JP2022040674A - イオン交換処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】イオン交換処理装置において、作業員やその他の方法による常時監視を必要とせず、装置内において閉塞等の不具合が発生してもカラムから液が溢れ出すことを防止することが可能なイオン交換処理装置を提供すること。【解決手段】本発明は、イオン交換樹脂が充填されるカラムを備えるイオン交換処理装置1であって、カラム11の上部に蓋状部材12が設けられ、蓋状部材12の上面12sには、少なくとも2つの貫通孔20を有し、貫通孔20のうちの1つ(20a)は、前記カラム内に液を供給する液供給用チューブ32の一端を接続するためのものであり、その蓋状部材12により11カラムを密閉構造としている。当該装置は、イオン交換処理試験に用いる試験用のイオン交換処理装置として好適である。【選択図】図1

Description

本発明は、イオン交換樹脂が充填されるカラムを備えるイオン交換処理装置に関するものであり、特に、実操業に先立って行うイオン交換処理試験に用いられて好適なイオン交換処理装置に関する。
イオン交換技術は、イオン交換樹脂を使用して被処理液中のイオンを分離する技術である。水処理、機能性食品・飲料の分離精製プロセス、高純度薬品や電子材料の高品質化、金属や有価物の回収等のプロセスに広く適用されている。
イオン交換処理のプロセスには、吸着工程、吸着後洗浄工程、溶離工程、溶離後洗浄工程等が含まれる。各工程の概要として、まず、吸着工程において被処理液中の分離対象イオンをイオン交換樹脂に吸着させ、次いで、吸着後洗浄工程において洗浄液を使用して残留する被処理液を洗浄する。次いで、溶離工程において溶離液(溶離用液)によってイオン交換樹脂に吸着した分離対象イオンを脱離させて溶離後液として回収する。次いで、洗浄液を使用してイオン交換樹脂に残留する溶離液を洗浄し、再び吸着工程に戻って分離操作を繰り返すことが行われる。
イオン交換処理の操作では、いくつかの作用が同時に働き、イオン交換樹脂の選択、溶離液の選択、通液流量、温度等により、分離の効率は大きく変わる。そのため、操業条件等について実操業前に規模の小さなイオン交換処理試験を行うことが重要である。
例えば、特許文献1には、実操業のイオン交換処理の操作に比較すると規模が小さい測定技術(芳香族アミノカルボン酸の測定技術)において、好ましい装置の一例として使い捨てカラムを使用することが記載されている。
特開昭54-005792号
規模の小さなイオン交換処理試験の概略としては、例えば、直立させたカラムと呼ばれる円筒形容器にイオン交換樹脂を充填し、カラム上端部から液(被処理液)を装入してイオン交換樹脂と接触させ、接触後の液をカラム下端部から抜き出す操作を行う。
イオン交換処理に用いる装置(イオン交換処理装置)に関しては、例えば、
[1]工程ごとの液の混合を抑制するために、各工程の液に対してそれぞれ送液チューブ、切替バルブ、及び送液ポンプを備えること、
[2]カラムからの排液についても同様に、各工程の排液に対して排液チューブ、切替バルブ、及び排液ポンプを備えること、
[3]吸着や脱離、洗浄の処理温度を維持するために、所定温度の水を通過させることができるジャケットをカラムに備える(イオン交換樹脂を充填した付近に備える)こと、
[4]通液速度を一定に維持するために、カラムから液を排出する排液チューブにも送液ポンプを備えること、
等の、市販の装置や治具を使用した、イオン交換処理装置の性能を向上させる様々な工夫を施すことが考えられる。
一方、実操業前に行うイオン交換処理試験は、実操業での適切な操業条件の範囲を見出すために様々な通液条件を試みることが試験目的の一つであり、あえて不適切な条件を試す場合もある。そのような場合には、試験経過を作業員が常時監視することにより、なんらかの不具合が検知されると直ちに試験を停止することが可能である。それ以外の適切と予想される条件の場合では、通液時間を勘案して巡回監視するか、タイマーをセットして自動的に通液を終了させる等の方法により、作業員の常時監視を必要としないことが一般的である。
しかしながら、意図的ではなく予想外に不適切な条件を設定してしまうこともあり、その場合、カラム内やチューブ内に沈殿物が発生してイオン交換樹脂の隙間を埋め、あるいはチューブ内壁に沈澱物が付着(沈着)して流路を閉塞させることがある。このようになると、カラムに供給した液が溢れ出る可能性があり、試験を再開するための復旧作業に多大な時間と労力が必要となる。
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、例えばイオン交換処理試験に際して用いるイオン交換処理装置において、作業員やその他の方法による常時監視を必要とせず、装置内において閉塞等の不具合が発生してもカラムから液が溢れ出すことを防止することが可能なイオン交換処理装置を提供することを目的とする。
本発明者らは、上述した課題を解決するために鋭意検討を重ねた。その結果、イオン交換処理装置において、カラムの上端部に特定の形状の蓋状部材を装着させ、その蓋状部材によりカラムを密閉構造とすることで、イオン交換樹脂の隙間やチューブの内壁に沈殿物が付着して流路が閉塞した状態となっても、供給した液がカラムから溢れ出ることを防ぐことができることを見出し、本発明を完成するに至った。
(1)本発明の第1の発明は、イオン交換樹脂が充填されるカラムを備えるイオン交換処理装置であって、前記カラムの上部に蓋状部材が設けられ、前記蓋状部材の上面には、少なくとも2つの貫通孔を有し、前記貫通孔のうちの1つは、前記カラム内に液を供給する液供給用チューブの一端を接続するためのものであり、前記蓋状部材により、前記カラムを密閉構造としている、イオン交換処理装置である。
(2)本発明の第2の発明は、第1の発明において、当該装置は、イオン交換処理試験に用いる試験用のイオン交換処理装置である、イオン交換処理装置である。
(3)本発明の第3の発明は、第1又は第2の発明において、前記貫通孔に一端が接続される前記液供給用チューブの他端の側には、該液供給用チューブを介して供給する液供給用の定量ポンプが連結されている、イオン交換処理装置である。
(4)本発明の第4の発明は、第1乃至第3のいずれかの発明において、前記貫通孔のうちの他の1つは、前記カラム内の空気の出し入れを行うための空気流出入孔である、イオン交換処理装置である。
(5)本発明の第5の発明は、第4の発明において、前記空気流出入孔には、空気流出入用のチューブの一方の端部が接続される、イオン交換処理装置である。
(6)本発明の第6の発明は、第1乃至第5のいずれかの発明において、前記カラムの下部には排出口を有し、該排出口に液排出用チューブが接続される、イオン交換処理装置である。
本発明によれば、装置内において閉塞等の不具合が発生してもカラムから液が溢れ出すことを防止することが可能なイオン交換処理装置を提供することができる。
イオン交換処理装置の構成の一例を示す断面図である。 蓋状部材の構成例を示す斜視図である。 蓋状部材の構成例を示す図であり、(A)が上面図(平面図)であり、(B)が底面図であり、(C)は(A)に示すy-y断面図である。 イオン交換処理システムの構成例を示す図である。
以下、本発明の具体的な実施形態(以下、「本実施の形態」という)について詳細に説明する。なお、本発明は以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲で種々の変更が可能である。
≪1.イオン交換処理装置≫
本実施の形態に係るイオン交換処理装置は、イオン交換樹脂が充填されるカラムを備える装置であり、カラムの上端部に蓋状部材が設けられていることを特徴とする。蓋状部材は、その上面に、少なくとも2つの貫通孔を有しており、貫通孔のうちの1つは、カラム内に液を供給する液供給用チューブの一端を接続するためのものである。このイオン交換処理装置においては、その蓋状部材により、カラムを密閉構造としている。
従来のイオン交換処理装置では、カラムの上端部は開放状態となっている。そのため、処理条件によって予期せぬ沈殿が発生した場合、カラム内に供給した液の自重だけではその沈殿物による閉塞を解消できず、供給した液がカラム上端部から溢れ出てしまうことがあった。特に、イオン交換処理の実操業に先立って行う、最適な処理条件を探索するための試験(イオン交換処理試験)では、種々の処理条件で試験を行うことから、そのような予期せぬ沈殿発生の可能性が高くなる。
例えば、少なくとも吸着工程と、溶離工程とを含むイオン交換処理のプロセスにおいて、一般的には吸着元液と溶離液との接触を避ける等の目的で、吸着後の洗浄工程と、溶離後の洗浄工程とを工程として追加し、次いで新たな吸着元液をカラムに供給して繰り返し試験を行うことになる。ところが、カラムへの給液の途中、特に吸着工程や溶離工程で供給した液が溢れ出してしまうと、カラム内のイオン交換樹脂への通液量が不明になるため、当該条件での試験ではすべての工程をやり直す必要が生じる。またそれだけでなく、溢れ出した液に含まれる有価物の回収が困難になることや、溢れ出した液が試験器及び試験器を設置した周辺に付着する恐れもあり洗浄除去する作業が必要になることもある。そのため、液の溢れ出し等の不具合が発生した場合に即座に対処すべく、作業員が常時監視する必要があった。
この点、本実施の形態に係るイオン交換処理装置では、イオン交換樹脂が充填されるカラムの上端部に、そのカラムに装着される形態で蓋状部材が設けられており、その蓋状部材によりカラムを密閉構造としている。蓋状部材が設けられることで、イオン交換樹脂の隙間を埋め、あるいはカラムに接続されたチューブ等の内壁に沈殿物が付着(沈着)して流路が閉塞した状態となっても、供給した液がカラムから溢れ出ることを防ぐことができる。これにより、作業員が常時監視することが不要となり、作業効率性を向上させることが可能となる。
また、イオン交換処理装置は、蓋状部材によってカラムが密閉構造となっており、詳しくは後述するように、蓋状部材の上面に有する貫通孔の少なくとも1つに、定量ポンプが連結された液供給用チューブの一端を接続することで、定量ポンプにより供給される液の圧力によって閉塞の原因となる沈殿物を押し出して通液を確保できる。これにより、カラムからの液の溢れ出しをより効果的に防ぐことができる。
ここで、本明細書で定義する「イオン交換処理装置」とは、後で詳述する図1に示す、イオン交換樹脂を充填するカラム(11)と、カラムに装着される蓋状部材(12)とを備える装置(1)をいう。一方、「イオン交換処理システム」とは、後で詳述する図4に示す、そのイオン交換処理装置(1)のほか、装置(1)に接続される液供給用チューブ(32)や液供給タンク(34)、液排出用チューブ(31)や排出液貯留タンク(36)等を含む処理全体を構成するシステム(2)をいい、相互に区別している。
<イオン交換処理装置の構成>
図1は、イオン交換処理装置の構成の一例を示す断面図である。イオン交換処理装置1は、イオン交換樹脂が充填されるカラム11と、カラム11の上端部11aに設けられた蓋状部材12と、を備える。また、カラム11の下端部(底部)11bには液を排出するための排出口13を有する。
[カラム]
カラム11は、内部にイオン交換樹脂が充填され、当該イオン交換処理装置1の本体を構成する。カラム11は、例えば円筒形状に形成されている。
カラム11の上端部11aには開口を有しており、この上端部11aに後述する蓋状部材12が密閉状態を保持して装着される。カラム11の上端部11aの形状も、例えば、円筒形状からなるカラム11の本体部と同心円の円筒形状である。なお、図1に示すイオン交換処理装置1を構成するカラム11では、カラム11の本体部よりもやや小径な同心円の円筒形状により上端部11aが形成されている。
また、カラム11の下端部(底部)11bには、排出口13が設けられている。排出口13は、カラム11内に供給されてイオン交換樹脂(充填体)内を通液した液が排出される液排出口である。排出口13には、液排出用の流路を構成する液排出用チューブ31が接続される。排出口13から液排出用チューブ31を介して排出された液は、液ごとに所定のタンクに移送され貯留される。
また、カラム11には、その下端部11bからイオン交換樹脂が充填される高さ位置付近までを基準としてジャケット構造を有していてもよい(図示しない)。ジャケット構造とすることで、イオン交換樹脂が充填された部分の温度をほぼ一定に保持でき、カラム11の上端部11aから調温された液を流したときにその温度にて適切に吸着や溶離等の処理が施されるようになり、好ましい。
[蓋状部材]
蓋状部材12は、カラム11の上端部11aに装着され、カラム11を密閉構造とする蓋である。図2は、蓋状部材12の構成例を示す斜視図である。また、図3は、(A)が蓋状部材12の上面図(平面図)であり、(B)が底面図であり、(C)は(A)に示すy-y断面図である。
蓋状部材12は、図2、図3に示すように、上部本体部12mと下部本体部12nとから構成されている。蓋状部材12では、図1の断面図に示すように、上部本体部12mの内側面の一部と下部本体部12nの外側面の一部とが接合して一体となっている。図1に示したように、蓋状部材12をカラム11の上端部11aに装着するとき、蓋状部材12の下部本体部12nの内側面とカラム11の上端部11aの側面(外側面)とが接して密閉を保持するように取り付けられる。
図1、図3(C)の断面図からわかるように、蓋状部材12が上部本体部12mと下部本体部12nとの2段構成となっていることから、カラム11に装着したときにカラム11内を密閉構造とすることができる。これにより、カラム11内からの液の溢れ出しを効果的に防ぐことができる。
蓋状部材12は、図3(A)に示すように、その上面12sの複数(少なくとも2つ)の孔20を有している。孔20は、上面12sから蓋状部材12の内部に貫通する貫通孔である(図3(B)も参照。以下、「貫通孔20」ともいう)。
複数形成されている貫通孔20は、そのうちの少なくとも1つ(貫通孔20a)が、カラム11内に液を供給する液供給用チューブ32の一端を接続するためのものである。貫通孔20aの数は、カラム11内に供給する液の種類数に応じて設定できる。例えば、イオン交換処理のプロセスにおいて、吸着工程と、第1洗浄工程と、溶離工程と、第2洗浄工程と、の各工程を有する場合、液の種類数は、吸着工程にて供給する吸着元液(被処理液)、第1洗浄工程及び第2洗浄工程にて供給する洗浄液、及び溶離工程にて供給する溶離液、の少なくとも3種類が必要となる。また、洗浄工程にて洗浄処理後の残存洗浄液を洗浄する水(工水等)を供給する場合には、合計で4種類となる。したがって、このような供給する液の種類数に応じて、貫通孔20aの数を設定できる。なお、図2、図3では、液供給用チューブ32の一端を接続するための貫通孔20aが4つ(20a,20a,20a,20a)設けられている例を示しているが、これに限定されない。
ここで、貫通孔20aに挿入接続されるそれぞれの液供給用チューブ32の他端は、供給する各液が貯留している供給タンクに繋がっており、その液供給用チューブ32にはタンクからの液を一定の割合で(定量的に)供給するための定量ポンプが連結されている(図4も参照)。このように、定量ポンプにより所定の圧力を付加して液をカラム11内に供給することで、閉塞の原因となる沈殿物を押し出し、通液を安定的に確保することができる。これにより、カラム11からの液の溢れ出しをより効果的に防ぐことができる。なお、その定量ポンプにおいて、リミッター(過剰な圧力が感知された場合に自動停止するリミッター)等を備えることで、カラム11からの液の溢れ出しをほぼ完全に防止することができる。
貫通孔20a(20a,20a,20a,20a)は、挿入接続される液供給用チューブ32との密着性が保持され、密閉構造が確保される構造となっている。例えば、貫通孔20aの縁部(孔縁)にゴム等によるシール部材を形成することができる。
また、複数形成されている貫通孔20は、そのうちの少なくとも1つ(貫通孔20b)が、カラム11内の空気の出し入れを行うための空気流出入孔である(以下では、「空気流出入孔20b」ともいう)。空気流出入孔20bには、空気の出し入れための空気流出入用チューブ33が挿入され接続される。
イオン交換処理プロセスの各工程において、カラム11に充填したイオン交換樹脂は供給した液に常時浸漬された状態となる。例えば、溶離液が吸着元液と接触することで沈澱を生じるような場合に、溶離工程の終了後にカラム11内の溶離液を確実に排出することを目的として、カラム11内の全液を抜き出す(「底抜き」とも呼ばれる)ことがあり、その際には、カラム11の上部からは空気を導入する必要がある。このとき、カラム11に装着される蓋状部材12の上面12sに空気流出入孔20bを形成しておくことで、その蓋状部材12を脱着することなく適切にカラム11内に空気を取り込むことができる。なお、全液を抜き出す操作を行う以外のときには、その空気流出入孔20bを閉鎖しておけばよい。閉鎖する方法には特段の制限はないが、例えば、空気流出入孔20bにチューブを挿入接続して、そのチューブにバルブを備えて孔開閉を適切に制御できるようにすることで、容易の閉鎖できる。
貫通孔20bについても、挿入接続される空気流出入用チューブ33との密着性が保持され、密閉構造が保持される構造、例えば貫通孔20bの縁部にゴム等によるシール部材が形成されている構造となっている。
≪2.イオン交換処理システム≫
<システムの構成>
図4は、イオン交換処理システムの構成例を示す図である。イオン交換処理システム2は、上述した構成を有するイオン交換処理装置1を備えている。また、イオン交換処理システム2は、イオン交換処理装置1を構成する蓋状部材12の貫通孔20aに接続された液供給用チューブ32と、その液供給用チューブ32を介して液を供給する供給タンク34を備えている。また、イオン交換処理システム2は、イオン交換処理装置1の蓋状部材12における貫通孔20bに接続された空気流出入用チューブ33を備えている。
さらに、イオン交換処理システム2は、イオン交換処理装置1を構成するカラム11の下端部(底部)11bにおける排出口13に接続された液排出用チューブ31と、その液排出用チューブ31を介して排出される液を貯留する液貯留タンク36を備えている。後述するが、液排出用チューブ31は、所定箇所で分岐されている分岐チューブである。
またさらに、イオン交換処理システム2には、制御装置50を備えるようにすることができる。制御装置500は、液供給用チューブ32に設けられた定量ポンプ35、空気流出入用チューブ33に設けられたバルブ(空気流出入用バルブ)38、液排出用チューブ31に設けられたバルブ(液排出バルブ)39のそれぞれと電気的に接続されている。制御装置50は、定量ポンプ35による給液の制御、バルブ38,39による空気出し入れ制御や排液制御を行う。
(イオン交換処理装置)
イオン交換処理装置1は、上述した説明のとおりであるためここでの詳細な説明は省略するが、カラム11の上端部11aに装着される蓋状部材12を備え、その蓋状部材12によりカラムを密閉構造としていることを特徴とする。また、蓋状部材12の上面12sには、少なくとも2つの貫通孔20が形成されており、そのうちの1つは液供給用チューブ32の一端が接続される。
このようなイオン交換処理装置1によれば、イオン交換樹脂の隙間を埋め、あるいはカラムに接続されたチューブ等の内壁に沈殿物が付着して流路が閉塞した状態となっても、供給した液がカラム11から溢れ出ることを効果的に防ぐことができる。また、蓋状部材12の上面12sの貫通孔20に液供給用チューブ32が接続され、その液供給用チューブ32を介してカラム11内に液が供給されるため、密閉状態を維持したまま、適切に各種の液を供給でき、操作性も良好である。
(液供給用チューブ)
液供給用チューブ32は、イオン交換処理装置1のカラム11内に液を供給するチューブ(配管)である。液供給用チューブ32は、その一端が、イオン交換処理装置1の蓋状部材12の貫通孔20,20aに接続されている。また、その他端が、カラム11内に供給するそれぞれの液を貯留している供給タンク34に繋がっている。図4の例では、カラム11内に、吸着元液、洗浄液(塩酸溶液)、水(工水)、溶離液の4種類の液を処理プロセスのそれぞれ工程で供給する場合の構成例を示している。イオン交換処理システム2では、図4に示すように、4本の液供給用チューブ32が接続されており、それぞれの供給タンク34からの4種類の液が各液供給用チューブ32を介して別々に供給される。
また、液供給用チューブ32のそれぞれには、その他端の側(供給タンク34が設置されている側)に、一定量の液を供給可能とする定量ポンプ35が連結されている。このように、液供給用チューブ32の他端の側に定量ポンプ35が連結されていることで、カラム11での閉塞の原因となる沈殿物を押し出して、通液を安定的に確保でき、カラム11からの液の溢れ出しをより効果的に防ぐことができる。また、その定量ポンプ35において、リミッター(過剰な圧力が感知された場合に自動停止するリミッター)等を備えることで、カラム11からの液の溢れ出しをほぼ完全に防止することができる。
(空気流出入用チューブ)
空気流出入用チューブ33は、イオン交換処理装置1のカラム11内への空気の取り込み(流入)、カラム11内からの空気の排出(流出)を行うためのチューブ(配管)である。空気流出入用チューブ33は、イオン交換処理装置1の蓋状部材12における貫通孔20bに接続されている。
上述したように、例えば、カラム11内の全液を抜き出す操作において、カラム11の上部から空気を導入する場合には、蓋状部材12に接続された空気流出入用チューブ33を介して空気を取り込む。
(液排出用チューブ)
液排出用チューブ31は、イオン交換処理装置1を構成するカラム11の下端部(底部)11bにおける排出口13に接続された液排出用のチューブ(配管)である。処理プロセスにおいては、各工程にてそれぞれ異なる液(吸着元液、洗浄液(塩酸溶液)、水(工水)、溶離液)がイオン交換樹脂に通液されるが、通液された液は、排出口13からこの液排出用チューブ31を通って排出される。
液排出用チューブ31は、分岐点を有して2流路に分岐されている分岐チューブである。液排出用チューブ31について、分岐点以降の一方のチューブを「液排出用チューブ31a」とし、分岐点以降の他方のチューブを「液排出用チューブ31b」とする。
・液排出用チューブ31a
液排出用チューブ31aは、イオン交換処理装置1と接続された側とは反対側の末端部に、その液排出用チューブ31aを介して排出される液を貯留する液貯留タンク36が接続されている。つまり、液排出用チューブ31aは、イオン交換処理プロセスにおける通常工程時に液を排出するために使用するものである。
上述したように図4では、4種類の液(吸着元液、洗浄液(塩酸溶液)、水(工水)、溶離液)が通液される例を示しており、したがって、液排出用チューブ31aはさらに下流側で4本に分岐している。分岐した4本の液排出用チューブ31a(31a,31a,31a,31a)はそれぞれ、液の種類に応じて準備された液貯留タンク36に直接接続され、イオン交換処理装置1から排出された液が貯留される。また、4本の液排出用チューブ31a(31a,31a,31a,31a)のそれぞれには、液排出バルブ39が設けられており、排出された異なる液同士が液貯留タンク36にて混ざり合わないように制御される。
ここで、液排出用チューブ31a(すなわち、カラム11内のイオン交換樹脂に通液する各種の液を排出するチューブ)は、屈曲した流路が形成されるようにイオン交換処理システム2内で配置されている。特に、イオン交換処理装置1のカラム11と液排出用チューブ31との接続位置よりも、高さ方向でより高い位置に、液排出用チューブ31aの一部(例えば一端から他端までの間の中間付近の部分)が配置されるように構成されている。図4の構成図の正面視でそのまま表されるように、カラム11の高さ方向において、図中「X」で示す部分が、カラム11と液排出用チューブ31との接続位置よりも高い位置となっている。さらに、液排出用チューブ31aのもっとも高い配置位置(図中「X」の中でも最も高い位置)は、カラム11内のイオン交換樹脂の充填高さよりも高い位置となっている。
このように、液排出用チューブ31aを、屈曲した流路が形成されるように配置し、その一部がカラム11内のイオン交換樹脂の充填高さよりも高い位置となるように配置することで、カラム11内の液量をイオン交換樹脂が気相と接触することがないレベルに保持できる。これにより、イオン交換樹脂中に空気層が生成することを防止し、通液する液の偏流やシュートパスの発生を抑制でき、イオン交換効率の低下を防ぐことができる。
・液排出用チューブ31b
一方、液排出用チューブ31bは、イオン交換処理装置1と接続された側とは反対側の末端部に、カラム11内の全液の抜き出し操作を行ったときに排出される液を貯留する液貯留タンク37が接続されている。つまり、液排出用チューブ31bは、イオン交換処理プロセスにおける全液抜き出し操作時に液を排出するために使用するものである。
液排出用チューブ31bには、液排出バルブ40が設けられており、イオン交換処理プロセスにおける全液抜き出し操作時での排液のみが、当該液排出用チューブ31bを介して排出されるように制御される。
なお、特に、最適な処理条件を探索するための試験(イオン交換処理試験)では、例えば溶離液が吸着元液と接触することで沈澱が生じる条件となる場合があり、そのようなときには溶離工程の終了後にカラム11内の溶離液を含む全液を排出して試験処理を停止することがある。このようなカラム11からの全液の排出の操作を、イオン交換処理プロセスにおける全液抜き出し操作という。
(制御装置)
制御装置50は、液供給用チューブ32に設けられた定量ポンプ35、空気流出入用チューブ33に設けられたバルブ38、液排出用チューブ31に設けられたバルブ(液排出バルブ)39のそれぞれと電気的に接続され、各機器を制御する装置である。
制御装置50は、例えば、イオン交換処理プロセスにおける各工程の進行に伴って、液供給用チューブ32に設けられた定量ポンプ35のON/OFF、並びに供給量コントロールの制御を行う。
また、制御装置50は、例えば、液排出用チューブ31aに設けられた液排出バルブ39の開閉制御を行い、排出された各種の液が適切な液貯留タンク36に移送されるように制御を行う。また、液排出用チューブ31bに設けられた液排出バルブ40の開閉制御を行い、イオン交換処理プロセスにおける全液抜き出し操作により排出された液のみが、液排出用チューブ31bを介して排出されるように制御を行う。
また、制御装置50は、例えば、空気流出入用チューブ33に設けられた空気流出入バルブ38の開閉制御を行い、全液抜き出し操作時等においてカラム11内へ適切な空気を取り込んでカラム11内の圧力を調整可能となるように制御を行う。
以下、本発明の実施例を示してより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に何ら限定されるものではない。
[実施例1]
図1に示すようなイオン交換処理装置、すなわち、カラムの上部に蓋状部材が設けられてその蓋状部材によりカラムを密閉構造としている装置を用い、図4に示すようなイオン交換処理システムを構成して、イオン交換処理試験を行った。なお、イオン交換処理装置における蓋状部材は、その上面に5つの貫通孔を有し、そのうちの4つの貫通孔にはカラム内に液を供給する液供給用チューブの一端を接続した。また、そのうちの1つの貫通孔は空気流出入孔として空気流出入用チューブの一端を接続した。
イオン交換処理試験では、吸着元液として、銅製錬工程から得られるアノードスライムを塩素浸出して得られる液(PGM濃縮液)を用い、その吸着元液を、カラム内にイオン交換樹脂を充填したイオン交換処理装置に供給した。
具体的に、イオン交換処理試験では、吸着工程において、吸着元液に含まれる回収対象のPtやPd等の白金族元素にイオンをイオン交換樹脂に吸着させ、不純物であるBi、Sb、Sn等を含む吸着後液を、イオン交換処理装置のカラム底部から排出させた。続いて、洗浄工程(第1洗浄工程)において、洗浄液を用いた白金族元素イオンを吸着したイオン交換樹脂を洗浄し、カラム内に残存する吸着元液を洗い落した。その洗浄処理では、先ず塩酸溶液を通液させ、次に水(工水)を通液させて洗浄する操作を、複数回繰り返して行った。続いて、溶離工程において、溶離液としてチオ尿素溶液を用いて、イオン交換樹脂に吸着しているPt、Pd等の白金族元素を溶離(脱離)させ、これら白金族元素を含む溶離後液を得た。最後に、洗浄工程(第2洗浄工程)において、白金族元素を溶離させた後のイオン交換樹脂を洗浄し、カラム内に残存する溶離後液を洗い落した。その洗浄処理では、先ず水(工水)を通液させ、次に塩酸溶液を通液させて洗浄する操作を、複数回繰り返して行った。
ここで、上述したイオン交換処理試験では、条件によって、吸着元液と溶離液とが接触すると白色沈殿(白沈)が発生する場合があることが知られていた。
実施例1では、図1、図4に示すイオン交換処理装置を用いた試験を行ったことにより、白沈が発生してもカラムの上端部から液が溢れ出ることはなかった。そのため、作業員の常時の監視は不要であった。また、白沈が生じた場合でも、カラム内のイオン交換樹脂を全て抜き出したあと、閉塞物(白沈)を除去して閉塞を解消する処置のみを行うことで、試験を継続することができた。
[比較例1]
比較例1では、従来のイオン交換処理装置、すなわち、カラムの上部が開口しており蓋状部材が装着されていない装置を用い、実施例1と同様にイオン交換処理試験を行った。
その結果、試験条件により白沈が発生したときに、カラム内の液がその上端部から溢れ出してしまい、試験を中断、再試験を余儀なくされた。その後は、作業員の監視下で試験をせざるを得なかった。
1 イオン交換処理装置
2 イオン交換処理システム
11 カラム
11a 上端部
11b 下端部
12 蓋状部材
12m 上部本体部
12n 下部本体部
12s 上面
13 排出口
20 孔(貫通孔)
20a 貫通孔
20b 貫通孔(空気流出入孔)
31,31a,31b 液排出用チューブ
32 液供給用チューブ
33 空気流出入用チューブ
34 供給タンク
35 定量ポンプ
36,37 液貯留タンク
38 バルブ(空気流出入バルブ)
39 バルブ(液排出バルブ)
40 液排出バルブ
50 制御装置

Claims (6)

  1. イオン交換樹脂が充填されるカラムを備えるイオン交換処理装置であって、
    前記カラムの上部に蓋状部材が設けられ、
    前記蓋状部材の上面には、少なくとも2つの貫通孔を有し、
    前記貫通孔のうちの1つは、前記カラム内に液を供給する液供給用チューブの一端を接続するためのものであり、
    前記蓋状部材により、前記カラムを密閉構造としている、
    イオン交換処理装置。
  2. 当該装置は、イオン交換処理試験に用いる試験用のイオン交換処理装置である、
    請求項1に記載のイオン交換処理装置。
  3. 前記貫通孔に一端が接続される前記液供給用チューブの他端の側には、該液供給用チューブを介して供給する液供給用の定量ポンプが連結されている、
    請求項1又は2に記載のイオン交換処理装置。
  4. 前記貫通孔のうちの他の1つは、前記カラム内の空気の出し入れを行うための空気流出入孔である、
    請求項1乃至3のいずれかに記載のイオン交換処理装置。
  5. 前記空気流出入孔には、空気流出入用のチューブの一方の端部が接続される、
    請求項4に記載のイオン交換処理装置。
  6. 前記カラムの下部には排出口を有し、該排出口に液排出用チューブが接続される、
    請求項1乃至5のいずれかに記載のイオン交換処理装置。
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