JP2022032408A - 定電圧回路 - Google Patents

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Abstract

【課題】テストの信頼性を向上する。【解決手段】実施形態によれば、定電圧回路は、出力電圧VOUTを分割した分割電圧VFBと、参照電圧VREFとの差分を増幅した第1電圧を出力する第1利得段10と、第1電圧を増幅した第2電圧を出力する第2利得段20と、一端が入力電圧端子T1に接続され、他端が出力電圧端子T3に接続され、ゲートに印加された第2電圧に応じて、出力電圧を一定に制御する第2トランジスタPpと、第1動作モード(テストモード)または第2動作モード(通常モード)を選択する第1回路と、を含む。第1動作モードが選択されている場合、第2利得段には、第1電流I2aが流れ、第2動作モードが選択されている場合、第2利得段には、第1電流よりも大きい第2電流(I2a+I2b)が流れる。【選択図】図1

Description

本発明の実施形態は、定電圧回路に関する。
定電圧回路の1つとして、リニアレギュレータが知られている。
特許第3705842号公報 特開平11-41041号公報 特開2007-280025号公報 特開2004-70813号公報
テストの信頼性を向上できる定電圧回路を提供する。
実施形態に係る定電圧回路は、出力電圧を分割した分割電圧と、参照電圧との差分を増幅した第1電圧を出力する第1利得段と、ゲートに第1電圧が印加され、一端が入力電圧端子に接続され、他端が第1ノードに接続された第1トランジスタを含み、第1ノードから第1電圧を増幅した第2電圧を出力する第2利得段と、一端が入力電圧端子に接続され、他端が出力電圧端子に接続され、ゲートに印加された第2電圧に応じて、出力電圧を一定に制御する第2トランジスタと、第1動作モードまたは第2動作モードを選択する第1回路とを含む。第1動作モードが選択されている場合、第2利得段の第1ノードには、第1電流が流れ、第2動作モードが選択されている場合、第2利得段の第1ノードには、第1電流よりも大きい第2電流が流れる。
図1は、第1実施形態に係る定電圧回路の回路図である。 図2は、第1実施形態に係る定電圧回路における動作モードの選択動作のフローチャートである。 図3は、定電圧回路をテストする際のテスト回路の一例を示す概念図である。 図4は、第1実施形態に係る定電圧回路において、テストモードと通常モードとにおける利得と位相の周波数依存性を示すグラフである。 図5は、第2実施形態の第1例に係る定電圧回路の回路図である。 図6は、第2実施形態の第2例に係る定電圧回路の回路図である。 図7は、第3実施形態の第1例に係る定電圧回路が搭載されたパッケージの斜視図である。 図8は、第3実施形態の第1例に係る定電圧回路の半導体チップの斜視図である。 図9は、第4実施形態の第1例に係る定電圧回路の備えるモード選択回路のブロック図である。 図10は、第4実施形態の第1例に係る定電圧回路の備えるモード選択回路の入力信号と動作モードとの関係の一例を示すテーブルである。 図11は、第4実施形態の第1例に係る定電圧回路の備えるモード選択回路の入力信号と動作モードとの関係の一例を示すテーブルである。 図12は、第4実施形態の第2例に係る定電圧回路の備えるモード選択回路のブロック図である。 図13は、第4実施形態の第2例に係る定電圧回路の備えるモード選択回路における入力信号のタイミングチャートある。
以下に実施形態が図面を参照して記述される。以下の記述において、略同一の機能及び構成を有する構成要素は同一符号を付され、繰り返しの説明は省略される場合がある。また、ある実施形態についての記述は全て、明示的に又は自明的に排除されない限り、別の実施形態の記述としても当てはまる。
各機能ブロックが、以下の例のように区別されていることは必須ではない。例えば、一部の機能が例示の機能ブロックとは別の機能ブロックによって実行されてもよい。さらに、例示の機能ブロックがさらに細かい機能サブブロックに分割されていてもよい。どの機能ブロックによって特定されるかによって実施形態は限定されない。
本明細書及び特許請求の範囲において、ある第1要素が別の第2要素に「接続されている」とは、第1要素が直接的又は常時あるいは選択的に導電性となる要素を介して第2要素に接続されていることを含む。
1.第1実施形態
第1実施形態に係る定電圧回路について説明する。本実施形態では、定電圧回路としてリニアレギュレータを例に説明する。
本実施形態の定電圧回路は、動作モードとして、テストモードと通常モードとを有する。テストモードは、量産テスト(出荷検査)等における定電圧回路1のテスト時に選択される。通常モードは、定電圧回路として通常使用される際に選択される。例えば、通常モードは、テストモードよりも、電源変動除去比(PSRR:Power Supply Ripple Rejection)、あるいは負荷(Load)が急変したときの出力過渡応答性(以下、「応答性」とも表記する)といった点で優れている。他方で、テストモードは、通常モードよりも寄生インダクタンス等の影響に対する安定性、すなわち発振耐性に優れている。
1.1 構成
まず、定電圧回路の回路構成について、図1を用いて説明する。図1は、定電圧回路の回路構成の一例を示す回路図である。なお、以下の説明では、トランジスタのソース及びドレインを限定しない場合、トランジスタのソースまたはドレインのいずれか一方を「トランジスタの一端」と表記し、トランジスタのソースまたはドレインのいずれか他方を「トランジスタの他端」と表記する。
図1に示すように、定電圧回路1は、入力電圧端子T1、基準電圧端子T2、出力電圧端子T3、信号端子T4、第1利得段10、第2利得段20、出力段30、モード選択回路40、並びに抵抗素子RA及びRBを含む。
定電圧回路1は、第1利得段10、第2利得段20、及び出力段30を有する増幅器として機能する。
入力電圧端子T1には、ノードND1(以下、「電源電圧配線」とも表記する)が接続され、外部から入力電圧VINが印加される。
基準電圧端子T2にはノードND2(以下、「接地電圧配線」とも表記する)が接続される。基準電圧端子T2は、例えば、接地されていてもよいし、接地電圧(VSS)が印加されていてもよい。
出力電圧端子T3にはノードND7が接続される。出力電圧端子T3から出力電圧VOUTが出力される。例えば、定電圧回路1を使用する際には、出力電圧端子T3と定電圧回路1の外部に接続された負荷(Load)との間に、容量素子COUTが接続される。容量素子COUTは、出力コンデンサとして機能する。容量素子COUTは、例えば、出力電圧端子T3に接続された負荷(Load)の変動、定電圧回路1と負荷との間に生じる寄生インダクタンス等の影響による出力電圧VOUTの揺らぎ、発振等を抑制する。例えば、容量素子COUTの一方の電極は、出力電圧端子T3に接続され、他方の電極は、接地される(接地電圧配線に接続される)。
信号端子T4は、外部から受信するテストモード選択信号の信号端子として機能する。例えば、テストモード選択信号がHigh(“H”)レベルの場合、すなわち、信号端子T4に“H”レベルの電圧が印加されている場合、定電圧回路1はテストモードを選択する。また、テストモード選択信号がLow(“L”)レベルの場合、すなわち、信号端子T4に“L”レベルの電圧が印加されている場合、定電圧回路1は通常モードを選択する。
抵抗素子RA及びRBは、出力電圧VOUTの分圧回路として機能する。抵抗素子RAの一端は、ノードND7に接続され、他端はノードND8に接続される。抵抗素子RBの一端は、ノードND8に接続され、他端は、ノードND2に接続される。ノードND8に印加される電圧をVFBとし、抵抗素子RAの抵抗値をrAとし、抵抗素子RBの抵抗値をrBとする。すると、出力電圧VOUTと電圧VFBとは、VOUT=VFB×(1+rA/rB)の関係にある。すなわち、電圧VFBは、出力電圧VOUTを分割した分割電圧である。
第1利得段10は、差動増幅回路である。第1利得段10は、参照電圧VREFと電圧VFBとを比較し、その差分に応じた(増幅した)電圧を第2利得段20に出力する。第1利得段10は、pチャネルMOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)(以下、「PMOSトランジスタ」とも表記する)P1及びP2、nチャネルMOSFET(以下、「NMOSトランジスタ」とも表記する)N1及びN2、電流源11及び12、並びにスイッチ回路SW1を含む。
PMOSトランジスタP1の一端は、ノードND1に接続され、他端及びゲートは、ノードND3に接続される。
PMOSトランジスタP2の一端は、ノードND1に接続され、他端は、ノードND4に接続され、ゲートはノードND3に接続される。すなわち、PMOSトランジスタP1とP2とは、カレントミラーを構成している。
NMOSトランジスタN1の一端は、ノードND3に接続され、他端は、ノードND5に接続される。NMOSトランジスタN1のゲートには、参照電圧VREFが印加される。参照電圧VREFは、温度あるいは入力電圧VINに依存しない、一定の基準電圧である。
NMOSトランジスタN2の一端は、ノードND4に接続され、他端は、ノードND5に接続される。NMOSトランジスタN2のゲートには、電圧VFBが印加される。
電流源11の一端は、ノードND5に接続され、他端は、ノードND2に接続される。電流源11からノードND2に電流I1aが流れる。
スイッチ回路SW1の一端は、ノードND5に接続され、他端は、電流源12の一端に接続される。スイッチ回路SW1は、モード選択回路40から受信するモード信号MSに応じて、動作する。例えば、モード信号MSは、通常モードの場合に、“H”レベルとされ、テストモードの場合に、“L”レベルとされる。例えば、スイッチ回路SW1は、モード信号MSが“H”レベルの場合、オン状態(接続状態)とされ、モード信号MSが“L”レベルの場合、オフ状態(非接続状態)とされる。
電流源12の他端は、ノードND2に接続される。電流源12からノードND2に電流I1bが流れる。従って、テストモードの場合、第1利得段10(差動増幅回路)には動作電流I1aが流れ、通常モードの場合、第1利得段10には動作電流(I1a+I1b)が流れる。動作電流I1aよりも動作電流(I1a+I1b)の方が大きい。このため、テストモードよりも通常モードの方が、次段の第2利得段20を高速に駆動させることができる。
第2利得段20は、第1利得段10の出力電圧を増幅して、出力段30に出力する。第2利得段20は、PMOSトランジスタP3、電流源21及び22、並びにスイッチ回路SW2を含む。
PMOSトランジスタP3の一端は、ノードND1に接続され、他端は、ノードND6に接続される。PMOSトランジスタP3のゲートには、ノードND4が接続される。換言すれば、PMOSトランジスタP3のゲートには、第1利得段10の出力電圧V1が印加される。
電流源21の一端は、ノードND6に接続され、他端は、ノードND2に接続される。電流源21からノードND2に電流I2aが流れる。
スイッチ回路SW2の一端は、ノードND6に接続され、他端は、電流源22の一端に接続される。スイッチ回路SW2は、モード選択回路40から受信するモード信号MSに応じて、動作する。例えば、スイッチ回路SW2は、モード信号MSが“H”レベルの場合、オン状態とされ、モード信号MSが“L”レベルの場合、オフ状態とされる。
電流源22の他端は、ノードND2に接続される。電流源22からノードND2に電流I2bが流れる。従って、テストモードの場合、第2利得段20には動作電流I2aが流れ、通常モードの場合、第2利得段20には動作電流(I2a+I2b)が流れる。動作電流I2aよりも動作電流(I2a+I2b)の方が大きい。このため、テストモードよりも通常モードの方が、次段の出力段30を高速に駆動させることができる。
出力段30は、定電圧回路1の出力電圧VOUTを制御する。出力段30は、PMOSトランジスタPpを含む。
PMOSトランジスタPpの一端は、ノードND1に接続され、他端は、ノードND7に接続される。PMOSトランジスタPpのゲートには、ノードND6が接続される。換言すれば、PMOSトランジスタPpのゲートには、第2利得段20の出力電圧V2が印加される。PMOSトランジスタPpは、定電圧回路1の出力ドライバとして機能する。出力電圧VOUTを一定にするために、出力電圧VOUTの変動に応じてPMOSトランジスタPpのゲート電圧が変動し、PMOSトランジスタPpのオン抵抗が調整される。
例えば、参照電圧VREFと電圧VFBとの電圧差が無い場合、すなわち、VFB=VREFの場合、出力電圧VOUTは、VOUT=VREF×(1+rA/rB)となる。出力電圧VOUTを表す式には、入力電圧VINあるいは負荷に流れる負荷電流の項が含まれていない。従って、出力電圧VOUTは、入力電圧VIN及び負荷が変動しても、一定電圧を維持できる。
モード選択回路40は、比較器41を含む。
比較器41の反転入力端子は、信号端子T4に接続される。比較器41の非反転入力端子には、閾値電圧Vthが入力される。閾値電圧Vthは、信号端子T4の電圧(テストモード選択信号)が“H”レベルであるか“L”レベルであるかを判別するために設定される電圧である。例えば、閾値電圧Vthは、“L”レベルの電圧と“H”レベルの電圧との中間の電圧に設定される。比較器41の出力端子からモード信号MSが出力される。例えば、信号端子T4の電圧が“H”レベルの場合、すなわち、テストモードを選択する場合、比較器41は、“L”レベルのモード信号MSを出力する。また、信号端子T4の電圧が“L”レベルの場合、すなわち、通常モードを選択する場合、比較器41は、“H”レベルのモード信号MSを出力する。
1.2 モード選択動作
次に、モード選択動作について、図2を用いて説明する。図2は、モード選択動作を示すフローチャートである。
図2に示すように、モード選択回路40は、信号端子T4の電圧(テストモード選択信号)が“H”レベルである場合(ステップS1_Yes)、モード信号MSを“L”レベルとする(ステップS2)。換言すると、比較器41において、反転入力端子の電圧が、非反転入力端子の閾値電圧Vth以上である場合、比較器41は、“L”レベルの電圧を出力する。
スイッチ回路SW1及びSW2は、“L”レベルのモード信号MSを受信すると、オフ状態とされる(ステップS3)、この結果、定電圧回路1では、テストモードが実行される(ステップS4)。
他方で、モード選択回路40は、信号端子T4の電圧が“L”レベルである場合(ステップS1_No)、モード信号MSを“H”レベルとする(ステップS5)。換言すると、比較器41において、反転入力端子の電圧が、非反転入力端子の閾値電圧Vth未満である場合、比較器41は、“H”レベルの電圧を出力する。
スイッチ回路SW1及びSW2は、“H”レベルのモード信号MSを受信すると、オン状態とされる(ステップS6)、この結果、定電圧回路1では、通常モードが実行される(ステップS7)。
1.3 テスト環境における寄生インダクタンスの影響
次に、定電圧回路1のテスト環境における寄生インダクタンスの影響について、図3を用いて説明する。図3は、定電圧回路1をテストする際のテスト回路の一例を示す概念図である。例えば、量産テスト(出荷検査)では、1つまたは複数の定電圧回路1が、治具(テストボード)に搭載される。そして、その治具がテスタに設置されて、テストが実行される。
図3に示すように、治具には、例えば、定電圧回路1、容量素子CIN及びCOUT、負荷(Load)、並びに複数のリレー回路201~203が搭載される。
テスタ電源のVIN端子は、ノードND101に接続される。テスタ電源のGND端子は、ノードND102に接続される。
定電圧回路1の入力電圧端子T1は、ノードND101に接続される。定電圧回路1の基準電圧端子T2は、ノードND102に接続される。定電圧回路1の出力電圧端子T3は、ノードND103に接続される。定電圧回路1の信号端子T4には、テスト時に“H”レベルの電圧が印加される。
容量素子CIN及びCOUTは、入力電圧VINと基準電圧(GND)との間のインピーダンスを下げて、出力電圧VOUTを安定させたり、低い周波数域で極(Pole)を作って帰還経路を安定化させたりするといった役割を持ち、定電圧回路1の帰還動作の不安定化を抑制する。
容量素子CINの一方の電極は、リレー回路201を介して、ノードND101に接続される。容量素子CINの他方の電極は、ノードND102に接続される。
容量素子COUTの一方の電極は、ノードND103に接続される。容量素子COUTの他方の電極は、リレー回路202を介して、ノードND102に接続される。
負荷の一端は、ノードND103に接続され、他端は、リレー回路203を介して、ノードND102に接続される。
リレー回路201~203は、それぞれ、容量素子CIN、容量素子COUT、及び負荷の接続を切り替える。テストの項目によっては、容量素子CIN、容量素子COUT、及び負荷を定電圧回路1から切り離す場合がある。例えば、定電圧回路1の消費電流を測定する場合、容量素子CIN及びCOUTの充放電によるテスト時間の遅延を抑制するため、及び消費電流と充放電の電流とを切り分けるため、容量素子CIN及びCOUTのリレー回路201及び202をオフにして測定が行われる。
例えば、量産テストでは、テスト時間を短縮するため、複数の定電圧回路1を一括して処理(測定)する場合がある。このような場合、治具には、複数の定電圧回路1並びにこれらに対応する複数の容量素子CIN及びCOUTが搭載される。すると、レイアウトの都合により、定電圧回路1の近くに対応する容量素子CIN及びCOUTを配置できない場合がある。また、テストでは、容量素子CIN及びCOUTあるいは負荷を切り離して測定をすることもある。このため、定電圧回路1と各素子との間にリレー回路が設けられる場合がある。この結果、定電圧回路1と各素子とを結ぶ配線が比較的長くなってしまうことがある。定電圧回路1とテスタ電源あるいは負荷を結ぶ配線長も同様に長くなる場合がある。このため、各配線(ノード)には、比較的大きな寄生インダクタンス(以下、「寄生L」とも表記する)が生じ得る。例えば、テスタ電源のVIN端子と定電圧回路1の入力電圧端子T1との間、定電圧回路1の基準電圧端子T2とテスタ電源のGND端子との間、容量素子CINとテスタ電源のGND端子との間、定電圧回路1の出力電圧端子T3と容量素子COUTとの間、及び定電圧回路1の出力電圧端子T3と負荷(Load)との間に寄生インダクタンスが生じ得る。定電圧回路1と各素子を結ぶ配線長が長くなると、その分、寄生インダクタンスは大きくなる。
1.4 位相特性
次に、定電圧回路1の位相特性について、図4を用いて説明する。図4は、テストモードと通常モードとにおける利得と位相の周波数依存性を示すグラフ(ボード線図)である。
図4に示すように、テストモードでは、図1で説明した第1利得段10及び第2利得段20において加算電流、すなわち電流I1b及びI2bが流れない。このため、通常モードと比較して、テストモードの第1の極(Pole)は、低い周波数側に位置する。その結果、テストモードの場合、利得が通常モードよりも低い周波数で下がり始める。このため、利得が0dB(1倍)になる周波数(ユニティーゲイン)は、通常モードよりもテストモードの方が低くなる。テストモードと通常モードとの位相余裕(利得が0dBとなる周波数での位相180°からの残り位相)を比較すると、通常モードよりもテストモードの方が位相余裕は大きい。すなわち、テストモードの方が安定性(発振耐性)は高い。従って、テストモードの方が、寄生インダクタンスの影響を受けにくい。
1.5 本実施形態に係る効果
本実施形態に係る構成であれば、定電圧回路のテストの信頼性を向上できる。以下、本効果につき、詳述する。
近年スマートフォンやドライブレコーダーなどカメラを搭載する機器が増加している。これに伴いカメラに使われるイメージセンサーに電圧を供給するリニアレギュレータには、高いPSRR特性や高速応答性が求められている。リニアレギュレータに接続された配線の寄生インダクタンスの影響によるリニアレギュレータの発振を抑制するためには、容量素子CIN及びCOUTをリニアレギュレータの直近に接続する方が好ましい。しかし、量産テスト(出荷検査)の際には、治具の制約などから容量素子CIN及びCOUTをリニアレギュレータの近くに接続できない場合がある。寄生インダクタンスに対するリニアレギュレータの安定性(ロバスト性)、すなわち発振耐性は、高PSRR特性及び高速応答性とは相反する関係にある。すなわち、リニアレギュレータのPSRR特性及び応答性が向上すると、発振耐性は低下する。このため、リニアレギュレータのテストの信頼性が低下する。
これに対し、本実施形態に係る構成であれば、定電圧回路は、テストモードと通常モードの2つの動作モードを有し、モード選択回路を含む。テストモードの場合、第1利得段及び第2利得段の動作電流を、通常モードよりも少なくできる。この結果、例えば、定電圧回路は、出荷テスト時に高い安定性(発振耐性)を有するテストモードを使用できる。また、定電圧回路は、通常使用時には、高PSRR特性や高速応答性を有する通常モードを使用できる。従って、高PSRR特性及び高速応答性を有する定電圧回路において、テストの信頼性を向上できる。
2.第2実施形態
次に、第2実施形態について説明する。第2実施形態では、第1実施形態と異なる定電圧回路1の構成について2つの例を説明する。以下、第1実施形態と異なる点を中心に説明する。
2.1 第1例
まず、第1例の定電圧回路1の構成について、図5を用いて説明する。図5は、定電圧回路1の回路構成の一例を示す回路図である。
図5に示すように、本実施例の定電圧回路1は、第1利得段10において、電流源12及びスイッチ回路SW1が廃されている。その他の構成は、第1実施形態の図1と同様である。
電流源11からノードND2に電流I1cが流れる。電流I1cは、第1実施形態で説明した電流I1aまたはI1bと同じでもよく、異なっていてもよい。従って、動作モードによらず、第1利得段10(差動増幅回路)には動作電流I1cが流れる。
2.2 第2例
次に、第2例の定電圧回路1の構成について、図6を用いて説明する。図6は、定電圧回路1の回路構成の一例を示す回路図である。
図6に示すように、本実施例の定電圧回路1では、第1利得段10の入力端子にPMOSトランジスタが用いられ、第2利得段20にNMOSトランジスタが用いられている。
第1利得段10は、PMOSトランジスタP1及びP2、NMOSトランジスタN1及びN2、及び電流源11を含む。
電流源11の一端は、ノードND1に接続され、他端は、ノードND10に接続される。電流源11からノードND10に電流I1cが流れる。
PMOSトランジスタP1の一端は、ノードND10に接続され、他端は、ノードND11に接続される。PMOSトランジスタP1のゲートには、参照電圧VREFが印加される。
PMOSトランジスタP2の一端は、ノードND10に接続され、他端は、ノードND12に接続される。PMOSトランジスタP2のゲートには、電圧VFBが印加される。
NMOSトランジスタN1の一端及びゲートは、ノードND11に接続され、他端は、ノードND2に接続される。
NMOSトランジスタN2の一端は、ノードND12に接続され、他端は、ノードND2に接続され、ゲートはノードND11に接続される。NMOSトランジスタN1とNMOSトランジスタN2とは、カレントミラーを構成している。
第2利得段20は、NMOSトランジスタN3、電流源21及び22、並びにスイッチ回路SW2を含む。
電流源21の一端は、ノードND1に接続され、他端は、ノードND13に接続される。電流源21からノードND13に電流I2aが流れる。
電流源22の一端は、ノードND1に接続され、他端は、スイッチ回路SW2の一端に接続される。電流源22からスイッチ回路SW2に電流I2bが流れる。
スイッチ回路SW2の他端は、ノードND13に接続される。スイッチ回路SW2は、モード選択回路40から受信するモード信号MSに応じて、動作する。例えば、スイッチ回路SW2は、モード信号MSが“H”レベルの場合、オン状態とされ、モード信号MSが“L”レベルの場合、オフ状態とされる。
NMOSトランジスタN3の一端は、ノードND13に接続され、他端は、ノードND2に接続される。NMOSトランジスタN3のゲートには、ノードND12が接続される。換言すれば、NMOSトランジスタN3のゲートには、第1利得段10の出力電圧V1が印加される。
出力段30のPMOSトランジスタPpのゲートには、ノードND13が接続される。換言すれば、PMOSトランジスタPpのゲートには、第2利得段20の出力電圧V2が印加される。
他の構成は、第1実施形態の図1と同様である。
2.3 本実施形態に係る効果
本実施形態に係る構成であれば、第1実施形態と同様の効果が得られる。
なお、第2例において、第1実施形態と同様に、第1利得段10において、電流源11と並列に電流源12及びスイッチ回路SW1が設けられてもよい。
3.第3実施形態
次に、第3実施形態について説明する。第3実施形態では、信号端子T4について2つの例を説明する。以下、第1及び第2実施形態と異なる点を中心に説明する。
3.1 第1例
まず、第1例について、図7を用いて説明する。図7は、定電圧回路1が搭載されたパッケージの斜視図である。
図7に示すように、パッケージ(外囲器)には、信号端子T4に接続されたテストピンが設けられている。テストピンから信号端子T4に電圧が印加される。例えば、出荷検査の場合、最終形態(出荷形態)でテストが実行される。なお、パッケージの形態は、任意に設計可能である。外部から電圧印加可能なピンの1つが信号端子T4に対応していればよい。
3.2 第2例
まず、第2例について、図8を用いて説明する。図8は、定電圧回路1の半導体チップの斜視図である。
図8に示すように、例えば、定電圧回路1の製造工程において、組み立て前にテストが実行されてもよい。この場合、チップ表面に、信号端子T4に対応するテストパッドが設けられる。なお、テストパッドは、組み立て工程において、ボンディングされなくてもよい。
3.本実施形態に係る効果
本実施形態に係る構成であれば、第1実施形態と同様の効果が得られる。
4.第4実施形態
次に第4実施形態について説明する。第4実施形態では、第1実施形態と異なるモード選択回路40の構成について2つの例を説明する。
4.1 第1例
まず、第1例について、図9~図11を用いて説明する。図9は、モード選択回路40のブロック図である。図10及び図11は、それぞれモード選択回路40の入力信号と動作モードとの関係の一例を示すテーブルである。
図9に示すように、本例のモード選択回路40は、VIN入力端子T5、イネーブル信号入力端子T6、及びVOUT入力端子T7を含む。本例のモード選択回路40は、3つの入力信号(電圧)の組み合わせに応じて、動作モードを選択する。
VIN入力端子T5には、入力電圧端子T1と同様に、入力電圧VINが印加される。
イネーブル信号入力端子T6には、外部から受信したイネーブル信号(ENABLE)が入力される。例えば、イネーブル信号は、定電圧回路1をイネーブル状態にするための信号である。例えば、イネーブル信号が“H”レベルの場合、定電圧回路1は、動作状態(オン状態)とされる。
VOUT入力端子T7には、出力電圧VOUTが印加される。
まず、イネーブル信号、並びに電圧VIN及びVOUTの組み合わせの1つ目の例について説明する。
図10に示すように、モード選択回路40は、例えば、入力電圧VINと出力電圧VOUTとの電圧差に応じてモード信号MSのレベルを選択してもよい。
より具体的には、例えば、イネーブル信号が“L”レベルの場合、定電圧回路1はオフ状態とされる。
イネーブル信号が“H”レベルの状態において、入力電圧VINと出力電圧VOUTとの電圧差が予め設定された電圧VA以上である場合、モード選択回路40は、テストモードに対応する“L”レベルのモード信号MSを出力する。換言すれば、出力電圧VOUTは一定であるため、入力電圧VINが、定電圧回路1の動作保証範囲において、(VOUT-VA)以下の電圧値である場合、テストモードが選択される。
他方で、入力電圧VINと出力電圧VOUTとの電圧差が予め設定された電圧VA未満である場合、モード選択回路40は、通常モードに対応する“H”レベルのモード信号MSを出力する。換言すれば、入力電圧VINが、定電圧回路1の動作保証範囲において、(VOUT-VA)より高い電圧値である場合、通常モードが選択される。
次に、イネーブル信号ENABLE、並びに電圧VIN及びVOUTの組み合わせの2つ目の例について説明する。
図11に示すように、モード選択回路40は、例えば、入力電圧VINと“H”レベルのイネーブル信号との電圧差に応じてモード信号MSのレベルを選択してもよい。
より具体的には、例えば、イネーブル信号が“L”レベルの場合、定電圧回路1はオフ状態とされる。
イネーブル信号が“H”レベルの状態において、入力電圧VINと“H”レベルのイネーブル信号との電圧差が予め設定された電圧VB以上である場合、モード選択回路40は、テストモードに対応する“L”レベルのモード信号MSを出力する。従って、例えば、イネーブル信号の“H”レベルの電圧が一定である場合、入力電圧VINが、定電圧回路1の動作保証範囲において、((“H”レベルのイネーブル信号)-VB)以下の電圧値となると、テストモードが選択される。あるいは、例えば、入力電圧VINが一定である場合、イネーブル信号の“H”レベルの電圧が、“H”レベルと判定される電圧範囲において、(VIN+VB)以上の電圧値となると、テストモードが選択される。
他方で、入力電圧VINと“H”レベルのイネーブル信号との電圧差が予め設定された電圧VB未満である場合、モード選択回路40は、通常モードに対応する“H”レベルのモード信号MSを出力する。従って、例えば、イネーブル信号の“H”レベルの電圧が一定である場合、入力電圧VINが、定電圧回路1の動作保証範囲において、((“H”レベルのイネーブル信号)-VB)より高い電圧値である場合、通常モードが選択される。あるいは、例えば、入力電圧VINが一定である場合、イネーブル信号の“H”レベルの電圧が、“H”レベルと判定される電圧範囲において、(VIN+VB)未満の電圧値となると、通常モードが選択される。
4.2 第2例
次に、第2例について、図12及び図13を用いて説明する。図12は、モード選択回路40のブロック図である。図13は、それぞれモード選択回路40の入力信号と動作モードとの関係の一例を示すタイミングチャートである。
第2例では、定電圧回路1が、SPI(Serial Peripheral Interface)あるいはI2C(Inter-Integrated Circuit)といった通信フォーマットに対応している場合について説明する。定電圧回路1は、任意の規格に準拠するデジタル通信インタフェース回路を有している。そして、外部からの通信によって、定電圧回路1をテストモードへ移行させることができる。
図12に示すように、本例のモード選択回路40は、クロック入力端子T8、イネーブル信号入力端子T9、及びDATA入力端子T10を含む。本例のモード選択回路40は、3つの入力信号(電圧)の組み合わせに応じて、動作モードを選択する。
クロック入力端子T8には、外部から受信したクロック信号CLOCKが入力される。
イネーブル信号入力端子T9には、外部から受信したイネーブル信号(ENABLE)が入力される。本例におけるイネーブル信号は、例えば、データ入力をイネーブルにするための信号である。例えば、イネーブル信号が“H”レベルの場合、モード選択回路40は、データDATAを受信可能状態とされる。
DATA入力端子T10には、外部から受信したデータDATAが入力される。
次に、クロック信号CLOCK、イネーブル信号、及びデータDATAの組み合わせの一例について説明する。
図13に示すように、例えば、イネーブル信号ENABLEが“H”レベルの期間、クロック信号CLOCKが“L”レベルから“H”レベルに立ち上がるタイミングで、データDATAがモード選択回路40に取り込まれる。このとき、例えば、データDATAが“LLLHLLLH”であれば、モード信号MSは、“L”レベルとされる。すなわち、定電圧回路1は、テストモードを選択する。また、データDATAが“LLLHLLLH”以外の場合、モード信号MSは、“H”レベルとされる。すなわち、定電圧回路1は、通常モードを選択する。
4.3 本実施形態に係る効果
本実施形態を第1~第3実施形態に適用できる。
5.変形例等
実施形態は上記説明した形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1…定電圧回路、10…第1利得段、11、12、21、22…電流源、20…第2利得段、30…出力段、40…モード選択回路、41…比較器、201~203…リレー回路、N1~N3、P1~P3、Pp…トランジスタ、SW1、SW2…スイッチ回路。

Claims (7)

  1. 出力電圧を分割した分割電圧と、参照電圧との差分を増幅した第1電圧を出力する第1利得段と、
    ゲートに前記第1電圧が印加され、一端が入力電圧端子に接続され、他端が第1ノードに接続された第1トランジスタを含み、前記第1ノードから前記第1電圧を増幅した第2電圧を出力する第2利得段と、
    一端が前記入力電圧端子に接続され、他端が出力電圧端子に接続され、ゲートに印加された前記第2電圧に応じて、前記出力電圧を一定に制御する第2トランジスタと、
    第1動作モードまたは第2動作モードを選択する第1回路と
    を備え、
    前記第1動作モードが選択されている場合、前記第2利得段の前記第1ノードには、第1電流が流れ、前記第2動作モードが選択されている場合、前記第2利得段の前記第1ノードには、前記第1電流よりも大きい第2電流が流れる、
    定電圧回路。
  2. 前記第1動作モードが選択されている場合、前記第1利得段には、第3電流が流れ、前記第2動作モードが選択されている場合、前記第1利得段には、前記第3電流よりも大きい第4電流が流れる、
    請求項1に記載の定電圧回路。
  3. 前記第1回路は、第1端子を含み、
    前記第1端子に印加された第3電圧が閾値電圧以上の場合、前記第1回路は、前記第2動作モードを選択する、
    請求項1または2に記載の定電圧回路。
  4. 前記第1回路は、第2端子、前記第2端子と異なる第3端子、及び前記第2及び第3端子と異なる第4端子を含み、
    前記第1回路は、前記第2端子に印加された入力電圧、前記第3端子に印加された第1信号、及び前記第4端子に印加された前記出力電圧に基づいて前記第1動作モードまたは前記第2動作モードを選択する、
    請求項1または2に記載の定電圧回路。
  5. 前記第1回路は、前記第1信号が第1論理レベルにある場合、前記出力電圧と前記入力電圧との差分が予め設定された電圧差以上であれば、前記第1動作モードを選択し、前記差分が前記電圧差未満であれば、前記第2動作モードを選択する、
    請求項4に記載の定電圧回路。
  6. 前記第1回路は、前記第1信号が第1論理レベルにある場合、前記入力電圧が、前記第1信号が前記第1論理レベルのときの第4電圧と、予め設定された電圧値との差分以下であれば、前記第1動作モードを選択し、前記入力電圧が前記差分より高ければ、前記第2動作モードを選択する、
    請求項4に記載の定電圧回路。
  7. 通信インタフェース回路を更に備え、
    前記第1回路は、前記通信インタフェース回路を介して受信した信号に応じて、前記第1動作モードまたは前記第2動作モードを選択する、
    請求項1または2に記載の定電圧回路。
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