JP2022032374A - システムベッド - Google Patents

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Abstract

【課題】上部にロフトベッド、その下方に作業テーブルを備えたシステムベッドでは、作業テーブルがロフトベッドの下方へ引き込んでいるため、作業中に不意に立ち上がるとロフトベッドへぶつかる等の不都合があり、ロフトベッド下における快適な作業を損なっていた。【解決手段】ロフトベッド20を長さ方向に沿って常設部21と可動部22に2分し、常設部21を水平な状態に固定し、可動部22を起立状態と倒伏状態の間で可変とし、かつ作業テーブル30の前縁を常設部21の前縁と同程度にした。可動部22を起立状態にすると、作業者の頭上にベッドが存在せず、快適な使用が可能になるとともに、可動部22の底部22bがベッドエリア11を塞ぎ、ベッド不使用時の外観を向上する。【選択図】図10

Description

この発明は、ロフトベッドを設けた上部構造と、その下方に作業テーブルを設けた下部構造とからなるシステムベッドに係り、作業スペースでの作業を快適にしたものに関する。
本願において、長さとは、システムベッドを室内の壁面に沿って配置するとき、壁面に沿う水平方向(床面に平行な方向)の寸法であり、幅とはこれに直交し、壁面に直角な方向の寸法である。なお、壁面との関係でなく、平面視で略長方形をなすロフトベッドに対して、その長辺方向の寸法を長さ、短辺方向の寸法を幅とすることもある。
また、壁面側を奥側、それと反対側を手前側または前側ということにする。さらに壁面に向かって見たときの前面側を正面とする。左右は正面に向かったときの方向である。
システムベッドは、上部構造と下部構造を上下に設けて立体的に使用できるようにしたものである。このシステムベッドには、上部構造にロフトベッドを設け下部構造に作業テーブルを設けるとともに、ロフトベッドの下方にて作業テーブルに向かって作業をするようにしたものがある(一例として特許文献1参照)。
特開2006-055469号公報
システムベッドは、室内を有効に利用するため、高さや幅を詰めてコンパクトにすることが要求されている。
このため、ベッドと作業テーブルを上下に配置し、作業テーブルに向かう作業はベッド下でおこなうようになっている。
そこで、作業テーブルに向かって作業するときは、システムベッドの外側へ座ることになり、作業スペースをコンパクトにできない。しかも、頭の近くにベッドが存在するので、これが鬱陶しく、かつぶつからないように注意しなければならず、快適な作業を困難にする。さらに、ベッドを使用しないときも、ベッドが見え、しかもベッドの上に置いた布団等の収納物も見えてしまうので、すこぶる外観が悪くなる。
また、作業スペースをコンパクトにするため、ベッドよりも小さな作業テーブルをベッド下方にて奧側へ引き込んで配置し、ベッドの下へ入って作業するようにすることも考えられる。
しかし、この場合には、作業中の頭の上をベッドが覆うので、なおさら鬱陶しく、かつ不意に立ち上がるとぶつかることがある。しかも、作業エリアへ入るときは、ベッドに頭をぶつけないように、頭を下げ、腰を屈めて入らなければならないという面倒がある。このため快適な作業が損なわれることになる。
したがって、ベッド不使用時の外観向上並びに作業テーブルでの作業を快適にできるようにすることが望まれている。
ロフトベッドを設けた上部構造と、その下方に作業テーブルを設けた下部構造とからなるとともに、ロフトベッドより小さな作業テーブルを、ロフトベッドの下方へ奧側へ引き込んで設けたシステムベッドにおいて、ロフトベッドを長さ方向に沿って常設部と可動部とに2分し、可動部を倒伏状態と起立状態とに可変とし、作業テーブルの前縁を倒伏状態にある可動部の前縁よりも奧側へ引き込まれた位置にした。
そこで、作業テーブルを使用するとき、予め可動部を起立状態とすると、作業テーブルの前縁より突出するロフトベッドの部分が少なくなる。
このため、作業テーブルに向かって座ろうとするとき頭がロフトベッドの前部とぶつかりにくくなる。また、作業テーブルに向かって座ったとき頭上を覆うロフトベッドの部分が少なくなるので、作業中における鬱陶しさが少なくなり、かつ不意に立ち上がったとき頭がぶつかりにくくなる。
また、可動部を起立状態にすると、可動部の底部がベッドスペースの手前側を塞いで隠し、目隠しとなる。
このため、可動部の底部は室内の装飾となる内装材の一つとして機能し、ベッドの存在や、ベッド上に置かれた布団等の収納物を見せなくする。
さらに、作業テーブルの前縁を、起立した可動部の前端の下方にてほぼ同じ位置にすると、可動部を起立させたとき、作業テーブルの前縁より上方にて、ロフトベッドの水平に突出する部分がなくなる。このため、作業テーブルに向かって座ろうとするときや、作業テーブルに向かって座った状態から不意に立ち上がるときにおいて、頭がぶつかることを確実に防止する。
また、頭上に覆うものがなくなるので、鬱陶しさがなくなる。
ロフトベッドを長さ方向に沿って常設部と可動部へ2分し、可動部を倒伏状態と起立状態に可変とし、作業テーブルの前縁を倒伏状態の可動部の前縁より奧側へ引き込まれた位置にした。
このため、ベッドを使用するときは、可動部を倒伏状態にすることで十分な面積のベッドにして快適に使用できる。
さらに、ベッドを不使用状態にするときは、可動部を起立状態とすることにより、ベッドエリアを塞いで外観されないようにするので、ロフトベッドが存在しないかのように見せて、外観性を向上させる。
また、作業テーブルで作業するときは、予め可動部を起立状態にするため、作業テーブルへ向かって歩き、椅子へ座ろうとするとき、頭をベッドへぶつけずに作業エリアへ入り易くなる。
さらに、作業テーブルに向かって座ったとき、頭の上方を覆うベッドの部分がなくなるので、鬱陶しさがなくなり、かつ不意に立ち上がっても、頭をベッドへぶつけにくくなる。したがって、ベッド下での快適な作業を可能にする。
なお、作業テーブルの前縁を、起立した可動部の前端位置と同程度にすると、可動部を起立状態にしたとき、作業テーブルに向かって座った作業者の頭上に、水平方向に突出するロフトベッドの部分がなくなるので、作業テーブルへ向かって歩いて椅子へ座ろうとするときや、椅子に座った状態から不意に立ち上がるとき、頭をベッドへ確実にぶつけないようにすることができる。また、作業中に頭の上方を覆うベッドが存在しなくなるので、鬱陶しさがなくなる。したがって、ベッド下での作業をさらに快適にする。
本願に係るシステムベッドの正面図(ベッド使用時、以下図7まで同じ) 本願に係るシステムベッドの左側面図 本願に係るシステムベッドの右側面図 本願に係るシステムベッドの平面図 図1の5-5線断面図 図5における可動部を主とする拡大断面図 作業テーブルの使用状態を示す断面図 システムベッドの正面図(ベッド不使用時、図11まで同じ) システムベッドの平面図 可動部を起立状態にした状態の図5に対応する断面図 図10における可動部を主とする部分の拡大断面図
以下、図面に基づいて実施形態を説明する。
まず、図1~図7を中心にして、ベッド使用時状態のシステムベッド10について説明する。なお、図1~図7はベッドの使用状態、図8~Z11は不使用時に係るものである。システムベッド10は、上方のロフトベッド20を有する上部構造と、下方の作業テーブル30を有する下部構造とで構成されている(図2、図3参照)。
システムベッド10は、左側枠13、背板14及び右側枠15からなる枠体を有する(図4参照)。左側枠13、背板14及び右側枠15は平面視でコ字状に連結し、前方へ開放された空間を形成する。
この枠体が形成する空間は、ロフトベッド20により上下に分割され、上方はベッドエリア11、下方は作業エリア12になっている。ベッドエリア11は上部構造に含まれ、作業エリア12は下部構造に含まれる。
ロフトベッド20は後述するように、常時寝た状態に設けられた常設部21と、起伏自在をなす可動部22とに2分されている。可動部22を起立させると、ベッドを使用不可能もしくは使用不適な状態の幅とし、ベッド不使用時になる。
作業エリア12には作業テーブル30が設けられる(図1)。作業エリア12は作業テーブル30によりさらに上下に2分され、作業テーブル30の上方は、デスクワーク等のための作業スペースをなす。
作業テーブル30の下方は収納スペースをなし、ここには、中央に椅子40が配置され、その左右には袖机41,42が間隔を持って配置される。各袖机41,42にはそれぞれ適宜数の引き出しが設けられている。
作業テーブル30は袖机41,42とともに両袖机をなす。この場合、作業テーブル30は両袖机の天板をなす。
袖机41,42は、作業テーブル30へ固定されず、作業テーブル30の下へ出し入れ自在になっている。
また、作業テーブル30の中央下側には引き出し31が、左右の袖机41,42間に設けられている。引き出し31は必要により設けられる。
右側の袖机42と右側枠15との間には、ロッカー43が設けられている。ロッカー43はロフトベッド20の下から床Fにまで達する背の高いものになっており、前方へ開くドアを有し、これを開いて長尺物品を収納可能になっている。
左側枠13に沿って、ハシゴ50が上下方向に配置され、ロフトベッド20と床Fとの間に立て掛けられている。ハシゴ50は、図1に実線で示す立て掛け状態と、仮想線で示す収納状態との間に回動できる。
また、ハシゴ50の下端が床面上に当接することにより、ハシゴ50が可動部22における左側枠13側の支持にもなっている(図2)。
図2及び3に示すように、システムベッド10の高さ、すなわち枠体の全高はHであり、左側枠13及び右側枠15も同じ高さになっている。ただし、背板14は室内の壁面(図示省略)に沿うように配置される部材であり、上端部がロフトベッド20の高さ、下端は作業テーブル30より若干低い位置にあり、背抜きされて軽量になっている。
作業テーブル30の高さをH1、ロフトベッド20の高さをH2とする。
作業テーブル30の高さH1は、作業者M(図5)の座高を基準に決定される。
作業者Mが椅子40に腰掛けた状態で、作業テーブル30上にて快適に作業できる高さになっている。なお、作業テーブル30の大きさも作業者Mにとって十分な作業スペースが得られるように設定される。
図4に示すように、システムベッド10は長さL、幅W(L>W)をなす。
システムベッド10の幅Wは、ロフトベッド20の幅が可変であるため、ベッド使用時におけるシステムベッド10の最大幅であり、可動部22を倒伏状態にしたときその前縁22aより突出するラッチ54を含む(図3)。
以下、各部の詳細を説明する。
図2に示すように、左側枠13と右側枠15は幅を異にし、左側枠13の幅W1よりも右側枠15の幅W2が大きい(W1<W2)。
左側枠13は、ロフトベッド20の常設部21、作業テーブル30並びに両袖机41及び42を側方から覆うためのものでもある。幅W1とすることによりこれらを覆い、左側枠13の前端部は、作業テーブル30の前縁部30aに一致している。
なお、倒伏状態における可動部22の前縁部22aは、左側枠13の前端部よりもさらにAなる寸法で前方へ突出している。
図3に示すように、右側枠15は、ロッカー43の側方を覆うためのものでもある。ロッカー43は右側枠15の幅W2と略等しい奥行き幅を有する。
したがって、その幅W2はW1より長く、常設部21及び作業テーブル30の前縁部30aよりもさらに前方へ突出している。その突出量はBなる寸法である。
図4に示すように、ロフトベッド20(使用時)は、長さL及び幅Wに近い長さL1及び幅BWを備えた平面視略長方形をなしている。
ロフトベッド20の幅BWは、左側枠13及び右側枠15の幅W1、W2よりも大きい。なお、左側枠13の幅W1は作業テーブル30の幅とほぼ同じである。
ロフトベッド20は長さ方向に沿う分割線V(図4)により、常設部21と可動部22に2分され、常設部21と可動部22はヒンジ23にて連結されている。
常設部21の長さ方向両端部は、左側枠13及び右側枠15の内面へボルト止め等により、常時水平状態の寝た状態になるように固定されている。
可動部22は、常設部21と連続平面をなすように寝る倒伏状態(図5)と、起立状態(図10参照)とに可変である。
可動部22を倒伏状態にすると、ロフトベッド20を十分な幅のあるベッドとして使用でき、ベッドは使用状態になる(図4)。また、可動部22を起立状態にすると、ベッドを不使用状態にするとともに、後述するように、作業テーブル30に向かって快適な使用を可能にする(図10参照)。
ロフトベッドの幅をBWとし、常設部21の幅をBW1、可動部22の幅をBW2(BW1>BW2)とする。可動部22の幅BW2は、前縁部22aと背面側端部22c(図6)間の寸法であり、前縁部22aから突出するラッチ54を含めない。
ベッド使用時の可動部22は、右側枠15より若干長く前方へ突出し、必要なベッドの幅BWを確保している(図2)。
ロフトベッド20の使用時における幅BWは、常設部21の幅BW1と可動部22の幅BW2の合計である。すなわち、可動部22を倒伏状態にすると、常設部21と可動部22は連続する面一のベッドになる。このときロフトベッド20の幅はBWなる広いものとなり、快適なベッドとしての必要な幅を確保している(図4、5)。
可動部22の前端にはガード24が着脱自在に設けられている。ガード24は、ロフトベッド20における前方側の脱落防止枠であり、下端を可動部22の前端部へ差し込み式で取り付けられている。可動部22を倒伏状態にしたベッドの使用状態におけるガード24の高さ(先端部の位置)は、左側枠13及び右側枠15の高さと同程度である(図2)。
図1に示すように、ガード24は可動部22の前縁22aに沿って、その長さ方向ほぼ全長に設けられている。ただし、左側枠13側はハシゴ50の幅程度の間隙が設けられ、ここからハシゴ50を通ってロフトベッド20上へ出入できる。
図1及び図5に示すように、作業テーブル30は、左側枠13とロッカー43の対抗する内壁間にボルト止め等適宜方法で固定される。
作業テーブル30の長さL2は、ロフトベッド20の長さL1よりも、ロッカー43の長さL3だけ短い(図1)。作業テーブル30の幅W3は左側枠13の幅W1とほぼ同じである(背板14の板厚だけ狭い)。
作業テーブル30の長さL2は、ロフトベッド20の長さL1よりも、ロッカー43の長さだけ短い。作業テーブル30の幅W3は左側枠13の幅W1とほぼ同じである。
作業テーブル30の面積は、作業テーブル30の上における十分な作業スペースを形成している。したがって、作業テーブル30の幅W3を右側枠15の幅W2と同じ程度に拡大する必要はない。
また、システムベッド10の配置スペースを効率的にする観点より、作業テーブル30を背板14へ当接するまで、奥へ引き込ませることになる。このため、作業テーブル30の前縁30aが、倒伏状態にある可動部22の前縁22aより、寸法Aだけ引き込んでいることになる(図5)。
図5に示すように、倒伏状態にある可動部22は、右側枠15の前端より前方へ突出し、その底面22bの前端部右側はL字金具44に支持されている(図8参照)。
なお、底面22bは外観部として壁紙等の装飾材を設ける等、室内の内装材と同様の装飾的処理が施されている。
倒伏状態の可動部22は、水平に寝た状態で回り止めされる。この回り止めは、図中の丸囲み拡大部に示すように、可動部22の背面側端部22cが常設部21の前縁21aに当接することによる。また、可動部22の先端部左側がハシゴ50により、右側がL字金具44(図8)により支持されて回り止めされている。
作業テーブル30の前縁30aは、倒伏状態の可動部22の前縁22aより寸法Aだけ奥へ引き込んで位置している。前縁30aの位置は、分割線Vの前方になる線Dに重なっている。この線Dは起立状態にある可動部22の底面22bに沿って垂下した線であり、ベッド不使用時にあるシステムベッド10の前端部を示している(図10参照)。
このようなシステムベッド10では、その前方に向かって立った作業者Mの頭が可動部22の前縁部22aの前方に位置することが多い。そこで、作業者Mが不用意に作業テーブル30の前へ座ろうとすると、頭が可動部22の前縁部22aへぶつかり易くなる。これを避けて作業テーブル30の前へ座るには、頭を下げ、腰をかがめて作業エリア12へ入る必要がある。
作業テーブル30及び引き出し31の下方には椅子40が収納されている。椅子40はロッカー43の前端より作業テーブル30側へ入り込み、作業テーブル30と上下方向にて一部が重なる収納状態をなす。
このようにすることで、作業テーブル30の使用時に、椅子40がロッカー43より前方へ突出せずに収納され、作業テーブル30での作業をしないときにおけるシステムベッド10がコンパクトになる。
常設部21の底面で、背板14に近い位置に遮光カバー32が設けられている。遮光カバー32は背板14に間隔を持って長さ方向に平行し、作業テーブル30の長さL2とほぼ同じ長さに配置され、作業エリア12内へ垂下して設けられている。
遮光カバー32と背板14の間には、直管状をなす蛍光灯又はLEDの照明33が、遮光カバー32と平行し、ほぼ同じ長さで設けられている。
右側枠15の内壁面(ベッドエリア11に臨む面)における上部前端側部には、ロック穴17が設けられている。このロック穴17は、可動部22を起立させたとき、その先端部を固定するためのものである。可動部22の底面22bにおける右側先端にはロック18が設けられ、このロック18のロック部が嵌合するようになっている(図11参照)。
図8の丸囲み拡大部に示すように、ロッカー43は右上部を右側枠15の内面に設けられたL字形金具44により固定される。L字形金具44は直角に屈曲する垂直部と水平部を備える。垂直部は、略水平にロッカー43の天板上方へ突出して、可動部22の底面22bに当接してこれを支持している。
図1に示すように、ハシゴ50は倒伏状態の可動部22の前縁22aと床面との間に斜めに架け渡されるものであり、左右に平行する柱51と、これらを横に連結する棒状をなす複数のステップ52を備える。
左側の柱51の上端は、ユニバーサル形式のジョイント53により、可動部22の前縁22aへ取り付けられている。
したがって、ハシゴ50は、ジョイント53を中心に回動可能となり、正面視で上下方向の使用状態と、略水平にガード24に重なってその長さ方向へ延びる収納状態(図1の仮想線)とに可変である。
可動部22の前縁22aには、右側枠15寄りで柱51の下端部が当接する位置にラッチ54が設けられ、ここに回動した収納状態の柱51の下端部を係合保持可能になっている(図7参照)。
柱51の下端には球状アジャスター55が設けられ、ハシゴ50の立て掛け時における角度を調整可能になっている(図2参照)。
次に、各部の詳細な寸法関係を説明する。
このシステムベッド10は、身長が1.5m程度の未成年者を標準として構成されている。但し、2m程度以下の身長で使用可能である。各部の具体的な寸法例は以下の通りである。
システムベッド10の高さH=1.8m、作業テーブル30の高さH1=50~70cm、ロフトベッド20の高さH2=1.5m、H1とH2の差Δh1=80~100cm、HとH2との差Δh2=30cm
システムベッド10の長さL=2.1m、ロフトベッド20の長さL1=2.03m、作業テーブル30の長さL2=1.58m、ロッカー43の長さL3=45cm
システムベッド10の幅W=1.05m(ラッチ54が5cmの場合)、左側枠13の幅W1=70cm、右側枠15の幅W2=90cm、作業テーブル30の幅W3=66.5cm
ロフトベッド20の幅BW=1m、常設部21の幅BW1=70cm、可動部22の幅BW2=30cm
作業テーブル30の引き込み量A=30cm、倒伏状態における可動部22の前縁22aが右側枠15の前端から突出する量B=10cm
このように構成すると、図10において、椅子40に座った作業者Mの頭とベッドとのクリアランスC=10~30cmとなり、十分なクリアランスが確保される。
上記具体的な寸法はいずれも一例である。
H1は作業者の座高を基準に決定される。作業者Mが椅子40に腰掛けた状態で、作業テーブル30上にて快適に作業できる高さになっている。なお、作業テーブル30の幅はほぼW1であるが、この幅も作業者Mにとって十分なスペースとなるように設定される。
Δh1は作業テーブル30の上方空間が快適な作業スペースとなるように設定される。
Δh2はベッド使用時における妥当なガード高さとなるように設定される。
H2はΔh1とΔh2を勘案して設定される。
次に、使用方法を説明する。ロフトベッド20を使用するときは、図1~6に示すように、可動部22を倒伏状態とする。すると、常設部21と可動部22が連続する平面をなしてベッドとしての使用が可能となる。
このとき、図6の丸囲み拡大部に示すように、可動部22の背面側端部22cが常設部21の前縁21aに当接することによっても回り止めとなる。
また、可動部22の右側前端部は、底面がL字形金具44により支持される(図9参照)。左側前端部は下端が床Fに当接したハシゴ50により支持されている(図2)。したがって、安定した倒伏状態になっており、十分に広い幅BWなるベッドとして快適に使用できる。
作業テーブル30を使用するには、図8~11に示すように、可動部22を起立させてベッドを不使用状態にする。このとき、可動部22を起立させるのに先だってまずハシゴ50を回動させ、ガード24の前面に沿わせ、ハシゴ50の柱51のうち前縁22aに重なるものの下端部をラッチ54に係合させる(図7)。これにより、ハシゴ50は、図1の仮想線で示す収納状態になる。
続いて、可動部22を起立状態とし、図8~図11に示す状態にする。このとき、可動部22はヒンジ23を中心に回動し、略90°反時計回りに回動し、可動部22が略垂直に起立する。
起立状態の可動部22は、図9の丸囲み拡大部に示すような適当なロック18により右側枠15の上部へ固定される。この例のロック18は伸縮ロッド19を備え、この伸縮ロッド19(ロック部)を右側枠15に設けられているロック穴17へ嵌合する。これにより、可動部22は起立状態を維持する。
このとき、一緒に回動するガード24とハシゴ50は、常設部21の上方へ重なるように、略水平となってベッドエリア11上へ収納され、外観されなくなる。
その結果、図8に示すように、ベッドエリア11は可動部22の底面22bにより塞がれ、ロフトベッド20の存在をうかがえなくする。また、常設部21上に置いた布団などの収納物品25も外観されない。
したがって、ロフトベッド20があたかも存在しないかのように、ロフトベッド20部分を隠す目隠しとなる。しかも、装飾的にされた底面22bは、あたかも室内を装飾する内装材の一部のように機能し、ベッド不使用時の外観をさらに向上させる。
このとき、可動部22の幅BW2を左側枠13等がロフトベッド20より上方へ突出する高さ△h2と同程度にすれば、ベッドエリア11を確実に塞ぐことができる。
このように、ベッドを不使用状態にすると、作業テーブル30より前方へ突出していたロフトベッド20の部分(可動部22)がほぼなくなるので、作業者Mは、可動部22へぶつかることなく作業エリア12の前へ立つことができる。そこで、頭を下げたり、腰を屈めることなくスムーズに椅子40へ腰掛けて作業テーブル30の前へ座ることができ、作業テーブル30上における作業が可能になる(図10)。このとき、椅子40及び作業者Mの上体の大部分は、可動部22の下方位置よりも前方へ出ている。
この状態で作業者Mが作業テーブル30の前に座ると、その頭は、起立した可動部22の底面22bの位置を示す線Dよりも前方となる位置関係にある(図10)。また、作業者Mは作業テーブル30より若干前方に位置するから、頭上にはベッドが存在せず、かつベッドの下端と頭の間には十分なクリアランスCがあるので、作業者Mは、頭上の鬱陶しさがなくなり、快適に作業できる。
しかも、作業状態から不意に立ち上がっても、頭がベッドにぶつかるおそれが少なくなり、快適さが増進する。
なお、本願発明は上記の実施例に限定されるものではなく、発明の原理内において種々に変形や応用が可能である。
例えば、システムベッド10は、ロフトベッド20を有する上部構造と、作業テーブル30を有する下部構造からなるものであれば、各部もしくは各部における細部を組み立て式にしたものや、展開式にしたもの等、いかなる構成のものでもよい。
作業テーブル30の前縁30aの位置は、起立した可動部22の底面22bに沿って垂下する線Dと重なる位置もしくはこれより奧側へ引き込んだ位置にすることが好ましい(図5、10参照)。ただし、常設部21と可動部22の分割部、すなわち分割線Vを垂下したものと重なる位置程度にしてもよい。この位置ならば、頭がベッド側へぶつかりにくくなる。
作業テーブル30は、両袖机のような机を構成し、その天板をなすものでなく、単に一枚の板材からなるテーブルでもよい。また、デスクワークのような軽作業用でなく、機械加工等をするための比較的厚い肉厚を有する作業台でもよい。
ロック18は、伸縮ロッド19を有するものばかりでなく、公知のものが種々可能である。
ヒンジ23も平蝶番形式に限らず公知のものが種々可能である。
ジョイント53はボールジョイントに限らず公知のものが種々可能である。
ラッチ54は図示のものに限らず、ハシゴ50を係止する種々の構造が可能である。
10:システムベッド、11:ベッドスペース、12:作業スペース、13:左側枠、14:背板、15:右側枠、20:ロフトベッド、21:常設部、22:可動部、23:ヒンジ、25:収納物品、30:作業テーブル、50:ハシゴ
ロフトベッドを設けた上部構造と、その下方に作業テーブルを設けた下部構造とからなるとともに、ロフトベッドより小さな作業テーブルを、ロフトベッドの下方へ奧側へ引き込んで設けたシステムベッドにおいて、ロフトベッドを長さ方向に沿う分割線で2分し、幅方向に並んだ奥側の常設部と手前側の可動部とし、可動部を倒伏状態と起立状態とに可変とし、作業テーブルの前縁を倒伏状態にある可動部の前縁よりも奧側へ引き込まれた位置にした。
ロフトベッドを長さ方向に沿う分割線で2分し、幅方向に並んだ奥側の常設部と手前側の可動部とし、可動部を倒伏状態と起立状態に可変とし、作業テーブルの前縁を倒伏状態の可動部の前縁より奧側へ引き込まれた位置にした。
このため、ベッドを使用するときは、可動部を倒伏状態にすることで十分な面積のベッドにして快適に使用できる。
さらに、ベッドを不使用状態にするときは、可動部を起立状態とすることにより、ベッドエリアを塞いで外観されないようにするので、ロフトベッドが存在しないかのように見せて、外観性を向上させる。
本願に係るシステムベッドの正面図(ベッド使用時、以下図7まで同じ) 本願に係るシステムベッドの左側面図 本願に係るシステムベッドの右側面図 本願に係るシステムベッドの平面図 図1の5-5線断面図 図5における可動部を主とする拡大断面図 作業テーブルの使用状態を示す断面図 システムベッドの平面図(ベッド不使用時、図11まで同じ) システムベッドの正面図 可動部を起立状態にした状態の図5に対応する断面図 図10における可動部を主とする部分の拡大断面図
以下、図面に基づいて実施形態を説明する。
まず、図1~図7を中心にして、ベッド使用時状態のシステムベッド10について説明する。なお、図1~図7はベッドの使用状態、図8~11は不使用時に係るものである。システムベッド10は、上方のロフトベッド20を有する上部構造と、下方の作業テーブル30を有する下部構造とで構成されている(図2、図3参照)。
図3に示すように、右側枠15は、ロッカー43の側方を覆うためのものでもある。ロッカー43は右側枠15の幅W2と略等しい奥行き幅を有する。
したがって、その幅W2はW1より長く、常設部21及び作業テーブル30の前縁部30aよりもさらに前方へ突出している。倒伏状態における可動部22の前縁部22aは、右側枠15の前端部よりもさらに前方へ突出している。その突出量はBなる寸法である。
作業テーブル30の長さL2は、ロフトベッド20の長さL1よりも、ロッカー43の長さだけ短い
業テーブル30の面積は、作業テーブル30の上における十分な作業スペースを形成している。したがって、作業テーブル30の幅W3を右側枠15の幅W2と同じ程度に拡大する必要はない。
図5に示すように、倒伏状態にある可動部22は、右側枠15の前端より前方へ突出し、その底面22bの前端部右側はL字金具44に支持されている(図参照)。
なお、底面22bは外観部として壁紙等の装飾材を設ける等、室内の内装材と同様の装飾的処理が施されている。
倒伏状態の可動部22は、水平に寝た状態で回り止めされる。この回り止めは、図中の丸囲み拡大部に示すように、可動部22の背面側端部22cが常設部21の前縁21aに当接することによる。また、可動部22の先端部左側がハシゴ50により、右側がL字金具44(図)により支持されて回り止めされている。
右側枠15の内壁面(ベッドエリア11に臨む面)における上部前端側部には、ロック穴17(図5)が設けられている。このロック穴17は、可動部22を起立させたとき、その先端部を固定するためのものである。可動部22の底面22bにおける右側先端にはロック18が設けられ、このロック18のロック部が嵌合するようになっている(図参照)。
の丸囲み拡大部に示すように、ロッカー43右上部外側と右側枠15の内面との間にL字形金具44が設けられている。L字形金具44は直角に屈曲する垂直部と水平部を備える。垂直部は、右側枠15の内面へ固定されている。水平部は略水平にロッカー43の天板上方へ突出して、常設部21の底面に当接してこれを支持している。また倒伏状態の可動部22の底面22bに当接してこれを支持する。
続いて、可動部22を起立状態とし、図8~図11に示す状態にする。このとき、可動部22はヒンジ23を中心に回動し、略90°反時計回りに回動し、可動部22が略垂直に起立する。
起立状態の可動部22は、図の丸囲み拡大部に示すような適当なロック18により右側枠15の上部へ固定される。この例のロック18は伸縮ロッド19を備え、この伸縮ロッド19(ロック部)を右側枠15に設けられているロック穴17へ嵌合する。これにより、可動部22は起立状態を維持する。
このとき、一緒に回動するガード24とハシゴ50は、常設部21の上方へ重なるように、略水平となってベッドエリア11上へ収納され、外観されなくなる。
その結果、図に示すように、ベッドエリア11は可動部22の底面22bにより塞がれ、ロフトベッド20の存在をうかがえなくする。また、常設部21上に置いた布団などの収納物品25(図10)も外観されない。

Claims (5)

  1. ロフトベッド(20)を有する上部構造と、作業テーブル(30)を有する下部構造からなり、ロフトベッド(20)の上方をベッドエリア(11)、下方を作業エリア(12)とし、この作業エリア(12)内に設けた作業テーブル(30)の前縁をロフトベッド(20)の前縁よりも奧側へ引き込ませたシステムベッドにおいて、
    ロフトベッド(20)は、長さ方向に沿って分割された常設部(21)と手前側の可動部(22)とを備え、
    常設部(21)は、奥側へ常時寝た状態で配置され、可動部(22)は、横に寝た倒伏状態と、上下方向に立てられた起立状態とに可変であり、
    作業テーブル(30)は、ロフトベッド(20)の下方へ常設部(21)と平行に設けられ、手前側の端部である前縁(30a)は、倒伏状態にある可動部(22)の前縁(22a)よりも奧側へ引き込まれていることを特徴とする。
  2. 作業テーブル(30)の前縁(30a)は、常設部(21)と可動部(22)の前端位置(D)の下方にてほぼ同じ位置にあることを特徴とする。
  3. 可動部(22)は、起立させたとき、底部(22b)がベッドエリア(11)を隠す目隠しをなすことを特徴とする。
  4. 可動部(22)の底部(22b)が外観部として装飾されていることを特徴とする。
  5. ロフトベッド(20)への昇降を可能にするハシゴ(50)を有するとともに、このハシゴ(50)は、上下方向に配置する起立状態と、ロフトベッド(20)に略平行に配置した収納状態とに可変であり、
    収納状態にして可動部(22)と一緒に回動させたベッドエリア(11)内へ収納することを特徴とする。
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