JP2022042309A - 熱伝導部材及びその製造方法、並びに放熱構造体 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、高い熱伝導性を有し、かつ優れた柔軟性を有する熱伝導部材、及びその製造方法、熱伝導部材を用いた放熱構造体を提供することを目的とする。【解決手段】少なくともバインダ樹脂と、熱異方性材料と、非熱異方性材料とを含有する熱伝導部材であって、円柱状の前記熱伝導部材を、前記熱伝導部材の円形の面と接するように2つの矩形の板状物で挟持し、圧縮したときの圧縮応力(A)と、前記円形の面と略同面積の矩形の面を有する矩形状の前記熱伝導部材を、前記熱伝導部材の前記矩形の面と接するように2つの矩形の板状物で挟持し、圧縮したときの圧縮応力(B)とが、A<Bを満たす熱伝導部材である。【選択図】なし
Description
本発明は、熱伝導部材及びその製造方法、並びに放熱構造体に関する。
パーソナルコンピュータ等の電気機器やその他の機器に搭載されている半導体素子においては、駆動により発生した熱が蓄積されると前記半導体素子の駆動や周辺機器への悪影響が生じる。特に、パーソナルコンピュータのCPUなどの電子部品においては、高速化、高性能化に伴い放熱量が年々増大する傾向にあるが、プロセッサ等のチップサイズは微細シリコン回路技術の進歩によって、従来の部材と同等又は小型化が進み、単位面積あたりの発熱量が高くなっている。
このため、前記半導体素子においては各種冷却方法が用いられており、前記冷却方法としては、当該機器にファンを取り付けて機器筐体内の空気を冷却する方法や、半導体素子に放熱フィン、放熱板等のヒートシンクを取り付けて熱を放出する方法などが知られている。
半導体素子にヒートシンクを取り付けて熱を放出する方法としては、半導体素子の熱を効率よく放出させるために半導体素子とヒートシンクとの間に熱伝導部材が設けられている。従来の熱伝導部材としては、シリコーン樹脂に炭素繊維等の熱伝導性フィラー等の充填剤を分散含有させたものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
前記熱伝導性フィラーとしては、炭素繊維、窒化ホウ素等の熱伝導の異方性を有するものが知られている。熱伝導性フィラーとして炭素繊維を用いた場合は、繊維の方向に約600W/m・K~1,200W/m・Kの熱伝導率を有し、窒化ホウ素を用いた場合には、面方向に約110W/m・K、面方向と垂直な方向に約2W/m・Kの熱伝導率を有する。
このため、前記半導体素子においては各種冷却方法が用いられており、前記冷却方法としては、当該機器にファンを取り付けて機器筐体内の空気を冷却する方法や、半導体素子に放熱フィン、放熱板等のヒートシンクを取り付けて熱を放出する方法などが知られている。
半導体素子にヒートシンクを取り付けて熱を放出する方法としては、半導体素子の熱を効率よく放出させるために半導体素子とヒートシンクとの間に熱伝導部材が設けられている。従来の熱伝導部材としては、シリコーン樹脂に炭素繊維等の熱伝導性フィラー等の充填剤を分散含有させたものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
前記熱伝導性フィラーとしては、炭素繊維、窒化ホウ素等の熱伝導の異方性を有するものが知られている。熱伝導性フィラーとして炭素繊維を用いた場合は、繊維の方向に約600W/m・K~1,200W/m・Kの熱伝導率を有し、窒化ホウ素を用いた場合には、面方向に約110W/m・K、面方向と垂直な方向に約2W/m・Kの熱伝導率を有する。
前記熱伝導部材の熱伝導率を向上させるには前記熱伝導性フィラーを高充填することが必要となるが、熱導電性フィラーを高充填すると熱伝導部材が硬くなり、柔軟性が損なわれる。このような熱伝導部材を用いると前記半導体素子に対して物理的な負荷がかかるという問題があった。
本発明は、従来における前記諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、高い熱伝導性を有し、かつ優れた柔軟性を有する熱伝導部材、及びその製造方法、熱伝導部材を用いた放熱構造体を提供することを目的とする。
本発明は、従来における前記諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、高い熱伝導性を有し、かつ優れた柔軟性を有する熱伝導部材、及びその製造方法、熱伝導部材を用いた放熱構造体を提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
<1> 少なくともバインダ樹脂と、熱異方性材料と、非熱異方性材料とを含有する熱伝導部材であって、
円柱状の前記熱伝導部材を、前記熱伝導部材の円形の面と接するように2つの矩形の板状物で挟持し、圧縮したときの圧縮応力(A)と、
前記円形の面と略同面積の矩形の面を有する矩形状の前記熱伝導部材を、前記熱伝導部材の前記矩形の面と接するように2つの矩形の板状物で挟持し、圧縮したときの圧縮応力(B)とが、A<Bを満たすことを特徴とする熱伝導部材である。
<2> 前記熱異方性材料が繊維状材料であり、繊維の長手方向が前記熱伝導部材の厚み方向に配向している、前記<1>に記載の熱伝導部材である。
<3> 前記繊維状材料が炭素繊維である、前記<2>に記載の熱伝導部材である。
<4> 前記炭素繊維の外周が被覆されている、前記<3>に記載の熱伝導部材である。
<5> 前記非熱異方性材料が、アルミナ、アルミニウム、酸化亜鉛、窒化ホウ素、及び窒化アルミニウムの少なくともいずれかである、前記<1>から<4>のいずれかに記載の熱伝導部材である。
<6> 発熱体と、略円形に加工された前記<1>から<5>に記載の熱伝導部材と、放熱部材とをこの順で備えることを特徴とする放熱構造体である。
<7>前記<1>から<5>のいずれかに記載の熱伝導部材を製造する方法であって、
少なくともバインダ樹脂と、熱異方性材料と、非熱異方性材料と、を混錬し樹脂組成物を得る樹脂組成物調製工程と、
前記熱異方性材料を一方向に配向させて、前記樹脂組成物の成型体を得る成型体作製工程と、
前記成型体を、前記熱異方性材料が配向する方向に対して略垂直方向に切断し、成型体シートを得る成型体シート作製工程と、
を含むことを特徴とする熱伝導部材の製造方法である。
<1> 少なくともバインダ樹脂と、熱異方性材料と、非熱異方性材料とを含有する熱伝導部材であって、
円柱状の前記熱伝導部材を、前記熱伝導部材の円形の面と接するように2つの矩形の板状物で挟持し、圧縮したときの圧縮応力(A)と、
前記円形の面と略同面積の矩形の面を有する矩形状の前記熱伝導部材を、前記熱伝導部材の前記矩形の面と接するように2つの矩形の板状物で挟持し、圧縮したときの圧縮応力(B)とが、A<Bを満たすことを特徴とする熱伝導部材である。
<2> 前記熱異方性材料が繊維状材料であり、繊維の長手方向が前記熱伝導部材の厚み方向に配向している、前記<1>に記載の熱伝導部材である。
<3> 前記繊維状材料が炭素繊維である、前記<2>に記載の熱伝導部材である。
<4> 前記炭素繊維の外周が被覆されている、前記<3>に記載の熱伝導部材である。
<5> 前記非熱異方性材料が、アルミナ、アルミニウム、酸化亜鉛、窒化ホウ素、及び窒化アルミニウムの少なくともいずれかである、前記<1>から<4>のいずれかに記載の熱伝導部材である。
<6> 発熱体と、略円形に加工された前記<1>から<5>に記載の熱伝導部材と、放熱部材とをこの順で備えることを特徴とする放熱構造体である。
<7>前記<1>から<5>のいずれかに記載の熱伝導部材を製造する方法であって、
少なくともバインダ樹脂と、熱異方性材料と、非熱異方性材料と、を混錬し樹脂組成物を得る樹脂組成物調製工程と、
前記熱異方性材料を一方向に配向させて、前記樹脂組成物の成型体を得る成型体作製工程と、
前記成型体を、前記熱異方性材料が配向する方向に対して略垂直方向に切断し、成型体シートを得る成型体シート作製工程と、
を含むことを特徴とする熱伝導部材の製造方法である。
本発明によると、従来における前記諸問題を解決し、前記目的を達成することができ、高い熱伝導性を有し、かつ優れた柔軟性を有する熱伝導部材、及びその製造方法、熱伝導部材を用いた放熱構造体を提供することができる。
(熱伝導部材)
本発明の熱伝導部材は、少なくともバインダ樹脂と、熱異方性材料と、非熱異方性材料とを含有し、添加剤を含有することが好ましく、更に必要に応じてその他の成分を含有することができる。
本発明の熱伝導部材は、少なくともバインダ樹脂と、熱異方性材料と、非熱異方性材料とを含有し、添加剤を含有することが好ましく、更に必要に応じてその他の成分を含有することができる。
本発明の熱伝導部材は、下記(1)を満たす。これにより、高い熱伝導性を有し、かつ優れた柔軟性を有する熱伝導部材が実現できる。
(1)円柱状の前記熱伝導部材を、前記熱伝導部材の円形の面と接するように2つの矩形の板状物で挟持し、圧縮したときの圧縮応力(A)と、
前記円形の面と略同面積の矩形の面を有する矩形状の前記熱伝導部材を、前記熱伝導部材の前記矩形の面と接するように2つの矩形の板状物で挟持し、圧縮したときの圧縮応力(B)とが、A<Bである。
(1)円柱状の前記熱伝導部材を、前記熱伝導部材の円形の面と接するように2つの矩形の板状物で挟持し、圧縮したときの圧縮応力(A)と、
前記円形の面と略同面積の矩形の面を有する矩形状の前記熱伝導部材を、前記熱伝導部材の前記矩形の面と接するように2つの矩形の板状物で挟持し、圧縮したときの圧縮応力(B)とが、A<Bである。
前記圧縮応力としては、例えば、卓上形精密万能試験機 オートグラフ(AGS-50NX、島津製作所製)を用いて、前記熱伝導部材が、矩形の2つの板状物に挟持された状態で、10mm/minの速度、25℃(室温)、50%圧縮した際の応力である。前記矩形の板状物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、SUS304などが挙げられる。
前記熱伝導部材における、前記円形の面の面積と前記矩形の面の面積としては、略同面積であり、前記円形の面の面積と前記矩形の面の面積との差が、0.5%以下が好ましい。
<バインダ樹脂>
前記バインダ樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、熱可塑性樹脂、熱可塑性エラストマー、熱硬化性ポリマーなどが挙げられる。
前記バインダ樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、熱可塑性樹脂、熱可塑性エラストマー、熱硬化性ポリマーなどが挙げられる。
前記熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン-プロピレン共重合体等のエチレン-αオレフィン共重合体、ポリメチルペンテン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ酢酸ビニル、エチレン-酢酸ビニル共重合体、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、ポリフッ化ビニリデン及びポリテトラフルオロエチレン等のフッ素系重合体、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリスチレン、ポリアクリロニトリル、スチレン-アクリロニトリル共重合体、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合体(ABS)樹脂、ポリフェニレン-エーテル共重合体(PPE)樹脂、変性PPE樹脂、脂肪族ポリアミド類、芳香族ポリアミド類、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリメタクリル酸、ポリメタクリル酸メチルエステル等のポリメタクリル酸エステル類、ポリアクリル酸類、ポリカーボネート、ポリフェニレンスルフィド、ポリサルホン、ポリエーテルサルホン、ポリエーテルニトリル、ポリエーテルケトン、ポリケトン、液晶ポリマー、シリコーン樹脂、アイオノマーなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記熱可塑性エラストマーとしては、例えば、スチレン-ブタジエンブロック共重合体又はその水添化物、スチレン-イソプレンブロック共重合体又はその水添化物、スチレン系熱可塑性エラストマー、オレフィン系熱可塑性エラストマー、塩化ビニル系熱可塑性エラストマー、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、ポリウレタン系熱可塑性エラストマー、ポリアミド系熱可塑性エラストマーなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記熱硬化性ポリマーとしては、例えば、架橋ゴム、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ビスマレイミド樹脂、ベンゾシクロブテン樹脂、フェノール樹脂、不飽和ポリエステル、ジアリルフタレート樹脂、シリコーン樹脂、ポリウレタン、ポリイミドシリコーン、熱硬化型ポリフェニレンエーテル、熱硬化型変性ポリフェニレンエーテルなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記架橋ゴムとしては、例えば、天然ゴム、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、ニトリルゴム、水添ニトリルゴム、クロロプレンゴム、エチレンプロピレンゴム、塩素化ポリエチレン、クロロスルホン化ポリエチレン、ブチルゴム、ハロゲン化ブチルゴム、フッ素ゴム、ウレタンゴム、アクリルゴム、ポリイソブチレンゴム、シリコーンゴムなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、成形加工性、耐候性に優れると共に、電子部品に対する密着性及び追従性の点から、前記熱硬化性ポリマーとしては、シリコーン樹脂であることが特に好ましい。
前記シリコーン樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、液状シリコーンゲルの主剤と、硬化剤とを含有することが好ましい。そのようなシリコーン樹脂としては、例えば、付加反応型シリコーン樹脂、過酸化物を加硫に用いる熱加硫型ミラブルタイプのシリコーン樹脂などが挙げられる。これらの中でも、電子部品の発熱面とヒートシンク面との密着性が要求されるため、付加反応型シリコーン樹脂が特に好ましい。
前記付加反応型シリコーン樹脂としては、ビニル基を有するポリオルガノシロキサンを主剤、Si-H基を有するポリオルガノシロキサンを硬化剤とした、2液性の付加反応型シリコーン樹脂が好ましい。
前記液状シリコーンゲルの主剤と、硬化剤との組合せにおいて、前記主剤と前記硬化剤との配合割合としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記バインダ樹脂の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、5体積%以上60体積%以下が好ましく、10体積%以上50体積%以下がより好ましい。
<熱異方性材料>
前記熱異方性材料としては、例えば、窒化ホウ素(BN)粉末、黒鉛、繊維状材料などが挙げられる。これらの中でも、熱異方伝導性の点から繊維状材料が好ましい。
前記繊維状材料としては、前記繊維状材料の長手方向が前記熱伝導部材の厚み方向に配向していれば特に制限はなく、例えば、炭素繊維などが挙げられる。
前記熱異方性材料としては、例えば、窒化ホウ素(BN)粉末、黒鉛、繊維状材料などが挙げられる。これらの中でも、熱異方伝導性の点から繊維状材料が好ましい。
前記繊維状材料としては、前記繊維状材料の長手方向が前記熱伝導部材の厚み方向に配向していれば特に制限はなく、例えば、炭素繊維などが挙げられる。
前記炭素繊維としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ピッチ系炭素繊維、PAN系炭素繊維、PBO繊維を黒鉛化した炭素繊維、アーク放電法、レーザ蒸発法、CVD法(化学気相成長法)、CCVD法(触媒化学気相成長法)等で合成された炭素繊維などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、熱伝導性の点から、PBO繊維を黒鉛化した炭素繊維、PAN系炭素繊維、ピッチ系炭素繊維が好ましく、ピッチ系炭素繊維が特に好ましい。
前記炭素繊維の平均繊維径(平均短軸長さ)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、4μm~20μmであることが好ましく、5μm~14μmであることがより好ましい。
前記炭素繊維自体の熱伝導率としては、熱伝導シートにした際の所望の熱伝導率に応じて適宜選択されるが、150W/m・K~1,200W/m・Kが好ましい。
炭素繊維の熱伝導シート中の含有量は、少なすぎると熱伝導率が低くなり、多すぎると粘度が高くなる傾向があるので、16体積%~40体積%であることが好ましい。
-非熱異方性材料-
前記非熱異方性材料としては、例えば、アルミニウム、窒化アルミニウム、シリカ、アルミナ、窒化ホウ素、チタニア、ガラス、酸化亜鉛、炭化ケイ素、ケイ素(シリコン)、酸化珪素、酸化アルミニウム、金属粒子などが挙げられる。これらの中でも、アルミナ、アルミニウム、酸化亜鉛、窒化ホウ素、窒化アルミニウムが好ましく、熱伝導率の点からアルミナ、窒化アルミニウムがより好ましい。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。前記非熱異方性材料としては、炭素繊維以外の無機フィラー、又は熱伝導性フィラーと称することがある。
前記非熱異方性材料の体積平均粒子径としては、0.01μm以上100μm以下であることが好ましく、0.02μm以上80μm以下であることがより好ましい。前記体積平均粒子径が0.01μm以上であると、製造時の混合が容易であり、前記体積平均粒子径が100μm以下であると、シート圧縮時に圧縮しやすいという利点がある。
前記体積平均粒子径は、例えば、レーザ回折・散乱法による粒度分布測定装置などにより測定することができる。
前記非熱異方性材料としては、例えば、アルミニウム、窒化アルミニウム、シリカ、アルミナ、窒化ホウ素、チタニア、ガラス、酸化亜鉛、炭化ケイ素、ケイ素(シリコン)、酸化珪素、酸化アルミニウム、金属粒子などが挙げられる。これらの中でも、アルミナ、アルミニウム、酸化亜鉛、窒化ホウ素、窒化アルミニウムが好ましく、熱伝導率の点からアルミナ、窒化アルミニウムがより好ましい。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。前記非熱異方性材料としては、炭素繊維以外の無機フィラー、又は熱伝導性フィラーと称することがある。
前記非熱異方性材料の体積平均粒子径としては、0.01μm以上100μm以下であることが好ましく、0.02μm以上80μm以下であることがより好ましい。前記体積平均粒子径が0.01μm以上であると、製造時の混合が容易であり、前記体積平均粒子径が100μm以下であると、シート圧縮時に圧縮しやすいという利点がある。
前記体積平均粒子径は、例えば、レーザ回折・散乱法による粒度分布測定装置などにより測定することができる。
前記非熱異方性材料は表面処理が施されていてもよい。前記表面処理としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、アルコキシシラン化合物によって非熱異方性材料を処理することが好ましい。
アルコキシシラン化合物は、ケイ素原子(Si)が持つ4個の結合のうち、1~3個がアルコキシ基と結合し、残余の結合が有機置換基と結合した構造を有する化合物である。アルコキシシラン化合物の有するアルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロトキシ基、ブトキシ基、ペントキシ基、及びヘキサトキシ基が挙げられる。アルコキシシラン化合物は、熱伝導シート中に二量体として含有されていてもよい。
アルコキシシラン化合物の中でも、入手容易性の観点から、メトキシ基又はエトキシ基を有するアルコキシシラン化合物が好ましい。アルコキシシラン化合物の有するアルコキシ基の数は、無機物としての熱伝導性充填材との親和性を高めるという観点から、3であることが好ましい。
前記アルコキシシラン化合物としては、例えば、トリメトキシシラン化合物、トリエトキシシラン化合物などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記アルコキシシラン化合物としては、例えば、トリメトキシシラン化合物、トリエトキシシラン化合物などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記アルコキシシラン化合物の有する有機置換基に含まれる官能基としては、例えば、アクリロイル基、アルキル基、カルボキシル基、ビニル基、メタクリル基、芳香族基、アミノ基、イソシアネート基、イソシアヌレート基、エポキシ基、ヒドロキシル基、メルカプト基などが挙げられる。ここで、上記マトリクスの前駆体として、白金触媒を含む付加反応型のオルガノポリシロキサンを用いる場合、オルガノポリシロキサンの硬化反応に影響を与え難いアルコキシシラン化合物を選択して用いることが好ましい。具体的には、白金触媒を含む付加反応型のオルガノポリシロキサンを用いる場合、アルコキシシラン化合物の有機置換基は、アミノ基、イソシアネート基、イソシアヌレート基、ヒドロキシル基、又はメルカプト基を含まないことが好ましい。
前記アルコキシシラン化合物は、炭素繊維以外の無機フィラーの分散性を高めることで、炭素繊維以外の無機フィラーを高充填し易くなることから、ケイ素原子に結合したアルキル基を有するアルキルアルコキシシラン化合物、即ち、有機置換基としてアルキル基を有するアルコキシシラン化合物を含むことが好ましい。ケイ素原子に結合したアルキル基の炭素数は、4以上であることが好ましい。また、ケイ素原子に結合したアルキル基の炭素数は、アルコキシシラン化合物自体の粘度が比較的低く、樹脂組成物の粘度を低く抑えるという観点から、16以下であることが好ましい。
前記アルコキシシラン化合物としては、例えば、アルキル基含有アルコキシシラン化合物、ビニル基含有アルコキシシラン化合物、アクリロイル基含有アルコキシシラン化合物、メタクリル基含有アルコキシシラン化合物、芳香族基含有アルコキシシラン化合物、アミノ基含有アルコキシシラン化合物、イソシアネート基含有アルコキシシラン化合物、イソシアヌレート基含有アルコキシシラン化合物、エポキシ基含有アルコキシシラン化合物、メルカプト基含有アルコキシシラン化合物などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記アルキル基含有アルコキシシラン化合物としては、例えば、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、n-プロピルトリメトキシシラン、n-プロピルトリエトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、イソブチルトリエトキシシラン、n-ヘキシルトリメトキシシラン、n-ヘキシルトリエトキシシラン、シクロヘキシルメチルジメトキシシラン、n-オクチルトリエトキシシラン、n-デシルトリメトキシシランなどが挙げられる。これらの中でも、イソブチルトリメトキシシラン、イソブチルトリエトキシシラン、n-ヘキシルトリメトキシシラン、n-ヘキシルトリエトキシシラン、シクロヘキシルメチルジメトキシシラン、n-オクチルトリエトキシシラン、及びn-デシルトリメトキシシランが好ましい。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記ビニル基含有アルコキシシラン化合物としては、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシランなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記アクリロイル基含有アルコキシシラン化合物としては、例えば、3-アクリロキシプロピルトリメトキシシランなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記メタクリル基含有アルコキシシラン化合物としては、例えば、3-メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルトリエトキシシランなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記芳香族基含有アルコキシシラン化合物としては、例えば、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシランなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記アミノ基含有アルコキシシラン化合物としては、例えば、N-2-(アミノエチル)-3-アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N-2-(アミノエチル)-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリエトキシシラン、N-フェニル-3-アミノプロピルトリメトキシシランなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記イソシアネート基含有アルコキシシラン化合物としては、例えば、3-イソシアネートプロピルトリエトキシシランなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記イソシアヌレート基含有アルコキシシラン化合物としては、例えば、トリス-(トリメトキシシリルプロピル)イソシアヌレートなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記エポキシ基含有アルコキシシラン化合物としては、例えば、2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリエトキシシランなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記メルカプト基含有アルコキシシラン化合物としては、例えば、3-メルカプトプロピルトリメトキシシランなどが挙げられる。
前記非熱異方性材料の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、15体積%以上90体積%以下が好ましく、20体積%以上80体積%以下がより好ましい。前記含有量が、15体積%未満であると、熱伝導シートの熱抵抗が大きくなることがあり、90体積%を超えると、熱伝導シートの柔軟性が低下することがある。
-添加剤-
本発明の熱伝導部材としては、バインダ樹脂、熱異方性材料、非熱異方性材料のほかに、本発明の効果を損なわない範囲で前記添加剤を含有することができる。
前記添加剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、酸化防止剤、ケイ素化合物などが挙げられる。前記酸化防止剤を含有することで、熱伝導部材の物性の経時的変化を抑制することができたり、充填率を向上させたりすることができる。
本発明の熱伝導部材としては、バインダ樹脂、熱異方性材料、非熱異方性材料のほかに、本発明の効果を損なわない範囲で前記添加剤を含有することができる。
前記添加剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、酸化防止剤、ケイ素化合物などが挙げられる。前記酸化防止剤を含有することで、熱伝導部材の物性の経時的変化を抑制することができたり、充填率を向上させたりすることができる。
前記酸化防止剤としては、例えば、フェノール系酸化防止剤、チオール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤などが挙げられる。これらの中でも、ヒンダートフェノール系酸化防止剤が好ましい。
前記酸化防止剤の前記熱伝導部材中の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、バインダ樹脂100重量%に対して、0.01重量%以上20重量%以下が好ましい。
前記ケイ素化合物としては、例えば、アルコキシシラン化合物、アルコキシシロキサン化合物などが挙げられる。
前記ケイ素化合物の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、無機フィラーの合計重量に対して、0.1重量%以上5重量%以下が好ましい。
-その他の成分-
前記その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、溶剤、チキソトロピー性付与剤、分散剤、硬化剤、硬化促進剤、遅延剤、微粘着付与剤、可塑剤、難燃剤、安定剤、着色剤等などが挙げられる。
前記その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、溶剤、チキソトロピー性付与剤、分散剤、硬化剤、硬化促進剤、遅延剤、微粘着付与剤、可塑剤、難燃剤、安定剤、着色剤等などが挙げられる。
(熱伝導部材の製造方法)
本発明の熱伝導部材の製造方法は、本発明の熱伝導部材を製造する方法であって、樹脂組成物調製工程と、成型体作製工程と、成型体シート作製工程とを含み、更に必要に応じて、その他の工程を含む。
前記熱伝導部材の製造方法は、本発明の熱伝導部材を製造する方法である。
本発明の熱伝導部材の製造方法は、本発明の熱伝導部材を製造する方法であって、樹脂組成物調製工程と、成型体作製工程と、成型体シート作製工程とを含み、更に必要に応じて、その他の工程を含む。
前記熱伝導部材の製造方法は、本発明の熱伝導部材を製造する方法である。
<樹脂組成物調製工程>
樹脂組成物調製工程は、少なくともバインダ樹脂と、熱異方性材料と、非熱異方性材料と、を混錬し樹脂組成物を得る工程である。
前記バインダ樹脂としては、上記熱伝導部材の説明において例示した前記バインダ樹脂が挙げられる。
前記熱異方性材料としては、上記熱伝導部材の説明において例示した前記熱異方性材料が挙げられる。
前記非熱異方性材料としては、上記熱伝導部材の説明において例示した非熱異方性材料が挙げられる。
混錬方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
樹脂組成物調製工程は、少なくともバインダ樹脂と、熱異方性材料と、非熱異方性材料と、を混錬し樹脂組成物を得る工程である。
前記バインダ樹脂としては、上記熱伝導部材の説明において例示した前記バインダ樹脂が挙げられる。
前記熱異方性材料としては、上記熱伝導部材の説明において例示した前記熱異方性材料が挙げられる。
前記非熱異方性材料としては、上記熱伝導部材の説明において例示した非熱異方性材料が挙げられる。
混錬方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
<成型体作製工程>
前記樹脂組成物を所定の形状に成型して硬化し、熱異方性材料を一方向に配向させて、前記樹脂組成物の成型体を得る工程である。
前記樹脂組成物を所定の形状に成型して硬化し、熱異方性材料を一方向に配向させて、前記樹脂組成物の成型体を得る工程である。
前記成型体作製工程において、前記樹脂組成物を所定の形状に成型する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、押出し成型法、金型成型法などが挙げられる。
前記押出し成型法、及び前記金型成型法としては、特に制限されず、公知の各種押出し成型法、及び金型成型法の中から、前記樹脂組成物の粘度や、得られる熱伝導シートに要求される特性等に応じて適宜採用することができる。
前記熱異方性材料を一方向に配向させる方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、押出し成形法、磁場を印加する方法などが挙げられる。
成型体(ブロック状の成型体)の大きさ及び形状は、求められる熱伝導シートの大きさに応じて決めることができる。例えば、断面の縦の大きさが0.5cm~15cmで横の大きさが0.5cm~15cmの直方体が挙げられる。直方体の長さは必要に応じて決定すればよい。
前記成型体作製工程における前記樹脂組成物の硬化は熱硬化であることが好ましい。前記熱硬化における硬化温度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記バインダ樹脂が、液状シリコーンゲルの主剤と、硬化剤とを含有する場合、60℃~150℃が好ましい。前記熱硬化における硬化時間としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、0.5時間~10時間などが挙げられる。
<成型体シート作製工程>
前記成型体シート作製工程は、前記成型体を、前記熱異方性材料が配向する方向に対して略垂直方向に切断し、成型体シートを得る工程であり、例えば、スライス装置により行うことができる。
前記成型体シート作製工程は、前記成型体を、前記熱異方性材料が配向する方向に対して略垂直方向に切断し、成型体シートを得る工程であり、例えば、スライス装置により行うことができる。
前記スライス装置としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、超音波カッター、かんな(鉋)などが挙げられる。
前記略垂直方向としては、前記熱異方性材料が配向する方向に対して60度~120度が好ましく、70度~100度がより好ましく、90度(垂直)が特に好ましい。
前記略垂直方向としては、前記熱異方性材料が配向する方向に対して60度~120度が好ましく、70度~100度がより好ましく、90度(垂直)が特に好ましい。
前記成型体シートの平均厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.06mm~5.01mmが好ましく、0.08mm~4.01mmがより好ましく、0.11mm~3.01mmが特に好ましい。
<その他の工程>
前記その他の工程としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、プレス工程、研磨工程などが挙げられる。
前記プレス工程は、前記成型体シートをプレス処理する工程である。
前記プレス処理は、例えば、平盤と表面が平坦なプレスヘッドとからなる一対のプレス装置を使用して行うことができる。また、ピンチロールを使用して行ってもよい。
前記その他の工程としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、プレス工程、研磨工程などが挙げられる。
前記プレス工程は、前記成型体シートをプレス処理する工程である。
前記プレス処理は、例えば、平盤と表面が平坦なプレスヘッドとからなる一対のプレス装置を使用して行うことができる。また、ピンチロールを使用して行ってもよい。
前記プレスの際の圧力としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、低すぎるとプレスをしない場合と熱抵抗が変わらない傾向があり、高すぎるとシートが延伸する傾向があるので、0.1MPa~100MPaが好ましく、0.5MPa~95MPaがより好ましい。
前記プレスの時間としては、特に制限はなく、バインダ樹脂の成分、プレス圧力、シート面積、滲出成分の滲み出し量等に応じて、適宜選択することができる。
前記プレス処理においては、滲出成分の滲み出し、前記成型体シート表面の被覆の効果をより促進させるために、ヒータを内蔵したプレスヘッドを用いて、加熱しながら行ってもよい。このような効果を高めるため、加熱温度はバインダ樹脂のガラス転移温度以上で行うことが好ましい。これにより、プレス時間を短縮することができる。
前記プレス処理においては、前記成型体シートをプレスすることにより、前記成型体シートより滲出成分を滲み出させ、前記滲出成分によって表面を被覆する。したがって、得られる熱伝導シートは、電子部品やヒートスプレッダの表面に対する追従性、密着性が向上し、熱抵抗を低減させることができる。また、前記滲出成分による被覆が熱伝導部材表面の絶縁被覆炭素繊維の形状を反映する程度の厚みである場合には、熱抵抗の上昇を回避できる。
なお、前記成型体シートは、プレスされることにより厚み方向に圧縮され、絶縁被覆炭素繊維及び熱伝導性フィラー同士の接触の頻度を増大させることができる。これにより、熱伝導部材の熱抵抗を低減させることが可能となる。
前記プレス処理は、前記成型体シートを所定の厚みに圧縮するためのスペーサを用いて行われることが好ましい。即ち、熱伝導部材は、例えば、プレスヘッドと対峙する載置面にスペーサを配置して成型体シートがプレスされることにより、スペーサの高さに応じた所定のシート厚に形成することができる。
(放熱構造体)
本発明の放熱構造体は、発熱体と、略円形に加工された本発明の熱伝導部材と、放熱部材とから構成される放熱構造体である。
本発明の放熱構造体は、発熱体と、略円形に加工された本発明の熱伝導部材と、放熱部材とから構成される放熱構造体である。
放熱構造体としては、例えば、電子部品等の発熱体と、ヒートシンク、ヒートパイプ、ヒートスプレッダ等の放熱部材と、発熱体と放熱部材に挟持された熱伝導部材とからなる。
電子部品としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)などが挙げられる。
放熱構造体としては、電子部品(発熱体)の発する熱を放熱する構造体であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ヒートスプレッダ、ヒートシンク、ベーパーチャンバー、ヒートパイプなどが挙げられる。
前記ヒートスプレッダは、前記電子部品の熱を他の部品に効率的に伝えるための部材である。前記ヒートスプレッダの材質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、銅、アルミニウムなどが挙げられる。前記ヒートスプレッダは、通常、平板形状である。
前記ヒートシンクは、前記電子部品の熱を空気中に放出するための部材である。前記ヒートシンクの材質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、銅、アルミニウムなどが挙げられる。前記ヒートシンクは、例えば、複数のフィンを有する。前記ヒートシンクは、例えば、ベース部と、前記ベース部の一方の面に対して非平行方向(例えば、直交する方向)に向かって延びるように設けられた複数のフィンを有する。
前記ヒートスプレッダ、及び前記ヒートシンクは、一般的に、内部に空間を持たない中実構造である。
前記ベーパーチャンバーは、中空構造体である。前記中空構造体の内部空間には、揮発性の液体が封入されている。前記ベーパーチャンバーとしては、例えば、前記ヒートスプレッダを中空構造にしたもの、前記ヒートシンクを中空構造にしたような板状の中空構造体などが挙げられる。
前記ヒートパイプは、円筒状、略円筒状、又は扁平筒状の中空構造体である。前記中空構造体の内部空間には、揮発性の液体が封入されている。
前記ヒートスプレッダは、前記電子部品の熱を他の部品に効率的に伝えるための部材である。前記ヒートスプレッダの材質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、銅、アルミニウムなどが挙げられる。前記ヒートスプレッダは、通常、平板形状である。
前記ヒートシンクは、前記電子部品の熱を空気中に放出するための部材である。前記ヒートシンクの材質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、銅、アルミニウムなどが挙げられる。前記ヒートシンクは、例えば、複数のフィンを有する。前記ヒートシンクは、例えば、ベース部と、前記ベース部の一方の面に対して非平行方向(例えば、直交する方向)に向かって延びるように設けられた複数のフィンを有する。
前記ヒートスプレッダ、及び前記ヒートシンクは、一般的に、内部に空間を持たない中実構造である。
前記ベーパーチャンバーは、中空構造体である。前記中空構造体の内部空間には、揮発性の液体が封入されている。前記ベーパーチャンバーとしては、例えば、前記ヒートスプレッダを中空構造にしたもの、前記ヒートシンクを中空構造にしたような板状の中空構造体などが挙げられる。
前記ヒートパイプは、円筒状、略円筒状、又は扁平筒状の中空構造体である。前記中空構造体の内部空間には、揮発性の液体が封入されている。
ここで、図1は、本発明の放熱構造体の一例としての半導体装置の概略図である。この図1は、半導体装置の一例の概略断面図である。本発明の熱伝導シート1は、半導体素子等の電子部品3の発する熱を放熱するものであり、図1に示すように、ヒートスプレッダ2の電子部品3と対峙する主面2aに固定され、電子部品3と、ヒートスプレッダ2との間に挟持されるものである。また、熱伝導シート1は、ヒートスプレッダ2とヒートシンク5との間に挟持される。そして、熱伝導シート1は、ヒートスプレッダ2とともに、電子部品3の熱を放熱する放熱部材を構成する。
ヒートスプレッダ2は、例えば方形板状に形成され、電子部品3と対峙する主面2aと、主面2aの外周に沿って立設された側壁2bとを有する。ヒートスプレッダ2は、側壁2bに囲まれた主面2aに熱伝導シート1が設けられ、また主面2aと反対側の他面2cに熱伝導シート1を介してヒートシンク5が設けられる。ヒートスプレッダ2は、高い熱伝導率を有するほど、熱抵抗が減少し、効率よく半導体素子等の電子部品3の熱を吸熱することから、例えば、熱伝導性の良好な銅やアルミニウムを用いて形成することができる。
電子部品3は、例えば、BGA等の半導体素子であり、配線基板6へ実装される。またヒートスプレッダ2も、側壁2bの先端面が配線基板6に実装され、これにより側壁2bによって所定の距離を隔てて電子部品3を囲んでいる。
そして、ヒートスプレッダ2の主面2aに、熱伝導シート1が接着されることにより、電子部品3の発する熱を吸収し、ヒートシンク5より放熱する放熱部材が形成される。ヒートスプレッダ2と熱伝導シート1との接着は、熱伝導シート1自身の密着力によって行うことができる。
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明は、これらの実施例に何ら限定されるものではない。
以下の実施例及び比較例において、非熱異方性材料の体積平均粒子径は粒度分布計により測定した値である。また、熱異方性材料の平均長軸長さ及び平均短軸長さは、マイクロスコープ(VHX-5000、KEYENCE製)で測定した値である。
以下の実施例及び比較例において、非熱異方性材料の体積平均粒子径は粒度分布計により測定した値である。また、熱異方性材料の平均長軸長さ及び平均短軸長さは、マイクロスコープ(VHX-5000、KEYENCE製)で測定した値である。
(実施例1)
バインダ樹脂として2液性の付加反応型液状シリコーン樹脂と、非熱異方性材料としてアルミナ粒子(アルミナDAW05、球状、デンカ株式会社製、体積平均粒子径:5μm、シランカップリング剤でカップリング処理)37vol%、及びアルミニウム粉(♯350F、ミナルコ株式会社製、体積平均粒子径:15μm)5vol%と、非熱異方性材料としてピッチ系炭素繊維(平均長軸長さ150μm、平均短軸長さ9μm、XN-100-15M、日本グラファイトファイバー株式会社製)23vol%とを混合し、シリコーン組成物を調製した。
なお、2液性の付加反応型液状シリコーン樹脂は、オルガノポリシロキサンを主成分とするものに添加剤と併せて34vol%加えた。
得られたシリコーン組成物を、中空四角柱状の金型(50mm×50mm)の中に押出成形し、シリコーン成型体を得た後、得られたシリコーン成型体をオーブンにて100℃で6時間加熱してシリコーン硬化物を得た。得られたシリコーン硬化物を、厚みが2.0mmとなるようにスライサーで切断し、シート状のシリコーン硬化物を得た。
得られたシート状のシリコーン硬化物を、剥離処理されたPETフィルムで挟み、87℃、0.5MPa、3分の条件でプレスし、熱伝導部材(50mm×50mm)を得た。
バインダ樹脂として2液性の付加反応型液状シリコーン樹脂と、非熱異方性材料としてアルミナ粒子(アルミナDAW05、球状、デンカ株式会社製、体積平均粒子径:5μm、シランカップリング剤でカップリング処理)37vol%、及びアルミニウム粉(♯350F、ミナルコ株式会社製、体積平均粒子径:15μm)5vol%と、非熱異方性材料としてピッチ系炭素繊維(平均長軸長さ150μm、平均短軸長さ9μm、XN-100-15M、日本グラファイトファイバー株式会社製)23vol%とを混合し、シリコーン組成物を調製した。
なお、2液性の付加反応型液状シリコーン樹脂は、オルガノポリシロキサンを主成分とするものに添加剤と併せて34vol%加えた。
得られたシリコーン組成物を、中空四角柱状の金型(50mm×50mm)の中に押出成形し、シリコーン成型体を得た後、得られたシリコーン成型体をオーブンにて100℃で6時間加熱してシリコーン硬化物を得た。得られたシリコーン硬化物を、厚みが2.0mmとなるようにスライサーで切断し、シート状のシリコーン硬化物を得た。
得られたシート状のシリコーン硬化物を、剥離処理されたPETフィルムで挟み、87℃、0.5MPa、3分の条件でプレスし、熱伝導部材(50mm×50mm)を得た。
(実施例2)
バインダ樹脂として2液性の付加反応型液状シリコーン樹脂と、非熱異方性材料としてアルミナ粒子(アルミナDAW05、球状、デンカ株式会社製、体積平均粒子径:5μm、シランカップリング剤でカップリング処理)20vol%、窒化アルミニウム(体積平均粒子径:2μm)21vol%、及び酸化亜鉛(体積平均粒子径:0.5μm)0.1vol%と、非熱異方性材料としてピッチ系炭素繊維(平均長軸長さ150μm、平均短軸長さ9μm、XN-100-15M、日本グラファイトファイバー株式会社製)21vol%とを混合し、シリコーン組成物を調製した。
なお、2液性の付加反応型液状シリコーン樹脂は、オルガノポリシロキサンを主成分とするものに添加剤と併せて36vol%加えた。
得られたシリコーン組成物を、中空四角柱状の金型(50mm×50mm)の中に押出成形し、シリコーン成型体を得た後、得られたシリコーン成型体をオーブンにて100℃で6時間加熱してシリコーン硬化物を得た。得られたシリコーン硬化物を、厚みが2.0mmとなるようにスライサーで切断し、シート状のシリコーン硬化物を得た。
得られたシート状のシリコーン硬化物を、剥離処理されたPETフィルムで挟み、87℃、0.5MPa、3分の条件でプレスし、熱伝導部材(50mm×50mm)を得た。
バインダ樹脂として2液性の付加反応型液状シリコーン樹脂と、非熱異方性材料としてアルミナ粒子(アルミナDAW05、球状、デンカ株式会社製、体積平均粒子径:5μm、シランカップリング剤でカップリング処理)20vol%、窒化アルミニウム(体積平均粒子径:2μm)21vol%、及び酸化亜鉛(体積平均粒子径:0.5μm)0.1vol%と、非熱異方性材料としてピッチ系炭素繊維(平均長軸長さ150μm、平均短軸長さ9μm、XN-100-15M、日本グラファイトファイバー株式会社製)21vol%とを混合し、シリコーン組成物を調製した。
なお、2液性の付加反応型液状シリコーン樹脂は、オルガノポリシロキサンを主成分とするものに添加剤と併せて36vol%加えた。
得られたシリコーン組成物を、中空四角柱状の金型(50mm×50mm)の中に押出成形し、シリコーン成型体を得た後、得られたシリコーン成型体をオーブンにて100℃で6時間加熱してシリコーン硬化物を得た。得られたシリコーン硬化物を、厚みが2.0mmとなるようにスライサーで切断し、シート状のシリコーン硬化物を得た。
得られたシート状のシリコーン硬化物を、剥離処理されたPETフィルムで挟み、87℃、0.5MPa、3分の条件でプレスし、熱伝導部材(50mm×50mm)を得た。
(実施例3)
ガラス容器に、平均繊維径9μm、平均繊維長100μmのピッチ系炭素繊維(商品名XN-100-10M:日本グラファイトファイバー株式会社製)を100g、エタノール450gを投入し、撹拌翼にて混合してスラリー液を得た。流量160mL/minで窒素をスラリー液に加えてイナート化を行いながら、スラリーにジビニルベンゼン(93%ジビニルベンゼン、和光純薬工業(株)製)25gを加えた。ジビニルベンゼンを加えた10分後に、予め50gのエタノールに溶解させておいた0.500gの重合開始剤(商品名V-65、油溶性アゾ重合開始剤、和光純薬工業(株)製)をスラリー液に投入した。投入後、5分間撹拌した後に、窒素によるイナート化を停止させた。その後、撹拌しながら昇温を開始し70℃で温度を保持し、40℃まで降温した。尚、昇温開始から降温開始までを反応時間とした。降温後、15分間静置し、スラリー液中に分散している固形分を沈降させた。沈降後、デカンテーションにて上澄みを除去し、再度溶媒を750g加えて15分間撹拌して固形分を洗浄した。洗浄後、吸引濾過にて固形分を回収し、回収した固形分を、100℃にて6時間乾燥することで、DVB絶縁被覆炭素繊維を得た。
次に、バインダ樹脂として2液性の付加反応型液状シリコーン樹脂と、非熱異方性材料としてアルミナ粒子(アルミナDAW10、球状、デンカ株式会社製、体積平均粒子径:10μm、シランカップリング剤でカップリング処理)25vol%、及び窒化アルミニウム(体積平均粒子径:2μm)13vol%と、非熱異方性材料として前記DVB絶縁被覆炭素繊維15vol%とを混合し、シリコーン組成物を調製した。
なお、2液性の付加反応型液状シリコーン樹脂は、オルガノポリシロキサンを主成分とするものに添加剤と併せて46vol%加えた。
得られたシリコーン組成物を、中空四角柱状の金型(50mm×50mm)の中に押出成形し、シリコーン成型体を得た後、得られたシリコーン成型体をオーブンにて100℃で6時間加熱してシリコーン硬化物を得た。得られたシリコーン硬化物を、厚みが2.0mmとなるようにスライサーで切断してシート状のシリコーン硬化物を得た。
得られたシート状のシリコーン硬化物を、剥離処理されたPETフィルムで挟み、87℃、0.5MPa、3分の条件でプレスし、熱伝導部材(50mm×50mm)を得た。
ガラス容器に、平均繊維径9μm、平均繊維長100μmのピッチ系炭素繊維(商品名XN-100-10M:日本グラファイトファイバー株式会社製)を100g、エタノール450gを投入し、撹拌翼にて混合してスラリー液を得た。流量160mL/minで窒素をスラリー液に加えてイナート化を行いながら、スラリーにジビニルベンゼン(93%ジビニルベンゼン、和光純薬工業(株)製)25gを加えた。ジビニルベンゼンを加えた10分後に、予め50gのエタノールに溶解させておいた0.500gの重合開始剤(商品名V-65、油溶性アゾ重合開始剤、和光純薬工業(株)製)をスラリー液に投入した。投入後、5分間撹拌した後に、窒素によるイナート化を停止させた。その後、撹拌しながら昇温を開始し70℃で温度を保持し、40℃まで降温した。尚、昇温開始から降温開始までを反応時間とした。降温後、15分間静置し、スラリー液中に分散している固形分を沈降させた。沈降後、デカンテーションにて上澄みを除去し、再度溶媒を750g加えて15分間撹拌して固形分を洗浄した。洗浄後、吸引濾過にて固形分を回収し、回収した固形分を、100℃にて6時間乾燥することで、DVB絶縁被覆炭素繊維を得た。
次に、バインダ樹脂として2液性の付加反応型液状シリコーン樹脂と、非熱異方性材料としてアルミナ粒子(アルミナDAW10、球状、デンカ株式会社製、体積平均粒子径:10μm、シランカップリング剤でカップリング処理)25vol%、及び窒化アルミニウム(体積平均粒子径:2μm)13vol%と、非熱異方性材料として前記DVB絶縁被覆炭素繊維15vol%とを混合し、シリコーン組成物を調製した。
なお、2液性の付加反応型液状シリコーン樹脂は、オルガノポリシロキサンを主成分とするものに添加剤と併せて46vol%加えた。
得られたシリコーン組成物を、中空四角柱状の金型(50mm×50mm)の中に押出成形し、シリコーン成型体を得た後、得られたシリコーン成型体をオーブンにて100℃で6時間加熱してシリコーン硬化物を得た。得られたシリコーン硬化物を、厚みが2.0mmとなるようにスライサーで切断してシート状のシリコーン硬化物を得た。
得られたシート状のシリコーン硬化物を、剥離処理されたPETフィルムで挟み、87℃、0.5MPa、3分の条件でプレスし、熱伝導部材(50mm×50mm)を得た。
(実施例4)
ポリエチレン製容器に、平均繊維径9μm、平均繊維長100μmのピッチ系炭素繊維(商品名XN-100-10M:日本グラファイトファイバー株式会社製)を100g、テトラエトキシシラン(TEOS)200g、エタノール900gを投入し、撹拌翼にて混合した。その後、50℃まで加温しながら、反応開始剤(10%アンモニア水)176gを5分かけて投入した。溶媒の投入が完了した時点を0分として、3時間撹拌を行った。撹拌終了後、降温させ、吸引濾過して固形分を回収し、固形分を水とエタノールを用いて洗浄し、再度吸引濾過を行い、固形分を回収した。回収した固形分を100℃にて2時間乾燥後、更に200℃で8時間焼成を行うことで、SiO2絶縁被覆炭素繊維を得た。
次に、バインダ樹脂として2液性の付加反応型液状シリコーン樹脂と、非熱異方性材料としてアルミナ粒子(アルミナDAW10、球状、デンカ株式会社製、体積平均粒子径:10μm、シランカップリング剤でカップリング処理)25vol%、及び窒化アルミニウム(体積平均粒子径:2μm)13vol%と、非熱異方性材料として前記SiO2絶縁被覆炭素繊維15vol%とを混合し、シリコーン組成物を調製した。
なお、2液性の付加反応型液状シリコーン樹脂は、オルガノポリシロキサンを主成分とするものに添加剤と併せて46vol%加えた。
得られたシリコーン組成物を、中空四角柱状の金型(50mm×50mm)の中に押出成形し、シリコーン成型体を得た後、得られたシリコーン成型体をオーブンにて100℃で6時間加熱してシリコーン硬化物を得た。得られたシリコーン硬化物を、厚みが2.0mmとなるようにスライサーで切断し、シート状のシリコーン硬化物を得た。
得られたシート状のシリコーン硬化物を、剥離処理されたPETフィルムで挟み、87℃、0.5MPa、3分の条件でプレスし、熱伝導部材(50mm×50mm)を得た。
ポリエチレン製容器に、平均繊維径9μm、平均繊維長100μmのピッチ系炭素繊維(商品名XN-100-10M:日本グラファイトファイバー株式会社製)を100g、テトラエトキシシラン(TEOS)200g、エタノール900gを投入し、撹拌翼にて混合した。その後、50℃まで加温しながら、反応開始剤(10%アンモニア水)176gを5分かけて投入した。溶媒の投入が完了した時点を0分として、3時間撹拌を行った。撹拌終了後、降温させ、吸引濾過して固形分を回収し、固形分を水とエタノールを用いて洗浄し、再度吸引濾過を行い、固形分を回収した。回収した固形分を100℃にて2時間乾燥後、更に200℃で8時間焼成を行うことで、SiO2絶縁被覆炭素繊維を得た。
次に、バインダ樹脂として2液性の付加反応型液状シリコーン樹脂と、非熱異方性材料としてアルミナ粒子(アルミナDAW10、球状、デンカ株式会社製、体積平均粒子径:10μm、シランカップリング剤でカップリング処理)25vol%、及び窒化アルミニウム(体積平均粒子径:2μm)13vol%と、非熱異方性材料として前記SiO2絶縁被覆炭素繊維15vol%とを混合し、シリコーン組成物を調製した。
なお、2液性の付加反応型液状シリコーン樹脂は、オルガノポリシロキサンを主成分とするものに添加剤と併せて46vol%加えた。
得られたシリコーン組成物を、中空四角柱状の金型(50mm×50mm)の中に押出成形し、シリコーン成型体を得た後、得られたシリコーン成型体をオーブンにて100℃で6時間加熱してシリコーン硬化物を得た。得られたシリコーン硬化物を、厚みが2.0mmとなるようにスライサーで切断し、シート状のシリコーン硬化物を得た。
得られたシート状のシリコーン硬化物を、剥離処理されたPETフィルムで挟み、87℃、0.5MPa、3分の条件でプレスし、熱伝導部材(50mm×50mm)を得た。
(実施例5)
実施例1において、得られたシリコーン硬化物を、厚みが0.5mmとなるようにスライサーで切断し、シート状のシリコーン硬化物を得た以外は、実施例1と同様にして、熱伝導部材(50mm×50mm)を得た。
実施例1において、得られたシリコーン硬化物を、厚みが0.5mmとなるようにスライサーで切断し、シート状のシリコーン硬化物を得た以外は、実施例1と同様にして、熱伝導部材(50mm×50mm)を得た。
(比較例1)
バインダ樹脂として2液性の付加反応型液状シリコーン樹脂と、非熱異方性材料としてアルミナ粒子(アルミナDAW05、球状、デンカ株式会社製、体積平均粒子径:5μm、シランカップリング剤でカップリング処理)42vol%、アルミナ粒子(アルミナDAW45、球状、デンカ株式会社製、体積平均粒子径:50μm)6vol%、及び窒化アルミ(体積平均粒子径:2μm)27vol%を混合し、シリコーン組成物を調製した。
なお、2液性の付加反応型液状シリコーン樹脂は、オルガノポリシロキサンを主成分とするものに添加剤と併せて24vol%加えた。
得られたシリコーン組成物を、剥離フイルム上に塗布した後、80℃6時間の条件で硬化させて2mmの熱伝導シートを得た。
バインダ樹脂として2液性の付加反応型液状シリコーン樹脂と、非熱異方性材料としてアルミナ粒子(アルミナDAW05、球状、デンカ株式会社製、体積平均粒子径:5μm、シランカップリング剤でカップリング処理)42vol%、アルミナ粒子(アルミナDAW45、球状、デンカ株式会社製、体積平均粒子径:50μm)6vol%、及び窒化アルミ(体積平均粒子径:2μm)27vol%を混合し、シリコーン組成物を調製した。
なお、2液性の付加反応型液状シリコーン樹脂は、オルガノポリシロキサンを主成分とするものに添加剤と併せて24vol%加えた。
得られたシリコーン組成物を、剥離フイルム上に塗布した後、80℃6時間の条件で硬化させて2mmの熱伝導シートを得た。
実施例1から5及び比較例1において得られた熱伝導部材について、以下のようにして、圧縮応力及び圧縮応力の改善率を測定し、また、熱伝導性及び柔軟性を評価した。結果を表1に示した。
<圧縮応力>
得られた熱伝導部材を加工して、それぞれ円柱状の熱伝導部材(直径:13mm、厚さ:0.5mm又は2mm、圧縮治具で挟持する面積:132mm2)及び矩形状の熱伝導部材(11.5mm×11.5mm、厚さ:0.5mm又は2mm、圧縮治具で挟持する面積:132mm2)をそれぞれ得た。得られた円柱状の熱伝導部材及び矩形状の熱伝導部材を、それぞれ15mm角と25mm角の圧縮治具で挟み、圧縮速度10mm/minの条件で、熱伝導部材が50%圧縮したときの最大圧縮応力を測定した。
得られた熱伝導部材を加工して、それぞれ円柱状の熱伝導部材(直径:13mm、厚さ:0.5mm又は2mm、圧縮治具で挟持する面積:132mm2)及び矩形状の熱伝導部材(11.5mm×11.5mm、厚さ:0.5mm又は2mm、圧縮治具で挟持する面積:132mm2)をそれぞれ得た。得られた円柱状の熱伝導部材及び矩形状の熱伝導部材を、それぞれ15mm角と25mm角の圧縮治具で挟み、圧縮速度10mm/minの条件で、熱伝導部材が50%圧縮したときの最大圧縮応力を測定した。
<圧縮応力の改善率>
矩形状の熱伝導部材の圧縮応力(B)に対する、円柱状の熱伝導部材の圧縮応力(A)の低減率(改善率)を下記式によって算出した。
改善率(%)=(B-A)/B×100
矩形状の熱伝導部材の圧縮応力(B)に対する、円柱状の熱伝導部材の圧縮応力(A)の低減率(改善率)を下記式によって算出した。
改善率(%)=(B-A)/B×100
<熱伝導性>
得られた熱伝導部材の熱伝導率からバルク熱伝導率を算出した。前記バルク熱伝導率は厚みが0.5mm、1.0mm、2.0mmである熱伝導部材の熱抵抗を求め、横軸を測定時の厚み、縦軸を熱抵抗としてときの傾きから求めた。
前記熱抵抗は、以下の手順で測定した。上記の厚みの熱伝導シートを直径20mmの円形になるように加工し、テストピースを得た。
得られたテストピースの熱抵抗[℃・cm2/W]を、ASTM-D5470に準拠した方法で1kgf/cm2の荷重で測定した。
得られた熱伝導部材の熱伝導率からバルク熱伝導率を算出した。前記バルク熱伝導率は厚みが0.5mm、1.0mm、2.0mmである熱伝導部材の熱抵抗を求め、横軸を測定時の厚み、縦軸を熱抵抗としてときの傾きから求めた。
前記熱抵抗は、以下の手順で測定した。上記の厚みの熱伝導シートを直径20mmの円形になるように加工し、テストピースを得た。
得られたテストピースの熱抵抗[℃・cm2/W]を、ASTM-D5470に準拠した方法で1kgf/cm2の荷重で測定した。
<柔軟性>
得られた熱伝導部材について、ASTM-D2240タイプ00に準拠したショア硬度を求め、柔軟性を評価した。前記ASTM-D2240タイプ00が50以下であると柔軟性が高いと評価する。
得られた熱伝導部材について、ASTM-D2240タイプ00に準拠したショア硬度を求め、柔軟性を評価した。前記ASTM-D2240タイプ00が50以下であると柔軟性が高いと評価する。
1 熱伝導シート
2 放熱部材(ヒートスプレッダ)
2a 主面
2b 側壁
2c 反対側の他面
3 発熱体(電子部品)
3a 上面
5 放熱部材(ヒートシンク)
6 配線基板
7 電極
2 放熱部材(ヒートスプレッダ)
2a 主面
2b 側壁
2c 反対側の他面
3 発熱体(電子部品)
3a 上面
5 放熱部材(ヒートシンク)
6 配線基板
7 電極
Claims (7)
- 少なくともバインダ樹脂と、熱異方性材料と、非熱異方性材料とを含有する熱伝導部材であって、
円柱状の前記熱伝導部材を、前記熱伝導部材の円形の面と接するように2つの矩形の板状物で挟持し、圧縮したときの圧縮応力(A)と、
前記円形の面と略同面積の矩形の面を有する矩形状の前記熱伝導部材を、前記熱伝導部材の前記矩形の面と接するように2つの矩形の板状物で挟持し、圧縮したときの圧縮応力(B)とが、A<Bを満たすことを特徴とする熱伝導部材。 - 前記熱異方性材料が繊維状材料であり、繊維の長手方向が前記熱伝導部材の厚み方向に配向している、請求項1に記載の熱伝導部材。
- 前記繊維状材料が炭素繊維である、請求項2に記載の熱伝導部材。
- 前記炭素繊維が外周を被覆されている、請求項3に記載の熱伝導部材。
- 前記非熱異方性材料が、アルミナ、アルミニウム、酸化亜鉛、窒化ホウ素、及び窒化アルミニウムの少なくともいずれかである、請求項1から4のいずれかに記載の熱伝導部材。
- 発熱体と、略円形に加工された請求項1から5に記載の熱伝導部材と、放熱部材とをこの順で備えることを特徴とする放熱構造体。
- 請求項1から5のいずれかに記載の熱伝導部材を製造する方法であって、
少なくともバインダ樹脂と、熱異方性材料と、非熱異方性材料と、を混錬し樹脂組成物を得る樹脂組成物調製工程と、
前記熱異方性材料を一方向に配向させて、前記樹脂組成物の成型体を得る成型体作製工程と、
前記成型体を、前記熱異方性材料が配向する方向に対して略垂直方向に切断し、成型体シートを得る成型体シート作製工程と、
を含むことを特徴とする熱伝導部材の製造方法。
Priority Applications (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2020147683A JP2022042309A (ja) | 2020-09-02 | 2020-09-02 | 熱伝導部材及びその製造方法、並びに放熱構造体 |
PCT/JP2021/031284 WO2022050160A1 (ja) | 2020-09-02 | 2021-08-26 | 熱伝導部材及びその製造方法、並びに放熱構造体 |
TW110132325A TW202218071A (zh) | 2020-09-02 | 2021-08-31 | 熱傳導構件及其製造方法、以及散熱結構體 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2020147683A JP2022042309A (ja) | 2020-09-02 | 2020-09-02 | 熱伝導部材及びその製造方法、並びに放熱構造体 |
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2022042309A true JP2022042309A (ja) | 2022-03-14 |
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JP2020147683A Pending JP2022042309A (ja) | 2020-09-02 | 2020-09-02 | 熱伝導部材及びその製造方法、並びに放熱構造体 |
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TW (1) | TW202218071A (ja) |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP6295238B2 (ja) * | 2014-10-31 | 2018-03-14 | デクセリアルズ株式会社 | 熱伝導シート、熱伝導シートの製造方法、放熱部材及び半導体装置 |
WO2018078436A1 (ja) * | 2016-10-31 | 2018-05-03 | スリ一エム イノべイティブ プロパティズ カンパニ一 | 三次元形状熱伝導性成形体、及びその製造方法 |
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2020
- 2020-09-02 JP JP2020147683A patent/JP2022042309A/ja active Pending
-
2021
- 2021-08-26 WO PCT/JP2021/031284 patent/WO2022050160A1/ja active Application Filing
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