JP2022026098A - 燃料電池システム - Google Patents

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公聖 吉田
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Abstract

Figure 2022026098000001
【課題】燃料電池スタックの電圧を監視することなく、劣化した燃料電池セルの位置を推定することができる燃料電池システムを提供する。
【解決手段】時間-温度プロファイル取得部61は燃料電池スタック10の時間-温度プロファイルを取得し、記憶部62は、初期性能の燃料電池スタック10の標準時間-温度プロファイルと、劣化した燃料電池セルを含む燃料電池スタック10の時間-温度プロファイル及び標準時間-温度プロファイルを比較して得られる時間-セル位置マップと、を記憶しており、判定部63は、時間-温度プロファイル取得部61により取得された時間-温度プロファイルと標準時間-温度プロファイルとを比較し、標準時間-温度プロファイルよりも傾きが大きくなる時間を取得し、時間-セル位置マップに基づいて、取得した時間に対応する燃料電池セルの積層位置を推定する。
【選択図】図1

Description

本願は燃料電池システムに関する。
従来から、環境問題に対する取り組みの一環として低公害車の開発が進めされており、その中の一つに燃料電池システムを備えた燃料電池車両がある。燃料電池システムは燃料ガスと酸化剤ガスとを燃料電池に供給することにより発電を行うものである。
燃料電池を構成する燃料電池セルは、発電を継続するにつれて劣化することがあるため、燃料電池の電流や電圧、温度などを監視して、燃料電池の劣化を判定している。
特許文献1は、複数のセルが積層された燃料電池スタックにおいて、第1の燃料電池セル群と第2の燃料電池セル群との間の発電出力の乖離率に基づいて、燃料電池スタックの劣化を判定する技術を開示している。特許文献2には、複数のセルが積層された燃料電池スタックを備えた固体酸化物形燃料電池において、劣化に伴う出力電圧の変動を利用して劣化の度合いを判定する技術を開示している。
特開2011-249171号公報 特開2011-210682号公報
燃料電池スタックの使用により劣化した燃料電池セルが生じた場合、劣化した燃料電池セルの積層位置を特定することができれば、劣化した燃料電池セルのみを交換することで燃料電池スタックの整備が可能となる。特許文献1、2には燃料電池スタックの劣化を検出する技術が開示されているが、個々の燃料電池セルの電圧や温度等をモニタするものではないため、スタック内の劣化した燃料電池セルの位置を特定することが困難である。
また、燃料電池システムの簡略化のために、燃料電池スタックの電圧の監視を省くことが考えられている。監視するパラメータが少ないほど、燃料電池システムの構成を簡略化できるためである。特許文献1、2は、燃料電池スタックの劣化を検出する際に燃料電池スタックの電圧を監視している。そのため、燃料電池スタックの電圧の監視を省くことが難しい。
そこで、本願の目的は、上記実情を鑑み、燃料電池スタックの電圧を監視することなく、劣化した燃料電池セルの位置を推定することができる燃料電池システムを提供することである。
燃料電池セルの劣化により、材料の分解やガス流れの悪化によって発熱する場合がある。本発明者らは、このような発熱を伴う劣化が生じた燃料電池セルを、所定の負荷変動を付加した際の冷却水の温度変化から推定することができることを知見した。これにより、燃料電池スタックの電圧の監視をすることなく、劣化した燃料電池セルの位置を推定することができることを見出した。本開示の燃料電池システムは当該知見に基づいて完成されたものである。
すなわち、本開示は上記課題を解決するための一つの手段として、複数の燃料電池セルが積層された燃料電池スタックと、燃料電池スタックに燃料ガスを供給する燃料ガス供給手段と、燃料電池スタックに酸化剤ガスを供給する酸化剤ガス供給手段と、燃料電池スタックに該燃料電池スタックを冷却するための冷却水を供給する冷却水供給手段と、燃料電池スタックに負荷変動を付加し、燃料電池スタックが発電する電流を制御する電流制御手段と、燃料電池スタックに供給される冷却水の出口における冷却水の出口温度を取得する温度測定手段と、制御手段と、を備え、制御手段は時間-温度プロファイル取得部と、記憶部と、判定部と、を備え、時間-温度プロファイル取得部は、燃料電池スタックに燃料ガス、酸化剤ガス、及び冷却水を所定の流量で流し、かつ、所定の負荷変動を付加した状態における、時間及び冷却水の出口温度の関係である時間-温度プロファイルを取得し、記憶部は、初期性能の燃料電池スタックに状態を適用したときにおける、時間及び冷却水の出口温度の関係である標準時間-温度プロファイルと、劣化した燃料電池セルを含む燃料電池スタックに状態を適用したときに得られる時間-温度プロファイル及び標準時間-温度プロファイルを比較したときに、標準時間-温度プロファイルよりも傾きが大きくなる時間及び劣化した燃料電池セルの積層位置を関係付けた時間-セル位置マップと、を記憶しており、判定部は、時間-温度プロファイル取得部により取得された時間-温度プロファイルと標準時間-温度プロファイルとを比較し、標準時間-温度プロファイルよりも傾きが大きくなる時間を取得し、時間-セル位置マップに基づいて、取得した時間に対応する燃料電池セルの積層位置を推定する、燃料電池システムを提供するものである。
本開示の燃料電池システムによれば、劣化した燃料電池セルの積層位置を推定することができる。また、劣化した燃料電池セルの積層位置を推定することができることにより、セル交換時に、劣化したセルのみを交換可能となる。さらに、劣化した燃料電池セルの積層位置を推定するために、燃料電池スタックの電圧を監視する必要がないため、電圧センサ等を省略することができ、燃料電池システムの簡略化が可能である。
燃料電池システム100のブロック図である。 冷却水が燃料電池スタック10内を循環する様子の模式図である。 劣化した燃料電池セルの積層位置が既知の燃料電池スタックの時間-温度プロファイルの一例である。(1)は冷却水の出入口側の燃料電池セルが劣化している場合の時間-温度プロファイルであり、(2)は積層方向中央の燃料電池セルが劣化している場合の時間-温度プロファイルであり、(3)は積層方向奥側の燃料電池セルが劣化している場合の時間-温度プロファイルである。 時間-セル位置マップの一例である。 制御手段60による燃料電池セルの劣化判定のフローチャートの一例である。
[燃料電池システム100]
本開示の燃料電池システムについて、一実施形態である燃料電池システム100を用いて説明する。図1に燃料電池システム100のブロック図を示した。
図1の通り、燃料電池システム100は、燃料電池スタック10と、燃料ガス配管系20と、酸化剤ガス配管系30と、冷却水配管系40と、電力制御手段50と、制御手段60と、を備えている。以下、それぞれの構成について説明する。
<燃料電池スタック10>
燃料電池スタック10は複数の燃料電池セルが積層された燃料電池であり、燃料ガス及び酸化剤ガスにより発電することが可能である。燃料電池システム100に適用可能な燃料電池スタック10は特に限定されない。例えば、複数の燃料電池セルを直列に積層してなる固体高分子電解質型の燃料電池スタックを挙げることができる。このような燃料電池スタックは、イオン交換膜からなる電解質膜の一方の面にカソード極を有し、他方の面にアノード極を有する。また、さらにこれらを両側から挟み込むように配置される一対のセパレータを有している。そして、カソード側のセパレータの酸化剤ガス流路に酸化剤ガスが供給され、アノード側のセパレータの燃料ガス流路に燃料ガスが供給され、これにより燃料電池スタック10は発電する。発電された電流は車両に備えられる電力負荷に使用されたり、バッテリに蓄電されたりする。
<燃料ガス配管系20>
燃料ガス配管系20は燃料ガスを燃料電池スタック10に供給するためのものであり、燃料ガス供給源21と、燃料ガス供給源21から供給される燃料ガスを流すための配管である燃料ガス供給流路22と、燃料電池スタック10から排出される燃料オフガスを流し、燃料ガス供給流路22に還流させるための配管である循環流路25と、循環流路25に分岐して接続される排気排水流路28とを有している。また、燃料ガス配管系20はその他に一般的に燃料ガス配管系に備えられる部材を備えていてもよい。ここで、燃料ガスとは水素ガス又は改質ガスである。
燃料ガス供給源21は、例えば、高圧水素タンクや水素吸蔵合金などで構成されており、例えば35MPa又は70MPaの水素ガスを貯留する。遮断弁を開くと、燃料ガス供給源21から燃料ガス供給流路22に水素ガスが流出する。また、燃料ガス供給源21は、炭化水素系の燃料から水素リッチな改質ガスを生成する改質器と、この改質器で生成した改質ガスを高圧状態にして蓄圧する高圧ガスタンクと、から構成してもよい。
燃料ガス供給流路22は、一方が燃料ガス供給源21に接続され、他方が燃料得電池スタック10のアノード極に接続されている配管である。燃料ガス供給流路22は上流側(燃料ガス供給源21側)から、レギュレータ23とインジェクタ24とをこの順で備えるものである。また、燃料ガス供給源21とレギュレータ23との間には、燃料ガスの供給を遮断する遮断弁等が備えられていてもよい。燃料ガスはレギュレータ23及びインジェクタ24により、例えば200kPa程度まで減圧されて、燃料電池スタック10に供給される。
レギュレータ23は、その上流側圧力(一次圧)を、予め設定した二次圧に調圧する装置である。レギュレータ23は特に限定されず、公知のレギュレータを用いることができる。インジェクタ24の上流側にレギュレータ23を配置することにより、インジェクタ24の上流側圧力を効果的に低減させることができる。
インジェクタ24は燃料ガス供給手段であり、レギュレータ23により調圧された燃料ガスを一定流量で燃料電池スタック10に供給することができる。インジェクタ24は、電磁駆動式開閉弁により燃料ガス供給源21から燃料電池スタック10への燃料ガスの供給を制御している。インジェクタ24により供給される燃料ガスの流量は制御手段60に制御されている。
循環流路25は燃料電池スタック10から排出される燃料オフガスを燃料ガス供給流路22に還流させるための配管であり、燃料オフガスを燃料ガス供給流路22に還流させる動力としてポンプ26を備えている。また、循環流路25は燃料オフガス中に存在する気体成分と液体成分とを分離する気液分離器を備えていてもよい。
循環流路25に、は排気排水弁27を介して、排気排水流路28が接続されている。排気排水弁27は、制御手段60からの指令によって作動し、循環流路25内の不純物を含む燃料オフガスと水分を、排気排水流路28を介して外部に排出する。排気排水弁27の開弁により、循環流路25内の燃料オフガス中の不純物の濃度が下がり、循環供給される燃料オフガス中の水素濃度が上がる。排気排水流路28は酸化剤オフガス排出流路33に接続されていてもよく、燃料オフガスは排気排水流路28及び酸化剤オフガス排出流路33を介して外部に排出されてもよい。
<酸化剤ガス配管系30>
酸化剤ガス配管系30は酸化剤ガスを燃料電池スタック10に供給するためのものであり、酸化剤ガス供給手段31と、酸化剤ガス供給手段31及び燃料電池スタック10のカソード極を接続し、燃料電池スタック10へ供給される酸化剤ガスを流すための配管である酸化剤ガス供給流路32と、燃料電池スタック10に接続し、燃料電池スタック10から排出される酸化剤オフガスを流すための配管である酸化剤オフガス排出流路33とを備えている。酸化剤ガス供給手段31は、酸化剤ガス供給流路32を介して、酸化剤ガスを一定流量で燃料電池スタック10に供給することができる。酸化剤ガス供給手段31としては、例えばポンプを用いることができる。酸化剤ガスとは例えば空気又は酸素である。酸化剤ガス供給手段31により供給される酸化剤ガスの流量は制御手段60によって制御される。
ここで、酸化剤ガス配管系30は、酸化剤ガス供給流路32と酸化剤オフガス排出流路33とを接続する分流流路を備えてもよい。分流流路を備えることにより、酸化剤ガス供給流路32から酸化剤オフガス排出流路33へ酸化剤ガスを流し、燃料電池スタック10に供給される酸化剤ガスの圧力を調整することができる。
<冷却水配管系40>
冷却水配管系40は、冷却水を介して燃料電池スタック10を冷却するためのものであり、ラジエータ41と、冷却水流路42と、冷却水供給手段43と、冷却水温度測定手段44とを備えている。冷却配管系40はその他に一般的に冷却配管系に備えられる部材を備えていてもよい。
ラジエータ41は、冷却水配管系40を流れる冷却水と外気との間で熱交換を行い、冷却水を冷却するものである。冷却された冷却水は不図示のポンプ等により、冷却水流路42に供給される。
冷却水流路42は、燃料電池スタック10を冷却するための冷却水を流すための配管である。冷却水流路42は、燃料電池スタック10の内部に形成された燃料電池冷却水流路42aと、ラジエータ41及び燃料電池スタック10の燃料電池冷却水流路42aの入口を接続する配管42bと、燃料電池スタック10の冷却水流路22aの出口及びラジエータ21とを接続する配管42cと、を有している。
冷却水供給手段43は燃料電池スタック10に該燃料電池スタック10を冷却するための冷却水を一定の流量で供給することが可能であり、冷却水流路42に配置されている。図1では、配管42b上に設置されている。冷却水供給手段43により、冷却水を図1の矢印のように流すことができる。このように冷却水を流すことにより、燃料電池スタック10と冷却水との間で熱交換を行い、燃料電池スタック10の温度制御を行うことができる。冷却水供給手段43により供給される冷却水の流量は制御手段60によって制御される。冷却水供給手段43は例えば冷却水ポンプである。
冷却水温度測定手段44は温度センサであり、燃料電池スタック10の内部に形成された冷却流路(燃料電池冷却水流路42a)の出口に配置され、当該位置における冷却水の温度(出口温度)を測定するものである。冷却水温度測定手段44を燃料電池冷却水流路42aの出口に配置することにより、冷却水と燃料電池スタック10との間で十分に熱交換が行われ、燃料電池スタック10の温度と同等の温度となった冷却水の温度を測定することができる。つまり、冷却水の出口温度を測定することにより、燃料電池スタック10の温度を容易に推定することができる。冷却水温度測定手段44によって測定された冷却水の出口温度は制御手段60に送信され、時系列でモニタされる。
<電力制御手段50>
電力制御手段50は燃料電池スタック10に所定の負荷変動を付加し、燃料電池スタック10が発電する電流を制御するものである。電力制御手段50は電流センサと負荷装置を備えている。電流センサは燃料電池スタック10が発電する電流を測定するものであり、測定された燃料電池スタックの電流は制御手段60に送信される。負荷装置は燃料電池スタック10に負荷変動を付加するものであり、例えば電子負荷装置、あるいは充放電装置等である。電力制御手段50は後述の燃料電池スタック10の劣化を判定する際に、所定の負荷変動を付加する役割を有する。
<制御手段60>
制御部60は、CPU、ROM、RAM、及び入出力インタフェース等を備えるコンピュータシステムであり、燃料電池システム100の各部を制御する。また、制御手段60は時間-温度プロファイル取得部61と、記憶部62と、判定部63と、を備えている。これらの手段を備えることにより、燃料電池スタック10に発熱を伴う劣化した燃料電池セルが含まれていた場合に、その燃料電池セルの積層位置を推定することができる。
(時間-温度プロファイル取得部61)
時間-温度プロファイル取得部61は、燃料電池スタック10に燃料ガス、酸化剤ガス、及び冷却水を所定の流量で流し、かつ、所定の負荷変動を付加した状態(高電流状態)における、時間及び冷却水の出口温度の関係である時間-温度プロファイルを取得するものである。取得した時間-温度プロファイルは判定部63に送信される。
高電流状態とは、劣化した燃料電池セルの発熱を後述の判定部63において検出可能なように、燃料電池スタック10が発電する電流値を所定の大きさとすることである。劣化した燃料電池セルは性能が低下し、正常な燃料電池セルよりも発熱しやすい場合があるため、高電流状態とすることにより正常な燃料電池セルに比べて発熱量を顕著に大きくすることができる。このような高電流状態とするために、燃料ガス、酸化剤ガス、及び冷却水の流量を所定の流量とし、かつ、負荷変動の大きさを所定の大きさとしている。高電流状態は燃料電池システム100の構成により設定がそれぞれ異なるため、燃料ガス、酸化剤ガス、及び冷却水の流量、負荷変動の大きさ、燃料電池スタック10の発電量は、燃料電池システム100の構成に応じて適宜設定される。具体的には変動後の負荷を掃引できるガス量をストイキ比1.0以上流した後、負荷を掃引する等である。
時間-温度プロファイルとは、冷却水の出口温度を時系列で示したものである。図2に冷却水が燃料電池スタック10内を循環する様子を示した。図2のように、燃料電池スタック10に供給された冷却水は、冷却水の出入口に近い燃料電池セルから冷却水が循環することとなる。そのため、冷却水の出口温度は出入口に近い燃料電池セルほど時間-温度プロファイルの早い時間に反映される。これを利用することにより、各燃料電池セルの積層位置に対応する時間を把握することができ、さらに時系列で冷却水の出口温度を示すことにより、各燃料電池セルの発熱の程度を把握することができる。
(記憶部62)
記憶部62は、初期性能の燃料電池スタック10に高電流状態を適用したときにおける、時間及び冷却水の出口温度の関係である標準時間-温度プロファイルと、劣化した燃料電池セルを含む燃料電池スタック10に高電流状態を適用したときに得られる時間-温度プロファイル及び上記標準時間-温度プロファイルを比較したときに、上記標準時間-温度プロファイルよりも傾きが大きくなる時間及び劣化した燃料電池セルの位置を関係付けた時間-セル位置マップと、を記憶している。このように、標準時間-温度プロファイル及び時間-セル位置マップは事前に得ておくものである。
標準時間-温度プロファイルは、初期性能の燃料電池スタック10の時間-温度プロファイルであり、後述の判定部63において燃料電池スタック10の各燃料電池セルが劣化しているか否かを判定する基準となるものである。初期性能の燃料電池スタック10とは、製造時の性能を有する燃料電池スタック10を意味する。
時間-セル位置マップは、劣化した燃料電池セルを含む燃料電池スタック10の時間-温度プロファイル及び標準時間-温度プロファイルを比較したときに、標準時間-温度プロファイルよりも傾きが大きくなる時間と、劣化した燃料電池セルの積層位置と関係付けたマップである。ここで「傾き」とは昇温速度であり、「傾きが大きくなる」とは標準時間-温度プロファイルと比較して、傾きが所定の基準よりも大きくなることを意味する。傾きが大きくなっているか否かを判断する基準とは、例えば標準時間-温度プロファイルと比較したときに、対応する時間における傾きが5%以上増加している場合である。「傾きが大きくなる時間」は、燃料電池セルの積層方向位置に対応している。比較するプロファイルの冷却水の流量条件が同じであるためである。
時間-セル位置マップの作成方法についてさらに説明する。図3は劣化した燃料電池セルの積層位置が既知の燃料電池スタックの時間-温度プロファイルの一例である。(1)は冷却水の出入口側の燃料電池セルが劣化している場合の時間-温度プロファイルであり、(2)は積層方向中央の燃料電池セルが劣化している場合の時間-温度プロファイルであり、(3)は積層方向奥側の燃料電池セルが劣化している場合の時間-温度プロファイルである。また、図3のそれぞれの時間-温度プロファイルと標準時間-温度プロファイルとを比較し、標準時間-温度プロファイルよりも傾きが大きくなる部分に三角形を付して示した。
図3(1)~(3)で示されているように、燃料電池セルが劣化している積層位置に応じて、傾きが大きくなる時間が変化することがわかる。具体的には、劣化している燃料電池セルの積層位置が出入口から離れるほど、傾きが大きくなる部分が遅い時間に現れることがわかる。このように、劣化した燃料電池セルの積層位置が既知の燃料電池スタックの時間-温度プロファイルと標準時間-温度プロファイルとを比較することにより、燃料電池セルの積層位置に対応する時間を特定することができる。そして、燃料電池セルの積層位置と特定した時間とを関係づけることにより、時間-セル位置マップを作成することができる。
図4に時間-セル位置マップの一例を示した。図4のように、燃料電池セルの積層位置に対応する時間をそれぞれマッピングすることにより、時間-セル位置マップを作成することができる。また、近似直線を用いて検量線を作成してもよい。
(判定部63)
判定部63は、時間-温度プロファイル取得部61により取得された時間-温度プロファイルと記憶部62に格納されている標準時間-温度プロファイルとを比較し、標準時間-温度プロファイルよりも傾きが大きくなる時間を取得し、記憶部62に格納されている時間-セル位置マップに基づいて、取得した時間に対応する燃料電池セルの積層位置を推定するものである。
このように、燃料電池システム100によれば、劣化した燃料電池セルの積層位置を容易に推定することができる。また、劣化した燃料電池セルの積層位置を推定することができることにより、セル交換時に、劣化したセルのみを交換可能となる。さらに、劣化した燃料電池セルのセル位置を推定するために、燃料電池スタック10の電圧を監視する必要がないため、電圧センサ等を省略することができ、燃料電池システム100の簡略化が可能である。
図5に、制御部60による燃料電池セルの劣化判定のフローチャートの一例を示した。図5の通り、燃料電池セルの劣化判定は処理S1~S7によって行われる。
処理S1では、燃料電池スタック10が通常の発電を行っている状態に変更する。通常の発電を行っている状態とは、例えば燃料電池システム100が使用目的に応じた運転を行っている状態にあることである。通常、燃料電池システム100は処理S1の状態を維持しており、劣化判定を行う際に、処理S2以降を行う。
次に、処理S2では、燃料電池スタック10に供給する燃料ガス、酸化剤ガス、及び冷却水の流量を所定の流量に変更する。処理S3では、冷却水温度測定手段44により、冷却水の出口温度を測定し、測定結果を適宜制御手段60(時間-温度プロファイル取得部61)に送信する。処理S4では、電力制御手段50の負荷装置により、燃料電池スタックに所定の負荷変動を付加し、燃料電池スタック10が発電する電流値を所定の大きさに変更する。処理S2~S4により、燃料電池スタック10は高電流状態となる。
そして、処理S5では、時間-温度プロファイル取得部61によって、冷却水の出口温度が時系列に整理された時間-温度プロファイルを取得し、適宜判定部63に結果を送信する。処理S6では、判定部63において、時間-温度プロファイル取得部61によって得られた時間-温度プロファイルと記憶部62に格納されている標準時間-温度プロファイルとを比較し、標準時間-温度プロファイルよりも傾きが大きくなる時間を把握する。傾きが大きくなる時間が検出された場合は、燃料電池セルに劣化が生じているとして処理S7を行う。傾きが大きくなる時間が検出されない場合は、処理S1を行う。
最後に、処理S7では、記憶部62に格納されている時間-セル位置マップに基づいて、取得した傾きが大きくなる時間に対応する燃料電池セルの積層位置を推定する。処理S7終了後は、再度処理S1を行う。
以上、本開示の燃料電池システムについて、一実施形態である燃料電池システム100を用いて説明した。本開示の燃料電池システムは燃料電池スタックの電圧を監視することなく、劣化した燃料電池セルの位置を推定することができる技術であり、燃料電池システムの分野において極めて有用な技術であるといえる。本開示の燃料電池システムは、燃料電池を用いる何れの分野にも適用することが可能であるが、好ましくは車載用燃料電池システムに適用することである。
10 燃料電池スタック
20 燃料ガス配管系
21 燃料ガス供給源
22 燃料ガス供給流路
23 レギュレータ
24 インジェクタ
25 循環流路
26 ポンプ
27 排気排水弁
28 排気排水流路
30 酸化剤ガス配管系
31 酸化剤ガス供給手段
32 酸化剤ガス供給流路
33 酸化剤オフガス排出流路
40 冷却水配管系
41 ラジエータ
42 冷却水流路
42a 燃料電池冷却水流路
42b 配管
42c 配管
43 冷却水ポンプ
44 冷却水温度測定手段
50 電力制御手段
60 制御手段
61 時間-温度プロファイル取得部
62 記憶部
63 判定部
100 燃料電池システム

Claims (1)

  1. 複数の燃料電池セルが積層された燃料電池スタックと、
    前記燃料電池スタックに燃料ガスを供給する燃料ガス供給手段と、
    前記燃料電池スタックに酸化剤ガスを供給する酸化剤ガス供給手段と、
    前記燃料電池スタックに該燃料電池スタックを冷却するための冷却水を供給する冷却水供給手段と、
    前記燃料電池スタックに負荷変動を付加し、前記燃料電池スタックが発電する電流を制御する電流制御手段と、
    前記燃料電池スタックに供給される前記冷却水の出口における前記冷却水の出口温度を取得する温度測定手段と、
    制御手段と、を備え、
    前記制御手段は時間-温度プロファイル取得部と、記憶部と、判定部と、を備え、
    前記時間-温度プロファイル取得部は、前記燃料電池スタックに前記燃料ガス、前記酸化剤ガス、及び前記冷却水を所定の流量で流し、かつ、所定の負荷変動を付加した状態における、時間及び前記冷却水の出口温度の関係である時間-温度プロファイルを取得し、
    前記記憶部は、
    初期性能の前記燃料電池スタックに前記状態を適用したときにおける、時間及び前記冷却水の出口温度の関係である標準時間-温度プロファイルと、
    劣化した前記燃料電池セルを含む前記燃料電池スタックに前記状態を適用したときに得られる時間-温度プロファイル及び前記標準時間-温度プロファイルを比較したときに、前記標準時間-温度プロファイルよりも傾きが大きくなる時間及び劣化した前記燃料電池セルの積層位置を関係付けた時間-セル位置マップと、を記憶しており、
    前記判定部は、時間-温度プロファイル取得部により取得された前記時間-温度プロファイルと前記標準時間-温度プロファイルとを比較し、前記標準時間-温度プロファイルよりも傾きが大きくなる時間を取得し、前記時間-セル位置マップに基づいて、取得した前記時間に対応する前記燃料電池セルの積層位置を推定する、
    燃料電池システム。
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