JP2022054124A - 画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】安価でかつ、簡易な構成で像担持体と現像剤担持体の間のリークを検知する手段を提供する。【解決手段】画像形成動作を実行可能な画像形成装置であって、像担持体1と、像担持体1に対して所定のギャップを設けた状態で対向し、像担持体1に形成された潜像を現像剤により現像する現像剤担持体10と、少なくとも現像剤担持体10を支持する枠体と、現像剤担持体10に、直流電圧と交流電圧とが重畳された現像バイアスを印加する印加手段19、20と、枠体に設けられる導電部材18と、現像剤担持体10への現像バイアスの印加によって導電部材18に誘起される交流電流を検出する検出手段24と、印加手段19、20を制御する制御部23と、を有し、制御部23は、印加手段19、20がバイアスを印加したときに検出手段24が検出する交流電流に基づいて、画像形成動作における現像バイアスを制御する。【選択図】図1

Description

本発明は、電子写真方式を用いて記録材上に画像を形成する画像形成装置に関するものである。
電子写真画像形成方式(電子写真プロセス)を用いたプリンタ等の画像形成装置において、静電像を現像剤(トナーともいう)でトナー像として顕像化する現像方式として、像担持体と現像剤担持体がギャップを持った状態で現像を行う非接触現像方式がある。この方式によればトナーに与える負荷を抑えることが出来るため、寿命を通して安定した画像を得ることが出来る。このような非接触現像方式の現像装置の場合、現像剤担持体と像担持体の駆動により、上記ギャップが変動する場合があり、現像剤担持体と像担持体間の電界強度が変動することで、形成される画像に濃度ムラが発生する等の問題があった。上記課題に対し、現像剤担持体と像担持体との間に印加させる現像バイアス電圧における交流電圧のピーク・ピーク値を大きくし、現像剤を現像剤担持体と像担持体の間で十分飛翔させることで、濃度ムラが発生するのを抑制するようにしていた。しかし、上記ピーク・ピーク値を大きくすると、像担持体の表面電位と現像バイアスのピーク値との電位差が大きくなって、現像剤担持体と像担持体との間に高圧リークが発生し、形成される画像にノイズが発生するという問題があった。
高圧リークが発生する交流電圧のピーク・ピーク値は、現像領域のギャップ値や気圧などで変化するため、個々の画像形成装置や使用環境によって変化する。そのため、従来例においては現像剤担持体と像担持体間の交流電圧のピーク・ピーク値を変えて像担持体と現像剤担持体の間でリークを発生させ、リークにより像担持体に付着したトナーを濃度センサで検知し、リークの発生の有無を判断していた(特許文献1)。
特開2000-098707号公報
しかしながら、上記従来例では濃度センサが高価であり、かつ、濃度センサのない部分でリークが発生した場合にはリークを検知できないという課題があった。
本発明の目的は、安価でかつ、簡易な構成で像担持体と現像剤担持体の間のリークを検知する手段を提案することである。
上述の課題を解決するために、本発明の画像形成装置は、
画像形成動作を実行可能な画像形成装置であって、
像担持体と、
前記像担持体に対して所定のギャップを設けた状態で対向し、前記像担持体に形成された潜像を現像剤により現像する現像剤担持体と、
前記現像剤担持体を支持する枠体と、
前記現像剤担持体に、直流電圧と交流電圧とが重畳された現像バイアスを印加する印加手段と、
前記枠体に設けられる導電部材と、
前記印加手段による前記現像剤担持体への前記現像バイアスの印加によって前記導電部材に誘起される交流電流を検出する検出手段と、
前記印加手段を制御する制御部と、を有し、
前記制御部は、前記印加手段によって前記現像バイアスを印加したときに前記検出手段が検出する前記交流電流に基づいて、前記画像形成動作における前記現像バイアスを制御することを特徴とする。
以上説明したように、本発明によれば、安価でかつ、簡易な構成で像担持体と現像剤担持体の間のリークを検知することができる。
本発明に係る現像装置及びプロセスカートリッジの一実施例の概略構成図 本発明に係る画像形成装置の一実施例の概略構成断面図 現像スリーブに印加される交流電圧のVppと電極に誘起される電流値との関係図 実施例1のフローチャート 実施例2におけるプロセスカートリッジと本体との接続を表した図 実施例2において現像スリーブに印加される交流電圧のVppと電極に誘起される電流値との関係図 実施例2のフローチャート ドラムカートリッジありなしでの現像スリーブに印加される交流電圧のVppと電極に誘起される電流値との関係図 実施例3のフローチャート
以下に図面を参照して、この発明を実施するための形態を、実施例に基づいて例示的に詳しく説明する。ただし、この実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状それらの相対配置などは、発明が適用される装置の構成や各種条件により適宜変更されるべきものである。すなわち、この発明の範囲を以下の実施の形態に限定する趣旨のものではない。
(実施例1)
図1~図4を参照して、本発明の実施例1について説明する。
<画像形成装置の説明>
図2に、本実施例の現像装置4を備えた画像形成動作を実行可能とする画像形成装置の一例を示す。同図は、画像形成装置の概略構成を示す縦断面図である。同図に示す画像形成装置は、プリンタエンジンとしての画像形成装置本体(以下単に「装置本体」という。)を備えている。
装置本体の内側には、像担持体としてドラム形の電子写真感光体(以下「感光ドラム」という。)1を備えている。感光ドラム1は、駆動力が伝達されることにより、軸を中心に図2中の矢印R1方向に所定のプロセススピード(周速度)で回転駆動される。本実施例にて、画像形成プロセスの中心となる感光ドラム1は、30mm径のアルミニウム製シリンダの外周面に機能性膜である下引き層、キャリア発生層、キャリア移送層を順にコーティングした有機感光ドラム1を用いている。感光ドラム1は、その表面が帯電装置(帯電手段、帯電部材)としての帯電ローラ2によって帯電される。帯電ローラ2は、感光ドラム1表面に接触配置されており、感光ドラム1の矢印R1方向の回転に伴って従動回転する。帯電ローラ2には、帯電バイアス印加電源(不図示)によって、例えば直流電圧か
ら成る帯電バイアスが印加される。これにより、感光ドラム1表面が所定の極性、所定の電位に均一に帯電される。
帯電後の感光ドラム1表面は、露光装置によって静電潜像が形成される。露光装置は、レーザスキャナ14a、ポリゴンミラー(不図示)、反射レンズ14b等を有しており、画像情報に基づいたレーザ光を感光ドラム1表面に照射して照射部分の電荷を除去し、静電潜像を形成するものである。こうして感光ドラム1表面に形成された静電潜像は、現像装置4によってトナーが付着され、トナー像として現像される。なお、現像装置4については、後に詳述する。
感光ドラム1表面に形成されたトナー像は、転写装置としての転写ローラ5によって転写材13上に転写される。この転写材13は、給紙カセット14に収納され、給紙ローラ12やレジストローラ15等によって感光ドラム1上のトナー像と同期をとって矢印P方向へ転写ニップ部に供給されたものである。転写ローラ5に、転写バイアス印加電源(不図示)によって感光ドラム1上のトナー像が転写材13上に転写される。転写材13に対するトナー像の転写後に表面に残ったトナーがクリーニング装置6のクリーニングブレード7によって除去された後、感光ドラム1は次の画像形成に供される。
一方、トナー像転写後の転写材13は、定着装置8に搬送され、定着ローラ8a、加圧ローラ8bによる加熱、加圧を受けて、表面のトナー像が定着される。トナー像定着後の転写材13は、装置本体外部に排出され、これにより、画像形成が完了する。図1のように、画像形成プロセスを行う上記部材のうち、感光ドラム1、帯電ローラ2を持つクリーニング装置6と現像装置4は、プロセスカートリッジとして一体化された構成となっており、画像形成装置本体に対して一体的に着脱可能に構成されている。
つづいて、図1を参照して、本実施例の現像装置4について詳述する。同図は、現像装置の概略構成を示す縦断面図である。現像装置4は、磁性一成分トナーを用いた現像装置であり、枠体として、トナー11を収納するトナー収容室T1と、現像スリーブ10や現像ブレードを有する現像室T2に開口部を介して分けられているトナー容器を有する。主に、トナー収容室T1にはトナー11をほぐし搬送するための攪拌部材16が配置され、現像室T2には搬送されたトナー11を担持搬送する現像スリーブ10と、現像スリーブ10に担持されたトナーの層厚規制を行う現像ブレード9とを有している。
現像スリーブ10は、アルミニウムやステンレススチールのパイプによって形成された非磁性スリーブであり、トナー容器によって矢印R2方向に回転自在に支持されている。本実施例ではアルミ製の14mm径の中空円筒管を用いた。現像スリーブ10の長手方向(軸方向)の両端部にはそれぞれコロ(不図示)が固定されている。現像スリーブ10は、コロの外周面を対向する感光ドラム1に突き当てることにより、感光ドラム表面との間に所定のギャップ(間隙)を確保するようにしている。本実施例においてはコロの厚みを調整することにより、現像スリーブ10と感光ドラム1の表面が300μmのギャップを持って対向するようにした。
現像スリーブ10の表面は、フェノール樹脂にカーボン、電荷制御剤、表面を荒らすための微粒子を分散させた溶剤で塗装して、所望量のトナーを担持した時に適正な電荷を与えられるようにした。また、塗料コートによって現像スリーブ10の表面上は粗さをもっており、本実施例では算術平均粗さRa=1.2μmのものを使用した。また、現像スリ
ーブ10の内側には、マグネット17が配設されている。マグネット17は、円筒状に形成されていり、その周方向にN極とS極とが交互に複数個形成されている。マグネット17は、現像スリーブ10が矢印R2方向に回転するのとは異なり、現像スリーブ10の内側に固定的に配置されている。
現像ブレード9は、支持部材9aと弾性ブレード9bとを有して構成され、弾性ブレード9bが現像スリーブ10の表面に当接するように設けられている。弾性ブレード9bは、例えばウレタンゴムを板状に形成したものであり、その基端部が支持板金9aに固定されるとともに、その先端部を現像スリーブ10表面に所定の圧力で当接させて弾性変形している。弾性ブレード9bは、上述のマグネット17の磁力によって現像スリーブ10表面に引き付けられたトナー11の層厚を規制するものである。現像スリーブ10表面に担持されたトナーは、現像スリーブ10の矢印R2方向の回転によって搬送されることによるトナー相互の摩擦帯電、現像ブレード9によって層厚が規制される際の現像スリーブ10と弾性ブレード9b間での摺擦による摩擦帯電を受ける。これにより、現像スリーブ10表面に担持されたトナーは、適切な電荷が付与されながら、現像スリーブ10表面から感光ドラム1表面に対向する現像領域へと搬送されていく。このとき、現像スリーブ10には、図1に示すように直流電圧電源19と交流電圧電源20が接続されており、直流と交流とが重畳された現像バイアスが摺動接点を介して印加される。これにより、現像スリーブ10上のトナーが、現像領域において、感光ドラム1に飛翔して静電的に静電潜像に付着し、静電潜像をトナー像として現像する。
直流電圧電源19は、印加手段として、現像スリーブ10に印加する直流成分を発生させる回路であり、その出力は交流電圧電源20に入力される。そして、直流電圧電源19は、出力制御部21を有し、出力制御部21は、直流電圧電源19が出力するバイアスの値をCPU23の指示に応じて制御する。また、交流電圧電源20は、印加手段として、例えば、周波数f=2.5kHz、Duty50%の矩形波状(パルス状)で、直流電圧電源19が出力する直流電圧を平均値(面積中心値)とする交流電圧を出力する回路である。そして、交流電圧電源20は、ピーク・ピーク値(以下、Vpp)制御部22を有する。Vpp制御部22は、交流電圧のピーク間電圧をCPU23の指示に応じて制御する。
ここで、本実施例においては、CPU23は、制御部として、画像形成装置の動作を全体的に制御するものであり、本発明の取得手段や検知手段に相当する構成でもある。
<感光ドラムと現像スリーブのリーク検知>
次に、感光ドラム1と現像スリーブ10間のリーク検知機構について説明する。本実施例においては、図1に示すようなトナー室T1内に導電性の検出部材(導電部材)である板金18が配設されている。画像形成装置本体とプロセスカートリッジとの間には、両者の間の電気的に接続をとるための接点構成が備えられている。すなわち、プロセスカートリッジは、カートリッジ側第1接点とカートリッジ側第2接点と、を有し、画像形成装置本体は、本体側第1接点と、本体側第2接点と、を有する。現像スリーブ10は、カートリッジ側第1接点と、板金18は、カートリッジ側第2接点と、導線等を介して各々電気的に導通している。プロセスカートリッジが画像形成装置本体に装着された状態において、カートリッジ側第1接点、カートリッジ側第2接点は、各々プリンタ本体の本体側第1接点、本体側第2接点と電気的に接触している。本体側第1接点には、プリンタ本体内にある電源から交流成分を含むバイアス電圧が印加される。電源から現像スリーブ10に交流成分を含むバイアス電圧を印加すると、印加したバイアスに応じた電流が板金18に誘起される。その電流を検出することで、感光ドラム1と現像スリーブ10間でのリーク状態が検知される。
以下、検出手段としての電流検出回路について図1を用いて詳細に説明する。電流検出回路には、板金電極に誘起された電流を整流する整流回路24、及び、整流回路24で発生した電流信号を電圧Vdcに変換する電流―電圧変換回路25が設けられている。整流回路24は、本体側第2接点と電気的に導通している。また、電流―電圧変換回路25は
、CPU23に接続され、交流電圧のピーク間電圧との関係を比較する。なお、本実施例では、整流回路24で発生する電流信号を電圧に変換する構成としたが、これに限るものではない。
図3は、本実施例において電源から現像スリーブ10に印加される交流電圧のVppとその時に整流回路24で検出された電流値との関係を示したものである。交流電圧のVppを上げていくと検出される電流がそれに比例して大きくなるが、ある値を超えると検出電流がほとんど変化しなくなることが分かった。また、同時に印刷した画像を確認すると、検出電流の変化が小さくなるタイミングから現像リーク起因の画像不良が発生していた。
これは、交流電圧のVppが大きくなり、感光ドラムと現像スリーブとの間でリークが発生することで、交流電圧が正常なバイアス波形を保つことが出来なくなったためと考えられる。すなわち、交流電圧が正常なバイアス波形を保つことが出来なくなると、それ以上Vppを上げても現像波形が変わらなくなる為、トナー室内の板金に誘起される電流が変化しなくなったものと考えられる。つまり、現像リークが発生すると、現像リークが発生したときに印加されたVpp(図3の場合にはVpp=1500V)の時点で、実効的に現像ローラにそれ以上の電圧が印加されなくなってしまう。すると、現像ローラとトナー室内の板金の間で生じる電位差自体は、現像リーク以降Vppを上げ続けても変わらないため、トナー室内の板金に誘起される電流は現像リークが発生したタイミングでのVppの時点で飽和してしまう。つまり、本来流れるべきではない電流が、リーク電流として感光ドラム側に流れてしまうことによって、トナー室内の板金に誘起される電流が増加しないことになる。この現象を利用して、現像リークが発生したVppにおいて、トナー室内の板金を用いて現像リークを検知することが出来る。
この時、交流電圧電源20の出力に対して、内部インピーダンスが大きい回路であると、検知精度が高まる。高い電圧出力を有する高圧電源の方が、現像リークを抑制することが出来るというメリットがあるが、現像リークを抑制することが出来る故に、印加可能電圧の上限が高く、一度リークすると大電流が流れてしまう恐れがある。さらに、高い電圧出力を可能とする高圧電源は、コストが高く基板面積も大きい。したがって、高圧出力は画像形成に必要な大きさの電圧に留めてコストを削減、小サイズを達成する上に、現像リークが発生した際の抵抗変動に敏感である構成を、実施例1では採用した。
図4は、感光ドラムと現像スリーブとの間でのリークの検知の流れを示すフローチャートの一例である。なお、この放電発生検出動作は、気圧や温湿度などのプリンタの設置環境の変化時、SDギャップ(現像スリーブと感光ドラムとの間の最近接距離)が変化する可能性のある現像装置の通紙履歴や現像機交換のタイミングで実行する。尚、上記の例に限られず、実施タイミングは、適宜設定することが可能である。以下、図1を用いて本実施例の検知処理を説明する。
まず、プリンタ本体の電源がONになり、放電発生検出動作が開始されると(S1)、CPUの指示で、不図示の駆動機構により、感光ドラムの回転が開始される(S2)。この感光ドラムの駆動は、放電発生検出動作が終了するまで継続する。次に、現像スリーブに直流バイアス-300Vが印加され、感光ドラムの表面電位が-500Vとなる帯電バイアスを印加する(S3)。S3から感光ドラムが1周回転すると、表面電位が狙いの値となる(S4)。次に現像スリーブに印加するVppを設定する。まず、確実にリークが発生しないVpp(0)に設定し(S5)、その時にトナー室内の板金に誘起される電流I(0)を検知する(S6)。次にVpp(n)より100V高いVpp(n+1)に設定し(S7)、その時に誘起される電流I(n+1)を検知する(S8)。例えば、n=0の場合には、Vpp(0)よりも100V高いVpp(1)に設定し、その時に誘起さ
れる電流I(1)を検知することになる。このステップを繰り返し(S9,S10、S15)、誘起電流が例えば、{I(n+2)-I(n+1)}/ {I(n+1)-I(n)}< 1/2となるVpp(n+1)が分かるまで測定を続ける(S11)。Vpp(n+1)が求まったら、通紙中に温湿度や気圧が変化することを考慮し、Vpp(n+1)から200V下げた値を画像形成中のVppとして採用する(S12)。次に現像バイアスと帯電バイアスをOFFし(S13)、その後感光ドラムの回転駆動を停止させる(S14)。なお、本実施例においては感光ドラムのみを回転駆動させ、現像スリーブの回転を停止した状態で検知を行ったが、これは現像スリーブから感光ドラムへのトナーの転移を出来るだけ抑える為であり、現像スリーブを回転させて実施しても機能上は問題ない。
このように交流電圧のVppを変化させた時のトナー室内の板金に誘起される電流を検知することで、簡易な構成において感光ドラムと現像スリーブとの間のリークの発生の有無を判断することが出来る。
本実施例は、印加手段が印加するバイアスの大きさの変化に対して検出手段が検出する交流電流の大きさの変化の割合である傾きを複数回取得し、その傾きに所定の変化が見て取れる場合に、バイアスの大きさがリークの発生する大きさになったと検知する。傾きの取得においては、印加手段がバイアスをその大きさをそれぞれ異ならせて複数回印加し、そのバイアス印加によって導電部材に誘起される複数の交流電流を取得する。なお、本実施例では、検出手段によって交流電流を複数回検出して、交流電流の大きさの変化の割合である傾きに所定の変化があるかどうかを見て、リークの発生の有無を判断しているが、これに限られない。すなわち、あらかじめ、リークの発生の有無が判断できるような閾値となる電流値をメモリなどの記憶手段に記憶させておいて、その閾値と比較することで傾きに変化があるかどうかを見るようにすれば、交流電流を複数回検出する必要はない。
ここで、印加するバイアスの大きさの異ならせ方(変化のさせ方)としては、上記実施例では、徐々に絶対値を大きくするように変化させているが、これに限定されるものではない。例えば、最初は、バイアスの変化のさせ方を大雑把に刻んで、リークを発生させない非リーク発生バイアスと、リークを発生させるリーク発生バイアスと、の境界の大体の目星をつけてから、バイアスの変化を細かく刻むようにしてもよい。すなわち、印加手段が印加するバイアスは、バイアスの変化に対して交流電流が所定の基準傾き(本実施例では1/2)に略従って変化する非リーク領域と、バイアスを大きくしても交流電流が大きくならないリーク領域と、のいずれかの領域に属することになる。したがって、例えば、最初はおおよそ非リーク領域(第1の領域)に属するであろう大きさの第1のバイアスを印加し、次に、この度は逆におおよそリーク領域(第2の領域)に属するであろう大きさの第2のバイアスを印加する。そして、次に、第1のバイアスよりも大きいが第2のバイアスよりも小さい第3のバイアスを印加し、第3のバイアスが第1の領域に属するバイアスであれば、今度は、第3のバイアスよりは大きいが第2のバイアスよりも小さい第4のバイアスを印加する。このように、印加するバイアスの絶対値の差を徐々に狭めるような印加の仕方を採用してもよい。よりリーク発生境界バイアスに近いバイアスを基準として、画像形成時の現像バイアスの設定が可能となる。
なお、ここで言うリークとは、上述したように、交流電圧が所定の正常な矩形波状のバイアス波形を維持することができず、濃度ムラを引き起こすような現象のことである。そのような画像形成動作に悪影響を及ぼすことがない微細なリークは、本発明において考慮するものではない。
また、バイアスの大きさとは絶対値の大きさのことであり、例えば、正規帯電極性が負極性のトナーを用いる画像形成装置では、現像バイアス等として負極性のバイアスを印加
する構成が採用される。
(実施例2)
実施例1では現像スリーブに印加する交流電圧を徐々に変化させ、その時に板金に誘起される電流を検知することで感光ドラムと現像スリーブ間のリークの検知を行った。本発明の実施例2においては、プロセスカートリッジ新品時のトナーシールを引く前に検知を行うことで、検知時間の短縮を行う。基本的な構成は実施例1と同様であるが、本実施例においては、板金が現像室に配置されており、かつ、現像室とトナー収容室がトナーシールで隔てられている状態で検知することを特徴としている。
<本実施例における感光ドラムと現像スリーブのリーク検知方法>
図5は、本実施例におけるプロセスカートリッジと本体との接続を表した図である。板金が現像室に配置されており、かつ、現像室とトナー収容室とを連通する開口部がシール部材としてのトナーシール26で隔てられていることが実施例1と異なる点である。
このような構成においてプロセスカートリッジが新品の場合、現像スリーブと板金との間にトナーが存在しない状態でリークの検知を行うことができる為、トナー量の変化による現像スリーブと板金間の誘電率の変化を考慮する必要がない。すなわち、現像Vppを印加し板金に誘起される電流は、現像スリーブ径と板金大きさ、及び現像スリーブと板金との距離、現像スリーブと板金間の空気の誘電率に依存するものである。また、空気の誘電率は環境や気圧での変化量が小さい為、現像Vppに対して板金に誘起される電流の傾きaはカートリッジの構成によってほぼ決定することが可能である。よって、現像Vppに対して板金に誘起される電流の傾きaを予めカートリッジに取り付けられた記憶手段としてのメモリタグ等に保存、記憶しておく。そして、2つの異なる現像Vppを印加し、その時に板金に誘起される電流値を検知するだけで、その結果から現像リークが発生した現像Vppを判断することが可能である。
図6は、現像Vppと検知電流の関係を示したものである。白抜きのプロットが現像リークの発生しない条件(例えば、SDギャップが十分に広い場合)において現像Vppと検知電流の関係を示したものであり、現像Vppが大きくなっても比例関係を示している。その傾きaは、現像スリーブ径と板金大きさ、及び現像スリーブと板金との距離、現像スリーブと板金間の空気の誘電率に依存するものである。一方、塗りつぶしのプロットは実施例1でも示したSDギャップ200μmで同様に現像Vppを変化させたものであり、現像リークが起こったタイミングから検知電流が一定となっている。これは、実施例1において説明したように交流電圧が正常なバイアス波形を保つことが出来なくなり、それ以上Vppを上げても現像波形が変わらなくなる為である。
図7のフローチャートをもとに本実施例の検知処理について説明する。まず、プリンタ本体の電源がONになり(S21)、メモリタグのデータ等を用いてプロセスカートリッジが新品かどうか判断する(S22)。プロセスカートリッジが新品でない場合には、動作を終了する。プロセスカートリッジが新品と判断された場合には、感光ドラムの駆動を開始させる(S23)。この感光ドラムの駆動は、放電発生検出動作が終了するまで継続する。次に、現像スリーブに直流バイアス-300Vが印加され、感光ドラムの表面電位が-500Vとなる帯電バイアスを印加する(S24)。S4から感光ドラムが1周回転すると、表面電位が狙いの値となる(S25)。次に確実にリークが発生しないVpp(1)を印加し(S26)、その時にトナー室内の板金に誘起される電流I(1)を検知する(S27)。次に出力可能な最大Vpp(2)を印加し(S28)、その時に誘起される電流I(2)を検知する(S29)。検知した結果をもとにリークが発生するVpp(leak)={I(2)-I(1)+aVpp(1)}/aを求める(S30)。Vpp(leak)が求まったら、通紙中に温湿度や気圧が変化することを考慮し、Vpp(l
eak)から200V下げた値を画像形成中のVppとして採用する(S31)。次に現像バイアスと帯電バイアスをOFFし(S32)、その後感光ドラムの回転駆動を停止させる(S33)。
このように現像室とトナー収容室がトナーシールで隔てられ、現像スリーブと板金の間にトナーがいない状態においては現像Vppを2段階変化させて板金に誘起される電流を測定するだけでリークが発生する現像Vppを求めることが出来る。そのため、より短時間で適切なVppを設定することが可能になる。
本実施例は、(i)バイアスの大きさの変化に対する交流電流の大きさの変化の割合である傾きが、予め設定されているので、その傾き(基準傾き)に従ったバイアス/交流電流の変化のグラフをプロットするための基準を求めればよい、というものである。すなわち、(ii)非リーク領域に属する第1の大きさのバイアス印加と、それにより取得される第1の大きさの交流電流、(iii)リーク領域に属する第2の大きさのバイアス印加と、それにより取得される第2の大きさの交流電流を求める。(ii)の印加バイアスと、それにより取得される交流電流と、によって、図6に示すように、(i)の基準傾きに従ったバイアス/交流電流の変化の直線を引くことができる。そして、(iii)の印加バイアスにより取得される交流電流によって、非リーク領域とリーク領域との境界におけるバイアスであるリーク発生境界バイアスを取得することができる。
(実施例3)
実施例1では現像スリーブに印加する交流電圧に応じて板金に誘起される電流を検知することで感光ドラムと現像スリーブ間のリークの検知を行った。本発明の実施例3においては、板金に誘起される電流を検知することで、感光ドラムを持つドラムカートリッジと、現像スリーブを持つ現像カートリッジが画像形成装置に装着されたかどうかを検出する手段を提供する。
基本的な構成は実施例1と同様であるが、本実施例においてはプロセスカートリッジが感光ドラムを持つドラムカートリッジ(第1のカートリッジ)と、現像スリーブを持つ現像カートリッジ(第2のカートリッジ)に分離された構成となっている。感光ドラムと現像スリーブが一体となった従来のプロセスカートリッジにおいては、特定の現像バイアスを印加した際に板金に誘起された電流の有無でプロセスカートリッジが本体に装着されたかどうかの判断を行っているものがある。
しかし、この方法を本実施例に用いた場合、現像カートリッジが装着されているかを判断することは可能であるが、ドラムカートリッジが装着されているかを判断することはできない。そこで、本実施例においては確実にリークが発生する現像Vppを印加し、その際に板金に誘起される電流を検知することでドラムカートリッジが装着されているか判断する。
<ドラムカートリッジが装着されているかの判断方法>
本実施例においては異なる2つの現像Vppを印加した時に板金に誘起される電流を検知することでドラムカートリッジの着脱の有無を判断する。具体的には現像リークが確実に起こらない現像Vppと、現像リークが確実に起こる現像Vppをそれぞれ印加し、板金に誘起される電流を検知する。
図8はドラムカートリッジが装着されている場合(実線)と、されていない場合(点線)でそれぞれ現像Vppを変化させた時に板金に誘起される電流を測定した結果である。ドラムカートリッジの装着の有無で誘起される電流の絶対値がシフトしているのは現像スリーブに隣接する浮遊容量や現像装置内のトナー量で変化する為である。実施例1で説明
したように、ドラムカートリッジが装着されている場合(実線)には、現像Vppがある値を超えたところから現像リークの影響で電流が変化しなくなる。一方、ドラムカートリッジが装着されていない場合には現像Vppに比例して電流値が大きくなる。これは現像スリーブに対向する感光ドラムがない状態である為、現像Vppを上げてもリークが起きない為である。
すなわち、ドラムカートリッジが装着されていない状態で検知を行った場合には、感光ドラムがない状態である為、高い現像Vpp印加してもリークが発生せず、現像Vppに比例した誘起電流が流れる。一方、ドラムカートリッジ装着された状態で同様の検知を行った場合には、感光ドラムがある状態である為、確実にリークが発生する現像Vppを印加すると、リークが発生しない場合に比べて、誘起電流の値が小さくなる。この違いを利用することによりドラムカートリッジの有無を判断することができる。
<カートリッジ有無の判断方法の説明>
図9は、本実施例においてカートリッジの有無を判断するフローチャートの一例である。以下、図9を用いて本実施例の検知処理を説明する。まず、プリンタ本体の電源が入れられるか、プリンタ本体の電源が入った状態で本体の前ドアが閉められる(S41)。次に確実にリークが発生しない現像Vpp(1)を印加する(S42)。その際に流れる電流値I(1)検知する(S43)。電流が検知されるか否かを判断し(S44)、電流が流れなければ(Nо)、現像カートリッジが装着されていないと報知する(S49)。電流が流れた場合には、さらに確実にリークが発生する現像Vpp(2)を印加し(S45)、検出される電流値I(2)を測定する(S46)。その時、{I(2)-I(1)}/{Vpp(2)-Vpp(1)}が閾値cより小さいか否かを判断する(S47)。大きければ(Nо)、リークが発生していない為、ドラムカートリッジが装着されていないと報知する(S50)。検出された閾値c以下であれば、リークが発生している為、現像カートリッジとドラムカートリッジが正しく装着されたと判断し、所定の印刷準備動作を行う(S48)。
このように現像スリーブに現像Vppを印加し、その際に現像装置内に配置された板金に誘起される電流を検知することで現像装置の有無と、クリーニング装置の有無を同時に判断することが可能になる。
上記実施例1~3の各構成は、技術的に矛盾が生じない範囲において、それぞれの構成を互いに組み合わせることが可能である。
1…感光ドラム、4…現像装置、6…クリーニング装置、10…現像スリーブ、18…板金、19…直流電圧電源、20…交流電圧電源、21…出力制御部、22…Vpp制御部、23…CPU、24…整流回路、25…電流―電圧変換回路、26‥‥トナーシール

Claims (14)

  1. 画像形成動作を実行可能な画像形成装置であって、
    像担持体と、
    前記像担持体に対して所定のギャップを設けた状態で対向し、前記像担持体に形成された潜像を現像剤により現像する現像剤担持体と、
    前記現像剤担持体を支持する枠体と、
    前記現像剤担持体に、直流電圧と交流電圧とが重畳された現像バイアスを印加する印加手段と、
    前記枠体に設けられる導電部材と、
    前記印加手段による前記現像剤担持体への前記現像バイアスの印加によって前記導電部材に誘起される交流電流を検出する検出手段と、
    前記印加手段を制御する制御部と、を有し、
    前記制御部は、前記印加手段によって前記現像バイアスを印加したときに前記検出手段が検出する前記交流電流に基づいて、前記画像形成動作における前記現像バイアスを制御することを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記検出手段は、前記印加手段が前記現像バイアスの大きさをそれぞれ異ならせて複数回印加したときの前記交流電流を検出することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記制御部は、前記画像形成動作において前記現像剤担持体に印加される前記現像バイアスを取得する取得手段を更に有することを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成装置。
  4. 前記取得手段は、
    前記印加手段による大きさがそれぞれ異なる複数回の前記現像バイアスの印加により、前記現像バイアスの大きさの変化に対する前記検出手段が検出する前記交流電流の大きさの変化の傾きを複数回取得し、
    前記傾きの大きさが、所定の大きさより小さくなるときの前記現像バイアスであるリーク発生バイアスを取得し、
    前記リーク発生バイアスよりも所定の大きさだけ小さい前記現像バイアスを、前記現像バイアスとして取得することを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
  5. 前記リーク発生バイアスは、前記印加手段が印加する前記現像バイアスを大きくしても、前記検出手段が検出する前記交流電流が大きくならないバイアスであることを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
  6. 前記枠体は、現像剤が収容される収容室を有し、
    前記導電部材は、前記収容室に設けられることを特徴する請求項1~5のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  7. 前記取得手段は、
    (i)前記現像バイアスの大きさの変化に対する前記交流電流の大きさの変化の傾きとして予め定められた基準傾きと、
    (ii)前記印加手段が第1の大きさの前記現像バイアスを印加したときに前記検出手段が検出する第1の大きさの前記交流電流と、
    (iii)前記印加手段が前記第1の大きさよりも絶対値が大きい第2の大きさの前記現像バイアスを印加したときに前記検出手段が検出する第2の大きさの前記交流電流と、
    に基づいて、前記傾きの大きさが前記基準傾きの大きさよりも所定の大きさだけ小さい
    前記傾きに変化する境界となるリーク発生境界バイアスを取得し、
    前記リーク発生境界バイアスよりも所定の大きさだけ小さい前記現像バイアスを、前記現像バイアスとして取得することを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
  8. 前記リーク発生境界バイアスは、前記印加手段が印加する前記現像バイアスの大きさの変化に対して、前記検出手段が検出する前記交流電流の大きさが、前記基準傾きに略従って変化する第1の領域と、前記印加手段が印加する前記現像バイアスの大きさを大きくしても、前記検出手段が検出する前記交流電流の大きさが大きくならない第2の領域と、の境界におけるバイアスであることを特徴とする請求項7に記載の画像形成装置。
  9. 前記現像バイアスの前記第2の大きさは、前記第2の領域に含まれる大きさであることを特徴とする請求項8に記載の画像形成装置。
  10. 少なくとも前記基準傾きを記憶する記憶手段をさらに備え、
    前記現像剤担持体と、前記枠体と、前記記憶手段と、は、画像形成装置の装置本体に対して着脱可能なカートリッジとして一体化されていることを特徴する請求項7~9のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  11. 前記記憶手段は、前記カートリッジが新品であるか否かの情報も記憶することを特徴とする請求項10に記載の画像形成装置。
  12. 前記枠体は、前記現像剤担持体が配置される現像室と、現像剤が収容される収容室と、前記現像室と前記収容室との間を連通する開口と、を有し、新品時において前記開口がシール部材によってシールされており、
    前記導電部材は、前記シール部材であることを特徴とする請求項3、7~11のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  13. 前記交流電圧は、矩形波状の波形を有することを特徴とする請求項1~12のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  14. 前記像担持体を備え、画像形成装置の装置本体に対して着脱可能な第1のカートリッジと、
    前記現像剤担持体と、前記枠体と、を備え、画像形成装置の装置本体に対して着脱可能な第2のカートリッジと、
    前記検出手段が検出する前記交流電流に基づいて、前記第1のカートリッジの前記装置本体に対する着脱の有無、及び前記第2のカートリッジの前記装置本体に対する着脱の有無を検知する検知手段と、
    を備えることを特徴とする請求項1~13のいずれか1項に記載の画像形成装置。
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