗と高可変抵抗との組み合わせを有することが望ましい場合があることを見いだした。入口、出口、1つ以上の絞り部、流れ調整器、空気流路の他の幾何学的特徴部、又はこれらの組み合わせなど、流れ調整器アセンブリ(又は吸入器)の静的抵抗に寄与するものがいくつかあり得る。図20~図23に関して以下でより詳細に記載されるように、このような絞り部は、ベンチュリ部、狭い通路、蛇行路、又はこれらの組み合わせを含み得る。絞り部は、アセンブリ(又は吸入器)に所望の量の静的抵抗を付加するために使用することができ、流れ調整器とは別個かつ独立したものであり得る。例えば、絞り部が流れ調整器の外部にありかつ別個のものであるように、即ち、流れ調整器に加えて、既知の静的抵抗を与えるために、絞り部は、(i)ハウジング内の、流れ調整器の上流側の位置に、及び/又は(ii)ハウジング内の、流れ調整器の下流側の位置に配置され得る。
本願発明者は、重要なことは、より虚弱な(例えば、COPD)患者の大部分が流れ調整器アセンブリ(又は流れ調整器アセンブリ又は流れ調整器を備える吸入器)を使用することができ、吸入流量の患者間及び患者内のばらつきは最小限であるような、本開示の流れ調整器を備える流れ調整器アセンブリ(又は吸入器)の静的抵抗と可変抵抗の平衡であることを認識した。例えば、上記「発明の概要」で述べたように、空気流抵抗は、以下の式に従い算出することができる。
R=PD0.5/FR
(式中、
R=空気流抵抗(例えば、Pa0.5*(分/L)
PD=圧力損失(例えば、Pa)
FR=体積空気流量(例えば、L/分)
特に、本願発明者は、低圧力損失(例えば、0.5kPa)において、適切に平衡した静的空気流抵抗と動的空気流抵抗を有する流れ調整器アセンブリ(又は吸入器)は、流れ調整器を備えるアセンブリ(又は吸入器)の静的抵抗に基づく第1の総空気流抵抗Rを呈し得ることを見いだした。より高い圧力損失(例えば、4kPa)において、流れ調整器アセンブリ(又は吸入器)は、主として流れ調整器によってもたらされる比較的大きな動的抵抗に基づく第2の空気流抵抗Rを呈し得る。その結果、静的抵抗と動的抵抗の平衡は、低圧力損失及び高圧力損失の両方において、ある範囲の圧力損失にわたり目標調整流量を達成するための適切な総空気流抵抗を呈し得る。
いくつかの実施形態では、流れ調整器を備える(及び任意選択的に、所望のレベルの静的抵抗を導入するための絞り部を更に備える)流れ調整器アセンブリ(又は吸入器)のR/Rの比率(例えば、所与の体積流量における、又は目標調整体積流量を達成するための)は、少なくとも1.2、いくつかの実施形態では、少なくとも1.3、いくつかの実施形態では、少なくとも1.5、及びいくつかの実施形態では、少なくとも2であり得る。いくつかの実施形態では、R/Rの比率(例えば、所与の体積流量における、又は目標調整体積流量を達成するための)は、3以下、いくつかの実施形態では、2.9以下、いくつかの実施形態では、2.8以下、いくつかの実施形態では、2.7以下、いくつかの実施形態では、2.5以下、及びいくつかの実施形態では、2以下であり得る。
いくつかの実施形態では、流れ調整器を備える流れ調整器アセンブリ(又は吸入器)は、0.5kPaの圧力損失(即ち、アセンブリ(又は吸入器)の空気流路の空気入口と空気出口との間の)において、少なくとも0.4Pa0.5*分/Lの空気流に対する総抵抗(例えば、R)をもたらすことができる。いくつかの実施形態では、空気流に対する総抵抗は、0.5kPaにおいて少なくとも0.5Pa0.5*分/L、いくつかの実施形態では、0.5kPaにおいて少なくとも0.6Pa0.5*分/Lであり得る。いくつかの実施形態では、総抵抗は、0.5kPaにおいて1.2Pa0.5*分/L以下、いくつかの実施形態では、0.5kPaにおいて1.1Pa0.5*分/L以下、いくつかの実施形態では、0.5kPaにおいて1.0Pa0.5*分/L以下、いくつかの実施形態では、0.5kPaにおいて0.8Pa0.5*分/L以下、及びいくつかの実施形態では、0.5kPaにおいて0.7Pa0.5*分/L以下であり得る。
いくつかの実施形態では、総抵抗(例えば、Rは、4kPaにおいて少なくとも1Pa0.5*分/L、いくつかの実施形態では、4kPaにおいて少なくとも1.1Pa0.5*分/L、いくつかの実施形態では、4kPaにおいて少なくとも1.2Pa0.5*分/L、及びいくつかの実施形態では、4kPaにおいて少なくとも1.5Pa0.5*分/Lであり得る。いくつかの実施形態では、総抵抗は、4kPaにおいて3.2Pa0.5*分/L以下、いくつかの実施形態では、4kPaにおいて3Pa0.5*分/L以下、いくつかの実施形態では、4kPaにおいて2.5Pa0.5*分/L以下、いくつかの実施形態では、4kPaにおいて2.2Pa0.5*分/L以下、いくつかの実施形態では、4kPaにおいて2.0Pa0.5*分/L以下、及びいくつかの実施形態では、4kPaにおいて1.8Pa0.5*分/L以下であり得る。
いくつかの実施形態では、低圧力損失(例えば、0.5kPa)における空気流に対する総抵抗Rは、約1.1~約0.4Pa0.5*分/Lの範囲であり得る(例えば、約20L/分~約60L/分の範囲の調整流量を達するための)、及びいくつかの実施形態では、約0.8~約0.6Pa0.5*分/Lの範囲であり得る、及びいくつかの実施形態では、約0.7~約0.5Pa0.5*分/Lの範囲であり得る。
いくつかの実施形態では、高圧力損失(例えば、4kPa)における空気流に対する総抵抗Rは、約3.2~約1.0Pa0.5*分/Lの範囲であり得る(例えば、約20L/分~約60L/分の範囲の調整流量を達するための)、及びいくつかの実施形態では、約2.5~約1.5Pa0.5*分/Lの範囲であり得る、及びいくつかの実施形態では、約2.3~約1.8Pa0.5*分/Lの範囲であり得る。
本開示の流れ調整器は、経口肺吸入器及び鼻吸入器を含む、エアロゾル形態の用量の薬物を気道に送達するための複数形態の吸入器で使用するのに好適である。本開示の流れ調整器は、加圧噴霧式定量吸入器(pMDI)(例えば、プレスアンドブリーズpMDI、機械式(即ち、機械的に起動される)呼吸作動式pMDI、電子式(即ち、電子的に起動される)呼吸作動式pMDI、又はこれらの組み合わせ);ドライパウダー式吸入器(例えば、単回投与(例えば、カプセル)DPI、複数回投与(例えば、テープ式又はリザーバ式)DPI、又はこれらの組み合わせ);ネブライザー(例えば、ポケットネブライザー);又はこれらの組み合わせのうちの1つ以上が挙げられるが、これらに限定されない種々の吸入器で使用するのに好適である。
英国特許第2266466号では、修正を加えて本開示の流れ調整器に組み込むことができる、例示的な電子的に起動される呼吸作動式pMDIを開示している。PCT国際公開第2015/34709号は、修正を加えて本開示の流れ調整器に組み込むことができる例示的なDPIを開示している。PCT国際公開第WO92/12799号は、修正を加えて本開示の流れ調整器に組み込むことができる例示的なポケットネブライザーを開示している。本開示の流れ調整器は、英国特許第2266466号、PCT国際公開第WO2015/34709号、PCT国際公開第WO92/12799号(これらはそれぞれ、内容全体が参照により本明細書中に組み込まれる)又はこれらの組み合わせで開示されている吸入器のいずれにも使用することができる。
例えば、本開示のいくつかの実施形態は、流れ調整器と呼吸作動機構とを備える医療用吸入器を提供する。いくつかの実施形態では、呼吸作動機構は、流れ調整器の調整流量より少ない吸息流量で起動して用量の薬物を放出するように構成され得る。
概して、呼吸作動式吸入器が誤って動作し得るというリスク、又は呼吸作動式吸入器デバイスが薬物を、適切な治療効果には低すぎる吸入量で送達するというリスクを回避するために、起動流量が低く設定され過ぎないことが重要である。起動流量は、患者(例えば、虚弱なCOPD患者)が起動流量に達することができないほど高く設定されないことも重要である。
起動流量に達することを調整空気流量が妨げないためには、呼吸作動システムの起動流量は調整空気流量未満である必要がある。例えば、いくつかの実施形態では、吸入器の目標起動流量は、15リットル/分(L/分)であり得る。目標調整流量は30L/分であり得る。実際には、実施例の段落で図24及び図25を参照して記載される通り、「目標調整流量」は、目標調整流量が実際に流量の目標範囲であり得るように、様々な流量を実際に含んでもよい。製造公差は、個々の吸入器が全てその調整流量より大幅に小さい実際の起動流量を有するように維持され得る。温度及び大気圧などの環境因子もまた、実際に得られる値の範囲を広くする。例えば、実際の起動流量は10L/分~20L/分で異なる可能性があり、実際の調整流量は25L/分~35L/分で異なる可能性がある。
本開示のいくつかの実施形態は、医療用吸入器を提供する。医療用吸入器は、流れ調整器と、吸息空気流検知(又は「吸息流量検知システム」又は「空気流検知システム」又は「流量検知システム」又はそれらの派生語)及び/又は測定システムと、を備える。いくつかの実施形態では、このような検知システムは、吸入器内に配置されており、吸息空気流量を検知することを可能にするように構成された少なくとも1つの圧力センサを含み得る。例えば、少なくとも1つの圧力センサは、医療用吸入器の空気流路内の流れ調整器の上流側に配置され得る。いくつかの実施形態では、このような検知システムは、(i)流れ調整器の上流側に、空気流路と流体連通して配置された圧力センサと、(ii)空気流路内の、圧力センサが空気流路と流体連通している場所の近傍に配置されたベンチュリ絞り部と、を含み得る。このようなベンチュリ絞り部は、局所空気速度を加速して圧力センサの感度を高め、より感度が低く、より低コストのセンサを用いることを可能にすることができる。このような検知システムは、空気の流れる方向を特定することができるように、即ち、吸入と呼気との間で区別するために、流れ調整器の下流側に、空気流路と流体連通して配置された第2の圧力センサを更に含み得る。
本開示の一部の実施形態は、流れ調整器と、呼吸作動機構と、吸息空気流検知システムと、を備える医療用吸入器を提供する。
本開示のいくつかの実施形態では、呼吸作動システムは、電子的に起動される呼吸作動システムであり得る。例えば、1つ以上の圧力センサは、規定のアルゴリズムに従い用量放出を起動するために用いられる電気信号を提供することができる。用量放出システムは、電子システムのアルゴリズムによって起動される機械式システムであってもよい。任意選択的に、電子システムは、長期にわたる治療期間の総コストを削減するために再利用可能モジュール内に収容されてもよい。
流れ調整器の更なる詳細は、「Flow governor for use in medicinal inhalers」という名称の米国特許仮出願第62/270064号(この内容全体は参照により本明細書中に組み込まれる)に記載されている。
本開示の流量調節器と併せて用いられ得る用量放出噴射システムは、「Dose release firing systems and medicinal inhalers comprising same」という名称の米国特許仮出願第62/270066号及び「Medicinal Inhalers」という名称の米国特許仮出願第62/270081号(これらそれぞれの内容全体は参照により本明細書中に組み込まれる)に記載されている。加えて、本開示の流れ調整器と併せて用いられ得るオートリセット用量放出噴射システムは、「Auto-reset dose release firing systems,medicinal inhalers comprising same,and methods of using same」という名称の米国特許仮出願第62/270070号(この内容全体は参照により本明細書中に組み込まれる)に記載されている。
一部の噴射システム(例えば、本開示の流れ調整器と併せて使用され得る)は、吸入の開始と薬剤が放出される時間との間にわずかな時間遅延を生じさせることができる。望ましくは、薬剤放出は吸入開始の0.5秒以内に行われる。典型的なCOPD患者は、約1.5Lの一回換気肺気量を有する。吸入流量が流れ調整器によって約30L/分に制限された場合、吸入の時間は約3~4秒に延びると予想される。実際には、COPD患者は乏しい肺機能のせいでこれほど長くは吸入することができないだろうが、薬剤を肺に送るための十分な時間はあると予想される。
本開示の一部の実施形態は、ヒト患者の肺状態の治療法を提供する。当該方法は、(i)上述の管状要素及び内部支持構造体を備える流れ調整器を組み込んだ医療用吸入器を用意することと、(ii)医療用吸入器の患者ポートを体腔(例えば、口又は鼻)に挿入することと、(iii)吸入中に医療用吸入器を作動させることと、を含む。
いくつかの実施形態では、本開示は、医療用吸入器を使用する又は肺状態を治療する方法を提供することができる。当該方法は、医療用吸入器の空気流路内に本開示の流れ調整器を設けることと、流れ調整器の空気流路内の空気流に応じて吸入器の空気流抵抗を変化させることと、を含み得る。当該方法は、体腔に患者ポートを挿入することと、流れ調整器の空気流路内に空気流を発生させるために患者ポートを通じて吸入することと、を更に含み得る。吸入器の空気流抵抗を変化させることは、流れ調整器の管状要素の1つ以上の管状壁を、管状要素内に配置された内部支持構造体に向かって内側に曲げることを含み得る。内部支持構造体は、1つ以上の管状壁が内側に曲がるとき、管状要素内の空気流路の少なくとも所定の断面積を維持するように構成されている。
定義
用語「a」、「an」、及び「the」は、「少なくとも1つの」と互換的に使用され、記載される要素のうちの1つ以上を意味する。
「及び/又は(and/or)」という用語は、一方又は両方を意味する。例えば「A及び/又はB」は、Aのみ、Bのみ、又はAとBの両方を意味する。
用語「含む(including)」、「備える/含む(comprising)」又は「有する(having)」及びこれらの変化形は、それらの後に記載される物品及びそれらの均等物並びに付加的な物品を包含するものである。
別段の指定又は制限のない限り、用語「接続される(connected)」及び「結合される(coupled)」並びにこれらの変化形は広く使用され、直接及び間接接続並びに結合の両方を含む。更に、「接続される」及び「結合される」とは、物理的又は機械的な接続又は結合に制限されない。
用語「可撓性のある(flexible)」は、その典型的な動作モードにおいて材料及び/又は構造に存在する気圧差に応じて、つぶれる若しくは大幅に変形する材料及び/又は構造を指すために用いられる。用語「剛性のある(rigid)」は、その典型的な動作モードにおいて受ける力下でつぶれない若しくは大きく変形しない材料及び/又は構造を指すために用いられる。例えば、本開示の流れ調整器の管状要素はその通常動作時、概ね可撓性でありかつ変形可能である一方、本開示の流れ調整器の内部支持構造体はその通常動作時、概ね剛性である又は変形不可能である。
用語「管状」は、開放通路を画定する1つ以上の壁を内部に有する中空構造を指すために使用される。いくつかの実施形態では、用語「管状」は、より具体的に、長尺状の中空構造を指す場合がある。本開示の流れ調整器の管状構造又は本開示の管状空気流路は、任意の所望の断面形状(即ち、管状構造の長手方向軸線に対して実質的に直交するように取られた横断面形状)を有し得る。断面形状としては、円形、楕円形又は長円形(即ち、長軸及び短軸を有する)、三角形、矩形、正方形、台形、多角形、星形、D字形、他の適切な断面形状、又はこれらの組み合わせの1つ以上が挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、本開示の管状構造は円形の断面形状を有し得る。
本開示は、特定の実施形態に関して、特定の図面を参照して記載されるが、本発明はそれらに限定されるものではない。上記の図面は、概略的であり、限定するものではない。図面において、要素のいくつかの大きさは説明のためであり、誇張され、一定の縮尺で描かれていない場合がある。異なる実施形態における同一、類似又は同等の特徴は、100、200、300等を付加した類似の番号で示されている。
本発明による実施形態を説明する前に、従来のpMDIデバイスの典型的な実施形態を、図1を参照して説明するものとする。
図1は、医薬製剤52を含む容器51を備える従来の加圧噴霧式定量吸入器(pMDI)50を示す。容器は、メータリングバルブ54で密閉された缶53を備える。容器51はハウジング(又は「アクチュエータ」)55内に位置している。ハウジング(又は「アクチュエータ」)55は、容器51を受け入れるような寸法にされた開端部47を有し、開端部47から容器51の基部49が突出することができる管状スリーブ部56と、吸気オリフィス(又は空気出口)45を画定する患者ポート57の形態の(例えば、マウスピースの形態の)一部分と、を備える。吸入器のこのような患者ポートは、本明細書中では簡略化のため「マウスピース」と呼ばれる場合がある。しかしながら、こうしたマウスピースは、その代わり、鼻吸入器のノーズピースであるように構成することができ、本開示は、本明細書中に特に言及されていない場合であっても鼻吸入器に等しく適用できることは理解すべきである。ハウジング55の開放端47は吸込オリフィス又は空気入口を画定することができ、空気出口45は吸入オリフィス又は空気出口画定することができる。
ステム部58はメータリングバルブ54から突出しており、ハウジング55の一体部品として形成されたステムソケット59内に配置され、摩擦によって保持されている。ステムソケット59内に噴霧オリフィス60が形成され、バルブステム部58と吸気オリフィス45との間に流体連通のための通路を設ける。使用時、患者は患者ポート(例えば、マウスピース)57を体腔(例えば、口)に入れ、その後、容器51の突出している基部49を下方に押すと同時に患者ポートを通じて吸入する。押す力が、容器51をバルブのステム部58に対して下方に動かす役割を果たす。この相対運動は、容器51内のバルク製剤から定量の医薬製剤を分離し、その後、ステム部58内に形成された中空ボア48を通じて定量の医薬製剤を排出する役割を果たす。排出された用量は、その後、ステムソケット59及び噴霧オリフィス60内の流体通路に沿って通り、微細な呼吸用スプレー61の形態で出て、患者ポート57を通過して患者の体腔(例えば、口腔及び/又は鼻腔)に入り、そこから患者の気道に入り、それによって患者の疾患を治療する。
こうした従来のpMDIデバイス50の、その効能を制限する可能性を有する重要な側面は、特に、空気流に対するその固定された低い抵抗、及び患者が吸入開始のタイミングと容器51が下方に押される瞬間とを適切に協調させる必要があることである。後者は高い割合の患者にとっては困難であり、薬物投与の効能が乏しくかつしばしば非常に異なることにつながる。
低抵抗空気流路については図1を参照して最も詳しく説明する。患者が患者ポート57において吸入すると、即ち、患者が自身の胸壁の外方運動及び自身の横隔膜の下方運動により自身の気道及び口腔並びに患者ポート57内の気圧を低下させると、pMDIデバイス50内の空気流が調整される。吸入器外部の大気、即ち雰囲気からの空気が、pMDIデバイス50の空気流路46を通じて吸入器へと、例えば、缶53とハウジング55の開放管状スリーブ部56との間の環状間隙から始まり、缶53の長さに沿いスリーブ部56を伝って下り、角を曲がってマウスピース57内の広い通路へと引かれる。マウスピース通路は、薬物スプレー61が出ることを可能とするために、明らかに、開放しかつ広い必要がある。環状間隙はまた、容器直径(典型的には22~23mm)と、容器51がハウジング55内でこすれたり詰まったりしないようにするために容器51とハウジングスリーブ部56との間に必要な隙間とのおおよその積である広い断面積を有する。典型的には、この隙間は2mm以上であり、おおよそ40mmを超える空気流路断面積となる。0.5~8kPaの典型的な患者吸息圧力損失においては、この断面は吸息空気流に対し非常にわずかな有効抵抗を呈する。このため、多くの患者にとって吸入器を通じて過度の及び制御されない空気流量を引くことが容易になり、患者の肺への、制御が乏しくかつ一貫しない薬物送達につながることになる。
図2は、あるかなり典型的な慢性閉塞性肺疾患(COPD)患者の吸息流量(L/分)対時間(秒)プロファイルを概略的に示す。空気流に対する顕著な吸入デバイス抵抗がなく、一部のプロファイル29は短く比較的速い吸息を特徴とする。例えばより虚弱な肺を有する他の患者は、長い吸入を維持することができない、又は適切な流量に達することができない、のいずれかである。これら患者のプロファイル31は短くかつ弱い。しかしながら、本開示の流れ調整器を備える吸入器を使用することで、参照番号33で示されるものにより似た患者吸息プロファイルを提供することができる。即ち、より長く持続的な定常の吸息流量(例えば、約30L/分の)を得ることができる。
COPD患者は広範な吸息能力を有し、これは0.5~4kPaの圧力損失分布として表され得る。いくつかの実施形態では、本開示の流れ調整器による流れの何らかの調整前の(即ち、管状要素がつぶれる前の)本開示の吸入器の静的抵抗は約0.8Pa0.5分/Lであり得る。これは中抵抗であるとみなされ得る。本開示のいくつかの実施形態では、目標調整流量は30L/分であり得る。いくつかの実施形態では、目標呼吸作動起動流量は15L/分であり得る。このようなシステムでは、吸入努力の欠如、又は任意の個々の流れ調整器が空気流量をその呼吸作動起動流量より低く制限することのいずれかによって、COPD患者が起動流量に到達できない確率は非常に低い。したがって、このような吸入デバイスは、非常に高い割合のCOPD患者に好適である。つまり、低い流量では、吸入器は中抵抗デバイスのように動作し、いずれの患者も非常に容易に20L/分まで吸入することができる。幾分大きな流量では、流れ調整器の管状要素は内部支持構造体上につぶれ、吸入器は高抵抗デバイスになる。したがって、患者は、高い流量で吸入することができない。概して、患者は自身の吸入努力を自動的に補償することを学習する傾向があり、自身にとって快適な流量で吸入を続ける。一部の患者では、これにはわずか0.5kPaの圧力損失を伴うが、他の患者では、患者の肺強度及び能力並びに患者がそれまでに行ったトレーニングに応じて、圧力損失は4kPa以上である。
より高い流れ調整器流量を選択した場合(例えば、30L/分よりも大きい)、一部の患者は吸入器を調整するために必要な空気流量に達することができず、患者吸入のばらつきは最小化されないであろう。一方、吸入器がより高い抵抗を有する場合、この場合も一部の患者は調整される流量に達することができず、患者吸入流量のばらつきは最小化されないであろう。しかしながら、上述のパラメータによって、本開示の流れ調整器を組み込んだ吸入器は、
・吸息流の開始と薬剤放出の協調を向上する、
・吸息空気流量を約25~35L/分の範囲内に維持する、及び
・投与量の一貫性及び肺内の薬剤沈着の位置の両方のばらつきを低減する、
という可能性を有する。
30L/分の名目目標調整流量については、製造公差並びに温度及び大気圧などの環境因子による様々な実際値がある。吸入器の総静的抵抗が0.83Pa0.5(minl-1)であり、流れ調整器が30L/分の名目調整流量を有する実施形態では、0.5kPa~4kPaの圧力損失で吸入する任意の患者は、約25~35L/分の空気流を発生させると予想される。
本開示のいくつかの実施形態では、調整流量は、名目上、40L/分であり得る。この場合、低い吸入圧力損失(例えば約0.5kPa)しか生成できず、通常、40L/分未満で吸入する患者は流れ調整器から利することはなく、これら患者の吸入は中抵抗吸入器を通じた吸入に等しい。より強く(即ち、より高い圧力損失で)自然に吸入する他の患者は流れ調整器から利する傾向があり、これら患者の流量は流れ調整器によって調整流量へと制限されない。
本開示のいくつかの実施形態では、調整流量は、名目上、50L/分であり得る。この場合、約1.5kPaより大きい圧力損失で吸入する患者のみが流れの調整を受ける。調整流量がより高いため、患者間で得られる最大吸入流量(Peak Inhalation Flow rates、PIF)の広がりが大きくなる。一部の患者はわずか約27L/分でしか吸入することができないが、これは約27L/分が、これらの患者が中抵抗デバイスを通じて吸入することができる最速のものだからであり、その一方で、4kPaで吸入する他の患者はシステムを通じて55L/分も引くことができる。
流れ調整器の効果の更なる説明は、以下、実施例の段落で詳述する。
図3~図14は、本開示の流れ調整器の種々の実施形態を示す。図15~図19は、本開示の流れ調整器を備える本開示の医療用吸入器の種々の実施形態を示す。図20~図23は、医療用吸入器で用いることができる流れ調整器を備える本開示の流れ調整器アセンブリの種々の実施形態を示す。
流れ調整器
図3~図8は、本開示の一実施形態による流れ調整器101を示す。図3~図6は、停止時の流れ調整器101を示し、図7~図8は、動作時の流れ調整器101を示す。
示されているように、流れ調整器101は、少なくとも1つの可撓壁140と、管状要素102内に(即ち、少なくとも1つの可撓壁140内に)受け入れられるような寸法にされた内部支持構造体103と、を備える外部可撓性管状要素(又は「チューブ」)102を含む。図3~図8の実施形態では、内部支持構造体103は、中空基部104と、2つの中空(例えば、管状)の柱105と、クロスメンバー(又は「クロスビーム」)106と、を含む。
図示した実施形態の中空基部104の外径は管状要素102の初期内径よりも大きく、2つの構成要素の組み立ては、管状要素102を中空基部104の外側部分(例えば、外壁)上で伸ばすことによって実現することができる。この位置決めによって、管状要素102の本来円形の断面が略楕円(又は長円形)断面(即ち、横断面)形状へと変形されることになる。いくつかの実施形態では、このような楕円形の管状要素102は、約12mmの(外)長軸及び約4mmの(外)短軸を有し得る。
しかしながら、当業者には明らかなように、別法として、他の形成及び/又は組み立て手段は可能である。例えば、その代わりに、管状要素102は、内部支持構造体103の中空基部104の外部表面上にオーバーモールド成形され得る、又は管状要素102は、伸ばされ、その後、接着剤、粘着剤、溶接(例えば、音波[例えば、超音波]溶接)、任意の熱結合若しくはヒートシール法(例えば、結合される構成要素の1つ若しくは両方に熱及び/又は圧力が加えられる)、他の適切な結合手段、又はこれらの組み合わせの1つ以上が挙げられるが、これらに限定されない種々の結合手段によって基部104の外部表面に結合され得る。
いくつかの実施形態では、内部支持構造体103は、本開示の空気流路若しくは吸入器を形成するハウジングの部分に結合され得る又はこの部分と一体形成され得る。例えば、いくつかの実施形態では、内部支持構造体103は、吸入器ハウジングの少なくとも一部分を形成するハウジングによって設けられ得る(例えば、吸入器ハウジングの少なくとも一部分を形成するハウジングと一体形成されている)。
図3~図6に示すように、流れ調整器101及び管状要素102は実質的に線形であり得る。更に、流れ調整器101は空気流路107を有し得る。空気流路107は、長手方向Dに沿って概ね方向付けられた空気の流れる方向を概ね画定する、第1の(長手方向の)端部に位置する空気入口108と、第2の(長手方向の)端部に位置する空気出口109と、を含む。管状要素102は長手方向Dに長尺状であり得る。管状要素102の少なくとも1つの可撓壁140は長手方向Dに実質的に平行に方向付けられ得る。中空の柱105は長手方向Dに実質的に平行に方向付けられ得る。クロスメンバー106は、長手方向Dに対して非ゼロ角度に(例えば、実質的に垂直に)、即ち、短手方向L(流れ調整器101の横断方向に相当し得る)に対して実質的に平行に方向付けられ得る。第3の横断方向Tは、長手方向D及び短手方向Lに対して実質的に垂直に方向付けられており、流れ調整器101の前後方向に相当し得る。
管状要素102(即ち、少なくとも1つの可撓壁140)は、シリコーンゴム、他の熱可塑性エラストマー、又はこれらの組み合わせの1つ以上が挙げられるが、これらに限定されない種々の材料で形成され得る。管状要素102は、その可撓性に加えて、管状要素102を通る空気流が停止したときに管状要素102がその静止形状及び位置に戻る、即ち、管状要素102が弾性的に変形し、跳ね返り、その次の使用サイクルに備えることができるように、弾性のある材料で形成され得る。この材料は、特定の特性要求、例えば、材料が内部支持構造体103の中空基部104にオーバーモールド成形されるかどうか、接着されるかどうか、又は超音波溶接されるかどうかに従い選択してもよい。選択される管状要素材料が良好な長期物理的及び化学的安定性を有するべきであることは当業者には明らかであろう。
管状要素102は実質的に円形の(及び内部支持構造体103の基部104上で楕円断面形状に伸ばされ得る)緩和横断面形状を有することが好適であり得るものの、「管状」の定義において上述したものなどの他の断面形状も可能である。基部104はその横断面形状が楕円形であり得る又は別の形状であり得ることにも留意すべきである。いくつかの実施形態では、基部104は、楕円形であり、この楕円は、特殊な場合の円形を有する。いくつかの実施形態では、円形の又は円形に近い基部104の横断面形状を用いることで、基部104に大きな残留ねじり歪みを加えることなく管状要素102が基部104上に確実に組み付けられるのを補助することができる。更に、いくつかの実施形態では、管状要素102の特定部分が他の部分より可撓性であり、優先的につぶれることができるように、管状要素102は、1つより多い材料で形成され得る又は異なる壁厚及び/若しくは直径を有する異なる部分を有し得る(例えば、その長手方向に沿って連続的に)。
いくつかの実施形態では、管状要素102は、壁厚約0.3mm、初期内径8.0mm、長さ20mm、及びショアOO硬さ60のシリコーンゴムチューブで形成され得る。
いくつかの実施形態では、図4に示すように、内部支持構造体103は「H」字形の長手方向断面(即ち、長手方向Dに沿って取った)形状を有し得る。しかしながら、図4に示すように、いくつかの実施形態では、クロスメンバー106は、長手方向Dにおける内部支持構造体103の全体寸法(例えば、高さ)に対して長手方向中央に配置されていなくてもよく、むしろ、クロスメンバー106は内部支持構造体103の空気入口端部(例えば、上流側端部)の方に位置していてもよい。
加えて又はあるいは、いくつかの実施形態では、図5に示すように、内部支持構造体103は、略「H」字形の(即ち、英語の大文字Hにほぼ類似している)横断面形状(即ち、長手方向Dに対して実質的に直交するように取られた、例えば、短手方向L又は横断方向Tの)を有し得る。更に、いくつかの実施形態では、内部支持構造体103は、ポリプロピレン、アセタール、ABS(アクリロニトリルブタジエンスチレン)、ポリカーボネート、若しくはポリエチレンなどの射出成形プラスチックで形成され得る、又は金属若しくは金属合金(例えば、機械加工された、打ち抜かれた/プレスされた若しくは金属射出成形された)、若しくはセラミック材料(例えば、セラミック射出成形された)から作製され得る。いくつかの実施形態では、内部支持構造体103は、単一の一体構成要素として形成され得る、即ち、1つの部品から形成され得る。
図5に示すように、いくつかの実施形態では、内部支持構造体103のクロスメンバー106は、横断方向Tにおいて柱105に対し実質的に中央に配置され得る。これにより略「H」字形の横断面形状を与える。加えて、例として、図3~図8の図示されている内部支持構造体103は、中心長手方向軸線に関して(即ち、中心横断方向-長手方向平面(central transverse-longitudinal plane)に関して)短手方向対称性を有することはもとより、中心長手方向軸線に関して(即ち、中心短手方向-長手方向平面(central lateral-longitudinal plane)に関して)横断方向対称性(例えば、前後)を有する。換言すると、内部支持構造体103は、短手方向D及び横断方向Tにおいて、中心長手方向軸線に関し対称である。
以下により詳細に記載されるように、管状要素102の空気出口端部のみが固定及び支持されており(即ち、内部支持構造体103の基部104によって)、一方で、管状要素102の空気入口端部は自立しており、内部支持構造体103上でつぶれることができる。
管状要素102と内部支持構造体103との組み立てにより、空気入口108及び空気出口109を含む空気流路107を形成する。図5は、流れ調整器101の横断面図を示す。この図は、管状要素102が内部支持構造体103の基部104上に伸ばされると略楕円形断面を有することを示すとともに、2つの中空の柱105内に位置し、残留空気流チャネルとして機能する、即ち、流れ調整器101内の空気流路107の一部分として機能する2つのルーメン110も示す。単なる例として、ルーメン110は、横断方向断面において略三角形を有するものとして示されている。いくつかの実施形態では、2つのルーメン110のそれぞれは、約1mmの開放断面積を有し得る。
図6は、流れ調整器101の長手方向側断面図である。この図は、管状要素102が中空の柱105に実質的に平行に延びてはいるものの、中空の柱105に接触していないことを示す。空気入口108において、中空の柱105は管状要素102から突出することができる。図4を参照すると、柱ルーメン110に入る空気流は中空基部104を通過する前に各柱105のバイパス出口111で出ることに留意されたい。
本開示の流れ調整器の主要機能の1つは、過度に速い吸入、その結果としての、口及び咽頭における過度の薬剤沈着を回避するために、患者が医療用吸入器を通じて吸入するときに空気流を調整し、患者の吸息流量を狭くかつ制御された範囲に制限することである。本開示の流れ調整器は、したがって、肺への深い薬剤浸透及び沈着の増加の達成を補助することができる。
このような流れ調整器の使用によって、低い肺機能(例えば特に重篤なCOPD患者)を有する患者が比較的低い吸入器空気流抵抗を受けることを可能にする(このような患者が適度な快適性を伴って十分な空気を吸入することを可能にする)一方、強い肺を有する患者には吸入に対して一時的により高い空気流抵抗を与える(それによって、これら患者がより長く、より深く吸入することを可能にする一方で同時に、その吸入空気流量をより虚弱な患者の吸入空気流量に酷似するレベルに制限する)。換言すると、吸息空気流量を患者間及び吸入間ではるかに一定に維持することができる。したがって、薬剤送達がはるかに予測可能となり、医師が信頼レベルの向上をもって治療計画を指示することを可能にする。
図3~図6は、停止時の(即ち、管状要素102がつぶれていない状態の)流れ調整器101を示し、図7及び図8は、動作状態にある(即ち、患者の吸息空気流が流れ調整器101を実質的に通過しており、管状要素102がつぶれた状態の)流れ調整器101を示す。空気が空気出口109に向かって吸い込まれると、空気は空気入口108を通って、空気流路107内に、柱105及びクロスメンバー106の周りに(即ち、柱105と管状要素102との間に、及びクロスメンバー106と管状要素102との間になお存在するあらゆる間隙を通って)、並びに柱ルーメン110内に流れる。空気流路107内を通過する空気流の速度によって、空気流路107内の気圧の低下が引き起こされる(即ち、ベルヌーイ効果による)。図3~図8に示される実施形態では、空気流路107内の圧力低下によって楕円形断面管状要素102の短軸に沿って(即ち、横断方向Tにおいて)直径の減少が生じ、図7及び図8に示すように、内方への曲げがもたらされる。管状要素102は、一端(即ち、空気出口109の方のその出口端部)が中空基部104によって支持されているため、内方への曲げは空気入口108の方の管状要素102の端部で主に起こり、内方への曲げは空気流路107の断面積を制限する。
ある程度までは、空気流路107内の圧力の低下が大きくなるほど管状要素102の内方への曲げは大きくなる。空気流路107の断面積の結果的な減少により、空気流量に対する抵抗を増加することになる。しかしながら、流れ調整器101の空気流路107は、流れ調整器101が用いられる医療用吸入器の空気流に対する全体的な総抵抗のわずか一部である(例えば、吸入器が空気流に対し中程度の静的抵抗を有する場合、総吸入器空気流抵抗の約50%以下の可能性がある)ため、流れ調整器101を通る空気の質量流量は、その残留断面積の減少に応じて低下しない。これは、つぶれた管状要素102内の残留空気流チャネル107を通る空気の速度は、管状要素102がつぶれるにつれて上昇し、空気にかかるベルヌーイ力が更に増加することを意味する。この効果は、流れ調整器101の動作の相当な双安定性につながる傾向にある。つまり、つぶれの開始は、内方へのつぶれを推進するベルヌーイ力を、それが管状要素102の材料の抵抗剛性力に最終的に平衡するまで高める「正のフィードバック」につながる。換言すると、いくつかの実施形態では、流れ調整器101は実質的に双安定であり得る。流れ調整器140はどの時点においても2つの状態のうちの1つ、即ち、実質的に「開放」若しくは「つぶれていない」状態、又は実質的に「つぶれた」状態のいずれかにある傾向にある。
楕円形断面管状要素102が完全につぶれることは中空の柱105によって妨げられる。これら柱105は、クロスメンバー106とともに、楕円形断面管状要素102の長軸に沿った(即ち、短手方向Lにおける)直径の大幅な減少を防止する構造的支持を与える。ルーメン110によって設けられた空気流バイパスは、基準レベルの残留空気流が継続的に流れることを可能にする。加えて、管状要素102の限定された剛性とは、内部支持構造体103の隅の周辺に更なる小さな間隙が残っており、この場所では、管状要素102を十分に曲げて内部支持構造体103と管状要素102との間の小さな残留空気通路又は間隙(例えば、図7を参照)を全て閉じることができないことを意味する。したがって、少なくとも最小限の又は残留空気流は常に継続的に流れることができる。つまり、低下する圧力は、管状要素102が完全につぶれ、流れ調整器101内の全ての空気流を封鎖するのに十分な値には決して到達できない。
管状要素102がつぶれる点及び流れ調整器が調整する流量は、内部支持構造体103の幾何学的形状(及び特に、柱ルーメン110の断面積)、並びに管状要素102の特性、特に、その壁厚、空気入口断面積、幅、長さ、及びショア硬さに依存する。管状要素102においては、流れ調整器101が配置される吸入器のハウジングの壁及び/又は内部支持構造体103への付着を防止することで、つぶれた状態から開放状態への滑らかな移行を確実とするために、低い接着特性を有する材料も好ましい場合がある。
実施例の段落でより詳細に記載するように、図3~図8に示されるタイプの流れ調整器の数学的モデリングでは、本発明の一実施形態の流れ調整器は、患者の広範な圧力損失において、±5L/分の繰り返し性及び一貫性で、30L/分の空気流に調整することが可能であることが実証された。非常に虚弱な肺を持つ患者であっても略全ての患者がこのような空気流量に達することができるはずであるが、流れ調整器の動作によって、非常に過度の努力を持ってしても、どの患者もこのような空気流量を超えることはできないと思われる。
内部支持構造体に属する要素の形状、大きさ、数及び位置など、記載した実施形態の他の配置構成は当業者には明らかであろう。
図3~図8の中空の柱及びクロスメンバー配置構成の代わりに、内部支持構造体の他の設計又は構成を使用してもよい。例えば、図9~図14は、種々の本開示の流れ調整器を示す。同一番号は同一要素を示す。図9~図13は、異なる内部支持構造体を用いた本開示の別の実施形態による流れ調整器201を示す。図14は、本開示の更に別の実施形態による流れ調整器301を示す。図9~図14の流れ調整器は、図3~図8の流れ調整器101と同じ要素、特徴、及び機能の多くを共有する。図3~図8に示される実施形態の特徴又は要素(及びこのような特徴又は要素の代替物)のより完全な説明については、添付の図9~図14の上記記載を参照されたい。図3~図8に関する上述の特徴のいずれも図9~図14の実施形態に適用することができ、この逆も同様である。
図9~図13を参照すると、流れ調整器201は管状要素202を含み、管状要素202は、少なくとも1つの可撓壁240と、内部支持構造体203とを備える。この実施形態では、内部支持構造体203は、中空基部204と、中実の柱205(即ち、ルーメンはない)と、クロスメンバー206と、クロスメンバー206から突出した(例えば、短手方向に方向付けられたクロスメンバー206から横断方向に突出した)1つ以上のスプライン(又は横断突起若しくは横断スプライン)213(図10及び図12を参照)と、を含む。いくつかの実施形態では、示されるように、1つ以上の横断突起213は、内部支持構造体203に対して短手方向中心に位置することができ、クロスメンバー206に対して前方及び後方に突出している(即ち、図10に示すような横断面図で見た場合)。いくつかの実施形態では、1つ以上の横断突起213は内部支持構造体203から、管状要素202の少なくとも1つの可撓壁240に対して実質的に直交するように突出することができる。
単なる例として、内部支持構造体203は、図9に示すような「H」字形の長手方向断面(即ち、長手方向Dに沿って取った)形状、並びに図10及び図12に示すような略「H」字形の横断面形状(即ち、長手方向Dに対して実質的に直交するように、例えば、短手方向-横断方向平面で取られた)を有する。
更に、少なくとも1つの横断突起213を用いた実施形態では、内部支持構造体203は、少なくとも1つの英語の大文字「E」を含む横断面形状を更に含み得る。特に、図10及び図12に示すような2つの短手方向中心に配置された横断突起213を用いた実施形態では、内部支持構造体203は、背中合わせに結合され、「E」の長い側を短手方向Lに方向付けられた2つの大文字「E」を含む横断面形状を有し得る。図3~図8の中空の柱105とは異なり、中実の柱205には大きな(long)アスペクト比を持つあらゆる内部ルーメンがないため、製造の容易さにとってより望ましい可能性のある幾何学的形状を有する。長手方向又は横断方向断面において必ずしも「H」字形でない他の配置構成も当業者には明らかであろう。実施例は、英語の大文字のB、C、D、E、H、M、N、O、S、V、W、X及びZから選択される文字のいずれかを含む又はこれら文字のいずれかに類似する横断面形状を有する1つ以上の内部支持構造体を有する流れ調整器を含む。他の形状も当業者には明らかであろう。
図9~図11は、静止時の(即ち、管状要素202がつぶれていない状態の)流れ調整器201を示す。図12~図13は、動作状態にある(即ち、管状要素202がつぶれた状態の)流れ調整器201を示す。
流れ調整器201は、内部支持構造体203と管状要素202との間に形成された空気流路207を含む。空気流路207は、空気入口208及び空気出口209を含む。図10は、空気流の全般的方向に対して略垂直に取られた流れ調整器201の横断面図であり、管状要素202が、静止時、略楕円形の横断面形状を有することを示す。いくつかの実施形態では、示されるように、スプライン213はクロスメンバー206から外側に(例えば、横断方向Tに)、中実の柱205が突出するよりも小さく突出する。別の実施形態では、スプラインは、クロスメンバー206から、中実の柱205と等しい距離突出するような寸法にされ得る、又はあるいは、それより更に突出し得る。あるいは、各中実の柱205は、略矩形よりもむしろ十字形の形態の横断面形状を有し得る。これら例から明らかなように、内部支持構造体203の断面形状及び寸法の更に多くの変形形態が可能である。各変形形態は、管状要素202の形態及び材料の特性と併せて、圧力損失及び空気流量に応じた独自の空気流特性を有する。
図11は、管状要素202と中実の柱205とが長手方向Dに概ね平行に方向付けられており、管状要素202が、静止時、中実の柱205と接触しておらず、柱が空気入口208において管状要素202から突出している(即ち、管状要素202の上流側端部から突出していることを示す。
図12及び図13は、動作状態にある流れ調整器201を示す。空気が空気出口209を通じて吸い込まれると、空気は空気入口208を通って空気流路207へと流れる。示されているように、患者の吸入によってもたらされた気圧の低下は、楕円形断面の管状要素202の短軸に沿って直径の減少を生じさせ、図12に示すような内方への曲げをもたらす。管状要素202は下流側端部が中空基部204によって支持されているため、内方への曲げは空気入口208により近い管状要素202の端部で主に起こり、内方への曲げは空気流路207の断面積を制限する。空気流路207内の気圧が低くなるほど管状要素202の内方への変形は大きくなり、したがって、空気流路207の断面積の減少は大きくなり、空気流に対する抵抗は大きくなる。
楕円形断面管状要素202が完全につぶれることは中実の柱205によって妨げられる。これら構造は、クロスメンバー206とともに、楕円形断面の管状要素202の長軸に沿った直径の大幅な減少を防止する構造的支持を与える。スプライン213は、短軸に沿った支持を付加的に与え、管状要素202(及び特に、少なくとも1つの可撓壁240)がクロスメンバー206上にぴったりとつぶれすぎることを防止する。したがって、患者の吸息圧力損失がどれほど大きくても、残留空気流チャネル間隙を通じた残留空気流は常に可能である。
図14は、本開示の別の実施形態による流れ調整器301を示す。流れ調整器301は、管状要素(又は「チューブ」)302を含む。管状要素(又は「チューブ」)302は、少なくとも1つの可撓壁340と、管状要素302内(即ち、少なくとも1つの可撓壁340内)に受け入れられるような寸法にされた内部支持構造体303と、を備える。管状要素302は内部支持構造体303を囲み、覆っている。内部支持構造体303は、中空基部304と、2つの中空の柱305(それぞれルーメン310を備える)と、クロスメンバー306と、からなる。図14に示すように、いくつかの実施形態では、管状要素302は、空気入口端部が自由であるよりもむしろ、両端が(例えば、内部支持構造体303に)固定され得る又はそうでなければ取り付けられ得る。図14に示すように、いくつかの実施形態では、クロスメンバー306は柱305に対して長手方向中央に配置され得る。その結果、前述の実施形態の短手方向対称性及び横断方向対称性に加え、内部支持構造体303(及び流れ調整器301)は長手方向対称性も有し得る(例えば、中心短手方向-横断方向平面に関して)。
前述の実施形態と同様、中空基部304の外径は可撓性管状要素302の内径よりも大きく、2つの構成要素の組み立ては、管状要素302を中空基部304の外部表面上に伸ばすことによって実現される。管状要素302と内部支持構造体303はそれらの間に空気流路307を画定する。空気流路307は、空気入口308及び空気出口309を含む。空気流路307は、また、柱305内にルーメン310を含む。空気が空気出口309に向かって吸い込まれると、空気は空気流路307に流れ、ルーメン310を通過し(即ち、通り)、空気入口308を通って柱305の周りを流れ、ベルヌーイ効果による空気流路307内の気圧の低下をもたらす。空気流路307内の圧力低下は、空気流路307の略中点において中央に位置決めされた管状要素302の楕円形断面の短軸に沿って直径の減少を生じさせる。
両端が固定された管状要素302を有することについて考えられる利点の1つは、管状要素302を、所与の流れ調整性能に対してより厚みのあるものとすることができ、それによって、管状要素302の寸法仕様範囲に関して製造優位性を提供することである。両端が固定された管状要素302を有することについて考えられる別の利点は、対称な配置(例えば、長手方向、短手方向、及び横断方向に対称な)の使用によって、組み立て時、一貫した、特定の端部間の方向付けが必要ないため、製造優位性を提供できることである。
医療用吸入器
図15は、本開示の流れ調整器101を用いる本開示の一実施形態による医療用吸入器250を示す。単なる例として、医療用吸入器250は、図3~図8の流れ調整器101を含むものとして図15に示されているが、本開示の任意の流れ調整器を吸入器250内に用いることができることは理解すべきである。更なる例として、医療用吸入器250は、プレスアンドブリーズ加圧噴霧式定量吸入器(pMDI)として示されている。
吸入器250は、図1のpMDI50の要素、特徴、及び機能の多くを共有しており、同様の番号は同様の要素を示す。このため、図15の吸入器250の特徴部及び要素(及び、このような特徴部及び要素の代替)を更に完全に説明するために、図1に伴う上記の説明の参照がなされる。
吸入器250は、医薬製剤252を含む容器251を含む。容器は、メータリングバルブ254で密閉された缶253を備える。容器251はハウジング(又は「アクチュエータ」)255内に位置している。ハウジング(又は「アクチュエータ」)255は、容器251を受け入れるような寸法にされた第1の開端部247を有し、開端部247から容器51の基部249が突出することができる初期開放管状スリーブ部256と、開放管状マウスピース257の形態の一部分と、を備える。開放ハウジング255はその中に、特に、雰囲気へと開放された空気入口215から、吸入オリフィス又は空気出口245を画定するマウスピース257への空気流路246を画定することができる。ステム部258はメータリングバルブ254から突出しており、ハウジング255の一体部品として形成されたステムソケット254内に配置され、摩擦によって保持されている。ステムソケット259内に噴霧オリフィス260が形成され、バルブステム部258とマウスピース257との間に流体連通のための通路を設ける。
図15に更に示されるように、吸入器250は、吸入器250の空気流路246内に配置されることによって吸入器250に直接組み込まれる流れ調整器101を更に含む。特に、図15の実施形態では、流れ調整器101は、空気流路214が吸入器250の全体的な空気流路246の一部分を成すように、空気入口215と、吸入器250の空気出口245と流体連通している空気出口216との間の専用管状空気流路214内に配置されている。
単なる例として、専用空気流路214は、ハウジング255の後部部分(即ち、マウスピース257の反対側)に配置されており、ハウジング255と一体形成されている。更なる例として、空気入口215は、ハウジング255の第2の開端部220によって画定され、第2の開端部220は、流れ調整器101を受け入れるような寸法にされている。患者がマウスピース257において吸入すると、空気が空気入口215を通じて流れ調整器101に流れ、流れ調整器101を作動させるために必要な圧力低下を生じさせることで、空気流を調整する。吸入器250の上部から進入した空気が流れ調整器101をバイパスするのを避けるため、シールを形成するカバー217がハウジング255の第1の開端部247を覆って配置されている。カバー217は、容器251の基部249をなお押下して用量の医薬製剤を送達することを可能とするために可撓性であり得る。この可撓性は、カバー217の製造材料(単数又は複数)の適切な選択、カバーの幾何学的形状及び設計、又はこれらの両方によりもたらすことができる。
図15において、専用空気流路214は断面が実質的に一定であるとして示されているが、これは必須ではない。本開示の流れ調整器を含み、本開示の医療用吸入器に組み込むための空気流路の種々の可能な形状及び構成は、以下、図20~図23を参照しながらより詳細に記載される。
図16は、本開示の別の実施形態による医療用吸入器350を示す。吸入器350は、それぞれ図1及び図15の吸入器50及び吸入器250の要素、特徴、及び機能の多くを共有しており、同様の番号は同様の要素を示す。このため、図16の吸入器350の特徴部及び要素(及び、このような特徴部及び要素の代替)を更に完全に説明するために、図1及び図15に伴う上記の説明の参照がなされる。
吸入器350はハウジング355を含み、ハウジング355はその中を通る空気流路346を画定する。空気流路346は、開端部320及び空気出口345(マウスピース357によって形成された)を含む。ハウジング355は、また、初期開放管状スリーブ部356を含む。初期開放管状スリーブ部356は、医薬製剤352を含む容器351を受け入れるような寸法にされた開端部347を有する。吸入器350は、開端部320から空気出口345まで延びる空気流路346内に配置された流れ調整器101(即ち、単なる例として)を更に含む。特に、図15の実施形態と同様に、流れ調整器101は、専用空気流路314内に配置されている。専用空気流路314は、雰囲気へと開放されており(例えば、開端部320を通じて)、吸入器350の全体的な空気流路346と流体連通しており、吸入器350の全体的な空気流路346の一部分を成す。加えて、専用空気流路314は、ハウジング355と一体形成されており、特に、ハウジング355の後部部分に、即ち、マウスピース357の反対側に形成されている。
図16は、バイパス空気が流れ調整器101の「機能を損なわせる」ことを避けるために吸入器350のハウジング355の開端部347を封止するための別のシステムを示す。この実施形態では、容器351の周囲の間隙を封止する又は実質的に封止するためにスカートシール318が用いられる。つまり、スカートシール318は、開端部347(即ち、ハウジング355のスリーブ部356)を雰囲気から密閉するために、容器351の外部表面322(及び特に、容器351の缶353の外部表面322)とハウジング355の内部表面324(及び特に、ハウジング355のスリーブ部356の内部表面324)との間に配置されている。
スカートシール318は、薄くかつ可撓性のある環状エラストマーで形成することができ、ハウジング355のスリーブ部356内における容器の長手方向の動きに対し大きな抵抗を導入するのを避けるために十分に可撓性に作成され得る。封止構成要素の他の配置構成は当業者には明らかであろう。
図17は、本開示の別の実施形態による医療用吸入器450を示す。吸入器450は、それぞれ図1及び図15の吸入器50及び吸入器250の要素、特徴、及び機能の多くを共有しており、同様の番号は同様の要素を示す。このため、図17の吸入器450の特徴部及び要素(及び、このような特徴部及び要素の代替)を更に完全に説明するために、図1及び図15に伴う上記の説明の参照がなされる。
吸入器450はハウジング455を含み、ハウジング455はその中を通る空気流路446を画定する。空気流路446は、空気路469及び空気出口445を含む。特に、ハウジング455は開放管状スリーブ部456を含み、開放管状スリーブ部456は、空気路469を画定する初期開端部447と、空気出口445を画定するマウスピース457と、を有する。スリーブ部456及び開端部447は、医薬製剤452を含む容器451を受け入れるような寸法にされている。吸入器450は、空気流路446内に配置された流れ調整器101(即ち、単なる例として)を更に含む。
図17は、バイパス空気が流れ調整器101の「機能を損なわせる」ことを避けるために吸入器450のハウジング455の開端部447を封止するための別の代替的なシステムを示す。この実施形態では、吸入器450のハウジング455の一部分を成す若しくは吸入器450のハウジング455に組み込む流れ調整器101又は専用空気流路を有するよりもむしろ、流れ調整器101はキャップ426内に配置されており、キャップ426がハウジング455に結合されたときに空気流路446の一部分を最終的に形成するように、キャップ426は、ハウジング455の初期開端部447に結合され(例えば、クリップ留め又はスナップ留めされ)、開端部447を閉鎖し、密閉するように構成されている。このため、キャップ426は、ハウジング455に結合されると、吸入された空気がキャップ426内の流れ調整器101を通過しなければならないような、吸入器450の空気流路446の空気入口を画定する。この実施形態では、キャップ426は、既存の吸入器の後付けアクセサリとして提供され得る。
図15のカバー217と同様に、キャップ426は、望むときに容器451をなお押すことを可能とするために可撓性材料で形成され得る。加えて又はあるいは、図17に示されるように、いくつかの実施形態では、吸入器450は、容器451を押して用量の薬物の放出を可能とするためのボタン419を含み得る。例えば、いくつかの実施形態では、ボタン419はキャップ426に対して固定することができ、キャップ426は可撓性であり得る。いくつかの実施形態では、キャップ426は可撓性である必要はなく、ボタン419はキャップ426に対して動くことができる。
他の実施形態では、本開示の流れ調整器は吸入器内の他の場所に組み込むことができる。例えば、流れ調整器は、容器(例えば、図1の容器51を参照)のバルブステム部(例えば、図1のステム部58を参照)が配置されるステムソケット(例えば、図1のステムソケット59を参照)の足の下に配置され得る。このような実施形態では、例えば、流れ調整器の入口は吸入器のマウスピース(例えば、図1のマウスピース57を参照)の下に配置することができ、流れ調整器の出口はステムソケット領域に空気を供給するように配置することができる。空気が流れ調整器をバイパスすることを回避するために、封止カバー(例えば、図15のカバー217を参照)、スカートシール(例えば、図16のスカートシール318を参照)、又は別の封止手段を、薬物の容器を受け入れるハウジングの開端部上に用いることができる。
本開示の流れ調整器を用いる本開示の吸入器のいずれにおいても、例えば、大きな破片が不注意で吸入器デバイスに入らないように、流れ調整器が配置される空気流路の空気入口上にグリル構造が提供され得る。更に、本開示の吸入器の各実施形態において、流れ調整器の空気流路の空気入口は、使用中、不注意で患者の唇、指等によりすぐに遮られたり塞がれたりしない場所に配置されていることが好ましい。
図18は、本開示の別の実施形態による医療用吸入器550を示す。単なる例として、吸入器550が、専用の流れ調整器の空気流路514内に配置された1つ以上の圧力センサ525、527を更に含むことを除いては、吸入器550は図15の吸入器250と実質的に同じであり、吸入器の空気流路546内に配置された流れ調整器101を含む。図18の吸入器550の特徴部及び要素(及び、このような特徴部及び要素の代替)を更に完全に説明するために、図15に伴う上記の説明の参照がなされる。
図18に示すように、圧力センサ525は、専用空気流路514と流体連通して配置されている。圧力センサ525はコントローラ(図示せず)に接続することができ、これら両方とも、電源オン/オフ機能を提供するための適切なスイッチを用い、適切な電源(図示せず)により給電される。
概して、本開示のコントローラは、例えば、プログラマブルロジックコントローラ(「PLC」)、プログラマブル回路基板(「PCB」)、マイクロプロセッサ及び/又は他の適切なデバイス若しくは構造などの適切な電子デバイスであり得る。したがって、コントローラ151は、ハードウェア構成要素及びソフトウェア構成要素の両方を含んでもよく、用語「コントローラ」は、このような構成要素の組み合わせを広く包含するものである。
引き続き図18を参照すると、電源が入れられたとき、圧力センサ525は大気圧を特定する。患者が吸入器550を通じて空気を吸入し、空気が空気出口516を出て流れると、空気は空気入口515を通って空気流路514内に流れ、圧力センサ525は、流れ調整器101の機能とともに患者の吸息努力によって引き起こされる、動的に変化する気圧を検知する及び/又は測定する。
圧力センサ525とコントローラとの間の協働による、初期大気圧に対する圧力変化の検知は、圧力センサ525を通り過ぎる空気流量を算出するために使用され得る。この空気流量はベルヌーイ効果により局所気圧の低下を引き起こす。)所望の所定流量に達すると、電気信号は、ユーザが吸入器550(例えば、機械的起動式噴射システム内の)を作動させるための合図を与えるために、発光ダイオード(LED)又は液晶ディスプレイ(LCD)又はオーディオスピーカなどの適切な構成要素に送信され得る。あるいは、電子信号を用いて、機構が吸入器550を自動的に作動するのを可能とすることができる。
更に、いくつかの実施形態では、第2の圧力センサ527が空気出口516に向かう空気流路514内に含まれ得る。この第2の圧力センサ527の存在を使用し、2つの圧力センサ525、527における相対局所気圧を比較(例えば、コントローラによって実施される)することにより、空気の流れる方向を特定することができる。この方向は、吸気を呼気と区別するために使用され得る(例えば、患者が吸入器550を通じて空気を吸い込む代わりに吸入器550内に息を吹き込んだ場合)。これにより、リンクした呼吸作動式起動機構(例えば、機械式又は電子式)を、患者が吸入器を通じて吸い込むのではなくむしろ吸入器に息を吹き込んだ場合は動作しないように配置することを可能にできる。2つの呼吸モードは、第1のセンサ525及び第2のセンサ527によって検知される異なる相対圧力損失関係により容易に区別される。
空気流路514と流体連通した2つの圧力センサ525、527を含めることで、(適切な電気構成要素、例えば、コントローラ(例えば、プログラマブル回路基板(PCB))、電源等と併せて)空気流量と相関し得る圧力変化の測定を可能にする。所定の流量に達すると、これにより電気式噴射機構を起動して吸入器容器551を作動させるための信号を促すことができる。このような機構は、患者が吸入と吸入器の作動を協調させる必要を排除することができる。加えて、起動流量は、異なる製品に対しては異なるようにプログラムすることができる。しかし、各場合において、一体型流量計(事実上、圧力センサ525、527であり得る)及び電子的作動の使用により、吸入器550を患者の吸息操作における適切な時間に作動できるようにすることができる。含まれる電子回路は、また、各起動イベントが計数され、記録されることを可能にするように構成することができるとともに、また、投与回数を提供するために、したがって、例えば、なお残っている理論上の投与数を患者に対して表示するために使用することができる。
容器作動を起動するために圧測定及び算出された流量データを使用するのみならず、このようなシステムは、患者及びその医師にフィードバックを提供するように任意選択的に構成され得る。
流れ調整器101を含む空気流路514を既に記載したものと類似の手法で上述の種々の吸入器のいずれにも組み込むことができる。流れ調整器の空気流路における圧力センサの組み込みは、図15~図17のいずれの吸入器又は本開示の任意の他の吸入器などのあらゆる吸入器に用いることができることも理解すべきである。単なる例として、図18の圧力センサは図17のキャップ426内に形成された空気流路内に配置され得る。関連電子部品もキャップ426に組み込むことができる。
いくつかの実施形態では、どの種類の吸入器が用いられるかを問わず、流れ調整器101及び圧力センサ525、527を含む空気流路514は、任意の他の関連電気構成要素とともに、別個の部品若しくは構成要素として、又は吸入器550の一部分として製造され得る。以下で説明する図20~図23は、別個に形成され、吸入器と流体連通させることができる若しくはそうでなければ吸入器に組み込むことができる、又は本開示の吸入器の一部分を成すことができる本開示の流れ調整器を備える本開示の例示的な流れ調整器アセンブリ(又は「空気流路」又は「空気流路アセンブリ」)を示す。
図19は、図3~図8の流れ調整器101を含む本開示の別の実施形態による吸入器750を示す。例として、吸入器750は、3M Company、St.Paul、MNから商品名AUTOHALER(商標)で入手可能な吸入器の変形形態として示されている。吸入器750に関する更なる詳細は、その内容全体を参照により本明細書中に組み込む米国特許第7,296,567号で見ることができる。
図19に示すように、流れ調整器101は専用空気流路714内に配置されている。専用空気流路714は、ハウジング755と一体形成された吸入器750のハウジング755の底部部分にある。専用空気流路714は、周囲に開かれた空気入口715(例えば、予備開端部720によって画定された)と、吸入器750の空気流路746と流体連通している空気出口716と、を含む。特に、専用空気流路714は、空気入口715がマウスピース757のほぼ下に位置するように実質的に水平に配置されている。吸入器750内の実質的に全ての空気流が専用空気流路714を通過するように、吸入器750内の別の場所に顕著な空気漏出入口がないようにするために封止手段(図示せず)が設けられている。
この実施形態では、吸息空気流は空気入口715を通じて(例えば、入口グリル、スクリーン又は格子728を通じて)流れ調整器101へと引かれ、そこからステムソケット759の周囲の領域へと引かれる。患者が吸入器750のマウスピース757(吸気オリフィス745を画定する)において吸入すると、ベーン777が吸息空気流内で持ち上がり、この持ち上げによって機械的な用量放出機構728を起動する。出てきた医薬製剤スプレー761は流れ調整器101の空気出口709及び専用空気流路714の空気出口716からの空気流で運ばれ、空気流とともにマウスピース757を通って出る。本発明の流れ調整器はこのような吸入器の複数の位置に、例えば、吸入器の後部、前部、上部、片側等に配置されてもよいことは当業者には認識されよう。加えて、吸入器の外部形態は、内部空気流表面とは無関係の形状及びスタイルにすることができることは明らかであろう。
同じく、適切な電子メモリデバイスの組み込みによって、吸入器が使用された各回に対応する患者の吸入プロファイル(流量、圧力損失等)の取り込み、記憶及び取り出しを可能にすることができる。例えば、ケーブルを介して又は無線技術を使用してセカンダリデバイス、例えば、コンピュータ又は「スマート」フォンにデータを送信するための手段を含むことで、患者の医師又はその他が、患者が吸入器を適切に使用できるかを監視することを可能にするとともに、取り出された情報の分析及び解釈に基づき適切かつ適時の健康管理アドバイスを与えることを可能にするために、患者の医師又はその他がこれらデータを容易に利用可能にすることができる。
別の実施形態では、呼吸作動式吸入器は、再利用可能部品及び交換可能部品の両方を含み得る。例えば、複雑かつ比較的高コストの電子機器を含む再利用可能部品は、更には、一連の交換可能な薬物収容カートリッジと対にすることができる。このような実施形態では、流れ調整器は、交換可能カートリッジ、又はあるいは及び好ましくは、再利用可能ユニットと対応付けることができる。いずれの場合においても、吸入器の空気流路は、再利用可能部品、交換可能補充部品、又はこの両方のいずれかを通過するように構成され得る。
更に別の実施形態では、異なる抵抗及び/又はつぶれ特性を有する2つ以上の流れ調整器を、本開示の医療用吸入器、又は例えば、並列流路構成の、医療用吸入器とともに使用するための本開示の空気流路に組み込むことができる。更に別の実施形態では、異なる抵抗及び/又はつぶれ特性を有する2つ以上の流れ調整器を、直列流路配置の本開示の医療用吸入器又は空気流路に組み込むことができる。このような実施形態は、医療用吸入器の流量対圧力損失特性を調整するためのより高い能力を提供することができる。
流れ調整器アセンブリ
図20は、本開示の一実施形態による流れ調整器アセンブリ(又は「空気流路」又は「空気流路アセンブリ」)630を示す。流れ調整器アセンブリ630は、別個に形成することができ、吸入器と流体連通させることができる又はそうでなければ吸入器に組み込まれ得る、又は本開示の吸入器の一部分を成すことができる。図20に示すように、流れ調整器アセンブリ630は、空気入口615及び空気出口616を含む空気流路614を画定するハウジング635と、空気流路614内に配置された流れ調整器101と、空気流路614内の絞り部623と、を含み得る。ハウジング635は図21により詳細に示され、以下、より詳細に記載される。
流れ調整器101は、空気流路614内の空気流に対する可変(動的)抵抗を提供するように構成することができる。絞り部623は、空気流路614内の空気流に対する固定(静的)抵抗を提供するように構成することができる。絞り部623は、ベンチュリ部(図示されている)、狭い通路(例えば、空気流路614の隣接領域/部分に対して狭い通路)、蛇行路、及びこれらの組み合わせの1つ以上を含み得る。蛇行路は、1つ以上のねじれ、湾曲、又は曲げ(例えば、少なくとも60度の鋭い曲げ)を含み得る。
加えて、いくつかの実施形態では、流れ調整器アセンブリ630は、第1の(空気入口)圧力センサ625と、第2の(空気出口)圧力センサ627と、を更に含み得る。流れ調整器アセンブリ630は、対応する吸入器の物理的寸法に適した寸法(例えば、長さ)のものであり得る。
いくつかの実施形態では、ハウジング635は、吸入器のハウジング内に配置され得る、吸入器のハウジングと流体連通して配置される、及び/又は吸入器のハウジングに結合され得る別個の要素であり得る。加えて又はあるいは、いくつかの実施形態では、ハウジング635が吸入器のハウジングと一体形成されるように、ハウジング635は吸入器のハウジングの一部分を意味し得る。
空気流路614、及び特に、空気入口615は、少なくとも第1の圧力センサ625の感度を向上するような形状とされ得る。第1の圧力センサ625は、第1の導管621によって空気流路614に接続されている。この導管の寸法(例えば、その断面積)は、その長さに沿って望ましい低圧力損失を有することと、導管が主要空気流路614内の空気流に多大な影響を及ぼすほど十分に開放することを回避することとの間で適切なバランスを確保するように選択され得る。いくつかの実施形態では、この導管は、円形断面であり、約2mmの内径及び約15mmの総内部長さを有し得る。
上で述べたように、空気流路614は、空気入口615と空気出口616との間に配置されており、局所空気流により誘発される圧力損失を第1の圧力センサ625において効果的に増幅するベンチュリ管(又はベンチュリ部)を特に形成する、特に絞り部(又は「ベンチュリ絞り部」)623の形態の固定即ち静的抵抗部を更に含み得る。特に、絞り部623は、流れ調整器101の上流側に配置され得る。このような増幅は、より感度の低い圧力センサを使用し、空気流量を特定の精度を持って測定することを可能にすることができる。これにより、アセンブリ630が組み込まれる吸入器の製造コストの抑制を補助する。
ベンチュリ部絞り部623の下流側の、ベンチュリ部絞り部623から離れた位置で、第2の導管629(例えば、いくつかの実施形態では、約2mmの内径及び約9mmの内部長さを有する)によって空気流路614に接続された第2の圧力センサ627を付加することで、空気の流れる方向の特定(即ち、吸入と呼気を区別する)を補助することができる。これにより、リンクした呼吸作動式起動機構(例えば、機械式又は電子式)を、患者が吸入器を通じて吸い込むのではなくむしろ吸入器に息を吹き込んだ場合は動作しないように配置することを可能にする。2つの呼吸モードは、第1のセンサ625及び第2のセンサ627によって検知される異なる相対圧力損失関係により容易に区別される。
いくつかの実施形態では、第1の導管621は、第1の断面積(例えば、平均断面積、又は第1の圧力センサに隣接して位置する第1の導管の領域の断面積)を有し得る。第2の導管629は、第2の断面積(例えば、平均断面積、又は第1の圧力センサに隣接して位置する第1の導管の領域の断面積)を有し得る。空気流路614は、第3の断面積(例えば、平均断面積、又は第1の導管又は第2の導管の領域の断面積)を有し得る。
いくつかの実施形態では、第3の断面積に対する第1の断面積の比率及び/又は第3の断面積に対する第2の断面積の比率は、0.3以下、いくつかの実施形態では、0.25以下、いくつかの実施形態では、0.2以下、いくつかの実施形態では、0.18以下、いくつかの実施形態では、0.16以下、いくつかの実施形態では、0.15以下、いくつかの実施形態では、0.1以下、いくつかの実施形態では、0.08以下、いくつかの実施形態では、0.07以下、及びいくつかの実施形態では、0.05以下であり得る。
本発明者は、いくつかの実施形態では、図20の流れ調整器アセンブリ630を備える吸入器が、20L/分(つぶれる流量より低い)の空気流に対し、約0.8Pa0.5分/Lの総抵抗を付与することができると算出した。これはCOPD又は喘息のいずれの治療用の吸入器にとっても望ましい数値である。数値流体力学(Computational Fluid Dynamics、CFD)は、本明細書中に示される実施形態に適切に変更を加え、寸法形成された別の実施形態を開発するために当業者が使用するのに有用なツールである。
いくつかの実施形態では、吸入器が1つ以上の圧力センサを組み込む場合、吸入器の使用の度に患者の吸入プロファイルを記録することができる。適切な電子構成要素、例えば、メモリデバイス及びデータ送信手段を含めることで、患者の各吸入プロファイルを、将来の分析及び解釈のために、取り込み、記憶し、取り出すことができる。これにより、患者の医師及びその他が、患者が吸入器を適切に使用できるかを監視することを可能にすることができるとともに、適切かつ適時の健康管理アドバイス及び/又は介入が行われることを可能にすることができる。
更に、いくつかの実施形態では、空気流の圧力損失の測定を行い、吸入器が、服用が行われたことを登録すること、及び対応する吸入プロファイルを記録することの両方を可能にすることができる。これにより、患者の医師、患者の健康管理の提供に対し支払いを行っている又は権威者若しくは機関が患者が実際に服用が行われたことを知ることを可能にする。用量の放出を登録する以前の吸入器は、その放出の日付及び時間は記録しても、対応する吸入プロファイルは登録又は記録しておらず、このことは吸入器を「過量放出(dose dumping)」(実際には患者が用量を周囲の空気中等に噴霧することによって単に廃棄している場合であっても患者が医師及びその他を患者が所定の用量を服用しているとの考えへと欺くことができる手法)に対して脆弱にする。こうした手法は、患者が所定の治療計画に従っていないことを医師に話しづらい場合に起こるものとして良く知られている。本開示の実施形態の利用によってこのような手法を検知する能力は、医療従事者が、患者が実際に行っていることを理解するための機会を与え、患者に助言する及び/又はそれに応じて治療計画を変更することを可能にする。
図21は、図20の流れ調整器アセンブリ630を作製するために使用され得る要素又は構成要素の一例を示す。例えば、いくつかの実施形態では、コントローラ632(例えば、プログラマブル回路基板(PCB))は、2つの圧力センサ625、627を含み得る。図20~図21に示すように、流れ調整器101は、管状要素102及び内部支持構造体103を備える。空気流路614は、ハウジング635によって形成され得る。ハウジング635は、例えば、(例えば、管状要素102と内部支持構造体103の結合に関して上述した結合手段のいずれかにより)互いに結合可能なプラスチック射出成形が容易であることから、前部ハウジング633及び後部ハウジング634を含むものとして示される。いくつかの実施形態では、ハウジング635は、2つ以上の長手方向部分によって形成され得る(即ち、例として、図21に示すように)、又は加えて若しくはあるいは、ハウジング635は、長手方向Dに対して、即ち、全般的に空気の流れる方向に対して横断方向に接合された2つ以上の横断方向部分で形成され得る。分離されたハウジング635は、簡略化のため、及び単なる例として示される。しかしながら、アセンブリ630及び空気流路614は、その代わりに、医療用吸入器のハウジングとともに形成(例えば、一体形成)することができ、吸入器は、アセンブリ630の図20~図21に示される要素の全てを含むよう修正することができることは理解すべきである。
種々のパラメータが流れ調整器101及び流れ調整器アセンブリ630の正確なつぶれ空気流量及び調整空気流量に影響する。このようなパラメータの例としては、管状要素102を形成している材料、管状要素材料の直径及び厚み、絞り部623並びに内部支持構造体103の形状及び寸法、並びに温度及び湿度などの環境因子(例えば、管状要素材料に応じた)が挙げられる。当業者であれば、本開示の教示に基づき、本発明の範囲及び趣旨から逸脱することなく、特定用途用の流れ調整器及び空気流路の正確な構成を最適化するために、変化するこれら異なる入カパラメータの効果をどのように試験するかについて理解するであろう。
図22は、本開示の別の実施形態による流れ調整器アセンブリ830を示す。流れ調整器アセンブリ830は、別個に形成することができ、吸入器と流体連通させることができる若しくはそうでなければ吸入器に組み込まれ得る、又は本開示の吸入器の一部分を成すことができる。図22に示すように、流れ調整器アセンブリ830は、空気流路814内に配置された流れ調整器801を含み得る。空気流路814は、空気入口815及び空気出口816を含む。空気流路814は、ハウジング835によって形成され得る。いくつかの実施形態では、ハウジング835は、吸入器のハウジング内に配置され得る、吸入器のハウジングと流体連通して配置される、及び/又は吸入器のハウジングに結合され得る別個の要素であり得る。加えて又はあるいは、いくつかの実施形態では、ハウジング835は、ハウジング835が吸入器のハウジングと一体形成されるように、吸入器のハウジングの一部分を意味し得る。
流れ調整器801は、管状要素802及び内部支持構造体803を含む。図22に単なる例として示すように、いくつかの実施形態では、内部支持構造体803は、中空基部804を含み得る。中空基部804は、管状要素802がハウジング835の一部分(例えば、外壁)の周囲の外側に伸ばされ、ハウジング835の別の部分に対して内側に配置されるように、少なくとも部分的にハウジング835又はその一部分によって形成され得る。このような実施形態では、内部支持構造体803全体は、ハウジング835の一部分と一体形成され得る、又はハウジング835の一部分によって設けられ得る。ハウジング835の一部分は、上述のように、また、吸入器の少なくとも一部分を形成することができる。
図22に更に示されるように、空気流路814は、1つ以上の所望の長手方向の位置に配置された、流れ調整器801の管状要素802が特定の予め定められた位置でつぶれることを促すための1つ以上の内方に突出する突起又は特徴部837を含み得る(例えば、ハウジング835は、1つ以上の内方に突出する突起又は特徴部837を含み得る)。いくつかの実施形態では、1つの又は内方に突出する突起837は、ピンチングスプラインの形態であり得る、又はいくつかの実施形態では、突起(単数又は複数)837は、管状要素802を囲む環状突起を含み得る。突起(単数又は複数)837は管状要素802に機械的ストレスを加えることができる。突起(単数又は複数)837の大きさ及び/又は数を変えることによって、管状要素802がつぶれる流量を制御することができる。加えて又はあるいは、いくつかの実施形態では、管状要素の材料特性を、例えば、管状要素802の特定部分に特定のショア硬さを用いることにより厳密なつぶれの幾何学的形状及び特性を促すよう制御することができる。
突起(単数又は複数)837は、管状要素802の内方に曲がる領域が、例えば、患者が吸入器内に水分を吐き出した場合にハウジング835に付着する傾向を低下させることもできる。
更に、いくつかの実施形態では、図20及び図21に関して上述したように、空気流路814は、絞り部、特に、流れ調整器801の上流側、即ち、空気入口815の方に配置された絞り部を含み得る。絞り部は、隣接する圧力センサ(図示せず)を通り過ぎる局所空気速度を加速するためのベンチュリ部として使用される。このような配置構成は、所与の圧力センサで達成されるものに比べてより精密な圧力測定(及び空気流量測定値の算出)を可能にすることができる。
図23は、本開示の別の実施形態による流れ調整器アセンブリ930を示す。流れ調整器アセンブリ930は別個に形成することができ、吸入器と流体連通させることができる若しくはそうでなければ吸入器に組み込まれ得る、又は本開示の吸入器の一部分を成すことができる。図23に示すように、流れ調整器アセンブリ930は、空気流路914内に配置された流れ調整器901を含み得る。空気流路914は、空気入口915及び空気出口916を含む。空気流路914はハウジング935によって形成され得る。いくつかの実施形態では、ハウジング935は、吸入器のハウジング内に配置され得る、吸入器のハウジングと流体連通して配置される、及び/又は吸入器のハウジングに結合され得る別個の要素であり得る。加えて又はあるいは、いくつかの実施形態では、ハウジング935が吸入器のハウジングと一体形成されるように、ハウジング935は、吸入器のハウジングの一部分を意味し得る。
流れ調整器901は、管状要素902及び内部支持構造体903を含む。図23に単なる例として示すように、いくつかの実施形態では、内部支持構造体903は、中空基部904を含み得る。中空基部904は、管状要素902がハウジング935の一部分の周囲の外側に伸ばされ、ハウジング935の別の部分に対して内側に配置されるように、少なくとも部分的にハウジング935又はその一部分によって形成され得る。示されているように、いくつかの実施形態では、空気流路914は、流れ調整器901の上流側にベンチュリ絞り部923を含み得る。ベンチュリ絞り部923は、既に記載したように、隣接する圧力センサ(図示せず)の感度を高めるために使用され得る。
いくつかの実施形態では、図23に示すように、空気流路914は、流れる空気を流れ調整器901に誘導するために、流れ調整器901が配置されたハウジング935内に直接形成され得る1つ以上の特徴部を含み得る。例えば、図23に示すように、空気流路914は、空気流を流れ調整器901に誘導し、管状要素902の外、外部、側部への空気流を妨げ、したがって、圧力損失のロスを防止し、管状要素902の外部表面の空気の停滞を維持するチャネリングステップ936を含み得る。
図に示される各実施形態は、本開示の流れ調整器及び医療用吸入器の種々の特徴の説明を明確にするために別個の実施形態として説明されている。しかしながら、図に示され、本明細書中に記載される実施形態のいずれの要素及び特徴のあらゆる組み合わせを本開示の流れ調整器及び医療用吸入器に用いることができることは理解すべきである。加えて、図20~図23の流れ調整器アセンブリの特徴のいずれか、又はこれらの組み合わせ、又はこれらの部分的組み合わせを、図15~図19の医療用吸入器のいずれに組み込むことができる。更に、図3~図14の流れ調整器特徴部のいずれか、又はこれらの組み合わせ、又はこれらの部分的組み合わせを、本開示の流れ調整器アセンブリ又は医療用吸入器のいずれに組み込むこともできる。
以下の実施形態は、本開示を例示することが意図され、限定するものではない。
実施形態
流れ調整器実施形態の第1セット
1 医療用吸入器で使用するための流れ調整器アセンブリであって、
ハウジングと、
ハウジングによって画定され、空気入口及び空気出口を含む空気流路と、
空気入口と空気出口との間の空気流路内に配置されており(即ち、ハウジング内に配置されており)、空気流路内の空気流(例えば、実質的に全ての空気流)を目標調整体積流量に調整するための流れ調整器であって、流れ調整器の入口と出口との間の空気の圧力損失に応じて空気流路内の空気流に動的抵抗を与えるように構成されている、流れ調整器と、
空気流路内の絞り部(即ち、空気入口と空気出口との間)であって、空気流路内の空気流に静的抵抗を与えるように構成されており、(i)ハウジング内の、流れ調整器の上流側の位置、及び(ii)ハウジング内の、流れ調整器の下流側の位置、のうちの少なくとも1つに配置されている、絞り部と、
を備える、アセンブリ。
2 可変抵抗と静的抵抗は、0.5kPaの圧力損失において空気流路内の空気流に総第1抵抗Rを与えるように構成され、4kPaの圧力損失において空気流路内に総第2抵抗Rを与えるように構成されており、R/Rの比率は少なくとも1.5である(例えば、所与の体積流量における)、実施形態1に記載のアセンブリ。
3 R/Rの比率が少なくとも2である、実施形態1又は2に記載のアセンブリ。
4 R/Rの比率が3以下である、実施形態1~3のいずれかに記載のアセンブリ。
5 Rは、約1.1~約0.4Pa0.5*分/Lの範囲である、実施形態1~4のいずれかに記載のアセンブリ。
6 Rは、約3.2~約1.0Pa0.5*分/Lの範囲である、実施形態1~5のいずれかに記載のアセンブリ。
7 絞り部は、0.5kPaの、空気流路の空気入口と空気出口との間の圧力損失において、空気流に少なくとも0.4Pa0.5*分/Lの静的抵抗を与えるように構成されている、実施形態1~6のいずれかに記載のアセンブリ。
8 絞り部は、0.5kPaの、空気流路の空気入口と空気出口との間の圧力損失において、空気流に1.2Pa0.5*分/L以下の静的抵抗を与えるように構成されている、実施形態1~7のいずれかに記載のアセンブリ。
9 絞り部は、4kPaの、空気流路の空気入口と空気出口との間の圧力損失において、空気流に対する、少なくとも1Pa0.5*分/Lの総抵抗に寄与するように構成されている、実施形態1~8のいずれかに記載のアセンブリ。
10 絞り部は、4kPaの、空気流路の空気入口と空気出口との間の圧力損失において、空気流に対する、3.2Pa0.5*分/L以下の総抵抗に寄与するように構成されている、実施形態1~9のいずれかに記載のアセンブリ。
11 目標体積流量は少なくとも約25L/分である、実施形態1~10のいずれかに記載のアセンブリ。
12 絞り部は、空気入口と流れ調整器との間の、流れ調整器の上流側に配置されている、実施形態1~11のいずれかに記載のアセンブリ。
13 絞り部は、ベンチュリ部、狭い通路、及び蛇行路のうちの少なくとも1つを含む、実施形態1~12のいずれかに記載のアセンブリ。
14 ハウジング内に形成されており、空気流を流れ調整器に誘導し、空気流路内の空気流が流れ調整器をバイパスすることを妨げるためのチャネリングステップを更に備える、実施形態1~13のいずれかに記載のアセンブリ。
15 流れ調整器の上流側の空気流路内に配置された圧力センサを更に備える、実施形態1~14のいずれかに記載のアセンブリ。
16 絞り部は、空気入口と圧力センサとの間の、圧力センサの上流側に配置されている、実施形態15に記載のアセンブリ。
17 流れ調整器の上流側の空気流路内に配置された第1の圧力センサと、流れ調整器の下流側の空気流路内に配置された第2の圧力センサと、を更に備える、実施形態1~16のいずれかに記載のアセンブリ。
18 絞り部は、空気入口と第1の圧力センサとの間の、空気流路内の第1の圧力センサの上流側に配置されている、実施形態17に記載のアセンブリ。
19 第1の導管内に配置された、流れ調整器の上流側の第1の位置で空気流路に接続された第1の圧力センサと、第2の導管内に配置された、流れ調整器の下流側の第2の位置で空気流路に接続された第2の圧力センサと、を更に備える、実施形態1~18のいずれかに記載のアセンブリ。
20 絞り部は第1の位置の近傍に配置されている、実施形態19に記載のアセンブリ。
21 絞り部は第1の位置の上流側に配置されている、実施形態19に記載のアセンブリ。
22 第1の導管は第1の断面積を有し、第2の導管は第2の断面積を有し、空気流路は第3の断面積を有し、第3の断面積に対する第1の断面積の比率及び第3の断面積に対する第2の断面積の比率はそれぞれ、0.2以下である、実施形態19~21に記載のアセンブリ。
23 空気流路内に配置された少なくとも2つの流れ調整器を含む、実施形態1~22のいずれかに記載のアセンブリ。
24 少なくとも2つの流れ調整器は並列で配置されている、実施形態23に記載のアセンブリ。
25 少なくとも2つの流れ調整器は直列で配置されている、実施形態23に記載のアセンブリ。
26 流れ調整器は、
空気流路の少なくとも一部分を画定する管状要素であって、空気流路内の空気流に応じて内側に曲がるように構成された少なくとも1つの可撓壁を備える、管状要素と、
管状要素内に配置されており、管状要素の少なくとも1つの可撓壁が内側に曲がったとき、管状要素内の空気流路の少なくとも所定の断面積を維持するように構成されている内部支持構造体と、
を含む、実施形態1~25のいずれか一項に記載のアセンブリ。
27. 内部支持構造体は管状要素に比べて剛性であり、管状要素は内部支持構造体に比べて可撓性である、実施形態26に記載のアセンブリ。
28. 管状要素は、つぶれていない状態とつぶれた状態との間で実質的に双安定である、実施形態26又は27に記載のアセンブリ。
29. 内部支持構造体の少なくとも一部分は、ハウジングによって形成されている、実施形態26~28に記載のアセンブリ。
30. ハウジングは、医療用吸入器のハウジングの少なくとも一部分を成す、実施形態1~29のいずれかに記載のアセンブリ。
31. 医療用吸入器のハウジングに結合されるように構成されている、実施形態1~30のいずれかに記載のアセンブリ。
32. 医療用吸入器の空気流路と流体連通した状態で配置されるように構成されている、実施形態1~31のいずれかに記載のアセンブリ。
33. 空気流路の空気入口は医療用吸入器の空気入口である、実施形態1~32のいずれかに記載のアセンブリ。
34. 吸込オリフィス及び吸入オリフィスを含む空気流路と、
吸入器の空気流路と流体連通した状態で配置された、先行する実施形態のいずれかに記載の流れ調整器アセンブリと(例えば、アセンブリが吸入器の吸込オリフィスと吸入オリフィスとの間に配置されるように)、
を備える、医療用吸入器。
流れ調整器実施形態の第2セット
1 医療用吸入器で使用するための流れ調整器アセンブリであって、
ハウジングと、
ハウジングによって画定され、空気入口及び空気出口を含む空気流路と、
空気入口と空気出口との間の空気流路内に配置されており(即ち、ハウジング内に配置されており)、空気流路内の空気流(例えば、実質的に全ての空気流)を目標調整体積流量に調整するための流れ調整器であって、流れ調整器の入口と出口との間の空気の圧力損失に応じて空気流路内の空気流に可変抵抗を与えるように構成されている、流れ調整器と、
流れ調整器の上流側の、空気流路内に配置された(例えば、ハウジング内に配置された)第1の圧力センサと、
流れ調整器の下流側の、空気流路内に配置された(例えば、ハウジング内に配置された)第2の圧力センサと、
を備える、アセンブリ。
2 空気入口と第1の圧力センサとの間の、空気流路内の第1の圧力センサの上流側に配置された絞り部を更に備える、実施形態1に記載のアセンブリ。
3 絞り部は、ベンチュリ部、狭い通路、及び蛇行路のうちの少なくとも1つを含む、実施形態2に記載のアセンブリ。
4 第1の圧力センサは、流れ調整器の上流側の第1の位置で空気流路に接続された第1の導管内に配置されており、第2の圧力センサは、流れ調整器の下流側の第2の位置で空気流路に接続された第2の導管内に配置されている、実施形態1~3のいずれかに記載のアセンブリ。
5 第1の位置の近傍に配置された絞り部を更に備える、実施形態4に記載のアセンブリ。
6 第1の位置の上流側に配置された絞り部を更に備える、実施形態4に記載のアセンブリ。
7 第1の導管は第1の断面積を有し、第2の導管は第2の断面積を有し、空気流路は第3の断面積を有し、第3の断面積に対する第1の断面積の比率及び第3の断面積に対する第2の断面積の比率はそれぞれ、0.2以下である、実施形態4~7に記載のアセンブリ。
8 空気流路内に配置された少なくとも2つの流れ調整器を含む、実施形態1~7のいずれかに記載のアセンブリ。
9 少なくとも2つの流れ調整器は並列で配置されている、実施形態8に記載のアセンブリ。
10 少なくとも2つの流れ調整器は直列で配置されている、実施形態8に記載のアセンブリ。
11 流れ調整器は、
空気流路の少なくとも一部分を画定する管状要素であって、空気流路内の空気流に応じて内側に曲がるように構成された少なくとも1つの可撓壁を備える、管状要素と、
管状要素内に配置されており、管状要素の少なくとも1つの可撓壁が内側に曲がったとき、管状要素内の空気流路の少なくとも所定の断面積を維持するように構成されている内部支持構造体と、
を含む、実施形態1~10のいずれかに記載のアセンブリ。
12 内部支持構造体は管状要素に比べて剛性であり、管状要素は内部支持構造体に比べて可撓性である、実施形態11に記載のアセンブリ。
13 管状要素は、つぶれていない状態とつぶれた状態との間で実質的に双安定である、実施形態11又は12に記載のアセンブリ。
14 内部支持構造体の少なくとも一部分は、ハウジングによって形成されている、実施形態11~13に記載のアセンブリ。
15 ハウジングは、医療用吸入器のハウジングの少なくとも一部分を成す、実施形態1~14のいずれかに記載のアセンブリ。
16 医療用吸入器のハウジングに結合されるように構成されている、実施形態1~15のいずれかに記載のアセンブリ。
17 医療用吸入器の空気流路と流体連通した状態で配置されるように構成されている、実施形態1~16のいずれかに記載のアセンブリ。
18 空気流路の空気入口は医療用吸入器の空気入口である、実施形態1~17のいずれかに記載のアセンブリ。
19 吸込オリフィス及び吸入オリフィスを含む空気流路と、
吸入器の空気流路と流体連通した状態で配置された、先行する実施形態のいずれかに記載の流れ調整器アセンブリと(例えば、アセンブリが吸入器の吸込オリフィスと吸入オリフィスとの間に配置されるように)、
を備える、医療用吸入器。
20 第1の圧力センサ及び第2の圧力センサは、吸息空気流量と流れ調整器アセンブリを通過する方向とを検知するために配置されている、実施形態19に記載の吸入器。
流れ調整器実施形態
1.医療用吸入器で使用するための流れ調整器であって、
空気流路の少なくとも一部分を画定する管状要素であり、空気流路内の空気流に応じて内側に曲がるように構成された少なくとも1つの可撓壁を備える、管状要素と、
管状要素内に配置されており、管状要素の少なくとも1つの可撓壁が内側に曲がったとき、管状要素内の空気流路の少なくとも所定の断面積を維持するように構成されている内部支持構造体と、
を備える、流れ調整器。
2.実質的に線形である、実施形態1に記載の流れ調整器。
3.管状要素は、つぶれていない状態とつぶれた状態との間で実質的に双安定である、実施形態1又は2に記載の流れ調整器。
4.内部支持構造体は管状要素に比べて剛性であり、管状要素は内部支持構造体に比べて可撓性である、実施形態1~3のいずれかに記載の流れ調整器。
5.長手方向を更に含み、管状要素の少なくとも1つの可撓壁は、長手方向に実質的に平行に方向付けられている、実施形態1~4のいずれかに記載の流れ調整器。
6.管状要素は、長手方向に沿って長尺状である、実施形態5に記載の流れ調整器。
7.管状要素の第1端部に配置された空気入口と、
管状要素の第1端部とは反対側の第2端部に配置された空気出口と、
を更に備える、実施形態1~6のいずれかに記載の流れ調整器。
8.楕円形の横断面形状を有する、実施形態1~7のいずれかに記載の流れ調整器。
9.管状要素は楕円形の横断面形状を有する、実施形態1~8のいずれかに記載の流れ調整器。
10.内部支持構造体は外壁を有する基部を有し、管状要素の端部は、内部支持構造体の基部の外壁上に伸びる、実施形態1~9のいずれかに記載の流れ調整器。
11.内部支持構造体の基部の外壁は、楕円形の横断面形状を有する、実施形態10に記載の流れ調整器。
12.内部支持構造体の基部の外壁は円形の横断面形状を有する、実施形態10又は11に記載の流れ調整器。
13.内部支持構造体は少なくとも1つの中空の柱を含み、流れ調整器内の空気流路は、内部支持構造体の外壁と管状要素との間の空間と、少なくとも1つの中空の柱内の空間と、を含む、実施形態1~12のいずれかに記載の流れ調整器。
14.内部支持構造体は略H字形の横断面形状を有する、実施形態1~13のいずれかに記載の流れ調整器。
15.内部支持構造体は略H字形の長手方向断面形状を有する、実施形態1~14のいずれかに記載の流れ調整器。
16.内部支持構造体は、少なくとも1つの、英語の大文字「E」を含む横断面形状を含む、実施形態1~15のいずれかに記載の流れ調整器。
17.内部支持構造体は、B、C、D、E、H、M、N、O、S、V、W、X及びZから選択される英語の大文字の少なくとも1つを含む横断面形状を含む、実施形態1~16のいずれかに記載の流れ調整器。
18.内部支持構造体は、管状要素の実質的に長手方向に沿って方向付けられているとともに管状要素の入口端部から突出している少なくとも1つの柱を含む、実施形態1~17のいずれかに記載の流れ調整器。
19.内部支持構造体は少なくとも1つの中空の柱を含み、少なくとも1つの中空の柱はその中にルーメンを画定する、実施形態1~18のいずれかに記載の流れ調整器。
20.内部支持構造体は少なくとも1つの中実の柱を含む、実施形態1~19のいずれかに記載の流れ調整器。
21.内部支持構造体は、管状要素の長手方向に実質的に平行に方向付けられている2つの柱と、2つの柱を結合するように配置されたクロスメンバーであって、長手方向に対して非ゼロ角度に方向付けられているクロスメンバーと、を含む、実施形態1~20のいずれかに記載の流れ調整器。
22.内部支持構造体は、各柱がその中にルーメンを画定する、管状要素の長手方向に実質的に平行に方向付けられている2つの中空の柱と、2つの中空の柱を結合するように配置された中実クロスメンバーであって、長手方向に対して非ゼロ角度に方向付けられている中実クロスメンバーと、を含む、実施形態1~21のいずれかに記載の流れ調整器。
23.内部支持構造体は、管状要素の長手方向に実質的に平行に方向付けられている2つの中実の柱と、2つの中実の柱を結合するように配置された中実クロスメンバーであって、長手方向に対して非ゼロ角度に方向付けられているクロスメンバーと、を含む、実施形態1~21のいずれかに記載の流れ調整器。
24.内部支持構造体は、クロスメンバーから延びる少なくとも1つの横断突起を含む、実施形態21、22及び23のいずれかに記載の流れ調整器。
25.クロスメンバーは、長手方向に対して実質的に垂直に方向付けられている、実施形態21~24のいずれかに記載の流れ調整器。
26.内部支持構造体は、管状要素の少なくとも1つの可撓壁に対して実質的に直交するように突出している少なくとも1つのリブを含む、実施形態1~25のいずれかに記載の流れ調整器。
27.医療用吸入器の空気流路と流体連通した状態で配置された、先行する実施形態のいずれかに記載の少なくとも1つの流れ調整器を備える医療用吸入器。
28.並列で配置された少なくとも2つの流れ調整器を含む、実施形態27に記載の医療用吸入器。
29.直列で配置された少なくとも2つの流れ調整器を含む、実施形態27又は28に記載の医療用吸入器。
30.薬物を含む容器を受け入れるような寸法にされた管状スリーブ部と、
患者ポートと、
を備えるハウジングと、
空気入口及び空気出口を含む空気流路であって、空気出口は、患者ポートによって画定される、空気流路と、
空気流路内に配置された実施形態1~26のいずれかに記載の流れ調整器と、
を備える、医療用吸入器。
31.加圧噴霧式定量吸入器(pMDI)である、実施形態27~30のいずれかに記載の医療用吸入器。
32.呼吸作動式吸入器、加圧噴霧式定量吸入器(pMDI)、ドライパウダー式吸入器(DPI)、ネブライザー、及びこれらの組み合わせの少なくとも1つである、実施形態27~30のいずれかに記載の医療用吸入器。
33.ハウジングの管状スリーブ部は第1の開端部を含み、ハウジングは、流れ調整器を受け入れるような寸法にされた第2の開端部を更に含む、実施形態30~32のいずれかに記載の医療用吸入器。
34.ハウジングは、第1の開端部を周囲から密閉するように配置されたカバー又はシールを更に含む、実施形態33に記載の医療用吸入器。
35.流れ調整器は専用空気流路内に配置されており、専用空気流路は、周囲に開かれた空気入口と、吸入器の空気流路と流体連通する空気出口と、を含み、流れ調整器は、専用空気流路の空気入口と空気出口との間に配置されている、実施形態27~34のいずれかに記載の医療用吸入器。
36.専用空気流路は、ハウジングと一体形成されている、実施形態35に記載の医療用吸入器。
37.専用空気流路は、患者ポートの反対側の、ハウジングの後部部分に形成されている、実施形態35又は36に記載の医療用吸入器。
38.専用空気流路は、ハウジングの底部部分に形成されている、実施形態35又は36に記載の医療用吸入器。
39.専用空気流路の空気入口は、患者ポートの下に配置されている、実施形態38に記載の医療用吸入器。
40.吸入器内に取り込まれたあらゆる空気が流れ調整器内を移動するように、ハウジングの管状スリーブ部上に配置された、開端部を周囲から密閉するためのカバーを更に備える、実施形態30~39のいずれかに記載の医療用吸入器。
41.容器の外部表面とハウジングの内部表面との間に配置されたスカートシールを更に備える、実施形態30~40のいずれかに記載の医療用吸入器。
42.ハウジングの管状スリーブ部に結合されるように構成された、管状スリーブ部を密閉するためのキャップを更に備え、キャップは空気入口を画定し、流れ調整器を含む、実施形態30~41のいずれかに記載の医療用吸入器。
43.流れ調整器の上流側の空気流路内に配置された圧力センサを更に備える、実施形態27~42のいずれかに記載の医療用吸入器。
44.流れ調整器の上流側の空気流路内に配置された第1の圧力センサと、流れ調整器の下流側の空気流路内に配置された第2の圧力センサと、を更に備える、実施形態27~43のいずれかに記載の医療用吸入器。
45.医療用吸入器で使用するための流れ調整器アセンブリであって、
ハウジングと、
ハウジングによって画定され、空気入口及び空気出口を含む空気流路と、
実施形態1~26のいずれかに記載の流れ調整器であって、空気入口と空気出口との間の、空気流路内に配置されている、流れ調整器と、
を備える、流れ調整器アセンブリ。
46.流れ調整器の上流側に、空気流路と流体連通して配置された第1の圧力センサと、流れ調整器の下流側に、空気流路と流体連通して配置された第2の圧力センサと、を更に備える、実施形態45に記載の流れ調整器アセンブリ。
47.流れ調整器の上流側の空気流路に接続された第1の導管内に配置された第1の圧力センサと、流れ調整器の下流側の空気流路に接続された第2の導管内に配置された第2の圧力センサと、を更に備える、実施形態45又は46に記載の流れ調整器アセンブリ。
48.第1の導管が空気流路に接続している場所の近傍の空気流路内に配置された絞り部を更に備える、実施形態47に記載の空気流路。
49.空気入口と流れ調整器との間に配置された絞り部を更に備える、実施形態45~48のいずれかに記載の空気流路。
50.医療用吸入器を使用する方法であって、
実施形態1~26のいずれかに記載の流れ調整器を備える医療用吸入器を用意することと、
流れ調整器の空気流路内の空気流に応じて吸入器の空気流抵抗を変化させることと、
を含む、方法。
51.医療用吸入器の患者ポートを患者の体腔に挿入することと、流れ調整器の空気流路内に空気流を発生させるために患者ポートを通じて吸入することと、を更に含む、実施形態50に記載の方法。
52.吸入器の空気流抵抗を変化させることは、少なくとも1つの管状壁を内部支持構造体に向かって内側に曲げることを含む、実施形態50又は51に記載の方法。
本発明はその適用が、上述の記載で説明した又は添付の図面に示される構造の詳細及び構成要素の配置構成に限定されるものではないと理解すべきである。本発明は、他の実施形態が可能であり、様々な方法で実施又は実行することができる。また、本明細書において使用される語法及び専門用語は説明を目的としたものであり、限定するものとみなしてはならないことを理解されたい。他の実施形態を利用することもでき、また、構造的又は論理的な変更が、本発明の範囲から逸脱することなくなされ得ることを更に理解されたい。
以下のデータの裏づけのない実施例は本開示の説明を意図しており、限定を意図するものではない。
実施例1-調整流量
図24及び表1は、図20及び図21の流れ調整器アセンブリ630の構成を有し、図3~図8の流れ調整器101を備え、それぞれ30、40及び50L/分の名目流れ調整値を有する流れ調整器アセンブリを通じて患者が吸入する流量範囲の計算値を示す。図24及び表1から、流量の分散はより高い流れ調整器名目調整流量において大きくなることが明らかである。
モデリングのため、各目標調整体積流量(即ち、30L/分、40L/分及び50L/分)の周りで調整流量の正規分布を取る。データが分散している場所より下は、流れ調整器アセンブリの母集団の範囲内において流れ調整器が動作する流量の分布を示す。例えば、目標調整体積流量が30L/分の場合、少数の流れ調整器が約25L/分でつぶれる一方、大多数は目標の30L/分に近い流量で調整され、少数が35L/分に近い流量で調整されると予想される。流れ調整器がつぶれた場合、流れに対する抵抗は大幅に増加し、圧力損失は動的な又は可変抵抗に支配されると想定される。
以下のデータは、種々の流量における圧力損失を、次式を使用してモデリングすることにより算出したものである。
圧力損失(Pa)=((R+D)×F)/1000
式中、R=静的抵抗、Pa0.5(分/L)
D=動的抵抗、Pa0.5(分/L)
F=流量、L/分
流れ調整器アセンブリ630の静的抵抗は、入口損失による抵抗、ベンチュリ抵抗、流れ調整器の抵抗、及び出口損失の組み合わせに基づき、0.83Pa0.5(分/L)と推定した。
Figure 2022054462000002
本発明者は、30L/分の名目調整流量を有するこの構成の流れ調整器に特に優位性を認めた。
実施例2-空気流抵抗
最適化され得る別の重要なパラメータはアセンブリの静的空気流抵抗である。
図20~図21の流れ調整器アセンブリ630の構成を有し、図3~図8の流れ調整器101を備え、0.83Pa0.5(分/L)の静的抵抗及び30L/分の名目調整流量を有する流れ調整器アセンブリを形成した。このような流れ調整器アセンブリの性能は図25の実線により示され、これは、上で記載した実施例1の式を使用して算出されたデータから得たものである。示されるように、この設計の流れ調整器アセンブリは、わずか0.5kPaの圧力損失で吸入する患者が、アセンブリを通じて25L/分で吸入することを可能にする。その対極は、4kPaの圧力損失を生成する患者である。この状況では、吸入流量は流れ調整器の公差に応じて、約25~35L/分に調整される。実線から明らかなように、この設計は、患者肺気量とは無関係に、この約25~35L/分の流量範囲内で全ての薬剤が送達されることを確実とする。これにより、患者間及び患者内の両方における、患者(例えば、COPD患者)の用量の一貫性が大幅に向上する。したがって、全患者がこのような流れ調整器アセンブリから利する。
図25の破線は、アセンブリのより高い静的抵抗(1.0Pa0.5分/L.)の効果を示す。一部の患者、特に、わずか約0.5kPaの圧力損失で吸入する患者は、流れ調整器が動作するのに必要な流量を達成しない。これら患者は流れ調整器から直接利することはない。
図25の点線は、流れ調整器アセンブリのより低い静的抵抗(0.6Pa0.5分/L)の効果を示す。全患者がアセンブリを通じた吸入がより簡単になると考え、一部のより虚弱な患者は調整流量に近い流量を得ることがより簡単になると考える。しかしながら、静的抵抗が低すぎると口及び咽頭内の薬剤沈着の増加に至る可能性があり望ましくないため、低すぎる静的抵抗を避けることも好ましい。
Figure 2022054462000003
これら計算及びこれら事項に基づくと、図3~図8の流れ調整器を備え、30L/分の調整流量を有する図20~図21の流れ調整器アセンブリの理想的な静的抵抗は約0.8Pa0.5分/Lであると考えられる。この抵抗において、事実上全てのCOPD患者及び喘息患者は、約30L/分を超える流量で吸入すると予想される。より高い抵抗(例えば、1.0~1.1Pa0.5分/L)のアセンブリでは、一部のCOPD患者が30L/分の吸入量に到達できない結果となる。
典型的には、COPD患者の95%のみが0.6kPaより大きい吸入圧力損失を生成する。結果として、本開示の流れ調整器を備える流れ調整器アセンブリ(及び/又は吸入器)の提供は、0.5~4.0kPaの吸入圧力損失を生成し得る大部分の喘息患者及びCOPD患者の要求を十分に満たすものである。
上述され、図に示された実施形態は、単に例として示され、本開示の概念及び原理における限定を意図するものではない。このように、要素並びにそれらの構成及び配列における様々な変化が、本開示の趣旨及び範囲から逸脱することなく可能であることは、当業者であれば認識するであろう。
本明細書において引用された全ての参照及び刊行物は、その全体が参照することによって本開示に明確に援用される。
本開示の様々な特徴及び局面は、以下の請求項において述べられる。

Claims (21)

  1. 医療用吸入器で使用するための流れ調整器アセンブリであって、
    ハウジングと、
    前記ハウジングによって画定され、空気入口及び空気出口を含む空気流路と、
    前記空気入口と前記空気出口との間の前記空気流路内に配置されており、前記空気流路内の空気流を目標調整体積流量に調整するための流れ調整器であって、前記流れ調整器の入口と出口との間の空気の圧力損失に応じて前記空気流路内の空気流に動的抵抗を与えるように構成されている、流れ調整器と、
    前記空気流路内の絞り部であって、前記空気流路内の空気流に静的抵抗を与えるように構成されており、(i)前記ハウジング内の、前記流れ調整器の上流側の位置、及び(ii)前記ハウジング内の、前記流れ調整器の下流側の位置、のうちの少なくとも1つに配置されている、絞り部と、
    を備える、アセンブリ。
  2. 前記可変抵抗と前記静的抵抗は、0.5kPaの圧力損失において前記空気流路内の空気流に総第1抵抗Rを与えるように構成され、4kPaの圧力損失において空気流路内に総第2抵抗Rを与えるように構成されており、R/Rの比率は少なくとも1.5である、請求項1に記載のアセンブリ。
  3. /Rの比率は少なくとも2である、請求項1又は2に記載のアセンブリ。
  4. 前記絞り部/(流れ調整器及び前記絞り部)は、0.5kPaの、前記空気流路の前記空気入口と前記空気出口との間の圧力損失において、空気流に少なくとも0.4Pa0.5*分/Lの静的/(総)抵抗を与えるように構成されている、請求項1~3のいずれか一項に記載のアセンブリ。
  5. 前記絞り部は、0.5kPaの、前記空気流路の前記空気入口と前記空気出口との間の圧力損失において、空気流に1.2Pa0.5*分/L以下の静的抵抗を与えるように構成されている、請求項1~4のいずれか一項に記載のアセンブリ。
  6. 前記絞り部は、4kPaの、前記空気流路の前記空気入口と前記空気出口との間の圧力損失において、空気流に対する、少なくとも1Pa0.5*分/Lの総抵抗に寄与するように構成されている、請求項1~5のいずれか一項に記載のアセンブリ。
  7. 前記絞り部は、4kPaの、前記空気流路の前記空気入口と前記空気出口との間の圧力損失において、空気流に対する、3.2Pa0.5*分/L以下の総抵抗に寄与するように構成されている、請求項1~6のいずれか一項に記載のアセンブリ。
  8. 前記目標体積流量は少なくとも約25L/分である、請求項1~7のいずれか一項に記載のアセンブリ。
  9. 前記絞り部は、ベンチュリ部、狭い通路、及び蛇行路のうちの少なくとも1つを含む、請求項1~8のいずれか一項に記載のアセンブリ。
  10. 前記ハウジング内に形成されており、空気流を前記流れ調整器に誘導し、前記空気流路内の空気流が前記流れ調整器をバイパスすることを妨げるためのチャネリングステップを更に備えている、請求項1~9のいずれか一項に記載のアセンブリ。
  11. 前記流れ調整器の上流側の前記空気流路内に配置された圧力センサを更に備えている、請求項1~10のいずれか一項に記載のアセンブリ。
  12. 前記流れ調整器の上流側の前記空気流路内に配置された第1の圧力センサと、前記流れ調整器の下流側の前記空気流路内に配置された第2の圧力センサと、を更に備えている、請求項1~11のいずれか一項に記載のアセンブリ。
  13. 第1の導管内に配置された、前記流れ調整器の上流側の第1の位置で前記空気流路に接続された第1の圧力センサと、第2の導管内に配置された、前記流れ調整器の下流側の第2の位置で前記空気流路に接続された第2の圧力センサと、を更に備えている、請求項1~12のいずれか一項に記載のアセンブリ。
  14. 前記第1の導管は、第1の断面積を有し、前記第2の導管は、第2の断面積を有し、前記空気流路は、第3の断面積を有し、前記第3の断面積に対する前記第1の断面積の比率及び前記第3の断面積に対する前記第2の断面積の比率はそれぞれ、0.2以下である、請求項13に記載のアセンブリ。
  15. 前記流れ調整器は、
    空気流路の少なくとも一部分を画定する管状要素であって、前記空気流路内の空気流に応じて内側に曲がるように構成された少なくとも1つの可撓壁を備える、管状要素と、
    前記管状要素内に配置されており、前記管状要素の前記少なくとも1つの可撓壁が内側に曲がったとき、前記管状要素内の前記空気流路の少なくとも所定の断面積を維持するように構成されている内部支持構造体と、
    を含む、請求項1~14のいずれか一項に記載のアセンブリ。
  16. 前記内部支持構造体は、前記管状要素に比べて剛性であり、前記管状要素は、前記内部支持構造体に比べて可撓性である、請求項15に記載のアセンブリ。
  17. 前記内部支持構造体の少なくとも一部分は、前記ハウジングによって形成されている、請求項15又は16に記載のアセンブリ。
  18. 前記ハウジングは、医療用吸入器のハウジングの少なくとも一部分を成す、請求項1~17のいずれか一項に記載のアセンブリ。
  19. 医療用吸入器のハウジングに結合されるように構成されている、請求項1~18のいずれか一項に記載のアセンブリ。
  20. 医療用吸入器の空気流路と流体連通した状態で配置されるように構成されている、請求項1~19のいずれか一項に記載のアセンブリ。
  21. 吸込オリフィス及び吸入オリフィスを含む空気流路と、
    吸入器の前記空気流路と流体連通した状態で配置された、請求項1~20のいずれか一項に記載の流れ調整器アセンブリと、
    を備える、医療用吸入器。
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