JP2022050876A - ポリアセタール樹脂組成物、及びこのポリアセタール樹脂組成物の成形品を備える硫黄燃料接触体 - Google Patents

ポリアセタール樹脂組成物、及びこのポリアセタール樹脂組成物の成形品を備える硫黄燃料接触体 Download PDF

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Abstract

【課題】成形品にした際、硫黄燃料に接触したときの劣化を最小限に抑えることができかつ導電性に優れたポリアセタール樹脂組成物を提供する。【解決手段】本発明の目的は、下記ポリアセタール樹脂組成物によって達成された。(A)ポリアセタール樹脂100質量部、(B)酸化防止剤0.1~1.5質量部、(C)マグネシウムまたは亜鉛、の酸化物0.3~2.0質量部、(D)ポリアルキレングリコール0.5~3.0質量部、(E)エステル化率80%以上の多価アルコールの脂肪酸エステル0.01~1.0質量部、(F)カーボンブラック3.0~15質量部、とを配合してなるポリアセタール樹脂組成物。【選択図】図1

Description

本発明はポリアセタール樹脂組成物、及びこのポリアセタール樹脂組成物の成形品を備える硫黄燃料接触体に関する。
ポリアセタール樹脂は耐薬品性に優れることから、ポリアセタール樹脂を原料とする成形品は自動車部品として広く使用されている。例えば、燃料油と直接接触する燃料ポンプモジュール等に代表される燃料搬送ユニット等の大型部品として用いられる。
近年、各国の環境規制に対応するため、燃料の低硫黄化が進められている。しかしながら、脱硫設備には多大な費用がかかることから、一部の国では未だ高硫黄燃料が流通している。これらの高硫黄燃料は、低硫黄燃料に比べてポリアセタール樹脂を劣化させやすい傾向がある。
ところで、ポリアセタール樹脂から製造される燃料搬送ユニット等の射出成形品は樹脂であることから帯電しやすく、静電気に由来する火花により燃料が引火する危険性を有している。したがって、樹脂材料は導電性を付与することで静電気を抑制する必要がある。
高い酸耐性を有するポリアセタール樹脂組成物として、(A)ポリアセタール樹脂100質量部と、(B)ヒンダードフェノール系酸化防止剤0.1~1.0質量部と、(C)アルカリ土類金属酸化物0.1~2.0質量部と、(D)ポリアルキレングリコール0.5~3.0質量部(E)エステル化率が80%以上である多価脂肪酸エステル0.01~1.0質量部と、を配合するポリアセタール樹脂組成物が提案されている(特許文献1参照)。
特許第5814419号公報
しかしながら、前記樹脂組成物は、高い酸耐性を有するポリアセタール樹脂組成物ではあるが、導電特性の点で十分ではなかった。
本発明は、成形品にした際、硫黄燃料に接触したときの劣化を最小限に抑えることの可能で、さらに優れた導電特性を有するポリアセタール樹脂組成物を提供することを目的とする。
本発明の目的は、以下によって達成された。
1. (A)ポリアセタール樹脂100質量部、
(B)酸化防止剤0.1~1.5質量部、
(C)マグネシウムまたは亜鉛、の酸化物0.3~2.0質量部、
(D)ポリアルキレングリコール0.5~3.0質量部、
(E)エステル化率80%以上の多価アルコールの脂肪酸エステル0.01~1.0質量部、
(F)カーボンブラック3.0~15質量部、
とを配合してなるポリアセタール樹脂組成物。
2. 前記(A)ポリアセタール樹脂は、ホルムアルデヒドの環状オリゴマーを主モノマーとし、少なくとも1つの炭素-炭素結合を有する環状エーテル及び/又は環状ホルマールから選択される化合物をコモノマーとする共重合体である、前記1に記載のポリアセタール樹脂組成物。
3. 前記(C)マグネシウムまたは亜鉛、の酸化物が、BET比表面積100m2/g以上の酸化マグネシウムである、前記1または2に記載のポリアセタール樹脂組成物。
4. 前記(F)カーボンブラックのBET比表面積が350m2/g以上である前記1~3いずれかに記載のポリアセタール樹脂組成物。
5. 前記(E)多価アルコールの脂肪酸エステルは、炭素数が3以上の多価アルコールと脂肪酸とのエステル化合物である、前記1から4のいずれかに記載のポリアセタール樹脂組成物。
6. 前記1から5のいずれかに記載のポリアセタール樹脂組成物の成形品を備える燃料接触体。
本発明によると、成形品にした際、硫黄燃料に接触したときの劣化を最小限に抑えることの可能で、さらに優れた導電特性を有するポリアセタール樹脂組成物を提供することを提供できる。
体積抵抗率を測定するための試験片を示す概略図である。
以下、本発明の具体的な実施形態について、詳細に説明するが、本発明は、以下の実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の目的の範囲内において、適宜変更を加えて実施することができる。
<ポリアセタール樹脂組成物>
本発明のポリアセタール樹脂組成物は、(A)ポリアセタール樹脂100質量部、(B)酸化防止剤0.1~1.5質量部、(C)マグネシウムまたは亜鉛、の酸化物0.3~2.0質量部、(D)ポリアルキレングリコール0.5~3.0質量部、(E)エステル化率80%以上の多価アルコールの脂肪酸エステル0.01~1.0質量部、(F)カーボンブラック3.0~15質量部を配合してなることを特徴とする。
以下、(A)ポリアセタール樹脂を(A)成分ともいい、(B)酸化防止剤を(B)成分ともいい、(C)マグネシウムまたは亜鉛、の酸化物を(C)成分ともいい、(D)ポリアルキレングリコールを(D)成分ともいい、(E)脂肪酸エステルを(E)成分ともいい、(F)カーボンブラックを(F)成分ともいう。
≪(A)ポリアセタール樹脂≫
本発明で用いられる(A)ポリアセタール樹脂とは、オキシメチレン基(-CH2O-)を主たる構成単位とする高分子化合物をいい、実質的にオキシメチレン基の繰り返し単位のみからなるポリアセタールポリマー、オキシメチレン基以外に他の構成単位を少量含有するポリアセタールコポリマー等が挙げられる。これらは何れも使用可能であるが、本発明の目的である耐酸性の観点から、ポリアセタールコポリマーを基体樹脂とするのが好ましい。
(A)成分がポリアセタールコポリマーである場合、ポリアセタールコポリマーとしては、コモノマー成分を0.5~30質量%共重合させてなるポリアセタールコポリマーが好ましく、特に好ましくはコモノマー成分を0.5~10質量%共重合させてなるものである。コモノマー成分を共重合させてなるポリアセタールコポリマーは、耐酸性に優れると共に、優れた熱安定性、機械的強度等を保持できる。また、ポリアセタールコポリマーは、分子が線状構造を有するものだけでなく、分岐構造、架橋構造を有するものであっても良い。
このようなポリアセタールコポリマーを製造するにあたり、主モノマーとしては、トリオキサンに代表されるホルムアルデヒドの環状オリゴマーが用いられる。また、コモノマー成分としては、少なくとも1つの炭素-炭素結合を有する環状エーテル及び/又は環状ホルマールから選ばれた化合物が用いられる。
このようなコモノマーとしては、例えばエチレンオキシド、1,3-ジオキソラン、ジエチレングリコールホルマール、1,4-ブタンジオールホルマール、1,3-ジオキサン、プロピレンオキシド等が挙げられる。
上記のような(A)ポリアセタール樹脂、特にポリアセタール共重合体において、その重合度等については特に制約はなく、その使用目的や成形手段に応じた重合度等の調整が可能であるが、耐酸性と成形性の両立の観点から、ISO1133に準じて190℃、荷重2160gにおいて測定されるメルトフローレート(MFR)が1~100g/10分であることが好ましく、特に好ましくは5~30g/10分である。
≪(B)酸化防止剤≫
本発明において使用される(B)酸化防止剤としては、2,2’-メチレンビス(4-メチル-6-t-ブチルフェノール)、ヘキサメチレン-ビス[3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、テトラキス[メチレン-3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、トリエチレングリコール-ビス[3-(3-t-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)プロピオネート]、1,3,5-トリメチル-2,4,6-トリス(3’,5’-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシ-ベンジル)ベンゼン、n-オクタデシル-3-(4’-ヒドロキシ-3’,5’-ジ-t-ブチルフェニル)プロピオネート、4,4’-メチレンビス(2,6-ジ-t-ブチルフェノール)、4,4’-ブチリデンビス(6-t-ブチル-3-メチル-フェノール)、ジステアリル(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)ホスホネート、2-t-ブチル-6-(3-t-ブチル-5-メチル-2-ヒドロキシベンジル)-4-メチルフェニルアクリレート、3,9-ビス{2-〔3-(3-t-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)プロピオニルオキシ〕-1,1-ジメチルエチル}-2,4,8,10-テトラオキサスピロ〔5,5〕ウンデカン等のヒンダードフェノール系酸化防止剤、N-フェニル-1-ナフチルアミン、ビス(4-オクチルフェニル)アミン、4,4'-ビス(α,α-ジメチルベンジル)ジフェニルアミン、p-(p-トルエンスルホニルアミド)ジフェニルアミン、N,N'-ジ-2-ナフチル-p-フェニレンジアミン、N-フェニル-N'-イソプロピル-p-フェニレンジアミン、N-フェニル-N'-(1,3-ジメチルブチル)-p-フェニレンジアミン、N-フェニル-N'-(3-メタクリロイルオキシ-2-ヒドロキシプロピル)-p-フェニレンジアミン等の芳香族アミン系酸化防止剤が例示される。本発明においては、ヒンダードフェノール系酸化防止剤又は芳香族アミン系酸化防止剤であることが好ましい。
これらの酸化防止剤から選ばれた少なくとも一種又は二種以上を使用することができる。
本発明における(B)酸化防止剤の配合量は、(A)ポリアセタール樹脂100質量部に対し、0.1~1.5質量部であり、0.2~1.0質量部であることがより好ましい。(B)酸化防止剤の配合量が少ないと、本来の目的である酸化防止特性が不十分になるだけでなく、本発明の目的である耐燃料性も劣るものとなる。(B)酸化防止剤の配合量が過剰の場合は、樹脂組成物の機械特性や成形性等の好ましくない影響が生じる。
≪(C)マグネシウムまたは亜鉛の、酸化物≫
本発明において使用される(C)マグネシウムまたは亜鉛の、酸化物としては、酸化マグネシウム、酸化亜鉛が挙げられる。これらの中では酸化マグネシウムが最も耐燃料性の改善と機械物性や成形性等の性能のバランスが優れており好ましい。
酸化マグネシウムとしては、BET比表面積が20~200m/gであり、100m/g以上であることが好ましい。ここでBET比表面積は、窒素ガス吸着法(JIS Z 8830:2013)によるものである。酸化マグネシウムは、表面処理されていてもよい。
本発明における(C)マグネシウムまたは亜鉛の、酸化物の配合量は、(A)ポリアセタール樹脂100質量部に対し、0.3~2.0質量部であり、1.0~2.0質量部であることがより好ましい。(C)マグネシウムまたは亜鉛の、酸化物の配合量が少ないと、本発明の目的である耐燃料性が劣るものとなる。(C)マグネシウムまたは亜鉛の、酸化物の配合量が過剰の場合は、ポリアセタール樹脂中の不安定末端の分解を促進し、機械特性や成形性等への好ましくない影響が生じる。
≪(D)ポリアルキレングリコール≫
本発明において使用される(D)ポリアルキレングリコールの種類は特に限定されないが、ポリアセタール樹脂との親和性の観点から、ポリエチレングリコール及び/又はポリプロピレングリコールを含有するものが好ましく、ポリエチレングリコールを含有するものがより好ましい。
ポリアルキレングリコールの数平均分子量(Mn)は特に限定されないが、ポリアセタール樹脂中での分散性の観点から、1,000以上50,000以下であることが好ましく、5,000以上30,000以下であることがより好ましい。なお、本明細書において、数平均分子量は、テトラヒドロフラン(THF)を溶媒とするゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)によって求めたポリスチレン換算の分子量であるものとする。
本発明における(D)ポリアルキレングリコールの配合量は、(A)ポリアセタール樹脂100質量部に対し、0.5~3.0質量部であり、1.0~2.0質量部であることがより好ましい。(D)ポリアルキレングリコールの配合量が少ないと、十分な応力緩和が行われない可能性がある。(D)ポリアルキレングリコールの配合量が過剰の場合、成形品の機械物性が低下する可能性がある。
≪(E)エステル化率80%以上の多価アルコールの脂肪酸エステル≫
本発明において使用される(E)エステル化率80%以上の多価アルコールの脂肪酸エステルは、炭素数が3以上の多価アルコールと脂肪酸とのエステル化合物の多価脂肪酸エステルであることが好ましい。本明細書において、エステル化率は、必ずしも100%である必要はなく、80%以上であれば足り、85%以上であることが好ましく、90%以上であることがより好ましい。
多価アルコールは脂肪族であっても芳香族であってもよいが、ポリアセタール樹脂との親和性の点で脂肪族であることが好ましい。
多価アルコールの価数は特に限定されるものではないが、3以上4以下であることが好ましい。また、多価アルコールの炭素数は特に限定されるものではないが、ポリアセタール樹脂との親和性の点で、3以上10以下であることが好ましく、3以上5以下であることがより好ましい。
(E)成分のエステルを形成するための好ましい多価アルコールとして、例えば、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、メソエリスリトール、ペンチトース、ヘキシトール、ソルビトール等が挙げられるが、硫黄燃料に浸漬した後におけるポリアセタール樹脂組成物の重量減少を低く抑えられる点で、多価アルコールは、ペンタエリスリトールであることが好ましい。
脂肪酸の種類は特に限定されるものでないが、ポリアセタール樹脂との親和性の点で、炭素数10以上30以下の脂肪酸であることが好ましく、炭素数10以上20以下の脂肪族カルボン酸であることがより好ましい。
(E)成分のエステルを形成するための好ましい脂肪酸として、例えば、ステアリン酸、パルミチン酸、ラウリン酸等が挙げられ、好ましくはステアリン酸が挙げられる。
(E)成分のエステルとして、グリセリントリステアリレート、ペンタエリスリトールテトラステアリレートが好適に用いられ、ペンタエリスリトールテトラステアリレートがより好適に用いられる。なお、(E)成分は、それを構成する多価アルコールや脂肪酸が異なるエステル化物や、エステル化率の異なるエステル化物の2種以上を併用してもよい。
本発明における(E)エステル化率80%以上の多価アルコールの脂肪酸エステルの配合量は、(A)ポリアセタール樹脂100質量部に対し、0.01~1.0質量部であり、0.05~1.0質量部であることがより好ましい。
≪(F)カーボンブラック≫
本発明の(F)カーボンブラックは、樹脂着色に用いられる一般的に入手可能なものであれば、特に限定されるものではないが、BET比表面積が100~1500m/gであることが好ましく、さらには150~1300m/gが好ましい。ここでBET比表面積は、窒素ガス吸着法(JISK6217-2:2017)によるものである。
市販品として、ライオン社製のケッチェンブラックシリーズ、デンカ社デンカブラック等を挙げることができる。ケッチェンブラックシリーズとしては、ケッチェンブラックEC600JD、ケッチェンブラックEC300J、カーボンECP、カーボンECP600JDが挙げられる。特にガス化法で製造した、ケッチェンブラックが好ましい。
DBP吸油量は、50~550cm/100gが好ましく、100~500cm/100gがより好ましい。DBP吸油量は、JISK6221によって測定したものである。
カーボンブラックは、表面が化学処理されていても構わない。
本発明における(F)カーボンブラックの配合量は、(A)ポリアセタール樹脂100質量部に対し、3.0~15質量部であり、5.0~13質量部であることがより好ましい。カーボンブラック少ないと導電性が不足し、多いと引張伸びが低下することから、この範囲であることが好ましい。
<燃料接触体>
本発明の燃料接触体は、上記ポリアセタール樹脂組成物の成形品を備える。この成形品は、上記ポリアセタール樹脂組成物を用いて、慣用の成形方法、例えば、射出成形、押出成形、圧縮成形、ブロー成形、真空成形、発泡成形、回転成形等の方法で成形することにより得ることができる。
≪導電性≫
本発明のポリアセタール樹脂組成物の体積抵抗率は、1×1010Ω・cm以下であり、好ましくは1×10Ω・cm未満である。そのため燃料接触体の耐性抵抗率も低く良好な導電特性を有している。
本発明の燃料接触体は、低硫黄燃料に限らず、高硫黄燃料を接触させたものであってもよい。高硫黄燃料を接触させたとしても、クラックの発生を抑え、良好な成形品表面外観を保持できるため、燃料の漏出を抑えることができる。
なお、本明細書において、「低硫黄燃料」とは、硫黄の濃度が50ppm以下の燃料をいい、例えば、日本のJIS2号軽油、欧州のEN590軽油等が挙げられる。一方、「高硫黄燃料」とは、硫黄の濃度が50ppmを超える燃料をいい、中国、インド等で流通している高硫黄ディーゼル燃料等が挙げられる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるもので
はない。
本実施例である下記表1、2における各種成分は次のとおりである。
(A)ポリアセタール樹脂
トリオキサン96.7質量%と1,3-ジオキソラン3.3質量%とを共重合させてなるポリアセタール共重合体。MFR(ISO1133に準じて、190℃,荷重2160gで測定):9g/10min)
(B)酸化防止剤
(B1)テトラキス[メチレン3(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン (製品名:Irganox1010,BASF社製)
(B2)4,4'-ビス(α,α-ジメチルベンジル)ジフェニルアミン (製品名:ノクラックCD,大内新興化学工業社製)
(C)マグネシムまたは亜鉛の、酸化物
(C1)酸化マグネシウム(BET比表面積30m2/g)(製品名:MF-30,キョーワマグ社製)
(C2)酸化マグネシウム(BET比表面積135m2/g)(製品名:MF-150,キョーワマグ社製)
(C3)酸化亜鉛(BET比表面積 60~90m2/g)(製品名:活性亜鉛華AZO、正同化学工業社製)
(D)ポリアルキレングリコール
製品名:PEG6000S(三洋化成工業社製)
(E)エステル化率80%以上の多価アルコールの脂肪酸エステル
(E1)脂肪酸エステル1
ペンタエリスリトールテトラステアレート(製品名:ユニスターH476、日油社製)
(E2)脂肪酸エステル2
グリセリントリステアレート(製品名:ポエムS-95、理研ビタミン社製)
(E’)エステル化率80%未満の多価アルコールの脂肪酸エステル
(E‘3)脂肪酸エステル3
グリセリンモノステアレート(製品名:リケマールS-100A、理研ビタミン社製)
(F)カーボンブラック
(F1)ケッチェンブラックEC300J(BET比表面積800m/g、DBP吸油量360ml/100g、ライオン(株)製)
(F2)ライオナイトEC200L(BET比表面積377m/g、DBP吸油量300ml/100g、ライオン(株)製)
(F3)デンカブラック(BET比表面積65m/g、デンカ(株)製)
<評価>
上記材料を使用し、下記の評価を行った。評価は、特に断りの無い限り、23℃50%RHの雰囲気下で行った。
≪引張伸び≫
表1および2に示す各種成分を表1および2に示す割合で添加混合し、二軸の押出機で溶融混練してペレット状のポリアセタール樹脂組成物を調製した。次いで、このペレットを用いて射出成形により、試験片 厚さ4mmのISOtype1-Aを成形し、ISO527―1、2に準拠した引張破壊呼び歪の測定を実施し、以下の通りに×から〇に判断した。
×:5%未満
△:5%以上8%未満
〇:8%以上
≪対燃料性≫
上記と同様にして、厚さ1mmのASTM4号ダンベル試験片を作製した。ポリアセタール樹脂組成物の耐燃料性を評価するため、上記ダンベル試験片をディーゼル燃料(製品名:CEC RF 90-A-92,ハルターマン社製)に100℃で14日間浸漬し、その前後の試験片の質量から燃料浸漬による質量変化率を算出し、以下の通り×から〇に判断した。
×:10%未満
△:10%以上20%未満
〇:20%以上
≪導電性≫
上記と同様にして、厚さ4mmのISOtype1-A試験片作製し、以下の手順にて体積抵抗率を測定した。
[測定手順]
図1に示すように、試験片の反ゲート側のつかみ部の裏表に導電塗料(ドータイトD500 藤倉化成(株)製)を塗布し乾燥した。その後、低抵抗率測定装置(DIGITAL MULTIMETER R6450、アドバンテスト社製)を使用し、つかみ部の裏表間の抵抗を測定し体積抵抗率を得た。
体積抵抗率の値を通り×から〇に判断した。
×:1×1010Ω・cm以上
△:1×10Ω・cm以上1×1010Ω・cm未満
〇:1×10Ω・cm未満
Figure 2022050876000002
Figure 2022050876000003
表1および2の結果から、本発明のポリアセタール樹脂組成物は、硫黄燃料に接触したときの劣化を最小限に抑えることができかつ導電性に優れたポリアセタール樹脂組成物であることが明らかである。


Claims (6)

  1. (A)ポリアセタール樹脂100質量部、
    (B)酸化防止剤0.1~1.5質量部、
    (C)マグネシウムまたは亜鉛、の酸化物0.3~2.0質量部、
    (D)ポリアルキレングリコール0.5~3.0質量部、
    (E)エステル化率80%以上の多価アルコールの脂肪酸エステル0.01~1.0質量部、
    (F)カーボンブラック3.0~15質量部、
    とを配合してなるポリアセタール樹脂組成物。
  2. 前記(A)ポリアセタール樹脂は、ホルムアルデヒドの環状オリゴマーを主モノマーとし、少なくとも1つの炭素-炭素結合を有する環状エーテル及び/又は環状ホルマールから選択される化合物をコモノマーとする共重合体である、請求項1に記載のポリアセタール樹脂組成物。
  3. 前記(C)マグネシウムまたは亜鉛、の酸化物が、BET比表面積100m/g以上の酸化マグネシウムである、請求項1または2に記載のポリアセタール樹脂組成物。
  4. 前記(F)カーボンブラックのBET比表面積が350m/g以上である請求項1~3いずれかに記載のポリアセタール樹脂組成物。
  5. 前記(E)多価アルコールの脂肪酸エステルは、炭素数が3以上の多価アルコールと脂肪酸とのエステル化合物である、請求項1から4のいずれかに記載のポリアセタール樹脂組成物。
  6. 請求項1から5のいずれかに記載のポリアセタール樹脂組成物の成形品を備える燃料接触体。



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