JP2022044409A - 異常推定装置 - Google Patents

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淳 田端
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弘一 奥田
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健 今村
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Abstract

【課題】動力伝達装置の異常箇所を特定する。【解決手段】車両の制御装置は、動力伝達装置の異常を推定する異常推定装置として機能する。制御装置には、入力変数が入力されることにより動力伝達装置における特定の異常候補箇所での異常発生確率を示す出力変数を出力する写像を規定する写像データが記憶されている。写像は、複数の入力変数の1つとして、動力伝達装置の出力軸が予め定められた単位角度回転するときに動力伝達装置から発生する異音の発生回数を示す発生回数変数を含んでいる。制御装置は、入力変数を取得する処理である取得処理と、取得処理により取得した入力変数を写像に入力することによって出力変数の値を出力する算出処理と、を実行する。【選択図】図3

Description

本発明は、異常推定装置に関する。
特許文献1に記載の車両は、駆動源としてのエンジンと、エンジンから駆動輪へと動力を伝達する動力伝達装置とを備えている。この動力伝達装置は、エンジンから駆動輪までの動力伝達経路上において複数のギアを備えている。
特開2016-222090号公報
特許文献1の動力伝達装置では、当該動力伝達装置に異常が生じると、駆動源から駆動輪へと動力が伝達されるときに異音が発生することがある。例えば、ギアが摩耗した場合、互いに噛み合うギアの歯と歯との間の隙間が過度に大きくなる。この場合、互いに噛み合うギアの歯と歯とが接触する際に発生する音が大きくなり、運転者等に異音として知覚されることがある。このように、動力伝達装置において異音の発生を伴う異常が発生した場合、異常箇所を特定してメンテナンス等を行うことが考えられる。しかしながら、動力伝達装置は複数のギアを備えているため、動力伝達装置の異常箇所を特定することは、容易でない。
上記課題を解決するための異常推定装置は、駆動源から駆動輪までの動力伝達経路上に位置する複数のギアを含む動力伝達装置が搭載された車両に適用され、前記動力伝達装置の異常を推定する異常推定装置であって、実行装置と、記憶装置と、を備え、前記記憶装置には、入力変数が入力されることにより前記動力伝達装置における特定の異常候補箇所での異常発生確率を示す出力変数を出力する写像を規定する写像データが記憶されており、前記写像は、複数の前記入力変数の1つとして、前記動力伝達装置の入力軸又は出力軸が予め定められた単位角度回転するときに前記動力伝達装置から発生する異音の発生回数を示す発生回数変数を含み、前記実行装置は、前記入力変数を取得する処理である取得処理と、前記取得処理により取得した前記入力変数を写像に入力することによって前記出力変数の値を出力する算出処理と、を実行する。
動力伝達装置が備える各部材は、動力伝達装置の入力軸又は出力軸の回転に対して所定の比でもって回転する。つまり、各部材は、動力伝達装置の入力軸又は出力軸が単位角度回転するに際して、どの程度の角度回転するのかが決まっている。したがって、異音の発生回数は、動力伝達装置における異常の発生箇所と関連している。
上記構成によれば、異常発生箇所と関連している異音の発生回数を示す発生回数変数が、写像の入力変数に含まれる。したがって、異常候補箇所での異常発生確率を示す出力変数として、正確な変数を得られる。そして、異常候補箇所での異常発生確率が正確に把握できれば、動力伝達装置における異常の発生箇所の特定に寄与できる。
車両の概略構成図。 自動変速機における変速段及び係合要素の関係を示す説明図。 推定制御を示すフローチャート。
以下、本発明の一実施形態を図1~図3にしたがって説明する。先ず、車両100の概略構成について説明する。
図1に示すように、車両100は、内燃機関10、動力分割機構20、自動変速機30、駆動輪69、油圧装置65、第1モータジェネレータ61、及び第2モータジェネレータ62を備えている。
内燃機関10は、当該内燃機関10の出力軸であるクランクシャフト11を備えている。クランクシャフト11は、動力分割機構20に連結している。動力分割機構20は、サンギアS、リングギアR、及びキャリアCを有する遊星歯車機構である。動力分割機構20のキャリアCは、クランクシャフト11に連結している。サンギアSは、第1モータジェネレータ61の回転軸61Aに連結している。リングギアRの出力軸であるリングギア軸RAは、第2モータジェネレータ62の回転軸62Aに連結している。また、リングギア軸RAは、自動変速機30に連結している。
自動変速機30は、入力軸41、及び出力軸42を備えている。自動変速機30の入力軸41は、リングギア軸RAに連結している。自動変速機30の出力軸42は、図示しないディファレンシャルギアを介して左右の駆動輪69に連結している。したがって、本実施形態において、駆動源としての内燃機関10から駆動輪69までの動力伝達経路上には、動力分割機構20及び自動変速機30が位置している。そして、これら動力分割機構20及び自動変速機30は、いずれも複数のギアを備えている。
内燃機関10が駆動して、動力分割機構20のキャリアCにクランクシャフト11からトルクが入力されると、そのトルクがサンギアS側とリングギアR側とに分割される。第1モータジェネレータ61が電動機として動作して、動力分割機構20のサンギアSにトルクが入力されると、そのトルクがキャリアC側とリングギアR側とに分割される。また、内燃機関10のトルクがサンギアSを介して第1モータジェネレータ61に入力されると、第1モータジェネレータ61が発電機として機能する。
第2モータジェネレータ62が電動機として動作して、リングギア軸RAにトルクが入力されると、そのトルクは自動変速機30へと伝達される。また、駆動輪69側からのトルクがリングギア軸RAを介して第2モータジェネレータ62に入力されると、第2モータジェネレータ62が発電機として機能し、車両100に回生制動力を発生させることが可能になっている。
自動変速機30は、第1遊星ギア機構30A、第2遊星ギア機構30B、第1クラッチC1、第2クラッチC2、第1ブレーキ機構B1、第2ブレーキ機構B2、及びワンウェイクラッチF1を備えている。
さらに、第1遊星ギア機構30Aは、サンギア31、リングギア32、ピニオンギア33、及びキャリア34を備えている。サンギア31は、ピニオンギア33を介してリングギア32に連結している。キャリア34は、ピニオンギア33を支持している。
サンギア31は、第1ブレーキ機構B1に連結している。第1ブレーキ機構B1は、当該第1ブレーキ機構B1に供給されるオイルの圧力によって係合状態及び解放状態が切り替え可能である。具体的には、第1ブレーキ機構B1に供給されるオイルの圧力が高くなることで、第1ブレーキ機構B1が解放状態から係合状態へと切り替えられる。そして、第1ブレーキ機構B1が係合状態であるときには、サンギア31の回転が制動される。
キャリア34は、ワンウェイクラッチF1に連結している。ワンウェイクラッチF1は、キャリア34の一方側への回転を規制しつつ他方側への回転を許容する。すなわち、ワンウェイクラッチF1は、キャリア34の回転を規制する規制状態、又はキャリア34の回転を許容する許容状態に切り替わる。また、キャリア34は、第2ブレーキ機構B2に連結している。第2ブレーキ機構B2は、第1ブレーキ機構B1と同様に、当該第2ブレーキ機構B2に供給されるオイルの圧力によって係合状態及び解放状態が切り替え可能である。そして、第2ブレーキ機構B2が係合状態であるときには、キャリア34の回転が制動される。
第2遊星ギア機構30Bは、サンギア36、リングギア37、ピニオンギア38、及びキャリア39を備えている。サンギア36は、ピニオンギア38を介してリングギア37に連結している。キャリア39は、ピニオンギア38を支持している。キャリア39は、出力軸42に連結している。
上記のように構成された各遊星ギア機構において、第1遊星ギア機構30Aのキャリア34は、第2遊星ギア機構30Bのリングギア37に連結している。また、第1遊星ギア機構30Aのリングギア32は、第2遊星ギア機構30Bのキャリア39に連結している。
第2遊星ギア機構30Bのサンギア36は、第1クラッチC1を介して入力軸41に連結している。第1クラッチC1は、当該第1クラッチC1に供給されるオイルの圧力によって係合状態及び解放状態が切り替え可能である。具体的には、第1クラッチC1に供給されるオイルの圧力が高くなることで、第1クラッチC1が解放状態から係合状態へと切り替えられる。そして、第1クラッチC1が係合状態となることで、第2遊星ギア機構30Bのサンギア36が入力軸41と共に回転する。
また、第1遊星ギア機構30Aのキャリア34は、第2クラッチC2を介して入力軸41に連結している。第2クラッチC2は、第1クラッチC1と同様に、当該第2クラッチC2に供給されるオイルの圧力によって係合状態及び解放状態が切り替え可能である。そして、第2クラッチC2が係合状態となることで、第1遊星ギア機構30Aのキャリア34が入力軸41と共に回転する。なお、本実施形態において、第1クラッチC1、第2クラッチC2、第1ブレーキ機構B1、及び第2ブレーキ機構B2のそれぞれが、係合要素である。
図2に示すように、自動変速機30では、第1クラッチC1、第2クラッチC2、第1ブレーキ機構B1、及び第2ブレーキ機構B2における係合状態、解放状態の組み合わせと、ワンウェイクラッチF1における規制状態、許容状態の組み合わせとにより、変速段が切り替えられる。この自動変速機30では、前進走行するための「1速」~「4速」の4個の変速段と、後進走行するための「R」の1個の変速段との合計5個の変速段を形成可能である。
なお、図2において、「〇」は、第1クラッチC1等の係合要素が係合状態であることや、ワンウェイクラッチF1が規制状態であることを示す。また、「(〇)」は、第2ブレーキ機構B2が係合状態又は解放状態であることを示す。さらに、空欄は、第1クラッチC1等の係合要素が解放状態であることや、ワンウェイクラッチF1が許容状態であることを示す。例えば、自動変速機30の変速段が2速である場合、第1クラッチC1、及び第1ブレーキ機構B1が係合状態になっている一方、第2クラッチC2、及び第2ブレーキ機構B2が解放状態になり、ワンウェイクラッチF1が許容状態になっている。
図1に示すように、油圧装置65は、オイルポンプ66、及びオイルポンプ66からのオイルが流通する油圧回路67を備えている。オイルポンプ66は、クランクシャフト11のトルクを受けて動作するいわゆる機械式のオイルポンプである。油圧回路67は、図示しないソレノイドバルブを複数備えている。油圧回路67は、ソレノイドバルブを制御することにより、第1クラッチC1、第2クラッチC2、第1ブレーキ機構B1、及び第2ブレーキ機構B2に供給するオイルの圧力を調整する。すなわち、本実施形態では、油圧回路67のソレノイドバルブを制御することにより、オイルの圧力を通じて第1クラッチC1等の係合要素の係合状態及び開放状態を制御する。
図1に示すように、車両100は、クランク角センサ71、アクセルポジションセンサ72、車速センサ73、出力軸角センサ74、マイク75、表示器76、及びアクセルペダル77を備えている。クランク角センサ71は、クランクシャフト11の近傍に取り付けられている。クランク角センサ71は、クランクシャフト11の回転角であるクランク角SCを検出する。アクセルポジションセンサ72は、運転者が操作するアクセルペダル77の操作量であるアクセル操作量ACCを検出する。車速センサ73は、車両100の速度である車速SPを検出する。出力軸角センサ74は、出力軸42の近傍に取り付けられている。出力軸角センサ74は、出力軸42の回転角である出力軸角SOUTを検出する。マイク75は、自動変速機30の近傍に取り付けられている。マイク75は、当該マイク75に伝わる音の音量NSを検出する。本実施形態において、マイク75は、音の大きさをデシベル(dB)に換算して、音量NSとして検出する。表示器76は、車両100の運転者等に視覚情報を表示する。表示器76の一例は、ディスプレイである。
車両100は、制御装置90を備えている。制御装置90には、クランク角SCを示す信号がクランク角センサ71から入力される。制御装置90には、アクセル操作量ACCを示す信号がアクセルポジションセンサ72から入力される。制御装置90には、車速SPを示す信号が車速センサ73から入力される。制御装置90には、出力軸角SOUTを示す信号が出力軸角センサ74から入力される。制御装置90には、音量NSを示す信号がマイク75から入力される。
制御装置90は、CPU91、周辺回路92、ROM93、記憶装置94、及びバス95を備えている。バス95は、CPU91、周辺回路92、ROM93、及び記憶装置94を互いに通信可能に接続している。ROM93には、CPU91が各種の制御を実行するために各種のプログラムが予め記憶されている。記憶装置94には、写像データ94Aが予め記憶されている。写像データ94Aによって規定される写像Mは、入力変数が入力されることにより自動変速機30における特定の異常候補箇所での異常発生確率を示す出力変数を出力する。なお、写像Mの具体的な説明は後述する。
記憶装置94は、制御装置90に入力された、クランク角SC、アクセル操作量ACC、車速SP、出力軸角SOUT、及び音量NSを含むデータを一定期間に亘って記憶する。周辺回路92は、内部の動作を規定するクロック信号を生成する回路、電源回路、リセット回路等を含む。本実施形態において、CPU91及びROM93が実行装置である。また、記憶装置94が記憶装置である。制御装置90は、自動変速機30の異常を推定する異常推定装置として機能する。なお、本実施形態において、自動変速機30が動力伝達装置である。
CPU91は、ROM93に記憶された各種のプログラムを実行することにより、内燃機関10、第1モータジェネレータ61、第2モータジェネレータ62、自動変速機30等を制御する。具体的には、CPU91は、アクセル操作量ACC及び車速SPに基づいて、車両100が走行するために必要な出力の要求値である車両要求出力を算出する。CPU91は、車両要求出力に基づいて、内燃機関10、第1モータジェネレータ61、及び第2モータジェネレータ62のトルク配分を決定する。CPU91は、内燃機関10、第1モータジェネレータ61、及び第2モータジェネレータ62のトルク配分に基づいて、内燃機関10の出力と、第1モータジェネレータ61及び第2モータジェネレータ62の力行及び回生とを制御する。
また、CPU91は、車速SP及び車両要求出力に基づいて、自動変速機30において目標とする変速段である目標変速段を算出する。CPU91は、目標変速段に基づいて、第1クラッチC1、第2クラッチC2、第1ブレーキ機構B1、及び第2ブレーキ機構B2に供給するオイルの圧力の目標値である目標圧力を算出する。そして、CPU91は、目標圧力に基づいて、油圧装置65に制御信号S1を出力する。油圧装置65は、制御信号S1に基づいて、第1クラッチC1、第2クラッチC2、第1ブレーキ機構B1、及び第2ブレーキ機構B2に供給するオイルの圧力を変更する。例えば、図2に示すように、自動変速機30の変更前の変速段が2速である場合、第1クラッチC1、及び第1ブレーキ機構B1が係合状態になっている一方、第2クラッチC2、及び第2ブレーキ機構B2が解放状態になり、ワンウェイクラッチF1が許容状態になっている。ここで、自動変速機30の目標変速段が3速に設定されると、第2クラッチC2の目標圧力に基づいた制御信号S1に応じて、油圧装置65から第2クラッチC2に供給されるオイルの圧力が徐々に高くなることで、第2クラッチC2が解放状態から係合状態になる。一方、第1ブレーキ機構B1の目標圧力に基づいた制御信号S1に応じて、油圧装置65から第1ブレーキ機構B1に供給されるオイルの圧力が徐々に低くなることで、第1ブレーキ機構B1が係合状態から解放状態になる。その結果、自動変速機30の変速段が2速から3速に変更される。
次に、CPU91が自動変速機30の異常を推定する推定制御について説明する。
なお、ROM93には、推定制御を実行するためのプログラムである推定用プログラムが予め記憶されている。CPU91は、制御装置90が起動している状態では、ROM93に記憶された推定用プログラムを実行することにより、推定制御を繰り返し行う。
本実施形態において、自動変速機30の異常とは、当該自動変速機30のギアの経年劣化等に起因して互いに噛み合うギアの歯と歯との隙間が過度に大きくなったり、ギアの歯が部分的に欠けたりすることである。また、この実施形態では、自動変速機30の異常候補箇所は、サンギア31及びピニオンギア33のギア間、ピニオンギア33及びリングギア32のギア間、サンギア36及びピニオンギア38のギア間、ピニオンギア38及びリングギア37のギア間の合計4か所である。
図3に示すように、推定制御が開始されると、CPU91は、ステップS11を実行する。ステップS11において、CPU91は、音量NSが予め定められた規定値A以上であるか否かを判定する。規定値Aは、例えば、車両100の運転席において人間が知覚できる値として、予め試験及びシミュレーション等で定められている。CPU91は、音量NSが規定値A未満であると判定した場合(S11:NO)、再びステップS11の処理を繰り返す。一方、CPU91は、音量NSが規定値A以上であると判定した場合(S11:YES)、処理をステップS12に進める。
ステップS12において、CPU91は、その時点の自動変速機30の変速段に基づいて、自動変速機30の変速比GRを取得する。変速比GRとは、自動変速機30の入力軸41の回転数と出力軸42の回転数との比である。また、CPU91は、ステップS12の処理時点での車速SPを取得する。CPU91は、ステップS12の処理時点での車両要求出力に基づいて、入力軸41に入力されるトルクである入力トルクTinを算出する。具体的には、CPU91は、車両要求出力が大きいほど入力トルクTinを大きい値として算出する。CPU91は、算出した各値を記憶装置94に記憶させる。その後、CPU91は、処理をステップS13に進める。
ステップS13において、CPU91は、自動変速機30の出力軸42が360度、すなわち1回転するときに自動変速機30から発生する異音の発生回数Zを算出する。具体的には、CPU91は、ステップS11において音量NSが規定値A以上であると判定されてから所定期間の音量NSの推移を取得する。所定期間としては、例えば数秒である。CPU91は、取得した音量NSの推移から、音量NSの極大値を特定する。なお、ここでいう極大値とは、音量NSの推移上において、音量NSが増加から減少に転じる値である。さらに、CPU91は、特定した音量NSの極大値のうち規定値A以上であるものの数をカウントし、これを期間内異音発生回数Z1とする。また、CPU91は、出力軸角センサ74が検出した出力軸角SOUTに基づいて上記所定期間内の出力軸42の回転角度を算出し、これを「360」で除算することにより期間内回転回数NOUT1を算出する。そして、CPU91は、期間内異音発生回数Z1を期間内回転回数NOUT1で除算することにより、発生回数Zを算出する。CPU91は、算出した発生回数Zを記憶装置94に記憶させる。その後、CPU91は、処理をステップS14に進める。
ステップS14において、CPU91は、上記所定期間内の音量NSの平均値である平均音量NSAを算出する。この実施形態では、CPU91は、ステップS13でカウントの対象となった音量NSの極大値、すなわち、規定値A以上の極大値の平均を、平均音量NSAとして算出する。CPU91は、算出した平均音量NSAを記憶装置94に記憶させる。その後、CPU91は、処理をステップS21に進める。
ステップS21において、CPU91は、記憶装置94にアクセスすることにより、各種の値を取得する。具体的には、CPU91は、発生回数Z、平均音量NSA、変速比GR、車速SP、及び入力トルクTinを取得する。なお、本実施形態において、ステップS21の処理が取得処理である。その後、CPU91は、処理をステップS22に進める。
ステップS22において、CPU91は、ステップS21の処理で取得した各種の値を、自動変速機30の異常を推定する写像Mへの入力変数x(1)~入力変数x(5)として生成する。
具体的には、CPU91は、入力変数x(1)に発生回数Zを代入する。CPU91は、入力変数x(2)に平均音量NSAを代入する。CPU91は、入力変数x(3)に変速比GRを代入する。CPU91は、入力変数x(4)に車速SPを代入する。CPU91は、入力変数x(5)に入力トルクTinを代入する。その後、CPU91は、処理をステップS23に進める。
ステップS23において、CPU91は、記憶装置94に予め記憶されている写像データ94Aによって規定される写像Mに、ステップS22の処理において生成された入力変数x(1)~x(5)及びバイアスパラメータとしての入力変数x(0)を入力することによって、出力変数y(i)の値を算出する。その後、CPU91は、処理をステップS24に進める。
写像データ94Aによって規定される写像Mの一例は、関数近似器であり、中間層が1層の全結合順伝搬型のニューラルネットワークである。具体的には、写像データ94Aによって規定される写像Mでは、入力変数x(1)~入力変数x(5)及びバイアスパラメータとしての入力変数x(0)が、係数wFjk(j=1~m、k=0~5)によって規定される線形写像にて変換された「m」個の値のそれぞれが活性化関数fに代入されることによって、中間層のノードの値が定まる。また、係数wSij(i=1~8)によって規定される線形写像によって中間層のノードの値が変換された値のそれぞれが活性化関数gに代入されることによって、出力変数y(1)~出力変数y(8)が定まる。
出力変数y(1)及び出力変数y(2)は、いずれもサンギア31及びピニオンギア33のギア間での異常発生確率を示す変数である。これらのうち出力変数y(1)は、サンギア31及びピニオンギア33のギア間での異常のうち、程度が比較的に小さい異常の発生確率を示すものである。一方、出力変数y(2)は、サンギア31及びピニオンギア33のギア間での異常のうち、程度が比較的に大きい異常の発生確率を示すものである。なお、程度の小さな異常とは、例えば、ギアの歯が摩耗して互いに噛み合う歯と歯との隙間が過度に大きくなったなどの異常である。また、程度の大きな異常とは、ギアの歯が欠けたなどの異常である。
出力変数y(3)及び出力変数y(4)は、いずれもピニオンギア33及びリングギア32のギア間での異常発生確率を示す変数である。これらのうち出力変数y(3)は、ピニオンギア33及びリングギア32のギア間での異常のうち、程度が比較的に小さい異常の発生確率を示すものである。一方、出力変数y(4)は、ピニオンギア33及びリングギア32のギア間での異常のうち、程度が比較的に大きい異常の発生確率を示すものである。
出力変数y(5)及び出力変数y(6)は、いずれもサンギア36及びピニオンギア38のギア間での異常発生確率を示す変数である。これらのうち出力変数y(5)は、サンギア36及びピニオンギア38のギア間での異常のうち、程度が比較的に小さい異常の発生確率を示すものである。一方、出力変数y(6)は、サンギア36及びピニオンギア38のギア間での異常のうち、程度が比較的に大きい異常の発生確率を示すものである。
出力変数y(7)及び出力変数y(8)は、いずれもピニオンギア38及びリングギア37のギア間での異常発生確率を示す変数である。これらのうち出力変数y(7)は、ピニオンギア38及びリングギア37のギア間での異常のうち、程度が比較的に小さい異常の発生確率を示すものである。一方、出力変数y(8)は、ピニオンギア38及びリングギア37のギア間での異常のうち、程度が比較的に大きい異常の発生確率を示すものである。
本実施形態において、ステップS22及びステップS23の処理が算出処理である。本実施形態では、活性化関数fの一例は、ReLU関数である。また、活性化関数gの一例は、ソフトマックス関数である。したがって、出力変数y(1)~出力変数y(8)のそれぞれは、「0」~「1」の値を取り得る。この実施形態では、出力変数y(1)~出力変数y(8)は、「1」に近いほど、異常発生確率が高いことを示す。また、出力変数y(1)~出力変数y(8)の合計値は、「1」である。
なお、写像データ94Aによって規定される写像Mは、例えば次のように生成されたものである。先ず、異常が認められない正常な自動変速機30、異常箇所及びその異常箇所での摩耗等の状況が判明している複数の自動変速機30を、試験用の自動変速機30として用意する。試験用の自動変速機30を同一車種の車両100に搭載し、種々の条件で走行させつつ、発生回数Z、平均音量NSA、変速比GR、車速SP、及び入力トルクTinを取得する。そして、これらを入力変数x(1)~入力変数x(5)の訓練データとし、自動変速機30の異常候補箇所毎の異常の有無、摩耗等の状況から推測される出力変数y(1)~出力変数y(8)の値を教師データとして、写像Mに入力し、学習させる。
具体的には、例えば、正常な自動変速機30を試験用の自動変速機30として使用したとき、入力変数x(1)~入力変数x(5)の訓練データに対して、出力変数y(1)~出力変数y(8)すべてが「0.125」である教師データを入力する。また、例えば、サンギア31及びピニオンギア33のギア間で異常が発生しており、そのギア間の摩耗の程度が比較的に小さい自動変速機30を、試験用の自動変速機30として使用したとする。この場合、入力変数x(1)~入力変数x(5)の訓練データに対して、出力変数y(1)が「0.6」、出力変数y(2)が「0.4」、その他の出力変数y(3)~出力変数y(8)が「0」である教師データを入力する。
ステップS24において、CPU91は、出力変数y(1)~出力変数y(8)の中から最も大きい変数を、最大出力変数ymaxとして選択する。その後、CPU91は、処理をステップS25に進める。
ステップS25において、CPU91は、最大出力変数ymaxが予め定められた閾値Bよりも大きいか否かを判定する。例えば、閾値Bとしては、「0.5」である。ステップS25において、CPU91は、最大出力変数ymaxが閾値Bよりも大きいと判定した場合(S25:YES)、処理をステップS31に進める。
ステップS31において、CPU91は、出力変数y(1)~出力変数y(8)に基づいて、自動変速機30の異常箇所を特定する。具体的には、CPU91は、出力変数y(1)又は出力変数y(2)を、最大出力変数ymaxとして選択した場合には、異常箇所として、サンギア31及びピニオンギア33のギア間を特定する。CPU91は、出力変数y(3)又は出力変数y(4)を、最大出力変数ymaxとして選択した場合には、異常箇所として、ピニオンギア33及びリングギア32のギア間を特定する。CPU91は、出力変数y(5)又は出力変数y(6)を、最大出力変数ymaxとして選択した場合には、異常箇所として、サンギア36及びピニオンギア38のギア間を特定する。CPU91は、出力変数y(7)又は出力変数y(8)を、最大出力変数ymaxとして選択した場合には、異常箇所として、ピニオンギア38及びリングギア37のギア間を特定する。その後、CPU91は、処理をステップS32に進める。
ステップS32において、CPU91は、自動変速機30における異常の程度を推定する。CPU91は、出力変数y(1)、出力変数y(3)、出力変数y(5)、及び出力変数y(7)の何れかを最大出力変数ymaxとして選択した場合には、異常の程度が小さいと推定する。また、CPU91は、出力変数y(2)、出力変数y(4)、出力変数y(6)、及び出力変数y(8)の何れかを最大出力変数ymaxとして選択した場合には、異常の程度が大きいと推定する。その後、CPU91は、処理をステップS33に進める。
ステップS33において、自動変速機30の異常箇所及びその異常の程度を表示器76に表示させるための信号を当該表示器76に出力する。その後、CPU91は、今回の推定制御を終了し、再びステップS11の処理を実行する。
一方、ステップS25において、CPU91は、最大出力変数ymaxが閾値B以下であると判定した場合(S25:NO)、処理をステップS41に進める。ステップS41において、CPU91は、自動変速機30の異常箇所を特定できないと判定する。その後、CPU91は、今回の推定制御を終了し、再びステップS11の処理を実行する。
本実施形態の作用について説明する。
本実施形態において、自動変速機30の入力軸41に入力トルクTinが入力されると、変速段に応じた所定の変速比GRで出力軸42が回転する。また、特定の変速段において、出力軸42の単位時間当たりの回転数と自動変速機30を構成する各ギアの単位時間当たりの回転数との比は、一定である。
仮に、自動変速機30の各ギアのいずれかにおいて異常が発生したとする。例えば、サンギア31の歯の1つに過度な摩耗が生じたとする。この場合、サンギア31の摩耗が生じた歯が、ピニオンギア33の歯に噛み合うたびに、異音が発生する。したがって、サンギア31の歯に過度な摩耗が生じた場合には、サンギア31とピニオンギア33との相対回転数に連動したタイミングで繰り返し異音が発生する。
本実施形態の効果について説明する。
(1)自動変速機30が備える各ギアは、出力軸42の回転に対して、変速段に応じた所定の比で回転する。つまり、各ギアは、出力軸42の360度回転、すなわち出力軸42の1回転当たりに、どの程度の角度回転するのかが決まっている。そして、各ギアの歯に過度な摩耗、歯欠けなどの異常が生じた場合、ギアの回転に連動したタイミングで繰り返し異音が発生する。したがって、出力軸42の1回転当たりの異音の発生回数Zは、どのギアとどのギアとの噛み合わせ箇所で異常が発生しているのかと関連している。
上記実施形態では、このような異音の発生回数Zが写像Mの入力変数に含まれる。したがって、サンギア31及びピニオンギア33のギア間を始めとする4か所の異常候補箇所に関して、正確な異常発生確率を示す出力変数を得られる蓋然性が高い。そして、4か所の異常候補箇所での異常発生確率がわかれば、自動変速機30における異常の発生箇所の特定に寄与できる。
(2)上記実施形態では、1か所の異常候補箇所に関し、程度の小さい異常及び程度の大きい異常の2種類の異常発生確率を出力変数として出力する。したがって、車両100の運転者等は、異常候補箇所の異常の程度の大小に応じて、メンテナンスの緊急性等を判断できる。
(3)上記実施形態において、変速比GRがわかれば、自動変速機30の変速段も特定できる。また、変速段が特定できれば、自動変速機30の出力軸42の単位時間当たりの回転数と各ギアの単位時間当たりの回転数との比を正確に決定できる。上記実施形態では、入力変数の1つとして変速比GRを採用することで、出力変数である異常発生確率の正確性向上が期待できる。
(4)上記実施形態において、自動変速機30の各ギアは、互いに材質が異なっていたり、大きさが異なっていたりする。そのため、異常が生じたときに、異常に伴う異音の音量NSに違いが生じることがある。上記実施形態では、入力変数の1つとして平均音量NSAを採用することで、出力変数である異常発生確率の正確性向上が期待できる。
また、ギアの歯の摩耗のように異常の程度が小さい場合に比較して、ギアの歯欠けのように異常の程度が大きい場合の方が、異音の大きさが大きいと予想される。平均音量NSAを入力変数とすることは、異常の程度を正確に判定する上でも好適である。
(5)上記実施形態において、自動変速機30の入力軸41の入力トルクTinが大きいほど、互いに噛み合うギアの歯同士が強く接触することになる。したがって、仮に自動変速機30に異常が生じた場合には、入力トルクTinが大きいほど、異音の平均音量NSAが大きくなる傾向がある。上記実施形態によれば、平均音量NSAだけでなく入力トルクTinも入力変数として入力されるので、異常の程度を正確に反映した出力変数を得られる可能性が高まる。
(6)上記実施形態において、変速比GRが同じであれば、車速SPが大きいほど、自動変速機30の各ギアは高速で回転している。したがって、仮に自動変速機30に異常が生じた場合には、車速SPが大きいほど、異音の平均音量NSAが大きくなる傾向がある。上記実施形態によれば、平均音量NSAだけでなく車速SPも入力変数として入力されるので、異常の程度を正確に反映した出力変数を得られる可能性が高まる。
本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
「発生回数変数について」
・上記実施形態において、写像Mに入力する発生回数変数は、上記実施形態の例に限らない。例えば、自動変速機30が備える各ギアは、出力軸42だけでなく、入力軸41の回転に対して、変速段に応じた所定の比で回転する。そして、入力軸41の1回転当たりの異音の発生回数は、どのギアとどのギアとの噛み合わせ箇所で異常が発生しているのかと関連している。そこで、出力軸42を基準とした異音の発生回数Zに代えて、又は加えて入力軸41が1回転するときの異音の発生回数をカウントし、その異音の発生回数を写像Mに入力する発生回数変数としてもよい。なお、この場合、自動変速機30の入力軸41が動力伝達装置の入力軸に相当する。
・また、例えば、写像Mに発生回数変数を入力するにあたっては、動力伝達装置の入力軸又は出力軸の単位角度は変更してもよい。具体例としては、出力軸42が360度回転するときの異音の発生回数を必ずしも算出しなくてもよく、出力軸42が180度回転するときの異音の発生回数を算出したり、出力軸42が720度回転するときの異音の発生回数を算出したりしてもよい。すなわち、動力伝達装置の入力軸又は出力軸の単位角度は、任意の値に設定できる。
「入力変数について」
・上記実施形態において、写像Mに入力する入力変数は、上記実施形態の例に限らない。例えば、自動変速機30の構造等によっては、車速SPと異音の平均音量NSAとの相関が低いことがある。この場合、写像Mに入力する入力変数として、車速SPを採用しなくても差し支えない。
・また、例えば、自動変速機30の構造等によっては、入力トルクTinと平均音量NSAとの相関が低いことがある。この場合、写像Mに入力する入力変数として、入力トルクTinを採用しなくてもよい。
・例えば、平均音量NSAに代えて、所定期間内における音量NSの複数の極大値のうちの特定の極大値を採用しても差し支えない。なお、特定の極大値としては、例えば、複数の極大値のうちの最大値が挙げられる。
・また、例えば、自動変速機30の構造やマイク75の位置等によっては、自動変速機30の異常箇所に応じて変化する音量NSの極大値の差が小さいことがある。この場合、平均音量NSAの算出を省略してもよい。この場合、写像Mには、入力変数として平均音量NSAは入力されない。
・さらに、例えば、写像Mに入力する入力変数として、変速比GRを採用しなくてもよい。発生回数Zと異常が発生した箇所との間には、変速比GRに拘わらずある程度の相関関係があるので、変速比GRを採用しなくても出力変数として正確なものが得られる可能性がある。また、異常発生箇所に関する推定制御を、特定の変速段のときに限定して行うようにすれば、変速比GRを入力変数として入力する必要性はない。
・写像Mに入力する入力変数は、上記実施形態で例示した各変数に限らず、別の変数を入力変数として採用することもできる。異常発生箇所との間に何らかの関連があれば、入力変数として好適である。また、異常発生箇所との間に明確な関連がないような変数であっても、入力変数として採用したときに、写像Mを学習させていくにつれて出力変数の正確性が向上することもある。
「出力変数について」
・出力変数の数は、適宜に増減できる。すなわち、異常候補箇所の数は、上記実施形態の例のような4つに限らない。異常候補箇所の数は、1~3つでもよいし、5つ以上でもよい。
・上記実施形態では、1つの異常候補箇所につき、異常の程度が大きい場合と異常の程度が小さい場合とで2つの異常発生確率を出力変数として出力していたが、これを統合してもよい。つまり、1つの異常候補箇所につき1つの異常発生確率を出力変数として出力してもよい。反対に、1つの異常候補箇所につき、3つ以上の異常発生確率を出力変数として出力してもよい。
「推定制御について」
・上記実施形態において、推定制御は上記実施形態の例に限らず、例えば、規定値A及び閾値Bは任意の値に変更してもよい。なお、閾値Bを0.5未満としたとき、閾値Bを超える出力変数が複数得られることがあり得る。この場合、閾値Bを超えるすべての出力変数に対応する異常候補箇所を異常箇所として特定してもよいし、より大きな値の出力変数に対応する異常候補箇所を異常箇所として特定してもよい。
「写像について」
・上記実施形態において、写像Mの活性化関数は例示であり、上記実施形態の例に限らない。例えば、写像Mの活性化関数fとしては、シグモイド関数等を採用してもよい。
・上記実施形態において、ニューラルネットワークとして、中間層の数が1層のニューラルネットワークを例示したが、中間層の数が2層以上であってもよい。
・上記実施形態において、ニューラルネットワークとして、全結合順伝搬型のニューラルネットワークを例示したが、これに限らない。例えば、ニューラルネットワークとしては、回帰結合型ニューラルネットワークを採用してもよい。
・上記実施形態において、写像Mとしての関数近似器は、ニューラルネットワークに限らない。例えば、中間層を備えない回帰式であってもよい。
「動力伝達装置について」
・上記実施形態において、異常箇所の特定対象となる動力伝達装置は、自動変速機30に限らない。例えば、動力分割機構20は、内燃機関10から駆動輪69までの動力伝達経路上に位置するものであり、且つ複数のギアを含んでいる。したがって、自動変速機30と同様に、発生回数Zと異常発生箇所との間に高い相関があると考えられる。そのため、上記実施形態の写像Mを用いた推定制御と同様の制御で、異常発生箇所を特定でき得る。この場合、例えばサンギアSの回転角を角度センサにより検出し、そのサンギアSの回転角が予め定められた単位角度回転するときに動力分割機構20から発生する異音の発生回数を算出すればよい。なお、サンギアSはクランクシャフト11の回転に応じて回転する。したがって、サンギアSを基準として異音の発生回数を算出するにあたっては、サンギアSの回転角を直接検出しなくてもよく、例えばクランク角センサ71により検出されるクランク角SCを用いてもよい。
「異常推定装置について」
・上記実施形態は、異常推定装置としての制御装置90が、車両100に搭載されていたが、これに限らない。例えば、異常推定装置は、車両のメンテナンスを行うためのディーラー等に設置されていてもよい。この場合、車両の制御装置は、推定制御におけるステップS11~ステップS14の処理を行うことにより、発生回数変数を含む各種の値を記憶装置94に記憶しておく。一方、ディーラー等に設置してある異常推定装置は、車両のメンテナンス等の際に車両の記憶装置94に記憶された各種の値を取得する。そして、異常推定装置は、取得した各種の値を写像Mに入力して出力変数を算出することにより、自動変速機30の異常箇所を特定できる。
・異常推定装置やマイク75は、常時車両に搭載されている必要はない。例えば、異常の推定制御を実行したい場合にのみ、ケーブル等を介して異常推定装置やマイク75を車両に接続してもよい。
「実行装置について」
・上記実施形態において、実行装置としては、CPU91及びROM93を備えてソフトウェア処理を実行するものに限らない。具体例としては、上記実施形態においてソフトウェア処理されたものの少なくとも一部をハードウェア処理する、例えばASIC等の専用のハードウェア回路を備えてもよい。すなわち、実行装置は、以下の(a)~(c)のいずれかの構成であればよい。(a)上記処理の全てを、プログラムに従って実行する処理装置と、プログラムを記憶するROM等のプログラム格納装置とを備える。(b)上記処理の一部をプログラムに従って実行する処理装置およびプログラム格納装置と、残りの処理を実行する専用のハードウェア回路とを備える。(c)上記処理の全てを実行する専用のハードウェア回路を備える。ここで、処理装置およびプログラム格納装置を備えたソフトウェア実行装置や、専用のハードウェア回路は複数であってもよい。
「センサについて」
・マイク75で音量NSを検出するにあたって、ノイズ等を除去してもよい。例えば、バンドパスフィルタを用いて、マイク75で収集した音波のうち特定の周波数帯のみを検出する。そして、この特定の周波数帯の音量NSを検出してもよい。
・また、車両100が走行する際には、自動変速機30に異常が生じてなくてもバックグラウンドノイズが発生する。そこで、マイク75で収集した音波からバックグラウンドノイズに相当する分を差し引いたものに基づいて、音量NSを検出してもよい。
・車両100のマイク75に代えて、車両100に加速度センサを搭載してもよい。異音が発生した場合には、多少なりとも車両100が振動するので、その振動を加速度センサで検出することにより、異音が発生したこと、及びその発生回数Zを検出することもできる。特に、異音の周波数が低い場合、異音の音量NSが大きい場合に、加速度センサの適用が好適である。
「車両について」
・上記実施形態において、車両としては、いわゆるシリーズ・パラレルハイブリッド車を例示したが、これに限らない。例えば、車両としては、シリーズハイブリッド車や、パラレルハイブリッド車であってもよい。
・上記実施形態において、車両としては、内燃機関とモータジェネレータとを備えるものに限らない。例えば、車両としては、内燃機関を備えるもののモータジェネレータを備えない車両であってもよい。さらに、例えば、車両としては、モータジェネレータを備えるものの内燃機関を備えない車両であってもよい。なお、この車両では、駆動源としてのモータジェネレータから駆動輪までの動力伝達経路上に複数のギアを有する動力伝達装置が設けられていればよい。
10…内燃機関
20…動力分割機構
30…自動変速機
31…サンギア
32…リングギア
33…ピニオンギア
34…キャリア
36…サンギア
37…リングギア
38…ピニオンギア
39…キャリア
41…入力軸
42…出力軸
61…第1モータジェネレータ
62…第2モータジェネレータ
65…油圧装置
69…駆動輪
75…マイク
90…制御装置
91…CPU
92…周辺回路
93…ROM
94…記憶装置
94A…写像データ
100…車両

Claims (1)

  1. 駆動源から駆動輪までの動力伝達経路上に位置する複数のギアを含む動力伝達装置が搭載された車両に適用され、前記動力伝達装置の異常を推定する異常推定装置であって、
    実行装置と、記憶装置と、を備え、
    前記記憶装置には、入力変数が入力されることにより前記動力伝達装置における特定の異常候補箇所での異常発生確率を示す出力変数を出力する写像を規定する写像データが記憶されており、
    前記写像は、複数の前記入力変数の1つとして、前記動力伝達装置の入力軸又は出力軸が予め定められた単位角度回転するときに前記動力伝達装置から発生する異音の発生回数を示す発生回数変数を含み、
    前記実行装置は、前記入力変数を取得する処理である取得処理と、前記取得処理により取得した前記入力変数を写像に入力することによって前記出力変数の値を出力する算出処理と、を実行する
    異常推定装置。
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