JP2022043465A - ショーケースの冷却異常検知システム - Google Patents
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Abstract
Description
このようなショーケースにおいて、冷却状態の低下を招く場合がある。
冷却状態の低下を判定する技術として、従来、例えば、冷凍装置の蒸発器の出入り口の温度差を冷媒漏れ判定パラメータとし、冷媒漏れ判定パラメータ初回学習値処理ステップと、外気温度の変化、前回更新時からの期間経過により冷媒漏れ判定パラメータの基準値を更新する冷媒漏れ判定パラメータ学習値更新処理ステップと、電磁弁動作検出手段の検出値から算出した開度比率の平均値を電磁弁開度とする電磁弁開度逐次平均化処理ステップと、冷媒漏れ判定パラメータと冷媒漏れ判定パラメータの基準値とに基づいて冷凍装置の冷媒漏れを判定する際に、電磁弁開度による情報も併用して冷凍装置の冷媒漏れを判定する技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
一般に、店舗内に設置されるオープンショーケースは、前面開口により陳列室の前面開口にエアカーテンが形成されるが、人の往来や店舗内の空調機器による送風により影響を受けることがある。
そのため、従来の技術では、冷却状態が低下して冷却異常が生じた場合に、この冷却異常の原因が、冷媒漏れなどの内部要因によるものか、エアカーテンが影響を受ける外部要因によるものかを判断することは困難であり、要因による対応も異なる。
また、従来の技術では、冷却異常が生じた場合、ショーケースに陳列された商品に与える影響を検出することができないという課題があった。
発明者らが本開示に想到するに至った当時、 冷却状態の低下を判定する技術として、従来、冷凍装置の蒸発器の出入り口の温度差を冷媒漏れ判定パラメータとし、冷凍装置の冷媒漏れを判定する際に、電磁弁開度による情報も併用して冷凍装置の冷媒漏れを判定する技術があった。
しかしながら、このような技術では、冷却状態が低下して冷却異常が生じた場合に、この冷却異常の原因が、冷媒漏れなどの内部要因によるものか、エアカーテンが影響を受ける外部要因によるものかを判断することは困難である。
そこで、本開示は、冷却異常が生じた場合に、冷却異常が外部要因であるか内部要因であるかを判断することができ、冷却異常に対して適正に対応することできるショーケースの冷却異常検知システムを提供する。
なお、添付図面および以下の説明は、当業者が本開示を十分に理解するために提供されるのであって、これらにより特許請求の範囲に記載の主題を限定することを意図していない。
以下、本発明の実施の形態1について、図面を参照して説明する。
図1は本発明に係るショーケースの第1実施形態を示す側面断面図である。
第1実施形態のショーケース1は、コンビニエンスストアやスーパーマーケットなどの店舗内に据え付けられる前面開口を備えたオープンショーケースである。
図1に示すように、ショーケース1は、前面が開口し上面、背面および下面を覆う断面形状略コ字状の断熱壁10と、断熱壁10の両側に取り付けられる断熱性の側板(図示せず)とから構成されている。断熱壁10の内側には、断熱壁10に対して所定の間隙を有するように内側パネル11が設けられている。
内側パネル11、上板14および底板13と断熱壁10との間の空間には、略コ字状の仕切り板16が設けられている。内側パネル11、上板14および底板13と仕切り板16との間は、冷気ダクト17とされ、仕切り板16と断熱壁10との間は、空気ダクト18とされている。
また、内側パネル11の下部前端には、冷気ダクト17に連通する冷気吸込口24が設けられている。内側パネル11の下部前端の冷気吸込口24より前側には、空気ダクト18に連通する空気吸込口25が設けられている。
内側パネル11の底板13の下方には、冷気ダクト17と空気ダクト18を連通する送風ファン26が設けられている。また、空気ダクト18の内部には、エアカーテン用ファン27が設けられている。
図2は操作パネルを示す概略図である。
図2に示すように、キャノピー30の前側には、ショーケース1の運転切換操作、設定操作、温度設定操作などを行う複数の操作ボタン32と、陳列室15の内部温度を表示するための温度表示部33とを備えた操作パネル34が設置されている。
一方、エアカーテン用ファン27を駆動することにより、空気吸込口25から吸い込まれた空気が空気ダクト18を介して空気吹出口23から前面開口12に向けて吐出される。前面開口12に吐出された空気は、空気吸込口25から空気ダクト18の内部に吸い込まれ、これにより、前面開口12には、空気によるエアカーテンが形成される。
図3に示すように、本実施の形態においては、ショーケース1の各部を制御するための制御部50を備えており、制御部50は、例えば、CPUなどの演算処理回路、記憶手段としてのROM、RAMなどを備え、所定のプログラムを実行することにより、所定の制御を行うものである。
制御部50は、これら蒸発器入口温度センサ51、蒸発器出口温度センサ52および庫内温度センサ53の検出値あるいは検出値に基づく過熱度に基づいて、圧縮機40の駆動制御、送風ファン26の駆動制御、エアカーテン用ファン27の駆動制御、電子膨張弁41の開度制御を行うように構成されている。
さらに、制御部50は、冷却状態が低下していると判断した場合に、冷却状態の低下が外部要因によるものか、内部要因によるものか否かを判断するように構成されている。
この場合に、制御部50は、庫内温度センサ53の検出値に基づいて、庫内温度が所定の設定温度に冷却されるまでの時間を計測し、例えば、試運転時や正常運転時にあらかじめ計測した正常時の冷却時間と比較する。そして、制御部50は、所定の設定温度までの冷却時間があらかじめ計測した冷却時間より長くかかった場合に、冷却に異常が生じていると判断する。
そのため、制御部50は、安定運転時に、電子膨張弁41の開度を検出して、冷却異常時の電子膨張弁41の弁開度と比較し、冷却異常時の電子膨張弁41の開度が設定温度を維持するために必要な弁開度であると判断した場合は、ショーケース1の内部機器に問題はなく、外部要因による冷却異常であると判断する。
一方、制御部50は、設定温度に対する弁開度が設定温度を維持するために必要な弁開度より開いていると判断した場合は、冷媒漏れなどショーケース1の内部機器に問題があり、内部要因による冷却異常であると判断する。
これにより、冷却異常が外部要因であるか内部要因であるかを判断することが可能となる。
制御部50は、冷却異常の報知とともに、冷却異常が外部要因が原因であると判断した場合は、外部環境をより遮断するため、エアカーテン用ファン27の駆動制御を行い、エアカーテンの風量を増大させるように制御する。
一方、制御部50は、冷却異常が内部要因が原因であると判断した場合は、電子膨張弁41を開くように制御し、冷媒の流量を増大させるように制御する。
これらのエアカーテンの風量を増大させる制御および電子膨張弁41を開く制御をバックアップ制御という。
すなわち、本実施の形態においては、制御部50は、吹出空気温度センサ54、吸込空気温度センサ55、庫内温度センサ53、蒸発器入口温度センサ51、蒸発器出口温度センサ52による検出温度に基づいて、所定の演算式を用いて庫内の商品の推定温度を求める。
この場合に、演算式ではなく、各温度センサの検出温度に対する商品の推定温度をあらかじめ定めたテーブルを用いるようにしてもよい。
これにより、制御部50は、冷却異常であると判断した場合に、この冷却異常により商品の温度の高温警報を報知することができる。
次に、本実施の形態の動作について、図4に示すフローチャートを参照して説明する。
図4に示すように、本実施の形態においては、制御部50は、蒸発器入口温度センサ51、蒸発器出口温度センサ52、庫内温度センサ53、吹出空気温度センサ54および吸込空気温度センサ55の検出値に基づいて、圧縮機40の駆動制御、送風ファン26の駆動制御、エアカーテン用ファン27の駆動制御、電子膨張弁41の開度制御を行い、陳列室15の庫内温度を設定温度に保持するように冷却運転を行う。
冷房運転を行う際に、制御部は、冷媒漏洩判定処理を実行するとともに(ST1)、品温異常判定処理を実行する(ST2)。これら冷媒漏洩判定処理および品温異常判定処理の詳細については、後述する。
制御部50は、内部要因による冷却異常である旨を報知する(ST5)。
制御部50は、冷却異常が内部要因が原因であると判断した場合は、電子膨張弁41を開くように制御し、冷媒の流量を増大させるバックアップ制御を行う(ST6)。
制御部は、品温異常があると判断した場合には(ST7:YES)、外部要因による冷却異常であると判断する(ST8)。
制御部50は、外部要因による冷却異常である旨を報知する(ST9)。
制御部50は、冷却異常が外部要因が原因であると判断した場合は、外部環境をより遮断するため、エアカーテン用ファン27の駆動制御を行い、エアカーテンの風量を増大させるバックアップ制御を行う(ST10)。
制御部は、品温異常がないと判断した場合は(ST7:NO)、異常なしと判断する(ST11)。
冷媒漏洩判定処理を開始した場合、制御部50は、直近n回分の除霜運転を確認して、ループ処理を開始する(ST21)。
制御部50は、除霜運転開始直前の膨張弁開度Vを記憶する(ST22)。
そして、制御部50は、除霜運転が終了した場合には、庫内温度センサ53の検出値に基づいて、除霜運転の終了時から、庫内温度が所定の設定温度までの冷却時間Tを記憶する(ST23)。
冷却時間Tが、あらかじめ計測した正常時の冷却時間閾値Ttより長いと判断した場合は(ST25:YES)、膨張弁開度Vが大きく開いているにもかかわらず、所定の設定温度までの冷却時間が長くなっているため、制御部50は、冷媒漏洩が発生していると判断して、冷媒漏洩の判定回数iをカウントし記憶部に記憶させる(ST26)。
制御部50は、判定回数iが所定の判定回数を超えるまで、前述のループ処理を繰り返して行う(ST27)。
また、制御部50は、判定回数iが所定回数より少ないと判断した場合は(ST28:NO)、異常なしと判断する(ST30)。
制御部50は、品温異常判定処理を行う場合は、制御部50は、直近n時間分の運転データをサンプリング単位で確認して、ループ処理を開始する(ST41)。
制御部50は、吹出空気温度センサ54、吸込空気温度センサ55、庫内温度センサ53、蒸発器入口温度センサ51、蒸発器出口温度センサ52による検出値を取得し(ST42)、この取得した検出温度に基づいて、所定の演算式を用いて庫内の商品温度Tを推定する(ST43)。
制御部50は、推定した商品温度Tが低温閾値LTtより低いか否かを判断し(ST44)、商品温度Tが低温閾値LTtより低いと判断した場合は(ST44:YES)、制御部50は、品温異常回数iをリセットする(ST45)。
制御部50は、判定回数iが所定の判定回数を超えるまで、前述のループ処理を繰り返して行う(ST48)。
一方、判定回数iが所定の判定回数より少ないと判断した場合には(ST49:NO)、異常なしと判断する(ST51)。
以上述べたように、本実施形態においては、ショーケース1を冷却するための圧縮機40、凝縮器、電子膨張弁41、蒸発器42からなる冷凍システムと、少なくとも蒸発器入口温度センサ51および蒸発器出口温度センサ52と、蒸発器入口温度センサ51および蒸発器出口温度センサ52による検出温度を基づいて圧縮機40、電子膨張弁41を制御する制御部50とを備え、制御部50は、ショーケース1の除霜運転からの復帰動作時および除霜運転の前の安定運転時に、それぞれ冷却状態が正常であるか否かを判断し、冷却状態が異常であると判断した場合に、除霜運転時における冷却状態および安定運転時における冷却状態とに基づいて、冷却状態の異常が、外部要因であるか内部要因であるかを判断する。
これによれば、冷却状態の異常が、外部要因であるか、内部要因であるかを判断することができ、外部要因または内部要因に応じた制御に対応することができる。
これによれば、冷凍システムを内蔵した内蔵型のショーケース1において、冷却状態の異常が、外部要因であるか、内部要因であるかを判断することができ、外部要因または内部要因に応じた制御に対応することができる。
これによれば、冷却異常が生じた場合に、バックアップ制御を行うことにより、外部要因または内部要因による冷却異常にそれぞれ対応した冷却の改善を行うことができる。
これによれば、冷却異常により商品に与える影響を判断することができ、商品が冷却不足により不都合が生じる事態を回避することができる。
これによれば、冷却異常を外部に報知することができる。
次に、本発明の実施の形態2について説明する。
図7は本発明の実施の形態2を示す概略構成図である。
[2-1.構成]
図7に示すように、本実施の形態においては、冷凍システムの内、圧縮機40、凝縮器を備えた室外ユニット2を設け、この室外ユニット2に、複数のショーケース1を冷媒配管を用いて接続するようにしたシステムとなっている。ショーケース1には、電子膨張弁41および蒸発器42がそれぞれ内蔵されている。すなわち、本実施の形態においては、冷凍システムがショーケース1に内蔵されておらず、室外ユニット2およびショーケース1に設けるようにしたものである。
また、本実施の形態においては、1台の室外ユニット2に対して複数のショーケース1が冷媒配管3を介して接続されている。
図8に示すように、本実施の形態においては、制御部は、室外ユニット2の各部を制御するユニット制御部56と、各ショーケース1の各部を制御するショーケース制御部57と、ユニット制御部56およびショーケース制御部57を統括して制御するコントローラ制御部58とから構成されている。
本実施の形態においては、ショーケース制御部57は、蒸発器入口温度センサ51、蒸発器出口温度センサ52および庫内温度センサ53の検出値を入力して、コントローラ制御部58に送る。
コントローラ制御部58は、ショーケース制御部57からの検出値あるいは検出値に基づく過熱度に基づいて、ユニット制御部56およびショーケース制御部57に制御信号を送り、ユニット制御部56は、圧縮機40の駆動制御を行うとともに、ショーケース制御部57は、送風ファン26の駆動制御、エアカーテン用ファン27の駆動制御、電子膨張弁41の開度制御を行う。
さらに、コントローラ制御部58は、冷却状態が低下していると判断した場合に、冷却状態の低下が外部要因によるものか、内部要因によるものか否かを判断する。
これら冷却異常の判断および外部要因または内部要因であるかの判断については、前記実施の形態1と同様である。
この報知は、コントローラ制御部58に無線または有線で通信可能とされた外部管理システム60に表示させるようにしてもよい。
一方、ショーケース制御部57は、冷却異常が内部要因が原因であると判断した場合は、ショーケース制御部57に通知し、ショーケース制御部57は、電子膨張弁41を開くように制御し、冷媒の流量を増大させるように制御する。
以上述べたように、実施の形態2においては、冷凍システムは、室外ユニット2とショーケース1とを冷媒配管で接続することにより構成され、制御部は、室外ユニット2を制御するユニット制御部56と、ショーケース1を制御するショーケース制御部57と、ユニット制御部56およびショーケース制御部57を統括して制御するコントローラ制御部58とから構成されている。
これによれば、コントローラ制御部58により、冷却状態の異常が、外部要因であるか、内部要因であるかを判断することができ、外部要因または内部要因に応じた制御に対応することができる。
2 室外ユニット
3 冷媒配管
15 陳列室
17 冷気ダクト
18 空気ダクト
22 冷気吹出口
23 空気吹出口
24 冷気吸込口
25 空気吸込口
26 送風ファン
27 エアカーテン用ファン
33 温度表示部
34 操作パネル
40 圧縮機
41 電子膨張弁
42 蒸発器
50 制御部
51 蒸発器入口温度センサ
52 蒸発器出口温度センサ
53 庫内温度センサ
54 吹出空気温度センサ
55 吸込空気温度センサ
56 ユニット制御部
57 ショーケース制御部
58 コントローラ制御部
59 表示部
60 外部管理システム
Claims (6)
- 商品を陳列する陳列室を備えたショーケースと、
前記ショーケースを冷却するための圧縮機、凝縮器、電子膨張弁、蒸発器からなる冷凍システムと、
少なくとも前記蒸発器の冷媒の入口温度センサおよび出口温度センサと、
前記入口温度センサおよび前記出口温度センサによる検出温度に基づいて前記圧縮機、前記電子膨張弁を制御する制御部とを備え、
前記制御部は、前記ショーケースの除霜運転からの復帰動作時および除霜運転の前の安定運転時に、それぞれ冷却状態が正常であるか否かを判断し、冷却状態が異常であると判断した場合に、前記除霜運転時における冷却状態および前記安定運転時における冷却状態とに基づいて、前記冷却状態の異常が、外部要因であるか内部要因であるかを判断することを特徴とするショーケースの冷却異常検知システム。 - 前記ショーケースは、前記冷凍システムを内蔵し、エアカーテンにより外気を遮断するオープンショーケースであることを特徴とする請求項1に記載のショーケースの冷却異常検知システム。
- 前記制御部は、冷却状態が外部要因により異常と判断した場合に、前記エアカーテンの風量を増大させるように制御し、冷却状態が内部要因により異常と判断した場合に、前記電子膨張弁を開くように制御するバックアップ制御を行うことを特徴とする請求項2に記載のショーケースの冷却異常検知システム。
- 前記ショーケースに吹出空気温度センサ、吸込空気温度センサ、庫内温度センサを設け、
前記制御部は、前記冷媒の入口温度センサ、前記出口温度センサ、前記吹出空気温度センサ、前記吸込空気温度センサおよび前記庫内温度センサによる検出温度に基づいて、前記商品の温度を推測し、
前記制御部は、冷却状態が異常と判断した場合に、前記商品に対する温度の影響度を判断することを特徴とする請求項2または請求項3に記載のショーケースの冷却異常検知システム。 - 前記冷凍システムは、室外ユニットと前記ショーケースとを冷媒配管で接続することにより構成され、
前記制御部は、前記室外ユニットを制御するユニット制御部と、前記ショーケースを制御するショーケース制御部と、前記ユニット制御部および前記ショーケース制御部を統括して制御するコントローラ制御部とから構成されていることを特徴とする請求項1に記載のショーケースの冷却異常検知システム。 - 前記制御部は、冷却状態が異常であると判断した場合に、その旨を報知することを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のショーケースの冷却異常検知システム。
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