JP2022042359A - ヘッドチップ、液体噴射ヘッドおよび液体噴射記録装置 - Google Patents

ヘッドチップ、液体噴射ヘッドおよび液体噴射記録装置 Download PDF

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Abstract

【課題】ヘッドチップの製造コストを抑えつつ、消費電力の低減および印刷画質の向上を図ることが可能なヘッドチップ等を提供する。【解決手段】本開示の一実施の形態に係るヘッドチップは、複数の吐出溝および複数の電極を有するアクチュエータプレートと、複数のノズル孔を有するノズルプレートと、壁部と第1貫通孔と第2貫通孔とを有するカバープレートと、を備えている。複数のノズル孔は、第1貫通孔側にずれて配置された複数の第1ノズル孔と、第2貫通孔側にずれて配置された複数の第2ノズル孔とを含んでいる。第1ノズル孔と連通する第1吐出溝では、第1貫通孔と連通する部分の第1断面積が、第2貫通孔と連通する部分の第2断面積よりも小さくなっている。電極における吐出溝の延在方向に沿った両端の位置がそれぞれ、所定方向に沿った複数の電極において、互いに揃っている。【選択図】図7

Description

本開示は、ヘッドチップ、液体噴射ヘッドおよび液体噴射記録装置に関する。
液体噴射ヘッドを備えた液体噴射記録装置が様々な分野に利用されており、液体噴射ヘッドとしては、各種方式のものが開発されている(例えば、特許文献1参照)。また、このような液体噴射ヘッドには、インク(液体)を噴射するヘッドチップが設けられている。
特開2015-178209号公報
このようなヘッドチップ等では一般に、製造コストを抑えることや、消費電力を低減させること、印刷画質を向上させることが、求められている。ヘッドチップの製造コストを抑えつつ、消費電力の低減および印刷画質の向上を図ることが可能な、ヘッドチップ、液体噴射ヘッドおよび液体噴射記録装置を提供することが望ましい。
本開示の一実施の形態に係るヘッドチップは、所定方向に沿って並んで配置された複数の吐出溝と、これら複数の吐出溝の側壁に個別に設けられていると共に、吐出溝の延在方向に沿って延在する複数の電極と、を有するアクチュエータプレートと、吐出溝を覆う壁部と、吐出溝の延在方向に沿って壁部の一方側に形成されていると共に、吐出溝内に液体を流入させるための第1貫通孔と、吐出溝の延在方向に沿って壁部の他方側に形成されていると共に、吐出溝内から液体を流出させるための第2貫通孔と、を有するカバープレートと、を備えたものである。上記複数のノズル孔は、吐出溝の延在方向に沿った中心位置を基準として、吐出溝の延在方向に沿った第1貫通孔側にずれて配置された複数の第1ノズル孔と、吐出溝の延在方向に沿った中心位置を基準として、吐出溝の延在方向に沿った第2貫通孔側にずれて配置された複数の第2ノズル孔と、を含んでいる。上記第1ノズル孔と連通する吐出溝である第1吐出溝においては、第1貫通孔と連通する部分における液体の流路の断面積である第1断面積が、第2貫通孔と連通する部分における液体の流路の断面積である第2断面積よりも、小さくなっていると共に、上記第2ノズル孔と連通する吐出溝である第2吐出溝においては、上記第2断面積が上記第1断面積よりも、小さくなっている。また、上記電極における吐出溝の延在方向に沿った両端の位置がそれぞれ、上記所定方向に沿った複数の電極において、互いに揃っている。
本開示の一実施の形態に係る液体噴射ヘッドは、本開示の一実施の形態に係るヘッドチップを備えたものである。
本開示の一実施の形態に係る液体噴射記録装置は、上記本開示の一実施の形態に係る液体噴射ヘッドを備えたものである。
本開示の一実施の形態に係るヘッドチップ、液体噴射ヘッドおよび液体噴射記録装置によれば、ヘッドチップの製造コストを抑えつつ、消費電力の低減および印刷画質の向上を図ることが可能となる。
本開示の一実施の形態に係る液体噴射記録装置の概略構成例を表す模式斜視図である。 ノズルプレートを取り外した状態における液体噴射ヘッドの構成例を表す模式底面図である。 図2に示したIII-III線に沿った断面構成例を表す模式図である。 図2に示したIV-IV線に沿った断面構成例を表す模式図である。 図3,図4に示したカバープレートの上面側における液体噴射ヘッドの平面構成例を表す模式図である。 図3,図4に示したアクチュエータプレートの端部付近の平面構成例を表す模式図である。 図3,図4に示した断面構成例における吐出チャネル付近の詳細構成例を表す模式図である。 図7に示した共通電極の形成方法の一例を表す模式図である。 比較例1に係る液体噴射ヘッドにおいてノズルプレートを取り外した状態の構成例を表す模式底面図である。 図9に示したX-X線に沿った断面構成例を表す模式図である。 比較例2に係る液体噴射ヘッドにおける吐出チャネル付近の断面構成例を表す模式図である。 比較例3に係る液体噴射ヘッドにおけるカバープレートの上面側の平面構成例を表す模式図である。 比較例3に係る液体噴射ヘッドにおける吐出チャネル付近の断面構成例を表す模式図である。 変形例1に係る液体噴射ヘッドにおける断面構成例を表す模式図である。 変形例1に係る液体噴射ヘッドにおける他の断面構成例を表す模式図である。 図14,図15に示したヘッドチップにおける他の断面構成例を表す模式図である。 変形例1等に係るノズル孔および拡張流路部の位置関係の一例を表す模式断面図である。 変形例1等に係るノズル孔および拡張流路部の位置関係の他の例を表す模式断面図である。 変形例2等に係るノズル孔および拡張流路部の位置関係の一例を表す模式断面図である。 変形例2等に係るノズル孔および拡張流路部の位置関係の他の例を表す模式断面図である。
以下、本開示の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、説明は以下の順序で行う。
1.実施の形態(ノズル孔:千鳥配置,吐出溝・共通電極:一列配置である場合の例)
2.変形例
変形例1(拡張流路部を有する位置合わせプレートを更に設けた場合の例)
変形例2(拡張流路部の中心位置が、ノズル孔の中心位置と一致する場合の例)
3.その他の変形例
<1.実施の形態>
[A.プリンタ1の全体構成]
図1は、本開示の一実施の形態に係る液体噴射記録装置としてのプリンタ1の概略構成例を、模式的に斜視図にて表したものである。プリンタ1は、後述するインク9を利用して、被記録媒体としての記録紙Pに対して、画像や文字等の記録(印刷)を行うインクジェットプリンタである。なお、この被記録媒体としては、紙には限定されず、例えばセラミックやガラス等の、被記録可能な材質を含むものである。
プリンタ1は、図1に示したように、一対の搬送機構2a,2bと、インクタンク3と、インクジェットヘッド4と、循環流路50と、走査機構6とを備えている。これらの各部材は、所定形状を有する筺体10内に収容されている。なお、本明細書の説明に用いられる各図面では、各部材を認識可能な大きさとするため、各部材の縮尺を適宜変更している。
ここで、プリンタ1は、本開示における「液体噴射記録装置」の一具体例に対応し、インクジェットヘッド4(後述するインクジェットヘッド4Y,4M,4C,4K)は、本開示における「液体噴射ヘッド」の一具体例に対応している。また、インク9は、本開示における「液体」の一具体例に対応している。
搬送機構2a,2bはそれぞれ、図1に示したように、記録紙Pを搬送方向d(X軸方向)に沿って搬送する機構である。これらの搬送機構2a,2bはそれぞれ、グリッドローラ21、ピンチローラ22および駆動機構(不図示)を有している。この駆動機構は、グリッドローラ21を軸周りに回転させる(Z-X面内で回転させる)機構であり、例えばモータ等によって構成されている。
(インクタンク3)
インクタンク3は、インク9を内部に収容するタンクである。このインクタンク3としては、この例では図1に示したように、イエロー(Y),マゼンダ(M),シアン(C),ブラック(K)の4色のインク9を個別に収容する、4種類のタンクが設けられている。すなわち、イエローのインク9を収容するインクタンク3Yと、マゼンダのインク9を収容するインクタンク3Mと、シアンのインク9を収容するインクタンク3Cと、ブラックのインク9を収容するインクタンク3Kとが設けられている。これらのインクタンク3Y,3M,3C,3Kは、筺体10内において、X軸方向に沿って並んで配置されている。
なお、インクタンク3Y,3M,3C,3Kはそれぞれ、収容するインク9の色以外については同一の構成であるため、以下ではインクタンク3と総称して説明する。
(インクジェットヘッド4)
インクジェットヘッド4は、後述する複数のノズル(ノズル孔H1,H2)から記録紙Pに対して液滴状のインク9を噴射(吐出)して、画像や文字等の記録(印刷)を行うヘッドである。このインクジェットヘッド4としても、この例では図1に示したように、上記したインクタンク3Y,3M,3C,3Kにそれぞれ収容されている4色のインク9を個別に噴射する、4種類のヘッドが設けられている。すなわち、イエローのインク9を噴射するインクジェットヘッド4Yと、マゼンダのインク9を噴射するインクジェットヘッド4Mと、シアンのインク9を噴射するインクジェットヘッド4Cと、ブラックのインク9を噴射するインクジェットヘッド4Kとが設けられている。これらのインクジェットヘッド4Y,4M,4C,4Kは、筺体10内において、Y軸方向に沿って並んで配置されている。
なお、インクジェットヘッド4Y,4M,4C,4Kはそれぞれ、利用するインク9の色以外については同一の構成であるため、以下ではインクジェットヘッド4と総称して説明する。また、このインクジェットヘッド4の詳細構成例については、後述する(図2~図6)。
(循環流路50)
循環流路50は、図1に示したように、流路50a,50bを有している。流路50aは、インクタンク3から送液ポンプ(不図示)を介して、インクジェットヘッド4へと至る部分の流路である。流路50bは、インクジェットヘッド4から送液ポンプ(不図示)を介して、インクタンク3へと至る部分の流路である。言い換えると、流路50aは、インクタンク3からインクジェットヘッド4へと向かって、インク9が流れる流路である。また、流路50bは、インクジェットヘッド4からインクタンク3へと向かって、インク9が流れる流路である。
このようにして本実施の形態では、インクタンク3内とインクジェットヘッド4内との間で、インク9が循環するようになっている。なお、これらの流路50a,50b(インク9の供給チューブ)はそれぞれ、例えば、可撓性を有するフレキシブルホースにより構成されている。
(走査機構6)
走査機構6は、記録紙Pの幅方向(Y軸方向)に沿って、インクジェットヘッド4を走査させる機構である。この走査機構6は、図1に示したように、Y軸方向に沿って延設された一対のガイドレール61a,61bと、これらのガイドレール61a,61bに移動可能に支持されたキャリッジ62と、このキャリッジ62をY軸方向に沿って移動させる駆動機構63と、を有している。
駆動機構63は、ガイドレール61a,61bの間に配置された一対のプーリ631a,631bと、これらのプーリ631a,631b間に巻回された無端ベルト632と、プーリ631aを回転駆動させる駆動モータ633と、を有している。また、キャリッジ62上には、前述した4種類のインクジェットヘッド4Y,4M,4C,4Kが、Y軸方向に沿って並んで配置されている。
このような走査機構6と前述した搬送機構2a,2bとにより、インクジェットヘッド4と記録紙Pとを相対的に移動させる、移動機構が構成されるようになっている。なお、このような方式の移動機構には限られず、例えば、インクジェットヘッド4を固定しつつ被記録媒体(記録紙P)のみを移動させることで、インクジェットヘッド4と被記録媒体とを相違的に移動させる方式(いわゆる「シングルパス方式」)であってもよい。
[B.インクジェットヘッド4の詳細構成]
続いて、図1に加えて図2~図6を参照して、インクジェットヘッド4(ヘッドチップ41)の詳細構成例について説明する。
図2は、ノズルプレート411(後出)を取り外した状態におけるインクジェットヘッド4の構成例を、模式的に底面図(X-Y底面図)で表したものである。図3は、図2に示したIII-III線に沿ったインクジェットヘッド4の断面構成例(Y-Z断面構成例)を、模式的に表したものである。同様に、図4は、図2に示したIV-IV線に沿ったインクジェットヘッド4の断面構成例(Y-Z断面構成例)を、模式的に表したものである。また、図5は、図3,図4に示したカバープレート413(後出)の上面側におけるインクジェットヘッド4の平面構成例(X-Y平面構成例)を、模式的に表したものである。図6は、図3,図4に示したアクチュエータプレート412(後出)におけるY軸方向に沿った端部付近の平面構成例(X-Y平面構成例)を、模式的に表したものである。
なお、図3~図6においては、後述する吐出チャネルC1e,C2eおよび後述するノズル孔H1,H2のうち、後述するノズル列An1に対応して配置された、吐出チャネルC1eおよびノズル孔H1について、便宜上、代表して図示している。つまり、後述するノズル列An2に対応して配置された、吐出チャネルC2eおよびノズル孔H2についても、同様の構成となっているため、図示を省略する。
本実施の形態のインクジェットヘッド4は、後述するヘッドチップ41における複数のチャネル(複数のチャネルC1および複数のチャネルC2)の延在方向(Y軸方向)の中央部からインク9を吐出する、いわゆるサイドシュートタイプのインクジェットヘッドである。また、このインクジェットヘッド4は、前述した循環流路50を用いることで、インクタンク3との間でインク9を循環させて利用する、循環式のインクジェットヘッドである。
図3,図4に示したように、インクジェットヘッド4は、ヘッドチップ41を備えている。また、このインクジェットヘッド4には、図示しない制御機構(ヘッドチップ41の動作を制御する機構)として、回路基板およびフレキシブルプリント基板(Flexible Printed Circuits:FPC)が設けられている。
回路基板は、ヘッドチップ41を駆動するための駆動回路(電気回路)を搭載する基板である。フレキシブルプリント基板は、この回路基板上の駆動回路と、ヘッドチップ41における後述する駆動電極Edとの間を、電気的に接続するための基板である。なお、このようなフレキシブルプリント基板には、複数の引き出し電極がプリント配線されるようになっている。
ヘッドチップ41は、図3,図4に示したように、インク9をZ軸方向に沿って噴射する部材であり、各種のプレートを用いて構成されている。具体的には図3,図4に示したように、ヘッドチップ41は、ノズルプレート(噴射孔プレート)411、アクチュエータプレート412およびカバープレート413を、主に備えている。これらのノズルプレート411、アクチュエータプレート412およびカバープレート413はそれぞれ、例えば接着剤等を用いて互いに貼り合わされており、Z軸方向に沿ってこの順に積層されている。なお、以下では、Z軸方向に沿ってカバープレート413側を上方と称すると共に、ノズルプレート411側を下方と称して説明する。
(ノズルプレート411)
ノズルプレート411は、例えば50μm程度の厚みを有する、ポリイミド等のフィルム材からなり、図3,図4に示したように、アクチュエータプレート412の下面に接着されている。ただし、ノズルプレート411の構成材料は、ポリイミド等の樹脂材料には限られず、例えば金属材料であってもよい。
また、図2に示したように、このノズルプレート411には、X軸方向に沿ってそれぞれ延在する、2列のノズル列(ノズル列An1,An2)が設けられている。これらのノズル列An1,An2同士は、Y軸方向に沿って所定の間隔をおいて配置されている。このように、本実施の形態のインクジェットヘッド4(ヘッドチップ41)は、2列タイプのインクジェットヘッド(ヘッドチップ)となっている。
ノズル列An1は、詳細は後述するが、X軸方向に沿って所定の間隔をおいて並んで形成された、複数のノズル孔H1を有している。これらのノズル孔H1はそれぞれ、ノズルプレート411をその厚み方向(Z軸方向)に沿って貫通しており、例えば図3,図4に示したように、後述するアクチュエータプレート412における吐出チャネルC1e内に個別に連通している。また、ノズル孔H1におけるX軸方向に沿った形成ピッチは、吐出チャネルC1eにおけるX軸方向に沿った形成ピッチと同一(同一ピッチ)となっている。このようなノズル列An1内のノズル孔H1からは、詳細は後述するが、吐出チャネルC1e内から供給されるインク9が吐出(噴射)されるようになっている。
ノズル列An2も同様に、詳細は後述するが、X軸方向に沿って所定の間隔をおいて並んで形成された、複数のノズル孔H2を有している。これらのノズル孔H2もそれぞれ、ノズルプレート411をその厚み方向に沿って貫通しており、後述するアクチュエータプレート412における吐出チャネルC2e内に個別に連通している。また、ノズル孔H2におけるX軸方向に沿った形成ピッチは、吐出チャネルC2eにおけるX軸方向に沿った形成ピッチと同一となっている。このようなノズル列An2内のノズル孔H2からも、詳細は後述するが、吐出チャネルC2e内から供給されるインク9が吐出されるようになっている。
また、図2に示したように、ノズル列An1における各ノズル孔H1と、ノズル列An2における各ノズル孔H2とは、X軸方向に沿って互い違いとなるように配置されている。したがって、本実施の形態のインクジェットヘッド4では、ノズル列An1におけるノズル孔H1と、ノズル列An2におけるノズル孔H2とが、千鳥状に配置(千鳥配置)されている。なお、このようなノズル孔H1,H2はそれぞれ、下方に向かうに従って漸次縮径するテーパ状の貫通孔となっている(図3,図4参照)。
ここで、本実施の形態のノズルプレート411では、図2に示したように、ノズル列An1における複数のノズル孔H1のうち、X軸方向に沿って隣接するノズル孔H1同士が、吐出チャネルC1eの延在方向(Y軸方向)に沿って、互いにずれて配置されている。つまり、このノズル列An1における複数のノズル孔H1全体が、X軸方向に沿って千鳥配置されている。具体的には、図2に示したように、ノズル列An1における複数のノズル孔H1が、X軸方向に沿って延在するノズル列An11に属する複数のノズル孔H11と、X軸方向に沿って延在するノズル列An12に属する複数のノズル孔H12と、を含むようになっている。また、各ノズル孔H11は、吐出チャネルC1eの延在方向(Y軸方向)に沿った中心位置を基準として、Y軸方向の正側(後述する第1供給スリットSin1側)に、ずれて配置されている。一方、各ノズル孔H12は、吐出チャネルC1eの延在方向に沿った中心位置を基準として、Y軸方向の負側(後述する第1排出スリットSout1側)に、ずれて配置されている。
同様にして、このノズルプレート411では、図2に示したように、ノズル列An2における複数のノズル孔H2のうち、X軸方向に沿って隣接するノズル孔H2同士が、吐出チャネルC2eの延在方向(Y軸方向)に沿って、互いにずれて配置されている。つまり、このノズル列An2における複数のノズル孔H2全体が、X軸方向に沿って千鳥配置されている。具体的には、図2に示したように、ノズル列An2における複数のノズル孔H2が、X軸方向に沿って延在するノズル列An21に属する複数のノズル孔H21と、X軸方向に沿って延在するノズル列An22に属する複数のノズル孔H22と、を含むようになっている。また、各ノズル孔H21は、吐出チャネルC2eの延在方向(Y軸方向)に沿った中心位置を基準として、Y軸方向の負側(後述する第2供給スリット側)に、ずれて配置されている。一方、各ノズル孔H22は、吐出チャネルC2eの延在方向に沿った中心位置を基準として、Y軸方向の正側(後述する第2排出スリット側)に、ずれて配置されている。
なお、このようなノズル孔H1(H11,H12),H2(H21,H22)の配置構成の詳細については、後述する。
(アクチュエータプレート412)

アクチュエータプレート412は、例えばPZT(チタン酸ジルコン酸鉛)等の圧電材料により構成されたプレートである。このアクチュエータプレート412は、図3,図4に示したように、分極方向が互いに異なる2つの圧電基板を、厚み方向(Z軸方向)に沿って積層して構成されている(いわゆる、シェブロンタイプ)。ただし、アクチュエータプレート412の構成としては、このシェブロンタイプには限られない。すなわち、例えば、分極方向が厚み方向(Z軸方向)に沿って一方向に設定されている1つ(単一)の圧電基板によって、アクチュエータプレート412を構成するようにしてもよい(いわゆる、カンチレバータイプ)。
また、図2に示したように、アクチュエータプレート412には、X軸方向に沿ってそれぞれ延在する、2列のチャネル列(チャネル列421,422)が設けられている。これらのチャネル列421,422同士は、Y軸方向に沿って所定の間隔をおいて配置されている。
このようなアクチュエータプレート412では、図2に示したように、X軸方向に沿った中央部(チャネル列421,422の形成領域)に、インク9の吐出領域(噴射領域)が設けられている。一方、アクチュエータプレート412において、X軸方向に沿った両端部(チャネル列421,422の非形成領域)には、インク9の非吐出領域(非噴射領域)が設けられている。この非吐出領域は、上記した吐出領域に対して、X軸方向に沿った外側に位置している。なお、アクチュエータプレート412におけるY軸方向に沿った両端部はそれぞれ、図2に示したように、尾部420を構成している。
上記したチャネル列421は、図2に示したように、複数のチャネルC1を有している。これらのチャネルC1は、図2に示したように、アクチュエータプレート412内において、Y軸方向に沿って延在している。また、これらのチャネルC1は、図2に示したように、X軸方向に沿って所定の間隔をおいて互いに平行となるよう、並んで配置されている。各チャネルC1は、圧電体(アクチュエータプレート412)からなる駆動壁Wdによってそれぞれ画成されており、Z-X断面の断面視にて、凹状の溝部となっている。
チャネル列422も同様に、図2に示したように、Y軸方向に沿って延在する複数のチャネルC2を有している。これらのチャネルC2は、図2に示したように、X軸方向に沿って所定の間隔をおいて互いに平行となるよう、並んで配置されている。各チャネルC2もまた、上記した駆動壁Wdによってそれぞれ画成されており、Z-X断面の断面視にて、凹状の溝部となっている。
ここで、図2~図6に示したように、チャネルC1には、インク9を吐出させるための吐出チャネルC1e(吐出溝)と、インク9を吐出させないダミーチャネルC1d(非吐出溝)とが存在している。各吐出チャネルC1eは、ノズルプレート411におけるノズル孔H1と連通している一方(図3,図4参照)、各ダミーチャネルC1dはノズル孔H1には連通しておらず、ノズルプレート411の上面によって下方から覆われている。
複数の吐出チャネルC1eは、それらの少なくとも一部が所定方向(X軸方向)に沿って互いに重なるようにして並設されており、特に図2の例では、複数の吐出チャネルC1e全体が、X軸方向に沿って互いに重なるようにして配置されている。これにより図2に示したように、複数の吐出チャネルC1e全体が、X軸方向に沿って1列に配置されるようになっている。同様にして、複数のダミーチャネルC1dは、X軸方向に沿って並設されており、図2の例では、複数のダミーチャネルC1d全体が、X軸方向に沿って1列に配置されている。また、このチャネル列421では、このような吐出チャネルC1eとダミーチャネルC1dとが、X軸方向に沿って交互に配置されている(図2参照)。
また、図2~図4に示したように、チャネルC2には、インク9を吐出させるための吐出チャネルC2e(吐出溝)と、インク9を吐出させないダミーチャネルC2d(非吐出溝)とが存在している。各吐出チャネルC2eは、ノズルプレート411におけるノズル孔H2と連通している一方、各ダミーチャネルC2dはノズル孔H2には連通しておらず、ノズルプレート411の上面によって下方から覆われている(図3,図4参照)。
複数の吐出チャネルC2eは、それらの少なくとも一部が所定方向(X軸方向)に沿って互いに重なるようにして並設されており、特に図2の例では、複数の吐出チャネルC2e全体が、X軸方向に沿って互いに重なるようにして配置されている。これにより図2に示したように、複数の吐出チャネルC2e全体が、X軸方向に沿って1列に配置されるようになっている。同様にして、複数のダミーチャネルC2dは、X軸方向に沿って並設されており、図2の例では、複数のダミーチャネルC2d全体が、X軸方向に沿って1列に配置されている。また、このチャネル列422では、このような吐出チャネルC2eとダミーチャネルC2dとが、X軸方向に沿って交互に配置されている(図2参照)。
なお、このような吐出チャネルC1e,C2eはそれぞれ、本開示における「吐出溝」の一具体例に対応している。また、X軸方向は、本開示における「所定方向」の一具体例に対応しており、Y軸方向は、本開示における「吐出溝の延在方向」の一具体例に対応している。
ここで、図2~図4に示したように、チャネル列421における吐出チャネルC1eと、チャネル列422におけるダミーチャネルC2dとは、これらの吐出チャネルC1eおよびダミーチャネルC2dの延在方向(Y軸方向)に沿って、一直線上に配置されている。また、図2に示したように、チャネル列421におけるダミーチャネルC1dと、チャネル列422における吐出チャネルC2eとは、これらのダミーチャネルC1dおよび吐出チャネルC2eの延在方向(Y軸方向)に沿って、一直線上に配置されている。
また、例えば図4に示したように、各吐出チャネルC1eは、カバープレート413側(上方)からノズルプレート411側(下方)へ向けて各吐出チャネルC1eの断面積が徐々に小さくなる、円弧状の側面を有している。同様に、各吐出チャネルC2eは、カバープレート413側からノズルプレート411側へ向けて各吐出チャネルC2eの断面積が徐々に小さくなる、円弧状の側面を有している。なお、このような吐出チャネルC1e,C2eにおける円弧状の側面はそれぞれ、例えば、ダイサーによる切削加工によって形成されるようになっている。
なお、図3,図4に示した吐出チャネルC1e付近(および吐出チャネルC2e付近)の詳細構成については、後述する。
また、図3,図4,図6に示したように、前述した駆動壁WdにおいてX軸方向に沿って対向する内側面にはそれぞれ、Y軸方向に沿って延在する、駆動電極Edが設けられている。この駆動電極Edには、吐出チャネルC1e,C2eに面する内側面に設けられた共通電極(コモン電極)Edcと、ダミーチャネルC1d,C2dに面する内側面に設けられた個別電極(アクティブ電極)Edaと、が存在している。なお、このような駆動電極Ed(共通電極Edcおよび個別電極Eda)は、駆動壁Wdの内側面上において、深さ方向(Z軸方向)の全体に亘って形成されている(図3,図4参照)。
同一の吐出チャネルC1e(または吐出チャネルC2e)内で対向する一対の共通電極Edc同士は、図示しない共通端子(共通配線)において互いに電気的に接続されている。また、同一のダミーチャネルC1d(またはダミーチャネルC2d)内で対向する一対の個別電極Eda同士は、互いに電気的に分離されている。一方、吐出チャネルC1e(または吐出チャネルC2e)を介して対向する一対の個別電極Eda同士は、図示しない個別端子(個別配線)において、互いに電気的に接続されている。
ここで、前述した尾部420(アクチュエータプレート412におけるY軸方向に沿った端部付近)においては、駆動電極Edと前述した回路基板との間を電気的に接続するための、前述したフレキシブルプリント基板が実装されている。このフレキシブルプリント基板に形成された配線パターン(不図示)は、上記した共通配線および個別配線に対して電気的に接続されている。これにより、フレキシブルプリント基板を介して、上記した回路基板上の駆動回路から各駆動電極Edに対して、駆動電圧が印加されるようになっている。
また、アクチュエータプレート412における尾部420では、各ダミーチャネルC1d,C2dにおいて、それらの延在方向(Y軸方向)に沿った端部が、以下のような構成となっている。
すなわち、まず、各ダミーチャネルC1d,C2dでは、それらの延在方向に沿った一方側は、ノズルプレート411側へ向けて各ダミーチャネルC1d,C2dの断面積が徐々に小さくなる、円弧状の側面になっている(図3,図4参照)。なお、このようなダミーチャネルC1d,C2dにおける円弧状の側面もそれぞれ、前述した吐出チャネルC1e,C2eにおける円弧状の側面と同様に、例えば、ダイサーによる切削加工によって形成されるようになっている。これに対して、各ダミーチャネルC1d,C2dにおいて、それらの延在方向に沿った他方側(尾部420側)は、アクチュエータプレート412におけるY軸方向に沿った端部に至るまで、開口している(図3,図4,図6中の破線で示した符号P2参照)。また、例えば図3,図4,図6に示したように、各ダミーチャネルC1d,C2d内におけるX軸方向に沿った両側面に対向配置された各個別電極Edaもまた、アクチュエータプレート412におけるY軸方向に沿った端部に至るまで、延在するようになっている。
なお、図6中に示した加工スリットSLはそれぞれ、アクチュエータプレート412の表面上の個別電極Edaおよび共通電極Edc同士を離隔するように、Y軸方向に沿って形成されたスリットであり、例えば以下のようにして形成される。すなわち、これらの加工スリットSLはそれぞれ、アクチュエータプレート412の形成の際に、例えば、所定のレーザ加工によって形成されたものとなっている。また、個別電極Edaおよび共通電極Edcはそれぞれ、これらの電極とそれぞれ電気的に接続されていると共に前述したフレキシブルプリント基板と電気的に接続されるパッド部分である、個別電極パッドPdaおよび共通電極パッドPdcを含んでいる(図6参照)。また、これらの共通電極パッドPdcおよび個別電極パッドPdaの間においてこれらのパッドを隔離する溝D(図6参照)は、上記した所定のレーザ加工後に、ダイサーによって切削加工されることで、形成されるようになっている。
(カバープレート413)
カバープレート413は、図3~図5に示したように、アクチュエータプレート412における各チャネルC1,C2(各チャネル列421,422)を閉塞するように配置されている。具体的には、このカバープレート413は、アクチュエータプレート412の上面に接着されており、板状構造となっている。
カバープレート413には、図3~図5に示したように、一対の入口側共通流路Rin1,Rin2と、一対の出口側共通流路Rout1,Rout2と、壁部W1,W2とが、それぞれ形成されている。
壁部W1は、吐出チャネルC1eおよびダミーチャネルC1dの上方を覆うように配置されており、壁部W2は、吐出チャネルC2eおよびダミーチャネルC2dの上方を覆うように配置されている(図3,図4参照)。
入口側共通流路Rin1,Rin2および出口側共通流路Rout1,Rout2はそれぞれ、例えば図5に示したように、X軸方向に沿って延在していると共に、X軸方向に沿って所定の間隔をおいて互いに平行となるよう、並んで配置されている。このうち、入口側共通流路Rin1および出口側共通流路Rout1はそれぞれ、アクチュエータプレート412におけるチャネル列421(複数のチャネルC1)に対応する領域に、形成されている(図3~図5参照)。一方、入口側共通流路Rin2および出口側共通流路Rout2はそれぞれ、アクチュエータプレート412におけるチャネル列422(複数のチャネルC2)に対応する領域に、形成されている(図3,図4参照)。
入口側共通流路Rin1は、各チャネルC1におけるY軸方向に沿った内側(壁部W1の一方側)の端部付近に形成されており、凹状の溝部となっている(図3~図5参照)。この入口側共通流路Rin1において、各吐出チャネルC1eに対応する領域には、カバープレート413をその厚み方向(Z軸方向)に沿って貫通する、第1供給スリットSin1が形成されている(図3~図5参照)。同様に、入口側共通流路Rin2は、各チャネルC2におけるY軸方向に沿った内側(壁部W2の一方側)の端部付近に形成されており、凹状の溝部となっている(図3,図4参照)。この入口側共通流路Rin2において、各吐出チャネルC2eに対応する領域にも、カバープレート413をその厚み方向に沿って貫通する、第2供給スリット(不図示)が形成されている。
なお、これらの第1供給スリットSin1および第2供給スリットはそれぞれ、本開示における「第1貫通孔」の一具体例に対応している。
出口側共通流路Rout1は、各チャネルC1におけるY軸方向に沿った外側(壁部W1の他方側)の端部付近に形成されており、凹状の溝部となっている(図3~図5参照)。この出口側共通流路Rout1において、各吐出チャネルC1eに対応する領域には、カバープレート413をその厚み方向に沿って貫通する、第1排出スリットSout1が形成されている(図3~図5参照)。同様に、出口側共通流路Rout2は、各チャネルC2におけるY軸方向に沿った外側(壁部W2の他方側)の端部付近に形成されており、凹状の溝部となっている(図3,図4参照)。この出口側共通流路Rout2において、各吐出チャネルC2eに対応する領域にも、カバープレート413をその厚み方向に沿って貫通する、第2排出スリット(不図示)が形成されている。
なお、これらの第1排出スリットSout1および第2排出スリットはそれぞれ、本開示における「第2貫通孔」の一具体例に対応している。
ここで、例えば図5に示したように、このような吐出チャネルC1eごとの第1供給スリットSin1と第1排出スリットSout1とによって、第1スリット対Sp1が構成されている。この第1スリット対Sp1では、吐出チャネルC1eの延在方向(Y軸方向)に沿って、第1供給スリットSin1と第1排出スリットSout1とが、並んで配置されている。同様に、吐出チャネルC2eごとの第2供給スリットと第2排出スリットとによって、第2スリット対(不図示)が構成されている。この第2スリット対では、吐出チャネルC2eの延在方向(Y軸方向)に沿って、第2供給スリットと第2排出スリットとが、並んで配置されている。
このようにして、入口側共通流路Rin1および出口側共通流路Rout1はそれぞれ、第1供給スリットSin1および第1排出スリットSout1を介して、各吐出チャネルC1eに連通するようになっている(図3~図5参照)。すなわち、入口側共通流路Rin1は、上記した第1スリット対Sp1ごとの第1供給スリットSin1の各々と連通している共通流路であり、出口側共通流路Rout1は、第1スリット対Sp1ごとの第1排出スリットSout1の各々と連通している共通流路となっている(図5参照)。そして、第1供給スリットSin1および第1排出スリットSout1はそれぞれ、吐出チャネルC1eとの間でインク9が流れる貫通孔となっている。詳細には、図3,図4中の破線の矢印で示したように、第1供給スリットSin1は、吐出チャネルC1e内にインク9を流入させるための貫通孔であり、第1排出スリットSout1は、吐出チャネルC1e内からインク9を流出させるための貫通孔となっている。一方、各ダミーチャネルC1dには、入口側共通流路Rin1および出口側共通流路Rout1はいずれも、連通していない。具体的には、各ダミーチャネルC1dは、これらの入口側共通流路Rin1および出口側共通流路Rout1における底部によって、閉塞されるようになっている。
同様に、入口側共通流路Rin2および出口側共通流路Rout2はそれぞれ、第2供給スリットおよび第2排出スリットを介して、各吐出チャネルC2eに連通するようになっている。すなわち、入口側共通流路Rin2は、上記した第2スリット対ごとの第2供給スリットの各々と連通している共通流路であり、出口側共通流路Rout2は、第2スリット対ごとの第2排出スリットの各々と連通している共通流路となっている。そして、第2供給スリットおよび第2排出スリットはそれぞれ、吐出チャネルC2eとの間でインク9が流れる貫通孔となっている。詳細には、第2供給スリットは、吐出チャネルC2e内にインク9を流入させるための貫通孔であり、第2排出スリットは、吐出チャネルC2e内からインク9を流出させるための貫通孔となっている。一方、各ダミーチャネルC2dには、入口側共通流路Rin2および出口側共通流路Rout2はいずれも、連通していない(図3,図4参照)。具体的には、各ダミーチャネルC2dは、これらの入口側共通流路Rin2および出口側共通流路Rout2における底部によって、閉塞されるようになっている(図3,図4参照)。
[C.吐出チャネルC1e,C2e付近の詳細構成]
次に、図2~図5を参照して、吐出チャネルC1e,C2e付近における、ノズル孔H1,H2およびカバープレート413の詳細構成について、説明する。
まず、本実施の形態のヘッドチップ41では、前述したように、複数のノズル孔H1が、2種類のノズル孔H11,H12を含んでいると共に、複数のノズル孔H2も、2種類のノズル孔H21,H22を含んでいる(図2参照)。
ここで、各ノズル孔H11の中心位置Pn11は、吐出チャネルC1eの延在方向(Y軸方向)に沿った中心位置Pc1(=壁部W1のY軸方向に沿った中心位置)を基準として、Y軸方向の正側(第1供給スリットSin1側)に、ずれて配置されている(図3,図5参照)。同様に、各ノズル孔H21の中心位置は、吐出チャネルC2eの延在方向(Y軸方向)に沿った中心位置(=壁部W2のY軸方向に沿った中心位置)を基準として、Y軸方向の負側(第2供給スリット側)に、ずれて配置されている(図2参照)。
一方、各ノズル孔H12の中心位置Pn12は、吐出チャネルC1eの延在方向に沿った中心位置Pc1を基準として、Y軸方向の負側(第1排出スリットSout1側)に、ずれて配置されている(図4,図5参照)。同様に、各ノズル孔H22の中心位置は、吐出チャネルC2eの延在方向(Y軸方向)に沿った中心位置を基準として、Y軸方向の正側(第2排出スリット側)に、ずれて配置されている(図2参照)。
したがって、各ノズル孔H11と連通する吐出チャネルC1e(C1e1)においては、第1供給スリットSin1と連通する部分におけるインク9の流路の断面積(第1入口側流路断面積Sfin1)が、第1排出スリットSout1と連通する部分におけるインク9の流路の断面積(第1出口側流路断面積Sfout1)よりも、小さくなっている(Sfin1<Sfout1:図3参照)。同様に、各ノズル孔H21と連通する吐出チャネルC2eにおいては、第2供給スリットと連通する部分におけるインク9の流路の断面積(第2入口側流路断面積Sfin2)が、第2排出スリットと連通する部分におけるインク9の流路の断面積(第2出口側流路断面積Sfout2)よりも、小さくなっている(Sfin2<Sfout2)。
一方、各ノズル孔H12と連通する吐出チャネルC1e(C1e2)においては、逆に、上記した第1出口側流路断面積Sfout1が、上記した第1入口側流路断面積Sfin1よりも、小さくなっている(Sfout1<Sfin1:図4参照)。同様に、各ノズル孔H22と連通する吐出チャネルC2eにおいても、逆に、上記した第2出口側流路断面積Sfout2が、上記した第2入口側流路断面積Sfin2よりも、小さくなっている(Sfout2<Sfin2)。
また、上記した吐出チャネルC1e1内においては、壁部W1の第1供給スリットSin1側の壁面に対応する位置におけるインク9の流路の断面積(壁面位置流路断面積Sf5)が、壁部W1の第1排出スリットSout1側の壁面に対応する位置におけるインク9の流路の断面積(壁面位置流路断面積Sf6)よりも、小さくなっている(Sf5<Sf6:図3参照)。同様に、各ノズル孔H21と連通する吐出チャネルC2e内においても、壁部W2の第2供給スリット側の壁面に対応する位置におけるインク9の流路の断面積(壁面位置流路断面積Sf5)が、壁部W2の第2排出スリット側の壁面に対応する位置におけるインク9の流路の断面積(壁面位置流路断面積Sf6)よりも、小さくなっている。
一方、上記した吐出チャネルC1e2内においては、逆に、上記した壁面位置流路断面積Sf6が、上記した壁面位置流路断面積Sf5よりも、小さくなっている(Sf6<Sf5:図4参照)。同様に、各ノズル孔H22と連通する吐出チャネルC2e内においても、逆に、上記した壁面位置流路断面積Sf6が、上記した壁面位置流路断面積Sf5よりも、小さくなっている。
なお、図3,図4では、上記した壁面位置流路断面積Sf5,Sf6のうち、一方に対応する位置においては、ポンプ室の端部が切り上がり形状となっており、他方に対応する位置においては、ポンプ室の端部がストレート形状となっているが、この例には限られない。つまり、壁面位置流路断面積Sf5,Sf6についての大小関係が、上記したものとなっているのであれば、例えば、ポンプ室の両端部が、切り上がり形状となっていてもよい。
ここで、上記した吐出チャネルC1e1、および、ノズル孔H21と連通する吐出チャネルC2eはそれぞれ、本開示における「第1吐出溝」の一具体例に対応している。同様に、上記した吐出チャネルC1e2、および、ノズル孔H22と連通する吐出チャネルC2eはそれぞれ、本開示における「第2吐出溝」の一具体例に対応している。また、上記した第1入口側流路断面積Sfin1および第2入口側流路断面積はそれぞれ、本開示における「第1断面積」の一具体例に対応している。同様に、上記した第1出口側流路断面積Sfout1および第2出口側流路断面積はそれぞれ、本開示における「第2断面積」の一具体例に対応している。また、上記した壁面位置流路断面積Sf5は、本開示における「第5断面積」の一具体例に対応している。同様に、上記した壁面位置流路断面積Sf6は、本開示における「第6断面積」の一具体例に対応している。また、上記したノズル孔H11の中心位置Pn11、および、ノズル孔H21の中心位置はそれぞれ、本開示における「第1中心位置」の一具体例に対応している。同様に、上記したノズル孔H12の中心位置Pn12、および、ノズル孔H22の中心位置はそれぞれ、本開示における「第2中心位置」の一具体例に対応している。
また、このヘッドチップ41では、前述した第1スリット対Sp1における第1供給スリットSin1と第1排出スリットSout1との間の距離である第1ポンプ長Lw1(図3,図4参照)が、全ての第1スリット対Sp1において同一になっている(図5参照)。同様に、前述した第2スリット対における第2供給スリットと第2排出スリットとの間の距離である第2ポンプ長も、全ての第2スリット対において同一になっている。
そして、このヘッドチップ41では、第1供給スリットSin1におけるY軸方向の長さ(第1供給スリット長Lin1)と、第1排出スリットSout1におけるY軸方向の長さ(第1排出スリット長Lout1)との間の大小関係が、X軸方向に沿って隣接する第1スリット対Sp1同士で、交互に入れ替わっている(図5参照)。すなわち、例えば、ある第1スリット対Sp1において、(Lin1>Lout1)という大小関係である場合、その第1スリット対Sp1の両隣に位置する第1スリット対Sp1ではそれぞれ、逆に、(Lin1<Lout1)という大小関係になっている。また、例えば、ある第1スリット対Sp1において、(Lin1<Lout1)という大小関係である場合、その第1スリット対Sp1の両隣に位置する第1スリット対Sp1ではそれぞれ、逆に、(Lin1>Lout1)という大小関係になっている。
同様に、第2供給スリットにおけるY軸方向の長さ(第2供給スリット長)と、第2排出スリットにおけるY軸方向の長さ(第2排出スリット長)との間の大小関係も、X軸方向に沿って隣接する第2スリット対同士で、上記したようにして、交互に入れ替わっている。
更に、このヘッドチップ41では、入口側共通流路Rin1におけるY軸方向の長さ(第1入口側流路幅Win1)が、この入口側共通流路Rin1の延在方向(X軸方向)に沿って、一定となっている(図5参照)。また、出口側共通流路Rout1におけるY軸方向の長さ(第1出口側流路幅Wout1)も、この出口側共通流路Rout1の延在方向(X軸方向)に沿って、一定となっている(図5参照)。
同様に、入口側共通流路Rin2におけるY軸方向の長さ(第2入口側流路幅)も、この入口側共通流路Rin2の延在方向(X軸方向)に沿って、一定となっている。また、出口側共通流路Rout2におけるY軸方向の長さ(第2出口側流路幅)も、この出口側共通流路Rout2の延在方向(X軸方向)に沿って、一定となっている。
[D.共通電極Edcの詳細構成]
次に、図3,図4に加えて図7,図8を参照して、前述した吐出チャネルC1e(C1e1,C1e2)付近の詳細構成例(前述した共通電極Edの詳細構成例)について、説明する。なお、前述した吐出チャネルC2eにおける共通電極Edの詳細構成例については、以下説明する吐出チャネルC1e(C1e1,C1e2)における共通電極Edの詳細構成例と同様であるため、説明を省略する。
図7は、図3,図4に示した断面構成例における吐出チャネルC1e付近の詳細構成例を、模式図で表したものである。具体的には、図7(A)は、図3に示した断面構成例における吐出チャネルC1e1付近の詳細構成例を、図7(B)は、図4に示した断面構成例における吐出チャネルC1e2付近の詳細構成例を、それぞれ示している。また、図8(図8(A),図8(B))は、図7(A),図7(B)に示した共通電極Edcの形成方法の一例を、模式図で表したものである。
まず、例えば図7(A),図7(B)に示したように、本実施の形態のインクジェットヘッド4(ヘッドチップ41)では、共通電極Edcにおける吐出チャネルC1eの延在方向(Y軸方向)に沿った両端の位置がそれぞれ、X軸方向に沿った複数の共通電極Edc同士で、互いに揃っている。つまり、前述したように、ノズル孔H11,H12同士がY軸方向沿って互いにずれて配置(千鳥配置)されている、吐出チャネルC1e1,C1e2同士においても、各共通電極Edcの両端の位置は一致しており、Y軸方向に沿ってずれていない。言い換えると、X軸方向に沿って並設されている複数の吐出チャネルC1eにおいて、対応する複数の共通電極Edcが、X軸方向に沿って(千鳥配置ではなく)一列に配置されている。なお、このような共通電極Edcの一列配置については、X軸方向に沿って並設されている複数の吐出チャネルC2eにおいても、同様となっている。
具体的には、まず、各共通電極Edcは、吐出チャネルC1e,C2eにおいて、ノズルプレート411側(下方側)の側壁に設けられた第1部分Edc1と、カバープレート413側(上方側)の側壁に設けられた第2部分Edc2とを、含んでいる(図7(A),図7(B)参照)。また、この第2部分Edc2における吐出チャネルC1e,C2eの延在方向(Y軸方向)に沿った長さ(電極長Le2)が、第1部分Edc1におけるY軸方向に沿った長さ(電極長Le1)よりも、小さくなっている(Le2<Le1)。つまり、各共通電極Edcは、このような第1部分Edc1と第2部分Edc2とを含む、2段構造となっている。そして、これらの第1部分Edc1および第2部分Edc2の各々における、Y軸方向に沿った両端の位置がそれぞれ、X軸方向に沿った複数の共通電極Edc同士で、互いに揃っている(一致している)。つまり、図7(A),図7(B)に示したように、第1部分Edc1における端部位置Pe1a,Pe1bがそれぞれ、吐出チャネルC1e1,C1e2同士で揃っていると共に、第2部分Edc2における端部位置Pe2a,Pe2bがそれぞれ、吐出チャネルC1e1,C1e2同士で揃っている。なお、このような第1部分Edc1および第2部分Edc2の各々の両端位置が揃っている点については、X軸方向に沿って並設されている複数の吐出チャネルC2eにおいても、同様となっている。
ここで、上記した第1部分Edc1は、本開示における「第1部分」の一具体例に対応している。また、上記した第2部分Edc2は、本開示における「第2部分」の一具体例に対応している。
このような第1部分Edc1および第2部分Edc2を含む共通電極Edcは、例えば図8(A),図8(B)に示した方法(2段階の斜め蒸着による真空蒸着方法)にて、形成することが可能である。
すなわち、まず、例えば図8(A)に示したように、アクチュエータプレート412における各吐出チャネルC1e(C1e1,C1e2)が形成された状態で、第1部分Edc1を形成するための真空蒸着が行われる。具体的には、各吐出チャネルC1e1,C1e2の下方側に位置する開口部Ap1を介して、図8(A)に示したように、上方側へと向かう蒸着方向Ev2にて、所定の角度による1段階目の斜め蒸着を行う。これにより、各吐出チャネルC1e1,C1e2内の下方側に、開口部Ap1の幅と略等しい長さ(前述した電極長Le1)を有する、第1部分Edc1が形成される。
次いで、例えば図8(B)に示したように、所定の開口部Ap2(例えば矩形状)を有するマスクMを用いて、第2部分Edc2を形成するための真空蒸着が行われる。具体的には、このようなマスクMの開口部Ap2を介して、図8(B)に示したように、下方側(各吐出チャネルC1e1,C1e2内)へと向かう蒸着方向Ev2にて、所定の角度による2段階目の斜め蒸着を行う。これにより、各吐出チャネルC1e1,C1e2内の上方側(第1部分Edc1の上方側)に、開口部Ap2の幅と略等しい長さ(前述した電極長Le2)を有する、第2部分Edc2が形成される。
以上のような2段階の斜め蒸着による真空蒸着を行うことで、第1部分Edc1および第2部分Edc2を含む、共通電極Edcが形成される。また、詳細は後述するが、本実施の形態では、上記した開口部Ap2を有するマスクMを用いて、吐出チャネルC1e1,C1e2の双方における共通電極Edcを、一括して形成することが可能となっている。
[動作および作用・効果]
(A.プリンタ1の基本動作)
このプリンタ1では、以下のようにして、記録紙Pに対する画像や文字等の記録動作(印刷動作)が行われる。なお、初期状態として、図1に示した4種類のインクタンク3(3Y,3M,3C,3K)にはそれぞれ、対応する色(4色)のインク9が十分に封入されているものとする。また、インクタンク3内のインク9は、循環流路50を介してインクジェットヘッド4内に充填された状態となっている。
このような初期状態において、プリンタ1を作動させると、搬送機構2a,2bにおけるグリッドローラ21がそれぞれ回転することで、グリッドローラ21とピンチローラ22との間に、記録紙Pが搬送方向d(X軸方向)に沿って搬送される。また、このような搬送動作と同時に、駆動機構63における駆動モータ633が、プーリ631a,631bをそれぞれ回転させることで、無端ベルト632を動作させる。これにより、キャリッジ62がガイドレール61a,61bにガイドされながら、記録紙Pの幅方向(Y軸方向)に沿って往復移動する。そしてこの際に、各インクジェットヘッド4(4Y,4M,4C,4K)によって、4色のインク9を記録紙Pに適宜吐出させることで、この記録紙Pに対する画像や文字等の記録動作がなされる。
(B.インクジェットヘッド4における詳細動作)
続いて、インクジェットヘッド4における詳細動作(インク9の噴射動作)について説明する。すなわち、このインクジェットヘッド4(サイドシュートタイプ)では、以下のようにして、せん断(シェア)モードを用いたインク9の噴射動作が行われる。
まず、上記したキャリッジ62(図1参照)の往復移動が開始されると、前述した回路基板上の駆動回路は、前述したフレキシブルプリント基板を介して、インクジェットヘッド4内の駆動電極Ed(共通電極Edcおよび個別電極Eda)に対し、駆動電圧を印加する。具体的には、この駆動回路は、吐出チャネルC1e,C2eを画成する一対の駆動壁Wdに配置された各駆動電極Edに対し、駆動電圧を印加する。これにより、これら一対の駆動壁Wdがそれぞれ、その吐出チャネルC1e,C2eに隣接するダミーチャネルC1d,C2d側へ、突出するように変形する。
ここで、アクチュエータプレート412の構成が、前述したシェブロンタイプになっていることから、上記した駆動回路によって駆動電圧を印加することで、駆動壁Wdにおける深さ方向の中間位置を中心として、駆動壁WdがV字状に屈曲変形することになる。そして、このような駆動壁Wdの屈曲変形により、吐出チャネルC1e,C2eがあたかも膨らむように変形する。
ちなみに、アクチュエータプレート412の構成が、このようなシェブロンタイプではなく、前述したカンチレバータイプである場合には、以下のようにして、駆動壁WdがV字状に屈曲変形する。すなわち、このカンチレバータイプの場合、駆動電極Edが深さ方向の上半分まで斜め蒸着によって取り付けられることになるため、この駆動電極Edが形成されている部分のみに駆動力が及ぶことによって、駆動壁Wdが(駆動電極Edの深さ方向端部において)屈曲変形する。その結果、この場合においても、駆動壁WdがV字状に屈曲変形するため、吐出チャネルC1e,C2eがあたかも膨らむように変形することになる。
このように、一対の駆動壁Wdでの圧電厚み滑り効果による屈曲変形によって、吐出チャネルC1e,C2eの容積が増大する。そして、吐出チャネルC1e,C2eの容積が増大することにより、入口側共通流路Rin1,Rin2内に貯留されたインク9が、吐出チャネルC1e,C2e内へ誘導されることになる。
次いで、このようにして吐出チャネルC1e,C2e内へ誘導されたインク9は、圧力波となって吐出チャネルC1e,C2eの内部に伝播する。そして、ノズルプレート411のノズル孔H1,H2にこの圧力波が到達したタイミング(またはその近傍のタイミング)で、駆動電極Edに印加される駆動電圧が、0(ゼロ)Vとなる。これにより、上記した屈曲変形の状態から駆動壁Wdが復元する結果、一旦増大した吐出チャネルC1e,C2eの容積が、再び元に戻ることになる。
このようにして、吐出チャネルC1e,C2eの容積が元に戻る過程で、吐出チャネルC1e,C2e内部の圧力が増加し、吐出チャネルC1e,C2e内のインク9が加圧される。その結果、液滴状のインク9が、ノズル孔H1,H2を通って外部へと(記録紙Pへ向けて)吐出される(図3,図4参照)。このようにしてインクジェットヘッド4におけるインク9の噴射動作(吐出動作)がなされ、その結果、記録紙Pに対する画像や文字等の記録動作が行われる。
(C.インク9の循環動作)
続いて、図1,図3,図4を参照して、循環流路50を介したインク9の循環動作について、詳細に説明する。
このプリンタ1では、前述した送液ポンプによって、インクタンク3内から流路50a内へと、インク9が送液される。また、流路50b内を流れるインク9が、前述した送液ポンプによって、インクタンク3内へと送液される。
この際に、インクジェットヘッド4内では、インクタンク3内から流路50aを介して流れるインク9が、入口側共通流路Rin1,Rin2へと流入する。これらの入口側共通流路Rin1,Rin2へと供給されたインク9は、第1供給スリットSin1または第2供給スリットを介して、アクチュエータプレート412における各吐出チャネルC1e,C2e内へと供給される(図3,図4参照)。
また、各吐出チャネルC1e,C2e内のインク9は、第1排出スリットSout1または第2排出スリットを介して、出口側共通流路Rout1,Rout2内へと流入する(図3,図4参照)。これらの出口側共通流路Rout1,Rout2へ供給されたインク9は、流路50bへと排出されることで、インクジェットヘッド4内から流出される。そして、流路50bへと排出されたインク9は、インクタンク3内へと戻されることになる。このようにして、循環流路50を介したインク9の循環動作がなされる。
ここで、循環式ではないインクジェットヘッドでは、乾燥性の高いインクを使用した場合、ノズル孔の近傍でのインクの乾燥に起因して、インクの局所的な高粘度化や固化が生じる結果、インク不吐出の不良が発生するおそれがある。これに対して、本実施の形態のインクジェットヘッド4(循環式のインクジェットヘッド)では、ノズル孔H1,H2の近傍に常に新鮮なインク9が供給されることから、上記したようなインク不吐出の不良が回避されることになる。
(D.作用・効果)
次に、本実施の形態のインクジェットヘッド4における作用および効果について、比較例(比較例1~4)と比較しつつ、詳細に説明する。
(D-1.比較例1)
図9は、比較例1に係るインクジェットヘッド104において、比較例1に係るノズルプレート101(後出)を取り外した状態の構成例を、模式的に底面図(X-Y底面図)で表したものである。図10は、図9に示したX-X線に沿った、比較例1に係るインクジェットヘッド104の断面構成例(Y-Z断面構成例)を、模式的に表したものである。
図9,図10に示したように、この比較例1のインクジェットヘッド104(ヘッドチップ100)では、本実施の形態のインクジェットヘッド4(ヘッドチップ41)において、各ノズル孔H1,H2の配置構成が、異なっている。また、このヘッドチップ100におけるカバープレート103では、ヘッドチップ41におけるカバープレート413とは異なり、前述した第1入口側流路断面積Sfin1および第1出口側流路断面積Sfout1が、互いに等しくなっている(Sfin1=Sfout1:図10参照)。
具体的には、この比較例1のノズルプレート101では、本実施の形態のノズルプレート411とは異なり、各ノズル列An101,102内のノズル孔H1,H2がそれぞれ、各ノズル列An101,102の延在方向(X軸方向)に沿って、1列に並んで配置されている(図9参照)。つまり、前述した本実施の形態の場合とは異なり、この比較例1では、各ノズル孔H1の中心位置Pn1が、吐出チャネルC1eの延在方向(Y軸方向)に沿った中心位置Pc1(=壁部W1のY軸方向に沿った中心位置)と、一致するようになっている(図10参照)。同様に、この比較例1では、各ノズル孔H2の中心位置が、吐出チャネルC2eの延在方向(Y軸方向)に沿った中心位置(=壁部W2のY軸方向に沿った中心位置)と、一致するようになっている
このような比較例1では、上記したように、ノズル孔H1,H2がそれぞれ、X軸方向に沿って1列に並んで配置されていることから、例えば印刷画素の高解像度化等に伴い、隣接するノズル孔H1間の距離や、隣接するノズル孔H2間の距離が、小さくなった場合に、例えば以下のようなおそれがある。すなわち、このような場合、同時期に噴射されて被記録媒体(記録紙P等)へ向けて飛翔している液滴間の距離が減少することから、ノズル孔H1,H2から被記録媒体の間にて飛翔中の液滴が、局所的に集中するケースがある。これにより、飛翔した各液滴に及ぼす影響(気流の発生)が増大する結果、被記録媒体上において木目調の濃度むらが発生し、印刷画質が低下してしまうおそれがある。
(D-2.比較例2)
図11は、比較例2に係るインクジェットヘッド204における吐出チャネルC1e付近の断面構成例を、模式図で表したものである。具体的には、図11(A)は、吐出チャネルC1e1付近の詳細構成例を、図11(B)は、吐出チャネルC1e2付近の詳細構成例を、それぞれ示している。
この比較例2のインクジェットヘッド204(ヘッドチップ200)では、本実施の形態のインクジェットヘッド4(ヘッドチップ41)とは、各共通電極Edcの配置位置が、異なっている。具体的には、アクチュエータプレート202における吐出チャネルC1e1,C1e2同士で、共通電極Edc(の一部)が、Y軸方向に沿って互いにずれて配置されており、ノズル孔H11,H12と同様にして千鳥配置となっている(図11(A),図11(B)参照)。詳細には、この例では、共通電極Edcのうちの第1部分Edc1については、端部位置Pe1a,Pe1bがそれぞれ、吐出チャネルC1e1,C1e2同士で揃っている。一方、第2部分Edc2については、端部位置Pe2a,Pe2bがいずれも、吐出チャネルC1e1,C1e2同士で揃っていない(Y軸方向に沿って、互いにずれている)。
このような比較例2では、例えば、前述した方法(真空蒸着)にて各共通電極Edcを形成する際に使用される、マスクMの開口部Ap2(図8(A)参照)が、複雑な形状となってしまう。具体的には、この比較例2では上記したように、吐出チャネルC1e1,C1e2同士において、共通電極Edc(の一部)が互いにずれて配置される(千鳥配置)ことから、例えば、マスクMの開口部Ap2についても、千鳥状に配置する必要が生じる。そして、マスクMの開口部Ap2が千鳥状に配置されている場合、そのマスクMの開口部Ap2を吐出チャネルC1e1,C1e2に位置合わせするのが困難となることから、吐出チャネルC1e1,C1e2の双方における共通電極Edcを、一括して形成することが困難となる。その結果、この比較例2では、各共通電極Edcの形成が困難となってしまうおそれがある。
(D-3.比較例3,4)
図12は、比較例3に係るインクジェットヘッド304における、カバープレート303の上面側の平面構成例(X-Y平面構成例)を、模式的に表したものである。また、図13は、比較例3に係るインクジェットヘッド304における吐出チャネルC1e付近の断面構成例を、模式図で表したものである。具体的には、図13(A)は、吐出チャネルC1e1付近の詳細構成例を、図13(B)は、吐出チャネルC1e2付近の詳細構成例を、それぞれ示している。
図13に示したように、この比較例3のインクジェットヘッド304は、実施の形態のインクジェットヘッド4(図3,図4,図7参照)において、ヘッドチップ41の代わりに、ヘッドチップ300を設けるようにしたものに対応している。また、この比較例3のヘッドチップ300は、ヘッドチップ41において、アクチュエータプレート412およびカバープレート413の代わりに、以下説明するアクチュエータプレート302およびカバープレート303をそれぞれ設けるようにしたものに対応しており、他の構成は基本的に同様となっている。
具体的には、図12,図13に示したように、この比較例3のアクチュエータプレート302では、実施の形態のアクチュエータプレート412(図5参照)とは異なり、吐出チャネルC1e,C2eの配置構成がそれぞれ、以下のようになっている。すなわち、このアクチュエータプレート302では、アクチュエータプレート412とは異なり、複数の吐出チャネルC1e全体(および複数の吐出チャネルC2e全体)が、X軸方向に沿って千鳥配置(Y軸方向に沿って交互にずれた配置)となっている(図12参照)。
また、この比較例3のカバープレート303では、実施の形態のカバープレート413(図5参照)と同様に、前述した第1ポンプ長Lw1および第2ポンプ長がそれぞれ、全ての第1スリット対Sp1および第2スリット対において、同一になっている(図12参照)。
一方、このカバープレート303では、カバープレート413とは異なり、前述した第1供給スリット長Lin1および第2供給スリット長と、前述した第1排出スリット長Lout1および第2排出スリット長とが、互いに同一になっている(図12参照:Lin1=Lout1,第2供給スリット長=第2排出スリット長)。そして、このカバープレート303では、カバープレート413とは異なり、第1供給スリットSin1および第2供給スリットと、第1排出スリットSout1および第2排出スリットとがそれぞれ、入口側共通流路Rin1,Rin2および出口側共通流路Rout1,Rout2の延在方向(X軸方向)に沿って、千鳥配置となっている(図12参照)。
ここで、図13(A),図13(B)に示したように、この比較例3では、上記したように、吐出チャネルC1e1,C1e2同士が互いに千鳥配置となっているものの、前述した比較例2とは異なり、各共通電極Edcの配置位置が、以下のようになっている。すなわち、この比較例3では、吐出チャネルC1e1,C1e2同士が互いに千鳥配置になっていることに伴い、共通電極Edcのうちの第1部分Edc1については、端部位置Pe1a,Pe1bがいずれも、吐出チャネルC1e1,C1e2同士で揃っていない(Y軸方向に沿って、互いにずれている)。一方、第2部分Edc2については、端部位置Pe2a,Pe2bがそれぞれ、吐出チャネルC1e1,C1e2同士で揃っている。
これらのことから、この比較例3では前述した比較例2とは異なり、本実施の形態と同様にして、各共通電極Edcを形成する際に使用されるマスクMの開口部Ap2を、単純な形状(例えば矩形状)とすることができる(図8(B)参照)。つまり、例えば比較例2のように、マスクMの開口部Ap2も千鳥状に配置する必要がなくなり、吐出チャネルC1e1,C1e2の双方における共通電極Edcを、一括して形成することが可能となる。したがって、この比較例3では本実施の形態と同様に、比較例2と比べ、各共通電極Edcの形成が容易となる。
ところが、この比較例3では、上記したように、第1部分Edc1の端部位置Pe1a,Pe1bはそれぞれ、吐出チャネルC1e1,C1e2同士で互いにずれている一方で、第2部分Edc2の端部位置Pe2a,Pe2bをそれぞれ、吐出チャネルC1e1,C1e2同士で揃えていることから、以下のようになる。すなわち、この比較例3では、各共通電極Edcの延在方向(Y軸方向)に沿った長さ(図13(A),図13(B)の例では、第2部分Edc2の電極長Le2)を、より大きく取るのが困難となってしまう。具体的には、図7(A),図7(B)に示した本実施の形態の場合と比べ、第2部分Edc2の電極長Le2が、短くなってしまう。これは、第2部分Edc2における端部位置Pe2aや端部位置Pe2bが、第1部分Edc1における端部位置Pe1aや端部位置Pe1bよりも外側になってしまうと、共通電極Edcを形成する際に、バリが発生し易くなるためである。このようにして比較例3では、各共通電極Edcの延在方向に沿った長さを大きく取るのが困難となることから、各共通電極Edcの面積が小さくなる結果、ヘッドチップ300を駆動する際の電圧効率が、低下してしまうおそれがある。
ちなみに、この比較例3の構成において、各共通電極Edcの延在方向に沿った長さを確保しようとして、各吐出チャネルC1e,C2eにおけるポンプ長を、比較例3よりも広げて大きくした場合(比較例4)には、以下のようになる。すなわち、このような比較例4の構成では、各吐出チャネルC1eにおける第1ポンプ長Lw1(および各吐出チャネルC2eにおけるポンプ長)が、相対的に長くなることから、各吐出チャネルC1e,C2eにて規定されるオンパルスピーク(AP)の値も、大きくなる。このAPとは、各吐出チャネルC1e,C2e内におけるインク9の固有振動周期の1/2の期間(1AP=(インク9の固有振動周期)/2)に対応しており、インク9の噴射速度を最大とするための駆動パルス幅に相当する。このようにして比較例4では、このAPの値が大きくなることから、1滴あたりの駆動波形が長くなってしまうため、高い周波数によるヘッドチップの駆動が、困難となってしまうおそれがある。
(D-4.本実施の形態)
これに対して、本実施の形態のインクジェットヘッド4(ヘッドチップ41)は、例えば上記比較例1~4とは異なり、以下のような構成となっている。
まず、本実施の形態では、比較例1とは異なり、複数のノズル孔H1,H2のうち、X軸方向に沿って隣接するノズル孔H1同士(およびX軸方向に沿って隣接するノズル孔H2同士)が、吐出チャネルC1e,C2eの延在方向(Y軸方向)に沿って、互いにずれて配置されている。具体的には、ノズル孔H11の中心位置Pn11が、吐出チャネルC1eの延在方向(Y軸方向)に沿った中心位置Pc1を基準として、第1供給スリットSin1側にずれて配置されていると共に、ノズル孔H12の中心位置Pn12が、上記した中心位置Pc1を基準として、第1排出スリットSout1側にずれて配置されている。同様に、ノズル孔H21の中心位置が、吐出チャネルC2eの延在方向(Y軸方向)に沿った中心位置を基準として、第2供給スリット側にずれて配置されていると共に、ノズル孔H22の中心位置が、吐出チャネルC2eの延在方向に沿った中心位置を基準として、第2排出スリット側にずれて配置されている。
これにより本実施の形態では、比較例1と比べ、以下のようになる。すなわち、隣接するノズル孔H1間の距離(および隣接するノズル孔H2間の距離)が、ノズル孔H1,H2がそれぞれX軸方向に沿って1列に並んで配置されている場合(比較例1)と比べ、大きくなる。このため、同時期に噴射されて被記録媒体(記録紙P等)へ向けて飛翔している液滴間の距離が増加することから、ノズル孔H1,H2から被記録媒体の間にて飛翔中の液滴が局所的に集中することを、緩和させることができる。これにより本実施の形態では、飛翔した各液滴に及ぼす影響(気流の発生)が抑えられる結果、比較例1と比べ、前述したような被記録媒体上での木目調の濃度むらの発生が、抑えられる。
また、本実施の形態では、複数の吐出チャネルC1eの全体(および複数の吐出チャネルC2eの全体)が、アクチュエータプレート412内でX軸方向に沿って、1列に配置されている。これにより本実施の形態では、これら複数の吐出チャネルC1e全体(および複数の吐出チャネルC2e全体)で、既存の構造が維持される結果、各吐出チャネルC1e(および各吐出チャネルC2e)の形成が、容易となる。
更に、本実施の形態では、吐出チャネルC1e1において、第1入口側流路断面積Sfin1が第1出口側流路断面積Sfout1よりも小さくなっていると共に、吐出チャネルC1e2において、第1出口側流路断面積Sfout1が第1入口側流路断面積Sfin1よりも小さくなっている。そして本実施の形態では、このような場合においても、共通電極Edcにおける吐出チャネルC1eの延在方向(Y軸方向)に沿った両端の位置がそれぞれ、X軸方向に沿った複数の共通電極Edc同士で、互いに揃っていることから、以下のようになる。
すなわち、まず、本実施の形態では前述した比較例2の場合と比べ、例えば、各共通電極Edcを形成する際に使用されるマスクMの開口部Ap2を、単純な形状(例えば矩形状)とすることができる。つまり、例えば比較例2のように、マスクMの開口部Ap2も千鳥状に配置する必要がなくなり、吐出チャネルC1e1,C1e2の双方における共通電極Edcを、一括して形成することが可能となる。したがって、本実施の形態では比較例2と比べ、各共通電極Edcの形成が、容易となる。
また、本実施の形態では前述した比較例3の場合と比べ、各共通電極Edcの延在方向(Y軸方向)に沿った長さ(例えば、第2部分Edc2の電極長Le2)を、より大きく取れるようになる。これにより、本実施の形態では比較例3と比べ、各共通電極Edcの面積が増加する結果、ヘッドチップ41を駆動する際の電圧効率が、向上することになる。
更に、本実施の形態では前述した比較例4とは異なり、各吐出チャネルC1e,C2eにおけるポンプ長を広げて大きくする必要がないことから、以下のようになる。すなわち、本実施の形態では比較例4と比べ、前述したAPの値が小さくなることから、高い周波数によるヘッドチップ41の駆動が、容易となる。
以上のことから、本実施の形態では、各吐出チャネルC1e,C2eの形成を容易にしつつ、ヘッドチップ41を駆動する際の電圧効率を向上させることができると共に、被記録媒体上での木目調の濃度むらの発生を抑えることができる。よって、本実施の形態のインクジェットヘッド4(ヘッドチップ41)では、ヘッドチップ41の製造コストを抑えつつ、消費電力の低減および印刷画質の向上を図ることが可能となる。また、本実施の形態では、上記したように、高周波駆動を実現できると共に、高い粘度のインク9(高粘度インク)を吐出することも可能となる。
また、本実施の形態では、共通電極Edcの第1部分Edc1および第2部分Edc2の各々における、両端の位置(前述した端部位置Pe1a,Pe1b,Pe2a,Pe2b)がそれぞれ、X軸方向に沿った複数の共通電極Edcにおいて、互いに揃っていることから、以下のようになる。すなわち、各共通電極Edcが、このような第1部分Edc1および第2部分Edc2を含む構造(2段構造)である場合においても、各共通電極Edcの形成が、容易となる。また、第2部分Edc2における前述した電極長Le2が、第1部分Edc1における前述した電極長Le1よりも、小さくなっていることから、以下のようになる。すなわち、例えば逆に、第2部分Edc2の電極長Le2が、第1部分Edc1の電極長Le1よりも大きくなっている場合と比べ、共通電極Edcを形成する際に、バリが発生しにくくなる。したがって、このようなバリの除去工程を省略し、工程数を抑えることができる。以上のことから、本実施の形態では、ヘッドチップ41の製造コストを、更に抑えることが可能となる。
また、本実施の形態では、吐出チャネルC1eのうちの吐出チャネルC1e1では、前述した壁面位置流路断面積Sf5が前述した壁面位置流路断面積Sf6よりも小さくなっていると共に、吐出チャネルC1e2では、この壁面位置流路断面積Sf6が壁面位置流路断面積Sf5よりも小さくなっている。なお、吐出チャネルC2eにおいても、同様の大小関係となっている。これにより本実施の形態では、例えば、これらの壁面位置流路断面積Sf5,Sf6が互いに等しくなっている場合と比べ、各共通電極Edcの延在方向に沿った長さ(例えば、上記した電極長Le1や電極長Le2)を、更に大きく取れるようになる。したがって、各共通電極Edcの面積が更に増加し、ヘッドチップ41を駆動する際の電圧効率が更に向上する結果、消費電力を更に低減することが可能となる。
更に、本実施の形態では、上記したようにして、複数の吐出チャネルC1e全体(および複数の吐出チャネルC2e全体)で既存の構造を維持しつつ、X軸方向に沿って隣接するノズル孔H1同士(および隣接するノズル孔H2同士)が、Y軸方向に沿って互いにずれて配置されている構造においても、既存の構造と同様にして、以下のようにすることができる。すなわち、前述した第1ポンプ長Lw1および第2ポンプ長をそれぞれ、全ての第1スリット対Sp1および全ての第2スリット対において、同一にする(共通化する)ことができる。これにより本実施の形態では、隣接するノズル孔H1同士(および隣接するノズル孔H2同士)での、吐出特性のばらつきが抑えられる結果、印刷画質を更に向上させることが可能となる。また、本実施の形態では、前述した比較例2の場合(第1供給スリットSin1および第2供給スリットと、第1排出スリットSout1および第2排出スリットとをそれぞれ、X軸方向に沿って千鳥配置とした場合)と比べ、以下のようになる。すなわち、まず、この比較例2の場合には、複数の吐出チャネルC1e全体(および複数の吐出チャネルC2e全体)も、X軸方向に沿って千鳥配置となる(図12参照)。一方、本実施の形態では、既存の構造と同様にして、複数の吐出チャネルC1e全体(および複数の吐出チャネルC2e全体)を、千鳥配置せずに形成(加工)できることから(図5参照)、ヘッドチップ41の加工性が良好となる(既存の製造プロセスを維持したまま、加工できるようになる)。これにより本実施の形態では、ヘッドチップ41の製造プロセスの容易化を実現することも、可能となる。
加えて、本実施の形態では、入口側共通流路Rin1,Rin2における流路幅(第1入口側流路幅Win1および第2入口側流路幅)と、出口側共通流路Rout1,Rout2における流路幅(第1出口側流路幅Wout1および第2出口側流路幅)とがそれぞれ、各共通流路の延在方向(X軸方向)に沿って一定になっていることから、以下のようになる。すなわち、これらの入口側共通流路Rin1,Rin2および出口側共通流路Rout1,Rout2の各構造についても、既存の構造を維持することが可能となる。
また、本実施の形態では、各ダミーチャネルC1d,C2dにおける延在方向(Y軸方向)に沿った一方側は、前述した側面になっていると共に、この延在方向に沿った他方側は、アクチュエータプレート412のY軸方向に沿った端部に至るまで、開口していることから、以下のようになる。すなわち、上記したように、X軸方向に沿って隣接するノズル孔H1同士(および隣接するノズル孔H2同士)が、Y軸方向に沿って互いにずれて配置されている構造において、ヘッドチップ41全体のサイズ(チップサイズ)を変えることなく、ノズルプレート411内でのノズル孔H1,H2の高密度配置が可能となる。また、各ダミーチャネルC1d,C2dにおける上記した他方側が、上記した端部に至るまで開口していることから、各ダミーチャネルC1d,C2d内に個別に配置される個別電極Edaが、各吐出チャネルC1e,C2d内に配置される共通電極Edcとは別個に(電気的に絶縁した状態で)、形成できるようになる(図6参照)。これらのことから本実施の形態では、ヘッドチップ41におけるチップサイズの小型化を図りつつ、ヘッドチップ41の製造プロセスの容易化を実現することが可能となる。
<2.変形例>
続いて、上記実施の形態の変形例(変形例1,2)について説明する。なお、実施の形態における構成要素と同一のものには同一の符号を付し、適宜説明を省略する。
[変形例1]
(全体構成)
図14,図15はそれぞれ、変形例1に係るインクジェットヘッド4aにおける断面構成例(Y-Z断面構成例)を、模式的に表したものである。具体的には、図14は、実施の形態における図3に対応する断面構成例であり、図15は、実施の形態における図4に対応する断面構成例となっている。また、図16は、図14,図15に示したヘッドチップ41aにおける他の断面構成例(Z-X断面構成例)を、模式的に表したものである。
図14,図15に示したように、この変形例1のインクジェットヘッド4aは、実施の形態のインクジェットヘッド4(図3,図4参照)において、ヘッドチップ41の代わりに、ヘッドチップ41aを設けるようにしたものに対応している。また、この変形例1のヘッドチップ41aは、ヘッドチップ41において、以下説明する位置合わせプレート415を更に設けるようにしたものに対応しており、他の構成は基本的に同様となっている。なお、このようなインクジェットヘッド4aは、本開示における「液体噴射ヘッド」の一具体例に対応している。
位置合わせプレート415は、図14~図16に示したように、アクチュエータプレート412とノズルプレート411との間に配置されている。この位置合わせプレート415は、ヘッドチップ41aの製造の際に各ノズル孔H1,H2の位置合わせをするための複数の開口部H31,H32を、ノズル孔H1(H11,H12),H2(H21,H22)ごとに有している。具体的には、ノズル孔H11,H21ごとに、開口部H31が配置されると共に、ノズル孔H21,H22ごとに、開口部H32が配置されるようになっている(図14~図16参照)。
これらの開口部H31,H32はそれぞれ、ノズル孔H11,H12,H21,H22と吐出チャネルC1e1,C1e2との間を連通しており、X-Y平面上において略矩形状の開口部となっている。各開口部H31,H32におけるY軸方向の長さ(開口長)は、各ノズル孔H11,H12,H21,H22におけるY軸方向の長さよりも、大きくなっている(図14,図15参照)。また、各開口部H31,H32におけるX軸方向の長さは、各ノズル孔H11,H12,H21,H22におけるX軸方向の長さ、および、各吐出チャネルC1e,C2eにおけるX軸方向の長さよりも、大きくなっている(図16参照)。つまり、例えば図16に示したように、このような開口部H31,H32によって、ノズル孔H1,H2における少量の位置ずれ(X-Y平面内での位置ずれ)を許容し、そのような位置ずれを防止するようになっている。このような位置合わせプレート415が設けられていることで、ヘッドチップ41aの製造の際に、アクチュエータプレート412とノズルプレート411との間の位置合わせが、容易となっている。
なお、このような開口部H31,H32はそれぞれ、本開示における「第3貫通孔」の一具体例に対応している。
ここで、この変形例1のヘッドチップ41aでは、このような位置合わせプレート415における開口部H31,H32を含むようにして、以下のような拡張流路部431,432がそれぞれ、形成されるようになっている。
拡張流路部431は、ノズル孔H11,H21付近に形成されており、詳細は後述するが、これらのノズル孔H11,H21付近におけるインク9の流路の断面積(ノズル孔付近流路断面積Sf3)を、広げる流路となっている(例えば図14参照)。同様に、拡張流路部432は、ノズル孔H12,H22付近に形成されており、詳細は後述するが、これらのノズル孔H12,H22付近におけるインク9の流路の断面積(ノズル孔付近流路断面積Sf4)を、広げる流路となっている(例えば図15参照)。
なお、このような拡張流路部431は、本開示における「第1拡張流路部」の一具体例に対応している。同様に、拡張流路部432は、本開示における「第2拡張流路部」の一具体例に対応している。また、上記したノズル孔付近流路断面積Sf3は、本開示における「第3断面積」の一具体例に対応している。同様に、上記したノズル孔付近流路断面積Sf4は、本開示における「第4断面積」の一具体例に対応している。
(拡張流路部431,432の詳細構成)
続いて、図14,図15に加えて図17,図18を参照して、上記した拡張流路部431,432の詳細構成について、説明する。図17,図18はそれぞれ、変形例1等に係るノズル孔H1,H2および拡張流路部の位置関係の一例を、模式的に断面図(Y-Z断面図)で表したものである。具体的には、図17(A)は、図14中におけるVII付近の断面構成を拡大して示したものであり、図17(B)は、後述する比較例5に係るインクジェットヘッド504(ヘッドチップ500)における断面構成を、図17(A)と対比して示したものである。また、図18(A)は、図15中におけるVIII付近の断面構成を拡大して示したものであり、図18(B)は、後述する比較例6に係るインクジェットヘッド604(ヘッドチップ600)における断面構成を、図18(A)と対比して示したものである。
まず、この変形例1のヘッドチップ41aでは、これらの拡張流路部431,432(開口部H31,H32)におけるY軸方向に沿った両端部はそれぞれ、壁部W1(または壁部W2)におけるY軸方向に沿った両端部よりも内側(いわゆるポンプ室内)に、位置している(図14,図15参照)。
具体的には、図14に示したように、拡張流路部431における第1供給スリットSin1側の端部が、壁部W1における第1供給スリットSin1側の端部を基準位置として、その基準位置よりも第1排出スリットSout1側に配置されている。また、拡張流路部431における第1排出スリットSout1側の端部も、壁部W1における第1排出スリットSout1側の端部を基準位置として、その基準位置よりも第1供給スリットSin1側に配置されている。同様に、拡張流路部431における前述した第2供給スリット側の端部が、壁部W2における第2供給スリット側の端部を基準位置として、その基準位置よりも前述した第2排出スリット側に配置されている。また、拡張流路部431における第2排出スリット側の端部も、壁部W2における第2排出スリット側の端部を基準位置として、その基準位置よりも第2供給スリット側に配置されている。
一方、図15に示したように、拡張流路部432における第1排出スリットSout1側の端部が、壁部W1における第1排出スリットSout1側の端部を基準位置として、その基準位置よりも第1供給スリットSin1側に配置されている。また、拡張流路部432における第1供給スリットSin1側の端部も、壁部W1における第1供給スリットSin1側の端部を基準位置として、その基準位置よりも第1排出スリットSout1側に配置されている。同様に、拡張流路部432における第2排出スリット側の端部が、壁部W2における第2排出スリット側の端部を基準位置として、その基準位置よりも第2供給スリット側に配置されている。また、拡張流路部432における第2供給スリット側の端部も、壁部W2における第2供給スリット側の端部を基準位置として、その基準位置よりも第2排出スリット側に配置されている。
また、図17(A)に示したように、この変形例1のヘッドチップ41aでは、拡張流路部431におけるY軸方向に沿った中心位置Ph31が、ノズル孔H11の中心位置Pn11よりも、Y軸方向に沿って、第1供給スリットSin1側にずれている。同様に、このヘッドチップ41aでは、拡張流路部431におけるY軸方向に沿った中心位置Ph31が、ノズル孔H21の中心位置よりも、Y軸方向に沿って、第2供給スリット側にずれている。
なお、これに対して、図17(B)に示した比較例5のヘッドチップ500では、拡張流路部501におけるY軸方向に沿った中心位置Ph31が、ノズル孔H11の中心位置Pn11よりも、Y軸方向に沿って、逆に、第1排出スリットSout1側にずれている。同様に、この比較例5のヘッドチップ500では、拡張流路部501におけるY軸方向に沿った中心位置Ph31が、ノズル孔H21の中心位置よりも、Y軸方向に沿って、逆に、第2排出スリット側にずれている。
一方、図18(A)に示したように、この変形例1のヘッドチップ41aでは、拡張流路部432におけるY軸方向に沿った中心位置Ph32が、ノズル孔H12の中心位置Pn12よりも、Y軸方向に沿って、第1排出スリットSout1側にずれている。同様に、このヘッドチップ41aでは、拡張流路部432におけるY軸方向に沿った中心位置Ph32が、ノズル孔H22の中心位置よりも、Y軸方向に沿って、第2排出スリット側にずれている。
なお、これに対して、図18(B)に示した比較例6のヘッドチップ600では、拡張流路部602におけるY軸方向に沿った中心位置Ph32が、ノズル孔H12の中心位置Pn12よりも、Y軸方向に沿って、逆に、第1供給スリットSin1側にずれている。同様に、この比較例6のヘッドチップ600では、拡張流路部602におけるY軸方向に沿った中心位置Ph32が、ノズル孔H22の中心位置よりも、Y軸方向に沿って、逆に、第2供給スリット側にずれている。
(作用・効果)
このような構成の変形例1のインクジェットヘッド4a(ヘッドチップ41a)においても、基本的には、実施の形態のインクジェットヘッド4(ヘッドチップ41)と同様の作用により、同様の効果を得ることが可能である。
また、特にこの変形例1では、上記したような拡張流路部431,432がそれぞれ、ヘッドチップ41aに形成されている。具体的には、ノズル孔H11,H21付近に、これらのノズル孔H11,H21付近におけるインク9の流路の断面積(ノズル孔付近流路断面積Sf3)を広げる、拡張流路部431が形成されている(図14参照)。また、ノズル孔H12,H22付近に、これらのノズル孔H12,H22付近におけるインク9の流路の断面積(ノズル孔付近流路断面積Sf4)を広げる、拡張流路部432が形成されている(図15参照)。
そして、この変形例1では上記したように、拡張流路部431におけるY軸方向に沿った中心位置Ph31が、ノズル孔H11の中心位置Pn11よりも、Y軸方向に沿って、第1供給スリットSin1側にずれている(図17(A)参照)。同様に、拡張流路部431におけるY軸方向に沿った中心位置Ph31が、ノズル孔H21の中心位置よりも、Y軸方向に沿って、第2供給スリット側にずれている。また、拡張流路部432におけるY軸方向に沿った中心位置Ph32が、ノズル孔H12の中心位置Pn12よりも、Y軸方向に沿って、第1排出スリットSout1側にずれている(図18(A)参照)。同様に、拡張流路部432におけるY軸方向に沿った中心位置Ph32が、ノズル孔H22の中心位置よりも、Y軸方向に沿って、第2排出スリット側にずれている。
この変形例1では、このような配置位置の拡張流路部431,432がそれぞれ形成されていることで、前述した実施の形態(拡張流路部431,432を有する位置合わせプレート415を省いた構成:図3,図4参照)と比べ、以下のようになる。
すなわち、この変形例1では実施の形態と比べて、吐出チャネルC1e1,C1e2間における、第1入口側流路断面積Sfin1の差が小さくなり、インク9の流入側からノズル孔H11,H12までの圧力損失も、小さくなる。その結果、この変形例1では実施の形態と比べ、吐出チャネルC1e1,C1e2間における、ノズル孔H11,H12付近での定常時の圧力の差も小さくなり、ヘッドチップ41a全体での水頭値マージンが増加することから、インクジェットヘッド4におけるインク9の吐出特性が、向上することになる。なお、このような作用は、各ノズル孔H21と連通する吐出チャネルC2eと、各ノズル孔H22と連通する吐出チャネルC2eとの間においても、同様に生じる。
ちなみに、上記した圧力の差が増大した場合、具体的には、例えば以下のようにして、インク9の吐出特性が、低下してしまうおそれがある。すなわち、例えば吐出チャネルC1e1,C1e2のうち、一方では、適切なメニスカスが形成される圧力になっているにも関わらず、他方では、ノズル孔H11またはノズル孔H12付近での圧力が高くなり過ぎてメニスカスが壊れ、インク9が漏れ出してしまうおそれがある。また、逆に、そのような圧力が低くなり過ぎてメニスカスが壊れ、吐出チャネルC1e1または吐出チャネルC1e2に気泡が混入する結果、インク9が不吐出になってしまうおそれがある。
なお、このような圧力の差異に起因した、インク9の吐出特性の低下は、各ノズル孔H21と連通する吐出チャネルC2eと、各ノズル孔H22と連通する吐出チャネルC2eとの間においても、同様にして生じ得るものである。
ちなみに、これに対して、前述した比較例5,6の場合(図17(B),図18(B)参照)では、各拡張流路部501,602の配置位置が、上記した変形例1の配置位置とは異なっていることから、以下のようになる。すなわち、比較例5では、例えば前述したように、拡張流路部501におけるY軸方向に沿った中心位置Ph31が、ノズル孔H11の中心位置Pn11よりも、Y軸方向に沿って、逆に、第1排出スリットSout1側にずれている(図17(B)参照)。また、比較例6では、例えば前述したように、拡張流路部602におけるY軸方向に沿った中心位置Ph32が、ノズル孔H12の中心位置Pn12よりも、Y軸方向に沿って、逆に、第1供給スリットSin1側にずれている(図18(B)参照)。したがって、これらの比較例5,6では、例えば、上記した吐出チャネルC1e1,C1e2間における、ノズル孔H11,H12付近での定常時の圧力の差が、逆に増大し、上記した水頭値マージンが更に低下してしまうことから、インク9の吐出特性も、更に低下してしまうおそれがある。
また、この変形例1では、拡張流路部431,432がそれぞれ、位置合わせプレート415における開口部H31,H32(各ノズル孔H1,H2の位置合わせをするための開口部)を含むようにして構成されていることから、以下のようになる。すなわち、この位置合わせプレート415における既存の開口部H31,H32を用いて、上記した拡張流路部431,432をそれぞれ、簡便かつ精度良く形成することができる。よって、ヘッドチップ41aの製造コストを更に抑えつつ、インク9の吐出特性を更に向上させて、印刷画質を更に向上させることが可能となる。
更に、この変形例1では、拡張流路部431,432(開口部H31,H32)におけるY軸方向に沿った両端部がそれぞれ、前述したように、壁部W1(または壁部W2)におけるY軸方向に沿った両端部よりも、内側(ポンプ室内)に位置している(図14,図15参照)ことから、以下のようになる。すなわち、例えば吐出チャネルC1e1,C1e2の内部においてそれぞれ、圧力特性の不均一性が低減し、インク9の吐出特性が更に向上する結果、印刷画質を更に向上させることが可能となる。
[変形例2]
(構成)
図19,図20はそれぞれ、変形例2等に係るノズル孔H1,H2および拡張流路部の位置関係の一例を、模式的に断面図(Y-Z断面図)で表したものである。具体的には、図19(A)は、変形例2に係るインクジェットヘッド4b(ヘッドチップ41b)における拡張流路部431b等の断面構成を、示したものである。図19(B),図19(C)はそれぞれ、前述した変形例1の拡張流路部431等、および、比較例5の拡張流路部501等における各断面構成(前述した図17(A),図17(B)に示した各断面構成)を、対比して示したものである。また、図20(A)は、変形例2に係るインクジェットヘッド4b(ヘッドチップ41b)における拡張流路部432b等の断面構成を、示したものである。図20(B),図20(C)はそれぞれ、前述した変形例1の拡張流路部432等、および、比較例6の拡張流路部602等における各断面構成(前述した図18(A),図18(B)に示した各断面構成)を、対比して示したものである。
図19(A),図20(A)に示したように、この変形例2のインクジェットヘッド4bは、変形例1のインクジェットヘッド4aにおいて、ヘッドチップ41aの代わりに、ヘッドチップ41bを設けるようにしたものに対応している。なお、このようなインクジェットヘッド4bは、本開示における「液体噴射ヘッド」の一具体例に対応している。
このヘッドチップ41bでは、ヘッドチップ41aにおける拡張流路部431,432の代わりにそれぞれ、以下説明する拡張流路部431b,432bが、形成されている(図19(A),図20(A)参照)。
なお、このような拡張流路部431bは、本開示における「第1拡張流路部」の一具体例に対応している。同様に、拡張流路部432bは、本開示における「第2拡張流路部」の一具体例に対応している。
図19(A)に示したように、この拡張流路部431bにおけるY軸方向に沿った中心位置Ph31は、ノズル孔H11の中心位置Pn11と、一致している。同様に、拡張流路部431bにおけるY軸方向に沿った中心位置Ph31は、ノズル孔H21の中心位置と、一致している。
また、図20(A)に示したように、拡張流路部432bにおけるY軸方向に沿った中心位置Ph32は、ノズル孔H12の中心位置Pn12と、一致している。同様に、拡張流路部432bにおけるY軸方向に沿った中心位置Ph32は、ノズル孔H22の中心位置と、一致している。
(作用・効果)
このような構成の変形例2のインクジェットヘッド4b(ヘッドチップ41b)においても、基本的には、変形例1のインクジェットヘッド4a(ヘッドチップ41a)と同様の作用により、同様の効果を得ることが可能である。
具体的には、この変形例2では変形例1とは異なり、上記したように、拡張流路部431bにおけるY軸方向に沿った中心位置Ph31が、ノズル孔H11の中心位置Pn11およびノズル孔H21の中心位置と、それぞれ一致している。同様に、上記したように、拡張流路部432bにおけるY軸方向に沿った中心位置Ph32が、ノズル孔H12の中心位置Pn12およびノズル孔H22の中心位置と、それぞれ一致している。このような変形例2においても、上記した変形例1と同様の作用により、ヘッドチップ41b全体での水頭値マージンが増加する結果、インクジェットヘッド4bにおけるインク9の吐出特性が向上する。よって、この変形例2においても変形例1と同様に、ヘッドチップ41bの製造コストを抑えつつ、印刷画質を向上させることが可能となる。
<3.その他の変形例>
以上、実施の形態および変形例を挙げて本開示を説明したが、本開示はこれらの実施の形態等に限定されず、種々の変形が可能である。
例えば、上記実施の形態等では、プリンタおよびインクジェットヘッドにおける各部材の構成例(形状、配置、個数等)を具体的に挙げて説明したが、上記実施の形態等で説明したものには限られず、他の形状や配置、個数等であってもよい。また、上記実施の形態等で説明した各種パラメータの値や範囲、大小関係等についても、上記実施の形態等で説明したものには限られず、他の値や範囲、大小関係等であってもよい。
具体的には、例えば、上記実施の形態等では、2列タイプの(2列のノズル列An1,An2を有する)インクジェットヘッド4を挙げて説明したが、この例には限られない。すなわち、例えば、1列タイプ(1列のノズル列を有する)のインクジェットヘッドや、3列以上(例えば3列や4列など)の複数例タイプ(3列以上のノズル列を有する)インクジェットヘッドであってもよい。
また、上記実施の形態等では、ノズル孔H1(H11,H12),H2(H21,H22)のずらし配置の例(千鳥配置の例)や、各種プレート(ノズルプレート、アクチュエータプレート、カバープレートおよび位置合わせプレート)の構成例等について、具体的に説明したが、これらの例には限られない。すなわち、各ノズル孔のずらし配置や、各種プレートの構成については、他の構成例であってもよい。
また、上記実施の形態等では、各吐出チャネル(吐出溝)および各ダミーチャネル(非吐出溝)がそれぞれ、アクチュエータプレート内でY軸方向(各チャネルの並設方向に対する直交方向)に沿って延在している場合を例に挙げて説明したが、この例には限られない。すなわち、例えば、各吐出チャネルおよび各ダミーチャネルがそれぞれ、アクチュエータプレート内で、斜め方向(X軸方向,Y軸方向の各々と角度を成す方向)に沿って延在しているようにしてもよい。
また、上記実施の形態等では、共通電極Edcの形状(前述した第1部分Edc1および第2部分Edc2を含む2段構造)について、具体的に説明したが、この共通電極Edcの形状は、この例には限られない。また、上記実施の形態等では、この共通電極Edc1において、第2部分Edc2の電極長Le2が、第1部分Edcの電極長Le1よりも小さくなっている(Le2<Le1)場合を例に挙げて説明したが、この例には限られない。すなわち、場合によっては、例えば、これらの電極長Le1,Le2が互いに等しくなっていたり(Le1=Le2)、逆に、電極長Le1が電極長Le2よりも小さくなっている(Le1<Le2)ようにしてもよい。
更に、例えば、ノズル孔H1,H2の断面形状については、上記実施の形態等で説明したような円形状には限られず、例えば、楕円形状や、三角形状等の多角形状、星型形状などであってもよい。また、吐出チャネルC1e,C2eおよびダミーチャネルC1d,C2dの各断面形状についても、上記実施の形態等では、ダイサーによる切削加工によって形成されることで、円弧状(曲面状)の側面となっている場合を例に挙げて説明したが、この例には限られない。すなわち、例えば、そのようなダイサーによる切削加工以外の加工方法(エッチングやブラスト加工など)を用いて形成することで、吐出チャネルC1e,C2eおよびダミーチャネルC1d,C2dの各断面形状が、円弧状以外の各種の側面形状となるようにしてもよい。
また、上記変形例1,2では、拡張流路部431,432,431b,432bがいずれも、位置合わせプレート415における開口部H31,H32を含むようにして構成されている場合を例に挙げて説明したが、この例には限られない。すなわち、このような拡張流路部431,432,431b,432bがそれぞれ、例えば、ノズルプレート411またはアクチュエータプレート412に、設けられているようにしてもよい。
加えて、上記実施の形態等では、インクタンクとインクジェットヘッドとの間でインク9を循環させて利用する、循環式のインクジェットヘッドを例に挙げて説明したが、この例には限られない。すなわち、例えば場合によっては、インク9を循環させずに利用する、非循環式のインクジェットヘッドにおいて、本開示を適用するようにしてもよい。
また、インクジェットヘッドの構造としては、各タイプのものを適用することが可能である。すなわち、例えば上記実施の形態等では、アクチュエータプレートにおける各吐出チャネルの延在方向の中央部からインク9を吐出する、いわゆるサイドシュートタイプのインクジェットヘッドを例に挙げて説明した。ただし、この例には限られず、他のタイプのインクジェットヘッドにおいて、本開示を適用するようにしてもよい。
更には、プリンタの方式としても、上記実施の形態等で説明した方式には限られず、例えば、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)方式など、各種の方式を適用することが可能である。
また、上記実施の形態等で説明した一連の処理は、ハードウェア(回路)で行われるようにしてもよいし、ソフトウェア(プログラム)で行われるようにしてもよい。ソフトウェアで行われるようにした場合、そのソフトウェアは、各機能をコンピュータにより実行させるためのプログラム群で構成される。各プログラムは、例えば、上記コンピュータに予め組み込まれて用いられてもよいし、ネットワークや記録媒体から上記コンピュータにインストールして用いられてもよい。
更に、上記実施の形態等では、本開示における「液体噴射記録装置」の一具体例として、プリンタ1(インクジェットプリンタ)を挙げて説明したが、この例には限られず、インクジェットプリンタ以外の他の装置にも、本開示を適用することが可能である。換言すると、本開示の「液体噴射ヘッド」(インクジェットヘッド)を、インクジェットプリンタ以外の他の装置に適用するようにしてもよい。具体的には、例えば、ファクシミリやオンデマンド印刷機などの装置に、本開示の「液体噴射ヘッド」を適用するようにしてもよい。
加えて、これまでに説明した各種の例を、任意の組み合わせで適用させるようにしてもよい。
なお、本明細書中に記載された効果はあくまで例示であって限定されるものではなく、また、他の効果があってもよい。
また、本開示は、以下のような構成を取ることも可能である。
(1)
液体を噴射するヘッドチップであって、
所定方向に沿って並んで配置された複数の吐出溝と、前記複数の吐出溝の側壁に個別に設けられていると共に、前記吐出溝の延在方向に沿って延在する複数の電極と、を有するアクチュエータプレートと、
前記複数の吐出溝に個別に連通する複数のノズル孔を有するノズルプレートと、
前記吐出溝を覆う壁部と、前記吐出溝の延在方向に沿って前記壁部の一方側に形成されていると共に、前記吐出溝内に前記液体を流入させるための第1貫通孔と、前記吐出溝の延在方向に沿って前記壁部の他方側に形成されていると共に、前記吐出溝内から前記液体を流出させるための第2貫通孔と、を有するカバープレートと
を備え、
前記複数のノズル孔は、
前記吐出溝の延在方向に沿った中心位置を基準として、前記吐出溝の延在方向に沿った前記第1貫通孔側にずれて配置された複数の第1ノズル孔と、
前記吐出溝の延在方向に沿った中心位置を基準として、前記吐出溝の延在方向に沿った前記第2貫通孔側にずれて配置された複数の第2ノズル孔と
を含んでおり、
前記第1ノズル孔と連通する前記吐出溝である第1吐出溝においては、前記第1貫通孔と連通する部分における前記液体の流路の断面積である第1断面積が、前記第2貫通孔と連通する部分における前記液体の流路の断面積である第2断面積よりも、小さくなっていると共に、
前記第2ノズル孔と連通する前記吐出溝である第2吐出溝においては、前記第2断面積が前記第1断面積よりも、小さくなっており、
前記電極における前記吐出溝の延在方向に沿った両端の位置がそれぞれ、前記所定方向に沿った前記複数の電極において、互いに揃っている
ヘッドチップ。
(2)
前記電極は、
前記吐出溝における前記ノズルプレート側の前記側壁に設けられた第1部分と、
前記吐出溝における前記カバープレート側の前記側壁に設けられた第2部分と
を含んでおり、
前記第2部分における前記吐出溝の延在方向に沿った長さが、前記第1部分における前記吐出溝の延在方向に沿った長さよりも、小さくなっていると共に、
前記第1部分および前記第2部分の各々における、前記吐出溝の延在方向に沿った両端の位置がそれぞれ、前記所定方向に沿った前記複数の電極において、互いに揃っている
上記(1)に記載のヘッドチップ。
(3)
前記第1ノズル孔付近に、前記第1ノズル孔付近における前記液体の流路の断面積である第3断面積を広げる、第1拡張流路部が形成されていると共に、
前記第2ノズル孔付近に、前記第2ノズル孔付近における前記液体の流路の断面積である第4断面積を広げる、第2拡張流路部が形成されており、
前記第1拡張流路部における前記吐出溝の延在方向に沿った中心位置が、前記第1ノズル孔の中心位置である第1中心位置と一致するか、または、前記第1中心位置よりも前記吐出溝の延在方向に沿って前記第1貫通孔側にずれていると共に、
前記第2拡張流路部における前記吐出溝の延在方向に沿った中心位置が、前記第2ノズル孔の中心位置である第2中心位置と一致するか、または、前記第2中心位置よりも前記吐出溝の延在方向に沿って前記第2貫通孔側にずれている
上記(1)または(2)に記載のヘッドチップ。
(4)
前記アクチュエータプレートと前記ノズルプレートとの間に配置されると共に、前記ノズル孔の位置合わせをするための第3貫通孔を前記ノズル孔ごとに有する、位置合わせプレートを更に備え、
前記第1拡張流路部および前記第2拡張流路部がそれぞれ、前記位置合わせプレートにおける前記第3貫通孔を含むようにして構成されている
上記(3)に記載のヘッドチップ。
(5)
前記第1吐出溝内においては、前記壁部の前記第1貫通孔側の壁面に対応する位置における前記液体の流路の断面積である第5断面積が、前記壁部の前記第2貫通孔側の壁面に対応する位置における前記液体の流路の断面積である第6断面積よりも、小さくなっていると共に、
前記第2吐出溝内においては、前記第6断面積が、前記第5断面積よりも小さくなっている
上記(1)ないし(4)のいずれかに記載のヘッドチップ。
(6)
上記(1)ないし(5)のいずれかに記載のヘッドチップを備えた
液体噴射ヘッド。
(7)
上記(6)に記載の液体噴射ヘッドを備えた
液体噴射記録装置。
1…プリンタ、10…筺体、2a,2b…搬送機構、21…グリッドローラ、22…ピンチローラ、3(3Y,3M,3C,3K)…インクタンク、4(4Y,4M,4C,4K),4a,4b…インクジェットヘッド、41,41a,41b…ヘッドチップ、411…ノズルプレート、412…アクチュエータプレート、413…カバープレート、415…位置合わせプレート、420…尾部、421,422…チャネル列、431,431a,431b,432,432a,432b…拡張流路部、50…循環流路、50a,50b…流路(供給チューブ)、6…走査機構、61a,61b…ガイドレール、62…キャリッジ、63…駆動機構、631a,631b…プーリ、632…無端ベルト、633…駆動モータ、9…インク、P…記録紙、d…搬送方向、H1,H11,H12,H2,H21,H22…ノズル孔、H31,H32…開口部、An1,An11,An12,An2,An21,An22…ノズル列、C1,C2…チャネル、C1e(C1e1,C1e2),C2e…吐出チャネル、C1d,C2d…ダミーチャネル(非吐出チャネル)、Wd…駆動壁、Ed…駆動電極、Eda…個別電極(アクティブ電極)、Edc…共通電極(コモン電極)、Edc1…第1部分、Edc2…第2部分、Pda…個別電極パッド、Pdc…共通電極パッド、D…溝、Rin1,Rin2…入口側共通流路、Rout1,Rout2…出口側共通流路、Sin1…第1供給スリット、Sout1…第1排出スリット、Sp1…第1スリット対、W1,W2…壁部、Lw1…第1ポンプ長、Lin1…第1供給スリット長、Lout1…第1排出スリット長、Le1,Le2…電極長、Win1…第1入口側流路幅、Wout1…第1出口側流路幅、Sfin1…第1入口側流路断面積、Sfout1…第1出口側流路断面積、Sf3,Sf4…ノズル孔付近流路断面積、Sf5,Sf6…壁面位置流路断面積、Pc1,Pn11,Pn12,Ph31,Ph32…中心位置、Pe1a,Pe1b,Pe2a,Pe2b…端部位置、M…マスク、Ap1,Ap2…開口部、Ev1,Ev2…蒸着方向、SL…加工スリット。

Claims (7)

  1. 液体を噴射するヘッドチップであって、
    所定方向に沿って並んで配置された複数の吐出溝と、前記複数の吐出溝の側壁に個別に設けられていると共に、前記吐出溝の延在方向に沿って延在する複数の電極と、を有するアクチュエータプレートと、
    前記複数の吐出溝に個別に連通する複数のノズル孔を有するノズルプレートと、
    前記吐出溝を覆う壁部と、前記吐出溝の延在方向に沿って前記壁部の一方側に形成されていると共に、前記吐出溝内に前記液体を流入させるための第1貫通孔と、前記吐出溝の延在方向に沿って前記壁部の他方側に形成されていると共に、前記吐出溝内から前記液体を流出させるための第2貫通孔と、を有するカバープレートと
    を備え、
    前記複数のノズル孔は、
    前記吐出溝の延在方向に沿った中心位置を基準として、前記吐出溝の延在方向に沿った前記第1貫通孔側にずれて配置された複数の第1ノズル孔と、
    前記吐出溝の延在方向に沿った中心位置を基準として、前記吐出溝の延在方向に沿った前記第2貫通孔側にずれて配置された複数の第2ノズル孔と
    を含んでおり、
    前記第1ノズル孔と連通する前記吐出溝である第1吐出溝においては、前記第1貫通孔と連通する部分における前記液体の流路の断面積である第1断面積が、前記第2貫通孔と連通する部分における前記液体の流路の断面積である第2断面積よりも、小さくなっていると共に、
    前記第2ノズル孔と連通する前記吐出溝である第2吐出溝においては、前記第2断面積が前記第1断面積よりも、小さくなっており、
    前記電極における前記吐出溝の延在方向に沿った両端の位置がそれぞれ、前記所定方向に沿った前記複数の電極において、互いに揃っている
    ヘッドチップ。
  2. 前記電極は、
    前記吐出溝における前記ノズルプレート側の前記側壁に設けられた第1部分と、
    前記吐出溝における前記カバープレート側の前記側壁に設けられた第2部分と
    を含んでおり、
    前記第2部分における前記吐出溝の延在方向に沿った長さが、前記第1部分における前記吐出溝の延在方向に沿った長さよりも、小さくなっていると共に、
    前記第1部分および前記第2部分の各々における、前記吐出溝の延在方向に沿った両端の位置がそれぞれ、前記所定方向に沿った前記複数の電極において、互いに揃っている
    請求項1に記載のヘッドチップ。
  3. 前記第1ノズル孔付近に、前記第1ノズル孔付近における前記液体の流路の断面積である第3断面積を広げる、第1拡張流路部が形成されていると共に、
    前記第2ノズル孔付近に、前記第2ノズル孔付近における前記液体の流路の断面積である第4断面積を広げる、第2拡張流路部が形成されており、
    前記第1拡張流路部における前記吐出溝の延在方向に沿った中心位置が、前記第1ノズル孔の中心位置である第1中心位置と一致するか、または、前記第1中心位置よりも前記吐出溝の延在方向に沿って前記第1貫通孔側にずれていると共に、
    前記第2拡張流路部における前記吐出溝の延在方向に沿った中心位置が、前記第2ノズル孔の中心位置である第2中心位置と一致するか、または、前記第2中心位置よりも前記吐出溝の延在方向に沿って前記第2貫通孔側にずれている
    請求項1または請求項2に記載のヘッドチップ。
  4. 前記アクチュエータプレートと前記ノズルプレートとの間に配置されると共に、前記ノズル孔の位置合わせをするための第3貫通孔を前記ノズル孔ごとに有する、位置合わせプレートを更に備え、
    前記第1拡張流路部および前記第2拡張流路部がそれぞれ、前記位置合わせプレートにおける前記第3貫通孔を含むようにして構成されている
    請求項3に記載のヘッドチップ。
  5. 前記第1吐出溝内においては、前記壁部の前記第1貫通孔側の壁面に対応する位置における前記液体の流路の断面積である第5断面積が、前記壁部の前記第2貫通孔側の壁面に対応する位置における前記液体の流路の断面積である第6断面積よりも、小さくなっていると共に、
    前記第2吐出溝内においては、前記第6断面積が、前記第5断面積よりも小さくなっている
    請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載のヘッドチップ。
  6. 請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載のヘッドチップを備えた
    液体噴射ヘッド。
  7. 請求項6に記載の液体噴射ヘッドを備えた
    液体噴射記録装置。
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