JP2022044929A - スクリュー羽根ロッド、小口径ボーリングマシン、及び小口径削孔方法 - Google Patents

スクリュー羽根ロッド、小口径ボーリングマシン、及び小口径削孔方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本願発明の課題は、従来技術が抱える問題を解決することであり、すなわち、小口径ボーリングによって相当の深度を掘削する場合であっても、円滑に削孔ズリを孔外に排出することができる技術を提供することである。【解決手段】本願発明の小口径ボーリングマシンは、小口径ボーリング用の削孔機であり、スクリュー羽根ロッドとマシン本体を備えたものである。このうちスクリュー羽根ロッドは、棒状の本体部材と、本体部材の外周に略全長にわたって螺旋状に設けられるスクリュー羽根を有するものである。ボーリングマシンによってスクリュー羽根ロッドが回転することで、スクリュー羽根ロッドの先端に装着された削孔ビットが地盤を切削して下方に掘進していく。また、掘進によって生じる削孔ズリは、スクリュー羽根上に載せられるとともに、スクリュー羽根の回転に伴って孔内を上昇していく。【選択図】図3

Description

本願発明は、小口径ボーリングに関するものであり、より具体的には、スクリュー羽根が設けられたロッドを利用する小口径ボーリングに関するものである。
小口径ボーリングは、文字どおり小口径で地盤を削孔する手法であり、これまで様々なケースで採用されてきたボーリング技術である。例えば特許文献1では、既設杭を引き抜くために既設杭の周囲に環状の溝掘りを行うこととしており、その掘削に小口径ボーリングを適用することを提案している。また特許文献2では、光ファイバによって地盤の変形計測を行うこととしており、その光ファイバを設置するための計測孔を小口径ボーリングによって構築する技術を提案している。
また小口径ボーリングは、山岳トンネルの補助工法として用いられることもある。現在、山岳トンネルの掘削方法としては地山強度を積極的に活かすNATM(New Austrian Tunneling Method)が主流となっており、この工法では状況に応じて種々の補助工法が用いられる。例えば、モンモリロナイトに代表されるスメクタイトを含む地盤は水を吸収すると膨張する特性をもち、そのためトンネル掘削中や供用後に「盤膨れ」という現象が生じることがある。そこで、この盤膨れを抑える対策としてロックボルトを設置する補助工法が用いられる。具体的には、鉛直下向きに数m(例えば9m程度)の深度で削孔することで複数のボーリング孔を構築し、それぞれのボーリング孔内にロックボルト(例えばPC鋼棒)を挿入するとともにグラウトを注入することによって、膨張性の地盤を支持層にいわば縫い付けるわけである。そしてこの鉛直下向きの削孔には、やはり小口径ボーリングが用いられることが多い。
小口径ボーリングによって鉛直下向きに削孔する場合、特許文献3で開示されるように孔底に水を圧送する手法(いわゆる湿式ボーリング)が、汎用的に用いられる。この湿式ボーリングは、削孔ビットから圧力水を送ることでビットを冷却しながら地盤を切削するとともに、切削により生じた土砂や岩砕など(以下、これらを総じて「削孔ズリ」という。)を水の圧力によって孔口までリフトアップする手法である。
特開平10-306443号公報 特開2010-210317号公報 特開2000-064763号公報
調達しやすい水を使用する湿式ボーリングは、採用されることが多い削孔方法のひとつであるが、盤膨れを抑えるためのロックボルト工には適していない。既述したとおり、膨張性の地盤は水を吸収すると膨張するため、地盤に水を積極的に供給する湿式ボーリングはかえって盤膨れを助長することになるわけである。
水の利用を避けたい場合、一般的には無水ボーリングが採用される。この無水ボーリングは、削孔ビットから圧縮空気を送ることで、削孔ビットの切削により生じた削孔ズリを送気圧によって孔口までリフトアップする手法である。しかしながら、送気圧のみで削孔ズリをリフトアップする高さには限界があり、また泥岩など脆弱な岩盤を対象とするケースでは削孔ズリが粘性の高い塊状となりやすく送気圧によるリフトアップは困難となる。盤膨れ対策としてのロックボルト工などは、脆弱な岩盤を対象とすることもあり、しかも相当の深度を削孔することから、無水ボーリングは採用し難い。なお、削孔ズリを送気圧によってリフトアップするとともに、孔口から挿入したホースを通じて削孔ズリを吸引する排土処理が行われることもあるが、小口径ボーリングでは孔壁とロッドとの間隔が小さく吸引用のホースを挿入することは難しい。
本願発明の課題は、従来技術が抱える問題を解決することであり、すなわち、小口径ボーリングによって相当の深度を掘削する場合であっても、円滑に削孔ズリを孔外に排出することができる技術を提供することである。
本願発明は、ロッドの外周に螺旋状のスクリュー羽根を設けることとし、このスクリュー羽根を利用することで削孔ズリを孔口に向けて上昇させる、という点に着目してなされたものであり、これまでにない発想に基づいて行われた発明である。
本願発明のスクリュー羽根ロッドは、小口径ボーリング用のロッドであり、棒状の本体部材と、この本体部材の外周に設けられるスクリュー羽根を備えたものである。なお、スクリュー羽根は、本体部材の略全長(全長を含む)にわたって螺旋状に設けられ、本体部材とスクリュー羽根は一体となって軸周りに回転する。
本願発明の小口径ボーリングマシンは、小口径ボーリング用の削孔機であり、本願発明のスクリュー羽根ロッドとマシン本体を備えたものである。このうちマシン本体は、削孔方向が下向きとなるようにスクリュー羽根ロッドを把持しつつ、このスクリュー羽根ロッドを軸周りに回転させるものである。そして、ボーリングマシンによってスクリュー羽根ロッドが回転することで、スクリュー羽根ロッドの先端に装着された削孔ビットが地盤を切削して下方に掘進していく。また、掘進によって生じる削孔ズリは、スクリュー羽根上に載せられるとともに、スクリュー羽根の回転に伴って孔内を上昇していく。
本願発明の小口径ボーリングマシンは、2以上のスクリュー羽根ロッドからなる連結ロッド体を軸周りに回転させるものとすることもできる。この場合、マシン本体は、把持したスクリュー羽根ロッドを回転させることで連結ロッド体を回転させる。なお、連結ロッド体の最下端には、削孔ビットが装着されたスクリュー羽根ロッドが配置される。
本願発明の小口径ボーリングマシンは、孔底に空気を圧送する空気圧送手段をさらに備えたものとすることもできる。この場合、空気圧送手段が圧送する空気によって、削孔ズリがスクリュー羽根上に載せられる。
本願発明の小口径ボーリングマシンは、小口径ケーシングを把持するケーシング把持手段と、第1吸引手段、第2吸引手段をさらに備えたものとすることもできる。なお、スクリュー羽根ロッドは小口径ケーシング内に配置されるとともに、削孔ビットは小口径ケーシングよりも大径とされる。この場合、スクリュー羽根によって孔内を上昇してきた削孔ズリを第1吸引手段が吸引し、空気圧送手段が圧送する空気によって小口径ケーシングの外側を上昇した削孔ズリを第2吸引手段が吸引する。
本願発明の小口径ボーリングマシンは、マシン本体が第1回転手段と第2回転手段を有するものとすることもできる。この第1回転手段は、スクリュー羽根ロッドを把持しつつ軸周りに回転させる手段であり、一方の第2回転手段は、小口径ケーシングを把持しつつ軸周りに回転させる手段である。なお、第1回転手段はスクリュー羽根ロッドを正逆いずれにも回転させることができ、第2回転手段は小口径ケーシングを正逆いずれにも回転させることができる。
本願発明の小口径削孔方法は、本願発明の小口径ボーリングマシンによって小口径ボーリングを行う方法であり、配置工程と削孔工程、排土工程を備えた方法である。このうち配置工程では、小口径ボーリングマシンを計画位置に配置する。また削孔工程では、小口径ボーリングマシンによって、削孔方向が下向きとなるようにスクリュー羽根ロッドを把持しつつ軸周りに回転させることで、スクリュー羽根ロッドの先端に装着された削孔ビットで地盤を切削して下方に掘進していく。そして排土工程では、掘進によって生じた削孔ズリを孔外に排出する。より詳しくは、削孔ズリがスクリュー羽根上に載せられるとともに、スクリュー羽根の回転に伴って孔内を上昇していくことによって、孔外に排出される。
本願発明のスクリュー羽根ロッド、小口径ボーリングマシン、及び小口径削孔方法には、次のような効果がある。
(1)スクリュー羽根上に載せた削孔ズリをスクリュー羽根の回転に伴って上昇させることから、粘着性の高い土砂など送気圧による除去が困難な削孔ズリや、ボ―リング孔(あるいはケーシング)内に留まる削孔ズリ、ボ―リング孔内を沈降する削孔ズリ、スクリュー羽根に残存する削孔ズリを円滑に排出することができ、その結果、削孔作業を効率的かつ迅速に行うことができる。
(2)また、相当の深度を削孔するケースであっても削孔ズリを上昇させることができ、脆弱な岩盤など粘性の高い塊状となった削孔ズリも孔内で詰まることなく排出することができる。
(3)水を利用することなく削孔できることから、膨張性地山を対象とした盤膨れ対策用のロックボルト工などにも適用することができる。
本願発明の小口径ボーリングマシンを用いて、鉛直下向きに小口径ボーリングを行っている状況を模式的に示す側面図。 小口径ボーリングマシンを構成する主な要素を示すブロック図。 (a)はスクリュー羽根ロッドを模式的に示す側面図、(b)は小口径ケーシング内に配置されたスクリュー羽根ロッドを模式的に示す斜視図。 本体部材の径とスクリュー羽根の径を示す部分側面図。 (a)はスクリュー羽根ロッドを継ぎながら削孔していく状況を示す側面図、(b)は小口径ケーシングとスクリュー羽根ロッドを併用して削孔していく状況を示す側面図。 空気圧送手段を備えた小口径ボーリングマシンを示す側面図。 孔口付近と第2吸気パイプとの連結部を示す部分断面図。 本願発明の小口径削孔方法の主な工程を示すフロー図。
本願発明のスクリュー羽根ロッド、小口径ボーリングマシン、及び小口径削孔方法の実施の例を図に基づいて説明する。
1.全体概要
図1は、本願発明の小口径ボーリングマシン200を用いて、鉛直下向きに小口径ボーリングを行っている状況を模式的に示す側面図である。この図に示すように小口径ボーリングマシン200は、削孔方向が下向きとなるように本願発明のスクリュー羽根ロッド100を把持(グリップ)しつつ、このスクリュー羽根ロッド100をロッド軸AX周りに回転させ、下端に装着された削孔ビットによって地盤を切削することによって、下方に掘進していくものである。
本願発明は、小口径ボーリングに関する技術であることから、小口径ボーリングマシン200に使用されるロッドや削孔ビット、ケーシングなどは小口径ボーリング用のものとされる。例えば、ロッド(後述する本体部材)はその径が38~96mmのもの、削孔ビットはその径が86~130mmのもの、ケーシングはその径が96~133mmのものが特に好適に用いられる。すなわち本願発明は、概ね削孔径が100~145mmのボーリングに特に適した技術である。なお図1では、鉛直下向きに削孔している状況を示しているが、これに限らず水平面に対して下方に角度をとって(つまり斜め下方向に)削孔することもできる。
2.小口径ボーリングマシン
次に、小口径ボーリングマシン200について説明する。なお、本願発明の小口径削孔方法は、小口径ボーリングマシン200を用いて削孔する方法である。したがって、まずは小口径ボーリングマシン200について説明し、その後に本願発明の小口径削孔方法について説明することとする。
図2は、小口径ボーリングマシン200を構成する主な要素を示すブロック図である。この図に示すように小口径ボーリングマシン200は、本願発明のスクリュー羽根ロッド100とマシン本体210を含んで構成され、さらに空気圧送手段220やケーシング把持手段230、第1吸引手段240、第2吸引手段250、小口径ケーシング260などを含んで構成することもできる。以下、主な構成要素ごとに詳しく説明する。
(スクリュー羽根ロッド)
図3は、スクリュー羽根ロッド100を模式的に示す図であり、(a)はその側面図、(b)は小口径ケーシング260内に配置された状態の斜視図である。この図に示すようにスクリュー羽根ロッド100は、棒状の本体部材110とスクリュー羽根120を含んで構成され、さらにジョイント部130を含んで構成することもできる。
本体部材110は、既述したとおり小口径ボーリング用のロッド(例えば、その径が38~73mmのロッド)を利用することができ、中実とすることもできるし、空気等を送るため中空とすることもできる。スクリュー羽根120は、図3(a)に示すように本体部材110の略全長(全長を含む)にわたって螺旋状に設けられるものであり、溶接等によって本体部材110の外周面に固定される。そのため、本体部材110とスクリュー羽根120は、一体となってロッド軸AX周りに回転する。
スクリュー羽根ロッド100(本体部材110)に両端には、他のスクリュー羽根ロッド100や削孔ビット140を連結するためのジョイント部130を設けることもできる。例えば図1(a)では、上端に外周ねじ(雄ねじ)を有する第1ジョイント部131が設けられるとともに、下端に内周ねじ(雌ねじ)を有する第2ジョイント部132が設けられており、この第2ジョイント部132を利用して削孔ビット140が装着されている。もちろん、第1ジョイント部131を第2ジョイント部132内に挿入しながら螺着することによって、スクリュー羽根ロッド100どうしを連結することもできる。なお、ジョイント部130は本体部材110に比して太径となることから、このジョイント部130にはスクリュー羽根120を設けないこととしてもよい。
本願発明のスクリュー羽根ロッド100は、本体部材110の外周に螺旋状のスクリュー羽根120が設けられていることから、削孔ビット140によって地盤を切削した結果生じる削孔ズリは、孔底近くでスクリュー羽根120に載せられ、さらにスクリュー羽根ロッド100の回転に伴ってスクリュー羽根120上を伝いながら孔内を上昇していく。すなわち本願発明のスクリュー羽根ロッド100は、水の圧力を利用することなく削孔ズリを孔口付近までリフトアップすることができ、膨張性地山を対象とした盤膨れ対策用のロックボルト工の削孔にも好適に適用することができるわけである。
ところで、本願発明は小口径ボーリングに適用される技術であるため、孔壁(あるいはケーシング内壁)と本体部材110との間隔が比較的小さくなり、すなわちスクリュー羽根120を配置することができる空間が限定的となる。他方、削孔ズリを孔口付近まで送り出すにあたっては。広い空間がある方がより円滑に処理することができる。そこで、図4に示す本体部材110の径dの寸法はできるだけ小さくするとともに、一方のスクリュー羽根120の径Dはできるだけ大きくすることが考えられる。しかしながら、本体部材110の必要強度を考えると極端に細径にすることはできず、また孔壁との距離を考えるとスクリュー羽根120の径にも限界がある。本願発明の発明者らは、繰り返し試行した結果、本体部材110の径dとスクリュー羽根120の径Dの比d/Dを1/3あるいはそれ以上(つまり、1>d/D≧1/3)とすれば、比較的円滑に削孔ズリを送り出すことができることを見出している。
(マシン本体)
マシン本体210は、図1に示すように、削孔方向が下向きとなるようにスクリュー羽根ロッド100を把持(グリップ)しながら、そのスクリュー羽根ロッド100をロッド軸AX周りに回転させることができる装置であり、従来用いられている小口径ボーリング用の削孔機械を利用することができる。マシン本体210によってスクリュー羽根ロッド100が回転すると、その先端(下端)に装着された削孔ビット140も回転し、これにより地盤が切削され下方に掘り進められていく。なお、削孔ビット140の切削によって生じる削孔ズリは、孔底近くでスクリュー羽根120に載せられ、さらにスクリュー羽根ロッド100の回転に伴ってスクリュー羽根120上を伝いながら孔内を上昇していく。
既述したとおり、ジョイント部130を利用することでスクリュー羽根ロッド100どうしを連結することができることから、マシン本体210は図5(a)に示すように2以上のスクリュー羽根ロッド100を継ぎながら削孔していくこともできる。この場合、2以上のスクリュー羽根ロッド100が連結された「連結ロッド体」が形成され、マシン本体210はこの連結ロッド体のうち把持(グリップ)したスクリュー羽根ロッド100を回転させることによって、連結ロッド体を回転させる。そして、連結ロッド体のうち最下端のスクリュー羽根ロッド100に装着された削孔ビット140によって切削していくわけである。
またマシン本体210によれば、積極的に孔壁を保護することなくスクリュー羽根ロッド100のみで削孔(いわゆる単管削孔)することもできるし、図5(b)に示すように小口径ケーシング260とスクリュー羽根ロッド100を併用して削孔(いわゆる二重管削孔)することもできる。二重管削孔とする場合、小口径ケーシング260を把持(グリップ)するためのケーシング把持手段230が必要となるが、このケーシング把持手段230はマシン本体210の一部として設けることもできるし、マシン本体210とは別体として設けることもできる。なお二重管削孔とするときは、スクリュー羽根ロッド100を小口径ケーシング260内に配置するとともに、削孔ビット140は小口径ケーシング260の口径よりもやや大きな径のものを選ぶとよい。
マシン本体210は、図2に示すように第1回転手段211と第2回転手段212を含んで構成することもできる。この第1回転手段211は、スクリュー羽根ロッド100を把持(グリップ)しつつ、スクリュー羽根ロッド100をロッド軸AX周りに回転させる手段である。一方の第2回転手段212は、小口径ケーシング260を把持(グリップ)しつつ、小口径ケーシング260をケーシング軸周りに回転させる手段である。なお、第1回転手段211と第2回転手段212は、それぞれ独立してスクリュー羽根ロッド100や小口径ケーシング260を回転させることができる。また第1回転手段211は、正回転(例えば右回り)、逆回転(例えば左回り)いずれにもスクリュー羽根ロッド100を回転させることができ、同様に第2回転手段212は、正回転(例えば右回り)、逆回転(例えば左回り)いずれにも小口径ケーシング260を回転させることができる。この場合、第1回転手段211は第2回転手段212よりも上方に配置することとし、すなわち第2回転手段212が小口径ケーシング260を把持する高さよりも上方で第1回転手段211がスクリュー羽根ロッド100を把持する構成にするとよい。
第1回転手段211によって小口径ケーシング260が回転しているときに小口径ケーシング260も回転していると、スクリュー羽根120に載せられた削孔ズリはより円滑に孔内を上昇していくことができる。特に、小口径ケーシング260と小口径ケーシング260の回転方向が反対方向であれば、さらにその効果は顕著となる。例えば、第2回転手段212が逆回転(例えば左回り)で小口径ケーシング260を回転させながら、第1回転手段211が正回転(例えば右回り)でスクリュー羽根ロッド100を回転させると、削孔ズリは極めて円滑に孔内を上昇していくわけである。
(小口径ボーリングマシン)
既述したとおり、膨張性地山を対象として削孔する場合、水の使用は回避した方がよい。そこで、本願発明の小口径ボーリングマシン200は、水を使用しないいわゆる無水掘削が可能な構成とされる。具体的には、既に説明したように、水の圧力を利用することなくスクリュー羽根120の回転を利用して削孔ズリを孔口付近まで送り出す構成とされる。
小口径ボーリングマシン200は、従来の無水掘削でも用いられる空気圧送手段220を含んで構成することもできる。この空気圧送手段220は、空気を圧送することができるもので、エアーコンプレッサーなど従来用いられる種々の機器を利用することができる。
図6は、空気圧送手段220を備えた小口径ボーリングマシン200を示す側面図である。この図に示すように、空気圧送手段220は地上に設置され、送気ルートVI上には送気管221が配置される。空気圧送手段220が空気を圧送すると、送気管221を通じて本体部材110(スクリュー羽根ロッド100)内に設けられた空気孔に送られ、さらにこの空気孔を通じて孔底まで圧送された空気は削孔ビット140から吐出される。すなわち空気圧送手段220を利用することで、削孔ビット140から吐出された空気の圧力によって削孔ズリが吹き上げられ、これにより削孔ズリはスクリュー羽根120上により載置されやすくなるわけである。
また二重管削孔とする場合、小口径ボーリングマシン200は第1吸引手段240と第2吸引手段250を含んで構成することもできる。この第1吸引手段240と第2吸引手段250は、いずれも孔内を上昇してきた削孔ズリを吸引するもので、エアーコンプレッサーなど従来用いられる種々の機器を利用することができる。なお図6では、1台のエアーコンプレッサーが空気圧送手段220と第1吸引手段240、第2吸引手段250を兼用しているが、それぞれ別にエアーコンプレッサーを用意してもよい。
第1吸引手段240は、図6に示すように地上に設置され、スクリュー羽根120の効果で孔内を上昇してきた削孔ズリを吸引するものである。具体的には、小口径ケーシング260の上端から第1吸気パイプ241を挿入し、第1吸引手段240が第1吸気パイプ241内の空気を吸引する(つまり負圧にする)ことによって小口径ケーシング260の上端付近(つまりスクリュー羽根ロッド100の最上部)まで上昇した削孔ズリを吸引する。このとき、図6に示すように第1吸気パイプ241に第1吸気バルブ242を設け、第1吸引手段240が第1吸引ルートVO1を通じて第1吸気バルブ242から第1吸気パイプ241内の空気を吸引することもできる。
ところで、空気圧送手段220によって削孔ビット140から空気を吐出する二重管削孔の場合、小口径ケーシング260の外側(つまり小口径ケーシング260と孔壁との隙間)を通じて削孔ズリが吹き上げられることもある。第2吸引手段250は、小口径ケーシング260の外側を上昇した削孔ズリを吸引するものである。具体的には、孔口付近(図6に示すA部)に第2吸気パイプ251を連結し、第2吸引手段250が第2吸気パイプ251内の空気を吸引する(つまり負圧にする)ことによって孔口付近まで上昇した削孔ズリを吸引する。このとき、図6に示すように第2吸気パイプ251に第2吸気バルブ252を設け、第2吸引手段250が第2吸引ルートVO2を通じて第2吸気バルブ252から第2吸気パイプ251内の空気を吸引することもできる。
図7は、図6に示すA部を詳しく説明する図であって、孔口付近と第2吸気パイプ251との連結部を示す部分断面図である。この図では小口径ケーシング260が地面を通過する孔口付近に削孔ズリ収集桝BSが設置されており、この削孔ズリ収集桝BSには第2吸気パイプ251が連結されている。なお削孔ズリ収集桝BSの内部は空気が漏れないように気密状態を保つ構造にするとよい。そして、第2吸引手段250が第2吸気パイプ251内の空気を吸引すると、小口径ケーシング260の外側を上昇してきた削孔ズリが削孔ズリ収集桝BS内までさらに上昇するとともに、削孔ズリ収集桝BS内の削孔ズリは第2吸気パイプ251内に吸引される。
第1吸引手段240によって吸引された削孔ズリは、第1吸気パイプ241を通じてサイクロンCYまで輸送され、同様に、第2吸引手段250によって吸引された削孔ズリは、第2吸気パイプ251を通じてサイクロンCYまで輸送される。そして、サイクロンCYによって削孔ズリと空気が分離され、削孔ズリのみがベッセルVSに貯められていく。
3.小口径削孔方法
続いて、本願発明の小口径削孔方法について図8を参照しながら説明する。なお、本願発明の小口径削孔方法は、ここまで説明した小口径ボーリングマシン200を用いて削孔する方法である。したがって小口径ボーリングマシン200で説明した内容と重複する説明は避け、本願発明の小口径削孔方法に特有の内容のみ説明することとする。すなわち、ここに記載されていない内容は、「2.小口径ボーリングマシン」で説明したものと同様である。
図8は、本願発明の小口径削孔方法の主な工程を示すフロー図である。まず、図8に示すように本願発明の小口径ボーリングマシン200を計画された位置に配置する(Step10)とともに、エアーコンプレッサー(空気圧送手段220や第1吸引手段240、第2吸引手段250)や削孔ズリ収集桝BS、サイクロンCY、ベッセルVSといった必要機器も配置する。そして、マシン本体210にスクリュー羽根ロッド100を設置し、必要に応じて小口径ケーシング260を配置するなど準備工を行う。
準備が整うと、小口径ボーリングマシン200が、削孔方向が下向きとなるようにスクリュー羽根ロッド100を把持(グリップ)しつつ、このスクリュー羽根ロッド100をロッド軸AX周りに回転させ、下端に装着された削孔ビット140の回転打撃により地盤を破砕切削することによって、下方に掘進していく(Step20)。削孔ビット140の切削によって生じる削孔ズリは、孔底近くでスクリュー羽根120に載せられ、さらにスクリュー羽根ロッド100の回転に伴ってスクリュー羽根120上を伝いながら孔内を上昇していく。このとき、第1回転手段211と第2回転手段212によって、スクリュー羽根ロッド100と小口径ケーシング260をそれぞれ反対方向に回転させることもできる。
そして、スクリュー羽根ロッド100の上端部まで運ばれた削孔ズリを、孔外に排出する(Step30)。このとき、スクリュー羽根120により孔内を上昇してきた削孔ズリを第1吸引手段240で吸引することもできるし、小口径ケーシング260の外側を上昇してきた削孔ズリを第2吸引手段250で吸引することもできる。ジョイント部130を用いて適宜スクリュー羽根ロッド100を連結しながら一連の工程を繰り返し行い、予定深さまで削孔していく。
本願発明のスクリュー羽根ロッド、小口径ボーリングマシン、及び小口径削孔方法は、盤膨れ対策用のロックボルトや下半用のロックボルトの削孔、グラウト材注入のための削孔、地盤計測機器設置のための削孔など、小口径で削孔するあらゆる場面で利用することができる。
100 本願発明のスクリュー羽根ロッド
110 (スクリュー羽根ロッドの)本体部材
120 (スクリュー羽根ロッドの)スクリュー羽根
130 (スクリュー羽根ロッドの)ジョイント部
131 (ジョイント部の)第1ジョイント部
132 (ジョイント部の)第2ジョイント部
140 削孔ビット
200 本願発明の小口径ボーリングマシン
210 (小口径ボーリングマシンの)マシン本体
211 (マシン本体の)第1回転手段
212 (マシン本体の)第2回転手段
220 (小口径ボーリングマシンの)空気圧送手段
221 送気管
230 (小口径ボーリングマシンの)ケーシング把持手段
240 (小口径ボーリングマシンの)第1吸引手段
241 第1吸気パイプ
242 第1吸気バルブ
250 (小口径ボーリングマシンの)第2吸引手段
251 第2吸気パイプ
252 第2吸気バルブ
260 小口径ケーシング
AX ロッド軸
BS 削孔ズリ収集桝
CY サイクロン
VI 送気ルート
VO1 第1吸引ルート
VO2 第2吸引ルート
VS ベッセル

Claims (7)

  1. 小口径ボーリング用のロッドにおいて、
    棒状の本体部材と、
    前記本体部材の外周に設けられるスクリュー羽根と、を備え、
    前記スクリュー羽根は、前記本体部材の全長又は略全長にわたって螺旋状に設けられ、
    前記本体部材と前記スクリュー羽根は、一体となって軸周りに回転する、
    ことを特徴とするスクリュー羽根ロッド。
  2. 小口径ボーリング用の削孔機において、
    棒状の本体部材と、該本体部材の外周に全長又は略全長にわたって螺旋状に設けられるスクリュー羽根と、を有するスクリュー羽根ロッドと、
    削孔方向が下向きとなるように前記スクリュー羽根ロッドを把持しつつ、軸周りに回転させるマシン本体と、を備え、
    前記本体部材と前記スクリュー羽根は、一体となって軸周りに回転し、
    前記ボーリングマシンによって前記スクリュー羽根ロッドが回転することで、該スクリュー羽根ロッドの先端に装着された削孔ビットが地盤を切削して下方に掘進していき、
    掘進によって生じる削孔ズリは、前記スクリュー羽根上に載せられるとともに、該スクリュー羽根の回転に伴って孔内を上昇していく、
    ことを特徴とする小口径ボーリングマシン。
  3. 前記マシン本体は、把持した前記スクリュー羽根ロッドを回転させることで、連結された2以上の前記スクリュー羽根ロッドからなる連結ロッド体を軸周りに回転させ、
    前記連結ロッド体の最下端には、前記削孔ビットが装着された前記スクリュー羽根ロッドが配置される、
    ことを特徴とする請求項2記載の小口径ボーリングマシン。
  4. 孔底に空気を圧送する空気圧送手段を、さらに備え、
    前記空気圧送手段が圧送する空気によって、前記削孔ズリが前記スクリュー羽根上に載せられる、
    ことを特徴とする請求項2又は請求項3記載の小口径ボーリングマシン。
  5. 小口径ケーシングを把持するケーシング把持手段と、
    第1吸引手段と、
    第2吸引手段と、をさらに備え、
    前記スクリュー羽根ロッドは前記小口径ケーシング内に配置されるとともに、前記削孔ビットは該小口径ケーシングよりも大径とされ、
    前記第1吸引手段は、前記スクリュー羽根によって上昇した前記削孔ズリを吸引し、
    前記第2吸引手段は、前記空気圧送手段が圧送する空気によって前記小口径ケーシングの外側を上昇した前記削孔ズリを吸引する、
    ことを特徴とする請求項4記載の小口径ボーリングマシン。
  6. 前記マシン本体は、第1回転手段と第2回転手段を有し、
    前記第1回転手段は、前記スクリュー羽根ロッドを把持しつつ軸周りに回転させ、
    前記第2回転手段は、小口径ケーシングを把持しつつ軸周りに回転させ、
    前記スクリュー羽根ロッドは前記小口径ケーシング内に配置されるとともに、前記削孔ビットは該小口径ケーシングよりも大径とされ、
    前記第1回転手段は前記スクリュー羽根ロッドを正逆いずれにも回転させることができるととともに、前記第2回転手段は前記小口径ケーシングを正逆いずれにも回転させることができる、
    ことを特徴とする請求項2乃至請求項5のいずれかに記載の小口径ボーリングマシン。
  7. 小口径ボーリングを行う方法において、
    小口径ボーリングマシンを計画位置に配置する配置工程と、
    前記小口径ボーリングマシンによって、削孔方向が下向きとなるようにスクリュー羽根ロッドを把持しつつ軸周りに回転させることで、該スクリュー羽根ロッドの先端に装着された削孔ビットで地盤を切削して下方に掘進していく削孔工程と、
    掘進によって生じた削孔ズリを孔外に排出する排土工程と、を備え、
    前記スクリュー羽根ロッドは、棒状の本体部材と、該本体部材の外周に全長又は略全長にわたって螺旋状に設けられるスクリュー羽根と、を有するとともに、該本体部材と該スクリュー羽根が一体となって軸周りに回転し、
    前記排土工程では、前記削孔ズリが前記スクリュー羽根上に載せられるとともに、該スクリュー羽根の回転に伴って孔内を上昇していくことによって、孔外に排出される、
    ことを特徴とする小口径削孔方法。
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