JP2022051172A - 検知システム、及び、検知方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】移動する物体の検知を的確かつ効率的に行うことが可能な検知システム、及び、検知方法を提供することを目的とする。【解決手段】検知空間を含む撮影範囲について奥行き情報を含む距離画像を生成する距離画像センサ部と、前記距離画像に基づき前記検知空間内の物体の移動ベクトルを算出する移動ベクトル算出部と、前記距離画像に基づき前記検知空間内の物体の体積を算出する体積算出部と、前記移動ベクトルと前記体積とに基づいて前記検知空間における検知対象を検知する検知部と、前記検知部において検知された前記検知対象について検知情報を出力する出力部と、を備えたことを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、検知システム、及び、検知方法に関し、特に、移動する物体の検知を行うことが可能な検知システム、及び、検知方法に関する。
従来、侵入者等の検知には赤外線センサ等を用いて特定のラインを遮った場合に異常を検知(発報)して警備員等に知らせるシステムが存在する。このことでユーザが事象を確認することが可能となる。
また、特許文献1には画像処理装置で侵入者を検知した際の検知枠面積やレーザーセンサで検知された侵入者の軌跡情報を基に侵入者の行動を予測し、複数のカメラ画像から重要度の順位付けを行い、重要な画像をリアルタイムに監視者へ提供する監視システムが記載されている。
特開2014-36414号公報
しかし、設置されるセンサの種類によっては面で検知させることができないものもある。この場合、例えば特定の警戒ライン以外の上や下の位置で人が横切ってもセンサが反応しないといった失報が起きる可能性も高い。それを回避するためにさらに複数のセンサを設置して失報を無くす必要が出てくる。
この場合、移動する物体の検知が単純な一方向のみといった場合は比較的容易に対応することが可能である。しかし、複雑に移動(例えば、前後、左右、斜め移動等)する物体を検知させようとした場合、例えば、赤外線センサでは検知しきれない可能性が高い。このため、赤外線センサではなく画像処理設備等を導入する必要があり、それなりに高度(高価)な設備が必要となる。
さらに、失報を無くす為にはある程度、検知対象物を特定した上で最適なセンサを選ぶ必要があり検知対象物や移動ベクトルの組合せを考慮すると最終的には設備が複雑となり効率的な設備構築が難しくなる。
特許文献1では、複数のカメラの使用を前提としており、重要度の順位付けの処理も必要となる。
本発明は、上記課題に鑑みて、移動する物体の検知を的確かつ効率的に行うことが可能な検知システム、及び、検知方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、代表的な本発明の検知システムの一つは、検知空間を含む撮影範囲について奥行き情報を含む距離画像を生成する距離画像センサ部と、前記距離画像に基づき前記検知空間内の物体の移動ベクトルを算出する移動ベクトル算出部と、前記距離画像に基づき前記検知空間内の物体の体積を算出する体積算出部と、前記移動ベクトルと前記体積とに基づいて前記検知空間における検知対象を検知する検知部と、前記検知部において検知された前記検知対象について検知情報を出力する出力部と、を備えたことを特徴とする。
本発明によれば、検知システム、及び、検知方法において、移動する物体の検知を的確かつ効率的に行うことができる。
上記以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態により明らかにされる。
図1は、本発明の検知システムの一実施形態を示すブロック図である。 図2は、本発明の検知システムにおける物体を検知対象として検知する場合のフローチャートの例を示す図である。 図3は、本発明の検知システムにおける検知空間と侵入想定空間の例を示す図である。 図4は、本発明の検知システムにおいて検知空間へ物体が移動する場合の第1の例を示す図である。 図5は、本発明の検知システムにおいて検知空間へ物体が移動する場合の第2の例を示す図である。
本発明を実施するための形態を説明する。
図1は、本発明の検知システムの一実施形態を示すブロック図である。
距離画像センサ10は、距離画像センサ部11、物体検出部21、移動ベクトル算出部22、体積算出部23、検知部24、検知空間設定部25、侵入想定空間設定部26、移動ベクトル設定部27、出力部28を備えている。また、距離画像センサ10は必要に応じてこれ以外の機能も備えることができる。なお、距離画像センサ10の数は、撮影範囲ごとに設けることが可能であり、複数備えていてもよい。また、複数の距離画像センサ10は1つで一か所の撮影範囲をとらえることが可能である。距離画像センサ10が検知した情報は中継装置51を介して管理サーバ40に通知される。
距離画像センサ部11は、監視するエリアに設置し、検知対象物となる物体が侵入・通過する位置(想定される位置)に向けて設置する。距離画像センサ部11は、TOF(Time Of Flight)方式の距離画像センサであり、赤外線の周期光を照射する照明光源と、赤外線を撮像する撮像部とを備える。光源から照射される赤外線の周期光は、被写体までの距離に応じて位相変調されて撮像部に戻る。撮像部は、この位相変調された光を所定の露光間隔ごとに周期的に撮像する。その結果、被写体距離に応じて位相変調された被写体像は撮像部の周期的な露光間隔との位相ズレの分だけ明暗変調され、被写体距離に応じた明暗変化が受光画素の画素出力に重畳する。この明暗変化の重畳分を検出することにより、受光画素の単位に被写体距離を求めることができる。このような動作原理により、距離画像センサ部11は、検知空間を含む撮影範囲を撮影することにより、奥行き情報を含む距離画像を生成する。ここでの距離画像はIR(赤外線)画像である。
さらに、距離画像センサ部11は、ある一定期間の距離画像を保存することが可能な装置とし、通常はリングバッファ機能により常時距離画像の録画を行っている。このため、距離画像センサ部11は、最低限保存しておきたい時間分のメモリーを搭載した装置としておく。後述する検知部24で移動物体を検知対象として検知した場合(発報時)には検知した前後数秒の映像が消えない様上書き録画を停止する処理を行う。
物体検出部21は、距離画像センサ部11の距離画像から撮影範囲内の移動物体を検出する処理を行う。この検出は移動物体が存在しない場合の通常時の背景情報(背景画像)をあらかじめ取得しておき、移動物体が撮影範囲に入ったときに、背景差分等を用いて実施する。背景情報は、例えば、時間や天候、季節といった変化を想定して背景情報を取得するタイミングを変更したり再取得したりすることが可能な構成としてもよい。また、条件や状況に応じて背景情報を再設定可能な構成とすることもできる。また、検出した物体にはID(識別するための符号)情報を付与して移動軌跡を追うことを可能とする。これにより、監視エリア内であれば一度付与したID情報は物体が移動しても外れることは無いため、同じ移動物体を、再度検出することによる複数の発報を防止できる。
移動ベクトル算出部22は、物体検出部21で検出した同じ物体(同じID)の移動ベクトルを算出する処理を行う。移動ベクトルの算出により物体が移動してきた方向や時間あたりの移動量を算出することができる。ここでの移動ベクトルは、距離画像センサ部11を用いることにより、上下左右だけではなく奥行方向についての移動も認識可能となっている。
体積算出部23は、物体検出部21で検出した物体の体積を距離画像センサ部11からの情報により算出する処理を行う。上記のように物体ごとにID情報を付与されるため、この体積情報も、IDに紐づけして管理することが可能である。体積の算出は物体を検出した時点から算出してもよいし、所定時間ごとに行ってもよい。また、処理を軽くするため後述する検知空間内に物体が入ってから算出してもよい。
検知部24は、移動物体を検知対象として検知するか否かを判定する処理を行う。この判定は、移動物体が検知空間内に存在するか否か、移動物体の移動ベクトルがあらかじめ定めた条件に合致するか否か、移動物体の体積があらかじめ定めた条件に合致するか否か等を組み合わせて判定を行う。これらの具体例は後述する。
検知空間設定部25は、距離画像センサ部11で撮影される範囲のうち、物体を検知対象として検知する範囲である検知空間を設定する処理を行う。検知空間は一か所でもよく複数個所設定してもよい。設定は、例えば、監視端末45から検知空間の範囲をあらかじめ運用者等の操作に基づき設定することを可能とする。検知空間は、例えば、人や物が存在すると危険と思われる空間や、部外者の侵入が許可されていない空間等、検知が必要な空間で設定される。
侵入想定空間設定部26は、距離画像センサ部11で撮影される範囲のうち、侵入想定空間として検知する範囲を設定する処理を行う。侵入想定空間は、検知空間に隣接する空間等、検知空間と関連付けた空間として設定することができる。侵入想定空間は一か所でもよく複数個所設定してもよい。設定は、例えば、監視端末45から侵入想定空間の範囲をあらかじめ運用者等の操作に基づき設定することが可能とする。侵入想定空間を通過して検知空間に入った物体は、検知対象から除外する等の処理を行う。
移動ベクトル設定部27は、検知部24が検知対象として検知するための移動ベクトルの条件(例えば、範囲)を設定する処理を行う。移動ベクトルの条件は、1つでも可能であるが、複数設けられるようにしてもよい。例えば、監視端末45から移動ベクトルの条件(方向や移動量等)をあらかじめ運用者等の操作に基づき設定することが可能である。
出力部28は、検知部24において検知された検知対象について検知情報(発報情報)を出力する処理を行う。ここでの出力は、管理サーバ40、監視端末45やその他必要な端末等に出力できる。また、出力部28で出力する情報は、距離画像センサ部で撮影された距離画像、移動ベクトルの情報、体積の情報等を含むことができる。
ここで、出力部28は、物体検出部21が検出した物体の移動軌跡を距離画像上に出力することが好ましい。これにより監視端末45などの表示画面に物体の移動軌跡が表示され、物体の特定、判断が容易になる。検知エリアが広く検出された物体が小さい場合、何を検出したのか判断が難しいことがあるが、軌跡を表示することで監視者は物体が通り過ぎたか否かや、現時点の物体の位置に基づき検出した物体(何に反応したのか)を容易に判断することができる。
可視カメラ部31は、可視光線をとらえることのできるカメラである。例えば、CCDやCMOS等の固体撮像素子を用いた方式のカメラを適用できる。可視カメラ部31は、必要に応じて設置され距離画像センサ部11の撮影範囲と同じ範囲を撮影する。このことで、実際の可視映像を確認することができる。
報知部32は、管理サーバ40の制御に基づき、周囲に状況を知らせるための装置である。例えば、回転灯やスピーカーなどを適用できる。設置場所は、距離画像センサ部11の近く等、知らせたい人がいる場所に設置する。発報時には管理サーバ40からの制御により報知部32を制御することで監視端末45を操作している運用者以外の人達にも周囲に状況を知らせることが可能となる。ここで運用者以外の人達とはシステム管理者だけではなく時には危険を知らせるために現場側にいる周囲の一般人も含まれる。
管理サーバ40は、コンピュータであり、距離画像センサ10、可視カメラ部31、報知部32の制御を行う。検知部24において検知対象が検知された場合、その情報は、管理サーバ40へ送られて、それに基づき報知部32により報知させる。例えば、検知と判定された場合は、消灯していた回転灯を点灯させる、スピーカーから音で知らせる等である。
制御装置41は、例えば検知動作対象時間外などの情報を入力することで管理サーバ40から距離画像センサ10に対して発報させる、させないと言った動作条件を設定することができる。また、制御装置41を用いて、背景差分の情報を再設定する機能を構築することでより最適な検知を行うことが可能となる。
監視端末45は、表示画面や操作手段を備えるコンピュータであり、発報情報が通知されると、その旨の表示を文字等で行う。この際、監視端末45は、距離画像センサ10の内部に保存されている距離画像を監視端末45の画面上に中継装置52を介して表示するように処理を行うことも可能である。また、距離画像に代えて、もしくは、距離画像に加えて、可視カメラ部31の情報を表示する機能も有することができる。さらに、監視端末45からは、上述した検知空間設定部25、侵入想定空間設定部26、移動ベクトル設定部27、出力部28の設定を行うことができる。
接続について説明すると、距離画像センサ10、可視カメラ部31、報知部32は、中継装置51と通信可能なように有線又は無線で接続される。管理サーバ40と制御装置41と監視端末45は、中継装置52と通信可能なように有線又は無線で接続される。中継装置51及び中継装置52は、ネットワーク50を介して通信可能である。ネットワーク50はインターネットを適用でき、また、専用のネットワーク回線でもよい。また、中継装置51及び中継装置52は、ハブによる装置である。なお監視端末45は、中継装置51側に接続してもよい。
また、管理サーバ40は、1つのサーバで説明したが、機能に応じて複数のサーバで構成することもできる。例えば、距離画像センサ10の管理と、可視カメラ部31の管理を別々のサーバで機能させる等である。この場合、サーバ同士は連動して処理を行う。
図2は、本発明の検知システムにおける物体を検知対象として検知する場合のフローチャートの例を示す図である。
最初に、S101では、物体の検出を行う。この検出は距離画像センサ部11における撮影範囲で行うことができる。ここでの処理は、上述した物体検出部21において、あらかじめ取得しておいた背景情報との背景差分等を用いて実施する。すなわち、あらかじめ取得しておいた背景情報に対して、新たな物体の検出があった場合に検出することが可能となる。検出した物体にはIDを付与して、当該物体が移動しても同じ物体であることを識別する。また、すでにIDが付与されている物体であればその軌跡を追う。
次に、S102では、物体の移動ベクトルの算出を行う。ここでの処理は、上述した移動ベクトル算出部22において行う。S101で検出された同じ物体(同じIDが付与された物体)の移動の方向と移動量から移動ベクトルを算出する。この算出は、例えば、所定時間当たりの平均の移動量やその方向などにより算出することができる。
次に、S103では、物体の体積の算出を行う。ここでの処理は、上述した体積算出部23において行う。S101で検出した物体は、距離画像センサ部11において、奥行き情報を含む距離画像を生成するため、これに基づき体積の算出が可能となる。算出された体積はS101で示した物体のIDと関連付けられる。また、すでにIDが付与されて体積の算出が行われた物体については、その算出を省略できる。
次に、S104では、物体が検知空間に存在するか否かを判定する。検知空間は、距離画像センサ部11の撮影範囲において検知空間設定部25において設定された立体的な空間である。この空間内に、S101で検出した物体が存在すると判定した場合には、次のS105へ行き、存在しない場合には、S101へ戻る。
次に、S105では、移動ベクトルが所定の条件に合致するか否かを判定する。ここでの判定は、S104で判断した検知空間に存在する物体についての移動ベクトルにより判定する。S105で条件に合致すると判定した場合には、次のS106へ行き、合致しないと判定した場合には、S101へ戻る。
S105の判定で用いる移動ベクトルの所定の条件としては、1つは、侵入想定空間設定部26で設定した侵入想定空間からのベクトルでないことを条件とする場合があげられる。この点については、図3~5により具体的に説明する。
また、他の所定の条件としては、移動ベクトル設定部27により設定される条件を判定の条件とする場合があげられる。例えば、移動ベクトルの方向の範囲をあらかじめ定めておくことで、その方向に合致する場合のみ条件に合致すると判定する。また、移動ベクトルの大きさ(所定時間当たりの移動量)の範囲を条件に加えてもよい。この条件は侵入想定空間による条件と組み合わせることも可能である。
次に、S106では、物体の体積が所定の条件に合致するか否かを判定する。ここでは、S104で判断した検知空間に存在する物体についての物体の体積が所定の条件に合致するか否かにより判定する。S106で条件に合致すると判定した場合には、次のS107へ行き、条件に合致しないと判定された場合には、S101へ戻る。
S106の体積の所定の条件としては、例えば、物体の体積の範囲が、あらかじめ定めた範囲内であることを条件とする場合があげられる。物体の体積がこの範囲内であれば合致すると判定する。この条件は、監視端末45等で設定可能とすることができる。さらに、物体の体積の範囲は、段階的な条件としてもよい。例えば、小動物や昆虫に相当する一番小さい体積の範囲はレベルを中としておき、子供が想定される中間の体積の範囲はレベルを大としておき、大人に相当する一番大きい体積の範囲はレベルを小としておく等である。この場合、子供が検知空間に入った場合は、レベルの高い発報を行う。このように複数の体積の範囲に応じて出力部28から出力する異常のレベルを変更させることもできる。
次に、S107では、物体を検知対象として検知する。すなわち、S104~S106の条件に当てはまる場合は、物体を検知対象として検知する。なお、S106の物体の体積が所定の条件に合致か否かについては、当該システムを導入する状況に応じて省略することも可能である。S104~S107の処理は、上述した検知部24において行う。
次に、S108では、検知情報の出力(発報)を行う。ここでの処理は、上述した出力部28において行う。検知情報の出力先は、監視端末45や管理サーバ40等であり、監視端末45により運用者が検知情報を知ることができる。また、出力部28からの検知情報の出力に応じて、管理サーバ40は図1で説明した報知部32の報知を制御してもよい。
出力を受けた監視端末45では、検知情報に基づき、表示画面にその内容を表示する。例えば、物体を検知対象として検知した情報に基づき、異常に関する表示や警告に関する表示である。これらは、文字や絵で行うことが可能である。また、検知した物体に関する距離画像センサ部11における距離画像や可視カメラ部31の画像等も表示可能である。さらに、検知した時点からの過去に遡った、これらの情報や画像を表示させてもよい。また、距離画像センサ部11の距離画像や可視カメラ部31の可視画像、検知情報は、記録部に記録しておき、後日、監視端末45やその他の端末で情報を取り出せるようにしておくようにしてもよい。
また、検知情報の出力後に監視端末45から状況確認が終了したことの操作信号を受けた場合、通常状態の監視状態に戻る。この際、距離画像センサ部11の距離画像についても通常の上書き保存が開始される。
図3は、本発明の検知システムにおける検知空間と侵入想定空間の例を示す図である。図4は、本発明の検知システムにおいて検知空間へ物体が移動する場合の第1の例を示す図である。図5は、本発明の検知システムにおいて検知空間へ物体が移動する場合の第2の例を示す図である。
図3~5を用いて、図2のS105における侵入想定空間を用いた場合の移動ベクトルの判定について説明する。
図3は、直方体の検知空間100の手前側の面全体に隣接する直方体の侵入想定空間101を設定した例を示している。距離画像センサ部11は奥行方向の認識が可能であるため、監視端末45を用いて侵入想定空間設定部26により侵入想定空間101を設定することが可能である。
図4に示すように、移動物体110(ここでは人を想定)が侵入想定空間101を通って検知空間100へ向かう場合、移動ベクトル111は、手前から奥に向かうベクトルとなる。このように、移動物体110が侵入想定空間101を通過して検知空間100へ入った場合、そのときの移動ベクトル111は図2のS105の条件に合致しないと判定する。このため、図4の移動物体110は、検知対象として検知しない。これは、例えば正規のルートから人が検知空間100へ入った場合を想定できる。
図5に示すように、移動物体110が、検知空間100の上側から検知空間100内へ移動した場合、設定された侵入想定空間101は通過しないで検知空間100に入ったことになる。このような場合、移動ベクトル112は、上から下へ向かうベクトルとなる。このように、移動物体110が侵入想定空間101を通過しないで検知空間100へ入った場合は、そのときの移動ベクトル112が図2のS105の条件に合致すると判定する。これは、例えば正規のルート以外から人が検知空間100へ入った場合を想定できる。
図4、5の例では、例えば、駅ホームの線路上の空間が想定される。人がホームから落ちた場合は図5の状態となり発報が必要となる。一方、保守作業員がホーム下の作業通路から侵入した場合は図4の状態であり、発報を必要としない正常な状態を想定できる。
(効果)
このように、距離画像センサ部11を用いて、検知空間を設定することで、1台のセンサで検知可能なシンプルな検知システムとすることができる。この際、基準となる背景情報は、再取得等を可能として、現場の状況に合わせた基準画像を再設定可能とすることで、精度の高い物体の検知に貢献できる。さらに、移動物体は、移動ベクトルや体積を考慮することで、誤報を減らし、重要な異常状態を適切に判定することが可能となる。これにより、システム全体の構成を複雑にすることなく、運用者の負担を軽減することが可能となる。
この場合の移動ベクトルであれば、例えば上から下に移動する物体のみを検知する等、特定の条件の検知が可能となる。さらに、侵入想定空間を設定可能にすることで、より状況に応じた判定を行うことが可能となる。また、体積であれば、例えば大人に相当する体積の範囲を設定する等、特定の条件の検知が可能となる。
さらに、監視端末45等のネットワークに接続された端末に出力することで、運用者が検知内容を遠隔で確認することができる。また、この際、可視カメラ部31を併用することで、距離画像だけでなく実際の可視映像も確認することができ、より適切な状況判断が可能となる。また、距離画像や可視画像、検知情報を記録しておくことで、運用者が後日確認して、解析などを行うことが可能となる。
以上の様に、本発明の実施形態について説明してきたが、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施形態は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、各実施形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
例えば、距離画像センサ部11を用いて移動ベクトルと物体体積を把握することができるが、実際にそれが何であるのかを判断するためにAI(人工知能)による解析を用いてもよい。このとき、可視カメラ部31を用いた画像処理機能と連動することで更に適切な状況判断を行うことが可能となる。
また、物体検出部21、移動ベクトル算出部22、体積算出部23、検知部24、検知空間設定部25、侵入想定空間設定部26、移動ベクトル設定部27、出力部28は、距離画像センサ10に設けられる構成を説明したが、管理サーバ40側に、これらの一部、または全部の機能を設けても構成することができる。
10…距離画像センサ、11…距離画像センサ部、21…物体検出部、22…移動ベクトル算出部、23…体積算出部、24…検知部、25…検知空間設定部、26…侵入想定空間設定部、27…移動ベクトル設定部、28…出力部、31…可視カメラ部、32…報知部、40…管理サーバ、41…制御装置、45…監視端末、50…ネットワーク、51、52…中継装置、100…検知空間、101…侵入想定空間、110…移動物体、111、112…移動ベクトル

Claims (8)

  1. 検知空間を含む撮影範囲について奥行き情報を含む距離画像を生成する距離画像センサ部と、
    前記距離画像に基づき前記検知空間内の物体の移動ベクトルを算出する移動ベクトル算出部と、
    前記距離画像に基づき前記検知空間内の物体の体積を算出する体積算出部と、
    前記移動ベクトルと前記体積とに基づいて前記検知空間における検知対象を検知する検知部と、
    前記検知部において検知された前記検知対象について検知情報を出力する出力部と、
    を備えたことを特徴とする検知システム。
  2. 検知空間と侵入想定空間を含む撮影範囲について奥行き情報を含む距離画像を生成する距離画像センサ部と、
    前記距離画像に基づき前記検知空間内の物体の移動ベクトルを算出する移動ベクトル算出部と、
    前記移動ベクトルと前記物体が前記侵入想定空間から前記検知空間に侵入したか否かに基づいて前記検知空間における検知対象を検知する検知部と、
    前記検知部において検知された前記検知対象について検知情報を出力する出力部と、
    を備えたことを特徴とする検知システム。
  3. 前記距離画像に基づき前記検知空間内の物体の体積を算出する体積算出部を備え、
    前記検知部は、前記体積に基づいて前記検知空間における検知対象を検知することを特徴とする請求項2記載の検知システム。
  4. 前記撮影範囲において一又は複数の前記侵入想定空間を設定する侵入想定空間設定部を備えたことを特徴とする、請求項2または請求項3に記載の検知システム。
  5. 前記検知部は、前記侵入想定空間から前記検知空間に侵入した物体について、検知対象として検知しないことを特徴とする、請求項2から請求項4のいずれか一項に記載の検知システム。
  6. 前記検知部が前記検知対象として検知する一又は複数の移動ベクトルを設定する移動ベクトル設定部を備えたことを特徴とする、請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の検知システム。
  7. 距離画像センサ部により検知空間を含む撮影範囲について奥行き情報を含む距離画像を生成するステップと、
    移動ベクトル算出部により前記距離画像に基づき前記検知空間内の物体の移動ベクトルを算出するステップと、
    体積算出部により前記距離画像に基づき前記検知空間内の物体の体積を算出するステップと、
    検知部により前記移動ベクトルと前記体積とに基づいて前記検知空間における検知対象を検知するステップと、
    出力部により前記検知部において検知された前記検知対象について検知情報を出力するステップと、
    を有することを特徴とする検知方法。
  8. 距離画像センサ部により検知空間と侵入想定空間を含む撮影範囲について奥行き情報を含む距離画像を生成するステップと、
    移動ベクトル算出部により前記距離画像に基づき前記検知空間内の物体の移動ベクトルを算出するステップと、
    検知部により前記移動ベクトルと前記物体が前記侵入想定空間から前記検知空間に侵入したか否かに基づいて前記検知空間における検知対象を検知するステップと、
    出力部により前記検知部において検知された前記検知対象について検知情報を出力するステップと、
    を有することを特徴とする検知方法。
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