JP2022029534A - 測定器 - Google Patents
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Abstract
Description
改訂後のISOおよびJISにおいては、ダイヤルゲージの計測特性として、
「製造業者によって指定されない場合の計測特性は、…いかなる姿勢でもMPE及びMPLの値を満たさなければならない」
と規定されている。
したがって、ダイヤルゲージは正姿勢(測定子下向き)以外でも使用される場合が増えており、正姿勢(測定子下向き)以外の姿勢でも正姿勢(測定子下向き)と同じ測定精度を保つことが望まれる。
長手の棒状体であって、その先端に測定対象物に当接する測定子を有するスピンドルと、
前記スピンドルを軸方向進退可能に支持する本体ケースと、
前記本体ケースに設けられ、前記スピンドルの移動方向とほぼ平行な方向に移動可能かつ位置固定可能である測定力調整部と、
一端が直接または間接的に前記スピンドルに係止されるとともに他端が前記測定力調整部に直接または間接的に係止されており、前記スピンドルを前記先端側に向けて付勢する付勢手段と、を備えている
ことを特徴とする。
前記測定力調整部は、
雄ネジ部と、
一端が前記雄ネジ部に螺合するとともに、他端が前記付勢手段に連結される連結支持部材と、を有し、
前記本体ケースは、前記スピンドルの移動方向とほぼ平行に設けられた貫通孔を有し、前記測定力調整部は前記貫通孔に配置され、
前記雄ネジ部の回転操作によって前記連結支持部材をネジ送りして前記連結支持部材の位置を変更でき、かつ、位置固定できるようになっている
ことが好ましい。
前記本体ケースは、
前記スピンドルの移動方向とほぼ平行に設けられたスライド溝を有し、
前記スライド溝は、さらに、その軸線方向と直交する方向に形成された係止溝を有し、
前記測定力調整部は、前記スライド溝を摺動可能に設けられ、さらに、前記測定力調整部は、前記係止溝に係脱するキー突起を有し、前記係止溝と前記キー突起との係合によって位置固定される
ことが好ましい。
前記本体ケースの外側面または前記測定力調整部の外側面において、前記測定力調整部が位置固定できる箇所には、前記測定力調整部がその位置固定の箇所にあるときに前記付勢手段から前記スピンドルに作用する測定力がわかる指標値が付されている
ことが好ましい。
前記指標値は、
当該ダイヤルゲージの姿勢パターンに応じた複数の系列で付されている
ことが好ましい。
前記指標値は、
当該ダイヤルゲージの姿勢が正姿勢の場合と、逆姿勢の場合と、横姿勢の場合、とに応じたそれぞれの系列で付されている
ことが好ましい。
前記本体ケースの外側面または前記測定力調整部の外側面において、前記測定力調整部が位置固定できる箇所には、目盛間距離が設けられている
ことが好ましい。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係るダイヤルゲージの正面図である。
図2は、第1実施形態に係るダイヤルゲージの内部構造を示す図である。
デジタル表示式ダイヤルゲージは、デジタルダイヤルゲージや、インジケータ、デジタルインジケータ、テストインジケータ、リニアゲージ、などと呼称されることもある。また、本実施形態では、デジタルダイヤルゲージを例に説明するが、本発明は、スピンドルの変位を歯車輪列で拡大して指針と文字盤とで表示するアナログ表示式ダイヤルゲージ(アナログダイヤルゲージ)にも適用できる。
ダイヤルゲージ100を正姿勢に置いて、本体ケース200を正面視したとき、本体ケース200は、上側に大きな円形部(260)を有し、さらに、この円形部(260)の下方にやや小ぶりな矩形あるいは台形の付加体(270)を付設したような形状となっている。いま、上側の大きな円形部を第1収容部260とし、付加体を第2収容部270とする。
第1収容部260の上側側面に貫通孔261(上貫通孔261と称する)があり、この上貫通孔261に上側ステムブッシュ262が取り付けられ、上側ステムブッシュ262を閉塞するようにキャップ263が設けられている。第2収容部270の下側側面に貫通孔271(下貫通孔271と称する)があり、この下貫通孔271には下側ステムブッシュ272が取り付けられている。
スピンドル110の基端側(上端側)は上貫通孔261を抜けて、上側ステムブッシュ262に軸受けされている。スピンドル110の先端側(下端側)は、その途中が下側ステムブッシュ272に軸受けされ、スピンドル110の先端(下端)に測定子112が設けられている。
バネ121は、本体ケース200の内部において、スピンドル110と平行に配置されている。バネ121の基端が力受けピン114に固定されている。そして、バネ121の先端は、測定力調整部300に固定されている。
連結支持部材310は、全体的に細長い円柱状の部材である。連結支持部材310の一端には雌ネジ311が設けられていて、前記雄ネジ部320と螺合する。また、連結支持部材310の他端にはフック312が設けられていて、このフック312にはバネ121の先端が掛け止めされる。
操作貫通孔273の下端側出口は、雄ネジ部320のねじ頭が通らない程度の径であるか、または、操作貫通孔273の下端側出口付近に雄ネジ部320のねじ頭が通らない程度に径を絞る段差がある。
また、連結支持部材310を回り止めするため、操作貫通孔273の内周面と連結支持部材310の外周面とで何らかの係合手段を設けておく。例えば、操作貫通孔273の内周面に貫通孔に沿ったスリット274(溝条)を設けておき、連結支持部材310の外周面にはスリット274に嵌まるピン(突起)を設けておく。
これにより連結支持部材310は回り止めされた状態で操作貫通孔273内に配設される。そして、雄ネジ部320を回すと、連結支持部材310はスピンドル110の移動方向と平行な方向に沿ってネジ送りによって進退する。
このとき、バネ121は自然長より引き伸ばされた状態であって、バネ121は、力受けピン114を介して、スピンドル110を先端側(下端側)へ付勢する(引き寄せる)向きに力を作用させている。そして、測定力調整部300の雄ネジ部320を回転操作して連結支持部材310の位置を上げたり下げたりすることにより、バネ121の伸び量が変化するので、スピンドル110を先端側(下端側)へ付勢する(引き寄せる)力の大きさが変化する。言い換えると、バネ(付勢手段)121の先端側(固定側)の位置を変更調整することで、測定力を変更調整できるようになっている。すなわち、ダイヤルゲージ100の測定力が可変調整できるようになっている。
電気回路部としては、デジタル表示部240の表示制御を行なう表示制御部、エンコーダからの検出信号を信号処理してスピンドル110(測定子112)の位置を求める演算処理回路、各種設定(原点設定)を記憶するROM/RAMなどがある。
本体ケース200の第2収容部270に相当する箇所においてスリット274が設けられており、このスリット274を通して連結支持部材310が外から見えるようになっている。
透視できればよいので、スリット274には透明の樹脂を埋めたり貼ったりして、外から油(液滴)やゴミ(塵埃)が侵入しないようにすることが望ましい。
また、本実施形態では、スリット274はダイヤルゲージ100の側面にあるが、スリット274が正面側にあってもよいし、裏面側にあってもよい。
連結支持部材310の外側面には、連結支持部材310の位置を示すマーク313が設けられている。
ここでは、ラインマーク313であるが、これはドット(点)やその他の図形であってもよい。
第2収容部270においてスリット274が設けられる面と操作貫通孔273との距離(肉厚)はやや薄目にするのがよいだろう。
また、スリット274を設ける面は、例えば図5に例示のように、スピンドル110の移動方向となるべく平行な面であった方がよいだろう。
図4の例では、測定力目盛には3つの系列がある。
つまり、
ダイヤルゲージ100が正姿勢の場合の測定力目盛(正姿勢測定力目盛331)と、
ダイヤルゲージ100が逆姿勢の場合の測定力目盛(逆姿勢測定力目盛332)と、
ダイヤルゲージ100が横姿勢の場合の測定力目盛(横姿勢測定力目盛333)と、がある。
(A)測定子112下向き
(B)測定子112上向き
(C)測定子112右向き(ただし表示面は上向き)
(D)測定子112右向き(ただし表示面は下向き)
(E)測定子112右向き(ただし表示面は手前向き)
(F)測定子112右向き(ただし表示面は奥側向き)
ここでは、「(A)測定子112下向き」をダイヤルゲージ100の正姿勢とする。
「(B)測定子112上向き」をダイヤルゲージ100の逆姿勢とする。
そして、表示面の向きにかかわらず、測定子112が水平で左右のどちらかを向いている(C)~(F)をダイヤルゲージ100の横姿勢とする。
一方、ダイヤルゲージ100を逆姿勢に置いたとき、測定力は、バネ121の引っ張り力からスピンドル110の自重を引いた差分ということになる。
このように、ダイヤルゲージ100の姿勢が異なれば測定力は違ってくる。このことを考慮して、ダイヤルゲージ100が正姿勢にあるときに連結支持部材310の位置に応じた測定力を示すのが正姿勢測定力目盛331である。ダイヤルゲージ100が逆姿勢にあるときに連結支持部材310の位置に応じた測定力を示すのが逆姿勢測定力目盛332である。ダイヤルゲージ100が横姿勢にあるときに連結支持部材310の位置に応じた測定力を示すのが横姿勢測定力目盛333である。
測定力調整部300の構成としては、例えば図8の構成にすることもできる。
本体ケース200(第2収容部270)に、スピンドル110の移動方向とほぼ平行にスライド溝351を設けておく。さらに、スライド溝351には、その軸線方向と直交する方向に係止溝352を複数設けておく。測定力調整部300は、スライド溝351を摺動可能なスライダ353とする。もちろん、スライダ353の一端にバネ121が掛止される。スライダ353には、キー突起354を設けておき、係止溝352とキー突起354とを係脱することによって、スライダ353の位置が変更可能かつ固定可能である。
また、測定力調整部300の構成としては、例えば図9の構成にすることもできる。
本体ケース200(第2収容部270)に、スピンドル110の移動方向とほぼ平行にスライド溝361を設けておく。さらに、スライド溝361には、その軸線方向と直交する方向に係止溝362を複数設けておく。ここでは、係止溝362は、スライド溝361の一対の対向壁に設けられた波状の凹凸(山谷)である。(例えば、波状の凹凸(山谷)の凹部(谷部)を係止溝362と解釈されたい。)
測定力調整部300は、スライド溝361を摺動可能なスライダ363とし、スライダ363には、両側にキー突起を設けておき、係止溝362とキー突起364とを係脱することによって、スライドの位置が変更可能かつ固定可能である。
上記実施形態では、スリット274を本体ケース200の側面に設けた例を示したが、例えば図10に例示のように、本体ケース200の正面側にスリット274を設けてもよい。
また、図10の例では、目盛(正姿勢測定力目盛331、逆姿勢測定力目盛332、横姿勢測定力目盛333)を、本体ケースの表面ではなく、連結支持部材310に設けている。
上記実施形態では、測定力調整部300は、ダイヤルゲージ100の本体ケース200において下側に設けられていたが、測定力調整部300をダイヤルゲージ100の本体ケース200の上側に設けるようにしてもよい。
この場合、上貫通孔261の脇に操作貫通孔を設け、付勢手段としては圧縮コイルバネのように、スピンドルを先端側(下方側)に押す力を使えばよい。
110…スピンドル、112…測定子、
113…回り止めピン、114…力受けピン、121…バネ、
200…本体ケース、210…外枠体、220…裏蓋体、230…正面蓋体、240…表示部、250…スイッチ、
261…上貫通孔、262…上側ステムブッシュ、263…キャップ、
271…下貫通孔、272…下側ステムブッシュ、
273…操作貫通孔、274…スリット、
300…測定力調整部、310…連結支持部材、311…雌ネジ、312…フック、313…マーク、320…雄ネジ部、
331…正姿勢測定力目盛、332…逆姿勢測定力目盛、333…横姿勢測定力目盛、334…目盛間距離、
361…スライド溝、362…係止溝、363…スライダ、364…キー突起。
長手の棒状体であって、その先端に測定対象物に当接する測定子を有するスピンドルと、
前記スピンドルを軸方向進退可能に支持する本体ケースと、
前記本体ケースに設けられ、前記スピンドルの移動方向とほぼ平行な方向に移動可能かつ位置固定可能である測定力調整部と、
一端が直接または間接的に前記スピンドルに係止されるとともに他端が前記測定力調整部に直接または間接的に係止されており、前記スピンドルを前記先端側に向けて付勢する付勢手段と、を備えている
ことを特徴とする。
前記指標値は、
当該測定器の姿勢パターンに応じた複数の系列で付されている
ことが好ましい。
前記指標値は、
当該測定器の姿勢が正姿勢の場合と、逆姿勢の場合と、横姿勢の場合、とに応じたそれぞれの系列で付されている
ことが好ましい。
110 スピンドル
112 測定子
113 回り止めピン
114 力受けピン
121 バネ
200 本体ケース
210 外枠体
220 裏蓋体
230 正面蓋体
240 表示部
250 スイッチ
260 第1収容部
261 上貫通孔
262 上側ステムブッシュ
263 キャップ
270 第2収容部
271 下貫通孔
272 下側ステムブッシュ
273 操作貫通孔
274 スリット
300 測定力調整部
310 連結支持部材
311 雌ネジ
312 フック
313 マーク
320 雄ネジ部
331 正姿勢測定力目盛
332 逆姿勢測定力目盛
333 横姿勢測定力目盛
334 目盛間距離
351 スライド溝
352 係止溝
353 スライダ
354 キー突起
361 スライド溝
362 係止溝
363 スライダ
Claims (7)
- 長手の棒状体であって、その先端に測定対象物に当接する測定子を有するスピンドルと、
前記スピンドルを軸方向進退可能に支持する本体ケースと、
前記本体ケースに設けられ、前記スピンドルの移動方向とほぼ平行な方向に移動可能かつ位置固定可能である測定力調整部と、
一端が直接または間接的に前記スピンドルに係止されるとともに他端が前記測定力調整部に直接または間接的に係止されており、前記スピンドルを前記先端側に向けて付勢する付勢手段と、を備えている
ことを特徴とするダイヤルゲージ。 - 請求項1に記載のダイヤルゲージにおいて、
前記測定力調整部は、
雄ネジ部と、
一端が前記雄ネジ部に螺合するとともに、他端が前記付勢手段に連結される連結支持部材と、を有し、
前記本体ケースは、前記スピンドルの移動方向とほぼ平行に設けられた貫通孔を有し、前記測定力調整部は前記貫通孔に配置され、
前記雄ネジ部の回転操作によって前記連結支持部材をネジ送りして前記連結支持部材の位置を変更でき、かつ、位置固定できるようになっている
ことを特徴とするダイヤルゲージ。 - 請求項1に記載のダイヤルゲージにおいて、
前記本体ケースは、
前記スピンドルの移動方向とほぼ平行に設けられたスライド溝を有し、
前記スライド溝は、さらに、その軸線方向と直交する方向に形成された係止溝を有し、
前記測定力調整部は、前記スライド溝を摺動可能に設けられ、さらに、前記測定力調整部は、前記係止溝に係脱するキー突起を有し、前記係止溝と前記キー突起との係合によって位置固定される
ことを特徴とするダイヤルゲージ。 - 請求項1から請求項3のいずれかに記載のダイヤルゲージにおいて、
前記本体ケースの外側面または前記測定力調整部の外側面において、前記測定力調整部が位置固定できる箇所には、前記測定力調整部がその位置固定の箇所にあるときに前記付勢手段から前記スピンドルに作用する測定力がわかる指標値が付されている
ことを特徴とするダイヤルゲージ。 - 請求項4に記載のダイヤルゲージにおいて、
前記指標値は、
当該ダイヤルゲージの姿勢パターンに応じた複数の系列で付されている
ことを特徴とするダイヤルゲージ。 - 請求項5に記載のダイヤルゲージにおいて、
前記指標値は、
当該ダイヤルゲージの姿勢が正姿勢の場合と、逆姿勢の場合と、横姿勢の場合、とに応じたそれぞれの系列で付されている
ことを特徴とするダイヤルゲージ。 - 請求項1から請求項6のいずれかに記載のダイヤルゲージにおいて、
前記本体ケースの外側面または前記測定力調整部の外側面において、前記測定力調整部が位置固定できる箇所には、目盛間距離が設けられている
ことを特徴とするダイヤルゲージ。
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