本発明は、パンタアーム構造式足場台に関するものである。
昨今発生している足場台の組立施工並びに解体撤去時に、足場部材等の落下による物損事故や人身事故が発生している。その対応策が、時間経過による個々のスキル向上と依然とハード面の安全対策(落下防止屋根〈アサガオ等器物落下防止屋根〉や工具類の落下防止機器等)のみであり、現在も事故の大小関係なく類似事故が発生している。また今後については、高齢化に伴い熟練工を含む人員不足(3K問題も含む)により、工程の長期化及び安全対策に伴うコストの高騰化が予想される。
事故原因の殆どが人的によるミスであり、現状の対策だけでは抜本的な解決策にはなっていない。既存の足場台やまた改善された次世代の足場台については、足場部材自体はスマート(単一部材の大きさは小さくなっている代物もあるが、その分部材の総数量が増加していることもある)になってきているが、作業内容自体(運搬、組立施工から解体、撤去まで)は、依然と人海戦術に頼ったままで、変化が皆無(機械化されていない)に近い状態である。逆に人員個々の肉体的な負担が加増している。事故が発生するたびに、安全対策が強化されて、特に付帯業務等の作業過多が目立っている。それ以外に3Kの職場でもあることから、人員の定着率も悪く、人員不足によるコストの高騰化、併せて慢性的な人員不足の解消(現在のご時世にそぐわない)にもなっていない。特に最近の足場組立作業については、完了までの工程数も増えていることもあり、安全対策以外等にも人員負担が加増されている。
特許文献1に開示された内容やその他類似した代物は、低階層や単階層のみの短時間の点検等で使用するのであれば、有効と判断(脚立の延長線上の代物で長時間の作業にて不適格)できるが、本発明のような建設現場等で特に複数階層の足場台として使用するには全く対応できない。補助的ではあるが本発明は、背景技術の問題点を解決するためのものである。
特許文献2に開示された内容やその他類似した代物は、あくまでも人員や足場部材等の落下を未然防止するための巾木対策のみである。であるならば、足場の両側面にあらかじめ巾木も設置されている既存のタイプ(凹字)にする方が簡易的(足場板の重量等を考慮した上で)である。また設置後に巾木と足場底面との隙間を埋める固定作業が必要であり、更に建設現場では、垂直養生シートを新たに設置固定(工程数の増加)する必要もある。しかし本発明は、双方を併せ持つことにより、そのような問題点をも解決して、現在の建設現場で十分通用しうるものである。
特許文献については上述の通りであり、別々での特許文献は存在するが、両方を兼ね備える特許文献は無い(特に機械化された足場台組立作業自体)のが現状である。本発明については、上述の両特許文献等を備えて進展させたものである。基本構造が同じような代物(従来の足場部材で言えば、筋交い部分が伸縮することで足場台自体が昇降する)であっても、伸縮する部分(前記パンタアーム2部分)が個々に独立しており、設置する前記足場台部分1の台数が異なること、人員が上下左右の移動も可能で長時間の作業に適していること、特に時間や肉体的な作業内容の負担が大幅に削減されること、前記パンタアーム2の動きに併せて、巾木機能だけでなく前記垂直養生シート6の機能も備えていること、それによって自然災害時前(強風対策)の初期対応が迅速であること等により、足場台の組立施工並びに解体撤去に伴う工程数が大幅に削減され、安全だけでなく、職場環境全体を改善させるものである。
特開2010-149964号公報
特開2012-167487号公報
既存の足場台やまた改善された次世代の足場台では、前記(0003)の通りで、抜本的な問題は解決せず、今後も後継者不足とコストの高騰化のままで、事故が目立つ過酷な職場環境になるのではと予想している。所得は良くても、過酷な職場環境により人員の定着率が低く、熟練工の高齢化も進行して、人員自体が減少している。慢性的な人員不足により一時的な増員対策をしても、人員に対するコストの高値維持、個々の経験不足による工期の長期化、安全対策についてハード面は向上されてきているが、その分付帯業務等の作業過多や装備品の重量増による肉体的も含めた個々の負担増、逆にソフト面は熟練工の比率が低く、安全対策に対する熟知度のバラツキがあり、教育に対する時間や費用の追加発生等があり、職場環境全体を改善できなければ、今後も事故の大小は関係なく多発するであろうと推測できる。
本発明は、上述の問題点を鑑みなされたものであり、従来の足場台組立作業と比較して、着脱分解分離する足場部材数が少なく、簡易的に運搬、組立施工・解体撤去作業が可能であるために、建設作業現場での人員の肉体的な負担や作業時間、工程数等が削減され、かつ人的ミスによる人身事故の発生が削減できるパンタアーム構造式足場台を提供することを目的とする。
上述の課題を解決するために、前記足場台部分1毎に前記パンタアーム2が既設されて、前記パンタアーム2自体が格納及び伸縮運動することで、前記足場台部分1が昇降するパンタアーム構造式足場台であり、前記パンタアーム2が格納及び伸縮運動することに使用する着脱可能な前記油圧シリンダー3を備えると共に、組立時に前記足場台部分1を固定する前記格納式上下分離支柱4と、同様に前記格納式上下分離支柱4や前記パンタアーム2の支点同士をも固定して手摺の役割も兼用する着脱可能な前記格納式真直棒部材5と、前記足場台部分1が昇降するのに併せて、階層毎の側面部を覆う着脱可能な吊り上げ式の前記垂直養生シート6と、前記足場台部分1自体を含むパンタアーム構造式足場台自体同士が連結着脱する前記固定金具7と、パンタアーム構造式足場台自体を積載運搬移動する着脱可能な前記移動台車8からなっていることを特徴とするものである。
本発明においては、前記足場台部分1の設置台数については、建物の階層数に応じて事前に複数重ね合わせることができることにより、建設作業現場において、人力による足場部材の運搬作業等が削減されて、短時間で組立施工及び解体撤去作業が行うことができることを特徴とする請求項1に記載したパンタアーム構造式足場台にするのが望ましい。
本発明においては、前記垂直養生シート6については、巾木の役割も持ち、各階層の前記足場台部分1の一部の正面部(建物を囲う四隅部分)や側面部毎に事前設置されており、前記油圧シリンダー3の稼働により前記足場台部分1や前記パンタアーム2が昇降するのに併せて前記垂直養生シート6も昇降することができることを特徴とする請求項2に記載したパンタアーム構造式足場台にするのが望ましい。
本発明の効果は、前記足場台部分1毎に前記パンタアーム2が既設されて、前記パンタアーム2自体が格納及び伸縮運動することで、前記足場台部分1が昇降するパンタアーム構造式足場台であり、前記パンタアーム2が格納及び伸縮運動することに使用する着脱可能な前記油圧シリンダー3を備えると共に、組立時に前記足場台部分1を固定する前記格納式上下分離支柱4と、同様に前記格納式上下分離支柱4や前記パンタアーム2の支点同士をも固定して手摺の役割も兼用する着脱可能な前記格納式真直棒部材5と、前記足場台部分1が昇降するのに併せて階層毎の側面部を覆う着脱可能な吊り上げ式の前記垂直養生シート6と、前記足場台部分1自体を含むパンタアーム構造式足場台自体同士が連結着脱する前記固定金具7と、パンタアーム構造式足場台自体を積載運搬移動する着脱可能な前記移動台車8からなっていることから、建設作業現場においては、短時間で組立施工及び解体撤去作業が行うことができるという効果を奏する。
従来の足場台組立作業と異なり、前記足場台部分1の設置台数については、建物の階層数に応じて事前に複数重ね合わせることができること、着脱分解する足場部材数自体が少なく(ほとんどの部材はパンタアーム構造式足場台内に格納済)、運搬・組立施工、解体撤去が簡易的であるので、建設作業現場での人員数や運搬作業等に伴う肉体的な負担、作業時間、工程数等が削減され、短時間で組立施工及び解体撤去作業が行うことできることによって、職場環境が改善されて、人員の定着率の向上が期待できるという効果を奏する。運搬や撤去は前記移動台車8で実施、仮組立や仮解体は前記パンタアーム2の伸縮運動で行うことにより、人力による主な作業は、本組立(固定作業やその他付帯作業)並びにその後の確認作業等になる。そのため、特に肉体的な負担については、従来に比べて削減できるという効果を奏する。
前記(0013~0014)でも述べていることでもあるが、現在も発生しているであろう足場部材等の落下等による物損事故や人身事故の発生について、本発明は着脱部品数の減少や人員の負担軽減から来る職場環境改善(安全への意識や集中力、能率等の向上)に伴い、撲滅できるという効果を奏する。
肉体的な負担や作業時間が削減されることにより、職場環境が改善されて、最終的には、工事全体の工期短縮や安全対策に伴うコストの低下が期待できるという効果を奏する。
前記(0006)でも一部述べていることでもあるが、前記垂直養生シート6は、前記垂直養生シート6の本来の役割以外に巾木の役割も兼ねている。前記垂直養生シート6の格納場所は前記足場台部分底面1aの両側面周辺で、前記足場台部分1が昇降するのに併せて、前記垂直養生シート6も伸縮運動する吊り上げ式であることにより、新たに足場底面(前記足場台部分底面1a部分)と側面(巾木部分)の隙間を塞ぐ作業が不要である。また前記垂直養生シート6の上層部を固定しているのが、着脱可能な留め金等であることにより、自然災害時で実施する強風対策の初期対応が迅速に行うこと等、足場台の組立施工並びに解体撤去に伴う全工程数が大幅に削減できるという効果を奏する。
以下、図1~図12は、本発明に係るパンタアーム構造式足場台の構成例を示す図面である。
本発明に係るパンタアーム構造式足場台の構成例を示す格納時の側面図(イ)と正面図(ロ)。
本発明に係るパンタアーム構造式足場台の構成例を示す格納時の側面図(イ)と正面図(ロ)(前記垂直養生シート6設置付き)。
本発明に係るパンタアーム構造式足場台の構成例を示す側面図。前記油圧シリンダー3を稼働させて、前記パンタアーム2が伸張している途中の側面図。
本発明に係るパンタアーム構造式足場台の構成例を示す側面図と正面図。前記油圧シリンダー3を稼働させて、前記パンタアーム2が伸張している途中の側面図(イ)と正面図(ロ)(前記垂直養生シート6設置付き)。
本発明に係るパンタアーム構造式足場台の構成例を示す側面図。前記油圧シリンダー3を稼働させて、前記パンタアーム2が伸張した状態の側面図。
本発明に係るパンタアーム構造式足場台の構成例を示す側面図と正面図。前記油圧シリンダー3を稼働させて、前記パンタアーム2が伸張した状態の側面図(イ)と正面図(ロ)(前記垂直養生シート6設置付き)。
本発明に係るパンタアーム構造式足場台の構成例を示す側面図。前記格納式上下分離支柱4を搬出させて上下で結束固定した状態の側面図。
本発明に係るパンタアーム構造式足場台の構成例を示す側面図。前記油圧シリンダー3を停止、上下二段の前記足場台部分1が前記格納式上下分離支柱4の四か所を自重でも固定、前記格納式真直棒部材5を設置してパンタアーム構造式足場台自体の結束固定強化した状態の完成側面図。
本発明に係るパンタアーム構造式足場台の構成例を示す上下二段(一階と二階部分)の前記足場台部分1の側面図。
本発明に係るパンタアーム構造式足場台の構成例を示す上下左右二段(一階と二階部分)のパンタアーム構造式足場台自体同士が前記固定金具7で結束固定された側面図。
本発明に係るパンタアーム構造式足場台の構成例を示す前記吊り下げ階段9設置済(0034参照)の側面図(イ)と正面図(ロ)。
本発明に係るパンタアーム構造式足場台の構成例を示す側面図。前記パンタアーム2部分の一部分を詳細にした図面で、図9については前記足場台部分天面1bを含むそれ以上の階層の前記足場台部分1を表している。前記パンタアーム2は、各階層単位で独立しており、前記パンタアーム2が各階層単位で異なる動きをする動作側面図。
本発明に係るパンタアーム構造式足場台の構成例を示す正面図。前記油圧シリンダー3を停止、上下二段の前記足場台部分1が前記格納式上下分離支柱4の四か所を自重でも固定、前記格納式真直棒部材5を設置してパンタアーム構造式足場台自体の結束固定強化した状態の完成正面図(前記垂直養生シート6設置付き)。
本発明に係るパンタアーム構造式足場台の構成例を示す側面図。前記格納式上下分離支柱4を搬出させて上下で結束固定した状態の側面図(0026のa参照)。
本発明に係るパンタアーム構造式足場台の構成例を示す上下左右二段の前記足場台部分1の側面図。前記格納式上下分離支柱4自体そのものを前記足場台部分1より撤去して、その代用で外部付けの独立した支柱でパンタアーム構造式足場台自体を固定した状態の側面図(0026のb参照)。
前記足場台部分1の下部に、前記パンタアーム2や前記油圧シリンダー3、前記格納式上下分離支柱4、前記格納式真直棒部材5、前記固定金具7が既設格納されており、前記足場台部分1の側面両部分に前記垂直養生シート6が設置され、パンタアーム構造式足場台自体を前記移動台車8が積載運搬移動しており、以下からの説明は、主として通常(複数階層建物)の建設作業現場でのパンタアーム構造式足場台の形態に関するものである。
前記足場台部分1の設置台数は、建物の階層数に応じて事前に複数重ね合わせる(パンタアーム構造式足場台自体がある程度積み重ね接続が可能)ことができることにより、建設作業現場の環境に応じて前記足場台部分1の台数やその他種類を組み合わせ調整することができる。その他種類とは、例えば、他層階への移動も使用する前記吊り下げ階段9等を一部組み合わせたり、既存の足場組立作業で使用する部材等を外付けすることもできる。
パンタアーム構造式足場台自体にほとんどの備品が既設されていることにより、従来の足場台自体の合計重量より重量大の為、できるだけ軽量素材の足場部材を使用するのが望ましい。しかし、特に前記パンタアーム2や前記格納式上下分離支柱4、前記格納式真直棒部材5等については、軽量であっても重量物を支える必要があるので、軽量で強固な素材を使用した代物を用いる方が望ましい。例えば、軽くて丈夫なアルミニウム、マグネシウム、チタン等の合金によるフレーム等を使用することができる。また建設作業現場によっては、建物同士の隙間部分が狭い場所もあるので、特に前記足場台部分1の幅はできるだけ二分割等の細分化して、後刻幅も含めて大きさを選択調整できるようにする方が良い。
前記パンタアーム2自体について、伸縮時にパンタアーム構造式足場台自体の総重量で負荷がかかるため、前記パンタアーム2部分の力点部分や作用点部分については、横軸(縦軸)のボルトで前記足場台部分1を支えている。あくまでも伸縮時の支点部分を補強する一環として、必要であれば組立施工作業中のみになるが、支点部分にも着脱可能な横軸(縦軸)のボルトを設置併用(前記格納式上下分離支柱4を搬出させて上下で結束固定後、ボルトを取り外して導線を確保)する方法を取り入れることもできる。
前記油圧シリンダー3自体も、常時稼働状態にすると負荷がかかりすぎるため、負荷軽減の一環として、前記足場台部分1が組立後に固定される前記格納式上下分離支柱4が存在する。前記格納式上下分離支柱4で負荷を軽減(前記パンタアーム2自体も負荷は軽減状態)させている間は、前記油圧シリンダー3を停止状態にすることができる。また前記油圧シリンダー3自体も着脱可能(前記油圧シリンダー3自体はそのままで、前記油圧シリンダー3の稼働スイッチ等を含む一部分だけの着脱でも良い)なことにより、他の前記足場台部分1の組立でも使用することもできる。尚、前記油圧シリンダー3の設置場所は、パンタアーム構造式足場台自体の収納方法や導線のことも考慮して、前記足場台部分1の側面部分または前記足場台部分底面1aの裏側(または前記足場台部分天面1bの裏側)に設置するのが望ましい。尚、前記移動台車8と一番下の前記足場台部分1の間に設置されるであろう前記油圧シリンダー3については、パンタアーム構造式足場台自体が前記移動台車8に積載運搬移動する前までに設置されていることが望ましい。
前記油圧シリンダー3自体の設置数は、前記足場台部分1の台数単位毎に対して図面上(図9参照)では単体になっているが、パンタアーム構造式足場台自体の総重量で負荷がかかるため、必要に応じて前記油圧シリンダー3の設置数を前記足場台部分1の台数毎や前記パンタアーム2の単位毎で、複数設置に変更することもできる。また一番下の前記足場台部分底面1a(前記移動台車8に近い前記足場台部分1のこと)に設置している前記油圧シリンダー3については、構造上の観点からも常設のままが望ましい。但し、前記格納式上下分離支柱4で結束固定されている間は、前記油圧シリンダー3を停止状態にするのが望ましい。
また前記足場台部分1自体(前記パンタアーム2)の伸縮方法について、本発明は、前記足場台部分1の台数単位毎に前記油圧シリンダー3設置を基本としているが、若しくは車両などタイヤ交換等で使用するパンタグラフ式油圧ジャッキーのように、横軸のボルトを駆動させることで、前記パンタアーム2自体を伸縮させる方法に変更することもできる。また、その横軸のボルト自体を前記格納式真直棒部材5の代用(手摺も兼用)として併用することもできる。
前記格納式上下分離支柱4については、パンタアーム構造式足場台自体の大きさ、重量、強固性に応じて前記格納式上下分離支柱4の本数自体を追加増設(図面上では前記足場台部分1の四隅に設置)させたり、前記格納式上下分離支柱4自体を前記足場台部分1より撤去して、外部付けに変更すること、格納式上下分離ではなく接続箇所の数自体を減らした格納式支柱等、その他の方法に切り替えることもできる。例えば、(a)前記足場台部分1の右側は、下から持ち上がり、左側は、上から持ち下がる(図11参照)方法がある。その際も前記格納式上下分離支柱4同様で、支柱強化の一環として、強化方づえ等が設置されていることが前提である。また(b)前記格納式上下分離支柱4自体そのものを前記足場台部分1より撤去して、外部付け支柱に変更させて、前記格納式上下分離支柱4以外のパンタアーム構造式足場台自体と前記外部付け支柱を前記固定金具7で連結着脱させることもできる。前記外部付け支柱に変更することになれば、前記格納式上下分離支柱4や接続箇所の一部前記固定金具7含むパンタアーム構造式足場台の総重量の削減に寄与することができる(図12参照)。その際も前記格納式上下分離支柱4同様で、支柱強化の一環として、強化方づえ等が設置されていることが前提である。
前記格納式真直棒部材5の設置場所については、前記(0023)と同じく前記パンタアーム構造式足場台自体の収納方法や導線のことも考慮して、前記足場台部分1の側面部分や前記足場台部分天面1bの裏側に設置するのが望ましい。
前記垂直養生シート6は、本来の役割以外に、巾木機能も兼ねている。格納するための容器(格納容器)内に入っている前記垂直養生シート6については、ジャバラ折り方式またはロールダウン方式、その他で着脱可能な吊り上げ方式が前提である格納方法を用いることが望ましい。設置場所については、前記足場台部分底面1aの両側面部に常時設置(着脱可能)している。設置時の固定箇所については、前記足場台部分底面1a全部と左右の下方一部分(前記格納容器部分のことで図1-B参照)で、足場底面が固定されていることにより、前記足場台部分底面1a周辺と前記垂直養生シート6の間には隙間自体が存在せず、その前記垂直養生シート6の格納時の厚み(高さ)自体(または前記格納容器自体)が、本発明の巾木の役割を果たす。同様に前記足場台部分1の各階層にある一部の正面部(建物を囲う四隅部分の正面部)についても、幅は異なるが前記垂直養生シート6を常時設置している。設置後、前記油圧シリンダー3の動きに合わせて、前記足場台部分底面1a側面に設置固定されている前記垂直養生シート6も上昇することにより、本来の前記垂直養生シート6の機能も果たすことができる。
前記垂直養生シート6が上昇並びに下降する方法は、前記油圧シリンダー3の稼働により、前記パンタアーム2が伸縮運動をして、前記足場台部分1が昇降するのに併せて上昇並びに下降するが、その際前記足場台部分底面1aと前記足場台部分天面1bの間に前記垂直養生シート6と同じく、着脱可能で伸縮が可能な昇降用ワイヤ6aと着脱可能な留め金具6bも設置されており、前記垂直養生シート6は、前記留め金具6bの付いた前記昇降用ワイヤ6aに沿って(前記昇降用ワイヤ6aが線路の代用)昇降することができる。
前記垂直養生シート6は、着脱可能な前記留め金具6bで固定されていることにより、自然災害時(強風対策等)の初期対応である一時格納は、迅速に行うことができる。前記垂直養生シート6の一時格納について、前記留め金具6bを取り外すことで、前記垂直養生シート6が前記昇降用ワイヤ6aに沿って自由落下して、格納容器の中に収容される。収納後に前記留め金具6b(結束バンド等も含む)を取り付けて固定させる。従来の垂直養生シートの場合の対策と異なり、シートを固定する結束バンド部分の取り外し並びに結束固定作業がほぼ不要である。自然災害復旧後は、人員や機械等を使用して、前記垂直養生シート6を前記足場台部分天面1bまで持ち上げて、前記留め金具6bで再度固定する。前記垂直養生シート6の数量や重量にもよるが、使用する機械については、例えば、携帯式の巻き上げウインチ等を使用しても良い。
前記(0028)でも述べているが、前記垂直養生シート6の格納している格納容器について、その容器自体も巾木の役割を持ち、建物の外壁側に面する前記垂直養生シート6の方については、巾木の役割以外に、建物の外壁に対しての養生や落下防止板(隙間塞ぎ)の代用にすることもできるので、養生等にも最適な素材にするのが良い。例えば、ウレタン樹脂等を使用してみるのも良い。
前記足場台部分1同士を連結着脱する前記固定金具7については、使用する足場部材に合わせて、前記固定金具7自体を変えることができる。例えば、前記足場台部分1をその他の足場部材等と固定する箇所については、フックやくさび、連結器等で、前記格納式上下分離支柱4同士を固定する箇所については、クランプやくさび、連結器等で、前記格納式真直棒部材5を前記格納式上下分離支柱4に固定する箇所については、くさび等で、前記垂直養生シート6で使用する前記昇降用ワイヤ6aと前記足場台部分1を接続する箇所については、フック等を使用することができる。
パンタアーム構造式足場台自体を積載運搬移動する前記移動台車8については、クローラでもホイールやその他で悪路でも重量物を積載運搬移動することができる代物であれば良い。パンタアーム構造式足場台自体を使用する環境に応じて、適宜組み合わせて採用することができる。足場組立施工予定場所周辺までは、前記移動台車8にパンタアーム構造式足場台自体を積載運搬移動させる。前記移動台車8は着脱が可能であるので、パンタアーム構造式足場台が足場組立施工場所まで移動してきたら、パンタアーム構造式足場台自体のみを足場組立施工場所で、油圧ジャッキーベースやアウトリガー等を利用して固定、固定作業中に前記移動台車8自体をパンタアーム構造式足場台自体から着脱させて、他のパンタアーム構造式足場台の運搬に使用することもできる。
他層階への移動方法については、既存の足場組立作業で使用している階段を設置することもできるが、前記足場台部分1の一部分を前記パンタアーム2の伸縮を利用して、階段自体も同時に上下する前記吊り下げ階段9に変更することもできる。
今回のパンタアーム構造式足場台に関しては、ほとんどの足場部材が既設格納並びに設置されているため、組立施工並びに解体撤去作業で使用する工具類も、できるだけ規格統一や工具自体を纏めることによって、作業で使用する工具類自体の数量も削減することができる。
以下、パンタアーム構造式足場台の実施例に関する説明である。複数台の前記足場台部分1に、前記パンタアーム2、前記油圧シリンダー3、前記格納式上下分離支柱4、前記格納式真直棒部材5、前記垂直養生シート6とその他付属部品、前記固定金具7、前記吊り下げ階段9が既設並びに格納された状態で前記移動台車8に積載している。
まず今回のパンタアーム構造式足場台自体の詳細内容について、一例として以下の通りとする。前記パンタアーム2の数量については、前記足場台部分1毎に二セットとして、前記油圧シリンダー3の設置場所については、前記足場台部分底面1aの裏側(または前記足場台部分天面1bの裏側)に設置しており、前記格納式上下分離支柱4、前記格納式真直棒部材5、格納容器に入った前記垂直養生シート6については、図5や図10を基本(前記格納式真直棒部材5と前記垂直養生シート6は二セット)とする。尚、本発明は、上記の実施例に限定されるものではなく、その要旨の範囲内において、変更することもある。
パンタアーム構造式足場台自体を前記移動台車8に積載後、足場組立施工予定場所周辺まで運搬して、パンタアーム構造式足場台自体を足場組立施工予定場所で仮固定する。
仮固定後に、付属等で付いている油圧ジャッキーベースやアウトリガー等を利用して、パンタアーム構造式足場台自体を本固定する。その際に前記移動台車8自体をパンタアーム構造式足場台自体より着脱させて、他のパンタアーム構造式足場台の運搬に使用にすることもある。
パンタアーム構造式足場台自体を本固定後に、前記油圧シリンダー3を稼働させて、格納されている前記パンタアーム2を伸縮することにより、前記足場台部分1と前記昇降用ワイヤ6a(事前に格納容器に入った前記垂直養生シート6自体を前記足場台部分底面1aに固定設置して、前記昇降用ワイヤ6aは前記足場台部分底面1aと前記足場台部分天面1bに固定設置状態とする)を伝って、前記垂直養生シート6が前記留め金6bと一緒に上昇する。
前記パンタアーム2を伸縮して、ある程度の高さまで前記足場台部分1が上昇したら、格納されている前記格納式上下分離支柱4を伸張させて、上下で一時的に結束固定(パンタアーム構造式足場台の前記足場台部分1の一段に対して四か所を結束固定、併せてその他強化方づえ等も使用して補強)する。
前記格納式上下分離支柱4について、一時的に結束固定が完了後、前記油圧シリンダー3を停止させる。上下二段の前記足場台部分1の前記格納式上下分離支柱4の四か所が、パンタアーム構造式足場台自体の自重で結束固定が強化する。その後、前記足場台部分天面1bに別途格納されている前記格納式真直棒部材5を使用して、前記パンタアーム2の支点部分、前記格納式上下分離支柱4等と固定して、パンタアーム構造式足場台自体の結束固定強化並びに滑落防止の手摺として活用する。
複数階層の場合も、組立方法は前記(0038~0042)と同様で順次組立作業を行う。また並列(縦列)接続するための結束固定を行う時も同様である。その後は格納されている前記固定金具7で、パンタアーム構造式足場台同士を順次結束固定する。構造上の観点により、一階部分の足場台より順次合体させていく。一階部分の合体終了(結束固定強化)後に、二階部分の足場台を合体させていくが、二階以上については、前記足場台部分天面1bの裏側に前記油圧シリンダー3が設置されていることにより、順次前記油圧シリンダー3を稼働させて合体させていく。逆に解体撤去するときは、上層階より結束固定を解除して順次解体させていく。
他層階への移動について、既存の足場組立作業で使用している階段を設置することもあるが、前記足場台部分1の一部が、前記パンタアーム2の伸縮と同時に上下する前記吊り下げ階段9に変更(図8参照)することもある。
自然災害時(強風対策等)の初期対応については、前記垂直養生シート6の上方部に設置している前記留め金6bを取り外して、前記垂直養生シート6が前記昇降用ワイヤ6aに沿って自由落下して、格納容器の中に収容される。前記垂直養生シート6収納後に前記留め金具6b(結束バンド等も含む)を取り付けて固定させる。その後は一時的に巾木の役割をする。
パンタアーム構造式足場台を解体撤去するときは、関係個所の前記固定金具7を取り外して格納、また前記格納式真直棒部材5を前記パンタアーム2と前記格納式上下分離支柱4の接続箇所から取り外して、前記格納式真直棒部材5を元の位置に格納する。
前記油圧シリンダー3を作動させて、前記パンタアーム2を再度伸縮させて、前記格納式上下分離支柱4の四か所の結束固定を解除して、前記格納式上下分離支柱4を元の位置に格納する。
前記油圧シリンダー3の油圧を低下させて、前記パンタアーム2を順次格納して、前記足場台部分1を降下させて解体する。その後は前記移動台車8に積載して撤去する。
本発明による産業上の利用される可能性としては、特に複数階層かつ高層階層の建設作業現場で、複数の同時補修や点検作業で利用される可能性がある。低階層や単階層の建設作業現場では、単一の高所作業車(特許文献1参照)で対応する方が有効と判断できる。
1 : 足場台部分
1a : 足場台部分底面(一番下の足場台のこと)
1b : 足場台部分天面(下から二番目の足場台のこと)
2 : パンタアーム
3 : 油圧シリンダー
4 : 格納式上下分離支柱
5 : 格納式真直棒部材(手摺兼用)ab
6 : 垂直養生シート
6a : 昇降用ワイヤ
6b : 留め金具
7 : 固定金具
8 : 移動台車
9 : 吊り下げ階段
10 : 移動台車の台座
本発明は、パンタアーム構造式足場台に関するものである。
昨今発生している足場台の組立施工並びに解体撤去時に、足場部材等の落下による物損事故や人身事故が発生している。その対応策が、時間経過による個々のスキル向上と依然とハード面の安全対策(落下防止屋根〈アサガオ等器物落下防止屋根〉や工具類の落下防止機器等)のみであり、現在も事故の大小関係なく類似事故が発生している。また今後については、高齢化に伴い熟練工を含む人員不足(3K問題も含む)により、工程の長期化及び安全対策に伴うコストの高騰化が予想される。
事故原因の殆どが人的によるミスであり、現状の対策だけでは抜本的な解決策にはなっていない。既存の足場台やまた改善された次世代の足場台については、足場部材自体はスマート(単一部材の大きさは小さくなっている代物もあるが、その分部材の総数量が増加していることもある)になってきているが、作業内容自体(運搬、組立施工から解体、撤去まで)は、依然と人海戦術に頼ったままで、変化が皆無(機械化されていない)に近い状態である。逆に人員個々の肉体的な負担が加増している。事故が発生するたびに、安全対策が強化されて、特に付帯業務等の作業過多が目立っている。それ以外に3Kの職場でもあることから、人員の定着率も悪く、人員不足によるコストの高騰化、併せて慢性的な人員不足の解消(現在のご時世にそぐわない)にもなっていない。特に最近の足場組立作業については、完了までの工程数も増えていることもあり、安全対策以外等にも人員負担が加増されている。
特許文献1に開示された内容やその他類似した代物は、低階層や単階層のみの短時間の点検等で使用するのであれば、有効と判断(脚立の延長線上の代物で長時間の作業にて不適格)できるが、本発明のような建設現場等で特に複数階層の足場台として使用するには全く対応できない。補助的ではあるが本発明は、背景技術の問題点を解決するためのものである。
特許文献2に開示された内容やその他類似した代物は、あくまでも人員や足場部材等の落下を未然防止するための落下防止対策のみである。であるならば、足場の両側面にあらかじめ落下防止板も設置されている既存のタイプ(凹字)にする方が簡易的(足場板の重量等を考慮した上で)である。また設置後に落下防止と足場底面との隙間を埋める固定作業が必要であり、更に建設現場では、垂直養生シートを新たに設置固定(工程数の増加)する必要もある。しかし本発明は、双方を併せ持つことにより、そのような問題点をも解決して、現在の建設現場で十分通用しうるものである。
特許文献については上述の通りであり、別々での特許文献は存在するが、両方を兼ね備える特許文献は無い(特に機械化された足場台組立作業自体)のが現状である。本発明については、上述の両特許文献等を備えて進展させたものである。基本構造が同じような代物(従来の足場部材で言えば、筋交い部分が伸縮することで足場台自体が昇降する)であっても、伸縮する部分(前記パンタアーム2部分)が個々に独立しており、設置する前記足場台部分1の台数が異なること、人員が上下左右の移動も可能で長時間の作業に適していること、特に時間や肉体的な作業内容の負担が大幅に削減されること、前記パンタアーム2の動きに併せて、落下防止機能だけでなく前記垂直養生シート6の機能も備えていること、それによって自然災害時前(強風対策)の初期対応が迅速であること等により、足場台の組立施工並びに解体撤去に伴う工程数が大幅に削減され、安全だけでなく、職場環境全体を改善させるものである。
特開2010-149964号公報
特開2012-167487号公報
既存の足場台やまた改善された次世代の足場台では、前記(0003)の通りで、抜本的な問題は解決せず、今後も後継者不足とコストの高騰化のままで、事故が目立つ過酷な職場環境になるのではと予想している。所得は良くても、過酷な職場環境により人員の定着率が低く、熟練工の高齢化も進行して、人員自体が減少している。慢性的な人員不足により一時的な増員対策をしても、人員に対するコストの高値維持、個々の経験不足による工期の長期化、安全対策についてハード面は向上されてきているが、その分付帯業務等の作業過多や装備品の重量増による肉体的も含めた個々の負担増、逆にソフト面は熟練工の比率が低く、安全対策に対する熟知度のバラツキがあり、教育に対する時間や費用の追加発生等があり、職場環境全体を改善できなければ、今後も事故の大小は関係なく多発するであろうと推測できる。
本発明は、上述の問題点を鑑みなされたものであり、従来の足場台組立作業と比較して、着脱分解分離する足場部材数が少なく、簡易的に運搬、組立施工・解体撤去作業が可能であるために、建設作業現場での人員の肉体的な負担や作業時間、工程数等が削減され、かつ人的ミスによる人身事故の発生が削減できるパンタアーム構造式足場台を提供することを目的とする。
上述の課題を解決するために、前記足場台部分1毎に前記パンタアーム2が既設されて、前記パンタアーム2自体が格納及び伸縮運動することで、前記足場台部分1が昇降するパンタアーム構造式足場台であり、前記パンタアーム2が格納及び伸縮運動することに使用する着脱可能な前記油圧シリンダー3を備えると共に、組立時に前記足場台部分1を固定する前記格納式上下分離支柱4と、前記格納式上下分離支柱4や前記パンタアーム2の支点同士をも固定して手摺の役割も兼用する着脱可能な前記格納式真直棒部材5と、前記足場台部分1が昇降するのに併せて、階層毎の側面部を覆う着脱可能な吊り上げ式の前記垂直養生シート6と、前記足場台部分1自体を含むパンタアーム構造式足場台自体同士が連結着脱するために必要な付属の固定金具7と、前記パンタアーム構造式足場台自体を積載運搬移動するために必要な付属の着脱可能な移動台車8からなっていることを特徴とするものである。
本発明においては、前記足場台部分1の設置台数については、建物の階層数に応じて事前に複数重ね合わせることができることを特徴とする請求項1に記載したパンタアーム構造式足場台にするのが望ましい。
本発明においては、前記垂直養生シート6について、前記垂直養生シート6が縮小しているときは、格納方法がジャバラ折り方式またはロールダウン方式等を用いられていること(0028参照)により、前記垂直養生シート6自体の厚みが落下防止板(隙間塞ぎ)や建物自体の外壁と前記足場台部分1の間を養生する役割も持ち、前記垂直養生シート6が拡大しているときは、既存の養生シートの役割と同じく、足場作業の危険性の軽減、落下物の防止の役割を持ち、建物の周囲を前記足場台部分1が囲うにあたり、各階層の隅で接する部分にある前記足場台部分1の正面部についても、足場作業の危険性の軽減、落下物の防止の役割から前記垂直養生シート6を事前設置されており、前記油圧シリンダー3の稼働により前記足場台部分1や前記パンタアーム2が昇降するのに併せて前記垂直養生シート6も昇降することができることを特徴とする請求項2に記載したパンタアーム構造式足場台にするのが望ましい。
本発明の効果は、前記足場台部分1毎に前記パンタアーム2が既設されて、前記パンタアーム2自体が格納及び伸縮運動することで、前記足場台部分1が昇降するパンタアーム構造式足場台であり、前記パンタアーム2が格納及び伸縮運動することに使用する着脱可能な前記油圧シリンダー3を備えると共に、組立時に前記足場台部分1を固定する前記格納式上下分離支柱4と、前記格納式上下分離支柱4や前記パンタアーム2の支点同士をも固定して手摺の役割も兼用する着脱可能な前記格納式真直棒部材5と、前記足場台部分1が昇降するのに併せて階層毎の側面部を覆う着脱可能な吊り上げ式の前記垂直養生シート6と、前記足場台部分1自体を含むパンタアーム構造式足場台自体同士が連結着脱するために必要な付属の固定金具7と、前記パンタアーム構造式足場台自体を積載運搬移動するために必要な付属の着脱可能な移動台車8からなっていることから、建設作業現場においては、短時間で組立施工及び解体撤去作業が行うことができるという効果を奏する。
従来の足場台組立作業と異なり、前記足場台部分1の設置台数については、建物の階層数に応じて事前に複数重ね合わせることができること、着脱分解する足場部材数自体が少なく(ほとんどの部材はパンタアーム構造式足場台内に格納済)、運搬・組立施工、解体撤去が簡易的であるので、建設作業現場での人員数や運搬作業等に伴う肉体的な負担、作業時間、工程数等が削減され、短時間で組立施工及び解体撤去作業が行うことできることによって、職場環境が改善されて、人員の定着率の向上が期待できるという効果を奏する。運搬や撤去は前記移動台車8で実施、仮組立や仮解体は前記パンタアーム2の伸縮運動で行うことにより、人力による主な作業は、本組立(固定作業やその他付帯作業)並びにその後の確認作業等になる。そのため、特に肉体的な負担については、従来に比べて削減できるという効果を奏する。
前記(0013~0014)でも述べていることでもあるが、現在も発生しているであろう足場部材等の落下等による物損事故や人身事故の発生について、本発明は着脱部品数の減少や人員の負担軽減から来る職場環境改善(安全への意識や集中力、能率等の向上)に伴い、撲滅できるという効果を奏する。
肉体的な負担や作業時間が削減されることにより、職場環境が改善されて、最終的には、工事全体の工期短縮や安全対策に伴うコストの低下が期待できるという効果を奏する。
前記(0006)でも一部述べていることでもあるが、前記垂直養生シート6は、前記垂直養生シート6の本来の役割以外に、前記養生シート6が縮小しているときは、建物の外壁に対しての養生や落下防止板(隙間塞ぎ)の役割も兼ねている。前記垂直養生シート6の格納場所は前記足場台部分底面1aの両側面周辺で、前記足場台部分1が昇降するのに併せて、前記垂直養生シート6も伸縮運動する吊り上げ式であることにより、新たに足場底面(前記足場台部分底面1a部分)と側面の隙間を塞ぐ作業が不要である。また前記垂直養生シート6の上層部を固定しているのが、着脱可能な留め金等であることにより、自然災害時で実施する強風対策の初期対応が迅速に行うこと等、足場台の組立施工並びに解体撤去に伴う全工程数が大幅に削減できるという効果を奏する。
以下、図1~図12は、本発明に係るパンタアーム構造式足場台の構成例を示す図面である。
本発明に係るパンタアーム構造式足場台の構成例を示す格納時の側面図(イ)と正面図(ロ)。
本発明に係るパンタアーム構造式足場台の構成例を示す格納時の側面図(イ)と正面図(ロ)(前記垂直養生シート6設置付き)。
本発明に係るパンタアーム構造式足場台の構成例を示す側面図。前記油圧シリンダー3を稼働させて、前記パンタアーム2が伸張している途中の側面図。
本発明に係るパンタアーム構造式足場台の構成例を示す側面図と正面図。前記油圧シリンダー3を稼働させて、前記パンタアーム2が伸張している途中の側面図(イ)と正面図(ロ)(前記垂直養生シート6設置付き)。
本発明に係るパンタアーム構造式足場台の構成例を示す側面図。前記油圧シリンダー3を稼働させて、前記パンタアーム2が伸張した状態の側面図。
本発明に係るパンタアーム構造式足場台の構成例を示す側面図と正面図。前記油圧シリンダー3を稼働させて、前記パンタアーム2が伸張した状態の側面図(イ)と正面図(ロ)(前記垂直養生シート6設置付き)。
本発明に係るパンタアーム構造式足場台の構成例を示す側面図。前記格納式上下分離支柱4を搬出させて上下で結束固定した状態の側面図。
本発明に係るパンタアーム構造式足場台の構成例を示す側面図。前記油圧シリンダー3を停止、上下二段の前記足場台部分1が前記格納式上下分離支柱4の四か所を自重でも固定、前記格納式真直棒部材5を設置してパンタアーム構造式足場台自体の結束固定強化した状態の完成側面図。
本発明に係るパンタアーム構造式足場台の構成例を示す上下二段(一階と二階部分)の前記足場台部分1の側面図。
本発明に係るパンタアーム構造式足場台の構成例を示す上下左右二段(一階と二階部分)のパンタアーム構造式足場台自体同士が前記固定金具7で結束固定された側面図。
本発明に係るパンタアーム構造式足場台の構成例を示す前記吊り下げ階段9設置済(0034参照)の側面図(イ)と正面図(ロ)。
本発明に係るパンタアーム構造式足場台の構成例を示す側面図。前記パンタアーム2部分の一部分を詳細にした図面で、図9については前記足場台部分天面1bを含むそれ以上の階層の前記足場台部分1を表している。前記パンタアーム2は、各階層単位で独立しており、前記パンタアーム2が各階層単位で異なる動きをする動作側面図。
本発明に係るパンタアーム構造式足場台の構成例を示す正面図。前記油圧シリンダー3を停止、上下二段の前記足場台部分1が前記格納式上下分離支柱4の四か所を自重でも固定、前記格納式真直棒部材5を設置してパンタアーム構造式足場台自体の結束固定強化した状態の完成正面図(前記垂直養生シート6設置付き)。
本発明に係るパンタアーム構造式足場台の構成例を示す側面図。前記格納式上下分離支柱4を搬出させて上下で結束固定した状態の側面図(0026のa参照)。
本発明に係るパンタアーム構造式足場台の構成例を示す上下左右二段の前記足場台部分1の側面図。前記格納式上下分離支柱4自体そのものを前記足場台部分1より撤去して、その代用で外部付けの独立した支柱でパンタアーム構造式足場台自体を固定した状態の側面図(0026のb参照)。
前記足場台部分1の下部に、前記パンタアーム2や前記油圧シリンダー3、前記格納式上下分離支柱4、前記格納式真直棒部材5、前記固定金具7が既設格納されており、前記足場台部分1の側面両部分に前記垂直養生シート6が設置され、パンタアーム構造式足場台自体を前記移動台車8が積載運搬移動しており、以下からの説明は、主として通常(複数階層建物)の建設作業現場でのパンタアーム構造式足場台の形態に関するものである。
前記足場台部分1の設置台数は、建物の階層数に応じて事前に複数重ね合わせる(パンタアーム構造式足場台自体がある程度積み重ね接続が可能)ことができることにより、建設作業現場の環境に応じて前記足場台部分1の台数やその他種類を組み合わせ調整することができる。その他種類とは、例えば、他層階への移動も使用する前記吊り下げ階段9等を一部組み合わせたり、既存の足場組立作業で使用する部材等を外付けすることもできる。
パンタアーム構造式足場台自体にほとんどの備品が既設されていることにより、従来の足場台自体の合計重量より重量大の為、できるだけ軽量素材の足場部材を使用するのが望ましい。しかし、特に前記パンタアーム2や前記格納式上下分離支柱4、前記格納式真直棒部材5等については、軽量であっても重量物を支える必要があるので、軽量で強固な素材を使用した代物を用いる方が望ましい。例えば、軽くて丈夫なアルミニウム、マグネシウム、チタン等の合金によるフレーム等を使用することができる。また建設作業現場によっては、建物同士の隙間部分が狭い場所もあるので、特に前記足場台部分1の幅はできるだけ二分割等の細分化して、後刻幅も含めて大きさを選択調整できるようにする方が良い。
前記パンタアーム2自体について、伸縮時にパンタアーム構造式足場台自体の総重量で負荷がかかるため、前記パンタアーム2部分の力点部分や作用点部分については、横軸(縦軸)のボルトで前記足場台部分1を支えている。あくまでも伸縮時の支点部分を補強する一環として、必要であれば組立施工作業中のみになるが、支点部分にも着脱可能な横軸(縦軸)のボルトを設置併用(前記格納式上下分離支柱4を搬出させて上下で結束固定後、ボルトを取り外して導線を確保)する方法を取り入れることもできる。
前記油圧シリンダー3自体も、常時稼働状態にすると負荷がかかりすぎるため、負荷軽減の一環として、前記足場台部分1が組立後に固定される前記格納式上下分離支柱4が存在する。前記格納式上下分離支柱4で負荷を軽減(前記パンタアーム2自体も負荷は軽減状態)させている間は、前記油圧シリンダー3を停止状態にすることができる。また前記油圧シリンダー3自体も着脱可能(前記油圧シリンダー3自体はそのままで、前記油圧シリンダー3の稼働スイッチ等を含む一部分だけの着脱でも良い)なことにより、他の前記足場台部分1の組立でも使用することもできる。尚、前記油圧シリンダー3の設置場所は、パンタアーム構造式足場台自体の収納方法や導線のことも考慮して、前記足場台部分1の側面部分または前記足場台部分底面1aの裏側(または前記足場台部分天面1bの裏側)に設置するのが望ましい。尚、前記移動台車8と一番下の前記足場台部分1の間に設置されるであろう前記油圧シリンダー3については、パンタアーム構造式足場台自体が前記移動台車8に積載運搬移動する前までに設置されていることが望ましい。
前記油圧シリンダー3自体の設置数は、前記足場台部分1の台数単位毎に対して図面上(図9参照)では単体になっているが、パンタアーム構造式足場台自体の総重量で負荷がかかるため、必要に応じて前記油圧シリンダー3の設置数を前記足場台部分1の台数毎や前記パンタアーム2の単位毎で、複数設置に変更することもできる。また一番下の前記足場台部分底面1a(前記移動台車8に近い前記足場台部分1のこと)に設置している前記油圧シリンダー3については、構造上の観点からも常設のままが望ましい。但し、前記格納式上下分離支柱4で結束固定されている間は、前記油圧シリンダー3を停止状態にするのが望ましい。
また前記足場台部分1自体(前記パンタアーム2)の伸縮方法について、本発明は、前記足場台部分1の台数単位毎に前記油圧シリンダー3設置を基本としているが、若しくは車両などタイヤ交換等で使用するパンタグラフ式油圧ジャッキーのように、横軸のボルトを駆動させることで、前記パンタアーム2自体を伸縮させる方法に変更することもできる。また、その横軸のボルト自体を前記格納式真直棒部材5の代用(手摺も兼用)として併用することもできる。
前記格納式上下分離支柱4については、パンタアーム構造式足場台自体の大きさ、重量、強固性に応じて前記格納式上下分離支柱4の本数自体を追加増設(図面上では前記足場台部分1の四隅に設置)させたり、前記格納式上下分離支柱4自体を前記足場台部分1より撤去して、外部付けに変更すること、格納式上下分離ではなく接続箇所の数自体を減らした格納式支柱等、その他の方法に切り替えることもできる。例えば、(a)前記足場台部分1の右側は、下から持ち上がり、左側は、上から持ち下がる(図11参照)方法がある。その際も前記格納式上下分離支柱4同様で、支柱強化の一環として、強化方づえ等が設置されていることが前提である。また(b)前記格納式上下分離支柱4自体そのものを前記足場台部分1より撤去して、外部付け支柱に変更させて、前記格納式上下分離支柱4以外のパンタアーム構造式足場台自体と前記外部付け支柱を前記固定金具7で連結着脱させることもできる。前記外部付け支柱に変更することになれば、前記格納式上下分離支柱4や接続箇所の一部前記固定金具7含むパンタアーム構造式足場台の総重量の削減に寄与することができる(図12参照)。その際も前記格納式上下分離支柱4同様で、支柱強化の一環として、強化方づえ等が設置されていることが前提である。
前記格納式真直棒部材5の設置場所については、前記(0023)と同じく前記パンタアーム構造式足場台自体の収納方法や導線のことも考慮して、前記足場台部分1の側面部分や前記足場台部分天面1bの裏側に設置するのが望ましい。
前記垂直養生シート6は、本来の役割以外に、建物の外壁に対しての養生や落下防止板(隙間塞ぎ)の機能も兼ねている。格納するための容器(格納容器)内に入っている前記垂直養生シート6については、ジャバラ折り方式またはロールダウン方式、その他で着脱可能な吊り上げ方式が前提である格納方法を用いることが望ましい。設置場所については、前記足場台部分底面1aの両側面部に常時設置(着脱可能)している。設置時の固定箇所については、前記足場台部分底面1a全部と左右の下方一部分(前記格納容器部分のことで図1-B参照)で、足場底面が固定されていることにより、前記足場台部分底面1a周辺と前記垂直養生シート6の間には隙間自体が存在せず、その前記垂直養生シート6の格納時の厚み(高さ)自体(または前記格納容器自体)が、本発明の建物の外壁に対しての養生や落下防止板(隙間塞ぎ)の役割を果たす。また前記足場台部分1の各階層にある一部の正面部(建物を囲う四隅部分の正面部)についても、幅は異なるが前記垂直養生シート6を常時設置している。設置後、前記油圧シリンダー3の動きに合わせて、前記足場台部分底面1a側面に設置固定されている前記垂直養生シート6も上昇することにより、本来の前記垂直養生シート6の機能も果たすことができる。
前記垂直養生シート6が上昇並びに下降する方法は、前記油圧シリンダー3の稼働により、前記パンタアーム2が伸縮運動をして、前記足場台部分1が昇降するのに併せて上昇並びに下降するが、その際前記足場台部分底面1aと前記足場台部分天面1bの間に前記垂直養生シート6と同じく、着脱可能で伸縮が可能な昇降用ワイヤ6aと着脱可能な留め金具6bも設置されており、前記垂直養生シート6は、前記留め金具6bの付いた前記昇降用ワイヤ6aに沿って(前記昇降用ワイヤ6aが線路の代用)昇降することができる。
前記垂直養生シート6は、着脱可能な前記留め金具6bで固定されていることにより、自然災害時(強風対策等)の初期対応である一時格納は、迅速に行うことができる。前記垂直養生シート6の一時格納について、前記留め金具6bを取り外すことで、前記垂直養生シート6が前記昇降用ワイヤ6aに沿って自由落下して、格納容器の中に収容される。収納後に前記留め金具6b(結束バンド等も含む)を取り付けて固定させる。従来の垂直養生シートの場合の対策と異なり、シートを固定する結束バンド部分の取り外し並びに結束固定作業がほぼ不要である。自然災害復旧後は、人員や機械等を使用して、前記垂直養生シート6を前記足場台部分天面1bまで持ち上げて、前記留め金具6bで再度固定する。前記垂直養生シート6の数量や重量にもよるが、使用する機械については、例えば、携帯式の巻き上げウインチ等を使用しても良い。
前記(0028)でも述べているが、前記垂直養生シート6の格納している格納容器について、その容器自体も建物の外壁側に面する前記垂直養生シート6の方については、建物の外壁に対しての養生や落下防止板(隙間塞ぎ)の代用にすることもできるので、養生等にも最適な素材にするのが良い。例えば、ウレタン樹脂等を使用してみるのも良い。
前記足場台部分1同士を連結着脱する前記固定金具7については、使用する足場部材に合わせて、前記固定金具7自体を変えることができる。例えば、前記足場台部分1をその他の足場部材等と固定する箇所については、フックやくさび、連結器等で、前記格納式上下分離支柱4同士を固定する箇所については、クランプやくさび、連結器等で、前記格納式真直棒部材5を前記格納式上下分離支柱4に固定する箇所については、くさび等で、前記垂直養生シート6で使用する前記昇降用ワイヤ6aと前記足場台部分1を接続する箇所については、フック等を使用することができる。
パンタアーム構造式足場台自体を積載運搬移動する前記移動台車8については、クローラでもホイールやその他で悪路でも重量物を積載運搬移動することができる代物であれば良い。パンタアーム構造式足場台自体を使用する環境に応じて、適宜組み合わせて採用することができる。足場組立施工予定場所周辺までは、前記移動台車8にパンタアーム構造式足場台自体を積載運搬移動させる。前記移動台車8は着脱が可能であるので、パンタアーム構造式足場台が足場組立施工場所まで移動してきたら、パンタアーム構造式足場台自体のみを足場組立施工場所で、油圧ジャッキーベースやアウトリガー等を利用して固定、固定作業中に前記移動台車8自体をパンタアーム構造式足場台自体から着脱させて、他のパンタアーム構造式足場台の運搬に使用することもできる。
他層階への移動方法については、既存の足場組立作業で使用している階段を設置することもできるが、前記足場台部分1の一部分を前記パンタアーム2の伸縮を利用して、階段自体も同時に上下する前記吊り下げ階段9に変更することもできる。
今回のパンタアーム構造式足場台に関しては、ほとんどの足場部材が既設格納並びに設置されているため、組立施工並びに解体撤去作業で使用する工具類も、できるだけ規格統一や工具自体を纏めることによって、作業で使用する工具類自体の数量も削減することができる。
以下、パンタアーム構造式足場台の実施例に関する説明である。複数台の前記足場台部分1に、前記パンタアーム2、前記油圧シリンダー3、前記格納式上下分離支柱4、前記格納式真直棒部材5、前記垂直養生シート6とその他付属部品、前記固定金具7、前記吊り下げ階段9が既設並びに格納された状態で前記移動台車8に積載している。
まず今回のパンタアーム構造式足場台自体の詳細内容について、一例として以下の通りとする。前記パンタアーム2の数量については、前記足場台部分1毎に二セットとして、前記油圧シリンダー3の設置場所については、前記足場台部分底面1aの裏側(または前記足場台部分天面1bの裏側)に設置しており、前記格納式上下分離支柱4、前記格納式真直棒部材5、格納容器に入った前記垂直養生シート6については、図5や図10を基本(前記格納式真直棒部材5と前記垂直養生シート6は二セット)とする。尚、本発明は、上記の実施例に限定されるものではなく、その要旨の範囲内において、変更することもある。
パンタアーム構造式足場台自体を前記移動台車8に積載後、足場組立施工予定場所周辺まで運搬して、パンタアーム構造式足場台自体を足場組立施工予定場所で仮固定する。
仮固定後に、付属等で付いている油圧ジャッキーベースやアウトリガー等を利用して、パンタアーム構造式足場台自体を本固定する。その際に前記移動台車8自体をパンタアーム構造式足場台自体より着脱させて、他のパンタアーム構造式足場台の運搬に使用にすることもある。
パンタアーム構造式足場台自体を本固定後に、前記油圧シリンダー3を稼働させて、格納されている前記パンタアーム2を伸縮することにより、前記足場台部分1と前記昇降用ワイヤ6a(事前に格納容器に入った前記垂直養生シート6自体を前記足場台部分底面1aに固定設置して、前記昇降用ワイヤ6aは前記足場台部分底面1aと前記足場台部分天面1bに固定設置状態とする)を伝って、前記垂直養生シート6が前記留め金6bと一緒に上昇する。
前記パンタアーム2を伸縮して、ある程度の高さまで前記足場台部分1が上昇したら、格納されている前記格納式上下分離支柱4を伸張させて、上下で一時的に結束固定(パンタアーム構造式足場台の前記足場台部分1の一段に対して四か所を結束固定、併せてその他強化方づえ等も使用して補強)する。
前記格納式上下分離支柱4について、一時的に結束固定が完了後、前記油圧シリンダー3を停止させる。上下二段の前記足場台部分1の前記格納式上下分離支柱4の四か所が、パンタアーム構造式足場台自体の自重で結束固定が強化する。その後、前記足場台部分天面1bに別途格納されている前記格納式真直棒部材5を使用して、前記パンタアーム2の支点部分、前記格納式上下分離支柱4等と固定して、パンタアーム構造式足場台自体の結束固定強化並びに滑落防止の手摺として活用する。
複数階層の場合も、組立方法は前記(0038~0042)と同様で順次組立作業を行う。また並列(縦列)接続するための結束固定を行う時も同様である。その後は格納されている前記固定金具7で、パンタアーム構造式足場台同士を順次結束固定する。構造上の観点により、一階部分の足場台より順次合体させていく。一階部分の合体終了(結束固定強化)後に、二階部分の足場台を合体させていくが、二階以上については、前記足場台部分天面1bの裏側に前記油圧シリンダー3が設置されていることにより、順次前記油圧シリンダー3を稼働させて合体させていく。逆に解体撤去するときは、上層階より結束固定を解除して順次解体させていく。
他層階への移動について、既存の足場組立作業で使用している階段を設置することもあるが、前記足場台部分1の一部が、前記パンタアーム2の伸縮と同時に上下する前記吊り下げ階段9に変更(図8参照)することもある。
自然災害時(強風対策等)の初期対応については、前記垂直養生シート6の上方部に設置している前記留め金6bを取り外して、前記垂直養生シート6が前記昇降用ワイヤ6aに沿って自由落下して、格納容器の中に収容される。前記垂直養生シート6収納後に前記留め金具6b(結束バンド等も含む)を取り付けて固定させる。その後は一時的に落下防止板(隙間塞ぎ)の役割をする。
パンタアーム構造式足場台を解体撤去するときは、関係個所の前記固定金具7を取り外して格納、また前記格納式真直棒部材5を前記パンタアーム2と前記格納式上下分離支柱4の接続箇所から取り外して、前記格納式真直棒部材5を元の位置に格納する。
前記油圧シリンダー3を作動させて、前記パンタアーム2を再度伸縮させて、前記格納式上下分離支柱4の四か所の結束固定を解除して、前記格納式上下分離支柱4を元の位置に格納する。
前記油圧シリンダー3の油圧を低下させて、前記パンタアーム2を順次格納して、前記足場台部分1を降下させて解体する。その後は前記移動台車8に積載して撤去する。
本発明による産業上の利用される可能性としては、特に複数階層かつ高層階層の建設作業現場で、複数の同時補修や点検作業で利用される可能性がある。低階層や単階層の建設作業現場では、単一の高所作業車(特許文献1参照)で対応する方が有効と判断できる。
1 : 足場台部分
1a : 足場台部分底面(一番下の足場台のこと)
1b : 足場台部分天面(下から二番目の足場台のこと)
2 : パンタアーム
3 : 油圧シリンダー
4 : 格納式上下分離支柱
5 : 格納式真直棒部材(手摺兼用)ab
6 : 垂直養生シート
6a : 昇降用ワイヤ
6b : 留め金具
7 : 固定金具
8 : 移動台車
9 : 吊り下げ階段
10 : 移動台車の台座