[第1実施形態]
以下、情報処理装置、情報処理装置の制御方法、およびプログラムの一実施形態について、図面を参照しながら説明する。本実施形態では、「情報処理装置」として、情報提供サーバー1を例示する。情報提供サーバー1は、災害発生時において、携帯端末2に対し、ユーザーUが避難するために必要な情報を提供するものである。
図1は、第1実施形態に係るネットワークシステムSY1のシステム構成図である。ネットワークシステムSY1は、情報提供サーバー1と、複数の携帯端末2と、災害情報サーバー3と、を備え、これらは、インターネット通信網等のネットワークNWを介して接続されている。
情報提供サーバー1は、携帯端末2からの要求に応じて、携帯端末2に対し、ユーザーUが避難するために必要な情報を提供する。例えば、情報提供サーバー1は、ユーザーUが避難するために必要な情報の一部として、ユーザーUに推奨すべき避難所を示す情報を携帯端末2に提供する。以下、「ユーザーUに推奨すべき避難所」を「推奨避難所」と称する。情報提供サーバー1は、災害情報サーバー3に対して、災害の発生場所など災害の発生に関する発生情報を要求し、災害情報サーバー3から取得した発生情報に基づいて、推奨避難所を決定する。
なお、本実施形態における「避難所」或いは「推奨避難所」は、都や市町村が指定する公的な「避難所」の意ではなく、本実施形態がその目的を達成するために独自に選択する「避難所」である。
複数の携帯端末2は、各ユーザーUにより所持されている。携帯端末2としては、例えばスマートフォン、タブレット端末、ノート型PC(Personal Computer)などが用いられる。また、複数の携帯端末2には、それぞれ専用アプリケーション25b(図3参照)がインストールされている。携帯端末2は、専用アプリケーション25bが起動され、災害種別が選択されることにより、情報提供サーバー1に対し、推奨避難所を示す情報を要求する。また、携帯端末2は、情報提供サーバー1から推奨避難所を示す情報を取得すると、その情報を操作・表示部23(図3参照)に表示する。
災害情報サーバー3は、情報提供サーバー1からの要求に応じて、情報提供サーバー1に対し、災害の発生に関する発生情報を提供する。ここで、「災害」には、火災および天災が含まれる。また、「天災」には、地震、台風、洪水、津波および噴火等が含まれる。例えば、火災が発生した場合、災害情報サーバー3は、建物に設置された火災検知器から検知信号を取得したり、道路に設置された監視カメラの映像を解析したりすることにより、火災の発生を検知して火災発生場所を特定し、特定した火災発生場所を示す火災場所情報を含む発生情報を情報提供サーバー1に提供する。
なお、災害情報サーバー3は、防災センター、消防局やおよび自治体など、各種災害を管理する機構から、災害の発生に関する情報を取得し、取得した情報を、発生情報として情報提供サーバー1に提供してもよい。また、本実施形態では、災害情報サーバー3により各種災害の発生情報を提供しているが、災害種別ごとに異なるサーバーが発生情報を提供してもよい。
図2は、情報提供サーバー1の制御ブロック図である。情報提供サーバー1は、ハードウェア構成として、サーバー通信部11と、サーバー制御部12と、サーバー記憶部13と、を備えている。
サーバー通信部11は、ネットワークNWを介して、携帯端末2や災害情報サーバー3と通信する。
サーバー制御部12は、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサーを含み、情報提供サーバー1の各部を制御する。
サーバー記憶部13は、HDD(Hard Disk Drive)およびROM(Read Only Memory)等の不揮発性メモリーの他、RAM(Random access memory)等の揮発性メモリーを含み、各種情報を記憶する。例えば、サーバー記憶部13は、不揮発性メモリーに、サーバーOS(Operating System)13aおよびサーバー制御プログラム13bを記憶する。サーバー制御プログラム13bは、「プログラム」の一例である。
サーバーOS13aは、情報提供サーバー1のオペレーションを司るシステムソフトウェアである。また、サーバー制御プログラム13bは、サーバーOS13a上で動作するプログラムである。サーバー制御部12は、このサーバー制御プログラム13bを、RAMに展開して実行することにより、後述する災害発生時処理(図9参照)における情報提供サーバー1側の処理を実行する。
図3は、携帯端末2の制御ブロック図である。携帯端末2は、ハードウェア構成として、携帯端末通信部21と、携帯端末制御部22と、操作・表示部23と、音声出力部24と、携帯端末記憶部25と、GPS処理部26と、加速度センサー27と、を備えている。
携帯端末通信部21は、ネットワークNWを介して、情報提供サーバー1と通信する。また、携帯端末通信部21は、ネットワークNWを介して、不図示のアプリケーションサーバーと通信する。アプリケーションサーバーは、携帯端末2に、専用アプリケーション25bを配信する。携帯端末2は、アプリケーションサーバーから受信した専用アプリケーション25bを携帯端末記憶部25に記憶させる。
携帯端末制御部22は、CPU等のプロセッサーを含み、携帯端末2の各部を制御する。
操作・表示部23は、例えばディスプレー付きタッチパネルであり、ユーザーUが各種情報を確認したり各種操作を行ったりするために用いられる。
携帯端末記憶部25は、フラッシュROM等の不揮発性メモリーの他、RAM(Random access memory)等の揮発性メモリーを含み、各種情報を記憶する。例えば、携帯端末記憶部25は、不揮発性メモリーに、携帯端末OS25aおよび専用アプリケーション25bを記憶する。携帯端末OS25aは、携帯端末2のオペレーションを司るシステムソフトウェアである。また、専用アプリケーション25bは、携帯端末OS25a上で動作するアプリケーションである。携帯端末制御部22は、この専用アプリケーション25bを、RAMに展開して実行することにより、後述する災害発生時処理における携帯端末2側の処理を実行する。
GPS処理部26は、GPS衛星から電波を受信し、受信した電波に基づいて、ユーザーUの現在位置を示すユーザー位置情報を取得する。
加速度センサー27は、携帯端末2の各軸方向の加速度を計測し、計測した各軸方向の加速度に基づいて、携帯端末2の移動量および移動方向を示す移動情報を取得する。携帯端末制御部22は、GPS処理部26がGPS衛星から電波を受信できない状況においては、加速度センサー27の計測結果に基づいて、ユーザーUの位置を特定する。
なお、携帯端末2は、加速度センサー27に加えて、ジャイロセンサーを搭載し、加速度センサー27およびジャイロセンサーの計測結果に基づいて、携帯端末2の移動量および移動方向を示す移動情報を取得する構成でもよい。
図4は、情報提供サーバー1の機能ブロック図である。情報提供サーバー1は、機能構成として、発生情報取得部111と、ユーザー位置情報取得部112と、推奨避難所決定部113と、情報提供部114と、避難所情報記憶部115と、を備えている。
これらのうち、発生情報取得部111、ユーザー位置情報取得部112、推奨避難所決定部113および情報提供部114は、サーバー制御部12がサーバー制御プログラム13bを実行することにより実現される制御機能110である。また、避難所情報記憶部115は、サーバー記憶部13内の不揮発性メモリーにより実現され、サーバー制御部12により参照される。
避難所情報記憶部115は、複数の避難所に関する情報である避難所情報を記憶する。図5に示すように、避難所情報は、避難所位置情報と、地階情報と、受水槽情報と、を含む。避難所位置情報は、各避難所の位置を示す情報である。また、地階情報は、各避難所の地階の有無と、各避難所の地階の階数と、を示す情報である。例えば、避難所情報記憶部115は、避難所が地階として、地階1階と2階を有する場合、地階情報として「地階2階」を記憶し、避難所が地階を有しない場合、地階情報として「地階なし」を記憶する。また、受水槽情報は、各避難所の地階に受水槽を設置しているか否かを示す情報である。ここで、「受水槽」とは、災害時など水道の断減水時において、給水を確保するために、ビル、病院、マンション、学校などの建物に設置される貯水タンクのことである。
後述するが、本実施形態では、携帯端末2において、災害種別として「火災」が選択された場合、建物(ビルディング)の地階を避難所(推奨避難所)として決定する。より詳細には、受水槽のある建物の地階を避難所としている。上述のように、首都直下型地震では、火災により1万6千人の犠牲者が見込まれているが、これは、関東大震災や東京大空襲に倣って木造住宅の火災を前提としている。出願人は、首都直下型地震では、木造住宅の火災に加え自動車の火災が発生すると考えている。すなわち、来る首都直下型地震では、住宅火災と車両火災とが同時多発的に発生し、首都全域において火災旋風が発生すると考えている。したがって、ビルの林立する都心でも火災旋風の影響は甚大であり、火災旋風の熱から身を守るために、避難所として建物の地階が最も適していると考えている。
また、火災旋風が去っても、避難先からの移動は極めて危険であり、且つ早急な救援も期待できない。したがって、最低でも避難先において2~3日のサバイバル生活を考慮する必要がある。そして、サバイバル生活の原点は、飲料水の確保であり、飲料水は受水槽から得られる。
受水槽は、公共の上水道に直結され、建物側の給水源となる給水タンク(貯水タンク)であり、水道局による水道水の一定供給と、建物側の水の使用量変動との間にあって、給水のバッファ的な機能を有している。言うまでもないが、我が国では、トイレの洗浄水にもこの水道水が用いられ、この洗浄水を含めて、建物の水使用量の略半日分(数十トン)が、受水槽に貯留されている。すなわち、建物内で水を使うと、受水槽からポンプを介して水が供給される一方、受水槽には外から水道水が供給される。受水槽は、ビル管理法により、遊離残留塩素の検査、水質検査および貯水槽の掃除を定期的に行うことが義務付けられているため、受水槽の水は、災害時において飲料水として用いることが可能である。
そして、ビルディングと呼ばれるように建物では、その多くにおいて給水設備の一部として(防災用ではない)受水槽が設置されている。特に、地下2階以上の規模の大きな建物では、略100%受水槽が設置されている。大地震の発生により停電が発生すると、ポンプが動かなくなるため、上水道が断水すると共に建物内の給水も断水となり、受水槽内に半日分の飲料水が残っていることになる。受水槽は、建物の地階の機械室に設置されているのが通例であり、その設置形態から、これを見分けるのは容易である。すなわち、受水槽は、部屋の一画を占める直方体のパネルタンクであること、タンクの側面に「受水槽」の文字があること、周囲6面に点検用のスペースがあること、隣にポンプがありパイプで接続されていること等より、一般人でも見分けは容易である。加えて、点検スペースの関係から受水槽の下面を覗き見ることができ、受水槽の下面には、水抜きパイプが接続されていることが確認できる。また、水抜きパイプには円形ハンドルのバルブが設けられ、水抜きパイプの下流端は空間(吐出口空間)を存して排水パイプに繋がっていることも確認できる。そして、バルブを左回転させて開くことにより、受水槽内の水が水抜きパイプを通って排水パイプに流れること、その際、両パイプを隔てる空間から飲料水を得られることが理解できる。以上の受水槽廻りの形態は、法規制による共通のものである。したがって、建物内で受水槽を見付け得れば、確実に飲料水を得られることとなる。
図4の説明に戻る。発生情報取得部111は、火災など、災害の発生に関する発生情報を、災害情報サーバー3から取得する。発生情報には、災害の発生場所、発生日時および発生状況を示す情報が含まれる。
ユーザー位置情報取得部112は、ユーザーUの位置を示すユーザー位置情報を取得する。ユーザー位置情報取得部112は、推奨避難所を示す情報を要求した携帯端末2、すなわち、後述するスタート画面D1(図6参照)においてユーザーUにより災害種別が選択された携帯端末2の位置情報を、ユーザー位置情報として取得する。
なお、携帯端末2では、災害種別として、「火災」、「水害」および「その他」のうちいずれかが選択される。ユーザーUは、火災を伴う災害(地震発生時の火災を含む)が発生した場合、災害種別として「火災」を選択する。また、ユーザーUは、水害を伴う災害が発生した場合、災害種別として「水害」を選択する。また、ユーザーUは、火災および水害を伴わない災害が発生した場合、災害種別として「その他」を選択する。
推奨避難所決定部113は、携帯端末2で選択された災害種別に応じて、推奨避難所を決定する。例えば、推奨避難所決定部113は、携帯端末2において、災害種別として「火災」が選択された場合、避難所情報に含まれる複数の避難所のうち、ユーザーUの位置に近い避難所、地階を有する避難所、地階に受水槽を設置している避難所、および災害発生場所から所定距離以上離れた避難所を優先して、推奨避難所を決定する。また、推奨避難所決定部113は、携帯端末2において、災害種別として「火災」が選択された場合、避難所情報に含まれる複数の避難所内の地階を有する避難所のうち、地階2階以上の避難所を優先して、推奨避難所を決定する。つまり、推奨避難所決定部113は、地下1階までの避難所より地下2階以上の避難所を優先して、推奨避難所を決定する。
また、推奨避難所決定部113は、携帯端末2において、災害種別として「水害」が選択された場合、避難所情報に含まれる複数の避難所のうち、ユーザーUの位置に近い避難所、標高の高い場所にある避難所、所定の階数以上を有する避難所、および海や河川から所定距離以上離れた避難所を優先して、推奨避難所を決定する。また、推奨避難所決定部113は、携帯端末2において、災害種別として「その他」が選択された場合、避難所情報に含まれる複数の避難所のうち、ユーザーUの位置に近い避難所、および災害発生場所から所定距離以上離れた避難所を優先して、推奨避難所を決定する。
情報提供部114は、推奨避難所決定部113により決定された推奨避難所を示す情報をユーザーUに提供する。以下、「推奨避難所を示す情報」を「推奨情報」と称する。また、情報提供部114は、災害発生後、避難を行うための情報をユーザーUに提供する。以下、「災害発生後、避難を行うための情報」を「避難時ガイダンス情報」と称する。避難時ガイダンス情報には、例えば火災が発生した場合、避難および初期消火を行うための情報、すなわち、どのように避難すべきか、また初期消火をどのように行えばよいかを示す情報が含まれる。また、情報提供部114は、避難所で安全に過ごすための情報をユーザーUに提供する。以下、「避難所で安全に過ごすための情報」を「避難所ガイダンス情報」と称する。避難所ガイダンス情報には、例えば推奨避難所に受水槽が設置されている場合に、受水槽から水を取り出すための情報が含まれる。
なお、本実施形態では、情報提供部114は、推奨情報として、携帯端末2が推奨避難所の名称と位置を操作・表示部23に表示するための情報を携帯端末2に提供する。また、情報提供部114は、避難時ガイダンス情報および避難所ガイダンス情報として、携帯端末2が音声出力部24から音声ガイダンスを出力するための情報を携帯端末2に提供する。
図6ないし図8を参照し、携帯端末2の操作・表示部23に表示される各種画面について説明する。図6は、スタート画面D1の一例を示す図である。スタート画面D1は、専用アプリケーション25bの起動後、最初に表示される画面である。
スタート画面D1には、災害種別候補31と、OKボタン32と、が表示される。災害種別候補31には、「火災」候補、「水害」候補および「その他」候補が含まれる。図6では、「火災」候補が選択された場合を示している。
携帯端末2は、災害種別候補31のうち、いずれかの候補が選択された状態で、OKボタン32が選択されると、選択された災害種別を示す災害種別情報を情報提供サーバー1に送信する。
図7は、避難所選択画面D2の一例を示す図である。避難所選択画面D2は、スタート画面D1において、災害種別候補31のうち、いずれかの候補が選択された後、携帯端末2が情報提供サーバー1から推奨情報および避難時ガイダンス情報を受け取ったときに表示される画面である。
避難所選択画面D2には、避難所候補35と、OKボタン36と、キャンセルボタン37と、が表示される。避難所候補35としては、情報提供サーバー1の推奨避難所決定部113により決定された推奨避難所の名称が表示される。図7では、推奨避難所決定部113により、「○○ビルディング」と「○○区民館ホール」の二つの推奨避難所が決定され、推奨避難所として「○○ビルディング」候補が選択された場合を示している。なお、推奨避難所決定部113は、必ずしも複数の推奨避難所を決定する必要はなく、一つの推奨避難所を決定する構成でもよい。
携帯端末2は、避難所候補35のうち、いずれかの候補が選択された状態で、OKボタン32が選択されると、選択された推奨避難所を含む地図画面D3(図8参照)を操作・表示部23に表示する。また、携帯端末2は、キャンセルボタン37が選択されると、避難所選択画面D2の選択結果をキャンセルし、操作・表示部23にスタート画面D1を表示する。
なお、携帯端末2は、避難所候補35として、推奨避難所の名称と共に、ユーザーUがユーザーUの現在位置から推奨避難所に行くまでの所要時間および距離の目安を表示してもよい。また、携帯端末2は、避難所候補35として、推奨避難所の名称と共に、推奨避難所の特徴(地階の有無や、受水槽の有無など)を示す記号を表示してもよい。
図8は、地図画面D3の一例を示す図である。地図画面D3は、避難所選択画面D2において、避難所候補35のうち、いずれかの候補が選択されたときに表示される画面である。図8では、スタート画面D1において「火災」候補が選択され、避難所選択画面D2において「○○ビルディング」候補が選択された場合に表示される地図画面D3の例を示している。なお、地図画面D3を表示するための地図データは、不図示の地図データ配信サーバーにより、数時間または数分間ごとなど、定期的に携帯端末2に送信される。携帯端末2は、地図データ配信サーバーから地図データを取得すると、携帯端末記憶部25から古い地図データを消去し、新しい地図データを携帯端末記憶部25に記憶させる。
地図画面D3には、地図上に、スケールバー43と、推奨避難所マーク44と、ユーザーマーク45と、火災マーク46と、が表示される。スケールバー43は、地図の縮尺を複数段階で切り替えるための操作子である。なお、携帯端末2は、地図画面D3を表示した直後の初期状態では、推奨避難所マーク44、ユーザーマーク45および火災マーク46の全てを表示可能且つ最も詳細な縮尺で地図画面D3を表示する。
推奨避難所マーク44は、推奨避難所の位置を示すマークである。ユーザーマーク45は、ユーザーUの現在位置を示すマークである。火災マーク46は、火災発生場所を示すマークである。
また、地図画面D3には、避難所到着ボタン47が表示される。ユーザーUは、地図画面D3にしたがって推奨避難所まで避難すると、避難所到着ボタン47を選択する。携帯端末2は、避難所到着ボタン47が選択されると、ユーザーUが推奨避難所に到着した旨を情報提供サーバー1に通知する。このとき、携帯端末2は、ユーザーUの現在位置を示すユーザー位置情報を情報提供サーバー1に送信する。情報提供サーバー1は、携帯端末2から送信されたユーザー位置情報に基づいて、ユーザーUが避難した避難所を特定し、特定した避難所に応じた避難所ガイダンス情報を携帯端末2に送信する。なお、携帯端末2は、避難所到着ボタン47が選択されると、不図示の避難所ガイダンス画面を操作・表示部23に表示する。避難所ガイダンス画面には、「避難所ガイダンスをお聞きください」などのメッセージが表示される。なお、携帯端末2は、避難所ガイダンス画面において、避難所ガイダンス情報に基づく文字情報を表示してもよい。
図9は、ネットワークシステムSY1の災害発生時処理の流れを示すフローチャートである。ここでは、ユーザーUが、災害が発生したことを知り、専用アプリケーション25bを起動するための操作を行ったものとする。
ステップS01において、携帯端末2は、専用アプリケーション25bを起動する。
ステップS02において、携帯端末2は、スタート画面D1(図6参照)を操作・表示部23に表示する。
ステップS03において、携帯端末2は、スタート画面D1において、災害種別が選択されたか否かを判断する。携帯端末2は、災害種別が選択されたと判断した場合、ステップS04に進む。また、携帯端末2は、災害種別が選択されていないと判断した場合、ステップS03を繰り返す。
ステップS04において、携帯端末2は、ステップS03にて選択された災害種別を示す災害種別情報を、情報提供サーバー1に送信する。
ステップS05において、携帯端末2は、ユーザー位置情報、すなわちGPS処理部26がGPS衛星から受信した電波に基づく位置情報を、情報提供サーバー1に送信する。なお、携帯端末2は、ステップS04における災害種別情報の送信と同時、または送信直後にユーザー位置情報を、情報提供サーバー1に送信する。
ステップS06において、携帯端末2は、通常モードから省電力モードに切り替える。通常モードは、デフォルト設定のモードであり、省電力モードは、通常モードよりも電力消費量が少ないモードである。このように、携帯端末2は、災害時において省電力モードに自動切り替えを行うことで、ユーザーUが携帯端末2により情報を得られる期間をできる限り長くすることができる。
ステップS07において、情報提供サーバー1は、携帯端末2から災害種別情報を取得する。
ステップS08において、情報提供サーバー1は、携帯端末2からユーザー位置情報を取得する。
ステップS09において、情報提供サーバー1は、災害情報サーバー3から発生情報を取得する。情報提供サーバー1は、災害情報サーバー3に対し、携帯端末2から取得した災害種別情報およびユーザー位置情報を送信することにより、災害情報を要求し、当該要求に対する応答として、災害情報サーバー3から発生情報を取得する。災害情報サーバー3は、災害種別情報に基づく災害種別に応じ、ユーザー位置情報に基づくユーザー位置周辺の災害情報を情報提供サーバー1に提供する。
なお、これに代えて、情報提供サーバー1は、災害情報サーバー3に対し、災害情報サーバー3が有している各種災害種別の災害情報を要求し、取得した各種災害種別の災害情報のなかから、携帯端末2から取得した災害種別情報およびユーザー位置情報に応じた災害情報を抽出する構成でもよい。
ステップS10において、情報提供サーバー1は、携帯端末2から取得した災害種別情報およびユーザー位置情報と、災害情報サーバー3から取得した発生情報と、に基づいて、推奨避難所を決定する。推奨避難所の決定方法は、上述のとおりである。例えば、情報提供サーバー1は、災害種別「火災」を示す災害種別情報を取得した場合、避難所情報に含まれる複数の避難所のうち、ユーザーUの位置に近く且つ地階を有する避難所を優先して、推奨避難所を決定する。
ステップS11において、情報提供サーバー1は、推奨情報および避難時ガイダンス情報を携帯端末2に送信する。ステップS11は、情報提供部114により実行される工程である。推奨情報は、ステップS10にて決定された推奨避難所を示す情報である。また、避難時ガイダンス情報は、予めサーバー記憶部13に災害種別情報ごとに記憶されている音声ガイダンス情報である。例えば、災害種別情報が災害種別「火災」を示すものである場合、避難時ガイダンス情報には、ユーザーUがパニックにならないように精神面のケアを行いつつ、安全に避難するための音声ガイダンス情報が含まれる。例えば、避難時ガイダンス情報には、「安全な避難所を案内します。」、「走らず、落ち着て行動してください。」、「タオルやハンカチで口と鼻を覆って避難してください。」、「火災を発見した場合、1メートル以下の炎であれば初期消火を行ってください。消火器がない場合は、濡らした大きめのタオルを手前からかけ、空気を遮断してください。」、「通電火災防止のため、できるだけブレーカーを落としてから家を出てください。」などの音声ガイダンス情報が含まれる。
なお、情報提供サーバー1は、避難時ガイダンス情報として、予め記憶されている音声ガイダンス情報に代えて、若しくは予め記憶されている音声ガイダンス情報に加えて、災害情報サーバー3から取得した発生情報に基づいて生成した音声ガイダンス情報を携帯端末2に送信してもよい。例えば、情報提供サーバー1は、発生情報に基づいて、ユーザーUの位置が災害発生場所に近いと判断した場合、その旨の音声ガイダンス情報(例えば、災害種別が「火災」である場合、「火災発生場所の近くです。十分に気をつけて行動してください。」など)を携帯端末2に送信してもよい。
ステップS12において、携帯端末2は、情報提供サーバー1から送信された推奨情報および避難時ガイダンス情報を取得する。
ステップS13において、携帯端末2は、情報提供サーバー1から送信された避難時ガイダンス情報に基づき、避難時ガイダンスを開始する。上述のとおり、携帯端末2は、音声出力部24から音声ガイダンスを出力することにより、避難時ガイダンスを行う。また、避難時ガイダンスは、避難時ガイダンス情報に含まれる情報を1回のみ音声出力してもよいし、避難時ガイダンス情報に含まれる情報の少なくとも一部を繰り返し音声出力してもよい。後者の場合、ユーザー操作により、音声出力を中断できることが好ましい。
ステップS14において、携帯端末2は、避難所選択画面D2(図7参照)を操作・表示部23に表示する。携帯端末2は、情報提供サーバー1から送信された推奨情報に基づき、避難所候補35を表示する。なお、携帯端末2は、ステップS13とステップS14を同時に実行してもよいし、ステップS14の後にステップS13を実行してもよい。
ステップS15において、携帯端末2は、避難所選択画面D2において、避難所候補35のうちいずれかの推奨避難所が選択されたか否かを判断する。携帯端末2は、推奨避難所が選択されたと判断した場合、ステップS16に進む。また、携帯端末2は、推奨避難所が選択されていないと判断した場合、ステップS15を繰り返す。
ステップS16において、携帯端末2は、地図画面D3(図8参照)を操作・表示部23に表示する。携帯端末2は、情報提供サーバー1から送信された推奨情報に基づき、避難所選択画面D2で選択された推奨避難所の位置を特定し、特定した推奨避難所の位置に基づいて、地図画面D3を表示する。
ステップS17において、携帯端末2は、ユーザーUが推奨避難所に到着したか否か、すなわち地図画面D3において避難所到着ボタン47が選択されたか否かを判断する。携帯端末2は、ユーザーUが推奨避難所に到着したと判断した場合、ステップS18に進む。また、携帯端末2は、ユーザーUが推奨避難所に到着していないと判断した場合、ステップS17を繰り返す。
ステップS18において、携帯端末2は、推奨避難所到着を情報提供サーバー1に通知する。
ステップS19において、情報提供サーバー1は、携帯端末2から、推奨避難所到着の通知を受け取る。
ステップS20において、情報提供サーバー1は、避難所ガイダンス情報を携帯端末2に送信する。ステップS20は、情報提供部114により実行される工程である。避難所ガイダンス情報は、予めサーバー記憶部13に避難所ごとに記憶されている音声ガイダンス情報である。例えば、推奨避難所に受水槽が設置されている場合、避難所ガイダンス情報は、「地下〇階の機械室に受水槽が設置されています。」、「受水槽は、パネルを組み合わせた四角い大きなタンクです。」、「タンクの側面にある『受水槽』或いは『受水タンク』の文字を確認してください。」、「タンクの底を覗いて、水抜きのパイプを確認してください。」、「パイプには、円形の取っ手の付いたバルブがあります。」、「この取っ手を左に回して水を出してください。」、「パイプの末端から水が出ているのを確認してください。この部分から水を取り出します。」など、受水槽から水を得るための音声ガイダンス情報が含まれる。
ステップS21において、携帯端末2は、情報提供サーバー1から送信された避難所ガイダンス情報を取得する。
ステップS22において、携帯端末2は、情報提供サーバー1から送信された避難所ガイダンス情報に基づき、避難所ガイダンスを開始する。上述のとおり、携帯端末2は、音声出力部24から音声ガイダンスを出力することにより、避難所ガイダンスを行う。また、避難所ガイダンスは、避難所ガイダンス情報に含まれる情報を1回のみ音声出力してもよいし、避難所ガイダンス情報に含まれる情報の少なくとも一部を繰り返し音声出力してもよい。後者の場合、ユーザー操作により、音声出力を中断できることが好ましい。
以上説明したとおり、本実施形態に係る情報提供サーバー1は、災害種別「火災」を示す災害種別情報を取得した場合、ユーザーUの位置に近く且つ地階を有する避難所を優先して、推奨避難所を決定し、決定した推奨避難所を示す情報をユーザーUが所持する携帯端末2に送信する。これにより、ユーザーUは、火災が発生した場合に、安全な避難所を知ることができ、避難所を探している間に逃げ遅れてしまうリスクを低減することができる。
また、情報提供サーバー1は、避難時ガイダンス情報として、火災発生時の避難および初期消火を行うための情報をユーザーUが所持する携帯端末2に提供する。これにより、ユーザーUは、推奨避難所まで安全に避難したり、火災延焼を食い止めるための初期消火を行ったりすることができる。
また、情報提供サーバー1は、地階に受水槽を設置している避難所を優先して推奨避難所を決定し、決定した推奨避難所を示す情報をユーザーUが所持する携帯端末2に送信する。これにより、ユーザーUは、推奨避難所に避難した後、受水槽により水を得ることができる。
また、情報提供サーバー1は、避難所ガイダンス情報として、受水槽から水を取り出すための情報をユーザーUが所持する携帯端末2に送信する。これにより、ユーザーUは、推奨避難所に避難した後、受水槽から水を取り出すことができる。
また、情報提供サーバー1は、地階2階以上の避難所を優先して推奨避難所を決定し、決定した推奨避難所を示す情報をユーザーUが所持する携帯端末2に送信する。これにより、ユーザーUは、同時多発火災など、地下1階への避難では危険性がある甚大な火災が発生した場合でも、安全な避難所を知ることができる。
なお、第1実施形態では、以下の変形例を採用可能である。以下の変形例では、第1実施形態と異なる点のみ説明する。
[変形例1-1]
第1実施形態では、情報提供サーバー1が、図4に示した各機能を実現したが、本変形例では、携帯端末2が、図4に示した各機能を実現する。図10は、本変形例に係るネットワークシステムSY2のシステム構成図である。
ネットワークシステムSY2は、複数の携帯端末2と、災害情報サーバー3と、を備え、これらは、インターネット通信網等のネットワークNWを介して接続されている。
携帯端末2は、専用アプリケーション25bが起動され、災害種別が選択されると、災害情報サーバー3に対し、発生情報を要求する。また、携帯端末2は、災害情報サーバー3から発生情報を取得すると、取得した発生情報に基づいて、推奨避難所を決定する。一方、災害情報サーバー3は、携帯端末2からの要求に応じて、携帯端末2に対し、災害の発生に関する発生情報を提供する。
なお、本変形例に係る携帯端末2のハードウェア構成は、図3に示した第1実施形態に係る携帯端末2のハードウェア構成と同様である。但し、携帯端末記憶部25には、避難所情報、避難時ガイダンス情報および避難所ガイダンス情報が予め記憶されている。また、図4に示した機能のうち、発生情報取得部111、ユーザー位置情報取得部112、推奨避難所決定部113および情報提供部114は、携帯端末制御部22が専用アプリケーション25bを実行することにより実現される制御機能110である。本変形例において、専用アプリケーション25bは、「プログラム」の一例である。また、避難所情報記憶部115は、携帯端末記憶部25内の不揮発性メモリーにより実現され、携帯端末制御部22により参照される。
図11は、本変形例に係る携帯端末2の災害発生時処理の流れを示すフローチャートである。ステップS31において、携帯端末2は、専用アプリケーション25bを起動する。
ステップS32において、携帯端末2は、スタート画面D1(図6参照)を操作・表示部23に表示する。
ステップS33において、携帯端末2は、スタート画面D1において、災害種別が選択されたか否かを判断する。携帯端末2は、災害種別が選択されたと判断した場合、ステップS34に進む。また、携帯端末2は、災害種別が選択されていないと判断した場合、ステップS33を繰り返す。
ステップS34において、携帯端末2は、ユーザー位置情報、すなわちGPS処理部26がGPS衛星から受信した電波に基づく位置情報を取得する。
ステップS35において、携帯端末2は、災害情報サーバー3から発生情報を取得する。携帯端末2は、災害情報サーバー3に対し、ステップS33にて選択された災害種別を示す災害種別情報と、ステップS34にて取得したユーザー位置情報と、を送信することにより、災害情報を要求し、当該要求に対する応答として、災害情報サーバー3から発生情報を取得する。災害情報サーバー3は、災害種別情報に基づく災害種別に応じ、ユーザー位置情報に基づくユーザー位置周辺の災害情報を携帯端末2に提供する。
ステップS36において、携帯端末2は、ステップS33にて選択された災害種別を示す災害種別情報と、ステップS34にて取得したユーザー位置情報と、災害情報サーバー3から取得した発生情報と、に基づいて、推奨避難所を決定する。推奨避難所の決定方法は、上述のとおりである。
ステップS37において、携帯端末2は、通常モードから省電力モードに切り替える。
ステップS38において、携帯端末2は、避難時ガイダンスを開始する。ステップS38は、情報提供部114により実行される工程である。携帯端末2は、避難時ガイダンス情報を音声出力部24から出力することにより、避難時ガイダンスを行う。なお、避難時ガイダンス情報は、予め携帯端末記憶部25に、災害種別情報ごとに記憶されている音声ガイダンス情報である。
ステップS39において、携帯端末2は、避難所選択画面D2(図7参照)を操作・表示部23に表示する。ステップS39は、情報提供部114により実行される工程である。携帯端末2は、ステップS36にて決定された1以上の推奨避難所に基づき、避難所候補35を表示する。なお、携帯端末2は、ステップS38とステップS39を同時に実行してもよいし、ステップS39の後にステップS38を実行してもよい。
ステップS40において、携帯端末2は、避難所選択画面D2において、避難所候補35のうちいずれかの推奨避難所が選択されたか否かを判断する。携帯端末2は、推奨避難所が選択されたと判断した場合、ステップS41に進む。また、携帯端末2は、推奨避難所が選択されていないと判断した場合、ステップS40を繰り返す。
ステップS41において、携帯端末2は、地図画面D3(図8参照)を操作・表示部23に表示する。携帯端末2は、予め携帯端末記憶部25に記憶されている避難所情報に基づき、避難所選択画面D2で選択された推奨避難所の位置を特定し、特定した推奨避難所の位置に基づいて、地図画面D3を表示する。
ステップS42において、携帯端末2は、ユーザーUが推奨避難所に到着したか否か、すなわち地図画面D3において避難所到着ボタン47が選択されたか否かを判断する。携帯端末2は、ユーザーUが推奨避難所に到着したと判断した場合、ステップS43に進む。また、携帯端末2は、ユーザーUが推奨避難所に到着していないと判断した場合、ステップS42を繰り返す。
ステップS43において、携帯端末2は、避難所ガイダンスを開始する。ステップS43は、情報提供部114により実行される工程である。携帯端末2は、避難所ガイダンス情報を音声出力部24から出力することにより、避難所ガイダンスを行う。なお、避難所ガイダンス情報は、予め携帯端末記憶部25に避難所ごとに記憶されている音声ガイダンス情報である。
以上説明したとおり、本変形例によれば、情報提供サーバー1を必要としないネットワークシステムSY2により、災害発生時処理を行うことができ、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
[変形例1-2]
第1実施形態では、携帯端末2が専用アプリケーション25bを起動することにより、災害発生時処理を開始したが、本変形例では、情報提供サーバー1が災害情報サーバー3から発生情報を取得することにより、災害発生時処理を開始する。
本変形例に係るネットワークシステムは、第1実施形態に係るネットワークシステムSY1(図1参照)と同様である。但し、本変形例に係る災害情報サーバー3は、災害の発生を検知すると、災害の発生に関する発生情報(災害種別、災害発生日時、災害発生状況および災害発生場所などを含む情報)を情報提供サーバー1に提供する。なお、1つの災害情報サーバー3により各種災害を検知するのではなく、災害種別ごとに異なるサーバーで各災害を検知可能としてもよい。
また、情報提供サーバー1のハードウェア構成および機能構成、並びに携帯端末2のハードウェア構成も、第1実施形態と同様である。但し、本変形例において、ユーザーUは、専用アプリケーション25b(図3参照)のインストール後、情報提供サーバー1に対し、携帯端末2のアドレスを設定するユーザー登録を行っておくものとする。これにより、携帯端末2は、情報提供サーバー1からのプッシュ通知を取得することが可能となる。また、本変形例に係る携帯端末2は、専用アプリケーション25bの起動後、スタート画面D1(図6参照)ではなく、災害通知画面D0(図12参照)を表示する。
図12に示すように、災害通知画面D0は、ポップアップ画面として表示される。同図では、日時情報61を含むロック画面上に災害通知画面D0が表示された例を示しているが、携帯端末2が、情報提供サーバー1から発生情報の通知を受けたときに、任意のアプリケーションを起動している場合は、そのアプリケーションの画面上に災害通知画面D0が表示される。災害通知画面D0には、災害発生を検知した旨、避難時ガイダンスを開始する旨、および省電力モードに切り替える旨のメッセージが表示される。同図では、災害種別「火災」の発生情報の通知を受けた例を示している。
図13は、本変形例に係るネットワークシステムSY1の災害発生時処理の流れを示すフローチャートである。ステップS51において、情報提供サーバー1は、災害情報サーバー3から発生情報を取得する。
ステップS52において、情報提供サーバー1は、ステップS51にて取得した発生情報を携帯端末2に通知する。なお、情報提供サーバー1は、災害が発生した場所周辺に存在する携帯端末2にのみ、発生情報を通知してもよい。若しくは、情報提供サーバー1は、ユーザー登録時に地域の登録を受け付け、災害が発生した地域を登録したユーザーUの携帯端末2にのみ、発生情報を通知してもよい。
ステップS53において、携帯端末2は、情報提供サーバー1から発生情報の通知を受け取る。
ステップS54において、携帯端末2は、専用アプリケーション25bを起動する。このように、本変形例に係る携帯端末2は、情報提供サーバー1から発生情報の通知を受けて、自動的に専用アプリケーション25bを起動する。
ステップS55において、携帯端末2は、災害通知画面D0(図12参照)を操作・表示部23に表示する。
ステップS56において、携帯端末2は、ユーザー位置情報、すなわちGPS処理部26がGPS衛星から受信した電波に基づく位置情報を、情報提供サーバー1に送信する。
ステップS57において、携帯端末2は、通常モードから省電力モードに切り替える。
ステップS58において、情報提供サーバー1は、携帯端末2からユーザー位置情報を取得する。
ステップS59において、情報提供サーバー1は、災害情報サーバー3から取得した発生情報と、携帯端末2から取得したユーザー位置情報と、に基づいて、推奨避難所を決定する。推奨避難所の決定方法は、上述のとおりである。
ステップS60において、情報提供サーバー1は、推奨情報および避難時ガイダンス情報を携帯端末2に送信する。ステップS11は、情報提供部114により実行される工程である。推奨情報は、ステップS59にて決定された推奨避難所を示す情報である。また、避難時ガイダンス情報は、予めサーバー記憶部13に災害種別情報ごとに記憶されている音声ガイダンス情報である。
なお、ステップS61ないしステップS71は、図9に示したステップS12ないしステップS22と同様であるため、説明を省略する。
このように、本変形例に係る携帯端末2は、情報提供サーバー1からのプッシュ通知により、自動的に専用アプリケーション25bを起動するため、ユーザーUが、わざわざ専用アプリケーション25bを起動したり、災害種別を選択したりする手間を軽減することができる。また、これによりユーザーUは、災害が発生しパニック状態にある場合でも、避難所に関する情報を速やかに入手できるため、避難所まで安全に避難できる可能性を高めることができる。
[変形例1-3]
本変形例は、変形例1-2を、携帯端末2が主体となって実現するものである。本変形例では、携帯端末2が、図4に示した各機能を実現する。本変形例に係るネットワークシステムは、変形例1-1に係るネットワークシステムSY2(図10参照)と同様である。但し、本変形例において、ユーザーUは、専用アプリケーション25b(図3参照)のインストール後、災害情報サーバー3に対し、携帯端末2のアドレスを設定するユーザー登録を行っておくものとする。
図14は、本変形例に係る携帯端末2の災害発生時処理の流れを示すフローチャートである。ステップS81において、携帯端末2は、災害情報サーバー3から発生情報を取得する。
ステップS82において、携帯端末2は、専用アプリケーション25bを起動する。このように、本変形例に係る携帯端末2は、災害情報サーバー3から発生情報を取得することにより、自動的に専用アプリケーション25bを起動する。
ステップS83において、携帯端末2は、災害通知画面D0(図12参照)を操作・表示部23に表示する。
ステップS84において、携帯端末2は、ユーザー位置情報、すなわちGPS処理部26がGPS衛星から受信した電波に基づく位置情報を取得する。
ステップS85において、携帯端末2は、災害情報サーバー3から取得した発生情報と、ステップS84にて取得したユーザー位置情報と、に基づいて、推奨避難所を決定する。推奨避難所の決定方法は、上述のとおりである。
なお、ステップS86ないしステップS92は、図11に示したステップS37ないしステップS43と同様であるため、説明を省略する。
このように、本変形例によれば、情報提供サーバー1を必要としないネットワークシステムSY2により、災害発生時処理を行うことができ、変形例1-2と同様の効果を得ることができる。
[第2実施形態]
次に、第2実施形態について説明する。第1実施形態では、地図画面D3に推奨避難所の位置を示す推奨避難所マーク44を表示したが、本実施形態では、推奨避難所マーク44だけでなく、推奨避難所までの避難経路を表示する。以下、第1実施形態と異なる点のみ説明する。本実施形態において、第1実施形態と同様の構成部分については同様の符号を付し、詳細な説明を省略する。また、第1実施形態と同様の構成部分について適用される変形例は、本実施形態についても同様に適用される。なお、本実施形態では、火災発生時における避難誘導について、主に説明する。
図15は、第2実施形態に係る情報提供サーバー1の機能ブロック図である。本実施形態に係る情報提供サーバー1は、第1実施形態に係る情報提供サーバー1の機能構成(図4参照)に、計測部116と、気象情報取得部117と、延焼予測部118と、携帯端末位置情報取得部119と、計測情報記憶部120と、を追加した構成である。
これらのうち、計測部116、気象情報取得部117、延焼予測部118および携帯端末位置情報取得部119は、サーバー制御部12がサーバー制御プログラム13bを実行することにより実現される制御機能110である。また、計測情報記憶部120は、サーバー記憶部13内の不揮発性メモリーにより実現され、サーバー制御部12により参照される。
計測部116は、通常時における、ユーザーUの歩行速度を計測する。ここで、通常時とは、専用アプリケーション25bが起動状態にないとき、すなわち災害が発生していないときを意味する。計測部116は、GPS処理部26の計測結果に基づくユーザー位置の変化(ユーザーUの歩行時間および歩行距離)や、加速度センサー27の計測結果に基づく携帯端末2の移動速度などに基づいて、ユーザーUの歩行速度を計測する。
計測情報記憶部120は、計測部116により計測されたユーザーUの歩行速度を示す計測情報を記憶する。本実施形態では、計測情報として、ユーザーUの歩行速度の平均値を記憶する。例えば、計測部116により、歩行速度の平均値が「4km/時」であったことが計測され、それまで計測情報記憶部120に記憶されていた値が「3km/時」であった場合、計測情報記憶部120には、4km/時と3km/時の平均値である「3.5km/時」が記憶される。
気象情報取得部117は、不図示の気象情報サーバーから、気象情報を取得する。気象情報サーバーは、気象情報を提供するサーバーである。
延焼予測部118は、発生情報取得部111により取得した発生情報に基づいて、火災発生の場所を特定し、特定した火災発生の場所周辺の気象情報に基づいて、火災の延焼予測を行う。例えば、延焼予測部118は、特定した火災発生の場所周辺の気象情報に基づいて、風向き、風速および湿度を特定し、特定したこれらの情報に基づいて、火災の延焼予測を行う。
また、延焼予測部118は、地震発生時などにおいて、同時多発火災が発生した場合、複数の火災発生場所を考慮して延焼予測を行う。また、延焼予測部118は、気象情報に基づいて火災旋風が発生する可能性があるか否かを判断し、火災旋風が発生する可能性があると判断した場合、火災旋風の移動速度や移動方向を考慮して延焼予測を行う。
その他、延焼予測部118は、特定した火災発生の場所周辺の隣棟間隔、特定した火災発生の場所周辺の建物の大きさや構造に基づいて、火災の延焼予測を行ってもよい。また、延焼予測部118は、衛星写真や渋滞情報などに基づいて、道路上の車両の分布を判断し、判断した車両の分布を考慮して延焼予測を行ってもよい。この構成によれば、地震発生時の同時多発火災や火災旋風により道路まで火災が広がった場合、車両火災も考慮して、より正確な延焼予測を行うことができる。
携帯端末位置情報取得部119は、複数のユーザーUが所持する複数の携帯端末2から、それぞれの位置を示す携帯端末位置情報を取得する。本実施形態に係る携帯端末位置情報取得部119は、携帯端末2から災害種別情報およびユーザー位置情報を取得したときに、ネットワークシステムSY1に含まれる複数の携帯端末2の携帯端末位置情報を取得する。これに代えて、携帯端末位置情報取得部119は、常にリアルタイムで各携帯端末2の位置を特定できるように、ネットワークシステムSY1に含まれる複数の携帯端末2の携帯端末位置情報を定期的に受信する構成でもよい。
本実施形態に係る推奨避難所決定部113は、ユーザー位置情報と、避難所情報と、火災場所情報と、に基づいて、推奨避難所、および推奨避難所までの避難経路を決定する。推奨避難所までの避難経路の決定方法は、既知の誘導案内技術を適用可能である。また、推奨避難所決定部113は、計測情報記憶部120に記憶されている計測情報を考慮して、推奨避難所および避難経路を決定する。例えば、歩行速度の遅いユーザーUについては、ユーザーUの位置から離れた避難所を推奨避難所として決定すると、避難に時間がかかり危険であるため、歩行速度に応じて、所定時間以内に避難可能な避難所を優先して、推奨避難所を決定する。
また、推奨避難所決定部113は、延焼予測部118の予測結果を考慮して、推奨避難所および避難経路を決定する。例えば、推奨避難所決定部113は、延焼予測部118の予測結果に基づいて、所定時間内に延焼範囲に含まれると予測される避難所および避難経路を避けて、推奨避難所および避難経路を決定する。
また、推奨避難所決定部113は、携帯端末位置情報取得部119により取得した複数の携帯端末位置情報を考慮して、推奨避難所および避難経路を決定する。例えば、推奨避難所決定部113は、人が多い場所を避けて、避難経路を決定する。これにより、ユーザーUが群衆雪崩の被害にあうリスクを低減できる。また、例えば、推奨避難所決定部113は、避難所の収容可能人数(定員)に対し、一定割合以上の収容者が既に収容されている場合、その避難所を避けて、推奨避難所を決定する。
推奨避難所決定部113は、避難所に収容されている人数を、携帯端末位置情報取得部119により取得した複数の携帯端末位置情報から判断してもよい。若しくは、推奨避難所決定部113は、避難所に収容されている人数を、複数の携帯端末位置情報から判断するのではなく、自治体等が管理するサーバー(避難所に収容されている人数を登録したサーバー)から各避難所の収容人数を取得することにより判断してもよい。なお、収容可能人数は、避難所情報として予め避難所情報記憶部115に記憶しておけばよい。
本実施形態の情報提供部114は、推奨避難所決定部113により決定された推奨避難所および避難経路をユーザーUに通知する。具体的には、情報提供部114は、推奨情報として、推奨避難所決定部113により決定された推奨避難所および避難経路を示す情報を、携帯端末2に送信する。
図16は、本実施形態に係る地図画面D3の一例を示す図である。本実施形態に係る地図画面D3には、第1実施形態に係る地図画面D3(図8参照)に加えて、避難経路を示す経路線51が表示される。同図の例において、経路線51は、ユーザーUの位置を起点とし、推奨避難所の位置を終点とする破線の矢印で表されている。
また、本実施形態に係る地図画面D3には、誘導開始ボタン49が表示される。携帯端末2は、誘導開始ボタン49が選択されると、避難経路に沿ってユーザーUを推奨避難所まで誘導するための誘導ガイダンスを行う。誘導ガイダンスは、音声出力部24により、「次の信号を右に曲がってください。」、「100メートルほど歩くと目的地に到着します。」などの情報を音声出力することにより行われる。
図17は、ネットワークシステムSY1の災害発生時処理の流れを示すフローチャートである。ステップS101ないしステップS109は、図9に示したステップS01ないしステップS09と同様であるため、説明を省略する。
ステップS110において、情報提供サーバー1は、不図示の気象情報サーバーから、気象情報を取得する。
ステップS111において、情報提供サーバー1は、ステップS109にて取得した発生情報に含まれる火災場所情報と、ステップS110にて取得した気象情報と、に基づいて、火災の延焼予測を行う。
ステップS112において、情報提供サーバー1は、ネットワークシステムSY1に含まれる複数の携帯端末2から、複数の携帯端末位置情報を取得する。
ステップS113において、情報提供サーバー1は、携帯端末2から取得した災害種別情報およびユーザー位置情報と、災害情報サーバー3から取得した発生情報と、ステップS111における延焼予測結果と、に基づいて、推奨避難所および避難経路を決定する。
ステップS114において、情報提供サーバー1は、推奨情報および避難時ガイダンス情報を携帯端末2に送信する。ステップS114は、情報提供部114により実行される工程である。推奨情報は、ステップS113にて決定された推奨避難所および避難経路を示す情報である。
ステップS115において、携帯端末2は、情報提供サーバー1から送信された推奨情報および避難時ガイダンス情報を取得する。
ステップS116において、携帯端末2は、情報提供サーバー1から送信された避難時ガイダンス情報に基づき、避難時ガイダンスを開始する。
ステップS117において、携帯端末2は、避難所選択画面D2(図7参照)を操作・表示部23に表示する。携帯端末2は、情報提供サーバー1から送信された推奨情報に基づき、避難所候補35を表示する。
ステップS118において、携帯端末2は、避難所選択画面D2において、避難所候補35のうちいずれかの推奨避難所が選択されたか否かを判断する。携帯端末2は、推奨避難所が選択されたと判断した場合、ステップS119に進む。また、携帯端末2は、推奨避難所が選択されていないと判断した場合、ステップS118を繰り返す。
ステップS119において、携帯端末2は、地図画面D3(図16参照)を操作・表示部23に表示する。携帯端末2は、情報提供サーバー1から送信された推奨情報に基づき、避難所選択画面D2で選択された推奨避難所の位置を示す推奨避難所マーク44や、推奨避難所までの避難経路を示す経路線51等を地図画面D3に表示する。
ステップS120において、携帯端末2は、ユーザーUから誘導開始が指示されたか否か、すなわち地図画面D3において誘導開始ボタン49が選択されたか否かを判断する。携帯端末2は、ユーザーUから誘導開始が指示されたと判断した場合、ステップS121に進む。また、携帯端末2は、ユーザーUから誘導開始が指示されていないと判断した場合、ステップS120を繰り返す。
ステップS121において、携帯端末2は、地図画面D3に表示された経路線51が示す避難経路に沿って、誘導ガイダンスを開始する。
ステップS122において、携帯端末2は、ユーザーUが推奨避難所に到着したか否かを判断する。本実施形態では、携帯端末2が、GPS処理部26の計測結果または加速度センサー27の計測結果に基づいて、ユーザーUが推奨避難所に到着したか否かを判断する。携帯端末2は、ユーザーUが推奨避難所に到着したと判断した場合、ステップS123に進む。また、携帯端末2は、ユーザーUが推奨避難所に到着していないと判断した場合、ステップS122を繰り返す。
ステップS123において、携帯端末2は、推奨避難所到着を情報提供サーバー1に通知する。
ステップS124において、情報提供サーバー1は、携帯端末2から、推奨避難所到着の通知を受け取る。
ステップS125において、情報提供サーバー1は、避難所ガイダンス情報を携帯端末2に送信する。ステップS125は、情報提供部114により実行される工程である。
ステップS126において、携帯端末2は、情報提供サーバー1から送信された避難所ガイダンス情報を取得する。
ステップS127において、携帯端末2は、情報提供サーバー1から送信された避難所ガイダンス情報に基づき、避難所ガイダンスを開始する。
以上説明したとおり、本実施形態に係る情報提供サーバー1は、推奨避難所までの避難経路をユーザーUに通知する。これにより、ユーザーUは、通知された避難経路にしたがって推奨避難所まで避難することができる。
また、情報提供サーバー1は、ユーザーUの歩行速度を計測した計測情報を考慮して、推奨避難所および避難経路を決定する。これにより、ユーザーUは、自身の歩行速度を考慮した、より安全な推奨避難所および避難経路を知ることができる。
また、情報提供サーバー1は、気象情報を用いた延焼予測結果を考慮して、推奨避難所および避難経路を決定する。これにより、ユーザーUは、気象情報を考慮した、より安全な推奨避難所および避難経路を知ることができる。
また、情報提供サーバー1は、複数の携帯端末2から取得した複数の携帯端末位置情報を考慮して、推奨避難所および避難経路を決定する。つまり、情報提供サーバー1は、複数の携帯端末2の位置、すなわち人々の居場所を示すビッグデータを利用して、推奨避難所および避難経路を決定する。これにより、ユーザーUは、人々の居場所を考慮した、より安全な推奨避難所および避難経路を知ることができる。
なお、第2実施形態では、以下の変形例を採用可能である。以下の変形例では、第2実施形態と異なる点のみ説明する。
[変形例2-1]
第2実施形態では、情報提供サーバー1が、図15に示した各機能を実現したが、本変形例では、携帯端末2が、図15に示した各機能を実現する。本変形例に係るネットワークシステムSY2は、変形例1-1のシステム構成(図10参照)と同様である。
なお、本変形例に係る携帯端末2のハードウェア構成は、図3に示した第1実施形態に係る携帯端末2のハードウェア構成と同様である。但し、携帯端末記憶部25には、避難所情報、避難時ガイダンス情報および避難所ガイダンス情報が予め記憶されている。また、図15に示した機能のうち、計測部116、発生情報取得部111、ユーザー位置情報取得部112、気象情報取得部117、延焼予測部118、携帯端末位置情報取得部119、推奨避難所決定部113および情報提供部114は、携帯端末制御部22が専用アプリケーション25bを実行することにより実現される制御機能110である。また、避難所情報記憶部115および計測情報記憶部120は、携帯端末記憶部25内の不揮発性メモリーにより実現され、携帯端末制御部22により参照される。
図18は、本変形例に係る携帯端末2の災害発生時処理の流れを示すフローチャートである。ステップS131ないしステップS135は、図11に示したステップS31ないしステップS35と同様であるため、説明を省略する。
ステップS136において、携帯端末2は、不図示の気象情報サーバーから、気象情報を取得する。
ステップS137において、携帯端末2は、ステップS135にて取得した発生情報に含まれる火災場所情報と、ステップS136にて取得した気象情報と、に基づいて、火災の延焼予測を行う。
ステップS138において、携帯端末2は、ネットワークシステムSY1に含まれる他の携帯端末2から、複数の携帯端末位置情報を取得する。なお、携帯端末2は、他の携帯端末2から、直接、携帯端末位置情報を取得するのではなく、複数の携帯端末2を管理する不図示の携帯端末管理サーバーから、複数の携帯端末2の位置を示すビッグデータを取得してもよい。
ステップS139において、携帯端末2は、ステップS133にて選択された災害種別を示す災害種別情報と、ステップS134にて取得したユーザー位置情報と、災害情報サーバー3から取得した発生情報と、ステップS137における延焼予測結果と、に基づいて、推奨避難所および避難経路を決定する。
ステップS140において、携帯端末2は、通常モードから省電力モードに切り替える。
ステップS141において、携帯端末2は、避難時ガイダンスを開始する。ステップS141は、情報提供部114により実行される工程である。
ステップS142において、携帯端末2は、避難所選択画面D2(図7参照)を操作・表示部23に表示する。携帯端末2は、ステップS139にて決定された1以上の推奨避難所に基づき、避難所候補35を表示する。ステップS142は、情報提供部114により実行される工程である。
ステップS143において、携帯端末2は、避難所選択画面D2において、避難所候補35のうちいずれかの推奨避難所が選択されたか否かを判断する。携帯端末2は、推奨避難所が選択されたと判断した場合、ステップS144に進む。また、携帯端末2は、推奨避難所が選択されていないと判断した場合、ステップS143を繰り返す。
ステップS144において、携帯端末2は、地図画面D3(図16参照)を操作・表示部23に表示する。携帯端末2は、ステップS139にて決定した推奨避難所および避難経路に基づいて、推奨避難所マーク44や経路線51等を地図画面D3に表示する。
ステップS145において、携帯端末2は、ユーザーUから誘導開始が指示されたか否か、すなわち地図画面D3において誘導開始ボタン49が選択されたか否かを判断する。携帯端末2は、ユーザーUから誘導開始が指示されたと判断した場合、ステップS146に進む。また、携帯端末2は、ユーザーUから誘導開始が指示されていないと判断した場合、ステップS145を繰り返す。
ステップS146において、携帯端末2は、地図画面D3に表示された経路線51が示す避難経路に沿って、誘導ガイダンスを開始する。
ステップS147において、携帯端末2は、ユーザーUが推奨避難所に到着したか否かを判断する。本変形例でも、第2実施形態と同様に、携帯端末2が、GPS処理部26の計測結果または加速度センサー27の計測結果に基づいて、ユーザーUが推奨避難所に到着したか否かを判断する。携帯端末2は、ユーザーUが推奨避難所に到着したと判断した場合、ステップS148に進む。また、携帯端末2は、ユーザーUが推奨避難所に到着していないと判断した場合、ステップS147を繰り返す。
ステップS148において、携帯端末2は、予め携帯端末記憶部25に避難所ごとに記憶されている避難所ガイダンス情報に基づき、避難所ガイダンスを開始する。ステップS148は、情報提供部114により実行される工程である。
以上説明したとおり、本変形例によれば、情報提供サーバー1を必要としないネットワークシステムSY2により、避難経路の提供を含む災害発生時処理を行うことができ、第2実施形態と同様の効果を得ることができる。
なお、本変形例において、携帯端末2は、無線通信機能が使えない、いわゆるオフライン状態の場合、GPS処理部26により受信したGPS信号を利用し、携帯端末2の現在位置から、オフラインになる直前までに取得した地図データと、推奨避難所の位置と、に基づいて、推奨避難所への最短ルートを描画し続けることが好ましい。
[変形例2-2]
図19に示すように、携帯端末2は、地図画面D3に、ネットワークシステムSY1に含まれる複数の携帯端末2から取得した複数の携帯端末位置情報に基づく人数分布マーク53を表示してもよい。同図に示す人数分布マーク53は、所定人数ごとに一つのドットを表示するなどして、人の分布を表している。これにより、ユーザーUは、地図画面D3を視認することにより、人が密集している場場所を把握することができ、群衆雪崩に巻き込まれるリスクを低減することができる。
[変形例2-3]
変形例2-2の更なる変形例として、情報提供サーバー1は、推奨情報および避難時ガイダンス情報を携帯端末2に送信した後、推奨避難所到着の通知を受け取るまでの間(図17のステップS114の後、ステップS124までの間)、携帯端末位置情報の取得(ステップS112)を繰り返し実行し、携帯端末位置情報を取得するたびに、最新の携帯端末位置情報に基づく人数分布マーク53を携帯端末2に表示させるための情報を、携帯端末2に送信してもよい。この構成によれば、ユーザーUは、リアルタイムに変化する人々の移動を把握することができる。
なお、第1実施形態および第2実施形態に共通して、以下の変形例を採用可能である。
[変形例3-1]
携帯端末2は、通常モードから省電力モードに切り替えたとき、ユーザーUに対し、バッテリー残量を音声ガイダンスしてもよい。この構成によれば、ユーザーUは、バッテリー残量が少ない場合に携帯端末2の電源を切るなど、できるだけ長く携帯端末2を使用できるようにするための対策を講じることができる。
[変形例3-2]
情報提供サーバー1は、携帯端末2から避難所に関する情報を要求されたり、災害情報サーバー3から発生情報を取得したりしたときではなく、数分間ごとなど定期的に、ネットワークシステムSY1,SY2に含まれる複数の携帯端末2からユーザー位置情報を取得する構成でもよい。この場合、情報提供サーバー1は、携帯端末2から避難所に関する情報を要求されたり、災害情報サーバー3から発生情報を取得したりしたとき、直前に取得したユーザー位置情報を用いて推奨避難所や避難経路を決定してもよい。
[変形例3-3]
災害情報サーバー3から提供される発生情報は、必ずしも、火災発生の場所を示す火災場所情報を含まなくてもよい。例えば、携帯端末2が情報提供サーバー1に推奨情報の提供を要求する場合、情報提供サーバー1は、携帯端末2の位置近傍を、火災発生の場所と看做して推奨避難所等を決定してもよい。また、災害情報サーバー3が、特定の領域や特定の建物に発生した災害(例えば火災)を検知するものである場合、特定の領域や特定の建物を、火災発生の場所と看做して推奨避難所等を決定してもよい。
[変形例3-4]
避難所情報記憶部115は、必ずしも情報処理装置(情報提供サーバー1または携帯端末2)が備える構成でなくてもよい。すなわち、情報処理装置と接続された他の装置が、避難所情報記憶部115を備える構成でもよい。
[変形例3-5]
上記の各実施形態および各変形例に示した情報提供サーバー1および携帯端末2の各処理を実行する方法、各処理を実行するためのプログラム(サーバー制御プログラム13bおよび専用アプリケーション25b)、またそのプログラムを記録したコンピューター読み取り可能な記録媒体も、本発明の権利範囲に含まれる。その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、適宜変更が可能である。