JP2022045410A - 弾球遊技機 - Google Patents

Abstract

【課題】特別演出図柄により当否判定結果を報知する作用効果を保ちつつ、遊技球の右打ち（又は左打ち）を促す演出の表示による作用効果を向上し得る弾球遊技機を提供する。【解決手段】第一遊技状態に比して第二始動口へ入球し易い第二遊技状態へ移行した際に、第二流下域を狙う遊技球の発射を促す打ち方演出図柄１１３を、特別演出図柄１０１ａ～１０１ｃの一部と重なるように表示すると共に、該打ち方演出図柄１１３の表示中に該特別演出図柄１０１ａ～１０１ｃが停止表示される際に、当該打ち方演出図柄１１３の表示を中断するようにしたものである。かかる構成によれば、比較的大きなサイズの打ち方演出図柄１１３が表示されることで、第二流下域への遊技球発射を促す効果を向上できると共に、該打ち方演出図柄１１３の表示中断によって、特別演出図柄１０１ａ～１０１ｃの停止図柄態様を明確に報知することができる。【選択図】図２０

Description

本発明は、始動口への入球に起因して当否判定し、該当否判定の結果を演出図柄表示装置で報知する弾球遊技機に関する。

パチンコ機に代表される弾球遊技機は、遊技盤の前面に遊技領域が設けられ、液晶表示装置（演出図柄表示装置）を備えたセンターケースが該遊技領域に設けられている。そして、かかる構成では、始動口への入球に起因して当否判定が実行され、その判定結果が、前記演出図柄表示装置で変動表示される特別演出図柄の停止図柄態様によって報知される。こうした弾球遊技機として、遊技領域が、センターケースによって、遊技球が流下する左右の流下域に分かれており、左流下域を流下した遊技球が入球可能な第一始動口と、右流下域を流下した遊技球が入球可能な第二始動口（普通電動役物）とが配設された構成が知られている。かかる構成は、通常遊技状態と、該通常遊技状態に比して普通電動役物の第二始動口に遊技球が入球し易い有利な遊技状態（例えば、普通図柄の変動時間が短くなり且つ普通電動役物の開放時間が長くなる時短遊技状態など）とに変換される。これにより、通常遊技状態では、遊技者が左打ちによって第一始動口への入球を狙う一方、前記有利な遊技状態では、右打ちによって第二始動口への入球を狙うことが、遊技者にとって有利である。

このように遊技状態に応じて左打ちと右打ちとを打ち分ける遊技を行う構成では、前記通常遊技状態で左打ちをしていることから、前記有利な遊技状態に移行した際に、右打ちすることを忘れて左打ちを続けてしまい、遊技者が不利益を被る場合があった。こうした問題に対して、例えば特許文献１では、前記有利な遊技状態となると、前記したセンターケースの演出図柄表示装置で、右打ちを促す演出（以下、右打ち演出という）を表示する構成が提案されている。かかる従来構成によれば、遊技中に遊技者が最も注視する演出図柄表示装置で右打ち演出を表示することから、前述した遊技者が不利益を被るという問題を解決することができる。

特開２００９－１７８４３２号公報

前述した従来構成の右打ち演出としては、遊技者に右打ちを促すものであることから、遊技者が気づき易く且つ容易に理解できるように、演出図柄表示装置で比較的大きく表示されることによって、該右打ちを促す作用効果が最も効果的に発揮され得る。ところが、演出図柄表示装置では、前述したように、当否判定結果を報知する特別演出図柄が表示されることから、比較的大きなサイズの該右打ち演出が表示されると、該右打ち演出が該特別演出図柄を重なって表示され、該特別演出図柄が見難くなってしまう。ここで、特別演出図柄と重ならないように右打ち演出を小さく表示すると、該右打ち演出による報知効果が低減する一方、逆に特別演出図柄を小さく表示すると、当否判定結果を報知する効果が低減する。
こうしたことから、特別演出図柄による当否判定結果を報知する作用効果を保ちつつ、右打ち演出による右打ちを促す効果を十分に発揮し得る構成が希求されていた。

本発明は、演出図柄表示装置で表示する特別演出図柄により当否判定結果を報知する作用効果と、該演出図柄表示装置で表示する演出によって一方の始動口を狙った遊技球の発射を促す作用効果との両方を、安定して発揮し得る弾球遊技機を提案するものである。

本発明は、遊技球が流下する第一流下域と第二流下域とを備えた遊技領域と、前記遊技領域へ遊技球を発射する球発射手段と、前記第一流下域を流下する遊技球が入球可能な第一始動口と、前記第二流下域を流下する遊技球が入球可能な第二始動口と、前記第一始動口と第二始動口とへの入球に起因して、当否判定する当否判定手段と、所定の変動開始条件の成立を契機として、演出図柄表示装置で特別演出図柄の変動を開始し、該開始から所定時間経過後に、前記当否判定手段の判定結果を示す図柄態様で停止表示させる演出図柄制御手段と、所定の状態移行条件の成立に基づいて、前記第二始動口に比して前記第一始動口へ遊技球が入球し易い第一遊技状態から、該第一遊技状態に比して該第二始動口へ遊技球が入球し易い第二遊技状態に移行する遊技状態移行手段とを備えた弾球遊技機において、所定の打ち方演出条件の成立に基づいて、前記第一遊技状態における第一流下域を狙った遊技球の発射または前記第二遊技状態における第二流下域を狙った遊技球の発射を促す打ち方演出図柄を、前記演出図柄表示装置で表示される前記特別演出図柄の少なくとも一部と重なるように表示する打ち方演出制御手段を備え、前記打ち方演出制御手段は、前記演出図柄表示装置で表示する前記打ち方演出図柄を、所定の表示終了条件の成立に基づいて表示終了させる打ち方演出終了処理と、前記打ち方演出図柄の表示中に前記特別演出図柄が停止表示される際に、当該打ち方演出図柄の表示を中断する打ち方演出中断処理と
を備えたものであることを特徴とする弾球遊技機である。

ここで、「第二始動口」は、遊技球の入球可能な開放状態と入球不能な閉鎖状態とに変換される構成が好適である。かかる構成の「第二始動口」を備えたものにあっては、「第二遊技状態」が、第一遊技状態に比して、第二始動口が開放され易くなる状態、第二始動口の開放時間が長くなる状態等とすることが好適である。
「変動開始条件」は、当否判定手段により当否判定が実行されることに定めることが好適である。例えば、第一始動口と第二始動口との夫々への入球を契機として抽出された乱数が当否判定手段により当否判定されることを、「変動開始条件」として定めることができる。
「状態移行条件」は、所定の抽選により第二遊技状態への移行を決定することや、他の遊技状態で特定の遊技事象が発生すること等と定めることができ、一の条件だけでなく、相互に異なる複数の条件とすることも可能である。例えば、前記当否判定手段により大当り判定した際に、所定の抽選により第二遊技状態への移行が決定され、且つ大当り遊技が終了することを、本発明の「状態変換条件」と定めることが好適である。又は、遊技中にカウントされる前記遊技事象の累積回数が所定の閾値に達することを、「状態変換条件」として定めることも可能である。又は、第一遊技状態で当否判定した回数が所定値に達することを、「状態変換条件」と定めることもできる。さらに、第二遊技状態と異なる遊技状態（第一遊技状態を含む）が終了することを、他の「状態変換条件」として定めることも可能である。
「打ち方演出条件」としては、例えば、第一流下域と第二流下域との一方を狙うことが有利な遊技から、他方を狙うことが有利な遊技に変換される際に成立する条件や、一方を狙うことが有利な遊技中に、他方を狙って遊技球が発射されることにより成立する条件などを設定することが好適である。具体的には、前者の場合、第一遊技状態および／または第二遊技状態へ変換する際に成立する条件とすることができる。一方、後者の場合には、第一遊技状態で第二始動口に所定数の入球を検出することや、第二遊技状態で第一始動口に所定数の入球を検出することなどを条件とすることができる。
「打ち方演出図柄」は、特別演出図柄の少なくとも一部を覆うように重なるものであって良いし、該特別演出図柄の少なくとも一部により覆われるように重なるものであっても良い。そして、前者の場合には、重なった特別演出図柄の少なくとも一部を視認不能とするように表示される構成と、重なった特別演出図柄の少なくとも一部を視認可能に透過するように表示される構成とのいずれであっても良い。一方、後者の場合には、特別演出図柄と重なった部分が視認不能となる構成と、特別演出図柄と重なった部分を視認可能に透過するように該特別演出図柄が表示される構成とのいずれであっても良い。
「打ち方演出中断処理」は、中断した打ち方演出図柄の表示を、所定の再開条件の成立に伴って再開する処理内容を備えたものであることが好適である。この再開条件としては、例えば、中断から所定の中断時間が経過することと、特別演出図柄の停止表示が終了すること等を設定することができる。

かかる構成にあっては、打ち方演出条件が成立した場合に、遊技者が最も注視する特別演出図柄の少なくとも一部と重なるようにして打ち方演出図柄が表示されることから、該打ち方演出図柄の表示を目立たせることができ、遊技者が見逃し難くなる。これにより、該打ち方演出図柄で示される内容（第一流下域または第二流下域を狙った遊技球の発射を促すこと）を、演出図柄表示装置の表示画面を視る遊技者に明確に報知することができるため、第一遊技状態で遊技者が第二流下域を狙った遊技球の発射を行うことや、第二遊技状態で第一流下域を狙った遊技球の発射を行うことを抑制できる。すなわち、第二遊技状態に移行した際に、遊技者が第一遊技状態での第一流下域を狙った遊技球の発射を継続してしまうことを抑制でき、該第一流下域への遊技球発射により該遊技者が不利益を被ることを抑制する効果を著しく向上できる。同様に、第一遊技状態に移行した際に、第二流下域への遊技球発射により該遊技者が不利益を被ることを抑制する効果を著しく向上できる。さらには、第一遊技状態で第二流下域へ遊技球が誤って発射されることや第二遊技状態で第一流下域へ遊技球が誤って発射されることによって、遊技者が不利益を被ることを抑制することもできる。また、打ち方演出図柄の表示中に特別演出図柄が停止表示される際に、当該打ち方演出図柄の表示を中断することから、遊技者は、当該特別演出図柄の停止図柄態様を明確に視認することができ、該停止図柄態様により示される当否判定結果を確実に知得することができる。したがって、本発明の構成によれば、打ち方演出図柄と特別演出図柄の停止図柄態様とを遊技者が見逃してしまうことを抑制でき、該打ち方演出図柄により第一流下域と第二流下域とを狙った遊技球発射を遊技者に明確に報知するという作用効果と、特別演出図柄の停止図柄態様により当否判定結果を遊技者に明確に報知するという作用効果との両方が、安定かつ十分に発揮され得る。

尚、本発明の打ち方演出制御手段にあっては、第二遊技状態に移行した際に、第二流下域を狙った遊技球の発射を促す打ち方演出図柄を表示させる機能を備えた構成が好適である。この構成では、打ち方演出条件が、第二遊技状態に移行することである。

前述した本発明の構成であって、打ち方演出制御手段の打ち方演出中断処理は、打ち方演出図柄の表示中に変動表示される特別演出図柄の、変動表示開始から停止表示までの間の所定タイミングで、当該打ち方演出図柄の表示を中断する処理内容を備えたものである構成が提案される。

ここで、打ち方演出図柄の表示を中断する「所定のタイミング」は、特別演出図柄の変動表示開始から停止表示までの間で適宜設定することができる。例えば、特別演出図柄の変動開始から所定時間（停止までの時間よりも短い時間）が経過したタイミング、特別演出図柄によりリーチが発生したタイミング、複数の特別演出図柄を変動表示させる構成にあって所定数の特別演出図柄が停止表示されたタイミングなどを設定できる。さらには、相互に異なる複数のタイミングを予め設定し、遊技の進行状況や抽選等により一のタイミングを選択するようにしても良い。

かかる構成にあっては、特別演出図柄の停止図柄態様が表示される前から、該特別演出図柄の全体を遊技者が視認できることから、該停止図柄態様が表示される瞬間を、遊技者が明確に視認できる。そのため、特別演出図柄の停止図柄態様により示される当否判定結果を待つ遊技者のドキドキ感を刺激するという、該特別演出図柄本来の効果を安定して発揮できる。

前述した本発明の構成であって、前記当否判定手段で実行される当否判定の判定回数を累積する判定計数手段と、前記判定計数手段により累積された累積判定回数が所定の閾数値に達すると、前記第二始動口に比して前記第一始動口へ遊技球が入球し易い第一遊技状態から、該第一遊技状態に比して第二始動口へ遊技球が入球し易い第二遊技状態へ移行する遊技状態移行手段とを備えた弾球遊技機において、打ち方演出制御手段が、前記第一遊技状態で前記累積判定回数が前記閾数値に達することに基づいて、打ち方演出図柄を表示するものである構成が提案される。

ここで、「判定計数手段」は、当否判定の判定回数を累積する累積判定回数を、遊技状態に関わらず累積する構成としても良いし、特定の状態でのみ累積する構成とすることもできる。具体的には、通常遊技状態、時短遊技状態、および確変遊技状態に変換する一般的な弾球遊技機にあって、該通常遊技状態でのみ前記累積判定回数を累積する構成、該通常遊技状態と時短遊技状態とでのみ前記累積判定回数を累積する構成などとすることができる。
「第一遊技状態で、前記判定計数手段により累積された累積判定回数が所定の閾数値に達する」ことが、前述した本発明の「状態移行条件」である。そして、本構成にあっては、「状態移行条件」が、「第一遊技状態で、累積判定回数が所定の閾数値に達する」ことのみを備えたものであっても良いし、これと異なる他の条件を備えたものであっても良い。例えば、「状態移行条件」として、抽選により第二遊技状態への移行が決定することを備えていても良い。尚、こうした第二遊技状態へ移行するための複数の「状態移行条件」が設定された構成にあっては、累積判定回数の閾数値到達による状態移行条件が成立した場合に限って、打ち方演出制御手段により打ち方演出図柄が表示される構成としても良いし，全ての状態移行条件が成立した場合（第二遊技状態へ移行する全ての場合）に、該打ち方演出制御手段により打ち方演出図柄が表示される構成としても良い。

かかる構成にあっては、第一遊技状態で累積判定回数が所定の閾数値に達することを条件として、第二遊技状態へ移行した際に、打ち方演出図柄を表示するものであるから、該打ち方演出図柄によって、該第二遊技状態に移行したことを明確に報知することができる。詳述すると、累積判定回数が閾値に達することで第一遊技状態から第二遊技状態へ移行する場合には、該第二遊技状態に移行したことを遊技者が見逃してしまうことがあるため、第二遊技状態となっても、第一流下域を狙う遊技球の発射を第一遊技状態から継続することがあり、遊技者に不利益を生ずる虞があった。こうした問題に対して、本構成では、累積判定回数の閾数値到達によって第二遊技状態に移行した際に、遊技者の最も注視する特別演出図柄と重なるようにして打ち方演出図柄を表示するため、該打ち方演出図柄の表示を目立たせることができ、第二遊技状態であることを該遊技者が明確に知得できる。これにより、第二遊技状態で第一流下域を狙って遊技球を発射することで生ずる遊技者の不利益を、抑制することができる。

前述した本発明の構成にあって、打ち方演出制御手段は、所定の打ち方演出条件の成立に基づいて、打ち方演出図柄を表示する打ち方演出表示手段と、前記打ち方演出図柄の表示に伴って、前記第一遊技状態における第一流下域を狙った遊技球の発射または前記第二遊技状態における第二流下域を狙った遊技球の発射を促す打ち方演出音を、スピーカから発生させる打ち方演出音発生手段とを具備するものである構成が提案される。

ここで、「打ち方演出音発生手段」は、打ち方演出音を継続的に発生させる構成、一定間隔をおいて該打ち方演出音を断続的に発生させる構成などが好適である。
「打ち方演出音」は、第二流下域を狙う遊技球の発射を報知するものと規定されているものであれば、警報音、楽曲、音声などのいずれであっても良い。

かかる構成にあっては、打ち方演出条件が成立した場合に、第一流下域または第二流下域を狙って遊技球を発射することを、演出図柄表示装置で表示される打ち方演出図柄とスピーカから発せられる打ち方演出音とにより報知するから、遊技者が、第一流下域または第二流下域への遊技球発射を一層確実に知得できる。これにより、第一遊技状態への移行後に第二流下域を狙った遊技球の発射が継続されること、該第一遊技状態で第二流下域へ遊技球が誤って発射されること、第二遊技状態への移行後に第一流下域を狙った遊技球の発射が継続されること、および該第二遊技状態で第一流下域へ遊技球が誤って発射されることを一層確実に抑制でき、該遊技者が不利益を被ることを抑制するという前述した本発明の作用効果を一層向上できる。

さらに、前述した打ち方演出音発生手段を備えた構成にあって、打ち方演出音発生手段は、打ち方演出表示手段の打ち方演出中断処理により打ち方演出図柄が表示中断されている際に、打ち方演出音を中断しないようにしたものである構成が提案される。

かかる構成にあっては、特別演出図柄の停止図柄態様が表示される際に、演出図柄表示装置で打ち方演出図柄の表示を中断する一方、打ち方演出音の発生を中断しないものであるから、特別演出図柄の停止図柄態様が表示された際に、該停止図柄態様により当否判定結果を報知しつつ、打ち方演出音により第一流下域または第二流下域を狙った遊技球の発射を促すことができる。これにより、特別演出図柄の停止図柄態様が表示された際に、該停止図柄態様に見入ってしまうことにより遊技球の発射を忘れてしまうことを抑制できるため、遊技球の発射停止による稼動率低下を抑制することに寄与できる。

本発明にかかるパチンコ機１の正面図である。 パチンコ機１の遊技盤２の正面図である。 パチンコ機１の電気的構成を示すブロック図である。 遊技の仕様の一部を説明する図表である。 （Ａ）第一特別図柄の大当り図柄態様と大当り遊技の内容との関係を示す図表と、（Ｂ）第二特別図柄の大当り遊技態様と大当り遊技の内容との関係を示す図表である。 メインルーチンの概要を示すフローチャートである。 始動入賞処理を示すフローチャートである。 当否判定処理を示すフローチャート１である。 当否判定処理を示すフローチャート２である。 当否判定処理を示すフローチャート３である。 当否判定処理を示すフローチャート４である。 当否判定処理を示すフローチャート５である。 大当り遊技処理を示すフローチャート１である。 大当り遊技処理を示すフローチャート２である。 大当り遊技処理を示すフローチャート３である。 打ち方演出の表示条件を示す図表である。 打ち方表示処理を示すフローチャートである。 打ち方表示演出の表示態様を示す説明図１である。 打ち方表示演出の表示態様を示す説明図２である。 打ち方表示演出の表示態様を示す説明図３である。 打ち方表示演出の表示態様を示す説明図４である。

本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。尚、本発明にかかる実施の形態は、下記の実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態を採りうる。また、以下の実施例および別例を適宜組み合わせることも可能である。

図１に示すように、本実施例のパチンコ機１は、縦長の固定外郭保持枠をなす外枠５１によって構成の各部を保持する構造である。外枠５１には、その左側上下に設けられたヒンジ５３を介して、内枠（図示せず）が該外枠５１に対して開閉可能に取り付けられ、さらに、該内枠の前面に、前枠（ガラス枠）５２が該内枠に対して開放可能に取り付けられている。そして、前枠５２には、板ガラス６１が脱着可能に設けられている。また、板ガラス６１の奥側（後側）には、内枠に取り付けられた遊技盤２（図２）が配設されている。

前枠５２には、その上部左右に、スピーカ６６が配設されており、該スピーカ６６から発せられる遊技音や警報音によって、遊技の趣向性を高めたり、遊技者に注意喚起したりする。また、前枠５２には、遊技状態に応じて発光する枠側装飾ランプ６５が複数配設されており、該発光によって遊技の趣向性を向上させる。さらに、前枠５２の下部には、上皿５５と下皿６３とが一体的に設けられており、該下皿６３の右方に発射ハンドル６４が配設されている。この発射ハンドル６４は、遊技者によって時計回りに回動操作されることで、図示しない発射装置を可動させて、上皿５５から供給される遊技球を遊技盤２の遊技領域３に向かって発射する。

上皿５５には、賞球や貸球が払い出される。また、下皿６３は、上皿５５から溢れた賞球を受ける構成で、該下皿６３内の遊技球を排出する球抜きレバー（図示せず）を備える。この球抜きレバーが遊技者により操作されることで、下皿６３に貯まった遊技球を別箱（ドル箱）に移すことができる。

本実施例のパチンコ機１は、所謂ＣＲ機であって、プリペイドカードの読み書きなどを行うプリペイドカードユニット（ＣＲユニット）５６が隣接されている。パチンコ機１には、貸出ボタン５７、精算ボタン５８、および残高表示装置５９を有する精算表示装置９４（図３参照）が設けられている。また、上皿５５の中央部には、遊技者が操作可能な演出ボタン６７、ジョグダイヤル６８、および決定スイッチ６９が設けられている。

図２は、パチンコ機１の遊技盤２の正面図である。遊技盤２には、ガイドレール２ａ，２ｂによって囲まれた略円形の遊技領域３が設けられ、該遊技領域３には多数の遊技釘（図示せず）が植設されている。遊技領域３の中央部には、センターケース５が配設されており、該センターケース５の中央に演出図柄表示装置６（全体の図示は省略）のＬＣＤ画面が前方から視認可能に配設されている。このセンターケース５には、図示しないワープ入口、ワープ通路、ステージ等も設けられている。

センターケース５の直下には、第一始動口１１が配設され、該センターケース５の右方には、普通図柄作動ゲート１７と第二始動口１２とが上下に並んで配設されている。第一始動口１１は、常時遊技球を入球可能に構成されている一方、第二始動口１２は、開閉可能な翼片を備えた普通電動役物１３により構成されており、この翼片の開放状態でのみ遊技球を入球可能とする構成である。また、普通図柄作動ゲート１７は、遊技球を常時通過可能に構成されている。

さらに、センターケース５の右下方（普通電動役物１３の下方）には、大入賞口１４が配設されている。大入賞口１４は特別電動役物１５により構成されており、該特別電動役物１５は、大入賞口１４を閉鎖する起立位置と該起立位置から前方へ傾動して開放する傾動位置とに位置変換作動する開閉片（図示せず）を備え、該開閉片を前記起立位置とすることで、大入賞口１４へ遊技球を入球不能な閉鎖状態とし、前記傾動位置とすることで、大入賞口１４へ遊技球を入球可能な開放状態とする。こうした特別電動役物１５は、前記開閉片を開閉作動させる大入賞口ソレノイド１４ｂ（図３参照）を備えており、該大入賞口ソレノイド１４ｂを駆動制御することによって大入賞口１４を前記閉鎖状態と開放状態とに夫々変換制御できる。

また、第一始動口１１の左方には、四個の一般入賞口４１が配設されている。これら一般入賞口４１は、遊技球を常時入球可能な構成である。さらに、遊技領域３の最下流部には、アウト口１６が配設されており、該遊技領域３に発射された遊技球がいずれの入賞口や始動口にも入賞しなかった場合に、該アウト口１６に入球する。

こうした遊技領域３は、中央のセンターケース５の左側を遊技球が流下する左流下域３ａと、該センターケース５の右側を遊技球が流下する右流下域３ｂとを備えており、遊技球の右打ちによって、センターケース５の上側を通過した遊技球が前記右流下域３ｂを流下し、遊技球の左打ちによって、遊技球が前記左流下域３ａを流下する。そして、右流下域３ｂには、前記した普通図柄作動ゲート１７、第二始動口１２、および大入賞口１４が設けられている。そのため、右流下域３ｂを狙い打つこと（所謂、右打ち）により、これら普通図柄作動ゲート１７、第二始動口１２（普通電動役物１３）、および大入賞口１４に入球可能である。一方、センターケース５の直下に配設された前記第一始動口１１は、遊技盤２に植設された遊技釘によって、前記左流下域３ａを流下した遊技球が入球可能となっている。そのため、左流下域３ａを狙い打つこと（所謂、左打ち）により、第一始動口１１および前記した四個の一般入賞口４１に入球可能である。このように左流下域３ａと右流下域３ｂとが構成されていることにより、遊技者は、右打ちと左打ちとを使い分けることで、各始動口１１，１２や大入賞口１４を狙った遊技を行うことができる。尚、本実施例の第一始動口１１は、遊技釘によって、右流下域３ｂを流下した遊技球が入球不能となっている。

遊技盤２の右下部には、複数個のＬＥＤからなる普通図柄表示装置７、普通図柄保留数表示装置８、第一特別図柄保留数表示装置１８、および第二特別図柄保留数表示装置１９と、７セグメント表示装置からなる第一特別図柄表示装置９および第二特別図柄表示装置１０とが配設されている。

図３は、パチンコ機１の電気配線を示すブロック図である。このブロック図には、単に信号を中継するいわゆる中継基板や電源基板等は記載されていない。また、詳細な図示は省略するが、主制御装置８０、払出制御装置８１、演出図柄制御装置８２、サブ統合制御装置８３のいずれもＣＰＵ、ＲＯＭ、ＲＡＭ、入力ポート、出力ポート等を備えている。そして、これら各制御装置のＣＰＵにより、２ｍｓ周期の割込信号により各ＲＯＭに搭載されたプログラムを開始し、各種制御を実行する。

主制御装置８０には、遊技盤中継端子板７４を介して、第一始動口１１に入球した遊技球を検出する第一始動口スイッチ１１ａ、第二始動口１２に入球した遊技球を検出する第二始動口スイッチ１２ａ、普通図柄作動ゲート１７を通過した遊技球を検出する普通ゲートスイッチ１７ａ、大入賞口１４に入球した遊技球を計数するためのカウントスイッチ１４ａ、一般入賞口４１に入球した遊技球を夫々検出する各一般入賞口スイッチ４１ａ等からの検出信号が入力される。

主制御装置８０は、そのＲＯＭに搭載されたプログラムに従って動作して、上記の検出信号等に基づいて遊技の進行に関わる各種のコマンドを生成し、該コマンドを払出制御装置８１およびサブ統合制御装置８３へ出力する。また、主制御装置８０は、図柄表示装置中継端子板７５を介して、第一特別図柄表示装置９、第二特別図柄表示装置１０、および普通図柄表示装置７の表示制御を行うと共に、第一特別図柄保留数表示装置１８、第二特別図柄保留数表示装置１９、および普通図柄保留数表示装置８の点灯制御を行う。さらに、主制御装置８０には、遊技盤中継端子板７４を介して、大入賞口ソレノイド１４ｂおよび普通電役ソレノイド１３ａも接続されている。主制御装置８０は、大入賞口ソレノイド１４ｂを駆動制御することで大入賞口１４を開閉制御し、普通電役ソレノイド１３ａを駆動制御することで、第二始動口１２を開閉制御する。また、主制御装置８０は、図柄変動や大当り等の管理用の信号を、外部接続端子板７８を介してホールコンピュータ８７に出力する。

払出制御装置８１は、主制御装置８０と双方向通信が可能に構成されており、主制御装置８０から送信されるコマンドに応じて払出モータ９０を駆動させて賞球を払い出す。本実施例では、賞球として払い出される遊技球を計数するための払出スイッチ９１の検出信号が、主制御装置８０と払出制御装置８１とに入力され、両者で賞球の計数を行う構成である。

さらに、払出制御装置８１には、満杯スイッチ９２および球切れスイッチ９３からの信号が入力される。満杯スイッチ９２は、下皿６３が満杯であることを検出するものであり、この検出に伴って信号を払出制御装置８１に出力する。球切れスイッチ９３は、球タンク（図示せず）で遊技球の貯留量が少ないこと又は貯留量が無いことを検出するものであり、この検出に伴って信号を払出制御装置８１に出力する。払出制御装置８１は、これら満杯スイッチ９２および球切れスイッチ９３から信号を入力すると、払出モータ９０を駆動停止させて、賞球の払出作動を停止させる。尚、満杯スイッチ９２および球切れスイッチ９３は、前記検出した状態が解消されるまで信号を出力し続ける構成になっており、払出制御装置８１は、該信号の入力停止によって、払出モータ９０の駆動を再開する。

払出制御装置８１は、ＣＲユニット端子板７９を介してＣＲユニット５６と交信可能であり、貸出コマンドに応じて払出モータ９０を駆動させて貸球を払い出す。ＣＲユニット端子板７９は、精算表示装置９４とも双方向通信可能に接続されており、精算表示装置９４に設けられた球貸スイッチと精算スイッチとからの信号が入力される。球貸スイッチは、貸出ボタン５７の操作を検出して信号を出力するものであり、精算スイッチは、精算ボタン５８の操作を検出して信号を出力するものである。また、払出制御装置８１は、発射制御装置８４にも接続されており、所定契機で該発射制御装置８４へ発射停止コマンドを送信する。

発射制御装置８４は、発射モータ９７を制御して遊技球を遊技領域３に発射させるものである。この発射制御装置８４には、上記した払出制御装置８１の他に、発射ハンドル６４からの回動量信号、タッチスイッチ９８からのタッチ信号、発射停止スイッチ９９からの発射停止信号が入力される。回動量信号は、遊技者が発射ハンドル６４を回動操作することで出力され、タッチ信号は、遊技者が発射ハンドル６４を触ることで出力され、発射停止信号は、遊技者が発射停止スイッチ９９を押すことで出力される。尚、発射制御装置８４は、タッチ信号を入力していなければ、遊技球を発射しないように制御すると共に、発射停止信号が入力されているときにも、発射ハンドル６４の操作に関わらず、遊技球を発射しないように制御している。

サブ統合制御装置８３は、主制御装置８０から送信されたデータおよびコマンドを受信し、これらを演出表示制御用、音制御用およびランプ制御用のデータに振り分けて、演出表示制御用のコマンドなどを演出図柄制御装置８２へ送信し、音制御用およびランプ制御用のデータを自身に含まれている各制御部位（音声制御装置およびランプ制御装置しての機能部品）に分配する。そして、音声制御装置としての機能部は、音声制御用のデータに基づいて音ＬＳＩを作動させることによって、スピーカ６６から音声を出力制御し、ランプ制御装置としての機能部は、ランプ制御用のデータに基づいてランプドライバを作動させることによって、各種ＬＥＤやランプ６５を発光制御する。

さらに、サブ統合制御装置８３には、演出ボタン６７、ジョグダイヤル６８、および決定スイッチ６９等の操作を夫々検出するスイッチが接続されており、各スイッチが遊技者による操作を検出すると、その信号が入力される。尚、ジョグダイヤル６８は、演出図柄制御装置８２に接続される構成であっても良い。

演出図柄制御装置８２は、サブ統合制御装置８３から送信されたデータおよびコマンド（主制御装置８０から送信されたものと、サブ統合制御装置８３で主制御装置８０からの入力および演出ボタン等の入力に基づいて生成されたもの）に基づく制御を行い、特別演出図柄などの演出画像を演出図柄表示装置６の表示画面に表示させる。尚、サブ統合制御装置８３と主制御装置８０との間は、演出中継端子板を介して主制御装置８０からサブ統合制御装置８３への一方向通信回路として構成され、サブ統合制御装置８３と演出図柄制御装置８２との間は、サブ統合制御装置８３から演出図柄制御装置８２への一方向通信回路として構成されている。

図示しない電源基板は、外部のＡＣ電源から供給される電力により直流電圧を生成する直流電源として構成されており、該電源基板に設けられた電源スイッチの操作によってパチンコ機１を構成する各部位に電力を供給する。この電源基板は、コンデンサなどから構成されるバックアップ電源を備えており、ＡＣ電源から電力供給中に該バックアップ電源に電力を蓄える。これにより、停電時には、主制御装置８０等（例えば、主制御装置８０のＲＡＭ等）に電力供給し、ＡＣ電源からの電力供給が停止後も、一定期間にわたって主制御装置８０のＲＡＭ内のデータが保持される。尚、バックアップ電源は、主制御装置８０に設けても良いし、電源基板以外の他の装置に設けて良い。この場合には、電源基板は、ＡＣ電源から電力供給されている状態で、バックアップ電源を備えた装置へ供給信号を出力し、電力供給が停止した状態で、バックアップ電源を備えた装置へ停電信号を出力する。

次に、本実施例のパチンコ機１の動作について説明する。
遊技領域３に発射された遊技球が前記左流下域３ａを流下して第一始動口１１に入球（図３の第一始動口スイッチ１１ａが遊技球を検出）すると、第一特別図柄表示装置９で第一特別図柄が変動を開始すると共に、該入球に起因して抽出された乱数を当否判定する。そして、変動開始から所定変動時間が経過すると、第一特別図柄を停止表示することで、この当否判定の結果が報知される。
ここで、第一始動口１１への入球に伴って抽出された乱数は、後述するように、第一保留記憶として記憶される。この第一保留記憶は最大四個まで記憶され、該第一保留記憶の記憶数（以下、第一保留記憶数という）は、第一特別図柄保留数表示装置１８の点灯数により表される。こうして記憶された第一保留記憶を消化することにより、前記当否判定と第一特別図柄の変動とが実行される。尚、第一保留記憶数は、第一保留記憶の未消化数を示している。

一方、遊技領域３に発射された遊技球が前記右流下域３ｂを流下して普通図柄作動ゲート１７を通過（図３の普通ゲートスイッチ１７ａが遊技球を検知）すると、普通図柄表示装置７で普通図柄が変動表示を開始すると共に、該入球に起因して抽出された乱数を当否判定する。そして、変動開始から所定時間後に停止した普通図柄が所定の当り態様であると、普通電動役物１３の翼片が駆動して、第二始動口１２へ遊技球が入球可能となる。ここで、普通電動役物１３の翼片は、一回の普通図柄の当りによって、後述の非開放延長モードで０．２秒間の開放を一回実行し、後述の開放延長モードで１秒間の開放を三回実行する。

この第二始動口１２に遊技球が入球（図３の第二始動口スイッチ１２ａが遊技球を検出）すると、第二特別図柄表示装置１０で第二特別図柄が変動を開始すると共に、該入球に起因して抽出された乱数を当否判定する。そして、変動開始から所定変動時間が経過すると、第二特別図柄を停止表示することで、この当否判定の結果が報知される。
ここで、第二始動口１２への入球に伴って抽出された乱数は、後述するように、第二保留記憶として記憶される。この第二保留記憶は最大四個まで記憶され、該第二保留記憶の記憶数（以下、第二保留記憶数という）は、第二特別図柄保留数表示装置１９の点灯数により表される。こうして記憶された第二保留記憶を消化することにより、前記当否判定と第二特別図柄の変動とが実行される。尚、第二保留記憶数は、第二保留記憶の未消化数を示している。

こうした第一特別図柄および第二特別図柄の変動中は、演出図柄表示装置６で各特別図柄の変動に連動した特別演出図柄１０１ａ～１０１ｃの変動表示を行う（図１８参照）。この演出図柄表示装置６での特別演出図柄１０１ａ～１０１ｃの変動表示と該特別演出図柄１０１ａ～１０１ｃの変動停止により表示される図柄態様（以下、停止図柄態様という）とによって、遊技者は各特別図柄の変動や当否判定の結果（大当り、小当り、又はハズレ）を知得できる。
ここで、本実施例にあって、第一特別図柄と第二特別図柄とは、第一始動口１１と第二始動口１２への入球順に関係無く、第二特別図柄の変動を優先して実行する。すなわち、未消化の第二保留記憶がある場合（第二保留記憶数が１個以上の場合）、未消化の第一保留記憶の有無に関係無く、該第二保留記憶が消化されて第二特別図柄の変動が開始される。そして、未消化の第二保留記憶が無い状態でのみ、第一保留記憶が消化されて第一特別図柄の変動が開始される。

前記第一保留記憶の消化により実行された当否判定結果が大当りであると、第一特別図柄表示装置９で第一特別図柄を所定の大当り図柄態様で停止させて、大当りを確定する。同様に、前記第二保留記憶の消化により実行された当否判定結果が大当りであると、第二特別図柄表示装置１０で第二特別図柄を所定の大当り図柄態様で停止させて、大当りを確定する。そして、演出図柄表示装置６では、第一特別図柄および第二特別図柄の大当り図柄態様に対応する停止図柄態様で特別演出図柄１０１ａ～１０１ｃが停止表示される。このように大当りが確定すると、大入賞口１４を開放する大当り遊技を実行する。大当り遊技は、大入賞口１４を開放する開放ラウンドを、インターバルを介して所定回数繰り返し実行する。
さらに、第二保留記憶の消化による当否判定結果が小当りであると、第二特別図柄を所定の小当り図柄態様で停止させると共に、演出図柄表示装置６で特別演出図柄を小当り図柄態様により停止表示させる。これにより、小当りを確定し、大入賞口１４を一回開閉する小当り遊技を実行する。尚、本実施例では、第二保留記憶の消化でのみ小当りか否かの判定を行う。そのため、第一保留記憶の消化では、大当りか否かを判定するのみである。

ここで、本実施例では、開放ラウンドのラウンド数が異なる二種類の大当り遊技を備えており、前記した第一保留記憶または第二保留記憶の消化による当否抽選で大当りと判定された場合に、いずれか一の大当り遊技を選択的に実行する。この大当り遊技の選択は、後述するように、第一始動口１１と第二始動口１２への入球により抽出される乱数（後述する第一，第二大当り図柄決定用乱数）に基づいて行われる。
二種類の大当り遊技は、図４，５に示すように、大入賞口１４を開放する開放ラウンドを１０回繰り返すロングタイプと、該開放ラウンドを４回繰り返すショートタイプとがあり、各開放ラウンドはインターバルを挟んで繰り返される。そして、いずれのタイプにあっても、各開放ラウンドでは、大入賞口１４の開放時間が３０秒経過するか、該大入賞口１４に１０個（規定数）の遊技球が入賞すると、該大入賞口１４を閉鎖して終了する。こうした大当り遊技では、ラウンド数の多いロングタイプが実行された場合に、ショートタイプに比して多くの遊技球を大入賞口１４に入球可能である。

また、前記した小当り遊技は、大入賞口１４を１．５秒間開放する作動を一回行うものである。こうした小当り遊技では、前記した大当り遊技に比して、賞球の獲得が困難である。

次に、本実施例のパチンコ機１の仕様について説明する。以下では、賞球数、大当り当選確率、小当り当選確率、普通図柄の当選確率、および各遊技状態について説明する。その他の仕様については、従来と同様であることから、説明を省略した。

図４に示すように、各始動口１１，１２、大入賞口１４、および一般入賞口４１に入球すると、夫々に設定された数の賞球が払い出される。具体的には、第一始動口１１への入球毎に３個の賞球が、第二始動口１２への入球毎に５個の賞球が、大入賞口１４への入球毎に１３個の賞球が、一般入賞口４１への入球毎に５個の賞球が、夫々払い出される。

また、本実施例の構成は、前記した当否判定で大当りに当選する確率を高くする機能を有するものであり、いわゆる確率変動機として構成されている。すなわち、本構成による遊技は、大入賞口１４を閉鎖したままで進行する遊技と該大入賞口１４を開放する上記の大当り遊技とに大別され、大入賞口１４を閉鎖したまま進行する遊技には、通常遊技状態、確変遊技状態、および時短遊技状態が設定されている。確変遊技状態は、大当り遊技の終了に伴って移行する遊技状態であり、通常遊技状態は、大当り遊技、確変遊技状態、および時短遊技状態の終了に伴って移行する遊技状態である。大当り遊技の終了後に通常遊技状態と確変遊技状態とのいずれに移行するかは、後述するように、第一始動口１１と第二始動口１２への入球により抽出される乱数（後述する第一，第二大当り図柄決定用乱数）に基づいて決定される。一方、時短遊技状態は、後述する時短移行条件の成立を契機として移行する遊技状態である。
ここで、通常遊技状態は「低確率モード／非開放延長モード」とする遊技状態であり、時短遊技状態は「低確率モード／開放延長モード」とする遊技状態であり、確変遊技状態は「高確率モード／開放延長モード」とする遊技状態である。尚、大当り遊技後に低確率モードと高確率モードとのいずれとなるかと、非開放延長モードと開放延長モードとのいずれとなるかとは、後述するように、第一始動口１１と第二始動口１２への入球により抽出される乱数（後述する第一，第二大当り図柄決定用乱数）に基づいて決定される。

前記低確率モードでは、予め設定された低当選確率を有効として、大当りか否かの当否判定を行い、前記高確率モードでは、該低当選確率よりも高い高当選確率を有効として、該当否判定を行う。すなわち、大当りか否かを判定する大当り当選確率には、前記低当選確率と高当選確率とが定められており、該低当選確率は、前記通常遊技状態または時短遊技状態における前記当否判定で用いられ、該高当選確率は、前記確変遊技状態における前記当否判定で用いられる。本実施例では、低確率モードにおける低当選確率が１／３００であり、高確率モードにおける高当選確率が１／３０である。

前記開放延長モードでは、普通図柄の当選確率を非開放延長モードに比して高確率とすると共に、該非開放延長モードに比して第二始動口１２の開放時間を延長する。具体的には、図４に示すように、非開放延長モードで普通図柄の当選確率が１／１０であり、開放延長モードでは該当選確率が９／１０である。そして、第二始動口１２の開放作動は、非開放延長モードで約０．２秒間の開放を一回行い、開放延長モードで約１秒間の開放を三回行う。さらに、開放延長モードでは、第一特別図柄と第二特別図柄との変動時間を、非開放延長モードの変動時間よりも短縮すると共に、普通図柄の変動時間を、非開放延長モードよりも短縮する。ここで、本実施例にあって、第一特別図柄と第二特別図柄との平均変動時間は、非開放延長モード（通常遊技状態）で２０秒に設定されている一方、開放延長モード（確変遊技状態および時短遊技状態）で５秒に設定されている。

前記した確変遊技状態は、当該遊技状態で、第一特別図柄の変動回数と第二特別図柄の変動回数との合計数（以下、特図変動回数という）が確変用の上限数値に達すること、または第一特別図柄と第二特別図柄とのいずれかが後述の大当り図柄態様で確定表示されること（大当り遊技が開始されること）を終了条件として、終了する。ここで、確変遊技状態で前記特図変動回数が前記確変用の上限数値に達した場合には、前記通常遊技状態へ移行する。尚、本実施例にあって、確変用の上限数値は、１００回に設定されている（図５参照）。
さらに、本実施例の構成は、リミッタ機能を備えており、前記確変遊技状態が大当り遊技を介して所定回数連続すると、次の大当り遊技の終了後には、通常遊技状態へ移行するようにしている。具体的には、確変遊技状態が大当り遊技を介して９回連続すると、１０回目の大当り遊技後に通常遊技状態へ移行する。すなわち、本実施例では、確変遊技状態を介して繰り返される大当り遊技が、最大１０回まで連続可能であり（換言すると、連荘回数の上限が１０回）、確変遊技状態の連続発生可能な上限回数（リミット回数）が９回に設定されている。

時短遊技状態は、前記低確率モード（通常遊技状態および時短遊技状態）における、第一特別図柄の変動回数と第二特別図柄の変動回数との合計数（以下、累積変動回数という）が、所定の閾数値に達することを条件（前記した時短移行条件）として、開始される。この累積変動回数は、電源投入などで実行されるＲＡＭクリア時と、大当り遊技の開始時（大当り確定時）又は終了時とでクリアされる。尚ここで、第一，第二特別図柄の変動回数は、第一，第二保留記憶の消化により当否判定する回数と実質的に同じであることから、前記累積変動回数は、第一保留記憶の消化により当否判定した回数と第二保留記憶の消化により当否判定した回数との合計数（所謂、累積判定回数）と換言できる。
一方、この時短遊技状態は、当該遊技状態で前記特図変動回数が時短用の上限値に達すること、または第一特別図柄と第二特別図柄とのいずれかが後述の大当り図柄態様で確定表示されること（大当り遊技が開始されること）を終了条件として、終了する。ここで、特図変動回数が時短用の上限値に達することにより時短遊技状態を終了する場合には、前記通常遊技状態へ移行する。
尚、本実施例にあって、時短移行条件の閾数値が９００回に設定されていると共に、時短用の上限値が１０００回に設定されている。すなわち、通常遊技状態や時短遊技状態での第一保留記憶の消化と第二保留記憶の消化とのいずれでも大当り確定しない場合に、これら保留記憶の消化により当否判定した回数の合計（大当り確定しない第一特別図柄の変動と第二特別図柄の変動との合計数）が、９００回（閾数値）に達すると、時短遊技状態に移行する。こうした時短遊技状態は、前記した確変遊技状態のように大当り遊技を介して移行するものでなく、前記時短移行条件の成立によって通常遊技状態から移行するものである。

また、本実施例では、前記した第二保留記憶の消化による当否判定で小当りに当選する小当り当選確率が、前記した各遊技状態（通常遊技状態、時短遊技状態、確変遊技状態）に関係無く、一律（例えば、１／６０）に設定されている。尚、本実施例では、小当り当選確率を一律としたが、これに限らず、上記の大当り当選確率と同様に、低確率モードと高確率モードとで異なる小当り当選確率が設定された構成としても良い。

次に、第一，第二特別図柄の大当り図柄態様について、図５を用いて説明する。
前述したように、第一特別図柄は、第一保留記憶の消化に基づいて第一特別図柄表示装置９で変動表示され、変動時間の経過後に、当否判定の結果を示す図柄態様で停止表示される。この第一特別図柄は、当否判定により大当り又はハズレ判定することから、大当りを示す図柄態様（大当り図柄態様）、またはハズレを示す図柄態様（ハズレ図柄態様）で停止表示して、大当り又はハズレを確定する。同様に、第二特別図柄は、第二保留記憶の消化に基づいて第二特別図柄表示装置１０で変動表示され、変動時間の経過後に、当否判定の結果を示す図柄態様で停止表示される。この第二特別図柄は、当否判定により大当り、小当り、又はハズレ判定することから、大当りを示す図柄態様（大当り図柄態様）、小当りを示す図柄態様（小当り図柄態様）、またはハズレを示す図柄態様（ハズレ図柄態様）で停止表示して、大当り、小当り、またはハズレを確定する。

第一特別図柄と第二特別図柄とには、夫々１０種類の大当り図柄態様が予め定められており、当否判定により大当り判定された場合に、第一，第二保留記憶の大当り図柄決定用乱数に従って、いずれか一の大当り図柄態様が決定される。

本実施例にあって、第一特別図柄には、図５（Ａ）に示すように、第１～第１０大当り図柄態様が定められており、各大当り図柄態様に、大当り遊技の内容と該大当り遊技後の遊技状態とが夫々割り当てられている。
第１～第４大当り図柄態様には、１０回のラウンド数を定めた大当り遊技と、前記した通常遊技状態とが割り当てられている。すなわち、第一特別図柄が第１～第４大当り図柄態様のいずれかで停止表示して確定すると、開放ラウンドを１０回繰り返す大当り遊技が実行され、該大当り遊技後に通常遊技状態（低確率モード／非開放延長モード）に移行する。
第５～第１０大当り図柄態様には、４回のラウンド数を定めた大当り遊技と、前記した確変遊技状態とが割り当てられている。すなわち、第一特別図柄が第５～第１０大当り図柄態様のいずれかで停止表示して確定すると、開放ラウンドを４回繰り返す大当り遊技が実行され、該大当り遊技後に確変遊技状態（高確率モード／開放延長モード）に移行する。

そして、前記確変遊技状態の終了条件として、第一特別図柄の変動回数と第二特別図柄の変動回数との合計数（特図変動回数）が１００回（前記の上限数値）に達することと、第一特別図柄と第二特別図柄とのいずれかが大当り図柄態様で確定表示されること（大当り遊技が開始されること）とが設定されている。これにより、確変遊技状態は、前記二の終了条件のうちで一方が成立することによって終了する。ここで、確変遊技状態で前記特図変動回数が１００回に達すると、該確変遊技状態とを終了して前記通常遊技状態に移行する。
尚、本実施例にあっては、第５～第１０大当り図柄態様による大当り遊技後に確変遊技状態へ移行した際に、特図変動回数の上限数値（１００回）をセットする。

こうした第１～第１０大当り図柄態様の選択は、予め定められた選択確率に従って行われる。すなわち、第一保留記憶の消化による当否抽選で大当り判定すると、各選択確率に従って第１～第１０大当り図柄態様が選択され、第一特別図柄を変動した後に、いずれかの大当り図柄態様で停止して確定表示される。具体的には、第１～第４大当り図柄態様の選択確率が４／２０、第５～第１０大当り図柄態様の選択確率が１６／２０に定められている。

第二特別図柄には、図５（Ｂ）に示すように、第１１～第２０大当り図柄態様が定められており、前述の第一特別図柄と同様に、各大当り図柄態様に、大当り遊技の内容と該大当り遊技後の遊技状態とが夫々割り当てられている。
第１１，第１２大当り図柄態様には、１０回のラウンド数を定めた大当り遊技と、前記した通常遊技状態とが割り当てられている。すなわち、第二特別図柄が第１１，１２大当り図柄態様のいずれかで停止表示して確定すると、開放ラウンドを１０回繰り返す大当り遊技が実行され、該大当り遊技後に通常遊技状態（低確率モード／非開放延長モード）に移行する。
第１３～第２０大当り図柄態様には、１０回のラウンド数を定めた大当り遊技と、前記した確変遊技状態とが割り当てられている。すなわち、第二特別図柄が第１３～第２０大当り図柄態様のいずれかで停止表示して確定すると、開放ラウンドを１０回繰り返す大当り遊技が実行され、該大当り遊技後に確変遊技状態（高確率モード／非開放延長モード）に移行する。

そして、前記確変遊技状態との終了条件として、第一特別図柄の変動回数と第二特別図柄の変動回数との合計数（特図変動回数）が１００回（前記の上限数値）に達することと、第一特別図柄と第二特別図柄とのいずれかが大当り図柄態様で確定表示されること（大当り遊技が開始されること）とが設定されており、いずれか一方の成立によって、確変遊技状態が終了する。ここで、確変遊技状態で前記特図変動回数が１００回に達すると、該確変遊技状態を終了して前記通常遊技状態に移行する。
尚、本実施例にあっては、第１３～第２０大当り図柄態様による大当り遊技後に時短遊技状態または確変遊技状態に移行した際に、特図変動回数の上限数値（１００回）をセットする。

こうした第１１～第２０大当り図柄態様大当り図柄態様の選択は、予め定められた選択確率に従って行われる。すなわち、第二保留記憶の消化による当否抽選で大当り判定すると、各選択確率に従って第１１～第２０大当り図柄態様が選択され、第二特別図柄を変動した後に、いずれかの大当り図柄態様で停止して確定表示される。具体的には、第１１，第１２大当り図柄態様の選択確率が４／２０、第１３～第２０大当り図柄態様の選択確率が１６／２０に夫々定められている。

本実施例にあっては、通常遊技状態で、第一始動口１１への入球が遊技者にとって有利であり、主に左打ちによる遊技が進行され易い。一方、時短遊技状態と確変遊技状態とでは、第二始動口１２への入球が遊技者にとって有利であることから、主に右打ちによる遊技が進行され易い。
詳述すると、通常遊技状態は、「低確率モード／非開放延長モード」であることから、普通図柄の当選確率（１／１０）が低く且つ該普通図柄の変動時間が長い。そのため、第二始動口１２への入球が困難であり、常時入球可能な第一始動口１１を狙った遊技を進めることが遊技者に有利と言える。一方、時短遊技状態と確変遊技状態とは、「開放延長モード」であることから、普通図柄の当選確率（９／１０）が極めて高く且つ該普通図柄の変動時間が短いと共に、優先消化される第二特別図柄の変動時間が短い。さらに、ラウンド数の多い（１０回）大当りに当選する可能性が高い。そのため、普通図柄作動ゲート１７と第二始動口１２とを狙った遊技を進めることが遊技者に有利である。

次に、主制御装置８０で実行される各種プログラムの処理について説明する。
図６に、メインルーチンのフローチャートを示す。メインルーチンは、Ｓ１０～Ｓ８０までの本処理と、該本処理を実行して余った時間内に時間の許す限り繰り返されるＳ８５の残余処理とから構成され、２ｍｓ毎のハード割り込みにより定期的に実行される。マイコンによるハード割り込みが実行されると、先ず正常割込であるか否かを判断する（Ｓ１０）。この判断処理は、メモリとしてのＲＡＭの所定領域の値が所定値であるか否かを判断することにより行われ、マイコンにより実行される処理が本処理に移行したとき、通常の処理を実行して良いか否かを判断するためのものである。

Ｓ１０で否定判定（すなわち、正常割り込みでないと判定）されると（Ｓ１０：Ｎｏ）、初期設定（Ｓ１５）を実行し、残余処理（Ｓ８５）に移行する。この初期設定では、例えば、上記ＲＡＭの所定領域への所定値の書き込み、第一および第二特別図柄を初期図柄とする等のＲＡＭの作業領域への各初期値の書き込み等が実行される。一方、Ｓ１０で肯定判定（すなわち、正常割り込みであると判定）されると（Ｓ１０：Ｙｅｓ）、初期値乱数の更新処理（Ｓ２０）、大当り決定用乱数の更新処理（Ｓ２５）、第一大当り図柄決定用乱数の更新処理（Ｓ３０）、第二大当り図柄決定用乱数の更新処理（Ｓ３５）、小当り図柄決定用乱数の更新処理（Ｓ４０）、当り決定用乱数の更新処理（Ｓ４５）、リーチ判定用乱数の更新処理（Ｓ５０）、変動パターン決定用乱数の更新処理（Ｓ５５）、入賞確認処理（Ｓ６０）、当否判定処理（Ｓ６５）、特別遊技処理（Ｓ７０）、不正監視処理（Ｓ７５）、画像出力処理等の各出力処理（Ｓ８０）を行って、次に割り込み信号が入力されるまでの残余時間内で初期値乱数の更新処理（Ｓ８５）をループ処理する。

次に、主制御装置８０で実行する始動入賞処理を、図７のフローチャートを用いて説明する。この始動入賞処理は、前記したメインルーチンの入賞確認処理（Ｓ６０）でコールされるサブルーチンの一つである。
始動入賞処理では、Ｓ１００で、第一始動口スイッチ１１ａが遊技球を検知したか否かを判定する。否定判定の場合には（Ｓ１００：Ｎｏ）、Ｓ１２０に進み、肯定判定の場合には（Ｓ１００：Ｙｅｓ）、Ｓ１０５に進む。Ｓ１０５では、第一保留記憶数が上限値（例えば、４個）に達しているか否かを判定する。肯定判定の場合には（Ｓ１０５：Ｙｅｓ）、Ｓ１２０へ進み、否定判定の場合には（Ｓ１０５：Ｎｏ）、Ｓ１１０に進む。

Ｓ１１０では、第一抽出乱数保留記憶処理を実行する。この第一抽出乱数保留記憶処理では、第一大当り決定用乱数、第一大当り図柄決定用乱数、リーチ判定用乱数、変動パターン決定用乱数等を抽出し、第一保留記憶として記憶すると共に、第一保留記憶数を示す第一保留数カウンタに１を加算して、該第一保留数カウンタの情報に従って第一特別図柄保留数表示装置１８を点灯させるために必要な処理を行う。

Ｓ１２０では、第二始動口スイッチ１２ａが遊技球を検知したか否かを判定する。否定判定の場合には（Ｓ１２０：Ｎｏ）、始動入賞処理を終了し、肯定判定の場合には（Ｓ１２０：Ｙｅｓ）、Ｓ１２５に進む。Ｓ１２５では、第二保留記憶数が上限値（例えば、４個）に達しているか否かを判定する。肯定判定の場合には（Ｓ１２５：Ｙｅｓ）、始動入賞処理を終了し、否定判定の場合には（Ｓ１２５：Ｎｏ）、Ｓ１３０に進む。

Ｓ１３０では、第二抽出乱数保留記憶処理を実行する。この第二抽出乱数保留記憶処理では、第二大当り決定用乱数、第二大当り図柄決定用乱数、リーチ判定用乱数、変動パターン決定用乱数等を抽出し、第二保留記憶として記憶すると共に、第二保留記憶数を示す第二保留数カウンタに１を加算して、該第二保留数カウンタの情報に従って第二特別図柄保留数表示装置１９を点灯させるために必要な処理を行う。

Ｓ１４０では、始動入賞コマンド送信処理を実行する。この始動入賞コマンド送信処理では、前記Ｓ１００により第一始動口スイッチ１１ａが遊技球を検知した場合に、該第一始動口スイッチ１１ａの球検知情報を含む始動入賞コマンドを、サブ統合制御装置８３に送信し、前記Ｓ１２０により第二始動口スイッチ１２ａが遊技球を検知した場合に、該第二始動口スイッチ１２ａの球検知情報を含む始動入賞コマンドを、サブ統合制御装置８３に送信する。

次に、主制御装置８０で実行する当否判定処理を、図８～１２のフローチャートを用いて説明する。この当否判定処理は、前記したメインルーチンの当否判定処理（Ｓ６５）でコールされるサブルーチンの一つである。

当否判定処理では、図８に示すように、特別電動役物の作動中（すなわち、大当り遊技または小当り遊技の実行中）であるか否かを判定する（Ｓ１５０）。そして、肯定判定の場合には（Ｓ１５０：Ｙｅｓ）、当否判定処理を終了し、否定判定の場合には（Ｓ１５０：Ｎｏ）、Ｓ１５５に進む。Ｓ１５５では、第一特別図柄または第二特別図柄の変動表示中か否かを判定する。そして、肯定判定の場合には（Ｓ１５５：Ｙｅｓ）、図１０のＳ２８０に進み、否定判定の場合には（Ｓ１５５：Ｎｏ）、Ｓ１６０に進む。Ｓ１６０では、第一特別図柄または第二特別図柄の確定表示中か否かを判定する。そして、肯定判定の場合には（Ｓ１６０：Ｙｅｓ）、図１１のＳ３００に進み、否定判定の場合には（Ｓ１６０：Ｎｏ）、Ｓ１６５に進む。

Ｓ１６５では、未消化の第二保留記憶があるか否かを判定し、肯定判定の場合には（Ｓ１６５：Ｙｅｓ）、Ｓ１７０に進み、否定判定の場合には（Ｓ１６５：Ｎｏ）、Ｓ１７５に進む。Ｓ１７０では、第二保留記憶の数をデクリメントすると共に、最も古い未消化の第二保留記憶を選択して、当該第二保留記憶に記憶された情報（乱数等の数値データ）を第二大当り判定用の所定のバッファに移動させる。こうして第二保留記憶を消化する。

Ｓ１７５では、未消化の第一保留記憶があるか否かを判定し、肯定判定の場合には（Ｓ１７５：Ｙｅｓ）、Ｓ１８０に進み、否定判定の場合には（Ｓ１７５：Ｎｏ）、当否判定処理を終了する。Ｓ１８０では、第一保留記憶の数をデクリメントすると共に、最も古い未消化の第一保留記憶を選択して、当該第一保留記憶に記憶された情報（乱数等の数値データ）を第一大当り判定用の所定のバッファに移動させる。こうして第一保留記憶を消化する。
尚、本実施例の当否判定処理では、第一保留記憶よりも第二保留記憶を優先して、当否判定の対象とする。そのため、第一保留記憶は、未消化の第二保留記憶が無い場合にのみ、当否判定の対象となる。

Ｓ１８５では、高確率フラグが１か否かを判定し、肯定判定の場合には（Ｓ１８５：Ｙｅｓ）、Ｓ１９０に進み、否定判定の場合には（Ｓ１８５：Ｎｏ）、Ｓ１９５に進む。ここで、高確率フラグ＝１は、前記した高確率モードであることを示し、該高確率フラグ＝０は、前記した低確率モードであることを示す。すなわち、高確率フラグ＝１であれば、前記した確変遊技状態（「高確率モード／開放延長モード」）であり、高確率フラグ＝０であれば、前記した通常遊技状態（「低確率モード／非開放延長モード」）、または時短遊技状態（「低確率モード／開放延長モード」）である。

Ｓ１９０では、高確率モード（高当選確率）に対応する当否判定用テーブル（確変テーブル）を選択し、選択した確変テーブルに基づいて、大当り判定用のバッファに移動された大当り決定用乱数を、大当りか否か判定する。ここで、第二保留記憶を消化した場合には、選択した確変テーブルに基づいて、大当り決定用乱数が、小当りか否かも判定する。このＳ１９０の処理後に、図９のＳ２００に進む。

一方、Ｓ１９５では、低確率モード（低当選確率）に対応する当否判定用テーブル（通常テーブル）を選択し、選択した通常テーブルに基づいて、大当り判定用のバッファに移動された大当り決定用乱数を、大当りか否か判定する。ここで、第二保留記憶を消化した場合には、選択した通常テーブルに基づいて、大当り決定用乱数が、小当りか否かも判定する。このＳ１９５の処理後に、図９のＳ２００に移行する。

Ｓ２００では、Ｓ１９０又はＳ１９５の判定結果に基づいて、大当りか否かを判定し、肯定判定の場合には（Ｓ２００：Ｙｅｓ）、Ｓ２０５に進み、否定判定の場合には（Ｓ２００：Ｎｏ）、Ｓ２２０に進む。

Ｓ２０５では、消化した保留記憶に係る大当り図柄決定用乱数（大当り判定用のバッファ内の大当り図柄決定用乱数）に基づいて、特別図柄の大当り図柄態様を決定する。詳述すると、第一保留記憶を消化した場合には、第一大当り図柄決定用乱数に基づいて、前記した第１～第１０大当り図柄態様のなかから一の大当り図柄態様を決定する（図５（Ａ）参照）。一方、第二保留記憶を消化した場合には、第二大当り図柄決定用乱数に基づいて、前記した第１１～第２０大当り図柄態様のなかから一の大当り図柄態様を決定する（図５（Ｂ）参照）。これら第１～第１０大当り図柄態様の決定と第１１～第２０大当り図柄態様の決定とは、前述したように、予め定められた選択確率に従って行われる。
ここで、第一保留記憶を消化した場合にあっては、第１～第４大当り図柄態様のいずれかを選択する確率が２０％であり、第５～第１０大当り図柄態様のいずれかを選択する確率が８０％である。すなわち、第一保留記憶の消化により大当り判定した場合に、大当り遊技後に前記した通常遊技状態（低確率モード／非開放延長モード）に移行する確率が２０％であり、確変遊技状態（高確率モード／開放延長モード）に移行する確率が８０％である。さらに、確変遊技状態（高確率フラグ＝１）では、大当り遊技を介して確変遊技状態が連続した回数（確変繰返回数）を参照して、該確変繰返回数が前記リミット回数（９回）に達したか否かを判定する。そして、リミット回数に達していない場合には、前記の選択確率により、第１～第１０大当り図柄態様が選択決定される一方、該リミット回数に達している場合には、第１～第４大当り図柄態様のみを選択する選択確率（１００％）に従って、該第１～第４大当り図柄態様のいずれか一を決定する。
一方、第二保留記憶を消化した場合にあっては、第１１，第１２大当り図柄態様のいずれかを選択する確率が２０％であり、第１３～第２０大当り図柄態様のいずれかを選択する確率が８０％である。すなわち、第二保留記憶の消化により大当り判定した場合にあっても、通常遊技状態および確変遊技状態に夫々移行する確率が、第一保留記憶の消化により大当り判定した場合と同じである。さらに、確変遊技状態（高確率フラグ＝１）では、前記した第一保留記憶の場合と同様に、確変繰返回数が前記リミット回数（９回）に達したか否かを判定する。そして、リミット回数に達していない場合には、前記の選択確率により、第１１～第２０大当り図柄態様が選択決定される一方、該リミット回数に達している場合には、第１１，第１２大当り図柄態様のみを選択する選択確率（１００％）に従って、該第１１，第１２大当り図柄態様のいずれか一を決定する。

続くＳ２１０の変動パターン決定処理では、消化した保留記憶に係る変動パターン決定用乱数およびリーチ判定乱数等（大当り判定用のバッファ内の変動パターン決定用乱数およびリーチ判定乱数等）と時短フラグとに基づいて、特別図柄の変動時間を決定し、該変動時間に応じて特別図柄の変動パターンを決定する。ここで、時短フラグ＝１は、前記した開放延長モードであることを示し、該時短フラグ＝０は、前記した非開放延長モードであることを示す。すなわち、時短フラグ＝１であれば、前記した確変遊技状態（「高確率モード／開放延長モード」）または時短遊技状態（「低確率モード／開放延長モード」）であり、時短フラグ＝０であれば、前記した通常遊技状態（「低確率モード／非開放延長モード」）である。
この変動パターン決定処理では、時短フラグに応じて、選定可能な特別図柄の変動時間が予め定められており、前記した変動パターン決定用乱数やリーチ判定乱数等に従って特別図柄の変動時間が決定される。すなわち、時短フラグ＝０（通常遊技状態）には、非開放延長モードであることから、非開放延長モードに対応する特別図柄の変動時間を選択可能とし、消化した保留記憶の変動パターン決定用乱数やリーチ判定乱数等により特別図柄の変動時間を決定する。一方、時短フラグ＝１の場合（確変遊技状態または時短遊技状態）には、特別図柄の変動時間を短縮する開放延長モードであることから、開放延長モードに対応する特別図柄の変動時間を選択可能とし、変動パターン決定用乱数やリーチ判定乱数等により変動時間を決定する。尚、リーチ判定乱数は、予め定められた各種リーチ演出（通常リーチ演出、ロングリーチ演出、スーパーリーチ演出など）を実行するか否かを決定するために用いられる。そして、いずれかのリーチ演出の実行を決定した場合に、決定したリーチ演出に応じて、特別図柄の変動時間が決定される。

続くＳ２１５では、前記Ｓ２０５で決定した大当り遊技内容に従って、大当り遊技のラウンド数と、大当り遊技後の遊技状態とを設定する（図５参照）。ここで、大当り遊技後に通常遊技状態に移行する場合には、前記低確率モード且つ非開放延長モードにすることを決定する。また、確変遊技状態に移行する場合には、前記した高確率モード且つ開放延長モードにすることを決定すると共に、前記確変用の上限数値を有効とする。さらに、Ｓ２１５では、大当り遊技に係る演出時間や演出パターン（大当り開始演出と大当り終了演出との演出時間や演出パターン）、およびインターバル時間等も設定する。
このＳ２１５の後に、Ｓ２６０に進む。

前記Ｓ２００の否定判定から続くＳ２２０では、特図変動数カウント処理を実行する。特図変動数カウント処理では、確変遊技状態（高確率フラグ＝１）の場合に、当該遊技状態で実行可能な当否判定の残り回数（前記確変用の上限数値に達するまでの残数＝確変回数）をデクリメントする。また、時短遊技状態（高確率フラグ＝０かつ時短フラグ＝１）の場合には、当該遊技状態で実行可能な当否判定の残り回数（前記時短用の上限数値に達するまでの残数＝時短回数）をデクリメントする。さらに、時短遊技状態と通常遊技状態との場合には、前記累積変動回数をインクリメントする。尚ここで、確変回数と時短回数とをデクリメントする処理と、累積変動回数をインクリメントする処理とは、第一保留記憶の消化と第二保留記憶の消化とのいずれの場合も実行される。

Ｓ２３０では、前記Ｓ１９０又はＳ１９５の判定結果に基づいて、小当りか否かを判定する。ここで、肯定判定の場合には（Ｓ２３０：Ｙｅｓ）、Ｓ２３５に進み、否定判定の場合には（Ｓ２３０：Ｎｏ）、Ｓ２５０に進む。尚、本実施例にあっては、前述したように、第二保留記憶を消化した場合にのみ、小当りか否かを判定することから、第一保留記憶を消化した場合には、Ｓ２３０で否定判定する（Ｓ２５０に進む）。

Ｓ２３５では、第二保留記憶に係る大当り図柄決定用乱数に基づき小当り図柄を決定し、Ｓ２４０に進む。
Ｓ２４０の変動パターン決定処理では、前記Ｓ２１０と同様に、第二保留記憶に係る変動パターン決定用乱数およびリーチ判定乱数等（大当り判定用のバッファ内の変動パターン決定用乱数およびリーチ判定乱数等）と前記時短フラグとに基づいて、第二特別図柄の変動時間を決定し、該変動時間に応じて第二特別図柄の変動パターンを決定する。
続くＳ２４５では、小当り遊技における大入賞口１４の開放作動パターンや小当り遊技に係る演出時間等を設定し、Ｓ２６０に進む。

さらに、前記Ｓ２３０の否定判定から続くＳ２５０では、前記Ｓ２１０と同様に、消化した保留記憶に係る変動パターン決定用乱数およびリーチ判定乱数等（大当り判定用のバッファ内の変動パターン決定用乱数およびリーチ判定乱数等）と前記時短フラグとに基づいて、特別図柄の変動時間や変動パターンを決定する。さらにＳ２５０では、これに先だって、ハズレ図柄を決定する処理を行う。続くＳ２５５では、ハズレにかかる処理を行い、Ｓ２６０に進む。
尚、本実施例では、Ｓ２５０でハズレ図柄を決定する処理を行うようにしたが、これに限らず、Ｓ２５０の前に、ハズレ図柄を決定する処理を備えた構成であっても良い。

Ｓ２６０では、前記Ｓ１７０およびＳ１８０でデクリメントした後における第一保留記憶数と第二保留記憶数とを示す保留数コマンドと、前記Ｓ１９０およびＳ１９５で判定された当否判定結果の情報（大当り、小当り、又はハズレ）を含むコマンドと、特別図柄の変動時間や停止態様や変動パターン等を含む変動開始コマンドとをサブ統合制御装置８３に送信する。この変動開始コマンドには、消化された保留記憶が第一保留記憶か第二保留記憶かを示す情報と、各種リーチ演出を実行するか否かの情報と、前記確変回数の情報と、時短回数の情報と、累積変動回数の情報とを含む。さらに、消化された保留記憶に応じて、第一特別図柄表示装置９または第二特別図柄表示装置１０を駆動制御して第一特別図柄または第二特別図柄を変動開始させ、当否判定処理を終了する。
尚、サブ統合制御装置８３は、こうしたコマンドを受信すると、該コマンドに示された情報（第一保留記憶数および第二保留記憶数、特別図柄の変動時間、各種リーチ演出の有無、当否判定結果、特別図柄の停止態様、大当り遊技内容など）を所定のバッファに記憶する。そして、サブ統合制御装置８３は、前記変動開始コマンドに伴って演出図柄制御装置８２へコマンドを送信し、該演出図柄制御装置８２は、受信した該コマンドに従って演出図柄表示装置６を駆動制御して、特別図柄の停止図柄態様および変動パターンの情報に対応する特別演出図柄の変動停止演出とリーチ演出などを決定し、決定した演出を演出図柄表示装置６で表示制御する。

前記したＳ１５５の肯定判定から続く図１０のＳ２８０では、特別図柄の変動時間が経過したか否かを判定し、肯定判定の場合には（Ｓ２８０：Ｙｅｓ）、Ｓ２８５に進み、否定判定の場合には（Ｓ２８０：Ｎｏ）、当否判定処理を終了する。Ｓ２８５では、特別図柄の変動表示を終了し、特別図柄の確定図柄（すなわち、上記したＳ２０５で決定した大当り図柄、Ｓ２３５で決定した小当り図柄、又はＳ２５０で決定したハズレ図柄）を表示させると共に、サブ統合制御装置８３に、演出図柄の確定表示を実行させる図柄確定コマンドを送信し、当否判定処理を終了する。

前記したＳ１６０の肯定判定から続く図１１のＳ３００では、特別図柄の確定表示の継続時間が終了したか否かを判定し、肯定判定の場合には（Ｓ３００：Ｙｅｓ）、Ｓ３０５に進み、否定判定の場合には（Ｓ３００：Ｎｏ）、当否判定処理を終了する。Ｓ３０５では、特別図柄の確定表示を終了し、Ｓ３１０に進む。Ｓ３１０では、確定表示された特別図柄が大当り図柄態様か否かを判定し、肯定判定の場合には（Ｓ３１０：Ｙｅｓ）、Ｓ３１５に進み、否定判定の場合には（Ｓ３１０：Ｎｏ）、図１２のＳ３６０に進む。Ｓ３１５では高確率フラグを参照して、該高確率フラグ＝１であるか否かを判定する。そして、肯定判定の場合には（Ｓ３１５：Ｙｅｓ）、Ｓ３２０に進み、否定判定の場合には（Ｓ３１５：Ｎｏ）、Ｓ３２５に進む。Ｓ３２０では、高確率フラグ＝０として、Ｓ３２５に進む。

Ｓ３２５では、時短フラグを参照して、時短フラグ＝１か否かを判定する。そして、肯定判定の場合には（Ｓ３２５：Ｙｅｓ）、Ｓ３３０に進み、否定判定の場合には（Ｓ３２５：Ｎｏ）、Ｓ３３５に進む。Ｓ３３０では、時短フラグ＝０として、Ｓ３３５に進む。

Ｓ３３５では、カウントクリア処理を実行する。このカウントクリア処理では、確変遊技状態であった場合に、前記確変回数（確変遊技状態における特別変動回数の残数）をクリアし、時短遊技状態であった場合に、前記時短回数（時短遊技状態における特別変動回数の残数）と前記累積変動回数をクリアする。さらに、通常遊技状態であった場合に、前記累積変動回数をクリアする。

続くＳ３４０では、状態指定コマンド送信処理を実行して、大当り遊技の態様を示すコマンドや、大当り遊技の開始を指示するコマンド等をサブ統合制御装置８３に送信する。ここで、本実施例の状態指定コマンド送信処理（Ｓ３４０）にあっては、高確率フラグと時短フラグとの両方がクリアされた場合に、確変遊技状態の終了を示す情報をサブ統合制御装置８３に送信し、時短フラグのみがクリアされた場合に、時短遊技状態の終了を示す情報をサブ統合制御装置８３に送信する。
その後、条件装置作動開始処理（Ｓ３４５）、役物連続作動装置作動開始処理（Ｓ３５０）、大当り開始演出処理（Ｓ３５５）を順次実行することで、大当り遊技を開始し、当否判定処理を終了する。

一方、前記Ｓ３１０の否定判定から続く図１２のＳ３６０では、高確率フラグを参照し、高確率フラグ＝１であるか否かを判定する。そして、肯定判定の場合には（Ｓ３６０：Ｙｅｓ）、Ｓ３６５に進み、否定判定の場合には（Ｓ３６０：Ｎｏ）、Ｓ３８０に進む。Ｓ３６５では、前記確変回数（確変遊技状態における特図変動回数の残数）を参照し、確変回数＝０か否かを判定する。そして、肯定判定の場合には（Ｓ３６５：Ｙｅｓ）、Ｓ３７０に進み、否定判定の場合には（Ｓ３６５：Ｎｏ）、Ｓ４２０に進む。Ｓ３７０では、高確率フラグ＝０とし、続くＳ３７５では、時短フラグ＝０とする。その後に、Ｓ４２０に進む。

Ｓ３８０では、時短フラグを参照し、時短フラグ＝１であるか否かを判定する。そして、肯定判定の場合には（Ｓ３８０：Ｙｅｓ）、Ｓ３８５に進み、否定判定の場合には（Ｓ３８０：Ｎｏ）、Ｓ４００に進む。Ｓ３８５では、前記時短回数（第一時短遊技状態における特図変動回数の残数）を参照し、時短回数＝０か否かを判定する。そして、肯定判定の場合には（Ｓ３８５：Ｙｅｓ）、Ｓ３９０に進み、否定判定の場合には（Ｓ３８５：Ｎｏ）、Ｓ４２０に進む。Ｓ３９０では、時短フラグ＝０として、Ｓ４２０に進む。

前記Ｓ３８０から続くＳ４００では、前記した累積変動回数（低確率モードにおける特図変動回数）が前記閾数値（９００回）に達したか否かを判定する。そして、肯定判定の場合には（Ｓ４００：Ｙｅｓ）、Ｓ４０５に進み、否定判定の場合には（Ｓ４００：Ｎｏ）、Ｓ４２０に進む。ここで、閾数値は、前記した時短移行条件を定めるものであり、Ｓ４００の肯定判定は、該時短移行条件の成立に相当する。

Ｓ４０５では、時短回数設定処理を実行する。時短回数設定処理では、時短遊技状態で実行可能な特図変動回数の上限値（時短用の上限値）を、時短回数に設定する。本実施例にあって、時短用の上限値が、前述したように１０００回に設定されていることから、時短回数設定処理では、時短回数＝１０００回とする。続くＳ４１０では、時短フラグ＝１として、Ｓ４２０に進む。

Ｓ４２０では、状態指定コマンド送信処理を実行する。本実施例の状態指定コマンド送信処理（Ｓ４２０）では、高確率フラグと時短フラグとの両方がクリアされた場合に、確変遊技状態の終了を示す情報を、サブ統合制御装置８３に送信し、時短フラグのみがクリアされた場合に、時短遊技状態の終了を示す情報をサブ統合制御装置８３に送信する。さらに、前記Ｓ４１０により時短フラグ＝１となった場合には、時短遊技状態の開始を示す情報をサブ統合制御装置８３に送信する。
続くＳ４２５では、確定表示された第二特別図柄が小当りになる図柄か否かを判定し、肯定判定の場合には（Ｓ４２５：Ｙｅｓ）、Ｓ４３０に移行し、特別電動役物作動開始処理（Ｓ４３０）、小当り開始演出処理（Ｓ４３５）を順次実行することで、小当り遊技の態様を示すコマンドや、小当り遊技の開始を指示するコマンド等をサブ統合制御装置８３に送信する等して小当り遊技を開始し、当否判定処理を終了する。また、Ｓ４２５で否定判定の場合には（Ｓ４２５：Ｎｏ）、当否判定処理を終了する。

次に、主制御装置８０で実行する大当り遊技処理を、図１３～１５のフローチャートを用いて説明する。この大当り遊技処理は、上記した当否判定処理により大当りとなった場合に、上記したメインルーチンの特別遊技処理（Ｓ７０）から実行される処理である。

大当り遊技処理では、図１３に示すように、役物連続作動装置の作動中（すなわち、大当り遊技の実行中）であるか否かを判定する（Ｓ５００）。ここで、肯定判定の場合には（Ｓ５００：Ｙｅｓ）、Ｓ５０５に進み、否定判定の場合には（Ｓ５００：Ｎｏ）、大当り遊技処理を終了する。

Ｓ５０５では、大入賞口１４の開放中であるか否かを判定し、肯定判定の場合には（Ｓ５０５：Ｙｅｓ）、図１４のＳ５５０に進み、否定判定の場合には（Ｓ５０５：Ｎｏ）、Ｓ５１０に進む。

Ｓ５１０では、大当り遊技における開放ラウンド間のインターバル中であるか否かを判定する。肯定判定の場合には（Ｓ５１０：Ｙｅｓ）、図１４のＳ５７０に進み、否定判定の場合には（Ｓ５１０：Ｎｏ）、Ｓ５１５に進む。Ｓ５１５では、大当り遊技の終了演出中であるか否かを判定する。肯定判定の場合には（Ｓ５１５：Ｙｅｓ）、図１５のＳ６００に進み、否定判定の場合には（Ｓ５１５：Ｎｏ）、Ｓ５２０に進む。

Ｓ５２０では、大当り遊技における開始演出時間が経過したか否かを判定する。肯定判定の場合には（Ｓ５２０：Ｙｅｓ）、Ｓ５２５に進み、否定判定の場合には（Ｓ５２０：Ｎｏ）、大当り遊技処理を終了する。

Ｓ５２５では、大入賞口１４を開放させる大入賞口開放処理を実行する。この大入賞口開放処理では、大入賞口１４の開放開始と同期して、開放ラウンドにおける大入賞口１４の最大開放時間として予め設定された開放時間（例えば、３０秒）の時間消化を開始する。この大入賞口開放処理の後に、大当り遊技処理を終了する。ここで、開放時間の時間消化は、開放タイマの減算処理により行う。具体的には、開放タイマは、前記開放時間（３０秒）に相当するカウンタ値が予め設定されており、大当り遊技処理の実行毎に（タイマ割り込み処理毎に）当該カウンタ値を減算する処理を実行し、当該カウンタ値＝０となった時点で開放時間が経過したとするものである。尚、当然ながら、開放時間の計測手段は、こうした開放タイマの減算処理に限らず、他の手段を用いることも可能である。
さらに、本実施例にあって、Ｓ５２５の大入賞口開放処理では、大入賞口１４の開放開始すると、開放ラウンドの開始を示す情報と第一回目の開放ラウンドであることを示す情報とを、サブ統合制御装置８３へ送信する。

前記Ｓ５０５の肯定判定から続く図１４のＳ５５０では、大入賞口１４に入球した遊技球の数が１０個となったか否かを判定する。肯定判定の場合には（Ｓ５５０：Ｙｅｓ）、Ｓ５６０に進み、否定判定の場合には（Ｓ５５０：Ｎｏ）、Ｓ５５５に進む。Ｓ５５５では、上記した開放タイマの時間消化により開放時間（３０秒）が経過したか否かを判定する。ここで、肯定判定の場合には（Ｓ５５５：Ｙｅｓ）、Ｓ５６０に進み、否定判定の場合には（Ｓ５５５：Ｎｏ）、大当り遊技処理を終了する。Ｓ５６０では、大入賞口閉鎖処理を実行し、大入賞口１４を閉鎖させる（開放ラウンドを終了する）。続くＳ５６５では、大当り遊技の各開放ラウンド間のインターバルを設定する大当りインターバル処理を実行し、大当り遊技処理を終了する。

前記Ｓ５１０の肯定判定から続く図１４のＳ５７０では、大当り遊技のインターバル時間が経過したか否かを判定する。ここで、肯定判定の場合には（Ｓ５７０：Ｙｅｓ）、Ｓ５７５に進み、否定判定の場合には（Ｓ５７０：Ｎｏ）、大当り遊技処理を終了する。Ｓ５７５では、最終ラウンドの終了か否かを判定し、肯定判定の場合には（Ｓ５７５：Ｙｅｓ）、Ｓ５８０に進み、否定判定の場合には（Ｓ５７５：Ｎｏ）、Ｓ５８５に進む。
Ｓ５８０では、大当り遊技を終了させる際の演出を行う大当り終了演出処理を実行する。さらに、本実施例では、最終の開放ラウンドが終了したことを示す情報を、サブ統合制御装置８３へ送信する。このＳ５８０の後に、大当り遊技処理を終了する。
Ｓ５８５では、大入賞口開放処理を実行する。この処理では、前記したＳ５２５と同様の処理を行い、大入賞口１４を開放させると共に、開放時間（３０秒）の時間消化を開始する。さらに、前記Ｓ５２５と同様に、開放ラウンドの開始を示す情報と、開始された開放ラウンド数を示す情報とを、サブ統合制御装置８３に送信する。

また、Ｓ５１５の肯定判定から続く図１５のＳ６００では、大当り終了演出の時間が終了したか否かを判定する。肯定判定の場合には（Ｓ６００：Ｙｅｓ）、Ｓ６０５に進み、該Ｓ６０５とＳ６１０とを順次実行する一方、否定判定の場合には（Ｓ６００：Ｎｏ）、大当り遊技処理を終了する。Ｓ６０５とＳ６１０とでは、役物連続作動装置と条件装置とを停止させ、Ｓ６１５に進む。

Ｓ６１５では、リミット回数カウント処理を実行し、確変繰返回数をインクリメントする。この確変繰返回数は、前述したように、大当り遊技を介して繰り返される確変遊技状態の回数を示すものであり、該確変遊技状態に移行する毎にカウントされる。そして、大当り遊技後に通常遊技状態へ移行される場合に、確変繰返回数がリセットされる。こうして確変繰返回数をカウントし、該確変繰返回数がリミット回数（９回）に達すると、前述したように当否判定処理で通常遊技状態へ移行する大当り図柄態様（第１～第４大当り図柄態様、第１１，第１２大当り図柄態様）が選択される。このＳ６１５の後に、Ｓ６２０に進む。

Ｓ６２０では、大当り遊技後に前記確変遊技状態に移行するか否かを判定する。そして、肯定判定の場合には（Ｓ６２０：Ｙｅｓ）、Ｓ６２５に進み、否定判定の場合には（Ｓ６２０：Ｎｏ）、Ｓ６４０に進む。Ｓ６２５では、確変遊技状態中に実行可能な特図変動回数の上限値（確変用の上限値）を、確変回数に設定する。ここで、本実施例にあっては、前述したように、確変用の上限値が１００回に設定されていることから、確変回数設定処理では、前記確変回数＝１００回とする。続くＳ６３０とＳ６３５とで、高確率フラグ＝１かつ時短フラグ＝１として、Ｓ６４０に進む。

Ｓ６４０とＳ６４５とでは、サブ統合制御装置８３に対して、大当り遊技に関する演出を終了させる大当り終了コマンドを送信する処理と、状態指定コマンド送信処理とを実行し、大当り遊技処理を終了する。ここで、本実施例にあっては、Ｓ６４５で、前記Ｓ６３０およびＳ６３５により設定された高確率フラグと時短フラグに応じて、通常遊技状態または確変遊技状態が開始されることを示す情報を、サブ統合制御装置８３へ送信する。すなわち、高確率フラグ＝１且つ時短フラグ＝１とした場合には、確変遊技状態の開始を示す情報を送信し、高確率フラグ＝０且つ時短フラグ＝０の場合には、通常遊技状態の開始を示す情報を送信する。さらに、確変遊技状態との開始を示す情報を送信する場合には、Ｓ６２５で設定された確変回数（特図変動回数の残数）の情報も送信する。

次に本発明の要部について説明する。
前述したように、本実施例の構成は、第一，二特別図柄表示装置９，１０での特別図柄の変動に伴って、演出図柄表示装置６で特別演出図柄１０１ａ～１０１ｃが変動表示される。そして、前記した当否判定処理による判定結果（大当り、小当り、およびハズレ）が、特別図柄の停止態様と特別演出図柄１０１ａ～１０１ｃの停止図柄態様とにより報知される。

ここで、演出図柄表示装置６の表示画面には、三個の特別演出図柄１０１ａ～１０１ｃが左右方向に並んで比較的大きく表示され（図１９参照）、特別図柄の変動開始に伴って、全ての特別演出図柄１０１ａ～１０１ｃが一斉に変動表示を開始し、左位置の特別演出図柄１０１ａ、右位置の特別演出図柄１０１ｃ、中位置の特別演出図柄の順で停止表示する（図２１参照）。三個の特別演出図柄１０１ａ～１０１ｃが全て同じ図柄で停止表示した停止図柄態様が、大当りの確定を示すものであり（図１８（Ｂ）参照）、特定の停止図柄態様（例えば、「１」、「２」、「３」）が、小当りの確定を示すものである。そして、これら以外の停止図柄態様が、ハズレの確定を示すものである。さらに、左位置の特別演出図柄１０１ａと右位置の特別演出図柄１０１ｃとが同じ図柄で順次停止すると、リーチとなって、所定のリーチ演出（図示せず）が実行される。このように演出図柄表示装置６の表示画面では、当否判定結果を報知する特別演出図柄１０１ａ～１０１ｃが変動表示されることから、遊技者は、演出図柄表示装置６で表示される特別演出図柄１０１ａ～１０１ｃを、遊技中に最も注視する。

尚、前述した特別演出図柄１０１ａ～１０１ｃの変動表示開始から停止表示までの一連の演出表示は、後述するように、サブ統合制御装置８３が、主制御装置８０から受信した変動開始コマンド（前記当否判定処理で送信）に従って、演出図柄制御装置８２を介して演出図柄表示装置６を制御することにより実行される。

また、本実施例の構成は、前述したように、遊技状態に応じて、遊技領域３の左流下域３ａと右流下域３ｂとに遊技球を打ち分けることが遊技者にとって有利であることから、左流下域３ａを狙う左打ちが有利な通常遊技状態で、遊技者に左打ちを促す図柄１１１（以下、左打ち通常図柄）を、演出図柄表示装置６の左上部で表示する（図１８（Ａ）参照）。一方、右流下域３ｂを狙う右打ちが有利な大当り遊技中、確変遊技状態、および時短遊技状態では、遊技者に右打ちを促す図柄１１２（以下、右打ち通常図柄）を、演出図柄表示装置６の右上部で表示する（図１８参照）。尚、前記左打ち通常図柄１１１と右打ち通常図柄１１２との夫々の表示条件を、図１６に示している。

さらに、演出図柄表示装置６では、図１６に示すように、大当り遊技を開始した際、時短遊技状態に移行した際、および確変遊技状態と時短遊技状態とで第一始動口１１へ入球した際に、前記右打ち通常図柄に比して大きなサイズの右打ち強調図柄１１３を所定時間（例えば、１０秒）表示する（図２０参照）。この右打ち強調図柄１１３は、時短遊技状態で表示される前記特別演出図柄１０１ａ～１０１ｃの大部分に覆い重ねられて表示される。こうした右打ち強調図柄１１３の表示により、特別演出図柄１０１ａ～１０１ｃを注視して遊技を進める遊技者に、右打ちを強く促すことができるから、前記した右打ち通常図柄１１２に比して、遊技者に右打ちを促す効果が著しく向上する。

ここで、大当り遊技は、通常遊技状態（左打ち）での大当り確定により開始された場合に、遊技者が該通常遊技状態から続けて左打ちを行うと、大入賞口１４に入球できず、該遊技者が不利益を被る虞がある。この不利益の発生を抑制するために、大当り遊技を開始した際に前記右打ち強調図柄１１３を表示する（図１８（Ｃ）参照）。これにより、右打ちが有利となったことを、遊技者に一層強く報知でき、大当り遊技における利得を該遊技者が適正に享受できるようにする。
また、時短遊技状態は、前述したように低確率モードによる遊技中に特別図柄の変動回数（累積変動回数）が閾数値に達すると（前記時短移行条件が成立すると）、通常遊技状態から移行することから、時短遊技状態に移行した際に、遊技者が該通常遊技状態から続けて左打ちを行うと、該時短遊技状態による有利性を享受できない。こうした有利性を適正に享受できるように、通常遊技状態に移行した際に前記右打ち強調図柄１１３を表示する（図２０参照）。これにより、右打ちが有利な状態となったことを、遊技者に一層強く報知でき、時短遊技状態における利得を該遊技者が適正に享受できるようにする。
さらにまた、確変遊技状態と時短遊技状態とでは、右打ちが有利であることから、第一始動口１１に入球することが希である。こうした確変遊技状態と時短遊技状態とで第一始動口１１への入球を検知すると、遊技者が誤って左打ちをしていると判断して、前記右打ち強調図柄１１３を表示する（図２１参照）。これにより、左打ちから右打ちに正すことができるから、確変遊技状態と時短遊技状態とにおける利得が該左打ちで享受できなくなっていることを抑制できる。

前記右打ち強調図柄１１３は、本実施例にあって、表示開始から所定時間経過すると、表示終了される。右打ち強調図柄１１３を表示する時間が、本実施例で１０秒に設定されている。すなわち、大当りを開始した際に、右打ち強調図柄１１３が１０秒間表示され、時短遊技状態に移行した際に、右打ち強調図柄１１３が１０秒間表示される。さらに、確変遊技状態と時短遊技状態とで第一始動口１１に入球すると、右打ち強調図柄１１３が１０秒間表示される。このように本実施例では、右打ち強調図柄１１３の表示時間（１０秒）が比較的短い時間であるが、遊技者が遊技中に最も注視している演出図柄表示装置６で大きく表示されることから、遊技者への報知効果は極めて高い。

さらに、本実施例の構成にあっては、右打ち強調図柄１１３の表示中に特別演出図柄１０１ａ～１０１ｃの停止図柄態様が表示される際に、該右打ち強調図柄１１３の表示を中断するようにしている。具体的には、時短遊技状態および確変遊技状態で変動表示する左位置の特別演出図柄１０１ａと右位置の特別演出図柄１０１ｃとが停止表示されたタイミングで、右打ち強調図柄１１３が表示中であると、当該右打ち強調図柄１１３の表示を演出図柄表示装置６の表示画面から消す。その後、中位置の特別演出図柄１０１ｂの停止により全ての特別演出図柄１０１ａ～１０１ｃの停止図柄態様が確定し、該停止図柄態様の確定表示時間（例えば、１秒間）が経過すると、右打ち強調図柄１１３を再表示する。ここで、前記確定表示時間が経過した際に未消化の保留記憶がある場合には、未消化の保留記憶が消化されて、特別演出図柄１０１ａ～１０１ｃが変動表示されることから、該変動表示する特別演出図柄１０１ａ～１０１ｃに重なって前記右打ち強調図柄１１３が再表示される。尚、右打ち強調図柄１１３は、前述したように１０秒間表示されることから、左右の特別演出図柄１０１ａ，１０１ｃの停止から停止図柄態様の確定表示時間の経過までの間に、前記１０秒間が経過した場合には、右打ち強調図柄１１３の再表示が行われないようにしている。

また、本実施例の構成では、右打ち強調図柄１１３の表示に伴って、右打ちを促す音声（以下、右打ち強調音）をスピーカ６６から発生するようにしている。この右打ち強調音は、例えば「右打ちしてください」という音声が１０秒間繰り返し発生させるものであり、右打ち強調図柄１１３の表示に同期して発生開始して、該右打ち強調図柄１１３の表示終了に同期して発生終了する。ここで、右打ち強調音の発生は、前記した右打ち強調図柄１１３の中断に関係無く、１０秒間継続される。すなわち、前述したように、右打ち強調図柄１１３は、特別演出図柄１０１ａ～１０１ｃの停止図柄態様が表示される際に、一旦表示を中断し、該停止図柄態様の確定表示時間の終了に伴って再表示されるが、右打ち強調音は、特別演出図柄１０１ａ～１０１ｃの停止図柄態様が表示されている間も、継続発生される。これは、右打ち強調音が発生していても、特別演出図柄１０１ａ～１０１ｃの停止図柄態様を遊技者が視認し難くなることが無く、さらに、右打ち強調図柄１１３の中断中も右打ちを遊技者に促すことができることに因る。

次に、前述した右打ち強調図柄１１３の表示制御と右打ち強調音の発生制御とを実行する打ち方演出処理について説明する。
図１７に、打ち方演出処理のフローチャートを示す。打ち方演出処理は、サブ統合制御装置８３で定期的（例えば、２ｍｓ周期のタイマ割り込み処理）に実行される。

打ち方演出処理は、Ｓ８００で時短遊技状態か否かを判定する。肯定判定の場合には（Ｓ８００：Ｙｅｓ）、Ｓ８３０に進み、否定判定の場合には（Ｓ８００：Ｎｏ）、Ｓ８０５に進む。ここで、時短遊技状態か否かの判定は、前記した当否判定処理のＳ３４０とＳ４２０とにより主制御装置８０から送信された情報に基づいて行われる。

Ｓ８０５では、確変遊技状態か否かを判定する。肯定判定の場合には（Ｓ８０５：Ｙｅｓ）、Ｓ８３０に進み、否定判定の場合には（Ｓ８０５：Ｎｏ）、Ｓ８１０に進む。ここで、確変遊技状態か否かの判定は、前記した当否判定処理のＳ３４０およびＳ４２０と大当り遊技処理のＳ６４５とにより主制御装置８０から送信された情報に基づいて行われる。

Ｓ８１０では、大当り遊技の開始を示すコマンド（大当り遊技開始コマンド）を受信したか否かを判定する。肯定判定の場合には（Ｓ８１０：Ｙｅｓ）、Ｓ８２０に進み、否定判定の場合には（Ｓ８１０：Ｎｏ）、Ｓ８１５に進む。ここで、大当り遊技開始コマンドは、前記当否判定処理のＳ３４０により主制御装置８０から送信される。

Ｓ８１５では、時短遊技状態の開始を示す情報（時短遊技開始コマンド）を受信したか否かを判定する。肯定判定の場合には（Ｓ８１５：Ｙｅｓ）、Ｓ８２０に進み、否定判定の場合には（Ｓ８１５：Ｎｏ）、打ち方演出処理を終了する。ここで、時短遊技開始コマンドは、前記当否判定処理のＳ４２０により主制御装置８０から送信される。

Ｓ８２０では、右打ち表示パターン決定処理を実行する。右打ち表示パターン決定処理では、前記した右打ち通常図柄１１２の表示パターンと、前記した右打ち強調図柄１１３の表示パターンとを決定する。このＳ８２０の後に、Ｓ８５０に進む。
ここで、右打ち通常図柄１１２は、前述したように、演出図柄表示装置６の表示画面の右上部で表示されるものであり、大当り遊技中、確変遊技状態、および時短遊技状態で継続して表示される。すなわち、右打ち通常図柄１１２の表示パターンは、右打ち通常図柄１１２を演出図柄表示装置６の表示画面の右上部で継続表示するためのパターンであり、こうして継続表示中の該右打ち通常図柄１１２は、前記大当り遊技、確変遊技状態、および時短遊技状態の終了を示す情報を検知した場合に、図示しない表示終了処理により表示終了される。一方、右打ち強調図柄１１３は、前述したように、前記右打ち通常図柄１１２に比して大きなサイズで表示されるものであり、大当り遊技の開始時と時短遊技状態の開始時とで１０秒間表示される。この右打ち強調図柄１１３の表示パターンは、右打ち強調図柄１１３を演出図柄表示装置６の表示画面で１０秒間表示させるパターンである。

Ｓ８５０では、右打ち音声パターン決定処理を実行する。右打ち音声パターン決定処理では、前記した右打ち強調音の音声パターンデータを生成する。そして、右打ち強調音の音声パターンデータを生成すると、サブ統合制御装置８３の音声制御装置としての機能部が、該音声パターンデータに基づいて音ＬＳＩを作動させることにより、スピーカ６６から右打ち強調音を発生させる。このＳ８５０の後に、Ｓ８９０に進む。
ここで、右打ち強調音の音声パターンデータは、前述したように「右打ちしてください」という音声の右打ち強調音を、１０秒間繰り返し発生させるためのデータである。このデータに従って前記音ＬＳＩを作動制御させることによって、スピーカ６６から、右打ち強調音（「右打ちしてください」）が１０秒間繰り返し出力される。

前記Ｓ８００の肯定判定とＳ８０５の肯定判定とから続くＳ８３０では、右打ち強調図柄１１３の表示中であるか否かを判定する。肯定判定の場合には（Ｓ８３０：Ｙｅｓ）、Ｓ８６０に進み、否定判定の場合には（Ｓ８３０：Ｎｏ）、Ｓ８３５に進む。
Ｓ８３５では、第一始動口１１に入球したか否かを判定する。肯定判定の場合には（Ｓ８３５：Ｙｅｓ）、Ｓ８４０に進み、否定判定の場合には（Ｓ８３５：Ｎｏ）、打ち方演出処理を終了する。ここで、第一始動口１１に入球したか否かは、前記した始動入賞処理のＳ１４０により主制御装置８０から受信した始動入賞コマンド（第一始動口スイッチ１１ａの球検知情報）に基づいて判定される。

Ｓ８４０では、強調表示パターン決定処理を実行する。この強調表示パターン決定処理では、前記した右打ち強調図柄１１３の表示パターンを決定する。このＳ８４０の後に、Ｓ８５０に進む。
ここで、このＳ８４０で決定される右打ち強調図柄１１３の表示パターンは、第一始動口１１への入球に際して、演出図柄表示装置６の表示画面で１０秒間表示させるパターンである。

前記Ｓ８３０の肯定判定から続くＳ８６０では、変動開始コマンドを受信したか否かを判定する。肯定判定の場合には（Ｓ８６０：Ｙｅｓ）、Ｓ８８０に進み、否定判定の場合には（Ｓ８６０：Ｎｏ）、打ち方演出処理を終了する。
ここで、変動開始コマンドは、特別図柄の変動開始を示すコマンドであり、前記当否判定処理のＳ２６０から主制御装置８０から送信される。そして、この変動開始コマンドには、前述したように、当否判定結果や特別図柄の変動時間などの情報が含まれている。

Ｓ８８０では、中断割込パターン決定処理を実行する。この中断割込パターン決定処理では、表示中の右打ち強調図柄１１３を、左右の特別演出図柄１０１ａ，１０１ｃの表示停止から全ての特別演出図柄１０１ａ～１０１ｃの確定表示終了までの間で、表示中断さる中断割込パターンを決定する。ここで、右打ち強調図柄１１３を表示中断させる期間は、前記変動開始コマンドに含まれる特別図柄の変動時間と変動パターンなどとに基づいて決定される。このＳ８８０の後に、Ｓ８９０に進む。

Ｓ８９０では、打ち方演出コマンド送信処理を実行する。打ち方演出コマンド送信処理では、前記Ｓ８２０で決定した右打ち通常図柄１１２の表示パターンと右打ち強調図柄１１３の表示パターンとを含むコマンド、前記Ｓ８４０で決定した右打ち強調図柄１１３の表示パターンを含むコマンド、および前記Ｓ８８０で決定した中断割込パターンを含むコマンドを、演出図柄制御装置８２へ送信する処理を行う。
ここで、本実施例にあっては、演出図柄表示装置６で表示する演出をシーケンス制御により実行しており、前記した右打ち通常図柄１１２を表示する演出と右打ち強調図柄１１３を表示する演出とを、シーケンスラインの切り替えにより実行する。
すなわち、大当り遊技、時短遊技状態、および確変遊技状態を開始した際には、サブ統合制御装置８３が図示しない演出処理により夫々に応じた遊技演出パターンを生成し、演出図柄制御装置８２を介して演出図柄表示装置６を駆動制御することにより、大当り遊技、時短遊技状態、および確変遊技状態における演出表示が実行される。同様に、特別図柄の変動を開始した際には、図示しない演出処理により、特別演出図柄１０１ａ～１０１ｃの変動表示開始から停止に至る一連の変動演出パターンを生成し、演出図柄制御装置８２を介して演出図柄表示装置６を駆動制御することにより、該特別演出図柄１０１ａ～１０１ｃの演出表示が実行される。一方、前記した右打ち通常図柄と右打ち強調図柄１１３との表示パターンや中断割込パターンが演出図柄制御装置８２へ送信された場合には、これらパターンを、実行中の前記遊技演出パターンや変動演出パターンに組み入れた新たな演出パターンが生成され、シーケンスラインの切換制御を実行することにより、新たな演出パターンに切り替える。これにより、演出図柄表示装置６では、前記した右打ち通常図柄や右打ち強調図柄１１３を表示すると共に、該右打ち強調図柄１１３を中断する演出が表示される。尚、こうしたシーケンスラインを切り替える制御処理は、従来から公知の技術を適用できることから、その詳細については省略する。

次に、前述した右打ち強調図柄１１３の演出態様を、以下の表示例により説明する。
例えば、通常遊技状態で第一保留記憶が消化されると、第一特別図柄表示装置９で第一特別図柄が変動開始し、これに伴って、図１８（Ａ）に示すように、演出図柄表示装置６の表示画面で特別演出図柄１０１ａ～１０１ｃが変動表示される。ここで、通常遊技状態では、演出図柄表示装置６の左上部に、前記左打ち通常図柄１１１が継続表示される。これにより、通常遊技状態では、左打ちが有利であることを、遊技者に報知している。

前記通常遊技状態で、前記当否判定処理により大当り判定された場合には、図１８（Ｂ）に示すように、特別演出図柄１０１ａ～１０１ｃが、大当りを示す図柄態様（大当り停止図柄態様）で停止する。これにより、大当りが確定する。さらに、特別演出図柄１０１ａ～１０１ｃが大当り停止図柄態様で停止表示すると、演出図柄表示装置６では、大当り確定を示すメッセージ図柄１２１が表示される。

大当り遊技が開始されると、演出図柄表示装置６の表示画面では、図１８（Ｃ）に示すように、大当り遊技の開始を示すメッセージ図柄１２２が表示されると共に、右打ち通常図柄１１２と右打ち強調図柄１１３とが表示される。右打ち通常図柄１１２は、演出図柄表示装置６の表示画面の右上部で、大当り遊技の終了まで継続して表示される。一方、右打ち強調図柄１１３は、演出図柄表示装置６の表示画面の中央部分に、前記右打ち通常図柄１１２に比して大きなサイズで表示される。この右打ち強調図柄１１３の表示により、大当り遊技中の右打ちを遊技者に強く促すことができる。そして、右打ち強調図柄１１３は、表示開始（大当り遊技の開始）から１０秒経過すると、表示終了される。
尚、大当り遊技が開始された際には、前記右打ち強調図柄１１３が演出図柄表示装置６で表示されると共に、スピーカ６６から前記右打ち強調音が繰り返し発せられる。この右打ち強調音は、右打ち強調図柄１１３と同様の発生開始から１０秒経過すると、発生終了される。

大当り遊技中は、図１８（Ｄ）に示すように、大当り遊技の実行中であることを示すメッセージ図柄１２４とキャラクタ図柄１２６とが表示されると共に、開閉ラウンド数を示す図柄１２５が表示される。そして、前述したように、右打ち通常図柄１１２も継続して表示される。
大当り遊技を終了した際には、図１８（Ｅ）に示すように、大当り遊技の終了を示すメッセージ図柄１２７が表示される。

大当り遊技の終了後に確変遊技状態に移行されると、演出図柄表示装置６の表示画面には、図１８（Ｆ）に示すように、該確変遊技状態を示す図柄１３０が表示される。この図柄１３０は、確変遊技状態で継続表示される。さらに、確変遊技状態では、演出図柄表示装置６の表示画面の右上部に、前記した右打ち通常図柄１１２が継続表示される。ここで、本実施例にあっては、確変遊技状態に移行した際に、前記した右打ち強調図柄１１３を表示しないようにしている。これは、確変遊技状態が、右打ちする大当り遊技から直接移行される遊技状態であり、遊技者が確変遊技状態の移行時に誤って左打ちする可能性が極めて低いためである。

一方、前記した通常遊技状態で変動表示する特別演出図柄１０１ａ～１０１ｃが、図１９（Ａ）～（Ｂ）に示すように、ハズレ停止図柄態様で停止すると、ハズレが確定する。ここで、本実施例では、前記した低確率モードでハズレ確定する特別図柄の変動が繰り返されると、該特別図柄の変動毎（保留記憶の消化毎）に前記累積変動回数がカウントされる。そして、通常遊技状態では、累積変動回数と前記閾数値（９００回）との差が所定の報知残数値に達する毎に、該報知残数値を示す図柄１３１が演出図柄表示装置６で表示される。本実施例にあって、前記報知残数値が、１００回単位（８００回、７００回、６００回など）と、５０回と、１０回以下における１回単位とに設定されている。尚、本実施例にあっては、時短遊技状態を遊タイムと呼称して報知する。

そして、通常遊技状態での前記累積変動回数が増加して、前記累積変動回数＝１回となると、図１９（Ｃ）に示すように、演出図柄表示装置６の表示画面で、該報知残数値＝１を示す図柄１３１が表示される。次に特別図柄が変動すると、通常遊技状態における累積変動回数が前記閾数値に達すること（前記時短移行条件が成立すること）から、当該特別図柄の変動停止に伴って、演出図柄表示装置６で特別演出図柄１０１ａ～１０１ｃがハズレ図柄態様で停止表示すると、図１９（Ｄ）に示すように、時短遊技状態へ移行することを示すメッセージ図柄１３２が表示される。ここで、右打ち通常図柄１１２は、前述したように、演出図柄表示装置６の表示画面の右上部に表示される。

時短遊技状態に移行すると、図２０（Ａ）に示すように、時短遊技状態であることを示す図柄１３３と、前記右打ち通常図柄１１２と、前記右打ち強調図柄１１３とが表示される。ここで、右打ち強調図柄１１３は、演出図柄表示装置６の表示画面の略中央部に、特別演出図柄１０１ａ～１０１ｃを部分的に覆うように表示される。そのため、右打ち強調図柄１１３の表示中は、特別演出図柄１０１ａ～１０１ｃが見難くなる。具体的には、右打ち強調図柄１１３が、中位置の特別演出図柄１０１ｂの大部分を覆い、かつ左右位置の特別演出図柄１０１ａ，１０１ｃをある程度覆うように表示される。そのため、右打ち強調図柄１１３の表示中は、左右位置の特別演出図柄１０１ａ，１０１ｃをある程度視認できる一方、中位置の特別演出図柄１０１ｂを視認し難い状態である。

時短遊技状態は、前述したように、ハズレ確定する特別図柄の平均変動時間が前記右打ち強調図柄１１３の表示時間よりも短いことから、該右打ち強調図柄１１３の表示中に、特別演出図柄１０１ａ～１０１ｃが順次停止表示される。図２０（Ｂ）に示すように、左右位置の特別演出図柄１０１ａ，１０１ｂが停止表示されると、図２０（Ｃ）に示すように、前記右打ち強調図柄１１３の表示を中断する。これにより、遊技者は、停止表示された左右位置の特別演出図柄１０１ａ，１０１ｂと、変動表示中の中位置の特別演出図柄１０１ｂとをはっきりと視認することができる。この後、図２０（Ｄ）に示すように、中位置の特別演出図柄１０１ｂが停止表示されることによって、特別演出図柄１０１ａ～１０１ｃがハズレ図柄態様で表示されると、ハズレが確定する。そして、特別演出図柄１０１ａ～１０１ｃの確定停止時間が経過すると、図２０（Ｅ）に示すように、未消化の保留記憶が消化されて特別演出図柄１０１ａ～１０１ｃの変動表示が開始されると共に、前記右打ち強調図柄１１３が再表示される。この後に、右打ち強調図柄１１３の表示時間（１０秒間）が経過すると、図２０（Ｆ）に示すように、当該右打ち強調図柄１１３の表示を終了する。このように時短遊技状態の開始から１０秒経過するまでの間で右打ち強調図柄１１３が表示され、該１０秒経過後は、時短遊技状態で前記右打ち通常図柄１１２が継続表示される（図２１（Ａ）参照）。
尚、このように時短遊技状態が開始される際には、右打ち強調図柄１１３の表示と共に、スピーカ６６から右打ち強調音が発生される。この右打ち強調音は、特別演出図柄１０１ａ～１０１ｃの停止表示に関係無く、発生開始から１０秒経過するまで繰り返し発生され、該１０秒経過により発生終了する。このように本構成では、右打ち強調図柄１１３が表示中断している最中も、右打ち強調音を繰り返し発生させていることから、遊技者に右打ちを強く促す効果を保つことができる。

時短遊技状態では、図２１（Ａ）に示すように、該時短遊技状態を示す図柄１３３と右打ち通常図柄１１２とが継続表示され、未消化の保留記憶の消化毎に特別演出図柄１０１ａ～１０１ｃが変動表示される。こうした時短遊技状態で、遊技球が第一始動口１１に入球すると、図２１（Ｂ）に示すように、特別演出図柄１０１ａ～１０１ｃを部分的に覆うように右打ち強調図柄１１３が表示される。ここで、前述したように、本実施例の構成では、左流下域３ａを流下した遊技球が第一始動口１１へ入球可能であることから、該第一始動口１１への入球検知によって左打ちの可能性がある。これにより、本実施例では、時短遊技状態（および確変遊技状態）で第一始動口１１への入球を検出すると、前記右打ち強調図柄１１３を表示して、遊技者に改めて右打ちを促すようにしている。

このように時短遊技状態で第一始動口１１への入球に伴って右打ち強調図柄１１３が表示された場合には、図２１（Ｃ）～（Ｄ）に示すように、左右位置の特別演出図柄１０１ａ，１０１ｃが停止表示されると、該右打ち強調図柄１１３の表示を中断する。そして、図２１（Ｅ）に示すように、中位置の特別演出図柄１０１ｂが停止表示される。その後、図２１（Ｆ）に示すように、特別演出図柄１０１ａ～１０１ｃが変動表示開始すると、右打ち強調図柄１１３の表示が再開される。尚、こうして第一始動口１１への入球に伴って表示された右打ち強調図柄１１３は、表示開始から１０秒経過すると、表示終了する（図示せず）。また、このように時短遊技状態で第一始動口１１へ入球した場合にも、時短遊技状態の開始時と同様に、右打ち強調音を発生させる。

さらに、本実施例にあっては、時短遊技状態で表示される右打ち強調図柄１１３の表示終了条件を、該右打ち強調図柄１１３の表示開始から１０秒経過することに設定した構成である。そのため、前記した特別演出図柄１０１ａ～１０１ｃの停止表示により表示中断している最中に１０秒経過すると、該右打ち強調図柄１１３の表示が終了されるようにしている。すなわち、右打ち強調図柄１１３の中断中に、当該右打ち強調図柄１１３の表示終了条件が成立すると、特別演出図柄１０１ａ～１０１ｃの停止表示時間が経過しても（次に未消化の保留記憶が消化されても）、右打ち強調図柄１１３の表示が再開されない。

また、前述した確変遊技状態であっても、時短遊技状態と同様に、第一始動口１１への入球に伴って右打ち強調図柄１１３が表示され、表示開始から１０秒経過すると、当該右打ち強調図柄１１３の表示が終了する（図示せず）。そして、右打ち強調図柄１１３の表示中に、左右位置の特別演出図柄１０１ａ，１０１ｃが停止表示されると、右打ち強調図柄１１３の表示を中断し、その後、次の特別演出図柄１０１ａ～１０１ｃの変動表示開始に伴って、右打ち強調図柄１１３の表示が再開される。尚、確変遊技状態であっても、右打ち強調図柄１１３の表示終了条件は、前記した時短遊技状態と同じである。そのため、右打ち強調図柄１１３の中断中に前記表示終了条件が成立すると、特別演出図柄１０１ａ～１０１ｃの停止表示時間が経過しても、右打ち強調図柄１１３の表示が再開されない。
また、前記した右打ち強調音は、確変遊技状態であっても、前記時短遊技状態と同様に発生される。

次に、本実施例の特徴を説明する。
本実施例のパチンコ機１は、前述したように、遊技状態に応じて右打ちと左打ちとを使い分ける遊技が行われる構成であって、右打ちが有利な大当り遊技を実行開始した際と通常遊技状態に移行した際とで、演出図柄表示装置６の表示画面で比較的大きなサイズの右打ち強調図柄１１３を表示するものであり、さらに、該右打ち強調図柄１１３の表示中に特別演出図柄１０１ａ～１０１ｃが停止表示される際に、当該右打ち強調図柄１１３の表示を中断するようにした。また、時短遊技状態と確変遊技状態とで、第一始動口１１への入球を検知すると、前記右打ち強調図柄１１３を表示するようにしている。
かかる構成によれば、右打ちが有利な大当り遊技の開始時と時短遊技状態の移行時とに、遊技者が最も注視する演出図柄表示装置６で、比較的大きなサイズの右打ち強調図柄１１３を表示することから、該大当り遊技と時短遊技状態とでの右打ちを遊技者に強く促すことができる。特に、右打ち強調図柄１１３は、演出図柄表示装置６の表示画面の略中央部で、該表示画面で表示される特別演出図柄１０１ａ～１０１ｃと部分的に重なる比較的大きなサイズで表示されて目立つことから、遊技者に右打ちを確実かつ安定して報知できる。そのため、大当り遊技の開始時と時短遊技状態の移行時とで左打ちされることによって遊技者が不利益を被ってしまうことを抑制する効果が向上する。さらに、特別演出図柄１０１ａ～１０１ｃの停止表示中に、こうした右打ち強調図柄１１３の表示を中断するようにしていることから、該特別演出図柄１０１ａ～１０１ｃの停止図柄態様を遊技者が明確に視認できる。これにより、遊技者は、特別演出図柄１０１ａ～１０１ｃの停止図柄態様で示される当否判定結果（大当り、小当り、又はハズレ）を確実に知得することができる。このように本実施例の構成は、右打ち強調図柄１１３の表示によって大当り遊技と時短遊技状態とで右打ちを遊技者に強く促すという作用効果と、特別演出図柄１０１ａ～１０１ｃの停止図柄態様により当否判定結果を報知するという作用効果との両方を、安定かつ十分に発揮できる。

ここで、本実施例にあっては、大当り遊技の終了後に確変遊技状態へ移行可能な構成であることから、確変遊技状態への移行時に前記右打ち強調図柄１１３の表示を行わない。これは、大当り遊技で右打ちが行われていることから、右打ちを強調して報知しなくとも、遊技者が大当り遊技から継続して右打ちを行い傾向にあるためである。一方、時短遊技状態は、通常遊技状態での特別図柄の変動回数（累積変動回数）が所定の閾数値に達することを条件として、該通常遊技状態から移行する遊技状態である。そのため、時短遊技状態に移行した際に右打ち強調図柄１１３が表示されることによって、右打ちが有利な時短遊技状態に移行したことを、遊技者に明確に報知でき、遊技者に右打ちを強く促すことができる。

さらに、本実施例では、表示中の右打ち強調図柄１１３を、左右位置の特別演出図柄１０１ａ，１０１ｂが停止することにより表示中断する構成であるから、全ての特別演出図柄１０１ａ～１０１ｃの停止により当否判定結果が報知される瞬間を、遊技者が確実に視認できる。そのため、特別演出図柄１０１ａ～１０１ｃの停止図柄態様により報知される当否判定結果を待つ遊技者のドキドキ感を刺激するという、特別演出図柄１０１ａ～１０１ｃの有する本来の作用効果を安定して発揮させことができる。

さらに、大当り遊技を開始した際と時短遊技状態に移行した際とで、前記右打ち強調図柄１１３の表示と共に、スピーカ６６から右打ち強調音を繰り返し発生させる。ここで、本実施例では、前記右打ち強調音を、前記した特別演出図柄１０１ａ～１０１ｃの停止表示に関係無く、繰り返し発生させる。こうした右打ち強調音により、遊技者に右打ちを一層強く促すことができると共に、右打ち強調図柄１１３の表示を中断している最中でも遊技者に右打ちを継続的に促すことができる。

また、本実施例では、確変遊技状態と時短遊技状態とで第一始動口１１への入球を検知すると、演出図柄表示装置６で前記右打ち強調図柄１１３を表示し且つスピーカ６６から前記右打ち強調音を発生することから、これら遊技状態で誤って左打ちした際に、右打ちに正すことができる。これにより、遊技者は、確変遊技状態と時短遊技状態とにおける利得を適正かつ確実に享受できる。

また、大当り遊技中、確変遊技状態、および時短遊技状態では、演出図柄表示装置６の表示画面の右上部で右打ち通常図柄１１２を継続表示する一方、通常遊技状態では、該表示画面の左上部で左打ち通常図柄１１１を継続表示する。これにより、各遊技状態に応じて有利な右打ち又は左打ちを、安定して報知できるという作用効果もある。

以下に、前述した実施例で用いた用語と、特許請求の範囲に記載した用語との対応関係を説明する。
パチンコ機１が、本発明にかかる弾球遊技機の一例に相当する。
遊技領域３の左流下域３ａが、本発明にかかる第一流下域の一例に相当し、右流下域３ｂが、本発明にかかる第二流下域の一例に相当する。
発射ハンドル６４と発射制御装置８４とが、本発明にかかる球発射手段の一例に相当する。
当否判定処理により未消化の保留記憶（第一保留記憶と第二保留記憶）を消化することが、本発明にかかる変動開始条件の一例に相当する。
通常遊技状態が、本発明にかかる第一遊技状態の一例に相当し、時短遊技状態が、本発明にかかる第二遊技状態の一例に相当する。
サブ統合制御装置８３と演出図柄制御装置８２とが、本発明にかかる演出図柄制御手段の一例に相当する。
通常遊技状態で累積変動回数が所定の閾数値（９００回）に達することが、本発明にかかる状態移行条件の一例に相当する。
当否判定処理のＳ４００～Ｓ４１０が、本発明にかかる遊技状態移行手段の一例に相当する。
通常遊技状態で累積変動回数が所定の閾数値（９００回）に達すること（前記時短移行条件）、および確変遊技状態と時短遊技状態とで第一始動口１１の入球を検知することが、本発明にかかる打ち方演出条件の一例に相当する。
右打ち強調図柄１１３が、本発明にかかる打ち方演出図柄の一例に相当する。
打ち方演出処理が、本発明にかかる打ち方演出制御手段および打ち方演出表示手段の一例に相当する。
右打ち強調図柄１１３の表示開始から１０秒経過することが、本発明にかかる表示終了条件の一例に相当する。
打ち方演出処理のＳ８２０とＳ８４０とにより右打ち強調図柄１１３の表示パターンを決定することが、本発明にかかる打ち方演出終了処理の一例に相当する。
打ち方演出処理のＳ８８０により中断割込パターンを決定することが、本発明にかかる打ち方演出中断処理の一例に相当する。
左右位置の特別演出図柄１０１ａ，１０１ｃの両者が停止表示したタイミングが、本発明にかかる特別演出図柄の変動表示開始から停止表示までの間の所定タイミングの一例に相当する。
累積変動回数が、本発明にかかる累積判定回数（当否判定の判定回数）の一例に相当する。
当否判定処理のＳ２２０が、本発明にかかる判定計数手段の一例に相当する。
右打ち強調音が、本発明にかかる打ち方演出音の一例に相当する。
打ち方演出処理のＳ８５０が、本発明にかかる打ち方演出音発生手段の一例に相当する。

以下に、前述した実施例の別例について説明する。
実施例にあって、右打ち強調図柄１１３のサイズは、特別演出図柄１０１ａ～１０１ｃの少なくとも一部と重なる構成であれば、適宜変更して設定することもできる。例えば、実施例に比して、右打ち強調図柄のサイズを大きくすることが可能であり、該右打ち強調図柄が特別演出図柄１０１ａ～１０１ｃの大部分を覆うように重なるサイズである構成とすることもできる。

実施例は、確変遊技状態が開始される際に、右打ち強調図柄１１３を表示しないように制御した構成であるが、これに限らず、確変遊技状態の開始時でも右打ち強調図柄１１３を表示する構成としても良い。ここで、確変遊技状態の開始時に右打ち強調図柄１１３を表示する場合には、実施例の時短遊技状態と同様に、該右打ち強調図柄１１３の中断と再開を制御すると共に、同じ表示終了条件（表示開始から１０秒経過）により表示終了する構成が好適である。

実施例は、大当り遊技が開始される際に、右打ち強調図柄１１３を表示する構成としたが、これに限らず、大当り遊技の開始時に右打ち強調図柄１１３を表示しない構成とすることもできる。

実施例は、累積変動回数が閾数値に到達することによってのみ時短遊技状態に移行する構成としたが、これに限らず、大当り遊技の終了後にも時短遊技状態に移行可能な構成とすることも可能である。ここで、大当り遊技の終了後に時短遊技状態に移行した際には、右打ち強調図柄１１３を表示するようにしても良いし、該右打ち強調図柄１１３を非表示とするようにしても良い。さらには、特別図柄（特別演出図柄）が所定の時短当り態様で確定停止した場合に時短遊技状態に移行する構成とすることもできる。この構成では、時短当り態様で特別図柄が確定することにより時短遊技状態へ移行した際に、前記右打ち強調図柄１１３を表示することが好適である。

実施例は、低確率モード（通常遊技状態および時短遊技状態）でのみ、累積変動回数を累積（カウント）するようにした構成であるが、これに限らず、該累積変動回数を累積する遊技状態は適宜変更して設定できる。例えば、実施例にあって、通常遊技状態（非開放延長モード）でのみ累積変動回数を累積する構成としても良い。また、確変遊技状態でのみ累積変動回数の累積を非実行とする構成、時短遊技状態でのみ累積変動回数の累積を非実行とする構成等としても良い。

実施例は、右打ち強調図柄１１３の表示終了条件が、該右打ち強調図柄１１３の表示開始から１０秒経過することとした構成であるが、これに限らず、表示終了条件は適宜変更して設定可能である。例えば、右打ち強調図柄１１３の表示開始から５秒経過することや２０秒経過すること等に設定しても良いし、右打ち強調図柄１１３の表示中に所定個数（例えば、１個や３個）の遊技球が第二始動口１２に入球することや、該右打ち強調図柄１１３の表示中に所定数の賞球が発生すること等とすることも可能である。さらには、相互に異なる複数の表示終了条件を予め設定し、遊技の進行に応じて一の表示終了条件を選択的に有効とするようにしても良い。

実施例は、特別演出図柄１０１ａ～１０１ｃの停止により表示中の右打ち強調図柄１１３を中断し、且つ中断中も前記表示終了条件の１０秒を継続して時限消化する構成としたが、これに限らず、該中断中では１０秒の時限消化も中断する構成とすることもできる。この構成によれば、右打ち強調図柄１１３の表示時間が必ず１０秒間表示されることから、該右打ち強調図柄１１３により右打ちを強く促す効果が一層強く発揮され得る。

実施例は、確変遊技状態と時短遊技状態とで表示中の右打ち強調図柄１１３を、左右位置の特別演出図柄１０１ａ，１０１ｃが停止したタイミングで、表示中断するようにした構成であるが、これに限らず、この表示中断するタイミングは適宜変更して設定することが可能である。例えば、中位置の特別演出図柄１０１ｃが停止する所定時間（例えば、０．５秒や１秒）前のタイミングで、右打ち強調図柄１１３を表示中断するようにしても良い。又は、右位置の特別演出図柄１０１ａの停止したタイミング、特別演出図柄１０１ａ～１０１ｃの変動開始タイミング、該変動開始から所定時間（例えば、１秒や２秒）経過したタイミング、全特別演出図柄１０１ａ～１０１ｃの変動停止する所定時間（例えば、１秒や２秒）前のタイミングなどで、右打ち強調図柄１１３を表示中断する構成とすることもできる。

実施例は、右打ち通常図柄１１２を、大当り遊技中、確変遊技状態、および時短遊技状態で継続して表示する構成であるが、これに限らず、該右打ち通常図柄１１２を継続表示しない構成とすることも可能である。例えば、右打ち強調図柄１１３の表示中では右打ち通常図柄１１２を非表示とする構成としたり、表示開始から所定時間（例えば、右打ち強調図柄１１３よりも長い３０秒や１分）経過すると非表示とする構成としたりすることも可能である。さらには、右打ち通常図柄１１２の表示と非表示とを繰り返す構成としても良い。また、同様に、左打ち通常図柄１１１を通常遊技状態で継続表示しない構成とすることもできる。

実施例は、右打ち強調図柄１１３の表示と共に右打ち強調音をスピーカ６６から発生させる構成としたが、これに限らず、右打ち強調音を発生させない構成とすることも可能である。また、実施例は、右打ち強調音の発生開始する条件を、右打ち強調図柄１１３の表示開始する条件と同じとし、且つ右打ち強調音の終了条件を、右打ち強調図柄１１３の表示終了条件と同じとしたが、これに限らず、右打ち強調音の開始条件と終了条件とを適宜変更することも可能である。具体例として、右打ち強調音の開始条件は、右打ち強調図柄１１３の表示開始条件と同じとする一方で、該右打ち強調音の終了条件は、右打ち強調図柄１１３の表示終了条件と異なる条件（例えば、発生開始から２０秒）とすることができる。

実施例は、右打ち強調音を、特別演出図柄１０１ａ～１０１ｃの停止に関係無く、１０秒間繰り返し発生させるようにした構成であるが、これに限らず、右打ち強調図柄と同様に、特別演出図柄１０１ａ～１０１ｃの停止の際に右打ち強調音の発生を中断させる構成としても良い。さらには、特別演出図柄１０１ａ～１０１ｃの停止の際に、右打ち強調音の音量を低減させるようにすることも可能である。

実施例にあって、通常遊技状態に移行した際に、左打ち強調図柄を表示する構成とすることもできる。この左打ち強調図柄は、実施例の右打ち強調図柄１１３を同様に、演出図柄表示装置６で特別演出図柄１０１ａ～１０１ｃの一部を覆うように表示されるものが好適である。かかる構成によれば、通常遊技状態へ移行した際に、遊技者に左打ちを強く促すことができる。尚、この構成では、左打ち強調図柄の表示終了条件を、右打ち強調図柄と同様の表示終了条件に設定しても良いし、第一始動口に所定個数（例えば、１個や３個）が入球することに設定しても良い。さらに、右打ち強調図柄と同様、特別演出図柄１０１ａ～１０１ｃが停止した際に、前記左打ち強調図柄を表示中断させることが好適である。

１ パチンコ機（遊技機）
３ 遊技領域
３ａ 左流下域（第一流下域）
３ｂ 右流下域（第二流下域）
６ 演出図柄表示装置
１１ 第一始動口
１２ 第二始動口
６６ スピーカ
１０１ａ～１０１ｃ 特別演出図柄
１１３ 右打ち強調図柄（打ち方演出図柄）

Claims (1)

1. 遊技球が流下する第一流下域と第二流下域とを備えた遊技領域と、
   前記遊技領域へ遊技球を発射する球発射手段と、
   前記第一流下域を流下する遊技球が入球可能な第一始動口と、
   前記第二流下域を流下する遊技球が入球可能な第二始動口と、
   前記第一始動口と第二始動口とへの入球に起因して、当否判定する当否判定手段と、
   所定の変動開始条件の成立を契機として、演出図柄表示装置で特別演出図柄の変動を開始し、該開始から所定時間経過後に、前記当否判定手段の判定結果を示す図柄態様で停止表示させる演出図柄制御手段と、
   前記当否判定手段で実行される当否判定の判定回数を累積する判定計数手段と、
   前記判定計数手段により累積された累積判定回数が所定の閾数値に達すると、前記第二始動口に比して前記第一始動口へ遊技球が入球し易い第一遊技状態から、該第一遊技状態に比して第二始動口へ遊技球が入球し易い第二遊技状態へ移行する遊技状態移行手段と
   を備えた弾球遊技機において、
   前記第一遊技状態で前記累積判定回数が前記閾数値に達することに基づいて、前記第二流下域を狙った遊技球の発射を促す打ち方演出図柄を、前記演出図柄表示装置で表示される前記特別演出図柄の少なくとも一部と重なるように表示する打ち方演出制御手段を備え、
   前記打ち方演出制御手段は、
   前記演出図柄表示装置で表示する前記打ち方演出図柄を、所定の表示終了条件の成立に基づいて表示終了させる打ち方演出終了処理と、
   前記打ち方演出図柄の表示中に前記特別演出図柄が停止表示される際に、当該打ち方演出図柄の表示を中断する打ち方演出中断処理と
   を備えたものであることを特徴とする弾球遊技機。
   
   
   

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