JP2022037796A - スキンケア用シート - Google Patents

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Abstract

【課題】凹部及び凸部を有するスキンケア用シートにおいて、肌面上の異物の拭き取り性能を向上させる。【解決手段】スキンケア用シート(1)は、表面に配置された不織布層(10)を有し、平面視にて互いに直交する第1方向(DA)及び第2方向(DB)を有する。不織布層(10)には、凸部(11)と、凸部よりも裏面側に凹む凹部(12)と、が形成されている。凹部(12)は、平面視にて第1方向(DA)に延びる波形状の列部(13)を有する。列部は、第2方向(DB)に間隔を空けて複数配置されている。【選択図】図2

Description

本発明は、肌に当てて使用するスキンケア用シートに関する。
特許文献1には、肌に当てて使用するスキンケアシートが開示されている。特許文献1のスキンケア用シートは、エンボス加工等の処理を行い、シート自体の形態を保持しやすく構成されている。エンボス加工等の処理が施されたシートには、凸部及び凹部が形成され、凸部及び凹部が形成されていないフラットなシートと比較して、肌の表面の異物の移動態様が異なる。より詳細には、フラットなシートを肌に当てつつ移動すると、シートによって拭き取った異物(汚れや粉じん)がシート上にそのまま残り、シートによって異物を拭き取ることができないおそれがあった。しかし、凸部及び凹部が形成されたシートにあっては、凸部に当たった異物を凹部側に導くことで異物を拭き取り易い。
特開2006-288604号公報
しかし、凹部及び凸部の配置態様によっては、異物を十分に拭き取ることができなかったり、一旦凹部に導かれた異物が再度肌側に移動したりするおそれがあった。例えば、シートの全体に亘って凸部と凹部が間隔をあけて複数形成されている形態にあっては、当該シートを肌に当てつつ移動した際に、凸部に当たった肌の表面の異物を一旦凹部に導くことができる。しかし、凹部の収容空間を十分に確保できない構造や、凹部から凸部に異物が移動しやすい構造にあっては、一旦凹部に導かれた異物が再度肌側に移動するおそれがあった。すなわち、凹部及び凸部の形状については、改善の余地があった。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、凹部及び凸部を有するスキンケア用シートにおいて、肌面上の異物の拭き取り性能を向上させることを目的とする。
一態様に係るスキンケア用シートは、表面に配置された不織布層を有し、平面視にて互いに直交する第1方向及び第2方向を有する。前記不織布層には、凸部と、前記凸部よりも裏面側に凹む凹部と、が形成されている。前記凹部は、平面視にて前記第1方向に延びる波形状の列部を有する。前記列部は、前記第2方向に間隔を空けて複数配置されている。
図1は、実施形態に係るスキンケア用シートの表面側から見た平面図である。 図2は、図1に示すスキンケア用シートの部分拡大図である。 図3は、図2に示すX部分の拡大図である。 図4は、図3に示すA-A線に沿った模式断面図である。
(1)実施形態の概要
本明細書及び添付図面の記載により、少なくとも以下の事項が明らかとなる。
一態様に係るスキンケア用シートは、表面に配置された不織布層を有し、平面視にて互いに直交する第1方向及び第2方向を有する。前記不織布層には、凸部と、前記凸部よりも裏面側に凹む凹部と、が形成されている。前記凹部は、平面視にて前記第1方向に延びる波形状の列部を有する。前記列部は、前記第2方向に間隔を空けて複数配置されている。スキンケア用シートを肌に当てつつ移動した際に、凸部に当たった肌の表面の異物(汚れや粉じん)を凹部に導くことができる。このとき、凹部が波形状に延びるため、点状等の間欠的に配置された凹部と比較して、凹部内で異物を拡散でき、凹部へ異物を引き込み続け易いとともに、異物が凸部側へ再度移動することを抑制できる。また、凹部が直線状に配置された形態にあっては、当該凹部に沿ってシートを移動させると、凹部及び凸部に沿って異物が移動し、凸部側から凹部側へ異物を引き込みにくい。しかし、凹部が波形状に配置されているため、例えば、第1方向に沿ってシートを移動しても第2方向に沿ってシートを移動しても、凸部と凹部が交互に接触し、凸部側から凹部側へ異物を引き込むことができる。加えて、凹部及び凸部を有するシートにあっては、凹部と凸部において繊維の坪量又は密度が異なることで凹部の剛性と凸部の剛性が異なることがある。凹部の剛性と凸部の剛性が異なる形態においても、点状又は直線状の凹部を有するシートと比較して力を分散でき、力の差に起因する折れ基点が形成され難くなり、シートのよれを抑制できる。
好ましい一態様によれば、前記凸部は、前記波形状の前記列部によって挟まれた領域によって構成されている。凸部は、点状の領域でなく、波形状の列部によって挟まれた面の領域である。本態様によれば、凹部及び凸部が形成されていないシートと比較して、接地面積を低減する事で、肌への接触圧を低減し、肌触りを向上できる。また、点状の凸部が形成されているシートにおいては、凸部の面積が極端に小さくなる事で、肌への接触圧が大きくなる懸念がある。しかし、点状の凸部が形成されたシートと比較して、接地面積を低減することで、肌への接触圧を低減し、肌触りを向上できる。
好ましい一態様によれば、前記列部は、前記第1方向に連続している。本態様によれば、列部が第1方向に連続していることにより、第2方向に沿って拭き取った際に、異物が必ず凹部に当たることになり、凹部内に異物を引き込み、異物を凸部に残した状態で拭き取ることによって凸部上で異物を伸ばす不具合を抑制できる。
好ましい一態様によれば、前記列部の前記波形状は、前記第1方向の一方側に延びつつ前記第2方向の一方側に延びる第1部分と、前記第1方向の一方側に延びつつ前記第2方向の他方側に延びる第2部分と、前記第1部分と前記第2部分をつなぐ第3部分と、によって構成されている。前記第3部分は、曲線状である。本態様によれば、第1部分と第2部分が第2方向において互いに異なる方向に延びるため、凹部内に引き込まれた異物を種々の方向に導くことができる。また、第1部分と第2部分が互いに第2方向の反対方向に延びるため、凹部にかかった力を分散でき、局所的な力の集中を抑制できる。加えて、第1部分と第2部分をつなぐ第3部分が曲線状であるため、直線同士が交差する角部が形成されず、第3部分における異物の滞留を抑制できる。
好ましい一態様によれば、前記列部は、第1列部と、前記第2方向において前記第1列部と隣り合う第2列部と、を有する。前記第1列部の前記波形状の位相と、前記第2列部の前記波形状の位相と、は、ずれている。第1列部の前記波形状の位相と、前記第2列部の前記波形状の位相と、が一致し、第1列部と第2列部が平行に配置された形態にあっては、第1列部と第2列部によって挟まれた領域の第2方向の長さは、均一となる。しかし、前記第1列部の前記波形状の位相と、前記第2列部の前記波形状の位相と、が異なる形態にあっては、第1列部と第2列部によって挟まれた領域の第2方向の長さは、不均一となる。波形状に沿った方向で拭き取った際に、列部間が狭い領域と列部間が広い領域があるため汚れを伸ばさずに凹部内に導きやすくなる。
好ましい一態様によれば、前記第1列部と前記第2列部の前記第2方向における前記間隔は、前記第1列部の前記第3部分と前記第2列部の前記第3部分が対向した部分において最も短い。本態様によれば、第1列部と前記第2列部の前記第2方向における間隔が変化するため、凸部上の異物を凹部内に引き込みつつ凸部間の領域が狭い部分に徐々に導き、最終的には、最も間隔が狭い領域(第3部分が対向した部分)に導いて、当該領域に隣接する凹部内に異物を引き込むことができる。
好ましい一態様によれば、前記第1列部と前記第2列部の前記第2方向における前記最も短い間隔は、前記凹部の幅以上であり、各列部の前記第2方向の長さに対する1/2以下である。最も短い部分の間隔が凹部の幅よりも短いと、当該間隔を挟んで配置された凹部によって間隔を構成する凸部が倒れやすく、凸部の形状を維持し難いことがある。しかし、最も短い部分の間隔が凹部の幅以上であるため、凸部の形状を維持しやすい。また、最も短い部分の間隔が列部の前記第2方向の長さに対する1/2以下であるため、各列部の間の領域が空きすぎることを抑制し、異物を集めて凹部に導く効果を得やすい。
好ましい一態様によれば、前記第3部分を挟んで配置された前記第1部分と前記第2部分とがなす角度は、鈍角である。本態様によれば、第1部分と第2部分がなす角度が鋭角の構成と比較して、凹部において、第2方向に延びる長さよりも第1方向に延びる長さを長くできる。列部が延びる方向に異物を導きやすく、凹部における異物の拡散を促進し、凹部内に異物を引き込み続けることができる。
好ましい一態様によれば、前記凸部の繊維の坪量は、前記凹部の繊維の坪量よりも高くてよい。凸部は、凹部よりも突出しており、肌及び異物に当たりやすい。当該凸部の坪量を高くすることにより、拭く際の手の押し当てる圧力が弱まり、ダイレクトに肌に伝わり難く、肌触りを向上できる。
好ましい一態様によれば、前記凸部には、前記凹部の深さよりも浅い微細凹部が形成されている。本態様によれば、当該微細凹部によって、微細な異物を引き込むことができる。また、微細凹部によって拭き取り時のシートの表面積を大きくでき、より拭き取り性を向上できる。
(2)スキンケア用シートの全体概略構成
以下、図面を参照して、実施形態に係るスキンケア用シートについて説明する。なお、以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には、同一又は類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、各寸法の比率等は現実のものとは異なることに留意すべきである。したがって、具体的な寸法等は、以下の説明を参酌して判断すべきである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれ得る。
図1は、実施形態に係るスキンケア用シート1の表面側から平面図である。図2は、図1に示すスキンケア用シート1の部分拡大図である。図3は、図2に示すスキンケア用シート1のX部分の拡大図である。図4は、図3に示すA-A線に沿った模式断面図である。スキンケア用シート1は、使用者の肌に当てて使用するシートであり、顔用のシートであってもよいし、身体用のシートであってもよい。また、スキンケア用シート1は、乾式のシートであってもよいし、湿式のシートであってもよい。本実施の形態の湿式のシートであって、乳幼児の排泄口近傍を拭き取るおしりふきシートである。スキンケア用シート1は、平面方向に延び、互いに直交する第1方向DAと第2方向DBを有する。第1方向DAは、後述する列部が延びる方向であってよい。長方形状のスキンケア用シート1にあっては、第1方向DA及び第2方向DBの一方が長手方向であって、第1方向DA及び第2方向DBの他方が短手方向であってよい。また、正方形状のスキンケア用シート1にあっては、第1方向DAの長さと第2方向DBの長さが同じであってよい。第1方向DAは、一方側DA1と、一方側DA1と反対側に向く他方側DA2と、に延びる。第2方向DBは、一方側DB1と、一方側DB1と反対側に向く他方側DB2と、に延びる。
スキンケア用シート1は、不織布層10を有する。スキンケア用シート1は、1層の不織布層10のみによって構成されていてもよいし、複数層の不織布層10を有していてもよいし、不織布層10と他のシートの積層シートであってもよい。本実施の形態のスキンケア用シート1は、1層の不織布層10によって構成されている。不織布層10は、合成繊維(ポリエチレンテレフタレートレーヨン)及び天然繊維(レーヨン)を有してよい。
(3)凸部及び凹部の詳細構成
本実施の形態にスキンケア用シート1の不織布層10は、凹部12及び凸部11を有し、肌面上の異物の拭き取り性能を向上させるように構成されている。次いで、凹部12及び凸部11の構成について詳細に説明する。少なくとも1層の不織布層10には、凸部11と凹部12が形成されている。凸部11及び凹部12は、スキンケア用シート1の外面(表面又は裏面)に配置されている。凸部11は、不織布層10の最も厚い部分を有する。本実施の形態の凸部11は、面状に配置されている。凸部11の領域は、凹部12が加工された部分以外の領域であってよい。凸部11の領域は、凹部12の領域よりも広い。凸部11は、不織布層10の最も薄い部分を有する。
凹部12は、平面視にて第1方向DAに延びる波形状の列部13を有する。列部13は、少なくとも第1方向DAに延びていればよく、第1方向DAに対して傾斜しつつ(第2方向DBにも延びつつ)第1方向DAに延びてよい。列部13は、第2方向DBに間隔を空けて配置されてよい。なお、凹部12は、列部13のみによって構成されていてもよいし、列部13以外の部分を有してもよい。例えば、凸部11には、凹部12よりも浅い微細凹部(後述にて説明)14が形成されていてもよい。なお、本実施の形態において、第1方向DAに延びる構成は、第1方向DAと平行な構成のみならず、第1方向DAに対する角度が45度以下の構成を含む。また、第2方向DBに延びる構成は、第2方向DBに平行な構成のみならず、第2方向DBに延びる構成が45度未満の構成を含む。
このように構成されたスキンケア用シート1によれば、スキンケア用シート1の表面及び裏面の少なくとも一方に凸部11及び凹部12が設けられているため、使用者の肌に凸部11及び凹部12が接触する。スキンケア用シート1を肌に当てつつ移動した際に、凸部11に当たった肌の表面の異物(汚れや粉じん)を凹部12に導くことができる。このとき、凹部12が波形状に延びるため、点状等の間欠的に配置された凹部12と比較して、凹部12内で異物を拡散でき、凹部12へ異物を引き込み続け易いとともに、異物が凸部11側へ再度移動することを抑制できる。また、凹部12が直線状に配置された形態にあっては、当該凹部12が延びる方向と平行にシート1を移動させると、凹部12及び凸部11に沿って異物が移動し、凸部11側から凹部12側へ異物を引き込みにくい。しかし、凹部12が波形状に配置されているため、例えば、第1方向DAに沿ってシート1を移動しても第2方向DBに沿ってシート1を移動しても、凸部11と凹部12が交互に接触し、凸部11側から凹部12側へ異物を引き込むことができる。加えて、凹部12及び凸部11を有するシート1にあっては、凹部12と凸部11において繊維の坪量又は密度が異なることで凹部12の剛性と凸部11の剛性が異なることがある。凹部12の剛性と凸部11の剛性が異なる形態においても、点状又は直線状の凹部12を有するシートと比較して力を分散でき、力の差に起因する折れ基点が形成され難くなり、シートのよれを抑制できる。
ここで、列部13が第2方向DBに間隔を空けて配置された形態は、隣り合う列部13の少なくとも一部が離間してればよく、隣り合う列部13が部分的に連なっていてもよい。好適には、隣り合う列部13の全域にわたって互いに離間してよい。例えば、列部13が連なる箇所が形成されると、当該連なる箇所に力が集中するおそれがある。しかし、列部13の全域にわたって離間していることにより、列部13間の領域が干渉領域として機能し、列部13に沿って伝播する力を分散でき、力の局所的な集中によるシートのよれを抑制できる。
凸部11は、波形状の列部13によって挟まれた領域によって構成されてよい。すなわち、凸部11は、列部13以外の領域によって構成されてもよい。当該形態における凸部11は、点状の領域でなく、かつ波形状の列部13によって挟まれた面の領域である。凸部11は、第1方向DAに連続して設けられてよい。本態様によれば、凹部及び凸部が形成されていないシートと比較して、接地面積を低減する事で、肌への接触圧を低減し、肌触りを向上できる。また、点状の凸部が形成されているシートにおいては、凸部の面積が極端に小さくなる事で、肌への接触圧が大きくなる懸念がある。しかし、点状の凸部が形成されたシートと比較して、接地面積を低減することで、肌への接触圧を低減し、肌触りを向上できる。
列部13は、第1方向DAに連続する部分を有していればよく、不織布層10の第1方向DAの両端縁間において連続してもよいし、部分的に不連続の部分を有してもよい。なお、列部13の不連続な部分の長さは、列部の幅以下であってよい。当該構成によれば、不連続な部分を有しつつ、実施的に連続した列部として機能しやすい。また、好適には、列部13は、第1方向DAに連続してよい。列部13が第1方向DAに連続していることにより、第2方向DBに沿って拭き取った際に、異物が必ず凹部12に当たることになり、凹部12内に異物を引き込み、異物を凸部11に残した状態で拭き取ることによって凸部11上で異物を伸ばしてしまう不具合を抑制できる。
図3に示すように、列部13の波形状は、第1方向DAの一方側DA1に延びつつ第2方向DBの一方側DB1に延びる第1部分31と、第1方向DAの一方側DA1に延びつつ第2方向DBの他方側DB2に延びる第2部分32と、第1部分31と第2部分32をつなぐ第3部分33と、によって構成されてよい。列部13は、第1方向DAにおいて、第1部分31、第3部分33及び第2部分32の順に並んでいる。より詳細には、第3部分33は、第2方向DBの一方側(正面視にて左側)に膨らむ第3左部分331と、第2方向DBの他方側(正面視にて右側)に膨らむ第3右部分332と、を有する。第3左部分331と第3右部分332は、同じ列部13内において交互に配置されており、列部13は、第2方向DBの一方側DB1に膨らむ部分と、第2方向DBの他方側DB2に膨らむ部分と、が交互に並んだ波形状を形成する。図2に示すように、第1方向DAの一方側DA1から他方側DA2に向かって、第1部分31、第3左部分331、第2部分32、及び第3右部分332の順で並んでおり、第1方向DAにおいて繰り返して配置されている。これにより、規則的な波形状を形成している。第1部分31の第2方向DBの長さは、第2部分32の第2方向DBの長さと同じであってもよい。また、第1部分31の第1方向DAの長さは、第2部分32の第1方向DAの長さと同じであってよい。
第1部分31と第2部分32が第2方向DBの反対方向に延びるため、凹部12内に引き込まれた異物を種々の方向に導くことができる。また、第1部分31と第2部分32が第2方向DBの反対方向に延びるため、凹部12にかかった力を分散でき、局所的な力の集中を抑制できる。第3部分33は、角部を有する直線状であってもよい。好適には、第3部分33は、曲線状であってよい。第1部分31と第2部分32をつなぐ第3部分33が曲線状であることにより、直線同士が交差する角部が形成されず、第3部分33における異物の滞留を抑制できる。
列部13は、第1列部21と、第2方向DBにおいて第1列部21と隣り合う第2列部22と、を有してよい。また、列部13は、更に、第2方向DBにおいて第1列部21と隣り合う第3列部23を有してよい。第3列部23は、第1列部21を基準として、第2列部22の反対側に配置されている。すなわち、第1列部21は、第2列部22と第3列部23と、の間に配置されている。第1列部21の波形状の位相と第2列部22の波形状の位相がずれ、第1列部21の波形状の位相と第3列部23の波形状の位相がずれてよい。第2列部22の波形状の位相と、第3列部23の波形状の位相と、は一致してよい。ここで、波形状の位相がずれる形態は、例えば、第1列部21の第2方向DBの一方側DB1に膨らんだ部分(第3右部分332)と、第2列部22の第2方向DBの一方側DB1に膨らんだ部分(第3右部分332)と、が隣り合ってなく、第1方向にずれている状態である。より好適な形態にあっては、第1列部21の第3右部分332と、第2列部22の第3左部分331と、が第2方向の延長線上に配置されている、すなわち、第1列部21と第2列部22は、第1列部21と第2列部22の間において第1方向に延びる直線を中心とした線対称の状態である。第1列部21の波形状の位相と、第2列部22の波形状の位相と、が一致している形態にあっては、第1列部21と第2列部22によって挟まれた領域の第2方向DBの長さは、均一となる。しかし、第1列部21の波形状の位相と、第2列部22の波形状の位相と、が異なる形態にあっては、第1列部21と第2列部22によって挟まれた領域の第2方向DBの長さは、不均一となる。波形状に沿った方向で拭き取った際に、列部間が狭い領域があるため汚れを伸ばさずに凹部内に導きやすくなる。
また、第1列部21の第1部分31と、第2列部22の第2部分32と、が隣り合っていてよい。換言すると、第1列部21の第1部分31の第2方向DBの延長線上に、第2列部22の第2部分32が配置されてよい。また、第1列部の第3左部分331と、第2列部22の第3右部分332と、が隣り合い、第1列部21の第3右部分332と、第2列部22の第3左部分331と、が隣り合ってよい。第1部分31の第1方向DAの長さは、第1部分31の第2方向DBの長さよりも長く、第2部分32の第1方向DAの長さは、第2部分DBの第2方向DBの長さよりも長くてよい。当該構成によれば、第1列部21と第2列部22によって挟まれた領域が、ひし形となる。第1列部21と第2列部22の第2方向DBにおける間隔は、第1列部の第3部分と第2列部の第3部分が対向した部分において最も短くてよい。より詳細には、図3に示すように、第1列部21の第3右部分332と第2列部22の第3左部分331が対向した部分において、間隔G11が最も短く、第1列部21の第3左部分331と第2列部22の第3右部分332が対向した部分において、間隔G12が最も長い。第1列部21と第2列部22の第2方向DBにおける間隔が変化するため、凸部11上の異物を凹部12内に引き込みつつ凸部11間の領域が狭い部分に徐々に導き、最終的には、最も間隔が狭い領域に導いて、当該領域に隣接する凹部12内に異物を引き込むことができる。
第1列部21と第2列部22の第2方向DBにおける最も短い間隔G11は、凹部12の幅W12以上であり、各列部13の第2方向DBの長さL132(図3参照)に対する1/2以下であってよい。最も短い部分の間隔G11が凹部12の幅W12よりも短いと、間隔G11を挟んで配置された凹部12によって当該間隔G11を構成する凸部11が倒れやすく、凸部11の形状を維持し難いことがある。しかし、最も短い部分の間隔G11が凹部12の幅W12以上であるため、凸部11の形状を維持しやすい。また、最も短い部分の間隔G11が列部13の第2方向DBの長さL132に対する1/2以下であるため、各列部13の間の領域が空きすぎることを抑制し、異物を集めて凹部12に導く効果を得やすい。列部13の第2方向DBの長さL132は、各列部13の第2方向DBの両端縁(第3左部分の左端縁と、第3右部分の右端縁と、の距離)である。また、第1列部21と第2列部22の第2方向DBにおける最も長い間隔G12は、20mm以下であってよい。凸部11の第2方向DBの間隔が20mm以下であるため、凸部11に異物が当たりやすく、拭き取り性を向上できる。また、ひし形の一辺の第1方向DAの長さ(例えば、第1方向DAにおける第3部分間のピッチ)は、20mm以下であってよい。当該構成によっても、凸部11に異物が当たりやすく、拭き取り性を向上できる。
図3に示すように、第3部分33を挟んで配置された第1部分31と第2部分32とがなす角度θは、鈍角であってよい。第1部分31と第2部分32がなす角度θが鋭角の構成と比較して、凹部12において、第2方向DBに延びる長さよりも第1方向DAに延びる長さを長くできる。列部13が延びる方向に異物を導きやすく、凹部12における異物の拡散を促進し、凹部12内に異物を引き込み続けることができる。
本実施の形態の凹部12は、不織布を加工するロール状部材の表面に設けられた凸部11によって形成されている。凹部12の形成時に凹部12に対応する部分の繊維が周囲に移動することによって、凸部11における繊維の坪量は、凹部12における繊維の坪量よりも低くてよい。凸部は、凹部よりも突出しており、肌及び異物に当たりやすい。当該凸部の坪量を高くすることにより、拭く際の手の押し当てる圧力が弱まり、ダイレクトに肌に伝わり難く、肌触りを向上できる。凸部11における繊維の密度は、凹部12における繊維の密度と略同じであってよい。凸部11と凹部12において密度差がほぼないことにより、密度勾配による体液の移行を抑制し、シート全体にわたって体液を拡散でき、拭き取り性を向上できる。または、凹部12がエンボス加工によって形成され、凹部12の形成時に凹部12に対応する部分が圧縮され、凹部12における繊維の坪量は、凸部における繊維の坪量と略同じであり、凹部12における繊維の密度は、凸部における繊維の密度よりも高くてもよい。図4に示すように、凸部11及び凹部12は、不織布層10の表面(スキンケア用シート1の外側に位置する面)のみに設けられ、不織布層10の裏面に設けられていなくてよい。
不織布層10の繊維の配向方向は、第2方向DBに沿ってよい。繊維によって隣り合う列部13間を渡すように異物を導くことができ、列部13どうしの間に異物が残ることを抑制できる。また、使用者によっては、スキンケア用シート1を平面に展開した状態でなく、折り畳んで使用することがある。このとき、シートを拭く方向を不織布の繊維配向に対して平行にすることで、拭きやすく、かつ列部の凹部に異物が誘導されやすくなる。
スキンケア用シート1は、一般的に、使用前に、折り畳まれた状態で複数積層され、かつパッケージ内に収容されている。このときのシートの折り目は、第2方向DBに延びてもよい。当該構成によれば、折り癖によって隣り合う列部13間を渡すように異物を導くことができ、列部13どうしの間に異物が残ることを抑制できる。また、他の形態において、列部13が延びる第1方向DAに沿ってよい。当該構成によれば、排泄物などの異物を折り癖によって第1方向DAに沿って導きやすくなる。
凸部11には、凹部12の深さよりも浅い微細凹部14が形成されてよい。微細凹部の深さF14は、凹部12の深さF12よりも浅い。微細凹部14は、点状であって、第1方向DA及び第2方向DBにおいて間隔を空けて配置されてよい。当該微細凹部14によって、微細な異物を引き込むことができる。また、微細凹部14によって拭き取り時のシート1の表面積を大きくでき、より拭き取り性を向上できる。
以上、上述の実施形態を用いて本発明について詳細に説明したが、当業者にとっては、本発明が本明細書中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本発明は、特許請求の範囲の記載により定まる本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。したがって、本明細書の記載は、例示説明を目的とするものであり、本発明に対して何ら制限的な意味を有するものではない。
本態様によれば、凹部及び凸部を有し、肌面上の異物の拭き取り性能を向上させることができるスキンケア用シートを提供できる。
1:スキンケア用シート、10:不織布層、11:凸部、12:凹部、13:列部、14:微細凹部、21:第1列部、22:第2列部、23:第3列部、31:第1部分、32:第2部分、33:第3部分、DA:第1方向、DB:第2方向

Claims (10)

  1. 表面に配置された不織布層を有し、平面視にて互いに直交する第1方向及び第2方向を有するスキンケア用シートであって、
    前記不織布層には、凸部と、前記凸部よりも裏面側に凹む凹部と、が形成されており、
    前記凹部は、平面視にて前記第1方向に延びる波形状の列部を有し、
    前記列部は、前記第2方向に間隔を空けて複数配置されている、スキンケア用シート。
  2. 前記凸部は、前記波形状の前記列部によって挟まれた領域によって構成されている、請求項1に記載のスキンケア用シート。
  3. 前記列部は、前記第1方向に連続している、請求項1又は請求項2に記載のスキンケア用シート。
  4. 前記列部の前記波形状は、前記第1方向の一方側に延びつつ前記第2方向の一方側に延びる第1部分と、前記第1方向の一方側に延びつつ前記第2方向の他方側に延びる第2部分と、前記第1部分と前記第2部分をつなぐ第3部分と、によって構成されており、
    前記第3部分は、曲線状である、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のスキンケア用シート。
  5. 前記列部は、第1列部と、前記第2方向において前記第1列部と隣り合う第2列部と、を有し、
    前記第1列部の前記波形状の位相と前記第2列部の前記波形状の位相は、ずれている、請求項4に記載のスキンケア用シート。
  6. 前記第1列部と前記第2列部の前記第2方向における間隔は、前記第1列部の前記第3部分と前記第2列部の前記第3部分が対向した部分において最も短い、請求項5に記載のスキンケア用シート。
  7. 前記第1列部と前記第2列部の前記第2方向における前記最も短い間隔は、前記凹部の幅以上であり、各列部の前記第2方向の長さに対する1/2以下である、請求項6に記載のスキンケア用シート。
  8. 前記第3部分を挟んで配置された前記第1部分と前記第2部分とがなす角度は、鈍角である、請求項4から請求項7のいずれか1項に記載のスキンケア用シート。
  9. 前記凸部の繊維の坪量は、前記凹部の繊維の坪量よりも高い、請求項1から請求項8のいずれか1項に記載のスキンケア用シート。
  10. 前記凸部には、前記凹部の深さよりも浅い微細凹部が形成されている、請求項1から請求項9のいずれか1項に記載のスキンケア用シート。
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