JP2022036821A - 衝撃吸収シート - Google Patents
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Abstract
【課題】厚みが薄くても衝撃吸収性が高く、破損や、破損に起因する発火等が生じない衝撃吸収シートを提供すること。【解決手段】樹脂と無機粒子とを含む衝撃吸収層を少なくとも備える衝撃吸収シートであって、前記無機粒子がガラス粒子、中空ガラス粒子、セラミック粒子、及び中空セラミック粒子からなる群から選択される少なくとも1種であり、衝撃吸収率が8%以上であり、厚みが5~300μmである衝撃吸収シートである。【選択図】なし
Description
本発明は衝撃吸収シートに関する。
ノート型パーソナルコンピューター、携帯電話、スマートフォン、タブレット等の携帯機器は、薄型化及び軽量化が望まれており、中でもスマートフォンの薄型化及び軽量化の要求は年々高まっている。携帯機器の薄型化及び軽量化に伴い、表示パネルの前面側に配置される前面板、及び表示パネルも薄型化されている。しかし、前面板及び表示パネルが薄型化されると、前面板に含まれるガラス板若しくはアクリル板、及び表示パネルが割れやすくなる。
また、近年、スマートフォンなどのバッテリーは、電池容量が大きいため、落下などの衝撃によって破損した場合に、破損の程度によっては発火する危険性もある。
また、近年、スマートフォンなどのバッテリーは、電池容量が大きいため、落下などの衝撃によって破損した場合に、破損の程度によっては発火する危険性もある。
従来から、衝撃吸収シートとしてクッション材が使用されてきた(例えば、特許文献1参照)。クッション材は歪むことで衝撃を吸収するが、厚みが薄い領域では、歪み量に制約があるため、衝撃吸収性が極端に低下する。
本発明は、上述の問題点に鑑み、厚みが薄くても衝撃吸収性が高く、破損や、破損に起因する発火等が生じない衝撃吸収シートを提供することを課題とする。
本発明は、下記[1]~[8]を要旨とする。
[1]樹脂と無機粒子とを含む衝撃吸収層を少なくとも備える衝撃吸収シートであって、前記無機粒子がガラス粒子、中空ガラス粒子、セラミック粒子、及び中空セラミック粒子からなる群から選択される少なくとも1種であり、衝撃吸収率が8%以上であり、厚みが5~300μmである衝撃吸収シート。
[2]前記衝撃吸収率が10~50%である上記[1]に記載の衝撃吸収シート。
[3]前記無機粒子の平均粒径が1~200μmである上記[1]又は[2]に記載の衝撃吸収シート。
[4]前記無機粒子が中空粒子である[1]~[3]のいずれか一つに記載の衝撃吸収シート。
[5]無機粒子の含有量が、樹脂100質量部に対して、20~1000質量部である上記[1]~[4]のいずれか一つに記載の衝撃吸収シート。
[6]前記樹脂がポリビニルアセタール樹脂、エチレン酢酸ビニル共重合体樹脂、アクリル樹脂、及びエポキシ樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種である上記[1]~[5]のいずれか一つに記載の衝撃吸収シート。
[7]前記樹脂がポリビニルアセタール樹脂である上記[6]に記載の衝撃吸収シート。
[8]前記樹脂がポリビニルブチラールである上記[7]に記載の衝撃吸収シート。
[1]樹脂と無機粒子とを含む衝撃吸収層を少なくとも備える衝撃吸収シートであって、前記無機粒子がガラス粒子、中空ガラス粒子、セラミック粒子、及び中空セラミック粒子からなる群から選択される少なくとも1種であり、衝撃吸収率が8%以上であり、厚みが5~300μmである衝撃吸収シート。
[2]前記衝撃吸収率が10~50%である上記[1]に記載の衝撃吸収シート。
[3]前記無機粒子の平均粒径が1~200μmである上記[1]又は[2]に記載の衝撃吸収シート。
[4]前記無機粒子が中空粒子である[1]~[3]のいずれか一つに記載の衝撃吸収シート。
[5]無機粒子の含有量が、樹脂100質量部に対して、20~1000質量部である上記[1]~[4]のいずれか一つに記載の衝撃吸収シート。
[6]前記樹脂がポリビニルアセタール樹脂、エチレン酢酸ビニル共重合体樹脂、アクリル樹脂、及びエポキシ樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種である上記[1]~[5]のいずれか一つに記載の衝撃吸収シート。
[7]前記樹脂がポリビニルアセタール樹脂である上記[6]に記載の衝撃吸収シート。
[8]前記樹脂がポリビニルブチラールである上記[7]に記載の衝撃吸収シート。
本発明によれば、薄厚であっても、衝撃吸収性に優れる衝撃吸収シートを提供することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
[衝撃吸収シート]
本発明の衝撃吸収シートは、樹脂と無機粒子とを含む衝撃吸収層を少なくとも備え、前記無機粒子がガラス粒子、中空ガラス粒子、セラミック粒子、及び中空セラミック粒子からなる群から選択される少なくとも1種であり、衝撃吸収率が8%以上であり、厚みが5~300μmであることを特徴とする。
[衝撃吸収シート]
本発明の衝撃吸収シートは、樹脂と無機粒子とを含む衝撃吸収層を少なくとも備え、前記無機粒子がガラス粒子、中空ガラス粒子、セラミック粒子、及び中空セラミック粒子からなる群から選択される少なくとも1種であり、衝撃吸収率が8%以上であり、厚みが5~300μmであることを特徴とする。
<衝撃吸収率>
本発明の衝撃吸収シートの衝撃吸収率は8%以上である。衝撃吸収率が8%未満であると、衝撃吸収性が低いため、液晶やバッテリー等の使用対象物を外部衝撃から適切に保護することが難しくなる。一方、8%以上であると、十分な衝撃吸収性が得られ、特に局所的な衝撃に対する衝撃吸収性を高くすることが可能となり、例えば、ガラスの破損やフレキシブルディスプレイにおける表示欠点を防止しやすくなる。
本発明の衝撃吸収シートの衝撃吸収率は、好ましくは10~50%、より好ましくは、15~48%、さらに好ましくは20~45%である。なお、本発明において、衝撃吸収率は23℃における衝撃吸収率であり、以下の方法により測定する。
本発明の衝撃吸収シートの衝撃吸収率は8%以上である。衝撃吸収率が8%未満であると、衝撃吸収性が低いため、液晶やバッテリー等の使用対象物を外部衝撃から適切に保護することが難しくなる。一方、8%以上であると、十分な衝撃吸収性が得られ、特に局所的な衝撃に対する衝撃吸収性を高くすることが可能となり、例えば、ガラスの破損やフレキシブルディスプレイにおける表示欠点を防止しやすくなる。
本発明の衝撃吸収シートの衝撃吸収率は、好ましくは10~50%、より好ましくは、15~48%、さらに好ましくは20~45%である。なお、本発明において、衝撃吸収率は23℃における衝撃吸収率であり、以下の方法により測定する。
(衝撃吸収率の測定方法)
衝撃吸収シートをアクリル板の中心に設置し、衝撃吸収シートを設置したアクリル板の裏面側に加速度センサーを取り付ける。このアクリル板の衝撃吸収シートを取り付けた面に対して、200mmの高さから16gの鉄球を落下させ、衝撃吸収シートと衝突した際の加速度を測定する。該測定は23℃で行い、測定した加速度を以下の式に代入することにより衝撃吸収率を算出する。
X:衝撃吸収シートを設置しないで鉄球を落下させた際の加速度
Y:衝撃吸収シートを設置して鉄球を落下させた際の加速度
衝撃吸収率(%)=100×(X-Y)/X
なお、詳細な条件等については、実施例に記載の方法に基づき行う。
衝撃吸収シートをアクリル板の中心に設置し、衝撃吸収シートを設置したアクリル板の裏面側に加速度センサーを取り付ける。このアクリル板の衝撃吸収シートを取り付けた面に対して、200mmの高さから16gの鉄球を落下させ、衝撃吸収シートと衝突した際の加速度を測定する。該測定は23℃で行い、測定した加速度を以下の式に代入することにより衝撃吸収率を算出する。
X:衝撃吸収シートを設置しないで鉄球を落下させた際の加速度
Y:衝撃吸収シートを設置して鉄球を落下させた際の加速度
衝撃吸収率(%)=100×(X-Y)/X
なお、詳細な条件等については、実施例に記載の方法に基づき行う。
衝撃吸収シートの衝撃吸収率は、後述するように、衝撃吸収層を構成する樹脂の種類、無機粒子(衝撃吸収剤)の種類と含有量、衝撃吸収層に積層される層の有無などによって調整することができる。
<厚み>
本発明の衝撃吸収シートの厚みは、5~300μmである。衝撃吸収シートの厚みが5μm未満であると衝撃吸収率が低くなりやすく、また必要な機械強度を確保することが難しくなるとともに、いわゆる底付きが発生することがある。一方、衝撃吸収シートの厚みが300μmを超えると、携帯機器等の電子機器の薄型化の要求に応えることが困難であり、また小型のバッテリーセルには使用し難くなる。
以上の観点から、衝撃吸収シートの厚みは、好ましくは30~250μmであり、より好ましくは50~200μmであり、さらに好ましくは80~150μmである。
なお、本明細書における衝撃吸収シートの「厚み」は、ダイヤルゲージで測定でき、衝撃吸収シートの幅方向3点の平均厚みを指す。
本発明の衝撃吸収シートの厚みは、5~300μmである。衝撃吸収シートの厚みが5μm未満であると衝撃吸収率が低くなりやすく、また必要な機械強度を確保することが難しくなるとともに、いわゆる底付きが発生することがある。一方、衝撃吸収シートの厚みが300μmを超えると、携帯機器等の電子機器の薄型化の要求に応えることが困難であり、また小型のバッテリーセルには使用し難くなる。
以上の観点から、衝撃吸収シートの厚みは、好ましくは30~250μmであり、より好ましくは50~200μmであり、さらに好ましくは80~150μmである。
なお、本明細書における衝撃吸収シートの「厚み」は、ダイヤルゲージで測定でき、衝撃吸収シートの幅方向3点の平均厚みを指す。
<衝撃吸収層>
本発明の衝撃吸収シートは、樹脂と無機粒子(衝撃吸収材)とを含む衝撃吸収層を少なくとも備える。
本発明の衝撃吸収シートは、樹脂と無機粒子(衝撃吸収材)とを含む衝撃吸収層を少なくとも備える。
<樹脂>
本発明に係る衝撃吸収層に用いられる樹脂としては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、及びエラストマー樹脂が挙げられる。
熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリオレフィン樹脂、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン(ABS)樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、アクリル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂(PVC)、ノボラック樹脂、ポリウレタン樹脂、及びポリイソブチレン等の合成樹脂が挙げられる。
熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリイミド等の合成樹脂が挙げられる。
本発明に係る衝撃吸収層に用いられる樹脂としては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、及びエラストマー樹脂が挙げられる。
熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリオレフィン樹脂、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン(ABS)樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、アクリル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂(PVC)、ノボラック樹脂、ポリウレタン樹脂、及びポリイソブチレン等の合成樹脂が挙げられる。
熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリイミド等の合成樹脂が挙げられる。
エラストマー樹脂としては、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、エチレン-プロピレン-ジエンゴム(EPDM)、エチレン-プロピレンゴム、天然ゴム、ポリブタジエンゴム、ポリイソプレンゴム、スチレン-ブタジエンブロック共重合体、水素添加スチレン-ブタジエンブロック共重合体、水素添加スチレン-ブタジエン-スチレンブロック共重合体、水素添加スチレン-イソプレンブロック共重合体、水素添加スチレン-イソプレン-スチレンブロック共重合体等が挙げられる。
本発明においては、これら樹脂のうち1種を単独で用いても、2種以上を混合して用いてもよい。
本発明においては、これら樹脂のうち1種を単独で用いても、2種以上を混合して用いてもよい。
樹脂としては、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、アクリル樹脂、及びエポキシ樹脂から選択される少なくとも1種が好ましい。これらのなかでは、後に詳述する無機粒子(衝撃吸収材)を比較的大量に配合しても、成形性、及び、引張強度などの機械的強度を確保しやすい観点からポリビニルアセタール樹脂、ポリオレフィン樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂から選択される少なくとも1種がより好ましく、ポリビニルアセタール樹脂がさらに好ましい。
ポリ塩化ビニル樹脂、ポリオレフィン樹脂などの熱可塑性樹脂のメルトフローレートは、1.0g/10min以上であることが好ましい。熱可塑性樹脂のメルトフローレートを1.0g/10min以上とすると、無機粒子の分散性が良好となり、これらを多量に配合しても、シート成形性が良好に維持できる。メルトフローレートは、2.4g/10min以上がより好ましく、10g/10min以上がさらに好ましく、20g/10min以上がよりさらに好ましい。メルトフローレートをこれら下限値以上とすることで、無機粒子などの分散性を向上させてこれらをより多量に配合しやすくなる。
また、上記熱可塑性樹脂のメルトフローレートは、40g/10min以下が好ましく、35g/10min以下がより好ましい。
なお、メルトフローレートは、JIS K 7210-2:1999に従って190℃、2.16kg荷重の条件によって測定されたものである。
また、上記熱可塑性樹脂のメルトフローレートは、40g/10min以下が好ましく、35g/10min以下がより好ましい。
なお、メルトフローレートは、JIS K 7210-2:1999に従って190℃、2.16kg荷重の条件によって測定されたものである。
(ポリオレフィン樹脂)
ポリオレフィン樹脂としては、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリ(1-)ブテン樹脂、及びポリペンテン樹脂、エチレン-酢酸ビニル共重合体(EVA)樹脂等が挙げられるが、これらのなかでは、エチレン-酢酸ビニル共重合体(EVA)樹脂が好ましい。
エチレン-酢酸ビニル共重合体樹脂としては、非架橋型のエチレン-酢酸ビニル共重合体樹脂であってもよいし、また、高温架橋型のエチレン-酢酸ビニル共重合体樹脂であってもよい。また、エチレン-酢酸ビニル共重合体樹脂としては、エチレン-酢酸ビニル共重合体けん化物、エチレン-酢酸ビニルの加水分解物などのようなエチレン-酢酸ビニル変性体樹脂も用いることができる。
エチレン-酢酸ビニル共重合体樹脂は、JIS K 6730「エチレン・酢酸ビニル樹脂試験方法」に準拠して測定される酢酸ビニル含量が好ましく10~50質量%、より好ましくは25~45質量%である。酢酸ビニル含量をこれら下限値以上とすることで、無機粒子への接着性が高くなる。また、酢酸ビニル含量をこれら上限値以下とすることで、衝撃吸収層の破断強度などの機械強度が良好となる。
ポリオレフィン樹脂としては、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリ(1-)ブテン樹脂、及びポリペンテン樹脂、エチレン-酢酸ビニル共重合体(EVA)樹脂等が挙げられるが、これらのなかでは、エチレン-酢酸ビニル共重合体(EVA)樹脂が好ましい。
エチレン-酢酸ビニル共重合体樹脂としては、非架橋型のエチレン-酢酸ビニル共重合体樹脂であってもよいし、また、高温架橋型のエチレン-酢酸ビニル共重合体樹脂であってもよい。また、エチレン-酢酸ビニル共重合体樹脂としては、エチレン-酢酸ビニル共重合体けん化物、エチレン-酢酸ビニルの加水分解物などのようなエチレン-酢酸ビニル変性体樹脂も用いることができる。
エチレン-酢酸ビニル共重合体樹脂は、JIS K 6730「エチレン・酢酸ビニル樹脂試験方法」に準拠して測定される酢酸ビニル含量が好ましく10~50質量%、より好ましくは25~45質量%である。酢酸ビニル含量をこれら下限値以上とすることで、無機粒子への接着性が高くなる。また、酢酸ビニル含量をこれら上限値以下とすることで、衝撃吸収層の破断強度などの機械強度が良好となる。
(ポリ塩化ビニル樹脂)
ポリ塩化ビニル樹脂は、塩化ビニル単独重合体であってもよいし、塩化ビニル系共重合体でよい。塩化ビニル系共重合体は、塩化ビニル及び塩化ビニルと共重合可能な不飽和結合を有する単量体の共重合体であって、塩化ビニル由来の構成単位を50質量%以上含有する。
塩化ビニルと共重合可能な不飽和結合を有する単量体としては、例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル等のアクリル酸エステル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル等のメタクリル酸エステル、エチレン、プロピレン等のオレフィン、アクリロニトリル、スチレン等の芳香族ビニル、塩化ビニリデン等が挙げられる。
また、ポリ塩化ビニル樹脂は、塩化ビニル単独重合体、塩化ビニル系共重合体などを塩素化したポリ塩素化塩化ビニル樹脂でもよい。
ポリ塩化ビニル樹脂は、上記したものの中から1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
ポリ塩化ビニル樹脂は、塩化ビニル単独重合体であってもよいし、塩化ビニル系共重合体でよい。塩化ビニル系共重合体は、塩化ビニル及び塩化ビニルと共重合可能な不飽和結合を有する単量体の共重合体であって、塩化ビニル由来の構成単位を50質量%以上含有する。
塩化ビニルと共重合可能な不飽和結合を有する単量体としては、例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル等のアクリル酸エステル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル等のメタクリル酸エステル、エチレン、プロピレン等のオレフィン、アクリロニトリル、スチレン等の芳香族ビニル、塩化ビニリデン等が挙げられる。
また、ポリ塩化ビニル樹脂は、塩化ビニル単独重合体、塩化ビニル系共重合体などを塩素化したポリ塩素化塩化ビニル樹脂でもよい。
ポリ塩化ビニル樹脂は、上記したものの中から1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
(ポリビニルアセタール樹脂)
ポリビニルアセタール樹脂は、ポリビニルアルコールをアルデヒドでアセタール化して得られるポリビニルアセタール樹脂であれば特に限定されないが、ポリビニルブチラール樹脂が好適である。ポリビニルアセタール樹脂は、無機粒子、特にガラス粒子、中空ガラス粒子に対する接着力が高くて機械強度を確保しやすく、ガラス粒子、中空ガラス粒子を使用する場合に特に好適である。また、ポリビニルブチラールを用いることで、無機粒子を大量に配合することができ、成形性、及び、引張強度などの機械的強度を確保しやすい。
上記ポリビニルアセタール樹脂の水酸基量は、好ましくは20~40モル%である。水酸基量を20モル%以上とすることで、ポリビニルアセタール樹脂の極性が高くなり、無機粒子、特にガラス粒子、中空ガラス粒子に対する接着力が強くなり、衝撃吸収シートの機械的強度が向上しやすくなる。また、水酸基量を40モル%以下とすることで、衝撃吸収シートが硬くなりすぎて引張強度などの機械的強度が低下することを防止する。上記水酸基量は、より好ましくは22モル%以上である。また、上記水酸基量は、より好ましくは37モル%以下、さらに好ましくは35モル%以下、よりさらに好ましくは33モル%以下である。
ポリビニルアセタール樹脂は、ポリビニルアルコールをアルデヒドでアセタール化して得られるポリビニルアセタール樹脂であれば特に限定されないが、ポリビニルブチラール樹脂が好適である。ポリビニルアセタール樹脂は、無機粒子、特にガラス粒子、中空ガラス粒子に対する接着力が高くて機械強度を確保しやすく、ガラス粒子、中空ガラス粒子を使用する場合に特に好適である。また、ポリビニルブチラールを用いることで、無機粒子を大量に配合することができ、成形性、及び、引張強度などの機械的強度を確保しやすい。
上記ポリビニルアセタール樹脂の水酸基量は、好ましくは20~40モル%である。水酸基量を20モル%以上とすることで、ポリビニルアセタール樹脂の極性が高くなり、無機粒子、特にガラス粒子、中空ガラス粒子に対する接着力が強くなり、衝撃吸収シートの機械的強度が向上しやすくなる。また、水酸基量を40モル%以下とすることで、衝撃吸収シートが硬くなりすぎて引張強度などの機械的強度が低下することを防止する。上記水酸基量は、より好ましくは22モル%以上である。また、上記水酸基量は、より好ましくは37モル%以下、さらに好ましくは35モル%以下、よりさらに好ましくは33モル%以下である。
上記ポリビニルアセタール樹脂のアセタール化度は、好ましくは40~80モル%である。アセタール化度を上記範囲内とすることで、上記する水酸基量を所望の範囲内として、衝撃吸収層の機械的強度、及びガラス粒子、中空ガラス粒子などの無機粒子に対する接着性が向上しやすくなる。アセタール化度は、より好ましくは55モル%以上であり、さらに好ましくは65モル%以上、よりさらに好ましくは67モル%以上であり、また、より好ましくは76モル%以下である。
また、上記ポリビニルアセタール樹脂のアセチル基量は、好ましくは0.1~30モル%である。アセチル基量がこの範囲内であると、耐湿性に優れ、また、上記する水酸基量を所望の範囲内として、衝撃吸収シートの機械的強度が向上しやすくなる。これら観点から、アセチル基量は、0.2モル%以上がより好ましく、0.5モル%以上がさらに好ましく、また、15モル%以下がより好ましく、7モル%以下がさらに好ましい。
なお、アセタール化度、水酸基量、及びアセチル基量は、例えば、JIS K6728「ポリビニルブチラール試験方法」に準拠した方法により測定し、また算出することができる。
また、上記ポリビニルアセタール樹脂のアセチル基量は、好ましくは0.1~30モル%である。アセチル基量がこの範囲内であると、耐湿性に優れ、また、上記する水酸基量を所望の範囲内として、衝撃吸収シートの機械的強度が向上しやすくなる。これら観点から、アセチル基量は、0.2モル%以上がより好ましく、0.5モル%以上がさらに好ましく、また、15モル%以下がより好ましく、7モル%以下がさらに好ましい。
なお、アセタール化度、水酸基量、及びアセチル基量は、例えば、JIS K6728「ポリビニルブチラール試験方法」に準拠した方法により測定し、また算出することができる。
ポリビニルアセタール樹脂の重合度は、好ましくは200~3000である。重合度をこれら範囲内にすることで、無機粒子などを適切に衝撃吸収層中に分散させることがきる。重合度は、より好ましくは250以上、さらに好ましくは300以上である。
ポリビニルアセタール樹脂の重合度を低くすると粘度も下がり、衝撃吸収層中に無機粒子を分散しやすくなり、高い衝撃吸収性が得やすくなる。そのような観点から、ポリビニルアセタール樹脂の重合度は、より好ましくは1500以下、さらに好ましくは1000以下、よりさらに好ましくは900以下である。
なお、ポリビニルアセタール樹脂の重合度は、JIS K6728に記載の方法に基づいて測定した粘度平均重合度をいう。
ポリビニルアセタール樹脂の重合度を低くすると粘度も下がり、衝撃吸収層中に無機粒子を分散しやすくなり、高い衝撃吸収性が得やすくなる。そのような観点から、ポリビニルアセタール樹脂の重合度は、より好ましくは1500以下、さらに好ましくは1000以下、よりさらに好ましくは900以下である。
なお、ポリビニルアセタール樹脂の重合度は、JIS K6728に記載の方法に基づいて測定した粘度平均重合度をいう。
ポリビニルアセタール樹脂の10質量%エタノール/トルエン粘度は、好ましくは5mPa・s以上、より好ましくは10mPa・s以上であり、さらに好ましくは15mPa・s以上である。また、10質量%エタノール/トルエン粘度は、好ましくは500mPa・s以下、より好ましくは300mPa・s以下であり、更に好ましくは200mPa・s以下である。ポリビニルアセタール樹脂の10質量%エタノール/トルエン粘度を上記のとおりにすることにより、衝撃吸収層中に無機粒子を分散しやすくなり、衝撃吸収性が向上する。
なお、10質量%エタノール/トルエン粘度は、次のように測定した値である。エタノール/トルエン(重量比1:1)混合溶剤150mlを三角フラスコにとり、これに秤量した試料を加え、樹脂濃度を10質量%とし、20℃の恒温室にて振とう溶解する。その溶液を20℃に保持しBM型粘度計を用いて粘度を測定して、10質量%エタノール/トルエン粘度を求めることができる。
なお、10質量%エタノール/トルエン粘度は、次のように測定した値である。エタノール/トルエン(重量比1:1)混合溶剤150mlを三角フラスコにとり、これに秤量した試料を加え、樹脂濃度を10質量%とし、20℃の恒温室にて振とう溶解する。その溶液を20℃に保持しBM型粘度計を用いて粘度を測定して、10質量%エタノール/トルエン粘度を求めることができる。
上記アルデヒドは特に限定されないが、一般には、炭素数が1~10のアルデヒドが好適に用いられる。上記炭素数が1~10のアルデヒドは特に限定されず、例えば、n-ブチルアルデヒド、イソブチルアルデヒド、n-バレルアルデヒド、2-エチルブチルアルデヒド、n-ヘキシルアルデヒド、n-オクチルアルデヒド、n-ノニルアルデヒド、n-デシルアルデヒド、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ベンズアルデヒド等が挙げられる。なかでも、n-ブチルアルデヒド、n-ヘキシルアルデヒド、n-バレルアルデヒドが好ましく、n-ブチルアルデヒドがより好ましい。これらのアルデヒドは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
(アクリル樹脂)
アクリル樹脂としては、例えば、(メタ)アクリル酸アルキルエステル系モノマーを含むモノマー成分を重合したものである。なお、本明細書において「(メタ)アクリル酸アルキルエステル」とは、「アクリル酸アルキルエステル、又はメタクリル酸アルキルエステル」を意味する。他の類似の用語も同様である。
本発明における(メタ)アクリル酸アルキルエステル系モノマーは、(メタ)アクリル酸と脂肪族アルコールとのエステルであって、前記脂肪族アルコールのアルキル基の炭素数は、例えば1~18、好ましくは1~14、より好ましくは1~10、さらに好ましくは1~8である。
アクリル樹脂としては、例えば、(メタ)アクリル酸アルキルエステル系モノマーを含むモノマー成分を重合したものである。なお、本明細書において「(メタ)アクリル酸アルキルエステル」とは、「アクリル酸アルキルエステル、又はメタクリル酸アルキルエステル」を意味する。他の類似の用語も同様である。
本発明における(メタ)アクリル酸アルキルエステル系モノマーは、(メタ)アクリル酸と脂肪族アルコールとのエステルであって、前記脂肪族アルコールのアルキル基の炭素数は、例えば1~18、好ましくは1~14、より好ましくは1~10、さらに好ましくは1~8である。
具体的な(メタ)アクリル酸アルキルエステル系モノマーとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n-プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t-ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n-オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ウンデシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、及びテトラデシル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
(メタ)アクリル酸アルキルエステル系モノマーは、単独でも、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(メタ)アクリル酸アルキルエステル系モノマーは、単独でも、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、アクリル樹脂を得るためのモノマー成分としては、上記した(メタ)アクリル酸アルキルエステル系モノマーの他に、極性基含有モノマーを含んでもよい。
極性基含有モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸、及びイタコン酸等のビニル基を含有するカルボン酸、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性(メタ)アクリレート、ポリオキシエチレン(メタ)アクリレート、及びポリオキシプロピレン(メタ)アクリレート等の水酸基を有するビニルモノマー、(メタ)アクリロニトリル、N-ビニルピロリドン、N-ビニルカプロラクタム、N-ビニルラウリロラクタム、(メタ)アクリロイルモルホリン、(メタ)アクリルアミド、ジメチル(メタ)アクリルアミド、N-メチロール(メタ)アクリルアミド、N-ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、及びジメチルアミノメチル(メタ)アクリレート等の窒素含有ビニルモノマーが挙げられる。
極性基含有モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸、及びイタコン酸等のビニル基を含有するカルボン酸、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性(メタ)アクリレート、ポリオキシエチレン(メタ)アクリレート、及びポリオキシプロピレン(メタ)アクリレート等の水酸基を有するビニルモノマー、(メタ)アクリロニトリル、N-ビニルピロリドン、N-ビニルカプロラクタム、N-ビニルラウリロラクタム、(メタ)アクリロイルモルホリン、(メタ)アクリルアミド、ジメチル(メタ)アクリルアミド、N-メチロール(メタ)アクリルアミド、N-ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、及びジメチルアミノメチル(メタ)アクリレート等の窒素含有ビニルモノマーが挙げられる。
アクリル樹脂のガラス転移温度(Tg)は、5~80℃であることが好ましい。ガラス転移温度(Tg)をこれら範囲内とすることで、成形性、柔軟性などを良好にしつつ、衝撃吸収層に一定の機械的強度を付与することができる。これら観点から、アクリル樹脂のガラス転移温度(Tg)は、15~70℃であることが好ましく、25~60℃であることがさらに好ましい。なお、アクリル樹脂のガラス転移温度(Tg)は、使用するモノマー成分の種類、量を適宜選択することで調整できる。
なお、アクリル樹脂のガラス転移温度(Tg)は例えば示差熱走査熱量分析計(DSC)により測定できる。
なお、アクリル樹脂のガラス転移温度(Tg)は例えば示差熱走査熱量分析計(DSC)により測定できる。
アクリル樹脂としては、(メタ)アクリル酸アルキルエステル系モノマーの重合体が好ましい。具体的には、アルキル基の炭素数が1~14である(メタ)アクリル酸アルキルエステル系モノマーの重合体が好ましく、アルキル基の炭素数が1~10である(メタ)アクリル酸アルキルエステル系モノマーの重合体がより好ましく、アルキル基の炭素数が1~8である(メタ)アクリル酸アルキルエステル系モノマーの重合体がさらに好ましい。アクリル樹脂は、(メタ)アクリル酸アルキルエステル系モノマーの単独重合体であってもよいし、2種以上の(メタ)アクリル酸アルキルエステル系モノマーの共重合体であってもよい。具体的に好適なアクリル樹脂としては、イソブチルメタクリレートの単独重合体、イソブチルメタクリレートとメチルメタクリレートの共重合体などが挙げられる。アクリル樹脂は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
アクリル樹脂の重量平均分子量は、無機粒子を適切に衝撃吸収層に分散させることができ、衝撃吸収層の機械強度を向上させる観点から、10,000~300,000が好ましい。また、これら観点から、アクリル樹脂の重量平均分子量は、30,000~250,000がより好ましく、60,000~200,000が更に好ましい。なお、アクリル樹脂の重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)により測定した標準ポリスチレン換算の重量平均分子量である。GPC法によって重量平均分子量を測定する際のカラムとしては、例えば、Shodex LF-804(昭和電工社製)等が挙げられる。
(エポキシ樹脂)
本発明で用いられるエポキシ樹脂は、特に限定されないが、例えば、エポキシ化合物単独、又は、主剤であるエポキシ化合物と、硬化剤とからなるものが挙げられる。エポキシ化合物は、エポキシ基を有する化合物であり、具体的には、グリシジルエーテル型、グリシジルエステル型が例示される。グリジシルエーテル型は、2官能でもよいし、3官能以上の多官能でもよい。また、グリシジルエステル型も同様である。エポキシ化合物は、架橋度を調整するためなどに1官能のものを含んでもよい。これらの中では、2官能のグリシジルエーテル型が好ましい。
本発明で用いられるエポキシ樹脂は、特に限定されないが、例えば、エポキシ化合物単独、又は、主剤であるエポキシ化合物と、硬化剤とからなるものが挙げられる。エポキシ化合物は、エポキシ基を有する化合物であり、具体的には、グリシジルエーテル型、グリシジルエステル型が例示される。グリジシルエーテル型は、2官能でもよいし、3官能以上の多官能でもよい。また、グリシジルエステル型も同様である。エポキシ化合物は、架橋度を調整するためなどに1官能のものを含んでもよい。これらの中では、2官能のグリシジルエーテル型が好ましい。
上記2官能のグリシジルエーテル型のエポキシ化合物としては、例えば、ポリエチレングリコール型、ポリプロピレングリコール型などのアルキレングリコール型、ネオペンチルグリコール型、1、6-ヘキサンジオール型、水添ビスフェノールA型等の脂肪族エポキシ化合物が例示される。さらには、ビスフェノールA型、ビスフェノールF型、ビスフェノールAD型、エチレンオキサイド-ビスフェノールA型、プロピレンオキサイド-ビスフェノールA型などの芳香族環を含む芳香族エポキシ化合物が挙げられる。これらの中では、ビスフェノールA型、ビスフェノールF型などの芳香族エポキシ化合物が好ましい。
上記グリシジルエステル型のエポキシ化合物としては、例えば、ヘキサヒドロ無水フタル酸型、テトラヒドロ無水フタル酸型、ダイマー酸型、p-オキシ安息香酸型等のエポキシ化合物が例示される。
3官能以上のグリシジルエーテル型エポキシ化合物としては、例えば、フェノールノボラック型、オルソクレゾールノボラック型、DPPノボラック型、ジシクロペンタジエン・フェノール型等が例示される。
これらのエポキシ化合物は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
3官能以上のグリシジルエーテル型エポキシ化合物としては、例えば、フェノールノボラック型、オルソクレゾールノボラック型、DPPノボラック型、ジシクロペンタジエン・フェノール型等が例示される。
これらのエポキシ化合物は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
硬化剤としては、重付加型又は触媒型のものが用いられる。重付加型の硬化剤としては、例えば、ポリアミン系硬化剤、酸無水物系硬化剤、ポリフェノール系硬化剤、ポリメルカプタン等が挙げられる。また、上記触媒型の硬化剤としては、例えば、3級アミン、イミダゾール類、ルイス酸錯体等が例示される。これら硬化剤は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
衝撃吸収層における樹脂の含有量は、衝撃吸収層全量基準で、例えば5~90質量%であり、好ましくは10~85質量%、より好ましくは15~75質量%、さらに好ましくは30~65質量%、最も好ましくは40~60質量%である。これら下限値以上であると、無機粒子の分散性が向上し、引張強度などの機械的強度や成形性が高くなりやすい。また、上限値以下であると、無機粒子の配合量が十分となり、耐衝撃性が得られる。
<無機粒子>
本発明における無機粒子としては、ガラス粒子、中空ガラス粒子、セラミック粒子、及びセラミック中空粒子から選択される。ここで単にガラス粒子、セラミック粒子という場合、無機粒子は、内部に空洞がない中実粒子である。本発明の衝撃吸収シートは、衝撃を受けたときに、これらの粒子が破壊されることで衝撃を吸収する。衝撃を吸収する観点から、中空粒子が好ましく、特に中空ガラス粒子が好ましい。
また、無機粒子はシランカップリング処理等の表面処理が施されていてもよい。
なお、これらの無機粒子は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
本発明における無機粒子としては、ガラス粒子、中空ガラス粒子、セラミック粒子、及びセラミック中空粒子から選択される。ここで単にガラス粒子、セラミック粒子という場合、無機粒子は、内部に空洞がない中実粒子である。本発明の衝撃吸収シートは、衝撃を受けたときに、これらの粒子が破壊されることで衝撃を吸収する。衝撃を吸収する観点から、中空粒子が好ましく、特に中空ガラス粒子が好ましい。
また、無機粒子はシランカップリング処理等の表面処理が施されていてもよい。
なお、これらの無機粒子は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
ガラス粒子及びガラス中空粒子を構成するガラスの種類としては、特に限定されず、例えば、ソーダ石灰ガラス、ソーダ石灰シリカガラス、ホウケイ酸ガラス、アルミノケイ酸ガラスなどを用いることができる。これらのうち、耐圧強度の点から、ホウケイ酸ガラスが好ましい。
セラミック粒子及びセラミック中空粒子を構成するセラミックの種類としては、特に限定されず、例えば、アルミナ、シリカ、窒化アルミニウム、窒化珪素、マグネシア、スピネル、ムライト、フォルステライト、ステアタイト、コージェライト、ストロンチウム長石、石英、ケイ酸亜鉛、ジルコニア、チタニア等が例示される。
無機粒子の平均粒径は、衝撃吸収層の厚みよりも小さいことが好ましく、無機粒子の平均粒径と衝撃吸収層の厚みとの比(平均粒径/厚み)は例えば0.03~0.9、0.1~0.85であることがより好ましく、0.2~0.55であることがさらに好ましい。
具体的には、無機粒子の平均粒径は、好ましくは1~200μmの範囲であり、より好ましくは2~150μmの範囲であり、さらに好ましくは5~120μmの範囲であり、よりさらに好ましくは8~60μmの範囲である。
平均粒径が上記下限以上であれば、粒子当たりの強度が維持され、適度な破壊が起こり、優れた衝撃吸収能を示す。一方、上記上限以下であれば、粒子の十分な充填量が確保され、優れた衝撃吸収能を発揮する。
なお、平均粒径は、レーザー回折式粒度分布計を用いて測定できるD50である。
具体的には、無機粒子の平均粒径は、好ましくは1~200μmの範囲であり、より好ましくは2~150μmの範囲であり、さらに好ましくは5~120μmの範囲であり、よりさらに好ましくは8~60μmの範囲である。
平均粒径が上記下限以上であれば、粒子当たりの強度が維持され、適度な破壊が起こり、優れた衝撃吸収能を示す。一方、上記上限以下であれば、粒子の十分な充填量が確保され、優れた衝撃吸収能を発揮する。
なお、平均粒径は、レーザー回折式粒度分布計を用いて測定できるD50である。
また、中空粒子を用いる場合には、中空粒子の耐圧強度が0.1~100MPaの範囲であることが好ましく、5~90MPaの範囲がより好ましく、10~80MPaの範囲がさらに好ましい。
上記範囲であると、衝撃の強さに応じた粒子の破壊が起こり、液晶やバッテリー等の使用対象物を外部衝撃から適切に保護することができる。
なお、耐圧強度は、ASTM D 3102-78で定義されており、グリセリンの中に中空粒子を適量入れ加圧し、10体積%破壊する時の圧力を指標として用いる。
上記範囲であると、衝撃の強さに応じた粒子の破壊が起こり、液晶やバッテリー等の使用対象物を外部衝撃から適切に保護することができる。
なお、耐圧強度は、ASTM D 3102-78で定義されており、グリセリンの中に中空粒子を適量入れ加圧し、10体積%破壊する時の圧力を指標として用いる。
無機粒子の密度(粒子密度)としては、中実粒子であれば、通常2.5~2.7g/cm3程度であり、中空粒子では、好ましくは0.1~2g/cm3の範囲であり、より好ましくは0.2~1.5g/cm3の範囲であり、さらに好ましくは、0.3~1.2g/cm3の範囲である。
なお、粒子密度は、気体置換型ピクノメーター法により測定できる。
なお、粒子密度は、気体置換型ピクノメーター法により測定できる。
衝撃吸収層中の無機粒子の含有量は、樹脂100質量部に対して、20~1000質量部の範囲であることが好ましく、30~800質量部の範囲がより好ましく、40~600質量部の範囲がさらに好ましく、80~550質量部の範囲がよりさらに好ましい。無機粒子の含有量が上記下限以上であると、十分な衝撃吸収効果が得られ、上記上限以下であると、無機粒子の分散性が維持でき、良好な衝撃吸収効果が得られる。
<その他成分>
衝撃吸収層は、上記した樹脂、無機粒子以外のその他の成分を含有してもよい。具体的には、無機粒子を分散させるための分散剤、着色剤(顔料、染料等)、紫外線吸収剤、酸化防止剤、滑剤、難燃剤、難燃助剤、帯電防止剤、可塑剤などを含有していてもよい。
衝撃吸収層は、上記した樹脂、無機粒子以外のその他の成分を含有してもよい。具体的には、無機粒子を分散させるための分散剤、着色剤(顔料、染料等)、紫外線吸収剤、酸化防止剤、滑剤、難燃剤、難燃助剤、帯電防止剤、可塑剤などを含有していてもよい。
本発明の衝撃吸収シートは、衝撃吸収層単体からなることが好ましいが、本発明の効果を阻害しない限り、衝撃吸収層以外の層が設けられてもよい。例えば、衝撃吸収層の片面又は両面にスキン層が設けられてもよい。スキン層は、例えば、各種の樹脂から構成され、上記の無機粒子を含有しない樹脂層である。
スキン層は、衝撃吸収層を構成する樹脂と同じ種類の樹脂により形成されていてもよいし、それ以外の樹脂により形成されてもよい。スキン層を形成する樹脂としては、上記した樹脂から適宜選択して使用するとよい。
スキン層は、衝撃吸収層を構成する樹脂と同じ種類の樹脂により形成されていてもよいし、それ以外の樹脂により形成されてもよい。スキン層を形成する樹脂としては、上記した樹脂から適宜選択して使用するとよい。
衝撃吸収層の厚みは、衝撃吸収シートが適切な衝撃吸収性能を発揮できる厚みであればよく、例えば、5~300μm、好ましくは20~240μmであり、より好ましくは40~190μmであり、さらに好ましくは70~140μmである。
一方で、スキン層は、衝撃吸収層の機能を阻害しない程度の厚みであればよく、各スキン層の厚みは、衝撃吸収層の厚み未満であるとよい。また、各スキン層の厚みは、例えば、1~50μm、好ましくは1~25μm程度である。
一方で、スキン層は、衝撃吸収層の機能を阻害しない程度の厚みであればよく、各スキン層の厚みは、衝撃吸収層の厚み未満であるとよい。また、各スキン層の厚みは、例えば、1~50μm、好ましくは1~25μm程度である。
(衝撃吸収シートの製造方法)
本発明の衝撃吸収シートは、溶媒に樹脂を溶解させ、これに少なくとも無機粒子を分散させたスラリーを調製し、該スラリーを剥離シート等の基材(支持体)に塗工することで製造することができる。
溶媒としては、樹脂の種類に応じて適宜好適なものを採用すればよく、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール類、n-ペンタン、n-ヘキサン、n-ヘプタン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、酢酸エチル、酢酸n-ブチルなどのエステル類、アセトン、メチルエチルケトン(MEK)、メチルイソブチルケトン(MIBK)、シクロヘキサノン等のケトン類などを例示することができる。
溶媒は1種を単独で使用してもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
本発明の衝撃吸収シートは、溶媒に樹脂を溶解させ、これに少なくとも無機粒子を分散させたスラリーを調製し、該スラリーを剥離シート等の基材(支持体)に塗工することで製造することができる。
溶媒としては、樹脂の種類に応じて適宜好適なものを採用すればよく、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール類、n-ペンタン、n-ヘキサン、n-ヘプタン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、酢酸エチル、酢酸n-ブチルなどのエステル類、アセトン、メチルエチルケトン(MEK)、メチルイソブチルケトン(MIBK)、シクロヘキサノン等のケトン類などを例示することができる。
溶媒は1種を単独で使用してもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
溶媒に樹脂を溶解させた樹脂溶液の固形分濃度は、例えば1~30質量%、好ましくは3~25質量%、より好ましく5~20質量%である。固形分濃度が下限値以上であると、効率的に衝撃吸収層を形成することができる。また、固形分濃度を上限値以下とすることで、樹脂溶液を適切な粘度に調整しやすくなるので、工程上の不具合が生じにくくなる。
溶剤に樹脂を溶解させた樹脂溶液の粘度は、10mPa・s以上であることが好ましく、50Pa・s以上であることがより好ましく、100Pa・s以上であることがさらに好ましい。また、300Pa・s以下であることが好ましく、250Pa・s以下であることがより好ましく、200Pa・s以下であることがさらに好ましい。
上記下限以上であると、その後の乾燥工程等が効率的に行え、また上記上限以下であると、塗工に際しての取り扱いが容易となる。
なお、粘度はB型粘度計により測定することができる。
溶剤に樹脂を溶解させた樹脂溶液の粘度は、10mPa・s以上であることが好ましく、50Pa・s以上であることがより好ましく、100Pa・s以上であることがさらに好ましい。また、300Pa・s以下であることが好ましく、250Pa・s以下であることがより好ましく、200Pa・s以下であることがさらに好ましい。
上記下限以上であると、その後の乾燥工程等が効率的に行え、また上記上限以下であると、塗工に際しての取り扱いが容易となる。
なお、粘度はB型粘度計により測定することができる。
塗工する際の塗布方法としては、特に制限はなく、例えば、コンマコーター、ナイフコーター、ロールコーター、リバースロールコーター、キスコーター、グラビアコーター、カーテンコーター等が挙げられる。
支持体上に塗工された樹脂溶液は乾燥され、衝撃吸収層が形成される。衝撃吸収層は剥離フィルム(支持体)から剥離され、そのまま衝撃吸収シートとすることもできるし、さらにスキン層が形成されて、衝撃吸収シートとすることもできる。
なお、衝撃吸収層の形成の際に用いられた剥離フィルム(支持体)は、適宜な時期に剥離されてもよいし、作製後の衝撃吸収シートを利用する際に剥離されてもよい。
衝撃吸収シートにおいて、衝撃吸収層に加えてスキン層を設ける場合には、スキン層を形成するための樹脂材料を衝撃吸収層に塗布して必要に応じて乾燥などすることにより、スキン層を形成するとよい。また、樹脂層を発泡樹脂層の片面又は両面にラミネートなどすることでスキン層を形成してもよい。
なお、衝撃吸収層の形成の際に用いられた剥離フィルム(支持体)は、適宜な時期に剥離されてもよいし、作製後の衝撃吸収シートを利用する際に剥離されてもよい。
衝撃吸収シートにおいて、衝撃吸収層に加えてスキン層を設ける場合には、スキン層を形成するための樹脂材料を衝撃吸収層に塗布して必要に応じて乾燥などすることにより、スキン層を形成するとよい。また、樹脂層を発泡樹脂層の片面又は両面にラミネートなどすることでスキン層を形成してもよい。
(粘着テープ)
また、衝撃吸収シートは、一方の面又は両面に粘着材を設けて粘着テープとして使用してもよい。衝撃吸収シートは、粘着テープとすることで、粘着材を介して、他の部材に接着することが可能になる。この場合、粘着テープは、衝撃吸収シートと、衝撃吸収シートの少なくともいずれか一方の面に設けられる粘着材とを備えることになる。
粘着材は、少なくとも粘着剤層を備えるものであればよく、衝撃吸収層の表面に積層された粘着剤層単体であってもよいし、衝撃吸収層の表面に貼付された両面粘着シートであってもよいが、衝撃吸収シートの薄厚化の観点から、粘着剤層単体であることが好ましい。なお、両面粘着シートは、基材と、基材の両面に設けられた粘着剤層とを備えるものである。両面粘着シートは、一方の粘着剤層を衝撃吸収シートに接着させるとともに、他方の粘着剤層を他の部材に接着させるために使用する。
また、衝撃吸収シートは、一方の面又は両面に粘着材を設けて粘着テープとして使用してもよい。衝撃吸収シートは、粘着テープとすることで、粘着材を介して、他の部材に接着することが可能になる。この場合、粘着テープは、衝撃吸収シートと、衝撃吸収シートの少なくともいずれか一方の面に設けられる粘着材とを備えることになる。
粘着材は、少なくとも粘着剤層を備えるものであればよく、衝撃吸収層の表面に積層された粘着剤層単体であってもよいし、衝撃吸収層の表面に貼付された両面粘着シートであってもよいが、衝撃吸収シートの薄厚化の観点から、粘着剤層単体であることが好ましい。なお、両面粘着シートは、基材と、基材の両面に設けられた粘着剤層とを備えるものである。両面粘着シートは、一方の粘着剤層を衝撃吸収シートに接着させるとともに、他方の粘着剤層を他の部材に接着させるために使用する。
粘着材の厚みは、5~200μmであることが好ましく、より好ましくは7~150μmであり、更に好ましくは10~100μmである。
また、粘着剤層を構成する粘着剤としては、特に制限はなく、例えば、アクリル系粘着剤、ウレタン系粘着剤、ゴム系粘着剤等を用いることができる。これらの中でもアクリル系粘着剤が好ましい。
また、粘着剤層を構成する粘着剤としては、特に制限はなく、例えば、アクリル系粘着剤、ウレタン系粘着剤、ゴム系粘着剤等を用いることができる。これらの中でもアクリル系粘着剤が好ましい。
[衝撃吸収シートの使用]
本発明の衝撃吸収シートは液晶やバッテリー等の使用対象物に接し、また近接するように配置され、外部からの衝撃に対して、該使用対象物を保護することができる。衝撃吸収シートは、上記した粘着材により使用対象物に貼付されていてもよい。
衝撃吸収シートは、表示装置に使用される場合、各種表示装置の背面側に配置されて、表示装置に作用される衝撃を吸収する。表示装置の背面とは、表示装置の画像が表示される面とは反対側の面である。より具体的には、衝撃吸収シートは、例えば電子機器の筐体上に置かれて、筐体と表示装置間に配置される。
また、本発明の衝撃吸収シートをバッテリーに用いる場合には、バッテリーは、通常、少なくとも1つのバッテリーセルを有し、そのバッテリーセルに衝撃吸収シートが取り付けられるとよい。衝撃吸収シートは、通常、バッテリーセルの表面に取り付けられる。バッテリーは、バッテリーセルを1つ有してもよいし、2つ以上有してもよい。
また、バッテリーセルは、リチウムイオン電池、リチウムイオンポリマー電池、ニッケル・水素電池、リチウム・硫黄電池、ニッケル・カドミウム電池、ニッケル・鉄電池、ニッケル・亜鉛電池、ナトリウム・硫黄電池、鉛蓄電池、空気電池等の二次電池であり、これらの中でもリチウムイオン電池が好ましい。
バッテリーは、例えば、携帯電話及びスマートフォン等の小型電子機器、ノートパソコン、自動車等に使用されるが、これらに限定されない。
本発明の衝撃吸収シートは液晶やバッテリー等の使用対象物に接し、また近接するように配置され、外部からの衝撃に対して、該使用対象物を保護することができる。衝撃吸収シートは、上記した粘着材により使用対象物に貼付されていてもよい。
衝撃吸収シートは、表示装置に使用される場合、各種表示装置の背面側に配置されて、表示装置に作用される衝撃を吸収する。表示装置の背面とは、表示装置の画像が表示される面とは反対側の面である。より具体的には、衝撃吸収シートは、例えば電子機器の筐体上に置かれて、筐体と表示装置間に配置される。
また、本発明の衝撃吸収シートをバッテリーに用いる場合には、バッテリーは、通常、少なくとも1つのバッテリーセルを有し、そのバッテリーセルに衝撃吸収シートが取り付けられるとよい。衝撃吸収シートは、通常、バッテリーセルの表面に取り付けられる。バッテリーは、バッテリーセルを1つ有してもよいし、2つ以上有してもよい。
また、バッテリーセルは、リチウムイオン電池、リチウムイオンポリマー電池、ニッケル・水素電池、リチウム・硫黄電池、ニッケル・カドミウム電池、ニッケル・鉄電池、ニッケル・亜鉛電池、ナトリウム・硫黄電池、鉛蓄電池、空気電池等の二次電池であり、これらの中でもリチウムイオン電池が好ましい。
バッテリーは、例えば、携帯電話及びスマートフォン等の小型電子機器、ノートパソコン、自動車等に使用されるが、これらに限定されない。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されない。
評価方法は以下のとおりである。
(衝撃吸収率)
実施例及び比較例で作製した衝撃吸収シート(50mm角)をアクリル板(100mm角、厚み10mm)の中心に設置し、この衝撃吸収シートを設置したアクリル板の面の反対側の面に加速度センサーを取り付けた。なお、アクリル板は、四隅を長さ35mmのボルトにて台座に固定し、該アクリル板の上面が台座面より25mmの位置となるよう保持したものである。
このアクリル板の衝撃吸収シートを設置した面に対して、200mmの高さから16gの鉄球を落下させ、衝撃吸収シートと衝突した際の加速度を測定し、測定した加速度を以下の式に代入することにより衝撃吸収率を算出した。測定は23℃で行った。
X:衝撃吸収シートを設置しないで鉄球を落下させた際の加速度
Y:衝撃吸収シートを設置して鉄球を落下させた際の加速度
衝撃吸収率(%)=100×(X-Y)/X
実施例及び比較例で作製した衝撃吸収シート(50mm角)をアクリル板(100mm角、厚み10mm)の中心に設置し、この衝撃吸収シートを設置したアクリル板の面の反対側の面に加速度センサーを取り付けた。なお、アクリル板は、四隅を長さ35mmのボルトにて台座に固定し、該アクリル板の上面が台座面より25mmの位置となるよう保持したものである。
このアクリル板の衝撃吸収シートを設置した面に対して、200mmの高さから16gの鉄球を落下させ、衝撃吸収シートと衝突した際の加速度を測定し、測定した加速度を以下の式に代入することにより衝撃吸収率を算出した。測定は23℃で行った。
X:衝撃吸収シートを設置しないで鉄球を落下させた際の加速度
Y:衝撃吸収シートを設置して鉄球を落下させた際の加速度
衝撃吸収率(%)=100×(X-Y)/X
(画面割れ評価)
図1に示すように、鉄板30の上に、100mm角の大きさを有し、内部を60mm角で切り抜いた、四角枠状のSUS板からなるスペーサー32を配置し、その内部に30mm角の衝撃吸収シート31を置いた。そして、スペーサー32の上に80mm角のガラス板33を載置させることで、ガラス板33の下面側に衝撃吸収シート31を配置させた。ガラス板33は、その四方をテープ34により鉄板30に固定した。ガラス板33としては、厚み0.55mmのコーニング社製「ゴリラガラス3」を使用した。ガラス板33は、表示パネルと前面板の積層体と仮定して使用したものである。また、スペーサー32の高さは0.10mmとした。
次いで、鉄球36をガラス板33の上方20cmの高さから衝撃吸収シート31の中心位置に対応する部分に落下させて、ガラス板33が割れるか否かを判定した。なお、鉄球36としては、ボールタック試験で用いる25/32(19.84mm)のスチールボールを使用した。ガラス板33が割れない場合には、ガラス板33が割れるまで高さを10cmずつ上げて同様の操作を繰り返し、ガラス板33が割れたときの高さを記録した。同じ操作を3回繰り返してそれぞれ高さを記録し、3回の平均高さをガラス割れ高さとした。評価基準は以下のとおりである。
A:ガラス割れ高さが80cm以上
B:ガラス割れ高さが40cm以上80cm未満
C:ガラス割れ高さが40cm未満
図1に示すように、鉄板30の上に、100mm角の大きさを有し、内部を60mm角で切り抜いた、四角枠状のSUS板からなるスペーサー32を配置し、その内部に30mm角の衝撃吸収シート31を置いた。そして、スペーサー32の上に80mm角のガラス板33を載置させることで、ガラス板33の下面側に衝撃吸収シート31を配置させた。ガラス板33は、その四方をテープ34により鉄板30に固定した。ガラス板33としては、厚み0.55mmのコーニング社製「ゴリラガラス3」を使用した。ガラス板33は、表示パネルと前面板の積層体と仮定して使用したものである。また、スペーサー32の高さは0.10mmとした。
次いで、鉄球36をガラス板33の上方20cmの高さから衝撃吸収シート31の中心位置に対応する部分に落下させて、ガラス板33が割れるか否かを判定した。なお、鉄球36としては、ボールタック試験で用いる25/32(19.84mm)のスチールボールを使用した。ガラス板33が割れない場合には、ガラス板33が割れるまで高さを10cmずつ上げて同様の操作を繰り返し、ガラス板33が割れたときの高さを記録した。同じ操作を3回繰り返してそれぞれ高さを記録し、3回の平均高さをガラス割れ高さとした。評価基準は以下のとおりである。
A:ガラス割れ高さが80cm以上
B:ガラス割れ高さが40cm以上80cm未満
C:ガラス割れ高さが40cm未満
(バッテリー発火評価)
図2に示すように、鉄板30の上に電池容量4000mAh、満充電したバッテリー37を配置する。そのバッテリーの表面に衝撃吸収シート31を配置した。
次いで、鉄球36を衝撃吸収シートの上方20cmの高さから衝撃吸収シートの中心位置に対応する部分に落下させて、バッテリーが発火するか否かを判定した。なお、鉄球としては、ボールタック試験で用いる2“(50.8mm)のスチールボールを使用した。バッテリーが発火しない場合には、バッテリーが発火するまで高さを10cmずつ上げて同様の操作を繰り返し、発火したときの高さを記録した。同じ操作を3回繰り返してそれぞれの高さを記録し、3回の平均高さとした。評価基準は以下のとおりである。
A:バッテリー発火の高さが100cm以上
B:バッテリー発火の高さが50cm以上100cm未満
C:バッテリー発火の高さが50cm未満
図2に示すように、鉄板30の上に電池容量4000mAh、満充電したバッテリー37を配置する。そのバッテリーの表面に衝撃吸収シート31を配置した。
次いで、鉄球36を衝撃吸収シートの上方20cmの高さから衝撃吸収シートの中心位置に対応する部分に落下させて、バッテリーが発火するか否かを判定した。なお、鉄球としては、ボールタック試験で用いる2“(50.8mm)のスチールボールを使用した。バッテリーが発火しない場合には、バッテリーが発火するまで高さを10cmずつ上げて同様の操作を繰り返し、発火したときの高さを記録した。同じ操作を3回繰り返してそれぞれの高さを記録し、3回の平均高さとした。評価基準は以下のとおりである。
A:バッテリー発火の高さが100cm以上
B:バッテリー発火の高さが50cm以上100cm未満
C:バッテリー発火の高さが50cm未満
各実施例、比較例の衝撃吸収シートの製造に用いた材料は以下のとおりである。
<樹脂>
(a)PVB:ポリビニルブチラール樹脂(重合度:800、アセタール化度:69モル%、アセチル基量:1モル%、水酸基量:30モル%、粘度:142mPa・s(溶媒エタノール/トルエン(50:50)混合溶媒)、濃度10質量%、測定方法は明細書本文中に記載)
(b)EVA:エチレン酢酸ビニル共重合体(エバフレックスEV460、三井デュポンポリケミカル株式会社、MFR:15g/10min)
(c)アクリル樹脂:イソブチルメタクリレートの単独重合体(重量平均分子量(Mw):10万、ガラス転移温度(Tg):50℃)
(d)エポキシ樹脂1:FL-079(三菱ケミカル株式会社)
(e)エポキシ樹脂2:E-807(三菱ケミカル株式会社)
<樹脂>
(a)PVB:ポリビニルブチラール樹脂(重合度:800、アセタール化度:69モル%、アセチル基量:1モル%、水酸基量:30モル%、粘度:142mPa・s(溶媒エタノール/トルエン(50:50)混合溶媒)、濃度10質量%、測定方法は明細書本文中に記載)
(b)EVA:エチレン酢酸ビニル共重合体(エバフレックスEV460、三井デュポンポリケミカル株式会社、MFR:15g/10min)
(c)アクリル樹脂:イソブチルメタクリレートの単独重合体(重量平均分子量(Mw):10万、ガラス転移温度(Tg):50℃)
(d)エポキシ樹脂1:FL-079(三菱ケミカル株式会社)
(e)エポキシ樹脂2:E-807(三菱ケミカル株式会社)
<無機粒子>
(f)中空ガラスビーズ1:Sphericel(登録商標)110P8(ポッターズ・バロティーニ株式会社製、平均粒径:12μm、密度:1.10g/cm3、耐圧強度:69MPa)
(g)中空ガラスビーズ2:Q-CEL(登録商標)7040S(ポッターズ・バロティーニ株式会社製、平均粒径:45μm、密度:0.40g/cm3、耐圧強度:13.8MPa)
(h)中空セラミックビーズ:Ceramic Multi Cellular CMC-15L(ポッターズ・バロティーニ株式会社製、平均粒径:40μm、密度:0.25g/cm3、耐圧強度:0.7MPa)
(i)中実ガラスビーズ:EMB-10(ポッターズ・バロティーニ株式会社製、平均粒径:5μm、密度:2.6g/cm3)
(f)中空ガラスビーズ1:Sphericel(登録商標)110P8(ポッターズ・バロティーニ株式会社製、平均粒径:12μm、密度:1.10g/cm3、耐圧強度:69MPa)
(g)中空ガラスビーズ2:Q-CEL(登録商標)7040S(ポッターズ・バロティーニ株式会社製、平均粒径:45μm、密度:0.40g/cm3、耐圧強度:13.8MPa)
(h)中空セラミックビーズ:Ceramic Multi Cellular CMC-15L(ポッターズ・バロティーニ株式会社製、平均粒径:40μm、密度:0.25g/cm3、耐圧強度:0.7MPa)
(i)中実ガラスビーズ:EMB-10(ポッターズ・バロティーニ株式会社製、平均粒径:5μm、密度:2.6g/cm3)
実施例1
ポリビニルブチラール樹脂(PVB)100質量部(固形分)に、無機粒子として中空ガラスビーズ1を100質量部分散させたスラリーを調製した。なお、用いたPVBは、溶媒エタノール/トルエン(50:50)の混合溶媒中で濃度10質量%のものを用いた。
次いで、支持基材である剥離フィルムに、乾燥後の厚みが100μmとなるように該スラリーを塗工し、乾燥後、支持基材から剥離して、衝撃吸収シートを得た。上記評価を行った結果を表1に示す。
ポリビニルブチラール樹脂(PVB)100質量部(固形分)に、無機粒子として中空ガラスビーズ1を100質量部分散させたスラリーを調製した。なお、用いたPVBは、溶媒エタノール/トルエン(50:50)の混合溶媒中で濃度10質量%のものを用いた。
次いで、支持基材である剥離フィルムに、乾燥後の厚みが100μmとなるように該スラリーを塗工し、乾燥後、支持基材から剥離して、衝撃吸収シートを得た。上記評価を行った結果を表1に示す。
実施例2~4
実施例1において、中空ガラスビーズ1に代えて、それぞれ表1に示す無機粒子を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、衝撃吸収シートを得た。評価結果を表1に示す。
実施例1において、中空ガラスビーズ1に代えて、それぞれ表1に示す無機粒子を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、衝撃吸収シートを得た。評価結果を表1に示す。
実施例5及び6
実施例1において、中空ガラスビーズ1の配合量を、それぞれ表1に示すように変えたこと以外は、実施例1と同様にして、衝撃吸収シートを得た。評価結果を表1に示す。
実施例1において、中空ガラスビーズ1の配合量を、それぞれ表1に示すように変えたこと以外は、実施例1と同様にして、衝撃吸収シートを得た。評価結果を表1に示す。
実施例7~9
実施例1において、樹脂の種類をそれぞれ表1に示す樹脂に代えたこと以外は、実施例1と同様にして、衝撃吸収シートを得た。評価結果を表1に示す。
実施例1において、樹脂の種類をそれぞれ表1に示す樹脂に代えたこと以外は、実施例1と同様にして、衝撃吸収シートを得た。評価結果を表1に示す。
比較例1
実施例1において、中空ガラスビーズ1の配合量を10質量部に変えたこと以外は、実施例1と同様にして、衝撃吸収シートを得た。評価結果を表1に示す。
実施例1において、中空ガラスビーズ1の配合量を10質量部に変えたこと以外は、実施例1と同様にして、衝撃吸収シートを得た。評価結果を表1に示す。
比較例2
実施例1において、中空ガラスビーズ1に代えて、炭酸カルシウムを用いたこと以外は、実施例1と同様にしてシートを得た。評価結果を表1に示す。
実施例1において、中空ガラスビーズ1に代えて、炭酸カルシウムを用いたこと以外は、実施例1と同様にしてシートを得た。評価結果を表1に示す。
上記実施例、比較例の結果によれば、本発明の衝撃吸収シートは衝撃吸収率が高く、画面割れ試験、バッテリー発火試験において、良好な結果を示した。一方、中空ガラスビーズの配合量が少ない比較例1では、衝撃吸収率が低く、画面割れ試験及びバッテリー発火試験で不十分な結果しか得られなかった。
30 鉄板
31 衝撃吸収シート
32 スペーサー
33 ガラス板
36 鉄球
37 バッテリー
31 衝撃吸収シート
32 スペーサー
33 ガラス板
36 鉄球
37 バッテリー
Claims (8)
- 樹脂と無機粒子とを含む衝撃吸収層を少なくとも備える衝撃吸収シートであって、前記無機粒子がガラス粒子、中空ガラス粒子、セラミック粒子、及び中空セラミック粒子からなる群から選択される少なくとも1種であり、衝撃吸収率が8%以上であり、厚みが5~300μmである衝撃吸収シート。
- 前記衝撃吸収率が10~50%である請求項1に記載の衝撃吸収シート。
- 前記無機粒子の平均粒径が1~200μmである請求項1又は2に記載の衝撃吸収シート。
- 前記無機粒子が中空粒子である請求項1~3のいずれか1項に記載の衝撃吸収シート。
- 無機粒子の含有量が、樹脂100質量部に対して、20~1000質量部である請求項1~4のいずれか1項に記載の衝撃吸収シート。
- 前記樹脂がポリビニルアセタール樹脂、エチレン酢酸ビニル共重合体樹脂、アクリル樹脂、及びエポキシ樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項1~5のいずれか1項に記載の衝撃吸収シート。
- 前記樹脂がポリビニルアセタール樹脂である請求項6に記載の衝撃吸収シート。
- 前記樹脂がポリビニルブチラールである請求項7に記載の衝撃吸収シート。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2020141216A JP2022036821A (ja) | 2020-08-24 | 2020-08-24 | 衝撃吸収シート |
Applications Claiming Priority (1)
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---|---|---|---|
JP2020141216A JP2022036821A (ja) | 2020-08-24 | 2020-08-24 | 衝撃吸収シート |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2022036821A true JP2022036821A (ja) | 2022-03-08 |
Family
ID=80493819
Family Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2020141216A Pending JP2022036821A (ja) | 2020-08-24 | 2020-08-24 | 衝撃吸収シート |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2022036821A (ja) |
-
2020
- 2020-08-24 JP JP2020141216A patent/JP2022036821A/ja active Pending
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