JP6517980B2 - 医療用保護眼鏡 - Google Patents

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本発明は、医療用保護眼鏡に関するものであり、より詳細には、放射線を扱う医療従事者の眼を保護するための医療用保護眼鏡に関する。
従来より、医療用装置から漏れる放射線から医療従事者の眼を保護するために、保護眼鏡が使用されている。このような医療用保護眼鏡として、例えば、鉛を含有したアクリル樹脂を用いた保護眼鏡であって、使用者が視力矯正の眼鏡を付けたままで装着できるオーバーグラスタイプの構造の保護眼鏡が使用されている(特許文献1)。
実用新案登録第3011320号公報
しかしながら、鉛を含有したアクリル樹脂はX線の遮蔽機能が低く、使用者の眼の保護が十分に行えず、また、アクリル樹脂が経年劣化により透明から黄色みに変色するので、例えば、医療行為に支障を生じるという問題があった。更に、視力矯正の眼鏡を着用している使用者は、その眼鏡を付けたままで保護眼鏡を装着するので、フレームが2重に存在し、例えば、視野を妨げて作業、機器の取り扱い等において支障を来すことがあった。
一方、鉛を含有したアクリル樹脂を鉛ガラスに替えることにより、X線の遮蔽機能は高いものとなり、変色の問題も解消できるが、鉛ガラスを使用した保護眼鏡は重く、保護眼鏡の使用者の鼻側の負担、耳上部の負担が大きく、また、保護眼鏡のズレ落ちが生じる。このため、例えば、麻酔技術の進歩に伴って長時間の手術が行われると、保護眼鏡の使用者の負担が大きなものになるという問題があった。また、保護眼鏡の一対のテンプルの後端部を紐で連結することにより、保護眼鏡の重さによるズレ落ちを軽減することができるが、使用者の後頭部が締め付けられ、また、汗などで紐が汚れるという問題があった。
更に、保護眼鏡の内側の近傍に、視力矯正用の眼鏡レンズを装着した別体のレンズフレームを装着した場合、保護眼鏡の使用後のクリーニングにおいて、保護フィルタと眼鏡レンズとが対向する箇所のクリーニングが困難であった。このため、クリーニングの都度、レンズフレームを取り外して保護眼鏡とレンズフレームのクリーニングを行い、その後、レンズフレームを保護眼鏡に再装着する必要があり、取扱いが煩わしいという問題があった。
本発明は、上述のような実状に鑑みてなされたものであり、放射線を扱う医療従事者が、視力矯正の眼鏡を必要とする場合と必要としない場合のいずれであっても、使用者の負担が少なく取扱が簡便である医療用保護眼鏡を提供することを課題とする。
上記課題を解決するための請求項1に記載の発明は、放射線を扱う医療従事者が使用する医療用保護眼鏡であって、
眼鏡フレームと、X線遮蔽用フィルタを備えていて前記眼鏡フレームに取り付けられるフロント部と、前記眼鏡フレームに着脱可能に取り付けられる眼鏡部とから成り、
前記眼鏡フレームは弾性材料で構成されていて、そのテンプルは、使用時に後頭部に沿って回り込む長さであって、その前半部はβチタン材で形成され、後半部はゴム樹脂で形成され、前記フロント部は、フロント連結部と、前記X線遮蔽用フィルタを保持していて前記フロント連結部によって連結される一対のリム部と、前記リム部に連設されるサイドプレートから成っていて、前記フロント連結部、リム部及びサイドプレートの表面にX線遮蔽層が配設されていることを特徴とする医療用保護眼鏡である。
一実施形態においては、前記X線遮蔽用フィルタは、X線遮蔽効果を有する材料を含有するもの、あるいは、X線遮蔽効果を有する材料の被膜を表面に備えるものである。また、一実施形態においては、前記X線遮蔽用フィルタは表面に鉛被膜を備え、更にその鉛被膜の表面に樹脂材料から成る被覆層を備える。
一実施形態においては、前記X線遮蔽用フィルタは、JIS T61331−1に準拠して測定した透過X線量率(mGy/min)が、X線遮蔽用フィルタを介さずに測定した透過X線量率の半分以下のX線遮蔽能を有し、また、前記X線遮蔽用フィルタは、可視光線の光透過性が85%以上である。
一実施形態においては、前記X線遮蔽層は、前記フロント連結部、リム部及びサイドプレートの表面にプライマー層を形成し、このプライマー層上に、X線遮蔽効果を有する材料の粉末を含有した樹脂組成物を塗布し、加熱することにより形成されている。前記X線遮蔽効果を有する材料の粉末の粒子径は、10μm〜150μmの範囲である。また、一実施形態においては、前記X線遮蔽層は鉛粉末を含み、そのX線遮蔽層の表面に樹脂材料から成る被覆層が設けられる。
一実施形態においては、前記眼鏡部は前記眼鏡フレームに着脱可能であり、且つ、跳ね上げ可能である。
本発明に係る保護眼鏡は、眼鏡フレームとX線遮断性能を備えていて眼鏡フレームに取り付けられるフロント部を備え、前記眼鏡フレームはバネ性材料で構成されていて、そのテンプルは、使用時に後頭部に沿って回り込む長さであるため、使用者が視力矯正の眼鏡を必要とする場合、必要としない場合のいずれであっても、X線から使用者の目を保護し、且つ、着用した際に良好なフィット感が得られ、長時間着用しても疲れが出にくく、使用者の負担が軽減される効果がある。
本発明の保護眼鏡の一実施形態を示す平面図である。 本発明の保護眼鏡の一実施形態を示す正面図である。 本発明の保護眼鏡の一実施形態を示す側面図である。 本発明の保護眼鏡の一実施形態を示す斜視図である。 本発明の保護眼鏡の一実施形態を示す、図4とは異なる角度からの斜視図である。 本発明の保護眼鏡の構造を説明するための正面図である。 本発明の保護眼鏡の動作を説明するための平面図である。 本発明の保護眼鏡の構造を説明するための斜視図である。 本発明の保護眼鏡の構造を説明するための斜視図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の保護眼鏡の一実施形態を示す平面図、図2はその正面図、図3はその側面図、図4、図5はその斜視図である。また、図6は、本発明の保護眼鏡の構造を説明するための正面図であり、一部の部材を離間させた状態を示している。
図1〜図6において、本発明の保護眼鏡1は、眼鏡フレーム11と、X線遮蔽用フィルタ24,24を担持していて眼鏡フレーム11に取り付けられるフロント部21と、眼鏡フレーム11に着脱可能に取り付けられる眼鏡部31とから成る。以下に、保護眼鏡1を構成するこれらの眼鏡フレーム11、フロント部21及び眼鏡部31について説明する。
<眼鏡フレーム11>
眼鏡フレーム11は、ブリッジ12と、このブリッジ12の両端部12e,12eにヒンジ13,13を介して取り付けられるテンプル14,14を有している。ブリッジ12は、正面からの形状が図6に示されるように、中央部12cで後述のフロント部21を係止可能なように、緩やかに曲げられた形状とされている。このブリッジ12は、βチタン、チタン等の金属、ポリアミド系樹脂等の樹脂材料によって形成され、あるいは、これらの材料の2種以上の組み合わせから成る材料によって形成される。
テンプル14,14は、ヒンジ13,13を軸に回動可能であり、その端部14e,14eが使用者の後頭部に沿って回り込み、軽く当接するように長めに形成され、図1に示されるように、その端部14e,14e同士が非常に近接した状態となる。テンプル14,14がこのように長く形成されることにより、保護眼鏡1の使用中における鼻側にかかる重さが分散され、以て、重みによる鼻側の負担が軽減されると共に、保護眼鏡1のズレ落ちが防止されるという効果が奏される。
テンプル14,14は、βチタン、チタン等の金属、ポリアミド系樹脂等の樹脂材料等によって形成され、あるいは、これらの材料を2種以上組み合わせた材料によって形成される。このような材料の中で、テンプル14,14の前半部分14aを形成するための材料としては、保護眼鏡1を着用した際に良好なフィット感が得られ、長時間着用しても疲れが出にくく、軽量で錆びにくく、弾性に富んだβチタン材を用いることが好ましい。
一方、テンプル14,14の後半部分14bには、保護眼鏡1を着用していても、耳の部分や後頭部が痛くならない、クッション性のあるゴム樹脂が好適である。このゴム樹脂は、曲げることができて、使用者に合わせてフィッティング調整可能であることが好ましく、例えば、三菱ケミカル(株)製のラバロン樹脂(登録商標)等を使用することができる。
<フロント部21>
フロント部21は、フロント連結部22で連結されていてX線遮蔽用フィルタ24,24を担持する一対のリム部23,23と、該リム部23,23に連続するサイドプレート25,25を有している。図示してないが、フロント連結部22、リム部23,23及びサイドプレート25,25の表面、即ち、これらの部材の露出する全ての面に、X線遮蔽層が配設される。サイドプレート25,25は、使用者の目じり部分からX線が目の方向へ入らないように遮蔽する部材であり、テンプル14とは別体であるため、形状に自由性がある。
フロント部21は、図6、図8に示されるように、フロント連結部22が基材41を介して眼鏡フレーム11のブリッジ12にネジ16を用いて留め付けられて、眼鏡フレーム11に一体化される。フロント部21のブリッジ12に対する留め付け構造については、後述する。
X線遮蔽用フィルタ24,24は、X線遮蔽効果を有する材料を含有する光透過性部材であり、あるいは、成形した光透過性部材の表面にX線遮蔽効果を有する材料の被膜を成膜したものである。X線遮蔽用フィルタ24,24は、保護眼鏡として使用し得る程度の透明性を備えるものであり、例えば、可視光領域の光透過率が85%以上、好ましくは93%以上であるような透明性を備えるものである。また、X線遮蔽用フィルタ24,24は、JIS T61331−1に準拠して測定した透過X線量率(mGy/min)が、X線遮蔽用フィルタを介さずに測定した透過X線量率の半分以下を達成できるX線遮蔽能
を有するものである。
X線遮蔽用フィルタ24,24を構成する光透過性の材料としては、ガラス、アクリル樹脂等から、所望の光透過率を発現する材料を選択することができる。また、X線遮蔽効果を有する材料としては、原子番号22番〜83番までのいずれかの元素から成る材料を挙げることができ、このような材料を1種で、あるいは、2種以上の組み合わせで使用することができる。
このようなX線遮蔽効果を有する材料は、元素によりX線の遮蔽効果が異なり、同じX線遮蔽効果を奏するには、原子量が大きい程、X線遮蔽用フィルタ24,24が含有する量を少なくすることができ、あるいは、X線遮蔽用フィルタ24,24の表面の材料被膜の厚みを薄くすることができる。このため、保護眼鏡1に要求されるX線遮蔽効果が奏されるように、使用する材料、含有する材料量あるいは材料被膜の厚みを決定することができる。
このX線遮蔽用フィルタ24,24としては、例えば、鉛入りガラスを使用することができ、具体的には、日本電気硝子(株)製 LX−57B等を挙げることができる。なお、X線遮蔽用フィルタ24,24が、表面に鉛被膜を備える場合、人体への健康面を考慮して、鉛被膜の表面に樹脂材料から成る被覆層を設けることが好ましい。
フロント部21を構成するフロント連結部22、リム部23,23及びサイドプレート25,25の材質は、後述するX線遮蔽層の形成の際の熱に耐えられるような部材で成形することができ、例えば、アミド系樹脂、サルホン系
樹脂等の樹脂、チタン、βチタン等の金属を挙げることができる。より具体的には、サルホン系樹脂であるレーデル(登録商標)等が好ましく使用できる。
なお、図示した例では、フロント連結部22、リム部23,23及びサイドプレート25,25が一体として成形されているが、これに限定されるものではなく、個々の部材を成形した後、接着あるいは融着等により接合して一体化することとしてもよい。その場合、フロント連結部22、リム部23,23及びサイドプレート25,25を構成する材質は、全て同じであってもよいし、異なるものであってもよい。
フロント連結部22、リム部23,23及びサイドプレート25,25の表面に位置するX線遮蔽層は、X線遮蔽効果を有する材料の粉末を含有する樹脂層とすることができる。X線遮蔽効果を有する材料の粉末としては、原子番号22番〜83番までのいずれかの元素から成る材料の粉末を挙げることができ、このような材料粉末を1種で、あるいは、2種以上の組み合わせで使用することができる。
このX線遮蔽効果を有する材料は、元素によりX線の遮蔽効果が異なり、同じX線遮蔽効果を奏するためには、原子量が大きい程、X線遮蔽層が含有する材料量は少なくてよく、また、X線遮蔽層の厚みは薄くすることができる。このため、保護眼鏡1に要求されるX線遮蔽効果が達成されるように、使用する材料、含有する材料量あるいはX線遮蔽層の厚みを決定することができる。
X線遮蔽層は、例えば、フロント連結部22、リム部23,23及びサイドプレート25,25の表面にプライマー層を形成し、このプライマー層上に、X線遮蔽効果を有する材料の粉末を含有した樹脂組成物を塗布し、加熱することにより形成することができる。プライマー層には、例えば、エポキシ系樹脂プライマーを使用することができ、フロント連結部22、リム部23,23及びサイドプレート25,25の表面全域にスプレーコートにより塗布することによりプライマー層を形成することができる。このプライマー層の厚みは、例えば、5μm〜20μmの範囲で適宜設定することができる。
X線遮蔽効果を有する材料の粉末は、粒子径が大きいほどX線遮蔽層の厚みが厚くなり、粒子径が大きすぎると、X線遮蔽層の表面に凹凸が目立つこととなる。このため、粒子径は、例えば、10μm〜150μmの範囲で適宜設定することができる。X線遮蔽効果を有する材料の粉末を含有した樹脂組成物に使用する樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、ポリエステ樹脂等を挙げることができる。
また、樹脂組成物を塗布した後の加熱は、フロント連結部22、リム部23,23及びサイドプレート25,25を構成する材料の耐熱性を考慮して温度を設定する必要がある。例えば、フロント連結部22、リム部23,23及びサイドプレート25,25を構成する材料がABS樹脂の場合には約80℃、サルホン系樹脂のレーデル(登録商標)の場合には約180℃、材質が金属の場合には約500℃以下で適宜設定することができる。
X線遮蔽層の厚みは、X線遮蔽層を設けたフロント連結部22、リム部23,23及びサイドプレート25,25におけるJIS T61331−1に準拠して測定した透過X線量率(mGy/min)が、X線遮蔽部材を介さずに測定した透過X線量率の半分以下となるように設定することができ、保護眼鏡1に要求されるX線遮蔽効果、使用する材料の種類、材料粉末の含有率等を考慮して、例えば、5μm〜300μmの範囲でX線遮蔽層の厚みを設定することができる。なお、X線遮蔽効果を有する材料粉末として鉛粉末を使用した場合、人体への健康面を考慮して、X線遮蔽層の表面に樹脂材料から成る被覆層を設けることが好ましい。
<眼鏡部31>
保護眼鏡1を構成する眼鏡部31は、支持ピン36を用いて眼鏡連結部33で連結された一対の視力矯正用の眼鏡レンズ32,32を有しており、眼鏡フレーム11のブリッジ12に取り付けられる(図8参照)。この眼鏡部31は、眼鏡フレーム11のブリッジ12に対して着脱可能であると共に、眼鏡フレーム11に装着された状態でフロント部21に対して跳ね上げ可能となっている。なお、眼鏡部31がブリッジ12に対して着脱可能である構造、及び、フロント部21に対して跳ね上げ可能である構造は下記のとおりである。
図7は、本発明の保護眼鏡1における眼鏡部31のフロント部21に対する跳ね上げ動作を説明するための平面図である。図7では、保護眼鏡1の使用時における眼鏡部31の眼鏡レンズ32,32の位置を実線で示し、眼鏡部31がフロント部21に対して跳ね上げられた状態の眼鏡レンズ32,32を一点鎖線で示している。このように、眼鏡部31がフロント部21に対して跳ね上げ可能であることにより、例えば、保護眼鏡の使用後のクリーニング時において、X線遮蔽用フィルタ24と眼鏡レンズ32の各対向面のクリーニングが容易となる。
次いで、フロント部21のブリッジ12に対する取り付け構造、眼鏡部31をブリッジ12に対して着脱可能にするための構造、並びに、眼鏡部31をフロント部21に対して跳ね上げ可能にするための構造について、それぞれ例を挙げて説明する。
図8、図9は、本発明の保護眼鏡の構造を説明するための斜視図である。図8、図9において、ブリッジ12は、嵌合用突出ネジ穴部15を備えており、基材41は、断面L字型の基部42と、この基部42のL字の垂直面に突設されている突出部43と、ノーズパッド47,47が装着されたパッド支持部46と、基部42のL字の水平面に穿設された2個の貫通孔44を有している。ノーズパッド47,47は、保護眼鏡1を長時間着用しても鼻が痛くならず、またズレ落ちないように、例えば、材質をシリコーンゴム等とすることができる。
また、ブリッジ12は、2個の嵌合用突出ネジ穴部15,15を備えており、この嵌合用突出ネジ穴部15,15に対応するように、フロント部21は、フロント連結部22に係合用の2個の貫通孔26を有している。そして、貫通孔44に嵌合用突出ネジ部15が嵌合するように基材41が配設され、また、フロント部21の貫通孔26に嵌合用突出ネジ穴部15が嵌合するようにフロント部21が配設された状態で、ネジ16を嵌合用突出ネジ穴部15に螺進させることにより、フロント部21がブリッジ12に一体化される。
基材41が備える突出部43は、側面にネジ穴45を備えている。一方、眼鏡部31を構成する眼鏡連結部33には、前方向に一対の係合板34,34が突設されており、この係合板34,34には貫通孔35,35が設けられている。そして、一対の係合板34,34が基材41の突出部43を挟持するように配設された状態で、ネジ17を突出部43のネジ穴45に螺進させることにより、眼鏡部31がブリッジ12に固定される。
この眼鏡部31は、基材41を介してブリッジ12に対して着脱可能であり、保護眼鏡1の使用者が視力矯正の眼鏡を必要としない場合は、ブリッジ12から眼鏡部31を取り外して使用することができる。また、視力矯正の程度が異なる眼鏡部31を装着することにより、視力矯正の程度が異なる複数の使用者が1個の保護眼鏡1を共用することができる。
更に、眼鏡部31は、ネジ17を中心にフロント部21に対して跳ね上げ可能である。したがって、例えば、保護眼鏡の使用後のクリーニング時において、眼鏡部31を取り外すことなく、X線遮蔽用フィルタ24と眼鏡レンズ32の各対向面等を容易にクリーニングすることができる。また、何度も眼鏡部31の跳ね上げ操作を行い、仮に基部41の突出部43に対する眼鏡部31の係止状態が緩くなっても、ネジ17を締めれば緩みを解消することができる。
かかる構成の本発明の保護眼鏡1は、使用者が視力矯正の眼鏡を必要とする場合、必要としない場合のいずれであっても、X線から使用者の目を保護し、かつ、使用者の負担を軽減し、取扱を簡便なものとすることができる。
上述の実施形態は本発明の一例であり、本発明はこのような実施形態に限定されるものではない。例えば、上述の実施形態では、眼鏡フレーム11を構成するテンプル14,14がヒンジ13,13を介してブリッジ12の両端部に回動可能に配設されているが、ブリッジ12の両端部に、ブリッジ12に対して所望の角度でテンプルが直接連設されたものであってもよい。また、上述の実施形態では、眼鏡レンズ32,32は支持ピン36を用いて眼鏡連結部33に直接固着されているが、眼鏡連結部33に一対のリム部を連設し、このリム部に眼鏡レンズ32,32を保持させる構造であってもよい。
<X線遮蔽層形成用の樹脂組成物の調製>
X線遮蔽層形成用の樹脂組成物として、下記の組成の樹脂組成物を調製した。
(X線遮蔽層形成用の樹脂組成物の組成)
・アクリル樹脂
((株)日研工業所製 アクリル樹脂塗料 NK-IV)…100質量部
・鉛粉末(平均粒子径20μm)… 15質量部
・溶剤((株)日研工業所製 シンナー)… 20質量部
<X線遮蔽層の形成>
フロント連結部22、リム部23,23、サイドプレート25,25から成るフロント部21用の材料として、サルホン系樹脂(レーデル(登録商標))から成る板材(厚み0.5mm)と、チタンから成る板材(厚み0.5mm、1.0mm)を準備した。また、比較として、ステンレス鋼(SUS303)から成る板材(厚み0.6mm)を準備した。
次に、上記の各板材の表面全域に、エポキシ系樹脂プライマー((株)日研工業所製エポキシプライマー NK−IV)をスプレーコートして、プライマー層(厚み約10μm)を形成した。その後、プライマー層上に上記のX線遮蔽層形成用の樹脂組成物をスプレーコートして、X線遮蔽層(1層の厚み約70μm)を形成し、下記表1に示される7種の試料を作製した。
<透過X線量率の測定>
このように作製した試料(試料1〜試料7)について、JIS T61331−1に準拠して、下記の測定条件で透過X線量率を5回測定し、平均値及び標準偏差を求め、下記の表1に記載した。
(透過X線量率の測定条件)
・X線装置 : エクスロン・インターナショナル社製 MG−452型
・X線管電圧 : 120kV
・X線管電流 : 12.5mA、
・付加ろ過板 : アルミニウム板(厚み2.5mm)
・X線管焦点−試料間距離 : 900mm
・試料−測定器間距離 : 600mm
・X線量測定単位 : 空気衝突カーマ
・X線ビーム : ナロービーム
Figure 0006517980
表1に示されるように、試料1〜試料6における透過X線量率は、ブランクの透過X線量率の半分以下であり、良好なX線遮蔽効果を奏することが確認された。また、試料7もブランクの透過X線量率の半分以下であったが、材質がステンレス鋼であり、比重が大きく、保護眼鏡用として供し得ないものであった。
本発明に係る保護眼鏡は上記のとおりであって、眼鏡フレーム11とフロント部21がX線防護性のある材料を含有しており、眼鏡部31は弾性材料で構成されていて、そのテンプル14は、使用時に後頭部に沿って回り込む長さであるため、使用者が視力矯正の眼鏡を必要とする場合、必要としない場合のいずれであっても、X線から使用者の目を保護し、且つ、着用した際に良好なフィット感が得られ、長時間着用しても疲れが出にくく、使用者の負担が軽減されるという効果のあるものであり、その産業上の利用可能性は極めて大である。
1 保護眼鏡
11 眼鏡フレーム
12 ブリッジ
13 ヒンジ
14 テンプル
21 フロント部
22 フロント連結部
23 リム部
24 X線遮蔽用フィルタ
25 サイドプレート
31 眼鏡部
32 眼鏡レンズ
33 眼鏡連結部
41 基材

Claims (9)

  1. 放射線を扱う医療従事者が使用する医療用保護眼鏡であって、
    眼鏡フレームと、X線遮蔽用フィルタを備えていて前記眼鏡フレームに取り付けられるフロント部と、前記眼鏡フレームに着脱可能に取り付けられる眼鏡部とから成り、
    前記眼鏡フレームは弾性材料で構成されていて、そのテンプルは、使用時に後頭部に沿って回り込む長さであって、その前半部はβチタン材で形成され、後半部はゴム樹脂で形成され、前記フロント部は、フロント連結部と、前記X線遮蔽用フィルタを保持していて前記フロント連結部によって連結される一対のリム部と、前記リム部に連設されるサイドプレートから成っていて、前記フロント連結部、リム部及びサイドプレートの表面にX線遮蔽層が配設されていることを特徴とする医療用保護眼鏡。
  2. 前記X線遮蔽用フィルタは、X線遮蔽効果を有する材料を含有するもの、あるいは、X線遮蔽効果を有する材料の被膜を表面に備えるものである、請求項1に記載の医療用保護眼鏡。
  3. 前記X線遮蔽用フィルタは表面に鉛被膜を備え、更にその鉛被膜の表面に樹脂材料から成る被覆層を備える、請求項1又は2に記載の医療用保護眼鏡。
  4. 前記X線遮蔽用フィルタは、JIS T61331−1に準拠して測定した透過X線量率(mGy/min)が、X線遮蔽用フィルタを介さずに測定した透過X線量率の半分以下のX線遮蔽能を有する、請求項1乃至3のいずれかに記載の医療用保護眼鏡。
  5. 前記X線遮蔽用フィルタは、可視光線の光透過性が85%以上である、請求項1乃至4のいずれかに記載の医療用保護眼鏡。
  6. 前記X線遮蔽層は、前記フロント連結部、リム部及びサイドプレートの表面にプライマー層を形成し、このプライマー層上に、X線遮蔽効果を有する材料の粉末を含有した樹脂組成物を塗布し、加熱することにより形成されている、請求項1乃至5のいずれかに記載の医療用保護眼鏡。
  7. 前記X線遮蔽効果を有する材料の粉末の粒子径は10μm〜150μmの範囲である、請求項6に記載の医療用保護眼鏡。
  8. 前記X線遮蔽層は鉛粉末を含み、そのX線遮蔽層の表面に樹脂材料から成る被覆層が設けられる、請求項1乃至7のいずれかに記載の医療用保護眼鏡。
  9. 前記眼鏡部は前記眼鏡フレームに着脱可能であり、且つ、跳ね上げ可能である、請求項1乃至8のいずれかに記載の医療用保護眼鏡。
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