JP2022045279A - 酢酸含有飲食品 - Google Patents

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Abstract

【課題】保存後の青臭さが抑制された酢酸含有飲食品を提供すること。【解決手段】酢酸を0.02w/v%以上含有し、且つ(A1成分)6-メチル-5-ヘプテン-2-オンを0.001ppb以上含有する、酢酸含有飲食品。【選択図】なし

Description

本発明は、酢酸含有飲食品等に関する。
酢酸は、調味成分として、またその静菌作用等を期待して、各種食品において利用されている。また、近年では、健康志向の高まりと共に、酢酸の各種有用作用、例えば内臓脂肪低減作用、血圧の抑制作用、食後の血糖値上昇抑制作用等を期待して、飲料として積極的に摂取することが広まっている。
しかしながら、酢酸含有飲食品には、酢酸(特に醸造酢)に由来する酸臭(酢酸臭)、刺激臭(セメダインやシンナー様の臭い)、及びムレ臭(むれた足や、脱いだ靴下の臭い)が感じられることがあり、これらが酢酸含有飲食品の摂取の妨げになり得る。特に、上記有用作用を期待する場合は、酢酸含有飲食品を日常的に摂取することが重要であるので、この問題の解決が特に重要となる。
特許文献1では、酢酸を含有する飲食品中に、酢酸とヘキサナールの含有質量比が特定の範囲になるように、ヘキサナールを添加するという、簡易かつ汎用的な方法で、食品の味に悪影響を及ぼすことなく酢酸含有飲食品の酢酸臭を低減する方法が提案されている。本技術によれば、酢酸含有飲食品の調製直後の酢酸臭を低減することはできるが、加熱や、流通・保管といった経時後には、青臭さ(油っぽい草様の香り、青汁、トマトなどの野菜ジュース、大豆によくある不快なグリーン臭、段ボール様の香り、紙様の香り、古米様の香り)が強く感じられるようになるため、風味(香り、味)が悪化し、酢酸含有飲食品の摂取の妨げになる問題があった。
また、酢酸含有飲食品、特に飲料においては、果汁の風味をつけて美味しく且つ飲みやすくするため、一般的に果汁を配合することが多い。果汁の配合により、調製直後は飲みやすくはなるが、加熱や、流通・保管といった経時後には(酢酸存在下でより果汁等が劣化することによると思われる)青臭さが強く感じられるようになるため、風味が悪く飲みにくい、といった問題があった。特に、ブルーベリー果汁や、ぶどう果汁や、ラズベリー果汁といった(青臭さが風味として感じられるような)果汁においては、この問題はより顕著であった。
特開2010-124696号公報
酢酸含有飲食品は、加熱や、流通・保管といった経時により、青臭さ(油っぽい草様の香り、青汁、トマトなどの野菜ジュース、大豆によくある不快なグリーン臭、段ボール様の香り、紙様の香り、古米様の香り)が感じられるようになり、風味が悪化してしまうことがある。適量のヘキサナールや果汁を含有させることは、調製直後の酢酸含有飲食品の酢酸臭や刺激臭を低減することがあるものの、経時により発現する青臭さをより強くしてしまう傾向にある。
本発明は、保存後の青臭さが抑制された酢酸含有飲食品を提供することを課題とする。好ましくは、本発明は、保存後の青臭さに加えて、保存後における、酢酸臭、刺激臭、及びムレ臭からなる群より選択される少なくとも1種の臭気も抑制された酢酸含有飲食品を提供することを課題とする。
本発明者は上記課題に鑑みて鋭意研究を進めた結果、酢酸を0.02w/v%以上含有し、且つ(A1成分)6-メチル-5-ヘプテン-2-オンを0.001ppb以上含有する、酢酸含有飲食品、であれば、上記課題を解決できることを見出した。本発明者はこの知見に基づいてさらに研究を進めた結果、本発明を完成させた。即ち、本発明は、下記の態様を包含する。
項1. 酢酸を0.02w/v%以上含有し、且つ(A1成分)6-メチル-5-ヘプテン-2-オンを0.001ppb以上含有する、酢酸含有飲食品.
項2. 前記A1成分の含有量が0.005~1000ppbである、項1に記載の酢酸含有飲食品.
項3. ヘキサナールを含有し、且つ酢酸濃度値(w/v%)に対するヘキサナールの濃度値(ppb)の比(ヘキサナールの濃度値(ppb)/酢酸濃度値(w/v%))が0.01以上である、項1又は2に記載の酢酸含有飲食品.
項4. 前記比(ヘキサナールの濃度値(ppb)/酢酸濃度値(w/v%))が0.05~100000である、項3に記載の酢酸含有飲食品.
項5. (A2成分)3-メチル-1-ブタノール、(A3成分)酪酸エチル、(A4成分)1-ヘキサノール、及び(A5成分)酢酸2-メチルブチルからなる群より選択される少なくとも1種の香気成分を含有する、項1~4のいずれかに記載の酢酸含有飲食品.
項6. 前記香気成分の合計含有量が0.01ppb以上である、項5に記載の酢酸含有飲食品.
項7. (要件2a)前記A2成分の含有量が0.5ppb以上であること、
(要件3a)前記A3成分の含有量が0.01ppb以上であること、
(要件4a)前記A4成分の含有量が0.01ppb以上であること、及び
(要件5a)前記A5成分の含有量が0.01ppb以上であること
からなる群より選択される少なくとも1種の要件を満たす、項5又は6に記載の酢酸含有飲食品.
項8. 果汁を含有する、項1~7のいずれかに記載の酢酸含有飲食品.
項9. 果汁含有率(ストレート果汁換算)が0.1質量%以上700質量%以下である、項8に記載の酢酸含有飲食品.
項10. 前記果汁がブルーベリー果汁、イチゴ果汁、ザクロ果汁、ブドウ果汁、ラズベリー果汁、カシス果汁、柑橘果汁、リンゴ果汁、メロン果汁、ウメ果汁、モモ果汁である、項8又は9に記載の酢酸含有飲食品.
項11. 飲料又は該飲料の調製用組成物である、項1~10のいずれかに記載の酢酸含有飲食品.
項12. 酢酸を含有量が0.02w/v%以上になるように配合すること、及び(A1成分)6-メチル-5-ヘプテン-2-オンを含有量が0.001ppb以上になるように配合することを含む、保存後の青臭さと、保存後の酢酸臭、刺激臭、及びムレ臭からなる群より選択される少なくとも1種とが抑制された酢酸含有飲食品の製造方法.
項13. (A1成分)6-メチル-5-ヘプテン-2-オンを含有量が0.001ppb以上になるように配合することを含む、酢酸含有飲食品の保存後の青臭さと、保存後の酢酸臭、刺激臭、及びムレ臭からなる群より選択される少なくとも1種とを抑制する方法.
項14. (A1成分)6-メチル-5-ヘプテン-2-オンを含有する、酢酸含有飲食品の保存後の青臭さと、保存後の酢酸臭、刺激臭、及びムレ臭からなる群より選択される少なくとも1種との抑制剤.
本発明によれば、保存後の青臭さが抑制された酢酸含有飲食品を提供することができる。また、本発明の好ましい一態様によれば、保存後の青臭さに加えて、保存後における、酢酸臭、刺激臭、及びムレ臭からなる群より選択される少なくとも1種の臭気も抑制された酢酸含有飲食品を提供することができる。
本明細書中において、「含有」及び「含む」なる表現については、「含有」、「含む」、「実質的にからなる」及び「のみからなる」という概念を含む。
本明細書中において、「及び(並びに、且つ)/又は(若しくは、或いは)」なる表現については、「及び(並びに、且つ)」と「又は(若しくは、或いは)」の両方の意を包含する。例えば「a及び/又はb」は、a及びbとa又はbの両方の意を包含し、a単独、b単独、及びaとbの両方の3つを示す。
本明細書において、「保存後の」とは、例えば長期保存後のことであり得る。より具体的には、例えば、0~40℃、10~35℃、又は15~30℃で、0.4ケ月以上、1ヶ月以上、3ヶ月以上、6ヶ月以上、8ヶ月以上、10ヶ月以上、12ケ月以上保存後のことであり得る。保存は、通常、容器中で密封された状態である。また、保存後の臭気(例えば青臭さ、ムレ臭、刺激臭、酢酸臭等)の抑制は、その時点で発する臭気が抑制されることのみならず、現時点では臭気が発せられていなくともその後の保存により発せられる臭気が抑制されることをも包含する。
本発明は、その一態様において、酢酸を0.02w/v%以上含有し、且つ(A1成分)6-メチル-5-ヘプテン-2-オンを0.001ppb以上含有する、酢酸含有飲食品(本明細書において、「本発明の酢酸含有飲食品」と示すこともある。)に関する。以下に、これについて説明する。
本発明の酢酸含有飲食品中の各成分の濃度の算出方法は、次の通りである。本発明の酢酸含有飲食品中の成分の濃度は、その成分の配合量が明らかである場合(例えば、酢酸含有飲食品が精製された各成分を混合することにより得られたものである場合等)はその配合量及び酢酸含有飲食品の容量から算出することができ、その成分の配合量が不明である場合は、後述の試験例1に記載の方法に従って又は準じて算出することができる。なお、本明細書中の「ppm」、及び「ppb」は、いずれも質量濃度(w/w)である。
本発明の酢酸含有飲食品は酢酸を含有するが、酢酸とは、酢酸分子(CH3COOH)と酢酸イオン(CH3COO-)をいい、酢酸の含有量とは、これらを合計した濃度をいう。本発明の酢酸含有飲食品中の酢酸の含有量は、0.02w/v%以上である限り、特に制限されない。この程度の含有量である場合、さらには下記の好ましい下限値以上の濃度である場合、酢酸臭の不快さがより大きくなるとともに、保存後の青臭さがより強く感じられるようになる。すなわち本発明の酢酸臭や保存後の青臭さの抑制技術の必要性がより高くなる。該含有量は、そのまま喫食(特に飲用)するために適しているという観点、喫食に供される飲食品の調製に適しているという観点等(特に、そのまま喫食(特に飲用)するために適しているという観点)から、好ましくは0.02~15w/v%、より好ましくは0.02~10w/v%、さらに好ましくは0.02~8w/v%、よりさらに好ましくは0.02~7w/v%、とりわけ好ましくは0.04~6w/v%、特に好ましくは0.05~5w/v%である。なお、本発明の酢酸含有飲食品における酢酸の由来は、飲食品に適する由来である限り特に限定されず、例えば、食品添加物由来(本発明の酢酸含有飲食品の酢酸が該食品添加物に含まれる酢酸)であることもできるし、飲食品に配合される調味料、食品原料等の由来(本発明の酢酸含有飲食品の酢酸が調味料、食品原料等に含まれる酢酸)であることもできる。
本発明の酢酸含有飲食品は、酢酸と共に、保存後の青臭さ源の1つとして、ヘキサナールを含有し得る。ヘキサナールは、果汁等の各種食品に含まれる成分である。本発明の酢酸含有飲食品がヘキサナールを含有する場合、(調製直後においては酢酸臭を抑制することができるが、)流通・保管といった経時後には青臭さがより強く感じられるようになる。また、青臭さだけでなく、刺激臭やムレ臭といった不快臭もヘキサナールを含有させることで、より強く感じられるようになる。すなわち、本発明の保存後の青臭さをはじめ、刺激臭やムレ臭の抑制技術の必要性がより高くなる。本発明の酢酸含有飲食品がヘキサナールを含有する場合、ヘキサナールの由来は、飲食品に適する由来である限り特に限定されず、例えば、添加されるフレーバー等の製剤由来(本発明の酢酸含有飲食品のヘキサナールが該製剤に含まれるヘキサナール)であることもできるし、飲食品に配合される調味料、食品原料等の由来(本発明の酢酸含有飲食品のヘキサナールが調味料、食品原料等に含まれるヘキサナール)であることもできる。
本発明の酢酸含有飲食品がヘキサナールを含有する場合、ヘキサナールの含有量は、例えば0.001ppb以上である。該含有量は、保存後の青臭さ、ムレ臭、刺激臭、酢酸臭等の抑制効果の観点等から、好ましくは0.01~100000ppb、より好ましくは0.05~50000ppb、さらに好ましくは0.1~20000ppb、よりさらに好ましくは0.2~20000ppb、とりわけ好ましくは0.5~20000ppb、とりわけより好ましくは1~20000ppbである。上記範囲の上限及び/下限を任意に入れ替えてなる範囲も、本願明細書において例示される。該含有量の上限又は下限は、上記範囲からさらに低い値又は高い値であることができ、これらの値は、例えば1ppb、3ppb、5ppb、10ppb、30ppb、50ppb、100ppb、300ppb、1000ppb、3000ppb、5000ppb、10000ppb、又は15000ppbであることができる。本発明の酢酸含有飲食品は、一態様において、要件0aとして、上記含有量の範囲のいずれかを満たすことができる。
本発明の酢酸含有飲食品がヘキサナールを含有する場合、酢酸濃度値(w/v%)に対するヘキサナールの濃度値(ppb)の比(=単位をppbとした場合のヘキサナールの濃度の数値を、単位をw/v%とした場合の酢酸濃度の数値で除してなる比(ヘキサナールの濃度値(ppb)/酢酸濃度値(w/v%)))は、特に制限されない。該比は、保存後の青臭さ、ムレ臭、刺激臭、酢酸臭等の抑制効果の観点等から、好ましくは0.001以上、より好ましくは0.01~100000、さらに好ましくは0.05~100000、よりさらに好ましくは0.1~50000、とりわけ好ましくは0.2~20000、とりわけより好ましくは0.5~20000、とりわけさらに好ましくは1~20000である。上記範囲の上限及び/下限を任意に入れ替えてなる範囲も、本願明細書において例示される。該比の上限又は下限は、上記範囲からさらに低い値又は高い値であることができ、これらの値は、例えば1、3、5、10、30、50、100、300、1000、3000、5000、10000、又は15000であることができる。本発明の酢酸含有飲食品は、一態様において、要件0bとして、上記含有量の範囲のいずれかを満たすことができる。
A1成分(6-メチル-5-ヘプテン-2-オン、5-Hepten-2-one, 6-methyl-(CAS登録番号:110-93-0))は、香気成分であり、香気成分データベース(Aroma Office Ver.7.0 西川計測株式会社製)上の香気特性は次の通りである:キノコ様、油っぽい、ビター。A1成分により、保存後の青臭さ及び酢酸臭を抑制することができる。また、A1成分の含有量を調整することにより、これらの抑制効果をより(場合によっては、顕著に)向上させることができる。さらに、A1成分の含有量を調整することにより、保存後のムレ臭及び刺激臭からなる群より選択される少なくとも1種をも抑制でき、さらにはこれらの効果をより(場合によっては、顕著に)向上させることができる。なお、A1成分の由来は、飲食品に適する由来である限り特に限定されず、例えば、添加されるフレーバー等の製剤由来(本発明の酢酸含有飲食品のA1成分が該製剤に含まれるA1成分)であることもできるし、飲食品に配合される調味料、食品原料等の由来(本発明の酢酸含有飲食品のA1成分が調味料、食品原料等に含まれるA1成分)であることもできる。
本発明の酢酸含有飲食品中のA1成分の含有量は0.001ppb以上である。該含有量は、保存後の青臭さ、ムレ臭、刺激臭、酢酸臭等の抑制効果の観点等から、好ましくは0.001~10000ppb、より好ましくは0.002~5000ppb、さらに好ましくは0.005~2000ppb、よりさらに好ましくは0.005~1000ppb、よりさらに好ましくは0.01~500ppb、とりわけ好ましくは0.02~200ppb、とりわけより好ましくは0.05~100ppbである。上記範囲の上限及び/下限を任意に入れ替えてなる範囲も、本願明細書において例示される。該含有量の上限又は下限は、上記範囲からさらに低い値又は高い値であることができ、これらの値は、例えば0.1ppb、0.3ppb、0.5ppb、1ppb、3ppb、5ppb、10ppb、30ppb、50ppb、又は70ppbであることができる。本発明の酢酸含有飲食品は、一態様において、要件1aとして、上記含有量の範囲のいずれかを満たすことができる。
本発明の酢酸含有飲食品は、保存後の青臭さ、ムレ臭、刺激臭、酢酸臭等の抑制効果の観点等から、好ましくは(A2成分)3-メチル-1-ブタノール、(A3成分)酪酸エチル、(A4成分)1-ヘキサノール、及び(A5成分)酢酸2-メチルブチルからなる群より選択される少なくとも1種の香気成分を含有することができる。
A2成分(3-メチル-1-ブタノール、1-Butanol, 3-methyl-(CAS登録番号:123-51-3))は、香気成分であり、香気成分データベース(Aroma Office Ver.7.0 西川計測株式会社製)上の香気特性は次の通りである:キャラメル様、チーズ様、ワイン様。A2成分により、保存後の青臭さ、ムレ臭、刺激臭、酢酸臭等の抑制効果を発揮すること、或いは当該抑制効果をより(場合によっては、顕著に)向上させることができる。なお、本発明の酢酸含有飲食品がA2成分を含有する場合、A2成分の由来は、飲食品に適する由来である限り特に限定されず、例えば、添加されるフレーバー等の製剤由来(本発明の酢酸含有飲食品のA2成分が該製剤に含まれるA2成分)であることもできるし、飲食品に配合される調味料、食品原料等の由来(本発明の酢酸含有飲食品のA2成分が調味料、食品原料等に含まれるA2成分)であることもできる。
本発明の酢酸含有飲食品がA2成分を含有する場合、本発明の酢酸含有飲食品中のA2成分の含有量は特に制限されない。該含有量は、例えば0.1ppb以上である。該含有量は、保存後の青臭さ、ムレ臭、刺激臭、酢酸臭等の抑制効果の観点等から、好ましくは0.2ppb以上、より好ましくは0.5ppb以上、さらに好ましくは0.5~20000ppb、よりさらに好ましくは0.7~20000ppb、よりさらに好ましくは1~15000ppb、とりわけ好ましくは1~10000ppb、とりわけより好ましくは2~10000ppb、とりわけさらに好ましくは5~5000ppb、とりわけよりさらに好ましくは7~5000ppb、特に好ましくは10~5000ppbである。上記範囲の上限及び/下限を任意に入れ替えてなる範囲も、本願明細書において例示される。該含有量の上限又は下限は、上記範囲からさらに低い値又は高い値であることができ、これらの値は、例えば30ppb、50ppb、100ppb、300ppb、500ppb、1000ppb、又は3000ppbであることができる。本発明の酢酸含有飲食品は、一態様において、要件2aとして、上記含有量の範囲のいずれかを満たすことができる。
A3成分(酪酸エチル、Butanoic acid, ethyl ester(CAS登録番号:105-54-4))は、香気成分であり、香気成分データベース(Aroma Office Ver.7.0 西川計測株式会社製)上の香気特性は次の通りである:甘い、バナナ様、ヘーゼルナッツ様。A3成分により、保存後の青臭さ、ムレ臭、刺激臭、酢酸臭等の抑制効果を発揮すること、或いは当該抑制効果をより(場合によっては、顕著に)向上させることができる。なお、本発明の酢酸含有飲食品がA3成分を含有する場合、A3成分の由来は、飲食品に適する由来である限り特に限定されず、例えば、添加されるフレーバー等の製剤由来(本発明の酢酸含有飲食品のA3成分が該製剤に含まれるA3成分)であることもできるし、飲食品に配合される調味料、食品原料等の由来(本発明の酢酸含有飲食品のA3成分が調味料、食品原料等に含まれるA3成分)であることもできる。
本発明の酢酸含有飲食品がA3成分を含有する場合、本発明の酢酸含有飲食品中のA3成分の含有量は特に制限されない。該含有量は、例えば0.002ppb以上である。該含有量は、保存後の青臭さ、ムレ臭、刺激臭、酢酸臭等の抑制効果の観点等から、好ましくは0.004ppb以上、より好ましくは0.01ppb以上、さらに好ましくは0.01~20000ppb、よりさらに好ましくは0.02~20000ppb、よりさらに好ましくは0.05~15000ppb、とりわけ好ましくは0.05~10000ppb、とりわけより好ましくは0.07~10000ppb、とりわけさらに好ましくは0.07~5000ppb、とりわけよりさらに好ましくは0.1~5000ppbである。上記範囲の上限及び/下限を任意に入れ替えてなる範囲も、本願明細書において例示される。該含有量の上限又は下限は、上記範囲からさらに低い値又は高い値であることができ、これらの値は、例えば0.3ppb、0.5ppb、1ppb、3ppb、5ppb、10ppb、30ppb、50ppb、100ppb、300ppb、500ppb、1000ppb、又は3000ppbであることができる。本発明の酢酸含有飲食品は、一態様において、要件3aとして、上記含有量の範囲のいずれかを満たすことができる。
A4成分(1-ヘキサノール、1-Hexanol(CAS登録番号:111-27-3))は、香気成分であり、香気成分データベース(Aroma Office Ver.7.0 西川計測株式会社製)上の香気特性は次の通りである:フレッシュ、ハーブ様、木材様。A4成分により、保存後の青臭さ、ムレ臭、刺激臭、酢酸臭等の抑制効果を発揮すること、或いは当該抑制効果をより(場合によっては、顕著に)向上させることができる。なお、本発明の酢酸含有飲食品がA4成分を含有する場合、A4成分の由来は、飲食品に適する由来である限り特に限定されず、例えば、添加されるフレーバー等の製剤由来(本発明の酢酸含有飲食品のA4成分が該製剤に含まれるA4成分)であることもできるし、飲食品に配合される調味料、食品原料等の由来(本発明の酢酸含有飲食品のA4成分が調味料、食品原料等に含まれるA4成分)であることもできる。
本発明の酢酸含有飲食品がA4成分を含有する場合、本発明の酢酸含有飲食品中のA4成分の含有量は特に制限されない。該含有量は、例えば0.002ppb以上である。該含有量は、保存後の青臭さ、ムレ臭、刺激臭、酢酸臭等の抑制効果の観点等から、好ましくは0.004ppb以上、より好ましくは0.01ppb以上、さらに好ましくは0.01~20000ppb、よりさらに好ましくは0.02~20000ppb、よりさらに好ましくは0.05~15000ppb、とりわけ好ましくは0.05~10000ppb、とりわけより好ましくは0.2~10000ppb、とりわけさらに好ましくは0.5~10000ppb、とりわけよりさらに好ましくは0.7~5000ppb、特に好ましくは1~5000ppbである。上記範囲の上限及び/下限を任意に入れ替えてなる範囲も、本願明細書において例示される。該含有量の上限又は下限は、上記範囲からさらに低い値又は高い値であることができ、これらの値は、例えば3ppb、5ppb、10ppb、30ppb、50ppb、100ppb、300ppb、500ppb、1000ppb、又は3000ppbであることができる。本発明の酢酸含有飲食品は、一態様において、要件4aとして、上記含有量の範囲のいずれかを満たすことができる。
A5成分(酢酸2-メチルブチル、1-Butanol, 2-methyl-, acetate(CAS登録番号:624-41-9))は、香気成分であり、香気成分データベース(CVer.7.0 西川計測株式会社製)上の香気特性は次の通りである:フローラル、ピーナッツ様、キャンディ様。A5成分により、保存後の青臭さ、ムレ臭、刺激臭、酢酸臭等の抑制効果を発揮すること、或いは当該抑制効果をより(場合によっては、顕著に)向上させることができる。なお、本発明の酢酸含有飲食品がA5成分を含有する場合、A5成分の由来は、飲食品に適する由来である限り特に限定されず、例えば、添加されるフレーバー等の製剤由来(本発明の酢酸含有飲食品のA5成分が該製剤に含まれるA5成分)であることもできるし、飲食品に配合される調味料、食品原料等の由来(本発明の酢酸含有飲食品のA5成分が調味料、食品原料等に含まれるA5成分)であることもできる。
本発明の酢酸含有飲食品がA5成分を含有する場合、本発明の酢酸含有飲食品中のA5成分の含有量は特に制限されない。該含有量は、例えば0.002ppb以上である。該含有量は、保存後の青臭さ、ムレ臭、刺激臭、酢酸臭等の抑制効果の観点等から、好ましくは0.004ppb以上、より好ましくは0.01ppb以上、さらに好ましくは0.01~10000ppb、よりさらに好ましくは0.02~10000ppb、よりさらに好ましくは0.05~10000ppb、とりわけ好ましくは0.05~5000ppb、とりわけより好ましくは0.2~5000ppb、とりわけさらに好ましくは0.5~5000ppb、とりわけよりさらに好ましくは0.7~1000ppb、特に好ましくは1~1000ppbである。上記範囲の上限及び/下限を任意に入れ替えてなる範囲も、本願明細書において例示される。該含有量の上限又は下限は、上記範囲からさらに低い値又は高い値であることができ、これらの値は、例えば3ppb、5ppb、10ppb、30ppb、50ppb、100ppb、300ppb、500ppb、又は700ppbであることができる。本発明の酢酸含有飲食品は、一態様において、要件5aとして、上記含有量の範囲のいずれかを満たすことができる。
本発明の酢酸含有飲食品がA2成分、A3成分、A4成分、及びA5成分からなる群より選択される少なくとも1種の香気成分を含有する場合、A2成分、A3成分、A4成分、及びA5成分の合計含有量Pは、例えば0.01ppb以上である。該合計含有量については、上記したA2成分、A3成分、A4成分、及びA5成分それぞれの含有量の範囲のいずれでも適用することができる。
本発明の酢酸含有飲食品がA2成分、A3成分、A4成分、及びA5成分からなる群より選択される少なくとも1種の香気成分を含有する場合、本発明の酢酸含有飲食品は、好ましい一態様において、要件2a、要件3a、要件4a、及び要件5aからなる群より選択される少なくとも1種の要件を満たすことができる。例えば、本発明の酢酸含有飲食品は、(要件2a)前記A2成分の含有量が0.5ppb以上であること、(要件3a)前記A3成分の含有量が0.01ppb以上であること、(要件4a)前記A4成分の含有量が0.01ppb以上であること、及び(要件5a)前記A5成分の含有量が0.01ppb以上であることからなる群より選択される少なくとも1種の要件を満たすことができる。
本発明の酢酸含有飲食品がA2成分、A3成分、A4成分、及びA5成分からなる群より選択される少なくとも1種の香気成分を含有する場合、本発明の酢酸含有飲食品は、好ましい一態様において、
(要件P)A2成分の含有量が0.5ppb以上であること、並びに
(要件Q)A3成分、A4成分、及びA5成分の合計含有量が0.01ppb以上であること、
からなる群より選択される少なくとも1種の要件を満たす。
本発明の酢酸含有飲食品がA2成分、A3成分、A4成分、及びA5成分からなる群より選択される少なくとも1種の香気成分を含有する場合、本発明の酢酸含有飲食品は、好ましい一態様において、
(要件P)A2成分の含有量が0.5ppb以上であること、
(要件Q1)A3成分の含有量が0.01ppb以上であること、並びに
(要件Q2)A4成分、及びA5成分の合計含有量が0.01ppb以上であること、
からなる群より選択される少なくとも1種の要件を満たす。
要件Pにおける含有量については、上述のA2成分の含有量を適用することができる。要件Qにおける合計含有量については、上述のA3成分、A4成分、及びA5成分のいずれかの含有量を適用することができる。要件Q1における含有量については、上述のA3成分の含有量を適用することができる。要件Q2における合計含有量については、上述のA4成分、及びA5成分のいずれかの含有量を適用することができる。
本発明の酢酸含有飲食品の性状としては、飲食品が採り得る性状である限り特に制限されず、例えば液状、乳化液状、ゲル状、フォーム状、固形状、粉末状等が挙げられる。本発明の酢酸含有飲食品は、単一性状のもの、及び複数の性状の飲食品の組み合わせからなるものを包含する。
酢酸含有飲食品としては、特に制限されないが、例えば、そのまま喫食に供される飲食品、喫食に供される飲食品の調製用組成物(つまり、そのまま喫食に供される飲食品を調製に使用するための組成物)等が挙げられる。なお、「そのまま喫食に供される飲食品」とは、何らの成分も添加されずに喫食される飲食品以外にも、喫食者が喫食時に必要に応じて調味料を適宜添加して喫食される飲食品も包含される。
そのまま喫食に供される飲食品としては、特に制限されないが、例えば飲料、菓子類、米飯類、麺類、惣菜、汁物(スープ)、パン類、ピザ、シリアル類、弁当等が挙げられる。これらの中でも、好ましくは飲料と菓子類が挙げられ、特に好ましくは飲料が挙げられる。
飲料としては、例えば果汁含有飲料(例えば柑橘類(みかん、オレンジ、レモン、ライム、グレープフルーツ、柚子、カボス、スダチ、ベルガモット、ピンクグレープフルーツ、八朔、カラマンシー等)、熱帯果実(パイナップル、バナナ、グアバ、マンゴー、アセロラ、パパイヤ、パッションフルーツ等)、ライチ、イチゴ、リンゴ、モモ、ブドウ、白ブドウ、カシス、ラズベリー、ザクロ、ウメ、梨、杏、スモモ、キウイフルーツ、メロン、ブルーベリー、アサイー等のフルーツジュース、エード、ニアウォーター、美容系飲料、スムージー等)、乳製品含有飲料(例えば乳等の乳及びその加工品である脱脂粉乳や全脂粉乳、濃縮乳、ヨーグルト、生クリーム、練乳、バター、脱脂乳、クリームパウダー、加糖粉乳、調製粉乳、ホエイパウダー、バターミルクパウダー等の乳成分を含む飲料)、野菜飲料(例えばトマト、ニンジン、かぼちゃ等のジュース、スムージー、青汁等)、清涼飲料水(例えばスポーツドリンク、レモネード等のエード、果実風味ドリンク)、炭酸飲料、ゼリー飲料、穀物飲料(例えば米、豆乳、アーモンドを主原料とする穀物飲料類等)、茶系飲料(例えば紅茶、ウーロン茶、緑茶、黒茶、抹茶、ジャスミン茶、ローズヒップ茶、カモミール茶、ほうじ茶の他、ブレンド茶(はと麦、大麦、玄米、大豆、とうもろこし等の穀物、柿の葉、びわの葉、クマ笹、アマチャヅル、アシタバ、ドクダミ等の葉、昆布、ベニバナ、しいたけ、レイシ等))、コーヒー飲料、粉末飲料(例えばココア、青汁等)、酒(例えばビール、発泡酒等のビールテイスト飲料、果実酒、日本酒等の醸造酒、焼酎、ウイスキー、ブランデー、スピリッツ等の蒸留酒、蒸留酒に糖類等の副原料を混合するリキュール等の混成酒、さらにこれら酒類に果汁やフレーバー、炭酸ガス等を加えたカクテル、フィズ、チューハイ等)等が挙げられる。これらの中でも、好ましくは果汁含有飲料が挙げられる。
菓子類とは、甘味や塩味などの味覚を強調し、あるいは食感などの触覚を工夫し、各種の匂いで嗅覚などの食味感覚の嗜好品として製造、調理された食品である。より具体的には、例えば、ゼリー、プディング、チョコレート、バー(スナックバー)、冷菓(アイスクリーム、シャーベット等)等が挙げられ、これらの中でも、好ましくはゼリー、冷菓(アイスクリーム、シャーベット等)が挙げられ、その中でも特に好ましくはゼリーが挙げられる。
米飯類としては、例えば、白飯、塩飯、赤飯、おこわ、炊き込み御飯、混ぜ込みご飯、おにぎり、寿司飯、餅、団子等が挙げられる。なお、「米」は、粳米、もち米や、精米度の異なる無洗米や、玄米等が挙げられる。また、これら以外にも、これらの米飯類と他の食材との調理品、例えば寿司、ちらし寿司、カレーライス、丼物、チャーハン、天津飯等が挙げられる。
麺類とは、小麦粉、米粉、そば粉、マメ等の穀類の粉を主原料とし、麺状や板状やリボン状等に成形、加工されたものを、茹でたり、煮たり、蒸煮したりすることで調理される食品であり、この限りにおいて特に制限されない。例えば、そば、うどん、きしめん、ラーメン、中華麺、パスタ、マカロニ、素麺、フォー、韓国冷麺、春雨等が挙げられる。
惣菜は、肉類、魚介類、卵、乳、野菜、果物、ハーブ、海藻等の具材を適当な方法で調理して得られた食品である。惣菜としては、例えば漬物、煮物、焼き物、揚げ物、炒め物、蒸し物、和え物等が挙げられる。より具体的には、例えば酢豚、酢の物、酢漬け等が挙げられる。
汁物(スープ)は、肉類、魚介類、卵、乳、野菜、果物、ハーブ、海藻等の具材を適当な方法で調理して得られた、水を多く含む食品である。汁物として、具体的には、例えばミネストローネ、サンラータン、白湯スープ、チゲスープ等が挙げられる。
パン類とは、小麦粉又はこれに穀粉類を加えたものを主原料とし、これにイーストを
加えたもの又はこれらに水、食塩、ぶどう等の果実、野菜、卵及びその加工品、砂糖類、食用油脂、乳及び乳製品等を加えたものを練り合わせ、発酵させたもの(以下「パン生地」という。)を焼いた、水分が10%以上の食品である。パン類として、具体的には、例えばパン生地を食パン型(直方体又は円柱状の焼型)に入れて焼いた食パンや、あん、クリーム、ジャム類、食用油脂等をパン生地で包み込み、若しくは折り込み、又はパン生地の上部に乗せたものを焼いた菓子パン等が挙げられる。
ピザとは、小麦粉、水、塩、イースト、砂糖、少量のオリーブ油をこねた後に発酵させて作った生地を丸く薄くのばし、その上に具を乗せ、オーブンや専用の窯などで焼いた食品である。
シリアル類とは、トウモロコシ、オーツ麦、小麦、大麦、米などの穀物を、押しつぶして薄い破片(フレーク)にする、パフ状にする(膨化させる)、混ぜ合わせてシート状にしてから砕くなどの加熱調理で食べやすく加工し、長期保存に適した形状にした簡便食品である。
弁当は、容器に上記飲食品が1種又は複数種配置されてなるものであり、この限りにおいて特に制限されない。
喫食に供される飲食品の調製用組成物としては、特に制限されないが、例えば飲料の調製用組成物、デザートソース・クリーム、調味料、レトルト食品等が挙げられる。これらの中でも、好ましくは飲料の調製用組成物、デザートソース・クリーム、調味料等が挙げられ、より好ましくは飲料の調製用組成物が挙げられる。
飲料の調製用組成物としては、例えば飲料の濃縮タイプが挙げられる。これは、適当な飲料(例えば、水、又は上記で例示された飲料)で希釈してから、飲用に供される。推奨される希釈倍率は、例えば1.1~50倍、好ましくは2~20倍、より好ましくは3~12倍、さらに好ましくは4~8倍である。
デザートソース・クリームとは、飲料や、菓子類(ゼリー、ケーキ、アイスクリーム等)にかけたり、載せたり、混ぜたりして、風味、テクスチャー、色をデザートに加える液体状、粉末状、または半固体状のソースやクリームであり、具体的には、例えばキャラメルソース、カスタードソース、チョコレートソースや、ラズベリーソース、ストロベリーソース、ブルーベリーソース、アップルソース、ザクロソースなどのフルーツソース等が挙げられる。
調味料としては、特に制限されないが、例えばタレ(ゴマだれ等のゴマ含有調味料、焼肉だれ等)、ドレッシング(ノンオイルドレッシング、分離ドレッシング、乳化ドレッシング等)、調味酢(例えば汎用性調味酢、酢の物用調味酢、すし飯用調味酢、酢漬け(例えばピクルス等)用調味液、甘酢等)、米飯用調味料、ぽん酢調味料、だし含有調味料(例えばめんつゆ、鍋つゆ等)、納豆用調味料、漬物用調味料、肉用調味料、食酢、ウスターソース、ケチャップ、オイスターソース、サルサ、サンバルソース、チリソース、辛味スパイス含有調味料、チャツネ、マスタード、マヨネーズ等が挙げられる。
レトルト食品としては、レトルトパウチ又は缶内に調理済み又は半調理済みの食品が詰められてなるものである限り、特に制限されない。詰められる食品としては、例えば、上記した食品そのもの、又は簡単な調理(例えば、食材を加えて加熱調理するなど)により上記した食品を得ることができるもの等が挙げられる。
本発明の酢酸含有飲食品は、飲食品の種類に応じて、他の原料を含有することができる。他の原料としては、水、糖類(高甘味度甘味料を含む)、果実や野菜を切削やすり潰す等の処理により得られる破砕物(搾汁液(果汁や、野菜汁)、ピューレ、ペースト等)、フレーバー、食酢、食塩、アミノ酸系調味料、核酸系調味料、有機酸系調味料(又は酸味料)、酸味料、風味原料、旨味調味料、酒類、油脂類、香辛料、香辛料抽出物、香味オイル、粘度調整剤、安定剤、着色料、カルシウム塩、具材等が挙げられる。これら他の原料の組み合わせ及び含有量は、特に限定はされず、飲食品の種類に応じて適宜設定することができる。
上記他の原料は、特に、飲料、飲料の調製用組成物、調味料において、好適に使用することができる。また、中でも、飲料、飲料の調製用組成物において好適に使用できるものとしては、例えば水、糖類(高甘味度甘味料を含む)、果実や野菜を切削やすり潰す等の処理により得られる破砕物(搾汁液(果汁や、野菜汁)、ピューレ、ペースト等)、フレーバー、食酢、食塩、安定剤、着色料、カルシウム塩、アミノ酸系調味料、核酸系調味料、有機酸系調味料(又は酸味料)、風味原料、旨味調味料、酒類等が挙げられる。
本本発明の一態様(果汁を使用する態様)によれば、酢酸臭、刺激臭、及びムレ臭が抑制され、且つ果汁感が向上した果汁入り酢酸含有飲食品を提供することができるので、その効果を得るために本発明の酢酸含有飲食品は果汁を含有することが好ましい。果汁としては、たとえば後述の果実由来の果汁を使用することができ、好ましくはブルーベリー果汁、ブドウ果汁、ラズベリー果汁、イチゴ果汁、ザクロ果汁、リンゴ果汁、柑橘(オレンジ、レモン、柚子、カボス、スダチ、ライム、ミカン、グレープフルーツ、ピンクグレープフルーツ、八朔、カラマンシー等)果汁、モモ果汁、ウメ果汁、カシス果汁、メロン果汁、スイカ果汁、ナシ果汁、マンゴー果汁、パイナップル果汁、バナナ果汁、ライチ果汁等を使用することができ、より好ましくはブルーベリー果汁、ブドウ果汁、ラズベリー果汁、イチゴ果汁、ザクロ果汁、カシス果汁、柑橘(オレンジ、レモン、柚子、カボス、スダチ、ライム、ミカン、グレープフルーツ、ピンクグレープフルーツ、八朔、カラマンシー等)果汁、リンゴ果汁、メロン果汁、モモ果汁、ウメ果汁等を使用することができ、さらに好ましくはブルーベリー果汁、ブドウ果汁、ラズベリー果汁、イチゴ果汁、レモン果汁、オレンジ果汁、グレープフルーツ果汁、メロン果汁等を使用することができ、よりさらに好ましくはブルーベリー果汁、ブドウ果汁、ラズベリー果汁、イチゴ果汁を、特により好ましくはブルーベリー果汁、ブドウ果汁を使用することができる。
本発明の酢酸含有飲食品中の果汁含有率(ストレート果汁換算)は、特に制限されるものではないが、本発明の酢酸含有飲食品の調製の容易さ、果汁添加の利点(爽やかな香りの付加等)を得るという観点から、例えば0.1質量%以上700質量%以下、0.2質量%以上80質量%以下、0.5質量%以上30質量%以下である。該含有量の上限又は下限は、上記範囲からさらに低い値又は高い値であることができ、これらの値は、例えば1質量%、2質量%、3質量%、5質量%、10質量%、30質量%、50質量%、100質量%、200質量%、300質量%、400質量%、500質量%、600質量%である。なお、果汁含有率(ストレート果汁換算)とは、果実を搾汁して得られるストレート果汁を100%としたときの質量%濃度をいい、飲料に配合される果汁の含有率(質量%)に、果汁の濃縮倍率を乗じて算出することができる。例えば、濃縮倍率が5倍であるリンゴ果汁を飲料に10質量%で配合した場合には、果汁含有率(ストレート換算)は50質量%となる。また、各果汁の濃縮倍率は、例えば、JAS規格(果実飲料の日本農林規格 平成25年12月24日農林水産省告示第3118号)に示される各種果実のストレート果汁の糖用屈折計示度の基準又は酸度の基準に基づいて、換算することができる。
本発明の酢酸含有飲食品が飲料又はその調製用組成物である場合、そのpHは、酸性値(pH7未満)であればよく、特に限定されない。通常は風味と呈味のバランスの観点から決定すればよい。但し、特に限定されるものではないが、通常1.7以上、中でも2.0以上、更には2.2以上、更には2.3以上であることが好ましく、また、通常4.6以下、中でも4.5以下、更には4.4以下であることが好ましい。
上記糖類としては、例えば、砂糖、麦芽糖、果糖、異性化液糖、ブドウ糖、黒糖、はちみつ、水あめ、デキストリン、ラクトース、ガラクトースや、ソルビトール、マルチトール、キシリトールなどの糖アルコール類等が挙げられる。これらの糖類は、1種のみを単独で使用してもよく、2種以上を任意の組み合わせや任意の比率で併用してもよい。
上記高甘味度甘味料としては、例えば、アスパルテーム、アセスルファムカリウム、スクラロース、ネオテーム、甘草抽出物、ステビアやその酵素処理物等が挙げられる。これらの高甘味度甘味料は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を任意の組み合わせや任意の比率で併用してもよい。
上記果実としては、例えば、リンゴ、モモ、ブドウ、アセロラ、ブルーベリー、梨、杏、柑橘類(オレンジ、レモン、柚子、カボス、スダチ、ライム、ミカン、グレープフルーツ、ピンクグレープフルーツ、八朔、カラマンシー等)、イチゴ、パイナップル、バナナ、メロン、スイカ、キウイフルーツ、カシス、アプリコット、グアバ、プラム、マンゴー、パパイヤ、ライチ、ウメ、ザクロ、アサイー、ラズベリー、白ブドウ、ベルガモット、パッションフルーツ、カラマンシー等に由来する果実が挙げられる。この中でも、好ましくは、ブルーベリー、ブドウ、ラズベリー、イチゴ、ザクロ、リンゴ、カシス、柑橘類、モモ、ウメ、メロン、マンゴー、パイナップル、ライチ等を使用することができ、より好ましくはブルーベリー、ブドウ、ラズベリー、イチゴ、ザクロ、カシス、レモン、オレンジ、グレープフルーツ、ユズ、リンゴ、メロン、モモ、ウメ等を使用することができ、さらに好ましくはブルーベリー、ブドウ、ラズベリー、イチゴ、レモン、オレンジ、グレープフルーツ、メロン等を使用することができ、よりさらに好ましくはイチゴ、ブルーベリー、ブドウ、ラズベリーを使用することができ、特により好ましくはブルーベリー、ブドウを使用することができる。果実はこれらに限定されるものではなく、1種又は2種以上を任意の組み合わせ及び比率で使用することができる。
上記野菜としては、例えば、トマト、ピーマン、パプリカ、キュウリ、ナス、レッドベルペッパー、かぼちゃ、大豆、枝豆、等の果菜、ショウガ(ジンジャー)、ニンニク(ガーリック)、大根、コーン、ニンジン、ビーツ等の根菜、タマネギ(オニオン)、キャベツ、レタス、ほうれん草、白菜、セロリ、小松菜、チンゲン菜、モロヘイヤ、ケール、シソ、ニラ、パセリ、ネギ等の葉菜、ニンニク、アスパラガス、たけのこ等の茎菜、ブロッコリー、カリフラワー等の花菜等、その他きのこ類等に由来する野菜が挙げられる。野菜はこれらに限定されるものではなく、1種又は2種以上を任意の組み合わせ及び比率で使用することができる。この中でも、好ましくは、トマト、パプリカ、レッドベルペッパー、かぼちゃ、大豆、枝豆、ショウガ(ジンジャー)、コーン、ニンジン、ビーツ、ホウレン草、ケール、シソ、ブロッコリーを使用でき、さらに好ましくは、トマト、パプリカ、カボチャ、コーン、ビーツ、ニンジン、大豆、特に好ましくは、トマト、ニンジン、大豆を使用することができる。なお、これらの野菜、果実より得られた搾汁液(果汁や、野菜汁、豆乳等)やピューレ、ペースト等を、本発明の飲料に1種又は2種以上を任意の組み合わせ、及び比率で配合してもよい。
上記フレーバーとしては、例えば、ブドウフレーバー、リンゴフレーバー、レモンフレーバー、オレンジフレーバー、グレープフルーツフレーバー、柚子フレーバー、スダチフレーバー、ブルーベリーフレーバー、ウメフレーバー、カシスフレーバー、ザクロフレーバー、モモフレーバー、ラズベリーフレーバー、イチゴフレーバー、マンゴーフレーバー、パイナップルフレーバー、バナナフレーバー、ライチフレーバー、カシスフレーバー、メロンフレーバー、スイカフレーバー等や、ヨーグルトフレーバー等の乳フレーバー、その他、ローズヒップフレーバー、カモミールフレーバー、ジャスミンフレーバー、ジンジャーフレーバー、ガーリックフレーバー、マスタードフレーバー、オニオンフレーバー、ゴマフレーバー、ねぎフレーバー、ニラフレーバー、シソフレーバー、わさびフレーバー等が挙げられる。これらのフレーバーは、1種のみを単独で使用してもよく、2種以上を任意の組み合わせや任意の比率で併用してもよい。
上記食酢としては、例えば、米や麦などの穀物や果汁を原料として生産される醸造酢と、氷酢酸や酢酸の希釈液に砂糖等の調味料を加えるか、又はそれに醸造酢を加えた合成酢と、があり、何れも使用することができる。醸造酢としては、例えば、米酢、穀物酢(玄米酢、黒酢、粕酢、麦芽酢、はと麦酢、大豆酢等)、果実酢(リンゴ酢、ブドウ酢、白ブドウ酢、柑橘(レモン、柚子、カボス、オレンジ、ミカン、シークワーサー、グレープフルーツ、カラマンシー等)酢、マンゴー酢、イチゴ酢、ブルーベリー酢、ザクロ酢、モモ酢、ウメ酢、パイナップル酢、カシス酢、ラズベリー酢、ワイン酢、バルサミコ酢等)、エタノールを原料とした酢酸発酵によって製造される酒精酢、中国酢、シェリー酢などが挙げられる。また、合成酢としては、氷酢酸又は酢酸を水で適宜希釈したものなどが挙げられる。なお、これらの食酢は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記食塩はそのものでもよいが、食塩を含有する食品でも良い。食塩を含有する食品は特に限定はないが、例として、醤油、味噌、出汁等が挙げられる。
上記醤油としては特に限定されるものではないが、例えば濃口醤油、淡口醤油、白醤油、溜り醤油、再仕込み醤油等が挙げられる。これらの醤油は、1種のみを単独で使用してもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
上記味噌としては特に限定されるものではないが、例えば麦味噌、米味噌、豆味噌、調合味噌などに加えて、その製法に起因する色の違いによって命名される赤味噌・白味噌・淡色味噌等が挙げられる。これらの味噌は、1種のみを単独で使用してもよく、2種以上を任意の組み合わせや任意の比率で併用してもよい。
上記アミノ酸系調味料としては、例えば、L-グルタミン酸ナトリウム、DL-アラニン、グリシン、L-又はDL-トリプトファン、L-フェニルアラニン、L-又はDL-メチオニン、L-リシン、L-アスパラギン酸、L-アスパラギン酸ナトリウム、L-アルギニン等が挙げられる。これらのアミノ酸系調味料は、1種のみを単独で使用してもよく、2種以上を任意の組み合わせや任意の比率で併用してもよい。
上記核酸系調味料としては、例えば、5’-イノシン酸二ナトリウム、5’-グアニル酸二ナトリウム、5’-ウリジル酸二ナトリウム、5’-シチジル酸二ナトリウム、5’-リボヌクレオチドカルシウム、5’-リボヌクレオチド二ナトリウム等が挙げられる。これらの核酸系調味料は、1種のみを単独で使用してもよく、2種以上を任意の組み合わせや任意の比率で併用してもよい。
上記有機酸系調味料としては、例えば、クエン酸カルシウム、クエン酸三ナトリウム、グルコン酸カリウム、グルコン酸ナトリウム、コハク酸、コハク酸一ナトリウム、コハク酸二ナトリウム、酢酸ナトリウム、DL-酒石酸水素カリウム、L-酒石酸水素カリウム、DL-酒石酸ナトリウム、L-酒石酸ナトリウム、乳酸カリウム、乳酸カルシウム、乳酸ナトリウム、フマル酸一ナトリウム、DL-リンゴ酸ナトリウム等が挙げられる。これらの有機酸系調味料は、1種のみを単独で使用してもよく、2種以上を任意の組み合わせや任意の比率で併用してもよい。2種以上の有機酸系調味料を併用することで、双方の呈味が相乗的に高まるため好ましい。
上記酸味料としては、乳酸、リンゴ酸、クエン酸、グルコン酸、コハク酸、酒石酸、フィチン酸、フマル酸、リン酸等が挙げられる。これらの酸味料は、1種のみを単独で使用してもよく、2種以上を任意の組み合わせや任意の比率で併用してもよい。
上記風味原料としては、例えば、鰹だし、昆布だし、野菜エキス、鰹エキス、昆布エキス、魚介エキス、蓄肉エキス等が挙げられる。これらの風味原料は、1種のみを単独で使用してもよく、2種以上を任意の組み合わせや任意の比率で併用してもよい。
上記旨味調味料としては、例えば、たん白加水分解物、酵母エキス等が挙げられる。これらの旨味調味料は、1種のみを単独で使用してもよく、2種以上を任意の組み合わせや任意の比率で併用してもよい。
上記酒類としては、清酒、合成清酒、みりん、焼酎、ワイン、リキュール、紹興酒等が挙げられる。これらの酒類は、1種のみを単独で使用してもよく、2種以上を任意の組み合わせや任意の比率で併用してもよい。
上記油脂類としては、例えば、大豆油、大豆胚芽油、菜種油、コーン油、ゴマ油、シソ油、亜麻仁油、落花生油、紅花油、高オレイン酸紅花油、ひまわり油、綿実油、ブドウ種子油、マカデミアナッツ油、へーゼルナッツ油、カボチャ種子油、クルミ油、椿油、茶実油、エゴマ油、オリーブ油、米糠油、小麦胚芽油、パーム油、藻類油等が挙げられる。これらの油脂類は、1種のみを単独で使用してもよく、2種以上を任意の組み合わせや任意の比率で併用してもよい。
上記香辛料とは、特有の香り、刺激的な呈味、色調を有し、香り付け、消臭、調味、着色等の目的で飲食品に配合する植物体の一部(植物の果実、果皮、花、蕾、樹皮、茎、葉、種子、根、地下茎など)をいい、香辛料にはスパイス又はハーブが含まれる。スパイスとは、香辛料のうち、利用部位として茎と葉と花を除くものをいい、例えば、胡椒(黒胡椒、白胡椒、赤胡椒)、ニンニク、ショウガ、ゴマ(ゴマの種子)、唐辛子、ホースラディシュ(西洋ワサビ)、マスタード、ケシノミ、柚子、ナツメグ、シナモン、パプリカ、カルダモン、クミン、サフラン、オールスパイス、クローブ、山椒、オレンジピール、ウイキョウ、カンゾウ、フェネグリーク、ディルシード、カショウ、ロングペッパー、オリーブの実などが挙げられる。また、ハーブとは、香辛料のうち、茎と葉と花を利用するものをいい、例えば、クレソン、コリアンダー、シソ、セロリ、タラゴン、チャイブ、チャービル、セージ、タイム、ローレル、ニラ、パセリ、マスタードグリーン(からしな)、ミョウガ、ヨモギ、バジル、オレガノ、ローズマリー、ミント(ペパーミント等)、カモミール、サボリー、レモングラス、ディル、ワサビ葉、山椒の葉などが挙げられる。
上記香辛料抽出物としては、一般的に「香辛料」又は「スパイス」と表示される食品の抽出物であれば何でもよく、その例としては、唐辛子抽出物、マスタード抽出物(カラシ抽出物)、ショウガ抽出物(ジンジャー抽出物)、ワサビ抽出物、ペッパー抽出物、ニンニク抽出物(ガーリック抽出物)、オニオン抽出物、サンショウ抽出物等が挙げられる。これらの香辛料抽出物は、1種のみを単独で使用してもよく、2種以上を任意の組み合わせや任意の比率で併用してもよい。
上記香味オイルとしては、例えば、ジンジャーオイル、ガーリックオイル、マスタードオイル、オニオンオイル、ゴマ油、ねぎオイル、ニラオイル、セリオイル、シソオイル、わさびオイル、レモンオイル、柚子オイル、魚介オイル、蓄肉オイル等が挙げられる。これらの香味オイルは、1種のみを単独で使用してもよく、2種以上を任意の組み合わせや任意の比率で併用してもよい。
また、上記粘度調整剤としては、例えばキサンタンガム、グァーガム、ジェランガム、アラビアガム、タマリンドシードガム、タラガム、トラガントガム、ペクチン、セルロース、カラギーナン、寒天、澱粉、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、カラヤガム、プルラン、キチン、キトサン等が挙げられる。これらの粘度調整剤は、1種のみを単独で使用してもよく、2種以上を任意の組み合わせや任意の比率で併用してもよい。
上記具材としては、例えば野菜(ニンジン、ゴボウ、大根等)や、穀類(小豆、大豆等)や、肉類や、魚類等が挙げられる。これらの具材は、1種のみを単独で使用してもよく、2種以上を任意の組み合わせや任意の比率で併用してもよい。
本発明の酢酸含有飲食品は、酢酸を含有量が0.02w/v%以上になるように配合すること、及び(A1成分)6-メチル-5-ヘプテン-2-オンを含有量が0.001ppb以上になるように配合することを含む方法により、製造することができる。このため、本発明は、その一態様において、該方法を含む、保存後の青臭さ(好ましくは、保存後の青臭さと、保存後の酢酸臭、刺激臭、及びムレ臭からなる群より選択される少なくとも1種と)が抑制された酢酸含有飲食品の製造方法(本明細書において、「本発明の製造方法」と示すこともある。)、に関する。
さらに、本発明は、その一態様において、(A1成分)6-メチル-5-ヘプテン-2-オンを含有量が0.001ppb以上になるように配合することを含む、酢酸含有飲食品の保存後の青臭さ(好ましくは、保存後の青臭さと、保存後の酢酸臭、刺激臭、及びムレ臭からなる群より選択される少なくとも1種と)を抑制する方法(本明細書において、「本発明の方法」と示すこともある。)、に関する。
酢酸、A1成分、及び必要に応じて配合される他の成分それぞれの配合のタイミングは、特に制限されない。該タイミングとしては、例えば飲食品の製造時、飲食品の製造後、喫食前等が挙げられる。酢酸、A1成分等の由来は飲食品に適する由来である限り特に限定されず、これらの成分は、例えばフレーバー等の製剤、食品添加物、調味料、食品原料等に由来するものである。酢酸、A1成分、及び必要に応じて配合される他の成分を配合した後は、必要に応じて、成分が飲食品中にできるだけ均一に分散されるように、混合することが好ましい。
また、本発明によれば、(A1成分)6-メチル-5-ヘプテン-2-オンを含有する、酢酸含有飲食品の保存後の青臭さ(好ましくは、保存後の青臭さと、保存後の酢酸臭、刺激臭、及びムレ臭からなる群より選択される少なくとも1種と)の抑制剤(本明細書において、「本発明の剤」と示すこともある。)を提供することもできる。本発明の剤は、その一態様において、本発明の香気成分を、本発明の剤100質量%に対して、例えば1~100質量%、20~100質量%、40~100質量%、60~100質量%、80~100質量%、90~100質量%、95~100質量%、99~100質量%、又は99.9~100質量%含有することができる。
本発明の剤の性状としては、特に制限されず、例えば固体(例えば粉末)、半固体、液体等が挙げられる。本発明の剤は、例えば飲食品、食品添加剤として利用することができる。飲食品としては、例えば、上記で例示した飲食品が挙られる。食品添加剤は、他の成分が含まれるものであってもよい。ここで食品添加剤とは、食品の製造過程において、食品に添加、混和、浸潤その他の方法によって使用されるものである。他の成分としては、食品に配合可能な成分であれば特に限定されないが、食品に配合可能な担体(例えば、賦形剤、結合剤、崩壊剤、崩壊補助剤、滑沢剤、湿潤剤等)や添加剤等が挙げられる。食品添加剤の形態としては、特に制限されず、例えば顆粒剤、粉末剤、錠剤、丸剤、カプセル剤(硬カプセル剤および軟カプセル剤が含まれる)等が挙げられる。本発明の剤は、飲食品に配合することにより、保存後の青臭さを抑制することができる。
以下に、実施例に基づいて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
試験例1.風味評価試験1
まず、各評価対象成分の希釈液を調製した。70%エタノール水溶液に、(A1成分)6-メチル-5-ヘプテン-2-オン(5-Hepten-2-one, 6-methyl-、東京化成工業社製 純度98%、CAS#:110-93-0)、(A2成分)3-メチル-1-ブタノール(1-Butanol, 3-methyl-、東京化成工業社製 純度99%、CAS#:123-51-3)、(A3成分)酪酸エチル(Butanoic acid, ethyl ester、東京化成工業社製 純度98%、CAS#:105-54-4)、(A4成分)1-ヘキサノール(1-Hexanol、東京化成工業社製 純度98%、CAS#:111-27-3)、又は(A5成分)酢酸2-メチルブチル(1-Butanol, 2-methyl-, acetate、東京化成工業社製 純度98%、CAS#:624-41-9)を添加し、十分に攪拌して10000ppmの溶液を調製した。得られた溶液をイオン交換水で適宜希釈して、各評価対象成分の希釈液とした後、各試験液の調製に用いた。
続いて、イオン交換水に、酢酸(関東化学株式会社製、グレード:特級、純度99.7%以上)を添加し、十分に攪拌して、酢酸希釈液を調製した。また、評価対象成分と同様にして、ヘキサナール(Hexanal、関東化学株式会社製、グレード:特級、純度98%、CAS#:66-25-1)の希釈液も調製した。
続いて、ブルーベリー果汁を次のようにして調製した。ブルーベリー冷凍果実(スタイルワン ブルーベリー 150g)を等量の水と混合し、ミキサーで5分間粉砕した後、ザル(30メッシュ)で濾した。その濾した溶液を鍋に入れ、火にかけ、60~70℃で焦げないようよく攪拌しながら加熱し、加えた分量の水分をとばして調製した。なお、ここで調整したブルーベリー果汁には、酢酸、及びA1成分、A2成分、A3成分、A4成分、及びA5成分は含有されないことを後述の試験例2に記載の方法に準じて確認した。
最後に、評価対象成分の希釈液、酢酸希釈液、ヘキサナール希釈液、及びブルーベリー果汁を、表2~3に示される配合組成及び濃度となるように適宜添加して、20℃で均一になるよう十分に攪拌混合した後、90℃で120秒の殺菌処理を行い、試験液(実施例1~28)を調製した。
一方で、評価対象成分を含まない以外は実施例1~28と同配合のコントロール(対照試験液)を上記と同様に、調製した。また、代表例としてブルーベリー果汁及びヘキサナールを使用して、これらの成分が調整直後及び保存後の臭気に与える影響を調べるために、試験液として、酢酸希釈液、ヘキサナール希釈液、及びブルーベリー果汁の一部又は全部を表1に示される配合組成及び濃度となるように適宜添加して、試験液(比較例B、及び比較例C-1、C-2)を調製し、20℃で均一になるよう十分に攪拌混合した後、90℃で120秒の殺菌処理を行い、試験液を調製した。同様の目的から、酢酸希釈液、ヘキサナール希釈液、及びブルーベリー果汁を適宜添加し、試験液(比較例A:酢酸5w/v%、ヘキサナール0.2ppb、ブルーベリー果汁1w/v%)を、比較例B等と同様にして調製した。ここで、比較例Aのコントロール(対照試験液)はヘキサナールを含まない以外は比較例Aの試験区と同配合とした。また、比較例Bのコントロールはブルーベリー果汁を含まない以外は比較例Bと同配合とした。また、比較例C-1とC-2のコントロールは、ヘキサナールを含まない以外は、それぞれ比較例C-1とC-2と同配合とした。
なお、試験液及びコントール中のヘキサナールの含有量は、以下のようにして測定した。
<ヘキサナールの含有量>
〔1〕成分の分離濃縮方法
以下の条件に従って、成分の分離濃縮を行った。
サンプルは100gを1Lバイアルに測り取り、密封した後40℃で30min予備加熱をした。その後、バイアル中の気相をサンプルとして200mlを濃縮装置に導入した。
・揮発性成分濃縮装置
Entech7200(Entech社製)
・濃縮モード:CTD
・M1(Empty)温度 : Trap -40℃→Desorb 10℃
・M2(Tenax)温度 : Trap -50℃→Desorb 220℃
・M3(CryoFoucus)温度 : Trap -150℃→Desorb 80℃
〔2〕成分の分析方法
以下の条件に従ってガスクロマトグラフ法及び質量分析法を用い、各成分のピーク面積を分析した。
<ガスクロマトグラフ条件>
・測定機器:Agilent 7980B GC System (Agilent Technologies社製)
・GCカラム:DB-1 (Agilent Technologies社製) 長さ60m,口径0.32mm,膜厚1.0μm
・キャリア:Heガス、ガス流量2.68mL/min
・温度条件:35℃(5min)保持→220℃まで3℃/min昇温→5分間保持
<質量分析条件>
・測定機器:Agilent 5977B MSD(Agilent Technologies社製)
・イオン化方式:EI
・測定モード:SCAN
〔3〕成分の定量方法(外部標準法)
無水エタノールで希釈した濃度既知の各成分(配合に使用したものと同一のもの)を、標品サンプルとして分析し、検出されたピーク面積をもとに検量線を作成した。分析サンプルの分析結果を検量線にあてはめ、含有量を算出した。
調製後にボトル(150ml容量のガラス瓶)に充填、密封して60℃で10日間保存(常温20℃で12カ月間保存に相当)した後の(ただし、比較例Aについてのみ、調製直後の)試験液及びコントロールについて、青臭さ、ムレ臭、刺激臭、及び酢酸臭を、風味に関する判定能力が一定の試験により担保された専門パネラー10名に下記評価基準に従って評価させた。なお、前記の風味に関する一定の試験とは、下記1)および2)の識別試験をいい、本試験で特に成績が優秀であった者を専門パネラーとした。選定されたパネラーは、官能検査員歴10年以上の熟練のパネラーであった。各試験液について、コントロールの評価との比較に基づいて下記評価基準に従って評点を付けてもらい、その平均点を算出した。
識別試験1)五味(甘味:砂糖の味、酸味:酒石酸の味、旨味:グルタミン酸ナトリウムの味、塩味:塩化ナトリウムの味、苦味:カフェインの味)について、各成分の閾値に近い濃度の水溶液を各1つずつ作製し、これに蒸留水2つを加えた計7つのサンプルから、それぞれの味のサンプルを正確に識別する味質識別試験。
識別試験2)濃度がわずかに異なる5種類の食塩水溶液、酢酸水溶液の濃度差を正確に識別する濃度差識別試験。
青臭さ評価基準
+3:コントロールに比べ、青臭さが非常に弱い。
+2:コントロールに比べ、青臭さが弱い。
+1:コントロールに比べ、青臭さがわずかに弱い。
±0:コントロールと同等。
-1:コントロールに比べ、青臭さがわずかに強い。
-2:コントロールに比べ、青臭さが強い。
-3:コントロールに比べ、青臭さが非常に強い。
ムレ臭評価基準
+3:コントロールに比べ、ムレ臭が非常に弱い。
+2:コントロールに比べ、ムレ臭が弱い。
+1:コントロールに比べ、ムレ臭がわずかに弱い。
±0:コントロールと同等。
-1:コントロールに比べ、ムレ臭がわずかに強い。
-2:コントロールに比べ、ムレ臭が強い。
-3:コントロールに比べ、ムレ臭が非常に強い。
刺激臭評価基準
+3:コントロールに比べ、刺激臭が非常に弱い。
+2:コントロールに比べ、刺激臭が弱い。
+1:コントロールに比べ、刺激臭がわずかに弱い。
±0:コントロールと同等。
-1:コントロールに比べ、刺激臭がわずかに強い。
-2:コントロールに比べ、刺激臭が強い。
-3:コントロールに比べ、刺激臭が非常に強い。
酢酸臭評価基準
+3:コントロールに比べ、酢酸臭が非常に弱い。
+2:コントロールに比べ、酢酸臭が弱い。
+1:コントロールに比べ、酢酸臭がわずかに弱い。
±0:コントロールと同等。
-1:コントロールに比べ、酢酸臭がわずかに強い。
-2:コントロールに比べ、酢酸臭が強い。
-3:コントロールに比べ、酢酸臭が非常に強い。
さらに、調製直後及び60℃で10日間保存後の青臭さ、ムレ臭、及び刺激臭それぞれの評点平均点から平均値を算出し、得られた平均値に基づいて下記評価基準に従って総合評価した。
総合評価
A:2.5≦平均値≦3.0。
B:2.0≦平均値<2.5。
C:1.5≦平均値<2.0。
D:1.0≦平均値<1.5。
E:-3.0≦平均値<1.0。
なお、評価は具体的には次のようにして行った。中身色が見えないよう着色された官能検査用のグラスに試験液又はコントロールを10ml入れたものに、シャーレでフタをした。この状態でグラスを数回回してからフタをあけて臭いをかぎ、青臭さ、ムレ臭、刺激臭、及び酢酸臭を評価した。鼻腔から香りが消えたら次のサンプル評価を行った。
結果を表1~3に示す。なお、調製直後の比較例Aを評価したところ、青臭さの評点は「-0.3」であり、コントロールとほぼ同等であった。また、ムレ臭、刺激臭はいずれも「-0.2」でありコントローとほぼ同等であったが、酢酸臭については「2.5」であり、調製直後においてはヘキサナールの添加により酢酸臭が抑制されていることが確認された。
Figure 2022045279000001
Figure 2022045279000002
Figure 2022045279000003
表2~3より、A1成分により保存後の青臭さ及び酢酸臭を抑制できることが分かった。また、A1成分の含有量を調整することにより、且つ/或いはヘキサナールの含有量及び/又はヘキサナールと酢酸との含有比を調整することによって、これらの効果をより(場合によっては、顕著に)向上できることが分かった。また、A1成分の含有量を調整することにより、且つ/或いはヘキサナールの含有量及び/又はヘキサナールと酢酸との含有比を調整することによって、保存後のムレ臭及び刺激臭からなる群より選択される少なくとも1種をも抑制でき、さらにはこれらの効果をより(場合によっては、顕著に)向上できることが分かった。
表2~3より、A1成分に加えて、さらにA2成分、A3成分、A4成分、及びA5成分からなる群より選択される少なくとも1種の香気成分により、保存後の青臭さ、ムレ臭、刺激臭、及び酢酸臭からなる群より選択される少なくとも1種の抑制効果をより(場合によっては、顕著に)向上できることが分かった。
試験例2.風味評価試験2
表4に示す組成に従って原料を配合し、ヘキサナール、評価対象成分(A1成分、A2成分、A3成分、A4成分、及びA5成分)(試験例1と同じものを使用した。)を表5に記載の含有量となるように適宜添加して、20℃で均一になるよう十分に攪拌混合した後、90℃で120秒の殺菌処理を行い、ボトル(150ml容量のガラス瓶)に充填して、飲料サンプル(実施例29~39)を調製した。
なお、実施例の飲料サンプル中の、ヘキサナール、A1成分、A2成分、A3成分、A4成分、及びA5成分それぞれの含有量は、試験例1におけるヘキサナールの含有量の測定方法と同様の方法により測定した。また、酢酸の含有量は、以下のようにして測定した。
<酢酸の含有量>
サンプルは、酢酸の濃度が100mg%付近になるように超純水で希釈し、以下の条件に従って、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を用い、酢酸のピーク面積を分析した。また、超純水で希釈した100mg%の酢酸を、標品サンプルとして同様に分析し、外部標準法により試験液とコントロールの酢酸の含有量を算出した。
・測定機器:高速液体クロマトグラフィー(島津製作所社製、機種LC-10ADVP)
・移動相(1)4mM p-トルエンスルホン酸水溶液、流速0.9mL/min
・移動相(2)4mM p-トルエンスルホン酸、80μM EDTAを含む16mMBis-Tris水溶液、流速0.9mL/min
・カラム:Shodex RS pak KC-811×2(昭和電工社製)
・カラム温度:52℃
・検出:電気伝導度検出器。
調製後にボトル(150ml容量のガラス瓶)に充填、密封して60℃で10日間保存(常温20℃で12カ月間保存に相当)した後の飲料について、青臭さ、ムレ臭、刺激臭、及び酢酸臭を、試験例1と同様に、風味に関する判定能力が一定の試験により担保された専門パネラー10名に評価させた。なお、評価においては、青臭さ、ムレ臭、刺激臭、及び酢酸臭について、「非常に強い」を「 +3」、「非常に弱い」を「-3」、とした7段階の評点を付けてもらい、その平均点を算出した。
なお、評価は具体的には次のようにして行った。中身色が見えないよう着色された官能検査用のグラスに飲料を10ml入れたものに、シャーレでフタをした。この状態でグラスを数回回してからフタをあけて臭いをかぎ、青臭さ、ムレ臭、刺激臭、及び酢酸臭を評価した。鼻腔から香りが消えたら次のサンプル評価を行った。
結果を表4~5に示す。
Figure 2022045279000004
Figure 2022045279000005
試験例3.風味評価試験3
表6に示す組成に従って原料を配合し、ヘキサナール、評価対象成分(A1成分、A2成分、A3成分、A4成分、及びA5成分)(試験例1と同じものを使用した。)を表6に記載の含有量となるように適宜添加して、20℃で均一になるよう十分に攪拌混合した後、90℃で120秒の殺菌処理を行い、ボトル(150ml容量のガラス瓶)に充填して、食品サンプル(調味料及び菓子:実施例40~47)を調製した。実施例の食品サンプル中の、ヘキサナール、A1成分、A2成分、A3成分、A4成分、及びA5成分それぞれの含有量は、試験例1におけるヘキサナールの含有量の測定方法と同様の方法により測定した。また、酢酸の含有量は、試験例2と同様の方法により測定した。
調製後にボトル(150ml容量のガラス瓶)に充填、密封して60℃で10日間保存(常温20℃で12カ月間保存に相当)した後の食品について、青臭さ、ムレ臭、刺激臭、及び酢酸臭を、試験例1と同様に、風味に関する判定能力が一定の試験により担保された専門パネラー10名に評価させた。なお、評価においては、青臭さ、ムレ臭、刺激臭、及び酢酸臭について、「非常に強い」を「 +3」、「非常に弱い」を「-3」、とした7段階の評点を付けてもらい、その平均点を算出した。
なお、評価は具体的には次のようにして行った。中身色が見えないよう着色された官能検査用のグラスに食品を10ml入れたものに、シャーレでフタをした。この状態でグラスを数回回してからフタをあけて臭いをかぎ、青臭さ、ムレ臭、刺激臭、及び酢酸臭を評価した。鼻腔から香りが消えたら次のサンプル評価を行った。
結果を表6に示す。
Figure 2022045279000006

Claims (14)

  1. 酢酸を0.02w/v%以上含有し、且つ(A1成分)6-メチル-5-ヘプテン-2-オンを0.001ppb以上含有する、酢酸含有飲食品。
  2. 前記A1成分の含有量が0.005~1000ppbである、請求項1に記載の酢酸含有飲食品。
  3. ヘキサナールを含有し、且つ酢酸濃度値(w/v%)に対するヘキサナールの濃度値(ppb)の比(ヘキサナールの濃度値(ppb)/酢酸濃度値(w/v%))が0.01以上である、請求項1又は2に記載の酢酸含有飲食品。
  4. 前記比(ヘキサナールの濃度値(ppb)/酢酸濃度値(w/v%))が0.05~100000である、請求項3に記載の酢酸含有飲食品。
  5. (A2成分)3-メチル-1-ブタノール、(A3成分)酪酸エチル、(A4成分)1-ヘキサノール、及び(A5成分)酢酸2-メチルブチルからなる群より選択される少なくとも1種の香気成分を含有する、請求項1~4のいずれかに記載の酢酸含有飲食品。
  6. 前記香気成分の合計含有量が0.01ppb以上である、請求項5に記載の酢酸含有飲食品。
  7. (要件2a)前記A2成分の含有量が0.5ppb以上であること、
    (要件3a)前記A3成分の含有量が0.01ppb以上であること、
    (要件4a)前記A4成分の含有量が0.01ppb以上であること、及び
    (要件5a)前記A5成分の含有量が0.01ppb以上であること
    からなる群より選択される少なくとも1種の要件を満たす、請求項5又は6に記載の酢酸含有飲食品。
  8. 果汁を含有する、請求項1~7のいずれかに記載の酢酸含有飲食品。
  9. 果汁含有率(ストレート果汁換算)が0.1質量%以上700質量%以下である、請求項8に記載の酢酸含有飲食品。
  10. 前記果汁がブルーベリー果汁、イチゴ果汁、ザクロ果汁、ブドウ果汁、ラズベリー果汁、カシス果汁、柑橘果汁、リンゴ果汁、メロン果汁、ウメ果汁、モモ果汁である、請求項8又は9に記載の酢酸含有飲食品。
  11. 飲料又は該飲料の調製用組成物である、請求項1~10のいずれかに記載の酢酸含有飲食品。
  12. 酢酸を含有量が0.02w/v%以上になるように配合すること、及び(A1成分)6-メチル-5-ヘプテン-2-オンを含有量が0.001ppb以上になるように配合することを含む、保存後の青臭さと、保存後の酢酸臭、刺激臭、及びムレ臭からなる群より選択される少なくとも1種とが抑制された酢酸含有飲食品の製造方法。
  13. (A1成分)6-メチル-5-ヘプテン-2-オンを含有量が0.001ppb以上になるように配合することを含む、酢酸含有飲食品の保存後の青臭さと、保存後の酢酸臭、刺激臭、及びムレ臭からなる群より選択される少なくとも1種とを抑制する方法。
  14. (A1成分)6-メチル-5-ヘプテン-2-オンを含有する、酢酸含有飲食品の保存後の青臭さと、保存後の酢酸臭、刺激臭、及びムレ臭からなる群より選択される少なくとも1種との抑制剤。
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