JP2022041542A - 外断熱構造体及び外断熱構造体の施工方法 - Google Patents

外断熱構造体及び外断熱構造体の施工方法 Download PDF

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Abstract

【課題】防水性を有する外断熱構造体を提供すること。【解決手段】外断熱構造体は、壁材1の表面側に、無機繊維系断熱材3が接着剤層2によって接着され、無機繊維系断熱材3の表面側が下塗層4で含浸被覆され、下塗層4が含浸被覆された無機繊維系断熱材3の表面側に、樹脂モルタルが塗布されてなる樹脂モルタル層5が形成され、樹脂モルタル層5内には、樹脂モルタルが形成する層の面に沿ってメッシュ材6が埋設されている。樹脂モルタル層5の表面側には、可とう性有する仕上塗材が成膜した可とう性を有する仕上層7が設けられている。【選択図】図1

Description

本発明は、建築物の外断熱構造体及び外断熱構造体の施工方法に関する。
人が出入りする建築物は、空調設備の省エネルギー化や結露防止などのために、断熱構造体とすることが推奨されている。建築物の断熱構造体には、外断熱構造体と内断熱構造体とがあり、外断熱構造体は、高い断熱性を有することで知られている。外断熱構造体として、特許文献1には、建築物外壁面に、繊維をバインダで積層して形成された断熱材が接着剤で貼り付けられ、断熱材の表面側に、仕上材が接着剤で貼り付けられた、外断熱構造体が記載されている。また、特許文献2には、建築物外壁面に、繊維をバインダで積層して形成されたロックウール断熱材が接着剤で固定され、ロックウール断熱材の表面側に、モルタル層が塗布され、モルタル層内に、ガラスメッシュが埋設され、モルタル層の表面側に、仕上塗装が塗装されて仕上塗膜が形成された、外断熱構造体が記載されている。これらは、繊維をバインダで積層して形成された断熱材に、多くの隙間からなる空気層が形成されることによって断熱性を発揮し、仕上材や仕上塗膜によって、断熱材への防水性を発揮している。
特開2009-138364号公報 特開2017-106250号公報
外断熱構造体を含めて建築物は、気温の変化や太陽光の照射を受けることによる温度変化により、伸縮を繰り返すものである。しかしながら、従来の外断熱構造体は、仕上材や仕上塗膜によって、断熱材への防水性を発揮しているものの、外断熱構造体の伸縮の繰り返しに対して、追従することができるものでなく、仕上材や仕上塗膜に亀裂が生じ、この亀裂から水が侵入し、防水性が満たされないおそれがあるという課題があった。
本発明は、上述の課題を解決するものであり、防水性を有する外断熱構造体を提供することを目的とする。
本発明に係る外断熱構造体は、建築物の壁材と、該壁材の表面側に、接着剤で接着された無機繊維系断熱材と、該無機繊維系断熱材の表面側に、下塗材が成膜して形成された下塗層と、該下塗層が形成された該無機繊維系断熱材の表面側に、樹脂モルタルが固化して形成された樹脂モルタル層と、該樹脂モルタル層内に、埋設されたメッシュ材と、から構成されることを特徴とする。
本発明の外断熱構造体によれば、建築物の壁材の表面側に、無機繊維系断熱材が接着されているため、断熱性を発揮することができる。また、無機繊維系断熱材の表面側に、メッシュ材が埋設された樹脂モルタル層が設けられ、メッシュ材により、外断熱構造体の伸縮を抑制し、樹脂モルタル層が樹脂を含有することにより微弾性を有しているため、外断熱構造体の伸縮に対して追従可能なものとしている。さらに、無機繊維系断熱材の表面側に、下塗層が形成され、下塗層が三次元的に無機繊維系断熱材に密着し、下塗層が形成された無機繊維系断熱材の表面側に、樹脂モルタル層が設けられているため、無機繊維系断熱材に対して樹脂モルタル層が強固に密着することができる。つまり、本発明の外断熱構造体は、無機繊維系断熱材に対して樹脂モルタル層が強固に密着し、メッシュ材が外断熱構造体の伸縮を抑制し、樹脂モルタル層が伸縮に対して追従するため、外断熱構造体に対して水の浸入口となるひび割れが抑制され、防水性を有するものとすることができる。
ここで、上記外断熱構造体において、前記樹脂モルタル層の表面側に、可とう性を有する仕上層を備えるものとすることができる。
これによれば、外断熱構造体に設けられた仕上層は、可とう性を有するため、樹脂モルタル層にひび割れが生じた場合であっても、仕上層が樹脂モルタル層に追従するため、外断熱構造体の防水性を高めることができる。
また、上記外断熱構造体において、前記無機繊維系断熱材に含有される無機繊維が一方向に配向され、該無機繊維の配向方向が前記壁材の壁面と平行でないことを特徴とする。
これによれば、無機繊維の配向方向と平行に発生する、無機繊維系断熱材の層間剥離を抑制することができる。
また、上記外断熱構造体において、前記接着剤がビニル系樹脂を含有し、該ビニル系樹脂がカルボキシル基含有ビニル系単量体及びニトリル基含有ビニル系単量体の重合体を含有するものとすることができる。
これによれば、カルボキシル基含有ビニル系単量体により、接着剤を建築物の壁材への密着性に優れるものとすることができ、ニトリル基含有ビニル系単量体により、接着剤を壁材の動きへの追従性に優れるものとすることができるため、壁材に対する防水性を発揮することができる。
ここで、本発明に係る外断熱構造体の施工方法は、建築物の壁材の表面側に、接着剤で無機繊維系断熱材を接着する第1の工程と、該無機繊維系断熱材の表面側に、下塗層を形成する下塗材を塗布する第2の工程と、該下塗層が形成された該無機繊維系断熱材の表面に、樹脂モルタル層を形成する樹脂モルタルを塗工する第3の工程と、該樹脂モルタルにメッシュ材を埋設する第4の工程と、を含むことを特徴とする。
本発明の外断熱構造体施工方法によれば、建築物の壁材の表面側に、無機繊維系断熱材が接着されているため、断熱性を発揮することができる。また、無機繊維系断熱材に対して樹脂モルタル層が強固に密着し、メッシュ材が外断熱構造体の伸縮を抑制し、樹脂モルタル層が伸縮に対して追従するため、外断熱構造体に対して水の浸入口となるひび割れが抑制され、防水性を有するものとすることができる。
また、上記外断熱構造体の施工方法において、前記メッシュ材が埋設された前記樹脂モルタル層に、可とう性を有する仕上層を形成する可とう性を有する仕上塗材を塗布する第5の工程を含むものとすることができる。
これによれば、外断熱構造体に設けられた仕上層は、可とう性を有するため、樹脂モルタル層にひび割れが生じた場合であっても、仕上層が樹脂モルタル層に追従するため、外断熱構造体の防水性を高めることができる。
本発明の外断熱構造体によれば、外断熱構造体に亀裂が生じるのを抑制することができ、防水性を有するものとすることができる。
本発明の第1実施形態の外断熱構造体の正面側から見た斜視図である。 図1のII-II線断面図である。 本発明の第2実施形態の外断熱構造体における図1のII-II線断面図に相当する断面図である。
以下、本発明の実施形態に係る外断熱構造体を図面に基づいて説明する。実施形態の外断熱構造体は、図1、図2に示すように、壁材1の表面側に、無機繊維系断熱材3が接着剤層2によって接着され、無機繊維系断熱材3の表面側が下塗層4で含浸被覆されている。下塗層4が含浸被覆された無機繊維系断熱材3の表面側には、樹脂モルタルが塗布されてなる樹脂モルタル層5が形成され、樹脂モルタル層5内には、樹脂モルタルが形成する層の面に沿ってメッシュ材6が埋設されている。樹脂モルタル層5の表面側には、可とう性を有する仕上塗材が成膜した可とう性を有する仕上層7が設けられている。なお、本明細書において、外断熱構造体の向きは、図1に示すように、外断熱構造体の仕上層7を有する側を前(表面)とし、壁材1を有する側を後(背面)とする。上下左右は、外断熱構造体を前側から見た際の上下左右とし、図示で使用する、FRは前(表面)、BAは後(背面)、UPは上、DOは下、LEは左、RIは右を示す。
壁材1とは、建築物の外壁下地材として使用されるものであり、合板、ケイ酸カルシウム板、石膏ボード、スレート板(繊維強化セメント板)、コンクリート(モルタル)板、ALC板、押出成形板などのあらゆる外壁下地材に対しても適用することができるものである。
接着剤とは、無機繊維系断熱材3を壁材1の表面側に接着させて接着剤層2を形成する組成物である。実施形態の外断熱構造体では、接着剤として市販の接着剤を使用することができる。市販の接着剤として、ボンドK110(コニシ株式会社製)、ボンド断熱材用G756(コニシ株式会社製)、ボードロックSF(セメダイン株式会社製)、木工用605(セメダイン株式会社製)などを使用することができる。
壁材1が、合板、ケイ酸カルシウム板、石膏ボードなど耐水性が必ずしも十分でない壁材である場合には、接着剤として防水接着剤を使用するのが好ましい。
防水接着剤は、壁材1の表面全体を覆うように塗布されることによって形成された接着剤層2が防水性を有する樹脂組成物であり、防水性の指標として、透水試験(建築用仕上塗材(JIS A 6909:2014)7.13透水試験B法)の試験結果が1.0mL以下(好ましくは0.5mL以下、さらに好ましくは0.2mL以下)であるものが好ましい。防水接着剤の配合例を表1に記載する。
Figure 2022041542000002
配合例の合成樹脂エマルジョンは、防水接着剤の接着成分であり、アクリル樹脂エマルジョンを使用することが好ましい。アクリル樹脂エマルジョンは、カルボキシル基含有ビニル系単量体、ニトリル基含有ビニル系単量体、芳香族ビニル系単量体、メタクリル酸アルキルエステル系単量体、アクリル酸アルキルエステル系単量体、ヒドロキシル基含有ビニル系単量体を適宜必要に応じて含有する単量体混合物を乳化重合することによって得られる。
アクリル樹脂エマルジョンの中でも、カルボキシル基含有ビニル系単量体とニトリル基含有ビニル系単量体とを含有するアクリル樹脂エマルジョンがより好ましい。カルボキシル基含有ビニル系単量体が建築物の壁材1への密着性を向上させ、ニトリル基含有ビニル系単量体が壁材1の動きへの追従性を向上させ、防水接着剤の壁材1に対する防水性を発揮することができるためである。
カルボキシル基含有ビニル系単量体は、その種類を特に限定されるものではないが、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸などを使用することができる。これらの中でも、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸を好んで使用することができる。壁材1への密着性を好適に向上させることができるためである。カルボキシル基含有ビニル系単量体は、アクリル樹脂エマルジョンの樹脂組成物を構成する全単量体100質量%に対して、0.1~10.0質量%含有されているのが好ましい。壁材1への密着性を好適に向上させることができるためである。カルボキシル基含有ビニル系単量体の含有量が0.1質量%未満だと、壁材1への密着性を十分に発揮することができないおそれがある。一方、10.0質量%を超えると、防水接着剤から成膜した接着剤層2の耐水性が劣るおそれがある。より好ましくは、0.1~5.0質量%であり、さらに好ましくは、0.3~2.0質量%である。
ニトリル基含有ビニル系単量体その種類を特に限定されるものではないが、例えば、アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどを使用することができる。これらの中でも、アクリロニトリルを好んで使用することができる。壁材1の動きへの追従性を好適に向上させることができるためである。ニトリル基含有ビニル系単量体は、アクリル樹脂エマルジョンの樹脂組成物を構成する全単量体100質量%に対して、0.5~20.0質量%含有されているのが好ましい。壁材1の動きへの追従性を好適に向上させることができるためである。カルボキシル基含有ビニル系単量体の含有量が0.5質量%未満だと、壁材1の動きへの追従性を十分に発揮することができないおそれがある。一方、20.0質量%を超えると、アクリル樹脂エマルジョンのエマルジョンとしての安定性が悪くなるおそれがある。より好ましくは、1.0~10.0質量%であり、さらに好ましくは、2.0~7.0質量%である。
その他アクリル樹脂エマルジョンに使用する単量体の芳香族ビニル系単量体、メタクリル酸アルキルエステル系単量体、アクリル酸アルキルエステル系単量体、ヒドロキシル基含有ビニル系単量体は、汎用のアクリル樹脂エマルジョンに使用されている単量体を適宜選択して使用することができる。
アクリル樹脂エマルジョンのガラス転移温度(Tg)は、-70~20℃であるものが好ましい。防水接着剤の壁材1との追従性を向上させ、防水接着剤の壁材1に対する防水性を発揮する傾向があるためである。より好ましくは、アクリル樹脂エマルジョンのTgは-65~0℃であり、さらに好ましくは、Tgは-60~-15℃である。Tgの調整は、使用するモノマーの種類と量とを調整することによって行うことができる。Tgは、フォックス(FOX)の計算式(下記(1)式)から求めることができる。Wiは単量体iの質量分率を示し、Tgiは単量体iのTg(℃)を示し、単量体のTgは、ポリマーハンドブック(John Willey & Sons)に記載されている値などの既知の値を用いることができる。

1/(273+Tg)=Σ(Wi/(273+Tgi))・・・(1)

なお、アクリル樹脂エマルジョンがいわゆるコアシェル構造である場合には、コア部に、カルボキシル基含有ビニル系単量体とニトリル基含有ビニル系単量体とを含有させ、コア部のTgを上記の好ましいTg(-70~20℃)に調整し、コア部のみに、カルボキシル基含有ビニル系単量体を含有させるのが好ましい。防水接着剤から成膜した接着剤層2の耐水性を高めることができるためである。
防水接着剤の成分としての、寒水砂、珪砂、乾燥調整剤(エチレングリコール、プロピレングリコールなど)、タッキファイヤー(テルペン樹脂、キシレン樹脂、合成ゴムなど)、消泡剤、分散剤、増粘剤、防腐剤、pH調整剤(アンモニア水、水酸化ナトリウム水溶液、アミン類など)は、接着剤や塗料に使用される汎用品を適宜選定して使用することができる。
防水接着剤の製造は、例えば、神津治雄(1981)「塗料の実際知識(第2版)」東洋経済新報社 5塗料の製造(P67~81)(以下、公知の製造方法とする。)などに従って、製造することができる。
なお、防水接着剤の市販品として、例えば、サンピタ、サンピタGOLD、サンピタWOOD(いずれも三商株式会社製)を使用することができる。
防水接着剤の塗布量(湿潤状態)は、0.5~5kg/m2が好ましい。壁材1の表面全体を覆うように塗布することができ、形成された接着剤層2が防水性を有することができるためである。より好ましくは、1~3kg/m2である。
無機繊維系断熱材3とは、無機繊維をバインダで積層して形成された断熱材であり、多くの隙間からなる空気層が形成されることによって断熱性を発揮する材料である。無機繊維系断熱材3の例として、人造鉱物繊維保温材(JIS A 9504:2017)に規定される、ロックウール保温板(以下、ロックウールと略すことがある)、グラスウール保温板(以下、グラスウールと略すことがある)を使用することができる。人造鉱物繊維保温材の中でも、撥水性に優れ、吸水した際の断熱性に優れるロックウールを好んで使用することができる。
人造鉱物繊維保温材は、断熱性能の向上の観点から、無機繊維に配向性(一定方向に配列すること)を持たせているため、無機繊維の配向方向と平行な層に沿って、層間剥離が発生しやすい性質がある。このため、人造鉱物繊維保温材(無機繊維系断熱材3)は、無機繊維の配向方向を壁材1の壁面と平行にならないように、壁材1の壁面に接着させるのが好ましい。特に好ましくは、無機繊維の配向方向と壁材1の壁面との交差角度α(図2、図3)は、鋭角側で20°以上が好ましい。無機繊維系断熱材3の層間剥離を好適に抑制することができるとともに、無機繊維系断熱材3の圧縮強度が増し、また、下塗層を形成する下塗材が無機繊維系断熱材3に含浸しやすくなるためである。特に好ましくは、交差角度αが鋭角側で45°以上であり、最も好ましくは、交差角度αが略直角である。交差角度αが略直角である無機繊維系断熱材3として、ROCKWOOL社のラメラ(ROCKWOOL RockBarrier (Lamella for ETICS))、ABM社のラメラ(ABM External Thermal Insulation Lamella)などを使用することができる。交差角度αが略0°の通常のロックウールと交差角度αが略90°のラメラの圧縮強度(10%変形時)を表2に記載する。
Figure 2022041542000003
無機繊維系断熱材3は、密度範囲が40~300kg/m3であるもの(ロックウール保温板1~3号(JIS A 9504))を好適に使用することができる。断熱性を好適に発揮することができるためである。密度範囲が40kg/m3未満だと、無機繊維系断熱材3の凝集力が弱く、経年変化により、接着剤層2との界面から無機繊維系断熱材3が剥がれるおそれがある。一方、300kg/m3を超えると、断熱性が劣るおそれがある。密度範囲は、より好ましくは、80~200kg/m3であり、さらに好ましくは、101~160kg/m3(ロックウール保温板2号)である。
無機繊維系断熱材3は、厚さ(前後方向の長さ)が30~150mmであるものを好適に使用することができる。断熱性を好適に発揮することができるためである。厚さが30mm未満だと、断熱性を十分に発揮することができないおそれがある。一方、150mmを超えると、無機繊維系断熱材3を固定する別部材が必要となり、構造が複雑となるおそれがある。無機繊維系断熱材3の厚さは、より好ましくは、50~130mmであり、さらに好ましくは80~120mmである。
下塗材とは、無機繊維系断熱材3の表面側に塗布されて下塗層4を形成する樹脂組成物である。下塗材は、無機繊維系断熱材3の表面側に塗布されることによって、無機繊維系断熱材3の空気層を形成する無機繊維の隙間に含浸して、下塗層4を形成する。このため、下塗層4は、三次元的に無機繊維系断熱材3に密着し、下塗層4の表面側に塗布される樹脂モルタルからなる樹脂モルタル層5と無機繊維系断熱材3との密着を強固なものとする。無機繊維系断熱材3に、下塗材が三次元的に含浸しているため、下塗層4は、防水層として機能する。また、下塗層4は、下塗層4の形成された無機繊維系断熱材3に塗られる樹脂モルタルの水分が、無機繊維系断熱材3に吸収され、樹脂モルタル中のセメントの水和硬化反応を阻害すること(ドライアウト)を防止することができる。下塗材の配合例を表3に記載する。
Figure 2022041542000004
下塗材に使用される合成樹脂エマルジョンは、アクリル樹脂エマルジョンの市販品を使用することができる。市販品として、ポリトロン(旭化成株式会社製)、ペガール(高圧ガス工業株式会社性)、アクロナール(BASF株式会社製)などのアクリル樹脂エマルジョンを使用することができる。
配合例の下塗材の成分としての、体質顔料(寒水砂、珪砂など)、造膜助剤(ブチルセロソルブ、テキサノールなど)、消泡剤、分散剤、増粘剤、防腐剤、pH調整剤は、汎用品を適宜選定して使用することができる。また、下塗材の製造は、接着剤の製造方法で記載した公知の製造方法に従って、製造することができる。
下塗材の粘度は、岩田カップ(アネスト岩田株式会社製粘度カップNK-2)での測定で、1~50秒の範囲にあることが好ましい。下塗材が無機繊維系断熱材3の空気層を形成する隙間に含浸しやすいためである。下塗材の粘度が1秒未満である場合には、下塗材が沈降分離し取扱性に欠けるおそれがある。一方、50秒を超えると、下塗材が無機繊維系断熱材3の隙間に含浸し難くなるおそれがある。より好ましくは、下塗材の塗料粘度は3~30秒であり、さらに好ましくは、5~20秒である。下塗材の粘度は、増粘剤の種類や添加量によって調整することができる。
なお、下塗材の市販品として、例えば、サンキュアE-200(三商株式会社製)を使用することができる。
下塗材の塗布量(湿潤状態)は、無機繊維系断熱材3の無機繊維の配向方向が壁材1の壁面と略直角であるラメラの場合、0.15~1kg/m2が好ましい。下塗材が好適に無機繊維系断熱材3に含浸し、防水層として好適に機能することができるためである。下塗材の塗布量が0.15kg/m2未満の場合には、防水層としての機能を十分に発揮することができないおそれがある。一方、1kg/m2を超えると、防水層としての機能は十分であるものの、過剰な塗布量となり不経済となるおそれがある。より好ましくは、下塗材の塗布量は0.2~0.6kg/m2であり、さらに好ましくは、0.3~0.5kg/m2である。なお、下塗材の塗布量(湿潤状態)は、無機繊維系断熱材3の無機繊維の配向方向が壁材1の壁面と略平行である場合には、無機繊維系断熱材3への下塗材の含浸する量が少ないため、下塗材の塗布量(湿潤状態)は、0.05~1kg/m2が好ましく、より好ましくは、0.1~0.6kg/m2であり、さらに好ましくは、0.15~0.5kg/m2である。下塗材は、スプレーやローラーなどを使用することによって、無機繊維系断熱材3に塗布することができる。
樹脂モルタルとは、下塗層4が形成された無機繊維系断熱材3の表面側に塗られ、樹脂モルタル層5を形成するセメント組成物である。樹脂モルタル層5は、その層内にメッシュ材6が埋設され、無機繊維系断熱材3の表面側に形成される。このため、メッシュ材6が外断熱構造体の伸縮を抑制し、可とう性を有する樹脂モルタル層5が伸縮に対して追従するため、樹脂モルタル層5は、外断熱構造体に亀裂が生じるのを抑制することができ、外断熱構造体の耐ひび割れ性を向上させ、外断熱構造体に防水性を与えることができるものである。また、樹脂モルタル層5が可とう性を有し、樹脂モルタル層5の裏(後)の無機繊維系断熱材3が外断熱構造体に加えられた外力を分散することができるため、外断熱構造体は、耐衝撃性に優れ、例えば、台風による飛来物が衝突した場合であっても、外断熱構造体への損傷を抑制することができる。樹脂モルタルの配合例を表4に、表4の組成例の樹脂モルタルの物性値を表5に記載する。
Figure 2022041542000005
Figure 2022041542000006
普通ポルトランドセメントは、ポルトランドセメント(JIS R 5210:2019)に規定される、普通ポルトランドセメントである。
再乳化形粉末樹脂とは、乳化重合によって製造した合成樹脂エマルジョンを粒子状態で乾燥して得られた微粉末樹脂であり、水を添加して撹拌すると再乳化するものである。再乳化形粉末樹脂は、樹脂モルタルに配合することにより、樹脂モルタルに可とう性を付与し、外断熱構造体の伸縮に対して追従可能とするものである。再乳化形粉末樹脂は、セメント混和用ポリマーディスパージョン及び再乳化形粉末樹脂(JIS A 6203:2015)に規定される再乳化形粉末樹脂を使用することができ、市販品として、モビニールパウダー(ジャパンコーティングレジン株式会社製)、スミカフレックス(住化ケムテックス株式会社)、アクロナール(BASF株式会社製)などの再乳化形粉末樹脂を使用することができる。
配合例の樹脂モルタルの成分としての、珪砂、増粘剤、ビニロン繊維は、汎用品を適宜選定して使用することができる。また、樹脂モルタルの製造は、樹脂モルタルの成分としての原材料を、コニカルミキサーやパドルミキサーなどを用いて、均一に混合することによって、製造することができる。
樹脂モルタルは、ビニロン繊維を含有し、下地調整塗材C-1又はC-2(建築用下地調整塗材(JIS A 6916:2014))の規格を満たすものであれば、実施形態の樹脂モルタルとして使用することができる。樹脂モルタルの市販品として、例えば、サンタフバインS(三商株式会社製下地調整塗材C-2)を使用することができる。
樹脂モルタル(樹脂モルタル層5)の吸水量(JIS A 6916))は、1.0g以下であることが好ましい。外断熱構造体の防水性をより高めることができるためである。より好ましくは、給水量は0.8g以下であり、さらに好ましくは0.5g以下である。
メッシュ材6とは、樹脂モルタル層5に埋設され、樹脂モルタル層5の伸縮を抑制し、外断熱構造体の耐ひび割れ性と耐衝撃性を向上させ、外断熱構造体に防水性を与えるものである。メッシュ材6として、市販品を使用することができ、市販品として、ガラスメッシュ、ポリプロピレンメッシュ、PET(ポリエチレンテレフタレート)メッシュなどを使用することができる。これらの中でも、耐衝撃性に優れるガラスメッシュをより好んで使用することができる。
メッシュ材6は、樹脂モルタル層5の前後方向の厚みに対して、厚みの中心面より表側(前側)にずれた面に埋設せるのが好ましい。メッシュ材6が樹脂モルタル層5の厚みの中心面より表側にずれた面に埋設されることにより、樹脂モルタル層5を含む外断熱構造体は、耐衝撃性により優れるものとすることができる。
樹脂モルタル層5におけるメッシュ材6の埋設深さ(メッシュ材6より表側の樹脂モルタル層5の厚み)は、0.5~1.8mmであることが好ましい。好適に外断熱構造体の耐衝撃性を発揮することができるためである。メッシュ材6の埋設深さが0.5mm未満の場合には、外断熱構造体の耐衝撃性を好適に発揮することができないおそれがある。一方、メッシュ材6の埋設深さが1.8mmを超えると、外断熱構造体の耐衝撃性を好適に発揮することができるものの、メッシュ材6より表側の樹脂モルタル層5が厚く、外断熱構造体の重量的負担が大きくなるおそれがある。より好ましくは、メッシュ材6の埋設深さは0.7~1.5mmであり、さらに好ましくは、メッシュ材6の埋設深さは0.9~1.2mmである。なお、メッシュ材6より裏側の樹脂モルタル層5の厚みは、メッシュ材6より表側の樹脂モルタル層5の厚み(メッシュ材6の埋設深さ)より厚い(大きい)、例えば、1~5mmが好ましい。樹脂モルタル層5の追従可能性を高めることができるためである。
仕上層7とは、可とう性を有する仕上塗材が塗装され、成膜して形成された可とう性を有する塗膜からなる層である。仕上層7は、外断熱構造体に仕上げとして美観を与えるとともに、可とう性を有しているため、外断熱構造体の防水性を高め、耐衝撃性を高めるものである。仕上層7を形成する可とう性を有する仕上塗材の配合例を表6に記載する。
Figure 2022041542000007
可とう性を有する仕上塗材に使用される合成樹脂エマルジョンは、アクリル樹脂エマルジョンの市販品を使用することができる。市販品として、ポリデュレックス(旭化成株式会社製)、モビニール(ジャパンコーティングレジン株式会社製)、ペガール(高圧ガス工業株式会社性)、アクロナール(BASF株式会社製)などのアクリル樹脂エマルジョンを使用することができる。
配合例の可とう性を有する仕上塗材の成分としての、消泡剤、分散剤、酸化チタン、寒水砂、造膜助剤、紫外線吸収剤(ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤など)、光安定化剤(ヒンダードアミン系光安定剤など)、防腐剤、防藻防カビ剤、pH調整剤、凍結防止剤、増粘剤、着色顔料(酸化鉄、カーボンブラックなど)は、汎用品を適宜選定して使用することができる。可とう性を有する仕上塗材には、粒子径0.5~5mmの粒子としての寒水砂を含有させるのが好ましい。防水形外装薄塗材を鏝塗りした際に、粒子径0.5~5mmの粒子の存在により、一定以上の塗布厚を確保することができるためである。なお、下塗材の製造は、接着剤の製造方法で記載した公知の製造方法に従って、製造することができる。
仕上層7を形成する防水形外装薄塗材は、透水試験A法(建築用仕上塗材(JIS A 6909))の試験結果が5mm以下であるものが好ましい。外断熱構造体の防水性をより高めることができるためである。より好ましくは1mm以下であり、さらに好ましくは0.5mm以下である。
なお、仕上層7を形成する防水形外装薄塗材の市販品として、建築用仕上塗材(JIS A 6909)に規定される可とう形外装薄塗材又は防水形外装薄塗材を使用することができ、例えば、サンアクアウトEX(三商株式会社製可とう形外装薄塗材)を使用することができる。
次に、実施形態の外断熱構造体の施工方法について記載する。第1実施形態として、外断熱構造体の施工方法は、木造建築物の新築として、壁材1としてのケイ酸カルシウム板の表面に、接着剤層2を形成するサンピタ(防水接着剤)でラメラ100mm(無機繊維系断熱材3)を接着する工程(第1の工程)と、無機繊維系断熱材3の表面に、下塗層4を形成するサンキュアE-200(下塗材)を塗布する工程(第2の工程)と、下塗層4が形成された無機繊維系断熱材3の表面に、樹脂モルタル層5を形成するサンタフバインS(樹脂モルタル)を塗工する工程(第3の工程)と、樹脂モルタルにメッシュ材6を埋設する工程(第4の工程)と、メッシュ材6が埋設された樹脂モルタル層5に、仕上層7を形成するサンアクアウトEX(可とう形外装薄塗材)を塗布する工程(第5の工程)と、を含むものについて記載する。
第1の工程は、壁材1の表面に防水接着剤を櫛目鏝で塗り広げ、無機繊維系断熱材3を壁材1に圧着させて接着する工程である。壁材1の表面が、防水接着剤から形成される接着剤層2で覆われるため、外断熱構造体は、防水性を有するものとすることができる。第1の工程では、防水接着剤から形成される接着剤層2が防水性を有するため、壁材1を形成する板の間に貼付される防水シートを省略することができ、工程の短縮化を図ることができる。防水接着剤の塗布量(湿潤状態)は、1kg/m2とした。
無機繊維系断熱材3は、ラメラ(無機繊維の配向方向が壁材1の壁面と略直角となるロックウール)を貼り付けた。第1の工程によって、外断熱構造体は、無機繊維系断熱材3によって被覆される。ラメラの物性を表7に記載する。
Figure 2022041542000008
第2の工程は、無機繊維系断熱材3の表面に、下塗材をローラーによって塗布し、乾燥させることによって、下塗層4を形成する工程である。下塗材の塗布量(湿潤状態)は、0.4kg/m2とした。下塗材が無機繊維系断熱材3の空気層を形成する隙間に含浸するため、下塗層4は、三次元的に無機繊維系断熱材3に密着し、防水層として機能することができるためである。
第3の工程は、下塗層4が形成された無機繊維系断熱材3の表面に、樹脂モルタルを角鏝で塗布し、樹脂モルタル層5を形成する工程である。そして、第4の工程は、樹脂モルタルにメッシュ材6を埋設する工程である。外断熱構造体は、メッシュ材6に被覆されることによって、外断熱構造体の伸縮が抑制され、樹脂モルタル層5に被覆されることによって、樹脂モルタル層5が外断熱構造体に生じる僅かな伸縮に対して追従可能であるため、耐衝撃性と防水性を有するものとすることができる。樹脂モルタルは、フロー値(JIS R 5201:2015)が172mmとなるように、清水と混錬した。
第3の工程では、防水層として機能する下塗層4が形成された無機繊維系断熱材3の表面に、樹脂モルタルを塗布するため、樹脂モルタルにドライアウト(樹脂モルタルの水分が、無機繊維系断熱材3に吸収され、樹脂モルタル中のセメントの水和硬化反応を阻害すること)が生じることを防止することができる。
第4の工程では、樹脂モルタルが硬化する前に、樹脂モルタルにメッシュ材6を埋設する。なお、樹脂モルタルにメッシュ材6を埋設した後に、樹脂モルタルを重ね塗りした。
樹脂モルタル層5におけるメッシュ材6の埋設深さ(メッシュ材6より表側の樹脂モルタル層5の厚み)は、約1.2mmとした。好適に外断熱構造体の耐衝撃性を発揮することができるためである。メッシュ材6より裏側の樹脂モルタル層5の厚みは、メッシュ材6より表側の樹脂モルタル層5の厚み(メッシュ材6の埋設深さ)より厚い1.5mmとした。樹脂モルタル層5の追従可能性を高めることができるためである。
第5の工程は、メッシュ材6が埋設された樹脂モルタル層5に、防水形外装薄塗材を塗布し、仕上層7を形成する工程である。防水形外装薄塗材は、仕上鏝によって塗布した。鏝で塗布することによって、防水形外装薄塗材に含まれる粒子径0.5~5mmの寒水砂が塗布厚を一定以上に確保するためである。
このようにして施工された実施形態の外断熱構造体は、壁材1の表面側が、防水接着剤によって接着された無機繊維系断熱材3に被覆されているため、断熱性能を有している。防水接着剤を成膜させた接着剤層2が防水性を有し、無機繊維系断熱材3に下塗材を含浸させて成膜させた下塗層4が防水層を形成し、防水層を有する無機繊維系断熱材3に形成されたメッシュ材6を埋設する樹脂モルタル層5が外断熱構造体の伸縮に対して追従して防水性を高めるため、外断熱構造体は、防水性を発揮する。樹脂モルタル層5の表面側に可とう性を有する仕上層7が形成されるため、外断熱構造体は、防水性が高められる。
施工された実施形態の外断熱構造体に、台風などによって発生した飛来物が衝突した場合、仕上層7と樹脂モルタル層5が可とう性を有し、メッシュ材6を埋設する樹脂モルタル層5が外断熱構造体の伸縮を抑え、樹脂モルタル層5の裏(後)の無機繊維系断熱材3が飛来物の衝突力を分散することができるため、外断熱構造体は、その損傷を抑制することができる。
施工された実施形態の外断熱構造体に、不本意に水が侵入した際には、水が侵入する無機繊維系断熱材3の空気層に充填されている無機繊維が撥水性を有しているため、侵入した水は、無機繊維系断熱材3内に留まることなく、外断熱構造体の下端から排出される。
次に、第2実施形態の外断熱構造体について記載する。第2実施形態の外断熱構造体は、図3に示すように、ロックウール(無機繊維系断熱材3)の無機繊維の配向方向が前方から後方に向けて上方向に傾斜し、無機繊維の配向方向と壁材1の壁面との交差角度αが鋭角側で略45°となるように、ロックウールを壁材1に接着させたものである。その他については、第1実施形態の外断熱構造体と同じである。
第2実施形態の外断熱構造体に、不本意に水が侵入した際には、第1実施形態の外断熱構造体と同様に、侵入した水は、無機繊維系断熱材3内に留まることなく、外断熱構造体の下端から排出されるが、無機繊維の配向方向に沿うように水が流れるため、無機繊維系断熱材3の前側に水の流れが集中する。このため、耐水性が必ずしも十分でないケイ酸カルシウム板(壁材1)側の水の流れを排除し、外断熱構造体の耐水性をより高めることができる。
なお、実施形態の外断熱構造体は、その構成を以下のような形態に変更しても実施することができる。
実施形態の外断熱構造体では、壁材1がケイ酸カルシウム板である木造建築物の新築を例に記載したが、実施形態の外断熱構造体は、既存の建築物の改修であっても外断熱構造体を形成することができる。この場合、外断熱構造体は、既存の建築物の既存の壁材に対して、必要により、既存のプライマー処理及び建築用下地調整塗材(JIS A 6916)によって下地を調整した後に、実施形態の外断熱構造体の施工方法を施すことにより、形成することができる。
実施形態の外断熱構造体では、樹脂モルタル層5の表面側に、可とう性を有する仕上層7を備える構成としたが、仕上層7として、建築用仕上塗材(JIS A 6909)に規定される、可とう形複層塗材CE、防水形複層塗材CE、防水形複層塗材E、防水形複層塗材RE又は防水形複層塗材RSから形成される複層仕上を形成することができる。これにより、外断熱構造体は、防水性に優れるものとすることができる。
壁材1に無機繊維系断熱材3を防水接着剤で貼付する第1の工程において、防水接着剤は、櫛目鏝などで塗り広げる工程の前段階に、いわゆるシゴキ(接着剤を擦り付けて薄く塗り付ける塗装方法)による防水接着剤の塗布工程を入れることができる。シゴキによって、防水接着剤から形成される接着剤層2の防水性をより高めることができるためである。
1…壁材、2…接着剤層、3…無機繊維系断熱材、4…下塗層、5…樹脂モルタル層、6…メッシュ材、7…仕上層、α…交差角度。

Claims (6)

  1. 建築物の壁材と、該壁材の表面側に、接着剤で接着された無機繊維系断熱材と、該無機繊維系断熱材の表面側に、下塗材が成膜して形成された下塗層と、該下塗層が形成された該無機繊維系断熱材の表面側に、樹脂モルタルが固化して形成された樹脂モルタル層と、該樹脂モルタル層内に、埋設されたメッシュ材と、から構成されることを特徴とする外断熱構造体。
  2. 前記樹脂モルタル層の表面側に、可とう性を有する仕上層を備えることを特徴とする請求項1に記載の外断熱構造体。
  3. 前記無機繊維系断熱材は、無機繊維が一方向に配向されて配向性を有する無機繊維系断熱材であって、該無機繊維の配向方向が前記壁材の壁面と平行でないことを特徴とする請求項1に記載の外断熱構造体。
  4. 前記接着剤がビニル系樹脂を含有し、該ビニル系樹脂がカルボキシル基含有ビニル系単量体及びニトリル基含有ビニル系単量体の重合体を含有することを特徴とする請求項1に記載の外断熱構造体。
  5. 建築物の壁材の表面側に、接着剤で無機繊維系断熱材を接着する第1の工程と、該無機繊維系断熱材の表面側に、下塗層を形成する下塗材を塗布する第2の工程と、該下塗層が形成された該無機繊維系断熱材の表面に、樹脂モルタル層を形成する樹脂モルタルを塗工する第3の工程と、該樹脂モルタルにメッシュ材を埋設する第4の工程と、を含むことを特徴とする外断熱構造体の施工方法。
  6. 前記メッシュ材が埋設された前記樹脂モルタル層に、可とう性を有する仕上層を形成する可とう性を有する仕上塗材を塗布する第5の工程を含むことを特徴とする請求項5に記載の外断熱構造体の施工方法。
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