JP2022038672A - 電源装置および画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】負荷電流を効果的に制限することができる電源装置を得る。【解決手段】本発明の一実施の形態に係る電源装置は、電圧設定信号に応じた第1の電圧と、出力端子に導かれた電力供給経路における電圧に応じた第2の電圧とを比較することにより、制御信号を生成する制御部と、制御信号に基づいて、電源電圧を昇圧することにより昇圧電圧を生成し、昇圧電圧を電力供給経路に供給する昇圧部と、電力供給経路に流れる電流に過電流が生じた場合に、昇圧部の動作を制限することにより電流を制限するように、制御信号を調整する電流制限部とを備える。【選択図】図4
Description
本発明は、電源装置および電源装置を備えた画像形成装置に関する。
画像形成装置では、様々な電源電圧が使用される。特許文献1には、画像形成装置に使用される電源装置が開示されている。
ところで、電源装置では、負荷に過電流が流れる場合がある。このような場合において、負荷電流を効果的に制限することが望まれている。
負荷電流を効果的に制限することができる電源装置および画像形成装置を提供することが望ましい。
本発明の一実施の形態における電源装置は、制御部と、昇圧部と、電流制限部とを備えている。制御部は、電圧設定信号に応じた第1の電圧と、出力端子に導かれた電力供給経路における電圧に応じた第2の電圧とを比較することにより、制御信号を生成するものである。昇圧部は、制御信号に基づいて、電源電圧を昇圧することにより昇圧電圧を生成し、昇圧電圧を電力供給経路に供給するものである。電流制限部は、電力供給経路に流れる電流に過電流が生じた場合に、昇圧部の動作を制限することにより電流を制限するように、制御信号を調整するものである。
本発明の一実施の形態における画像形成装置は、記録媒体に画像を形成する画像形成部と、画像形成部に電力を供給する電源部とを備えている。電源部は、制御部と、昇圧部と、電流制限部とを有している。制御部は、電圧設定信号に応じた第1の電圧と、画像形成部に導かれた電力供給経路における電圧に応じた第2の電圧とを比較することにより、制御信号を生成するものである。昇圧部は、制御信号に基づいて、電源電圧を昇圧することにより昇圧電圧を生成し、昇圧電圧を電力供給経路に供給するものである。電流制限部は、電力供給経路に流れる電流に過電流が生じた場合に、昇圧部の動作を制限することにより電流を制限するように、制御信号を調整するものである。
本発明の一実施の形態における電源装置および画像形成装置によれば、電力供給経路に流れる電流に過電流が生じた場合に、昇圧部の動作を制限することにより電流を制限するように、制御信号を調整したので、負荷電流を効果的に制限することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、説明は以下の順序で行う。
1.第1の実施の形態
2.第2の実施の形態
1.第1の実施の形態
2.第2の実施の形態
<1.第1の実施の形態>
[構成例]
図1は、本発明の一実施の形態に係る電源装置を備えた画像形成装置1の一構成例を表すものである。画像形成装置1は、例えば普通用紙等からなる記録媒体に対して、電子写真方式を用いて画像を形成するプリンタである。画像形成装置1は、媒体供給ローラ11と、搬送ローラ12,13と、レジストローラ14と、媒体センサ15と、ID(Image Drum)ユニット20と、LED(Light Emitting Diode)ヘッド29と、転写ローラ16と、定着部30と、搬送ローラ17と、排出ローラ18とを備えている。これらの部材は、記録媒体9を搬送する搬送路10に沿って配置されている。
[構成例]
図1は、本発明の一実施の形態に係る電源装置を備えた画像形成装置1の一構成例を表すものである。画像形成装置1は、例えば普通用紙等からなる記録媒体に対して、電子写真方式を用いて画像を形成するプリンタである。画像形成装置1は、媒体供給ローラ11と、搬送ローラ12,13と、レジストローラ14と、媒体センサ15と、ID(Image Drum)ユニット20と、LED(Light Emitting Diode)ヘッド29と、転写ローラ16と、定着部30と、搬送ローラ17と、排出ローラ18とを備えている。これらの部材は、記録媒体9を搬送する搬送路10に沿って配置されている。
媒体供給ローラ11は、媒体収容部8に収納されている記録媒体9をその最上部から1枚ずつ取り出し、取り出した記録媒体9を搬送路10に送り出すように構成される。
搬送ローラ12は、搬送路10を挟む1対のローラを含み、媒体供給ローラ11から供給された記録媒体9を搬送路10に沿って搬送するように構成される。搬送ローラ13は、搬送路10を挟む1対のローラを含み、搬送路10に沿って記録媒体9を搬送するように構成される。
レジストローラ14は、搬送路10を挟む1対のローラを含み、記録媒体9の斜行を矯正するとともに、搬送路10に沿って記録媒体9を搬送するように構成される。
媒体センサ15は、記録媒体9の通過を検出するように構成される。媒体センサ15は、搬送路10において、レジストローラ14とIDユニット20との間に配置される。媒体センサ15は、記録媒体9がIDユニット20に到達するタイミングを検出するために用いられる。
IDユニット20は、トナー像を形成するように構成される。IDユニット20は、画像形成装置1から着脱可能に構成される。これにより、ユーザは、画像形成装置1のカバーを開けることにより、IDユニット20を交換することができるようになっている。
図2は、IDユニット20の一構成例を表すものである。IDユニット20は、感光ドラム21と、帯電ローラ22と、現像ローラ23と、現像ブレード24と、供給ローラ25とを有している。
感光ドラム21は、表面(表層部分)に静電潜像を担持するように構成される。感光ドラム21は、図示しない感光ドラムモータから伝達された動力により、この例では時計回りで回転する。感光ドラム21は、帯電ローラ22により帯電し、LEDヘッド29(図1)により露光される。これにより、感光ドラム21の表面には、静電潜像が形成される。そして、感光ドラム21に、現像ローラ23によりトナーが供給されることにより、感光ドラム21には、静電潜像に応じたトナー像が形成されるようになっている。
帯電ローラ22は、感光ドラム21の表面(表層部分)を帯電させるように構成される。帯電ローラ22は、感光ドラム21の表面(周面)に接するように配置され、所定の押し付け量で感光ドラム21に押し付けられるように配置される。帯電ローラ22は、感光ドラム21の回転に応じて、この例では反時計回りで回転する。帯電ローラ22には、電圧制御部45(後述)により帯電電圧VCHが印加されるようになっている。
現像ローラ23は、トナーを表面に担持するように構成される。現像ローラ23は、感光ドラム21の表面(周面)に接するように配置され、所定の押し付け量で感光ドラム21に押し付けられるように配置される。現像ローラ23は、図示しない感光ドラムモータから伝達された動力により、この例では反時計回りで回転する。現像ローラ23には、電圧制御部45(後述)により現像電圧VDBが印加されるようになっている。
現像ブレード24は、現像ローラ23の表面に当接することにより、この現像ローラ23の表面にトナーからなる層(トナー層)を形成させるとともに、そのトナー層の厚さを規制(制御,調整)するように構成される。現像ブレード24は、例えば、ステンレス等からなる板状弾性部材をL字形状に折り曲げたものである。現像ブレード24は、その折れ曲がった部分が現像ローラ23の表面に当接するように配置されるとともに、所定の押し付け量で現像ローラ23に押し付けられるように配置されている。
供給ローラ25は、図示しないトナー収容部から供給されたトナーを現像ローラ23に対して供給するように構成される。供給ローラ25は、現像ローラ23の表面(周面)に接するように配置され、所定の押し付け量で現像ローラ23に押し付けられるように配置される。供給ローラ25は、図示しない感光ドラムモータから伝達された動力により、この例では反時計回りで回転する。これにより、IDユニット20では、供給ローラ25の表面と現像ローラ23の表面との間には摩擦が生じ、トナーが、いわゆる摩擦帯電により帯電するようになっている。供給ローラ25には、電圧制御部45(後述)により供給電圧VSBが印加されるようになっている。
LEDヘッド29(図1)は、IDユニット20の感光ドラム21に対して、形成すべき画像に応じた光パターンを照射するように構成される。LEDヘッド29は、例えば、主走査線方向(図1における奥行方向)に並設された複数の発光ダイオードを有し、これらの発光ダイオードを用いて、ドット単位で感光ドラム21に対して光を照射する。これにより、感光ドラム21は、LEDヘッド29により露光され、感光ドラム21の表面に、静電潜像が形成される。このようにして、感光ドラム21の表面には、形成すべき画像に応じた静電潜像が形成され、その静電潜像に応じたトナー像が形成されるようになっている。
転写ローラ16は、IDユニット20により形成されたトナー像を、記録媒体9の被転写面上に転写するように構成される。転写ローラ16は、搬送路10を介してIDユニット20の感光ドラム21に対向配置される。これにより、感光ドラム21および転写ローラ16の間にはニップ部が形成される。転写ローラ16には、電圧制御部45(後述)により転写電圧VTRが印加されるようになっている。
定着部30は、記録媒体9に対し熱および圧力を付与することにより、記録媒体9上に転写されたトナー像を記録媒体9に定着させるように構成される。定着部30は、ヒートローラ31と、加圧ローラ33と、温度センサ34とを有している。ヒートローラ31は、記録媒体9上のトナーに対して熱を付与するように構成される。ヒートローラ31は、ハロゲンヒータやセラミックヒータ等のヒータ32を有している。加圧ローラ33は、ヒートローラ31との間にニップ部が形成されるように配置され、記録媒体9上のトナーに対して圧力を付与するように構成される。温度センサ34は、ヒートローラ31の表面温度を検出するように構成される。これにより、定着部30では、記録媒体9上のトナーが、加熱され、融解し、加圧される。その結果、トナー像が記録媒体9上に定着するようになっている。
搬送ローラ17は、トナー像が定着した記録媒体9を搬送路10に沿って搬送するように構成される。排出ローラ18は、搬送された記録媒体9を排出するように構成される。排出された記録媒体9はスタッカ19に積載される。
図3は、画像形成装置1における制御系の一例を表すものである。画像形成装置1は、通信部41と、操作パネル42と、記憶部43と、モータ制御部44と、電圧制御部45と、露光制御部46と、定着制御部47と、制御部49とを備えている。
通信部41は、例えばUSB(Universal Serial Bus)やLAN(Local Area Network)を用いて通信を行うように構成される。通信部41は、例えば、パーソナルコンピュータ(図示せず)から送信された印刷データDPを受信するようになっている。
操作パネル42は、ユーザの操作を受け付けるとともに、画像形成装置1の動作状態などを表示するように構成される。操作パネル42は、例えば各種ボタン、液晶ディスプレイ、各種インジケータなどを用いて構成される。
記憶部43は、画像形成装置1における様々な設定データを記憶するように構成される。
モータ制御部44は、制御部49からの指示に基づいて、画像形成装置1における各種モータの動作を制御するように構成される。
電圧制御部45は、制御部49からの指示に基づいて、画像形成装置1において用いられる様々な電圧を生成するように構成される。電圧制御部45は、複数の高圧電源50を有している。複数の高圧電源50は、画像形成装置において用いられる、帯電電圧VCH、現像電圧VDB、供給電圧VSB、および転写電圧VTRを生成するように構成される。
露光制御部46は、制御部49からの指示に基づいて、LEDヘッド29における露光動作を制御するように構成される。
定着制御部47は、制御部49からの指示に基づいて、定着部30の動作を制御するように構成される。
制御部49は、画像形成装置1内の各ブロックの動作を制御することにより、画像形成装置1の全体動作を制御するように構成される。制御部49は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、一時記憶領域として機能するRAM(Random Access Memory)、CPUにおいて実行されるプログラムを格納するROM(Read Only Memory)などを用いて構成される。制御部49は、通信部41が受信した印刷データDPおよび媒体センサ15の検出結果に基づいて、モータ制御部44、電圧制御部45、露光制御部46、および定着制御部47の動作を制御することにより、画像形成装置1が画像形成動作を行うように制御するようになっている。
(高圧電源50)
複数の高圧電源50は、画像形成装置1において用いられる、帯電電圧VCH、現像電圧VDB、供給電圧VSB、および転写電圧VTRを生成する。この例では、帯電電圧VCH、現像電圧VDB、および供給電圧VSBは、負の高圧電圧であり、転写電圧VTRは正の高圧電圧である。高圧電圧の絶対値は、例えば100V以上である。以下に、一例として、現像電圧VDBを生成する高圧電源50について、詳細に説明する。
複数の高圧電源50は、画像形成装置1において用いられる、帯電電圧VCH、現像電圧VDB、供給電圧VSB、および転写電圧VTRを生成する。この例では、帯電電圧VCH、現像電圧VDB、および供給電圧VSBは、負の高圧電圧であり、転写電圧VTRは正の高圧電圧である。高圧電圧の絶対値は、例えば100V以上である。以下に、一例として、現像電圧VDBを生成する高圧電源50について、詳細に説明する。
図4は、現像電圧VDBを生成する高圧電源50の一構成例を表すものである。高圧電源50は、出力端子TOUTと、PWM(Pulse Width Modulation)信号生成部51と、抵抗素子R11,R12と、容量素子C13と、抵抗素子R14~R16と、容量素子C17と、演算増幅器OPA18と、容量素子C19と、抵抗素子R20~R22と、容量素子C23と、抵抗素子R24と、バイポーラトランジスタB26と、トランスT27と、容量素子C28と、ダイオードD29と、容量素子C30と、抵抗素子R31,R32と、ツェナーダイオードD33と、抵抗素子R34と、容量素子C35と、MOS(Metal Oxide Semiconductor)トランジスタM36と、ツェナーダイオードD37とを有している。
出力端子TOUTは、高圧電源50が生成した現像電圧VDBが出力される端子である。この出力端子TOUTは、IDユニット20が画像形成装置1にセットされることにより、このIDユニット20の端子に接続される。このようにして、高圧電源50により生成された現像電圧VDBは、現像ローラ23に供給されるようになっている。
PWM信号生成部51は、高圧電源50が生成する現像電圧VDBの電圧を指示する電圧設定信号Sを生成するように構成される。電圧設定信号Sは、現像電圧VDBの電圧に応じたデューティ比を有するPWM信号である。具体的には、PWM信号生成部51は、現像電圧VDBの絶対値を小さくする場合には電圧設定信号Sのデューティ比を大きくし、現像電圧VDBの絶対値を大きくする場合には電圧設定信号Sのデューティ比を小さくするようになっている。PWM信号生成部51は、図4に示したように、MOSトランジスタ51Aを有している。MOSトランジスタ51Aは、N型のMOSトランジスタであり、ドレインは抵抗素子R11,R12に接続され、ソースは接地される。すなわち、PWM信号生成部51の出力回路は、いわゆるオープンドレイン構成を有している。
抵抗素子R11の一端には“3.3V”の電源電圧VCCが供給され、他端は抵抗素子R12に接続されるとともにPWM信号生成部51のMOSトランジスタ51Aのドレインに接続される。抵抗素子R12の一端は抵抗素子R11の他端に接続されるとともにPWM信号生成部51のMOSトランジスタ51Aのドレインに接続され、他端は容量素子C13、演算増幅器OPA18の負入力端子、および容量素子C19に接続される。容量素子C13の一端は抵抗素子R12の他端、演算増幅器OPA18の負入力端子、および容量素子C19に接続され、他端は接地される。
抵抗素子R14の一端は出力端子TOUTに導かれた電力供給経路100におけるノードN1に接続され、他端は抵抗素子R15,R16、容量素子C17、および演算増幅器OPA18の正入力端子に接続される。抵抗素子R15の一端には“3.3V”の電源電圧VCCが供給され、他端は抵抗素子R14の他端、抵抗素子R16、容量素子C17、および演算増幅器OPA18の正入力端子に接続される。抵抗素子R16の一端は抵抗素子R14の他端、抵抗素子R15の他端、容量素子C17、および演算増幅器OPA18の正入力端子に接続され、他端は接地される。容量素子C17の一端は抵抗素子R14の他端、抵抗素子R15の他端、抵抗素子R16の一端、および演算増幅器OPA18の正入力端子に接続され、他端は接地される。
演算増幅器OPA18、容量素子C19、抵抗素子R20~R22、容量素子C23、および抵抗素子R24は、電圧制御部52を構成する。電圧制御部52は、現像電圧VDBが、電圧設定信号Sに応じた電圧になるように、高圧電源50の動作を制御するように構成される。演算増幅器OPA18は、“24V”の電源電圧VDDおよび接地電圧に基づいて動作する。演算増幅器OPA18の正入力端子は抵抗素子R14の他端、抵抗素子R15の他端、抵抗素子R15の一端、および容量素子C17の一端に接続され、負入力端子は抵抗素子R12の他端、容量素子C13の一端、および容量素子C19に接続され、出力端子は抵抗素子R20,R21に接続される。容量素子C19の一端は抵抗素子R12に他端、容量素子C13の一端、および演算増幅器OPA18の負入力端子に接続され、他端は抵抗素子R20に接続される。抵抗素子R20の一端は容量素子C19の他端に接続され、他端は演算増幅器OPA18の出力端子および抵抗素子R21に接続される。このように、演算増幅器OPA18の負入力端子および出力端子の間には、直列接続された容量素子C19および抵抗素子R20を含む、電流の帰還路が設けられる。抵抗素子R21の一端は演算増幅器OPA18の出力端子および抵抗素子R20の他端に接続され、他端は抵抗素子R22およびツェナーダイオードD37のカソードに接続される。抵抗素子R22の一端は抵抗素子R21の他端およびツェナーダイオードD37のカソードに接続され、他端は容量素子C23および抵抗素子R24に接続される。容量素子C23の一端は抵抗素子R22の他端および抵抗素子R24に接続され、他端は接地される。抵抗素子R24の一端は抵抗素子R22の他端および容量素子C23の一端に接続され、他端はトランスT27の一次巻線271(後述)に接続される。
バイポーラトランジスタB26、トランスT27、容量素子C28、ダイオードD29、および容量素子C30は、昇圧部53を構成する。昇圧部53は、電圧制御部52から供給された制御信号に基づいて電源電圧VDD2を昇圧するように構成される。トランスT27は、一次巻線271,272と、二次巻線273とを有している。一次巻線271の一端は抵抗素子R24の他端に接続され、他端はバイポーラトランジスタB26のベースに接続される。バイポーラトランジスタB26はNPN型のバイポーラトランジスタであり、ベースはトランスT27の一次巻線271の他端に接続され、コレクタはトランスT27の一次巻線272に接続され、エミッタは接地される。一次巻線272の一端はバイポーラトランジスタB26のコレクタに接続され、他端には“24V”の電源電圧VDD2が供給される。二次巻線273の一端は容量素子C28およびダイオードD29のカソードに接続され、他端はノードN2に接続される。容量素子C28の一端はトランスT27の二次巻線273の一端およびダイオードD29のカソードに接続され、他端はノードN2に接続される。ダイオードD29のカソードはトランスT27の二次巻線273の一端および容量素子C28の一端に接続され、アノードはノードN1に接続される。容量素子C30の一端はノードN1に接続され、他端はノードN2に接続される。
抵抗素子R31は、電力供給経路100に設けられ、一端はノードN1に接続され、他端は高圧電源50の出力端子TOUTに接続される。抵抗素子R31は、過電流を防止する電流制限抵抗素子として機能する。
抵抗素子R32、ツェナーダイオードD33、抵抗素子R34、容量素子C35、MOSトランジスタM36、およびツェナーダイオードD37は、電流制限部54を構成する。電流制限部54は、負荷電流に過電流が生じた場合に、昇圧部53の動作を制限することにより負荷電流を制限するように構成される。抵抗素子R32の一端はノードN1に接続され、他端は接地される。抵抗素子R32は、高圧電源50の負荷電流を検出する、電流検出抵抗素子として機能する。ツェナーダイオードD33のカソードはノードN2に接続され、アノードは抵抗素子R34、容量素子C35、およびMOSトランジスタM36のゲートに接続される。このツェナーダイオードD33は、高圧電源50の負荷電流が増加し、ノードN2における電圧がツェナーダイオードD33のツェナー電圧を超えた場合にオン状態になるように構成される。抵抗素子R34の一端はツェナーダイオードD33のアノード、容量素子C35、MOSトランジスタM36のゲートに接続され、他端は接地される。容量素子C35の一端はツェナーダイオードD33のアノード、抵抗素子R34の一端、およびMOSトランジスタM36のゲートに接続され、他端は接地される。MOSトランジスタM36は、N型のMOSトランジスタであり、ゲートはツェナーダイオードD33のアノード、抵抗素子R34の一端、および容量素子C35の一端に接続され、ドレインはツェナーダイオードD37のアノードに接続され、ソースは接地される。ツェナーダイオードD37のアノードはMOSトランジスタM36のドレインに接続され、カソードは抵抗素子R21の他端および抵抗素子R22の一端に接続される。
この構成により、高圧電源50は、現像電圧VDBが、PWM信号生成部51が生成した電圧設定信号Sに応じた電圧になるように、現像電圧VDBを制御する。また、高圧電源50は、負荷電流が所定の電流より大きい場合には、昇圧部53の動作を制限することにより、負荷電流を制限するようになっている。
ここで、電圧制御部52は、本発明における「制御部」の一具体例に対応する。電圧設定信号Sは、本発明における「電圧設定信号」の一具体例に対応する。電力供給経路100は、本発明における「電力供給経路」の一具体例に対応する。昇圧部53は、本発明における「昇圧部」の一具体例に対応する。電源電圧VDD2は、本発明における「電源電圧」の一具体例に対応する。現像電圧VDBは、本発明における「昇圧電圧」の一具体例に対応する。電流制限部54は、本発明における「電流制限部」の一具体例に対応する。ツェナーダイオードD37は、本発明における「定電圧素子」の一具体例に対応する。
[動作および作用]
続いて、本実施の形態の画像形成装置1の動作および作用について説明する。
続いて、本実施の形態の画像形成装置1の動作および作用について説明する。
(全体動作概要)
まず、図1~3を参照して、画像形成装置1の全体動作概要を説明する。通信部41が印刷データDPを受信すると、制御部49は、画像形成装置1が画像形成動作を開始するように、画像形成装置1の各ブロックを制御する。モータ制御部44は、制御部49からの指示に基づいて、各種モータの動作を制御する。電圧制御部45は、制御部49からの指示に基づいて、画像形成装置1において用いられる様々な電圧を生成する。露光制御部46は、制御部49からの指示に基づいて、LEDヘッド29における露光動作を制御する。定着制御部47は、制御部49からの指示に基づいて、定着部30の動作を制御する。記録媒体9は、媒体収容部8から取り出され、搬送路10に沿って搬送される。LEDヘッド29は、媒体センサ15の検出結果に基づいて、感光ドラム21に対して、形成すべき画像に応じた光パターンを照射する。これにより、IDユニット20では、感光ドラム21の表面に静電潜像が形成され、その静電潜像に応じたトナー像が形成(現像)される。転写ローラ16は、感光ドラム21に形成されたトナー像を、記録媒体9の被転写面上に転写する。定着部30は、トナー像を記録媒体9上に定着させる。そして、トナー像が定着された記録媒体9は、搬送路10に沿って搬送され、記録媒体9は排出される。
まず、図1~3を参照して、画像形成装置1の全体動作概要を説明する。通信部41が印刷データDPを受信すると、制御部49は、画像形成装置1が画像形成動作を開始するように、画像形成装置1の各ブロックを制御する。モータ制御部44は、制御部49からの指示に基づいて、各種モータの動作を制御する。電圧制御部45は、制御部49からの指示に基づいて、画像形成装置1において用いられる様々な電圧を生成する。露光制御部46は、制御部49からの指示に基づいて、LEDヘッド29における露光動作を制御する。定着制御部47は、制御部49からの指示に基づいて、定着部30の動作を制御する。記録媒体9は、媒体収容部8から取り出され、搬送路10に沿って搬送される。LEDヘッド29は、媒体センサ15の検出結果に基づいて、感光ドラム21に対して、形成すべき画像に応じた光パターンを照射する。これにより、IDユニット20では、感光ドラム21の表面に静電潜像が形成され、その静電潜像に応じたトナー像が形成(現像)される。転写ローラ16は、感光ドラム21に形成されたトナー像を、記録媒体9の被転写面上に転写する。定着部30は、トナー像を記録媒体9上に定着させる。そして、トナー像が定着された記録媒体9は、搬送路10に沿って搬送され、記録媒体9は排出される。
(詳細動作)
図5は、IDユニット20および定着部30の一動作例を表すものである。電圧制御部45の複数の高圧電源50は、帯電電圧VCH、現像電圧VDB、供給電圧VSB、および転写電圧VTRを生成する。この例では、帯電電圧VCH、現像電圧VDB、および供給電圧VSBは、負の高圧電圧であり、転写電圧VTRは正の高圧電圧である。そして、電圧制御部45は、帯電電圧VCHを帯電ローラ22に印加し、現像電圧VDBを現像ローラ23に印加し、供給電圧VSBを供給ローラ25に印加し、転写電圧VTRを転写ローラ16に印加する。
図5は、IDユニット20および定着部30の一動作例を表すものである。電圧制御部45の複数の高圧電源50は、帯電電圧VCH、現像電圧VDB、供給電圧VSB、および転写電圧VTRを生成する。この例では、帯電電圧VCH、現像電圧VDB、および供給電圧VSBは、負の高圧電圧であり、転写電圧VTRは正の高圧電圧である。そして、電圧制御部45は、帯電電圧VCHを帯電ローラ22に印加し、現像電圧VDBを現像ローラ23に印加し、供給電圧VSBを供給ローラ25に印加し、転写電圧VTRを転写ローラ16に印加する。
感光ドラム21が回転することにより、感光ドラム21の表面は、帯電ローラ22により一様に帯電される。そして、LEDヘッド29が、この感光ドラム21に対して、形成すべき画像に応じた光パターンを照射することにより、感光ドラム21の表面に静電潜像が形成される。供給ローラ25は、トナーTNを現像ローラ23に対して供給する。現像ローラ23の表面では、現像ブレード24によりトナーTNの層の厚さが規制され、一様なトナー層が形成される。そして、感光ドラム21の静電潜像に応じて、現像ローラ23から感光ドラム21にトナーTNが移動することにより、感光ドラム21の表面に、静電潜像に応じたトナー像が形成される。そして、転写ローラ16により、感光ドラム21の表面のトナー像が記録媒体9に転写される。記録媒体9上のトナーは、ヒートローラ31および加圧ローラ33により、加熱され、融解し、加圧される。その結果、トナー像は記録媒体9上に定着する。
(高圧電源50の動作)
次に、現像電圧VDBを生成する高圧電源50(図4)の一動作例について説明する。
次に、現像電圧VDBを生成する高圧電源50(図4)の一動作例について説明する。
PWM信号生成部51は、高圧電源50が生成する現像電圧VDBの電圧を指示する電圧設定信号Sを生成する。電圧設定信号Sは、現像電圧VDBの電圧に応じたデューティ比を有するPWM信号である。PWM信号生成部51は、現像電圧VDBの絶対値を小さくする場合には電圧設定信号Sのデューティ比を大きくし、現像電圧VDBの絶対値を大きくする場合には電圧設定信号Sのデューティ比を小さくする。PWM信号生成部51は、オープンドレイン構成の出力回路を有しており、PWM信号生成部51の出力端子は抵抗素子R11によりプルアップされている。よって、この電圧設定信号Sの低レベル電圧は“0V”であり、高レベル電圧は“3.3V”である。抵抗素子R12および容量素子C13は、ローパスフィルタとして動作する。電圧設定信号Sは、このローパスフィルタにより平滑化される。平滑化された電圧は、電圧VREFとして、演算増幅器OPA18の負入力端子に供給される。この電圧VREFは、電圧設定信号Sのデューティ比に応じた電圧である。
一方、高圧電源50の出力端子TOUTに導かれた電力供給経路100におけるノードN1の電圧は、抵抗素子R14~R16により分圧されるとともに、容量素子C17により平滑化される。分圧され平滑化された電圧は、電圧VFBとして、演算増幅器OPA18の正入力端子に供給される。
演算増幅器OPA18は、電圧VFBが電圧VREFよりも高い場合、出力端子の電圧(電圧Vout)を上昇させ、電圧VFBが電圧VREFよりも低い場合、電圧Voutを低下させる。
高圧電源50が現像電圧VDBを生成する前には、PWM信号生成部51は、電圧設定信号Sのデューティ比を“100%”に設定する。このとき、電圧VREFは、ほぼ“3.3V”である。一方、出力端子TOUTに導かれた電力供給経路100におけるノードN1の電圧は“0V”であるので、抵抗素子R14~R16により分圧された電圧VFBは、“3.3V”より低い。すなわち、電圧VFBは電圧VREFによりも低い。よって、演算増幅器OPA18は、電圧Voutをほぼ“0V”にする。これにより、昇圧部53は動作せず、ノードN1の電圧は“0V”を維持する。
高圧電源50が現像電圧VDBの生成を開始する際、PWM信号生成部51は、電圧設定信号Sのデューティ比を、“100%”より低いある所定の値に設定する。これにより、電圧VREFは低下していく。電圧VREFが電圧VFBを下回ると、演算増幅器OPA18は電圧Voutを“0V”から上昇させる。これにより、抵抗素子R21、抵抗素子R22、抵抗素子R24、トランスT27の一次巻線271を介して、バイポーラトランジスタB26にベース電流が流れ、このベース電流に応じて、バイポーラトランジスタB26にコレクタ電流が流れる。このコレクタ電流は、トランスT27の一次巻線272に流れるので、トランスT27の二次巻線273に、一次巻線272の巻線数と二次巻線273の巻線数との比に応じた高圧電圧が誘起される。この高圧電圧は、ダイオードD29により整流されるとともに容量素子C30により平滑化される。その結果、現像ローラ23が接続された出力端子TOUTから、抵抗素子R31、ダイオードD29、トランスT27の二次巻線273、抵抗素子R32の順に、負荷電流が流れる。
また、トランスT27の一次巻線271には、一次巻線271の巻線数と二次巻線273の巻線数との比に応じた電圧が誘起され、電流が、一次巻線271、抵抗素子R24、容量素子C23の順に流れる。これにより、バイポーラトランジスタB26のベースの電圧が低下し、バイポーラトランジスタB26にベース電流が流れなくなり、これに応じて、バイポーラトランジスタB26にコレクタ電流が流れなくなる。そして、トランスT27の一次巻線272の逆起電力による電圧がバイポーラトランジスタB26のコレクタに生じ、トランスの一次巻線272から電源電圧VDD2の電源ノードに向かって電流が流れる。このような動作が、容量素子C28とトランスT27の二次巻線273の浮遊キャパシタンスに応じた共振周波数で繰り返される。その結果、出力端子TOUTの電圧(現像電圧VDB)の絶対値が大きくなり、この現像電圧VDBが低下する。電圧VFBは、現像電圧VDBに応じて低下する。高圧電源50は、電圧VFBが電圧VREFと等しくなるように制御する。このようにして、高圧電源50は、電圧設定信号Sのデューティ比に応じた現像電圧VDBを生成する。
高圧電源50では、上述したように、現像ローラ23が接続された出力端子TOUTから、抵抗素子R31、ダイオードD29、トランスT27の二次巻線273、抵抗素子R32の順に、負荷電流が流れる。負荷電流に過電流が生じていない場合には、抵抗素子R32における電圧降下量が、ツェナーダイオードD33のツェナー電圧よりも低いので、ツェナーダイオードD33はオフ状態を維持する。MOSトランジスタM36のゲートは、抵抗素子R34によりプルダウンされる。また、MOSトランジスタM36のゲートでは、容量素子C35によりノイズが抑えられる。これにより、MOSトランジスタM36はオフ状態を維持する。よって、ツェナーダイオードD37には電流は流れない。よって、昇圧部53は、電圧制御部52から供給された制御信号(ベース電流)に基づいて昇圧動作を行う。
次に、負荷電流に過電流が生じた場合について説明する。過電流が生じた場合には、電流制限部54の抵抗素子R32における電圧降下量がツェナーダイオードD33のツェナー電圧を超え、ツェナーダイオードD33がオン状態になり、MOSトランジスタM36のゲート電圧が上昇する。そして、MOSトランジスタM36のゲート電圧がMOSトランジスタM36のしきい値電圧を超えると、MOSトランジスタM36がオン状態になり、ツェナーダイオードD37がオン状態になる。これにより、ツェナーダイオードD37のカソード電圧VcがツェナーダイオードD37のツェナー電圧と同じ電圧になる。その結果、演算増幅器OPA18の出力端子から、抵抗素子R21、抵抗素子R22、抵抗素子R24、トランスT27の一次巻線271を介してバイポーラトランジスタB26に流れるベース電流が減少する。これに応じて、バイポーラトランジスタB26に流れるコレクタ電流もまた減少するので、トランスT27により生成される電力(L×i2/2)が減少し、出力端子TOUTにおける電圧(現像電圧VDB)の絶対値が低下する。ここで、“L”は、一次巻線272のインダクタンスであり、“i”はバイポーラトランジスタB26のコレクタ電流である。このようにして昇圧部53の動作が制限されることにより、負荷電流が減少し、過電流が解消される。高圧電源50では、このように負荷電流に過電流が生じた場合に、バイポーラトランジスタB26のベース電流の電流値が一定値になり、これに応じて、バイポーラトランジスタB26のコレクタ電流の電流値が一定値になる。よって、高圧電源50が生成する現像電圧VDBには、リップルが生じずに、現像電圧VDBの電圧値は一定値となる。
次に、過電流が生じた場合における、高圧電源50のシミュレーションについて説明する。このシミュレーションでは、図6に示した負荷回路60を、高圧電源50の負荷として用いている。この負荷回路60は、端子T1,T2と、抵抗素子R61と、容量素子C62と、抵抗素子R63,R64と、容量素子C65とを有している。端子T1は、高圧電源50の出力端子TOUTに接続される。抵抗素子R61の一端は端子T1および容量素子C62に接続され、他端は容量素子C62および抵抗素子R63,R64に接続される。容量素子C62の一端は端子T1および抵抗素子R61の一端に接続され、他端は抵抗素子R61の他端および抵抗素子R63,R64に接続される。抵抗素子R63の一端は抵抗素子R61の他端、容量素子C62の他端、および抵抗素子R64に接続され、他端は接地される。抵抗素子R64の一端は抵抗素子R61の他端、容量素子C62の他端、抵抗素子R63の一端に接続され、他端は端子T2および容量素子C65に接続される。容量素子C65の一端は抵抗素子R64の他端および端子T2に接続され、他端は接地される。抵抗素子R61の抵抗値は、例えば“1.5kΩ”であり、抵抗素子R63の抵抗値は、例えば“500Ω”であり、抵抗素子R64の抵抗値は、例えば“10kΩ”である。容量素子C62の容量値は、例えば“0.22μF”であり、容量素子C65の容量値は、例えば“0.022μF”である。高圧電源50の出力端子TOUTにこの負荷回路60を接続することにより、高圧電源50には過電流が生じる。
図7は、負荷電流に過電流が生じた場合における、高圧電源50のシミュレーション結果の一例を表すものであり、(A)は演算増幅器OPA18の負入力端子における電圧VREFの波形を示し、(B)は演算増幅器OPA18の正入力端子における電圧VFBの波形を示し、(C)は演算増幅器OPA18が出力する電圧Voutの波形を示し、(D)はツェナーダイオードD37のカソード電圧Vcの波形を示し、(E)はノードN2の電圧VN2の波形を示し、(F)は高圧電源50が生成する現像電圧VDBの波形を示し、(G)は負荷回路60の端子T2の電圧VT2の波形を示す。この例では、高圧電源50の出力端子TOUTは、負荷回路60(図6)の端子T1に接続される。
タイミングt1において、PWM信号生成部51は、電圧設定信号Sのデューティ比を、“100%”から、“100%”より低いある所定の値に変更する。これにより、電圧VREFは低下し始める(図7(A))。そして、この電圧VREFが、電圧VFB(図7(B))を下回ると、演算増幅器OPA18は電圧Voutを“0V”から上昇させる(図7(C))。演算増幅器OPA18における電流の帰還路により、電圧VREFの低下はやや抑制される。このような電圧Voutの変化に応じて、ツェナーダイオードD37のカソード電圧Vcは上昇する(図7(D))。このようにして、抵抗素子R21、抵抗素子R22、抵抗素子R24、トランスT27の一次巻線271を介して、バイポーラトランジスタB26にベース電流が流れる。これにより、昇圧部53が動作を行い、出力端子TOUTにおける電圧(現像電圧VDB)の絶対値が大きくなり、現像電圧VDBは低下する(図7(F))。これに応じて、負荷回路60(図6)の端子T2における電圧VT2もまた低下する(図7(G))。このように現像電圧VDBは低下することにより、負荷回路60から高圧電源50に向かって負荷電流が流れる。具体的には、負荷回路60の抵抗素子R63、抵抗素子R61、高圧電源50の抵抗素子R31、ダイオードD28、トランスT27の二次巻線273、抵抗素子R32の順に、負荷電流が流れる。この負荷電流により、抵抗素子R32における電圧降下量が大きくなり、ノードN2における電圧VN2が上昇する(図7(E))。
そして、タイミングt2において、ノードN2における電圧VN2がツェナーダイオードD37のツェナー電圧を超えると(図7(E))、ツェナーダイオードD33がオン状態になり、MOSトランジスタM36のゲート電圧が上昇し、MOSトランジスタM36がオン状態になる。これにより、ツェナーダイオードD37がオン状態になり、ツェナーダイオードD37のカソード電圧Vcが、ツェナーダイオードD37のツェナー電圧と同じ電圧に低下する(図7(D))。その結果、演算増幅器OPA18の出力端子から、抵抗素子R21、抵抗素子R22、抵抗素子R24、トランスT27の一次巻線271を介してバイポーラトランジスタB26に流れるベース電流が減少する。これにより、昇圧部53の動作が制限され、出力端子TOUTにおける電圧(現像電圧VDB)の絶対値が低下し、現像電圧VDBが上昇する(図7(F))。これに応じて、負荷回路60(図6)の端子T2における電圧もまた上昇する(図7(G))。
そして、タイミングt3において、電圧VREFは、電圧設定信号Sのデューティ比に応じた電圧に到達する(図7(A))。しかしながら、電流制限部54により、昇圧部53の動作が制限されているので、出力端子TOUTの電圧(現像電圧VDB)は、電圧設定信号Sのデューティ比に応じた電圧に到達することができず(図7(F))、電圧VFBは電圧VREFよりも高い電圧を維持する(図7(A),(B))。このように、電圧VFBが電圧VREFよりも高いので、演算増幅器OPA18は、電圧Voutを高い電圧に維持する(図7(C))。しかしながら、電流制限部54の動作により、ツェナーダイオードD37のカソード電圧Vcは、ツェナーダイオードD37のツェナー電圧と同じ電圧を維持する。そして、ノードN2における電圧VN2は飽和する(図7(E))。高圧電源50の出力端子TOUTにおける電圧(現像電圧VDB)は、直流電圧を維持する(図7(F))。同様に、負荷回路60(図6)の端子T2における電圧もまた直流電圧を維持する(図7(G))。
ここで、電圧VREFは、本発明における「第1の電圧」の一具体例に対応する。電圧VFBは、本発明における「第2の電圧」の一具体例に対応する。
(比較例)
次に、比較例に係る高圧電源50Rについて説明する。本比較例は、電流制御部により、演算増幅器OPA18の負入力端子の電圧を制御するものである。
次に、比較例に係る高圧電源50Rについて説明する。本比較例は、電流制御部により、演算増幅器OPA18の負入力端子の電圧を制御するものである。
図8は、現像電圧VDBを生成する高圧電源50Rの一構成例を表すものである。高圧電源50Rは、電圧制御部52Rと、電流制限部54Rとを有している。
電圧制御部52Rは、演算増幅器OPA18と、容量素子C19と、抵抗素子R20と、抵抗素子R22と、容量素子C23と、抵抗素子R24とを有している。電圧制御部52Rは、本実施の形態に係る電圧制御部52(図4)から、抵抗素子R21を省いたものである。また、電圧制御部52Rでは、演算増幅器OPA18の負入力端子に、電流制限部54Rが接続されるようになっている。
電流制限部54Rは、抵抗素子R32と、ツェナーダイオードD33と、抵抗素子R34,R41と、容量素子C35と、バイポーラトランジスタB42と、抵抗素子R43,R44と、MOSトランジスタM45とを有している。抵抗素子R41の一端は抵抗素子R34の一端に接続され、他端は容量素子C35の一端およびバイポーラトランジスタB42のベースに接続される。バイポーラトランジスタB42は、NPN型のバイポーラトランジスタであり、ベースは抵抗素子R41の他端および容量素子C35の一端に接続され、コレクタは抵抗素子R43に接続され、エミッタは接地される。抵抗素子R43の一端はバイポーラトランジスタB42のコレクタに接続され、他端は抵抗素子R44およびMOSトランジスタM45のゲートに接続される。抵抗素子R44の一端は抵抗素子R43の他端およびMOSトランジスタM45のゲートに接続され、他端には“3.3V”の電源電圧VCCが供給される。MOSトランジスタM45は、P型のMOSトランジスタであり、ゲートは抵抗素子R43の他端および抵抗素子R44の一端に接続され、ソースには電源電圧VCCが供給され、ドレインは演算増幅器OPA18の負入力端子、抵抗素子R12の他端、容量素子C13の一端、および容量素子C19の一端に接続される。
負荷電流に過電流が生じていない場合における高圧電源50Rの動作は、本実施の形態に係る高圧電源50の動作と同様である。
過電流が生じた場合には、電流制限部54Rの抵抗素子R32における電圧降下量がツェナーダイオードD33のツェナー電圧を超え、ツェナーダイオードD33がオン状態になる。これにより、抵抗素子R41を介してバイポーラトランジスタB42にベース電流が流れ、これに応じてバイポーラトランジスタB42にコレクタ電流が流れる。このコレクタ電流は、電源電圧VCCの電源ノードから、抵抗素子R44、抵抗素子R43、バイポーラトランジスタB42の順に流れる。この電流により、抵抗素子R44に電圧降下が生じる。この電圧降下量が大きくなり、電圧降下量がMOSトランジスタM45のしきい値の絶対値を超えると、MOSトランジスタM45がオン状態になる。これにより、演算増幅器OPA18の負入力端子に電源電圧VCCが印加され、電圧VREFが“3.3V”になる。電圧VREFは電圧VFBより高くなるので、演算増幅器OPA18は電圧Voutを低下させ、その結果、演算増幅器OPA18の出力端子から、抵抗素子R22、抵抗素子R24、トランスT27の一次巻線271を介してバイポーラトランジスタB26に流れるベース電流が減少する。これに応じて、バイポーラトランジスタB26に流れるコレクタ電流もまた減少するので、トランスT27により生成される電力(L×i2/2)が減少し、出力端子TOUTにおける電圧(現像電圧VDB)の絶対値が低下する。これにより、負荷電流が減少する。このようにして、昇圧部53の動作が制限される。
負荷電流が減少すると、抵抗素子R32における電圧降下量が小さくなる。この電圧降下量がツェナーダイオードD33のツェナー電圧を下回ると、ツェナーダイオードD33はオフ状態になる。これにより、バイポーラトランジスタB42にベース電流が流れなくなり、これに応じて、バイポーラトランジスタB42にコレクタ電流が流れなくなる。その結果、MOSトランジスタM45はオフ状態になり、電圧VREFは、電圧設定信号Sのデューティ比に応じた電圧に戻り始める。そして、電圧VREFが電圧VFBを下回ると、演算増幅器OPA18は電圧Voutを上昇させ、昇圧部53は動作を再開する。
この後、現像電圧VDBの絶対値が上昇し始めると、また負荷電流が増加し、昇圧部53の動作が制限される。このように、高圧電源50Rでは、昇圧部53の動作と、この動作の制限とが、交互に繰り返される。このように、高圧電源50Rは、過電流が生じた場合には、間欠動作を行う。
図9は、負荷電流に過電流が生じた場合における、高圧電源50Rのシミュレーション結果の一例を表すものであり、(A)は演算増幅器OPA18の負入力端子における電圧VREFの波形を示し、(B)は演算増幅器OPA18の正入力端子における電圧VFBの波形を示し、(C)は演算増幅器OPA18が出力する電圧Voutの波形を示し、(D)容量素子C23の電圧VC23の波形を示し、(E)はノードN2の電圧VN2の波形を示し、(F)は高圧電源50が生成する現像電圧VDBの波形を示し、(G)は負荷回路60の端子T2の電圧VT2の波形を示す。この例では、高圧電源50Rの出力端子TOUTは、負荷回路60(図6)の端子T1に接続される。
タイミングt11において、PWM信号生成部51は、電圧設定信号Sのデューティ比を、“100%”から、“100%”より低いある所定の値に変更する。これにより、電圧VREFは低下し始める(図9(A))。そして、この電圧VREFが、電圧VFB(図9(B))を下回ると、演算増幅器OPA18は電圧Voutを“0V”から上昇させる(図9(C))。これに応じて、容量素子C23の電圧VC23は上昇する(図9(D))。このようにして、抵抗素子R22、抵抗素子R24、トランスT27の一次巻線271を介して、バイポーラトランジスタB26にベース電流が流れる。これにより、昇圧部53が動作し、出力端子TOUTにおける電圧(現像電圧VDB)の絶対値が大きくなり、現像電圧VDBは低下する(図9(F))。これに応じて、負荷回路60(図6)の端子T2における電圧もまた低下する(図9(G))。このように現像電圧VDBは低下することにより、負荷回路60から高圧電源50Rに向かって負荷電流が流れる。この負荷電流により、抵抗素子R32における電圧降下が大きくなり、ノードN2における電圧VN2が上昇する(図9(E))。
そして、タイミングt12において、ノードN2における電圧VN2が、ツェナーダイオードD33のツェナー電圧を超える(図9(E))。これにより、ツェナーダイオードD33がオン状態になり、抵抗素子R41を介してバイポーラトランジスタB42にベース電流が流れる。これに応じてバイポーラトランジスタB42にコレクタ電流が流れ、MOSトランジスタM45がオン状態になり、演算増幅器OPA18の負入力端子に電源電圧VCCが印加される(図9(A))。これにより、電圧VREFは電圧VFBより高くなるので、演算増幅器OPA18は電圧Voutを低下させ(図9(C))、バイポーラトランジスタB26に流れるベース電流が減少する。その結果、昇圧部53の動作が制限され、出力端子TOUTにおける電圧(現像電圧VDB)の絶対値が低下し、現像電圧VDBが上昇する(図9(F))。これに応じて、負荷回路60(図6)の端子T2における電圧もまた上昇する(図9(G))。このように現像電圧VDBが上昇することにより、負荷電流は減少する。
そして、タイミングt13において、負荷電流の減少に伴い、抵抗素子R32における電圧降下量が減少し、ノードN2における電圧VN2が、ツェナーダイオードD33のツェナー電圧より低くなる(図9(E))。これにより、ツェナーダイオードD33はオフ状態になり、バイポーラトランジスタB42にベース電流が流れなくなり、これに応じてバイポーラトランジスタB42にコレクタ電流が流れなくなり、MOSトランジスタM45がオフ状態になる。その結果、電圧VREFは、電圧設定信号Sのデューティ比に応じた電圧に戻り始める(図9(A))。これにより、電圧VREFは電圧VFBより低くなるので、演算増幅器OPA18は電圧Voutを上昇させ(図9(C))、昇圧部53は動作を再開する。
この後、現像電圧VDBの絶対値が上昇し始めると、また負荷電流が増加し、昇圧部53の動作が制限される。このように、高圧電源50Rでは、昇圧部53の動作と、この動作の制限とが、交互に繰り返され、高圧電源50Rは間欠動作を行う。
このように、比較例に係る高圧電源50Rは、過電流が生じた場合には間欠動作を行う。これにより、高圧電源50Rが生成する現像電圧VDBにはリップルが生じてしまう。現像電圧VDBにリップルが生じた場合には、負荷回路60(図6)の端子T2における電圧にもリップルが生じることとなる。この端子T2における電圧のリップルは、例えば、その電圧の平均値の10%以下であることと、“1V”以下であることが望まれる。比較例に係る高圧電源50Rでは、この特性を満たすことは難しい。特に、リップルは、トランスT27により生成される電力が大きいほど大きくなり得る。よって、例えば、トランスT27の一次巻線272のインダクタンスL、バイポーラトランジスタB26のhfeパラメータが大きい場合に大きくなり得る。また、リップルは、抵抗素子R22,R24、一次巻線271のインピーダンスが低く、容量素子C23のキャパシタンスが大きい場合に大きくなり得る。また、リップルは、環境温度が高い場合に大きくなり得る。よって、このような部品ばらつきや環境条件によって、リップルはさらに大きくなるおそれがある。
一方、本実施の形態に係る高圧電源50では、負荷電流に過電流が生じた場合に、現像電圧VDBにリップルは生じず、現像電圧VDBは直流電圧を維持する。よって、部品ばらつきや環境条件により、トランスT27により生成される電力が大きくなった場合でも、例えば、負荷回路60(図6)の端子T2における電圧におけるリップルを、この電圧の平均値の10%以下にすることができ、“1V”以下にすることができる。高圧電源50では、過電流が生じた場合に、ツェナーダイオードD37をオン状態にすることにより、バイポーラトランジスタB26のベース電流を少なくし、トランスT27により生成される電力を低減する。これにより、高圧電源50では、過電流が生じた場合に、リップルを生じさせることなく、負荷電流を効果的に制限することができる。
このように、高圧電源50では、電圧設定信号Sに応じた電圧VREFと、出力端子TOUTに導かれた電力供給経路100における電圧に応じた電圧VFBとを比較することにより、制御信号を生成し、この制御信号に基づいて電源電圧を昇圧することにより昇圧電圧(現像電圧VDB)を生成し、電力供給経路100に流れる電流に過電流が生じた場合に、昇圧部53の動作を制限することにより負荷電流を制限するように、制御信号を調整した。これにより、高圧電源50では、過電流が生じた場合に、リップルを生じさせることなく、負荷電流を効果的に制限することができる。
また、高圧電源50では、電力供給経路100に流れる電流に過電流が生じたことにより、電力供給経路100に流れる電流が所定の電流より大きい場合に、制御信号を調整するようにしたので、負荷電流を効果的に制限することができる。
また、高圧電源50では、制御信号を伝える経路に接続されたツェナーダイオードD37を設け、このツェナーダイオードD37をオン状態にさせることにより制御信号を調整するようにしたので、負荷電流を効果的に制限することができる。
[効果]
以上のように本実施の形態では、電圧設定信号に応じた電圧と、出力端子に導かれた電力供給経路における電圧に応じた電圧とを比較することにより、制御信号を生成し、この制御信号に基づいて電源電圧を昇圧することにより昇圧電圧を生成し、電力供給経路に流れる電流に過電流が生じた場合に、昇圧部の動作を制限することにより負荷電流を制限するように、制御信号を調整した。これにより、負荷電流を効果的に制限することができる。
以上のように本実施の形態では、電圧設定信号に応じた電圧と、出力端子に導かれた電力供給経路における電圧に応じた電圧とを比較することにより、制御信号を生成し、この制御信号に基づいて電源電圧を昇圧することにより昇圧電圧を生成し、電力供給経路に流れる電流に過電流が生じた場合に、昇圧部の動作を制限することにより負荷電流を制限するように、制御信号を調整した。これにより、負荷電流を効果的に制限することができる。
本実施の形態では、電力供給経路に流れる電流に過電流が生じたことにより、電力供給経路に流れる電流が所定の電流より大きい場合に、制御信号を調整するようにしたので、負荷電流を効果的に制限することができる。
本実施の形態では、制御信号を伝える経路に接続されたツェナーダイオードを設け、このツェナーダイオードをオン状態にさせることにより制御信号を調整するようにしたので、負荷電流を効果的に制限することができる。
[変形例1-1]
上記実施の形態では、制御信号を伝える経路にツェナーダイオードD37を接続したが、これに限定されるものではなく、ダイオードや、バリスタなど、定電圧素子であればどのようなものであってもよい。図10は、ダイオードを設けた高圧電源50Aの一構成例を表すものである。高圧電源50Aは、電流制限部54Aを有している。電流制限部54Aは、複数のダイオードD46を有している。複数のダイオードD46は、互いに直接に接続される。直列に接続された複数のダイオードD46のうちの1つのカソードは、MOSトランジスタM36のドレインに接続され、複数のダイオードD46のうちの他の1つのアノードは、抵抗素子R21の他端および抵抗素子R22の一端に接続される。なお、ダイオードD46の順方向電圧が大きい場合には、複数のダイオードD46の代わりに、1つのダイオードD46を用いてもよい。
上記実施の形態では、制御信号を伝える経路にツェナーダイオードD37を接続したが、これに限定されるものではなく、ダイオードや、バリスタなど、定電圧素子であればどのようなものであってもよい。図10は、ダイオードを設けた高圧電源50Aの一構成例を表すものである。高圧電源50Aは、電流制限部54Aを有している。電流制限部54Aは、複数のダイオードD46を有している。複数のダイオードD46は、互いに直接に接続される。直列に接続された複数のダイオードD46のうちの1つのカソードは、MOSトランジスタM36のドレインに接続され、複数のダイオードD46のうちの他の1つのアノードは、抵抗素子R21の他端および抵抗素子R22の一端に接続される。なお、ダイオードD46の順方向電圧が大きい場合には、複数のダイオードD46の代わりに、1つのダイオードD46を用いてもよい。
[変形例1-2]
上記実施の形態では、高圧電源50は現像電圧VDBを生成するようにしたが、これに限定されるものではなく、帯電電圧VCHを生成してもよいし、供給電圧VSBを生成してもよいし、転写電圧VTRを生成してもよい。
上記実施の形態では、高圧電源50は現像電圧VDBを生成するようにしたが、これに限定されるものではなく、帯電電圧VCHを生成してもよいし、供給電圧VSBを生成してもよいし、転写電圧VTRを生成してもよい。
[その他の変形例]
また、これらの変形例のうちの2以上を組み合わせてもよい。
また、これらの変形例のうちの2以上を組み合わせてもよい。
<2.第2の実施の形態>
次に、第2の実施の形態に係る画像形成装置2について説明する。本実施の形態は、高圧電源が、上記第1の実施の形態と異なるものである。その他の構成は、上記第1の実施の形態(図1~3)と同様である。なお、上記第1の実施の形態に係る画像形成装置1と実質的に同一の構成部分には同一の符号を付し、適宜説明を省略する。
次に、第2の実施の形態に係る画像形成装置2について説明する。本実施の形態は、高圧電源が、上記第1の実施の形態と異なるものである。その他の構成は、上記第1の実施の形態(図1~3)と同様である。なお、上記第1の実施の形態に係る画像形成装置1と実質的に同一の構成部分には同一の符号を付し、適宜説明を省略する。
画像形成装置2は、上記第1の実施の形態に係る画像形成装置1(図3)と同様に、複数の高圧電源70を有している。
図11は、画像形成装置2の高圧電源70の一構成例を表すものである。高圧電源70は、昇圧部73と、電流制限部74とを有している。
昇圧部73において、トランスT27の二次巻線273の他端、容量素子C28の他端、および容量素子C30の他端は、接地される。
電流制限部74は、抵抗素子R51~R53と、容量素子C54と、抵抗素子R55,R56と、演算増幅器OPA57と、抵抗素子R58とを有している。抵抗素子R51の一端はノードN1に接続され、他端は抵抗素子R52,R53、容量素子C54、および演算増幅器OPA57の正入力端子に接続される。抵抗素子R52の一端は抵抗素子R51の他端、抵抗素子R53、容量素子C54、および演算増幅器OPA57の正入力端子に接続され、他端は接地される。抵抗素子R53の一端には“3.3V”の電源電圧VCCが供給され、他端は抵抗素子R51の他端、抵抗素子R52の一端、容量素子C54、および演算増幅器OPA57の正入力端子に接続される。抵抗素子R51の抵抗値は抵抗素子R14の抵抗値と同じであり、抵抗素子R52の抵抗値は抵抗素子R16の抵抗値と同じであり、抵抗素子R53の抵抗値は抵抗素子R15の抵抗値と同じである。容量素子C54の一端は抵抗素子R51の他端、抵抗素子R52の一端、抵抗素子R53の他端、および演算増幅器OPA57の正入力端子に接続され、他端は接地される。抵抗素子R55の一端には“3.3V”の電源電圧VCCが供給され、他端は抵抗素子R56および演算増幅器OPA57の負入力端子に接続される。抵抗素子R56の一端は抵抗素子R55の他端および演算増幅器OPA57の負入力端子に接続され、他端は接地される。演算増幅器OPA57は、“24V”の電源電圧VDDおよび接地電圧に基づいて動作する。演算増幅器OPA57の正入力端子は抵抗素子R51の他端、抵抗素子R52の一端、抵抗素子R53の他端、および容量素子C54の一端に接続され、負入力端子は抵抗素子R55の他端および抵抗素子R56の一端に接続され、出力端子は抵抗素子R58に接続される。抵抗素子R58の一端は演算増幅器OPA57の出力端子に接続され、他端は抵抗素子R45の一端、容量素子C35の一端、およびMOSトランジスタM36のゲートに接続される。
この構成により、高圧電源70は、ノードN1における電圧の絶対値が所定の電圧(この例では“20V”)より小さい場合に、負荷電流に過電流が生じたと判断し、昇圧部73の動作を制御するようになっている。
負荷電流に過電流が生じていない場合における高圧電源70の動作は、上記第1の実施の形態に係る高圧電源50の動作と同様である。
過電流が生じた場合には、トランスT27により生成される電力が不足するので、高圧電源70は、出力端子TOUTにおける電圧(現像電圧VDB)を維持できない。よって、現像電圧VDBの絶対値は低下する。これにより、抵抗素子R51~R53により分圧され、演算増幅器OPA57の正入力端子に入力される電圧Vpは、“3.3V”に近づく。一方、演算増幅器OPA57の負入力端子には、抵抗素子R55,R56により分割された電圧が入力される。この電圧は、この例では、ノードN1における電圧の絶対値が低下し、この電圧が“-20V”になった場合に演算増幅器OPA57の正入力端子に入力される電圧よりも低い電圧に設定される。よって、現像電圧VDBの絶対値が“20V”より低下すると、演算増幅器OPA57の正入力端子における電圧Vpが、負入力端子における電圧を上回り、演算増幅器OPA57は、出力電圧を“0V”から上昇させる。この演算増幅器OPA57の出力電圧は、抵抗素子R58,R34により分圧されてMOSトランジスタM36のゲートに供給される。MOSトランジスタM36のゲート電圧が上昇し、このゲート電圧がMOSトランジスタM36のしきい値電圧を超えると、MOSトランジスタM36がオン状態になり、ツェナーダイオードD37がオン状態になる。これにより、ツェナーダイオードD37のカソード電圧VcがツェナーダイオードD37のツェナー電圧と同じ電圧になる。その結果、演算増幅器OPA18の出力端子から、抵抗素子R21、抵抗素子R22、抵抗素子R24、トランスT27の一次巻線271を介してバイポーラトランジスタB26に流れるベース電流が減少する。その結果、第1の実施の形態の場合と同様に、これに応じて、バイポーラトランジスタB26に流れるコレクタ電流もまた減少するので、トランスT27により生成される電力(L×i2/2)が減少し、出力端子TOUTにおける電圧(現像電圧VDB)の絶対値が低下する。このようにして、上記第1の実施の形態の場合と同様に、昇圧部73の動作が制限されることにより、負荷電流が減少し、過電流が解消される。
図12は、負荷電流に過電流が生じた場合における、高圧電源70のシミュレーション結果の一例を表すものであり、(A)は演算増幅器OPA18の負入力端子における電圧VREFの波形を示し、(B)はMOSトランジスタM36のゲート電圧Vgの波形を示し、(C)は演算増幅器OPA18が出力する電圧Voutの波形を示し、(D)はツェナーダイオードD37のカソード電圧Vcの波形を示し、(E)は演算増幅器OPA57の正入力端子における電圧Vpの波形を示し、(F)は高圧電源50が生成する現像電圧VDBの波形を示し、(G)は負荷回路60の端子T2の電圧VT2の波形を示す。この例では、高圧電源70の出力端子TOUTは、負荷回路60(図6)の端子T1に接続される。
タイミングt21において、PWM信号生成部51は、電圧設定信号Sのデューティ比を、“100%”から、“100%”より低いある所定の値に変更する。これにより、電圧VREFは低下し始める(図12(A))。そして、この電圧VREFが、電圧VFBを下回ると、演算増幅器OPA18は電圧Voutを“0V”から上昇させる(図12(C))。演算増幅器OPA18における電流の帰還路により、電圧VREFの低下はやや抑制される。このような電圧Voutの変化に応じて、ツェナーダイオードD37のカソード電圧Vcは上昇する(図12(D))。このようにして、抵抗素子R21、抵抗素子R22、抵抗素子R24、トランスT27の一次巻線271を介して、バイポーラトランジスタB26にベース電流が流れる。これにより、昇圧部73が動作を行い、出力端子TOUTにおける電圧(現像電圧VDB)の絶対値が大きくなり、現像電圧VDBは低下する(図12(F))。これに応じて、負荷回路60(図6)の端子T2における電圧VT2もまた低下する(図12(G))。
この時点では、現像電圧VDBの絶対値はまだ小さいので、演算増幅器OPA57の正入力端子における電圧Vpは、“3.3V”に近い電圧を維持する(図12(E))。よって、演算増幅器OPA57は、出力電圧を高い電圧に維持するので、MOSトランジスタM36のゲート電圧Vgもまた、MOSトランジスタM36のしきい値電圧より高い電圧を維持する(図12(B))。よって、MOSトランジスタM36はオン状態である。カソード電圧Vcは、まだ十分に上昇しておらず、ツェナーダイオードD37のツェナー電圧に到達していないため、ツェナーダイオードD37はオフ状態を維持する。よって、カソード電圧Vcは上昇し続ける(図12(D))。
そして、タイミングt22において、カソード電圧VcがツェナーダイオードD37のツェナー電圧に到達する(図12(D))。これにより、ツェナーダイオードD37はオン状態になる。これにより、カソード電圧Vcは、ツェナーダイオードD37のツェナー電圧と同じ電圧になる。その結果、演算増幅器OPA18の出力端子から、抵抗素子R21、抵抗素子R22、抵抗素子R24、トランスT27の一次巻線271を介してバイポーラトランジスタB26に流れるベース電流の電流値は、低い値を維持する。このようにして、昇圧部73の動作が制限され、出力端子TOUTにおける電圧(現像電圧VDB)の絶対値は、低い値に維持される(図12(F))。これに応じて、負荷回路60(図6)の端子T2における電圧も低い電圧に維持される(図12(G))。
なお、このシミュレーションでは、高圧電源70の出力端子TOUTに負荷回路60を接続したが、通常のIDユニット20を接続した場合は、負荷電流に過電流が生じない。高圧電源70の出力端子TOUTにおける電圧(現像電圧VDB)が“0V”から徐々に低下していく際、過渡的に、ツェナーダイオードD37はオン状態になってしまう。しかしながら、過電流が生じないので、現像電圧VDBは“-20V”に到達することができる。これにより、演算増幅器OPA57の正入力端子における電圧Vpは、負入力端子における電圧よりも低くなり、MOSトランジスタM36のゲート電圧Vgが、MOSトランジスタM36のしきい値電圧よりも低くなり、MOSトランジスタM36がオフ状態になり、ツェナーダイオードD37がオフ状態になる。その結果、現像電圧VDBは、所望の電圧に到達することができる。
このように、高圧電源70では、上記第1の実施の形態に係る高圧電源50と同様に、負荷電流に過電流が生じた場合に、現像電圧VDBにリップルは生じず、現像電圧VDBは直流電圧を維持する。よって、部品ばらつきや環境条件により、トランスT27により生成される電力が大きくなった場合でも、例えば、負荷回路60(図6)の端子T2における電圧におけるリップルを、この電圧の平均値の10%以下にすることができ、“1V”以下にすることができる。これにより、高圧電源70では、過電流が生じた場合に、リップルを生じさせることなく、負荷電流を効果的に制限することができる。
また、高圧電源70では、電力供給経路100に流れる電流に過電流が生じたことにより、電力供給経路100における電圧の絶対値が所定の電圧より小さい場合に、制御信号を調整するようにしたので、負荷電流を効果的に制限することができる。
本実施の形態では、電力供給経路に流れる電流に過電流が生じたことにより、電力供給経路における電圧の絶対値が所定の電圧より小さい場合に、制御信号を調整するようにしたので、負荷電流を効果的に制限することができる。その他の効果は、上記第1の実施の形態の場合と同様である。
[変形例2]
上記実施の形態に係る高圧電源70に、上記第1の実施の形態の各変形例を適用してもよい。
上記実施の形態に係る高圧電源70に、上記第1の実施の形態の各変形例を適用してもよい。
以上、いくつかの実施の形態および変形例を挙げて本技術を説明したが、本技術はこれらの実施の形態等には限定されず、種々の変形が可能である。
例えば、上記の実施の形態等では、電子写真方式により、記録媒体9に画像を形成したが、これに限定されるものではなく、どのような方式で画像を形成してもよい。また、上記の実施の形態等では、記録媒体9にモノクロ画像を形成したが、これに限定されるものではなく、カラー画像を形成してもよい。
例えば、上記の実施の形態等では、本技術を単機能のプリンタに適用したが、これに限定されるものではなく、これに代えて、例えば、コピー機能、ファックス機能、スキャン機能、プリント機能などを有する、いわゆる多機能周辺装置(MFP;Multi Function Peripheral)に適用してもよい。
例えば、上記の各実施の形態等における帯電電圧VCH、現像電圧VDB、供給電圧VSB、および転写電圧VTRの電圧および電圧の極性は、一例であり、適宜変更してもよい。
1…画像形成装置、8…媒体収容部、11…媒体供給ローラ、12,13…搬送ローラ、14…レジストローラ、15…媒体センサ、16…転写ローラ、17…搬送ローラ、18…排出ローラ、19…スタッカ、20…IDユニット、21…感光ドラム、22…帯電ローラ、23…現像ローラ、24…現像ブレード、25…供給ローラ、29…LEDヘッド、30…定着部、31…ヒートローラ、32…ヒータ、33…加圧ローラ、34…温度センサ、41…通信部、42…操作パネル、43…記憶部、44…モータ制御部、45…電圧制御部、46…露光制御部、47…定着制御部、50,50A,70…高圧電源、51…PWM信号生成部、51A…MOSトランジスタ、52…電圧制御部、53,73…昇圧部、54,54A,74…電流制限部、100…電力供給経路、271,272…一次巻線、273…二次巻線、R11,R12,R14~R16,R20~R22,R24,R31,R32,R34,R51~R53,R55,R56,R58…抵抗素子、B26…バイポーラトランジスタ、C13,C17,C19,C23,C28,C30,C35,C54…容量素子、D29,D46…ダイオード、D33,D37…ツェナーダイオード、M36…MOSトランジスタ、N1,N2…ノード、OPA18,OPA57…演算増幅器、S…電圧設定信号、T27…トランス、VCC,VDD,VDD2…電源電圧、Vc…カソード電圧、VCH…帯電電圧、VDB…現像電圧、VFB,VN2,Vout,VREF,VT2…電圧、VSB…供給電圧、VTR…転写電圧。
Claims (8)
- 電圧設定信号に応じた第1の電圧と、出力端子に導かれた電力供給経路における電圧に応じた第2の電圧とを比較することにより、制御信号を生成する制御部と、
前記制御信号に基づいて、電源電圧を昇圧することにより昇圧電圧を生成し、前記昇圧電圧を前記電力供給経路に供給する昇圧部と、
前記電力供給経路に流れる電流に過電流が生じた場合に、前記昇圧部の動作を制限することにより前記電流を制限するように、前記制御信号を調整する電流制限部と
を備えた電源装置。 - 前記電流制限部は、前記電力供給経路に流れる前記電流に前記過電流が生じたことにより、前記電流が所定の電流より大きい場合に、前記制御信号を調整する
請求項1に記載の電源装置。 - 前記電流制限部は、前記電力供給経路に流れる前記電流に前記過電流が生じたことにより、前記電力供給経路における電圧の絶対値が所定の電圧より小さい場合に、前記制御信号を調整する
請求項1に記載の電源装置。 - 前記電流制限部は、前記制御信号を伝える経路に接続された定電圧素子を有し、前記定電圧素子をオン状態にさせることにより前記制御信号を調整する
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の電源装置。 - 前記定電圧素子は、ツェナーダイオードを含む
請求項4に記載の電源装置。 - 前記定電圧素子は、複数のダイオードを含む
請求項4に記載の電源装置。 - 前記制御部は、前記電力供給経路における電圧が前記電圧設定信号に応じた電圧になるように、前記制御信号を生成する
請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の電源装置。 - 記録媒体に画像を形成する画像形成部と、
前記画像形成部に電力を供給する電源部と
を備え、
前記電源部は、
電圧設定信号に応じた第1の電圧と、前記画像形成部に導かれた電力供給経路における電圧に応じた第2の電圧とを比較することにより、制御信号を生成する制御部と、
前記制御信号に基づいて、電源電圧を昇圧することにより昇圧電圧を生成し、前記昇圧電圧を前記電力供給経路に供給する昇圧部と、
前記電力供給経路に流れる電流に過電流が生じた場合に、前記昇圧部の動作を制限することにより前記電流を制限するように、前記制御信号を調整する電流制限部と
を有する画像形成装置。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2020143287A JP2022038672A (ja) | 2020-08-27 | 2020-08-27 | 電源装置および画像形成装置 |
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