JP2022026158A - 調整方法、露光方法及び物品の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】投影光学系の光学性能を向上させるのに有利な調整方法を提供する。【解決手段】物体の像を像面に形成する投影光学系を調整する調整方法であって、前記物体として配置された計測用パターンを照明光学系で照明しながら、前記計測用パターンの位置に対応する少なくとも1つの計測位置において、前記投影光学系の収差を計測する第1工程と、前記投影光学系に含まれる第1光学部材の位置及び姿勢の少なくとも一方を前記第1工程が行われたときの状態から変更した状態で、前記計測用パターンを前記照明光学系で照明しながら、前記少なくとも1つの計測位置において、前記投影光学系の収差を計測する第2工程と、前記第1工程で計測された前記投影光学系の収差と、前記第2工程で計測された前記投影光学系の収差とに基づいて、前記計測用パターンに対する前記第1光学部材の相対位置の設計位置からのずれ量を求める第3工程と、を有することを特徴とする調整方法を提供する。【選択図】図3
Description
本発明は、調整方法、露光方法及び物品の製造方法に関する。
半導体デバイスやフラットパネルディスプレイ(FPD)などのデバイスは、フォトリソグラフィ工程を経て製造される。フォトリソグラフィ工程では、原版(マスク又はレチクル)のパターンを、レンズやミラーなどの光学部材を含む投影光学系を介して、レジスト(感光剤)が塗布されたガラスプレートやウエハなどの基板に投影し、かかる基板を露光する露光装置が用いられる。
露光装置において原版の微細なパターンを再現性よく基板に投影するために、投影光学系には、高い光学性能が要求される。投影光学系を組み立てる際に、光学部材の位置や姿勢に誤差があると、光学性能を低下させる要因となるため、投影光学系を組み立てた後に、光学部材の位置や姿勢を調整して光学性能を改善させる調整工程が行われる。但し、このような調整工程を行っても、投影光学系には、様々な誤差要因、例えば、光学部品の加工誤差、光学部品の自重や保持、温度変化などによる収差が残存する。このような誤差要因は、光学部材の位置や姿勢の調整では十分に補正することができない。
そこで、投影光学系に加工用光学部材を配置し、かかる加工用光学部材の表面の形状を加工することで投影光学系の光学性能を改善する技術が提案されている(特許文献1参照)。特許文献1に開示された技術では、まず、投影光学系に残存する収差(残存収差)を計測し、かかる残存収差を低減するために必要な加工用光学部材の表面の形状の加工量を算出する。次いで、投影光学系から加工用光学部材を取り出し、算出された加工量に基づいて、加工用光学部材の表面を加工(研磨)する。そして、加工された加工用光学部材を投影光学系に戻す(組み込む)ことで、投影光学系の光学性能が改善される。
しかしながら、従来技術では、投影光学系に残存する収差を計測する際に、収差の計測位置(例えば、原版上の計測用パターンの位置)と、投影光学系での加工用光学部材の位置との間にずれがあると、投影光学系の残存収差を十分に補正することができない。
従来技術では、通常、投影光学系に配置された加工用光学部材の位置と、収差の計測位置とは、理想的な位置、即ち、設計位置にあるという前提で、加工用光学部材の表面の形状の加工量を算出する。一方、実際の露光装置においては、加工用光学部材の位置や収差の計測位置が設計位置にあるとは限らない。投影光学系の組立時の加工用光学部品の位置誤差は、調整工程で補正されるため、投影光学系における加工用光学部品の位置は、設計位置に近い位置に調整される。但し、光学部品の加工誤差、光学部品の自重や保持、温度変化などの誤差要因が存在する場合には、それらの影響を打ち消すように、投影光学系における加工用光学部品の位置が調整され、設計位置からずれた位置になっている可能性がある。
加工用光学部材の位置が設計位置からずれた状態で、投影光学系の残存収差を計測し、かかる残存収差に基づいて算出された加工量で加工用光学部材を加工すると、その分だけずれた位置を加工してしまう。このような加工用光学部材を投影光学系に戻すと、収差の計測位置からずれた位置における光学性能を変化させてしまうため、結果として、投影光学系の残存収差を十分に補正することができない。
このように、投影光学系の光学性能を最適化するような調整だけでは、加工用光学部材の位置を設計位置に調整することはできない。例えば、ノギスなどの機械的手法で加工用光学部材の位置を計測して、加工用光学部材の位置を設計位置に調整することも考えられる。但し、原版(原版上の計測用パターン)と加工用光学部材との間の距離は、一般的に、数百mm以上離れているため、その位置関係を機械的手法で正確に計測することは非常に困難である。また、原版や加工用光学部材の保持構造の寸法公差及び組立公差を厳密に管理することで、それらの位置関係を保証することも考えられるが、保持構造の製造及び組立に非常に高い精度が要求されるため、現実的ではない。
本発明は、このような従来技術の課題に鑑みてなされ、投影光学系の光学性能を向上させるのに有利な調整方法を提供することを例示的目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の一側面としての調整方法は、物体の像を像面に形成する投影光学系を調整する調整方法であって、前記物体として配置された計測用パターンを照明光学系で照明しながら、前記計測用パターンの位置に対応する少なくとも1つの計測位置において、前記投影光学系の収差を計測する第1工程と、前記投影光学系に含まれる第1光学部材の位置及び姿勢の少なくとも一方を前記第1工程が行われたときの状態から変更した状態で、前記計測用パターンを前記照明光学系で照明しながら、前記少なくとも1つの計測位置において、前記投影光学系の収差を計測する第2工程と、前記第1工程で計測された前記投影光学系の収差と、前記第2工程で計測された前記投影光学系の収差とに基づいて、前記計測用パターンに対する前記第1光学部材の相対位置の設計位置からのずれ量を求める第3工程と、を有することを特徴とする。
本発明の更なる目的又はその他の側面は、以下、添付図面を参照して説明される実施形態によって明らかにされるであろう。
本発明によれば、例えば、投影光学系の光学性能を向上させるのに有利な調整方法を提供することができる。
以下、添付図面を参照して実施形態を詳しく説明する。なお、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。実施形態には複数の特徴が記載されているが、これらの複数の特徴の全てが発明に必須のものとは限らず、また、複数の特徴は任意に組み合わせられてもよい。更に、添付図面においては、同一もしくは同様の構成に同一の参照番号を付し、重複した説明は省略する。
図1は、露光装置100の構成を示す概略図である。露光装置100は、例えば、半導体デバイス、液晶表示デバイスなどのデバイスの製造工程(リソグラフィ工程)に用いられ、基板上にパターンを形成するリソグラフィ装置である。
露光装置100は、図1に示すように、照明光学系1と、原版ステージ22と、投影光学系7と、基板ステージ62と、制御部41とを有する。また、本実施形態では、基板61の法線方向に沿った軸をZ軸とし、基板61と平行な面内で互いに直交する方向に沿った軸をX軸及びY軸とする座標系を定義する。
露光装置100は、原版21を介して基板61を露光する。具体的には、露光装置100は、光源(不図示)から射出された光を、照明光学系1を介して、原版21に照射し、原版21に形成されたパターンを、投影光学系7を介して、基板61に結像させる(投影する)。基板61には、レジスト(感光剤)が塗布されており、現像工程を経ることで、原版21のパターンが基板61に転写される。
露光装置100では、原版21を保持する原版ステージ22と、基板61を保持する基板ステージ62とを同期させて走査方向(±Y方向)に走査しながら、基板61を露光(走査露光)する。これにより、投影光学系7が基板上に規定する投影領域よりも大きいサイズの原版21のパターン領域を基板61に転写することができる。基板61の1つのショット領域に対する走査露光が終了すると、基板ステージ62は、基板61の別のショット領域に対する走査露光を開始するために、一定量ずつX方向及び/又はY方向にステップ移動する。基板61の全てのショット領域に対する走査露光が終了すると、基板61は露光装置100から搬出され、新たな基板(未露光基板)が露光装置100に搬入される。
以下、投影光学系7について詳細に説明する。投影光学系7は、物体の像を像面に形成する光学系である。投影光学系7は、本実施形態では、凹面ミラー3と、台形ミラー4と、凸面ミラー5と、レンズ11、12、13、14及び15と、駆動部52、53及び54とを含み、原版21のパターンを基板61に投影する。また、投影光学系7は、両側テレセントリック光学系であって、その主光線は、物体面側及び像面側の両方においてZ軸と平行である。
レンズ11は、上面が平面であり、下面がX方向に曲率を有する凹シリンドリカル面である光学部材(光学素子)である。レンズ11は、レンズ12の上面に対して、5mm~20mm程度の空気間隔を有して配置されている。レンズ12は、上面がX方向に曲率を有する凸シリンドリカル面であり、下面が凸球面である光学部材(光学素子)である。レンズ12は、レンズ13の上面に対して、5mm~20mm程度の空気間隔を有して配置されている。レンズ13は、上面が凹球面であり、下面が平面である光学部材(光学素子)である。
投影光学系7においては、レンズ11に対して、レンズ12をZ方向に駆動(上下)することで、X方向の倍率を補正することが可能である。また、投影光学系7においては、レンズ13をZ方向に駆動(上下)することで、X方向及びY方向に等方に倍率を補正することが可能である。
レンズ14は、上面が平面であり、下面がY方向に曲率を有する凸シリンドリカル面である光学部材(光学素子)である。レンズ14は、レンズ15の上面に対して、5mm~20mm程度の空気間隔を有して配置されている。レンズ15は、上面がY方向に曲率を有する凹シリンドリカル面であり、下面が平面である光学部材(光学素子)である。
投影光学系7においては、レンズ15に対して、レンズ14をZ方向に駆動(上下)することで、Y方向の倍率を補正することが可能である。
駆動部52、53及び54は、それぞれ、レンズ12、13及び14を駆動する。制御部41は、基板61を露光する際の投影光学系7の倍率が適切に制御されるように、駆動部52、53及び54のそれぞれを制御する(駆動部52、53及び54のそれぞれの駆動量を指示する)。これにより、例えば、原版21や基板61が熱膨張している場合であっても、投影光学系7の倍率を適切に調整して、基板61を露光することが可能となる。
レンズ11、12及び13は、サブレンズユニット31として一体的に構成されている。サブレンズユニット31において、レンズ11とレンズ12との相対位置がずれていると、投影光学系7の倍率を補正する際に、ディストーションなどの性能に誤差が生じる。従って、サブレンズユニット31を組み立てる際には、レンズ11とレンズ12との相対位置が十分に調整される。投影光学系7を組み立てる際には、レンズ11とレンズ12との相対位置を維持した状態で、サブレンズユニット31を投影光学系7に組み込む。
同様に、レンズ14及び15は、サブレンズユニット32として一体的に構成されている。また、サブレンズユニット32において、レンズ14とレンズ15との相対位置についても同様に十分に調整されている。
図2(a)、図2(b)及び図2(c)を参照して、レンズ12の駆動について説明する。図2(a)は、鉛直上方(+Z方向)からレンズ12を見た図である。図2(b)は、図2(a)に示す一点鎖線におけるレンズ12の断面図である。図2(c)は、図2(a)に示す矢印の方向からレンズ12を見た図である。駆動部52は、アクチュエータ521、522及び523と、保持枠524とを含む。
レンズ12は、その周辺部(外縁)において、保持枠524によって、下方から支持されている。従って、レンズ12の周辺部に入射する光は、保持枠524で遮られるが、レンズ12の中央部に入射する光は、保持枠524で遮られることなく、レンズ12を通過する。保持枠524は、3箇所において、アクチュエータ521、522及び523によって、下方から支持されている。なお、保持枠524を3箇所で支持する理由は、後述するように、レンズ12を回転させるためだけではなく、レンズ12を回転させずにZ方向に変位させる場合にも保持枠524を3箇所で支持することが必要となるからである。
駆動部52に対して制御部41から駆動量が指示されると、アクチュエータ521乃至523のそれぞれは、保持枠524との接点位置を、駆動量に従ってZ方向に変化させる。これにより、レンズ12のZ方向における位置(Z位置)やX軸周り及びY軸周りの回転を制御することができる。例えば、アクチュエータ521乃至523の全てに対して+1mmの駆動量を与えれば、レンズ12の位置は、Z方向に+1mm変化する。また、アクチュエータ521乃至523のそれぞれに対して個別の駆動量を与えれば、レンズ12はX軸周り及び/又はY軸周りに回転する。例えば、アクチュエータ521及び523に-1mmの駆動量を与え、アクチュエータ522に+1mmの駆動量を与えれば、レンズ12は、X軸周りに、右ねじ方向に回転する。また、アクチュエータ521に+1mmの駆動量を与え、アクチュエータ522に0mmの駆動量を与え、アクチュエータ523に-1mmの駆動量を与えれば、レンズ12は、Y軸周りに、右ねじ方向に回転する。
レンズ13を駆動する駆動部53やレンズ14を駆動する駆動部54については、レンズ12を駆動する駆動部52と同様な構成を有しているため、ここでの詳細な説明は省略する。
以下、図3を参照して、本実施形態における投影光学系7の調整方法(製造方法)について詳細に説明する。図3は、本発明の一側面としての投影光学系7を調整する調整方法を説明するためのフローチャートである。
S202において、投影光学系7を構成するミラーやレンズなどの各種の光学部材を製造する。本実施形態では、投影光学系7を構成する光学部材として、凹面ミラー3、台形ミラー4、凸面ミラー5、及び、レンズ11乃至15を製造する。
S204において、S202で製造された光学部材を投影光学系7に組み込んで、投影光学系7を組み立てる。この時点では、投影光学系7に組み込まれた光学部材の位置や姿勢に設計値からの誤差(ずれ)が存在しているため、投影光学系7は、収差が大きく発生した状態である。
S205において、投影光学系7の収差を計測する。具体的には、原版21に形成されているテストパターンを、投影光学系7を介して、レジストが塗布された基板61に投影し、基板61を現像して得られるパターンの位置やサイズを計測することで、投影光学系7の収差を取得する。このように、投影光学系7の物体面に計測用パターンである原版21のテストパターンを配置して、かかるテストパターンを照明光学系1で照明しながら、テストパターンの位置に対応する少なくとも1つの計測位置において、投影光学系7の収差を計測する。また、干渉計などの公知の収差計測装置を用いて、投影光学系7の収差を計測してもよい。なお、投影光学系7の計測対象の収差は、例えば、各計測位置におけるフォーカス、ディストーション、非点収差などを含む。
S206において、S205で計測された収差に基づいて、かかる収差が低減されるように、投影光学系7を構成する光学部材の位置や姿勢を調整する。具体的には、まず、外部演算装置(不図示)、或いは、制御部41において、S205で計測された収差に基づいて、かかる収差を低減するために必要となる光学部材の目標位置や移動量(調整量)を算出する。次いで、算出された目標位置や移動量に従って、投影光学系7を構成する光学部材の位置や姿勢を調整する。本実施形態では、例えば、サブレンズユニット31やサブレンズユニット32をX方向、Y方向及びZ方向の少なくとも1つの方向に移動させたりする。投影光学系7を構成する光学部材の位置や姿勢の調整は、例えば、光学部材の移動量をマイクロメーターなどで確認しながら、ねじなどの手動調整機構を用いて行ってもよいし、駆動部52乃至54のようにアクチュエータを用いた自動調整で行ってもよい。
S206で投影光学系7を構成する光学部材の位置や姿勢を調整することで(所謂、調整工程を経ることで)、投影光学系7を構成する光学部材の組立誤差は低減される。但し、S206で投影光学系7を構成する光学部材の位置や姿勢を調整したとしても、投影光学系7を構成する光学部材の位置には、設計位置(設計値)からのずれが残存している場合がある。これは、レンズ硝材の屈折率分布や面形状の変形などに起因する収差が存在し、かかる収差の影響を、光学部材の位置誤差によって発生する収差が打ち消している場合に起こる。
このように、S206で投影光学系7を構成する光学部材の位置や姿勢を調整しても投影光学系7に残存する収差(残存収差)は、加工用光学部材の表面形状を加工することで補正(低減)する。本実施形態では、加工用光学部材として、レンズ11を選択し、レンズ11の表面(上面)に対して、投影光学系7の残存収差を補正するための加工を行う。
一方、投影光学系7の残存収差の計測位置と、レンズ11との相対位置が設計位置からずれていると、レンズ11の表面形状を加工しても残存収差が十分に補正されない。従って、投影光学系7の残存収差を計測する前に、投影光学系7の残存収差の計測位置とレンズ11との相対位置の設計位置からのずれ量を確認し、ずれ量が許容範囲を超えている場合には、その相対位置を設計位置に近づける調整を行う必要がある。
そこで、本実施形態では、投影光学系7における光学部材と、収差の計測位置との相対位置を高精度に(例えば、1mm以下で)設計位置に一致させる技術を提供する。具体的には、投影光学系7の調整方法において、以下に説明するS220乃至S230を設けている。これにより、投影光学系7の光学性能を向上させることが可能となる。なお、以下では、投影光学系7の残存収差の計測位置(テストパターン)に対する投影光学系7に含まれるレンズの相対位置の設計位置からのずれ量を、単に、「投影光学系7の収差の計測位置とレンズとの相対位置のずれ量」と称する。
S208において、投影光学系7の収差を計測する。具体的には、投影光学系7の物体面に計測用パターンである原版21のテストパターンを配置して、かかるテストパターンを照明光学系1で照明しながら、テストパターンの位置に対応する少なくとも1つの計測位置において、投影光学系7の収差を計測する。
本実施形態では、原版21のテストパターンを、投影光学系7を介して、レジストが塗布された基板61に投影し、基板61を現像して得られるパターンの位置を計測することで、投影光学系7の収差として、ディストーションを取得する。なお、ディストーションを計測する手法は本実施形態の手法に限定されるものではなく、投影光学系7の収差もディストーションに限定されるものではない。
S210において、投影光学系7に含まれる光学部材の位置及び姿勢の少なくとも一方をS208が行われたときの状態から変更する。本実施形態では、投影光学系7の光学部材の姿勢を所定量変更するものとし、具体的には、レンズ12を投影光学系7の光軸に直交する軸、即ち、Y軸の周りに回転させる。レンズ12のY軸の周りの回転は、上述したように、制御部41から駆動部52に駆動量を指示することによって、自動で行うことができる。
S212において、投影光学系7に含まれる光学部材の位置及び姿勢の少なくとも一方をS208が行われたときの状態から変更した状態、本実施形態では、レンズ12をY軸の周りに回転させた状態で、S208と同様に、投影光学系7の収差を計測する。
S214において、S210で位置及び姿勢の少なくとも一方を変更した光学部材を元の状態(S208が行われたときの状態)、本実施形態では、レンズ12を元の姿勢に戻す。
S216において、S208及びS212のそれぞれで計測された収差に基づいて、具体的には、S208で計測された収差とS212で計測された収差との差分から、投影光学系7の収差の計測位置とレンズ12との相対位置のずれ量を算出する。
ここで、図4を参照して、投影光学系7の収差の計測位置とレンズ12の位置との相対位置のずれ量を算出する手法について具体的に説明する。本実施形態では、上述したように、投影光学系7の収差の計測対象をディストーションとしている。
図4において、横軸は、ディストーション計測のX方向の位置(X位置)を示す。ディストーション計測のY方向の位置(Y位置)は、投影光学系7の円弧状良像域の、各X位置におけるY方向中心である。また、図4において、縦軸は、S208及びS212のそれぞれで計測される投影光学系7のY方向のディストーションの差分である。ΔYは、レンズ12の位置とディストーションの計測位置とのY方向のずれを示し、ΔY=0が設計位置である。図4には、ΔY=0、及び、ΔY=±1mm、即ち、設計位置から±1mmの位置ずれがある状態のY方向のディストーションの差分をプロットしている。これらの特性は、机上計算又はコンピュータによるシミュレーションによって算出することができる。
図4に示すように、S208及びS212のそれぞれで計測されるY方向のディストーションの差分は、ΔYによって異なる特性を示す。従って、レンズ12の位置及び姿勢の少なくとも一方を変更する前後のディストーションの差分(S208で計測された収差とS212で計測された収差との差分)を求めることで、ΔYの量を得ることができる。
一般的に、ディストーション計測には、計測誤差が存在するため、計測誤差に対してディストーションの差分が小さい場合には、正しいΔYが求められない。このような場合には、レンズ12の駆動量、本実施形態では、レンズ12の回転量を十分に大きくして、計測誤差に対して十分な量のディストーションの差分が得られるようにすればよい。
上述したように、レンズ12とレンズ11との位置関係は、サブレンズユニット31の組立時に高精度に調整されているため、設計値通りの相対位置にあるとみなせる。換言すれば、レンズ12とレンズ11とは、互いに対する位置(相対位置)が保証されている。従って、S216で求められた投影光学系7の収差の計測位置とレンズ12との相対位置のずれ量、及び、レンズ11の設計位置とレンズ12の設計位置との相対位置から、投影光学系7の収差の計測位置とレンズ11との相対位置のずれ量を求めることができる。
なお、S210で位置及び姿勢の少なくとも一方を変更する光学部品は、レンズ12に限定されるものではなく、光学部品の駆動もY軸周りの回転に限定されるものではない。例えば、S210において、レンズ11を回転させてもよい。但し、本実施形態では、レンズ11には、その位置及び姿勢の少なくとも一方を変更するためのアクチュエータが設けられていない。従って、レンズ11の駆動は、手動で行う必要があるため、レンズ12を駆動する場合に比べて、S210に要する時間が長くなる傾向がある。
一方、レンズ11に対する位置が保証されたレンズ12を駆動する場合には、駆動部52を用いることができるため、手動で駆動する必要も専用の駆動部を設ける必要もない。また、レンズ11は、倍率を補正するために、表面に曲率を有しているため、レンズ11を傾けることで、計測位置により異なるディストーションを発生させることができる。従って、レンズ11を駆動する場合には、新たな機構などを設けることなく、レンズ11に備えられている倍率を補正するための機構で目的を達成することができる。
S218において、S216で算出された投影光学系7の収差の計測位置とレンズ12との相対位置のずれ量が許容範囲内(例えば、1mm以内)に収まっているかどうかを判定する。投影光学系7の収差の計測位置とレンズ12との相対位置のずれ量が許容範囲内に収まっていない場合には、S220に移行する。一方、投影光学系7の収差の計測位置とレンズ12との相対位置のずれ量が許容範囲内に収まっている場合には、S222に移行する。
S220において、投影光学系7の収差の計測位置とレンズ12との相対位置を調整する。本実施形態では、サブレンズユニット31(即ち、レンズ11、12及び13)を、S216で算出したずれ量だけY方向に移動させる(シフトさせる)。なお、レンズ11だけを移動させると、サブレンズユニット31の組立時に調整したレンズ11とレンズ12との相対位置がずれてしまうため、サブレンズユニット31の単位で位置を調整する必要がある。S220で光学部材をずらしたことによって発生する収差は、後述するように、レンズ11の表面形状を加工する工程によって補正可能である。なお、投影光学系7の収差の計測位置とレンズ12との相対位置を調整する際には、サブレンズユニット31(レンズ12)の代わりに、投影光学系7の収差の計測位置を移動させてもよい(シフトさせてもよい)。この場合には、テストパターンが形成されている原版21を、S216で算出したずれ量だけY方向に移動させる。このように、レンズ11とレンズ12との相対位置を維持しながら、S216で求められたずれ量が許容範囲内に収まるように、レンズ11の位置又は投影光学系7の収差の計測位置を調整する。
投影光学系7の収差の計測位置とレンズ12との相対位置の調整が終了したら、S208に移行し、かかる相対位置が許容範囲内に収まるまで、S208乃至S220を繰り返す。このような調整は、Y方向及びX方向のそれぞれについて行われる。
S222において、投影光学系7に残存する収差(残存収差)を計測する。ここで計測する残存収差は、各計測位置におけるフォーカス、ディストーション、非点収差などである。
S224において、S222で計測された残存収差に基づいて、かかる残存収差を低減するために必要となる光学部材(加工用光学部材)の表面形状の加工量を算出する。本実施形態では、加工用光学部材としてレンズ11を選択しているため、外部演算装置(不図示)、或いは、制御部41において、レンズ11の表面形状の加工量を算出する。
加工用光学部材の表面形状の加工量の算出には、当業界で周知の如何なる技術をも適用可能である。例えば、ディストーション補正量をw、原版21と加工用光学部材との間の距離をLR、加工用光学部材の屈折率をn、加工用部材の表面に与える局所的な面の角度の変化量をθとすると、以下の式(1)が成り立つ。
w=LR(n-1)・θ ・・・(1)
このようにして得られたディストーション補正量から、加工用光学部材の表面形状の加工量を求めることができる。
w=LR(n-1)・θ ・・・(1)
このようにして得られたディストーション補正量から、加工用光学部材の表面形状の加工量を求めることができる。
S226において、投影光学系7から、加工用光学部材、本実施形態では、レンズ11を取り外す。
S228において、S224で算出された加工量に基づいて、S226で投影光学系7から取り外した加工用光学部材の表面形状を加工する。本実施形態では、研磨加工装置を用いて、S224で算出された加工量に従ってレンズ11の表面形状を研磨加工する。研磨加工装置としては、研磨パットで光学部材の表面を研磨する公知の装置を用いることができる。
S230において、S228で加工された加工用光学部材、本実施形態では、レンズ11を投影光学系7に組み込む。この時点では、投影光学系7の残存収差を低減するように表面形状が加工されたレンズ11(加工用光学部材)が組み込まれるため、投影光学系7の収差は十分に小さくなっている(補正されている)。但し、投影光学系7にレンズ11を組み込む際の位置や姿勢の誤差によって、投影光学系7には、まだ残存収差が存在する可能性がある。
S232において、投影光学系7の収差(残存収差)を計測する。ここで計測する収差は、各計測位置におけるフォーカス、ディストーション、非点収差などである。
S234において、S232で計測された収差に基づいて、投影光学系7の残存収差が許容範囲内に収まっているかどうかを判定する。投影光学系7の残存収差が許容範囲内に収まっていない場合には、S236に移行する。一方、投影光学系7の残存収差が許容範囲内に収まっている場合には、投影光学系7の調整を終了する。
S236において、投影光学系7に含まれる光学部材の位置や姿勢を調整する。具体的には、S232で計測された収差が低減するように、投影光学系7の光学部材の間隔や偏心を調整する。これにより、投影光学系7に加工用光学部材を組み込む際に発生する収差も低減することができる。S236で光学部材の位置や姿勢を調整したら、S232に移行する。
このように、本実施形態における投影光学系7の調整方法によれば、投影光学系7における光学部材と、収差の計測位置との相対位置を高精度に(例えば、1mm以下で)設計位置に一致させることができる。これにより、投影光学系7に組み込まれる加工用光学部材の表面形状の加工を介して、投影光学系7の残存収差を十分に補正することができるため、投影光学系7の光学性能を向上させることが可能となる。従って、本実施形態の露光装置100や露光方法によれば、投影光学系7の収差が十分に補正された状態で露光を行うことができるため、原版21のパターンをより高精度に基板61に転写することができる。
なお、本実施形態では、加工用光学部材としてレンズ11を選択したが、これに限定されるものではない。例えば、加工用光学部材としてレンズ15を選択し、レンズ15の下面の表面形状を加工(補正)するようにしてもよい。この場合、S210では、レンズ14の姿勢を変更するとよい。また、レンズ11及びレンズ15の両方を加工用光学部材として選択してもよい。
また、加工用光学部材として、当初、投影光学系7に組み込まれていないレンズを用いることも可能である。例えば、レンズ11と実質的に同じ形状を有する加工用レンズを用意し、S228において、かかる加工用レンズの表面形状を加工する。そして、S230において、レンズ11の代わりに、加工後の加工用レンズを投影光学系7に組み込んでもよい。但し、加工用レンズの表面形状を、レンズ11の表面形状にS224で算出された加工量を反映させた表面形状にするような加工が可能であれば、加工用レンズは、レンズ11と実質的に同じ形状を有する必要はない。
また、S220でサブレンズユニット31の位置を調整せずに、S224において、投影光学系7の残存収差の計測位置とレンズ11との相対位置のずれ量ΔYを反映させて加工量(表面形状)を算出するようにしてもよい。具体的には、レンズ11にたいして、設計位置からΔYだけずれた位置を加工するような加工量を算出することで、ΔYを相殺することができる。
また、S222で収差を計測する代わりに、S208又はS212で計測した収差に基づいて、S224において、加工用光学部材の表面形状の加工量を算出するようにしてもよい。この場合、S222に要する時間を短縮することができる。但し、S208又はS212において、ディストーションだけではなく、加工量の算出に必要な他の収差(例えば、フォーカス、非点収差)も計測しておく必要がある。また、S212で計測された収差から加工用光学部材の表面形状の加工量を算出する場合には、レンズ12の駆動(S210)による収差変化を計算で除去する必要がある。
本発明は、上述の実施形態の1つ以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1つ以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
次に、本発明の一側面としての物品の製造方法について説明する。本実施形態における物品の製造方法は、例えば、半導体デバイス、液晶表示デバイスなどのデバイスを製造するのに好適である。半導体デバイスは、基板に集積回路を形成する前工程と、前工程で基板に形成された集積回路チップを製品として完成させる後工程とを経ることで製造される。前工程は、上述した露光装置 を用いて感光剤が塗布された基板を露光する工程と、露光された感光剤を現像する工程とを含む。後工程は、アッセンブリ工程(ダイシング、ボンディング)と、パッケージング工程(封入)とを含む。液晶表示デバイスは、透明電極を形成する工程を経ることで製造される。透明電極を形成する工程は、透明導電膜が蒸着されたガラス基板に感光剤を塗布する工程と、上述した露光装置 を用いて感光剤が塗布されたガラス基板を露光する工程と、露光された感光剤を現像する工程とを含む。本実施形態における物品の製造方法は、従来に比べて、物品の性能、品質、生産性及び生産コストの少なくとも1つにおいて有利である。
発明は上記実施形態に制限されるものではなく、発明の精神及び範囲から離脱することなく、様々な変更及び変形が可能である。従って、発明の範囲を公にするために請求項を添付する。
100:露光装置 1:照明光学系 7:投影光学系 11、12、13、14、15:レンズ 52、53、54:駆動部 21:原版 61:基板
Claims (17)
- 物体の像を像面に形成する投影光学系を調整する調整方法であって、
前記物体として配置された計測用パターンを照明光学系で照明しながら、前記計測用パターンの位置に対応する少なくとも1つの計測位置において、前記投影光学系の収差を計測する第1工程と、
前記投影光学系に含まれる第1光学部材の位置及び姿勢の少なくとも一方を前記第1工程が行われたときの状態から変更した状態で、前記計測用パターンを前記照明光学系で照明しながら、前記少なくとも1つの計測位置において、前記投影光学系の収差を計測する第2工程と、
前記第1工程で計測された前記投影光学系の収差と、前記第2工程で計測された前記投影光学系の収差とに基づいて、前記計測用パターンに対する前記第1光学部材の相対位置の設計位置からのずれ量を求める第3工程と、
を有することを特徴とする調整方法。 - 前記第3工程で求められたずれ量に基づいて表面形状が加工された光学部材を前記投影光学系に組み込む第4工程を更に有することを特徴とする請求項1に記載の調整方法。
- 前記第4工程は、
前記第3工程で求められたずれ量、及び、前記第1光学部材の設計位置と、前記第1光学部材に対する位置が保証された、前記投影光学系に含まれる第2光学部材の設計位置との相対位置に基づいて、前記計測用パターンに対する前記第2光学部材の相対位置の設計位置からのずれ量を求める第5工程と、
前記第1光学部材と前記第2光学部材との相対位置を維持しながら、前記第5工程で求められたずれ量が許容範囲内に収まるように、前記第2光学部材の位置又は前記少なくとも1つの計測位置を調整する第6工程と、
前記第6工程の後、前記計測用パターンを前記照明光学系で照明しながら、前記少なくとも1つの計測位置において、前記投影光学系の収差を計測する第7工程と、
を更に有し、
前記第7工程で計測された収差が低減されるように表面形状が加工された前記光学部材を前記投影光学系に組み込むことを特徴とする請求項2に記載の調整方法。 - 前記第4工程は、
前記第7工程で計測された収差を低減するために必要となる前記第2光学部材の表面形状の加工量を求める第8工程と、
前記投影光学系から前記第2光学部材を取り外して、前記第8工程で求められた加工量に従って前記第2光学部材の表面形状を加工する第9工程と、
を更に有し、
前記第9工程で加工された前記第2光学部材を、前記光学部材として前記投影光学系に組み込むことを特徴とする請求項3に記載の調整方法。 - 前記第4工程は、
前記第7工程で計測された収差を低減するために必要となる前記第2光学部材の表面形状を求める第10工程と、
前記第10工程で求められた表面形状に従って前記第2光学部材とは別の光学部材の表面形状を加工する第11工程と、
を更に有し、
前記投影光学系から前記第2光学部材を取り外して、当該第2光学部材の代わりに、前記第11工程で加工された前記別の光学部材を、前記光学部材として前記投影光学系に組み込むことを特徴とする請求項3に記載の調整方法。 - 前記第4工程は、
前記第1光学部材と前記投影光学系に含まれる他の光学部材との相対位置を維持しながら、前記第3工程で求められたずれ量が許容範囲内に収まるように、前記第1光学部材の位置又は前記少なくとも1つの計測位置を調整する第12工程と、
前記第12工程の後、前記計測用パターンを前記照明光学系で照明しながら、前記少なくとも1つの計測位置において、前記投影光学系の収差を計測する第13工程と、
を更に有し、
前記第13工程で計測された収差が低減されるように表面形状が加工された前記光学部材を前記投影光学系に組み込むことを特徴とする請求項2に記載の調整方法。 - 前記第4工程は、
前記第13工程で計測された収差を低減するために必要となる前記第1光学部材の表面形状の加工量を求める第14工程と、
前記投影光学系から前記第1光学部材を取り外して、前記第14工程で求められた加工量に従って前記第1光学部材の表面形状を加工する第15工程と、
を更に有し、
前記第15工程で加工された前記第1光学部材を、前記光学部材として前記投影光学系に組み込むことを特徴とする請求項6に記載の調整方法。 - 前記第4工程は、
前記第13工程で計測された収差を低減するために必要となる前記第1光学部材の表面形状を求める第16工程と、
前記第16工程で求められた表面形状に従って前記第1光学部材とは別の光学部材の表面形状を加工する第17工程と、
を更に有し、
前記投影光学系から前記第1光学部材を取り外して、当該第1光学部材の代わりに、前記第17工程で加工された前記別の光学部材を、前記光学部材として前記投影光学系に組み込むことを特徴とする請求項6に記載の調整方法。 - 前記第4工程は、
前記第3工程で求められたずれ量、及び、前記第1光学部材の設計位置と、前記第1光学部材に対する位置が保証された、前記投影光学系に含まれる第2光学部材の設計位置との相対位置に基づいて、前記計測用パターンに対する前記第2光学部材の相対位置の設計位置からのずれ量を求める第18工程と、
前記第18工程で求められたずれ量を反映させて、前記投影光学系の収差を低減するために必要となる前記第2光学部材の表面形状を求める第19工程と、
前記投影光学系から前記第2光学部材を取り外して、前記第19工程で求められた表面形状に従って前記第2光学部材の表面形状を加工する第20工程と、
を更に有し、
前記第20工程で加工された前記第2光学部材を、前記光学部材として前記投影光学系に組み込むことを特徴とする請求項2に記載の調整方法。 - 前記第4工程は、
前記第3工程で求められたずれ量、及び、前記第1光学部材の設計位置と、前記第1光学部材に対する位置が保証された、前記投影光学系に含まれる第2光学部材の設計位置との相対位置に基づいて、前記計測用パターンに対する前記第2光学部材の相対位置の設計位置からのずれ量を求める第21工程と、
前記第21工程で求められたずれ量を反映させて、前記投影光学系の収差を低減するために必要となる前記第2光学部材の表面形状を求める第22工程と、
前記第22工程で求められた表面形状に従って前記第2光学部材とは別の光学部材の表面形状を加工する第23工程と、
を更に有し、
前記投影光学系から前記第2光学部材を取り外して、当該第2光学部材の代わりに、前記第23工程で加工された前記別の光学部材を、前記光学部材として前記投影光学系に組み込むことを特徴とする請求項2に記載の調整方法。 - 前記第4工程は、
前記第3工程で求められたずれ量を反映させて、前記投影光学系の収差を低減するために必要となる前記第1光学部材の表面形状を求める第24工程と、
前記投影光学系から前記第1光学部材を取り外して、前記第24工程で求められた表面形状に従って前記第1光学部材の表面形状を加工する第25工程と、
を更に有し、
前記第25工程で加工された前記第1光学部材を、前記光学部材として前記投影光学系に組み込むことを特徴とする請求項2に記載の調整方法。 - 前記第4工程は、
前記第3工程で求められたずれ量を反映させて、前記投影光学系の収差を低減するために必要となる前記第1光学部材の表面形状を求める第26工程と、
前記第26工程で求められた表面形状に従って前記第1光学部材とは別の光学部材の表面形状を加工する第27工程と、
前記投影光学系から前記第1光学部材を取り外して、当該第1光学部材の代わりに、前記第27工程で加工された前記別の光学部材を、前記光学部材として前記投影光学系に組み込むことを特徴とする請求項2に記載の調整方法。 - 前記第1光学部材は、少なくとも一方の表面に球面又はシリンドリカル面を有することを特徴とする請求項1乃至12のうちいずれか1項に記載の調整方法。
- 前記第2工程は、前記第1光学部材を前記投影光学系の光軸に直交する軸の周りに回転させることで、前記第1光学部材の姿勢を前記第1工程が行われたときの状態から変更する工程を含むことを特徴とする請求項1乃至13のうちいずれか1項に記載の調整方法。
- 前記第2工程は、前記第1光学部材に設けられたアクチュエータを駆動することで、前記第1光学部材の位置及び姿勢の少なくとも一方を前記第1工程が行われたときの状態から変更する工程を含むことを特徴とする請求項1乃至13のうちいずれか1項に記載の調整方法。
- 原版を介して基板を露光する露光方法であって、
請求項1乃至15のうちいずれか1項に記載の調整方法を用いて、投影光学系を調整する工程と、
前記工程で調整された投影光学系を用いて、前記原版のパターンを前記基板に投影する工程と、
を有することを特徴とする露光方法。 - 請求項16に記載の露光方法を用いて基板を露光する工程と、
露光された前記基板を現像する工程と、
現像された前記基板から物品を製造する工程と、
を有することを特徴とする物品の製造方法。
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