JP2022050932A - 対基板作業機 - Google Patents
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Abstract
【課題】目標停止位置での基板の停止を精度良く行うことが可能な対基板作業機を提供すること。【解決手段】対基板作業機は、基板を搬送路に沿って目標停止位置まで搬送して所定作業を行う。対基板作業機は、基板に付された検出対象物を撮像するカメラと、基板の搬送中に、カメラの焦点を基板が搬送路に沿って搬送される第一高さ位置に合わせる焦点調整部と、カメラの焦点が第一高さ位置に合わされた状態でカメラにより撮像される撮像画像に基づいて、目標停止位置までの基板の搬送を制御する搬送制御部と、を備える。【選択図】図3
Description
本明細書は、対基板作業機に関する。
従来、基板を搬送路に沿って目標停止位置まで搬送する対基板作業機が知られている(例えば、特許文献1参照)。この対基板作業機は、基板が目標停止位置に停止された後、カメラでその基板に付された基準マークなどの検出対象物を読み取って目標停止位置に対する基板停止位置の位置ズレを求める。そして、位置ズレに応じて基板に対する修正移動或いは位置補正などが実行される。その後、基板が載置された台座が上昇されて、基板がクランプ位置に固定される。
しかしながら、上記特許文献1記載の対基板作業機では、カメラによる基板の検出対象物の読み取りが基板の搬送停止後の目標停止位置で実行される。この構成では、基板の搬送がエンコーダなどを用いて実施されることになるが、基板の停止位置が実際には目標停止位置からズレていることがある。この位置ズレ量が大きくなっていると、基板の停止位置でカメラの視野内に検出対象物が入らないことが起こり得、検出対象物の読み取りエラーが発生して、装置自体の停止が余儀なくされる。
本明細書は、目標停止位置での基板の停止を精度良く行うことが可能な対基板作業機を提供することを目的とする。
本明細書は、基板を搬送路に沿って目標停止位置まで搬送して所定作業を行う対基板作業機であって、前記基板に付された検出対象物を撮像するカメラと、前記基板の搬送中に、前記カメラの焦点を前記基板が前記搬送路に沿って搬送される第一高さ位置に合わせる焦点調整部と、前記焦点が前記第一高さ位置に合わされた状態で前記カメラにより撮像される撮像画像に基づいて、前記目標停止位置までの前記基板の搬送を制御する搬送制御部と、を備える、対基板作業機を開示する。
本開示によれば、基板の搬送中においてカメラの焦点をその基板の搬送高さ位置である第一高さ位置に合わせることができるので、基板の搬送中におけるカメラを用いた検出対象物の認識にピンボケに起因した異常が生じるのを抑えることができ、これにより、目標停止位置での基板の停止を精度良く行うことができる。
以下、本開示に係る対基板作業機の実施形態について説明する。
1.対基板作業機の構成
対基板作業機1は、電子基板などの基板2に対して所定作業を行う装置である。対基板作業機1は、例えば、基板2に対して部品を装着する部品装着機、基板2に対してはんだ印刷を行う印刷機などである。以下、対基板作業機1は、図1に示す如く、基板2に対して部品を装着する部品装着機であるものとする。
対基板作業機1は、電子基板などの基板2に対して所定作業を行う装置である。対基板作業機1は、例えば、基板2に対して部品を装着する部品装着機、基板2に対してはんだ印刷を行う印刷機などである。以下、対基板作業機1は、図1に示す如く、基板2に対して部品を装着する部品装着機であるものとする。
基板2は、配線パターンが形成された板状の部材であって、部品が装着される部材である。基板2には、図2に示す如く、基準マーク2aが付されている。基準マーク2aは、基板2に部品を装着するうえで必要な位置座標を定義するための検出対象物である。基準マーク2aは、基板2の表面に貼付され或いは加工された丸形や四角形状などの所定の形状を有する目印のことである。基準マーク2aは、例えば0.5ミリメートル~2ミリメートルの大きさを有している。
基板2には、基準マーク2aが複数(本実施形態では二つ)設けられている。各基準マーク2aはそれぞれ、基板2の表面上において予め定めた位置に配置されている。また、基準マーク2a同士は、基板2の表面上で互いに異なる位置に形成されており、互いに予め定めた所定距離離間して所定位置関係にあるように配置されている。
対基板作業機1は、図1に示す如く、基板搬送装置20と、部品供給装置30と、部品移載装置40と、を備えている。基板搬送装置20、部品供給装置30、及び部品移載装置40はそれぞれ、対基板作業機1の基台である本体部10に取り付けられて装着される。
基板搬送装置20は、基板2を搬送方向Xに搬送する装置である。基板搬送装置20は、図1、図2、図3、及び図4に示す如く、一対のガイドレール21,22と、コンベアベルト(図示せず)と、クランプ装置24と、を有している。ガイドレール21,22、コンベアベルト、及びクランプ装置24は、搬送する基板2の種類やサイズ,形状等に応じて適宜交換可能である。
ガイドレール21,22は、搬送方向Xに搬送される基板2を案内する搬送路を構成するレール部材である。一対のガイドレール21,22は、互いに平行に延びると共に、搬送方向Xに直交する方向(直交方向Y)に間隔を空けて配置されている。コンベアベルトは、基板2を載置するベルト部材である。コンベアベルトは、電動モータなどによって輪転可能に設けられている。基板2は、一対のガイドレール21,22により案内されつつコンベアベルトに載置された状態で、コンベアベルトの輪転によりガイドレール21,22による搬送路に沿って搬送方向Xに向けて搬送される。尚、基板2の搬送速度は、例えば100ミリセンチメートル/秒である。
クランプ装置24は、目標停止位置に搬送された基板2を押し上げて位置決めする装置である。クランプ装置24は、基板2の目標停止位置に対応して配設されている。クランプ装置24は、台座24aと、支持ピン24bと、を有している。台座24aは、シリンダなどにより上下動可能に設けられている。支持ピン24bは、台座24aの上面に立設されている。支持ピン24bは、複数設けられており、基板2に合わせて適宜配置されている。
クランプ装置24は、基板2がコンベアベルトにより目標停止位置まで搬送された場合に、台座24aが上昇して支持ピン24bの先端が基板2を押し上げることでガイドレール21,22の係合凸部21a,22aとの間で基板2をクランプして位置決めする。位置決めされた基板2には、部品移載装置40により部品が移載されて装着される。また、クランプ装置24は、基板2への部品装着後、台座24aが下降することで基板2の位置決めを解除して基板2をコンベアベルト上に載置する。基板2は、コンベアベルト上に載置された後、搬送方向Xに沿って搬出される。
部品供給装置30は、基板2に装着する部品をピックアップ位置Lに供給する装置である。部品供給装置30は、パーツフィーダ31を有している。パーツフィーダ31は、対基板作業機1の本体部10に設けられたスロットに着脱可能かつ交換可能に保持される。パーツフィーダ31は、例えばキャリアテープに収容された部品をそのキャリアテープの回転により一つずつピックアップ位置Lに供給する。
部品移載装置40は、部品供給装置30によりピックアップ位置Lに供給された部品を、基板搬送装置20により目標停止位置に位置決めされている基板2に向けて移載する装置である。部品移載装置40は、Y軸スライド装置41と、X軸スライド装置42と、ヘッド昇降装置43と、装着ヘッド44と、を有している。
Y軸スライド装置41は、装着ヘッド44を対基板作業機1の本体部10に対して直交方向Yに向けて移動させる装置である。Y軸スライド装置41は、電動モータの駆動により装着ヘッド44を直交方向Yへ移動させる。X軸スライド装置42は、装着ヘッド44を対基板作業機1の本体部10に対して搬送方向Xに向けて移動させる装置である。X軸スライド装置42は、電動モータの駆動により装着ヘッド44を搬送方向Xへ移動させる。X軸スライド装置42は、Y軸スライド装置41に搬送方向Xへ移動が可能となるように取り付けられており、Y軸スライド装置41の直交方向Yへの移動に伴ってそのY軸スライド装置41に一体でその直交方向Yへ位置移動される。
ヘッド昇降装置43は、装着ヘッド44を対基板作業機1の本体部10に対して搬送方向X及び直交方向Yの双方に直交する方向(以下、上下方向Zと称す。)に向けて移動させる装置である。ヘッド昇降装置43は、装着ヘッド44が取り付けられるZ軸テーブル43aを有している。Z軸テーブル43aは、X軸スライド装置42に上下方向Zへの移動が可能となるように取り付けられている。ヘッド昇降装置43は、電動モータの駆動により、X軸スライド装置42に対してZ軸テーブル43aひいては装着ヘッド44を上下方向Zへ移動させる。
ヘッド昇降装置43は、装着ヘッド44を上昇端と下降端との間で位置移動させることが可能である。ヘッド昇降装置43は、装着ヘッド44に装着される後述の吸着ノズル44bの上下方向Zのストローク範囲を広げるために設けられている。部品のピックアップ位置Lと基板2の装着位置との間の部品移載は、基板2上の部品などとの干渉を生じさせることなく広範囲な部品高さに対応して実現することが可能である。例えば、部品高さが高い部品の移載は、装着ヘッド44が上昇端に位置した状態で行われ、また、部品高さが低い部品の移載は、装着ヘッド44が下降端に位置した状態で行われる。
装着ヘッド44は、Z軸テーブル43aと一体で、本体部10に対して、X軸スライド装置42により搬送方向Xへ移動し、Y軸スライド装置41により直交方向Yへ移動し、ヘッド昇降装置43により上下方向Zへ移動する。装着ヘッド44は、ヘッド本体44aと、吸着ノズル44bと、ノズル昇降回転機構(図示せず)と、を有している。
ヘッド本体44aは、Z軸テーブル43aに固定されており、Z軸テーブル43aの上下方向Zへの移動に伴って昇降する。吸着ノズル44bは、負圧などの導入によりノズル先端である下端部に部品を吸着して保持するノズルである。吸着ノズル44bは、部品供給装置30のピックアップ位置Lに供給された部品を負圧などを用いて吸着すると共に、その吸着した部品を吸着解除により基板2上の装着位置に載置する。尚、吸着ノズル44bは、吸着する部品のサイズや種類に合わせて複数種類設けられてよい。
尚、ヘッド本体44aは、複数の吸着ノズル44bを同時に保持可能であってもよい。また、装着ヘッド44は、部品を吸着する吸着ノズル44bに代えて或いはその吸着ノズル44bと共に、部品を把持して保持する把持チャックを有するものであってもよい。
ノズル昇降回転機構は、吸着ノズル44bをヘッド本体44aに対して上下方向Zに移動させると共に上下方向Zの軸線回りに回転させる機構である。吸着ノズル44bは、ノズル昇降回転機構の昇降軸先端側(すなわち下端側)に装着されており、その昇降軸の移動に伴ってヘッド本体44aに対して昇降すると共に軸線回りに回転する。尚、吸着ノズル44bは、ヘッド本体44aの移動に伴って本体部10に対して搬送方向X、直交方向Y、及び上下方向Zの何れにも位置移動することが可能である。吸着ノズル44bは、ノズル昇降回転機構の昇降軸に着脱可能かつ交換可能に装着される。
Z軸テーブル43aには、カメラ50が取り付けられている。カメラ50は、装着ヘッド44のヘッド本体44aと一体で移動する。カメラ50は、基板2に付された基準マーク2aなどを上方から撮像するためのカメラである。カメラ50は、Z軸テーブル43aにその光軸が下方に向くように配置されている。カメラ50の撮像画像は、基板2の位置情報の取得に用いられる。この取得した位置情報は、基板搬送装置20による基板2の搬送制御、及び、部品移載装置40による吸着ノズル44bの部品装着時における位置制御や姿勢制御に用いられる。以下、カメラ50をマークカメラ50と称す。
対基板作業機1の本体部10には、カメラ60が取り付けられている。カメラ60は、吸着ノズル44bに吸着されている部品を下方から撮像するためのカメラである。カメラ60は、本体部10にその光軸が上方に向くように配置されている。カメラ60の撮像画像は、吸着ノズル44bに対する吸着部品の位置情報の取得に用いられる。この取得した位置情報は、吸着ノズル44bの部品吸着時や部品装着時における位置制御や姿勢制御に用いられる。以下、カメラ60を部品カメラ60と称す。
部品移載装置40において、各モータの駆動により装着ヘッド44のヘッド本体44aが搬送方向X、直交方向Y、及び上下方向Zに移動されると共に、ノズル昇降回転機構の昇降軸の昇降及び回転により装着ヘッド44の吸着ノズル44bが上下方向Zに昇降されかつその昇降軸の軸回りに回転する。
対基板作業機1は、また、図5に示す如き制御装置70を備えている。制御装置70は、基板搬送装置20、部品供給装置30、及び部品移載装置40を制御する装置である。制御装置70は、CPUや入出力部,記憶部などにより構成されている。制御装置70は、各種のセンサ入力やカメラ50,60の撮像画像に基づいて、基板搬送装置20による基板搬送、部品供給装置30による部品供給、部品移載装置40による部品移載などの制御を行う。
制御装置70は、焦点調整部70aと、搬送制御部70bと、作業実行部70cと、識別部70dと、を有している。焦点調整部70aは、マークカメラ50の焦点を基板2の高さ位置に合わせる部位である。搬送制御部70bは、基板2の搬送路に沿った搬送を制御する部位である。作業実行部70cは、クランプ位置に到達した基板2に対して行う作業として部品装着を行う部位である。識別部70dは、マークカメラ50による撮像画像内で認識される基準マーク2aの正誤を識別する部位である。
2.対基板作業機の動作
対基板作業機1において、制御装置70の搬送制御部70bは、基板2が本体部10に搬入されて基板搬送装置20のコンベアベルトに載置されると、そのコンベアベルトの輪転により基板2をガイドレール21,22による搬送路に沿って搬送方向Xに向けて目標停止位置まで搬送させる。基板2は、本体部10に搬入されると、コンベアベルトに載置された状態で搬送されて、基板2内の所定部位が搬送路上の所定位置に位置するように目標停止位置に位置決め停止される。
対基板作業機1において、制御装置70の搬送制御部70bは、基板2が本体部10に搬入されて基板搬送装置20のコンベアベルトに載置されると、そのコンベアベルトの輪転により基板2をガイドレール21,22による搬送路に沿って搬送方向Xに向けて目標停止位置まで搬送させる。基板2は、本体部10に搬入されると、コンベアベルトに載置された状態で搬送されて、基板2内の所定部位が搬送路上の所定位置に位置するように目標停止位置に位置決め停止される。
尚、上記した基板2内の「所定部位」は、部品が装着される主装着箇所の中央部や基板2の搬送方向中央部などである。また、搬送路上の「所定位置」は、装着ヘッド44が各種の部品を搬送路上の基板2に装着するのに適した位置である。例えば、この「所定位置」は、搬送路上で基板2の前端縁を検出するセンサに整列する位置、搬送路上で部品カメラ60に整列する位置、搬送路上で基板搬送装置20の搬送方向中央部に整列する位置、搬送路上で部品供給装置30の主要使用部に整列する位置などである。また、「目標停止位置」は、搬送される基板2の種類に応じて任意の搬送方向位置であってよい。
制御装置70は、上記の如く基板2が目標停止位置まで搬送される前、マークカメラ50が取り付けられた装着ヘッド44を移動させることによりマークカメラ50を基板2の目標停止位置に合わせて移動させる(ステップS100)。この装着ヘッド44の移動は、例えば、マークカメラ50により撮像される撮像画像の中央(すなわち、カメラ視野Vの中央Vc)が、図7に示す如く、基板2が目標停止位置に停止されるものとした状態での基準マーク2aの位置に重なるように行われる。
また、制御装置70の焦点調整部70aは、マークカメラ50が上記の如く移動される場合、マークカメラ50が搬送中の基板2の基準マーク2aを明瞭に撮像できるようにマークカメラ50の高さ位置を調整する(ステップS110)。この際、マークカメラ50の高さ位置は、図3に示す如く、そのマークカメラ50の焦点が、基板2が搬送路に沿って搬送される際の基板2の搬送高さ位置(以下、第一高さ位置H1と称す。)に合うような高さ位置Pdに調整される。このマークカメラ50の高さ位置の調整は、ヘッド昇降装置43による装着ヘッド44の上下方向Zへの移動により実現される。
マークカメラ50の高さ位置が高さ位置Pdに調整された状態で基板2の搬送路に沿った搬送が開始されると(ステップS120)、マークカメラ50のカメラ焦点がその第一高さ位置H1にある基板2に合った状態でそのマークカメラ50を用いた撮像が開始され、その撮像画像内での基準マーク2aの認識処理が開始される(ステップS130)。これらの撮像と認識処理とは、基板2が目標停止位置に到達するまで繰り返し実行され、所定周期(例えば25ミリ秒)で行われる。例えば、マークカメラ50による撮像は、所定の露光時間(例えば5ミリ秒)でかつ所定の取込時間(例えば10ミリ秒)で行われる。また、基準マーク2aの認識処理は、所定の認識時間(例えば10ミリ秒)で行われる。
基板2が目標停止位置に達する直前、図6に示す如く、マークカメラ50のカメラ視野Vに基板2の基準マーク2aが進入する。カメラ視野Vに基準マーク2aが進入すると、制御装置70は、そのマークカメラ50による撮像画像内に映し出されている基準マーク2aを認識して、その撮像画像上での基準マーク2aの位置を検出する。
制御装置70は、撮像画像上における基準マーク2aの位置を検出すると、その基準マーク2aの位置とその撮像画像の中央(すなわち、カメラ視野Vの中央Vc)との位置ズレ量(距離)を算出する(ステップS140)。この位置ズレ量の算出は、基準マーク2aの位置が検出されるごとに行われる。制御装置70の搬送制御部70bは、上記の如く算出した位置ズレ量に基づいて、マークカメラ50の撮像画像上での基準マーク2aの位置がカメラ視野Vの中央Vcに一致するように基板搬送装置20による基板2の搬送を制御する。すなわち、マークカメラ50の撮像画像上での基準マーク2aの位置がカメラ視野Vの中央Vcに一致するタイミングで基板2が停止されるように基板搬送装置20による基板2の搬送を制御する。尚、上記の「一致」とは、完全一致に限らず、一定範囲内にある場合を含む概念であってよい。
マークカメラ50のカメラ視野Vの中央Vcは、基板2の搬送中において、基板2が目標停止位置に停止されるものとした状態での基準マーク2aの位置に重なるように設定されている。このため、マークカメラ50の撮像画像上で基準マーク2aの位置がカメラ視野Vの中央Vcに一致すれば、基板2が目標停止位置に到達した状態になる。制御装置70は、基板2が目標停止位置に到達した状態になると(ステップS150における肯定判定時)、その基板の搬送を停止する(ステップS160)。そしてその後、クランプ装置24により基板2を押し上げてクランプ位置に位置決めする(ステップS170)。
また、制御装置70の焦点調整部70aは、基板2が上記の如く位置決めされる際、マークカメラ50がその基板2の基準マーク2aを明瞭に撮像できるようにマークカメラ50の高さ位置を調整する(ステップS180)。この際、マークカメラ50の高さ位置は、図4に示す如く、そのマークカメラ50の焦点が、基板2がクランプ位置に位置決めされて部品装着される際の基板2のクランプ高さ位置(以下、第二高さ位置H2と称す。)に合うような高さ位置Puに調整される。このマークカメラ50の高さ位置の調整は、ヘッド昇降装置43による装着ヘッド44の上下方向Zへの移動により実現される。
マークカメラ50の高さ位置が高さ位置Puに調整されると、マークカメラ50のカメラ焦点が第二高さ位置H2にある基板2に合った状態でその撮像が行われ、その撮像画像内での基準マーク2aの認識処理が実行される。制御装置70は、マークカメラ50による撮像画像内に映し出されている基準マーク2aを認識して、その基準マーク2aを起点として基板2のクランプ位置での位置や姿勢を検出する。そして、その基板2の位置や姿勢を用いて部品移載装置40による部品移載制御(具体的には、基板2への吸着ノズル44bの部品装着時における位置制御や姿勢制御)を行う(ステップS190)。
このように、本実施形態の対基板作業機1においては、基板2が搬送路に沿って搬送方向Xに向けて目標停止位置まで搬送される際、基板2が目標停止位置に到達する前から、装着ヘッド44に取り付けられたマークカメラ50を用いてその基板2の基準マーク2aが認識されることで、目標停止位置までの基板2の搬送が制御される。具体的には、マークカメラ50の撮像画像上で認識された基準マーク2aの位置とその撮像画像の中央との位置ズレ量が算出され、その位置ズレ量に基づいてマークカメラ50の撮像画像上での基準マーク2aの位置がカメラ視野Vの中央Vcに一致するタイミングで基板2が停止されるように基板搬送装置20による基板2の搬送が制御される。
基板2の搬送中において、マークカメラ50の高さ位置は、その焦点がその基板2の搬送高さ位置である第一高さ位置H1に合うような高さ位置Pdに調整される。この構成によれば、基板2の搬送中においてマークカメラ50の焦点を第一高さ位置H1の基板2に合わせることができる。従って、基板2の搬送中におけるマークカメラ50を用いた基準マーク2aの認識にピンボケに起因した異常が生じるのを抑えることができ、これにより、基板2の搬送制御を適切に行って、目標停止位置での基板2の停止を精度良く行うことができる。
尚、基板2を目標停止位置に停止させるうえでは、基板2のエッジをセンサで捉えることが考えられるが、この構成では、基板2のエッジに設けられる切込みや切欠け等の存在に起因して基板2の停止位置が目標停止位置からズレる場合があり、正しい基板停止を実現できない場合がある。
これに対して、本実施形態の構成によれば、基板2に付される基準マーク2aをマークカメラ50で認識して、目標停止位置までの基板2の搬送制御を実行するので、基板2のエッジに設けられる切込み等の存在の影響を受けることなく、基板2を目標停止位置に正しく停止させることができる。
また、上記の構成によれば、基板2の搬送中にリアルタイムに基準マーク2aを認識してその基準マーク2aの位置に基づいて目標停止位置までの基板2の搬送制御を行うので、目標停止位置での基板2の停止を搬送スピードのロスを最小限に抑えつつ精度良く行うことができる。
特に、基板2が、基板裏面に部品が既に装着された状態で搬送路に沿って搬送方向Xに搬送される場合は、その基板2の目標停止位置での停止を、基板裏面の部品にクランプ装置24の支持ピン24bが干渉しないように高精度に行うことが求められる。そこで、目標停止位置までの基板2の搬送制御を、上記の如く基板搬送中における基準マーク2aの認識結果に基づいて行うと共に、更に、基板2に装着された部品の状態を検査するためのカメラやAOI装置を用いて基板2への部品の装着位置を検出し或いは支持ピン24bの位置を検出したうえで、その検出結果に基づいて支持ピン24bと部品とが干渉しないように正確に基板2を停止させることとしてもよい。
尚、基板2が搬送停止後にクランプ位置に位置決めされる前のアンクランプ状態で、再びマークカメラ50により撮像される撮像画像を用いて基準マーク2aの位置を認識することにより、基板2の停止位置を補正することとしてもよい。この構成によれば、目標停止位置での基板2の停止を更に精度良く行うことができる。
また、本実施形態の対基板作業機1においては、基板2が目標停止位置に到達した後、その基板2が押し上げられてクランプ位置に位置決めされると共に、マークカメラ50の高さ位置が、上記の第一高さ位置H1から変更されて、その焦点がその基板2のクランプ高さ位置である第二高さ位置H2に合うような高さ位置Puに調整される。そして、その状態でそのマークカメラ50により撮像される撮像画像を用いてその基板2の基準マーク2aが認識され、その基準マーク2aに基づく基板2のクランプ位置での位置や姿勢に基づいて部品移載制御が行われる。
この構成によれば、基板2のクランプ位置でマークカメラ50の焦点を第二高さ位置H2の基板2に合わせることができる。従って、基板2のクランプ位置でのマークカメラ50を用いた基準マーク2aの認識にピンボケに起因した異常が生じるのを抑えることができ、これにより、部品移載制御を適切に行って、基板2への部品の移載を精度良く行うことができる。
上記した基板2の搬送中における基準マーク2aの認識と基板2のクランプ位置での基準マーク2aの認識とは、カメラ焦点が基板2に合うようにマークカメラ50の高さ位置が高さ位置Pdと高さ位置Puとに変更されることにより共通のマークカメラ50を用いて行われる。このため、基板2の搬送中とクランプ時とで別々のカメラを用いて基準マーク2aの認識を行うことは不要であり、双方のタイミングでの基準マーク2aの認識をカメラ数を増やすことなく簡素な構成で実現することができ、マークカメラ50の使用の効率化を図ることができる。
尚、上記の実施形態においては、基準マーク2aが特許請求の範囲に記載された「検出対象物」に、マークカメラ50が特許請求の範囲に記載された「カメラ」に、それぞれ相当している。
3.変形形態
ところで、上記の実施形態においては、基板2の搬送中にマークカメラ50の焦点が第一高さ位置H1の基板2に合わされた状態でマークカメラ50による撮像画像内で基準マーク2aが認識された後、その基板2が目標停止位置まで搬送される。この基準マーク2aの認識後における基板2の目標停止位置までの搬送は、その基準マーク2aの認識前における搬送に比べて搬送速度が減速されるものではない。しかし、本開示は、これに限定されるものではなく、基板2の搬送中に基準マーク2aが認識された後、その認識前に比べて基板2の搬送速度を減速させることとしてもよい。
ところで、上記の実施形態においては、基板2の搬送中にマークカメラ50の焦点が第一高さ位置H1の基板2に合わされた状態でマークカメラ50による撮像画像内で基準マーク2aが認識された後、その基板2が目標停止位置まで搬送される。この基準マーク2aの認識後における基板2の目標停止位置までの搬送は、その基準マーク2aの認識前における搬送に比べて搬送速度が減速されるものではない。しかし、本開示は、これに限定されるものではなく、基板2の搬送中に基準マーク2aが認識された後、その認識前に比べて基板2の搬送速度を減速させることとしてもよい。
この変形形態の構成によれば、基板2の搬送中における基準マーク2aの認識前後で基板2の搬送速度が変わらない構成に比べて、マークカメラ50による撮像画像上での基準マーク2aの位置検出を行ううえでの精度を向上させることができると共に、基板2を目標停止位置に停止させ易くすることができる。
また、上記の実施形態においては、基板2の搬送中にマークカメラ50を用いてその基板2に付された基準マーク2aを検出することとしている。一方、基板2には、マークカメラ50の撮像画像上で検出対象である基準マーク2a以外に、その基準マーク2aの形状に類似した形状を有するスルーホールなどが設けられることがある。この場合、そのスルーホールなどが基準マーク2aとして検出されると、その誤検出に起因して、基準マーク2aに基づく基板2の搬送制御が適切に行われなくなってしまう。
そこで、制御装置70の識別部70dが、マークカメラ50による撮像画像内で認識される基準マーク2aが正しいか否かの正誤を識別することとしてもよい。基板2に付される基準マーク2aは、予め所定の形状や大きさに形成されると共に一般的に銅箔やメッキで形成される目印である。一方、基板2のスルーホールは、丸孔である。この点、基準マーク2aとスルーホールとでは、形状が異なることがあり、更に、色或いは明るさが互いに異なる。基準マーク2aは比較的明るく、スルーホールは比較的暗い。そこで、識別部70dは、具体的には、カラー画像を取り込み可能なマークカメラ50の撮像画像に対して形状判定と共に色判定を行うことにより、或いは、形状判定と共に明るさ判定を行うことにより、基準マーク2aの正誤を識別することとしてもよい。
また、基準マーク2aは、基板2に複数設けられている。これらの基準マーク2a同士は、互いに予め定めた所定距離離間して所定位置関係にあるように配置されている。そこで、識別部70dは、具体的には、マークカメラ50の撮像画像上に基準マーク2aとして認識可能な検出物があった場合、その検出物が基準マーク2aであるものとしたときの他の基準マーク2aとの距離や位置関係が正しいか否かを判定することにより、上記の検出物が基準マーク2aであるか否かの正誤を識別することとしてもよい。
この変形形態の構成によれば、マークカメラ50により撮像される撮像画像内に含まれる基準マーク2aの形状に類似したスルーホールなどを基準マーク2aとして誤検出するのを防止することができ、基準マーク2aに基づく基板2の搬送制御を適切に行うことができ、基板2を目標停止位置で正しく停止させることができる。
尚、制御装置70は、基準マーク2aとして認識可能な検出物が基準マーク2aでないと識別されたときは、基板2の搬送を継続させて、基板2の搬送中におけるマークカメラ50を用いた撮像とその撮像画像内での基準マーク2aの認識処理とを繰り返し実行する。
また、上記の実施形態においては、基板2に付される検出対象物が、丸形や四角形状などの基準マーク2aである。しかし、本開示は、これに限定されるものではなく、基板2のエッジ、基板2に形成された配線パターン、基板2の表面に付された1次元や2次元のコードなどであってもよい。
また、上記の実施形態においては、マークカメラ50の焦点を基板2に合わせるために、焦点調整部70aがマークカメラ50の高さ位置を調整することとし、具体的には、ヘッド昇降装置43によりマークカメラ50が取り付けられた装着ヘッド44を上下方向Zに移動(昇降)させることとしている。しかし、本開示は、これに限定されるものではなく、マークカメラ50の焦点合わせのために、焦点調整部70aがマークカメラ50の有するレンズをカメラ本体に対して移動させ又はマークカメラ50の被写界深度を変更することとしてもよい。
この変形形態の構成においても、マークカメラ50のレンズ移動又は被写界深度の変更によりマークカメラ50の焦点を搬送中の基板2やクランプ位置での基板2に合わせることができるので、上記の実施形態の効果と同様の効果を得ることが可能である。
尚、本開示は、上述した実施形態や変形例に限定されるものではなく、本開示の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更を施すことが可能である。
1:対基板作業機、2:基板、2a:基準マーク、10:本体部、20:基板搬送装置、24:クランプ装置、30:部品供給装置、40:部品移載装置、43:ヘッド昇降装置、44:装着ヘッド、50:マークカメラ、60:部品カメラ、70:制御装置、70a:焦点調整部、70b:搬送制御部、70c:作業実行部、70d:識別部。
Claims (8)
- 基板を搬送路に沿って目標停止位置まで搬送して所定作業を行う対基板作業機であって、
前記基板に付された検出対象物を撮像するカメラと、
前記基板の搬送中に、前記カメラの焦点を前記基板が前記搬送路に沿って搬送される第一高さ位置に合わせる焦点調整部と、
前記焦点が前記第一高さ位置に合わされた状態で前記カメラにより撮像される撮像画像に基づいて、前記目標停止位置までの前記基板の搬送を制御する搬送制御部と、
を備える、対基板作業機。 - 前記焦点調整部は、前記焦点を、前記基板の搬送中は前記第一高さ位置に合わせると共に、前記基板の前記目標停止位置の到達後は前記第一高さ位置とは異なる第二高さ位置に合わせ、
前記第二高さ位置は、前記基板の前記目標停止位置の到達後にクランプ位置に上昇又は下降された前記基板に対して前記所定作業が行われる高さ位置であり、
前記対基板作業機は、前記焦点が前記第二高さ位置に合わされた状態で前記カメラにより撮像される撮像画像に基づいて、前記基板に対して前記所定作業を実行する作業実行部を備える、請求項1に記載された対基板作業機。 - 前記カメラによる撮像と撮像画像内での前記検出対象物の認識処理とは、前記基板が前記目標停止位置に到達するまで繰り返し実行され、
前記搬送制御部は、前記認識処理により得られる撮像画像上での前記検出対象物の位置が前記基板の前記目標停止位置に対応する対応位置に一致するように前記基板を前記目標停止位置まで搬送させる、請求項1又は2に記載された対基板作業機。 - 前記搬送制御部は、前記撮像画像上での前記検出対象物の実位置から前記対応位置までの距離に基づいて、前記基板を前記目標停止位置まで搬送させる、請求項3に記載された対基板作業機。
- 前記搬送制御部は、前記焦点が前記第一高さ位置に合わされた状態での前記カメラによる撮像画像内での前記検出対象物の認識後、該認識前に比べて前記基板を搬送する搬送速度を減速させる、請求項1乃至4の何れか一項に記載された対基板作業機。
- 前記対基板作業機は、前記焦点が前記第一高さ位置に合わされた状態での前記カメラによる撮像画像内で認識される前記検出対象物の正誤を識別する識別部を備える、請求項1乃至5の何れか一項に記載された対基板作業機。
- 前記識別部は、前記カメラによる撮像画像内で前記検出対象物として認識されるものの明るさ又は形状に基づいて前記正誤を識別する、請求項6に記載された対基板作業機。
- 前記焦点調整部は、前記カメラが取り付けられたヘッドの昇降、前記カメラが有するレンズの移動、又は前記カメラの被写界深度の変更により、前記カメラの焦点合わせを行う、請求項1乃至7の何れか一項に記載された対基板作業機。
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