JP2022032751A - 洗濯機および洗濯機用の回転翼盤 - Google Patents

洗濯機および洗濯機用の回転翼盤 Download PDF

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Abstract

【課題】上方から洗濯槽内に風を吹き出して衣類を乾燥させる場合、乾燥むらを抑制し、更にしわを抑制する洗濯機および洗濯機用の回転翼盤を提供する。【解決手段】洗濯兼脱水槽の上部から回転翼盤に向けて乾燥風を吐出する洗濯機において、回転翼盤4は、当該回転翼盤4の上面に、複数の隆起部4a,4aと、複数の谷部4b,4bと、隆起部4aと谷部4bとの間に設けられた中間部4cと、を有する。谷部4bは、外周端から内周端へ向けて、径方向に延びる2つの突条部4dを有する。2つの突条部4dは、外周端から内周端に向けて近づく絞り形状である。2つの突条部4d間の底部は、外周端から内周端に向けてなだらかな曲面を有する。【選択図】図3

Description

本発明は、洗濯機および洗濯機に用いられる回転翼盤に関する。
洗濯槽を縦に置いた洗濯機は、洗濯槽の底部に回転翼盤を設け、この回転翼盤を正逆回転させて洗濯を行っている。特許文献1には、回転翼盤の形状に関し、回転することによって洗濯物に上向きの分力を作用させるように、谷状傾斜面と山状傾斜面が非連続的に接続されており、谷状傾斜面から山状傾斜面にかけて傾斜角度が減少するように形成されていることが開示されている。
特開2015-204932号公報
特許文献1では、回転盤翼の上に形成された谷部と傾斜部によって、洗濯物の上下の入れ替わりを促進し、乾燥むらを低減させる構造としている。しかし、この構造は乾燥時に形成されるしわについて考慮されたものではなかった。
本発明は、前記した従来の課題を解決するものであり、乾燥むらを抑制し、更にしわを抑制する洗濯機および洗濯機用の回転翼盤を提供する。
本発明は、洗濯槽と、前記洗濯槽の底部に設けられた回転翼盤と、前記洗濯槽を内包し洗濯水を溜める外槽と、前記洗濯槽と前記回転翼盤とを回転駆動する駆動部と、前記洗濯槽の上部から前記回転翼盤に向けて乾燥風を吐出する吐出口と、を有し、前記回転翼盤は、当該回転翼盤の上面に、複数の隆起部と、複数の谷部と、前記隆起部と前記谷部との間に設けられた中間部と、を有し、前記谷部は、外周端から内周端へ向けて、径方向に延びる突条部を少なくとも2つ有し、2つの前記突条部は、前記外周端から前記内周端に向けて近づく絞り形状であり、2つの前記突条部間の底部は、前記外周端から前記内周端に向けてなだらかな曲面を有することを特徴とする。
本発明によれば、乾燥むらを抑制し、更にしわを抑制する洗濯機を提供することができる。
本実施形態の回転翼盤が搭載される洗濯機を示す右側縦断面図である。 本実施形態の洗濯機に搭載される回転翼盤の斜視図である。 本実施形態の洗濯機に搭載される回転翼盤の平面図である。 図3のA-A線断面図である。 図3のB-B線断面図である。 本実施形態の回転翼盤の下面側の形状を示す斜視図である。 図3のC-C線断面図である。
以下、本発明を実施するための形態(以下「実施形態」という)について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下では、洗濯、すすぎ、脱水、乾燥を行うことができる洗濯機S(いわゆる、縦型の洗濯乾燥機)を例に挙げて説明する。
図1は、本実施形態に係る回転翼盤が搭載される洗濯機を示す右側縦断面図である。
図1に示すように、洗濯機Sは、筐体の外枠1、洗濯水を貯留する外槽2、洗濯兼脱水槽3(洗濯槽)、回転翼盤4(パルセータ)、および駆動モータ(駆動部)10を備えている。
外枠1は、板金(鉄板)をプレス加工等によって四角筒状に形成したものである。また、外枠1の下部には、合成樹脂製のベース32が設けられている。また、外枠1の上部には、合成樹脂製のトップカバー(上板)6が設けられている。なお、図示していないが、外枠1の内部は、補強部材を用いて外枠1が補強されている。また、ベース32は、内部に格子状のリブなどを設けて補強されている。
外槽2は、合成樹脂製であり、有底略円筒状を呈し、外枠1内の中央において、防振装置(不図示)を介して支持されている。防振装置は、バネや弾性ゴムからなり、外枠1内の上部から外槽2を吊り下げ支持している。
洗濯兼脱水槽(洗濯槽)3は、洗濯、脱水、乾燥される洗濯物(衣類)を収容する有底円筒形状を有する。また洗濯兼脱水槽3は、回転軸が略鉛直方向を向いている。また、洗濯兼脱水槽3は、外槽2の内部中央に設けられ、外槽2内において回転自在に支持される。また、洗濯兼脱水槽3は、その外周壁に通水および通風のための多数の小さな貫通孔3a(図1では一部のみ図示)を有している。また、洗濯兼脱水槽3は、その底壁に通水および通風のための複数の貫通孔3bを有している。また、洗濯兼脱水槽3の上縁部には、流体バランサー3cを備えている。また、洗濯兼脱水槽3の底部には、洗濯水を攪拌して、洗いやすすぎなどを行う回転翼盤4が回動自在に設けられている。
回転翼盤4は、洗濯運転時および乾燥運転時に、正転/逆転を繰り返す動作が行われる。また、回転翼盤4は、脱水運転時に、洗濯兼脱水槽3と一緒に洗濯兼脱水槽3内の洗濯物とともに高速回転し、洗濯物に含まれる水分を遠心力で脱水する。なお、回転翼盤4の詳細については後述する。
駆動モータ10は、外枠1内に設けられ、回転翼盤4および洗濯兼脱水槽3を選択的に回転駆動する。また、駆動モータ10は、例えばDCブラシレスモータが使用される。DCブラシレスモータは、ベクトル制御によって制御が行われる。また、駆動モータ10は、回転翼盤4および洗濯兼脱水槽3をダイレクトドライブするものであってもよく、ベルトなどの減速機構を用いて駆動してもよい。
外枠1の上部には、開閉自在な外蓋5が設けられている。外蓋5は、外枠1の上部に設けられたトップカバー6に後側が軸支持されている。外槽2の上部には、外蓋5の下方に、内蓋34が後側の軸周りに開閉自在に設けられている。洗濯兼脱水槽3に対する洗濯物の出し入れは、外蓋5および内蓋34を開くことで行われる。
外枠1内には、トップカバー6の外蓋5の後側に、給水ユニット7が設けられている。給水ユニット7は、内部に複数の水路を有する給水ボックス(図示せず)を有している。給水ユニット7は、トップカバー6から上方に突き出る給水ホース接続口8から供給される。この給水ホース接続口8から水道水や風呂水が供給され、外槽2の内部に注がれる。また、トップカバー6の前側には、洗剤、仕上剤の投入装置35が設けられている。洗剤、仕上剤は、投入ホース36により、外槽2と洗濯兼脱水槽3の間に注がれる。
また、洗濯機Sは、洗濯物を乾かす乾燥機構9を備えている。乾燥機構9は、洗濯兼脱水槽3内の洗濯物を乾燥する乾燥用空気の循環送風や除湿を行う。乾燥機構9は、大部分が乾燥用空気循環路で占められている。乾燥用空気循環路は、外槽2の底部に連通する底部循環路20と、底部循環路20から上向きに延びる除湿用縦通路21とを備える。
また、乾燥機構9は、洗濯機Sの乾燥工程において、乾燥風を作る送風機22およびヒータ(不図示)を有する。送風機22の下部の吸込側は、除湿用縦通路21の上端部に接続される。送風機22と除湿用縦通路21の間には乾燥フィルタ45が配置され、送風機22に異物が流入しないようになっている。送風機22の前部の排出側は、戻り接続循環路25と接続され連通している。戻り接続循環路25は、その一部の上部蛇腹ホース23を介して、外槽2の上部に連通する。戻り接続循環路25には、乾燥風を洗濯兼脱水槽3内に吐出する吐出口23aが形成されている。吐出口23aからは、図1において矢印で示すように、乾燥風が上部蛇腹ホース23から洗濯兼脱水槽3内に鉛直方向下方に向けて吐出され、回転翼盤4の外周領域に吹き付けられるようになっている。
底部循環路20は、その一部の下部蛇腹ホース26を介して、外槽2の底部に連通している。下部蛇腹ホース26は、外槽2の底落込部31に接続されている。底落込部31は、排水時のみ開弁される常閉型の排水弁44を介して、排水用の洗濯水排水路42に連通する。
排水弁44は、洗濯運転時や乾燥運転時には閉じられている。排水弁44は、洗濯水を排水する排水時に開いて、外槽2に溜まっている洗濯水やすすぎ水を、洗濯水排水路42から洗濯機Sの外部(機外)に排出する。
洗濯機Sは、外槽2に溜まる洗濯水やすすぎ水の水位を検知する水位センサ47を備えている。外槽2の底部近傍にはエアートラップ50が設けられている。エアートラップ50に連通してエアーチューブ49が接続されており、このエアーチューブ49の上端には水位センサ47が連通して接続される。
外槽2に溜まる洗濯水やすすぎ水は、循環水路51a、61aから循環水路51b、61bに流入し、循環水路51b、61b内を上方へ向かって流れる。循環水路51bを上昇した洗濯水は、糸屑が糸屑フィルタ33で取り除かれ、洗濯兼脱水槽3内に入る。一方、循環水路61bを上昇した洗濯水は、スリット状の吐出口61cから洗濯兼脱水槽3内の中央付近にシャワー状に散水される。
次に、回転翼盤4の詳細について図2~図7を参照して説明する。
回転翼盤4は、洗濯兼脱水槽3(図1参照)の底部中央に回転可能に設置されている。この回転翼盤4には、回転することによって回転翼盤4上に投入されている洗濯物に上向きの分力を繰り返し作用させる、傾斜面で形成される複数の隆起部が設けられている。洗濯兼脱水槽3と回転翼盤4は、駆動モータ10(駆動部)によって選択的に回転駆動するようになっている。
図2は回転翼盤の斜視図である。
図2に示すように、回転翼盤4の上面は、複数の隆起部4aと、複数の谷部4bと、隆起部4aと谷部4bとの間に設けられた中間部4cとで構成される。本実施形態では、回転翼盤4の回転中心(中心部)Pを挟んで対向する位置に形成される2つの隆起部4aと、回転翼盤4の回転中心Pを挟んで対向する位置に形成される2つの谷部4bと、各隆起部4aと各谷部4bとを接続する4つの中間部4cと、を備えている。
本実施形態の回転翼盤4では、隆起部4aと中間部4cとが、連続的に接続されている。また、中間部4cと谷部4bとが、連続的に接続されている。なお、本実施形態において連続的に接続されるとは、隆起部4aから中間部4cに切り替わる際、また中間部4cから谷部4bに切り替わる際に、連続した面で形成されていることを意味する。
隆起部4aは、中心領域(回転中心側)と比べて相対的に高い稜線を含み、その周方向両側が連続的に下る、凸状傾斜面4a2を有している。すなわち、隆起部4aは、隆起部4aの中において周方向の中央に高さ位置が最も高くなる稜線4a1を有している。なお、隆起部4aの平面視した形状は、略扇形である(後記の図3参照)。
このように、回転翼盤4には、回転することによって回転翼盤4上に投入されている洗濯物に上向きの分力を繰り返し作用させるなだらかな傾斜面(凸状傾斜面4a2)で形成される複数(本実施形態では2つ)の隆起部4aが設けられている。
谷部4bは、中心領域(回転中心側)と比べて相対的に低い部分を含み、その周方向両側が連続的に上る底部4b1(凹状傾斜面、谷状の凹曲面)を有している。この底部4b1は、径方向の中央部分が低く、内径側部分と外径側部分が高い、所謂お椀状となっている。また、谷部4bは、隆起部4aよりも周方向に広い領域となって構成されている。なお、谷部4bも、平面視した形状は隆起部と同様に略扇形である(後記の図3参照)。
回転翼盤4は、谷部4b(隆起部4aの裾野領域)に、2本(複数本)の突条部4d、4dを有する。突条部4dは、最底部4b2を挟んで周方向に向けて対称の位置に1本ずつ配置されている。また、回転翼盤4には、回転中心Pに対して点対称の位置に他の2本の突条部4d(1組の突条部4d)が設けられている。このように、本実施形態では、合計4本の突条部4d(2組の突条部4d、2対の突条部4d)が設けられている。
また、突条部4dは、谷部4bの最底部4b2に向けて緩やかに下る突条傾斜部4d1を有している。また、2本の突条部4dは、互いに向かい合う側面に突条傾斜部4d1が形成されている。
また、突条部4dは、突条傾斜部4d1とは周方向の反対側の側面4d5が、谷部4bの面に対して略垂直に立ち上がるような面で構成されている。これにより、回転翼盤4の回転時に、側面4d5によって洗濯物が攪拌され易くなる。
また、回転翼盤4の上面には、複数個の球冠状の曲面凸部4eが形成されている。曲面凸部4eは、谷部4bに分散して配置されている。これら曲面凸部4eを設けることによって洗濯物が上下に振動し、洗浄力を向上する効果がある。
また、回転翼盤4の上面には、隆起部4aの周方向両側および谷部4bに、通水および通風のための多数の貫通孔4fを備えている。ここで、貫通孔4fは、隆起部4aの稜線4a1付近である頂上領域と、突条部4dおよび曲面凸部4eには配置しない。貫通孔4fを稜線4a1付近や突条部4dに形成しないことで、洗濯物との引っ掛かりを抑えることができ、洗濯物の布痛みを軽減できる。また、突条部4dに貫通孔4fを形成しないことで、乾燥風の流れが阻害されるのを抑制できる。
図3は回転翼盤の平面図(上面図)である。
図3に示すように、2本の突条部4d(1組の突条部4d)は、回転翼盤4の外周端(最外周端)4d2から内周端4d3にかけて直線状に延びて形成されている。また、2本の突条部4dは、外周端4d2において互いに周方向に最も離れた位置に配置され、内周端4d3において周方向に最も近づいた位置に配置されている。換言すると、2本の突条部4dは、径方向内側に向けて絞り形状となるように(平面視においてV字形状(ハの字形状)となるように)構成されている。
また、2本の突条部4dは、内周端4d3において、一方の突条傾斜部4d1と他方の突条傾斜部4d1とが接して一体となるように構成されている。
中間部4cは、周方向に所定の角度範囲(例えば、5度)をもって形成され、隆起部4aと谷部4bとの間に位置している。隆起部4aと中間部4cとは、隆起境界部4gによって接続されている。隆起境界部4gは、上方から見て回転中心Pから径方向に向けて直線状に延びている。谷部4bと中間部4cは、谷境界部4hによって接続されている。谷境界部4hは、上方から見て回転中心Pから径方向に向けて直線状に延びている。
図4は図3のA-Aで切断した中間部の断面概略図である(中間部のみを切り出した図である)。なお、図4は、隆起境界部4gに直交する直線で切断したときを示している。
中間部4cは、傾斜面4c1を有し、傾斜面4c1の最も高い位置に隆起境界部4gが位置し、傾斜面4c1の最も低い位置に谷境界部4hが位置している。
図4に示すように、谷境界部4hにおける、中間部4cの接線T1の水平面Hからの角度(傾斜角度θ1)は、30度≦θ1≦40度であることが好ましい。一方、隆起境界部4gにおける、中間部4cの接線T2の水平面Hからの角度(傾斜角度θ2)は、40°<θ2≦60°であることが好ましい。このように、傾斜角度θ2は、傾斜角度θ1よりも大きくなるように構成されている。つまり、中間部4cは、谷部4b側から隆起部4a側にかけて接線の傾きが増加する、所謂「下に凸」の曲面となるように構成されている。
図5は図3のB-Bで切断した回転翼盤の断面図である。なお、図5は、隆起部4aの稜線4a1で切断したときを示す。
図5に示すように、隆起部4aは、回転中心(回転翼盤4の中心部)Pから外径方向(外径側)に向けて高さが徐々に高くなるように形成されている。また、隆起部4aの稜線4a1は、外径側が回転翼盤4のフランジ面4sよりも高くなるように構成されている。また、隆起部4aの稜線4a1は、内径側(中心部側)がフランジ面4sよりも低くなるように構成されている。
回転翼盤4は、洗濯脱水駆動装置(駆動モータ10)に固定するため、回転中心Pの周辺に上方への膨出部4tを設け、固定ねじ(不図示)を収容するスペースを確保している。
ところで、隆起部4aと谷部4bとの高低差が大きいほど、洗濯物の上下方向の振動が大きくなり、洗浄力が向上する。しかし、隆起部4aを高くしすぎると洗濯物を収納するための洗濯兼脱水槽3内のスペースが減少する問題がある。そこで、本実施形態では、フランジ面からの隆起部4aの最高高さh1を20mm以上25mm以下とし、洗濯物を収容するスペースが減少するのを抑えている。
図6は回転翼盤4の下面側の形状を示す斜視図である。
図6に示すように、回転翼盤4の裏面(下面)には、裏羽根71が設けられている。この裏羽根71は、回転中心から径方向に延びる複数の径方向羽根部71aと、周方向に延びる複数の周方向羽根部71bと、を有している。
径方向羽根部71aは、板状に形成され、隆起部4aの裏側において長く突出して形成され、谷部4bの裏側において短く突出して形成されている。周方向羽根部71bは、同芯円状に形成され、隆起部4aの裏側において長く突出して形成されている。また、周方向羽根部71bは、径方向羽根部71aと交差するようにして配置されている。
このように構成された回転翼盤4が回転すると、裏羽根71が遠心ポンプとなり、回転翼盤4の底面中央付近の圧力が低下し、外槽2(図1参照)と洗濯兼脱水槽3(図1参照)とのすき間の洗濯水を、洗濯兼脱水槽3の底面に設けた貫通孔3bから吸い込む。そして、貫通孔3bから吸い込まれた洗濯水は、循環水路51a、51b(図1参照)および糸屑フィルタ33(図1参照)を流れ、また循環水路61a、61bおよび吐出口61c(図1参照)を流れ、洗濯兼脱水槽3内に散布して注がれる。
図7は図3のC-Cで切断した回転翼盤の断面図である。なお、図7は、谷部4bの最も低い最底部4b2で切断したときを示している。
図7に示すように、谷部4bの最底部4b2は、内径側と外径側とが高くなるように内径側傾斜面4b3および外径側傾斜面4b4を有している。外径側傾斜面4b4は、内径側傾斜面4b3よりも傾斜が急になるように構成されている。また、外径側傾斜面4b4の上端は、内径側傾斜面4b3よりも高さ位置が高くなっている。また、外径側傾斜面4b4は、回転翼盤4のフランジ面4sと高さが一致している。また、底部4b1は、内径側傾斜面4b3から外径側傾斜面4b4に向けて下る中間傾斜面4b5を有している。このように、2つの突条部4d間の底部4b1は、外周端4d2から内周端4d3に向けてなだらかな曲面を有する。また、なだらかな曲面は、凹面が上向きとなる凹形状である。
また、外径側傾斜面4b4は、内径側傾斜面4b3よりも傾斜が急に形成されているので、回転翼盤4の外周端4d2の上方から乾燥風を取り込む際、乾燥風に対する損失を低減するようになっている。
また、中間傾斜面4b5は、内径側に向けて上向きの傾斜面であるので、中間傾斜面4b5から内径側傾斜面4b3に乾燥風に対して大きな損失を与えることなく内径側傾斜面4b3に向けて円滑に流すことができる。その結果、内径側傾斜面4b3から吐出する乾燥風を上向きに勢いよく吐出させることが可能になり、衣類の入れ替わりを促進することができる。
突条部4dの内周端4d3は、突条部4dの外周端4d2と内周端4d3とをつなぐ突条部4dの最下点4d4よりも高い位置に設定されている。これにより、より風速を高める風路を構成することができる。
乾燥機構9によって生成された乾燥風は、回転翼盤4の上方から回転翼盤4の外周端に向けて吹き付けられる。そして、乾燥風が2つの突条部4d(1組の突条部4d)の間の谷部4b(底部4b1)に吹き付けられると、太い実線矢印で示すように、最底部4b2(底部4b1)の底面に沿って外径側から内径側に向けて流れる。すなわち、乾燥風は、最底部4b2の外径側において略鉛直方向下向きの流れとなって導入され、最底部4b2の内径端において略鉛直方向上向きの流れとなって導出される。
次に、本実施形態の回転翼盤4を使用した場合の洗濯/乾燥時の洗濯物の動きについて説明する。
洗い工程(洗濯工程)では、その後の洗い工程において回転翼盤4の上面を超えない水位または僅かに超える水位を維持して外槽2の底部に溜まるように給水する。そして、粉末などの洗剤を溶かすことによって外槽2の底部に高洗剤濃度の洗い水を生成する。そして、洗い水を洗濯物に降り掛けるように循環させながら回転翼盤4を正逆方向に回転させて洗濯物に上向きの力を繰り返し作用させることによって押し洗いする。洗い後のすすぎ工程(洗濯工程)では、洗い工程と同様に、回転翼盤4の上面を超えない水位または僅かに超える水位を維持する。そして、外槽2の底部に溜まるように給水した濯ぎ水を洗濯物に降り掛けるように循環させながら回転翼盤4を正逆方向に回転させて、洗濯物に上向きの力を繰り返し作用させる。これによって、洗濯物に含まれる洗い水(洗剤成分)を押し出す、すすぎを行う。乾燥工程では、回転翼盤4を正逆方向に回転させながら外槽2内の空気を吸い出して水冷除湿した後に加熱して洗濯兼脱水槽3内に吹き込むように循環させて洗濯物を乾燥させる。
洗い工程時に回転翼盤4が回転すると、中間部4cの傾斜によって洗濯物が押し上げられる。このときに押し上げられた洗濯物が落下するときのたたき洗い効果と、回転翼盤4と洗濯物との間の摩擦力によるこすり洗い効果により洗浄力が向上する。また、中間部4cの最低部(谷境界部4h)から隆起部4a側(隆起境界部4g)にかけて接線T1,T2の傾きが増加する形状(θ2>θ1)になっているので、回転翼盤4の回転により下側の衣類が上側に跳ね上げられ、上下の衣類の入れ替わりが促進される。この衣類の入れ替わりにより、衣類の洗いむらが低減する。
中間部4cにおいて、隆起部4a側の傾斜角度θ2は、谷部4b側の傾斜角度θ1と比べ大きくなっている。このように、中間部4cから隆起部4aに至るにつれて傾斜角度が大きくなる構造にすることで、洗濯物(衣類)に対して上向きの力がかかり、上下に重なって存在する洗濯物の入れ替わりが促進され、洗濯物同士の絡まりが抑制される。
また、回転翼盤4が回転すると、隆起部4aにより洗濯物が回転翼盤4の上面を上下に振動するが、突条部4dによってその振動の回数が増加し、洗浄力の向上に効果がある。
また、乾燥工程時に回転翼盤4が回転した場合においても、中間部4cの傾斜により、洗濯物が押し上げられる。また、中間部4cの最底部(谷境界部4h)から隆起部4a側(隆起境界部4g)にかけて接線T1,T2の傾きが増加する形状(θ2>θ1)となっているので、回転翼盤4の回転により下側の衣類が上側に跳ね上げられ、上下の衣類の入れ替わりが促進される。この衣類の入れ替わりにより、衣類の乾燥むらが低減する。
ところで、従来の回転翼盤では、上方から洗濯兼脱水槽内に風を吹き出し、洗濯物を乾燥させる場合において、洗濯物同士の絡まりが生じてしまい、風によって衣類を押し広げることが困難であった。本実施形態によれば、中間部4cの最低部(谷境界部4h)から隆起部4a側にかけて接線の傾きが増加する形状となっているので、洗濯物が跳ね上げられることで洗濯物同士の絡まりが抑制される。その結果、乾燥風によって洗濯兼脱水槽3内で洗濯物が押し広げられ易くなり、乾燥しわが低減する。
また、本実施形態では、隆起部4aと谷部4bとが、それぞれ左右対称(回転中心Pを挟んで対称)に設けられている。そのため、回転翼盤4を左右方向のどちらに回転させても、洗濯物の動きが変わらないので、布絡みや布片寄りが生じ難く、洗いむらや布痛みを抑制できる。
また、本実施形態では、洗い攪拌時の衣類の入れ替えが促進されることにより、衣類同士の間に存在している糸屑が洗濯液とともに取り出され易くなり、糸屑捕集性能が向上する。
また、回転翼盤4が回転するとき、洗濯物の量が多い場合には、洗濯物が隆起部4aに衝突する前に突条部4dに衝突し、上向きの分力を発生させる。この分力により、洗濯物が上向きの速度成分を有し、隆起部4aにより洗濯物が跳ね上げられる際の衝撃が抑えられる。結果として、布傷みおよび駆動部(駆動モータ10)への負荷を軽減させる効果がある。
また、突条部4dは、回転翼盤4の最底部4b2に向けて緩やかに下る突条傾斜部4d1を有する。この突条傾斜部4d1を設けることにより、洗濯物に上方向の分力を与える効果を高めるのと同時に、突条部4dに衝突する際の衝撃を抑え、布傷みを軽減させる効果がある。
また、谷部4bにおいて、最底部4b2を挟んで周方向に対称の位置に配置された2つの突条部4dは、回転翼盤4の外周端4d2から内周端4d3に向けて径方向に所定の高さで接続されている。また、向き合って配置される突条部4dは、外周端4d2から内周端4d3へ向けて絞った形状(平面視V字状または平面視ハの字状)である。これにより、回転翼盤4の上方から洗濯兼脱水槽3内に風を吹き出した場合、外周端4d2から内周端4d3へ風速を高めるような風路を形成することができ、内周端4d3において上方に噴き上げるような風の流れが生じる。このような風の流れを構成することで、衣類が下から上に持ち上げられながら乾燥することが可能となり、乾燥時のしわの抑制に効果がある。
また、向き合って配置される突条部4dは、回転翼盤4の最底部4b2に向けて緩やかに下る突条傾斜部4d1を有する。これにより、向き合って配置される突条部4dから最底部4b2に向けて流路が絞られるので、外周端4d2から内周端4d3へ向かう風速をさらに高めることができ、内周端4d3において上方に噴き上げる風の流れをさらに大きくできる。このような風の流れを構成することで、衣類が下から上に持ち上げられながら乾燥することが可能となり、乾燥時のさらなるしわの抑制に効果がある。
すなわち、上方から洗濯槽内に風を吹き出して衣類を乾燥させる場合、衣類を抑えつけるのではなく、衣類を持ち上げるような風路を形成し、乾燥むらを抑制し、更にしわを抑制する洗濯機を提供することができる。
以上説明したように、本実施形態の洗濯機Sでは、洗濯兼脱水槽3と、洗濯兼脱水槽3の底部に設けられた回転翼盤4と、洗濯兼脱水槽3を内包し洗濯水を溜める外槽2と、洗濯兼脱水槽3と回転翼盤4とを回転駆動する駆動モータ10と、洗濯兼脱水槽3の上部から回転翼盤4に向けて乾燥風を吐出する吐出口23aと、を有する。回転翼盤4は、該回転翼盤4の上面に、複数の隆起部4aと、複数の谷部4bと、隆起部4aと谷部4bとの間に設けられた中間部4cと、を有する。谷部4bは、外周端4d2から内周端4d3へ向けて、径方向に延びる突条部4dを2つ有する。2つの突条部4dは、外周端4d2から内周端4d3に向けて近づく絞り形状である(図2および図3参照)。2つの突条部4d間の底部4b1は、外周端4d2から内周端4d3に向けてなだらかな曲面を有する(図2および図3参照)。これによれば、回転翼盤4の上方に設けられた吐出口23aから吐出された乾燥風を中心側から上向きに吐出できるので、衣類の入れ替わりを促進して、乾燥むらを抑制することができ、しかも乾燥しわも抑制することが可能になる。
また、本実施形態は、2つの突条部4dは、互いに向かい合う側に底部4b1に向けて下る突条傾斜部4d1を有する(図2参照)。これによれば、衣類に対して上向きの力を与えることができ、衣類の入れ替わりを促進できる。
また、本実施形態は、突条部4dの内周端4d3の高さは、外周端4d2と内周端4d3とをつなぐ突条部4dの最下点4d4よりも高い位置にある(図7参照)。
また、本実施形態は、隆起部4aは、中間部4cの最も高い位置より高い位置に形成され、谷部4bは、中間部4cの最も低い位置より低い位置に形成されている。隆起部4aは、凸状傾斜面4a2を有し、谷部4bは、底部4b1(凹状傾斜面)を有する。中間部4cは、傾斜面4c1を有し、谷部4bおよび隆起部4aに連続的に接続されている。中間部4cの傾斜面4c1の隆起部4a側の傾斜角度θ2は、谷部4b側の傾斜角度θ1より大きい(図4参照)。これによれば、乾燥工程時には、回転翼盤4の回転により下側の衣類が上側に跳ね上げられ、上下の衣類の入れ替わりが促進されるので、衣類の乾燥むらが低減する。また、洗い工程時には、中間部4cの傾斜によって洗濯物が押し上げられるので、このときに押し上げられた洗濯物が落下するときのたたき洗い効果と、回転翼盤4と洗濯物との間の摩擦力によるこすり洗い効果により洗浄力が向上する。また、回転翼盤4の回転により下側の衣類が上側に跳ね上げられ、上下の衣類の入れ替わりが促進されるので、衣類の入れ替わりによって衣類の洗いむらが低減する。
また、本実施形態は、中間部4cの谷部4b側の傾斜角度θ1は、30°≦θ1<40°であり、中間部4cの隆起部4a側の傾斜角度θ2は、40°<θ2≦60°である(図4参照)。これによれば、上下の衣類の入れ替わりが促進され、衣類の乾燥むらが低減する。
また、本実施形態の回転翼盤4は、洗濯兼脱水槽3の上部から乾燥風が吐出される洗濯機S用の回転翼盤であって、上面に、複数の隆起部4aと、複数の谷部4bと、隆起部4aと谷部4bとの間に設けられた中間部4cと、を有する。谷部4bは、外周端4d2から内周端4d3へ向けて、径方向に延びる突条部4dを2つ有する。2つの突条部4dは、外周端4d2から内周端4d3に向けて近づく絞り形状である(図2および図3参照)。2つの突条部4d間の底部4b1は、外周端4d2から内周端4d3に向けてなだらかな曲面を有する(図2および図3参照)。これによれば、回転翼盤4の上方に設けられた吐出口23aから吐出された乾燥風を中心側から上向きに吐出できるので、衣類の入れ替わりを促進して、乾燥むらを抑制することができ、しかも乾燥しわも抑制することが可能になる。
また、本実施形態は、凸状傾斜面4a2の上部は、回転翼盤4の回転中心Pから外径側に向けて徐々に高くなる(図5参照)。これによれば、洗い運転時に攪拌したときに衣類が遠心力によって外側に移動するが、隆起部4aと谷部4bとの高低差が大きいほど、衣類の上下運動が促進され、洗浄力が向上する。また、乾燥運転時も衣類の上下の入れ替わりが促進され、乾燥むらを抑制できる。
また、本実施形態は、谷部4bと中間部4cには複数の貫通孔が設けられ、隆起部4aには貫通孔が設けられていない(図2および図3参照)。これによれば、隆起部4aに貫通孔を形成することで抵抗になる。その結果、洗濯物との引っ掛かりを抑えることができ、洗濯物の布痛みを軽減できる。
また、本実施形態は、谷部4bは、複数の突条部4dを有する。これによれば、回転翼盤4が回る際に、中間部4cで衣類を持ち上げる前に突条部4dで前もって衣類を持ち上げることができる。その結果、布痛みおよびモータ負荷を軽減することができる。
また、本発明は前記した実施形態に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、本実施形態では、隆起境界部4gおよび谷境界部4h、突条部4dは上方から見て直線状に形成されているが、弓型に湾曲した形状としてもよい。
1 外枠
2 外槽
3 洗濯兼脱水槽(洗濯槽)
4 回転翼盤
4a 隆起部
4a1 稜線
4a2 凸状傾斜面
4b 谷部
4b1 底部(凹状傾斜面)
4b2 最底部
4c 中間部
4c1 傾斜面
4d 突条部
4d1 突条傾斜部(傾斜部)
4d2 外周端
4d3 内周端
4d4 最下点
4e 曲面凸部
4f 貫通孔
4g 隆起境界部
4h 谷境界部
10 駆動モータ(駆動部)
23a 吐出口
71 裏羽根
S 洗濯機
θ1 谷部側の傾斜角度
θ2 隆起部側の傾斜角度

Claims (6)

  1. 洗濯槽と、
    前記洗濯槽の底部に設けられた回転翼盤と、
    前記洗濯槽を内包し洗濯水を溜める外槽と、
    前記洗濯槽と前記回転翼盤とを回転駆動する駆動部と、
    前記洗濯槽の上部から前記回転翼盤に向けて乾燥風を吐出する吐出口と、を有し、
    前記回転翼盤は、当該回転翼盤の上面に、複数の隆起部と、複数の谷部と、前記隆起部と前記谷部との間に設けられた中間部と、を有し、
    前記谷部は、外周端から内周端へ向けて、径方向に延びる突条部を少なくとも2つ有し、
    2つの前記突条部は、前記外周端から前記内周端に向けて近づく絞り形状であり、
    2つの前記突条部間の底部は、前記外周端から前記内周端に向けてなだらかな曲面を有することを特徴とする洗濯機。
  2. 請求項1に記載の洗濯機であって、
    2つの前記突条部は、互いに向かい合う側に前記底部に向けて下る傾斜部を有することを特徴とする洗濯機。
  3. 請求項1または請求項2に記載の洗濯機であって、
    前記突条部の前記内周端の高さは、前記外周端と前記内周端とをつなぐ前記突条部の最下点よりも高い位置にあることを特徴とする洗濯機。
  4. 請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の洗濯機であって、
    前記隆起部は、前記中間部の最も高い位置より高い位置に形成され、
    前記谷部は、前記中間部の最も低い位置より低い位置に形成され、
    前記隆起部は、凸状傾斜面を有し、
    前記谷部は、凹状傾斜面を有し、
    前記中間部は、傾斜面を有し、前記谷部および前記隆起部に連続的に接続され、
    前記中間部の前記傾斜面の前記隆起部側の傾斜角度は、前記谷部側の傾斜角度より大きいことを特徴とする洗濯機。
  5. 請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の洗濯機であって、
    前記中間部の前記谷部側の傾斜角度θ1は、30°≦θ1<40°であり、
    前記中間部の前記隆起部側の傾斜角度θ2は、40°<θ2≦60°であることを特徴とする洗濯機。
  6. 洗濯槽の上部から乾燥風が吐出される洗濯機用の回転翼盤であって、
    上面に、複数の隆起部と、複数の谷部と、前記隆起部と前記谷部との間に設けられた中間部と、を有し
    前記谷部は、外周端から内周端へ向けて、径方向に延びる突条部を少なくとも2つ有し、
    2つの前記突条部は、前記外周端から前記内周端に向けて近づく絞り形状であり、
    2つの前記突条部間の底部は、前記外周端から前記内周端に向けてなだらかな曲面を有することを特徴とする回転翼盤。
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