JP2022045910A - 防カビ性および防藻性の試験方法 - Google Patents
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Abstract
Description
部材の防藻性を評価する試験方法であって、
前記部材の表面に、耐乾性カビまたは好乾性カビに属するカビの胞子を接種し、培養した後の、前記カビの繁殖度から、前記表面における藻の繁殖度を推定することを特徴とする。
部材の防カビ性または防藻性を評価する試験方法であって、
前記部材の表面に、耐乾性カビまたは好乾性カビに属するカビの胞子を接種し、培養した後の、前記カビの繁殖度を測定することを特徴とする。
部材の防カビ性または防藻性を評価する試験方法であって、以下の工程を備えてなる試験方法である。
(1)前記部材からなる試験体を準備する工程;
(2)前記試験体の表面に、カビの胞子を接種する工程;
(3)前記接種された前記カビを培養する工程;
(4)前記培養の後の前記カビの繁殖度を測定する工程;
ここで、前記接種は、前記カビの胞子と液体培地とを前記表面に適用することにより行われるものであり、
前記液体培地に含まれる炭素源が0.00mg/cm2を超え0.04mg/cm2未満となるように適用される。
部材
本発明の試験方法において用いられる部材は、建築物の内外装材、住宅設備機器、農業資材などを構成する部材である。これらの部材は、金属材料やセラミックなどの無機材料、合成樹脂製品や木材などの有機材料およびそれらの複合材である。その具体例としては、タイル、衛生陶器、食器、ケイ酸カルシウム板、セメント押し出し成形板などのセラミック製品、ガラス、鏡、木材、樹脂などが挙げられる。また、用途として表したときの部材の例としては、建物外装材、建物内装材、窓枠、窓ガラス、構造部材、乗物の外装、物品の防塵カバー、交通標識、各種表示装置、広告塔、道路用防音壁、鉄道用防音壁、橋梁、ガードレール、トンネル内装および塗装、碍子、太陽電池カバー、太陽熱温水器集熱カバー、ビニールハウス、車両用照明灯のカバー、住宅設備、便器、浴槽、洗面台、照明器具、照明カバー、台所用品、食器洗浄器、食器乾燥器、流し、調理レンジ、キッチンフード、換気扇、保護フィルムなどが挙げられる。なお、これらの部材は、印刷、塗装、被覆、または積層等による被膜が形成された部材も含まれる。
試験体は、好ましくは部材を適宜切り出してなる。試験体は、評価する表面が平坦であることが好ましい。試験体は25±2mm角の正方形とし、これを標準の大きさとすることが好ましい。そうすることで、直径90mmシャーレに3枚の基材を収めることができる。25±2mm角の正方形の切り出しが困難な場合、表面の面積が最小で400mm2であれば、試験体として使用してもよい。本発明の試験方法によれば、試験体の大きさはこれに限定されず、例えば、50mm角でもよい。また形状も、正方形が好ましいが、その限りではなく、円形でもよい。試験体の厚みはシャーレ蓋に接触しないことが好ましい。外装材の評価で90mmシャーレ(高さ13.2mm)を使用する場合,試験体の厚みは4mm以下にすることが好ましい。
(耐乾性カビまたは好乾性カビ)
本発明の試験方法で使用されるカビは、外装材の評価においては、耐乾性カビまたは好乾性カビを使用する。耐乾性カビおよび好乾性カビは、高鳥浩介編著「一目でわかる図説かび検査・操作マニュアル」株式会社テクノシステム、1991年初版、142ページ に記載の定義に基づく。これらのカビは、屋外環境において微生物汚れが形成された外装材等の部材から単離されたカビであることが好ましい。カビの属種の同定は、テクノスルガラボ株式会社でのITS rDNA解析により行う。
本発明の試験方法で使用されるカビとしては、浴室などの室内の湿潤環境下で使用される部材の防カビ性試験を行う場合においては、好湿性カビを使用することも可能である。好湿性カビは、Cladosporium sp. 、Scolecobasidium sp. 、Phoma sp. の群から選択されるいずれか1種を使用することが好ましい。好湿性カビは、浴室などの湿潤環境から単離されたものを使用することができる。
本発明の好ましい態様によれば、試験方法において、カビの胞子を部材または試験体に接種するために、胞子懸濁液を使用する。胞子懸濁液の調製は次の通りである。カビはポテトデキストロース寒天(PDA)斜面培地に植菌し、28±2℃で、7~21日間前培養する。前培養の試験管内に湿潤液(0.005wt%のTween80を含有させた滅菌精製水)を注ぎ入れ、ピペッティングして培養面から胞子を離脱させ、数枚の殺菌したガーゼ又は脱脂綿でろ過する。ろ過後、更に試験管ミキサーによって十分に胞子を分散させる。さらに湿潤液を用いて胞子濃度が1.0×105個/mLとなるように調製して、胞子懸濁液とする。調製した胞子懸濁液は、試験中は冷蔵保存し、即日使用することが望ましい。
本発明の試験方法において使用される液体培地は、栄養分としての炭素源および無機塩を含有する。この液体培地は合成培地であることが、カビ胞子の発芽や菌糸伸長を調整可能な点で好ましい。ここで炭素源としては、糖質が好ましく、糖質からなることがより好ましい。本発明において、糖質は水溶性の糖類であることが好ましく、単糖類、二糖類、オリゴ糖より選択される少なくとも1種であることがより好ましく、スクロースであることが、さらに好ましい。重合度が低い糖類である方が、迅速性と定量性に優れた試験結果が得られる。なお、本発明において、炭素源は胞子の分散剤に使用される界面活性剤が包含されない。
本発明の試験方法は、部材の防カビ性または防藻性を評価する試験方法であって、前記部材の表面に、カビの胞子を接種し、培養した後の、前記カビの繁殖度を測定することを特徴とする。この試験方法は、以下の工程を含む試験方法であると換言できる。すなわち、
(1)試験体を準備する工程;
(2)試験体の表面に、カビの胞子を接種する工程;
(3)接種されたカビ(の胞子)を培養する工程;
(4)培養後のカビの繁殖度を測定する工程;
である。以下に、各工程について詳述する。
部材を適宜適当な大きさに調整した後、清浄化する工程である。清浄化は、洗浄および殺菌の処理に細分化される。
試験体の切り出しの工程で発生した切断くずなどを除去するため、水道水で試験片の裏と表を洗浄する。流水での洗浄によって試験体の軟化、成分の溶解・溶出などが生じる場合は、エアスプレー等で処理する。
試験体の全面を、99.5%エタノールを吸収させた脱脂綿で軽く2~3回ふいた後、十分に乾燥する。アルコール処理によって、試験体の軟化、表面の塗装の溶解、または、成分の溶出などの変化が起こり、試験結果に影響を及ぼすと判断される場合においては、後述のような他の適切な方法を用いるか、または殺菌処理せずにそのまま試験に用いる。
試験体表面の汚染有機物を除去するため、カビ胞子の接種の前日から紫外線蛍光灯の照度1000~1500μW/cm2で14~18時間照射する。その後、試験胞子液の接種前に、クリーンベンチ内の殺菌灯で裏、表の順で15分ずつ殺菌処理を行う。
クリーンベンチ内の殺菌灯で表15分、裏15分照射することにより殺菌を行う。
試験体の表面にカビの胞子および液体培地を試験体の表面に適用する工程である。この接種工程においては、胞子懸濁液および液体培地を使用する。
本発明の試験方法においては、カビの胞子と液体培地とを別個に試験体表面に適用してもよいが、試験精度および作業効率を高めるために、胞子懸濁液と液体培地とを混合してなる混合液を使用することが好ましい。混合液は、滅菌水道水で希釈したでCz培地を、胞子懸濁液と等量で混合したものが、より好ましい。調製した混合液は、試験中は冷蔵保存し、即日使用する。
(外装材または屋内の水がかからない環境で使用される部材の評価の場合)
混合液をピペットで0.1mL採取し、これを試験体の表面に滴下する。試験体の表面が撥水性を示す場合は、滴下した試験胞子液を表面に触れないようにピペッティングで表面全体に広げる。このような操作によって、液体培地に含まれる炭素源が0.00mg/cm2を超え0.04mg/cm2未満、より好適には0.02mg/cm2となるように適用されることが好ましい。炭素源の供給量を低くすることで、カビの繁殖度を高精度に定量評価することが可能となる。
好湿性カビを使用して試験を行うことが好ましい。この場合は、混合液0.1mLを試験体の表面に滴下し、乾燥防止のため、滴下した混合液の上から20mm角のフィルム(KOKUYO,VF-10)を密着させる。密着フィルムには、微生物の発育に影響及ぼさない材質で、吸水性が無く、表面が平滑な材質のものを使用することが好ましい。このようなフィルムであれば、混合液とフィルムの密着性が良いためである。このような操作によって、液体培地に含まれる炭素源が0.00mg/cm2を超え0.04mg/cm2未満、より好適には0.02mg/cm2となるように適用されることが好ましい。炭素源の供給量を低くすることで、カビの繁殖度を高精度に定量評価することが可能となる。
外装材または屋内の水がかからない環境で使用される部材の評価での培養は、湿度70%~90%、温度24~28℃、培養時間48±4時間の条件で実施する。内装材などの評価に場合は、インキュベータ内で培養し、湿度90%以上、温度28℃、培養時間48±4時間の条件で実施する。
試験体表面の混合液を乾燥した後、当該試験体を調湿した保存シャーレ内に静置する。保存シャーレは、殺菌済みシャーレの底に、滅菌済み調湿用ろ紙を置き、滅菌水道水を8mL入れ、ろ紙が直接触れないようにガラスU管を置き、その上にスライドガラスを配置する。保存シャーレの概略図を図1に示す。なお、保存シャーレは、試験に使用する前に、15分間の殺菌灯処理を実施する。試験片はスライドガラス上に置く。
光触媒材を評価する場合、光励起によって生成する活性酸素種によるカビへの作用に基づく防カビ性を評価するために、光照射を行う。光照射装置内の床面における既定の紫外線照度と可視光照度が得られる位置に、保存シャーレを設置する。光照射条件としては以下の4条件を目的に応じて選択し、温度26±2℃で48時間培養する。
・紫外光連続照射
照度:0.50mW/cm2
・可視光連続照射
照度:5000lx
・混合光間欠照射(明条件と暗条件の間欠)
紫外照射と可視光照射を同時に所定時間照射し、その後同じ時間は照射を停止し暗所環境とする。この光照射と暗所の間欠照射を繰り返し、合計時間が48±2時間となるように培養する。
光照射と暗所の時間は、それぞれ10~12時間であることが好ましい。
・暗所
遮光した暗室環境下に設置する。
試験体表面の混合液を乾燥した後、当該試験体を調湿した保存シャーレ内に静置する。保存シャーレは、殺菌済みシャーレの底に、滅菌済み調湿用ろ紙を置き、滅菌水道水を8mL入れ、ろ紙が直接触れないようにガラスU管を置き、その上にスライドガラスを配置する。保存シャーレの概略図を図1に示す。なお、保存シャーレは、試験に使用する前に、15分間の殺菌灯処理を実施する。試験片はスライドガラス上に置く。
遮光した暗室環境下に保存シャーレを設置し、温度26±2℃で48時間培養する。
混合液をフィルムで密着させた試験体をシャーレに入れ、調湿したプラスチック容器(サンプラテック、タイトボックスNo.5)に静置させ、インキュベータにて26±2℃で48±2時間培養する。プラスチック容器内に滅菌した吸水性の高いワイパー等を敷き、滅菌水道水を注ぐことで、調湿を行う。
培養の後、試験体の表面におけるカビの繁殖度を測定する工程である。カビの繁殖度の測定は、菌糸伸長度、ATP値のいずれかまたは双方を評価することにより行われる。
試験体の表面に付着する胞子または菌糸を顕微鏡観察する。倍率が200~500倍の範囲で観察可能な光学顕微鏡であることが望ましい。菌糸伸長度の評価は、反射照明型顕微鏡 (ECLIPSE LV100ND, Nikon)を使用して、倍率340倍の視野で、カビ胞子の発芽、菌糸伸長の状態を観察することにより行われることが好ましい。
0:胞子が未発芽状態
1:一部の胞子が発芽しているが、菌糸は短い(数10~数100μm)状態
2:胞子の発芽が認められ、部分的には数100μm以上菌糸が伸長した状態
3:ほとんどの胞子が発芽し、一面に菌糸が伸長した状態。
(ATP値の定義)
本発明において、「ATP値」とは、ルシフェラーゼによる発光反応とピルベートオルトホスフェートジキナーゼを組み合わせた酵素サイクリング法を利用したATPおよびAMPの総量に比例した発光量と定義する。
ATP値の定量には、(株)キッコーマン製のATPふき取り検査システムを利用する。培養後の試験体の表面を同社製の「ルシパック(登録商標)Pen」でふき取り、同社製「ルミテスター(登録商標)PD-30」に挿入して、ルシフェラーゼが触媒する、ルシフェリン、酸素、およびATPの反応による発光量を測定して、塗装体表面の単位面積当たりのATP値に換算する。
本発明による試験方法の結果として、菌糸伸長度が低い評点であれば部材は高い防カビ性を備えていることを意味する。また、ATP値が300RLU/cm2以下であれば、部材は防カビ性ありと判定することが可能である。例えば、ATP値が300RLU/cm2以下では菌糸伸長抑制効果を示し、100RLU/cm2以下であれば発芽抑制効果として防カビ性を識別できる。
記述のとおり屋外での藻の付着機構につき、藻類は、カビ胞子が発芽し、次いで伸長したり分岐したりした菌糸に付着し繁殖する。したがって、カビの繁殖を有効に長期にわたり繁殖抑制できれば、屋外での部材表面の藻類の繁殖も防止できる。すなわち、本発明の試験方法によってカビの繁殖度を測定すれば、外装材などの防藻性を評価することが可能である。
基材
・アルミ基材にエポキシ樹脂を主として含んでなるプライマーを塗装して常温で24時間乾燥した。その後、さらに、シリコーン変性アクリル樹脂および白色顔料を含むエナメル塗料を塗装して常温で24時間乾燥したものを、基材とした。
・1-1 酸化セリウム水分散体(蛍石型、塩基性、酸化セリウム濃度10wt%、平均結晶子径6nm)
・2-1 水分散型コロイダルシリカ(Na分散、SiO2濃度30wt%、平均粒径25nm)
酸化チタン粒子
・3-1 酸化チタン水分散体(アナターゼ型、塩基性、TiO2濃度17.5wt%、平均粒径45nm)
・3-2 酸化チタン水分散体(ルチル型、塩基性、TiO2濃度6.0wt%、平均粒径35nm)
添加剤:ポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤
表1に記載の組成となるよう、1)酸化セリウム水分散体と、2)水分散型コロイダルシリカと、3)酸化チタン水分散体と、4)分散媒と、5)添加剤とを混合して、コーティング組成物を得た。コーティング組成物中の被膜形成成分の濃度は5.5質量%とした。ここで、被膜形成成分の濃度は、コーティング組成物中の1)~3)の金属酸化物の合計量(仕込み量)の濃度である。参考のため、コーティング組成物を400℃まで加熱した後、室温まで徐冷し、恒量となったときの濃度を測定したところ、得られた濃度は被膜形成成分の濃度と同等であった。
試験1(1):ラボ評価におけるATP値とカビ繁殖との関係
55℃に加温した基材の表面に、コーティング組成物C1を、12.5g/m2となるようにエアスプレーにて塗布し、室温で乾燥して表面層を形成した。こうして得られた塗装体(塗装体19)を評価に用いた。
0:胞子が未発芽状態(図2)、
1:一部の胞子が発芽しているが、菌糸は短い(数10~数100μm)状態(図3)、
2:胞子の発芽が認められ、部分的には数100μm以上菌糸が伸長した状態(図4)、
3:ほとんどの胞子が発芽し、一面に菌糸が伸長した状態(図5)。
なお、上記の菌糸伸長度:3では、カビ繁殖に伴って生じるサンプル表面のくすみ、もしくは黒色のカビ汚れが目視の観察でも認められる。
ラボ試験と屋外曝露試験におけるATP値を比較するために、コーティング組成物として、C1~C5を使用して、表面層の組成が異なる5種類の塗装体を作製した。塗装体の作成条件は上記試験1(1)と同じとした。塗装体と使用したコーティング組成物との対応を表2に示す。
ラボ試験でのATP値と屋外曝露試験による藻の繁殖との関係を評価した。用いた塗装体は上記試験1(2)と同じ5サンプルであり、上記試験1(2)の曝露試験を6か月まで延長し、その経過観察および、6か月経過時の汚れによる変色程度を評価した。
試験カビには、ユニットバスを使用している一般家庭の浴室から採取され、単離された好湿性カビであるCladosporium sp. を用いた。試験体として、防カビ剤など微生物の繁殖を阻害する成分を含まない樹脂片(ABS樹脂製、25mm×25mm)を用いた。試験1(1)と同様に混合液を試験体の表面に適用することによってカビの胞子を接種し、次いで3時間の乾燥処理を行った。乾燥後、保存用シャーレに静置し、暗所条件下で25℃48時間培養した。一方、同様の試験カビと試験体を用いて、混合液を接種後フィルム密着させた状態で調湿容器内に静置し、28℃で48時間培養した。フィルムを密着させたことで、培養の期間中培養液は乾燥しなかった。これらの2条件:乾燥条件および湿潤条件にて培養した後の試験体について、菌糸伸長度の評価およびATP値の定量をおこなった。結果を表3に示す。
混合液中に含まれるスクロースの濃度が異なる4条件(スクロース濃度: 7.5,3.0,1.5,0.0g/L)でのラボ試験におけるATP値と、屋外曝露試験でのATP値を比較した。
これらの塗装体を25mm×25mmにカットして試験体とした。これらの試験体に殺菌灯を照射して滅菌処理した。
作製した塗装体を、上記試験1(2)と同様に曝露試験を行い、ATP値の定量を上記試験1(1)と同じ方法で行った。また、目視観察も行った。
使用した混合液の種類ごとに、ラボ試験後のATP値と屋外曝露試験後のATP値との関係を図9に示す。
試験カビには、住宅の室内のキャビネットから採取され、単離された好乾性カビであるEurotium sp. を用いた。試験体として、洗浄したフロート板ガラス(25mm×25mm)を用いた。試験1(1)と同様に混合液を試験体の表面に適用することによってカビの胞子を接種し、次いで3時間の乾燥処理を行った。乾燥後、保存用シャーレに静置し、暗所条件下で25℃48時間培養した。一方、同様の試験カビと試験体を用いて、混合液を接種後、直ちに調湿容器内に静置し、28℃で48時間培養した。接種後直ちに調湿容器内に静置したことで、培養の期間中、培養液は乾燥しなかった。これらの2条件:乾燥条件および湿潤条件にて培養した後の試験体について、菌糸伸長度の評価およびATP値の定量をおこなった。結果を表4に示す。
Claims (13)
- 部材の防藻性を評価する試験方法であって、
前記部材の表面に、耐乾性カビまたは好乾性カビに属するカビの胞子を接種し、培養した後の、前記カビの繁殖度を測定する工程と、当該カビの繁殖度から前記表面における藻の繁殖度を推定する工程を少なくとも含んでなることを特徴とする、試験方法。 - 部材の防カビ性または防藻性を評価する試験方法であって、
前記部材の表面に、耐乾性カビまたは好乾性カビに属するカビの胞子を接種し、培養した後の、前記カビの繁殖度を測定する工程と、当該カビの繁殖度から前記表面の防カビ性または防藻性を評価する工程とを少なくとも含んでなることを特徴とする、試験方法。 - 前記の耐乾性カビまたは好乾性カビは、微生物汚れが形成された現場から単離されたカビである請求項1または2に記載の試験方法。
- 前記カビは、前記カビの菌糸に藻が付着する性質を有する、請求項1~3のいずれか一項に記載の試験方法。
- 前記カビは、Nothophoma sp. である、請求項4に記載の試験方法。
- 前記接種の後、前記表面を乾燥させてから、前記培養を行う、請求項1~5のいずれか一項に記載の試験方法。
- 前記培養は調湿された状態で行われる、請求項6に記載の試験方法。
- 前記接種は、前記カビの胞子と液体培地とを前記表面に適用することにより行われるものであり、
前記液体培地に含まれる炭素源が0.00mg/cm2を超え0.04mg/cm2未満となるように適用される、請求項1~7のいずれか一項に記載の試験方法。 - 前記接種は、前記カビの胞子が液体培地に分散された混合液を、前記表面に適用して行われるものであり、
前記混合液は、前記液体培地に含まれる炭素源が0g/Lを超え3g/L未満であることを特徴とする、請求項8に記載の試験方法。 - 部材の防カビ性または防藻性を評価する試験方法であって、以下の工程:
(1)前記部材からなる試験体を準備する工程;
(2)前記試験体の表面に、カビの胞子を接種する工程;
(3)前記接種された前記カビを培養する工程;
(4)前記培養の後の前記カビの繁殖度を測定する工程;
を備えてなり、
ここで、前記接種は、前記カビの胞子と液体培地とを前記表面に適用することにより行われるものであり、
前記液体培地に含まれる炭素源が0.00mg/cm2を超え0.04mg/cm2未満となるように適用されることを特徴とする、試験方法。 - 前記炭素源は糖質である、請求項8~10のいずれか一項に記載の試験方法。
- 前記カビの繁殖度をATP値により評価する、請求項1~11のいずれか一項に記載の試験方法。
- 前記培養において、光を間欠照射する、請求項1~12のいずれか一項に記載の試験方法。
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