JP2022052253A - 導電性固体及びその製造方法、並びに電極 - Google Patents

導電性固体及びその製造方法、並びに電極 Download PDF

Info

Publication number
JP2022052253A
JP2022052253A JP2020158521A JP2020158521A JP2022052253A JP 2022052253 A JP2022052253 A JP 2022052253A JP 2020158521 A JP2020158521 A JP 2020158521A JP 2020158521 A JP2020158521 A JP 2020158521A JP 2022052253 A JP2022052253 A JP 2022052253A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
conductive
polyanion
poly
conductive solid
group
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2020158521A
Other languages
English (en)
Inventor
康平 神戸
Kohei Kanto
裕美 竹澤
Yumi Takezawa
総 松林
Satoshi Matsubayashi
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shin Etsu Polymer Co Ltd
Shin Etsu Chemical Co Ltd
Original Assignee
Shin Etsu Polymer Co Ltd
Shin Etsu Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Shin Etsu Polymer Co Ltd, Shin Etsu Chemical Co Ltd filed Critical Shin Etsu Polymer Co Ltd
Priority to JP2020158521A priority Critical patent/JP2022052253A/ja
Publication of JP2022052253A publication Critical patent/JP2022052253A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Polyoxymethylene Polymers And Polymers With Carbon-To-Carbon Bonds (AREA)
  • Conductive Materials (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

【課題】電池等のエネルギーデバイスの電極材料として有用な導電性固体及びその製造方法、並びに電極を提供する。【解決手段】π共役系導電性高分子及びポリアニオンを含む導電性複合体を含有し、前記ポリアニオンの重量平均分子量Mwが1万以上である導電性固体、及び、π共役系導電性高分子を形成するモノマーと、ポリアニオンと、水とを含む反応液に、触媒及び酸化剤を加えることにより、前記モノマーを重合して、前記π共役系導電性高分子及び前記ポリアニオンを含む導電性複合体を形成することと、析出した前記導電性複合体を分取することを含む導電性固体の製造方法であって、前記ポリアニオンの重量平均分子量Mwが1万以上である、導電性固体の製造方法。【選択図】なし

Description

本発明は、π共役系導電性高分子を含有する導電性固体及びその製造方法、並びに電極に関する。
主鎖がπ共役系で構成されているπ共役系導電性高分子は、基本的には水に溶け難いが、親水性のアニオン基を有するポリアニオンと複合体を形成することによって、水分散性の導電性複合体とする方法が知られている。この導電性複合体の形成により導電性が高められる。また、導電性複合体が有する水分散性のアニオン基にアミン化合物やエポキシ化合物を反応させて疎水化することにより、有機溶剤に分散させる方法が知られている(特許文献1~2参照)。
特開2011-032382号公報 国際公開第2014/125827号
特許文献1~2では、分散媒に対して導電性複合体を分子レベルで均一に分散又は溶解した塗料を得ることを目的としている。
ところで、導電性高分子を電池等のエネルギーデバイスの電極材料とする場合、導電性複合体が分子レベルで互いに分散している必要は無く、導電性複合体が凝集した粉体等の固体状態である方が、扱いが容易な場合がある。そこで、本発明者らは、導電性複合体を含む導電性固体を得る方法を検討した。
本発明は、電池等のエネルギーデバイスの電極材料として有用な導電性固体及びその製造方法、並びに電極を提供する。
[1] π共役系導電性高分子及びポリアニオンを含む導電性複合体を含有し、前記ポリアニオンの重量平均分子量Mwが1万以上である導電性固体。
[2] 前記導電性複合体に含まれる前記π共役系導電性高分子:前記ポリアニオンの質量比が(1:0)超(1:1)以下である、[1]に記載の導電性固体。
[3] 前記π共役系導電性高分子が、ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)であるか、又は、前記ポリアニオンが、ポリスチレンスルホン酸である、[1]又は[2]に記載の導電性固体。
[4] 前記ポリアニオンが有する一部のアニオン基が、アミン化合物と反応して修飾されている、[1]~[3]の何れか一項に記載の導電性固体。
[5] 前記ポリアニオンが有する一部のアニオン基が、エポキシ化合物と反応して修飾されている、[1]~[3]の何れか一項に記載の導電性固体。
[6] さらに、炭素材料を含む、[1]~[5]の何れか一項に記載の導電性固体。
[7] さらに、バインダ成分を含む、[1]~[6]の何れか一項に記載の導電性固体。
[8] [1]~[7]の何れか一項に記載の導電性固体を含有する電極。
[9] π共役系導電性高分子を形成するモノマーと、ポリアニオンと、水とを含む反応液に、触媒及び酸化剤を加えることにより、前記モノマーを重合して、前記π共役系導電性高分子及び前記ポリアニオンを含む導電性複合体を形成することと、析出した前記導電性複合体を分取することを含む導電性固体の製造方法であって、前記ポリアニオンの重量平均分子量Mwが1万以上である、導電性固体の製造方法。
[10] 前記導電性複合体に含まれる前記π共役系導電性高分子:前記ポリアニオンの質量比が(1:0)超(1:1)以下である、[9]に記載の導電性固体の製造方法。
本発明の導電性固体は、導電性に優れるので、電池等の電極材料として有用である。
本発明はSDGs目標12「つくる責任 つかう責任」に資すると考えられる。
本明細書及び特許請求の範囲において、「~」で示す数値範囲の下限値及び上限値はその数値範囲に含まれるものとする。
≪導電性固体≫
本発明の第一態様は、π共役系導電性高分子及びポリアニオンを含む導電性複合体を含有し、前記ポリアニオンの重量平均分子量Mwが1万以上である導電性固体である。
導電性固体の形態は固体であれば特に制限されず、粉体、膜体、多孔質体等の形態が挙げられる。また、ゲル状又はペースト状の形態であってもよい。後述するバインダ成分を含むことにより、ゲル状又はペースト状の形態となり易い。
本態様の導電性固体は、例えば、導電性複合体を含む導電性粒子の集合体であり得る。
[π共役系導電性高分子]
前記π共役系導電性高分子としては、主鎖がπ共役系で構成されている導電性の有機高分子であればよく、例えば、ポリピロール系導電性高分子、ポリチオフェン系導電性高分子、ポリアセチレン系導電性高分子、ポリフェニレン系導電性高分子、ポリフェニレンビニレン系導電性高分子、ポリアニリン系導電性高分子、ポリアセン系導電性高分子、ポリチオフェンビニレン系導電性高分子、及びこれらの共重合体等が挙げられる。空気中での安定性の点からは、ポリピロール系導電性高分子、ポリチオフェン類及びポリアニリン系導電性高分子が好ましく、透明性の面から、ポリチオフェン系導電性高分子がより好ましい。
ポリチオフェン系導電性高分子としては、ポリチオフェン、ポリ(3-メチルチオフェン)、ポリ(3-エチルチオフェン)、ポリ(3-プロピルチオフェン)、ポリ(3-ブチルチオフェン)、ポリ(3-ヘキシルチオフェン)、ポリ(3-ヘプチルチオフェン)、ポリ(3-オクチルチオフェン)、ポリ(3-デシルチオフェン)、ポリ(3-ドデシルチオフェン)、ポリ(3-オクタデシルチオフェン)、ポリ(3-ブロモチオフェン)、ポリ(3-クロロチオフェン)、ポリ(3-ヨードチオフェン)、ポリ(3-シアノチオフェン)、ポリ(3-フェニルチオフェン)、ポリ(3,4-ジメチルチオフェン)、ポリ(3,4-ジブチルチオフェン)、ポリ(3-ヒドロキシチオフェン)、ポリ(3-メトキシチオフェン)、ポリ(3-エトキシチオフェン)、ポリ(3-ブトキシチオフェン)、ポリ(3-ヘキシルオキシチオフェン)、ポリ(3-ヘプチルオキシチオフェン)、ポリ(3-オクチルオキシチオフェン)、ポリ(3-デシルオキシチオフェン)、ポリ(3-ドデシルオキシチオフェン)、ポリ(3-オクタデシルオキシチオフェン)、ポリ(3,4-ジヒドロキシチオフェン)、ポリ(3,4-ジメトキシチオフェン)、ポリ(3,4
-ジエトキシチオフェン)、ポリ(3,4-ジプロポキシチオフェン)、ポリ(3,4-ジブトキシチオフェン)、ポリ(3,4-ジヘキシルオキシチオフェン)、ポリ(3,4-ジヘプチルオキシチオフェン)、ポリ(3,4-ジオクチルオキシチオフェン)、ポリ(3,4-ジデシルオキシチオフェン)、ポリ(3,4-ジドデシルオキシチオフェン)、ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)、ポリ(3,4-プロピレンジオキシチオフェン)、ポリ(3,4-ブチレンジオキシチオフェン)、ポリ(3-メチル-4-メトキシチオフェン)、ポリ(3-メチル-4-エトキシチオフェン)、ポリ(3-カルボキシチオフェン)、ポリ(3-メチル-4-カルボキシチオフェン)、ポリ(3-メチル-4-カルボキシエチルチオフェン)、ポリ(3-メチル-4-カルボキシブチルチオフェン)が挙げられる。
ポリピロール系導電性高分子としては、ポリピロール、ポリ(N-メチルピロール)、ポリ(3-メチルピロール)、ポリ(3-エチルピロール)、ポリ(3-n-プロピルピロール)、ポリ(3-ブチルピロール)、ポリ(3-オクチルピロール)、ポリ(3-デシルピロール)、ポリ(3-ドデシルピロール)、ポリ(3,4-ジメチルピロール)、ポリ(3,4-ジブチルピロール)、ポリ(3-カルボキシピロール)、ポリ(3-メチル-4-カルボキシピロール)、ポリ(3-メチル-4-カルボキシエチルピロール)、ポリ(3-メチル-4-カルボキシブチルピロール)、ポリ(3-ヒドロキシピロール)、ポリ(3-メトキシピロール)、ポリ(3-エトキシピロール)、ポリ(3-ブトキシピロール)、ポリ(3-ヘキシルオキシピロール)、ポリ(3-メチル-4-ヘキシルオキシピロール)が挙げられる。
ポリアニリン系導電性高分子としては、ポリアニリン、ポリ(2-メチルアニリン)、ポリ(3-イソブチルアニリン)、ポリ(2-アニリンスルホン酸)、ポリ(3-アニリンスルホン酸)が挙げられる。
これらのπ共役系導電性高分子のなかでも、導電性、透明性、耐熱性の点から、ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)が特に好ましい。
前記導電性複合体に含まれるπ共役系導電性高分子は、1種類でもよいし、2種類以上でもよい。
(ポリアニオン)
前記ポリアニオンは、アニオン基を有するモノマー単位を、分子内に2つ以上有する重合体である。このポリアニオンのアニオン基は、π共役系導電性高分子に対するドーパントとして機能して、π共役系導電性高分子の導電性を向上させる。
ポリアニオンのアニオン基としては、スルホ基、またはカルボキシ基であることが好ましい。
このようなポリアニオンの具体例としては、ポリスチレンスルホン酸、ポリビニルスルホン酸、ポリアリルスルホン酸、スルホ基を有するポリアクリル酸エステル、スルホ基を有するポリメタクリル酸エステル(例えば、ポリ(4-スルホブチルメタクリレート、ポリスルホエチルメタクリレート、ポリメタクリロイルオキシベンゼンスルホン酸)、ポリ(2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸)、ポリイソプレンスルホン酸等のスルホ基を有する高分子や、ポリビニルカルボン酸、ポリスチレンカルボン酸、ポリアリルカルボン酸、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリ(2-アクリルアミド-2-メチルプロパンカルボン酸)、ポリイソプレンカルボン酸等のカルボキシ基を有する高分子が挙げられる。ポリアニオンは、単一のモノマーが重合した単独重合体であってもよいし、2種以上のモノマーが重合した共重合体であってもよい。
これらポリアニオンのなかでも、導電性をより高くできることから、スルホ基を有する高分子が好ましく、ポリスチレンスルホン酸がより好ましい。
前記ポリアニオンは1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
ポリアニオンの重量平均分子量Mwは、1万以上であり、5万以上が好ましく、10万以上がより好ましく、20万以上がさらに好ましく、40万以上が一層好ましく、70万以上がより一層好ましく、80万以上が特に好ましく、90万以上が最も好ましい。
ポリアニオンの重量平均分子量Mwの上限値は特に制限されず、例えば200万が目安として挙げられる。
ここで、重量平均分子量Mwは、GPC(ゲル濾過クロマトグラフィー)を用い、既知の重量平均分子量のプルランを標準物質として測定した質量基準の平均分子量(質量平均分子量と呼んでもよい)である。
重量平均分子量Mwが上記の好適な範囲であると、本態様の導電性固体の導電率が向上する。
ポリアニオンの数平均分子量Mnは、3万以上が好ましく、5万以上がより好ましく、10万以上がさらに好ましく、20万以上が一層好ましく、30万以上がより一層好ましく、40万以上が特に好ましく、50万以上が最も好ましい。
ポリアニオンの数平均分子量Mnの上限値は特に制限されず、例えば100万が目安として挙げられる。
ここで、数平均分子量Mnは、上記Mwと同様にして測定された値である。
数平均分子量Mnが上記の好適な範囲であると、本態様の導電性固体の導電率が向上する。
ポリアニオンの分子量分布(Mw/Mn)は、1.2~3が好ましく、1.3~2.8がより好ましく、1.5~2.5がさらに好ましい。
前記ポリアニオンは前記π共役系導電性高分子にドープして、導電性を有する導電性複合体を形成している。導電性複合体におけるπ共役系導電性高分子とポリアニオンの含有比が下記であることが好ましい。下記の含有比であることにより、導電性複合体は水に対する分散性に乏しい粉体状の導電性固体を形成することができる。
前記導電性複合体における前記π共役系導電性高分子:前記ポリアニオンの含有比は、質量基準で、(1:0)超(1:1)以下が好ましく、(1:0.2)~(1:1)がより好ましく、(1:0.5)~(1:1)がさらに好ましく、(1:0.8)~(1:1)が特に好ましい。
上記範囲の下限値以上であると、ポリアニオンによるドープ効果が充分に発揮され、導電性複合体を含む導電性固体の導電性がより向上する。
上記範囲の上限値以下であると、ポリアニオンによるドープ効果を得つつ、水に対する分散性が低く、水中で容易に沈殿させることが可能な粉体状の導電性固体となる。
本態様の導電性固体のポリアニオンにおいては、アニオン基の大半又は殆ど全てがπ共役系導電性高分子にドープしており、ドープに関与しない余剰のアニオン基は少ない又は殆ど無いことが好ましい。π共役系導電性高分子:ポリアニオンの含有比を前述した好適な範囲とすることで、余剰のアニオン基を少なくする又は殆ど無くすことができる。
余剰のアニオン基が少ない又は殆ど無いことにより、導電性固体が水中で容易に沈殿する程の疎水性を呈する。また、そのような導電性固体は、優れた電池特性を発揮する電極を形成することができる。
本態様の導電性固体中のポリアニオンの一部が、ドープに関与しない余剰のアニオン基を有する場合、これらの余剰のアニオン基は、アミン化合物及びエポキシ化合物の少なくとも何れか一方との反応によって、疎水的に修飾されていてもよい。
(置換基A)
前記余剰のアニオン基がエポキシ化合物と反応したことによって形成され得る置換基Aは、例えば次のような構造式で表される。
修飾された導電性複合体の詳細な分析は必ずしも容易ではないが、置換基(A)は下記式(A1)で示される基、又は下記式(A2)で表される基であると推測される。
Figure 2022052253000001
[式(A1)中、R11、R12、R13、及びR14はそれぞれ独立に、水素原子、又は任意の置換基である。]
Figure 2022052253000002
[式(A2)中、mは2以上の整数であり、複数のR15、複数のR16、複数のR17、及び複数のR18はそれぞれ独立に、水素原子、又は任意の置換基であり、複数のR15は同一でも異なっていてもよく、複数のR16は同一でも異なっていてもよく、複数のR17は同一でも異なっていてもよく、複数のR18は同一でも異なっていてもよい。]
式(A1)及び式(A2)において、左端の結合手は、置換基(A)が、アニオン基のプロトンと置換していることを表す。置換されるプロトンを有するアニオン基として、例えば、「-SOH」のように酸素原子に結合した活性なプロトンを有するアニオン基が挙げられる。
式(A1)において、R11、R12、R13、及びR14の任意の置換基としては、置換基を有していてもよい炭素数1~20の脂肪族炭化水素基、置換基を有していてもよい炭素数6~20の芳香族炭化水素基等が挙げられる。R11とR13とは結合して置換基を有していてもよい環を形成していてもよい。例えば、R11とR13とが前記炭化水素基であり、R11の1価の炭化水素基の任意の1つの水素原子を除いた2価の炭化水素基と、R13の1価の炭化水素基の任意の1つの水素原子を除いた2価の炭化水素基とが、前記水素原子が除かれた炭素原子同士で結合して環を形成する場合が挙げられる。
なかでも、式(A1)において、R11が水素原子又は炭素数10~16のアルコキシアルキル基であり、R12が水素原子であり、R13が水素原子又は炭素数10~16のアルコキシアルキル基であり、R14が水素原子であることが好ましい。
式(A2)において、R15、R16、R17、及びR18の任意の置換基としては、置換基を有していてもよい炭素数1~20の脂肪族炭化水素基、置換基を有していてもよい炭素数6~20の芳香族炭化水素基等が挙げられる。R15とR17とは結合して置換基を有していてもよい環を形成していてもよい。環を形成する例は、上記と同様である。
なかでも、式(A2)において、R15が水素原子又は炭素数10~16のアルコキシアルキル基であり、R16が水素原子であり、R17が水素原子又は炭素数10~16のアルコキシアルキル基であり、R18が水素原子であることが好ましい。
本明細書において、「置換基を有していてもよい」とは、水素原子(-H)を1価の基で置換する場合と、メチレン基(-CH-)を2価の基で置換する場合との両方を含む。
置換基としての1価の基としては、炭素数1~4のアルキル基、炭素数2~4のアルケニル基、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等)、トリアルコキシシリル基(トリメトキシシリル基等)、等が挙げられる。
置換基としての2価の基としては、酸素原子(-O-)、-C(=O)-、-C(=O)-O-等が挙げられる。ただし、2つの酸素原子同士が隣接する場合を除く。
式(A2)において、mは2以上の整数であり、2~100が好ましく、2~50がより好ましく、2~25がさらに好ましい。mが上記下限値以上であると、導電性複合体の疎水性が充分に高くなる。mが前記上限値以下であると、疎水性が高くなりすぎたり、導電性が低下したりするのを抑制することができる。
前記エポキシ化合物(エポキシ基含有化合物)は、1分子中にエポキシ基を1つ以上有する化合物である。導電性複合体を修飾する際の凝集又はゲル化を防止する点では、エポキシ化合物は、1分子中にエポキシ基を1つ有する化合物が好ましい。
エポキシ化合物は1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
1分子中にエポキシ基を1つ有する単官能エポキシ化合物としては、例えば、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、2,3-ブチレンオキサイド、イソブチレンオキサイド、1,2-ブチレンオキサイド、1,2-エポキシヘキサン、1,2-エポキシヘプタン、1,2-エポキシペンタン、1,2-エポキシオクタン、1,2-エポキシデカン、1,3-ブタジエンモノオキサイド、1,2-エポキシテトラデカン、グリシジルメチルエーテル、1,2-エポキシオクタデカン、1,2-エポキシヘキサデカン、エチルグリシジルエーテル、グリシジルイソプロピルエーテル、tert-ブチルグリシジルエーテル、1,2-エポキシエイコサン、2-(クロロメチル)-1,2-エポキシプロパン、グリシドール、エピクロルヒドリン、エピブロモヒドリン、ブチルグリシジルエーテル、1,2-エポキシヘキサン、1,2-エポキシ-9-デカン、2-(クロロメチル)-1,2-エポキシブタン、2-エチルヘキシルグリシジルエーテル、1,2-エポキシ-1H,1H,2H,2H,3H,3H-トリフルオロブタン、アリルグリシジルエーテル、テトラシアノエチレンオキサイド、グリシジルブチレート、1,2-エポキシシクロオクタン、グリシジルメタクリレート、1,2-エポキシシクロドデカン、1-メチル-1,2-エポキシシクロヘキサン、1,2-エポキシシクロペンタデカン、1,2-エポキシシクロペンタン、1,2-エポキシシクロヘキサン、1,2-エポキシ-1H,1H,2H,2H,3H,3H-ヘプタデカフルオロブタン、3,4-エポキシテトラヒドロフラン、グリシジルステアレート、3-グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン、エポキシコハク酸、グリシジルフェニルエーテル、イソホロンオキサイド、α-ピネンオキサイド、2,3-エポキシノルボルネン、ベンジルグリシジルエーテル、ジエトキシ(3-グリシジルオキシプロピル)メチルシラン、3-[2-(パーフルオロヘキシル)エトキシ]-1,2-エポキシプロパン、1,1,1,3,5,5,5-ヘプタメチル-3-(3-グリシジルオキシプロピル)トリシロキサン、9,10-エポキシ-1,5-シクロドデカジエン、4-tert-ブチル安息香酸グリシジル、2,2-ビス(4-グリシジルオキシフェニル)プロパン、2-tert-ブチル-2-[2-(4-クロロフェニル)]エチルオキシラン、スチレンオキサイド、グリシジルトリチルエーテル、2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、2-フェニルプロピレンオキサイド、コレステロール-5α,6α-エポキシド、スチルベンオキサイド、p-トルエンスルホン酸グリシジル、3-メチル-3-フェニルグリシド酸エチル、N-プロピル-N-(2,3-エポキシプロピル)ペルフルオロ-n-オクチルスルホンアミド、(2S,3S)-1,2-エポキシ-3-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-4-フェニルブタン、3-ニトロベンゼンスルホン酸(R)-グリシジル、3-ニトロベンゼンスルホン酸-グリシジル、パルテノリド、N-グリシジルフタルイミド、エンドリン、デイルドリン、4-グリシジルオキシカルバゾール、7,7-ジメチルオクタン酸[オキシラニルメチル]、1,2-エポキシ-4-ビニルシクロヘキサン、炭素数10~16の高級アルコールグリシジルエーテル等が挙げられる。
前記高級アルコールグリシジルエーテルとしては、炭素数10~16の高級アルコールグリシジルエーテルの1種以上が好ましく、炭素数12~14の高級アルコールグリシジルエーテルの1種以上がより好ましく、C12(炭素数12)高級アルコールグリシジルエーテル及びC13(炭素数13)高級アルコールグリシジルエーテルのうち少なくとも1種がさらに好ましく、C12,C13混合高級アルコールグリシジルエーテルが特に好ましい。
1分子中にエポキシ基を2つ以上有する多官能エポキシ化合物としては、例えば、1,6-ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、1,7-オクタジエンジエポキシド、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、4-ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,2:3,4-ジエポキシブタン、1,2-シクロヘキサンジカルボン酸ジグリシジル、イソシアヌル酸トリグリシジルネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,2:3,4-ジエポキシブタン、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、トリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、1,6-ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、水添ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ヘキサヒドロフタル酸ジグリシジルエステル、グリセリンポリグリシジルエーテル、ジグリセリンポリグリシジルエーテル、ポリグリセリンポリグリシジルエーテル、ソルビトール系ポリグリシジルエーテル、エチレンオキシドラウリルアルコールグリシジルエーテル等が挙げられる。
エポキシ化合物は、余剰のアニオン基に対する反応性が良好であることから、分子量が50以上2000以下であることが好ましい。また、同様の観点から、エポキシ化合物は、炭素数が2以上100以下のものが好ましく、5以上80以下のものがより好ましく、10以上50以下のものがさらに好ましい。
(置換基B)
前記余剰のアニオン基がアミン化合物と反応したことによって形成され得る置換基Bは、例えば次のような構造式で表される。
導電性複合体の詳細な分析は必ずしも容易ではないが、置換基(B)は下記式(B)で表される基であると推測される。
-HN212223 ・・・(B)
[式(B)中、R21~R23はそれぞれ独立に、水素原子、又は置換基を有してもよい炭化水素基であり、ただし、R21~R23のうち少なくとも1つは置換基を有してもよい炭化水素基である。]
置換基(B)において、左端の結合手は、アニオン基の負電荷と、アミン化合物の正電荷とが結合していることを表す。負に荷電し得るアニオン基として、例えば「-SO 」のように、活性なプロトンが結合し得る酸素原子を有するアニオン基が挙げられる。
式(B)におけるR21~R23は水素原子、又は置換基を有していてもよい炭化水素基である。式(B)におけるR21~R23はアミン化合物に由来する置換基である。
式(B)における炭化水素基は、置換基を有していてもよい炭素数1~20の脂肪族炭化水素基、置換基を有していてもよい炭素数6~20の芳香族炭化水素基が挙げられる。
脂肪族炭化水素基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基などが挙げられる。
脂肪族炭化水素基の水素を置換してもよい置換基としては、フェニル基、水酸基等が挙げられる。
芳香族炭化水素基としては、フェニル基、ナフチル基等が挙げられる。
芳香族炭化水素基の水素を置換してもよい置換基としては、炭素数1~5のアルキル基、水酸基等が挙げられる。
前記アミン化合物は、第一級アミン(1級アミン)、第二級アミン(2級アミン)及び第三級アミン(3級アミン)よりなる群から選ばれる少なくとも1種である。アミン化合物は1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
第一級アミンとしては、例えば、アニリン、トルイジン、ベンジルアミン、エタノールアミン等が挙げられる。
第二級アミンとしては、例えば、ジエタノールアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジフェニルアミン、ジベンジルアミン、ジナフチルアミン等が挙げられる。
第三級アミンとしては、例えば、トリエタノールアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、トリヘキシルアミン、トリオクチルアミン、トリフェニルアミン、トリベンジルアミン、トリナフチルアミン等が挙げられる。
前記アミン化合物のうち、導電性複合体を容易に疎水化できることから、第三級アミンが好ましく、トリオクチルアミン及びトリブチルアミンの少なくとも一方がより好ましい。
前記アミン化合物は、窒素原子上に炭素数が4以上の置換基を有することが好ましく、窒素原子上に炭素数が6以上の置換基を有することがより好ましい。
(置換基C)
前記余剰のアニオン基と反応したアミン化合物が、複素環式芳香族アミンである場合、これと反応したことによって形成された置換基Cは、例えば次のような構造式で表される。
-HN24 ・・・(C)
[式(C)中、N24は、プロトンが付加したことにより正に帯電した窒素原子を含む、複素環式芳香族アミンを表す。]
ここで、複素環式芳香族アミンとは、芳香環を構成する窒素原子を含む環式のアミン化合物を意味し、そのアミン化合物に結合する水素原子は任意に置換されていてもよい。
式(C)において、左端の結合手は、アニオン基の負電荷と、複素環式芳香族アミンの正電荷とが結合していることを表す。負に荷電し得るアニオン基として、例えば「-SO 」のように、活性なプロトンが結合し得る酸素原子を有するアニオン基が挙げられる。
複素環式芳香族アミンの塩基性が強すぎると、修飾された導電性複合体の導電性が低下することがあるため、複素環式芳香族アミンのうち、塩基性が弱い、イミダゾール系アミンが好ましい。ここで、イミダゾール系アミンとは、イミダゾール環を有する化合物を意味し、そのイミダゾール環に結合する水素原子は任意に置換されていてもよい。
イミダゾール環の水素原子を任意に置換してもよい置換基としては、例えば、水酸基、炭素数1~6のアルキル基、炭素数2~6のアルケニル基、炭素数6~12のアリール基が挙げられる。これらの置換基を構成する水素原子は水酸基又はシアノ基によって置換されていてもよい。また、これらの置換基を構成する2価又は3価の基は、-C(=O)-、-C(=O)-O-、-N=、等に置換されていてもよい。また、イミダゾール環の水素原子を置換する置換基を2つ以上有する場合、これらの置換基同士が結合して環を形成していてもよい。
前記イミダゾール系アミンとしては、例えば、イミダゾール、2-メチルイミダゾール、2-プロピルイミダゾール、N-メチルイミダゾール、1-(2-ヒドロキシエチル)イミダゾール、2-エチル-4-メチルイミダゾール、1,2-ジメチルイミダゾール、1-ベンジル-2-メチルイミダゾール、1-シアノエチル-2-メチルイミダゾール、1-シアノエチル-2-エチル-4-メチルイミダゾール、2-フェニル-4,5-ジヒドロキシメチルイミダゾール、1-アセチルイミダゾール、2-アミノベンズイミダゾール、2-アミノ-1-メチルベンズイミダゾール、2-ヒドロキシベンズイミダゾール、2-(2-ピリジル)ベンズイミダゾール等が挙げられる。
なかでも、導電性複合体のアニオン基との反応性が良好であり、安価であることから、イミダゾールが好ましい。
本態様の導電性固体の導電率(単位:S/cm)は、0.1以上が好ましく、1以上がより好ましく、5以上がより一層好ましく、10以上がさらに好ましく、15以上が特に好ましく、20以上が最も好ましい。その導電率の上限値は特に制限されないが、目安として例えば100が挙げられる。
導電率が高いほど、導電性固体の導電性が高まるので好ましい。
本態様の導電性固体の導電率は、導電性固体を押し固めて得た成形体を試料として測定したものである。
本態様の導電性固体の総質量に対する導電性複合体の含有量としては、例えば、30~100質量%が挙げられ、60~90質量%でもよく、70~80質量%でもよい。
上記範囲であると、電極材料としたときに、導電性及び電池特性に優れた電極を形成しやすい。
本態様の導電性固体は、さらに1種以上のアルカリ性化合物を含んでいてもよい。
アルカリ性化合物としては、無機アルカリ、アミン化合物、窒素含有芳香族性環式化合物が挙げられる。
無機アルカリとしては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、アンモニア、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素アンモニウムなどが挙げられる。
アミン化合物としては、1級アミン、2級アミン、3級アミン、4級アンモニウム塩のいずれであってもよい。
アミン化合物は、炭素数2~12の直鎖、もしくは分岐鎖のアルキル基、炭素数6~12のアリール基、炭素数7~12のアラルキル基、炭素数2~12のアルキレン基、炭素数6~12のアリーレン基、炭素数7~12のアラルキレン基、及び炭素数2~12のオキシアルキレン基から選択される置換基を有していてもよい。
具体的な1級アミンとしては、例えば、アニリン、トルイジン、ベンジルアミン、エタノールアミン等が挙げられる。
具体的な2級アミンとしては、例えば、ジエタノールアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジフェニルアミン、ジベンジルアミン、ジナフチルアミン等が挙げられる。
具体的な3級アミンとしては、例えば、トリエタノールアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、トリフェニルアミン、トリベンジルアミン、トリナフチルアミン等が挙げられる。
具体的な4級アンモニウム塩としては、例えば、テトラメチルアンモニウム塩、テトラエチルアンモニウム塩、テトラプロピルアンモニウム塩、テトラフェニルアンモニウム塩、テトラベンジルアンモニウム塩、テトラナフチルアンモニウム塩等が挙げられる。アンモニウムの対となる陰イオンとしてはヒドロキシドイオンが挙げられる。
窒素含有芳香族性環式化合物とは、少なくとも1個以上の窒素原子を含む芳香族性環を有するものであり、前記窒素原子は2級アミン、3級アミン、4級アンモニウム塩のいずれの形で芳香族性環に含まれていてもよい。
窒素含有芳香族性環式化合物の具体例としては、ピロール、イミダゾール、2-メチルイミダゾール、2-プロピルイミダゾール、2-ウンデシルイミダゾール、2-フェニルイミダゾール、N-メチルイミダゾール、1-(2-ヒドロキシエチル)イミダゾール、2-エチル-4-メチルイミダゾール、1,2-ジメチルイミダゾール、1-ベンジル-2-メチルイミダゾール、1-ベンジル-2-フェニルイミダゾール、1-シアノエチル-2-メチルイミダゾール、1-シアノエチル-2-エチル-4-メチルイミダゾール、2-フェニル-4,5-ジヒドロキシメチルイミダゾール、1-アセチルイミダゾール、4,5-イミダゾールジカルボン酸、4,5-イミダゾールジカルボン酸ジメチル、ベンズイミダゾール、2-アミノべンズイミダゾール、2-アミノべンズイミダゾール-2-スルホン酸、2-アミノ-1-メチルべンズイミダゾール、2-ヒドロキシべンズイミダゾール、2-(2-ピリジル)べンズイミダゾール、1-エチル-3-メチルイミダゾリウムヒドロキシド、ピリジン等が挙げられる。このうち、イミダゾール、2-メチルイミダゾール、2-プロピルイミダゾール、又はピリジンがより好ましい。
本態様の導電性固体の総質量に対するアルカリ性化合物の含有量は、例えば、0質量%以上10質量%以下とすることができる。
本態様の導電性固体は、さらに1種以上の炭素材料を含んでいてもよい。
炭素材料としては、例えば、カーボンブラック、黒鉛、気相成長炭素繊維、カーボンナノファイバー、カーボンナノチューブ、グラフェン等が挙げられる。
本態様の導電性固体の総質量に対する炭素材料の含有量は、例えば、0質量%以上10質量%以下とすることができる。
本態様の導電性固体は、さらに1種以上の金属粒子を含んでいてもよい。
金属粒子としては、例えば、銀粒子、銅粒子、金粒子、アルミニウム粒子等が挙げられる。
本態様の導電性固体の総質量に対する金属粒子の含有量は、例えば、0質量%以上10質量%以下とすることができる。
本態様の導電性固体は、さらに1種以上のバインダ成分を含んでいてもよい。
前記バインダ成分は、前記π共役系導電性高分子及び前記ポリアニオン以外の樹脂である。本態様のバインダ成分としては、例えば、公知のリチウムイオン二次電池の電極又は電極活物質を構成するバインダ成分が挙げられる。
具体的なバインダ成分としては、例えば、含フッ素樹脂、ポリオレフィン、共役ジエン系重合体、アクリル系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、セルロース系樹脂、ラテックス類、その他の樹脂等が挙げられる。
含フッ素樹脂としては、例えば、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、フッ化ビニリデン-ヘキサフルオロプロピレン-テトラフルオロエチレン共重合体、エチレン-テトラフルオロエチレン共重合体等が挙げられる。
ポリオレフィンとしては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレンプロピレンラバー、及びこれらの変性体等が挙げられる。
共役ジエン系重合体としては、例えば、スチレン-ブタジエン共重合体、及びその水素化物、アクリロニトリル-ブタジエン共重合体、及びその水素化物、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合体、及びその水素化物等が挙げられる。
アクリル系樹脂としては、例えば、メタクリル酸エステル-アクリル酸エステル共重合体、スチレン-アクリル酸エステル共重合体、及びアクリロニトリル-アクリル酸エステル共重合体等が挙げられる。
ポリビニルアルコール系樹脂としては、例えば、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル等が挙げられる。
セルロース系樹脂としては、例えば、エチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、及びカルボキシメチルセルロース等が挙げられる。
ラテックス類としては、例えば、不飽和カルボン酸単量体と、これらと共重合可能な他の単量体との共重合体が挙げられる。ここで、脂肪族共役ジエン系単量体としては、例えばブタジエン、及びイソプレンが挙げられ、不飽和カルボン酸単量体としては、例えば(メタ)アクリル酸が挙げられ、他の単量体としては、例えば、スチレンが挙げられる。このような共重合体は、例えば、公知の乳化重合によって製造され得る。具体例としては、スチレン・ブタジエン系ラテックス、アクリル系ラテックス、アクリロニトリル・ブタジエン系ラテックス、フッ素系ラテックス、シリコン系ラテックス等が挙げられる。
その他の樹脂としては、例えば、融点、及び/又はガラス転移温度が180℃以上の樹脂あるいは融点を有しないが分解温度が200℃以上のポリマーが挙げられ、具体例としては、ポリフェニレンエーテル、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルイミド、ポリアミドイミド、ポリアミド、ポリエステル等が挙げられる。
本態様の導電性固体の総質量に対するバインダ成分の含有量は、例えば、1質量%以上20質量%以下とすることができる。
(その他の任意成分)
本態様の導電性固体は、前述したアルカリ性化合物、炭素材料、金属粒子、バインダ成分の任意成分を含んでいてもよい。具体的には、例えば、シリカ、シリカ-アルミナ、ガラス、炭酸カルシウム、水酸化カルシウム、タルク、アルミナ、チタニア、ジルコニア、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、ハイドロタルサイト、マイカ等が挙げられる。
本態様の導電性固体の総質量に対する前記その他の任意成分の含有量は、例えば、0質量%以上10質量%以下とすることができる。
≪電極≫
本発明の第二態様は、第一態様の導電性固体を含む電極である。
電極の形状は特に制限されず、例えば、板状、シート状、膜状、棒状、柱状等の公知の電極の形状が挙げられる。
板状、シート状及び膜状の電極の平均厚さは、電気抵抗の低減、電極の薄型化を両立する観点から、例えば、0.01μm以上1000μm以下が好ましく、0.1μm以上100μm以下がより好ましい。
板状、シート状及び膜状の電極の平均厚さは、電極の断面を、測定顕微鏡等の拡大観察手段を用いて観察し、無作為に選択される10箇所以上の厚さを測定した値の平均値である。
本態様の電極は、フィルム又は基板等の基材によって支持されていてもよいし、独立した電極であってもよい。
本態様の電極をリチウムイオン二次電池の電極として用いる場合、正極であってもよいし、負極であってもよい。
<電極の製造方法>
本態様の電極の製造方法としては、例えば、第一態様の導電性固体を所望の形状の電極に成形する方法、第一態様の導電性固体を分散剤に分散してなる塗料を所望の基材に塗布して乾燥し、前記基材の表面に第一態様の導電性固体を含む電極層(導電層)を形成する方法等が挙げられる。
第一態様の導電性固体を成形する方法は特に制限されず、例えば、公知のリチウムイオン二次電池の電極活物質に含まれるバインダと、第一態様の導電性固体を混錬し、ペレットを得て、このペレットを用いて、成形型等で成型してもよいし、押出成形してもよい。或いは、第一態様の導電性固体を型枠に充填し、押し固めることにより、型枠の形状が反映された立体形状の電極を形成してもよい。
前記塗料を塗布する基材としては、公知の電池の電極活物質層を支持する基材が適用でき、例えば、金属箔、金属板等の金属材が挙げられる。例えば、銅箔、アルミニウム箔、ステンレス板等が挙げられる。また、公知の樹脂フィルムや樹脂板を基材として用いてもよい。塗布方法は特に制限されず、常法を適用すればよい。
<電池>
本態様の電極を備えた電池やキャパシタを製造することもできる。
前記電池は、一次電池でもよいし、二次電池でもよい。電池の形態は特に制限されず、例えば、乾電池、電極積層型ラミネート電池、ボタン電池等の公知の電池形態が挙げられる。
前記電池は、通常、正極、負極、電解質を有する。本態様の電極は、正極であってもよいし、負極であってもよい。電池における正極と負極とは不織布等のセパレータによって絶縁されていることが好ましい。
前記電池は、リチウムイオン二次電池であることが好ましい。
≪導電性高分子粉体の製造方法≫
本発明の第三態様は、π共役系導電性高分子を形成し得るモノマーと、ポリアニオンと、水とを含む反応液に、触媒及び酸化剤を加えることにより、前記モノマーを重合して、前記π共役系導電性高分子及び前記ポリアニオンを含む導電性複合体を形成する工程(重合工程)と、前記反応液から前記導電性複合体を分取する工程(分取工程)と、を有する、導電性固体の製造方法である。
前記ポリアニオンの重量平均分子量Mwは1万以上である。
(重合工程)
前記モノマーと、特定の重量平均分子量のポリアニオンを含む水溶液(反応液)を調製し、前記モノマーを重合させることにより、π共役系導電性高分子を形成する。前記反応液において、π共役系導電性高分子にポリアニオンが自然にドープされ、π共役系導電性高分子とポリアニオンからなる導電性複合体が形成される。
前記反応液で形成された導電性複合体に含まれる、π共役系導電性高分子:ポリアニオンの含有比(質量基準)は、前記水溶液中に重合開始直前に含まれていた前記モノマーの含有量と、前記ポリアニオンの含有量の比率と同じである。つまり、前記反応液中に配合したモノマーとポリアニオンの含有比が、形成した導電性複合体におけるπ共役系導電性高分子とポリアニオンの含有比に反映される。
重合開始直前の前記反応液に含まれる前記モノマー:前記ポリアニオンの含有比は、質量基準で、(1:0)超(1:1)以下が好ましく、(1:0.2)~(1:1)がより好ましく、(1:0.5)~(1:1)がさらに好ましく、(1:0.8)~(1:1)が特に好ましい。
上記範囲の下限値以上であると、ポリアニオンによるドープ効果が充分に発揮され、より導電性に優れた導電性固体が得られる。
上記範囲の上限値以下であると、ポリアニオンによるドープ効果を得つつ、水に対する分散性が低く、容易に沈殿させることが可能な導電性複合体を形成することができる。
本工程において、前記反応液に含有させる触媒は、前記モノマーを重合させるものであれば特に制限されず、例えば、塩化第二鉄、硫酸第二鉄、硝酸第二鉄、塩化第二銅等の遷移金属化合物等が挙げられる。
前記触媒とともに含有させる酸化剤は、還元された触媒を元の酸化状態に戻すことができる。酸化剤としては、例えば、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム等の過硫酸塩が挙げられる。
重合開始直前の前記反応液に含まれる前記モノマーの含有量は、例えば、前記反応液の総質量に対して、0.1質量%以上20質量%以下が好ましく、0.3質量%以上10質量%以下がより好ましく、0.5質量%以上5質量%以下がさらに好ましい。
上記範囲の下限値以上であると、形成される導電性複合体を容易に分取することができる。
上記範囲の上限値以下であると、重合反応を安定に進められるので、反応系に存在するポリアニオンとの複合化が安定に進み、導電性の高い良質な導電性複合体を容易に得ることができる。
重合開始直前の前記反応液に含まれる前記ポリアニオンの含有量は、前記モノマーに対する前記含有比に基づいて設定されることが好ましい。
重合開始直前の前記反応液に含まれる前記触媒の含有量は、例えば、前記反応液の総質量に対して、0.01質量%以上1質量%以下が好ましく、0.05質量%以上0.5質量%以下がより好ましい。
上記範囲の下限値以上であると、導電性複合体を容易に形成することができる。
上記範囲の上限値以下であると、重合反応を安定に進められるので、反応系に存在するポリアニオンとの複合化が安定に進み、導電性の高い良質な導電性複合体を容易に得ることができる。
重合を促進する酸化剤の前記反応液に添加する添加量は、例えば、前記反応液の総質量に対して、0.1質量%以上5質量%以下が好ましく、1質量%以上4質量%以下がより好ましく、2質量%以上3質量%以下がさらに好ましい。
上記範囲の下限値以上であると、導電性複合体を容易に形成することができる。
上記範囲の上限値以下であると、重合反応を安定に進められるので、反応系に存在するポリアニオンとの複合化が安定に進み、導電性の高い良質な導電性複合体を容易に得ることができる。
上記重合反応を促進する観点から、前記反応液を撹拌しながら加熱して反応させてもよいが、20℃程度の室温でも充分に反応させることができる。室温における反応時間としては、例えば1~10時間程度とすることができる。
(析出工程)
重合工程と回収工程の間に析出工程を設けてもよい。本工程において、前記モノマーの重合反応後の前記反応液中に導電性複合体を析出させる方法は特に制限されず、例えば、反応後の反応液を静置する方法、反応後の反応液をゆっくり撹拌する方法、反応後の反応液を-20℃~4℃程度に冷却する方法、反応液にアミン化合物及びエポキシ化合物のうち少なくとも一方を添加する方法等が挙げられる。いずれの方法においても、π共役系導電性高分子の水に溶解し難い性質により、自然に析出させることができる。
重合反応後の前記反応液にアミン化合物及びエポキシ化合物のうち少なくとも一方を添加することにより、重合反応後に形成された前記導電性複合体が有する余剰のアニオン基にアミン化合物又はエポキシ化合物を反応させ、前記余剰のアニオン基を修飾することにより、前記導電性複合体の疎水性を高め、前記反応液中に前記導電性複合体を析出させることがより一層容易となる。
前記反応液に添加するアミン化合物及びエポキシ化合物の説明は、第一態様の説明と同様であるので重複する説明は省略する。前記反応液に添加するアミン化合物又はエポキシ化合物の種類は、1種類でもよいし、2種類以上でもよい。
前記反応液に添加するアミン化合物の添加量は、導電性複合体100質量部に対して、100質量部以上10000質量部以下であることが好ましく、200質量部以上6000質量部以下であることがより好ましく、300質量部以上3000質量部以下であることがさらに好ましい。上記範囲の下限値以上であると、導電性複合体の疎水性が充分に向上し、析出した導電性複合体が前記反応液の上層に浮遊するので、収率良く回収することができる。上記範囲の上限値以下であると、導電性複合体が修飾されることによる導電性の低下を抑制することができる。
前記反応液に添加するエポキシ化合物の添加量は、導電性複合体100質量部に対して、100質量部以上10000質量部以下であることが好ましく、200質量部以上6000質量部以下であることがより好ましく、300質量部以上3000質量部以下であることがさらに好ましい。上記範囲の下限値以上であると、導電性複合体の疎水性が充分に向上し、析出した導電性複合体が前記反応液の下層に沈降するので、収率良く回収することができる。上記範囲の上限値以下であると、導電性複合体が修飾されることによる導電性の低下を抑制することができる。
前記反応液にアミン化合物又はエポキシ化合物を添加する前、添加と同時又は添加した後には、有機溶剤を添加してもよい。有機溶剤としては、水溶性有機溶剤が好ましい。水溶性有機溶剤としては、アルコール系溶剤、ケトン系溶剤、エステル系溶剤が挙げられる。添加する水溶性有機溶剤は、1種類でもよいし、2種類以上でもよい。
析出回収工程において、エポキシ化合物とアミン化合物の両方を添加する場合、これらを添加する順序は特に限定されない。合成中間体(反応中間体)の取り扱いが容易であることから、前記反応液にエポキシ化合物を添加して、ポリアニオンの一部のアニオン基と反応させた後、アミン化合物を添加して、ポリアニオンの一部のアニオン基と反応させることが好ましい。
(分取工程)
分取工程は、前記反応液に形成した導電性複合体を、前記反応液から分取し、回収する工程である。分取する方法としては、例えば、前記反応液を入れた容器の底に導電性複合体を自然に沈殿させて上澄み液を除去する方法、前記反応液の上層に浮遊した導電性複合体を吸引して回収する方法、前記反応液を濾過してフィルター上に導電性複合体を得る方法、遠心分離により前記反応液を入れた容器の底に導電性複合体のペレットを形成する方法、前記反応液を気体中に噴霧して乾燥させ、乾燥した導電性複合体を得る方法、等が挙げられる。
これらの回収方法の中でも、自然に沈殿又は浮遊させて回収する方法は、不純物が少なく、導電性に優れ、流動性に優れた導電性複合体を容易に得られるので、好ましい。
前記反応液から回収した直後の導電性複合体は、触媒や酸化剤等を含む反応液が付着しているので、導電性複合体を水または有機溶剤により洗浄することが好ましい。具体的には、例えば、水または有機溶剤からなる洗浄液に導電性複合体を添加し、攪拌した後、再度、沈殿させる等の方法により、導電性複合体を洗浄液から回収する方法が挙げられる。
本工程で分取した導電性複合体は、前記反応液を構成する水等の分散媒が除去されているので、導電性固体として得られる。導電性固体をさらに乾燥することにより、取り扱いが容易な乾燥粉体とすることもできる。乾燥方法は特に制限されず、粉体を乾燥する公知方法が適用される。
本工程で得られた導電性固体は、所望の粒子径となるように、粉砕してもよい。粉砕方法は特に制限されず、例えば、乳鉢を用いてすり潰して粉砕する方法、粉砕機を用いて粉砕する方法等が挙げられる。粉砕機としては、例えば、ホモジナイザー、ボールミル、ビーズミル、ローラーミル、ジェットミル、ハンマーミル等が挙げられる。
以上で説明した各工程により、第一態様の導電性固体を容易に製造することができる。
[製造例1]PSS(Mw=48.7万、Mn=21.2万、Mw/Mn=2.3)の製造
1000mlのイオン交換水に206gのスチレンスルホン酸ナトリウムを溶解し、80℃で攪拌しながら、予め10mlの水に溶解した1.14gの過硫酸アンモニウム酸化剤溶液を90分間滴下し、この溶液を6時間攪拌した。得られたポリスチレンスルホン酸ナトリウム溶液に、陽イオン交換樹脂を412g添加し、24時間撹拌して、ポリスチレンスルホン酸(PSS)溶液を得た。続いて陽イオン交換樹脂を濾過で除去し、得られたポリスチレンスルホン酸溶液にイオン交換水を添加して0.2質量%濃度に調整した。この溶液について、GPC(ゲル濾過クロマトグラフィー)カラムを備えたHPCLシステムを用い、重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)及び分子量分布(Mw/Mn)を測定した。この際、昭和電工社製プルランを標準物質として使用した。測定結果を表1に示す。
[製造例2]PSS(Mw=22.8万、Mn=9.6万、Mw/Mn=2.4)の製造
スチレンスルホン酸ナトリウムを103gに変更し、陽イオン交換樹脂を206gに変更したこと以外は、製造例1と同様にしてPSS水溶液を得た。Mw等の測定結果を表1に示す。
[製造例3]PSS(Mw=12.4万、Mn=6.0万、Mw/Mn=2.1)の製造
スチレンスルホン酸ナトリウムを52gに変更し、陽イオン交換樹脂を104gに変更したこと以外は、製造例1と同様にしてPSS水溶液を得た。Mw等の測定結果を表1に示す。
[製造例4]PSS(Mw=7.0万、Mn=3.7万、Mw/Mn=1.9)の製造
スチレンスルホン酸ナトリウムを26gに変更し、陽イオン交換樹脂を52gに変更したこと以外は、製造例1と同様にしてPSS水溶液を得た。Mw等の測定結果を表1に示す。
[製造例5]PSS(Mw=90.7万、Mn=60.0万、Mw/Mn=1.5)の製造
過硫酸アンモニウムを使用せず、代わりにVA-086(富士フィルム和光純薬製、2,2’-Azobis[2-methyl-N-(2-hydroxyethyl)propionamide])2.88gを使用したこと以外は、製造例1と同様にしてPSS水溶液を得た。Mw等の測定結果を表1に示す。
[製造例6]PSS(Mw=93.7万、Mn=59.0万、Mw/Mn=1.6)の製造
過硫酸アンモニウムを使用せず、代わりにVA-057(富士フィルム和光純薬製、2,2’-Azobis[N-(2-carboxyethyl)-2-methylpropionamidine]tetrahydrate)4.14gを使用したこと以外は、製造例1と同様にしてPSS水溶液を得た。Mw等の測定結果を表1に示す。
[実施例1]
5gの3,4-エチレンジオキシチオフェンと、製造例1で得た5g(固形分)のポリスチレンスルホン酸とが質量比1:1となるように、かつ全体の質量が300gになるようにイオン交換水を添加して、原料液を得た。この原料液に、49.7gのイオン交換水に溶かした0.3gの硫酸第二鉄の酸化触媒溶液を混合した。得られた混合溶液を20℃に保ち、攪拌しながら、89mlのイオン交換水に溶かした11.0gの過硫酸アンモニウムを添加し、24時間攪拌して反応させた。その後、反応生成物を濾過で回収し、アセトンで洗浄することにより、PEDOT:PSS=1:1(質量比)の青色のPEDOT-PSS粉体を得た。
[実施例2]
ポリスチレンスルホン酸を製造例2のポリスチレンスルホン酸5g(固形分)に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、PEDOT:PSS=1:1(質量比)の青色のPEDOT-PSS粉体を得た。
[実施例3]
ポリスチレンスルホン酸を製造例3のポリスチレンスルホン酸5g(固形分)に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、PEDOT:PSS=1:1(質量比)の青色のPEDOT-PSS粉体を得た。
[実施例4]
ポリスチレンスルホン酸を製造例4のポリスチレンスルホン酸5g(固形分)に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、PEDOT:PSS=1:1(質量比)の青色のPEDOT-PSS粉体を得た。
[実施例5]
ポリスチレンスルホン酸を製造例5のポリスチレンスルホン酸5g(固形分)に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、PEDOT:PSS=1:1(質量比)の青色のPEDOT-PSS粉体を得た。
[実施例6]
ポリスチレンスルホン酸を製造例6のポリスチレンスルホン酸5g(固形分)に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、PEDOT:PSS=1:1(質量比)の青色のPEDOT-PSS粉体を得た。
[比較例1]
ポリスチレンスルホン酸をスチレンスルホン酸5gに変更したこと以外は、実施例1と同様にして、反応生成物の粉体を得た。
Figure 2022052253000003
<評価>
各例で得た反応生成物の粉体を20mm×20mm×0.2mmの枠に充填してプレス成型を行い、電極(導電性成形体)を得た。この電極の表面抵抗値と導電率を、抵抗率計(日東精工アナリテック株式会社製ロレスタ)を用い、印加電圧10Vの条件で測定した。その結果を表2に示す。表中、「7.75E+03」は「7.75×10」を意味する。
Figure 2022052253000004
本発明に係る実施例の電極は、重量平均分子量Mwが1万以上のPSSを含む導電性複合体によって形成されているので、導電性に優れていることが明らかである。

Claims (10)

  1. π共役系導電性高分子及びポリアニオンを含む導電性複合体を含有し、
    前記ポリアニオンの重量平均分子量Mwが1万以上である導電性固体。
  2. 前記導電性複合体に含まれる前記π共役系導電性高分子:前記ポリアニオンの質量比が(1:0)超(1:1)以下である、請求項1に記載の導電性固体。
  3. 前記π共役系導電性高分子が、ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)であるか、又は、前記ポリアニオンが、ポリスチレンスルホン酸である、請求項1又は2に記載の導電性固体。
  4. 前記ポリアニオンが有する一部のアニオン基が、アミン化合物と反応して修飾されている、請求項1~3の何れか一項に記載の導電性固体。
  5. 前記ポリアニオンが有する一部のアニオン基が、エポキシ化合物と反応して修飾されている、請求項1~3の何れか一項に記載の導電性固体。
  6. さらに、炭素材料を含む、請求項1~5の何れか一項に記載の導電性固体。
  7. さらに、バインダ成分を含む、請求項1~6の何れか一項に記載の導電性固体。
  8. 請求項1~7の何れか一項に記載の導電性固体を含有する電極。
  9. π共役系導電性高分子を形成するモノマーと、ポリアニオンと、水とを含む反応液に、触媒及び酸化剤を加えることにより、前記モノマーを重合して、前記π共役系導電性高分子及び前記ポリアニオンを含む導電性複合体を形成することと、析出した前記導電性複合体を分取することを含む導電性固体の製造方法であって、
    前記ポリアニオンの重量平均分子量Mwが1万以上である、導電性固体の製造方法。
  10. 前記導電性複合体に含まれる前記π共役系導電性高分子:前記ポリアニオンの質量比が(1:0)超(1:1)以下である、請求項9に記載の導電性固体の製造方法。
JP2020158521A 2020-09-23 2020-09-23 導電性固体及びその製造方法、並びに電極 Pending JP2022052253A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020158521A JP2022052253A (ja) 2020-09-23 2020-09-23 導電性固体及びその製造方法、並びに電極

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020158521A JP2022052253A (ja) 2020-09-23 2020-09-23 導電性固体及びその製造方法、並びに電極

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2022052253A true JP2022052253A (ja) 2022-04-04

Family

ID=80948601

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020158521A Pending JP2022052253A (ja) 2020-09-23 2020-09-23 導電性固体及びその製造方法、並びに電極

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2022052253A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6454367B2 (ja) 導電性組成物
KR101767328B1 (ko) 경화성 대전방지 오가노폴리실록산 조성물 및 대전방지 실리콘 피막
JP6258142B2 (ja) 導電性高分子溶液および導電性塗膜
JP6854791B2 (ja) 導電性高分子溶液、キャパシタ及びキャパシタの製造方法
JP2022052253A (ja) 導電性固体及びその製造方法、並びに電極
JP6504843B2 (ja) 導電性高分子組成物および剥離フィルム
JP2020100689A (ja) 導電性高分子含有液及びその製造方法、並びに導電性フィルム及びその製造方法
JP2020097680A (ja) 導電性高分子含有液及びその製造方法、並びに導電性フィルムの製造方法
JP7281973B2 (ja) 電極及び電池
JP6904884B2 (ja) 電極の製造方法
JP2022052251A (ja) 導電性高分子粉体及びその製造方法、導電性高分子組成物、導電性成形体、並びに電極及びその製造方法
JP2022052250A (ja) 導電性粉体及びその製造方法、塗料、並びに電極及びその製造方法
JP2021038361A (ja) 高導電性複合体の有機溶剤分散液の製造方法、導電性フィルム及びその製造方法
JP2022052252A (ja) 導電性高分子粉体及びその製造方法、導電性高分子組成物、並びに電極及びその製造方法
JP2020111650A (ja) 導電性高分子複合体、導電性高分子含有液、導電性高分子複合体の製造方法、導電性高分子含有液の製造方法、導電性フィルムの製造方法、及び導電性フィルム
JP7269844B2 (ja) 高導電性複合体の製造方法、高導電性複合体の有機溶剤分散液の製造方法、導電性フィルムの製造方法
JP7455027B2 (ja) 導電性高分子分散液及びその製造方法、並びに導電性フィルムの製造方法
JP2022050974A (ja) 硫黄含有導電性複合体及びその製造方法、導電性高分子分散液、並びに、導電性積層体及びその製造方法
JP7462425B2 (ja) 修飾型導電性複合体の製造方法、修飾型導電性複合体分散液の製造方法、及び導電性フィルムの製造方法
JP2020111647A (ja) 導電性高分子水系分散液、導電性高分子複合体の製造方法、導電性高分子含有液の製造方法、及び導電性フィルムの製造方法
JP2022052249A (ja) 粉体組成物、電極用塗料及び電極
JP2022035597A (ja) 導電性高分子含有液及びその製造方法、並びに導電性フィルム及びその製造方法
JP2021074951A (ja) 導電性積層体及びその製造方法
JP2022021065A (ja) 導電性高分子含有液及びその製造方法、並びに導電性フィルムの製造方法
JP2020097681A (ja) 導電性高分子水分散液、導電性高分子複合体の製造方法、導電性高分子含有液の製造方法、導電性フィルムの製造方法、及び導電性フィルム

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20230413

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20240220

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20240305

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20240424