JP2022043642A - 放射線防護眼鏡 - Google Patents

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隆之 西田
Takayuki Nishida
実 五味原
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【課題】前方を除く他の方向から眼球に入射する放射線に対して、十分な遮蔽能力を発揮する。【解決手段】本発明の放射線防護眼鏡1は、放射線を遮蔽する鉛を含有するガラスレンズ2と、ガラスレンズ2を保持すると共に鉛を含む材料で形成されたフレーム3と、を備えた放射線防護眼鏡1であって、フレーム3における左右方向の外側面には、当該フレーム3の外側方から入射する放射線を防護可能なサイドアーマー4が設けられていることを特徴とする。【選択図】図1

Description

特許法第30条第2項適用申請有り 公開場所:公益財団法人日本デザイン振興会 グッドデザイン賞一次審査判定会(東京都港区赤坂9-7-1 ミッドタウン・タワー5F) 公開日:令和2年6月15日
本発明は、放射線防護眼鏡に関するものである。
X線やCTを始めとする放射線を用いた医療分野では、医療現場で作業する作業者の身体を放射線から保護するさまざまな防具や技術が開発されている。特に、身体の中でも、眼球(水晶体)は放射線に弱く、眼球を放射線から防護するさまざまな構造の放射線防護眼鏡が従来から使用されてきた。
また、2016年に日本産業規格で制定された「診断用X線に対する防護用具-第3部:防護衣、防護眼鏡及び患者用防護具(JIS T61331-3:2016)」には、防護眼鏡を放射線の防護性能により重装用と軽装用との2種類に分類し、それぞれの防護眼鏡において遵守すべき性能を規定している。例えば、重装用防護眼鏡の場合であれば、透明鉛ガラス製で、側面シールドを含む全体にわたり、0.50mmPb以上の鉛当量でなくてはならないことが規定されている。
上述した重装用防護眼鏡にも使用できそうな放射線防護眼鏡としては、特許文献1~特許文献4に示すようなものが知られている。
すなわち、特許文献1には、オーバーグラスタイプのX線防護用の眼鏡であって、軽く容易に着脱でき、使用頻度を向上させることができ、眼球へのX線被曝軽減にもつながるものが開示されている。この特許文献1の眼鏡は、柄の部分が抗菌プラスチックで形成され、前面・側面・上面に含鉛メタクリル樹脂が使用されたオーバーグラスの構造を採用したものとなっている。
また、特許文献2には、使用者が視力矯正の眼鏡を必要とする場合であっても、必要としない場合のいずれであっても、使用者の負担が少なく、取扱も簡便であるX線用の保護眼鏡が開示されている。この特許文献2の保護眼鏡は、眼鏡フレームと、一対のX線遮蔽用フィルタを保持すると共に眼鏡フレームと一体であるフロント部と、眼鏡フレームに着脱可能な眼鏡部とを有するものとなっており、フロント部は、フロント連結部で連結された一対のリム部と、リム部に連続するサイドプレートを有し、X線遮蔽用フィルタはリム部に保持されており、フロント連結部、リム部およびサイドプレートの表面にX線遮蔽層を有し、眼鏡部は、眼鏡フレームに装着された状態でフロント部に対して跳ね上げ可能とされている。
さらに、特許文献3には、放射線が眼に入ることを遮蔽することができる放射線防護メガネが開示されている。この特許文献3の放射線防護メガネでは、防護メガネのフロント部は、放射線の遮蔽処理を施した上フレームに、同じく放射線遮蔽処理をしたレンズを取付けて構成されている。また、特許文献3の放射線防護メガネは、レンズ側部を湾曲させて後方へ延ばした側端部を設けることで、顔の側面を被覆可能となっている。さらに、下部を湾曲させて下縁部を形成し、下縁部の先端を顔表面に近接するまで後方へ延ばし、下縁部で目の下の顔表面を被覆可能としている。さらにまた、レンズの中央部下側に形成した概略逆V形の切欠き部には、放射線遮蔽処理を施した鼻当てパットが取付け可能となっている。
さらにまた、特許文献4には、放射線を扱う医療従事者が、視力矯正の眼鏡を必要とする場合と必要としない場合のいずれであっても、使用者の負担が少なく取扱が簡便となる医療用保護眼鏡が開示されている。この特許文献4の医療用保護眼鏡は、眼鏡フレームと、X線遮蔽用フィルタを備えていて、眼鏡フレームに取り付けられるフロント部と、眼鏡フレームに着脱可能に取り付けられる眼鏡部とから成っている。この眼鏡フレームは弾性材料で構成されていて、そのテンプルは、使用時に後頭部に沿って回り込む長さであって、その前半部はβチタン材で形成され、後半部はゴム樹脂で形成されている。そして、フロント部は、フロント連結部と、X線遮蔽用フィルタを保持していてフロント連結部によって連結される一対のリム部と、リム部に連設されるサイドプレートから成っていて、フロント連結部、リム部及びサイドプレートの表面にX線遮蔽層が配設されたものとなって
いる。
実用新案登録第3011320号公報 実用新案登録第3217489号公報 特開2019-128213号公報 特許第6517980号公報
上述した特許文献1~特許文献4の眼鏡は、いずれも鉛など含有する合成樹脂でレンズやフレームを形成しており、これらのレンズやフレームを眼球の前方や側方などに配設することで、眼球に入射する放射線に対して遮蔽能力を発揮可能なものとなっている。
しかし、含鉛プラスチックで形成されたレンズやフレームは、鉛を含むとは言え、添加量には限界があり、鉛板などのように鉛を金属体のまま用いる場合に比べると高い放射線遮蔽能力を発揮できるものとはなっていない。つまり、特許文献1~特許文献4は、「診断用X線に対する防護用具-第3部:防護衣、防護眼鏡及び患者用防護具」に規定される軽装用防護眼鏡に適用可能な技術を開示するものではあっても、より高い放射線防護性能を求められる重装用防護眼鏡に適用可能な技術を開示するものではない。
特に、特許文献1~4の眼鏡では、眼球の正面のプラスチックレンズを鉛当量が大きい透明鉛ガラスに変更することはできるかもしれないが、レンズと顔面との間には上下や左右に隙間があり、この隙間からも放射線は入射するため、これらの隙間から入射する放射線に対しては十分な遮蔽手段が講じられたものとはなっていない。
本発明は、上述の問題に鑑みてなされたものであり、前方を除く他の方向から眼球に入射する放射線に対しても、十分な遮蔽能力を発揮することができ、重装用防護眼鏡としても使用することができる放射線防護眼鏡を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の放射線防護眼鏡は以下の技術的手段を講じている。
即ち、本発明の放射線防護眼鏡は、放射線を遮蔽する鉛を含有するガラスレンズと、ガラスレンズを保持すると共に鉛を含む材料で形成されたフレームと、を備えた放射線防護眼鏡であって、前記フレームにおける左右方向の外側面には、当該フレームの外側方から入射する放射線を防護可能なサイドアーマーが設けられていることを特徴とする。
なお、好ましくは、前記フレームにおけるガラスレンズの上縁を保持する箇所には、後方上側に向かって伸びる上庇部が形成されており、前記上庇部は、鉛当量が0.5mmPb以上に形成されているとよい。
なお、好ましくは、前記フレームにおけるガラスレンズの下縁を保持する箇所には、後方下側に向かって伸びる下庇部が形成されており、前記下庇部は、鉛当量が0.5mmPb以上に形成されているとよい。
本発明の放射線防護眼鏡によれば、前方を除く他の方向から眼球に入射する放射線に対しても、十分な遮蔽能力を発揮することができ、重装用防護眼鏡としても使用することができる。
本実施形態の放射線防護眼鏡の使用態様を示した図である。 本実施形態の放射線防護眼鏡の斜視図である。 本実施形態の放射線防護眼鏡の分解図である。 メガネ体支持フレームの弾性変形状態を示した図である。 上庇部及び下庇部と、眼球との位置関係を示した図である。
[第1実施形態]
以下、本発明の放射線防護眼鏡1の実施形態を、図面に基づき詳しく説明する。
図1は、本実施形態の放射線防護眼鏡1を模式的に示したものである。
図1に示すように、第1実施形態の放射線防護眼鏡1は、X線などの放射線の被爆から人体の頭部、特に眼球を防護するものである。この放射線防護眼鏡1は、レントゲンなどを用いた放射線検査、あるいは特定の造影剤と放射線を用いた血管投影像を利用した治療(インターベンション治療またはインターベンション手技)などで、検査技師、治療者、または術者などの医療従事者の眼球を保護する際に専ら用いられる。
具体的には、放射線防護眼鏡1は、放射線を遮蔽する鉛を含有するガラスレンズ2と、ガラスレンズ2を保持すると共に鉛を含む材料で形成されたフレーム3と、を備えている。フレーム3における左右方向の外側面には、当該フレーム3の外側方から入射する放射線を防護可能なサイドアーマー4が設けられている。
図2に示すように、フレーム3におけるガラスレンズ2の上縁を保持する箇所には、後方上側に向かって伸びる上庇部5が形成されており、さらにフレーム3におけるガラスレンズ2の下縁を保持する箇所には、後方下側に向かって伸びる下庇部6が形成されている。これらの上庇部5及び下庇部6はいずれも鉛当量が0.5mmPb以上に形成されている。
以降では、本実施形態の放射線防護眼鏡1を構成するガラスレンズ2、フレーム3、サイドアーマー4、上庇部5、及び下庇部6について説明する。
ガラスレンズ2は、図1及び図2においてグレーで示された部分であり、1990年に日本産業規格で制定された「X線防護用鉛ガラス(JIS R3701:1990)」において一般に鉛ガラスとして知られる材料、つまりJIS Z4501に規定される鉛当量試験によって計測された鉛当量が、JIS R3701に定められた値以上となるガラス材料で形成されている。また、ガラスレンズ2には、500nm~600nmの波長域で一様な透過率を備えることが求められ、具体的には透明度試験によって試験した際の透明度が80%、好適には85%以上であるガラス材料が用いられる。
なお、図例のガラスレンズ2はいわゆる度付きレンズではないが、本発明の放射線防護眼鏡1のガラスレンズ2に度付きレンズを用いても問題はない。この場合、後述する補助レンズ7は不要となる。
フレーム3は、上述したガラスレンズ2を使用者Uの顔に対して固定するために用いられる部材である。具体的には、フレーム3は、上述したガラスレンズ2の周囲に設けられて、このガラスレンズ2を保持するレンズ保持体8と、使用者Uの耳や頬に対して、ガラスレンズ2を含むフレーム3の重量を支持するテンプル部9と、レンズ保持体8とテンプル部9とを接続するフロントフレーム10と、を有している。
図2及び図3に示すように、レンズ保持体8は、前方に正対するように起立状に設けられたガラスレンズ2に対して、ガラスレンズ2の外縁を保持する部材である。レンズ保持体8は、鉛が含まれた合成樹脂を用いて形成されており、レンズの外形形状に合わせてくり抜かれたレンズ孔11を、左右一対備えている。この鉛が含まれた合成樹脂には、例えば含鉛メタクリル酸樹脂(鉛を含有したメタクリル酸誘導体を主成分とする樹脂)などを用いることができる。
また、レンズ保持体8は、レンズ孔11の孔縁から後方に向かってスカート状に伸びる庇部12を有している。この庇部12は、例えば左側のレンズ孔11の場合を例に挙げれば、レンズ孔11の左側の孔縁から後方やや左側に向かって伸びる左庇部13、レンズ孔11の下側の孔縁から後方やや下側に伸びる下庇部6、レンズ孔11の右側の孔縁から後方やや右側に伸びる右庇部14、及びレンズ孔11の上側の孔縁から後方やや上側に伸びる下庇部6を、レンズ孔11の孔縁に沿って連続するように備えている。このような左庇部13、下庇部6、右庇部14、及び上庇部5でレンズ孔11の周囲を隙間なく(外套状)に覆うことで、使用者Uの顔面とガラスレンズ2との間にできる隙間を埋めることができ、隙間から眼球に放射線が差し込むことを防護することが可能となる。
なお、左側のレンズ孔11の左庇部13と、右側のレンズ孔11の右庇部14とのそれぞれには、庇部を左右方向に貫通する切り欠き部15が形成されている。この切り欠き部15は、庇部12を貫通して後述するフロントフレーム10を水平に差し通すために設けられており、本発明のフレーム3に特有の構造となっている。
なお、上述した上庇部5、下庇部6、及び切り欠き部15については、後ほど詳しく述べる。
テンプル部9は、フレーム3の左右両側にそれぞれ配備された棒状の部材であり、前後方向に向かって伸びるように設けられている。具体的には、テンプル部9は、前側に設けられる前テンプル9Fと、後側に設けられる後テンプル9Rと、の2部材を有している。
後テンプル9Rは、使用者Uの耳の上部に接触することで、フレーム3にかかる重量を支持する部材である。後テンプル9Rは、上方に向かって緩やかに湾曲しており、使用者Uの耳に引っ掛けてもズレにくいようになっている。後テンプル9Rは、例えばスチレン-ブタジエン系エラストマーなどを共重合させたTR(グリルアミド)のような、ある程度の弾性を備えた硬質合成樹脂を用いて形成されている。
後テンプル9Rの後端側には、テンプル部9にバンドや紐などを取り付ける取付穴16が形成されており、左右のテンプル部9の後端同士をバンドや紐など(メガネバンド)で連結することで、フレーム3をより確実に使用者Uの頭部に保持できるようになっている。
前テンプル9Fは、後テンプル9Rの前端と、フロントフレーム10の左右両端との間に配備される棒状の部材であり、TR(グリルアミド)を用いて、後テンプル9Rよりも硬質となるように形成されている。前テンプル9Fは、左右方向の外側に向かって緩やかに湾曲する棒部材として形成されている。
※上述した樹脂の種類で良いかどうかご検討ください。
なお、前テンプル9Fの前後方向の中途側には、使用者Uの頬部に対してテンプル部9を支持するサイドパッドを設けることができる。このサイドパッドは、上端が前テンプル9Fの下面に接触した状態で固定され、下端は使用者Uの頬(頬骨がせり出ている部分)の上側に接触しており、フレーム3に加わる荷重を使用者Uの頬で支えることを可能としている。本実施形態の場合であれば、左右方向の外側から見た場合にくの字状に湾曲した棒状のサイドパッドを用いることができる。上述したサイドパッドを設ければ、フレーム3に加わる荷重を、後テンプル9Rを介して使用者Uの耳で支えると共に、サイドパッドを介して使用者Uの頬で支えることができ、複数の箇所で荷重を分散して支持することにより、フレーム3を安定した姿勢で、確実に支持することが可能となる。
フロントフレーム10は、左右の前テンプル9F(テンプル部9)の前端同士を、左右方向に結ぶ部材であり、左右方向の中途側でレンズ保持体8を支持可能となっている。具体的には、フロントフレーム10は、上方から見た場合に、前方に向かって緩やかに湾曲しつつ左右に伸びる棒状の部材であり、上述したテンプル部9と同様なTR(グリルアミド)樹脂を用いて形成されている。フロントフレーム10における左右方向の中途側は、前後方向の厚みが、左右両側に比べて薄く形成されており、フロントフレーム10はこの左右方向の中途側をレンズ保持体8に差し入れるようにして固定可能とされている。
詳しく説明すれば、レンズ保持体8における左右のレンズ孔11、11の間には、フロントフレーム10を後方より差し入れるための案内溝17が形成されている。この案内溝17は、フロントフレーム10の中途側に対応した厚みを備えており、左右方向に沿って直線状に形成されている。また、この案内溝17の溝内には、ネジなどを用いてレンズ保持体8をフロントフレーム10に固定するためのネジ穴18が形成されており、レンズ保持体8をフロントフレーム10の左右方向の中途側に固定可能とされている。
上述した左右方向の中途側のフロントフレーム10にレンズ保持体8を固定すれば、固定箇所である中途側より左側及び右側のフロントフレーム10が板バネのように弾性部材として作用する効果(板バネ効果)を発揮できるようになり、上述したテンプル部9に対してレンズ保持体8を前後方向に弾性的に保持することが可能となる。その結果、顔かたち、彫りの深さ、顔の大きさが異なる使用者Uのいずれに対しても、フロントフレーム10の板バネ効果によりレンズ保持体8を隙間なく押し付けることが可能となる。
なお、視力の矯正が必要な使用者Uが放射線防護眼鏡を用いる場合は、フロントフレーム10のさらに内側(使用者U側)に、補助レンズ7を設けても良い。この補助レンズ7には、視力矯正が可能な度付きのレンズを備えたものを用いることができる。
上述したフレーム3では、フロントフレーム10の板バネ効果によりレンズ保持体8を隙間なく押し付けることが可能となる。ところが、テンプル部9の前端はレンズ保持体8よりも左右方向の外側に位置しているため、レンズ保持体8を貫通してレンズ保持体8の外側までフロントフレーム10の左端や右端を伸ばす必要がある。つまり、レンズ保持体8の左側のレンズ孔11に設けられる左庇部13や、レンズ保持体8の右側のレンズ孔11に設けられる右庇部14には、フロントフレーム10を左右方向に案内する切り欠き部15を形成することが必要となる。
具体的には、上述した切り欠き部15は、左側のレンズ孔11の孔縁に形成された左庇部13に形成されると共に、右側のレンズ孔11の孔縁に形成された右庇部14に形成されている。左庇部13に形成される切り欠き部15は、フロントフレーム10の左側を案内可能となっており、右庇部14に形成される切り欠き部15はフロントフレーム10の右側を案内可能となっている。それぞれの切り欠き部15は、フロントフレーム10を左右方向に案内可能であると共に、上下方向や左右方向に沿ったフロントフレーム10の弾性変形を阻害しないように、フロントフレーム10の厚みよりも上下方向や左右方向に広幅となるような開口幅を有している。
上述したフロントフレーム10の厚みよりも上下方向や左右方向に広幅となる切り欠き部15を設けると、フロントフレーム10と切り欠き部15との間の隙間から、使用者Uの眼球に放射線が入射する可能性がある。そこで、本実施形態の放射線防護眼鏡1では、上述したフロントフレーム10と切り欠き部15との間の隙間を塞ぎ、放射線の防護性能をさらに向上させることができるようにサイドアーマー4という板状の部材を、前テンプル9F(テンプル部9)の左右方向の外側に設けている。
サイドアーマー4は、表面を左右方向に向けるように上下方向に起立した板状の部材であり、放射線を防護できる放射線防護能力を有している。
具体的には、サイドアーマー4は、左方(右方)から見た外観が、四辺の長さがいずれも異なる不定形の四角形に形成されている。より詳しく説明すれば、サイドアーマー4は、前辺、後辺、上辺、下辺の4辺を備える横長の四角形に形成されており、辺の長さの間に下辺の長さ>上辺の長さ>前辺の長さ>後辺の長さとなる関係を備えている。
また、上述したサイドアーマー4は、使用者Uの眼球(水晶体)を確実に保護できる位置に設けられている。
例えば、図4は、前方から見た本実施形態の放射線防護眼鏡1と使用者Uの眼球との位置関係を示したものである。また、図5は、側方から見た本実施形態の放射線防護眼鏡1と使用者Uの眼球との位置関係を示したものである。
図4に示すように、前方から見た場合、放射線防護眼鏡1のガラスレンズ2は、使用者Uの眼球Lの位置を示す点線を確実に覆い隠すように配備されており、前方から眼球Lに入射する放射線を確実に防護できるようになっている。
また、図5に示すように、側方から見た場合、上述したサイドアーマー4が、使用者Uの眼球Lの位置を示す点線を確実に覆い隠すように配備されており、側方から眼球Lに入射する放射線を確実に防護できるようになっている。つまり、上述したサイドアーマー4を設けることで、前方だけでなく側方から眼球Lに入射する放射線に対しても、十分な遮蔽能力を発揮することができ、重装用防護眼鏡として十分使用するに足る放射線防護能力を発揮することが可能となる。
上述したサイドアーマー4は、鉛やタングステンなどのような放射線の吸収能を有する金属の板部材などを内部に配備することで、高い放射線防護性能を有している。上述した放射線の吸収能を有する金属には、放射線の吸収能を有する金属として一般的な鉛の他、鉛よりも高い吸収能を備えているタングステン、さらには厚みを確保できる場合は鉄などの金属を用いることもできる。
さらに、上述した金属をサイドアーマー4の内部に配備する場合は、サイドアーマー4に第1スリット19を形成しておき、板状やメッシュ状に加工された金属を第1スリット19に差し込むことができる。本実施形態の場合であれば、サイドアーマー4の下面に、上方に向かって伸びる第1スリット19を、前後方向に沿うように形成しておく。そして
、この第1スリット19に、鉛板を下方より差し込むことで、サイドアーマー4の放射線防護能力を飛躍的に高めることが可能となる。
この第1スリット19に差し込まれる金属板は、左右方向に沿った厚さが0.75mmの鉛板であり、JIS T61331-3:2016における鉛当量の規格値0.50mmPb以上を十分に遵守可能なものとなっている。
なお、第1スリット19に鉛板を挿入するに際しては、挿入された鉛板が抜けないように、ロック機構を設けても良いし、また鉛板の取替が簡単に行えるように、第1スリット19内にバネなどを設けても良い。
また、金属板を用いて放射線防護性能を向上させる手段としては、例えばサイドアーマー4の表面に、粘着剤などを用いて板状やメッシュ状に加工された金属を貼り付けても良いし、板状やメッシュ状に加工された金属を金型内にインサートし、インサートされた金属の周囲に合成樹脂を射出成形してもよい。
上述したサイドアーマー4を設ければ、切り欠き部15から眼球に放射線が入射されることは抑制される。また、上述したレンズ孔11に鉛ガラスなどを嵌め込めば、正面から入射する放射線も防護できる。しかし、上庇部5や下庇部6に一般的な合成樹脂や含鉛合成樹脂を用いるだけでは、レンズ孔11の上側や下側に形成される隙間から入射する放射線は十分に防護できない。
そこで、本実施形態の放射線防護眼鏡1では、上庇部5や下庇部6にサイドアーマー4と同様に放射線の吸収能を有する金属板などを差し入れて、上庇部5や下庇部6の放射線吸収能を向上させるようにしている。
具体的には、上庇部5の場合であれば、図2に示すように、上庇部5はレンズ保持体8の上縁から、後方やや上側に向かって伸びる第2スリット20を設けている。図3に示すように、この第2スリット20は、左右方向に向かって、レンズ孔11の上縁に沿うように形成されている。このような第2スリット20を形成しておいて、第2スリット20に0.75mm以上の厚さの鉛板などを挿入すれば、上庇部5の放射線吸収能が大きく向上し、レンズ孔11の上側に形成される隙間から入射する放射線を十分に防護することが可能となり、「重装用防護眼鏡」としてより放射線防護脳の高い眼鏡を得ることが可能となる。
また、下庇部6の場合であれば、図2に示すように、下庇部6はレンズ保持体8の上縁から、後方やや上側に向かって伸びる第3スリット21を設けている。図3に示すように、この第3スリット21は、レンズ孔11の左縁を経由して、レンズ孔11の下縁に沿って左右方向に進み、レンズ孔11の右縁に至る略U字状の領域に跨るように形成されている。このような第3スリット21を形成しておいて、第3スリット21に0.75mm以上の厚さの鉛板などを挿入すれば、下庇部6の放射線吸収能が大きく向上し、レンズ孔11の下側に形成される隙間だけでなく、レンズ孔11の左右の縁部から入射する放射線も十分に防護することが可能となり、上述と同様に「重装用防護眼鏡」としてより放射線防護能の高い眼鏡を得ることが可能となる。
なお、今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。特に、今回開示された実施形態において、明示的に開示されていない事項、例えば、各種パラメータ、構成物の寸法、重量、体積などは、当業者が通常実施する範囲を逸脱するものではなく、通常の当業者であれば、容易に想定することが可能な値を採用している。
1 放射線防護眼鏡
2 ガラスレンズ
3 フレーム
4 サイドアーマー
5 上庇部
6 下庇部
7 補助レンズ
8 レンズ保持体
9 テンプル部
10 フロントフレーム
11 レンズ孔
12 庇部
13 左庇部
14 右庇部
15 切り欠き部
9F 前テンプル
9R 後テンプル
16 取付穴
17 案内溝
18 ネジ穴
19 第1スリット
20 第2スリット
21 第3スリット
U 使用者
L 眼球

Claims (3)

  1. 放射線を遮蔽する鉛を含有するガラスレンズと、ガラスレンズを保持すると共に鉛を含む材料で形成されたフレームと、を備えた放射線防護眼鏡であって、
    前記フレームにおける左右方向の外側面には、当該フレームの外側方から入射する放射線を防護可能なサイドアーマーが設けられている
    ことを特徴とする放射線防護眼鏡。
  2. 前記フレームにおけるガラスレンズの上縁を保持する箇所には、後方上側に向かって伸びる上庇部が形成されており、
    前記上庇部は、鉛当量が0.5mmPb以上に形成されている
    ことを特徴とする請求項1に記載の放射線防護眼鏡。
  3. 前記フレームにおけるガラスレンズの下縁を保持する箇所には、後方下側に向かって伸びる下庇部が形成されており、
    前記下庇部は、鉛当量が0.5mmPb以上に形成されている
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の放射線防護眼鏡。
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