JP3239058U - X線保護めがね - Google Patents
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Abstract
【課題】X線保護めがねの機能を維持しつつ、めがねにとって非常に重要な要素である重量についても配慮した鉛レスガラスを用いたX線保護めがねを提供する。【解決手段】眼鏡フレーム1と、眼鏡フレームに着脱可能に取り付けられるレンズ2とから成り、レンズは少なくともホウ素を2重量%~40重量%及びランタンを2重量%から30重量%含み、単位面積当たりの重量が0.25/cm2~1.2g/cm2、X線遮蔽率が70%~95%、波長400nm~800nmの領域に渡って光透過率が80%以上である。【選択図】図1
Description
本考案はX線保護めがねに関するものである。特にX線を扱う医療従事者の目を保護するためのX線保護めがねに関するものである。
従来より、医療用装置から漏れるX線から医療従事者の眼を保護するために、X線保護めがねが使用されている。このようなX線保護めがねとして、鉛ガラスを使用した保護めがねが知られている。しかし、鉛ガラスを使用した保護めがねは重く、保護めがねの使用者の鼻側の負担、耳上部の負担が大きく、また、保護めがねのズレ落ちが生じる。このため、例えば、麻酔技術の進歩に伴って長時間の手術が行われる場合には、保護めがねの使用者の負担が大きなものになるという問題があった。
保護めがねの重量を軽くするため鉛を含有したアクリル樹脂が提案されたがX線遮蔽機能がガラスよりも低いため医療従事者の眼の保護が十分に行えず、また、アクリル樹脂が経年劣化により透明から黄色みに変色するので、医療行為に支障を生じるという問題があった(特許文献1,2)。更に従来のX線保護めがねはいずれも鉛が含まれるガラスやアクリル系樹脂が用いられているが、廃棄されたX線保護めがねに含まれる鉛が自然界を循環して、人体に取り入れられた時、有害であることが判明した。そのため、近年ではX線遮蔽防護衣などの一部ではX線遮蔽金属として従来から使用されていた鉛に代えて、ビスマスやタングステンなどの金属が用いられるようになってきている。ところがめがねの場合は防護衣と異なり、ガラスとの相溶性や透明性の維持が必要なため,鉛に代る金属を捜すことが困難であった。鉛を含まない、いわゆる鉛レスガラスも検討されてはいるが、めがね用途まで考慮した優れたガラスは開発されていないのが現状である。(証明学会誌 第84巻第3号 平成12年)
特許文献1 実開昭54-158200
特許文献2 特開2019-12821
特許文献2 特開2019-12821
したがって,本考案の目的はX線保護めがねの機能を維持しつつ、めがねに取って非常に重要な要素である重量についても配慮した鉛レスガラスを用いたX線保護めがねを提供することである。言い換えれば、レンズの単位面積当たりの重量を制限することにより、満足なX線遮蔽率を確保しつつ、医療従事者が好んで装着するめがねを提供することである。
本考案者らはこの課題を解決するため、種々検討した結果、少なくともX線遮蔽効果を高めることが可能なランタン化合物とランタン化合物が含まれるレンズのネットワーク作りに有用であるホウ素を含むレンズがこの用途に適していることを見い出し,更に検討した結果本考案に到達したものである。
すなわち,本考案は,X線を扱う医療従事者が使用するX線保護めがねであって、弾性材料で構成された眼鏡フレームと、前記眼鏡フレームに着脱可能に取り付けられるレンズとから成り、前記レンズは鉛を含まず、少なくともホウ素を2重量%~40重量%及びランタンを2重量%から30重量%含み、単位面積当たりの重量が0.25/cm2~1.2g/cm2、X線遮蔽率が70%~95%、波長400nm~800nmの領域に渡って光透過率が80%以上であり,該レンズが眼鏡フレームに装着されてなることを特徴とするX線保護めがねである。
本考案のX線保護メガネに使用するレンズは重い鉛を使用していないため単位面積当たりの重量が0.25g/cm2から1.2g/cm2と軽量である。またX線遮蔽率も70%から95%と高く医療従事者の眼の保護が十分に行え,しかも透明性に優れているため,X線保護めがねとして適している。さらに,レンズには鉛が含まれていないため、眼鏡を廃棄する際に,有害物として取り扱われることはなく,地球環境保護にも役立つ。
次に本考案のX線保護めがねの一実施例を図面にて説明する。図1は本考案のX線保護めがねの斜視図であり,本考案のX線保護めがねは、めがねフレーム1と,フレームのフロント部3に装着したX線保護めがね用レンズ2から構成されている。
フロント部3は上端が緩やかに曲げられた形状であり,このフロント部3の上部両端部にヒンジ4を介してテンプル5が取り付けられている。
テンプル5は、ヒンジ4を軸に回動可能であり、その端部が医療従事者の後頭部に沿って回り込み、軽く当接するように長めに形成されているため、その端部同士が非常に近接した状態になる。テンプル5がこのように長く形成されることにより、保護めがね使用中における鼻側にかかる重さが分散され、重みによる鼻側の負担が軽減されるとともに保護めがねのズレ落ちが防止される。
テンプル5は、ヒンジ4を軸に回動可能であり、その端部が医療従事者の後頭部に沿って回り込み、軽く当接するように長めに形成されているため、その端部同士が非常に近接した状態になる。テンプル5がこのように長く形成されることにより、保護めがね使用中における鼻側にかかる重さが分散され、重みによる鼻側の負担が軽減されるとともに保護めがねのズレ落ちが防止される。
X線保護めがね1は、チタン、チタン等の金属、ポリアミド系樹脂等の樹脂材料等、あるいは、これらの材料を2種以上組み合わせた材料によって形成される。
フロント部3の両側面にサイドプレート7を有している。サイドプレート7は、使用者の目尻部分からX線が目の方向へ入らないようにX線を遮蔽する部材であり,X線保護めがねと同じレンズが用いられる。
また,フロント部3の中央部にノーズパッドが装着されたパッド支持部6が取り付けられている。ノーズパッド6は、保護めがね1を長時間着用しても鼻が痛くならず、またズレ落ちないように、例えば、材質をシリコーンゴム等とすることが好ましい。
また,フロント部3の中央部にノーズパッドが装着されたパッド支持部6が取り付けられている。ノーズパッド6は、保護めがね1を長時間着用しても鼻が痛くならず、またズレ落ちないように、例えば、材質をシリコーンゴム等とすることが好ましい。
本考案のX線保護めがねに使用するレンズは、X線遮蔽効果を有する材料を含有する光透過性部材であり,特にランタン化合物とランタン化合物が含まれるレンズのネットワーク作りに有用であるホウ素を含むレンズが適している。
該レンズにはホウ素が2%~40%の範囲で用いられる。好適には5%から30%である。(本明細書では%は特に記載がなければ重量%で示される。)
ホウ素が2%未満ではガラスの溶融安定性に欠け,40%を超えるとガラスの安定性を損なうという問題がある。
ランタンは2%から30%、好適には3%から20%である。2%未満ではX線の遮蔽率が低く,30%を超えるとめがねが重くなり、保護めがね使用者の負担が増加する。
X線を遮蔽するためには原子番号の大きい金属が優れているが,ランタンの原子番が比較的大きく、軽いレンズを作る為に好適であるばかりか経済的にも有利である。
ホウ素が2%未満ではガラスの溶融安定性に欠け,40%を超えるとガラスの安定性を損なうという問題がある。
ランタンは2%から30%、好適には3%から20%である。2%未満ではX線の遮蔽率が低く,30%を超えるとめがねが重くなり、保護めがね使用者の負担が増加する。
X線を遮蔽するためには原子番号の大きい金属が優れているが,ランタンの原子番が比較的大きく、軽いレンズを作る為に好適であるばかりか経済的にも有利である。
ホウ素やランタンの他にタングステン、タンタル、ガドリューム、バリューム、ジルコニューム、亜鉛、カルシューム、カリ、酸素、リン、ケイ素アルミニューム、カリ或いはナトリュームなどが共存していても良い。とくにタングステンやガドリューム、タンタル、バリュームなど50より大きい原子番号を持つ元素の共存はX線遮蔽率の向上には望ましい。またこれらの元素は酸化物として存在するので酸素の共存は当然のこととして避けられない。ただビスマスなど添加量が多くなるとレンズの着色に繋がり好ましくない。
これらの元素を使ったレンズの単位面積あたり重量は0.25g/cm2~1.2g/cm2であり、好ましくは0.40g/cm2から1.0g/cm2である。0.25g/cm2未満の場合は満足なX線遮蔽率が得られないし、1.2g/cm2以上の場合はレンズが重くなり、医療従事者がめがねの装着を避けてしまい、水晶体が被害を受ける結果となる。
このようにレンズの単位面積当たりの重量を制限することに依って得られるレンズの、JIS T 61331-1 ナロービーム 管電圧150kVによる測定で、遮蔽率は70%から95%の範囲である。好ましい重量範囲では遮蔽率80%程度から90%程度までの範囲をカバーすることが出来る。なお、本考案における遮蔽率はこの方法によって測定されたものである。
この時レンズの厚みは1mmから5mm程度までの範囲にある。密度は軽いレンズを作るため4.8g/cm3程度以下が望ましい。
この時レンズの厚みは1mmから5mm程度までの範囲にある。密度は軽いレンズを作るため4.8g/cm3程度以下が望ましい。
さらに本考案のレンズは日本分光株式会社製 紫外可視近赤外分光光度計 V―670によって測定する時、400nmから750nmまでの全域において80%以上の透過率を有している。これは透明感のあるレンズに必要な条件である。
本考案のレンズはあらゆるタイプのX線保護めがねに適用することが出来る。通常のめがねタイプは勿論のこと、眼の側面からの散乱線を防ぐレンズにも、ゴーグル型のめがねや脱着式めがねにも適用可能である。
実施例1
ホウ素22%、ケイ素4%、酸素47%、カルシューム2%、亜鉛4%、バリューム5%、ランタン10%、ガドリューム6%の組成からなるガラスを作った。このガラスを研磨して厚み1.8mmを持つめがね用レンズを作成した。密度は3.85g/cm3であった。
このレンズの単位当たり重量は0.74g/cm2であり、24,3cm2の面積を持つめがね片側分の重さは18.0gとなり、軽いものであった。このレンズのX線遮蔽率は85.5%であった。また波長400nmから800nm全域にわたり分光透過率は80%以上であった。このレンズを図1に示すX線遮蔽用めがね枠に取り付けたところ、軽くて透明性に優れたX線保護めがねを作ることが出来た。
ホウ素22%、ケイ素4%、酸素47%、カルシューム2%、亜鉛4%、バリューム5%、ランタン10%、ガドリューム6%の組成からなるガラスを作った。このガラスを研磨して厚み1.8mmを持つめがね用レンズを作成した。密度は3.85g/cm3であった。
このレンズの単位当たり重量は0.74g/cm2であり、24,3cm2の面積を持つめがね片側分の重さは18.0gとなり、軽いものであった。このレンズのX線遮蔽率は85.5%であった。また波長400nmから800nm全域にわたり分光透過率は80%以上であった。このレンズを図1に示すX線遮蔽用めがね枠に取り付けたところ、軽くて透明性に優れたX線保護めがねを作ることが出来た。
本考案のX線保護めがねは,透明性に優れ、軽量でX線遮蔽率も70%から95%と高く医療従事者の眼の保護が十分に行え,しかも鉛を使用していないため,環境にやさしいX線保護めがねである。
1 めがねフレーム
2 レンズ
3 フロント部
5 テンプル
7 サイドプレート
2 レンズ
3 フロント部
5 テンプル
7 サイドプレート
Claims (1)
- X線を扱う医療従事者が使用するX線保護めがねであって、眼鏡フレームと、前記眼鏡フレームに着脱可能に取り付けられるレンズとから成り、前記レンズは鉛を含まず、少なくともホウ素を2重量%~40重量%及びランタンを2重量%から30重量%含み、単位面積当たりの重量が0.25/cm2~1.2g/cm2、X線遮蔽率が70%~95%、波長400nm~800nmの領域に渡って光透過率が80%以上であり,該レンズが眼鏡フレームに装着されてなることを特徴とするX線保護めがね。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2022002227U JP3239058U (ja) | 2022-06-17 | 2022-06-17 | X線保護めがね |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2022002227U JP3239058U (ja) | 2022-06-17 | 2022-06-17 | X線保護めがね |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP3239058U true JP3239058U (ja) | 2022-09-09 |
Family
ID=83150106
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2022002227U Active JP3239058U (ja) | 2022-06-17 | 2022-06-17 | X線保護めがね |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3239058U (ja) |
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2022
- 2022-06-17 JP JP2022002227U patent/JP3239058U/ja active Active
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