本開示は、概して、流れ調整器(例えば、流れ調整器アセンブリの一部として)と、用量放出噴射システムと、を備える医療用吸入器に関する。本開示の噴射システムは、経口肺吸入器及び鼻吸入器を含む、エアロゾル形態の用量の薬物を気道に送達するための各種吸入器で使用するのに好適であり得る。いくつかの実施形態では、本開示の用量放出噴射システムは患者の吸入に応じて呼吸作動され得る。例えば、いくつかの実施形態では、用量放出噴射システムは、電子的に呼吸作動され得る、機械的に呼吸作動され得る、又はこれらの組み合わせであり得る。
本開示の噴射システムは、用量の薬物を供給するのに十分な力(例えば、pMDIバルブを作動させるのに十分な力)を放出する手段を最小限の入力で提供することができる。このようなシステムは機械的利益をもたらすとされ得る。以下により詳細に記載されるように、本開示の一部の実施形態は角度を成した差込み機構を用いることによりこれを達成し、機械的利益をもたらす。
いくつかの実施形態では、本開示の用量放出噴射システムは、以下を含み得る。
(i)軸線に沿って又は軸線に実質的に平行に延びる軸方向/長手方向を画定する軸線(例えば、長手方向軸線)、
(ii)第1の(長手方向の)位置と第2の(長手方向の)位置との間で軸方向に(即ち、吸入器内。容器の長手方向と位置合わせされている又はこれに平行)可動するプランジャ(又は「容器ホルダ」又は「容器アダプタ」)、
(iii)蓄積エネルギーデバイス内の蓄積エネルギーが放出されると、プランジャを第1の位置から第2の位置へと駆動するように構成されている(及びプランジャに対して配置されている)蓄積エネルギーデバイス。蓄積エネルギーが放出されていない(即ち、蓄積されている)とき、噴射システムは準備状態にあり、特に、解放されることが阻止され、蓄積エネルギーが放出されるとき、噴射システムは噴射状態にある、
(iv)案内路(「凹部」、「カム路」又は「カムガイド」とも称され得る)。案内路の少なくとも一部分は螺旋形状を有し、案内路は、軸線に対し、ゼロよりも大きい第1の螺旋角を有する第1の(例えば、上部)部分(即ち、第1部分は案内路の螺旋部分である)と、軸線に対し第2の螺旋角を有する第2の(例えば、下部)部分と、を有し、第2の螺旋角は第1の螺旋角よりも小さい、並びに
(v)案内路内に受け入れられるような寸法にされた突起。蓄積エネルギーデバイスが、プランジャを、第1の位置と第2の位置との間で(即ち、少なくとも部分的に、突起が案内路の第2部分内を移動する際)可動する(即ち、軸方向に)ように駆動する(即ち、蓄積エネルギーが蓄積エネルギーデバイスから放出されることによって)と、突起が、案内路に沿ってカム動作するように構成されるように、突起は、案内路内で、プランジャの第1の位置に対応する第1の位置と、プランジャの第2の位置に対応する第2の位置との間で動くことができる。
(vi)案内路又は突起は、プランジャに固定的に結合されている。(いくつかの実施形態では、案内路又は突起は、プランジャと一体形成され得る。)
このような実施形態の案内路と突起はともに、差込み干渉部又は機構を提供することができ、特に、案内路の第1部分の点から考えると、角度を成した差込み機構を提供することができる。案内路は、特に、軸線の周りの回転運動をより軸方向(例えば、直線)の運動に(即ち、軸線に沿って若しくは軸線に平行に方向付けられた方向、又は軸線に少なくともより沿った若しくはより平行な方向に)伝達する又は変換するように構成され得る。
いくつかの実施形態では、本開示の噴射システムは、以下の間で可動するができるラッチを更に含み得る。
(i)案内路と突起が互いに対して動くことを阻止するために、ラッチが案内路及び突起のうちの少なくとも1つに結合されており、蓄積エネルギーデバイスの蓄積エネルギーは放出されず、噴射システムは準備状態にある、第1の(即ち、ラッチがかけられた)位置、並びに
(ii)案内路と突起が互いに対して自由に動くように、ラッチが案内路及び突起から分離され(即ち、解放され)、蓄積エネルギーデバイスの蓄積エネルギーは放出され、噴射システムは噴射状態に自由に変化する、第2の(即ち、解除される)位置。
いくつかの実施形態では、本開示の噴射システムは、トリガー(又は「トリガーシステム」又は「作動機構」)を更に含み得る。トリガーは、ラッチに動作可能に結合されており、第1の状態と第2の状態との間で変化して、ラッチを、それぞれ第1の位置と第2の位置との間で移動させる(即ち、噴射システムを噴射させることを可能にする)ように構成されている。以下でより詳細に記載されるように、本開示のシステムでは種々の種類のトリガーを用いることができる。
本開示の噴射システムは、電子的に起動される呼吸作動式pMDIで使用するのに特に好適であるが、ドライパウダー式吸入器又はネブライザーに組み込むこともできる。
本開示の噴射システム及び流れ調整器は、加圧噴霧式定量吸入器(pMDI)(例えば、プレスアンドブリーズpMDI、機械式(即ち、機械的に起動される)呼吸作動式pMDI、電子式(即ち、電子的に起動される)呼吸作動式pMDI、又はこれらの組み合わせ);ドライパウダー式吸入器(例えば、単回投与(例えば、カプセル)DPI、複数回投与(例えば、テープ式又はリザーバ式)DPI、又はこれらの組み合わせ);ネブライザー(例えば、ポケットネブライザー);又はこれらの組み合わせのうちの1つ以上が挙げられるが、これらに限定されない種々の吸入器で使用するのに好適である。
英国特許第2266466号では、修正を加えて本開示の噴射システム及び流れ調整器に組み込むことができる、例示的な電子的に起動される呼吸作動式pMDIを開示している。PCT国際公開第2015/34709号は、修正を加えて本開示の噴射システム及び流れ調整器に組み込むことができる例示的なDPIを開示している。PCT国際公開第WO92/12799号は、修正を加えて本開示の噴射システム及び流れ調整器に組み込むことができる例示的なポケットネブライザーを開示している。本開示の噴射システム及び流れ調整器は、英国特許第2266466号、PCT国際公開第WO2015/34709号、PCT国際公開第WO92/12799号(これらはそれぞれ、内容全体が参照により本明細書中に組み込まれる)又はこれらの組み合わせで開示されている吸入器のいずれにも使用することができる。
本開示の噴射システムの一部の実施形態は、pMDI吸入器における患者の吸入の検知に応じてpMDI容器エアロゾル用量供給機構を動作させるために、相当量の蓄積エネルギー(例えば、ばねなどの蓄積エネルギーデバイスに蓄積された)を放出する手段を提供することができる。
本開示の噴射システムは、吸入と手動による投与作動(manual dose actuation)との協調の必要性を低下させることを目的とした嵩張るスペーサデバイスの必要を排除することができる。流量のデータ記録並びに他の吸入器使用イベント及びデータと併せて使用される場合、本開示の噴射システムは、医師による慢性疾患の患者の監視も向上させることができる。
いくつかの実施形態では、本開示の医療用吸入器は、静的空気流抵抗及び動的空気流抵抗(例えば、生じた圧力損失に応じて変化する)を含む流れ調整器アセンブリを含み得る。いくつかの実施形態では、本開示の流れ調整器アセンブリは、動的空気流抵抗をもたらすための流れ調整器と、静的空気流抵抗をもたらすための1つ以上の絞り部と、を含み得る。
本開示の流れ調整器は、その入口とその出口との間の圧力損失に応じて、その幾何学的形状、ゆえにその空気流に対する抵抗を変化するように適合され得る。本開示の流れ調整器は、したがって、患者間及び患者内の吸入のばらつきを低減し、肺内のより再現可能なレベルの薬剤沈着をもたらすために、医療用吸入器内における空気流量(即ち、体積流量)を調整する手段を提供する。このような流れ調整器は、流れ調整器アセンブリ及び/又は医療用吸入器の空気流路内の空気流に対する可変(動的)抵抗を提供することができる。
本開示の1つ以上の流れ調整器を組み込んだ吸入器を使用することで、呼吸性の又はその他の吸入治療される疾患の患者に対し顕著な利益をもたらすことができる。使用及び結果の一貫性のほかに、本開示の流れ調整器は、そのような協調の必要性を低下することを目的とした嵩張るスペーサデバイスの必要を排除することができる。流量のデータ記録並びに他の吸入器使用イベント及びデータと併せて使用される場合、本開示の流れ調整器は、医師による慢性疾患の患者の監視も向上させることができる。流れ調整器アセンブリ及び/又は医療用吸入器内に本開示の2つ以上の流れ調整器が用いられる場合、流れ調整器は並列又は直列で配置することができる。
いくつかの実施形態では、本開示の流れ調整器は、(i)管状要素内に空気流路の少なくとも一部分を画定する管状要素であって、空気流路内の空気流に応じて内側に曲がる(又はつぶれる)ように構成されている1つ以上の可撓壁を備える、管状要素と、(ii)管状要素内に配置されており、管状要素の1つ以上の可撓壁が内側に曲がる(又はつぶれる)と、管状要素内の空気流路の少なくとも所定の断面積を維持するように構成されている(例えば、形状にされている、寸法にされている、配置されている、及び所望の材料特性を有する)内部支持構造体と、を含み得る。その結果、空気流路の断面積の一部は、空気及び放出された薬物の継続的な吸入を可能にするために、管状要素がつぶれているときでも開いたままとなる。「管状要素内の空気流路の所定の断面積」は、内部支持構造体を通過する空気流路の一部分(例えば、内部支持構造体が1つ以上の中空部分又は構成要素を含む場合)、及び管状要素と内部支持構造体との間の空間の断面積を含み得る。管状要素の可撓壁の材料組成は、また、管状要素と内部支持構造体との間の所望の断面積を実現するように選択され得る。
いくつかの実施形態では、所定の断面積の計算は、調整要件を満たすために必要な流れ抵抗に基づき得る。例えば、以下の式を変形して「A」を求める。
R=sqrt[0.5*ρ*(f*l/d+k)]/A
(式中、
A=断面積(例えば、m2)
ρ=空気密度(例えば、kg/m3)
f=摩擦係数(無次元)
l=流れの向きにおける壁の長さ(例えば、m)
d=チューブの直径(例えば、m)
k=特異な損失係数(無次元)
R=流れ抵抗(例えば、Pa0.5*分/L)
所定の断面積の維持を確実にすることは、管状要素が断面積が所定の断面積よりも小さくなる地点までつぶれることを物理的に阻止する内部支持構造体の使用によって達成することができ、また、管状要素の可撓壁の材料組成の適切な選択を含んでもよい。
低吸入流量では、患者は空気流に対する低又は中程度の静的抵抗を受けるが、流れ調整器内の吸入流量が特定の流量を超えた場合、管状要素は部分的につぶれ、そうすることで、空気流に対して更なる抵抗を課す。吸入器は、低又は中抵抗吸入器から高抵抗吸入器へと変化する。つまり、流れ調整器は、流れ調整器を備えるアセンブリ及び/又は流れ調整器(若しくは流れ調整器アセンブリ)を備える吸入器に対し可変抵抗を与える。
本願発明者は、患者が特定の(例えば、目的)流量で吸入することをより容易にするためには、静的中抵抗と高可変抵抗との組み合わせを有することが望ましい場合があることを見いだした。入口、出口、1つ以上の絞り部、流れ調整器、空気流路の他の幾何学的特徴部、又はこれらの組み合わせなど、流れ調整器アセンブリ(又は吸入器)の静的抵抗に寄与するものがいくつかあり得る。図20~図23に関して以下でより詳細に記載されるように、このような絞り部は、ベンチュリ部、狭い通路、蛇行路、又はこれらの組み合わせを含み得る。絞り部は、アセンブリ(又は吸入器)に所望の量の静的抵抗を付加するために使用することができ、流れ調整器とは別個かつ独立したものであり得る。例えば、絞り部が流れ調整器の外部にありかつ別個のものであるように、即ち、流れ調整器に加えて、既知の静的抵抗を与えるために、絞り部は、(i)ハウジング内の、流れ調整器の上流側の位置に、及び/又は(ii)ハウジング内の、流れ調整器の下流側の位置に配置され得る。
本願発明者は、重要なことは、より虚弱な(例えば、COPD)患者の大部分が流れ調整器アセンブリ(又は流れ調整器アセンブリ又は流れ調整器を備える吸入器)を使用することができ、吸入流量の患者間及び患者内のばらつきは最小限であるような、本開示の流れ調整器を備える流れ調整器アセンブリ(又は吸入器)の静的抵抗と可変抵抗の平衡であることを認識した。例えば、上記「発明の概要」で述べたように、空気流抵抗は、以下の式に従い算出することができる。
R=PD0.5/FR
(式中、
R=空気流抵抗(例えば、Pa0.5*(分/L)
PD=圧力損失(例えば、Pa)
FR=体積空気流量(例えば、L/分)
特に、本願発明者は、低圧力損失(例えば、0.5kPa)において、適切に平衡した静的空気流抵抗と動的空気流抵抗を有する流れ調整器アセンブリ(又は吸入器)は、流れ調整器を備えるアセンブリ(又は吸入器)の静的抵抗に基づく第1の総空気流抵抗R1を呈し得ることを見いだした。より高い圧力損失(例えば、4kPa)において、流れ調整器アセンブリ(又は吸入器)は、主として流れ調整器によってもたらされる比較的大きな動的抵抗に基づく第2の空気流抵抗R2を呈し得る。その結果、静的抵抗と動的抵抗の平衡は、低圧力損失及び高圧力損失の両方において、ある範囲の圧力損失にわたり目標調整流量を達成するための適切な総空気流抵抗を呈し得る。
いくつかの実施形態では、流れ調整器を備える(及び任意選択的に、所望のレベルの静的抵抗を導入するための絞り部を更に備える)流れ調整器アセンブリ(又は吸入器)のR2/R1の比率(例えば、所与の体積流量における、又は目標調整体積流量を達成するための)は、少なくとも1.2、いくつかの実施形態では、少なくとも1.3、いくつかの実施形態では、少なくとも1.5、及びいくつかの実施形態では、少なくとも2であり得る。いくつかの実施形態では、R2/R1の比率(例えば、所与の体積流量における、又は目標調整体積流量を達成するための)は、3以下、いくつかの実施形態では、2.9以下、いくつかの実施形態では、2.8以下、いくつかの実施形態では、2.7以下、いくつかの実施形態では、2.5以下、及びいくつかの実施形態では、2以下であり得る。
いくつかの実施形態では、流れ調整器を備える流れ調整器アセンブリ(又は吸入器)は、0.5kPaの圧力損失(即ち、アセンブリ(又は吸入器)の空気流路の空気入口と空気出口との間の)において、少なくとも0.4Pa0.5分*/Lの空気流に対する総抵抗(例えば、R1)をもたらすことができる。いくつかの実施形態では、空気流に対する総抵抗は、0.5kPaにおいて少なくとも0.5Pa0.5分*/L、いくつかの実施形態では、0.5kPaにおいて少なくとも0.6Pa0.5*分/Lであり得る。いくつかの実施形態では、総抵抗は、0.5kPaにおいて1.2Pa0.5*分/L以下、いくつかの実施形態では、0.5kPaにおいて1.1Pa0.5*分/L以下、いくつかの実施形態では、0.5kPaにおいて1.0Pa0.5*分/L以下、いくつかの実施形態では、0.5kPaにおいて0.8Pa0.5*分/L以下、及びいくつかの実施形態では、0.5kPaにおいて0.7Pa0.5*分/L以下であり得る。
いくつかの実施形態では、総抵抗(例えば、R2)は、4kPaにおいて少なくとも1Pa0.5*分/L、いくつかの実施形態では、4kPaにおいて少なくとも1.1Pa0.5*分/L、いくつかの実施形態では、4kPaにおいて少なくとも1.2Pa0.5*分/L、及びいくつかの実施形態では、4kPaにおいて少なくとも1.5Pa0.5*分/Lであり得る。いくつかの実施形態では、総抵抗は、4kPaにおいて3.2Pa0.5*分/L以下、いくつかの実施形態では、4kPaにおいて3Pa0.5*分/L以下、いくつかの実施形態では、4kPaにおいて2.5Pa0.5*分/L以下、いくつかの実施形態では、4kPaにおいて2.2Pa0.5*分/L以下、いくつかの実施形態では、4kPaにおいて2.0Pa0.5*分/L以下、及びいくつかの実施形態では、4kPaにおいて1.8Pa0.5*分/L以下であり得る。
いくつかの実施形態では、低圧力損失(例えば、0.5kPa)における空気流に対する総抵抗R1は、約1.1~約0.4Pa0.5*分/Lの範囲であり得る(例えば、約20L/分~約60L/分の範囲の調整流量を達するための)、及びいくつかの実施形態では、約0.8~約0.6Pa0.5*分/Lの範囲であり得る、及びいくつかの実施形態では、約0.7~約0.5Pa0.5*分/Lの範囲であり得る。
いくつかの実施形態では、高圧力損失(例えば、4kPa)における空気流に対する総抵抗R2は、約3.2~約1.0Pa0.5*分/Lの範囲であり得る(例えば、約20L/分~約60L/分の範囲の調整流量を達するための)、及びいくつかの実施形態では、約2.5~約1.5Pa0.5*分/Lの範囲であり得る、及びいくつかの実施形態では、約2.3~約1.8Pa0.5*分/Lの範囲であり得る。
いくつかの実施形態では、本開示の医療用吸入器は、吸息空気流検知(又は「吸息流量検知システム」又は「空気流検知システム」又は「流量検知システム」又はそれらの派生語)及び/又は測定システムを含み得る。いくつかの実施形態では、このような検知システムは、吸入器内に配置されており、吸息空気流量を検知することを可能にするように構成された少なくとも1つの圧力センサを含み得る。例えば、少なくとも1つの圧力センサは、医療用吸入器の空気流路内の流れ調整器の上流側に配置され得る。いくつかの実施形態では、このような検知システムは、(i)流れ調整器の上流側に、空気流路と流体連通して配置された圧力センサと、(ii)空気流路内の、圧力センサが空気流路と流体連通している場所の近傍に配置されたベンチュリ絞り部と、を含み得る。このようなベンチュリ絞り部は、局所空気速度を加速して圧力センサの感度を高め、より感度が低く、より低コストのセンサを用いることを可能にすることができる。このような検知システムは、空気の流れる方向を特定することができるように、即ち、吸入と呼気との間で区別するために、流れ調整器の下流側に、空気流路と流体連通して配置された第2の圧力センサを更に含み得る。
本開示の一部の実施形態は、流れ調整器と、呼吸作動機構と、吸息空気流検知システムと、を備える医療用吸入器を提供する。
本開示のいくつかの実施形態では、呼吸作動システムは、電子的に起動される呼吸作動システムであり得る。例えば、1つ以上の圧力センサは、規定のアルゴリズムに従い用量放出を起動するために用いられる電気信号を提供することができる。用量放出システムは、電子システムのアルゴリズムによって起動される機械式システムであってもよい。任意選択的に、電子システムは、長期にわたる治療期間の総コストを削減するために再利用可能モジュール内に収容されてもよい。
一部の噴射システム(例えば、本開示の流れ調整器と併せて使用され得る)は、吸入の開始と薬剤が放出される時間との間にわずかな時間遅延を生じさせることができる。望ましくは、薬剤放出は吸入開始の0.5秒以内に行われる。典型的なCOPD患者は、約1.5Lの一回換気肺気量を有する。吸入流量が流れ調整器によって約30L/分に制限された場合、吸入の時間は約3~4秒に延びると予想される。実際には、COPD患者は乏しい肺機能のせいでこれほど長くは吸入することができないだろうが、薬剤を肺に送るための十分な時間はあると予想される。
本開示の一部の実施形態は、ヒト患者の肺状態の治療法を提供する。当該方法は、(i)上述の管状要素及び内部支持構造体を備える流れ調整器を組み込んだ医療用吸入器を用意することと、(ii)医療用吸入器の患者ポートを体腔(例えば、口又は鼻)に挿入することと、(iii)吸入中に医療用吸入器を作動させることと、を含む。
いくつかの実施形態では、本開示は、医療用吸入器を使用する又は肺状態を治療する方法を提供することができる。当該方法は、医療用吸入器の空気流路内に本開示の流れ調整器を設けることと、流れ調整器の空気流路内の空気流に応じて吸入器の空気流抵抗を変化させることと、を含み得る。当該方法は、体腔に患者ポートを挿入することと、流れ調整器の空気流路内に空気流を発生させるために患者ポートを通じて吸入することと、を更に含み得る。吸入器の空気流抵抗を変化させることは、流れ調整器の管状要素の1つ以上の管状壁を、管状要素内に配置された内部支持構造体に向かって内側に曲げることを含み得る。内部支持構造体は、1つ以上の管状壁が内側に曲がるとき、管状要素内の空気流路の少なくとも所定の断面積を維持するように構成されている。
定義
用語「a」、「an」、及び「the」は、「少なくとも1つの」と互換的に使用され、記載される要素のうちの1つ以上を意味する。
「及び/又は(and/or)」という用語は、一方又は両方を意味する。例えば「A及び/又はB」は、Aのみ、Bのみ、又はAとBの両方を意味する。
用語「含む(including)」、「備える/含む(comprising)」又は「有する(having)」及びこれらの変化形は、それらの後に記載される物品及びそれらの均等物並びに付加的な物品を包含するものである。
別段の指定又は制限のない限り、用語「接続される(connected)」及び「結合される(coupled)」並びにこれらの変化形は広く使用され、直接及び間接接続並びに結合の両方を含む。更に、「接続される」及び「結合される」とは、物理的又は機械的な接続又は結合に制限されない。
用語「可撓性のある(flexible)」は、その典型的な動作モードにおいて材料及び/又は構造に存在する気圧差に応じて、つぶれる若しくは大幅に変形する材料及び/又は構造を指すために用いられる。用語「剛性のある(rigid)」は、その典型的な動作モードにおいて受ける力下でつぶれない若しくは大きく変形しない材料及び/又は構造を指すために用いられる。例えば、本開示の噴射システムと併せて使用され得る流れ調整器の管状要素はその通常動作時、概ね可撓性でありかつ変形可能である一方、このような流れ調整器の内部支持構造体はその通常動作時、概ね剛性である又は変形不可能である。
用語「管状」は、開放通路を画定する1つ以上の壁を内部に有する中空構造を指すために使用される。いくつかの実施形態では、用語「管状」は、より具体的に、長尺状の中空構造を指す場合がある。本開示の管状構造は、任意の所望の断面形状(即ち、管状構造の長手方向軸線に対して実質的に直交するように取られた横断面形状)を有し得る。断面形状としては、円形、楕円形又は長円形(即ち、長軸及び短軸を有する)、三角形、矩形、正方形、台形、多角形、星形、D字形、他の適切な断面形状、又はこれらの組み合わせの1つ以上が挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、本開示の管状構造は円形の断面形状を有し得る。
用語「非力学的エネルギー」は、概して、力学的エネルギーでないあらゆるエネルギーの種類を意味し、いくつかの実施形態では、熱エネルギー、電流エネルギー、電界エネルギー、磁界エネルギー、及びこれらの組み合わせの少なくとも1つが挙げられ得るが、これらに限定されない。
本明細書で使用する場合、用語「環状」又はその派生語は、内縁部が開口を画定するように、外縁部及び内縁部を有する構造を意味し得る。例えば、環状構造は、円形若しくは丸みのある形状(例えば、円環)又は任意の他の適切な形状を有し得る。任意の他の適切な形状としては、三角形、矩形、正方形、台形、多角形等、又はこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。更に、本発明の「円環」は対称である必要は必ずしもなく、むしろ、非対称又は不規則な形状とすることができる。しかしながら、対称な形状及び/又は円形形状では特定の優位性が可能となり得る。
本開示は、特定の実施形態に関して、特定の図面を参照して記載されるが、本発明はそれらに限定されるものではない。上記の図面は、概略的であり、限定するものではない。図面において、要素のいくつかの大きさは説明のためであり、誇張され、一定の縮尺で描かれていない場合がある。可能な場合、異なる実施形態における類似の特徴は、全般的に、類似の番号(例えば、130、230、330、又は1100、1200等)で示されている。
図1は、本開示の一実施形態による吸入器100を示す。吸入器100は、本開示の一実施形態によるトリガー(又はトリガーシステム)130を備える、本開示の一実施形態による用量放出噴射システム101を含む。吸入器100は、単なる例として、本開示の一実施形態による流れ調整器140と、本開示の一実施形態による吸息空気流検知システム150(又は「吸息流量検知システム」又は「空気流検知システム」又は「流量検知システム」又はその派生語)と、を含むものとして更に示されている。しかしながら、吸入器又は本開示は、流れ調整器又は吸入空気流検知システムを含む必要はないことを理解すべきである。
図2~図15は、噴射システム101の種々の詳細を示す。図16~図19は、本開示の噴射システムとともに用いることができるトリガーの他の実施形態を示す。図20は、噴射システムと薬物容器との間に配置されたアダプタを備える本開示の医療用吸入器の別の実施形態を示す。
噴射システム101の詳細を参照する前に、全体的な機能及び図1の吸入器100の種々の構成要素についてここで記載する。
図1に示すように、吸入器100は、単なる例として、医薬製剤を含む容器51を備える加圧噴霧式定量吸入器(pMDI)として示されており、容器は、メータリングバルブ54で密閉された缶53を備える。容器51はハウジング(又は「アクチュエータ」)55内に位置している。ハウジング(又は「アクチュエータ」)55は、容器51を受け入れるような寸法にされた管状スリーブ部56と、吸気オリフィス(又は空気出口)45を画定するマウスピースの形態の開放管状患者ポート57の形態の部分と、を備える。吸入器のこのような患者ポートは、本明細書中では簡略化のため「マウスピース」と呼ばれる場合がある。しかしながら、こうしたマウスピースは、その代わり、鼻吸入器のノーズピースであるように構成することができ、本開示は、本明細書中に特に言及されていない場合であっても鼻吸入器に等しく適用できることは理解すべきである。
ステム部58はメータリングバルブ54から突出しており、単なる例として、ハウジング55の一体部品として形成されたステムソケット59内に配置され、摩擦によって保持されている。図1に示すように、ステムソケット59内に噴霧オリフィス60を形成することができ、バルブステム部58と吸気オリフィス45との間に流体連通のための通路を設けることができる。使用時、患者は患者ポート(例えば、マウスピース)57を体腔(例えば、口)に入れ、その後、患者ポート(例えば、マウスピース)57を通じて吸入することができる。しかしながら、鼻用pMDIの場合、必ずしも吸入する必要はない。
いくつかの実施形態では、プレスアンドブリーズpMDIを用いることで、患者は、容器51の突出基部を下方に押すと同時に患者ポート57を通じて吸入することができる。このような実施形態では、押す力が、容器51をバルブのステム部58に対して下方に動かす役割を果たす。容器51とバルブのステム部58との間のこの相対運動は、容器バルブ54を、容器51内のバルク製剤から定量の医薬製剤を分離するように作動し、その後、ステム部58内に形成された中空ボア48を通じて定量の医薬製剤を排出する役割を果たす。排出された用量は、その後、ステムソケット59及び噴霧オリフィス60内の流体通路に沿って通り、微細な呼吸用スプレーの形態で出て、患者ポート57を通過して患者の体腔(例えば、口腔及び/又は鼻腔)に入り、そこから患者の気道に入り、それによって患者の疾患を治療する。
患者が患者ポート57において吸入すると、即ち、患者が自身の胸壁の外方運動及び自身の横隔膜の下方運動により自身の気道及び口腔並びに患者ポート57内の気圧を低下させると、吸入器100内の空気流が調整される。吸入器の外部の大気、即ち、環境からの空気は、吸入器100の空気流路46を通じて吸入器100へと引かれる。
いくつかの実施形態では、図1に示すように、呼吸作動式pMDI、及び特に、電子(又は電子的に起動される)呼吸作動式pMDIを用いることで、吸入器100は、吸息空気流検知システム150と併せて噴射システム101(例えば、呼吸作動式噴射システム101)を更に含むことができる。このような実施形態では、噴射システム101は、用量の薬物を放出する(即ち、供給する)ために容器バルブ54を作動させるための、即ち、容器51をバルブのステム部58に対して下方に動かすための十分な力を与えることができる。
いくつかの実施形態では、吸息空気流検知システム150は、コントローラ151と、1つ以上の圧力センサ152a、152bと、を含むことができる。1つ以上の圧力センサ152a、152bは、トリガー130を作動して用量放出噴射システム101を起動し、規定のアルゴリズムに従い用量の薬物を放出するために使用される電気信号を提供する。任意選択的に、吸息空気流検知システム150及び/又は電気信号発生システムは、長期にわたる治療期間の総コストを削減するために、再利用可能モジュール内に収容されてもよい。
概して、コントローラ151は、例えば、プログラマブルロジックコントローラ(「PLC」)、プログラマブル回路基板(「PCB」)、マイクロプロセッサ及び/又は他の適切なデバイス若しくは構造などの適切な電子デバイスであり得る。したがって、コントローラ151は、ハードウェア構成要素及びソフトウェア構成要素の両方を含んでもよく、用語「コントローラ」は、このような構成要素の組み合わせを広く包含するものである。
いくつかの実施形態では、呼吸作動式吸入器デバイスが誤って動作し得るというリスク、又は呼吸作動式吸入器デバイスが薬物を、適切な治療効果には低すぎる吸入量で送達するというリスクを回避するために、噴射システム101が起動される吸息流量(即ち、体積流量)が低く設定され過ぎないことが重要であり得る。噴射システム101の起動流量は、吸入が弱い患者(例えば、虚弱なCOPD患者)が起動流量に達することができないほど高く設定されないことも重要であり得る。
更に、単なる例として示されるように、いくつかの実施形態では、吸入器100は、噴射システム101と併せて流れ調整器140を更に含み得る。流れ調整器140は、空気流量を、低い差圧で得られる値により一致する値に制限して、吸入器100の患者間及び患者内の吸入のばらつきを低減するために、高い差圧では空気流抵抗を増加させる一方、低い差圧では相当の空気流量を可能にすることができる。
いくつかの実施形態では、用量放出噴射システム101は、噴射システム101が起動されて、流れ調整器140の調整流量よりも小さい起動流量、即ち、吸息空気流量において用量の薬物を放出するように、吸息空気流検知システム150によって制御され得る。つまり、流れ調整器140は、吸入器100内の空気流量を所望の空気流量に調整するように構成することができ、(即ち、流れ調整器140はそれが受ける圧力損失に応じてその幾何学的形状を変化することができる)、噴射システム101の起動流量は調整流量より低くなるように設定され得る。その結果、流れ調整器140及び噴射システム101が同一吸入器100において併用される場合、噴射システム101は、流れ調整器140によって阻止されない空気流量で適切に起動され得る。
換言すると、起動流量に達することを調整空気流量が妨げないためには、噴射システム101の起動流量は調整空気流量未満である必要がある。例えば、いくつかの実施形態では、吸入器100の(例えば、噴射システム101の)目標起動流量は、15リットル/分(L/分)であり得る。目標調整流量は30L/分であり得る。製造公差は、吸入器100がその調整流量より大幅に小さい実際の起動流量を有するように維持され得る。実際には、実施例の段落で図39及び図40を参照して記載される通り、「目標調整流量」は、目標調整流量が実際に流量の目標範囲であり得るように、様々な流量を実際に含んでもよい。温度及び大気圧などの環境因子は、実際に得られる値の範囲を広くする傾向があるが、それでも、実際の起動流量は、例えば、10L/分~20L/分で変動する可能性がある。実際の調整流量は、例えば、25L/分~35L/分で変動する可能性がある。
単なる例として、流れ調整器140は、少なくとも1つの可撓壁1140と、管状要素1102内に(即ち、少なくとも1つの可撓壁1140内に)受け入れられるような寸法にされた内部支持構造体1103と、を備える外部可撓性管状要素(又は「チューブ」)1102を含むものとして示される。いくつかの実施形態では、内部支持構造体1103は、中空基部1104と、2つの中空(例えば、管状)柱1105(図1ではその1つのみを見ることができる)と、柱1105を連結するクロスメンバー1106と、を含み得る。つぶれることが可能な管状要素1102と、管状要素1102内に少なくとも部分的に配置された内部支持構造体1103とによって、流れ調整器140は、その入口とその出口との間の圧力損失に応じて、その幾何学的形状を変え、及びそれによりその空気流に対する抵抗を変えることによって、空気流を調整するように構成されている。
本開示の吸入器において本開示の噴射システムと併せて用いられ得る流れ調整器に関する更なる詳細は、「Flow governors for use in medicinal inhalers」という名称の米国特許仮出願第62/270064号、及び「Flow governor assemblies for use in medicinal inhalers」という名称の米国特許仮出願第62/270076号(このそれぞれの全体は参照により本明細書中に組み込まれる)に見ることができる。図1に示される特定の流れ調整器140は単なる例として示され、以下、図22~図27に関してより詳細に記載される。本開示の範囲及び趣旨から逸脱することなく、他の流れ調整器を、本開示の吸入器において本開示の噴射システムと併せて用いることができることは理解すべきである。
流れ調整器140は、吸入器100の空気流路46と流体連通して配置することができ、特に、図1に、単なる例として、空気流路46と流体連通して(及びしたがって、空気流路46の一部分を形成して)、ゆえに、吸入器100の吸気オリフィス45と流体連通して配置された専用の流れ調整器空気流路146内に配置されているものとして示される。特に、吸入器100は、吸息空気が専用空気流路146内を必然的に流れ、流れ調整器140によって調整されるように構成されている。図1に示すように、吸入器100は空気入口42を含み得る。空気入口42は吸込オリフィスを画定し得る。吸込オリフィスを通じて、空気が専用空気流路146に引かれ、流れ調整器140を過ぎて及び/又は通り、吸気オリフィス45に向かい、吸気オリフィス45から出ることができる。いくつかの実施形態では、空気入口42は、デブリが空気入口42に入ることを阻止するために配置されたグリル、スクリーン又は格子41を含み得る。専用空気流路146は、専用空気流路146を吸入器100の残り部分と、特に吸気オリフィス45と接続するために配置された空気出口44を更に含み得る。
図1に示すように、1つ以上の圧力センサ152a、152bは、専用空気流路146と流体連通して配置され得る。第1の圧力センサ152aは、流れ調整器140の上流側に配置され得る。圧力センサ152a、152bはコントローラ151に接続することができ、これらは全て、電源オン/オフ機能を提供するための適切なスイッチを用い、適切な電源により給電され得る。電源がオンにされると、圧力センサ152aは大気圧を特定することができる。患者が吸入器100を通じて空気を吸入し、空気が空気出口44を出て流れると、空気は空気入口42を通って空気流路146内に流れ、圧力センサ152aは、流れ調整器140の機能とともに患者の吸息努力によって引き起こされる、動的に変化する気圧を検知する及び/又は測定する。
圧力センサ152aとコントローラ151との間の協働による、初期大気圧に対する圧力変化の検知は、圧力センサ152aを通り過ぎる空気流量を算出するために使用され得る。この空気流量はベルヌーイ効果により局所気圧の低下を引き起こす。)所望の既定の流量に達すると、電子信号を使用して、噴射システム101が吸入器100を自動的に作動させることを可能にすることができる。あるいは、電気信号は、ユーザが吸入器100(例えば、機械的起動式噴射システム内の)を作動させるための合図を与えるために、発光ダイオード(LED)又は液晶ディスプレイ(LCD)又はオーディオスピーカなどの適切な構成要素に送信され得る。
更に、いくつかの実施形態では、第2の圧力センサ152bが空気出口44(即ち、流れ調整器140の下流側)に向かう空気流路146内に含まれ得る。この第2の圧力センサ152bの存在を使用し、2つの圧力センサ152a、152bにおける相対局所気圧を比較(例えば、コントローラ151によって実施される)することで、空気の流れる方向を特定することができる。この方向は、吸気を呼気と区別するために使用され得る(例えば、患者が吸入器100を通じて空気を吸い込む代わりに吸入器100内に息を吹き込んだ場合)。これにより、リンクされた呼吸作動機構(例えば、噴射システム101)は、患者が吸入器を通じて息を吸い込むのではなくむしろ吸入器に息を吹き込んだ場合は動作しないように配置することを可能にすることができる。2つの呼吸モードは、第1のセンサ152a及び第2のセンサ152bによって検知される異なる相対圧力損失関係により容易に区別される。
空気流路146と流体連通した2つの圧力センサ152a、152bを含めることで、(適切な電気構成要素、例えば、コントローラ151、電源等と併せて)空気流量と相関し得る圧力変化の測定を可能にする。所定の流量に達すると、これにより噴射システム101を起動して吸入器容器バルブ54を作動させるための信号を促すことができる。このような機構は、患者が吸入と吸入デバイスの作動を協調させる必要を排除することができる。加えて、起動流量は、異なる製品に対しては異なるようにプログラムすることができる。しかし、各場合において、一体型流量計(事実上、圧力センサ152a、152bであり得る)及び電子的作動の使用により、吸入器100を患者の吸息操作における適切な時間に作動できるようにすることができる。含まれる電子回路は、また、各起動イベントが計数され、記録されることを可能にするように構成することができるとともに、また、投与回数を提供するために、したがって、例えば、なお残っている理論上の投与数を患者に対して表示するために使用することができる。
容器作動(即ち、用量放出噴射)を起動するために圧測定及び算出された流量データを使用するのみならず、このようなシステムは、患者及びその医師にフィードバックを提供するように任意選択的に構成され得る。
流れ調整器140を含む空気流路146を既に記載したものと類似の手法で上述の種々の吸入器のいずれにも組み込むことができる。専用空気流路146は単なる例として示され、いくつかの実施形態では、空気入口をハウジング55の上部部分に形成することができ、流れ調整器140をこのような空気入口と流体連通して配置し、吸入器100内の空気流量を調整することができることも理解すべきである。例えば、いくつかの実施形態では、流れ調整器140は、ハウジング55の開放上端部に結合されたキャップ内に配置され得る。
いくつかの実施形態では、どの種類の吸入器が用いられるかを問わず、流れ調整器140及び圧力センサ152a、152bの1つ以上を含む空気流路146、コントローラ151、並びに任意の他の関連電気構成要素は、別個の部品若しくは構成要素として、又は吸入器100の一部分として製造され得る。別個に形成することができ、吸入器と流体連通させることができる若しくはそうでなければ吸入器に組み込まれ得る、又は本開示の吸入器の一部分を成すことができる流れ調整器を備える例示的な流れ調整器アセンブリは、米国特許仮出願第62/270064号により詳細に記載されている。
用量放出噴射システム
上で述べたように、図2~図15は、噴射システム101の種々の詳細を示す。図1~図3、図8及び図10~図12は、準備状態にある噴射システム101の態様を示し、図13~図15は、噴射状態にある噴射システム101の態様を示す。
本開示の医療用吸入器に用いられ得る用量放出噴射システムに関する更なる詳細は、「Dose release firing systems and medicinal inhalers comprising same」という名称の米国特許仮出願第62/270066号(この内容全体は参照により本明細書中に組み込まれる)に記載されている。本開示の噴射システムの一部の実施形態は、「Auto-reset dose release firing systems,medicinal inhalers comprising same,and methods of using same」という名称の米国特許仮出願第62/270070号(この内容全体は参照により本明細書中に組み込まれる)に記載されているものなどのオートリセット機構を更に含み得る。
噴射システム101は、軸線(例えば、長手方向軸線)A(図1~図3を参照)と、軸線Aの周りで回転可能な回転式アームモジュール102と、薬物容器51と動作可能に結合されるように構成されており、第1の(例えば、準備)位置と第2の(例えば、噴射)位置との間で軸方向に可動するができるプランジャ(又は「容器ホルダ」)103と、凸状円形スペーサ105と、吸入器ハウジング55(例えば、図10を参照)に接続され得るピン107の周りを枢動するラッチ106と、噴射ピン110と、蓄積エネルギーデバイス内の蓄積エネルギーが放出されると、プランジャ103を第1の位置から第2の位置へと駆動するように構成されている(及びプランジャ103に対して配置されている)蓄積エネルギーデバイス109と、を含む。噴射システム101は、蓄積エネルギーデバイス109内の蓄積エネルギーが放出されていないとき、準備されている(若しくは準備が整えられている)又は準備(若しくは準備が整えられた)状態にあると称することができ、蓄積エネルギーが放出されているとき、噴射されている又は噴射状態にあると称することができる。
図1の吸入器100は加圧噴霧式定量吸入器(pMDI)であり、噴射システム101は、容器51のバルブ54を作動することによって吸入器100から用量を放出するように動作することに留意されたい。特に、バルブ54のステム部58はステムソケット59によってハウジング55に対し静止状態に維持されており、容器51がプランジャ103の運動に応じ、軸線Aに沿って又は軸方向に可動であり、吸入器100から用量を放出させるものとして記載され得るように、缶53はバルブ54に対し可動である。しかしながら、上で述べたように、噴射システム101は種々の吸入器で用いることができ、pMDIに用いられる必要はない。そのため、噴射システム101が、容器51を使用しない異なる種類の吸入器で用いられる実施形態では、プランジャ103は容器51に動作可能に結合されるように構成されている必要はない。
いくつかの実施形態では、第1の蓄積エネルギーデバイス109は、図示される実施形態における単なる例として、コイルばね、特に、圧縮ばねとして示される付勢要素(例えば、ばね)を含み得る。しかしながら、本開示の蓄積エネルギーデバイスとしては、付勢要素(例えば、ばね)、推進剤、化学物質、モータ、電気デバイス、及びこれらの組み合わせのうちの1つ以上が挙げられ得るが、これらに限定されない。蓄積エネルギーデバイス109が付勢要素を含む実施形態では、噴射システム101はその準備状態にあるとき、例えば、付勢要素の付勢に抗して荷重下に維持され得る。
蓄積エネルギーデバイス109は、蓄積エネルギーデバイス109から放出されたエネルギーによって与えられた力が容器バルブ54を作動させるのに必要なあらゆる力、例えば、図1のpMDI容器バルブ54のばね力に打ち勝つのに十分であるように構成されている。例えば、いくつかの実施形態では、バルブ54を動作させるための(即ち、バルブ54をその噴射位置へと移動するための)適切な力を与えるために、蓄積エネルギーデバイス109はその未放出(例えば、圧縮された状態)において、即ち、駆動の「準備が整った」デバイスによって、40Nを与えることができる。つまり、いくつかの実施形態では、蓄積エネルギーデバイス109は、蓄積エネルギーが放出されるとき、少なくとも40Nの力を与えることができ、いくつかの実施形態では、少なくとも50N、及びいくつかの実施形態では、少なくとも60Nを与えることができる。
示されているように、プランジャ103は、ハウジング55及び容器51(即ち、容器51の長手方向と位置合わせされている又は容器51の長手方向に平行である吸入器100内の)に対して、第1の(長手方向の又は軸方向)位置(例えば、準備位置)と第2の(長手方向の又は軸方向)位置(例えば、噴射位置)との間で軸方向に(例えば、軸線Aに沿って)可動するができ、容器51の用量放出バルブ54を作動させる。つまり、プランジャ103は、薬物容器51を、その長手方向軸線B(図1を参照)に沿って、それぞれ、薬物投与量が放出されない第1の位置と、薬物投与量が放出される第2の位置との間で移動させるように構成され得る。加えて、プランジャ103は、軸線Aの周りで回転可能に固定され得る(例えば、ハウジング55に対して)。例えば、いくつかの実施形態では、プランジャ103及びハウジング55は、プランジャ103とハウジング55とが軸線Aの周りで互いに対して回転することを阻止する相互係合特徴部を含み得る。例として、図2に示すように、いくつかの実施形態では、プランジャ103は、1つ以上のリブ136(図2~図3、図10、図12、図13及び図15を参照)、例えば、一組の対称位置に対向しているリブ136を含み得る。リブ136はそれぞれ、ハウジング55の内部表面に形成された相手凹部47(図10及び図13を参照)内に受け入れられる(又はこの反対)ような寸法にされている。つまり、いくつかの実施形態では、その代わりに又は加えて、プランジャ103は、ハウジング55の1つ以上のリブ又は突起を受け入れるような寸法にされた1つ以上の凹部を含むことができる。
図3に示すように、いくつかの実施形態では、プランジャ103は、図10及び図13に示すような容器51の少なくとも一部分(例えば、用量放出バルブ54を備える端部の反対側の、容器51の基部49の少なくとも一部分)を受け入れるような寸法にされた第1の(例えば、下部)凹部111を含み得る。したがって、いくつかの実施形態では、プランジャ103は容器51に直接結合され得る。
図3に更に示されるように、いくつかの実施形態では、プランジャ103は、回転式アームモジュール102の少なくとも一部分、噴射ピン110、及び蓄積エネルギーデバイス109を受け入れるような寸法にされた第2の(例えば、上部)凹部124を含み得る。いくつかの実施形態では、示されるように、第2の凹部124は噴射ピン110がない場合に円筒形状を有することができ、噴射ピン110が存在する場合に管状形状を有することができる。
図4~図5は、回転式アームモジュール102をより詳細に示す。図6~図7は、噴射ピン110をより詳細に示す。図8~図9は、回転式アームモジュール102と噴射ピン110とがどのように相互作用するかをより詳細に示す。
回転式アームモジュール102は、本開示の案内路121を設けるための一例として本明細書中に示され、記載されている。その少なくとも一部分が回転式アームモジュール102内に受け入れられるような寸法にされた噴射ピン110は、案内路121内に受け入れられ、可動するができるような寸法にされた本開示の突起114を設けるための一例として本明細書中に示され、記載されている。しかしながら、本開示の案内路121及び突起114を設けるために他の適切な構造を用いることができることは理解すべきである。上で述べたように、案内路121又は突起114のいずれかをプランジャ103に固定的に結合することができ、いくつかの実施形態では、プランジャ103と一体形成することができる。案内路121及び突起114は、軸線Aの周りを互いに回転可能であり、更に、軸線Aに沿って又は軸線Aに実質的に平行に互いに対して並進可能である。図2~図15に示される実施形態では、噴射ピン110は、突起114を含み、プランジャ103に固定的に結合されており、回転式アームモジュール102(及びしたがって、案内路121)は、プランジャ103に対して(及び噴射ピン110、したがって、突起114に対して)軸線Aの周りで回転可能である。加えて、回転式アームモジュール102及びプランジャ103は(噴射ピン110、したがって、突起114とともに)、突起114が案内路121の第2部分127に少なくともあるとき、互いに対して軸方向に(例えば、軸線Aと平行に)可動することが(即ち、並進可能)である。
いくつかの実施形態では、示されるように、案内路121は、例えば、距離を開けて配置され、間に突起114を受け入れるような寸法にされた壁を有する二面式チャネル又はグルーブを含み得る。
しかしながら、これは必須ではないことが理解されるべきである。例えば、いくつかの実施形態では、案内路121は、プランジャ103に固定的に結合することができ(例えば、噴射ピン110、別の適切な構造を介して、又はプランジャ103と一体形成されることによって)、突起114は、回転式アームモジュール102又は別の適切な構造によって設けられ得る(例えば、回転式アームモジュール102若しくは別の適切な構造に結合されている又は回転式アームモジュール102若しくは別の適切な構造と一体形成されている)。このような実施形態では、案内路121及び突起114は、プランジャ103をその第1の位置からその第2の位置へと移動し、用量放出を作動させるために、例えば、図1に示される実施形態などのpMDI容器を用いた実施形態では容器バルブ54を作動させるために、互いに対してなお回転可能かつ並進可能である。
図4~図5に示すように、図示した実施形態の回転式アームモジュール102は、噴射システム101が組み立てられたとき、軸線Aに沿って又は軸線Aに平行に方向付けられるように構成されているシャフト軸線(例えば、長手方向軸線)Sを有するとともに壁122を備えるシャフト120を含む。案内路121は壁122に形成することができ、特に、壁122の厚みの少なくとも一部に形成することができる、又は壁122の厚みの全体に(即ち、図4~図5及び図8~図9に示すように)形成することができる。
いくつかの実施形態では、1つより多い案内路121が設けられ得る。例えば、示されるように、回転式アームモジュール102のシャフト120は、2つの案内路121、特に、2つの対称位置に対向している案内路121を含む。わずか1つの案内路121、並びに噴射システム101のバランスの取れた、連係された及び/若しくは信頼性の高い動作のために構造的に可能な及び/若しくは必要な可能な限り多くの案内路121を用いることができる。簡略化のため、1つの案内路121についてより詳細に記載するが、案内路121の記載は用いられる多くの案内路121に適用できることは理解すべきである。
図4~図5及び図8~図9に示すように、案内路121の少なくとも一部分は螺旋形状を有し得る。つまり、案内路121は螺旋の一部分を含み得るが、シャフト120の周り360度に完全に延びる必要はない。例えば、いくつかの実施形態では、案内路121はシャフト120の周り90度未満のみに延びてもよく、いくつかの実施形態では、60度未満、いくつかの実施形態では、45度未満、及びいくつかの実施形態では、40度未満のみに延びてもよい。
特に、示されるように、案内路121は、軸線Aに対して(又はシャフト軸線Sに対して)、ゼロよりも大きい第1の螺旋角α(図4を参照)を有する第1(例えば、上部)部分125を有し得る。そのため、少なくとも第1部分125は案内路121の螺旋部分である。更に、案内路121は、シャフト軸線S(又は噴射システム101が組み立てられたときの軸線A)に対して、第1の螺旋角αよりも小さい第2の螺旋角を有する第2(例えば、下部)部分127を有し得る。図示される実施形態においては、第2の螺旋角は実質的にゼロであり、したがって、参照符号又は番号で示されない。第2の螺旋角は実質的にゼロであるため、図示されている案内路121の第2部分127は、シャフト軸線S(及び噴射システム101が組み立てられたときの軸線A)と実質的に整列している、又はシャフト軸線S(及び噴射システム101が組み立てられたときの軸線A)に対して実質的に平行に方向付けられており、螺旋状ではない。そのため、いくつかの実施形態では、案内路121は、第1の螺旋部分125及び第2の軸方向(又は真直若しくは直線)部分127を含むと表現され得る。
特に、案内路121の第2部分127が案内路121の第1部分125よりも急勾配であるように、第2の螺旋角は第1の螺旋角αよりも小さい(即ち、案内路121の第2部分127は、軸線Aに対して第1部分125よりも小さな角度に方向付けられている)。換言すると、案内路121の第2部分127は、軸線Aとより整列している、若しくは軸線Aにより平行である、又は軸線Aに対して案内路121の第1部分125よりも軸方向に方向付けられていると表現され得る。
第1部分125が第2部分127よりも大きな螺旋角を有する特有の2部分案内路121を用いることによって、案内路121は、ラッチ106が蓄積エネルギーデバイス109の比較的大きな噴射力(例えば、ばねの荷重)を抑制するのを補助することができ、これにより、蓄積エネルギーの全ての力がラッチ106に全て直接かけられるわけではなくても、十分な軸方向噴射力をなおもたらす(例えば、突起114が案内路121の第1部分125から第2部分127に移動した後)、高感度のラッチ106の使用を可能にすることができる。案内路121は、特に、軸線Aの周りの回転運動が、より軸方向(例えば、直線)の運動へと(即ち、軸線Aに沿って若しくは軸線Aに平行に方向付けられた、又は軸線Aに少なくともより沿った若しくはより平行な方向に)転換される又は変換されることを可能にするように構成され得る。
いくつかの実施形態では、第1の螺旋角αは少なくとも45度、いくつかの実施形態では、少なくとも50度、いくつかの実施形態では、少なくとも60度、及びいくつかの実施形態では、少なくとも65度であり得る。いくつかの実施形態では、第1の螺旋角αは90度未満、いくつかの実施形態では、第1の螺旋角αは80度未満、いくつかの実施形態では、60度未満、いくつかの実施形態では、50度未満、及びいくつかの実施形態では、45度未満であり得る。
いくつかの実施形態では、第2の螺旋角は45度未満、いくつかの実施形態では、30度未満、いくつかの実施形態では、25度未満、いくつかの実施形態では、20度未満、いくつかの実施形態では、15度未満、いくつかの実施形態では、10度未満、いくつかの実施形態では、5度未満であり得る、及びいくつかの実施形態では、約0度である(即ち、第2部分が実質的に軸方向であり、軸線に実質的に沿って又は実質的に平行に方向付けられるように)。
いくつかの実施形態では、示されるように、案内路121の少なくとも一部分(例えば、第1部分125)は、湾曲させることができる。その結果、案内路121の第1部分125は、一定の第1の螺旋角を有しなくてもよいが、このような実施形態では、第1部分125に沿うあらゆる螺旋角(垂直線に対して測定された、即ち、軸線A又はシャフト軸線Sに対して測定された)は第2の螺旋角よりも大きい。あるいは、このような湾曲した実施形態では、「第1の螺旋角」は、案内路121の湾曲した第1部分125における平均螺旋角を意味し得る。
シャフト120は、環状円筒状フランジの形態であり得るフランジ付き(上)端部118を更に含むことができ、オリフィス119を含み得る又は画定し得る。いくつかの実施形態では、シャフト120は中空であり得るとともに、シャフト軸線Sに沿って延びる管状チャネル123を画定し得る。したがって、シャフト120、及び特に、管状チャネル123は噴射ピン110を受け入れるような寸法にされ得る。このような実施形態では、オリフィス119はシャフトの管状チャネル123と概ね位置合わせされ、シャフトの管状チャネル123に接続され得る。シャフト120のフランジ付き端部118、及び特にシャフト120のフランジ付き端部118の底面は、表面を提供するように構成され得る。例えば、蓄積エネルギーデバイス109が付勢要素の形態である場合、この表面を、蓄積エネルギーデバイス109が押すことができる。このような実施形態では、プランジャ103の第2の凹部124(例えば、第2の凹部124の基部)は対向表面を提供することができ、この対向表面を、蓄積エネルギーデバイス109が押すことができる。シャフト120は、蓄積エネルギーデバイス109及び噴射ピン110とともに、プランジャ103の第2の凹部124内に受け入れられるような寸法にすることができ、シャフト120は、シャフト軸線Sの周りを(及び組み立てられたときは噴射システム101の軸線Aの周りを)回転可能であり得る。したがって、シャフト120はプランジャ103に対して回転可能であり得る。
図4~図5及び図8~図9に示すように、回転式アームモジュール102は、シャフト120のフランジ付き端部118から半径方向外側に(即ち、シャフト軸線Sに対して半径方向外側に)延びるアーム(例えば、面取りされたアーム)117を更に含み得る。したがって、アーム117は、また、プランジャ103の第2の凹部124の外側に(例えば、上方に)ある。アーム117は、示されているように、シャフト120と一体形成することができる、又はシャフト120に結合することができ、シャフト軸線S及び軸線Aの周りにおけるシャフト120の回転のモーメントアームを提供する。アーム117とラッチ106は、ラッチ106が噴射システム101をその準備状態に維持することができ、蓄積エネルギーデバイス109の蓄積エネルギーを放出して噴射システム101を噴射させる、即ち、その噴射状態へと変化することを可能にするために解放することができるように、相互係合するように構成され得る。
図3及び図6~図9に示すように、噴射ピン110は、シャフト(又は円筒状若しくは管状本体)113を含み得る。シャフト(又は円筒状若しくは管状本体)113は、噴射システム101が組み立てられたとき、噴射システム101の実質的に軸方向に(例えば、軸線Aに沿って)方向付けられるように構成されたシャフト軸線(例えば、長手方向軸線)F(図6及び図7を参照)を有する。シャフト113は、回転式アームモジュール102のシャフト120の管状チャネル123内に受け入れられるような寸法にされ得る。加えて、いくつかの実施形態では、噴射ピン110(及びしたがって、突起114)とプランジャ103は、互いに対して固定的に結合され、特に、噴射ピン110(及びしたがって、突起114)とプランジャ103との間の相対回転を阻止するように構成され得る。いくつかの実施形態では、噴射ピン110及びプランジャ103は、これを実現するために1つ以上の相互係合特徴部116を含み得る。
示されるように、いくつかの実施形態では、相互係合特徴部116は、噴射ピン110上に1つ以上の(例として、2つが示される)軸方向突起126を含み得る。軸方向突起126は、噴射ピン110とプランジャ103とを固定的に結合する(例えば、回転可能に取り付ける)ために、プランジャ103に形成された、特に第2の凹部124の基部に形成された対応する数の対応する形状の凹部128(図3を参照)内に受け入れられるような寸法にされている。このような相互係合特徴部116は単なる例として示されるが、ボルト、リベット、締まり嵌め、スナップ嵌め、熱及び/又は超音波溶接、接着剤、粘着剤(cohesive)、磁石、他の適切な結合手段、又はこれらの組み合わせの1つ以上などの他の相互係合特徴部を使用できることは理解すべきである。
上述のように、突起114は噴射ピン110によって設けられ得る。いくつかの実施形態では、1つより多い突起114が設けられ得る。例えば、示されているように、噴射ピン110は、2つの突起114、特に、2つの対称位置に対向している突起114を含み、突起114はそれぞれ、案内路121内に受け入れられるような寸法にされているとともに案内路121に沿って可動する。わずか1つの突起114、並びに噴射システム101のバランスの取れた、連係された及び/若しくは信頼性の高い動作のために構造的に可能な並びに/又は必要な可能な限り多くの突起114を用いることができる。簡略化のため、1つの突起114についてより詳細に記載するが、突起114の記載は用いられる多くの突起114に適用できることは理解すべきである。
図6及び図7に示すように、突起114は、噴射ピン110のシャフト113から半径方向外側に延び得る。いくつかの実施形態では、図6及び図7に更に示されるように、突起114は、噴射ピン110のシャフト113の外部表面に形成された平らな凹設区域又は領域115から突き出る又は突出することができる(及び平らな凹設区域又は領域115内にある)。更に、いくつかの実施形態では、突起114は、例えば、案内路121に対する相対運動を容易にするために、その縁部の1つ以上が面取りされ得る。加えて、図6及び図7に示すように、いくつかの実施形態では、突起114は、平行四辺形の断面形状(例えば、シャフト軸線F、又は噴射システム101が組み立てられているときは軸線Aに対して実質的に垂直に方向付けられた方向に沿って取った)を有し得る。
図7~図9に更に示されるように、いくつかの実施形態では、突起114が、シャフト軸線Fに対して(及び組み立てられているときは噴射システム101の軸線Aに対して)非ゼロ及び非直角に方向付けられるように、突起114は角度を成す又は傾けることができる。1つより多い突起114が用いられる場合、及び特に、2つの対向突起114が用いられる場合、噴射ピン110は中心長手方向軸線に関して鏡面対称を有しないものの、回転対称である(例えば、その中心長手方向軸線の周りで180度回転させた場合)ように、突起114は互いに反転鏡像であり得る(図6を参照)。図8~図9に示すように、突起114は、案内路121に合致し、案内路121に沿ってカム動作するように構成され得る。
突起114が案内路121内を移動可能であるように、並びに突起114と案内路121が、プランジャ103の第1の位置に対応する第1の(例えば、準備)位置(図8を参照)と、プランジャ103の第2の位置に対応する第2の(例えば、噴射)位置(図9を参照)との間で互いに対して可動することができるように、突起114は案内路121内に受け入れられるような寸法にされ得る。その結果、突起114は、蓄積エネルギーデバイス109から放出された蓄積エネルギーによって及びこの蓄積エネルギーに応じて駆動されると案内路121に沿ってカム運動し、プランジャ103をその第1の位置とその第2の位置との間(即ち、突起114が案内路121内を移動する際、及び特に、突起114が案内路121の第2部分127内を移動する際)で移動させる(即ち、軸方向に並進させる)ように構成されている。
いくつかの実施形態では、回転式アームモジュール102、噴射ピン110、凸状円形スペーサ105、及びラッチ106は、鋼で形成され得る。いくつかの実施形態では、このような鋼部品の好適な製造方法は、金属射出成形による。いくつかの実施形態では、プランジャ103は、適切なプラスチック材料で形成され得る。しかしながら、他の好適な材料及び製造方法を使用できることは当業者には明白であろう。
図3、図8~図10及び図13の組み合わせによって示されているように、噴射システム101が組み立てられたとき、容器51の基部49は、プランジャ103の第1の凹部111に受け入れられ、噴射ピン110は、回転式アームモジュール102のシャフト120の管状チャネル123内に配置され、突起114は案内路121に配置され、回転式アームモジュール102のシャフト120、噴射ピン110、及び蓄積エネルギーデバイス109はプランジャ103の第2の凹部124に受け入れられ(特に、図示した実施形態の蓄積エネルギーデバイス109は、回転式アームモジュール102のシャフト120の外部表面と、プランジャ103の第2の凹部124の内部表面との間に配置されている)、凸状円形スペーサ105は回転式アームモジュール102のオリフィス119に配置され、噴射ピン110の相互係合特徴部116とプランジャ103は相互係合して、噴射ピン110(及び突起114)をプランジャ103に固定的に結合する、即ち、固定する。
噴射システム101は3つの状態、即ち、準備(「準備が整った」)状態、噴射状態、及び戻る状態で存在する。図10は、容器51と接触しており、pMDI容器バルブ54のステム部58が、吸入器ハウジング55の、噴霧オリフィス60を備えるステムソケット59内に着座している、その準備状態にある噴射システム101を示す。準備状態において、蓄積エネルギーデバイス109は、特に、蓄積エネルギーデバイス109が付勢要素を含む実施形態では、回転式アームモジュール102(例えば、そのフランジ付き端部118)とプランジャ103(例えば、その第2の凹部124の基部)との間で圧縮され得る。吸入器ハウジング55の上部から内部に延びているのは、小さな面積において凸状円形スペーサ105と接触している凸状端部(例えば、丸みのある表面、1つ以上の角度を成した表面、又はこれらの組み合わせによって形成された)を有する支柱43である。支柱43は、蓄積エネルギーデバイス109のための反発面を設けることができる。つまり、凸状円形スペーサ105を押す支柱43によって、例えば付勢要素を含む場合の蓄積エネルギーデバイス109の力に抗する。作動中、回転式アームモジュール102が回転しているとき、2つの凸状面間の接触は、低い摩擦、したがって、摩擦による最小のエネルギー損失をもたらすようになっている。
準備状態において、噴射ピン110は回転式アームモジュール102によってほぼ覆われている。図8及び図11は、準備状態における案内路121と突起114との間の相対位置を示す。単なる例として、図12は、準備状態において、回転式アームモジュール102が9時の位置にあり、ラッチ106によって所定の位置にロックされていることを示す。図1~図3、図12及び図15に示すように、噴射システム101は、ラッチ106の下に配置された復帰付勢要素129を更に含み得る。以下でより詳細に記載されるように、復帰付勢要素129は、ラッチ106をその第1の位置に、即ち、その第2の位置から戻すために使用され得る。いくつかの実施形態では、復帰付勢要素129は、ばね、特に、圧縮ばね(例えば、2Nの圧縮力を有する)を含み得る。付勢要素129は、また、ラッチ106をその第1の位置からその第2の位置へと移動させることが望まれるまで(例えば、噴射システム101又は吸入器100が振られている場合でも)ラッチ106を係合したままにすることを確実にすることができる。
前述のように、ラッチ106は、(i)案内路121と突起114が互いに対して動くことを阻止するためにラッチ106が案内路121及び突起114の少なくとも1つに結合され(例えば、図示される実施形態においては、ラッチ106は回転式アームモジュール102のアーム117を介して案内路121に間接的に結合される)、蓄積エネルギーデバイス109内の蓄積エネルギーが放出されないようにし、噴射システム101が準備状態にある第1の(即ち、ラッチがかけられた)位置(図10及び図12を参照)と、(ii)案内路121と突起114が互いに対して自由に動くようにラッチ106が案内路121及び突起114から分離され(即ち、解放され)(例えば、図示される実施形態においては、ラッチ106は回転式アームモジュール102のアーム117から解放される)、蓄積エネルギーデバイス109の蓄積エネルギーが放出され、噴射システム101が噴射状態に自由に変化する第2の(即ち、ラッチが外された)位置(図13及び図15を参照)と、の間で可動し得る。蓄積エネルギーデバイス109は、ラッチ106がその第1の位置からその第2の位置へと移動したことに応じて蓄積エネルギーが放出されるように、構成及び配置され得る。
つまり、ラッチ106は、(i)噴射システム101を、案内路121と突起114が互いに対して静止し、蓄積エネルギーデバイス109の蓄積エネルギーが放出されない準備状態に維持する、及び(ii)噴射システム101を準備状態から解放し、案内路121と突起114が互いに対して動くことを可能にし、蓄積エネルギーデバイス109の蓄積エネルギーが放出され、噴射システム101を噴射状態へと駆動するように構成され得る、ことを可能にし得る。
単なる例として、図示される実施形態に示されているように、ラッチ106は、ラッチ軸線L(図2を参照)の周りを第1の位置と第2の位置との間で枢動自在に可動することができるように構成され得る。いくつかの実施形態では、ラッチ軸線Lは、噴射システム101の軸線Aに対して実質的に垂直に方向付けられ得る。トリガー130は、以下により詳細に記載されるように、トリガー130が作動されたとき、トリガー130がラッチ106をその第1の位置からその第2の位置へと移動させることができるように構成され得る。例えば、図示される実施形態に示されているように、トリガー130を作動し、ラッチ106をピン107上で枢動させ(例えば、ラッチ軸線Lの周りで)、それによって復帰付勢要素129の圧縮を生じさせることができる。
その第2の位置において、ラッチ106は回転式アームモジュール102にもはや接触しておらず、したがって、回転式アームモジュール102を解放して移動させ、また、蓄積エネルギーデバイス109からエネルギーを放出する。特に、図示される実施形態においては、蓄積エネルギーデバイス109は、回転式アームモジュール102のアーム117の解放によって自由にされる。したがって、蓄積エネルギーの放出によって回転式アームモジュール102に力をかけ始めることができる。蓄積エネルギーデバイス109からの蓄積エネルギーの放出によって、案内路121と突起114とが互いに対して動くように更に駆動する。図15に示すように、これは回転式アームモジュール102の約45°の反時計回りによって可能にされる(図12及び図15のアーム117の位置を比較することによって明らかな通り)。
特に、図8及び図11に示すように、案内路121の構成並びに案内路121と突起114との間の相互作用によって、案内路121と突起114は(例えば、突起114が案内路121の第1部分125に受け入れられているとき)、互いに対して回転し始める。蓄積エネルギーデバイス109がばねを含む実施形態では、これにより、ばねを圧縮解除することを可能にする。図9及び図14に示すように、突起114と案内路121が蓄積エネルギーデバイス109によって駆動されて互いに対して動き続ける(即ち、準備位置から噴射位置へと)と、案内路121と突起114が、加えて又はあるいは、互いに対して(例えば、軸線Aに対してより軸方向に方向付けられた方向に)更に並進することができるように、突起114は、第2の螺旋角が第1部分125の螺旋角よりも小さい案内路121の第2部分127へと移動する。
図8及び図11を図9及び図14と比較することによって示される突起114と案内路121の相対運動は、プランジャ103をその第1の位置から、用量放出噴射と関連付けられたその第2の位置へと(例えば、軸方向に)移動させる。吸入器100がpMDI(図1に示すような)である実施形態では、プランジャ103はその第1の位置からその第2の位置へと移動し、容器51を移動させ、したがって、メータリングバルブ54が用量を放出する、図13に示すようなその噴射状態に達する。これは、各突起114が、案内路121に対するその第1の位置(図11を参照)からその第2の位置(図14を参照)へと案内路121内において進むと可能になる。
上述のように、噴射中、プランジャ103の回転は、プランジャ103と吸入器100のハウジング55との間の相互係合特徴部によって(例えば、プランジャ103のリブ136がハウジング55の凹部47に着座することによって)阻止され、プランジャ103をハウジング55内で強制的に並進させる、即ち、噴射システム101の軸線Aに対して軸方向に移動させることができる。
図10及び図13に示すように、噴射システム101のその準備状態への復帰は、吸入器100及び/又は噴射システム101に結合され得るリセット(又は「プライミング」若しくは「コッキング」)機構160によって実施され得る。図10を参照すると、いくつかの実施形態では、リセットは、1つ以上のカム162(例えば、「卵」形のカム又は偏心カム)及びハンドル(又は「レバー」)164によって実施され得る。図13に示すように、噴射システム101がその噴射状態にあるとき、プランジャ103はカム(単数又は複数)162に結合されている(例えば、接触している)。ハンドル164に引く力(例えば、上に引く力)をかけると、カム(単数又は複数)162の回転が生じる。したがって、カム(単数又は複数)162の回転によって、プランジャ103をその第2の位置からその第1の位置へと上方に駆動する。図示される実施形態においては、この動きは、蓄積エネルギーデバイス109のばね力とは逆の方向に力を加え、蓄積エネルギーデバイス109の荷重又は蓄積エネルギーを発生させる。
プランジャ103のその第2の位置からその第1の位置への動きによって、更に、各突起114が対応する案内路121を移動して戻り(例えば、蓄積エネルギーデバイス109のばねが用いられる場合は蓄積エネルギーデバイス109のばねを圧縮する)、更に、回転式アームモジュール102が図12に示されるその9時の位置に戻る。起動力(例えば、トリガー130による)がラッチ106にもはやかけられていないとき、復帰付勢要素129はラッチ106にわずかな力をかけ、ラッチ106をその第2の位置からその第1の位置に移動させ、したがって、ラッチ106が回転式アームモジュール102との(例えば、そのアーム117との)完全なラッチ係合に戻ることを確実とする。ユーザは、その後、ハンドル164をその初期位置に戻すことができ、これにより、カム(単数又は複数)162を反対方向に回転させ、カム(単数又は複数)162をプランジャ103から分離させる。リセット機構160は、例として、2つのカム162、及び特に、2つの対称位置に対向しているカム162を含むものとして示されているが、これは必ずしも必須ではない。わずか1つのカム162及び構造的に必要な可能な限り多くのカム162を、噴射システム101をリセットするために用いることができる。
上述のリセット機構160は、単なる例として図10及び図13に示されている及び図示されている。しかしながら、噴射システム101の全ての要素をその各々の第1の位置に戻すために、及び噴射システム101を初期又は準備状態に戻すために、他のリセット機構を用いることができることは理解すべきである。例えば、いくつかの実施形態では、ハンドル164以外の機構(例えば、枢動マウスピースカバー)を使用して、噴射システム101を再準備することができる。
それぞれ突起114及び案内路121を設ける噴射ピン110及び回転式アームモジュール102の構成は、コンパクト性及び製造の容易さという利点を提供することができる。しかしながら、他の配置が可能であることは当業者には明白であろう。例えば、上で述べたように、いくつかの実施形態では、案内路121はシャフト120の壁122の厚みにわたって形成されていなくてもよい。いくつかの実施形態では、シャフト120の壁厚はより厚くすることができ、それによって、1つ以上の案内路121を完全にシャフト120の壁122の厚みの範囲内に形成し、シャフト120の途切れのない外部表面を作成することを可能にする。このような一実施形態は、回転式アームモジュール102に更なる強度を与えることができるが、概して、より複雑な製造方法(例えば、崩壊するコアを用いた射出成形、付加製造技術、他の適切な方法、又はこれらの組み合わせ)を必要とする。
いくつかの実施形態では、1つ以上の案内路121は、1つ以上の案内路121がシャフト120の周縁に少なくとも1つの360度部分を含む、より広い螺旋部分を含み得る。このような実施形態では、このような部品を射出成形するために、回転する成形型コアが使用され得る。
いくつかの実施形態では、回転式アームモジュール102に1つ以上の突起114が配置され得る(例えば、回転式アームモジュール102のシャフト120の外部表面から外側に延びる)。1つ以上の突起114は、中空噴射ピン110内に配置され得る(即ち、図示した実施形態を反転したもの)。このような突起(単数又は複数)114は、噴射ピンシャフト113の壁厚にわたって延び得る、又はより短く、噴射ピン110の内部部分内(例えば、中空噴射ピンシャフトの厚い壁の内部部分内)に形成された案内路121に係合することができ、例えば強度の理由から、噴射ピンシャフトの壁の外側が途切れなく連続的であることを可能にする。
本開示の噴射システム101の突起114並びに案内路121の数、構成、及び大きさは、特定用途に合うように選択してもよく、これら詳細は当業者には決定が可能である。更に、いくつかの実施形態では、突起(単数又は複数)114の(例えば、軸線Aに対する)角度、及び案内路(単数又は複数)121の形状/角度は、必要であれば、噴射システムを特定用途用に、例えば、異なる特性を有するpMDI容器バルブ用にカスタマイズするよう選択してもよい。
前述のように、トリガー130を使用してラッチ106に起動力を加え、ラッチ106をその第1の位置からその第2の位置へと移動し、噴射システム101のその準備状態からの解放を可能にすることができる。つまり、トリガー130はラッチ106に動作可能に結合し、第1の状態と第2の状態との間で変化して、ラッチを、それぞれ第1の位置と第2の位置との間で移動させるように(即ち、噴射機構101を噴射させることを可能にするように)構成され得る。いくつかの実施形態では、トリガー130は呼吸作動式であり得る。いくつかの実施形態では、トリガー130は、非力学的エネルギー(例えば、電気信号)に応じてその第1の状態とその第2の状態との間で変化するように構成することができ、いくつかの実施形態では、トリガー130は、力学的エネルギーに応じてその第1の状態とその第2の状態との間で変化するように構成することができる。
ここで本開示のトリガーの種々の実施形態を、図1及び図16~図20に対してより詳細に記載する。簡略化のため、例示的な図16~図20の噴射システムの構成要素の残りは上述の噴射システム101のものと同じである。
図1に示すように、吸入器100は、本開示の一実施形態によるトリガー130を含む。単なる例として、トリガー130は、形状記憶材料、例えば、形状記憶合金(SMA)ワイヤ131を含む。形状記憶合金(SMA)ワイヤ131はラッチ106に結合されており、ラッチ106をその第1の位置からその第2の位置へと移動させるための力をラッチ106に与えるように配置されている。特に、SMAワイヤ131の第1部分は、回転式アームモジュール102(例えば、そのアーム117)を保持するように構成されたラッチ106の端部から、ピン107の反対側にあるラッチ106の端部に結合することができ(例えば、ラッチ106の端部の周りで輪を作る及び/又はラッチ106の端部に繋がれる)、SMAワイヤ131の第2部分は、例えば、1つ以上のクリンプ133によってハウジング55内の固定位置に固定され得る。クリンプ133は、コントローラ151に結合され得る又はコントローラ151と通信し得る。SMAワイヤ127は、セル又はセルバッテリーなどの適切な電源(図示せず)を使用して給電され得る。
噴射システム101の作動又は噴射は、コントローラ151により適切な信号が受信されると行われ得る。信号は、例えば、「プレスアンドブレス(press and breath)」配置の形態の吸入器ハウジング55上のユーザ操作スイッチ(図示せず)からの電気信号の形態、又は吸息空気流検知システム150、即ち、呼吸作動式機構におけるものなど、吸入器100内に存在する1つ以上の検出要素からの1つ以上の信号の形態であり得る。
適切な信号(単数又は複数)を受信すると、コントローラ151は電流又は他の形態の非力学的エネルギーをSMAワイヤ131に送信し(例えば、約0.2秒間)、SMAワイヤ131をその抵抗によって加熱し、したがって、こうした材料が適切に加熱されたときに呈する固体微細構造変化の結果、SMAワイヤ131は収縮する。いくつかの実施形態では、SMAワイヤ131の変化温度は約90℃であり得る。コントローラ151は、SMAワイヤ131を約90℃の温度まで加熱するための電流を生成するように構成され得る。SMAワイヤ131の収縮によって、ラッチ106に引く力がかけられることになり、ラッチ106をその第1の位置からその第2の位置へと移動させ、特に、ラッチ106をそのピン107上で枢動させ、回転式アームモジュール102(例えば、そのアーム117)を解放し、蓄積エネルギーデバイス109を解放し、プランジャ103をその第1の位置からその第2の位置へと移動するよう駆動し、バルブの作動(即ち、噴霧オリフィス60から用量の薬物を供給するためのバルブ54の作動)を生じさせることを可能にする。
コントローラ151からの加熱電流が停止すると、SMAワイヤ131からの熱の損失によってSMAワイヤ131がその本来の状態に戻ることを可能にし、SMAワイヤ131はこれにより再び伸長する(例えば、復帰付勢要素129の作用下で)。いくつかの実施形態では、室温(例えば、20~25℃)に達するためのSMAワイヤ131の冷却には約1秒かかる場合がある。噴射後、上述のように、噴射システム101は再準備され得る。
いくつかの実施形態では、SMAワイヤ131は、50%ニッケル及び50%チタンを含むニッケル-チタン合金であり得る。SMAワイヤ131の直径は約75μmであり得る。SMAワイヤ131は約60mmの長さを有し得る。記載の特性を有するSMAワイヤ131及び1.5Vリチウムイオンセルを使用すると、SMAワイヤ131の収縮には約0.2秒かかり得る。SMAワイヤ131は、その第2の、収収縮した状態に70~90℃で変化することができる。コントローラ151は、約0.2秒後に、電流を停止し、SMAワイヤ131がその第1の状態に戻ることを可能にするようにプログラムされ得る。いくつかの実施形態では、複数ループ又は長さのSMAワイヤ131を用いることができる。いくつかの実施形態では、異なる組成(例えば、ニッケル及びチタンの異なる割合及び/又は異なる金属の合金を含む)を含むSMAを用いることができる。加えて、いくつかの実施形態では、SMAワイヤ131をコントローラ151に結合するための異なる手段を用いることができ、1つ以上のクリンプ133が単なる例として示される。
ここで図16~図20に関して、本開示のトリガーの更なる例示的実施形態を記載する。同一番号は同一要素を参照する。吸入器100及び噴射システム101の特徴及び要素(及びこのような特徴又は要素の代替物)のより完全な説明については上記添付の図1の記載を参照されたい。簡略化及び明確化のため、専用空気流路146、流れ調整器140、及び吸息空気流検知システム150は図16~図20からは省略されている。しかしながら、図1~図15に関する上述の特徴のいずれも、図16~図20の実施形態に適用することができ、この逆の場合も同様であることは理解すべきである。あるいは、吸入器の空気入口は、図16~図20の吸入器の別の領域に形成され得る又は図16~図20の吸入器の別の領域によって設けられ得る。
図16は、本開示の別の実施形態によるトリガー230を示す。トリガー230は、噴射システム101及び図1~図15の吸入器100の他の要素と併せて示されている。トリガー230は、ラッチ106をその第1の位置からその第2の位置へと移動させるための力をラッチ106に与えるためのデジタルモータ232を含む。図16のトリガー230は、コントローラ151と通信するデジタルモータ232に取り付けられたスプール236にラッチ106を結合するように配置されたある長さのフィラメント234(例えば、ナイロン又は他の適切な糸状材料)を更に含む。デジタルモータ及びコントローラ151は、バッテリーなどの適切な電源(図示せず)を使用して給電され得る。
上述のように、噴射システムの作動は、コントローラ151により適切な信号(単数又は複数)が受信されると行われる。適切な信号(単数又は複数)を受信すると、コントローラ151は電流をデジタルモータ232に送信し、フィラメント234をスプール236により巻き取らせる(即ち、スプール236に巻回される)。これにより、フィラメント234の伸長した長さが短縮することとなり、回転式アームモジュール102を保持している端部とは反対側のラッチ106の端部がそのピン107上で枢動し、回転式アームモジュール102を解放することで、噴射のために噴射システム101を解放し、pMDI容器51の定量式バルブ54の作動を可能にする。当業者には理解されるように、コントローラ151は電流をオフにすることができ(即ち、噴射後)、トリガーを無効化し、システム101を再準備することを可能にする。上述のように、噴射システム101は再準備され得る。
図17は、本開示の別の実施形態によるトリガー330を示す。トリガー330は、噴射システム101及び図1~図15の吸入器100の他の要素と併せて示されている。トリガー330は、ラッチ106をその第1の位置からその第2の位置へと移動させるための力をラッチ106に与えるための電磁石335を含む。電磁石335はコントローラ151と通信する(即ち、コントローラ151に電気的に接続されている)。電磁石335及びコントローラ151は、バッテリーなどの適切な電源(図示せず)を使用して給電され得る。
上述のように、噴射システムの作動は、コントローラ151により適切な信号(単数又は複数)が受信されると行われる。適切な信号(単数又は複数)を受信すると、コントローラ151は電流を電磁石335に送信する。結果として生じた磁気力は、回転式アームモジュール102を保持している端部とは反対側のラッチ106の端部を引き付け、ラッチ106をそのピン107上で枢動し、回転式アームモジュール102を解放することで噴射システム101を噴射のために解放し、pMDI容器51の定量式バルブの作動を可能にするように構成され得る。上述のように、噴射システム101は再準備され得る。
図18は、本開示の別の実施形態によるトリガー430を示す。トリガー430は、噴射システム101及び図1~図15の吸入器100の他の要素と併せて示されている。トリガー430は、ラッチ106をその第1の位置からその第2の位置へと移動させるための力をラッチ106に与えるためのソレノイド437を含む。ソレノイド437はコントローラ151と通信する(即ち、コントローラ151に電気的に接続されている)。ソレノイド437及び/又はコントローラ151は、バッテリーなどの適切な電源(図示せず)を使用して給電され得る。トリガー430は、例えば、ラッチ106とハウジング55の一部分との間に配置された、圧縮下にある付勢要素438(例えば、ばね)を更に含み得る。付勢要素438は、ソレノイド437と反対の付勢力を与えることができる。つまり、ソレノイド437が付勢要素438に作用される力に抗するように、ソレノイド437と付勢要素438は互いに反発し得る。
上述のように、噴射システムの作動は、コントローラ151により適切な信号(単数又は複数)が受信されると行われる。適切な信号(単数又は複数)を受信すると、コントローラ151は電流をソレノイド437に送信し、ソレノイド437を駆動させる。これにより、付勢要素438が、回転式アームモジュール102を保持している端部とは反対側のラッチ106の端部にその力を作用することを可能にし、ラッチ106がそのピン107上で枢動し、回転式アームモジュール102を解放することで噴射システム101を噴射のために解放し、pMDI容器51の定量式バルブの作動を可能にする。上述のように、噴射システム101は再準備され得る。
噴射システム101のラッチ106を解放するために電子機構を使用することの更なる利点は、コントローラ151を、吸入器100に組み込まれたメモリデバイスと通信するように設計することができることである。含まれる電子回路は、各噴射システムが、起動イベントを計数し、記録することを可能にするように構成され得るとともに、また、投与回数を提供するために、したがって、例えば、なお残っている理論上の投与数を患者に対し吸入器100上で表示するために使用することができる。
患者の吸息努力を検知し、測定するために1つ以上の圧力センサ(例えば、図1の圧力センサ152a及び圧力センサ152bを参照)が使用される実施形態では、本開示の噴射システム(例えば、噴射システム101)により用量放出噴射を起動するために、算出空気流量データを使用できるのみならず、適切な電子メモリデバイスの組み込みによって、吸入器が使用された各回に対応する患者の吸入プロファイル(流量、圧力損失等)の取り込み、記憶及び/又は取り出しを可能にすることもできる。この情報は、ユーザが見るために表示され得る、又はこれらデータを、ケーブルを介して又は無線技術を使用してセカンダリデバイスに(例えば、コンピュータ又は「スマート」フォンに)送信するための手段を含むことができ、将来的にデータを取り出し、投与の頻度及び時間の分析並びに解釈を可能にする。これらデータは、患者の医師又はその他が患者が吸入器を適切に使用できるかを監視することを可能にするとともに、取り出された情報の分析及び解釈に基づき適切かつ適時の健康管理アドバイスを与えることを可能にするために、患者の医師又はその他が利用できるようにされ得る。
図19は、本開示の別の実施形態によるトリガー530を示す。トリガー530は、噴射システム101及び図1~図15の吸入器100の他の要素と併せて示されている。トリガー530は機械式アクチュエータ539を含む。機械式アクチュエータ539は、ラッチ106と協働して、ラッチ106をその第1の位置からその第2の位置へと移動させるための力をラッチ106に与えるように構成されている。図19に示すように、いくつかの実施形態では、機械式アクチュエータ539は押しボタンの形態であり得るとともに、ばねの形態で示される復帰付勢要素538を更に含み得る。
機械式アクチュエータ539に力学的エネルギーが加えられると(例えば、押しボタンが押されると)、付勢要素538が圧縮され、機械式アクチュエータ539からの機械的な力がラッチ106に、特に、回転式アームモジュール102を保持している端部とは反対側のラッチ106の端部に加えられ、ラッチ106をそのピン107上で枢動させ、回転式アームモジュール102を解放することで噴射システム101を噴射のために解放し、pMDI容器51の定量式バルブの作動を可能にする。上述のように、噴射システム101は再準備され得る。
いくつかの実施形態では、機械式アクチュエータ539は、ラッチ106を解放するために、単独で又は上記のもののうちの1つなど、電子機構とともに組み込むことができる。このような実施形態は、電子システムが破損した場合の「フェイルセーフ」機構を提供することができる。
前述の実施形態では、噴射システム101は、容器51と、特に、容器51の基部49と直接相互作用するように構成されている。しかしながら、いくつかの実施形態では、吸入器ハウジング55の長さをより長くしてもよく、1つ以上の更なる構成要素を噴射システム101と容器51との間に含めることを可能にするとともに、必要であれば、異なる吸入器のプランジャ103のために異なるプロファイルを選択することを可能にする。図20は、噴射システム101と容器51の基部49との間に配置された、容器51を収容するように構成されている(例えば、容器51の基部49の少なくとも一部分を受け入れるような寸法にされた凹部を含む)アダプタ(又はスペーサ)155を吸入器100Aが含むこと以外は、吸入器100と実質的に同じ吸入器100Aを示す。このような構成要素の一例は、単純なスペーサ要素であり得る。異なるように構成された(即ち、大きさ及び/又は形状の)アダプタ155を用いて、噴射システム101を実質的に変更する必要なく種々の形状及び大きさの容器を収容することを可能にすることができる。
ここで、本開示の流れ調整器及び流れ調整器アセンブリについてより詳細に記載する。
図21は、あるかなり典型的な慢性閉塞性肺疾患(COPD)患者の吸息流量(L/分)対時間(秒)プロファイルを概略的に示す。空気流に対する顕著な吸入デバイス抵抗がなく、一部のプロファイル29は短く比較的速い吸息を特徴とする。例えばより虚弱な肺を有する他の患者は、長い吸入を維持することができない、又は適切な流量に達することができない、のいずれかである。これら患者のプロファイル31は短くかつ弱い。しかしながら、本開示の流れ調整器を備える吸入器を使用することで、参照番号33で示されるものにより似た患者吸息プロファイルを提供することができる。即ち、より長く持続的な定常の吸息流量(例えば、約30L/分の)を得ることができる。
COPD患者は広範な吸息能力を有し、これは0.5~4kPaの圧力損失分布として表され得る。いくつかの実施形態では、本開示の流れ調整器による流れの何らかの調整前の(即ち、管状要素がつぶれる前の)本開示の吸入器の静的抵抗は約0.8Pa0.5分/Lであり得る。これは中抵抗であるとみなされ得る。本開示のいくつかの実施形態では、目標調整流量は30L/分であり得る。いくつかの実施形態では、目標呼吸作動起動流量は15L/分であり得る。このようなシステムでは、吸入努力の欠如、又は任意の個々の流れ調整器が空気流量をその呼吸作動起動流量より低く制限することのいずれかによって、COPD患者が起動流量に到達できない確率は非常に低い。したがって、このような吸入デバイスは、非常に高い割合のCOPD患者に好適である。つまり、低い流量では、吸入器は中抵抗デバイスのように動作し、いずれの患者も非常に容易に20L/分まで吸入することができる。幾分大きな流量では、流れ調整器の管状要素は内部支持構造体上につぶれ、吸入器は高抵抗デバイスになる。したがって、患者は、高い流量で吸入することができない。概して、患者は自身の吸入努力を自動的に補償することを学習する傾向があり、自身にとって快適な流量で吸入を続ける。一部の患者では、これにはわずか0.5kPaの圧力損失を伴うが、他の患者では、患者の肺強度及び能力並びに患者がそれまでに行ったトレーニングに応じて、圧力損失は4kPa以上である。
より高い流れ調整器流量を選択した場合(例えば、30L/分よりも大きい)、一部の患者は吸入器を調整するために必要な空気流量に達することができず、患者吸入のばらつきは最小化されないであろう。一方、吸入器がより高い抵抗を有する場合、この場合も一部の患者は調整される流量に達することができず、患者吸入流量のばらつきは最小化されないであろう。しかしながら、上述のパラメータによって、本開示の流れ調整器を組み込んだ吸入器は、
・吸息流の開始と薬剤放出の協調を向上する、
・吸息空気流量を約25~35L/分の範囲内に維持する、及び
・投与量の一貫性及び肺内の薬剤沈着の位置の両方のばらつきを低減する、
という可能性を有する。
30L/分の名目目標調整流量については、製造公差並びに温度及び大気圧などの環境因子による様々な実際値がある。吸入器の総静的抵抗が0.83Pa0.5(minl-1)であり、流れ調整器が30L/分の名目調整流量を有する実施形態では、0.5kPa~4kPaの圧力損失で吸入する任意の患者は、約25~35L/分の空気流を発生させると予想される。
本開示のいくつかの実施形態では、調整流量は、名目上、40L/分であり得る。この場合、低い吸入圧力損失(例えば約0.5kPa)しか生成できず、通常、40L/分未満で吸入する患者は流れ調整器から利することはなく、これら患者の吸入は中抵抗吸入器を通じた吸入に等しい。より強く(即ち、より高い圧力損失で)自然に吸入する他の患者は流れ調整器から利する傾向があり、これら患者の流量は流れ調整器によって調整流量へと制限されない。
本開示のいくつかの実施形態では、調整流量は、名目上、50L/分であり得る。この場合、約1.5kPaより大きい圧力損失で吸入する患者のみが流れの調整を受ける。調整流量がより高いため、患者間で得られる最大吸入流量(Peak Inhalation Flow rates、PIF)の広がりが大きくなる。一部の患者はわずか約27L/分でしか吸入することができないが、これは約27L/分が、これらの患者が中抵抗デバイスを通じて吸入することができる最速のものだからであり、その一方で、4kPaで吸入する他の患者はシステムを通じて55L/分も引くことができる。
流れ調整器の効果の更なる説明は、以下、実施例の段落で詳述する。
図22~図33は、本開示の流れ調整器の種々の実施形態を示す。図34は、本開示の流れ調整器を備える本開示の医療用吸入器の一実施形態を示す。図35~図38は、本開示の医療用吸入器に用いられ得る流れ調整器を備える流れ調整器アセンブリの種々の実施形態を示す。
流れ調整器
図22~図27は、本開示の一実施形態による流れ調整器1101を示す。図22~図25は、停止時の流れ調整器140を示し、図26~図27は、動作時の流れ調整器140を示す。
示されているように、流れ調整器140は、少なくとも1つの可撓壁1140と、管状要素1102内に(即ち、少なくとも1つの可撓壁1140内に)受け入れられるような寸法にされた内部支持構造体1103と、を備える外部可撓性管状要素(又は「チューブ」)1102を含む。図22~図27の実施形態では、内部支持構造体1103は、中空基部1104と、2つの中空(例えば、管状)柱1105と、クロスメンバー(又は「クロスビーム」)1106と、を含む。
図示した実施形態の中空基部1104の外径は管状要素1102の初期内径よりも大きく、2つの構成要素の組み立ては、管状要素1102を中空基部1104の外側部分(例えば、外壁)上で伸ばすことによって実現することができる。この位置決めによって、管状要素1102の本来円形の断面が略楕円(又は長円形)断面(即ち、横断面)形状へと変形されることになる。いくつかの実施形態では、このような楕円形の管状要素1102は、約12mmの(外)長軸及び約4mmの(外)短軸を有し得る。
しかしながら、当業者には明らかなように、別法として、他の形成及び/又は組立手段は可能である。例えば、その代わりに、管状要素1102は、内部支持構造体1103の中空基部1104の外部表面上にオーバーモールド成形され得る、又は管状要素1102は、伸ばされ、その後、接着剤、粘着剤、溶接(例えば、音波[例えば、超音波]溶接)、任意の熱結合若しくはヒートシール法(例えば、結合される構成要素の1つ若しくは両方に熱及び/又は圧力が加えられる)、他の適切な結合手段、又はこれらの組み合わせの1つ以上が挙げられるが、これらに限定されない種々の結合手段によって基部1104の外部表面に結合され得る。
いくつかの実施形態では、内部支持構造体1103は、本開示の空気流路若しくは吸入器を形成するハウジングの部分に結合され得る又はこの部分と一体形成され得る。例えば、いくつかの実施形態では、内部支持構造体1103は、吸入器ハウジングの少なくとも一部分を形成するハウジングによって設けられ得る(例えば、吸入器ハウジングの少なくとも一部分を形成するハウジングと一体形成されている)。
図22~図25に示すように、流れ調整器140及び管状要素1102は実質的に線形であり得る。更に、流れ調整器140は空気流路1107を有し得る。空気流路1107は、長手方向Dに沿って概ね方向付けられた空気の流れる方向を概ね画定する、第1の(長手方向の)端部に位置する空気入口1108と、第2の(長手方向の)端部に位置する空気出口1109と、を含む。管状要素1102は長手方向Dに長尺状であり得る。管状要素1102の少なくとも1つの可撓壁1140は長手方向Dに実質的に平行に方向付けられ得る。中空柱1105は長手方向Dに実質的に平行に方向付けられ得る。クロスメンバー1106は、長手方向Dに対して非ゼロ角度に(例えば、実質的に垂直に)、即ち、短手方向L(流れ調整器140の横断方向に相当し得る)に対して実質的に平行に方向付けられ得る。第3の横断方向Tは、長手方向D及び短手方向Lに対して実質的に垂直に方向付けられており、流れ調整器140の前後方向に相当し得る。
管状要素1102(即ち、少なくとも1つの可撓壁1140)は、シリコーンゴム、他の熱可塑性エラストマー、又はこれらの組み合わせの1つ以上が挙げられるが、これらに限定されない種々の材料で形成され得る。管状要素1102は、その可撓性に加えて、管状要素1102を通る空気流が停止したときに管状要素1102がその静止形状及び位置に戻る、即ち、管状要素1102が弾性的に変形し、跳ね返り、その次の使用サイクルに備えることができるように、弾性のある材料で形成され得る。この材料は、特定の特性要求、例えば、材料が内部支持構造体1103の中空基部1104にオーバーモールド成形されるかどうか、接着されるかどうか、又は超音波溶接されるかどうかに従い選択してもよい。選択される管状要素材料が良好な長期物理的及び化学的安定性を有するべきであることは当業者には明らかであろう。
管状要素1102は実質的に円形の(及び内部支持構造体1103の基部1104上で楕円断面形状に伸ばされ得る)緩和横断面形状を有することが好適であり得るものの、「管状」の定義において上述したものなどの他の断面形状も可能である。基部1104はその横断面形状が楕円形であり得る又は別の形状であり得ることにも留意すべきである。いくつかの実施形態では、基部1104は、楕円形であり、この楕円は、特殊な場合の円形を有する。いくつかの実施形態では、円形の又は円形に近い基部1104の横断面形状を用いることで、基部1104に大きな残留ねじり歪みを加えることなく管状要素1102が基部1104上に確実に組み付けられるのを補助することができる。更に、いくつかの実施形態では、管状要素1102の特定部分が他の部分より可撓性であり、優先的につぶれることができるように、管状要素1102は、1つより多い材料で形成され得る又は異なる壁厚及び/若しくは直径を有する異なる部分を有し得る(例えば、その長手方向に沿って連続的に)。
いくつかの実施形態では、管状要素1012は、壁厚約0.3mm、初期内径8.0mm、長さ20mm、及びショアOO硬さ60のシリコーンゴムチューブで形成され得る。
いくつかの実施形態では、図23に示すように、内部支持構造体1103は「H」字形の長手方向断面(即ち、長手方向Dに沿って取った)形状を有し得る。しかしながら、図23に示すように、いくつかの実施形態では、クロスメンバー1106は、長手方向Dにおける内部支持構造体1103の全体寸法(例えば、高さ)に対して長手方向中央に配置されていなくてもよく、むしろ、クロスメンバー1106は内部支持構造体1103の空気入口端部(例えば、上流側端部)の方に位置していてもよい。
加えて又はあるいは、いくつかの実施形態では、図24に示すように、内部支持構造体1103は、略「H」字形の(即ち、英語の大文字Hにほぼ類似している)横断面形状(即ち、長手方向Dに対して実質的に直交するように取られた、例えば、短手方向L又は横断方向Tの)を有し得る。更に、いくつかの実施形態では、内部支持構造体1103は、ポリプロピレン、アセタール、ABS(アクリロニトリルブタジエンスチレン)、ポリカーボネート、若しくはポリエチレンなどの射出成形プラスチックで形成され得る、又は金属若しくは金属合金(例えば、機械加工された、打ち抜かれた/プレスされた若しくは金属射出成形された)、若しくはセラミック材料(例えば、セラミック射出成形された)から作製され得る。いくつかの実施形態では、内部支持構造体1103は、単一の一体構成要素として形成され得る、即ち、1つの部品から形成され得る。
図24に示すように、いくつかの実施形態では、内部支持構造体1103のクロスメンバー1106は、横断方向Tにおいて柱1105に対し実質的に中央に配置され得る。これにより略「H」字形の横断面形状を与える。加えて、例として、図22~図27の図示されている内部支持構造体1103は、中心長手方向軸線に関して(即ち、中心横断方向-長手方向平面(central transverse-longitudinal plane)に関して)短手方向対称性を有することはもとより、中心長手方向軸線に関して(即ち、中心短手方向-長手方向平面(central lateral-longitudinal plane)に関して)横断方向対称性(例えば、前後)を有する。換言すると、内部支持構造体1103は、短手方向D及び横断方向Tにおいて、中心長手方向軸線に関し対称である。
以下により詳細に記載されるように、管状要素1102の空気出口端部のみが固定及び支持されており(即ち、内部支持構造体1103の基部1104によって)、一方で、管状要素1102の空気入口端部は自立しており、内部支持構造体1103上でつぶれることができる。
管状要素1102と内部支持構造体1103との組み立てにより、空気入口1108及び空気出口1109を含む空気流路1107を形成する。図24は、流れ調整器140の横断面図を示す。この図は、管状要素1102が内部支持構造体1103の基部1104上に伸ばされると略楕円形断面を有することを示すとともに、2つの中空柱1105内に位置し、残留空気流チャネルとして機能する、即ち、流れ調整器140内の空気流路1107の一部分として機能する2つのルーメン1110も示す。単なる例として、ルーメン1110は、横断方向断面において略三角形を有するものとして示されている。いくつかの実施形態では、2つのルーメン1110のそれぞれは、約1mm2の開放断面積を有し得る。
図25は、流れ調整器140の長手方向側断面図である。この図は、管状要素1102が中空柱1105に実質的に平行に延びてはいるものの、中空柱1105に接触していないことを示す。空気入口1108において、中空柱1105は管状要素1102から突出することができる。図23を参照すると、柱ルーメン1110に入る空気流は中空基部1104を通過する前に各柱1105のバイパス出口111で出ることに留意されたい。
本開示の流れ調整器の主要機能の1つは、過度に速い吸入、その結果としての、口及び咽頭における過度の薬剤沈着を回避するために、患者が医療用吸入器を通じて吸入するときに空気流を調整し、患者の吸息流量を狭くかつ制御された範囲に制限することである。本開示の流れ調整器は、したがって、肺への深い薬剤浸透及び沈着の増加の達成を補助することができる。
このような流れ調整器の使用によって、低い肺機能(例えば特に重篤なCOPD患者)を有する患者が比較的低い吸入器空気流抵抗を受けることを可能にする(このような患者が適度な快適性を伴って十分な空気を吸入することを可能にする)一方、強い肺を有する患者には吸入に対して一時的により高い空気流抵抗を与える(それによって、これら患者がより長く、より深く吸入することを可能にする一方で同時に、その吸入空気流量をより虚弱な患者の吸入空気流量に酷似するレベルに制限する)。換言すると、吸息空気流量を患者間及び吸入間ではるかに一定に維持することができる。したがって、薬剤送達がはるかに予測可能となり、医師が信頼レベルの向上をもって治療計画を指示することを可能にする。
図22~図25は、停止時の(即ち、管状要素1102がつぶれていない状態の)流れ調整器140を示し、図26及び図27は、動作状態にある(即ち、患者の吸息空気流が流れ調整器140を実質的に通過しており、管状要素1102がつぶれた状態の)流れ調整器140を示す。空気が空気出口1109に向かって吸い込まれると、空気は空気入口1108を通って、空気流路1107内に、柱1105及びクロスメンバー1106の周りに(即ち、柱1105と管状要素1102との間に、及びクロスメンバー1106と管状要素1102との間になお存在するあらゆる間隙を通って)、並びに柱ルーメン1110内に流れる。空気流路1107内を通過する空気流の速度によって、空気流路1107内の気圧の低下が引き起こされる(即ち、ベルヌーイ効果による)。図22~図27に示される実施形態では、空気流路1107内の圧力低下によって楕円形断面管状要素1102の短軸に沿って(即ち、横断方向Tにおいて)直径の減少が生じ、図26及び図27に示すように、内方への曲げがもたらされる。管状要素1102は、一端(即ち、空気出口1109の方のその出口端部)が中空基部1104によって支持されているため、内方への曲げは空気入口1108の方の管状要素1102の端部で主に起こり、内方への曲げは空気流路1107の断面積を制限する。
ある程度までは、空気流路1107内の圧力の低下が大きくなるほど管状要素1102の内方への曲げは大きくなる。空気流路1107の断面積の結果的な減少により、空気流量に対する抵抗を増加することになる。しかしながら、流れ調整器140の空気流路1107は、流れ調整器140が用いられる医療用吸入器の空気流に対する全体的な総抵抗のわずか一部である(例えば、吸入器が空気流に対し中程度の静的抵抗を有する場合、総吸入器空気流抵抗の約50%以下の可能性がある)ため、流れ調整器140を通る空気の質量流量は、その残留断面積の減少に応じて低下しない。これは、つぶれた管状要素1102内の残留空気流チャネル1107を通る空気の速度は、管状要素1102がつぶれるにつれて上昇し、空気にかかるベルヌーイ力が更に増加することを意味する。この効果は、流れ調整器140の動作の相当な双安定性につながる傾向にある。つまり、つぶれの開始は、内方へのつぶれを推進するベルヌーイ力を、それが管状要素1102の材料の抵抗剛性力に最終的に平衡するまで高める「正のフィードバック」につながる。換言すると、いくつかの実施形態では、流れ調整器140は実質的に双安定であり得る。流れ調整器140はどの時点においても2つの状態のうちの1つ、即ち、実質的に「開放」若しくは「つぶれていない」状態、又は実質的に「つぶれた」状態のいずれかにある傾向にある。
楕円形断面管状要素1102が完全につぶれることは中空柱1105によって妨げられる。これら柱1105は、クロスメンバー1106とともに、楕円形断面管状要素1102の長軸に沿った(即ち、短手方向Lにおける)直径の大幅な減少を防止する構造的支持を与える。ルーメン1110によって設けられた空気流バイパスは、基準レベルの残留空気流が継続的に流れることを可能にする。加えて、管状要素1102の限定された剛性とは、内部支持構造体1103の隅の周辺に更なる小さな間隙が残っており、この場所では、管状要素1102を十分に曲げて内部支持構造体1103と管状要素1102との間の小さな残留空気通路又は間隙(例えば、図26を参照)を全て閉じることができないことを意味する。したがって、少なくとも最小限の又は残留空気流は常に継続的に流れることができる。つまり、低下する圧力は、管状要素1102が完全につぶれ、流れ調整器140内の全ての空気流を封鎖するのに十分な値には決して到達できない。
管状要素1102がつぶれる点及び流れ調整器が調整する流量は、内部支持構造体1103の幾何学的形状(及び特に、柱ルーメン1110の断面積)、並びに管状要素1102の特性、特に、その壁厚、空気入口断面積、幅、長さ、及びショア硬さに依存する。管状要素1102においては、流れ調整器140が配置される吸入器のハウジングの壁及び/又は内部支持構造体1103への付着を防止することで、つぶれた状態から開放状態への滑らかな移行を確実とするために、低い接着特性を有する材料も好ましい場合がある。
実施例の段落でより詳細に記載するように、図22~図27に示されるタイプの流れ調整器の数学的モデリングでは、本発明の一実施形態の流れ調整器は、患者の広範な圧力損失において、±5L/分の繰り返し性及び一貫性で、30L/分の空気流に調整することが可能であることが実証された。非常に虚弱な肺を持つ患者であってもほぼ全ての患者がこのような空気流量に達することができるはずであるが、流れ調整器の動作によって、非常に過度の努力を持ってしても、どの患者もこのような空気流量を超えることはできないと思われる。
内部支持構造体に属する要素の形状、大きさ、数及び位置など、記載した実施形態の他の配置構成は当業者には明らかであろう。
図22~図27の中空柱及びクロスメンバー配置構成の代わりに、内部支持構造体の他の設計又は構成を使用してもよい。例えば、図28~図33は、種々の本開示の流れ調整器を示す。同一番号は同一要素を示す。図28~図32は、異なる内部支持構造体を用いた本開示の別の実施形態による流れ調整器240を示す。図33は、本開示の更に別の実施形態による流れ調整器340を示す。図28~図33の流れ調整器は、図22~図27の流れ調整器140と同じ要素、特徴、及び機能の多くを共有する。図28~図33に示される実施形態の特徴又は要素(及びこのような特徴又は要素の代替物)のより完全な説明については、添付の図22~図27の上記記載を参照されたい。図22~図27に関する上述の特徴のいずれも図28~図33の実施形態に適用することができ、この逆も同様である。
図28~図32を参照すると、流れ調整器240は管状要素1202を含み、管状要素1202は、少なくとも1つの可撓壁1240と、内部支持構造体1203とを備える。この実施形態では、内部支持構造体1203は、中空基部1204と、中実柱1205(即ち、ルーメンはない)と、クロスメンバー1206と、クロスメンバー1206から突出した(例えば、短手方向に方向付けられたクロスメンバー1206から横断方向に突出した)1つ以上のスプライン(又は横断突起若しくは横断スプライン)1213(図29及び図31を参照)と、を含む。いくつかの実施形態では、示されるように、1つ以上の横断突起1213は、内部支持構造体1203に対して短手方向中心に位置することができ、クロスメンバー1206に対して前方及び後方に突出している(即ち、図29に示すような横断面図で見た場合)。いくつかの実施形態では、1つ以上の横断突起1213は内部支持構造体1203から、管状要素1202の少なくとも1つの可撓壁1240に対して実質的に直交するように突出することができる。
単なる例として、内部支持構造体1203は、図28に示すような「H」字形の長手方向断面(即ち、長手方向Dに沿って取った)形状、並びに図29及び図31に示すような略「H」字形の横断面形状(即ち、長手方向Dに対して実質的に直交するように、例えば、短手方向-横断方向平面で取られた)を有する。
更に、少なくとも1つの横断突起1213を用いた実施形態では、内部支持構造体1203は、少なくとも1つの英語の大文字「E」を含む横断面形状を更に含み得る。特に、図29及び図31に示すような2つの短手方向中心に配置された横断突起1213を用いた実施形態では、内部支持構造体1203は、背中合わせに結合され、「E」の長い側を短手方向Lに方向付けられた2つの大文字「E」を含む横断面形状を有し得る。図22~図27の中空柱1105とは異なり、中実柱1205には大きな(long)アスペクト比を持つあらゆる内部ルーメンがないため、製造の容易さにとってより望ましい可能性のある幾何学的形状を有する。長手方向又は横断方向断面において必ずしも「H」字形でない他の配置構成も当業者には明らかであろう。実施例は、英語の大文字のB、C、D、E、H、M、N、O、S、V、W、X及びZから選択される文字のいずれかを含む又はこれら文字のいずれかに類似する横断面形状を有する1つ以上の内部支持構造体を有する流れ調整器を含む。他の形状も当業者には明らかであろう。
図28~図30は、静止時の(即ち、管状要素1202がつぶれていない状態の)流れ調整器240を示す。図31~図32は、動作状態にある(即ち、管状要素1202がつぶれた状態の)流れ調整器240を示す。
流れ調整器240は、内部支持構造体1203と管状要素1202との間に形成された空気流路1207を含む。空気流路1207は、空気入口1208及び空気出口1209を含む。図29は、空気流の全般的方向に対して略垂直に取られた流れ調整器240の横断面図であり、管状要素1202が、静止時、略楕円形の横断面形状を有することを示す。いくつかの実施形態では、示されるように、スプライン1213はクロスメンバー1206から外側に(例えば、横断方向Tに)、中実柱1205が突出するよりも小さく突出する。別の実施形態では、スプラインは、クロスメンバー1206から、中実柱1205と等しい距離突出するような寸法にされ得る、又はあるいは、それより更に突出し得る。あるいは、各中実柱1205は、略矩形よりもむしろ十字形の形態の横断面形状を有し得る。これら例から明らかなように、内部支持構造体1203の断面形状及び寸法の更に多くの変形形態が可能である。各変形形態は、管状要素1202の形態及び材料の特性と併せて、圧力損失及び空気流量に応じた独自の空気流特性を有する。
図30は、管状要素1202と中実柱1205とが長手方向Dに概ね平行に方向付けられており、管状要素1202が、静止時、中実柱1205と接触しておらず、柱が空気入口1208において管状要素1202から突出している(即ち、管状要素1202の上流側端部から突出していることを示す。
図31及び図32は、動作状態にある流れ調整器240を示す。空気が空気出口1209を通じて吸い込まれると、空気は空気入口1208を通って空気流路1207へと流れる。示されているように、患者の吸入によってもたらされた気圧の低下は、楕円形断面の管状要素1202の短軸に沿って直径の減少を生じさせ、図31に示すような内方への曲げをもたらす。管状要素1202は下流側端部が中空基部1204によって支持されているため、内方への曲げは空気入口1208により近い管状要素1202の端部で主に起こり、内方への曲げは空気流路1207の断面積を制限する。空気流路1207内の気圧が低くなるほど管状要素1202の内方への変形は大きくなり、したがって、空気流路1207の断面積の減少は大きくなり、空気流に対する抵抗は大きくなる。
楕円形断面管状要素1202が完全につぶれることは中実柱1205によって妨げられる。これら構造は、クロスメンバー1206とともに、楕円形断面の管状要素1202の長軸に沿った直径の大幅な減少を防止する構造的支持を与える。スプライン1213は、短軸に沿った支持を付加的に与え、管状要素1202(及び特に、少なくとも1つの可撓壁1240)がクロスメンバー1206上にぴったりとつぶれすぎることを防止する。したがって、患者の吸息圧力損失がどれほど大きくても、残留空気流チャネル間隙を通じた残留空気流は常に可能である。
図33は、本開示の別の実施形態による流れ調整器340を示す。流れ調整器340は、管状要素(又は「チューブ」)1302を含む。管状要素(又は「チューブ」)1302は、少なくとも1つの可撓壁1340と、管状要素1302内(即ち、少なくとも1つの可撓壁1340内)に受け入れられるような寸法にされた内部支持構造体1303と、を備える。管状要素1302は内部支持構造体1303を囲み、覆っている。内部支持構造体1303は、中空基部1304と、2つの中空柱1305(それぞれルーメン1310を備える)と、クロスメンバー1306と、からなる。図33に示すように、いくつかの実施形態では、管状要素1302は、空気入口端部が自由であるよりもむしろ、両端が(例えば、内部支持構造体1303に)固定され得る又はそうでなければ取り付けられ得る。図33に示すように、いくつかの実施形態では、クロスメンバー1306は柱1305に対して長手方向中央に配置され得る。その結果、前述の実施形態の短手方向対称性及び横断方向対称性に加え、内部支持構造体1303(及び流れ調整器340)は長手方向対称性も有し得る(例えば、中心短手方向-横断方向平面に関して)。
前述の実施形態と同様、中空基部1304の外径は可撓性管状要素1302の内径よりも大きく、2つの構成要素の組み立ては、管状要素1302を中空基部1304の外部表面上に伸ばすことによって実現される。管状要素1302と内部支持構造体1303はそれらの間に空気流路1307を画定する。空気流路1307は、空気入口1308及び空気出口1309を含む。空気流路1307は、また、柱1305内にルーメン1310を含む。空気が空気出口1309に向かって吸い込まれると、空気は空気流路1307に流れ、ルーメン1310を通過し(即ち、通り)、空気入口1308を通って柱1305の周りを流れ、ベルヌーイ効果による空気流路1307内の気圧の低下をもたらす。空気流路1307内の圧力低下は、空気流路1307のほぼ中点において中央に位置決めされた管状要素1302の楕円形断面の短軸に沿って直径の減少を生じさせる。
両端が固定された管状要素1302を有することについて考えられる利点の1つは、管状要素1302を、所与の流れ調整性能に対してより厚みのあるものとすることができ、それによって、管状要素1302の寸法仕様範囲に関して製造優位性を提供することである。両端が固定された管状要素1302を有することについて考えられる別の利点は、対称な配置(例えば、長手方向、短手方向、及び横断方向に対称な)の使用によって、組み立て時、一貫した、特定の端部間の方向付けが必要ないため、製造優位性を提供できることである。
図34は、本開示の流れ調整器140及び機械的に起動される呼吸作動式噴射システムを用いた本開示の別の実施形態による吸入器200を示す。単なる例として、医療用吸入器200は、図22~図27の流れ調整器140を含むものとして図34に示されているが、本開示の任意の流れ調整器を吸入器200内に用いることができることは理解すべきである。例として、吸入器200は、3M Company、St.Paul、MNから商品名AUTOHALER(商標)で入手可能な吸入器の変形形態として示されている。吸入器200に関する更なる詳細は、その内容全体を参照により本明細書中に組み込む米国特許第7,296,567号で見ることができる。
図34に示すように、流れ調整器140は専用空気流路714内に配置されている。専用空気流路714は、ハウジング755と一体形成された吸入器200のハウジング755の底部部分にある。専用空気流路714は、周囲に開かれた空気入口715(例えば、予備開端部720によって画定された)と、吸入器200の空気流路746と流体連通している空気出口716と、を含む。特に、専用空気流路714は、空気入口715がマウスピース757のほぼ下に位置するように実質的に水平に配置されている。吸入器200内の実質的に全ての空気流が専用空気流路714を通過するように、吸入器200内の別の場所に顕著な空気漏出入口がないようにするために封止手段(図示せず)が設けられている。
この実施形態では、吸息空気流は空気入口715を通じて(例えば、入口グリル、スクリーン又は格子728を通じて)流れ調整器140へと引かれ、そこからステムソケット759の周囲の領域へと引かれる。患者が吸入器200のマウスピース757(吸気オリフィス745を画定する)において吸入すると、ベーン777が吸息空気流内で持ち上がり、この持ち上げによって機械的な用量放出機構728を起動する。出てきた医薬製剤スプレー761は流れ調整器140の空気出口709及び専用空気流路714の空気出口716からの空気流で運ばれ、空気流とともにマウスピース757を通って出る。本発明の流れ調整器はこのような吸入器の複数の位置に、例えば、吸入器の後部、前部、上部、片側等に配置されてもよいことは当業者には認識されよう。加えて、吸入器の外部形態は、内部空気流表面とは無関係の形状及びスタイルにすることができることは明らかであろう。
同じく、適切な電子メモリデバイスの組み込みによって、吸入器が使用された各回に対応する患者の吸入プロファイル(流量、圧力損失等)の取り込み、記憶及び取り出しを可能にすることができる。例えば、ケーブルを介して又は無線技術を使用してセカンダリデバイス、例えば、コンピュータ又は「スマート」フォンにデータを送信するための手段を含むことで、患者の医師又はその他が、患者が吸入器を適切に使用できるかを監視することを可能にするとともに、取り出された情報の分析及び解釈に基づき適切かつ適時の健康管理アドバイスを与えることを可能にするために、患者の医師又はその他がこれらデータを容易に利用可能にすることができる。
別の実施形態では、呼吸作動式吸入器は、再利用可能部品及び交換可能部品の両方を含み得る。例えば、複雑かつ比較的高コストの電子機器を含む再利用可能部品は、更には、一連の交換可能な薬物収容カートリッジと対にすることができる。このような実施形態では、流れ調整器は、交換可能カートリッジ、又はあるいは及び好ましくは、再利用可能ユニットと対応付けることができる。いずれの場合においても、吸入器の空気流路は、再利用可能部品、交換可能補充部品、又はこの両方のいずれかを通過するように構成され得る。
更に別の実施形態では、異なる抵抗及び/又はつぶれ特性を有する2つ以上の流れ調整器を、本開示の医療用吸入器、又は例えば、並列流路構成の、医療用吸入器とともに使用するための本開示の空気流路に組み込むことができる。更に別の実施形態では、異なる抵抗及び/又はつぶれ特性を有する2つ以上の流れ調整器を、直列流路配置の本開示の医療用吸入器又は空気流路に組み込むことができる。このような実施形態は、医療用吸入器の流量対圧力損失特性を調整するためのより高い能力を提供することができる。
流れ調整器アセンブリ
図35は、本開示の一実施形態による流れ調整器アセンブリ(又は「空気流路又は「空気流路アセンブリ」)630を示す。流れ調整器アセンブリ630は、別個に形成することができ、吸入器と流体連通させることができる又はそうでなければ吸入器に組み込まれ得る、又は本開示の吸入器の一部分を成すことができる。図35に示すように、流れ調整器アセンブリ630は、空気入口615及び空気出口616を含む空気流路614を画定するハウジング635と、空気流路614内に配置された流れ調整器140と、空気流路614内の絞り部623と、を含み得る。ハウジング635は図36により詳細に示され、以下、より詳細に記載される。
流れ調整器140は、空気流路614内の空気流に対する可変(動的)抵抗を提供するように構成することができる。絞り部623は、空気流路614内の空気流に対する固定(静的)抵抗を提供するように構成することができる。絞り部623は、ベンチュリ部(図示されている)、狭い通路(例えば、空気流路614の隣接領域/部分に対して狭い通路)、蛇行路、及びこれらの組み合わせの1つ以上を含み得る。蛇行路は、1つ以上のねじれ、湾曲、又は曲げ(例えば、少なくとも60度の鋭い曲げ)を含み得る。
加えて、いくつかの実施形態では、流れ調整器アセンブリ630は、第1の(空気入口)圧力センサ625と、第2の(空気出口)圧力センサ627と、を更に含み得る。流れ調整器アセンブリ630は、対応する吸入器の物理的寸法に適した寸法(例えば、長さ)のものであり得る。
いくつかの実施形態では、ハウジング635は、吸入器のハウジング内に配置され得る、吸入器のハウジングと流体連通して配置される、及び/又は吸入器のハウジングに結合され得る別個の要素であり得る。加えて又はあるいは、いくつかの実施形態では、ハウジング635が吸入器のハウジングと一体形成されるように、ハウジング635は吸入器のハウジングの一部分を意味し得る。
空気流路614、及び特に、空気入口615は、少なくとも第1の圧力センサ625の感度を向上するような形状とされ得る。第1の圧力センサ625は、第1の導管621によって空気流路614に接続されている。この導管の寸法(例えば、その断面積)は、その長さに沿って望ましい低圧力損失を有することと、導管が主要空気流路614内の空気流に多大な影響を及ぼすほど十分に開放することを回避することとの間で適切なバランスを確保するように選択され得る。いくつかの実施形態では、この導管は、円形断面であり、約2mmの内径及び約15mmの総内部長さを有し得る。
上で述べたように、空気流路614は、空気入口615と空気出口616との間に配置されており、局所空気流により誘発される圧力損失を第1の圧力センサ625において効果的に増幅するベンチュリ管(又はベンチュリ部)を特に形成する、特に絞り部(又は「ベンチュリ絞り部」)623の形態の固定即ち静的抵抗部を更に含み得る。特に、絞り部623は、流れ調整器140の上流側に配置され得る。このような増幅は、より感度の低い圧力センサを使用し、空気流量を特定の精度を持って測定することを可能にすることができる。これにより、アセンブリ630が組み込まれる吸入器の製造コストの抑制を補助する。
ベンチュリ部絞り部623の下流側の、ベンチュリ部絞り部623から離れた位置で、第2の導管629(例えば、いくつかの実施形態では、約2mmの内径及び約9mmの内部長さを有する)によって空気流路614に接続された第2の圧力センサ627を付加することで、空気の流れる方向の特定(即ち、吸入と呼気を区別する)を補助することができる。これにより、リンクした呼吸作動式起動機構(例えば、機械式又は電子式)を、患者が吸入器を通じて吸い込むのではなくむしろ吸入器に息を吹き込んだ場合は動作しないように配置することを可能にする。2つの呼吸モードは、第1のセンサ625及び第2のセンサ627によって検知される異なる相対圧力損失関係により容易に区別される。
いくつかの実施形態では、第1の導管621は、第1の断面積(例えば、平均断面積、又は第1の圧力センサに隣接して位置する第1の導管の領域の断面積)を有し得る。第2の導管629は、第2の断面積(例えば、平均断面積、又は第1の圧力センサに隣接して位置する第1の導管の領域の断面積)を有し得る。空気流路614は、第3の断面積(例えば、平均断面積、又は第1の導管又は第2の導管の領域の断面積)を有し得る。
いくつかの実施形態では、第3の断面積に対する第1の断面積の比率及び/又は第3の断面積に対する第2の断面積の比率は、0.3以下、いくつかの実施形態では、0.25以下、いくつかの実施形態では、0.2以下、いくつかの実施形態では、0.18以下、いくつかの実施形態では、0.16以下、いくつかの実施形態では、0.15以下、いくつかの実施形態では、0.1以下、いくつかの実施形態では、0.08以下、いくつかの実施形態では、0.07以下、及びいくつかの実施形態では、0.05以下であり得る。
本発明者は、いくつかの実施形態では、図35の流れ調整器アセンブリ630を備える吸入器が、20L/分(つぶれる流量より低い)の空気流に対し、約0.8Pa0.5分/Lの総抵抗を付与することができると算出した。これはCOPD又は喘息のいずれの治療用の吸入器にとっても望ましい数値である。数値流体力学(Computational Fluid Dynamics、CFD)は、本明細書中に示される実施形態に適切に変更を加え、寸法形成された別の実施形態を開発するために当業者が使用するのに有用なツールである。
いくつかの実施形態では、吸入器が1つ以上の圧力センサを組み込む場合、吸入器の使用の度に患者の吸入プロファイルを記録することができる。適切な電子構成要素、例えば、メモリデバイス及びデータ送信手段を含めることで、患者の各吸入プロファイルを、将来の分析及び解釈のために、取り込み、記憶し、取り出すことができる。これにより、患者の医師及びその他が、患者が吸入器を適切に使用できるかを監視することを可能にすることができるとともに、適切かつ適時の健康管理アドバイス及び/又は介入が行われることを可能にすることができる。
更に、いくつかの実施形態では、空気流の圧力損失の測定を行い、吸入器が、服用が行われたことを登録すること、及び対応する吸入プロファイルを記録することの両方を可能にすることができる。これにより、患者の医師、患者の健康管理の提供に対し支払いを行っている又は権威者若しくは機関が患者が実際に服用が行われたとを知ることを可能にする。用量の放出を登録する以前の吸入器は、その放出の日付及び時間は記録しても、対応する吸入プロファイルは登録又は記録しておらず、このことは吸入器を「過量放出(dose dumping)」(実際には患者が用量を周囲の空気中等に噴霧することによって単に廃棄している場合であっても患者が医師及びその他を患者が所定の用量を服用しているとの考えへと欺くことができる手法)に対して脆弱にする。こうした手法は、患者が所定の治療計画に従っていないことを医師に話しづらい場合に起こるものとして良く知られている。本開示の実施形態の利用によってこのような手法を検知する能力は、医療従事者が、患者が実際に行っていることを理解するための機会を与え、患者に助言する及び/又はそれに応じて治療計画を変更することを可能にする。
図36は、図35の流れ調整器アセンブリ630を作製するために使用され得る要素又は構成要素の一例を示す。例えば、いくつかの実施形態では、コントローラ632(例えば、プログラマブル回路基板(PCB))は、2つの圧力センサ625、627を含み得る。図35~図36に示すように、流れ調整器140は、管状要素1102及び内部支持構造体1103を備える。空気流路614は、ハウジング635によって形成され得る。ハウジング635は、例えば、(例えば、管状要素1102と内部支持構造体1103の結合に関して上述した結合手段のいずれかにより)互いに結合可能なプラスチック射出成形が容易であることから、前部ハウジング633及び後部ハウジング634を含むものとして示される。いくつかの実施形態では、ハウジング635は、2つ以上の長手方向部分によって形成され得る(即ち、例として、図36に示すように)、又は加えて若しくはあるいは、ハウジング635は、長手方向Dに対して、即ち、全般的に空気の流れる方向に対して横断方向に接合された2つ以上の横断方向部分で形成され得る。分離されたハウジング635は、簡略化のため、及び単なる例として示される。しかしながら、アセンブリ630及び空気流路614は、その代わりに、医療用吸入器のハウジングとともに形成(例えば、一体形成)することができ、吸入器は、アセンブリ630の図35~図36に示される要素の全てを含むよう修正することができることは理解すべきである。
種々のパラメータが流れ調整器140及び流れ調整器アセンブリ630の正確なつぶれ空気流量及び調整空気流量に影響する。このようなパラメータの例としては、管状要素1102を形成している材料、管状要素材料の直径及び厚み、絞り部623並びに内部支持構造体1103の形状及び寸法、並びに温度及び湿度などの環境因子(例えば、管状要素材料に応じた)が挙げられる。当業者であれば、本開示の教示に基づき、本発明の範囲及び趣旨から逸脱することなく、特定用途用の流れ調整器及び空気流路の正確な構成を最適化するために、変化するこれら異なる入カパラメータの効果をどのように試験するかについて理解するであろう。
図37は、本開示の別の実施形態による流れ調整器アセンブリ830を示す。流れ調整器アセンブリ830は、別個に形成することができ、吸入器と流体連通させることができる若しくはそうでなければ吸入器に組み込まれ得る、又は本開示の吸入器の一部分を成すことができる。図22に示すように、流れ調整器アセンブリ830は、空気流路814内に配置された流れ調整器840を含み得る。空気流路814は、空気入口815及び空気出口816を含む。空気流路814は、ハウジング835によって形成され得る。いくつかの実施形態では、ハウジング835は、吸入器のハウジング内に配置され得る、吸入器のハウジングと流体連通して配置される、及び/又は吸入器のハウジングに結合され得る別個の要素であり得る。加えて又はあるいは、いくつかの実施形態では、ハウジング835は、ハウジング835が吸入器のハウジングと一体形成されるように、吸入器のハウジングの一部分を意味し得る。
流れ調整器840は、管状要素802及び内部支持構造体803を含む。図22に単なる例として示すように、いくつかの実施形態では、内部支持構造体803は、中空基部804を含み得る。中空基部804は、管状要素802がハウジング835の一部分(例えば、外壁)の周囲の外側に伸ばされ、ハウジング835の別の部分に対して内側に配置されるように、少なくとも部分的にハウジング835又はその一部分によって形成され得る。このような実施形態では、内部支持構造体803全体は、ハウジング835の一部分と一体形成され得る、又はハウジング835の一部分によって設けられ得る。ハウジング835の一部分は、上述のように、また、吸入器の少なくとも一部分を形成することができる。
図37に更に示されるように、空気流路814は、1つ以上の所望の長手方向の位置に配置された、流れ調整器840の管状要素802が特定の予め定められた位置でつぶれることを促すための1つ以上の内方に突出する突起又は特徴部837を含み得る(例えば、ハウジング835は、1つ以上の内方に突出する突起又は特徴部837を含み得る)。いくつかの実施形態では、1つの又は内方に突出する突起837は、ピンチングスプラインの形態であり得る、又はいくつかの実施形態では、突起(単数又は複数)837は、管状要素802を囲む環状突起を含み得る。突起(単数又は複数)837は管状要素802に機械的ストレスを加えることができる。突起(単数又は複数)837の大きさ及び/又は数を変えることによって、管状要素802がつぶれる流量を制御することができる。加えて又はあるいは、いくつかの実施形態では、管状要素の材料特性を、例えば、管状要素802の特定部分に特定のショア硬さを用いることにより厳密なつぶれの幾何学的形状及び特性を促すよう制御することができる。
突起(単数又は複数)837は、管状要素802の内方に曲がる領域が、例えば、患者が吸入器内に水分を吐き出した場合にハウジング835に付着する傾向を低下させることもできる。
更に、いくつかの実施形態では、図35及び図36に関して上述したように、空気流路814は、絞り部、特に、流れ調整器840の上流側、即ち、空気入口815の方に配置された絞り部を含み得る。絞り部は、隣接する圧力センサ(図示せず)を通り過ぎる局所空気速度を加速するためのベンチュリ部として使用される。このような配置構成は、所与の圧力センサで達成されるものに比べてより精密な圧力測定(及び空気流量測定値の算出)を可能にすることができる。
図38は、本開示の別の実施形態による流れ調整器アセンブリ930を示す。流れ調整器アセンブリ930は別個に形成することができ、吸入器と流体連通させることができる若しくはそうでなければ吸入器に組み込まれ得る、又は本開示の吸入器の一部分を成すことができる。図38に示すように、流れ調整器アセンブリ930は、空気流路914内に配置された流れ調整器940を含み得る。空気流路914は、空気入口915及び空気出口916を含む。空気流路914はハウジング935によって形成され得る。いくつかの実施形態では、ハウジング935は、吸入器のハウジング内に配置され得る、吸入器のハウジングと流体連通して配置される、及び/又は吸入器のハウジングに結合され得る別個の要素であり得る。加えて又はあるいは、いくつかの実施形態では、ハウジング935が吸入器のハウジングと一体形成されるように、ハウジング935は、吸入器のハウジングの一部分を意味し得る。
流れ調整器940は、管状要素902及び内部支持構造体903を含む。図38に単なる例として示すように、いくつかの実施形態では、内部支持構造体903は、中空基部904を含み得る。中空基部904は、管状要素902がハウジング935の一部分の周囲の外側に伸ばされ、ハウジング935の別の部分に対して内側に配置されるように、少なくとも部分的にハウジング935又はその一部分によって形成され得る。示されているように、いくつかの実施形態では、空気流路914は、流れ調整器940の上流側にベンチュリ絞り部923を含み得る。ベンチュリ絞り部923は、既に記載したように、隣接する圧力センサ(図示せず)の感度を高めるために使用され得る。
いくつかの実施形態では、図38に示すように、空気流路914は、流れる空気を流れ調整器940に誘導するために、流れ調整器940が配置されたハウジング935内に直接形成され得る1つ以上の特徴部を含み得る。例えば、図38に示すように、空気流路914は、空気流を流れ調整器940に誘導し、管状要素902の外、外部、側部への空気流を妨げ、したがって、圧力損失のロスを防止し、管状要素902の外部表面の空気の停滞を維持するチャネリングステップ936を含み得る。
図に示される各実施形態は、本開示の流れ調整器及び医療用吸入器の種々の特徴の説明を明確にするために別個の実施形態として説明されている。しかしながら、図に示され、本明細書中に記載される実施形態のいずれの要素及び特徴のあらゆる組み合わせを本開示の流れ調整器及び医療用吸入器に用いることができることは理解すべきである。例えば、図1~図15、図16、図17、図18、図19及び図20の噴射システムのいずれも、本開示のあらゆる医療用吸入器に用いることができる。加えて、図35~図38の流れ調整器アセンブリの特徴のいずれか、又はこれらの組み合わせ、又はこれらの部分的組み合わせを、図1、図16~図20及び図34の医療用吸入器のいずれに組み込むこともできる。更に、図22~図33の流れ調整器特徴部のいずれか、又はこれらの組み合わせ、又はこれらの部分的組み合わせを、本開示の流れ調整器アセンブリ又は医療用吸入器のいずれに組み込むこともできる。
以下の実施形態は、本開示を例示することが意図され、限定するものではない。
医療用吸入器実施形態
1.ハウジングと、
少なくとも部分的にハウジングによって画定され、空気入口及び空気出口を含む空気流路と、
空気入口と空気出口との間の、空気流路内に配置されており(即ち、ハウジング内に配置されており)、空気流路内の空気流(例えば、実質的に全ての空気流)を調整体積流量に調整する流れ調整器と(例えば、流れ調整器は、空気流路内の空気流に対し、流れ調整器の入口と出口との間の空気の圧力損失に応じた可変抵抗を与えるように構成されている)、
ハウジング内に配置された呼吸作動式用量放出噴射システムであって、調整体積流量よりも少ない噴射体積流量において、用量の薬物を放出するように構成されている、噴射システムと、
を備える、医療用吸入器。
2.加圧噴霧式定量吸入器(pMDI)を含む、実施形態1に記載の吸入器。
3.噴射システムは機械的に起動される、実施形態1又は2に記載の吸入器。
4.噴射システムは電子的に起動される、実施形態1~3のいずれか1つの実施形態に記載の吸入器。
5.噴射システムは、用量放出バルブを作動させるために第1の位置と第2の位置との間で可動するプランジャを含む、実施形態1~4のいずれか1つの実施形態に記載の吸入器。
6.プランジャは、用量放出バルブを備える薬物容器に動作可能に結合されるように構成されている、実施形態5に記載の吸入器。
7.噴射システムは蓄積エネルギーデバイスを更に含み、蓄積エネルギーデバイスは、蓄積エネルギーデバイス内の蓄積エネルギーが放出されると、プランジャを第1の位置から第2の位置へと駆動するように構成されている、実施形態5又は6に記載の吸入器。
8.蓄積エネルギーデバイスは付勢要素を含む、実施形態5~7のいずれか1つの実施形態に記載の吸入器。
9.蓄積エネルギーは、吸息空気流検知システムに接続されたトリガーによって放出するよう起動され、吸息空気流検知システムは、空気流路内の吸息空気流量を検知し、吸息空気流量が少なくとも噴射体積流量に等しいとき、トリガーに電気信号を送信するように構成されている、実施形態5~8のいずれか1つの実施形態に記載の吸入器。
10.噴射システムは、
案内路であって、案内路の少なくとも一部分は螺旋形状を有し、軸線に対し、ゼロよりも大きい第1の螺旋角を有する第1部分と、軸線に対し第2の螺旋角を有する第2部分と、を有し、第2の螺旋角は第1の螺旋角よりも小さい、案内路と、
案内路内に受け入れられるような寸法にされた突起であって、突起と案内路とが、プランジャの第1の位置に対応する第1の位置と、プランジャの第2の位置に対応する第2の位置との間で互いに対して動くことができ、突起が、蓄積エネルギーデバイスがプランジャを第1の位置と第2の位置との間で動くように駆動すると、案内路に沿ってカム動作するように構成されるように、案内路内で可動することができる突起と、
を更に含み、
案内路又は突起は、プランジャに固定的に結合されている、
実施形態5~9のいずれか1つの実施形態に記載の吸入器。
11.空気流路内の吸息空気流量を検知し、吸息空気流量が少なくとも噴射体積流量に等しいとき、噴射システムに、噴射するための電気信号を送信するように構成された吸息空気流検知システムを更に備える、実施形態1~10のいずれか1つの実施形態に記載の吸入器。
12.吸息空気流検知システムは、空気流路内に配置された少なくとも1つの圧力センサと、少なくとも1つの圧力センサと呼吸作動式用量放出噴射システムとに接続されたコントローラと、を含む、実施形態11に記載の吸入器。
13.流れ調整器の上流側の空気流路内に配置された圧力センサを更に備える、実施形態1~12のいずれか1つの実施形態に記載の吸入器。
14.流れ調整器の上流側の空気流路内に配置された第1の圧力センサと、流れ調整器の下流側の空気流路内に配置された第2の圧力センサと、を更に備える、実施形態1~13のいずれかに記載の吸入器。
15.流れ調整器の上流側の第1の位置で空気流路に接続された第1の導管内に配置された第1の圧力センサと、流れ調整器の下流側の第2の位置で空気流路に接続された第2の導管内に配置された第2の圧力センサと、を更に備える、実施形態1~14のいずれか1つの実施形態に記載の吸入器。
16.第1の導管は第1の断面積を有し、第2の導管は第2の断面積を有し、空気流路は第3の断面積を有し、第3の断面積に対する第1の断面積の比率及び第3の断面積に対する第2の断面積の比率はそれぞれ、0.2以下である、実施形態15に記載の吸入器。
17.流れ調整器は、
空気流路の少なくとも一部分を画定する管状要素であって、空気流路内の空気流に応じて内側に曲がるように構成された少なくとも1つの可撓壁を備える、管状要素と、
管状要素内に配置されており、管状要素の少なくとも1つの可撓壁が内側に曲がったとき、管状要素内の空気流路の少なくとも所定の断面積を維持するように構成されている内部支持構造体と、
を含む、実施形態1~16のいずれか1つの実施形態に記載の吸入器。
18.内部支持構造体の少なくとも一部分は、ハウジングによって形成されている、実施形態17に記載の吸入器。
19.内部支持構造体は管状要素に比べて剛性であり、管状要素は内部支持構造体に比べて可撓性である、実施形態17又は18に記載の吸入器。
20.管状要素は、つぶれていない状態とつぶれた状態との間で実質的に双安定である、実施形態17~19のいずれか1つの実施形態に記載の吸入器。
21.空気流路内に配置された少なくとも2つの流れ調整器を含む、実施形態1~20のいずれか1つの実施形態に記載の吸入器。
22.少なくとも2つの流れ調整器は並列で配置されている、実施形態21に記載の吸入器。
23.少なくとも2つの流れ調整器は直列で配置されている、実施形態21に記載の吸入器。
24.調整体積流量は少なくとも約25L/分である、実施形態1~23のいずれか1つの実施形態に記載の吸入器。
25.調整体積流量は約35L/分以下である、実施形態1~24のいずれか1つの実施形態に記載の吸入器。
26.空気流路の空気入口は医療用吸入器の吸込オリフィスを含み、空気流路の空気出口は医療用吸入器の吸入オリフィスを含む、実施形態1~25のいずれか1つの実施形態に記載の吸入器。
噴射システム実施形態
1.医療用吸入器で使用するための用量放出噴射システムであって、
軸線であって、軸線に沿って又は軸線に実質的に平行に延びる軸方向を画定する軸線と、
第1の位置と第2の位置との間で軸方向に動くことができるプランジャと、
蓄積エネルギーデバイスであって、蓄積エネルギーデバイス内の蓄積エネルギーが放出されると、プランジャを第1の位置から第2の位置へと駆動するように構成されており、蓄積エネルギーが放出されていないとき、噴射システムは準備状態にあり、蓄積エネルギーが放出されるとき、噴射システムは噴射状態にある(即ち、蓄積エネルギーが放出された後)、蓄積エネルギーデバイスと、
案内路であって、案内路の少なくとも一部分は螺旋形状を有し、軸線に対し、ゼロよりも大きい第1の螺旋角を有する第1部分と、軸線に対し第2の螺旋角を有する第2部分と、を有し、第2の螺旋角は第1の螺旋角よりも小さい、案内路と、
案内路内に受け入れられるような寸法にされた突起であって、突起と案内路とが、プランジャの第1の位置に対応する第1の位置と、プランジャの第2の位置に対応する第2の位置との間で互いに対して可動であり、突起が、蓄積エネルギーデバイスがプランジャを第1の位置から第2の位置へと動くように駆動すると、案内路に沿ってカム動作するように構成されるように、案内路内で可動することができる突起と、
を備え、
案内路又は突起は、プランジャに固定的に結合されている、
用量放出噴射システム。
2.蓄積エネルギーデバイス、案内路、及び突起は、案内路と突起とが、蓄積エネルギーが蓄積エネルギーデバイスから放出されたことに応じて互いに対して動くように配置されている、実施形態1に記載の噴射システム。
3.第1の螺旋角は少なくとも45度である、実施形態1又は2に記載の噴射システム。
4.第2の螺旋角は20度よりも小さい、実施形態1~3のいずれかに記載の噴射システム。
5.案内路の第1部分は軸線に対して螺旋であり、案内路の第2部分は、軸線に整列している又は軸線に実質的に平行である、実施形態1~4のいずれかに記載の噴射システム。
6.蓄積エネルギーデバイスは、蓄積エネルギーが放出されるとき、少なくとも40Nの力を与えるように構成されている、実施形態1~5のいずれかに記載の噴射システム。
7.医療用吸入器は薬物容器を含み、
軸線は、薬物容器の長手方向軸線と整列する又は薬物容器の長手方向軸線に平行であるように構成された長手方向軸線であり、
プランジャは、薬物容器と動作可能に結合されるように構成されており、
プランジャは、薬物容器の用量放出バルブを作動させるために、第1の位置と第2の位置との間で動くように構成されている、
実施形態1~6のいずれかに記載の噴射システム。
8.プランジャは、薬物容器の少なくとも一部分を受け入れるような寸法にされた凹部を含む、実施形態1~7のいずれかに記載の噴射システム。
9.プランジャは、軸線に対し回転可能に固定されている、実施形態1~8のいずれかに記載の噴射システム。
10.案内路と突起は、軸線の周りを互いに回転可能である、実施形態1~9のいずれかに記載の噴射システム。
11.案内路と突起は、軸線の周りを互いに回転可能であり、
プランジャは、軸線に対し回転可能に固定されている、
実施形態1~10のいずれかに記載の噴射システム。
12.案内路は、軸線の周りで突起に対して回転可能であり、突起は、プランジャに固定的に結合されており、突起及びプランジャは、軸線に対し回転可能に固定されている、実施形態1~11のいずれかに記載の噴射システム。
13.案内路は、軸線に沿って又は軸線に平行に方向付けられたシャフト軸線を有するとともに壁を備えるシャフトによって提供されており、案内路は、シャフトの壁に形成されている、実施形態1~12のいずれかに記載の噴射システム。
14.シャフトは、プランジャの凹部内に受け入れられるような寸法にされている、実施形態13に記載の噴射システム。
15.シャフトは、軸線の周りで回転可能である、実施形態13又は14に記載の噴射システム。
16.案内路は回転式アームモジュールによって設けられており、回転式アームモジュールは、
軸方向に方向付けられているシャフト軸線を有するとともに壁を備えるシャフトであって、案内路は壁に形成されており、シャフトはフランジ付き端部を含む、シャフトと、
シャフトのフランジ付き端部から半径方向外側に延びるアームと、
を備える、実施形態1~15のいずれかに記載の噴射システム。
17.シャフトは、プランジャの凹部内に受け入れられるような寸法にされている、実施形態16に記載の噴射システム。
18.回転式アームモジュールは軸線の周りで回転可能である、実施形態16又は17に記載の噴射システム。
19.突起は噴射ピンによって設けられており、シャフトは中空であり、噴射ピンを受け入れるような寸法にされた管状チャネルを画定し、突起は、噴射ピンから半径方向外側に延びて、シャフトの案内路に受け入れられている、
実施形態13~18のいずれかに記載の噴射システム。
20.噴射ピンとプランジャは互いに固定的に結合されている、実施形態19に記載の噴射システム。
21.噴射ピン及びプランジャは、噴射ピン及び突起をプランジャに固定的に結合するための相互係合特徴部を含む、実施形態19又は20に記載の噴射システム。
22.突起は、噴射ピンの外部表面の平坦凹設領域から突出している、実施形態19~21のいずれかに記載の噴射システム。
23.噴射ピンの突起は、2つの対称位置に対向している半径方向突起のうちの1つであり、案内路は、シャフトの壁に形成された2つの対称位置に対向している案内路のうちの1つである、実施形態19~22のいずれかに記載の噴射システム。
24.案内路は、蓄積エネルギーデバイスの蓄積エネルギーの放出に応じて、噴射ピン及びプランジャを軸方向に動かすように構成されている、実施形態19~23のいずれかに記載の噴射システム。
25.蓄積エネルギーデバイスは、シャフトの外部表面とプランジャの凹部の内部表面との間に配置されている、実施形態13~24のいずれかに記載の噴射システム。
26.プランジャの凹部は管状形状であり、シャフトを受け入れるような寸法にされている、実施形態25に記載の噴射システム。
27.シャフトは中空であり、管状チャネルを画定し、シャフトのフランジ付き端部は環状円筒状フランジを含み、環状円筒状フランジは、シャフトの管状チャネルと概ね位置合わせされたオリフィスを含む、実施形態16~26のいずれかに記載の噴射システム。
28.環状円筒状フランジは、蓄積エネルギーデバイスのための接触面を設けるような寸法にされている、実施形態27に記載の噴射システム。
29.ラッチを更に備え、ラッチは、(i)案内路と突起が互いに対して動くことを阻止するために、ラッチが案内路及び突起のうちの少なくとも1つに結合されている第1の位置と、(ii)案内路と突起が互いに対して自由に動くように、ラッチが案内路及び突起から分離されている第2の位置と、の間で可動する、実施形態1~28のいずれかに記載の噴射システム。
30.蓄積エネルギーデバイスの蓄積エネルギーは、ラッチがその第1の位置からその第2の位置に動いたことに応じて放出される、実施形態29に記載の噴射システム。
31.ラッチに動作可能に結合されており、第1の状態と第2の状態との間で変化して、ラッチを、それぞれ第1の位置と第2の位置との間で移動させるように構成されているトリガーを更に備える、実施形態29又は30に記載の噴射システム。
32.ラッチは、ラッチ軸線の周りを第1の位置と第2の位置との間で枢動自在に可動し、トリガーは、ラッチを、ラッチ軸線の周りにおいて第1の位置と第2の位置との間で枢動させるように構成されている、実施形態31に記載の噴射システム。
33.ラッチ軸線は、軸線に対して実質的に直交するように方向付けられている、実施形態32に記載の噴射システム。
34.トリガーは形状記憶材料を含む、実施形態31~33のいずれかに記載の噴射システム。
35.トリガーは、デジタルモータと、スプールと、フィラメントと、を備える、実施形態31~34のいずれかに記載の噴射システム。
36.トリガーは電磁石を備える、実施形態31~35のいずれかに記載の噴射システム。
37.トリガーはソレノイドを備える、実施形態31~36のいずれかに記載の噴射システム。
38.トリガーは機械式アクチュエータを備える、実施形態31~37のいずれかに記載の噴射システム。
39.トリガーは、非力学的エネルギーに応じて、第1の状態と第2の状態との間で変化するように構成されている、実施形態31~38のいずれかに記載の噴射システム。
40.トリガーは、力学的エネルギーに応じて、第1の状態と第2の状態との間で変化するように構成されている、実施形態31~38のいずれかに記載の噴射システム。
41.トリガーは呼吸作動式である、実施形態31~40のいずれかに記載の噴射システム。
42.蓄積エネルギーデバイスはばねを含む、実施形態1~41のいずれかに記載の噴射システム。
43.噴射システムは呼吸作動式である、実施形態1~42のいずれかに記載の噴射システム。
44.先行する実施形態のいずれかに記載の用量放出噴射システムを備える医療用吸入器(例えば、ハウジング内に配置されている)であって、加圧噴霧式定量吸入器(pMDI)である、医療用吸入器。
45.先行する実施形態のいずれかに記載の用量放出噴射システムを備える医療用吸入器(例えば、ハウジング内に配置されている)であって、呼吸作動式吸入器、加圧噴霧式定量吸入器(pMDI)、ドライパウダー式吸入器(DPI)、ネブライザー、及びこれらの組み合わせのうちの少なくとも1つである、医療用吸入器。
46.ハウジングと、
ハウジング内に配置された薬物を含む容器と、
プランジャが容器に動作可能に結合されている、ハウジング内に配置された先行する実施形態のいずれかに記載の用量放出噴射システムと、
を備える、医療用吸入器。
47.プランジャは、軸線及びハウジングに対し回転可能に固定されている、実施形態46に記載の吸入器。
48.プランジャ及びハウジングは、プランジャとハウジングとの間の相対回転運動を阻止するための相互係合特徴部を含む、実施形態46又は47に記載の吸入器。
49.薬物容器を備える医療用吸入器で使用するための用量放出噴射システムであって、
薬物容器の長手方向軸線と整列する又は薬物容器の長手方向軸線に平行であるように構成された長手方向軸線と、
薬物容器と動作可能に結合されるように構成されたプランジャであって、長手方向軸線に沿って第1の位置と第2の位置との間で動くことができ、薬物容器を、それぞれ、薬物投与量が放出されない第1の位置と、薬物投与量が放出される第2の位置との間で移動させるように構成されている、プランジャと、
蓄積エネルギーデバイスであって、蓄積エネルギーデバイス内の蓄積エネルギーが放出されると、プランジャを第2の位置に駆動するように構成されており、蓄積エネルギーが放出されていないとき、噴射システムは準備状態にあり、蓄積エネルギーが放出されるとき、噴射システムは噴射状態にある、蓄積エネルギーデバイスと、
回転式アームモジュールであって、
長手方向軸線に沿って方向付けられたシャフト軸線を有するとともに、壁を備えるシャフトであって、中空であり、管状チャネルを画定し、プランジャの凹部内に受け入れられるような寸法にされており、フランジ付き端部を含む、シャフトと、
シャフトのフランジ付き端部から半径方向外側に延びるアームと、
シャフトの壁に形成されている案内路であって、案内路の少なくとも一部分は螺旋形状を有し、軸線に対し、ゼロよりも大きい第1の螺旋角を有する第1部分と、軸線に対し第2の螺旋角を有する第2部分と、を有し、第2の螺旋角は第1の螺旋角よりも小さい、案内路と、
を備える、回転式アームモジュールと、
回転式アームモジュールのシャフトの管状チャネル内に受け入れられるような寸法にされた噴射ピンであって、噴射ピンは、プランジャに固定的に結合されており、案内路内に受け入れられるような寸法にされた突起を含み、突起は、蓄積エネルギーデバイスによって駆動されると、案内路に沿ってカム運動するように構成されており、プランジャを第1の位置と第2の位置との間で移動させるように、突起は案内路内で、プランジャの第1の位置に対応する第1の位置と、プランジャの第2の位置に対応する第2の位置との間で動くことができる、噴射ピンと、
を備える、用量放出噴射システム。
50.回転式アームモジュールは長手方向軸線の周りで回転可能である、実施形態49に記載の噴射システム。
51.プランジャ及び噴射ピンは、長手方向軸線に対し、回転可能に固定されている、実施形態49及び50に記載の噴射システム。
52.ラッチを更に備え、ラッチは、(i)ラッチが回転式アームモジュールのアームに結合されている第1の位置と、(ii)ラッチがアームから分離されている第2の位置と、の間で可動する、実施形態49~51のいずれかに記載の噴射システム。
流れ調整器実施形態
1.医療用吸入器で使用するための流れ調整器であって、
空気流路の少なくとも一部分を画定する管状要素であり、空気流路内の空気流に応じて内側に曲がるように構成された少なくとも1つの可撓壁を備える、管状要素と、
管状要素内に配置されており、管状要素の少なくとも1つの可撓壁が内側に曲がったとき、管状要素内の空気流路の少なくとも所定の断面積を維持するように構成されている内部支持構造体と、
を備える、流れ調整器。
2.実質的に線形である、実施形態1に記載の流れ調整器。
3.管状要素は、つぶれていない状態とつぶれた状態との間で実質的に双安定である、実施形態1又は2に記載の流れ調整器。
4.内部支持構造体は管状要素に比べて剛性であり、管状要素は内部支持構造体に比べて可撓性である、実施形態1~3のいずれかに記載の流れ調整器。
5.長手方向を更に含み、管状要素の少なくとも1つの可撓壁は、長手方向に実質的に平行に方向付けられている、実施形態1~4のいずれかに記載の流れ調整器。
6.管状要素は、長手方向に沿って長尺状である、実施形態5に記載の流れ調整器。
7.管状要素の第1端部に配置された空気入口と、
管状要素の第1端部とは反対側の第2端部に配置された空気出口と、
を更に備える、実施形態1~6のいずれかに記載の流れ調整器。
8.楕円形の横断面形状を有する、実施形態1~7のいずれかに記載の流れ調整器。
9.管状要素は楕円形の横断面形状を有する、実施形態1~8のいずれかに記載の流れ調整器。
10.内部支持構造体は外壁を有する基部を有し、管状要素の端部は、内部支持構造体の基部の外壁上に伸びる、実施形態1~9のいずれかに記載の流れ調整器。
11.内部支持構造体の基部の外壁は、楕円形の横断面形状を有する、実施形態10に記載の流れ調整器。
12.内部支持構造体の基部の外壁は円形の横断面形状を有する、実施形態10又は11に記載の流れ調整器。
13.内部支持構造体は少なくとも1つの中空柱を含み、流れ調整器内の空気流路は、内部支持構造体の外壁と管状要素との間の空間と、少なくとも1つの中空柱内の空間と、を含む、実施形態1~12のいずれかに記載の流れ調整器。
14.内部支持構造体は略H字形の横断面形状を有する、実施形態1~13のいずれかに記載の流れ調整器。
15.内部支持構造体は略H字形の長手方向断面形状を有する、実施形態1~14のいずれかに記載の流れ調整器。
16.内部支持構造体は、少なくとも1つの、英語の大文字「E」を含む横断面形状を含む、実施形態1~15のいずれかに記載の流れ調整器。
17.内部支持構造体は、B、C、D、E、H、M、N、O、S、V、W、X及びZから選択される英語の大文字の少なくとも1つを含む横断面形状を含む、実施形態1~16のいずれかに記載の流れ調整器。
18.内部支持構造体は、管状要素の実質的に長手方向に沿って方向付けられているとともに管状要素の入口端部から突出している少なくとも1つの柱を含む、実施形態1~17のいずれかに記載の流れ調整器。
19.内部支持構造体は少なくとも1つの中空柱を含み、少なくとも1つの中空柱はその中にルーメンを画定する、実施形態1~18のいずれかに記載の流れ調整器。
20.内部支持構造体は少なくとも1つの中実柱を含む、実施形態1~19のいずれかに記載の流れ調整器。
21.内部支持構造体は、管状要素の長手方向に実質的に平行に方向付けられている2つの柱と、2つの柱を結合するように配置されたクロスメンバーであって、長手方向に対して非ゼロ角度に方向付けられているクロスメンバーと、を含む、実施形態1~20のいずれかに記載の流れ調整器。
22.内部支持構造体は、各柱がその中にルーメンを画定する、管状要素の長手方向に実質的に平行に方向付けられている2つの中空柱と、2つの中空柱を結合するように配置された中実クロスメンバーであって、長手方向に対して非ゼロ角度に方向付けられている中実クロスメンバーと、を含む、実施形態1~21のいずれかに記載の流れ調整器。
23.内部支持構造体は、管状要素の長手方向に実質的に平行に方向付けられている2つの中実柱と、2つの中実柱を結合するように配置された中実クロスメンバーであって、長手方向に対して非ゼロ角度に方向付けられているクロスメンバーと、を含む、実施形態1~21のいずれかに記載の流れ調整器。
24.内部支持構造体は、クロスメンバーから延びる少なくとも1つの横断突起を含む、実施形態21、22及び23のいずれかに記載の流れ調整器。
25.クロスメンバーは、長手方向に対して実質的に垂直に方向付けられている、実施形態21~24のいずれかに記載の流れ調整器。
26.内部支持構造体は、管状要素の少なくとも1つの可撓壁に対して実質的に直交するように突出している少なくとも1つのリブを含む、実施形態1~25のいずれかに記載の流れ調整器。
27.医療用吸入器の空気流路と流体連通した状態で配置された、先行する実施形態のいずれかに記載の少なくとも1つの流れ調整器を備える医療用吸入器。
28.並列で配置された少なくとも2つの流れ調整器を含む、実施形態27に記載の医療用吸入器。
29.直列で配置された少なくとも2つの流れ調整器を含む、実施形態27又は28に記載の医療用吸入器。
30.薬物を含む容器を受け入れるような寸法にされた管状スリーブ部と、
患者ポートと、
を備えるハウジングと、
空気入口及び空気出口を含む空気流路であって、空気出口は、患者ポートによって画定される、空気流路と、
空気流路内に配置された実施形態1~26のいずれかに記載の流れ調整器と、
を備える、医療用吸入器。
31.加圧噴霧式定量吸入器(pMDI)である、実施形態27~30のいずれかに記載の医療用吸入器。
32.呼吸作動式吸入器、加圧噴霧式定量吸入器(pMDI)、ドライパウダー式吸入器(DPI)、ネブライザー、及びこれらの組み合わせの少なくとも1つである、実施形態27~30のいずれかに記載の医療用吸入器。
33.ハウジングの管状スリーブ部は第1の開端部を含み、ハウジングは、流れ調整器を受け入れるような寸法にされた第2の開端部を更に含む、実施形態30~32のいずれかに記載の医療用吸入器。
34.ハウジングは、第1の開端部を周囲から密閉するように配置されたカバー又はシールを更に含む、実施形態33に記載の医療用吸入器。
35.流れ調整器は専用空気流路内に配置されており、専用空気流路は、周囲に開かれた空気入口と、吸入器の空気流路と流体連通する空気出口と、を含み、流れ調整器は、専用空気流路の空気入口と空気出口との間に配置されている、実施形態27~34のいずれかに記載の医療用吸入器。
36.専用空気流路は、ハウジングと一体形成されている、実施形態35に記載の医療用吸入器。
37.専用空気流路は、患者ポートの反対側の、ハウジングの後部部分に形成されている、実施形態35又は36に記載の医療用吸入器。
38.専用空気流路は、ハウジングの底部部分に形成されている、実施形態35又は36に記載の医療用吸入器。
39.専用空気流路の空気入口は、患者ポートの下に配置されている、実施形態38に記載の医療用吸入器。
40.吸入器内に取り込まれたあらゆる空気が流れ調整器内を移動するように、ハウジングの管状スリーブ部上に配置された、開端部を周囲から密閉するためのカバーを更に備える、実施形態30~39のいずれかに記載の医療用吸入器。
41.容器の外部表面とハウジングの内部表面との間に配置されたスカートシールを更に備える、実施形態30~40のいずれかに記載の医療用吸入器。
42.ハウジングの管状スリーブ部に結合されるように構成された、管状スリーブ部を密閉するためのキャップを更に備え、キャップは空気入口を画定し、流れ調整器を含む、実施形態30~41のいずれかに記載の医療用吸入器。
43.流れ調整器の上流側の空気流路内に配置された圧力センサを更に備える、実施形態27~42のいずれかに記載の医療用吸入器。
44.流れ調整器の上流側の空気流路内に配置された第1の圧力センサと、流れ調整器の下流側の空気流路内に配置された第2の圧力センサと、を更に備える、実施形態27~43のいずれかに記載の医療用吸入器。
45.医療用吸入器で使用するための流れ調整器アセンブリであって、
ハウジングと、
ハウジングによって画定され、空気入口及び空気出口を含む空気流路と、
実施形態1~26のいずれかに記載の流れ調整器であって、空気入口と空気出口との間の、空気流路内に配置されている、流れ調整器と、
を備える、流れ調整器アセンブリ。
46.流れ調整器の上流側に、空気流路と流体連通して配置された第1の圧力センサと、流れ調整器の下流側に、空気流路と流体連通して配置された第2の圧力センサと、を更に備える、実施形態45に記載の流れ調整器アセンブリ。
47.流れ調整器の上流側の空気流路に接続された第1の導管内に配置された第1の圧力センサと、流れ調整器の下流側の空気流路に接続された第2の導管内に配置された第2の圧力センサと、を更に備える、実施形態45又は46に記載の流れ調整器アセンブリ。
48.第1の導管が空気流路に接続している場所の近傍の空気流路内に配置された絞り部を更に備える、実施形態47に記載の空気流路。
49.空気入口と流れ調整器との間に配置された絞り部を更に備える、実施形態45~48のいずれかに記載の空気流路。
50.医療用吸入器を使用する方法であって、
実施形態1~26のいずれかに記載の流れ調整器を備える医療用吸入器を用意することと、
流れ調整器の空気流路内の空気流に応じて吸入器の空気流抵抗を変化させることと、
を含む、方法。
51.医療用吸入器の患者ポートを患者の体腔に挿入することと、流れ調整器の空気流路内に空気流を発生させるために患者ポートを通じて吸入することと、を更に含む、実施形態50に記載の方法。
52.吸入器の空気流抵抗を変化させることは、少なくとも1つの管状壁を内部支持構造体に向かって内側に曲げることを含む、実施形態50又は51に記載の方法。
本開示の一部の実施形態は、エアロゾル用量ディスペンサの機械的作動用のトリガーシステムを備える医療用吸入器を提供し、
トリガーシステムは、エアロゾル用量ディスペンサを動作させて用量のエアロゾル化された薬物を供給するように、一定量の蓄積エネルギーを放出するよう動作可能であり、
医療用吸入器は、吸入器内の検知された吸息空気流に応じて電気インパルス信号を発生させるためのシステムを備え、
トリガーシステムは、上記電気インパルス信号によって加熱される形状記憶合金ワイヤを備え、加熱によりワイヤが短縮し、それによって可動トリガーを引き、トリガーの動きによりラッチの動き及び解放を生じさせ、蓄積エネルギーの供給を維持する。
本開示の一部の実施形態は、エアロゾル用量ディスペンサの機械的作動用のトリガーシステムを備える医療用吸入器を提供し、
医療用吸入器は、吸息空気流検知システムと、電気信号発生システムと、流れ調整器と、を備え、
電気信号発生システムは、吸入器内の検知された吸息空気流に応じて電気インパルス信号を発生させ、
トリガーシステムは、エアロゾル用量ディスペンサを動作させて用量のエアロゾル化された薬物を供給するように、一定量の蓄積エネルギーを放出するよう動作可能であり、トリガーシステムは、上記電気信号によって加熱される形状記憶合金ワイヤを備え、加熱によりワイヤが短縮し、それによって可動トリガーを引き、トリガーの動きによりラッチの動き及び解放を生じさせ、蓄積エネルギーの供給を維持する。
本発明はその適用が、上述の記載で説明した又は添付の図面に示される構造の詳細及び構成要素の配置構成に限定されるものではないと理解すべきである。本発明は、他の実施形態が可能であり、さまざまな方法で実施又は実行することができる。また、本明細書において使用される語法及び専門用語は説明を目的としたものであり、限定するものとみなしてはならないことを理解されたい。他の実施形態を利用することもでき、また、構造的又は論理的な変更が、本発明の範囲から逸脱することなくなされ得ることを更に理解されたい。
以下のデータの裏づけのない実施例は本開示の説明を意図しており、限定を意図するものではない。
実施例
実施例1-調整流量
図39及び表1は、図35及び図36の流れ調整器アセンブリ630の構成を有し、図22~図27の流れ調整器140を備え、それぞれ30、40及び50L/分の名目流れ調整値を有する流れ調整器アセンブリを通じて患者が吸入する流量範囲の計算値を示す。図39及び表1から、流量の分散はより高い流れ調整器名目調整流量において大きくなることが明らかである。
モデリングのため、各目標調整体積流量(即ち、30L/分、40L/分及び50L/分)の周りで調整流量の正規分布を取る。データが分散している場所より下は、流れ調整器アセンブリの母集団の範囲内において流れ調整器が動作する流量の分布を示す。例えば、目標調整体積流量が30L/分の場合、少数の流れ調整器が約25L/分でつぶれる一方、大多数は目標の30L/分に近い流量で調整され、少数が35L/分に近い流量で調整されると予想される。流れ調整器がつぶれた場合、流れに対する抵抗は大幅に増加し、圧力損失は動的な又は可変抵抗に支配されると想定される。
以下のデータは、種々の流量における圧力損失を、次式を使用してモデリングすることにより算出したものである。
圧力損失(Pa)=((R2+D2)×F2)/1000
式中、R=静的抵抗、Pa0.5(分/L)
D=動的抵抗、Pa0.5(分/L)
F=流量、L/分
流れ調整器アセンブリ630の静的抵抗は、入口損失による抵抗、ベンチュリ抵抗、流れ調整器の抵抗、及び出口損失の組み合わせに基づき、0.83Pa0.5(分/L)と推定した。
本発明者は、30L/分の名目調整流量を有するこの構成の流れ調整器に特に優位性を認めた。
実施例2-空気流抵抗
最適化され得る別の重要なパラメータはアセンブリの静的空気流抵抗である。
図35~図36の流れ調整器アセンブリ630の構成を有し、図22~図27の流れ調整器140を備え、0.83Pa0.5(分/L)の静的抵抗及び30L/分の名目調整流量を有する流れ調整器アセンブリを形成した。このような流れ調整器アセンブリの性能は図40の実線により示され、これは、上で記載した実施例1の式を使用して算出されたデータから得たものである。示されるように、この設計の流れ調整器アセンブリは、わずか0.5kPaの圧力損失で吸入する患者が、アセンブリを通じて25L/分で吸入することを可能にする。その対極は、4kPaの圧力損失を生成する患者である。この状況では、吸入流量は流れ調整器の公差に応じて、約25~35L/分に調整される。実線から明らかなように、この設計は、患者肺気量とは無関係に、この約25~35L/分の流量範囲内で全ての薬剤が送達されることを確実とする。これにより、患者間及び患者内の両方における、患者(例えば、COPD患者)の用量の一貫性が大幅に向上する。したがって、全患者がこのような流れ調整器アセンブリから利する。
図40の破線は、アセンブリのより高い静的抵抗(1.0Pa0.5分/L.)の効果を示す。一部の患者、特に、わずか約0.5kPaの圧力損失で吸入する患者は、流れ調整器が動作するのに必要な流量を達成しない。これら患者は流れ調整器から直接利することはない。
図40の点線は、流れ調整器アセンブリのより低い静的抵抗(0.6Pa0.5分/L)の効果を示す。全患者がアセンブリを通じた吸入がより簡単になると考え、一部のより虚弱な患者は調整流量に近い流量を得ることがより簡単になると考える。しかしながら、静的抵抗が低すぎると口及び咽頭内の薬剤沈着の増加に至る可能性があり望ましくないため、低すぎる静的抵抗を避けることも好ましい。
これら計算及びこれら事項に基づくと、図22~図27の流れ調整器を備え、30L/分の調整流量を有する図35~図36の流れ調整器アセンブリの理想的な静的抵抗は約0.8Pa0.5分/Lであると考えられる。この抵抗において、事実上全てのCOPD患者及び喘息患者は、約30L/分を超える流量で吸入すると予想される。より高い抵抗(例えば、1.0~1.1Pa0.5分/L)のアセンブリでは、一部のCOPD患者が30L/分の吸入量に到達できない結果となる。
典型的には、COPD患者の95%のみが0.6kPaより大きい吸入圧力損失を生成する。結果として、本開示の流れ調整器を備える流れ調整器アセンブリ(及び/又は吸入器)の提供は、0.5~4.0kPaの吸入圧力損失を生成し得る大部分の喘息患者及びCOPD患者の要求を十分に満たすものである。
上述され、図に示された実施形態は、単に例として示され、本開示の概念及び原理における限定を意図するものではない。このように、要素並びにそれらの構成及び配列における様々な変化が、本開示の趣旨及び範囲から逸脱することなく可能であることは、当業者であれば認識するであろう。
本明細書において引用された全ての参照及び刊行物は、その全体が参照することによって本開示に明確に援用される。
本開示の様々な特徴及び局面は、以下の請求項において述べられる。