JP2022029970A - 検出装置及び検出方法 - Google Patents

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和彦 三沢
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【課題】試料から発生するラマン散乱光を効率良く検出する。【解決手段】検出装置100は、広帯域スペクトルを有する第1パルス光PCと、広帯域スペクトルの帯域に含まれる一部の帯域の狭帯域スペクトルを有する第2パルス光PDと、を生成する光生成部10、第1パルス光PCを空間変調して、第1パルス光PCの断面上での複素振幅を奇関数プロファイルに変調する第1変調部30、第1パルス光PE及び第2パルス光PFを試料Sに照射することにより発生する散乱光PHを受光して、散乱光PHの断面内の中央部を検出する検出部60を備える。試料Sで発生するCARS光の複素振幅が偶関数プロファイルを呈し、同時に発生するNB光の複素振幅が奇関数プロファイルを呈することとなり、散乱光PHの断面内の中央部を検出することによりNB光から分離してCARS光を効率良く検出することが可能となる。【選択図】図1

Description

本発明は、検出装置及び検出方法に関する。
複数のパルス光を照射して試料から発せられるラマン散乱光、特に非線形光学過程により生じるコヒーレント・アンチストークス・ラマン散乱(CARS)光を検出することにより、試料内の物質を分析する検出技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。斯かる検出技術では、試料に含まれる水によって発生する非共鳴バックグランド(NB)光がCARS光と同一の波長を有するため、CARS光を高効率で検出するためにNB光を十分に低減する必要がある。
特許文献1 特許第6380941号明細書
本発明の第1の態様においては、試料で発生するラマン散乱光を検出する検出装置であって、広帯域スペクトルを有する第1パルス光と、この広帯域スペクトルの帯域より狭い帯域の狭帯域スペクトルを有する第2パルス光と、を生成する光生成部と、第1パルス光を空間変調して、第1パルス光の断面上での複素振幅を奇関数プロファイルに変調する第1変調部と、第1パルス光及び第2パルス光を試料に照射することにより発生する散乱光を受光して、散乱光の断面内の中央部を検出する検出部と、を備える検出装置が提供される。
本発明の第2の態様においては、試料で発生するラマン散乱光を検出する検出方法であって、広帯域スペクトルを有する第1パルス光と、この広帯域スペクトルの帯域より狭い帯域の狭帯域スペクトルを有する第2パルス光と、を生成する段階と、第1パルス光を空間変調して、第1パルス光の断面上での複素振幅を奇関数プロファイルに変調する段階と、第1パルス光及び第2パルス光を試料に照射することにより発生する散乱光を受光して、散乱光の断面内の中央部を検出する段階と、を備える検出方法が提供される。
なお、上記の発明の概要は、本発明の特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
本実施形態に係る検出装置の構成を示す。 第1位相マスクの構成を示す。 第1位相マスクに入射する変調前の第1パルス光及び第1位相マスクを透過して空間変調された変調後の第1パルス光の空間強度分布(上)及び複素振幅(下)を示す。 変調後の第1パルス光の空間強度分布を示す。 CARS過程に関わる3つのパルス光の空間強度分布及び複素振幅を示す。 非共鳴バックグラウンドを生成する光学過程に関わる3つのパルス光の空間強度分布及び複素振幅を示す。 試料から出力されるCARS光の複素振幅(励起系ASF)、集光光学系の点像分布関数(集光系ASF)、及びスリット前におけるCARS光の複素振幅の関係を示す。 試料から出力されるNB光の複素振幅(励起系ASF)、集光光学系の点像分布関数(集光系ASF)、及びスリット前におけるNB光の複素振幅の関係を示す。 スリットに入射するCARS光の空間強度分布を示す。 スリットに入射するNB光の空間強度分布を示す。 散乱光の検出信号の一例を示す。 本実施形態に係る検出方法のフローを示す。 変形例に係る検出装置の構成を示す。 第2位相マスクの構成を示す。 第2位相マスクに入射する変調前の第2パルス光及び第2位相マスクを透過して空間変調された変調後の第2パルス光の空間強度分布(上)及び複素振幅(下)を示す。 CARS過程に関わる3つのパルス光の空間強度分布及び複素振幅を示す。 試料から出力されるCARS光の複素振幅(励起系ASF)、集光光学系の点像分布関数(集光系ASF)、及びスリット前におけるCARS光の複素振幅の関係を示す。 CARS過程を示す。 NB過程を示す。
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
図1は、本実施形態に係る検出装置100の構成を示す。検出装置100は、試料Sで発生するラマン散乱光、特にコヒーレント・アンチストークス・ラマン散乱(CARS)光を非共鳴バックグランド(NB)光から分離して検出するのに好適な装置であり、光生成部10、第1分散補償部20及び第2分散補償部30、第1変調部40及び第2変調部50、駆動部70、検出部60、並びに制御部80を備える。
ただし、CARS過程は、図12Aのエネルギーダイヤグラムに示すように、分子の振動励起準位Sを介した励起過程及び脱励起過程のシーケンスである。励起過程では、基底準位L1にある分子が角周波数ωp1(エネルギー(h/2π)ωp1、hはプランク定数)を有する励起光(ポンプ光とも呼ばれる)を吸収することにより仮想準位L3に励起し、さらに角周波数ω(エネルギー(h/2π)ω)を有するストークス光を吸収して同角周波数を有する光を誘導放出することにより振動励起準位Sに脱励起する。ここで準位L3は仮想準位であることから、励起光及びストークス光のエネルギー差(角周波数差ωp1-ω)が振動励起準位Sのエネルギー(基底準位L1に対する角周波数Ω)に等しく、分子が励起光及びストークス光を同時に吸収する場合に、分子は振動励起準位Sに共鳴的に遷移する。脱励起過程では、振動励起準位Sにある分子がその寿命の時間内に角周波数ωp2(エネルギー(h/2π)ωp2)を有する観察光(プローブ光とも呼ばれる)を吸収することにより仮想準位L4に励起し、これに伴って分子が基底準位L1に脱励起することにより角周波数ωp1-ω+ωp2(エネルギー(h/2π)(ωp1-ω+ωp2))を有するCARS光を放出する。
なお、CARS光は、励起光(ωp1)として使用するパルス光及びストークス光(ω)として使用するパルス光の周波数差Δω=ωp1-ωが分子の振動励起準位Sの角周波数Ωに等しい場合に、強く発生する。なお、励起光(ωp1)として使用するパルス光と観察光(ωp2)として使用するパルス光とを共通のソース光から生成することで(すなわちωp1=ωp2=ω)、角周波数2ω-ωを有するCARS光が発生する。
また、NB過程は、図12Bのエネルギーダイヤグラムに示すように、分子の振動励起準位Sを介さない励起過程及び脱励起過程のシーケンスである。励起過程では、基底準位L1にある分子が角周波数ωp1を有する励起光を2つ吸収することにより仮想準位L3よりさらに高い仮想準位L5に励起する。脱励起過程では、仮想準位L5にある分子が角周波数ωを有するストークス光を吸収して同角周波数を有する光を誘導放出することにより仮想準位L6に脱励起するとともに、基底準位L1にさらに脱励起して角周波数2ωp1-ωを有するNB光を放出する。仮想準位L5,L6はともに分子の実準位ではないことから、2つの励起光を吸収する励起過程並びにストークス光と同角周波数を有する光及びNB光を放出する脱励起過程は同時に発生する。
光生成部10は、試料Sに照射するパルス光PGを生成するユニットである。パルス光PGは、広帯域スペクトルを有する第1パルス光PE及び広帯域スペクトルの帯域に含まれる一部の帯域の狭帯域スペクトルを有する第2パルス光PFを含む。CARS過程において、第1パルス光PEは、励起光(ωp1)及びストークス光(ω)、第2パルス光PFは、観察光(ωp2)の役割を果たす。光生成部10は、光源11、アイソレータ12、ミラー10a、ハーフミラー10b,10c、バンドパスフィルタ13、ミラー10dを含む。
光源11は、パルス光PGを生成するためのソース光PAを生成する装置である。ソース光PAは、広帯域スペクトルを有する。本実施形態では、光源11の一例として、中心波長約800nm、フェムト秒オーダー(例えば、10fs)のパルス幅、及び帯域幅約100nm(1600cm-1)を有する超短パルス光を生成するチタン・サファイアレーザを採用する。
アイソレータ12は、光源11から出射するソース光PAを透過し、光源11に向かう戻り光を遮断する部材である。アイソレータ12は、必要に応じて設けられてよい。
ミラー10aは、全反射型のミラー素子であり、光源11から発せられ、アイソレータ12を介したソース光PAをハーフミラー10bに向けて反射する。
ハーフミラー10b,10cは、入射光を透過し、戻り光を反射する半透過型のミラー素子である。ハーフミラー10bは、ミラー10aから送られたソース光PAを透過して第1分散補償部20に送り、第1分散補償部20により分散補償されて戻されるソース光PBを反射してハーフミラー10cに送る。ハーフミラー10cは、ハーフミラー10bから送られたソース光PBを透過してバンドパスフィルタ13に送り、バンドパスフィルタ13からの戻り光(パルス光PG)を反射して検出部60に送る。
バンドパスフィルタ13は、ソース光PBを第1パルス光PC及び第2パルス光PDに分波するフィルタ素子である。バンドパスフィルタ13は、ソース光PBが有する広帯域スペクトルの帯域に含まれる一部の狭帯域において入射するソース光PBを透過して狭帯域スペクトル(例えば、帯域幅約4nm(60cm-1))を有する第2パルス光PDを生成し、その他の帯域において入射するソース光PBを反射して広帯域スペクトルを有する第1パルス光PCを生成する。第1パルス光PCは第1変調部40(第1位相マスク41)に送られ、第2パルス光PDはミラー10dを介して第2変調部50に送られる。
また、バンドパスフィルタ13は、第1変調部40(位相マスク41)及び第2分散補償部30を介して戻る第1パルス光PEを反射し、第2変調部50から戻る第2パルス光PFを透過し、それらを合波してパルス光PGを生成し、これを検出部60に向けて送る。なお、バンドパスフィルタ13に代えて、例えばハーフミラー等の他の光学素子を用いて第1パルス光PE及び第2パルス光PFを合波してもよい。
ミラー10dは、全反射型のミラー素子であり、バンドパスフィルタ13によりソース光PBから分波された第2パルス光PDを第2変調部50に向けて反射するとともに、第2変調部50から戻る第2パルス光PFをバンドパスフィルタ13に戻す。
第1分散補償部20及び第2分散補償部30は、それぞれ、ソース光PA及びパルス光PCを波長毎に位相変調して分散を補償するユニットである。
第1分散補償部20は、ソース光PAの位相を疎変調するユニットであり、ミラー20a、回折格子対21、及びチャープミラー22を含む。
ミラー20aは、全反射型のミラー素子であり、光生成部10からハーフミラー10bを透過して送られるソース光PAを回折格子対21に向けて反射し、回折格子対21から戻るソース光PBをハーフミラー10bに向けて反射する。
回折格子対21は、平行に配列された2つの透過型の回折格子を含む。回折格子対21は、一方の回折格子によりソース光PAを波長毎に拡散してビーム角を拡げ、他方の回折格子により平行光にコリメートする。それにより、ソース光PAは、ビーム断面の一側に短波長成分、他側に長波長成分を含む波長空間分布を呈する。また、回折格子対21は、チャープミラー22から戻るソース光PBを透過してそのビーム角を絞る。絞られたソース光PBは、ミラー20aに送られる。なお、回折格子対21に代えて一対のプリズムを使用してもよい。
チャープミラー22は、ソース光PAを群速度分散(GVD)補償する光学素子であり、複数の誘電体コーティング層を積層して形成されている。ここで、複数の誘電体コーティング層は光の侵入深さに応じた厚さを有する、つまり入射面側に位置する誘電体コーティング層は薄く、入射面から深く離れて位置する誘電体コーティング層は厚く成形されている。それにより、ソース光PAの短波長成分がチャープミラー22の表面側で反射され、長波長成分がチャープミラー22の深い位置で反射されることで、短波長成分をパルスの先頭側に、長波長成分をパルスの後方側に含むように逆チャープされたソース光PBが生成される。
第2分散補償部30は、ソース光PBから分波された第1パルス光PCの位相を微変調するユニットであり、回折格子31、反射鏡32、凹面鏡33、及び空間光変調器(SLM)34を含む。
回折格子31は、透過型の回折格子である。回折格子31は、バンドパスフィルタ13により分波され、第1変調部40(位相マスク41)を介した第1パルス光PCを波長毎に拡散してビーム角を拡げる。また、回折格子31は、SLM34により空間変調された第1パルス光PEを収束してビーム角を絞り、バンドパスフィルタ13に送る。
反射鏡32は、例えばハーフミラーであってよい。反射鏡32は、回折格子31から送られる第1パルス光PCを透過して凹面鏡33に送り、凹面鏡33から戻る第1パルス光PCを反射してSLM34に送る。また、反射鏡32は、SLM34から戻る第1パルス光PEを反射して凹面鏡33に送り、凹面鏡33から戻る第1パルス光PEを透過して回折格子31に送る。なお、反射鏡32として、偏光ビームスプリッタ及び4分の1波長板を採用し、4分の1波長板により第1パルス光PC,PDの偏光を操作して、偏光ビームスプリッタにより第1パルス光PC,PDを反射又は透過するよう構成してもよい。
凹面鏡33は、全反射型の凹面形状のミラー素子であり、回折格子31によりビーム角が拡げられた第1パルス光PCを反射して平行光にコリメートする。それにより第1パルス光PCは、ビーム断面の一側に短波長成分、他側に長波長成分を含む波長空間分布を呈する。コリメートされた第1パルス光PCは、反射鏡32を介してSLM34に送られる。また、凹面鏡33は、SLM34から反射鏡32を介して送られる第1パルス光PEを反射してそのビーム角を絞る。絞られた第1パルス光PEは反射鏡32を介してバンドパスフィルタ13に送られる。
SLM34は、受光面上に配列された複数のミラー素子を有し、それらの傾斜及び高さを駆動制御して入射光を受けることで、入射光の振幅、位相、偏光等を空間的及び時間的に変調する装置である。SLM34は、回折格子31及び凹面鏡33により空間的に広げられた第1パルス光PCを受光面上で受ける。第1パルス光PCは、前述のとおり波長空間分布を呈することで、波長成分毎に異なるミラー素子に入る。そこで、SLM34により、複数のミラー素子の傾斜及び高さをそれぞれ制御することで、波長成分毎に第1パルス光PCの振幅及び位相を変調して、短波長成分をパルスの先頭側に、長波長成分をパルスの後方側に含むように逆チャープされた第1パルス光PEを生成する。第1パルス光PEは、反射鏡32、凹面鏡33、回折格子31を介してバンドパスフィルタ13に戻される。
パルス光PGは、検出装置100に含まれる屈折率の異なる各光学素子を介することで長波長成分が速く進み、短波長成分が遅く進むことによりパルスが拡がる。そこで、第1分散補償部20及び第2分散補償部30により、短波長成分をパルスの先頭側に、長波長成分をパルスの後方側に含まれるようにソース光PA及び第1パルス光PCを逆チャープして分散補償することで、第1パルス光PEは、試料Sに到達するまでに各光学素子を介してチャープされ、すべての波長成分が同時に試料Sに到達することとなる。
第1変調部40は、第1パルス光PCを空間変調して、第1パルス光PCの断面上での複素振幅を奇関数プロファイルに変調するユニットである。本実施形態では、第1変調部40は、第1位相マスク41を含む。
図2Aに、第1位相マスク41の構成を示す。第1位相マスク41は、一例として正面視円形状の入射面を有する。第1位相マスク41は、複屈折結晶を用いて、結晶の光学軸(黒塗り矢印で示す)が入射面と平行になるように板状に成形することで構成される。ただし、結晶の光学軸は、左半部の左領域41aでは左右方向、右半部の右領域41bでは上下方向に向けられている。そして、本実施形態では、結晶の厚さは、光学軸に平行な偏光を有する光が入射した場合にその位相をゼロ、光学軸に垂直な偏光を有する光が入射した場合にその位相をπシフトする厚さに定められている。第1位相マスク41は、入射面上の左領域41aと右領域41bとでそれぞれ異なる量、本実施形態ではそれぞれゼロ及びπだけ入射光の位相をシフトする。それにより、左右方向の偏光を有する光が入射した場合に、左領域41aに入射した部分に対して右領域41bに入射した部分の位相がπシフトする(複素振幅が反転する)。
第1位相マスク41は、図1に示すように、バンドパスフィルタ13から第1分散補償部30に向けて送られる第1パルス光PCの光軸上で、対物レンズ61a,61bに対する瞳共役位置又はその近傍に配置される。第1パルス光PCは、左右方向を向く直線偏光を有し、図2Aに示すように、第1位相マスク41の入射面上の中央下側に入射する、すなわち第1パルス光PCの半部は入射面上の左領域41a、残り半部は入射面上の右領域41bに入射することで、左領域41aに入射する半部に対して右領域41bに入射する残り半部の位相がπシフトする(複素振幅が反転する)。なお、第1分散補償部30から戻る第1パルス光PEは、第1位相マスク41の外側を通る。
図2B及び図2Cに、それぞれ、第1位相マスク41に入射する変調前の第1パルス光PC及び第1位相マスク41を透過して空間変調された変調後の第1パルス光PEの空間強度分布(複素振幅の絶対値の2乗)及び複素振幅(ビーム中心を通る軸上の振幅)、並びに第1パルス光PEの空間強度分布(ビーム中心を通る軸上における複素振幅の絶対値の2乗)を示す。変調前の第1パルス光PCの複素振幅は、断面中央で最大を示す偶関数プロファイルを呈するのに対して、変調後の第1パルス光PEの複素振幅は、第1位相マスク41を通ることで空間変調されて断面中央でゼロを示し、左に正のピーク及び右に負のピークを示す奇関数プロファイルを呈する。
なお、本実施形態に係る第1位相マスク41では、入射面上の左領域41aと右領域41bとでそれぞれゼロ及びπだけ入射光の位相をシフトするよう構成したが、これに代えて、それぞれゼロ及びπ/2だけ入射光の位相をシフトするよう構成してもよい。ただし、バンドパスフィルタ13から送られる第1パルス光PCも第1分散補償部30から戻る第1パルス光PEも第1位相マスク41の中央を通るよう、第1位相マスク41をバンドパスフィルタ13と回折格子31との間に配置するものとする。第1パルス光PC(PD)の半部は入射面上の左領域41aを介して往復し、残り半部は入射面上の右領域41bを介して往復することで、左領域41aに入射する半部に対して右領域41bに入射する残り半部の位相がπシフトする。
なお、本実施形態に係る第1位相マスク41の構成は一例であり、第1パルス光PCを空間的に変調して断面上の複素振幅を奇関数プロファイルに変調するものであれば、その構成及び製造方法は任意であってよい。
第2変調部50は、第2パルス光PDを時間的に変調して、第2パルス光PFを第1パルス光PEに対して遅延させるユニットであり、ミラー50a、光変調器51、及び可動ミラー52を含む。
ミラー50aは、全反射型のミラー素子であり、光生成部10から送られる第2パルス光PDを光変調器51に向けて反射するとともに、光変調器51から戻る第2パルス光PFをミラー10dを介してバンドパスフィルタ13に戻す。
光変調器51は、一例として、電気光学効果により光の位相を変調するリチウムナイオベート(LiNbO)電気光学変調器(EOM)を採用する。光変調器51は、第2パルス光PDの位相を複数とおりに、特に直交四位相(0,π/2,π,3π/2)のそれぞれに変調する。それにより、直交四位相のそれぞれに変調された第2パルス光PFを試料Sに照射し、それにより試料Sから発生する散乱光(それぞれの強度I,Iπ/2,Iπ,I3π/2)を検出してヘテロダイン検出I=√((I-Iπ+(Iπ/2-I3π/2)することで、CARS光をEB光から分離して検出することが可能となる。
可動ミラー52は、第2パルス光PDの光軸方向に移動可能に配置された全反射型のミラー素子であり、光軸方向に駆動することで第1パルス光PEに対する第2パルス光PFの遅延量を疎調整して、第2パルス光PFを光変調器51に向けて反射する。
なお、光変調器51に代えて、可動ミラー52を駆動する駆動機構を設けてもよい。駆動機構を介して可動ミラー52を第2パルス光PDの光軸方向に駆動制御することで、第2パルス光PDの光路長が伸縮し、第1パルス光PEに対して遅延させることができる。
第2変調部50により、第2パルス光PFを第1パルス光PEに対して遅延させることで、CARS過程において第1パルス光PE(励起光(ωp1)及びストークス光(ω))を入射することにより試料S内の分子を振動励起準位Sに励起し、それから振動励起準位Sの寿命の時間内で遅れて第2パルス光PF(観察光(ωp2))を入射することにより、EB光の発生を抑えつつCARS光を発生させることができる。
駆動部70は、バンドパスフィルタ13により第1パルス光PE及び第2パルス光PFを合波したパルス光PG(その焦点又は光軸)に対して、試料Sを相対的に駆動するユニットであり、ステージ71及び駆動装置72を含む。
ステージ71は、試料Sを支持して3次元方向、すなわちパルス光PGの光軸に平行なZ軸方向並びに光軸に直交するX軸及びY軸方向に移動可能に構成されている。
駆動装置72は、例えばピエゾ素子を有し、制御部80により制御されてステージ71を3次元方向に駆動する。それにより、試料Sを、対物レンズ61aにより収束されるパルス光PGの焦点に位置決めすることができる。また、試料Sをパルス光PGの焦点に対して3次元方向に駆動(つまり、試料Sをスキャン)しつつ試料Sから発生するCARS光を検出することで、試料Sをイメージングすることもできる。
検出部60は、バンドパスフィルタ13により第1パルス光PE及び第2パルス光PFを合波してなるパルス光PGを試料Sに照射するとともに、それにより試料Sから発生する散乱光PH、すなわちCARS光を受光するユニットである。本実施形態に係る検出装置100では、散乱光PHの断面内の中央部が検出される。検出部60は、対物レンズ61a、対物レンズ61b、ミラー60a、ショートパスフィルタ62、レンズ63、スリット64a、及び分光器64を含む。
対物レンズ61aは、パルス光PGを試料Sに向けて集光するレンズ素子であり、試料Sを支持するステージ71の上方に配置される。対物レンズ61aは、励起系対物レンズとも呼ばれる。対物レンズ61aによりパルス光PGが試料に照射されることで、試料SからCARS光、その他EB光を含む散乱光PHが発生する。
図3Aに、CARS過程に関わる3つのパルス光の空間強度分布及び複素振幅を示す。CARS過程では、先述のとおり、基底準位L1にある分子が励起光(ωp1)及びストークス光(ω)を吸収することにより仮想準位L3を介して振動励起準位Sに遷移し、さらに振動励起準位Sにある分子がその寿命の時間内に観察光(ωp2)を吸収することに伴ってCARS光(ωp1-ω+ωp2)を放出して基底準位L1に遷移する。ここで、パルス光PGに含まれる広帯域スペクトルを有する第1パルス光PEが励起光(ωp1)及びストークス光(ω)の役割を果たし、狭帯域スペクトルを有する第2パルス光PFが観察光(ωp2)の役割を果たす。第1パルス光PEの複素振幅は、第1変調部40(第1位相マスク41)により空間変調されて、断面中央でゼロを示し、左に正のピーク及び右に負のピークを示す奇関数プロファイルを呈するから、励起光(ωp1)及びストークス光(ω)の複素振幅も同様の奇関数プロファイルを呈する。一方、第2パルス光PFの複素振幅は、空間変調されていないから、ソース光PBと同様に断面中央で最大を示す偶関数プロファイルを呈し、観察光(ωp2)の複素振幅も同様の偶関数プロファイルを呈する。CARS光の複素振幅は、励起光(ωp1)、ストークス光(ω)、及び観察光(ωp2)の複素振幅の積で与えられるから、断面中央でゼロを示し、左右に正のピークを示す偶関数プロファイルを呈することとなる。
図3Bに、EB光を生成する光学過程に関わる3つのパルス光の空間強度分布及び複素振幅を示す。NB過程では、先述のとおり、基底準位L1にある分子が2つの励起光(ωp1)及びストークス光(ω)を吸収することに伴ってNB光(2ωp1-ω)を放出する。ここで、パルス光PGに含まれる広帯域スペクトルを有する第1パルス光PEが2つの励起光(ωp1)及びストークス光(ω)の役割を果たす。第1パルス光PEの複素振幅は、第1変調部40(位相マスク41)により空間変調されて、断面中央でゼロを示し、左に正のピーク及び右に負のピークを示す奇関数プロファイルを呈するから、2つの励起光(ωp1)及びストークス光(ω)の複素振幅も同様の奇関数プロファイルを呈する。NB光の複素振幅は、2つの励起光(ωp1)及びストークス光(ω)の複素振幅の積で与えられるから、断面中央でゼロを示し、左に正のピーク及び右に負のピークを示す奇関数プロファイルを呈することとなる。
対物レンズ61bは、試料Sで発生する散乱光PH(CARS光だけでなくNB光等も含む)を集光するレンズ素子であり、試料Sを支持するステージ71の下方に配置される。対物レンズ61bは、集光系対物レンズとも呼ばれる。ここで、対物レンズ61bは、対物レンズ61aより小さい開口数を有する。それにより、空間周波数の帯域が制限されることで後述するように励起系ASFが空間的に拡がり、後述するスリット64a上でのASFの中央が増大して、散乱光PHの断面内の中央部を効率良く検出することが可能となる。
ミラー60aは、全反射型のミラー素子であり、対物レンズ61bから送られる散乱光PHをショートパスフィルタ62に向けて反射する。
ショートパスフィルタ62は、試料Sで発生する散乱光PHから長波長成分を除去してCARS光を透過する波長選択フィルタ素子である。本実施形態では、特に、試料Sを透過する第2パルス光PF(観察光)を除去するよう波長選択されている。第2パルス光PFはCARS光より大きな強度を有するため、これにより散乱光PHからCARS光を抽出し、効率良く検出することが可能になる。なお、観察光の強度が小さい場合などには、必ずしも、ショートパスフィルタ62を設ける必要はない。
レンズ63は、ショートパスフィルタ62を介した散乱光PHを収束して、散乱光PHのビーム径を後述するスリット64aの開口幅に対して調整するレンズ素子である。対物レンズ61bのみにより散乱光PHが十分収束される場合には、必ずしも、レンズ63を設ける必要はない。
スリット64aは、散乱光PHの一部が通る開口が形成された光学素子である。ここで、開口は、一例として矩形状であり、散乱光PHの断面内の中央部のサイズに対応する幅を有する。スリット64aは、レンズ63と分光器64との間の光軸上で、試料Sに対する光学的共役位置に配置される。なお、スリット64aに限らず、円形状等、任意の形状のピンホールが形成された光学素子を使用してもよい。
図4Aに、試料Sから出力されるCARS光の複素振幅(励起系ASF)、集光光学系の点像分布関数(集光系ASF)、及びスリット前におけるCARS光の複素振幅の関係を示す。試料Sから出力されるCARS光の複素振幅は、個々のCARS過程で発せられるCARS光の複素振幅、励起光学系(すなわち、対物レンズ61a)の点像分布関数、及び試料Sの複素感受率の積に与えられる。ここで、個々のCARS光の複素振幅は先述のとおり断面中央でゼロを示し、左右に正のピークを示す偶関数プロファイル、励起光学系の点像分布関数は中央で最大を示す偶関数プロファイル、試料Sの複素感受率は良い近似で一様であることで、断面中央でゼロを示し、左右に正のピークを示す偶関数プロファイルを呈する。集光光学系の点像分布関数は、中央で最大を示す偶関数プロファイルを呈する。スリット前におけるCARS光の複素振幅は、CARS光の複素振幅(励起系ASF)及び集光光学系の点像分布関数(集光系ASF)のコンボリューションにより与えられて断面中央で非ゼロを示し、左右に正のピークを示す偶関数プロファイルを呈する。そこで、図4Aの右図に示すように、CARS光の断面中央がスリット64aの開口内に位置するよう、散乱光PHの光軸を定める。
図4Bに、試料Sから出力されるNB光の複素振幅(励起系ASF)、集光光学系の点像分布関数(集光系ASF)、及びスリット前におけるNB光の複素振幅の関係を示す。試料Sから出力されるNB光の複素振幅は、個々のNB過程で発せられるNB光の複素振幅、励起光学系(すなわち、対物レンズ61a)の点像分布関数、及び試料Sの複素感受率の積に与えられる。ここで、個々のNB光の複素振幅は先述のとおり断面中央でゼロを示し、左に正及び右に負のピークを示す奇関数プロファイル、励起光学系の点像分布関数は中央で最大を示す偶関数プロファイル、試料Sの複素感受率は良い近似で一様であることで、断面中央でゼロを示し、左に正のピーク及び右に負のピークを示す奇関数プロファイルを呈する。集光光学系の点像分布関数は、中央で最大を示す偶関数プロファイルを呈する。スリット前におけるNB光の複素振幅は、NB光の複素振幅(励起系ASF)及び集光光学系の点像分布関数(集光系ASF)のコンボリューションにより与えられて断面中央でゼロを示し、左に正のピーク及び右に負のピークを示す奇関数プロファイルを呈する。そこで、図4Bの右図に示すように、NB光の断面中央がスリット64aの開口内に位置するよう、散乱光PHの光軸を定める。
図5A及び図5Bに、それぞれ、スリット64aに入射するCARS光及びNB光の空間強度分布を示す。CARS光及びNB光のそれぞれの断面中央がスリット64aの開口内に位置するよう、散乱光PHの光軸を定める。それにより、CARS光の強度が有限であり且つNB光の強度がゼロになる散乱光PHの中央部をスリット64aの開口に通し、NB光の強度が有限となる散乱光PHの他の部分をスリット64aによりカットすることができる。スリット64aを通る散乱光PHの中央部は、後述する分光器64に送られる。
分光器64は、スリット64aを介した散乱光PHを分光してその波長強度分布(波長スペクトル)を検出する装置であり、一例としてスペクトロメータ及びCCDのような受光素子を含んで構成される。なお、CCDに限らず、光電子増倍管、フォトダイオード等の受光素子を採用してもよい。また、試料Sを2次元又は3次元イメージングする場合には、分光器64に代えてCCDなどの受光素子を採用してよい。
制御部80は、光変調器51、駆動装置72、及び分光器64を制御するユニットであり、パーソナル・コンピュータのようなコンピュータ端末を用いて構成される。制御部80は、光変調器51を制御して第2パルス光PFの位相を変調し、駆動装置72を制御して試料Sを支持するステージ71を駆動して試料Sをパルス光PGの焦点又は光軸に対して位置決め又は走査し、分光器64を操作してパルス光PGの試料Sへの照射に合わせて散乱光PHを検出し、その検出信号を記憶装置(不図示)に記憶する。なお、検出信号を処理して、散乱光PHの波長スペクトルを表示モニタ等に表示してもよい。
図6に、散乱光PHの検出信号の一例、すなわち波長スペクトルを示す。波数660cm-1にCARS光に由来する強い信号のピークを確認することができる。従って、散乱光PHからNB光が効率良く除去され、これが受光素子を飽和させることなく、高精度な自発ラマンスペクトルを得ることができている。
図7に、本実施形態に係る検出装置100を用いた検出方法のフローを示す。
まず、試料Sに照射するパルス光PGを生成する。パルス光PGは、広帯域スペクトルを有する第1パルス光PE及び広帯域スペクトルの帯域に含まれる一部の帯域の狭帯域スペクトルを有する第2パルス光PFを含む。CARS過程において、第1パルス光PEは、励起光(ωp1)及びストークス光(ω)、第2パルス光PFは、観察光(ωp2)の役割を果たす。
そこで、ステップS102では、光生成部10(光源11)により、パルス光PGを生成するためのソース光PAを生成する。ソース光PAは、アイソレータ12等を介して第1分散補償部20に送られる。
ステップS104では、第1分散補償部20により、ソース光PAを波長毎に位相変調して分散を補償する。分散補償の詳細は先述のとおりである。分散補償されたソース光PBは、ミラー20a等を介してバンドパスフィルタ13に送られる。
ステップS106では、光生成部10(バンドパスフィルタ13)により、ソース光PBを第1パルス光PC及び第2パルス光PDに分波する。第1パルス光PCは第1変調部40(位相マスク41)に送られ、第2パルス光PDはミラー10dを介して第2変調部50に送られる。
ステップS108では、第1変調部40(位相マスク41)により、第1パルス光PCを空間変調して、第1パルス光PCの断面上での複素振幅を奇関数プロファイルに変調する。図2Aに示したように、左右方向を向く直線偏光を有する第1パルス光PCを、第1位相マスク41の入射面上の中央下側に入射する、すなわち第1パルス光PCの半部は入射面上の左領域41a、残り半部は入射面上の右領域41bに入射することで、左領域41aに入射する半部に対して右領域41bに入射する残り半部の位相がπシフトする(複素振幅が反転する)。それにより、第1パルス光PCの複素振幅が奇関数プロファイルに変調される。空間変調された第1パルス光PCは、第2分散補償部30に送られる。
ステップS110では、第2分散補償部30により、第1パルス光PCを波長毎に位相変調して分散を補償する。分散補償の詳細は先述のとおりである。ステップS104及びステップS110により、短波長成分をパルスの先頭側に、長波長成分をパルスの後方側に含まれるようにソース光PA及び第1パルス光PCを逆チャープして分散補償することで、第1パルス光PEは、試料Sに到達するまでに各光学素子を介してチャープされ、すべての波長成分が同時に試料Sに到達することとなる。分散補償された第1ローブ光PEは、バンドパスフィルタ13に送られる。
ステップS112では、第2変調部50により、第2パルス光PDを時間的に変調して、第2パルス光PFを第1パルス光PEに対して遅延させる。その詳細は先述のとおりである。それにより、第2パルス光PFを第1パルス光PEに対して遅延させることで、CARS過程において第1パルス光PE(励起光(ωp1)及びストークス光(ω))を入射することにより試料S内の分子を振動励起準位Sに励起し、それから振動励起準位Sの寿命の時間内で遅れて第2パルス光PF(観察光(ωp2))を入射することにより、EB光の発生を抑えつつCARS光を発生させることができる。時間変調された第2パルス光PFは、バンドパスフィルタ13に送られる。
また、第2変調部50により、第2パルス光PDの位相を複数とおりに、特に直交四位相(0,π/2,π,3π/2)のそれぞれに変調してもよい。それにより、直交四位相のそれぞれに変調された第2パルス光PFを試料Sに照射し、それにより試料Sから発生する散乱光(それぞれの強度I,Iπ/2,Iπ,I3π/2)を検出してヘテロダイン検出I=√((I-Iπ+(Iπ/2-I3π/2)することで、CARS光をEB光から分離して検出することが可能となる。
ステップS114では、バンドパスフィルタ13により、第1変調部40(位相マスク41)及び第2分散補償部30を介して戻る第1パルス光PE及び第2変調部50から戻る第2パルス光PFをパルス光PGとして合波する。パルス光PGは、ハーフミラー10cを介して検出部60に送られる。
ステップS116では、検出部60(対物レンズ61a)により、パルス光PGを試料Sに照射する。それにより、試料SからCARS光、その他EB光を含む散乱光PHが発生する。ここで、先述のとおり、CARS光の複素振幅は、断面中央でゼロを示し、左右に正のピークを示す偶関数プロファイルを呈し、NB光の複素振幅は、断面中央でゼロを示し、左に正のピーク及び右に負のピークを示す奇関数プロファイルを呈する。散乱光PHは、対物レンズ61b等を介してショートパスフィルタ62に送られる。
ステップS118では、ショートパスフィルタ62により、散乱光PHから長波長成分を除去してCARS光を透過する。ショートパスフィルタ62を介した散乱光PHは、レンズ63を介してスリット64aに送られる。
ステップS120では、スリット64aを介して分光器64により散乱光PHを受光する。スリット64aの開口は、散乱光PHの断面内の中央部のサイズに対応する幅を有する。図5A及び図5Bに示したように、CARS光及びNB光のそれぞれの断面中央がスリット64aの開口内に位置するよう、散乱光PHの光軸を定めたことで、CARS光の強度が有限であり且つNB光の強度がゼロになる散乱光PHの中央部がスリット64aの開口を通って分光器64により受光され、NB光の強度が有限となる散乱光PHの他の部分はスリット64aによりカットされる。
ステップS122では、制御部80により、分光器64により検出された散乱光PHの検出信号を記憶装置(不図示)に記憶する。なお、検出信号を処理して、図6に示すような散乱光PHの波長スペクトルを表示モニタ等に表示してもよい。
なお、ステップS102~S122を繰り返し、パルス光PGを試料Sに照射するのと並行して、駆動部70によりパルス光PGの焦点に対して試料Sを3次元方向に駆動する、つまり試料Sをスキャンして、試料Sをイメージングすることとしてもよい。
本実施形態に係る検出装置100によれば、広帯域スペクトルを有する第1パルス光PCと、広帯域スペクトルの帯域に含まれる一部の帯域の狭帯域スペクトルを有する第2パルス光PDと、を生成する光生成部10、第1パルス光PCを空間変調して、第1パルス光PCの断面上での複素振幅を奇関数プロファイルに変調する第1変調部30、第1パルス光PE及び第2パルス光PFを試料Sに照射することにより発生する散乱光PHを受光して、散乱光PHの断面内の中央部を検出する検出部60を備える。第1変調部30により空間変調されることで奇関数プロファイルの複素振幅及び広帯域スペクトルを有する第1パルス光PEと、偶関数プロファイルの複素振幅及び狭帯域スペクトルを有する第2パルス光PFと、を試料Sに照射することで、試料Sで発生するCARS光の複素振幅が偶関数プロファイルを呈し、同時に発生するNB光の複素振幅が奇関数プロファイルを呈することとなり、これにより、NB光の振幅が中央でゼロになることで、散乱光PHの断面内の中央部を検出することによりCARS光をNB光から分離して効率良く検出することが可能となる。
図8に、変形例に係る検出装置110の構成を示す。検出装置110は、光生成部10、第1分散補償部20及び第2分散補償部30、第1変調部40d及び第2変調部50、駆動部70、検出部60、並びに制御部80を備える。第1変調部40dを除くユニットは、検出装置100におけるそれらと同様に構成されている。
第1変調部40dは、第1変調部40の第1パルス光PCを空間変調する機能に加えて、さらに第2パルス光PDを空間変調して、第2パルス光PDの断面上での複素振幅を中央でゼロを呈する偶関数プロファイルに変調する。第1変調部40dは、先述の第1位相マスク41に加えてさらに第2位相マスク42を含む。
図9Aに、第2位相マスク42の構成を示す。第2位相マスク42は、一例として正面視円形状の入射面を有する。第2位相マスク42は、第1位相マスク41と同様に複屈折結晶を用いて、結晶の光学軸(黒塗り矢印で示す)が入射面と平行になるように板状に成形することで構成される。ただし、結晶の光学軸は、入射面上の中央領域42cでは上下方向、この中央領域42cの両側に隣接する左領域42a及び右領域42bでは左右方向に向けられている。また、中央領域42cは、第2パルス光PDのビーム径に応じた幅、例えばビーム径の半分程度(すなわち、半値半幅)の幅を有する。そして、本実施形態では、結晶の厚さは、光学軸に平行な偏光を有する光が入射した場合にその位相をゼロ、光学軸に垂直な偏光を有する光が入射した場合にその位相をπシフトする厚さに定められている。第2位相マスク42は、入射面上の左領域42a及び右領域42bと中央領域42cとでそれぞれ異なる量、本実施形態ではそれぞれゼロ及びπだけ入射光の位相をシフトする。それにより、左右方向の偏光を有する光が入射した場合に、左領域42a及び右領域42bに入射した部分に対して中央領域42cに入射した部分の位相がπシフトする(複素振幅が反転する)。
第2位相マスク42は、図8に示すように、バンドパスフィルタ13から第2変調部50に向けて送られる第2パルス光PDの光軸上で、対物レンズ61a,61bに対する瞳共役位置又はその近傍に配置される。第2パルス光PDは、左右方向を向く直線偏光を有し、図9Aに示すように、第2位相マスク42の入射面上の中央下側に入射する、すなわち第2パルス光PDの中央部は入射面上の中央領域42c、左側部及び右側部はそれぞれ入射面上の左領域42a及び右領域42bに入射することで、左領域42a及び右領域42bに入射する2つの側部に対して中央領域42cに入射する中央部の位相がπシフトする(複素振幅が反転する)。なお、第2変調部50から戻る第2パルス光PFは、第2位相マスク42の外側を通る。
図9Bに、第2位相マスク42に入射する変調前の第2パルス光PD及び第2位相マスク42を透過して空間変調された変調後の第2パルス光PFの空間強度分布(複素振幅の絶対値の2乗)及び複素振幅(ビーム中心を通る軸上の振幅)を示す。変調前の第2パルス光PDの複素振幅は、断面中央で最大を示す偶関数プロファイルを呈するのに対して、変調後の第2パルス光PFの複素振幅は、第2位相マスク42を通ることで空間変調されて断面中央でゼロを示し、左右にそれぞれ正のピークを示す偶関数プロファイルを呈する。
なお、本実施形態に係る第2位相マスク42では、入射面上の左領域42a及び右領域42bと中央領域42cとでそれぞれゼロ及びπだけ入射光の位相をシフトするよう構成したが、これに代えて、相対的にシフト量がπ異なるように、それぞれπ及びゼロだけ入射光の位相をシフトするよう構成してもよい。また、入射面上の左領域42a及び右領域42bと中央領域42cとでそれぞれゼロ及びπ/2だけ入射光の位相をシフトするよう構成してもよい。ただし、バンドパスフィルタ13から送られる第2パルス光PDも第2変調部50から戻る第2パルス光PFも第2位相マスク42の中央を通るよう、第2位相マスク42をバンドパスフィルタ13とミラー10dとの間に配置するものとする。第2パルス光PE(PF)の中央部は入射面上の中央領域42cを介して往復し、残りの側部は入射面上の左領域42a及び右領域42bを介して往復することで、左領域42a及び右領域42bに入射する側部に対して中央領域42cに入射する中央部の位相がπシフトする。
なお、本実施形態に係る第2位相マスク42の構成は一例であり、第2パルス光PDを空間的に変調して断面上の複素振幅を中央でゼロを示す偶関数プロファイルに変調するものであれば、その構成及び製造方法は任意であってよい。
図10に、CARS過程に関わる3つのパルス光の空間強度分布及び複素振幅を示す。CARS過程では、先述のとおり、基底準位L1にある分子が励起光(ωp1)及びストークス光(ω)を吸収することにより仮想準位L3を介して振動励起準位Sに遷移し、さらに振動励起準位Sにある分子がその寿命の時間内に観察光(ωp2)を吸収することに伴ってCARS光(ωp1-ω+ωp2)を放出して基底準位L1に遷移する。ここで、パルス光PGに含まれる広帯域スペクトルを有する第1パルス光PEが励起光(ωp1)及びストークス光(ω)の役割を果たし、狭帯域スペクトルを有する第2パルス光PFが観察光(ωp2)の役割を果たす。第1パルス光PEの複素振幅は、第1変調部40(第1位相マスク41)により空間変調されて、断面中央でゼロを示し、左に正のピーク及び右に負のピークを示す奇関数プロファイルを呈するから、励起光(ωp1)及びストークス光(ω)の複素振幅も同様の奇関数プロファイルを呈する。一方、第2パルス光PFの複素振幅は、第1変調部40(第2位相マスク42)により空間変調されて、断面中央でゼロを示し、左右に正のピークを示す偶関数プロファイルを呈するから、観察光(ωp2)も同様の偶関数プロファイルを呈する。CARS光の複素振幅は、励起光(ωp1)、ストークス光(ω)、及び観察光(ωp2)の複素振幅の積で与えられるから、断面中央でゼロを示し、左右に正のピークを示す偶関数プロファイルを呈することとなる。
ここで、第2位相マスク42の中央領域42cは、第2パルス光PDのビーム径の半分程度(例えば、半値半幅)の幅を有することから、偶関数プロファイルの複素振幅を有する第2パルス光PFの2つのピークの位置が、それぞれ、奇関数プロファイルの複素振幅を有する第1パルス光PEの2つのピークの位置に一致し、それにより、偶関数プロファイルの複素振幅を有することとなるCARS光の強度がより大きくなる。
図11に、試料Sから出力されるCARS光の複素振幅(励起系ASF)、集光光学系の点像分布関数(集光系ASF)、及びスリット前におけるCARS光の複素振幅の関係を示す。試料Sから出力されるCARS光の複素振幅は、個々のCARS過程で発せられるCARS光の複素振幅、励起光学系(すなわち、対物レンズ61a)の点像分布関数、及び試料Sの複素感受率の積で与えられる。ここで、個々のCARS光の複素振幅は先述のとおり断面中央でゼロを示し、左右に正の強いピークを示す偶関数プロファイル、励起光学系の点像分布関数は中央で最大を示す偶関数プロファイル、試料Sの複素感受率は良い近似で一様であることで、断面中央でゼロを示し、左右に正の強いピークを示す偶関数プロファイルを呈する。集光光学系の点像分布関数は、中央で最大を示す偶関数プロファイルを呈する。スリット前におけるCARS光の複素振幅は、CARS光の複素振幅(励起系ASF)及び集光光学系の点像分布関数(集光系ASF)のコンボリューションにより与えられて断面中央で非ゼロを示し、左右に正のピークを示す、より振幅の大きい偶関数プロファイルを呈する。
そこで、図11の右図に示すように、CARS光の断面中央がスリット64aの開口内に位置するよう、散乱光PHの光軸を定める。それにより、より振幅の大きいCARS光を含む散乱光PHの中央部がスリット64aの開口を通って分光器64により検出されることで、CARS光をNB光から分離して効率良く検出することが可能となる。
変形例に係る検出装置110を用いた検出方法は、図7に示した検出装置100を用いた検出方法のフローにおいて、さらに、ステップS110及びS112の間に第2パルス光PDを第2位相マスク42を用いて空間変調して、第2パルス光PDの断面上での複素振幅を中央でゼロを呈する偶関数プロファイルに変調するステップを含むこととなる。
本実施形態に係る検出装置100及び変形例に係る検出装置110では、光源11により生成されたソース光PA(これを第1分散補償部20により分散補償して生成されたソース光PB)をバンドパスフィルタ13を用いて分波することで、第1パルス光PC及び第2パルス光PDを生成した。第1パルス光PCは、第2分散補償部30により分散補償されて広帯域スペクトルを有する第1パルス光PEをなし、CARS過程において励起光(ωp1)及びストークス光(ω)の役割を果たす。第2パルス光PDは、第2変調部50により時間変調されて広帯域スペクトルの帯域に含まれる一部の帯域の狭帯域スペクトルを有する第2パルス光PFをなし、CARS過程において観察光(ωp2)の役割を果たす。第1パルス光PE及び第2パルス光PFは、バンドパスフィルタ13により、試料に照射するパルス光PGに合波される。斯かる構成に代えて、第1パルス光PC及び第2パルス光PDをそれぞれ異なる2つの光源により生成してもよい。さらに、第1パルス光PCより、広帯域スペクトルを有する第1パルス光PEを生成し、第2パルス光PDより、広帯域スペクトルの帯域より狭い帯域であり、広帯域スペクトルの帯域内に含まれる又は帯域外に位置する狭帯域スペクトルを有する第2パルス光PFを生成し、第1パルス光PE及び第2パルス光PFを合波して試料に照射するパルス光PGを生成することとしてもよい。
本実施形態に係る検出装置100及び変形例に係る検出装置110では、試料Sを透過する光を検出する透過型の検出装置として構成したが、これに代えて、試料Sから反射する光を検出する反射型の検出装置として構成してもよい。
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
10…光生成部、10a,10d…ミラー、10b,10c…ハーフミラー、11…光源、12…アイソレータ、13…バンドパスフィルタ、20a…ミラー、20…第1分散補償部、21…回折格子対、22…チャープミラー、30…第2分散補償部、31…回折格子、32…反射鏡、33…凹面鏡、40…第1変調部、41…第1位相マスク、41a,42a…左領域、41b,42b…右領域、42…第2位相マスク、42c…中央領域、50…第2変調部、50a…ミラー、51…光変調器、52…可動ミラー、60…検出部、60a…ミラー、61a,61b…対物レンズ、62…ショートパスフィルタ、63…レンズ、64…分光器、64a…スリット、70…駆動部、71…ステージ、72…駆動装置、80…制御部、100,110…検出装置、PA,PB…ソース光、PC,PE…第1パルス光、PD,PF…第2パルス光、PG…パルス光、PH…散乱光、S…試料。

Claims (18)

  1. 試料で発生するラマン散乱光を検出する検出装置であって、
    広帯域スペクトルを有する第1パルス光と、前記広帯域スペクトルの帯域より狭い帯域の狭帯域スペクトルを有する第2パルス光と、を生成する光生成部と、
    前記第1パルス光を空間変調して、前記第1パルス光の断面上での複素振幅を奇関数プロファイルに変調する第1変調部と、
    前記第1パルス光及び前記第2パルス光を試料に照射することにより発生する散乱光を受光して、前記散乱光の断面内の中央部を検出する検出部と、
    を備える検出装置。
  2. 前記第1変調部は、前記第1パルス光の光軸上に配置される第1位相マスクを有し、
    前記第1位相マスクは、入射面上の互いに隣接する2つの領域でそれぞれ異なる量だけ入射光の位相をシフトする、請求項1に記載の検出装置。
  3. 前記第1変調部は、さらに、前記第2パルス光を空間変調して、前記第2パルス光の断面上での複素振幅を中央でゼロを呈する偶関数プロファイルに変調する、請求項1又は2に記載の検出装置。
  4. 前記第1変調部は、さらに、前記第2パルス光の光軸上に配置される第2位相マスクを有し、
    前記第2位相マスクは、入射面上の中央部と該中央部の両側に隣接する2つの側部とでそれぞれ異なる量だけ入射光の位相をシフトする、請求項3に記載の検出装置。
  5. 前記第2位相マスクの中央部は、前記第2パルス光のビーム径の半分程度の幅を有する、請求項4に記載の検出装置。
  6. 前記狭帯域スペクトルを有する第2パルス光の帯域は、前記広帯域スペクトルを有する第1パルス光の帯域に含まれる請求項1から5のいずれか一項に記載の検出装置。
  7. 前記第2パルス光を時間的に変調して、前記第2パルス光を前記第1パルス光に対して遅延させる第2変調部をさらに備える、請求項1から6のいずれか一項に記載の検出装置。
  8. 前記第2変調部は、前記第2パルス光の位相を複数とおりに変調する、請求項7に記載の検出装置。
  9. 前記検出部は、前記散乱光が通るスリットを有し、
    前記スリットは、前記散乱光の断面内の中央部のサイズに対応する幅を有する、請求項1から8のいずれか一項に記載の検出装置。
  10. 前記検出部は、前記第1パルス光及び前記第2パルス光を試料に向けて集光する第1レンズと、試料で発生する散乱光を集光する第2レンズと、を有し、
    前記第2レンズは、前記第1レンズより小さい開口数を有する、請求項1から9のいずれか一項に記載の検出装置。
  11. 前記検出部は、前記試料で発生する散乱光が透過する波長選択フィルタを有する、請求項1から10のいずれか一項に記載の検出装置。
  12. 前記光生成部は、前記広帯域スペクトルを有するソース光を生成する光源と、前記ソース光を前記第1パルス光及び前記第2パルス光に分波するフィルタと、を有する、請求項1から11のいずれか一項に記載の検出装置。
  13. 前記検出部は、前記散乱光を分光する分光器を有する、請求項1から12のいずれか一項に記載の検出装置。
  14. 前記第1パルス光及び前記第2パルス光に対して前記試料を相対的に駆動する駆動部をさらに備える、請求項1から11のいずれか一項に記載の検出装置。
  15. 試料で発生するラマン散乱光を検出する検出方法であって、
    広帯域スペクトルを有する第1パルス光と、前記広帯域スペクトルの帯域より狭い帯域の狭帯域スペクトルを有する第2パルス光と、を生成する段階と、
    前記第1パルス光を空間変調して、前記第1パルス光の断面上での複素振幅を奇関数プロファイルに変調する段階と、
    前記第1パルス光及び前記第2パルス光を試料に照射することにより発生する散乱光を受光して、前記散乱光の断面内の中央部を検出する段階と、
    を備える検出方法。
  16. 前記第2パルス光を空間変調して、前記第2パルス光の断面上での複素振幅を中央でゼロを呈する偶関数プロファイルに変調する段階をさらに備える、請求項15に記載の検出方法。
  17. 前記第2パルス光を時間的に変調して、前記第2パルス光を前記第1パルス光に対して遅延させる段階をさらに備える、請求項15又は16に記載の検出方法。
  18. 前記第1パルス光及び前記第2パルス光に対して前記試料を相対的に駆動する段階をさらに備える、請求項15から17のいずれか一項に記載の検出方法。
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