JP2022038930A - 発光性複合粒子及び発光性複合粒子組成物 - Google Patents

発光性複合粒子及び発光性複合粒子組成物 Download PDF

Info

Publication number
JP2022038930A
JP2022038930A JP2020143665A JP2020143665A JP2022038930A JP 2022038930 A JP2022038930 A JP 2022038930A JP 2020143665 A JP2020143665 A JP 2020143665A JP 2020143665 A JP2020143665 A JP 2020143665A JP 2022038930 A JP2022038930 A JP 2022038930A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
compound
luminescent composite
perovskite compound
perovskite
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2020143665A
Other languages
English (en)
Inventor
瑞穂 杉内
Mizuho SUGIUCHI
翔太 内藤
Shota NAITO
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Chemical Co Ltd filed Critical Sumitomo Chemical Co Ltd
Priority to JP2020143665A priority Critical patent/JP2022038930A/ja
Priority to CN202180052840.0A priority patent/CN115989193A/zh
Priority to PCT/JP2021/030149 priority patent/WO2022044907A1/ja
Priority to TW110130815A priority patent/TW202212455A/zh
Publication of JP2022038930A publication Critical patent/JP2022038930A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C01INORGANIC CHEMISTRY
    • C01GCOMPOUNDS CONTAINING METALS NOT COVERED BY SUBCLASSES C01D OR C01F
    • C01G21/00Compounds of lead
    • C01G21/16Halides
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08KUse of inorganic or non-macromolecular organic substances as compounding ingredients
    • C08K9/00Use of pretreated ingredients
    • C08K9/02Ingredients treated with inorganic substances
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08LCOMPOSITIONS OF MACROMOLECULAR COMPOUNDS
    • C08L101/00Compositions of unspecified macromolecular compounds
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08LCOMPOSITIONS OF MACROMOLECULAR COMPOUNDS
    • C08L33/00Compositions of homopolymers or copolymers of compounds having one or more unsaturated aliphatic radicals, each having only one carbon-to-carbon double bond, and only one being terminated by only one carboxyl radical, or of salts, anhydrides, esters, amides, imides or nitriles thereof; Compositions of derivatives of such polymers
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09KMATERIALS FOR MISCELLANEOUS APPLICATIONS, NOT PROVIDED FOR ELSEWHERE
    • C09K11/00Luminescent, e.g. electroluminescent, chemiluminescent materials
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09KMATERIALS FOR MISCELLANEOUS APPLICATIONS, NOT PROVIDED FOR ELSEWHERE
    • C09K11/00Luminescent, e.g. electroluminescent, chemiluminescent materials
    • C09K11/08Luminescent, e.g. electroluminescent, chemiluminescent materials containing inorganic luminescent materials
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09KMATERIALS FOR MISCELLANEOUS APPLICATIONS, NOT PROVIDED FOR ELSEWHERE
    • C09K11/00Luminescent, e.g. electroluminescent, chemiluminescent materials
    • C09K11/08Luminescent, e.g. electroluminescent, chemiluminescent materials containing inorganic luminescent materials
    • C09K11/66Luminescent, e.g. electroluminescent, chemiluminescent materials containing inorganic luminescent materials containing germanium, tin or lead
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01LSEMICONDUCTOR DEVICES NOT COVERED BY CLASS H10
    • H01L33/00Semiconductor devices having potential barriers specially adapted for light emission; Processes or apparatus specially adapted for the manufacture or treatment thereof or of parts thereof; Details thereof
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01LSEMICONDUCTOR DEVICES NOT COVERED BY CLASS H10
    • H01L33/00Semiconductor devices having potential barriers specially adapted for light emission; Processes or apparatus specially adapted for the manufacture or treatment thereof or of parts thereof; Details thereof
    • H01L33/48Semiconductor devices having potential barriers specially adapted for light emission; Processes or apparatus specially adapted for the manufacture or treatment thereof or of parts thereof; Details thereof characterised by the semiconductor body packages
    • H01L33/50Wavelength conversion elements

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Polymers & Plastics (AREA)
  • Microelectronics & Electronic Packaging (AREA)
  • Inorganic Chemistry (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Power Engineering (AREA)
  • Computer Hardware Design (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Luminescent Compositions (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Led Device Packages (AREA)

Abstract

【課題】耐光性に優れる、ペロブスカイト化合物を含む発光性粒子材料を提供すること。【解決手段】A、B、及びXを構成成分とするペロブスカイト型結晶構造[ペロブスカイト型結晶構造において、AはBを中心とする6面体の各頂点に位置する成分であって、1価の陽イオンであり、BはAを頂点に配置する6面体、及びXを頂点に配置する8面体の中心に位置する成分であって、金属イオンであり、XはBを中心とする8面体の各頂点に位置する成分であって、ハロゲン化物イオン、及びチオシアン酸イオンからなる群より選ばれる少なくとも一種の陰イオンである。]を有し、発光性を有するペロブスカイト化合物粒子と、該ペロブスカイト化合物粒子の表面の少なくとも一部に形成されたケイ素化合物層とを、有する発光性複合粒子であって、1~100nmの平均粒径を有する発光性複合粒子。【選択図】図1

Description

本発明は、発光性を有する半導体化合物の粒子に関し、特に、発光性を有するペロブスカイト型半導体化合物の粒子に関する。
ペロブスカイト型半導体化合物(以下、「ペロブスカイト化合物」という。)は高い量子収率を有する発光性半導体化合物であり、発光性材料として注目されている。例えば、特許文献1には、発光体としてペロブスカイト化合物を使用した発光性フィルムが記載されている。特許文献1の発光性フィルムは、発光性を有するペロブスカイト化合物粒子がシラザン改質体に内包された粒子である島部と、重合体である海部とを有する、海島構造を有するものである。特許文献1の発光性フィルムは水蒸気に対する耐久性に優れた発光性材料である。
国際公開第2018/212268号 国際公開第2019/131370号
一方で、特許文献1の発光性フィルムは、励起光の照射により劣化が進行し易く、輝度維持率(量子収率の維持率×吸収率の維持率)が低下し易いことが明らかになった。そのため、特許文献1の発光性フィルムは、耐光性に関して未だ改善の余地を有している。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、耐光性に優れる、ペロブスカイト化合物を含む発光性粒子材料を提供することを目的とする。
本発明は、
A、B、及びXを構成成分とするペロブスカイト型結晶構造
[ペロブスカイト型結晶構造において、AはBを中心とする6面体の各頂点に位置する成分であって、1価の陽イオンであり、
BはAを頂点に配置する6面体、及びXを頂点に配置する8面体の中心に位置する成分であって、金属イオンであり、
XはBを中心とする8面体の各頂点に位置する成分であって、ハロゲン化物イオン、及びチオシアン酸イオンからなる群より選ばれる少なくとも一種の陰イオンである。]
及び発光性を有するペロブスカイト化合物粒子と、該ペロブスカイト化合物粒子の表面の少なくとも一部に形成されたケイ素化合物層とを、有する発光性複合粒子であって、1~100nmの平均粒径を有する発光性複合粒子を提供する。
ある一形態においては、前記ケイ素化合物層は、加水分解性ケイ素化合物、及びその縮合物からなる群より選ばれる少なくとも一種から成る層である。
ある一形態においては、前記発光性を有するペロブスカイト化合物粒子は1~80nmの一次粒子径を有する。
また、本発明は、前記いずれかの発光性複合粒子と、分散媒、重合性化合物及び重合体からなる群から選ばれる少なくとも一種とを、含む発光性複合粒子組成物を提供する。
また、本発明は、前記いずれかの発光性複合粒子を含むフィルムを提供する。
また、本発明は、前記フィルムを含む積層構造体を提供する。
また、本発明は、前記積層構造体を備える発光装置を提供する。
また、本発明は、前記積層構造体を備えるディスプレイを提供する。
また、本発明は、前記いずれかの発光性複合粒子を含むシンチレータを提供する。
本発明によれば、耐光性に優れる、ペロブスカイト化合物を含む発光性粒子材料を提供することができる。
図1は、本発明の発光性複合粒子の構造を模式的に示す断面図である。 図2は、本発明の発光性複合粒子組成物の構造を模式的に示す断面図である。 図3は、本発明のシンチレータを含むX線検出器の構造を模式的に示す断面図である。
1.ペロブスカイト化合物を含む発光性複合粒子
図1は、本発明の発光性複合粒子の構造を模式的に示す断面図である。発光性複合粒子100はペロブスカイト化合物粒子10とその表面に形成されたケイ素化合物層20とを有する。尚、ケイ素化合物層20は、ペロブスカイト化合物粒子10の表面の少なくとも一部に形成されていれば足りる。
<ペロブスカイト化合物粒子>
ペロブスカイト化合物粒子10は、A、B、及びXを構成成分とするペロブスカイト型結晶構造を有する化合物(A、B、及びXは上記と同意義である、以下、これを「ペロブスカイト化合物(1)」という。)から成る粒子である。ペロブスカイト化合物(1)の構造としては、3次元構造、2次元構造、疑似2次元(quasi-2D)構造のいずれの構造であってもよい。
3次元構造の場合、ペロブスカイト化合物(1)の組成式は、ABX(3+δ)で表される。
2次元構造の場合、ペロブスカイト化合物(1)の組成式は、ABX(4+δ)で表される。
ここで、δは、Bの電荷バランスに応じて適宜変更が可能な数であり、-0.7以上0.7以下である。例えば、Aが1価の陽イオン、Bが2価の陽イオン、Xが1価の陰イオンである場合、ペロブスカイト化合物(1)が電気的に中性となるようにδを選択することができる。ペロブスカイト化合物(1)が電気的に中性とは、ペロブスカイト化合物(1)の電荷が0であることを意味する。
ペロブスカイト化合物(1)は、Bを中心とし、頂点をXとする八面体を含む。八面体は、BXで表される。
ペロブスカイト化合物(1)が3次元構造を有する場合、ペロブスカイト化合物(1)に含まれるBXは、八面体(BX)において頂点に位置する1つのXを、結晶中で隣り合う2つの八面体(BX)で共有することで、3次元ネットワークを構成する。
ペロブスカイト化合物(1)が2次元構造を有する場合、ペロブスカイト化合物(1)に含まれるBXは、八面体(BX)において頂点に位置する2つのXを、結晶中で隣り合う2つの八面体(BX)で共有することで八面体の稜線を共有し、2次元的に連なった層を構成する。ペロブスカイト化合物(1)では、2次元的に連なったBXからなる層と、Aからなる層と、が交互に積層された構造を有する。
ペロブスカイト化合物(1)は、3次元構造を有することが好ましい。
(構成成分A)
ペロブスカイト化合物(1)を構成するAは、1価の陽イオンである。Aとしては、セシウムイオン、有機アンモニウムイオン、又はアミジニウムイオンが挙げられる。
(有機アンモニウムイオン)
Aの有機アンモニウムイオンとして具体的には、下記式(A3)で表される陽イオンが挙げられる。
Figure 2022038930000002
式(A3)中、R~Rは、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、又はシクロアルキル基を表す。但し、R~Rは、少なくとも1つがアルキル基又はシクロアルキル基であり、R~Rの全てが同時に水素原子となることはない。
~Rで表されるアルキル基は、直鎖状であっても、分岐鎖状であってもよい。また、R~Rで表されるアルキル基は、それぞれ独立に置換基としてアミノ基を有していてもよい。
~Rで表されるアルキル基の炭素原子数は、それぞれ独立に通常1~20であり、1~4であることが好ましく、1~3であることがより好ましく、1であることがさらに好ましい。
~Rで表されるシクロアルキル基は、それぞれ独立に置換基としてアミノ基を有していてもよい。
~Rで表されるシクロアルキル基の炭素原子数は、それぞれ独立に通常3~30であり、3~11であることが好ましく、3~8であることがより好ましい。炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含む。
~Rで表される基としては、それぞれ独立に、水素原子又はアルキル基であることが好ましい。
ペロブスカイト化合物(1)が、Aとして上記式(A3)で表される有機アンモニウムイオンを含む場合、式(A3)に含まれ得るアルキル基及びシクロアルキル基の数は少ないとよい。また、式(A3)に含まれ得るアルキル基及びシクロアルキル基の炭素原子数は小さいとよい。これにより、発光強度が高い3次元構造のペロブスカイト化合物(1)を得ることができる。
式(A3)で表される有機アンモニウムイオンにおいて、R~Rで表されるアルキル基及びシクロアルキル基に含まれる炭素原子の合計数は1~4であることが好ましい。また、式(A3)で表される有機アンモニウムイオンにおいて、R~Rのうちの1つが炭素原子数1~3のアルキル基であり、R~Rのうちの3つが水素原子であることがより好ましい。
~Rのアルキル基としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert-ペンチル基、1-メチルブチル基、n-ヘキシル基、2-メチルペンチル基、3-メチルペンチル基、2,2-ジメチルブチル基、2,3-ジメチルブチル基、n-ヘプチル基、2-メチルヘキシル基、3-メチルヘキシル基、2,2-ジメチルペンチル基、2,3-ジメチルペンチル基、2,4-ジメチルペンチル基、3,3-ジメチルペンチル基、3-エチルペンチル基、2,2,3-トリメチルブチル基、n-オクチル基、イソオクチル基、2-エチルヘキシル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、イコシル基が例示できる。
~Rのシクロアルキル基としては、それぞれ独立にR~Rのアルキル基で例示した炭素原子数3以上のアルキル基が環を形成したものが挙げられる。一例として、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロノニル基、シクロデシル基、ノルボルニル基、イソボルニル基、1-アダマンチル基、2-アダマンチル基、トリシクロデシル基等を例示できる。
Aで表される有機アンモニウムイオンとしては、CHNH (メチルアンモニウムイオンともいう。)、CNH (エチルアンモニウムイオンともいう。)又はCNH (プロピルアンモニウムイオンともいう。)であることが好ましく、メチルアンモニウムイオン又はエチルアンモニウムイオンであることより好ましく、メチルアンモニウムイオンであることがさらに好ましい。
(アミジニウムイオン)
Aで表されるアミジニウムイオンとしては、例えば、下記式(A4)で表されるアミジニウムイオンが挙げられる。
(R1011N=CH-NR1213・・・(A4)
式(A4)中、R10~R13は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、又はシクロアルキル基を表す。
10~R13で表されるアルキル基は、それぞれ独立に直鎖状であっても、分岐鎖状であってもよい。また、R10~R13で表されるアルキル基は、それぞれ独立に置換基としてアミノ基を有していてもよい。
10~R13で表されるアルキル基の炭素原子数は、それぞれ独立に通常1~20であり、1~4であることが好ましく、1~3であることがより好ましい。
10~R13で表されるシクロアルキル基は、それぞれ独立に置換基として、アミノ基を有していてもよい。
10~R13で表されるシクロアルキル基の炭素原子数は、それぞれ独立に通常3~30であり、3~11であることが好ましく、3~8であることがより好ましい。炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含む。
10~R13のアルキル基の具体例としては、それぞれ独立にR~Rにおいて例示したアルキル基と同じ基が挙げられる。
10~R13のシクロアルキル基の具体例としては、それぞれ独立にR~Rにおいて例示したシクロアルキル基と同じ基が挙げられる。
10~R13で表される基としては、それぞれ独立に水素原子又はアルキル基が好ましい。
式(A4)に含まれる、アルキル基及びシクロアルキル基の数を少なくすること、並びにアルキル基及びシクロアルキル基の炭素原子数を小さくすることにより、発光強度が高い3次元構造のペロブスカイト化合物(1)を得ることができる。
アミジニウムイオンにおいて、R10~R13で表されるアルキル基及びシクロアルキル基に含まれる炭素原子数の合計数は1~4であることが好ましく、R10が炭素原子数1のアルキル基であり、R11~R13が水素原子であることがさらに好ましい。
ペロブスカイト化合物(1)において、Aがセシウムイオン、炭素原子数が3以下の有機アンモニウムイオン、又は炭素原子数が3以下のアミジニウムイオンである場合、一般的にペロブスカイト化合物(1)は3次元構造を有する。
ペロブスカイト化合物(1)において、Aが炭素原子数4以上の有機アンモニウムイオン、又は炭素原子数4以上のアミジニウムイオンである場合、ペロブスカイト化合物(1)は、2次元構造及び擬似2次元(quasi-2D)構造のいずれか一方又は両方を有する。この場合、ペロブスカイト化合物(1)は、2次元構造又は疑似2次元構造を、結晶の一部又は全体に有することができる。
2次元のペロブスカイト型結晶構造が複数積層すると3次元のペロブスカイト型結晶構造と同等になる(参考文献:P.PBoixら、J.Phys.Chem.Lett.2015,6,898-907など)。
ペロブスカイト化合物(1)中のAは、セシウムイオン、又はアミジニウムイオンが好ましく、アミジニウムイオンがより好ましい。
ペロブスカイト化合物(1)においては、Aを1種のみ用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
(構成成分B)
ペロブスカイト化合物(1)を構成するBは、1価の金属イオン、2価の金属イオン、及び3価の金属イオンからなる群より選ばれる1種類以上の金属イオンであってよい。Bは2価の金属イオンを含むことが好ましく、鉛イオン、スズイオン、アンチモンイオン、ビスマスイオン、及びインジウムイオンからなる群より選ばれる1種類以上の金属イオンを含むことがより好ましく、鉛イオン又はスズイオンがさらに好ましく、鉛イオンが特に好ましい。
ペロブスカイト化合物(1)においては、Bを1種のみ用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
(構成成分X)
ペロブスカイト化合物(1)を構成するXは、ハロゲン化物イオン、及びチオシアン酸イオンからなる群より選ばれる少なくとも一種の陰イオンであってよい。
ハロゲン化物イオンとしては、塩化物イオン、臭化物イオン、フッ化物イオン、ヨウ化物イオンを挙げることができる。Xは、臭化物イオンであることが好ましい。
ペロブスカイト化合物(1)においては、Xを1種のみ用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
Xが2種以上のハロゲン化物イオンを含む場合、ハロゲン化物イオンの含有比率は、発光波長により適宜選ぶことができる。例えば、臭化物イオンと塩化物イオンとの組み合わせ、又は、臭化物イオンとヨウ化物イオンとの組み合わせとすることができる。
Xは、所望の発光波長に応じて適宜選択することができる。
Xが臭化物イオンであるペロブスカイト化合物(1)は、通常480nm以上、好ましくは500nm以上、より好ましくは520nm以上の波長範囲に強度の極大ピークがある蛍光を発することができる。
また、Xが臭化物イオンであるペロブスカイト化合物(1)は、通常700nm以下、好ましくは600nm以下、より好ましくは580nm以下の波長範囲に強度の極大ピークがある蛍光を発することができる。
上記波長範囲の上限値及び下限値は、任意に組み合わせることができる。
ペロブスカイト化合物(1)中のXが臭化物イオンの場合、発する蛍光のピークは、通常480~700nmであり、500~600nmであることが好ましく、520~580nmであることがより好ましい。
Xがヨウ化物イオンであるペロブスカイト化合物(1)は、通常520nm以上、好ましくは530nm以上、より好ましくは540nm以上の波長範囲に強度の極大ピークがある蛍光を発することができる。
また、Xがヨウ化物イオンであるペロブスカイト化合物(1)は、通常800nm以下、好ましくは750nm以下、より好ましくは730nm以下の波長範囲に強度の極大ピークがある蛍光を発することができる。
上記波長範囲の上限値及び下限値は、任意に組み合わせることができる。
ペロブスカイト化合物(1)中のXがヨウ化物イオンの場合、発する蛍光のピークは、通常520~800nmであり、530~750nmであることが好ましく、540~730nmであることがより好ましい。
Xが塩化物イオンであるペロブスカイト化合物(1)は、通常300nm以上、好ましくは310nm以上、より好ましくは330nm以上の波長範囲に強度の極大ピークがある蛍光を発することができる。
また、Xが塩化物イオンであるペロブスカイト化合物(1)は、通常600nm以下、好ましくは580nm以下、より好ましくは550nm以下の波長範囲に強度の極大ピークがある蛍光を発することができる。
上記波長範囲の上限値及び下限値は、任意に組み合わせることができる。
ペロブスカイト化合物(1)中のXが塩化物イオンの場合、発する蛍光のピークは、通常300~600nmであり、310~580nmであることが好ましく、330~550nmであることがより好ましい。
(3次元構造のペロブスカイト化合物(1)の例示)
ABX(3+δ)で表される3次元構造のペロブスカイト化合物(1)の好ましい例としては、CHNHPbBr、CHNHPbCl、CHNHPbI、CHNHPbBr(3-y)(0<y<3)、CHNHPbBr(3-y)Cl(0<y<3)、(HN=CH-NH)PbBr、(HN=CH-NH)PbCl、(HN=CH-NH)PbIを挙げることができる。
3次元構造のペロブスカイト化合物(1)の好ましい例としては、CHNHPb(1-a)CaBr(0<a≦0.7)、CHNHPb(1-a)SrBr(0<a≦0.7)、CHNHPb(1-a)LaBr(3+δ)(0<a≦0.7,0<δ≦0.7)、CHNHPb(1-a)BaBr(0<a≦0.7)、CHNHPb(1-a)DyBr(3+δ)(0<a≦0.7,0<δ≦0.7)も挙げることができる。
3次元構造のペロブスカイト化合物(1)の好ましい例としては、CHNHPb(1-a)NaBr(3+δ)(0<a≦0.7,-0.7≦δ<0)、CHNHPb(1-a)LiBr(3+δ)(0<a≦0.7,-0.7≦δ<0)も挙げることができる。
3次元構造のペロブスカイト化合物(1)の好ましい例としては、CsPb(1-a)NaBr(3+δ)(0<a≦0.7,-0.7≦δ<0)、CsPb(1-a)LiBr(3+δ)(0<a≦0.7,-0.7≦δ<0)も挙げることができる。
3次元構造のペロブスカイト化合物(1)の好ましい例としては、CHNHPb(1-a)NaBr(3+δ-y)(0<a≦0.7,-0.7≦δ<0,0<y<3)、CHNHPb(1-a)LiBr(3+δ-y)(0<a≦0.7,-0.7≦δ<0,0<y<3)、CHNHPb(1-a)NaBr(3+δ-y)Cl(0<a≦0.7,-0.7≦δ<0,0<y<3)、CHNHPb(1-a)LiBr(3+δ-y)Cl(0<a≦0.7,-0.7≦δ<0,0<y<3)も挙げることができる。
3次元構造のペロブスカイト化合物(1)の好ましい例としては、(HN=CH-NH)Pb(1-a)NaBr(3+δ)(0<a≦0.7,-0.7≦δ<0)、(HN=CH-NH)Pb(1-a)LiBr(3+δ)(0<a≦0.7,-0.7≦δ<0)、(HN=CH-NH)Pb(1-a)NaBr(3+δ-y)(0<a≦0.7,-0.7≦δ<0,0<y<3)、(HN=CH-NH)Pb(1-a)NaBr(3+δ-y)Cl(0<a≦0.7,-0.7≦δ<0,0<y<3)も挙げることができる。
3次元構造のペロブスカイト化合物(1)の好ましい例としては、CsPbBr、CsPbCl、CsPbI、CsPbBr(3-y)(0<y<3)、CsPbBr(3-y)Cl(0<y<3)も挙げることができる。
3次元構造のペロブスカイト化合物(1)の好ましい例としては、CHNHPb(1-a)ZnBr(0<a≦0.7)、CHNHPb(1-a)AlBr(3+δ)(0<a≦0.7、0≦δ≦0.7)、CHNHPb(1-a)CoBr(0<a≦0.7)、CHNHPb(1-a)MnBr(0<a≦0.7)、CHNHPb(1-a)MgBr(0<a≦0.7)も挙げることができる。
3次元構造のペロブスカイト化合物(1)の好ましい例としては、CsPb(1-a)ZnBr(0<a≦0.7)、CsPb(1-a)AlBr(3+δ)(0<a≦0.7、0<δ≦0.7)、CsPb(1-a)CoBr(0<a≦0.7)、CsPb(1-a)MnBr(0<a≦0.7)、CsPb(1-a)MgBr(0<a≦0.7)も挙げることができる。
3次元構造のペロブスカイト化合物(1)の好ましい例としては、CHNHPb(1-a)ZnBr(3-y)(0<a≦0.7、0<y<3)、CHNHPb(1-a)AlBr(3+δ-y)(0<a≦0.7,0<δ≦0.7,0<y<3)、CHNHPb(1-a)CoBr(3-y)(0<a≦0.7、0<y<3)、CHNHPb(1-a)MnBr(3-y)(0<a≦0.7,0<y<3)、CHNHPb(1-a)MgBr(3-y)(0<a≦0.7、0<y<3)、CHNHPb(1-a)ZnBr(3-y)Cl(0<a≦0.7、0<y<3)、CHNHPb(1-a)AlBr(3+δ-y)Cl(0<a≦0.7、0<δ≦0.7、0<y<3)、CHNHPb(1-a)CoBr(3+δ-y)Cl(0<a≦0.7、0<y<3)、CHNHPb(1-a)MnBr(3-y)Cl(0<a≦0.7、0<y<3)、CHNHPb(1-a)MgBr(3-y)Cl(0<a≦0.7、0<y<3)も挙げることができる。
3次元構造のペロブスカイト化合物(1)の好ましい例としては、(HN=CH-NH)ZnBr(0<a≦0.7)、(HN=CH-NH)MgBr(0<a≦0.7)、(HN=CH-NH)Pb(1-a)ZnBr(3-y)(0<a≦0.7、0<y<3)、(HN=CH-NH)Pb(1-a)ZnBr(3-y)Cl(0<a≦0.7、0<y<3)も挙げることができる。
上述した3次元構造のペロブスカイト化合物(1)の中でも、CsPbBr、CsPbBr(3-y)(0<y<3)、(HN=CH-NH)PbBrがより好ましく、(HN=CH-NH)PbBrがさらに好ましい。
(2次元構造のペロブスカイト化合物(1)の例示)
2次元構造のペロブスカイト化合物(1)の好ましい例としては、(CNHPbBr、(CNHPbCl、(CNHPbI、(C15NHPbBr、(C15NHPbCl、(C15NHPbI、(CNHPb(1-a)LiBr(4+δ)(0<a≦0.7、-0.7≦δ<0)、(CNHPb(1-a)NaBr(4+δ)(0<a≦0.7、-0.7≦δ<0)、(CNHPb(1-a)RbBr(4+δ)(0<a≦0.7、-0.7≦δ<0)を挙げることができる。
2次元構造のペロブスカイト化合物(1)の好ましい例としては、(C15NHPb(1-a)NaBr(4+δ)(0<a≦0.7、-0.7≦δ<0)、(C15NHPb(1-a)LiBr(4+δ)(0<a≦0.7、-0.7≦δ<0)、(C15NHPb(1-a)RbBr(4+δ)(0<a≦0.7、-0.7≦δ<0)も挙げることができる。
2次元構造のペロブスカイト化合物(1)の好ましい例としては、(CNHPb(1-a)NaBr(4+δ-y)(0<a≦0.7、-0.7≦δ<0、0<y<4)、(CNHPb(1-a)LiBr(4+δ-y)(0<a≦0.7、-0.7≦δ<0、0<y<4)、(CNHPb(1-a)RbBr(4+δ-y)(0<a≦0.7、-0.7≦δ<0、0<y<4)も挙げることができる。
2次元構造のペロブスカイト化合物(1)の好ましい例としては、(CNHPb(1-a)NaBr(4+δ-y)Cl(0<a≦0.7、-0.7≦δ<0、0<y<4)、(CNHPb(1-a)LiBr(4+δ-y)Cl(0<a≦0.7、-0.7≦δ<0、0<y<4)、(CNHPb(1-a)RbBr(4+δ-y)Cl(0<a≦0.7、-0.7≦δ<0、0<y<4)も挙げることができる。
2次元構造のペロブスカイト化合物(1)の好ましい例としては、(CNHPbBr、(C15NHPbBrも挙げることができる。
2次元構造のペロブスカイト化合物(1)の好ましい例としては、(CNHPbBr(4-y)Cl(0<y<4)、(CNHPbBr(4-y)(0<y<4)も挙げることができる。
2次元構造のペロブスカイト化合物(1)の好ましい例としては、(CNHPb(1-a)ZnBr(0<a≦0.7)、(CNHPb(1-a)MgBr(0<a≦0.7)、(CNHPb(1-a)CoBr(0<a≦0.7)、(CNHPb(1-a)MnBr(0<a≦0.7)も挙げることができる。
2次元構造のペロブスカイト化合物(1)の好ましい例としては、(C15NHPb(1-a)ZnBr(0<a≦0.7)、(C15NHPb(1-a)MgBr(0<a≦0.7)、(C15NHPb(1-a)CoBr(0<a≦0.7)、(C15NHPb(1-a)MnBr(0<a≦0.7)も挙げることができる。
2次元構造のペロブスカイト化合物(1)の好ましい例としては、(CNHPb(1-a)ZnBr(4-y)(0<a≦0.7、0<y<4)、(CNHPb(1-a)MgBr(4-y)(0<a≦0.7、0<y<4)、(CNHPb(1-a)CoBr(4-y)(0<a≦0.7、0<y<4)、(CNHPb(1-a)MnBr(4-y)(0<a≦0.7、0<y<4)も挙げることができる。
2次元構造のペロブスカイト化合物(1)の好ましい例としては、(CNHPb(1-a)ZnBr(4-y)Cl(0<a≦0.7、0<y<4)、(CNHPb(1-a)MgBr(4-y)Cl(0<a≦0.7、0<y<4)、(CNHPb(1-a)CoBr(4-y)Cl(0<a≦0.7、0<y<4)、(CNHPb(1-a)MnBr(4-y)Cl(0<a≦0.7、0<y<4)も挙げることができる。
<ペロブスカイト化合物粒子の一次粒子径>
本明細書において、ペロブスカイト化合物粒子の一次粒子径とは、複数のペロブスカイト化合物粒子で構成されるペロブスカイト化合物粒子の混合物におけるペロブスカイト化合物粒子の平均粒径であり、その平均粒径は、1.0~80.0nm以下であることが好ましい。分散媒体中において発光性複合粒子が安定的に分散できる観点から、ペロブスカイト化合物粒子の平均粒径は3.0nm以上であることが好ましく、5.0nm以上であることがより好ましく、10.0nm以上であることがさらに好ましい。また、発光強度が高い発光性複合粒子を得る観点から、ペロブスカイト化合物粒子の平均粒径は50.0nm以下であることが好ましく、30.0nm以下であることがより好ましく、20.0nm以下であることがさらに好ましい。
ペロブスカイト化合物粒子の平均粒径は、例えば透過型電子顕微鏡(以下、TEMともいう。)、又は走査型電子顕微鏡(以下、SEMともいう。)を用いて観察することにより測定することができる。具体的には、TEM、又はSEMにより、無作為に選んだ30個以上のペロブスカイト化合物粒子の立方体もしくは直方体形状をした粒子の最も長い辺の長さを測定し、測定値の算術平均値を計算することにより、平均粒径を求めることができる。
ペロブスカイト化合物粒子を観察する方法としては、例えば、ペロブスカイト化合物粒子を含む分散液組成物をSEM、又はTEMなどを用いて観察する方法が挙げられる。さらに、SEM、又はTEMを用いたエネルギー分散型X線分析(EDX)測定では、詳細な元素分布を解析することができる。空間分解能が高い観点から、TEMで観察する方法が好ましい。
<ケイ素化合物層>
ケイ素化合物層20は、加水分解性ケイ素化合物及びその縮合物からなる群より選ばれる少なくとも1つの化合物から成る層である。加水分解性ケイ素化合物とは、加水分解可能な官能基を有し、これが縮合して、Si-O-Si結合を形成するケイ素化合物をいう。「縮合」とは、Si-N結合、Si-SR結合(Rは水素原子又は有機基)又はSi-OR結合(Rは水素原子又は有機基)を有するケイ素化合物が加水分解し、Si-O-Si結合を有するケイ素化合物が生成することをいう。Si-O-Si結合は、分子間の縮合反応で生成してもよく、分子内の縮合反応で生成してもよい。
加水分解性ケイ素化合物として、好ましくは、シラザン及び加水分解性シラン化合物が挙げられる(これらを、以下、「加水分解性ケイ素化合物(2)」という。)。ケイ素化合物層20がペロブスカイト化合物粒子10の表面を被覆することによって、量子収率を向上させ、発光波長を短波長化するという効果が得られる。
<シラザン>
シラザンは、Si-N-Si結合を有する化合物である。シラザンは、直鎖状、分岐鎖状、又は環状のいずれであってもよい。
シラザンは、低分子シラザンであっても、高分子シラザンであってもよい。本明細書では、高分子シラザンをポリシラザンと記載することがある。
本明細書において「低分子」とは、数平均分子量が600未満であることを意味する。また、本明細書において「高分子」とは、数平均分子量が600以上2000以下であることを意味する。
本明細書において「数平均分子量」とは、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)法により測定されるポリスチレン換算値を意味する。
(低分子シラザン)
低分子シラザンとしては、例えば、下記式(B1)で表されるジシラザンであることが好ましい。
Figure 2022038930000003
式(B1)中、R14及びR15は、それぞれ独立して、水素原子、炭素原子数1~20のアルキル基、炭素原子数1~20のアルケニル基、炭素原子数3~20のシクロアルキル基、炭素原子数6~20のアリール基、又は炭素原子数1~20のアルキルシリル基を表す。
14及びR15は、アミノ基などの置換基を有していてもよい。複数あるR15は、同一であってもよく、異なっていてもよい。
式(B1)で表される低分子シラザンとしては、1,3-ジビニル-1,1,3,3-テトラメチルジシラザン、1,3-ジフェニルテトラメチルジシラザン、及び1,1,1,3,3,3-ヘキサメチルジシラザンが挙げられる。
(低分子シラザン)
低分子シラザンとしては、例えば、下記式(B2)で表される低分子シラザンも好ましい。
Figure 2022038930000004
式(B2)中、R14、及びR15は、上記式(B1)におけるR14、及びR15と同様である。
複数あるR14は、同一であってもよく、異なっていてもよい。
複数あるR15は、同一であってもよく、異なっていてもよい。
式(B2)中、nは1以上20以下の整数を表す。nは、1以上10以下の整数でもよく、1又は2でもよい。
式(B2)で表される低分子シラザンとしては、オクタメチルシクロテトラシラザン、2,2,4,4,6,6-ヘキサメチルシクロトリシラザン、及び2,4,6-トリメチル-2,4,6-トリビニルシクロトリシラザンが挙げられる。
低分子のシラザンとしては、オクタメチルシクロテトラシラザン、及び1,3-ジフェニルテトラメチルジシラザンが好ましく、オクタメチルシクロテトラシラザンがより好ましい。
(高分子シラザン)
高分子シラザンとしては、例えば、下記式(B3)で表される高分子シラザン(ポリシラザン)が好ましい。
ポリシラザンは、Si-N-Si結合を有する高分子化合物である。式(B3)で表されるポリシラザンの構成単位は、一種であっても、複数種であってもよい。
Figure 2022038930000005
式(B3)中、R14、及びR15は、上記式(B1)におけるR14、及びR15と同様である。
式(B3)中、*は、結合手を表す。分子鎖末端のN原子の結合手には、R14が結合している。
分子鎖末端のSi原子の結合手には、R15が結合している。
複数あるR14は、同一であってもよく、異なっていてもよい。
複数あるR15は、同一であってもよく、異なっていてもよい。
mは、2以上10000以下の整数を表す。
式(B3)で表されるポリシラザンは、例えば、R14、及びR15のすべてが水素原子であるパーヒドロポリシラザンでもよい。
また、式(B3)で表されるポリシラザンは、例えば、少なくとも1つのR15が水素原子以外の基であるオルガノポリシラザンであってもよい。用途に応じて、適宜にパーヒドロポリシラザンとオルガノポリシラザンを選択してよく、混合して使用することもできる。
発光性複合粒子の分散性を向上させ、凝集を抑制する効果が高まる観点から、ケイ素化合物層は、式(B3)で表されるオルガノポリシラザンを含むことが好ましい。
式(B3)で表されるオルガノポリシラザンとしては、R14及びR15の少なくとも1つが、炭素原子数1~20のアルキル基、炭素原子数1~20のアルケニル基、炭素原子数3~20のシクロアルキル基、炭素原子数6~20のアリール基、又は炭素原子数1~20のアルキルシリル基であるオルガノポリシラザンであってもよい。
その中でも、式(B3)で表されR14及びR15の少なくとも1つがメチル基であるオルガノポリシラザンが好ましい。
(高分子シラザン)
高分子シラザンとしては、例えば、下記式(B4)で表される構造を有するポリシラザンも好ましい。
ポリシラザンは、分子内の一部に環構造を有していてもよく、例えば、式(B4)で表される構造を有していてもよい。
Figure 2022038930000006
式(B4)中、*は、結合手を表す。
式(B4)の結合手は、式(B3)で表されるポリシラザンの結合手、又は式(B3)で表されるポリシラザンの構成単位の結合手と結合していてもよい。
また、ポリシラザンが、分子内に複数の式(B4)で表される構造を含む場合、式(B4)で表される構造の結合手は、他の式(B4)で表される構造の結合手と直接結合していてもよい。
式(B3)で表されるポリシラザンの結合手、式(B3)で表されるポリシラザンの構成単位の結合手、及び他の式(B4)で表される構造の結合手のいずれとも結合していないN原子の結合手には、R14が結合している。
式(B3)で表されるポリシラザンの結合手、式(B3)で表されるポリシラザンの構成単位の結合手、及び他の式(B4)で表される構造の結合手のいずれとも結合していないSi原子の結合手には、R15が結合している。
は、1以上10000以下の整数を表す。nは、1以上10以下の整数でもよく、1又は2でもよい。
発光性複合粒子の分散性を向上させ、凝集を抑制する効果が高まる観点から、ケイ素化合物層は、式(B4)で表される構造を有するオルガノポリシラザンを含むことが好ましい。
式(B4)で表される構造を有するオルガノポリシラザンとしては、少なくとも1つの結合手がR14又はR15と結合し、当該R14及びR15の少なくとも1つが、炭素原子数1~20のアルキル基、炭素原子数1~20のアルケニル基、炭素原子数3~20のシクロアルキル基、炭素原子数6~20のアリール基、又は炭素原子数1~20のアルキルシリル基であるオルガノポリシラザンであってもよい。
その中でも、式(B4)で表される構造を含み、少なくとも1つの結合手がR14又はR15と結合し、当該R14及びR15の少なくとも1つがメチル基であるポリシラザンであることが好ましい。
一般的なポリシラザンは、例えば、直鎖構造と、6員環、又は8員環等の環構造とが存在した構造、すなわち前記式(B3)、前記式(B4)で表される構造を有する。一般的なポリシラザンの分子量は、数平均分子量(Mn)で600~2000程度(ポリスチレン換算)であり、分子量によって液体又は固体の物質でありうる。
ポリシラザンは、市販品を使用してもよく、市販品としては、NN120-10、NN120-20、NAX120-20、NN110、NAX120、NAX110、NL120A、NL110A、NL150A、NP110、NP140(AZエレクトロニックマテリアルズ株式会社製)並びに、AZNN-120-20、Durazane(登録商標)1500 Slow Cure、Durazane1500 Rapid Cure、Durazane1800、及びDurazane1033(メルクパフォーマンスマテリアルズ株式会社製)等が挙げられる。
ポリシラザンは、好ましくはAZNN-120-20、Durazane1500 Slow Cure、Durazane1500 Rapid Cureであり、より好ましくはDurazane1500 Slow Cureである。
<シラザンの縮合物>
シラザンの縮合物としては、前記式(B1)で表されるジシラザンの縮合物、前記式(B2)で表される低分子シラザンの縮合物、前記式(B3)で表されるポリシラザンの縮合物、前記式(B4)で表される構造を分子内に有するポリシラザンの縮合物であることが好ましい。
式(B2)で表される低分子シラザンの縮合物について、式(B2)で表される低分子シラザンの縮合物に含まれる全てのケイ素原子に対して窒素原子と結合していないケイ素原子の割合は0.1~100%であることが好ましい。また、窒素原子と結合していないケイ素原子の割合は、10~98%であることがより好ましく、30~95%であることがさらに好ましい。
なお、「窒素原子と結合していないケイ素原子の割合」は、後述する測定値を用いて、((Si(モル))-(Si-N結合中のN(モル)))/Si(モル)×100で求められる。縮合反応を考慮すると、「窒素原子と結合していないケイ素原子の割合」とは、「縮合処理にて生じるシロキサン結合に含まれるケイ素原子の割合」を意味する。
式(B3)で表されるポリシラザンの縮合物について、式(B3)で表されるポリシラザンの縮合物に含まれる全てのケイ素原子に対して窒素原子と結合していないケイ素原子の割合は0.1~100%であることが好ましい。また、窒素原子と結合していないケイ素原子の割合は、10~98%であることがより好ましく、30~95%であることがさらに好ましい。
式(B4)で表される構造を有するポリシラザンの縮合物について、式(B4)で表される構造を有するポリシラザンの縮合物に含まれる全てのケイ素原子に対して窒素原子と結合していないケイ素原子の割合は0.1~99%であることが好ましい。また、窒素原子と結合していないケイ素原子の割合は、10~97%であることがより好ましく、30~95%であることがさらに好ましい。
縮合物中のSi原子数、Si-N結合の数は、X線光電子分光法(XPS)によって測定することができる。
縮合物について、上述の方法による測定値を用いて求められる「窒素原子と結合していないケイ素原子の割合」は、0.1~99%であることが好ましく、10~99%であることがより好ましく、30~95%であることがさらに好ましい。
<加水分解性シラン化合物>
加水分解性シラン化合物として、好ましくは、アミノ基、アルコキシ基又はアルキルチオ基を有するシラン化合物である。加水分解性シラン化合物としては、3-アミノプロピルトリエトキシシラン、3-アミノプロピルトリメトキシシラン、ドデシルトリメトキシシラン、トリメトキシフェニルシラン、1H,1H,2H,2H-パーフルオロオクチルトリエトキシシラン、トリメトキシ(1H,1H,2H,2H-ノナフルオロヘキシル)シラン、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリエトキシシランが例として挙げられる。
中でも、発光性複合粒子の耐久性の観点から、3-アミノプロピルトリエトキシシラン、3-アミノプロピルトリメトキシシラン、トリメトキシフェニルシラン、トリメトキシフェニルシラン、トリメトキシ(1H,1H,2H,2H-ノナフルオロヘキシル)シランがより好ましい。
<加水分解性シラン化合物の縮合物>
加水分解性ケイ素化合物の縮合物は、上述のアミノ基、アルコキシ基又はアルキルチオ基を有するシラン化合物を縮合することにより得られる化合物であればよい。
<発光性複合粒子の粒径>
発光性複合粒子の形状は球状、歪んだ球状、碁石状、又はラグビーボール状など、特に制限は無い。発光性複合粒子の平均粒径は1~100nmであり、5~50nmが好ましく、10~30nmがより好ましく、15~30nmが更に好ましい。発光性複合粒子の平均粒径が100nm以下であることによって、粗大なペロブスカイト化合物粒子及び凝集したペロブスカイト化合物粒子等が含まれた発光性複合粒子が除去され、微小なペロブスカイト化合物粒子を含む発光性複合粒子が選択的に得られる。粗大なペロブスカイト化合物粒子及び凝集したペロブスカイト化合物粒子は耐光性に劣ると考えられ、微小なペロブスカイト化合物粒子を選択することで、発光性複合粒子の耐光性が向上する。
発光性複合粒子の平均粒径は、例えば粒子を分散液に分散させ、分散液組成物の形状とし、動的光散乱法(DLS:Dynamic Light Scattering)により測定することができる。DLSにおける測定方法としては、前記分散液組成物を専用の容器(ガラスセル)で測定する方法が挙げられる。
発光性複合粒子の平均粒径は、例えば、合成した発光性複合粒子を含む分散液を、適切な孔寸法を有するフィルターを使用してろ過する等の公知の分級方法を使用して、調節することができる。
<ケイ素化合物層の量>
発光性複合粒子において、十分に量子収率を向上させる観点から、ペロブスカイト化合物の質量に対してケイ素化合物層の質量は、好ましくは1.1質量部以上であり、より好ましくは1.5質量部以上であり、さらに好ましくは1.8質量部以上である。また、ペロブスカイト化合物の質量に対してケイ素化合物層の質量は、好ましくは50質量部以下であり、より好ましくは30質量部以下であり、さらに好ましくは20質量部以下である。
尚、上記の上限値及び下限値は任意に組み合わせることができる。
2.ペロブスカイト化合物を含む発光性複合粒子組成物
図2は、本発明の発光性複合粒子を含む組成物の構造を模式的に示す断面図である。発光性複合粒子組成物200は、発光性複合粒子100と分散媒体材料30とを有する。発光性複合粒子100は分散媒体材料30の中に分散されている。
以下の説明においては、発光性複合粒子を分散させる機能が共通することから、以下に説明する分散媒(3)、重合性化合物(4)、及び重合体(5)を総称して「分散媒体材料」と称することがある。分散媒体材料は、ペロブスカイト化合物粒子を溶解し難い支持媒体であり、溶解しないことが好ましい。また、分散媒体材料は、分散媒(3)、重合性化合物(4)、及び重合体(5)の少なくとも1種を含む混合物であってよい。
分散とは、粒子が分散媒体材料中に浮遊している状態、又は粒子が分散媒体材料中に懸濁している状態を指す。液状分散媒体材料に粒子が分散している場合、粒子の一部は沈降していてもよい。
(分散媒(3))
分散媒(3)は、25℃、1気圧において液体状態を示す、ペロブスカイト化合物粒子と共存可能な不活性化合物である。本明細書において、分散媒(3)には、後述する重合性化合物(4)は含まない。
分散媒(3)としては、例えば下記(a)~(k)を挙げることができる。
(a)エステル
(b)ケトン
(c)エーテル
(d)アルコール
(e)グリコールエーテル
(f)アミド基を有する有機溶媒
(g)ニトリル基を有する有機溶媒
(h)カーボネート基を有する有機溶媒
(i)ハロゲン化炭化水素
(j)炭化水素
(k)ジメチルスルホキシド
(l)イオン液体
(a)エステルとしては、例えば、メチルホルメート、エチルホルメート、プロピルホルメート、ペンチルホルメート、メチルアセテート、エチルアセテート、ペンチルアセテート等を挙げることができる。
(b)ケトンとしては、γ-ブチロラクトン、N-メチル-2-ピロリドン、アセトン、ジイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン等を挙げることができる。
(c)エーテルとしては、ジエチルエーテル、メチル-tert-ブチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジメトキシメタン、ジメトキシエタン、1,4-ジオキサン、1,3-ジオキソラン、4-メチルジオキソラン、テトラヒドロフラン、メチルテトラヒドロフラン、アニソール、フェネトール等を挙げることができる。
(d)アルコールとしては、メタノール、エタノール、1-プロパノール、2-プロパノール、1-ブタノール、2-ブタノール、tert-ブタノール、1-ペンタノール、2-メチル-2-ブタノール、メトキシプロパノール、ジアセトンアルコール、シクロヘキサノール、2-フルオロエタノール、2,2,2-トリフルオロエタノール、2,2,3,3-テトラフルオロ-1-プロパノール等を挙げることができる。
(e)グリコールエーテルとしては、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、トリエチレングリコールジメチルエーテル等を挙げることができる。
(f)アミド基を有する有機溶媒としては、N,N-ジメチルホルムアミド、アセトアミド、N,N-ジメチルアセトアミド等を挙げることができる。
(g)ニトリル基を有する有機溶媒としては、アセトニトリル、イソブチロニトリル、プロピオニトリル、メトキシアセトニトリル等を挙げることができる。
(h)カーボネート基を有する有機溶媒としては、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等を挙げることができる。
(i)ハロゲン化炭化水素としては、塩化メチレン、クロロホルム等を挙げることができる。
(j)炭化水素としては、n-ペンタン、シクロヘキサン、n-ヘキサン、1-オクタデセン、ベンゼン、トルエン、キシレン等を挙げることができる。
(l)イオン液体としては、カチオン性のものとして、アンモニウム系、ホスホニウム系、スルホニウム系のもの等を挙げることができ、アニオン性のものとして、AlCl4-、NO2-、NO3-、I、BF4-、PF6-、AsF6-、SbF6-、NbF6-、TaF6-、F(HF)2.3、p-CHPhSO3-、CHCO-、CFCO2-、CHSO3-、CFSO3-、(CFSO、CCO2-、CSO3-、(CFSO、(CSO、(CFSO)(CFCO)N、(CN)等を挙げることができる。
これらの溶媒の中でも、(a)エステル、(b)ケトン、(c)エーテル、(g)ニトリル基を有する有機溶媒、(h)カーボネート基を有する有機溶媒、(i)ハロゲン化炭化水素及び(j)炭化水素は、極性が低く、発光性複合粒子を溶解し難いと考えられるため好ましい。
さらに、分散媒(3)としては、(i)ハロゲン化炭化水素、(j)炭化水素がより好ましい。
分散媒(3)は、1種のみ用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
(重合性化合物(4))
重合性化合物とは、重合性基を有する単量体化合物(モノマー)を意味する。重合性化合物としては、例えば、25℃、1気圧において液体状態であるモノマーを挙げることができる。
例えば、常温、常圧下において製造する場合、重合性化合物としては、特に制限は無い。重合性化合物としては、例えば、スチレン、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、アクリロニトリル等の公知の重合性化合物が挙げられる。なかでも、重合性化合物としては、アクリル系樹脂の単量体であるアクリル酸エステル及びメタクリル酸エステルのいずれか一方又は両方が好ましい。
重合性化合物(4)は、1種のみ用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
重合性化合物(4)の総質量に対する、アクリル酸エステル及びメタクリル酸エステルの合計量の割合は、10mol%以上であってもよい。同割合は、30mol%以上であってもよく、50mol%以上であってもよく、80mol%以上であってもよく、100mol%であってもよい。
(重合体(5))
重合体(5)は、発光性複合粒子組成物を製造する温度において、発光性複合粒子の溶解度が低い重合体が好ましい。
例えば、常温、常圧下において製造する場合、重合体としては、特に制限は無いが、例えば、ポリスチレン、アクリル系樹脂、エポキシ樹脂等の公知の重合体が挙げられる。なかでも、重合体としては、アクリル系樹脂が好ましい。アクリル系樹脂は、アクリル酸エステルに由来する構成単位及びメタクリル酸エステルに由来する構成単位のいずれか一方又は両方を含む。これらの樹脂は、例えば、対応するモノマーである重合性化合物(4)を発光性複合粒子組成物中で重合することで調製してもよい。
重合体(5)に含まれる全ての構成単位に対する、アクリル酸エステルに由来する構成単位及びメタクリル酸エステルに由来する構成単位の合計量の割合は、10mol%以上であってもよい。同割合は、30mol%以上であってもよく、50mol%以上であってもよく、80mol%以上であってもよく、100mol%であってもよい。
重合体(5)の重量平均分子量は、100~1200000であることが好ましく、1000~800000であることがより好ましく、5000~150000であることがさらに好ましい。
本明細書において「重量平均分子量」とは、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)法により測定されるポリスチレン換算値を意味する。
重合体(5)は、1種のみ有していてもよく、2種以上を併用してもよい。
<表面修飾剤(6)>
発光性複合粒子組成物は、表面修飾剤(6)をさらに含んでいてもよい。また、前記(1)~(6)以外のその他の成分を有していてもよい。例えば、若干の不純物、ペロブスカイト化合物(1)を構成する元素からなるアモルファス構造を有する化合物、重合開始剤をさらに含んでいてもよい。
発光性複合粒子組成物が表面修飾剤(6)を含む場合、表面修飾剤層は、ペロブスカイト化合物粒子とケイ素化合物層との間に位置する。
(表面修飾剤)
表面修飾剤(6)は、アンモニウムイオン、アミン、第1級~第4級アンモニウムカチオン、アンモニウム塩、カルボン酸、カルボキシレートイオン、及びカルボキシレート塩からなる群より選ばれる少なくとも一種のイオン又は化合物を形成材料とする。
中でも、アミン、及びカルボン酸からなる群より選ばれる少なくとも一種を形成材料とすることが好ましい。
表面修飾剤(6)は、後述する製造方法で発光性複合粒子を製造する際に、ペロブスカイト化合物粒子の表面を覆い、発光性複合粒子組成物中に安定して分散させる作用を有する化合物である。
(アンモニウムイオン、第1級~第4級アンモニウムカチオン、アンモニウム塩)
表面修飾剤(6)であるアンモニウムイオン、及び第1級~第4級アンモニウムカチオンは、下記式(A1)で表される。表面修飾剤(6)であるアンモニウム塩は、下記式(A1)で表されるイオンを含む塩である。
Figure 2022038930000007
式(A1)で表されるイオンにおいて、R~Rは、水素原子、又は1価の炭化水素基を表す。
~Rで表される炭化水素基は、飽和炭化水素基であってもよく、不飽和炭化水素基であってもよい。飽和炭化水素基としては、アルキル基、又はシクロアルキル基を挙げることができる。
~Rで表されるアルキル基は、直鎖状であっても、分岐鎖状であってもよい。
~Rで表されるアルキル基の炭素原子数は、通常1~20であり、5~20であることが好ましく、8~20であることがより好ましい。
シクロアルキル基の炭素原子数は、通常3~30であり、3~20であることが好ましく、3~11であることがより好ましい。炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含む。
~Rの不飽和炭化水素基は、直鎖状であっても、分岐鎖状であってもよい。
~Rの不飽和炭化水素基の炭素原子数は、通常2~20であり、5~20であることが好ましく、8~20であることがより好ましい。
~Rは、水素原子、アルキル基、又は不飽和炭化水素基であることが好ましい。不飽和炭化水素基としては、アルケニル基が好ましい。R~Rは、炭素原子数8~20のアルケニル基であることが好ましい。
~Rのアルキル基の具体例としては、R~Rにおいて例示したアルキル基が挙げられる。
~Rのシクロアルキル基の具体例としては、R~Rにおいて例示したシクロアルキル基が挙げられる。
~Rのアルケニル基としては、R~Rにおいて例示した前記直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基において、いずれか一つの炭素原子間の単結合(C-C)が、二重結合(C=C)に置換されたものが例示でき、二重結合の位置は限定されない。
~Rのアルケニル基の好ましいものとしては、例えば、エテニル基、プロペニル基、3-ブテニル基、2-ブテニル基、2-ペンテニル基、2-ヘキセニル基、2-ノネニル基、2-ドデセニル基、9-オクタデセニル基が挙げられる。
式(A1)で表されるアンモニウムカチオンが塩を形成する場合、カウンターアニオンとしては、特に制限は無い。カウンターアニオンとしては、ハロゲン化物イオンや、カルボキシレートイオンなどが好ましい。ハロゲン化物イオンとしては、臭化物イオン、塩化物イオン、ヨウ化物イオン、フッ化物イオンが挙げられる。
式(A1)で表されるアンモニウムカチオンと、カウンターアニオンとを有するアンモニウム塩としては、n-オクチルアンモニウム塩、オレイルアンモニウム塩が好ましい例として挙げられる。
(アミン)
表面修飾剤(6)であるアミンとしては、下記式(A11)で表すことができる。
Figure 2022038930000008
上記式(A11)において、R~Rは、上記式(A1)が有するR~Rと同じ基を表す。ただし、R~Rのうち少なくとも1つは1価の炭化水素基である。
表面修飾剤(6)であるアミンとしては、第1級~第3級アミンのいずれであってもよいが、第1級アミン及び第2級アミンが好ましく、第1級アミンがより好ましい。
表面修飾剤(6)であるアミンとしては、オレイルアミンが好ましい。
(カルボン酸、カルボキシレートイオン、カルボキシレート塩)
表面修飾剤(6)であるカルボキシレートイオンは、下記式(A2)で表される。表面修飾剤(6)であるカルボキシレート塩は、下記式(A2)で表されるイオンを含む塩である。
-CO ・・・(A2)
表面修飾剤(6)であるカルボン酸は、上記(A2)で表されるカルボキシレートアニオンにプロトン(H)が結合したカルボン酸が挙げられる。
式(A2)で表されるイオンにおいて、Rは、一価の炭化水素基を表す。Rで表される炭化水素基は、飽和炭化水素基であってもよく、不飽和炭化水素基であってもよい。飽和炭化水素基としては、アルキル基、又はシクロアルキル基を挙げることができる。
で表されるアルキル基は、直鎖状であっても分岐鎖状であってもよい。
で表されるアルキル基の炭素原子数は、通常1~20であり、5~20であることが好ましく、8~20であることがより好ましい。
シクロアルキル基の炭素原子数は、通常3~30であり、3~20であることが好ましく、3~11であることがより好ましい。炭素原子数は、置換基の炭素原子数も含む。
で表される不飽和炭化水素基は、直鎖状であっても、分岐鎖状であってもよい。
で表される不飽和炭化水素基の炭素原子数は、通常2~20であり、5~20であることが好ましく、8~20であることがより好ましい。
はアルキル基又は不飽和炭化水素基であることが好ましい。不飽和炭化水素基としては、アルケニル基が好ましい。
のアルキル基の具体例としては、R~Rにおいて例示したアルキル基が挙げられる。
のシクロアルキル基の具体例としては、R~Rにおいて例示したシクロアルキル基が挙げられる。
のアルケニル基の具体例としては、Rにおいて例示したアルケニル基が挙げられる。
式(A2)で表されるカルボキシレートアニオンは、オレイン酸アニオンが好ましい。
カルボキレートアニオンが塩を形成する場合、カウンターカチオンとしては、特に制限は無いが、アルカリ金属カチオン、アルカリ土類金属カチオン、アンモニウムカチオンなどが好ましい例として挙げられる。
表面修飾剤(6)であるカルボン酸としては、オレイン酸が好ましい。
上述した表面修飾剤(6)の中では、アンモニウム塩、アンモニウムイオン、第1級~第4級アンモニウムカチオン、カルボキシレート塩、カルボキシレートイオンが好ましい。
アンモニウム塩、アンモニウムイオンの中では、オレイルアミン塩、オレイルアンモニウムイオンがより好ましい。
カルボキシレート塩、カルボキシレートイオンの中では、オレイン酸塩、オレイン酸カチオンがより好ましい。
発光性複合粒子において、上述の表面修飾剤(6)を1種のみ有していてもよく、2種以上を併用してもよい。
<発光性複合粒子組成物中の各成分の含有量>
発光性複合粒子組成物において、発光性複合粒子組成物の総質量に対する発光性複合粒子の含有割合は、特に限定されるものではない。
上記含有割合は、濃度消光を防ぐ観点から、90質量%以下であることが好ましく、40質量%以下であることがより好ましく、10質量%以下であることがさらに好ましく、3質量%以下であることが特に好ましい。
また、上記含有割合は、良好な量子収率を得る観点から、0.0002質量%以上であることが好ましく、0.002質量%以上であることがより好ましく、0.01質量%以上であることがさらに好ましい。
上記の上限値及び下限値は任意に組み合わせることができる。
発光性複合粒子組成物の総質量に対する発光性複合粒子の含有割合は、通常0.0002~90質量%である。
発光性複合粒子組成物の総質量に対する発光性複合粒子の含有割合は、0.001~40質量%であることが好ましく、0.002~10質量%であることがより好ましく、0.01~3質量%であることがさらに好ましい。
発光性複合粒子組成物の総質量に対する発光性複合粒子の含有割合が上記範囲内である発光性複合粒子組成物は、発光性複合粒子の凝集が生じ難く、発光性も良好に発揮される点で好ましい。
発光性複合粒子組成物において、発光性複合粒子組成物の総質量に対するケイ素化合物層の含有割合は、特に限定されるものではない。
上記含有割合は、発光性複合粒子の分散性を向上させる観点、及び耐久性を向上させる観点から、30質量%以下であることが好ましく、10質量%以下であることがより好ましく、7.5質量%以下であることがさらに好ましい。
また、上記含有割合は、発光性複合粒子の耐久性を向上させる観点から、0.001質量%以上であることが好ましく、0.01質量%以上であることがより好ましく、0.1質量%以上であることがさらに好ましい。
上記上限値及び下限値は任意に組み合わせることができる。
発光性複合粒子組成物の総質量に対するケイ素化合物層の含有割合は、通常0.001~30質量%である。
発光性複合粒子組成物の総質量に対するケイ素化合物層の含有割合は、0.001~30質量%であることが好ましく、0.001~10質量%、0.1~7.5質量%であることがより好ましい。
発光性複合粒子組成物において、発光性複合粒子組成物の総質量に対する分散媒体材料の含有割合は、特に限定されるものではない。
上記含有割合は、発光性複合粒子の分散性を向上させる観点、及び耐光性を向上させる観点から、99.99質量%以下であることが好ましく、99.9質量%以下であることがより好ましく、99質量%以下であることがさらに好ましい。
また、上記含有割合は、耐光性を向上させる観点から、0.1質量%以上であることが好ましく、1質量%以上であることがより好ましく、10質量%以上であることがさらに好ましく、50質量%以上であることがさらに好ましく、80質量%以上であることがさらに好ましく、90質量%以上であることがもっとも好ましい。
上記上限値及び下限値は任意に組み合わせることができる。
発光性複合粒子組成物の総質量に対する分散媒体材料の含有割合は、通常0.1~99.99質量%である。
発光性複合粒子組成物の総質量に対する分散媒体材料の含有割合は、1~99質量%であることが好ましく、10~99質量%であることがより好ましく、20~99質量%であることがさらに好ましく、50~99質量%であることが特に好ましく、90~99質量%であることが最も好ましい。
また、上記発光性複合粒子組成物において、ペロブスカイト化合物粒子、ケイ素化合物層及び分散媒媒体材料の合計含有割合は、発光性複合粒子組成物の総質量に対して90質量%以上であってもよく、95質量%以上であってもよく、99質量%以上であってもよく、100質量%であってもよい。
発光性複合粒子組成物において、発光性複合粒子組成物の総質量に対する表面修飾剤(6)の含有割合は、特に限定されるものではない。
上記含有割合は、耐光性向上の観点から、30質量%以下であることが好ましく、1質量%以下であることがより好ましく、0.1質量%以下であることがさらに好ましい。
また、上記含有割合は、光耐久性を向上させる観点から、0.0001質量%以上であることが好ましく、0.001質量%以上であることがより好ましく、0.01質量%以上であることがさらに好ましい。
上記上限値及び下限値は任意に組み合わせることができる。
発光性複合粒子組成物の総質量に対する表面修飾剤(6)の含有割合は、通常0.0001~30質量%である。
発光性複合粒子組成物の総質量に対する表面修飾剤(6)の含有割合は、0.001~1質量%であることが好ましく、0.01~0.1質量%であることがより好ましい。
発光性複合粒子組成物の総質量に対する表面修飾剤(6)の含有割合が上記範囲内である発光性複合粒子組成物は、光耐久性に優れる点で好ましい。
発光性複合粒子における、若干の不純物、ペロブスカイト化合物(1)を構成する元素からなるアモルファス構造を有する化合物、重合開始剤の合計含有割合は、発光性複合粒子組成物の総質量に対して10質量%以下であることが好ましく、5質量%以下であることがより好ましく、1質量%以下であることがさらに好ましい。
3.発光性複合粒子の製造方法
ペロブスカイト化合物粒子の製造方法は、既知文献(Nano Lett. 2015, 15, 3692-3696、ACSNano,2015,9,4533-4542)を参考に、以下に述べる方法によって製造することができる。
(第1の製造方法)
ペロブスカイト化合物の製造方法としては、ペロブスカイト化合物を構成するB成分、X成分、及びA成分を高温の上述の分散媒(3)に溶解させ溶液を得る工程と、溶液を冷却する工程とを含む製造方法が挙げられる。
以下、第1の製造方法を具体的に説明する。
まず、B成分及びX成分を含む化合物とA成分を含む化合物とを高温の分散媒(3)に溶解させ溶液を得る。「A成分を含む化合物」は、X成分を含んでいてもよい。
本工程は、高温の分散媒(3)に各化合物を加えて溶解させ溶液を得ることとしてもよい。
また、本工程は、分散媒(3)に各化合物を加えた後、昇温することで溶液を得ることとしてもよい。第1の製造方法においては、溶液は、第1溶媒に各化合物を加えた後、昇温することで得ることが好ましい。
分散媒(3)としては、原料であるB成分及びX成分を含む化合物と、A成分を含む化合物とを溶解することができる溶媒が好ましい。
「高温」とは、各原料が溶解する温度の溶媒であればよい。例えば、高温の分散媒(3)の温度として、60~600℃であることが好ましく、80~400℃であることがより好ましい。
分散媒(3)に各化合物を加えた後、昇温することで溶液を得る場合、昇温後の保持温度としては例えば、20~150℃であることが好ましく、120~140℃であることがより好ましい。
反応後に不要になった水を除去して劣化を抑制する観点から、不活性ガスを流通させながら反応させることが好ましい。
次いで、得られた溶液を冷却する。
冷却する温度としては、-20~50℃が好ましく、-10~30℃がより好ましい。
冷却速度としては、0.1~1500℃/分が好ましく、10~150℃/分がより好ましい。
高温の溶液を冷却することで、溶液の温度差に起因した溶解度の差により、ペロブスカイト化合物を析出させることができる。これにより、ペロブスカイト化合物を含む分散液が得られる。
得られたペロブスカイト化合物を含む分散液について固液分離を行うことで、ペロブスカイト化合物を回収することができる。固液分離の方法としては、ろ過、溶媒の蒸発による濃縮などが挙げられる。固液分離を行うことで、ペロブスカイト化合物のみを回収することができる。
なお、上述した製造方法においては、得られるペロブスカイト化合物の粒子が分散液中で安定して分散しやすいため、上述の表面修飾剤(6)を加える工程を含んでいることが好ましい。
表面修飾剤(6)を加える工程は、冷却する工程の前に行うことが好ましい。具体的には、表面修飾剤(6)は、分散媒(3)に添加してもよく、B成分及びX成分を含む化合物とA成分を含む化合物とを溶解した溶液に添加してもよい。
また、上述した製造方法においては、冷却する工程のあと、遠心分離、ろ過などの手法により粗大粒子を除去する工程を含んでいることが好ましい。除去する工程によって除去する粗大粒子のサイズは、好ましくは10μm超、より好ましくは1μm超、さらに好ましくは500nm超である。
(第2の製造方法)
ペロブスカイト化合物の製造方法としては、ペロブスカイト化合物を構成するA成分、B成分を含む第1溶液を得る工程と、ペロブスカイト化合物を構成するX成分を含む第2溶液を得る工程と、第1溶液と第2溶液を混合して混合液を得る工程と、得られた混合液を冷却する工程とを含む製造方法が挙げられる。
以下、第2の製造方法を具体的に説明する。
まず、A成分を含む化合物と、B成分を含む化合物とを高温の第2溶媒に溶解させ第1溶液を得る。
本工程は、高温の分散媒(3)に各化合物を加えて溶解させ第1溶液を得ることとしてもよい。
また、本工程は、分散媒(3)に各化合物を加えた後、昇温することで第1溶液を得ることとしてもよい。第2の製造方法においては、第1溶液は、分散媒(3)に各化合物を加えた後、昇温することで得ることが好ましい。
分散媒(3)としては、A成分を含む化合物と、B成分を含む化合物とを溶解することができる溶媒が好ましい。
「高温」とは、A成分を含む化合物と、B成分を含む化合物とが溶解する温度であればよい。例えば、高温の分散媒(3)の温度として、60~600℃であることが好ましく、80~400℃であることがより好ましい。
分散媒(3)に各化合物を加えた後、昇温することで第1溶液を得る場合、昇温後の保持温度としては例えば、80~150℃であることが好ましく、120~140℃であることがより好ましい。
また、X成分を含む化合物を上述の分散媒(3)に溶解させ第2溶液を得る。X成分を含む化合物と、B成分を含む化合物とを分散媒(3)に溶解させ第2溶液を得てもよい。
分散媒(3)としては、X成分を含む化合物を溶解することができる溶媒が挙げられる。
次いで、得られた第1溶液と第2溶液を混合して混合液を得る。第1溶液と第2溶液とを混合する際には、一方を他方に滴下するとよい。また、撹拌しながら第1溶液と第2溶液とを混合するとよい。
反応後に不要になった水を除去して劣化を抑制する観点から、不活性ガスを流通させながら反応させることが好ましい。
次いで、得られた混合液を冷却する。
冷却する温度としては、-20~50℃が好ましく、-10~30℃がより好ましい。
冷却速度としては、0.1~1500℃/分が好ましく、10~150℃/分がより好ましい。
混合液を冷却することで、混合液の温度差に起因した溶解度の差により、ペロブスカイト化合物を析出させることができる。これにより、ペロブスカイト化合物を含む分散液が得られる。
得られたペロブスカイト化合物を含む分散液については、固液分離を行うことで、ペロブスカイト化合物を回収することができる。固液分離の方法としては、第1の製造方法で示した方法が挙げられる。
なお、上述した製造方法においては、得られるペロブスカイト化合物の粒子が分散液中で安定して分散しやすいため、上述の表面修飾剤(6)を加える工程を含んでいることが好ましい。
表面修飾剤(6)を加える工程は、冷却する工程の前に行うことが好ましい。具体的には、表面修飾剤(6)は、分散媒(3)、第1溶液、第2溶液、混合液のいずれに添加してもよい。
また、上述した製造方法においては、冷却する工程のあと、第1の製造方法で示した遠心分離、ろ過などの手法により粗大粒子を除去する工程を含んでいていることが好ましい。
<発光性複合粒子の製造>
発光性複合粒子は、例えば、ペロブスカイト化合物粒子と加水分解性ケイ素化合物(2)とを接触させ、必要に応じて加水分解性ケイ素化合物(2)を縮合させ、ペロブスカイト化合物粒子の表面にケイ素化合物層を形成して製造される。ペロブスカイト化合物粒子と加水分解性ケイ素化合物(2)との接触は、分散媒(3)の存在下で行ってもよい。かかる場合、分散媒(3)は、前記粒子を形成した後に除去される。
分散媒(3)を除去する場合、前記粒子の分散液は、室温で静置して自然乾燥してもよく、真空乾燥機を用いて減圧乾燥してもよく、加熱によって加熱乾燥してもよい。例えば、0℃以上300℃以下で、1分間以上7日間以下乾燥させることで、分散媒(3)を除去することができる。なお、分散媒(3)を含む前記粒子の分散液は、そのまま又は濃度を調節して、発光性複合粒子組成物として使用してもよい。
(加水分解性ケイ素化合物(2)の縮合処理)
加水分解性ケイ素化合物(2)の縮合処理は、前記シラザン及び前記加水分解性ケイ素化合物と水蒸気とを反応させる方法等の公知の方法を用いて行うことができる。以下の説明では、前記シラザン及び前記加水分解性ケイ素化合物と水蒸気とを反応させる処理のことを、「加湿処理」と称することがある。加湿処理を施すことが、ペロブスカイト化合物粒子の近傍により強固な保護領域を形成する観点から好ましい。
加湿処理を施す場合、例えば、後述する温度、及び湿度条件下で一定の時間、発光性複合粒子組成物を静置してもよく、同条件下、一定の時間撹拌してもよい。
加湿処理における温度は、十分に縮合が進行する温度であればよい。加湿処理における温度は、例えば、5~150℃であることが好ましく、10~100℃であることがより好ましく、15~80℃であることがさらに好ましい。
加湿処理における湿度は、粒子中のシラザン及び加水分解性ケイ素化合物に十分に水分が供給される湿度であればよい。加湿処理における湿度は、例えば30%~100%であることが好ましく、40%~95%であることがより好ましく、60%~90%であることがさらに好ましい。
加湿処理に要する時間は、十分に縮合が進行する時間であればよい。加湿処理に要する時間は、例えば、10分間以上1週間以下であることが好ましく、1時間以上5日間以下であることがより好ましく、2時間以上3日間以下であることがさらに好ましい。
加湿処理における水の供給は、水蒸気を含むガスを反応容器中に流通させることによってもよく、水蒸気を含む雰囲気中で撹拌することで、界面から水分を供給してもよい。
水蒸気を含むガスを反応容器中に流通させる場合、得られる発光性複合粒子組成物の耐久性が向上するため、水蒸気を含むガス流量は、0.01L/分以上100L/分以下が好ましく、0.1L/分以上10L/分以下がより好ましく、0.15L/分以上5L/分以下がさらに好ましい。水蒸気を含むガスとしては、例えば飽和量の水蒸気を含む窒素を挙げることができる。
4.発光性複合粒子組成物の製造方法
発光性複合粒子組成物、すなわち、前記粒子と分散媒体材料との混合物は、例えば、前記粒子を分散媒体材料に分散させて製造することができる。
発光性複合粒子組成物は、分散媒体材料に粒子を分散させ、得られる分散液中に加水分解性ケイ素化合物(2)を添加して、これをペロブスカイト化合物(1)に接触させ、必要に応じて加水分解性ケイ素化合物(2)を縮合させて製造してもよい。
発光性複合粒子組成物は、重合性化合物(4)を重合して、その一部を重合体(5)とすることもできる。この場合、粒子及び重合体(5)の合計が発光性複合粒子組成物全体の90質量%以上であることが好ましい。
重合性化合物(4)を重合させる工程は、ラジカル重合などの公知の重合反応を適宜用いることで行うことができる。
例えばラジカル重合の場合は、粒子と、重合性化合物(4)との混合物に、ラジカル重合開始剤を添加し、ラジカルを発生させることで重合反応を進行させることができる。
ラジカル重合開始剤は特に限定されるものではないが、例えば、光ラジカル重合開始剤等が挙げられる。
上記光ラジカル重合開始剤としては、例えば、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-フェニルホスフィンオキシド等が挙げられる。
表面修飾剤(6)を用いる場合、表面修飾剤(6)は、分散媒体材料中にペロブスカイト化合物粒子を分散させた後に加水分解性ケイ素化合物(2)とともに、添加することができる。
5.発光性複合粒子の吸収率、量子収率及び輝度維持率
発光性複合粒子の吸収率及び量子収率は、絶対PL量子収率測定装置(例えば、浜松ホトニクス株式会社製「C9920-02」(商品名))を用いて測定することができる。また、輝度維持率はこれらの値を用いて次式より算出することができる。本発明においては、励起光450nm、25℃、1気圧の条件の下で測定する。
輝度維持率(%)=[(耐光試験後の発光性複合粒子組成物の量子収率)÷(耐光試験前の発光性複合粒子組成物の量子収率)]×[(耐光試験後の発光性複合粒子組成物の吸収率)÷(耐光試験前の発光性複合粒子組成物の吸収率)]×100
発光性複合粒子の励起光の吸収率は、0.1以上、1未満が好ましく、0.2以上、0.9未満がより好ましく、0.3以上、0.9未満がさらに好ましい。
発光性複合粒子の量子収率は、0.1~1.0が好ましく、0.2~0.99がより好ましく、0.3~0.95がさらに好ましい。
発光性複合粒子の輝度維持率は、0.3~1.0が好ましく、0.5~1.0がより好ましく、0.7~1.0がさらに好ましい。輝度維持率がこれらの範囲にあることで耐光性の高い発光性粒子材料を得ることができる。
6.フィルム
本発明のフィルムは、本発明の発光性複合粒子を含む。例えば、本発明に係るフィルムは、発光性複合粒子及び重合体(5)を含む。典型的には、粒子及び重合体(5)の合計がフィルム全体の90質量%以上を占める。
フィルム形状は特に限定されるものではなく、シート状、バー状等の任意の形状であることができる。本明細書において「バー状の形状」とは、例えば、一方向に延在する平面視帯状の形状を意味する。平面視帯状の形状としては、各辺の長さが異なる板状の形状が例示される。
フィルムの厚さは、例えば、0.005μm~1000mmであってもよく、0.01μm~10mmであってもよく、0.1μm~1mmであってもよく、10~500μmであってもよい。
フィルムは、例えば、分散媒(3)と重合性化合物(4)とを含む液状の発光性複合粒子組成物を塗工して塗膜を得た後、該塗膜に含まれる重合性化合物(4)を重合することで得ることができる。液状の発光性複合粒子組成物を基材上に塗工する方法としては、特に制限はなく、グラビア塗布法、バー塗布法、印刷法、スプレー法、スピンコーティング法、ディップ法、ダイコート法等の、公知の塗布、塗工方法を用いて塗工することができる。
7.積層構造体
本発明の積層構造体は、複数の層を有し、少なくとも一層が、上述のフィルムである。積層構造体が有する複数の層のうち、上述のフィルム以外の層としては、基材、バリア層、光散乱層等の任意の層が挙げられる。積層されるフィルムの形状は特に限定されるものではなく、シート状、バー状等の任意の形状であることができる。基材は、ペロブスカイト化合物(1)が発した光を取り出しやすいため、光透過性を有するものが好ましい。基材の形成材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレートなどのポリマーや、ガラスなどの公知の材料を用いることができる。
積層構造体は、例えば、上記得られたフィルムを基材の上に積層することで製造することができる。基材上にフィルムを積層する工程では、フィルム同士を粘接着剤を用いて貼合する。粘接着剤は、発光性複合粒子を溶解しないものであれば特に制限は無く、公知の粘接着剤を用いて貼合を行うことができる。
8.発光装置
本発明の発光装置は、前記積層構造体と、光源とを合せることで得ることができる。発光装置は、光源から発光した光を、後段に設置した積層構造体に照射することで、積層構造体を発光させ、光を取り出す装置である。前記発光装置における積層構造体が有する複数の層のうち、上述のフィルム、基材、バリア層、光散乱層以外の層としては、光反射部材、輝度強化部、プリズムシート、導光板、要素間の媒体材料層等の任意の層が挙げられる。発光装置の具体例としては、例えば、プリズムシートと、導光板と、前記積層構造体と、光源と、がこの順に積層された発光装置である。
発光装置は、例えば、前述の光源と、光源からの光路上に前述の積層構造体を設置することで、製造することができる。
9.ディスプレイ
本発明のディスプレイは、例えば、液晶パネルと、プリズムシートと、導光板と、上記積層構造体と、光源と、がこの順に積層された液晶ディスプレイが挙げられる。ディスプレイは、上記発光装置上に偏光板等を含む表示素子を積層することで製造することができる。
10.シンチレータ
発光性複合粒子又は発光性複合粒子組成物は、シンチレータとして、X線画像用撮影装置又は輝度向上フィルムに利用できる。シンチレータの形態としては、特に限定されるものではなく、例えば、単結晶、シート状等、任意の形態で利用することができる。
シンチレータは、シート状で使用する場合、発光性複合粒子を含む液状の発光性複合粒子組成物を基材上に塗布して乾燥させることで製造することができる。用いる基材は、特に限定されず、例えば、アルミ金属、PETフィルムやモスアイフィルムなどを用いることができる。シンチレータは、市販の他のシンチレータと組み合わせて使用してもよい。
図3は、本発明のシンチレータを含むX線検出器の構造を模式的に示す断面図である。X線検出器1は、シンチレータパネル2、出力基板3および電源部12を有する。
シンチレータパネル2は、基板5とシンチレータ層4を有する。シンチレータ層4は上記本発明のフィルムから成る。このフィルムは、発光性複合粒子100と重合体6とを含有する。
出力基板3は、基板11上に、光電変換層8および出力層9を有する。光電変換層8は、図示しないフォトセンサとTFTを有する画素を2次元状に形成したものが一般的である。光電変換層8上に隔膜層7を有してもよい。シンチレータパネル2の出光面と出力基板3の光電変換層8を、隔膜層7を介して接着または密着させることが好ましい。
シンチレータ層4で発光した光は、光電変換層8に到達して光電変換され、出力される。X線検出器を構成する材料は、シンチレータ層4を除き、従来から知られているものを使用することができる。例えば、特許文献2には、シンチレータを含むX線検出器の構造及び構成材料が記載されており、特許文献2記載されているX線検出器の構造及び構成材料は本発明に援用することができる。
以下、実施例及び比較例に基づき本発明をより具体的に説明する。本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
<測定及び評価>
以降の実施例及び比較例で得られる発光性複合粒子について、下記項目を下記方法に従って、測定及び評価した。
(ペロブスカイト化合物粒子の粒径)
ペロブスカイト化合物(1)の粒子を透過型電子顕微鏡(日本電子株式会社製「JEM-2200FS」(商品名))を用いて撮影し、得られた電子顕微鏡像から平均粒径(平均フェレー径)を求めた。算出にあたっては、粒子を2本の平行線で挟んだ平行線の間隔をフェレー径とし、50個の粒子のフェレー径の算術平均とした。試料は、支持膜付きグリッドに発光性複合粒子組成物からペロブスカイト化合物粒子を採取することで得た。測定条件は、加速電圧200kVとした。
(発光性複合粒子の粒径)
発光性複合粒子の平均粒径は、粒径分析装置(マルバーン社製「ゼータサイザーナノZS」(商品名))を用いて測定した。測定方法は、動的光散乱法を用いた。得られた発光性複合粒子を個数平均分布とし、平均粒径及び標準偏差σを求めた。測定用試料は、分散液を所定の容器(ガラス)に滴下し、測定した。
(量子収率、吸収率)
実施例1、2、3及び比較例1で得られた発光性複合粒子組成物の量子収率及び吸収率を、絶対PL量子収率測定装置(浜松ホトニクス株式会社製「C9920-02」(商品名))を用いて測定した。測定は、下記光照射の前後で行い、測定条件は励起光450nm、25℃、1気圧とした。
(耐光性の評価)
実施例1、2、3及び比較例1で得られた発光性複合粒子組成物100μLを1cm×1cmサイズのガラス基材上に塗布し、自然乾燥させた後、膜を得た。得られた膜を50℃に加熱しながら、LED光源からピーク波長450nm、照度100mW/cmの光を48時間照射した。
光照射前後の発光性複合粒子組成物の量子収率及び吸収率から、下記式に基づいて輝度維持率を求めた。輝度維持率はその値が高いほど、耐光性が高いと評価できる。なお、評価は光照射後48時間経過したものについて行った。
輝度維持率(%)=[(耐光試験後の発光性複合粒子組成物の量子収率)÷(耐光試験前の発光性複合粒子組成物の量子収率)]×[(耐光試験後の発光性複合粒子組成物の吸収率)÷(耐光試験前の発光性複合粒子組成物の吸収率)]×100
[実施例1]
(ペロブスカイト化合物粒子の製造)
オレイルアミン25mL、及びエタノール200mLを混合した後、氷冷しながら撹拌し、臭化水素酸水溶液(48%)を17.12mL添加した後、減圧乾燥して沈殿を得た。沈殿はジエチルエーテルを用いて洗浄した後、減圧乾燥して臭化オレイルアンモニウムを得た。
臭化オレイルアンモニウム21gに対して、トルエン200mLを混合して臭化オレイルアンモニウムを含む溶液を調製した。
酢酸鉛・3水和物1.52gと、ホルムアミジン酢酸塩1.56g、1-オクタデセンの溶媒160mLと、オレイン酸40mLとを混合した。窒素雰囲気下、撹拌しながら130℃まで加熱した後、上述の臭化オレイルアンモニウムを含む溶液53.4mLを添加した。添加後、溶液を室温まで降温し、ペロブスカイト化合物(1)を含む分散液を得た。
上記分散液200mLに対してトルエン100mL、及び酢酸エチル100mLを混合し、ろ過して固液分離した。その後、ろ紙上の固形分をトルエン100mL、及び酢酸エチル100mLの混合溶液で2回洗浄し、さらにろ過を行った。これにより、ペロブスカイト化合物粒子を単離した。
(発光性複合粒子組成物の製造)
次に、トルエンを分散媒として、ペロブスカイト化合物粒子の濃度が0.34質量%となるように150mLの分散液を調製した。ここに、オルガノポリシラザン(1500 Slow Cure、Durazane, メルクパフォーマンスマテリアルズ株式会社製)を、ペロブスカイト化合物1質量部に対し、2.0質量部の量で加えた。その後、水蒸気による縮合処理を4時間実施し、乾燥した窒素雰囲気下で0.5時間静置した。縮合処理は、水蒸気流量:0.4L/分(Nガスとともに供給、30℃の飽和水蒸気量)、加熱温度:90℃の下で行った。縮合処理後の分散液を0.5μmのメンブレンフィルターでろ過し、発光性複合粒子組成物を得た。得られた発光性複合粒子組成物をDLS測定して、粒子の平均粒径を見積もった。平均粒径は27.26nm±8.5であった。耐光性試験後の輝度維持率は、70.1%であった。
[実施例2]
発光性複合粒子の製造工程において、ペロブスカイト化合物粒子の分散液を150mLから30mLとし、縮合処理時のガス流量を0.08L/分とした以外は、上記実施例1と同様の方法で発光性複合粒子組成物を得た。同様の方法で、粒子の平均粒径を見積もると、26.54nm±5.4であった。また、輝度維持率は78.0%であった。
[実施例3]
発光性複合粒子の製造工程において、オルガノポリシラザンを添加後、オルガノポリシラザン1質量部に対して、トリメトキシ(1H,1H,2H,2H-ノナフルオロヘキシル)シラン(東京化成工業株式会社製)0.25質量部をさらに添加した以外は、上記実施例2と同様の方法で発光性複合粒子組成物を得た。同様の方法で粒子の平均粒径を見積もると、17.59nm±5.2であった。また、輝度維持率は100%であった。
[比較例1]
実施例1に記載の発光性複合粒子の製造工程において、得られた発光性複合粒子組成物をメンブレンフィルターでろ過しない以外は、同様の方法で発光性複合粒子組成物を得た。同様の方法で粒子の平均粒径を見積もると、495.2nm±142.0であった。また、輝度維持率は24.8%であった。
実施例1~3、及び比較例1の発光性複合粒子について、上述の測定を行った。結果を表1に示す。
Figure 2022038930000009
上記の結果から、実施例1~3の平均粒径が1~100nmであるペロブスカイト化合物を含む発光性複合粒子は、比較例1の発光性複合粒子と比べ、耐光性に優れることが確認できた。
[参考例1]
実施例1~3に記載の発光性複合粒子組成物を、ガラスチューブ等の中に入れて封止した後に、これを光源である青色発光ダイオードと導光板の間に配置することで、青色発光ダイオードの青色光を緑色光や赤色光に変換することができるバックライトを製造する。
[参考例2]
実施例1~3に記載の発光性複合粒子組成物をシート化する事で樹脂組成物を得ることができ、これを2枚のバリアーフィルムで挟んで封止したフィルムを導光板の上に設置することで、導光板の端面(側面)に置かれた青色発光ダイオードから導光板を通して前記シートに照射される青色の光を緑色光や赤色光に変換することができるバックライトを製造する。
[参考例3]
実施例1~3に記載の発光性複合粒子組成物を、青色発光ダイオードの発光部近傍に設置することで照射される青色の光を緑色光や赤色光に変換することができるバックライトを製造する。
[参考例4]
実施例1~3に記載の発光性複合粒子組成物とレジストを混合した後に、溶媒を除去する事で波長変換材料を得ることができる。得られた波長変換材料を光源である青色発光ダイオードと導光板の間や、光源であるOLEDの後段に配置することで、光源の青色光を緑色光や赤色光に変換することができるバックライトを製造する。
[参考例5]
実施例1~3に記載の発光性複合粒子組成物をZnSなどの導電性粒子を混合して成膜し、片面にn型輸送層を積層し、もう片面をp型輸送層で積層することでLEDを得る。電流を流すことによりp型半導体の正孔と、n型半導体の電子が接合面のペロブスカイト化合物中で電荷を打ち消されることで発光させることができる。
[参考例6]
フッ素ドープされた酸化スズ(FTO)基板の表面上に、酸化チタン緻密層を積層させ、その上から多孔質酸化アルミニウム層を積層し、その上に実施例1~3に記載の発光性複合粒子組成物を積層し、溶媒を除去した後にその上から2,2’,7,7’-tetrakis-(N,N’-di-p-methoxyphenylamine)-9,9’-spirobifluorene(Spiro-OMeTAD)などのホール輸送層を積層し、その上に銀(Ag)層を積層し、太陽電池を作製する。
[参考例7]
実施例1~3に記載の発光性複合粒子を含む組成物の、溶媒を除去して成形する事で本実施形態の組成物を得ることができ、これを青色発光ダイオードの後段に設置することで、青色発光ダイオードから組成物に照射される青色の光を緑色光や赤色光に変換して白色光を発するレーザーダイオード照明を製造する。
[参考例8]
実施例1~3に記載の発光性複合粒子を含む組成物の溶媒を除去して成形する事で本実施形態の組成物を得ることができる。得られた組成物を光電変換層の一部とすることで、光を検知する検出部に使用する含まれる光電変換素子(光検出素子)材料を製造する。光電変換素子材料は、X線撮像装置及びCMOSイメージセンサーなどの固体撮像装置用のイメージ検出部(イメージセンサー)、指紋検出部、顔検出部、静脈検出部及び虹彩検出部などの生体の一部分の所定の特徴を検出する検出部、パルスオキシメーターなどの光学バイオセンサーに用いられる。
[参考例9]
実施例1~3に記載の発光性複合粒子を含む組成物の溶媒を除去して成形する事で本実施形態の組成物を得ることができる。得られた組成物を太陽電池の光変換効率を向上するフィルムとして用いることができる。前記、変換効率向上シートの形態としては、特に限定されないが、基材に塗布する形で利用する。基材に関しては特に限定されず、透明性の高い基材であればよい。例えば、PETフィルムやモスアイフィルムなどが望ましい。太陽電池変換効率向上シートを用いる太陽電池は特に限定せず、変換効率向上シートは、太陽電池の感度が低い波長領域から、感度の高い波長領域へと変換機能を有する。
[参考例10]
実施例1~3に記載の発光性複合粒子を含む組成物の溶媒を除去して成形する事で本実施形態の組成物を得ることができる。得られた組成物を量子コンピュータ、量子テレポーテーションおよび量子暗号通信などの単一光子発生用光源として利用することができる。
10…ペロブスカイト化合物粒子、
20…ケイ素化合物層、
30…分散媒体材料、
100…発光性複合粒子、
200…発光性複合粒子組成物。

Claims (9)

  1. A、B、及びXを構成成分とするペロブスカイト型結晶構造
    [ペロブスカイト型結晶構造において、AはBを中心とする6面体の各頂点に位置する成分であって、1価の陽イオンであり、
    BはAを頂点に配置する6面体、及びXを頂点に配置する8面体の中心に位置する成分であって、金属イオンであり、
    XはBを中心とする8面体の各頂点に位置する成分であって、ハロゲン化物イオン、及びチオシアン酸イオンからなる群より選ばれる少なくとも一種の陰イオンである。]
    を有し、発光性を有するペロブスカイト化合物粒子と、該ペロブスカイト化合物粒子の表面の少なくとも一部に形成されたケイ素化合物層とを、有する発光性複合粒子であって、1~100nmの平均粒径を有する発光性複合粒子。
  2. 前記ケイ素化合物層は、加水分解性ケイ素化合物、及びその縮合物からなる群より選ばれる少なくとも一種から成る層である、請求項1に記載の発光性複合粒子。
  3. 前記発光性を有するペロブスカイト化合物粒子は1~80nmの一次粒子径を有する請求項1又は2に記載の発光性複合粒子。
  4. 請求項1~3のいずれか一項に記載の発光性複合粒子と、分散媒、重合性化合物及び重合体からなる群から選ばれる少なくとも一種とを、含む発光性複合粒子組成物。
  5. 請求項1~3のいずれか一項に記載の発光性複合粒子を含む、フィルム。
  6. 請求項5に記載のフィルムを含む、積層構造体。
  7. 請求項6に記載の積層構造体を備える、発光装置。
  8. 請求項6に記載の積層構造体を備える、ディスプレイ。
  9. 請求項1~3のいずれか一項に記載の発光性複合粒子を含む、シンチレータ。
JP2020143665A 2020-08-27 2020-08-27 発光性複合粒子及び発光性複合粒子組成物 Pending JP2022038930A (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020143665A JP2022038930A (ja) 2020-08-27 2020-08-27 発光性複合粒子及び発光性複合粒子組成物
CN202180052840.0A CN115989193A (zh) 2020-08-27 2021-08-18 发光性复合粒子及发光性复合粒子组合物
PCT/JP2021/030149 WO2022044907A1 (ja) 2020-08-27 2021-08-18 発光性複合粒子及び発光性複合粒子組成物
TW110130815A TW202212455A (zh) 2020-08-27 2021-08-20 發光性複合粒子及發光性複合粒子組合物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020143665A JP2022038930A (ja) 2020-08-27 2020-08-27 発光性複合粒子及び発光性複合粒子組成物

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2022038930A true JP2022038930A (ja) 2022-03-10

Family

ID=80355095

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020143665A Pending JP2022038930A (ja) 2020-08-27 2020-08-27 発光性複合粒子及び発光性複合粒子組成物

Country Status (4)

Country Link
JP (1) JP2022038930A (ja)
CN (1) CN115989193A (ja)
TW (1) TW202212455A (ja)
WO (1) WO2022044907A1 (ja)

Family Cites Families (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20070212541A1 (en) * 2006-03-07 2007-09-13 Kazuya Tsukada Core/shell type particle phosphor
JP5777242B2 (ja) * 2010-06-29 2015-09-09 株式会社日本セラテック 蛍光体材料および発光装置
JP5970467B2 (ja) * 2010-12-01 2016-08-17 コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェKoninklijke Philips N.V. 赤色放射発光材料
JP5661657B2 (ja) * 2012-01-16 2015-01-28 信越化学工業株式会社 シリコーン樹脂組成物、蛍光体含有波長変換フィルム、及びそれらの硬化物
JP7192783B2 (ja) * 2017-11-06 2022-12-20 コニカミノルタ株式会社 凝集ナノ粒子および蛍光標識材
CN108728077A (zh) * 2018-05-08 2018-11-02 天津理工大学 合成二氧化硅包覆无机钙钛矿量子点的制备方法
WO2020085513A1 (ja) * 2018-10-26 2020-04-30 住友化学株式会社 粒子、組成物、フィルム、積層構造体、発光装置及びディスプレイ
JP2020066725A (ja) * 2018-10-26 2020-04-30 住友化学株式会社 粒子、組成物、フィルム、積層構造体、発光装置及びディスプレイ
JP7179581B2 (ja) * 2018-10-26 2022-11-29 住友化学株式会社 組成物、フィルム、積層構造体、発光装置及びディスプレイ

Also Published As

Publication number Publication date
TW202212455A (zh) 2022-04-01
CN115989193A (zh) 2023-04-18
WO2022044907A1 (ja) 2022-03-03

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US11621299B2 (en) Composition and method for producing composition
TWI761353B (zh) 組成物及化合物
TWI791576B (zh) 組成物、膜、積層構造體、發光裝置及顯示器
CN111655818B (zh) 组合物、膜、层叠体结构、发光装置和显示器
JP6902539B2 (ja) 化合物、分散液組成物及び樹脂組成物
WO2022044907A1 (ja) 発光性複合粒子及び発光性複合粒子組成物
TWI760591B (zh) 組成物、膜、積層體構造、發光裝置及顯示器
JP7453744B2 (ja) 組成物、フィルム、積層構造体、発光装置及びディスプレイ
JP6924187B2 (ja) 組成物
JP7257184B2 (ja) 組成物、フィルム、積層構造体、発光装置及びディスプレイ