JP2022044165A - 慣性センサー及び慣性計測装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】外部からの応力を低減し、検出精度を向上させた慣性センサー及び慣性計測装置を提供する。【解決手段】慣性センサー1は、基板22と、Y軸センサー素子21yと、Y軸センサー素子21yを基板22に固定する固定部22yと、を有する慣性センサーチップ20と、慣性センサーチップ20が固定され、慣性センサーチップ20を収納するパッケージ7と、を備え、固定部22yは、パッケージ7の第1平面17のX方向における第1中心線CL1上に配置する。【選択図】図4
Description
本発明は、慣性センサー及び慣性計測装置に関する。
近年、電子デバイスとして、シリコンMEMS(Micro Electro Mechanical System)技術を用いて製造された物理量センサー又は慣性センサーが開発されている。このような物理量センサーとして、例えば特許文献1には、櫛歯状をなして対向配置されている可動電極指及び固定電極指を有するセンサー部を有し、これら二つの電極間の静電容量に基づいて物理量を検出する静電容量型の物理量センサーが記載されている。また、この物理量センサーは、パッケージ内部にセンサー部を駆動するICを積層したセンサー部を有するセンサー素子が樹脂等の接合材を介して実装されている。
しかしながら、特許文献1に記載の物理量センサーでは、接合材を用いて回路基板等に実装した場合、外力等により物理量センサーのパッケージに反りが発生してしまう。このパッケージに生じる反りに起因して、内部に収納されているセンサー素子に応力が加わることによって、可動電極指及び固定電極指に歪が生じてしまい、電極間に発生する静電容量に変動を生じてしまい検出精度が劣化してしまう虞があった。
慣性センサーは、基板と、第1センサー素子と、前記第1センサー素子を前記基板に固定する第1固定部と、を有する慣性センサーチップと、前記慣性センサーチップが固定され、前記慣性センサーチップを収納するパッケージと、を備え、前記第1固定部は、前記パッケージの第1平面の第1方向における第1中心線上に配置する。
慣性計測装置は、上記に記載の慣性センサーと、前記慣性センサーから出力された検出信号に基づいて制御を行う制御部と、を備えている。
1.第1実施形態
先ず、第1実施形態に係る慣性センサー1について、X軸、Y軸、及びZ軸方向の加速度を検出する3軸加速度センサーを一例として挙げ、図1~図7を参照して説明する。
尚、図1において、慣性センサー1の内部の構成を説明する便宜上、蓋15を取り外した状態を図示している。また、図1及び図2において、パッケージ7内部の配線の図示を省略している。また、図4において、慣性センサーチップ20のセンサー素子の配置を説明する便宜上、キャップ23を取り外した状態を図示している。また、図4及び図5において、基板22上の配線の図示を省略している。
先ず、第1実施形態に係る慣性センサー1について、X軸、Y軸、及びZ軸方向の加速度を検出する3軸加速度センサーを一例として挙げ、図1~図7を参照して説明する。
尚、図1において、慣性センサー1の内部の構成を説明する便宜上、蓋15を取り外した状態を図示している。また、図1及び図2において、パッケージ7内部の配線の図示を省略している。また、図4において、慣性センサーチップ20のセンサー素子の配置を説明する便宜上、キャップ23を取り外した状態を図示している。また、図4及び図5において、基板22上の配線の図示を省略している。
また、説明の便宜上、図3を除く各図には、互いに直交する3つの軸として、X軸、Y軸、及びZ軸を図示している。また、X軸に沿った方向を「X方向」、Y軸に沿った方向を「Y方向」、Z軸に沿った方向を「Z方向」と言う。また、各軸方向の矢印先端側を「プラス側」、基端側を「マイナス側」、Z方向プラス側を「上」、Z方向マイナス側を「下」とも言う。また、Z方向は、鉛直方向に沿い、XY平面は、水平面に沿っている。また、本実施形態における第1方向とは、X方向であり、第2方向とは、Y方向である。
図1~図7に示す慣性センサー1は、3方向の加速度を独立して検知することのできる3軸加速度センサーとして利用可能である。このような慣性センサー1は、図1及び図2に示すように、パッケージ7と、パッケージ7内に収納された慣性センサーチップ20及び慣性センサーチップ20上に接着された半導体集積回路40と、を含み、接合部材18によって慣性センサーチップ20の裏面20rがパッケージ7の収納空間S1内に固定されている。つまり、慣性センサーチップ20がパッケージ7の第1基板11の上面となる第1平面17上に取り付けられている。
パッケージ7は、第1基板11、第2基板12、及び第3基板13で構成されているベース部10と、封止部材14を介して第3基板13に接合されている蓋15と、を含み構成されている。なお、第1基板11、第2基板12、及び第3基板13は、この順で積層されてベース部10が構成される。第1基板11は、平板状であり、第2基板12及び第3基板13は、中央部が除去された環状体であり、第3基板13の上面の周縁にシールリングや低融点ガラス等の封止部材14が形成されている。
パッケージ7には、中央部が除去された環状体である第2基板12及び第3基板13により、慣性センサーチップ20及び半導体集積回路40を収納するキャビティーが形成されている。そして、パッケージ7のキャビティーの開口が蓋15によって塞がれることによって密閉空間である収納空間S1が設けられ、この収納空間S1に慣性センサーチップ20及び半導体集積回路40を収納することができる。このように、ベース部10と蓋15との間に設けられている収納空間S1に、慣性センサーチップ20及び半導体集積回路40が収納されていることにより、コンパクトな慣性センサー1とすることができる。
第1基板11、第2基板12、及び第3基板13の構成材料には、セラミックなどが好適に用いられる。なお、第1基板11、第2基板12、及び第3基板13の構成材料は、セラミック以外に、ガラス、金属等を用いても良い。また、蓋15の構成材料には、例えば、コバールなどの金属材料、ガラス材料、シリコン材料、セラミック材料などを用いることができる。
また、第2基板12の上面には、複数の内部端子19が配置されており、第1基板11の下面であるパッケージ7の外底面10rには、複数の外部端子16が配置されている。各内部端子19は、ベース部10に形成された図示しない内部配線などを介して対応する外部端子16と電気的に接続されている。また、内部端子19及び外部端子16は、例えばタングステン(W)、モリブデン(Mo)等の金属配線材料を、所定の位置にスクリーン印刷して焼成し、その上にニッケル(Ni)、金(Au)等のめっきを施す方法などによって形成することができる。
また、第2基板12の上面には、複数の第2アライメントマーク52が配置されており、後述する慣性センサーチップ20に設けられた第1アライメントマーク51とアライメントすることで、慣性センサーチップ20をパッケージ7の第1平面17上に精度良く配置することができる。尚、第2アライメントマーク52は、内部端子19を形成する際に、内部端子19と同層に、内部端子19と同一の材料で形成することができる。また、第2アライメントマーク52の配置位置は、特に限定されず、どこでも構わない。
慣性センサーチップ20は、接合部材18によって、ベース部10を構成する第1基板11の第1平面17に裏面20rが接着され、パッケージ7の収納空間S1に収納され、固定されている。パッケージ7の収納空間S1は、大気圧よりも低い減圧雰囲気、または窒素、アルゴン、ヘリウム等の不活性気体雰囲気に気密封止されている。
また、慣性センサーチップ20の基板22の上面には、第1アライメントマーク51が配置されており、接続端子29を形成する際に、接続端子29と同層に、接続端子29と同一の材料で形成することができる。尚、本実施形態では、第1アライメントマーク51の形状が十字形状であるが、これに限定することはなく、矩形や円形等でも構わない。
半導体集積回路40は、接合部材41を介して慣性センサーチップ20の上面に接着されている。半導体集積回路40は、上面に複数の電極パッド44,45を有し、電極パッド45がボンディングワイヤー42を介して第2基板12の上面に設けられた内部端子19と電気的に接続され、電極パッド44がボンディングワイヤー43を介して慣性センサーチップ20に設けられた接続端子29と電気的に接続されている。これにより、慣性センサー1を制御することができる。
慣性センサー1の機能構成として、図3に示すように、慣性センサーチップ20は、X方向、Y方向、及Z方向のそれぞれの加速度を独立して検知することのできるX軸センサー素子21xと、Y軸センサー素子21yと、Z軸センサー素子21zと、を含む。
X軸センサー素子21x及びY軸センサー素子21yは、X-Y平面方向の2軸であるX方向及びY方向の加速度を検知し、Z軸センサー素子21zは、X-Y平面に直交するZ方向の加速度を検知し、静電容量の変化データを示す信号として半導体集積回路40に送信する。
半導体集積回路40は、信号処理部46と、出力部47とを含む。半導体集積回路40は、慣性センサーチップ20から送られた静電容量の変化を示す信号を、信号処理部46によってユーザーの使い易い形式、例えばバイアス方式に変換処理し、出力部47から加速度データとして出力する。
X軸センサー素子21x及びY軸センサー素子21yは、X-Y平面方向の2軸であるX方向及びY方向の加速度を検知し、Z軸センサー素子21zは、X-Y平面に直交するZ方向の加速度を検知し、静電容量の変化データを示す信号として半導体集積回路40に送信する。
半導体集積回路40は、信号処理部46と、出力部47とを含む。半導体集積回路40は、慣性センサーチップ20から送られた静電容量の変化を示す信号を、信号処理部46によってユーザーの使い易い形式、例えばバイアス方式に変換処理し、出力部47から加速度データとして出力する。
次に、慣性センサーチップ20について、図4及び図5を参照して説明する。
尚、本実施形態におけるY軸センサー素子21yは、第1センサー素子に相当し、Z軸センサー素子21zは、第2センサー素子に相当し、X軸センサー素子21xは、第3センサー素子に相当する。また、固定部22yは、第1固定部に相当し、固定部22zは、第2固定部に相当し、固定部22xは、第3固定部に相当する。
尚、本実施形態におけるY軸センサー素子21yは、第1センサー素子に相当し、Z軸センサー素子21zは、第2センサー素子に相当し、X軸センサー素子21xは、第3センサー素子に相当する。また、固定部22yは、第1固定部に相当し、固定部22zは、第2固定部に相当し、固定部22xは、第3固定部に相当する。
慣性センサーチップ20は、図4及び図5に示すように、四角形状でキャップ23と向き合う側に凹部26が設けられている基板22及び基板22と向き合う側に凹部28が設けられ、基板22に接合されている四角形状のキャップ23を有する容器25と、容器25の基板22とキャップ23とで構成される収納空間S2に収納されている3つのセンサー素子21x、21y、21zと、を備えている。
基板22の凹部26は、その上方に配置されているX軸センサー素子21x、Y軸センサー素子21y、及びZ軸センサー素子21zと基板22との接触を防止するための逃げ部として機能する。
このような基板22は、例えば、アルカリ金属イオン等の可動イオンを含むガラス材料、例えば、パイレックス(登録商標)ガラスのような硼珪酸ガラスから形成されている。また、X軸センサー素子21x、Y軸センサー素子21y、及びZ軸センサー素子21zは、例えば、リン、ボロン等の不純物がドープされたシリコン基板から形成されている。そのため、X軸センサー素子21x、Y軸センサー素子21y、及びZ軸センサー素子21zを基板22に対して陽極接合により強固に接合することができる。
キャップ23は、図5に示すように、凹部28を有し、凹部28が基板22の凹部26とで収納空間S2を形成するように基板22に接合されている。このようなキャップ23は、本実施形態ではシリコン基板で形成されている。キャップ23と基板22とは、ガラスフリット24を用いて気密に接合されている。
Y軸センサー素子21yは、Y方向の加速度を検出する素子である。このようなY軸センサー素子21yは、X方向に並ぶ複数の固定部22yを有し、Y軸センサー素子21yの固定部22yが基板22の内底面27からキャップ23側に突出する支持部11yの上面に陽極接合され、固定されている。尚、複数の固定部22yのうちの1つの固定部22yは、パッケージ7の第1平面17のX方向における第1中心線CL1上に配置されている。また、固定部22yは、第1中心線CL1と交差する位置であって、Y軸センサー素子21yにおいて、第1中心線CL1と第2中心線CL2とが交差する側に位置する。つまり、固定部22yは、Y軸センサー素子21yのY方向の中心よりも第2中心線CL2側に位置している。
また、本実施形態では、後述する可動電極63又は固定電極65と連結する固定部22yにおいて、可動電極63と連結する固定部22yが第1中心線CL1上に配置されているが、これに限定されることはなく、固定電極65と連結する固定部22yが第1中心線CL1上に配置されていても構わない。
Z軸センサー素子21zは、Z方向の加速度を検出する素子である。このようなZ軸センサー素子21zは、複数の固定部22zを有し、Z軸センサー素子21zの固定部22zが基板22の内底面27からキャップ23側に突出する支持部11zの上面に陽極接合され、固定されている。尚、複数の固定部22zは、パッケージ7の第1平面17のX方向における第1中心線CL1上に配置されている。また、固定部22zは、Z軸センサー素子21zのY方向の中心よりも第2中心線CL2側に位置している。Z軸センサー素子21zは、複数の固定部22zを有しているが、固定部22zは、1つであってもよい。
X軸センサー素子21xは、X方向の加速度を検出する素子である。このようなX軸センサー素子21xは、Y方向に並ぶ複数の固定部22xを有し、X軸センサー素子21xの固定部22xが基板22の内底面27からキャップ23側に突出する支持部11xの上面に陽極接合され、固定されている。尚、複数の固定部22xのうちの1つの固定部22xは、パッケージ7の第1平面17のY方向における第2中心線CL2上に配置されている。固定部22xは、X軸センサー素子21xのX方向の中心よりも第1中心線CL1側に位置している。また、本実施形態では、可動電極63と連結する固定部22xが第2中心線CL2上に配置されているが、これに限定されることはなく、固定電極65と連結する固定部22xが第2中心線CL2上に配置されていても構わない。
一般的に、慣性センサー1を回路基板等に実装した場合、外力等によるパッケージ7の反りは、パッケージ7の中心に近い方が小さい。そのため、センサー素子の固定部をパッケージ7の中心に近い位置に固定することで、パッケージ7の反りによる影響を低減することができる。
本実施形態では、Y軸センサー素子21yの固定部22yと、Z軸センサー素子21zの固定部22zと、をパッケージ7の第1中心線CL1上に固定し、X軸センサー素子21xの固定部22xをパッケージ7の第2中心線CL2上に固定することで、パッケージ7の反りによって、電極間に発生する静電容量の変動による検出精度の劣化を低減している。また、Y軸センサー素子21yとZ軸センサー素子21zの固定部22y,22zは、Y軸センサー素子21yとZ軸センサー素子21zのY方向の中心よりも第2中心線CL2側に配置し、X軸センサー素子21xの固定部22xは、X軸センサー素子21xのX方向の中心よりも第1中心線CL1側に配置することで、Y軸センサー素子21yとZ軸センサー素子21zとは、Y方向の反りの影響を、X軸センサー素子21xは、X方向の反りの影響を、極力小さくなるようにすることができる。
また、各センサー素子21x,21y,21zの固定部22x,22y,22zの位置が特定できる第1アライメントマーク51が慣性センサーチップ20に設けられており、パッケージ7の第1中心線CL1及び第2中心線CL2の位置が特定できる第2アライメントマーク52がパッケージ7に設けられているので、第1アライメントマーク51と第2アライメントマーク52とをアライメントすることで、各センサー素子21x,21y,21zの固定部22x,22y,22zを第1中心線CL1上又は第2中心線CL2上に位置精度良く配置することができる。
次に、Y軸センサー素子21y、X軸センサー素子21x、及びZ軸センサー素子21zの加速度を検出する原理について、図6及び図7を参照して説明する。
Y軸センサー素子21yは、図6に示すように、X方向に並ぶ3つの固定部22yとY方向に並ぶ2つの連結部61を有し、2つの連結部61の間に3つの固定部22yが配置され、中央の固定部22yと連結部61とが連結している。また、Y方向プラス側に位置する連結部61と固定部22yとの間隔は、Y方向マイナス側に位置する連結部61と固定部22yとの間隔より長い。
2つの連結部61は、固定部22y側とは反対側で、2つの連結部61と3つの固定部22yとを囲む可動部62に連結している。可動部62は、Y方向プラス側に位置する連結部61と固定部22yとの間にX方向プラス側及びマイナス側にそれぞれ延在する複数の可動電極63を有している。尚、連結部61は、バネのようにY方向に弾性変形可能であるため、可動部62がY方向に変位可能となる。
中央の固定部22yのX方向プラス側及びマイナス側に位置する2つの固定部22yは、それぞれ、斜めY方向に延在する固定梁64と、固定梁64からX方向プラス側及びマイナス側にそれぞれ延在する複数の固定電極65と、を有している。尚、複数の固定電極65は、可動電極63のY方向プラス側又はY方向マイナス側に配置され、対応する可動電極63に対して間隔を隔てて噛み合う櫛歯状をなして並んでいる。
このようなY軸センサー素子21yは、Y方向の加速度が加わると、その加速度の大きさに基づいて、可動部62が、Y方向に変位する。当該変位に伴って、可動電極63と固定電極65との間の静電容量の大きさがそれぞれ変化するので、当該静電容量の変化に基づいて半導体集積回路40にて加速度が求められる。
X軸センサー素子21xは、X方向の加速度を検出する素子である。このようなX軸センサー素子21xは、Y軸センサー素子21yに対して、平面視で90°回転した状態で配置されている以外は、Y軸センサー素子21yと同様の構成である。このようなX軸センサー素子21xは、X方向の加速度が加わると、その加速度の大きさに基づいて、可動部62が、X方向に変位する。当該変位に伴って、可動電極63と固定電極65との間の静電容量の大きさがそれぞれ変化するので、当該静電容量の変化に基づいて半導体集積回路40にてX方向の加速度が求められる。
固定部22xに連結した連結部61は、バネのようにX方向に弾性変形可能であるため、可動部62がX方向に変位可能となる。そのため、X方向の加速度を検出することができる。
Z軸センサー素子21zは、図7に示すように、固定部22zと、可動部72と、可動部72を固定部22zに対して揺動可能に連結する一対の支持梁71と、を有し、支持梁71を軸J1として、可動部72が固定部22zに対してシーソー揺動する。このようなZ軸センサー素子21zは、例えば、リン、ボロン等の不純物がドープされたシリコン基板から形成されている。
固定部22zは、基板22の凹部26の内底面27から上方に突出する支持部11zの上面に陽極接合されている。そして、固定部22zのY方向プラス側及びY方向マイナス側に可動部72が設けられている。可動部72は、軸J1よりもY方向プラス側に位置する第1可動電極73と、軸J1よりもY方向マイナス側に位置する、第2可動電極74及び第3可動電極75と、を有している。第1可動電極73と第2可動電極74は、Z方向の加速度が加わったときの回転モーメントが異なっており、加速度に応じて可動部72に所定の傾きが生じるように設計されている。これにより、Z方向の加速度が生じると、可動部72が軸J1まわりにシーソー揺動する。
また、凹部26の内底面27の第1可動電極73と対向する位置には、第1検出電極76が配置されており、第2可動電極74と対向する位置には、第2検出電極77が配置されており、第3可動電極75と対向する位置には、ダミー電極78が配置されている。そのため、第1可動電極73と第1検出電極76との間に静電容量が形成され、第2可動電極74と第2検出電極77との間に静電容量が形成される。尚、ダミー電極78は、凹部26の内底面27に生じる帯電を抑制するために設けられている。
このようなZ軸センサー素子21zは、Z方向の加速度が加わると、可動部72は、軸J1まわりにシーソー揺動する。このような可動部72のシーソー揺動によって、第1可動電極73と第1検出電極76との離間距離、及び第2可動電極74と第2検出電極77との離間距離が変化し、これに応じてこれらの間の静電容量が変化するので、当該静電容量の変化に基づいて半導体集積回路40にて加速度が求められる。
上述したような慣性センサー1によれば、Y軸センサー素子21yの固定部22yをパッケージ7の第1中心線CL1上となる慣性センサーチップ20の基板22の位置に固定し、X軸センサー素子21xの固定部22xをパッケージ7の第2中心線CL2上となる慣性センサーチップ20の基板22の位置に固定することで、パッケージ7の反りによって、可動電極63及び固定電極65に歪が生じ、電極間に発生する静電容量の変動による検出精度の劣化を低減することができる。
また、Z軸センサー素子21zの固定部22zをパッケージ7の第1中心線CL1上となる慣性センサーチップ20の基板22の位置に固定することで、パッケージ7の反りによって、第1検出電極76や第2検出電極77等に歪が生じ、電極間に発生する静電容量の変動による検出精度の劣化を低減することができる。
また、Z軸センサー素子21zの固定部22zをパッケージ7の第1中心線CL1上となる慣性センサーチップ20の基板22の位置に固定することで、パッケージ7の反りによって、第1検出電極76や第2検出電極77等に歪が生じ、電極間に発生する静電容量の変動による検出精度の劣化を低減することができる。
2.第2実施形態
次に、第2実施形態に係る慣性センサー1aの慣性センサーチップ20aについて、図8を参照して説明する。
尚、図8において、慣性センサーチップ20aのセンサー素子の配置を説明する便宜上、キャップ23の図示を省略し、また、基板22上の配線を省略している。
次に、第2実施形態に係る慣性センサー1aの慣性センサーチップ20aについて、図8を参照して説明する。
尚、図8において、慣性センサーチップ20aのセンサー素子の配置を説明する便宜上、キャップ23の図示を省略し、また、基板22上の配線を省略している。
本実施形態の慣性センサーチップ20aは、第1実施形態の慣性センサーチップ20に比べ、Z軸センサー素子21zとX軸センサー素子21xとの配置位置が異なり、4番目のセンサー素子としてZ軸センサー素子121zが配置されていること以外は、第1実施形態の慣性センサーチップ20と同様である。尚、前述した第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。また、図8では、前述した実施形態と同様の構成について、同一符号を付している。
本実施形態の慣性センサーチップ20aは、図8に示すように、基板22及びキャップ23を有する容器25と、容器25内に収容され、支持部11yに固定されたY軸センサー素子21yと、支持部11xに固定されたX軸センサー素子21xと、支持部11zに固定されたZ軸センサー素子21zと、支持部111zに固定されたZ軸センサー素子121zと、を有している。
Y軸センサー素子21yは、固定部22yがパッケージ7の第1中心線CL1上に配置されている。X軸センサー素子21xは、Y軸センサー素子21yとY方向に沿って並び、素子の中心が第1中心線CL1上に配置されている。Z軸センサー素子21zは、X軸センサー素子21xとX方向に沿って並び、固定部22zが素子のY方向の中心よりパッケージ7の第2中心線CL2側に配置されている。Z軸センサー素子121zは、Y軸センサー素子21yとX方向に沿って並び、固定部122zが素子のY方向の中心よりパッケージ7の第2中心線CL2側に配置されている。また、Z軸センサー素子21zとZ軸センサー素子121zとは、第2中心線CL2に対して、対称に配置されている。つまり、第2中心線CL2を挟み線対称に配置されている。
このような構成とすることで、各センサー素子21y,21x,21z,121zのそれぞれの固定部22y,22x,22z,122zを第1中心線CL1上又は第1中心線CL1及び第2中心線CL2に近い位置に配置しているので、前述した第1実施形態と同様の効果を得ることができる。また、2つのZ軸センサー素子21z,121zが配置されているので、Z方向の加速度を高精度に検出することができる。
3.第3実施形態
次に、第3実施形態に係る慣性センサー1bの慣性センサーチップ20bについて、図9を参照して説明する。
尚、図9において、慣性センサーチップ20bのセンサー素子の配置を説明する便宜上、キャップ23の図示を省略し、また、基板22上の配線を省略している。
また、本実施形態におけるZ軸センサー素子121zは、第1センサー素子に相当し、Z軸センサー素子21zは、第2センサー素子に相当する。また、固定部122zは、第1固定部に相当し、固定部22zは、第2固定部に相当する。
次に、第3実施形態に係る慣性センサー1bの慣性センサーチップ20bについて、図9を参照して説明する。
尚、図9において、慣性センサーチップ20bのセンサー素子の配置を説明する便宜上、キャップ23の図示を省略し、また、基板22上の配線を省略している。
また、本実施形態におけるZ軸センサー素子121zは、第1センサー素子に相当し、Z軸センサー素子21zは、第2センサー素子に相当する。また、固定部122zは、第1固定部に相当し、固定部22zは、第2固定部に相当する。
本実施形態の慣性センサーチップ20bは、第1実施形態の慣性センサーチップ20に比べ、3つのセンサー素子21y,21z,21xの配置位置が異なり、4番目のセンサー素子としてZ軸センサー素子121zが配置されていること以外は、第1実施形態の慣性センサーチップ20と同様である。尚、前述した第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。また、図9では、前述した実施形態と同様の構成について、同一符号を付している。
本実施形態の慣性センサーチップ20bは、図9に示すように、基板22及びキャップ23を有する容器25と、容器25内に収容され、支持部111zに固定されたZ軸センサー素子121zと、支持部11zに固定されたZ軸センサー素子21zと、支持部11yに固定されたY軸センサー素子21yと、支持部11xに固定されたX軸センサー素子21xと、を有している。
Z軸センサー素子121zは、固定部122zがパッケージ7の第1中心線CL1上に配置され、固定部122zが素子のY方向の中心よりパッケージ7の第2中心線CL2側に配置されている。Z軸センサー素子21zは、固定部22zがパッケージ7の第1中心線CL1上に配置され、固定部22zが素子のY方向の中心よりパッケージ7の第2中心線CL2側に配置されている。また、Z軸センサー素子121zとZ軸センサー素子21zとは、第2中心線CL2に対して、対称に配置されている。
Y軸センサー素子21yは、Z軸センサー素子121zとX方向に沿って並び、固定部22yが素子のY方向の中心よりパッケージ7の第2中心線CL2側に配置されている。X軸センサー素子21xは、Z軸センサー素子21zとX方向に沿って並び、固定部22xが素子のX方向の中心よりパッケージ7の第1中心線CL1側に配置されている。
Y軸センサー素子21yは、Z軸センサー素子121zとX方向に沿って並び、固定部22yが素子のY方向の中心よりパッケージ7の第2中心線CL2側に配置されている。X軸センサー素子21xは、Z軸センサー素子21zとX方向に沿って並び、固定部22xが素子のX方向の中心よりパッケージ7の第1中心線CL1側に配置されている。
このような構成とすることで、各センサー素子21y,21x,21z,121zのそれぞれの固定部22y,22x,22z,122zを第1中心線CL1上又は第1中心線CL1及び第2中心線CL2に近い位置に配置しているので、前述した第1実施形態と同様の効果を得ることができる。また、2つのZ軸センサー素子21z,121zが配置されているので、Z方向の加速度を高精度に検出することができる。
4.第4実施形態
次に、第4実施形態に係る慣性センサー1cの慣性センサーチップ20cについて、図10、図11、及び図12を参照して説明する。
尚、図10において、慣性センサーチップ20cのセンサー素子の配置を説明する便宜上、キャップ23の図示を省略し、また、基板22上の配線を省略している。
また、本実施形態におけるXY軸センサー素子21xyは、第1センサー素子に相当し、Z軸センサー素子221zは、第2センサー素子に相当する。また、固定部85は、第1固定部に相当し、固定部90は、第2固定部に相当する。
次に、第4実施形態に係る慣性センサー1cの慣性センサーチップ20cについて、図10、図11、及び図12を参照して説明する。
尚、図10において、慣性センサーチップ20cのセンサー素子の配置を説明する便宜上、キャップ23の図示を省略し、また、基板22上の配線を省略している。
また、本実施形態におけるXY軸センサー素子21xyは、第1センサー素子に相当し、Z軸センサー素子221zは、第2センサー素子に相当する。また、固定部85は、第1固定部に相当し、固定部90は、第2固定部に相当する。
本実施形態の慣性センサーチップ20cは、第1実施形態の慣性センサーチップ20に比べ、Y軸センサー素子21yとX軸センサー素子21xとに代わりX軸とY軸の加速度を1素子で検出可能なXY軸センサー素子21xy、221xyが2つ配置され、Z軸センサー素子21zと構造の異なるZ軸センサー素子221z,222zが2つ配置されていること以外は、第1実施形態の慣性センサーチップ20と同様である。尚、前述した第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。また、図10では、前述した実施形態と同様の構成について、同一符号を付している。
本実施形態の慣性センサーチップ20cは、図10に示すように、基板22及びキャップ23を有する容器25と、容器25内に収容され、支持部111xyに固定部85が固定されたXY軸センサー素子21xyと、支持部211zに固定部90が固定されたZ軸センサー素子222zと、支持部211zに固定部90が固定されたZ軸センサー素子221zと、支持部111xyに固定部85が固定されたXY軸センサー素子221xyと、を有している。
XY軸センサー素子21xyとXY軸センサー素子221xyとは、パッケージ7の第2中心線CL2に対して、対称に配置され、それぞれの固定部85がパッケージ7の第1中心線CL1上に配置されている。
Z軸センサー素子221zとZ軸センサー素子222zとは、XY軸センサー素子21xyとXY軸センサー素子221xyとの間に配置され、パッケージ7の第2中心線CL2に対して、対称に配置されている。また、Z軸センサー素子221zとZ軸センサー素子222zとは、それぞれの固定部90がパッケージ7の第1中心線CL1上に配置されている。
Z軸センサー素子221zとZ軸センサー素子222zとは、XY軸センサー素子21xyとXY軸センサー素子221xyとの間に配置され、パッケージ7の第2中心線CL2に対して、対称に配置されている。また、Z軸センサー素子221zとZ軸センサー素子222zとは、それぞれの固定部90がパッケージ7の第1中心線CL1上に配置されている。
このような構成とすることで、各センサー素子21xy,221z,222z,221xyのそれぞれの固定部85,90を第1中心線CL1上に配置しているので、前述した第1実施形態と同様の効果を得ることができる。また、2つのXY軸センサー素子21xy,221xyと、2つのZ軸センサー素子221z,222zと、が配置されているので、X方向、Y方向、及びZ方向の加速度を高精度に検出することができる。
次に、XY軸センサー素子21xy,221xy及びZ軸センサー素子221z,222zの加速度を検出する原理について、図11及び図12を参照して説明する。
XY軸センサー素子21xyとXY軸センサー素子221xyとは、同じ構造なので、XY軸センサー素子21xyについて説明する。
XY軸センサー素子21xyは、図11に示すように、素子の中央に位置する四角形の基部80と、基部80の四隅から斜め上方又は斜め下方に延在する4つの固定部81と、4つの固定部81のそれぞれの先端部に連結した4つの連結部82と、基部80の四辺に沿って配置され、X方向プラス側及びマイナス側、Y方向プラス側及びマイナス側にそれぞれ延在する複数の固定電極86を固定する4つの固定部85と、4つの連結部82に連結し、基部80と4つの固定部85とを囲む可動部83と、を有している。尚、連結部82は、バネのようにX方向又はY方向に弾性変形可能であるため、可動部83がX方向又はY方向に変位可能となる。
XY軸センサー素子21xyは、図11に示すように、素子の中央に位置する四角形の基部80と、基部80の四隅から斜め上方又は斜め下方に延在する4つの固定部81と、4つの固定部81のそれぞれの先端部に連結した4つの連結部82と、基部80の四辺に沿って配置され、X方向プラス側及びマイナス側、Y方向プラス側及びマイナス側にそれぞれ延在する複数の固定電極86を固定する4つの固定部85と、4つの連結部82に連結し、基部80と4つの固定部85とを囲む可動部83と、を有している。尚、連結部82は、バネのようにX方向又はY方向に弾性変形可能であるため、可動部83がX方向又はY方向に変位可能となる。
可動部83は、4つの固定部85に対向し、X方向プラス側及びマイナス側、Y方向プラス側及びマイナス側にそれぞれ延在する複数の可動電極84を有している。尚、複数の可動電極84は、固定電極86のX方向プラス側又はX方向マイナス側、Y方向プラス側又はY方向マイナス側に配置され、対応する固定電極86に対して間隔を隔てて配置されている。すなわち、複数の可動電極84は、対応する固定電極86に対して間隔を隔てて噛み合う櫛歯状をなして並んでいる。
このようなXY軸センサー素子21xyは、X方向の加速度が加わると、その加速度の大きさに基づいて、可動部83が、X方向に変位し、Y方向の加速度が加わると、その加速度の大きさに基づいて、可動部83が、Y方向に変位する。当該変位に伴って、可動電極84と固定電極86との間の静電容量の大きさがそれぞれ変化するので、当該静電容量の変化に基づいて半導体集積回路40にて加速度が求められる。
Z軸センサー素子221zとZ軸センサー素子222zとは、同じ構造で、平面視で180°回転した状態で配置されているので、Z軸センサー素子221zについて説明する。
Z軸センサー素子221zは、図12に示すように、固定部90と、可動部92と、可動部92を固定部90に対して揺動可能に連結する一対の支持梁91と、を有し、支持梁91を軸J2として、可動部92が固定部90に対してシーソー揺動する。
Z軸センサー素子221zは、図12に示すように、固定部90と、可動部92と、可動部92を固定部90に対して揺動可能に連結する一対の支持梁91と、を有し、支持梁91を軸J2として、可動部92が固定部90に対してシーソー揺動する。
固定部90は、基板22の凹部26の内底面27から上方に突出する支持部211zの上面に陽極接合されている。可動部92は、軸J2よりもX方向プラス側に位置する第1可動電極93と、軸J2よりもX方向マイナス側に位置する、第2可動電極94及び第3可動電極95と、を有している。第1可動電極93と第2可動電極94は、Z方向の加速度が加わったときの回転モーメントが異なっており、Z方向の加速度が生じると、可動部92が軸J2まわりにシーソー揺動する。
また、凹部26の内底面27の第1可動電極93と対向する位置には、第1検出電極96が配置されており、第2可動電極94と対向する位置には、第2検出電極97が配置されており、第3可動電極95と対向する位置には、ダミー電極98が配置されている。そのため、第1可動電極93と第1検出電極96との間に静電容量が形成され、第2可動電極94と第2検出電極97との間に静電容量が形成される。尚、ダミー電極98は、凹部26の内底面27に生じる帯電を抑制するために設けられている。
このようなZ軸センサー素子221zは、Z方向の加速度が加わると、可動部92は、軸J2まわりにシーソー揺動する。このような可動部92のシーソー揺動によって、第1可動電極93と第1検出電極96との離間距離、及び第2可動電極94と第2検出電極97との離間距離が変化し、これに応じてこれらの間の静電容量が変化するので、当該静電容量の変化に基づいて半導体集積回路40にて加速度が求められる。
5.第5実施形態
次に、第5実施形態に係る慣性センサー1dについて、図13及び図14を参照して説明する。
尚、図13において、慣性センサー1dの内部の構成を説明する便宜上、蓋15を取り外した状態を図示し、また、図13及び図14において、パッケージ7内部の配線の図示を省略している。
次に、第5実施形態に係る慣性センサー1dについて、図13及び図14を参照して説明する。
尚、図13において、慣性センサー1dの内部の構成を説明する便宜上、蓋15を取り外した状態を図示し、また、図13及び図14において、パッケージ7内部の配線の図示を省略している。
本実施形態の慣性センサー1dは、第1実施形態の慣性センサー1に比べ、慣性センサーチップ20と半導体集積回路40dとの積層順番が異なること以外は、第1実施形態の慣性センサー1と同様である。尚、前述した第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。また、図13及び図14では、前述した実施形態と同様の構成について、同一符号を付している。
本実施形態の慣性センサー1dは、慣性センサーチップ20とパッケージ7との間に半導体集積回路40dが配置されている。つまり、パッケージ7の第1基板11上に接合部材41を介して半導体集積回路40dが固定され、半導体集積回路40d上に接合部材18を介して慣性センサーチップ20が固定されている。そのため、半導体集積回路40dのサイズを大きくすることができ、温度補正回路やノイズ補正回路等の補正回路を組み込むことができるので、慣性センサー1の高精度化を図ることができる。このように、慣性センサーチップ20とパッケージ7との間に、他の部品を配置してもよい。慣性センサーチップ20としては、上記実施形態で説明した慣性センサーチップ20,20a,20b,20cを適用できる。
6.第6実施形態
次に、第6実施形態に係る慣性センサー1~1dを備えている慣性計測装置2000について、図15及び図16を参照して説明する。尚、以下の説明では、慣性センサー1を適用した構成を例示して説明する。
次に、第6実施形態に係る慣性センサー1~1dを備えている慣性計測装置2000について、図15及び図16を参照して説明する。尚、以下の説明では、慣性センサー1を適用した構成を例示して説明する。
図15に示す慣性計測装置2000(IMU:Inertial Measurement Unit)は、自動車や、ロボットなどの運動体の姿勢や、挙動などの慣性運動量を検出する装置である。慣性計測装置2000は、3軸に沿った方向の加速度Ax,Ay,Azを検出する加速度センサーと、3軸周りの角速度ωx,ωy,ωzを検出する角速度センサーと、を備えた、いわゆる6軸モーションセンサーとして機能する。
慣性計測装置2000は、平面形状が略正方形の直方体である。また、正方形の対角線方向に位置する2ヶ所の頂点近傍に、固定部としてのネジ穴2110が形成されている。この2ヶ所のネジ穴2110に2本のネジを通して、自動車などの被装着体の被装着面に慣性計測装置2000を固定することができる。尚、部品の選定や設計変更により、例えば、スマートフォンやデジタルカメラに搭載可能なサイズに小型化することも可能である。
慣性計測装置2000は、アウターケース2100と、接合部材2200と、センサーモジュール2300と、を有し、アウターケース2100の内部に、接合部材2200を介在させて、センサーモジュール2300を挿入した構成となっている。また、センサーモジュール2300は、インナーケース2310と、基板2320と、を有している。
アウターケース2100の外形は、慣性計測装置2000の全体形状と同様に、平面形状が略正方形の直方体であり、正方形の対角線方向に位置する2ヶ所の頂点近傍に、それぞれネジ穴2110が形成されている。また、アウターケース2100は、箱状であり、その内部にセンサーモジュール2300が収納されている。
インナーケース2310は、基板2320を支持する部材であり、アウターケース2100の内部に収まる形状となっている。また、インナーケース2310には、基板2320との接触を防止するための凹部2311や後述するコネクター2330を露出させるための開口2312が形成されている。このようなインナーケース2310は、接合部材2200を介してアウターケース2100に接合されている。また、インナーケース2310の下面には接着剤を介して基板2320が接合されている。
図16に示すように、基板2320の上面には、コネクター2330、Z軸周りの角速度を検出す角速度センサー2340z、X軸、Y軸およびZ軸の各軸方向の加速度を検出する加速度センサーユニット2350などが実装されている。また、基板2320の側面には、X軸周りの角速度を検出する角速度センサー2340x及びY軸周りの角速度を検出する角速度センサー2340yが実装されている。
加速度センサーユニット2350は、前述したZ方向の加速度を測定するための慣性センサー1を少なくとも含み、必要に応じて、一軸方向の加速度を検出したり、二軸方向や三軸方向の加速度を検出したりすることができる。尚、角速度センサー2340x、2340y、2340zとしては、特に限定されず、例えば、コリオリの力を利用した振動ジャイロセンサーを用いることができる。
また、基板2320の下面には、制御IC2360が実装されている。慣性センサー1から出力された検出信号に基づいて制御を行う制御部としての制御IC2360は、MCU(Micro Controller Unit)であり、不揮発性メモリーを含む記憶部や、A/Dコンバーターなどを内蔵しており、慣性計測装置2000の各部を制御する。記憶部には、加速度、および角速度を検出するための順序と内容を規定したプログラムや、検出データをデジタル化してパケットデータに組込むプログラム、付随するデータなどが記憶されている。尚、基板2320には、その他にも複数の電子部品が実装されている。
このような慣性計測装置2000は、慣性センサー1を含む加速度センサーユニット2350を用いているため、耐衝撃性に優れ、信頼性の高い慣性計測装置2000が得られる。
1,1a,1b,1c,1d…慣性センサー、7…パッケージ、10…ベース部、10r…外底面、11…第1基板、11x,11y,11z…支持部、12…第2基板、13…第3基板、14…封止部材、15…蓋、16…外部端子、17…第1平面、18…接合部材、19…内部端子、20…慣性センサーチップ、20r…裏面、21x…X軸センサー素子、21xy…XY軸センサー素子、21y…Y軸センサー素子、21z…Z軸センサー素子、22x,22y,22z…固定部、40…半導体集積回路、41…接合部材、42,43…ボンディングワイヤー、44,45…電極パッド、46…信号処理部、47…出力部、51…第1アライメントマーク、52…第2アライメントマーク、2000…慣性計測装置、CL1…第1中心線、CL2…第2中心線、J1,J2…軸、S1,S2…収納空間。
Claims (9)
- 基板と、第1センサー素子と、前記第1センサー素子を前記基板に固定する第1固定部と、を有する慣性センサーチップと、
前記慣性センサーチップが固定され、前記慣性センサーチップを収納するパッケージと、
を備え、
前記第1固定部は、前記パッケージの第1平面の第1方向における第1中心線上に配置する、
慣性センサー。 - 前記慣性センサーチップは、第2センサー素子と、前記第2センサー素子を前記基板に固定する第2固定部と、を有し、
前記第2固定部は、前記第1中心線上に配置する、
請求項1に記載の慣性センサー。 - 前記第1固定部及び前記第2固定部は、前記パッケージの前記第1平面の前記第1方向と直交する第2方向の第2中心線に対し、対称に配置する、
請求項2に記載の慣性センサー。 - 前記慣性センサーチップは、第3センサー素子と、前記第3センサー素子を前記基板に固定する第3固定部と、を有し、
前記第3固定部は、前記パッケージの前記第1平面の前記第1方向と直交する第2方向の第2中心線上に配置する、
請求項1又は請求項2に記載の慣性センサー。 - 前記第1固定部は、前記第1中心線と交差する位置であって、前記第1センサー素子において、前記第1中心線と前記第2中心線とが交差する側に位置する、
請求項3又は請求項4に記載の慣性センサー。 - 前記慣性センサーチップには、第1アライメントマークが設けられ、
前記パッケージには、第2アライメントマークが設けられる、
請求項1乃至請求項5の何れか一項に記載の慣性センサー。 - 前記慣性センサーチップの前記基板には、接続端子が設けられ、
前記パッケージには、内部端子が設けられ、
前記第1アライメントマークは、前記接続端子と同層に設けられ、
前記第2アライメントマークは、前記内部端子と同層に設けられる、
請求項6に記載の慣性センサー。 - 前記慣性センサーチップと前記パッケージとの間に半導体集積回路を備える、
請求項1乃至請求項7の何れか一項に記載の慣性センサー。 - 請求項1乃至請求項8の何れか一項に記載の慣性センサーと、
前記慣性センサーから出力された検出信号に基づいて制御を行う制御部と、
を備えている、
慣性計測装置。
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Cited By (1)
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---|---|---|---|---|
WO2023241359A1 (zh) * | 2022-06-15 | 2023-12-21 | 华为技术有限公司 | 一种光模块,相关装置以及装配方法 |
-
2020
- 2020-09-07 JP JP2020149656A patent/JP2022044165A/ja active Pending
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