JP2022034092A - 架橋性樹脂組成物およびそれを用いた硬化物 - Google Patents

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Abstract

【課題】優れた吸水性と成形加工性とを両立し、かつ簡便に吸水性を有する材料を提供することのできる架橋性樹脂組成物およびそれを用いた硬化物の提供。【解決手段】ビニルアルコール単位と式(I)で示される構成単位とを含む変性ビニルアルコール系重合体、およびアニオン性高分子電解質を含む、架橋性樹脂組成物。TIFF2022034092000007.tif61134【選択図】なし

Description

本発明は、架橋性樹脂組成物およびそれを用いた硬化物に関し、より詳細には、優れた吸水性を有する材料を提供することのできる架橋性樹脂組成物およびそれを用いた硬化物に関する。
ポリビニルアルコールやポリ(メタ)アクリル酸などの水溶性ポリマーに架橋構造を導入した架橋ポリマーは、水に不溶であるが、高度に水を保持することが可能な吸水性ポリマーである。
吸水性ポリマーは、紙おむつ、農業資材、地盤改良材、コンタクトレンズなどの広範な製品を構成する材料として使用されている。これらの製品において、吸水性ポリマーは、十分な吸水性を有するとともに所望の形態に成形可能であるという性質を兼ね備えていることが必要とされる。
吸水性ポリマーのうち、ポリ(メタ)アクリル酸などのアニオン性電解質ポリマーの架橋体は、極めて高い吸水性を発現するものの、硬くて脆く、成形加工性に劣る点が指摘されている。一方、ポリビニルアルコールなどの非電解質ポリマーは、柔軟性および靭性に富み、造膜性が良好であることから、フィルムや繊維などに成形可能であるが、電解質ポリマーに比べて吸水性に劣る点が指摘されている。すなわち、電解質ポリマーと非電解質ポリマーのそれぞれ単独では、高い吸水性と高い成形加工性を両立することは困難であった。
上記両立を図るために、ポリビニルアルコールのような非電解質ポリマーと、ポリ(メタ)アクリル酸のような電解質ポリマーとを複合化させることが試みられている。例えば、特許文献1は、ポリビニルアルコールとポリアクリル酸との混合水溶液に水溶性過酸化物であるラジカル開始剤を添加し、加熱および乾燥を通じて架橋させた、被覆、フィルム、繊維等の所定形状に成形された架橋体を開示している。特許文献2は、ポリビニルアルコールとポリ(メタ)アクリル酸との混合水溶液に、電子線、γ線などの放射線を照射することで架橋させた、含水ゲルを開示している。特許文献3では、ポリビニルアルコールとポリ(メタ)アクリル酸との混合水溶液を凍結融解させて架橋させた、含水ゲルを開示している。
特開平1-92226号公報 特開2018-9096号公報 特開平5-230313号公報
しかし、特許文献1および2に記載されるような過酸化物や放射線による架橋では、ポリマーの主鎖切断が併発することにより、架橋物の物性が著しく低下することが指摘されている。また、ポリマー主鎖がランダムに架橋されるため、架橋密度や架橋点の制御が極めて困難である。他方、特許文献3に記載の凍結融解による架橋は、主鎖切断などの懸念はなくなるものの、凍結工程および融解工程に要するエネルギーおよび時間が膨大となり、工業的には実施が困難である。また、凍結融解により得られたゲルは物理架橋ゲルであり、高温条件下での耐水性が極めて乏しいという点も指摘されている。
本発明は、上記問題の解決を課題とするものであり、その目的とするところは、優れた吸水性と成形加工性とを両立し、かつより簡便に当該吸水性を有する材料を提供することのできる架橋性樹脂組成物およびそれを用いた硬化物を提供することにある。
本発明は、ビニルアルコール単位と下記式(I)で示される構成単位とを含む変性ビニルアルコール系重合体、およびアニオン性高分子電解質を含む、架橋性樹脂組成物:
Figure 2022034092000001
(式(I)中、Xは炭素-炭素結合、または分岐していてもよい炭素数1~10の2価の飽和炭化水素基であり、Yは水素原子、または分岐していてもよい炭素数1~6の2価の飽和炭化水素基であり、Zは水素原子またはメチル基である)である。
1つの実施形態では、式(I)におけるYは水素原子である。
1つの実施形態では、式(I)におけるXは炭素-炭素結合である。
1つの実施形態では、変性ビニルアルコール系重合体は、式(I)で示される構成単位を0.01~3モル%の割合で含有する。
1つの実施形態では、アニオン性高分子電解質は、側鎖にカルボン酸基またはその塩、およびスルホン酸基またはその塩からなる群から選択される少なくとも1つの基を有する高分子である。
1つの実施形態では、アニオン性高分子電解質はポリ(メタ)アクリル酸である。
1つの実施形態では、本発明の架橋性樹脂組成物はさらに架橋剤を含有する。
本発明はまた、上記架橋性樹脂組成物の架橋体を含む、硬化物である。
1つの実施形態では、硬化物の吸水倍率が5倍以上である。
1つの実施形態では、硬化物の溶出率が40%以下である。
本発明はまた、硬化物の製造方法であって、上記架橋性樹脂組成物に活性エネルギー線を照射することにより架橋性樹脂組成物を架橋する工程を包含する、方法である。
本発明はまた、硬化物の製造方法であって、上記架橋性樹脂組成物を加熱することにより架橋性組成物を架橋する工程を包含する、方法である。
本発明はまた、上記硬化物を含む吸水性製品である。
本発明によれば、複雑な架橋操作を要することなく、エネルギー線や架橋剤を用いて容易に架橋かつ耐水化された硬化物を得ることができる。また、本発明によれば、この架橋に際し架橋密度の制御も容易であり、得られる硬化物の物性(例えば、吸水性および耐水性)を向上させるとともに当該物性を任意に制御することができる。
以下、本発明について詳述する。
(架橋性樹脂組成物)
本発明の架橋性樹脂組成物は、変性ビニルアルコール系重合体およびアニオン性高分子電解質を含む。本発明の架橋性樹脂組成物は、後述する架橋剤やUV光の照射のような活性エネルギー線の付与によって架橋可能であり、硬化物を生成し得る性質を有する組成物である。
(変性ビニルアルコール系重合体)
変性ビニルアルコール系重合体は、ビニルアルコール単位と下記式(I)で示される構成単位を含む。
Figure 2022034092000002
式(I)中に存在する側鎖オレフィンは反応性に富み、所定の架橋剤の存在下やエネルギー線の付与することによって容易に架橋可能である。これにより、変性ビニルアルコール系重合体は、架橋による耐水性やゲルの生成が可能であるという性質を有する。
上記式(I)において、Xは炭素-炭素結合、または分岐していてもよい炭素数1~10の2価の飽和炭化水素基である。変性ビニルアルコール系重合体自体に適切な水溶性を付与することができる点から、Xは、炭素-炭素結合、または分岐していてもよい炭素数1~6の2価の飽和炭化水素基であることが好ましく、炭素-炭素結合、または分岐していてもよい炭素数1~4の2価の飽和炭化水素基であることがより好ましく、炭素-炭素結合であることが最も好ましい。2価の飽和炭化水素基としては、アルキレン基およびシクロアルキレン基からなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましい。すなわち、例えば、上記分岐していてもよい炭素数1~10の2価の飽和炭化水素基は、分岐または直鎖の炭素数1~10を有するアルキレン基およびシクロアルキレン基からなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましい。アルキレン基としては、例えばメチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、ヘキシレン基、へプチレン基、オクチレン基、ノニレン基等が挙げられる。これらアルキレン基は、メチル基、エチル基等のアルキル基を分岐構造として有していてもよい。シクロアルキレン基としては、例えばシクロプロピレン基、シクロブチレン基、シクロペンチレン基、シクロヘキシレン基、シクロヘプチレン基、シクロオクチレン基、シクロノニレン基等が挙げられる。これらシクロアルキレン基は、メチル基、エチル基等のアルキル基を分岐構造として有していてもよい。
分岐していてもよい炭素数1~10のアルキレン基としては、例えばメチレン基、エチレン基、1-メチルエチレン基、2-メチルエチレン基、1,1-ジメチルエチレン基、1,2-ジメチルエチレン基、2,2-ジメチルエチレン基、1-エチルエチレン基、2-エチルエチレン基、プロピレン基、1-メチルプロピレン基、2-メチルプロピレン基、3-メチルプロピレン基、1,1-ジメチルプロピレン基、1,2-ジメチルプロピレン基、2,2-ジメチルプロピレン基、1,3-ジメチルプロピレン基、ブチレン基、1-メチルブチレン基、2-メチルブチレン基、3-メチルブチレン基、4-メチルブチレン基、1,1-ジメチルブチレン基、2,2-ジメチルブチレン基、3,3-ジメチルブチレン基、4,4-ジメチルブチレン基、1,2-ジメチルブチレン基、1,3-ジメチルブチレン基、1,4-ジメチルブチレン基、2,3-ジメチルブチレン基、2,4-ジメチルブチレン基、3,4-ジメチルブチレン基、1-エチルブチレン基、2-エチルブチレン基、3-エチルブチレン基、4-エチルブチレン基、1,1-ジエチルブチレン基、2,2-ジエチルブチレン基、ペンチレン基、1-メチルペンチレン基、2-メチルペンチレン基、3-メチルペンチレン基、4-メチルペンチレン基、5-メチルペンチレン基、ヘキシレン基等が挙げられる。
上記式(I)において、Yは水素原子、または分岐していてもよい炭素数1~6の飽和炭化水素基である。変性ビニルアルコール系重合体自体に適切な水溶性および反応性を付与することができる点から、Yは水素原子または分岐していてもよい炭素数1~5の飽和炭化水素基であることが好ましく、水素原子または分岐していてもよい炭素数1~2の飽和炭化水素基であることがより好ましく、水素原子であることがさらに好ましい。飽和炭化水素基としては、アルキル基およびシクロアルキル基からなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましい。アルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、s-ブチル基、t-ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基等が挙げられる。中でも、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、s-ブチル基、t-ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基およびネオペンチル基から選択される少なくとも1種のアルキル基が好適に用いられ、メチル基およびエチル基からなる群から選択される少なくとも1種のアルキル基が好適に用いられる。シクロアルキル基としては、例えばシクロプロピル基、シクロブチル基、およびシクロヘキシル基等が挙げられる。中でも、シクロプロピル基、シクロブチル基、およびシクロペンチル基からなる群から選択される少なくとも1種のシクロアルキル基が好適に用いられる。
上記式(I)において、Zは水素原子またはメチル基である。変性ビニルアルコール系重合体自体に適切な水溶性を付与することができる点から、Zは水素原子であることが好ましい。
変性ビニルアルコール系重合体における式(I)の構成単位の含有量は、当該重合体の全構成単位を100モル%とした場合、好ましくは0.01モル%以上であり、好ましくは0.05モル%以上であり、より好ましくは0.1モル%以上であり、さらに好ましくは0.3モル%以上である。また、式(I)の構成単位の含有量は、当該重合体の全構成単位を100モル%とした場合、好ましくは3モル%以下であり、好ましくは2.5モル%以下であり、より好ましくは2モル%以下であり、さらに好ましくは1.5モル%以下である。上記式(I)の構成単位の含有量がこれらの範囲内にある場合、所定の架橋剤の存在下や活性エネルギー線の付与によって架橋された硬化物の耐水性が発現し易い。一方、上記式(I)の構成単位の含有量が0.01モル%未満であると、式(I)の構成単位によるビニルアルコール系重合体の変性の効果が十分発揮されないことがある。上記式(I)の構成単位の含有量が3モル%を上回ると、式(I)の構成単位によるビニルアルコール系重合体の結晶性が低下し始めて硬化物の耐水性が低下し、疎水化されることにより水溶性も悪化するおそれがある。変性ポリビニルアルコール系重合体は、式(I)で表される構成単位を1種またはそれ以上含んでいてもよい。この構成単位を2種以上含む場合、これら2種以上の構成単位の含有量の合計が上記範囲を満足していることが好ましい。なお、本明細書中で用いられる用語「構成単位」とは、重合体を構成する繰り返し単位を指して言う。例えば、後述のビニルアルコール単位およびビニルエステル単位も構成単位である。
変性ビニルアルコール系重合体におけるビニルアルコール単位の含有量は特に限定されないが、水に対して適切な溶解性を付与することができる点から、重合体中の全構成単位を100モル%とした場合、好ましくは50モル%以上であり、より好ましくは70モル%以上であり、さらに好ましくは75モル%以上であり、さらにより好ましくは80モル%以上である。また、当該ビニルアルコール単位の含有量は、重合体中の全構成単位を100モル%とした場合、好ましくは99.99モル%以下であり、より好ましくは99.90モル%以下である。
ビニルアルコール単位は、加水分解や加アルコール分解などによってビニルエステル単位から誘導することができる。そのためビニルエステル単位からビニルアルコール単位に変換する際の条件等によっては、変性ビニルアルコール系重合体中にビニルエステル単位が残存することがある。よって、変性ビニルアルコール系重合体は、上記式(I)で表される構成単位以外のビニルエステル単位を含んでいてもよい。
上記ビニルエステル単位のビニルエステルの例としては、ギ酸ビニル、酢酸ビニル、プリロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、イソ酪酸ビニル、ピバリン酸ビニル、バーサチック酸ビニル、カプロン酸ビニル、カプリル酸ビニル、ラウリル酸ビニル、パルミチン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、オレイン酸ビニル、安息香酸ビニルなどが挙げられる。中でも酢酸ビニルが工業的観点から好ましい。
変性ビニルアルコール系重合体は、本発明の効果が得られる限り、式(I)で表される構成単位、ビニルアルコール単位およびビニルエステル単位以外の構成単位をさらに含んでいてもよい。当該構成単位は、例えば、ビニルエステルと共重合可能であり、かつ式(I)で表される構成単位に変換可能な不飽和単量体や、ビニルエステルと共重合可能なエチレン性不飽和単量体等に由来する構成単位である。エチレン性不飽和単量体は、例えばエチレン、プロピレン、n-ブテン、イソブチレン、1-ヘキセンなどのα-オレフィン類;アクリル酸およびその塩;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n-プロピル、アクリル酸i-プロピル、アクリル酸n-ブチル、アクリル酸i-ブチル、アクリル酸t-ブチル、アクリル酸2-エチルヘキシル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸オクタデシルなどのアクリル酸エステル類;メタクリル酸およびその塩;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n-プロピル、メタクリル酸i-プロピル、メタクリル酸n-ブチル、メタクリル酸i-ブチル、メタクリル酸t-ブチル、メタクリル酸2-エチルヘキシル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸オクタデシルなどのメタクリル酸エステル類;アクリルアミド、N-メチルアクリルアミド、N-エチルアクリルアミド、N,N-ジメチルアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、アクリルアミドプロパンスルホン酸およびその塩、アクリルアミドプロピルジメチルアミンおよびその塩(例えば4級塩);メタクリルアミド、N-メチルメタクリルアミド、N-エチルメタクリルアミド、メタクリルアミドプロパンスルホン酸およびその塩、メタクリルアミドプロピルジメチルアミンおよびその塩(例えば4級塩);メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、n-プロピルビニルエーテル、i-プロピルビニルエーテル、n-ブチルビニルエーテル、i-ブチルビニルエーテル、t-ブチルビニルエーテル、ドデシルビニルエーテル、ステアリルビニルエーテル、2,3-ジアセトキシ-1-ビニルオキシプロパンなどのビニルエーテル類;アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどのシアン化ビニル類;塩化ビニル、フッ化ビニルなどのハロゲン化ビニル類;塩化ビニリデン、フッ化ビニリデンなどのハロゲン化ビニリデン類;酢酸アリル、2,3-ジアセトキシ-1-アリルオキシプロパン、塩化アリルなどのアリル化合物;マレイン酸、イタコン酸、フマル酸などの不飽和ジカルボン酸およびその塩またはそのエステル;ビニルトリメトキシシランなどのビニルシリル化合物;酢酸イソプロペニル等である。
変性ビニルアルコール系重合体における式(I)で表される構成単位、ビニルアルコール単位、およびその他の任意の構成単位の配列順序に特に制限はなく、変性ポリビニルアルコール系重合体は、ランダム共重合体、ブロック共重合体、交互共重合体などのいずれであってもよい。
変性ビニルアルコール系重合体は、JIS K6726に準拠した所定の粘度平均重合度を有していることが好ましい。JIS K6726に準拠した変性ビニルアルコール系重合体の粘度平均重合度は、好ましくは100~5,000であり、より好ましくは200~4,000である。粘度平均重合度が100未満であると、フィルムに成形した場合に当該フィルムの機械的強度が低下することがある。粘度平均重合度が5,000を越えると、変性ビニルアルコール系重合体の工業的生産が困難となるおそれがある。
変性ビニルアルコール系重合体の製造方法は特に限定されないが、例えばビニルアルコール系重合体と以下の式(II)で表されるエステル化合物(以下、エステル化合物(II)と称する)とをエステル交換反応させる方法が簡便である。
Figure 2022034092000003
上記式(II)において、X、YおよびZは上記式(I)で定義したものと同様であり、Rは炭素数1~5の飽和炭化水素基である。この方法では、ビニルアルコール系重合体と、エステル化合物(II)とを、エステル交換反応触媒とともに混合することにより、ビニルアルコール系重合体のビニルアルコール単位と、エステル化合物(II)とをエステル交換させる方法が好ましい実施形態として採用され得る。その際、エステル化合物(II)より、ROH(Rは上記式(II)で定義したものと同様である)で表されるアルコールが脱離するが、当該アルコールを反応系外に除去することで、ビニルアルコール系重合体とエステル化合物(II)との反応が促進される。このような観点から、ROHで表されるアルコールは低沸点の化合物であることが好ましく、Rの炭素数は1~5であり、1~3であることが好ましく、1であることがより好ましい。飽和炭化水素基としては、アルキル基およびシクロアルキル基からなる群から選択される少なくとも1種が好適である。アルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、s-ブチル基、t-ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基等が挙げられる。中でも、メチル基、エチル基、プロピル基およびイソプロピル基からなる群から選択される少なくとも1種のアルキル基が好適に用いられ、メチル基がより好適に用いられる。シクロアルキル基としては、例えばシクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基等が挙げられる。中でも、シクロプロピル基、シクロブチル基およびシクロペンチル基からなる群から選択される少なくとも1種のシクロアルキル基が好適に用いられる。なお、式(II)におけるX、YおよびZは、上記式(I)において例示したものが各々好適に用いられる。
エステル化合物(II)としては、例えばメタクリル酸メチル、アクリル酸メチル、クロトン酸メチル、3-メチル-3-ブテン酸メチル、4-ペンテン酸メチル、2-メチル-4-ペンテン酸メチル、5-ヘキセン酸メチル、3,3-ジメチル-4-ペンテン酸メチル、7-オクテン酸メチル、trans-3-ペンテン酸メチル、trans-4-ペンテン酸メチル、3-メチル-3-ブテン酸エチル、4-ペンテン酸エチル、2-メチル-4-ペンテン酸エチル、5-ヘキセン酸エチル、3,3-ジメチル-4-ペンテン酸エチル、7-オクテン酸エチル、trans-3-デセン酸エチル、trans-4-デセン酸エチルなどが挙げられる。中でも、エステル交換反応が容易に進行するとの理由から、メタクリル酸メチル、アクリル酸メチル、4-ペンテン酸メチル、2-メチル-4-ペンテン酸メチル、5-ヘキセン酸メチル、3,3-ジメチル-4-ペンテン酸メチル、7-オクテン酸メチル、trans-3-ペンテン酸メチルおよびtrans-4-ペンテン酸メチルからなる群から選択される少なくとも1種が好ましく、水溶性およびエネルギーに対する反応性に優れ、適切な水溶性を有する変性ポリビニルアルコール系重合体を得ることができる点から、メタクリル酸メチル、アクリル酸メチル、4-ペンテン酸メチル、2-メチル-4-ペンテン酸メチル、5-ヘキセン酸メチル、および3,3-ジメチル-4-ペンテン酸メチルからなる群から選択される少なくとも1種がより好ましく、メタクリル酸メチル、アクリル酸メチル、3,3-ジメチル-4-ペンテン酸メチルが最も好ましい。なお、上記エステル交換反応においては、これらのエステル化合物を2種以上組み合わせて用いてもよい。
エステル交換反応触媒は特に限定されず、例えば塩酸、硫酸、硝酸、リン酸などの無機酸;酢酸、プロピオン酸、フタル酸、安息香酸などの有機カルボン酸類;メチルスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸などの有機スルホン酸類;リン酸ジエチル、リン酸フェニルなどの有機リン酸類;水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化マグネシウムなどのアルカリ金属またはアルカリ土類金属の水酸化物;炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カルシウムなどのアルカリ金属またはアルカリ土類金属の炭酸塩および炭酸水素塩;リン酸三リチウム、リン酸二水素カリウム、ピロリン酸ナトリウム、メタリン酸カルシウムなどのアルカリ金属またはアルカリ土類金属のリン酸塩およびリン酸水素塩;メタホウ酸カリウム、四ホウ酸ナトリウム、オルトホウ酸マグネシウムなどのアルカリ金属またはアルカリ土類金属のホウ酸塩;酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、安息香酸ナトリウム、酢酸マグネシウムなどのアルカリ金属またはアルカリ土類金属のカルボン酸塩;リチウムエトキシド、ナトリウムメトキシド、カリウムメトキシド、マグネシウムメトキシド、ナトリウムフェノキシドなどのアルカリ金属またはアルカリ土類金属のアルコキシド化合物またはフェノキシド化合物;酸化カルシウムなどのアルカリ金属またはアルカリ土類金属の酸化物;アンモニア;水酸化アンモニウム、水酸化テトラメチルアンモニウム、水酸化テトラエチルアンモニウム、水酸化テトラブチルアンモニウム、炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム、テトラメチルアンモニウムメチルカーボネート、テトラメチルアンモニウムエチルカーボネート、メチルトリエチルアンモニウムメチルカーボネート、メチルトリn-ブチルアンモニウムメチルカーボネート、メチルトリn-オクチルメチルカーボネートなどのアンモニウム塩;水酸化テトラフェニルホスホニウム、水酸化テトラメチルホスホニウム、テトラメチルホスホニウムメチルカーボネート、メチルトリn-ブチルホスホニウムエチルカーボネート、メチルトリn-オクチルホスホニウムメチルカーボネートなどのホスホニウム塩;n-ブチルアミン、ベンジルアミン、アニリン、エチレンジアミンなどの一級アミン;ジエチルアミン、メチルエチルアミン、ピロリジン、N-メチルトルイジンなどの二級アミン;トリエチルアミン、トリn-ブチルアミン、N-メチル-N-エチルアニリン、1,4-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]-7-ウンデセンなどの三級アミン;ピリジン、ピコリン、キノリン、イミダゾール、ピリミジン、N,N-ジメチルアミノピリジンなどの含窒素芳香族複素環式化合物;塩化カドミウム、酸化カドミウム、酢酸カドミウムなどのカドミウム系化合物;塩化錫、酸化錫、酢酸錫、オクタン酸錫、トリブチル錫、アセチルアセトン錫(IV)クロリドなどの錫系化合物;塩化鉛、酸化鉛、炭酸鉛、四酢酸鉛などの鉛系化合物;塩化アルミニウム、酸化アルミニウム、酢酸アルミニウム、アルミニウムアルコキシドなどのアルミニウム系化合物;塩化亜鉛、臭化亜鉛、ヨウ化亜鉛、酸化亜鉛、酢酸亜鉛、トリフルオロ酢酸亜鉛、ステアリン酸亜鉛、硝酸亜鉛、炭酸亜鉛、硫酸亜鉛、アセチルアセトン亜鉛(II)、トリフルオロメタンスルホン酸亜鉛(II)、亜鉛2-テトラフルオロボラート、オキソ[ヘキサ(トリフルオロアセタト)]テトラ亜鉛などの亜鉛系化合物;塩化ビスマス、酸化ビスマス、酢酸ビスマスなどのビスマス系化合物;塩化鉄、酸化鉄、酢酸鉄、アセチルアセトン鉄(III)、N,N’-ビス(サリチリデン)エチレンジアミン鉄(II)などの鉄系化合物;塩化コバルト、酸化コバルト、酢酸コバルト、ステアリン酸コバルト、アセチルアセトンコバルト(II)などのコバルト系化合物;塩化銅、臭化銅、ヨウ化銅、酸化銅、酢酸銅、アセチルアセトン銅(II)などの銅系化合物;塩化クロム、酸化クロム、酢酸クロム、アセチルアセトンクロム(III)などのクロム系化合物;塩化モリブデン、酸化モリブデン、酢酸モリブデン、アセチルアセトンモリブデン(VI)ジオキシドなどのモリブデン系化合物;塩化マンガン、酸化マンガン、酢酸マンガン、アセチルアセトンマンガン(II)などのマンガン系化合物;塩化チタン、酸化チタン、酢酸チタン、アルコキシチタン、乳酸チタン、アセチルアセトンチタン(VI)オキシドなどのチタン系化合物;塩化ジルコニウム、酸化ジルコニウム、酢酸ジルコニウム、アセチルアセトンジルコニウム(IV)などのジルコニウム系化合物;塩化ハフニウム、酸化ハフニウム、トリフルオロメタンスルホン酸ハフニウム(IV)などのハフニウム系化合物;塩化ランタン、酸化ランタン、酢酸ランタン、硝酸ランタン、ランタンアルコキシド、アセチルアセトンランタン(III)、トリフルオロメタンスルホン酸ランタン(III)などのランタン系化合物;塩化ゲルマニウム、酸化ゲルマニウムなどのゲルマニウム系化合物;リパーゼなどの酵素;などが好適に用いられる。中でも、反応性や得られる変性ポリビニルアルコール系重合体の色相の観点から、無機酸、有機カルボン酸、有機スルホン酸、有機リン酸、アルカリ金属またはアルカリ土類金属の水酸化物、アルカリ金属またはアルカリ土類金属の炭酸塩および炭酸水素塩、アルカリ金属またはアルカリ土類金属のリン酸塩およびリン酸水素塩、アルカリ金属またはアルカリ土類金属のカルボン酸塩、アルカリ金属またはアルカリ土類金属のアルコキシド系化合物またはフェノキシド化合物、アンモニウム塩類、ホスホニウム塩類、アルミニウム系化合物、亜鉛系化合物、ビスマス系化合物、チタン系化合物、ジルコニウム系化合物、ランタン系化合物がより好ましく、無機酸、有機カルボン酸、有機スルホン酸、アルカリ金属またはアルカリ土類金属の水酸化物、アルカリ金属またはアルカリ土類金属の炭酸塩および炭酸水素塩、アルカリ金属またはアルカリ土類金属のカルボン酸塩、アルカリ金属またはアルカリ土類金属のアルコキシド化合物、アンモニウム塩類、亜鉛系化合物、チタン系化合物、ジルコニウム系化合物、ランタン系化合物がさらに好ましく、アルカリ金属またはアルカリ土類金属のカルボン酸塩、アンモニウム塩類、亜鉛系化合物がさらにより好ましい。
エステル交換反応触媒の添加量は特に限定されないが、ビニルアルコール系重合体100質量部に対して、好ましくは0.01質量部~30質量部である。エステル交換反応触媒の添加量が0.01質量部未満であると、反応率が低下するおそれがある。エステル交換反応触媒の添加量が30質量部を上回ると、触媒残渣の除去が困難となり、得られる変性ビニルアルコール系重合体の色相や熱安定性が低下するおそれがある。
エステル化合物(II)の添加量は特に限定されず、ビニルアルコール系重合体100質量部に対して、好ましくは0.1質量部~1000質量部、より好ましくは5質量部~500質量部である。当該添加量が0.1質量部未満であると、反応率が低下するおそれがある。当該添加量が1000質量部を上回ると、反応後に残存するエステル化合物の除去が困難となるおそれがある。
エステル交換反応は、ビニルアルコール系重合体、エステル化合物(II)およびエステル交換反応触媒が混合された状態で行われればよく、例えば、溶融されたビニルアルコール系重合体に、エステル化合物(II)およびエステル交換反応触媒を混合して反応させる方法;エステル化合物(II)とエステル交換反応触媒とを溶解し、かつビニルアルコール系重合体が溶解しない溶媒中で、スラリー状態で反応させる方法;ビニルアルコール系重合体、エステル化合物(II)およびエステル交換反応触媒が全て均一に溶解した溶液状態で反応させる方法;などが挙げられる。これらの方法は、反応性や得られる変性ビニルアルコール系重合体の単離性などを考慮下上で、当業者によって適宜選択され得る。
エステル交換反応をスラリー状態または均一溶液状態で行う場合、反応時のビニルアルコール系重合体の濃度は特に限定されないが、好ましくは1質量%~50質量%であり、より好ましくは2質量%~40質量%であり、さらに好ましくは3質量%~30質量%である。当該濃度が1質量%未満であると、希薄すぎて反応速度を低下させるおそれがある、当該濃度が50質量%を上回ると、反応系内で撹拌不良を引き起こすおそれがある。
エステル交換反応に用いられる溶媒は特に限定されないが、例えば水;メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールなどのアルコール類;n-ヘキサン、n-ペンタン、シクロヘキサンなどの脂肪族または脂環式炭化水素類;ベンゼン、トルエンなどの芳香族炭化水素類;クロロホルム、クロロベンゼン、ジクロロベンゼンなどの脂肪族または芳香族ハロゲン化物;アセトニトリル、ベンゾニトリルなどのニトリル類;ジエチルエーテル、ジフェニルエーテル、アニソール、1,2-ジメトキシエタン、1,4-ジオキサンなどのエーテル類;アセトン、メチルイソプロピルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン類;酢酸エチル、プロピオン酸エチルなどのエステル類;N-メチル-2-ピロリドンなどのN-アルキルラクタム類;N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミドなどのN,N-ジアルキルアミド類;ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド類;スルホランなどのスルホラン類;などが挙げられる。中でも、ニトリル類、エーテル類、ケトン類、エステル類、N-アルキルラクタム類、N,N-ジアルキルアミド類、スルホキシド類、スルホラン類などの非プロトン性極性溶媒が好ましく、N-アルキルラクタム類、N,N-ジアルキルアミド類、スルホキシド類がより好ましい。
エステル交換反応における反応温度は特に限定されないが、エステル化合物(II)から脱離したアルコールを適切に反応系外に除去するために、当該アルコールの沸点以上であることが望ましい。このような観点から、20℃~200℃が好ましく、30℃~180℃がより好ましく、40℃~170℃がさらに好ましく、50℃~150℃がさらにより好ましい。エステ化合物から脱離したアルコールの沸点を下げるため、必要に応じて反応系を減圧してもよい。反応系内の圧力は好ましくは5kPa~99kPa、より好ましくは8kPa~97kPa、さらに好ましくは10kPa~95kPaである。
(アニオン性高分子電解質)
アニオン性高分子電解質は、天然または合成された高分子であって、例えば、側鎖に所定の官能基を有する熱可塑性樹脂、多糖類、ポリペプチド、およびそれらの塩である。アニオン性高分子電解質に含まれていてもよい官能基としては、例えば、カルボン酸基またはその塩(カルボン酸塩基)、およびスルホン酸またはその塩(スルホン酸塩基)、ならびにそれらの組み合わせが挙げられる。
アニオン性高分子電解質としては、例えばポリ(メタ)アクリル酸、ポリスチレンスルホン酸、マレイン酸系共重合体、イタコン酸系共重合体、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸共重合体などの熱可塑性樹脂;カルボキシメチルセルロース、デキストラン硫酸ナトリウム、アルギン酸、ヒアルロン酸、ヘパリン、ヘパラン硫酸、コンドロイチン硫酸、セロウロン酸などの多糖類;ポリアスパラギン酸、ポリグルタミン酸、セロウロン酸などのポリペプチド;およびそれらの塩;ならびにそれらの組み合わせが挙げられる。上記変性ビニルアルコール系重合体とともに高度な耐水化が可能であることから、ポリ(メタ)アクリル酸が好ましい。
本発明の架橋樹脂組成物において、上記変性ビニルアルコール系重合体とアニオン性高分子電解質との混合比は特に限定されないが、質量を基準として、好ましくは1/99~99/1、より好ましくは10/90~90/10、さらに好ましくは20/80~80/20である。変性ビニルアルコール系重合体およびアニオン性高分子電解質がこのような範囲の質量比で含有されていることにより、得られる樹脂組成物は、複雑な架橋操作を要することなく、所定の架橋剤の存在下や活性エネルギー線の付与によって容易に架橋構造を形成することができる。
(架橋剤)
本発明の架橋性樹脂組成物は、当該分野において公知の架橋剤を含有していてもよい。架橋剤としては、好ましくは1分子内に2つまたはそれ以上のチオール基を有する化合物、1分子内に2つまたはそれ以上のアミノ基を有する化合物等が挙げられる。1分子内に2つまたはそれ以上のチオール基を有する化合物としては、例えば1,2-エタンジチオール、1,3-プロパンジチオール、1,4-ブタンジチオール、2,3-ブタンジチオール、1,5-ペンタンジチオール、1,6-ヘキサンジチオール、1,10-デカンジチオール、2,3-ジヒドロキシ-1,4-ブタンジチオール、エチレンビス(チオグリコラート)、エチレングリコールビス(3-メルカプトプロピオナート)、1,4-ブタンジオールビス(チオグリコラート)、2,2’-チオジエタンチオール、3,6-ジオキサ-1,8-オクタンジチオール(DODT)、3,7-ジチア-1,9-ノナンジチオール、1,4-ベンゼンジチオール、トリメチロールプロパントリス(3-メルカプトプロピオナート)、トリメチロールプロパントリス(チオグリコラート)、ペンタエリトリトールテトラキス(メルカプトアセタート)、ジペンタエリトリトールヘキサキス(3-メルカプトプロピオナート)、チオコール(東レ・ファインケミカル(株)製)等が挙げられる。1分子内に2つまたはそれ以上のアミノ基を有する化合物としては、例えばエチレンジアミン、1,2-ジアミノプロパン、1,3-ジアミノプロパン、2,2-ジメチル-1,3-プロパンジアミン、1,2-ジアミノ-2-メチルプロパン、2-メチル-1,3-プロパンジアミン、1,2-ジアミノブタン、1,4-ジアミノブタン、1,3-ジアミノペンタン、1,5-ジアミノペンタン、1,6-ジアミノヘキサン、2-メチル-1,5-ジアミノペンタン、1,7-ジアミノヘプタン、1,8-ジアミノオクタン、1,9-ジアミノノナン、1-メチル-1,8-ジアミノオクタン、1,10-ジアミノデカン、1,11-ジアミノウンデカン、1,12-ジアミノドデカン、ビス(3-アミノプロピル)エーテル、1,2-ビス(3-アミノプロポキシ)エタン、1,3-ビス(3-アミノプロポキシ)-2,2-ジメチルプロパン、2,2’-オキシビス(エチルアミン)、1,3-ジアミノ-2-プロパノール、α,ω-ビス(3-アミノプロピル)ポリエチレングリコールエーテル、1,2-ジアミノシクロヘキサン、1,3-ジアミノシクロヘキサン、1,4-ジアミノシクロヘキサン、1,3-ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,4-ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、4-(2-アミノエチル)シクロヘキシルアミン、イソホロンジアミン、1,4-フェニレンジアミン等が挙げられる。
架橋剤の含有量は、特に限定されないが、例えば、上記変性ビニルアルコール系重合体100質量部に対して、好ましくは0.1質量部~20質量部、より好ましくは0.5質量部~10質量部である。架橋剤の含有量が0.1質量部未満であると、樹脂組成物内で架橋構造が十分に形成されず、得られる硬化物について満足すべき耐水化が達成されないおそれがある。架橋剤の含有量が20質量部を上回ると、得られる硬化物内の架橋がそれ以上進まず、むしろ生産性を欠くおそれがある。
(光重合開始剤)
あるいは、本発明の架橋性樹脂組成物は、上記架橋剤の代わりに当該分野において公知の光重合開始剤を含有していてもよい。光重合開始剤としては、特に限定されないが、例えば2-ヒドロキシ-4'-(2-ヒドロキシエトキシ)-2-メチルプロピオフェノンなどのプロピオフェノン系化合物;4’-フェノキシ-2,2-ジクロロアセトフェノン、4’-t-ブチル-2,2,2-トリクロロアセトフェノン、2,2-ジエトキシアセトフェノン、2-ヒドロキシ-2-メチルプロピオフェノン、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-(4’-ドデシルフェニル)-1-プロパノン、1-[4’-(2-ヒドロキシエトキシ)フェニル]-2-ヒドロキシ-2-メチル-1-プロパノン、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2-メチル-4’-メチルチオ-2-モルホリノプロピオフェノンなどのアセトフェノン系化合物;ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインブチルエーテル、ベンジルジメチルケタールなどのベンゾイン系化合物;ベンゾフェノン、o-ベンゾイル安息香酸メチル、4-フェニルベンゾフェノン、2-クロロベンゾフェノン、2,2’-ジクロロベンゾフェノン、4-ヒドロキシベンゾフェノン、4,4’-ジヒドロキシベンゾフェノン、4-ベンゾイル-4’-メチル-ジフェニルスルフィド、3,3’-ジメチル-4-メトキシベンゾフェノン、ミヒラーケトン[4,4’-ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン]、4,4’-ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノンなどのベンゾフェノン系化合物;2-クロロチオキサントン、2-メチルチオキサントン、2-イソプロピルチオキサントン、2,4-ジクロロチオキサントン、2,4-ジエチルチオキサントン、2,4-ジイソプロピルチオキサントンなどのチオキサントン系化合物;9,10-フェナントレンキノン、カンファーキノン(2,3-ボルナンジオン)、2-エチルアントラキノンなどのキノン系化合物;2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド;ベンジルなどが挙げられる。
光重合開始剤は、特に限定されないが、例えば、上記変性ビニルアルコール系重合体100質量部に対して、好ましくは0.1質量部~10質量部、より好ましくは0.2質量部~5質量部である。光重合開始剤の含有量が0.1質量部未満であると、例えば樹脂組成物にUV光を照射しても架橋構造が十分に形成されず、得られる硬化物について満足すべき耐水化が達成されないおそれがある。光重合開始剤の含有量が10質量部を上回ると、得られる硬化物内の架橋がそれ以上進まず、むしろ生産性を欠くおそれがある。
(その他の添加剤)
さらに、本発明の架橋性樹脂組成物は当該分野において公知の他の添加剤を含有していてもよい。このような他の添加剤としては、例えば、充填剤、加工安定剤、耐候性安定剤、着色剤、UV光吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、大電防止剤、難燃剤、可塑剤、潤滑剤、香料、消泡剤、消臭剤、剥離剤、離型剤、補強剤、防カビ剤、防腐剤、結晶化速度遅延剤、および他の水溶性樹脂、ならびにそれらの組み合わせが挙げられる。
本発明の架橋性樹脂組成物において、上記その他の添加剤の含有量は特に限定されず、本発明の効率を阻害しない程度の量が当業者によって任意に設定され得る。
(硬化物)
本発明の硬化物は、上記架橋性樹脂組成物の架橋体を含む。当該架橋性樹脂組成物の架橋体は、架橋性樹脂組成物に含まれる変性ビニルアルコール系重合体とアニオン性高分子電解質が、当該変性ビニルアルコール系重合体を構成する上記式(I)で表される構成単位に基づく架橋によって化学的または物理的に一体化されたものである。
本発明の硬化物は優れた耐水性を有する。このような耐水性の程度は、例えば、得られた架橋体の溶出率を測定することにより評価することができる。
架橋体の溶出率は、以下のようにして算出される:まず評価を開始した(未処理)段階における所定の架橋体の質量(W1)を測定し、次いでこの架橋体の80℃で24時間真空乾燥した後の質量(W2)を測定して、W1およびW2から、架橋体の固形分の含有量(TS)が以下の式:
TS(質量%)=100×W2/W1
にしたがって算出される。次に、評価を開始した(未処理)段階における所定の架橋体を室温(25℃)にて純水中に24時間浸漬し、水から取り出して、80℃で24時間真空乾燥した後に質量(W3)を測定し、最終的に上記で得られたW1、TSおよびW3を用いて以下の式:
溶出率(質量%)=100-{W3/(W1×TS/100)}×100
にしたがって溶出率を算出することができる。
本発明の硬化物は、好ましくは40質量%以下、より好ましくは35質量%以下、さらにより好ましくは30質量%以下、最も好ましくは25質量%以下の溶出率を有する。本発明の硬化物が上記範囲の溶出率を満足していることにより、上記水への浸漬の前後において構成成分の溶出が防止され、言い換えれば当該水に対して優れた耐水性を有していることがわかる。
本発明の硬化物は優れた吸水性を有する。このような吸水性の程度は、例えば、得られた架橋体の吸水倍率を測定することにより評価することができる。
架橋体の吸水倍率は、所定の架橋体を25℃にて水(純水)中に3時間浸漬した後、当該水から取り出して表面に存在する水を拭き取った後の質量(W4)を測定し、次いで、この架橋物を80℃で24時間真空乾燥した後の質量(W5)を測定し、以下の式:
吸水倍率(倍)=W4/W5
にしたがって算出することができる。
本発明の硬化物は、好ましくは5倍以上、より好ましくは7倍以上、さらにより好ましくは10倍以上の吸水倍率を有する。本発明の硬化物が有する吸水倍率の上限は特に限定されないが、例えば2000倍以下、1000倍以下である。本発明の硬化物は上記範囲の吸水倍率を満足していることにより、上記水への浸漬によって構成成分が多くの水を吸収し得る能力を有していることがわかる。
本発明の硬化物は、上記架橋性樹脂組成物を用いて例えば以下のようにして製造することができる。
まず、架橋性樹脂組成物が上記変性ポリビニルアルコール系重合体およびアニオン高分子電解質とともに、光重合開始剤を含有している場合について説明する。
このような場合、架橋性樹脂組成物にα線、γ線、電子線、i線、UV光などの活性エネルギー線、特に好適にはUV光が照射される。
UV光の照射条件は、使用する架橋性樹脂組成物の量およびそれらの内容物の含有量等によって変動するため必ずしも限定されず、適切な照射条件(例えば照射強度および照射時間)は当業者によって適宜選択され得る。架橋性樹脂組成物へのUV光の照射は連続的に行われてもよく、あるいは断続的に行われてもよい。
上記架橋性樹脂組成物にUV光が照射されることにより、当該組成物に含まれる変性ビニルアルコール系重合体とアニオン性高分子電解質は当該変性ビニルアルコール系重合体を構成する上記式(I)で表される構成単位に基づく架橋によって化学的または物理的に一体化され、所定の架橋体が形成される。このようにして本発明の硬化物を得ることができる。
他方、架橋性樹脂組成物が上記変性ビニルアルコール系重合体およびアニオン高分子電解質とともに、架橋剤を含有している場合について説明する。
このような場合、架橋性樹脂組成物が加熱される。
加熱条件は、使用する架橋性樹脂組成物の量およびそれらの内容物の含有量等によって変動するため必ずしも限定されず、適切な加熱条件(例えば加熱温度および加熱時間)は当業者によって適宜選択され得る。架橋性樹脂組成物への加熱は連続的に行われてもよく、あるいは断続的に行われてもよい。
上記架橋性樹脂組成物の加熱によって、当該組成物に含まれる変性ポリビニルアルコール系重合体とアニオン性高分子電解質は当該変性ポリビニルアルコール系重合体を構成する上記式(I)で表される構成単位に基づく架橋によって化学的または物理的に一体化され、所定の架橋体が形成される。このようにして本発明の硬化物を得ることができる。
本発明の硬化物は、特に限定されないが、その優れた吸水性および耐水性を利用して、衛生製品(例えば、オムツおよび生理用品)、メディカル関連製品(例えば創傷保護用ドレッシング材)、農業・園芸用資材(例えば土壌保水剤、育苗用シート、種子コーティング材)、食品包装材(例えば鮮度保持フィルム、結露防止シート、バリア性コーティング材)、ペット関連製品(例えばペットシート、猫砂)、電気関連資材(例えば通信ケーブル用止水材、建築用資材(例えば結露防止壁紙)などの様々な業製品を構成するための材料として使用することができる。
以下、実施例により本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではない。なお、実施例、比較例中の「%」および「部」は特に断りのない限り、それぞれ「質量%」および「質量部」を表す。
(変性率の算出)
日本電子株式会社製核磁気共鳴装置「LAMBDA 500」を用い、室温で変性ビニルアルコール系重合体のH-NMRを測定し、オレフィンプロトン由来のピーク(5.0~7.5ppm)の積分値から変性率を算出した。例えば、実施例1においては、5.6ppmおよび6.0ppmに表れるオレフィンプロトン由来のピークの積分値から、変性率を算出した。
(耐水性の評価)
実施例および比較例で得られた架橋体の質量(W1)を測定し、次いでこの架橋体の80℃で24時間真空乾燥した後の質量(W2)を測定して、W1およびW2から、架橋体の固形分の含有量(TS)が以下の式:
TS(質量%)=100×W2/W1
にしたがって算出した。次に、評価を開始した(未処理)段階における所定の架橋体を室温(25℃)にて純水中に24時間浸漬し、水から取り出して、80℃で24時間真空乾燥した後に質量(W3)を測定し、最終的に上記で得られたW1、TSおよびW3を用いて以下の式にしたがって溶出率を算出し、架橋耐水性の指標とした。なお、溶出率が低いほど耐水性が高いことを意味する。
溶出率(質量%)=100-{W3/(W1×TS/100)}×100
(吸水性の評価)
実施例および比較例で得られた架橋体を室温(25℃)にて純水中に3時間浸漬し、水から取り出して表面水を拭き取った後の質量(W4)を測定した。その後、架橋物を80℃で24時間真空乾燥した後の質量(W5)を測定した。得られた質量から、以下の式に従って吸水倍率を算出し、この吸水倍率を吸水性の指標とした。なお、吸水倍率が高いほど吸水性が高いことを意味する。
吸水倍率(倍)=W4/W5
(合成例1)
撹拌機、還流管、および添加口を備える反応器に、脱水したジメチルスルホキシド(以下、DMSOと略称する)400.0質量部、ベースポリマーとして、予め80℃で24時間真空乾燥させたポリビニルアルコール樹脂(株式会社クラレ製,重合度1700,ケン化度98.5モル%)100質量部を添加し、撹拌しながら100℃に昇温することにより均一な溶液を得た。次いで、40.0質量部の3,3-ジメチルペンテン酸メチルを添加し、均一になるまでさらに撹拌した。
その後、エステル交換触媒としてテトラメチルアンモニウムメチルカーボネート0.4質量部を添加し、5時間反応させた後、室温まで放冷した。反応溶液にDMSOを添加して希釈した後、メタノール中に滴下してポリマーを単離し、40℃にて1.3Paで12時間乾燥することにより、変性ビニルアルコール系重合体(変性PVOH-1)を得た。本合成例で得られた変性PVOH-1の特徴について表1に示す。
(合成例2)
撹拌機、還流管、および添加口を備える反応器に、DMSO36質量部、ベースポリマーとして、予め80℃で24時間真空乾燥させたポリビニルアルコール樹脂(株式会社クラレ製,粘度平均重合度2400,ケン化度98.5モル%)9質量部を添加し、撹拌しながら100℃に昇温することにより均一な溶液を得た。次いで、6質量部のメタクリル酸メチル(MMA)、0.1質量部のフェノチアジンを添加し、均一になるまでさらに撹拌した。その後、エステル交換触媒として酢酸ナトリウム0.17質量部を添加し、1.5時間反応させた後、室温まで放冷した。反応溶液にDMSOを添加して希釈した後、メタノール中に滴下してポリマーを単離し、40℃にて1.3Paで12時間乾燥することにより、変性ポリビニルアルコール系重合体(変性PVOH-2)を得た。本合成例で得られた変性PVOH-2の特徴について表1に示す。
(合成例3)
撹拌機、還流管、および添加口を備える反応器に、DMSO36質量部、ベースポリマーとして、予め80℃で24時間真空乾燥させたポリビニルアルコール樹脂(株式会社クラレ製,粘度平均重合度1700,ケン化度98.5モル%)9質量部を添加し、撹拌しながら100℃に昇温することにより均一な溶液を得た。次いで、6質量部のメタクリル酸メチル(MMA)、0.1質量部のフェノチアジンを添加し、均一になるまでさらに撹拌した。その後、エステル交換触媒として酢酸ナトリウム0.17質量部を添加し、20分反応させた後、室温まで放冷した。反応溶液にDMSOを添加して希釈した後、メタノール中に滴下してポリマーを単離し、40℃にて1.3Paで12時間乾燥することにより、変性ビニルアルコール系重合体(変性PVOH-3)を得た。本合成例で得られた変性PVOH-3の特徴について表1に示す。
(合成例4)
撹拌機、還流管、および添加口を備える反応器に、DMSO36質量部、ベースポリマーとして、予め80℃で24時間真空乾燥させたポリビニルアルコール樹脂(株式会社クラレ製,粘度平均重合度500,ケン化度88モル%)9質量部を添加し、撹拌しながら100℃に昇温することにより均一な溶液を得た。次いで、6質量部のアクリル酸メチル(MA)、0.1質量部のフェノチアジンを添加し、均一になるまでさらに撹拌した。その後、エステル交換触媒として硝酸亜鉛六水和物1.8質量部を添加し、5時間反応させた後、室温まで放冷した。反応溶液にDMSOを添加して希釈した後、メタノール中に滴下してポリマーを単離し、40℃にて1.3Paで12時間乾燥することにより、変性ビニルアルコール系重合体(変性PVOH-4)を得た。本合成例で得られた変性PVOH-4の特徴について表1に示す。
(合成例5)
撹拌機、還流管、および添加口を備える反応器に、DMSO36質量部、ベースポリマーとして、予め80℃で24時間真空乾燥させたポリビニルアルコール樹脂(株式会社クラレ製,粘度平均重合度1700,ケン化度99.5モル%)9質量部を添加し、撹拌しながら100℃に昇温することにより均一な溶液を得た。次いで、6質量部のメタクリル酸メチル(MMA)、0.1質量部のフェノチアジンを添加し、均一になるまでさらに撹拌した。その後、エステル交換触媒として酢酸ナトリウム0.17質量部を添加し、5時間反応させた後、室温まで放冷した。反応溶液にDMSOを添加して希釈した後、メタノール中に滴下してポリマーを単離し、40℃にて1.3Paで12時間乾燥することにより、変性ポリビニルアルコール系重合体(変性PVOH-5)を得た。本合成例で得られた変性PVOH-5の特徴について表1に示す。
(合成例6)
ベースポリマーとしてポリビニルアルコール樹脂(株式会社クラレ製,粘度平均重合度1700,ケン化度98.5モル%)を、PVOH-6としてそのまま使用した。本合成例で得られたPVOH-6の特徴について表1に示す。
Figure 2022034092000004
(実施例1)
ポリアクリル酸水溶液(和光純薬工業製168-07375,25%水溶液)1質量部に、1.5質量部のイオン交換水を添加し、均一になるまで十分混合した。次いで、合成例1で得られた変性PVOH-1の10%水溶液2.5質量部を添加し、均一になるまで混合し、変性PVOH-1およびポリアクリル酸を含む混合液を得た。得られた混合液に、5質量部のイオン交換水を添加して、5質量%の水溶液に調製し、そこへ光重合開始剤として2-ヒドロキシ-4’-(2-ヒドロキシエトキシ)-2-メチルプロピオフェノン(HEMP)0.005質量部添加し、完全に溶解するまで撹拌して、架橋性樹脂組成物である水溶液(E1)を作製した。次いで、この水溶液(E1)を、ポリエチレンテレフタレートフィルムの端を折り曲げて作製した15cm×15cmの型枠に流延し、室温にて大気圧下で溶媒を十分に揮発させることにより、厚さ約100μmのフィルムを得た。得られたフィルムに10000mJ/cmの強度でUV光を照射して架橋フィルム(SE1)を得た。得られた架橋フィルム(SE1)の評価結果を表2に示す。
(実施例2)
ポリメタクリル酸(和光純薬工業製00578-50)0.25質量部に、2.25質量部のイオン交換水を添加し、完全に溶解するまで十分混合した。次いで、合成例2で得られた変性PVOH-2の10%水溶液2.5質量部を添加し、均一になるまで混合し、変性PVOH-2およびポリメタクリル酸を含む混合液を得た。得られた混合液に、光重合開始剤としてHEMPを0.005質量部添加し、完全に溶解するまで撹拌して、架橋性樹脂組成物である水溶液(E2)を作製した。次いで、この水溶液(E2)をφ3cm、厚み1cmのシャーレに移液し、シャーレの上方から3000mJ/cmの強度でUV光を照射することにより架橋ゲル(SE2)を得た。得られた架橋ゲル(SE2)の評価結果を表2に示す。
(実施例3)
ポリアクリル酸水溶液(和光純薬工業製168-07375,25%水溶液)1質量部に、1.4質量部のイオン交換水を添加し、8規定のKOH水溶液0.11質量部を添加し、均一になるまで十分混合した。次いで、合成例3で得られた変性PVOH-3の10%水溶液2.5質量部を添加し、均一になるまで混合し、変性PVOH-3およびポリアクリル酸を含む混合液を得た。得られた混合液に、5質量部のイオン交換水を添加して5質量%水溶液に調製し、そこへ光重合開始剤としてHEMPを0.005質量部添加し、完全に溶解するまで撹拌して、架橋性樹脂組成物である水溶液(E3)を作製した。次いで、この水溶液(E3)を用い、かつ照射したUV光の強度を3000mJ/cmに変更したこと以外は実施例1と同様にして架橋フィルム(SE3)を得た。得られた架橋フィルム(SE3)の評価結果を表2に示す。
(実施例4)
アルギン酸ナトリウム(和光純薬工業製191-09965)0.2質量部に、1.8質量部のイオン交換水を添加し、完全に溶解するまで十分混合した。次いで、合成例4で得られた変性PVOH-4の10%水溶液3質量部を添加し、均一になるまで混合し、変性PVOH-4およびアルギン酸を含む混合液を得た。得られた混合液に、HEMPを0.005質量部添加し、完全に溶解するまで撹拌して、架橋性樹脂組成物である水溶液(E4)を作製した。次いで、この水溶液(E4)を用い、かつ照射したUV光の強度を3000mJ/cmに変更したこと以外は実施例1と同様にして架橋ゲル(SE4)を得た。得られた架橋ゲル(SE4)の評価結果を表2に示す。
(実施例5)
ポリアクリル酸水溶液(和光純薬工業製168-07375,25%水溶液)1.4質量部に、3.0質量部のイオン交換水を添加し、8規定のKOH水溶液0.154質量部を添加して、均一になるまで十分混合した。次いで、合成例2で得られた変性PVOH-2の10%水溶液1.5質量部を添加し、均一になるまで混合し、変性PVOH-2およびポリアクリル酸を含む水溶液を得た。得られた混合液に、5質量部のイオン交換水を添加して5質量%水溶液に調製し、そこへ架橋剤として、3,6-ジオキサ-1,8-オクタンジチオール(DODT)0.014質量部を添加し、完全に溶解するまで撹拌して、架橋性樹脂組成物である水溶液(E5)を作製した。次いで、この水溶液(E5)を、ポリエチレンテレフタレートフィルムの端を折り曲げて作製した15cm×15cmの型枠に流延し、室温にて大気圧下で溶媒を十分に揮発させることにより、厚さ約100μmのフィルムを得た。得られたフィルムを120℃で10分間熱処理し、架橋フィルム(SE5)を得た。得られた架橋フィルム(SE5)の評価結果を表2に示す。
(実施例6)
ポリアクリル酸水溶液(和光純薬工業製168-07375,25%水溶液)1質量部に、1.4質量部のイオン交換水を添加し、8規定のKOH水溶液0.055質量部を添加して、均一になるまで十分混合した。次いで、合成例2で得られた変性PVOH-2の10%水溶液2.5質量部を添加し、均一になるまで混合し、変性PVOH-2およびポリアクリル酸を含む混合液を得た。得られた混合液に、架橋剤としてDODT0.01質量部を添加し、均一になるまで撹拌し、さらに0.011質量部のトリエチルアミン(EtN)を添加して均一になったことを確認して、架橋性樹脂組成物である水溶液(E6)を作製した。次いで、この水溶液(E6)を、速やかにφ3cm、厚み1cmのシャーレに移液し、80℃に昇温して1時間加熱することで、架橋ゲル(SE6)を得た。得られた架橋ゲル(SE6)の評価結果を表2に示す。
(実施例7)
ポリアクリル酸水溶液(和光純薬工業製168-07375,25%水溶液)0.2質量部に、0.28質量部のイオン交換水を添加し、8規定のKOH水溶液0.022質量部を添加し、均一になるまで十分混合した。次いで、合成例3で得られた変性PVOH-3の10%水溶液4.5質量部を添加し、均一になるまで混合し、変性PVOH-3およびポリアクリル酸を含む混合液を得た。得られた混合液に、5質量部のイオン交換水を添加して5質量%水溶液に調製し、そこへ光重合開始剤としてHEMPを0.005質量部添加し、完全に溶解するまで撹拌して、架橋性樹脂組成物である水溶液(E7)を作製した。次いで、この水溶液(E7)を用い、かつ照射したUV光の強度を1500mJ/cmに変更したこと以外は実施例1と同様にして架橋フィルム(SE7)を得た。得られた架橋フィルム(SE7)の評価結果を表2に示す。
(実施例8)
ポリアクリル酸水溶液(和光純薬工業製168-07375,25%水溶液)1.4質量部に、3.0質量部のイオン交換水を添加し、8規定のKOH水溶液0.154質量部を添加し、均一になるまで十分混合した。次いで、合成例5で得られた変性PVOH-5の10%水溶液1.5質量部を添加し、均一になるまで混合し、変性PVOH-5およびポリアクリル酸を含む混合液を得た。得られた混合液に、5質量部のイオン交換水を添加して5質量%水溶液に調製し、そこへ光重合開始剤としてHEMPを0.005質量部添加し、完全に溶解するまで撹拌して、架橋性樹脂組成物である水溶液(E8)を作製した。次いで、この水溶液(E8)を用い、かつ照射したUV光の強度を3000mJ/cmに変更したこと以外は実施例1と同様にして架橋フィルム(SE8)を得た。得られた架橋フィルム(SE8)の評価結果を表2に示す。
(比較例1)
ポリアクリル酸水溶液(和光純薬工業製168-07375,25%水溶液)1質量部に1.4質量部のイオン交換水を添加し、8規定のKOH水溶液0.11質量部を添加し、均一になるまで十分混合した。次いで、合成例6で得られたPVOH-6の10%水溶液2.5質量部を加え、均一になるまで混合し、PVOH-6およびポリアクリル酸を含む混合液を得た。得られた混合液に、5質量部のイオン交換水を添加して5質量%水溶液に調製し、そこへ光重合開始剤としてHEMPを0.005質量部添加し、完全に溶解するまで撹拌して、樹脂組成物である水溶液(C1)を作製した。次いで、この水溶液(C1)を用いたこと以外は実施例1と同様にしてフィルム(SC1)を得た。得られたフィルム(SC1)の評価結果を表2に示す。
(比較例2)
比較例1と同様にして、PVOH-6およびポリアクリル酸を含む混合液を得た。得られた混合液に、所定量のイオン交換水を添加して5質量%水溶液に調製し、そこへ架橋剤としてDODT0.01質量部を添加し、完全に溶解するまで撹拌して樹脂組成物である水溶液(C2)を作製した。次いで、この水溶液(C2)を用いたこと以外は実施例5と同様にしてフィルム(SC2)を得た。得られたフィルム(SC2)の評価結果を表2に示す。
(比較例3)
比較例1と同様にして、PVOH-6およびポリアクリル酸を含む混合液を得た。得られた混合液に、開始剤としてHEMPを0.005質量部添加し、完全に溶解するまで撹拌して、樹脂組成物である水溶液(C3)を作製した。次いで、この水溶液(C3)をφ3cm、厚み1cmのシャーレに移液し、シャーレの上方から3000mJ/cmの強度でUV光を照射することにより架橋ゲルの調製を試みた。しかし、水溶液(C3)は架橋ゲル化せず、水溶液のままであった。評価結果を表2に示す。
(比較例4)
ポリアクリル酸水溶液を含有させなかったこと以外は、比較例1と同様にしてPVOH-6を含む混合液から、樹脂組成物である水溶液(C4)を作製した。次いで、この水溶液(C4)を用い、かつ照射したUV光の強度を3000mJ/cmに変更したこと以外は比較例1と同様にしてフィルム(SC4)を得た。得られたフィルム(SC4)の評価結果を表2に示す。
(比較例5)
PVOH-6を含有させなかったこと以外は、比較例1と同様にしてポリアクリル酸を含む混合液から、樹脂組成物である水溶液(C5)を作製した。次いで、この水溶液(C5)をφ3cm、厚み1cmのシャーレに移液し、シャーレの上方から3000mJ/cmの強度でUV光を照射することにより架橋ゲルの調製を試みた。しかし、水溶液(C5)は架橋ゲル化せず、水溶液のままであった。評価結果を表2に示す。
Figure 2022034092000005
表2に示すように、実施例1~8で作製された架橋性樹脂組成物(E1)~(E8)はいずれも、UV光の照射または架橋剤の添加等によって架橋フィルムまたはゲルの形態に成形することができた。これに対し、変性ポリビニルアルコール系重合体を用いなかった比較例1~3および5の樹脂組成物(C1)~(C3)および(C5)では架橋自体が困難であり、フィルムを耐水化することができないか、または水溶液の状態からゲル化させることができなかった。
さらに実施例1~8および比較例1~3および5で得られたフィルムまたはゲル(SE1)~(SE8)、(SC1)~(SC3)および(SC5)について着目すると、実施例1~8で得られたフィルムまたはゲル(SE1)~(SE8)は、耐水性および吸水性の両方が良好または優れた架橋体を得たことがわかる。これに対し、比較例1~3および5で得られたフィルムまたはゲル(SC1)~(SC3)および(SC5)はいずれも、耐水性および吸水性の評価において、すべて(100%)が溶解し、架橋耐水化物を得ることができなかった。また、比較例4で得られたフィルム(SC4)のように、変性ビニルアルコール系重合体単体では、高度に架橋耐水化するものの、吸水性が極めて低く、吸水性を有する硬化物は得られなかった。
本発明によれば、様々な業製品を構成するための材料として、樹脂成形分野、ヘルスケア製品分野、メディカル製品分野、農業・園芸分野、食品・流通分野、ペット関連製品分野、電気分野、建築分野等において有用である。

Claims (13)

  1. ビニルアルコール単位と下記式(I)で示される構成単位とを含む変性ビニルアルコール系重合体、およびアニオン性高分子電解質を含む、架橋性樹脂組成物:
    Figure 2022034092000006
    (式(I)中、Xは炭素-炭素結合、または分岐していてもよい炭素数1~10の2価の飽和炭化水素基であり、Yは水素原子、または分岐していてもよい炭素数1~6の2価の飽和炭化水素基であり、Zは水素原子またはメチル基である)。
  2. 式(I)におけるYが水素原子である、請求項1に記載の架橋性樹脂組成物。
  3. 式(I)におけるXが炭素-炭素結合である、請求項1または2に記載の架橋性樹脂組成物。
  4. 変性ビニルアルコール系重合体が、式(I)で示される構成単位を0.01~3モル%の割合で含有する、請求項1~3のいずれかに記載の架橋性樹脂組成物。
  5. アニオン性高分子電解質が、側鎖にカルボン酸基またはその塩、およびスルホン酸基またはその塩からなる群から選択される少なくとも1つの基を有する高分子である、請求項1~4のいずれかに記載の架橋性樹脂組成物。
  6. アニオン性高分子電解質がポリ(メタ)アクリル酸である、請求項1~4のいずれかに記載の架橋性樹脂組成物。
  7. さらに架橋剤を含有する、請求項1~6のいずれかに記載の架橋性樹脂組成物。
  8. 請求項1~7のいずれかに記載の架橋性樹脂組成物の架橋体を含む、硬化物。
  9. 硬化物の吸水倍率が5倍以上である、請求項8に記載の硬化物。
  10. 硬化物の溶出率が40質量%以下である、請求項8または9に記載の硬化物。
  11. 硬化物の製造方法であって、請求項1~6のいずれかに記載の架橋性樹脂組成物に活性エネルギー線を照射することにより架橋性樹脂組成物を架橋する工程を包含する、方法。
  12. 硬化物の製造方法であって、請求項7に記載の架橋性樹脂組成物を加熱することにより架橋性組成物を架橋する工程を包含する、方法。
  13. 請求項8に記載の硬化物を含む吸水性製品。
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