JP2008262875A - 燃料電池システム及び燃料電池の出力診断方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】燃料電池システムにおいて、燃料電池の出力診断精度を向上させる。
【解決手段】反応ガスの供給を受けて発電を行う燃料電池2と、燃料電池2の出力を診断する出力診断手段5と、を備える燃料電池システム1である。出力診断手段5は、燃料電池2に供給される反応ガスに含まれる反応気体量が最大である時の燃料電池2の出力を診断対象出力として算出するとともに、診断対象出力が所定の判定値以上であるか否かを判定し、診断対象出力が前記判定値未満である場合に燃料電池2の出力が異常であると診断する。
【選択図】図1
【解決手段】反応ガスの供給を受けて発電を行う燃料電池2と、燃料電池2の出力を診断する出力診断手段5と、を備える燃料電池システム1である。出力診断手段5は、燃料電池2に供給される反応ガスに含まれる反応気体量が最大である時の燃料電池2の出力を診断対象出力として算出するとともに、診断対象出力が所定の判定値以上であるか否かを判定し、診断対象出力が前記判定値未満である場合に燃料電池2の出力が異常であると診断する。
【選択図】図1
Description
本発明は、燃料電池システム及び燃料電池の出力診断方法に関する。
現在、反応ガス(燃料ガス及び酸化ガス)の供給を受けて発電を行う燃料電池を備えた燃料電池システムが提案され、実用化されている。燃料電池システムは、反応ガスを燃料電池に供給する反応ガス供給系と、この反応ガス供給系を制御する制御装置と、を備えており、制御装置は、要求発電量に応じて燃料電池システム内の各機器の動作を制御し、要求発電量に応じた量の反応ガスを燃料電池に供給する。
このような燃料電池システムの燃料電池は、運転期間や運転条件に応じて劣化し、その最大出力が低下する。そこで、近年においては、燃料電池を構成する単電池の出力(電圧等)を定期的に監視し、燃料電池の使用開始当初の出力と現在の出力とに基づいて出力低下率を算出する出力診断技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載された技術によれば、算出した出力低下率に応じて、燃料電池の出力不足分を二次電池で補うことが可能となる。
特開2001−23667号公報
ところで、特許文献1に記載の技術における出力診断方法は、燃料電池の使用開始当初における電圧センサの検出値と、診断時の電圧センサの検出値と、を比較するものである。
しかし、電圧センサの検出値は、反応ガスの流量に応じて変動する。また、反応ガスに含まれる反応気体量(モル量)は、反応ガスの温度に応じて変動する。すなわち、反応ガス中の反応気体量及び温度は反比例の関係にあるため、同一流量の反応ガスで比較すると、低温時における反応気体量は高温時における反応気体量よりも多くなる。従って、同一流量であっても温度が異なる反応ガスを供給したときに検出した出力電圧は、同一条件で測定した出力電圧であるとはいえないことになる。
燃料電池の出力診断は長期間に亘って様々な温度環境下で行われるものであるが、前記した特許文献1に記載されたような従来の出力診断方法を採用すると、同一条件で測定された出力センサの検出値同士を比較判定することができないため、精度の良い出力診断を行うことができないという問題点があった。一方、均一な環境の検査空間に燃料電池を搬入して出力診断を行うことは、多大な労力や時間を要するため、現実的ではない。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、燃料電池システムにおいて、燃料電池の出力診断精度を向上させることを目的とする。
前記目的を達成するため、本発明に係る燃料電池システムは、反応ガスの供給を受けて発電を行う燃料電池と、この燃料電池の出力を診断する出力診断手段と、を備える燃料電池システムであって、出力診断手段は、燃料電池に供給される反応ガスに含まれる反応気体量が最大である時の燃料電池の出力を診断対象出力として算出するとともに、診断対象出力が所定の判定値以上であるか否かを判定し、診断対象出力が前記判定値未満である場合に燃料電池の出力が異常であると診断するものである。
また、本発明に係る出力診断方法は、反応ガスの供給を受けて発電を行う燃料電池を備える燃料電池システムの燃料電池の出力を診断する方法であって、燃料電池に供給される反応ガスに含まれる反応気体量が最大である時の燃料電池の出力を診断対象出力として算出する出力算出工程と、診断対象出力が所定の判定値以上であるか否かを判定し、診断対象出力が前記判定値未満である場合に燃料電池の出力が異常であると診断する出力判定工程と、を備えるものである。
かかる構成及び方法によれば、燃料電池に供給される反応ガスに含まれる反応気体量(モル量)が最大である時の燃料電池の出力を診断対象出力として、出力診断を行うことができる。従って、温度環境の変動に起因した反応気体量の変動の影響を排除した出力診断を行うことができるため、燃料電池の出力診断の精度を向上させることができる。ここで、「反応気体」とは、例えば燃料ガス中の水素や酸化ガス中の酸素等のように、燃料電池における電気化学反応により消費される気体そのものを意味する。また、「反応ガス」とは、例えば反応気体である水素が所定の濃度で含まれる燃料ガスや、反応気体である酸素が所定の濃度で含まれる酸化ガス等のように、反応ガス供給流路中を流れる流体を意味する。
前記燃料電池システムにおいて、燃料電池に反応ガスを供給する反応ガス供給装置と、燃料電池の出力を検出する出力センサと、燃料電池に供給される反応ガスの温度を検出する温度センサと、を備えることができる。かかる場合において、反応ガス供給装置の最大出力時における出力センサでの検出値と、温度センサでの検出値と、に基づいて診断対象出力を算出する出力診断手段を採用することができる。
また、前記燃料電池システムにおいて、燃料電池に酸化ガスを供給するコンプレッサを反応ガス供給装置として採用するとともに、コンプレッサの最大出力時における出力センサでの検出値を温度センサでの検出値に基づいて補正し、この補正後の値を診断対象出力とする出力診断手段を採用することができる。
また、前記燃料電池システムにおいて、複数の単電池を複数積層してなる燃料電池スタックを有する燃料電池を採用するとともに、燃料電池スタックの出力電圧又は燃料電池スタックを構成する単電池の出力電圧を検出する出力センサを採用することができる。
本発明によれば、燃料電池システムにおいて、燃料電池の出力診断精度を向上させることが可能となる。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態に係る燃料電池システム1について説明する。本実施形態においては、本発明を燃料電池車両(移動体)の車載発電システムに適用した例について説明する。
本実施形態に係る燃料電池システム1は、反応ガス(酸化ガス及び燃料ガス)の供給を受けて電力を発生する燃料電池2、酸化ガスとしての空気を燃料電池2に供給する酸化ガス配管系3、燃料ガスとしての水素ガスを燃料電池2に供給する燃料ガス配管系4、システム全体を統括制御する制御装置5等を備える。
燃料電池2は、例えば固体高分子電解質型で構成され、多数の単電池を積層した構造の燃料電池スタックを有する。燃料電池2の単電池は、イオン交換膜からなる電解質の一方の面に空気極を有し、他方の面に燃料極を有し、さらに空気極及び燃料極を両側から挟みこむように一対のセパレータを有している。一方のセパレータの燃料ガス流路に燃料ガスが供給され、他方のセパレータの酸化ガス流路に酸化ガスが供給され、このガス供給により燃料電池2は電力を発生する。
燃料電池2は、燃料電池スタックの両端に位置する単電池の外側に、順次、カバープレート、出力端子付きのターミナルプレート及び絶縁プレートを積層し、その外側にエンドプレートを配置して構成されている。燃料電池スタックの一端側のエンドプレートには、燃料電池スタック内に各種流体(酸化ガス、燃料ガス、冷媒)を供給する流体配管の接続部と、燃料電池スタック内を通過した各種流体を外部に排出する流体配管の接続部と、が設けられている。
また、燃料電池2には、電圧センサ21及び温度センサ22が設けられている。電圧センサ21は、燃料電池2の出力電圧を検出する。本実施形態においては、燃料電池スタック全体の出力電圧を検出する電圧センサ21を採用している。なお、1つの単電池の電圧を検出する電圧センサや、所定数の単電池を積層した組電池の電圧を検出する電圧センサを採用することもできる。温度センサ22は、燃料電池2内の温度を検出する。電圧センサ21及び温度センサ22の検出値は、後述する燃料電池2の出力診断に用いられる。
燃料電池2への酸化ガス及び燃料ガスの供給及び排出は、酸化ガス配管系3及び燃料ガス配管系4によりなされる。また、図示されていない冷媒配管系により燃料電池2への冷媒の供給がなされる。固体高分子電解質型の燃料電池2での電気化学反応は発熱反応であるが、冷媒の供給により、燃料電池2の温度は所定の温度範囲(例えば約60〜70℃)に保たれる。酸化ガス及び燃料ガスは、反応ガスと総称されるものである。また、燃料電池2から排出される酸化ガス及び燃料ガスは、それぞれ酸素オフガス及び燃料オフガスと称され、これらは反応オフガスと総称されるものである。以下では、酸化ガスとして空気(酸素)を例に、また、燃料ガスとして水素ガスを例に説明する。
酸化ガス配管系3は、燃料電池2に供給される酸化ガスが流れる空気供給流路31と、燃料電池2から排出された酸化オフガスが流れる排気流路32と、を有している。空気供給流路31には、フィルタ33を介して酸化ガスを取り込むコンプレッサ34と、コンプレッサ34により圧送される酸化ガスを加湿する加湿器35と、が設けられている。排気流路32を流れる酸化オフガスは、背圧調整弁36を通って加湿器35で水分交換に供された後、図示されていない希釈器において水素オフガスと合流して水素オフガスを希釈し、最終的に排ガスとしてシステム外の大気中に排気される。コンプレッサ34は、図示されていないモータの駆動により大気中の酸化ガスを取り込んで燃料電池2に供給するものであり、本発明における反応ガス供給装置の一実施形態として機能する。また、酸化ガス配管系3の空気供給流路31には、燃料電池2に供給される酸化ガスの流量及び温度を検出する流量センサ37及び温度センサ38が設けられている。
燃料ガス配管系4は、水素供給源41と、水素供給源41から燃料電池2に供給される水素ガスが流れる水素供給流路42と、燃料電池2から排出された水素オフガス(燃料オフガス)を水素供給流路42の合流点Aに戻すための循環流路43と、循環流路43内の水素オフガスを水素供給流路42に圧送する水素ポンプ44と、循環流路43に分岐接続された排気排水流路45と、を有している。
水素供給源41は、例えば高圧タンクや水素吸蔵合金などで構成され、所定圧力(例えば35MPa又は70MPa)の水素ガスを貯留可能に構成される。後述する遮断弁46を開くと、水素供給源41から水素供給流路42に水素ガスが流出する。なお、炭化水素系の燃料から水素リッチな改質ガスを生成する改質器と、この改質器で生成した改質ガスを高圧状態にして蓄圧する高圧ガスタンクと、から水素供給源41を構成してもよい。また、水素吸蔵合金を有するタンクを水素供給源41として採用することもできる。
水素供給流路42には、水素供給源41からの水素ガスの供給を遮断又は許容する遮断弁46と、水素ガスの圧力を調整するレギュレータ47と、インジェクタ48と、が設けられている。レギュレータ47は、その上流側圧力(一次圧)を、予め設定した二次圧に調圧する減圧弁である。インジェクタ48は、弁体を電磁駆動力で直接的に所定の駆動周期で駆動して弁座から離隔させることによりガス流量やガス圧を調整することが可能な電磁駆動式の開閉弁である。インジェクタ48は、その下流に要求されるガス流量を供給するために、インジェクタ48のガス流路に設けられた弁体の開口面積(開度)及び開放時間の少なくとも一方を変更することができるように構成されている。
循環流路43は、水素オフガスを水素供給流路42に戻すための戻り配管である。循環流路43には、気液分離器70及び排気排水弁71を介して、排気排水流路45が接続されている。気液分離器70は、水素オフガスから水分を回収する。排気排水弁71は、制御装置5からの指令によって作動することにより、気液分離器70で回収した水分と、循環流路43内の不純物を含む水素オフガス(燃料オフガス)と、を外部に排出(パージ)する。排気排水弁71及び排気排水流路45を介して排出される水素オフガスは、図示されていない希釈器において排気流路32内の酸化オフガス(空気)と合流して希釈される。
水素ポンプ44は、図示されていないモータの駆動により、循環系内の水素ガスを燃料電池2に循環供給する。このように、水素供給流路42の合流点Aの下流側流路と、燃料電池2のセパレータに形成される燃料ガス流路と、循環流路43と、によって水素ガスの循環系が構成される。循環系内を流れる流体には、水素オフガスのみならず、水素オフガスに比べると微量ではあるが、水分(生成水)、電解質膜を介して透過してきた窒素ガス、及び配管内のコンタミが含まれる。
制御装置5は、内部にCPU,ROM,RAMを備えたマイクロコンピュータとして構成される。CPUは、制御プログラムに従って所望の演算を実行して、種々の処理や制御を行う。ROMは、CPUで処理する制御プログラムや制御データを記憶する。RAMは、主として制御処理のための各種作業領域として使用される。
制御装置5は、車両に設けられた加速用の操作部材(アクセルペダル等)の操作量を検出し、加速要求値(例えばトラクションモータ等の負荷装置からの要求発電量)等の制御情報を受けて、システム内の各種機器の動作を制御する。なお、負荷装置とは、トラクションモータのほかに、燃料電池2を作動させるために必要な補機装置(例えばコンプレッサ34や水素ポンプ44の各モータ等)、車両の走行に関与する各種装置(車輪制御装置、操舵装置、懸架装置等)で使用されるアクチュエータ、乗員空間の空調装置(エアコン)、照明、オーディオ等を含む。
制御装置5は、図示していないコンピュータシステムによって構成されている。かかるコンピュータシステムは、CPU、ROM、RAM、HDD、入出力インタフェース及びディスプレイ等を備えるものであり、ROMに記録された各種制御プログラムをCPUが読み込んで所望の演算を実行することにより、後述する出力診断など種々の処理や制御を行う。
制御装置5には、燃料電池2の出力に相当する電圧センサ21及び電流センサ22での検出値が入力される。また、各配管系を流れる流体の圧力、温度、流量等を検出するセンサ(例えば、燃料電池2に設けられた温度センサ22、空気供給流路31に設けられた流量センサ37及び温度センサ38、図示していない外気温センサ等)の検出値が入力される。制御装置5は、要求発電量及び各センサの検出情報に基づき、コンプレッサ34、遮断弁46、インジェクタ48等を駆動制御して、燃料電池2内に要求発電量に応じた量の反応ガスを供給すると共に、排気排水弁71及び水素ポンプ44等を駆動制御して、パージ動作及び水素オフガスの循環を行う。そして、制御装置5は、燃料電池システム1の運転中に、燃料電池2の出力診断を行う。すなわち、制御装置5は、本発明における出力診断手段の一実施形態として機能する。
以下、図2のフローチャートを用いて、本実施形態に係る燃料電池システム1の燃料電池2の出力診断方法について説明する。
燃料電池2を構成する各単電池は、長期運転を行うとイオン交換膜や空気極等の経時劣化が起こり、これによりセル電圧の低下が引き起こされる。また、燃料電池2内の反応ガス流路にも目詰まりや漏れなどの劣化が起こる可能性があり、これらも出力低下の原因となる。なお、これ以外にも種々の理由により出力低下が引き起こされる。このような経時劣化が進行すると、燃料電池2の出力(発電量)が基準値に達しなくなる。具体的には、制御装置5が反応ガスを最大量供給しても燃料電池2の出力電圧が基準値に達しなくなる。
そこで、本実施形態においては、反応ガスに含まれる反応気体量を最大にしたとき、より具体的には、酸化ガス(空気)に含まれる酸素のモル量を最大にしたときの燃料電池2の出力電圧を求めて基準値に達しているか否か判定することにより、燃料電池2の出力診断を行う。本実施形態における出力診断方法の特徴は、最大出力で稼働させたコンプレッサ34から酸化ガスを供給したときの電圧センサ21の検出値を、酸化ガスの温度等に基づいて補正することにより、燃料電池2に供給される酸素のモル量が最大のときの出力電圧を算出し、この算出した出力電圧を診断対象出力とすることである。
図示していない操作部等からの診断開始信号を受けて、燃料電池2の出力診断を開始した制御装置5は、まず、システムが所定の診断対象出力を発揮可能な温度か否かを判定するため、燃料電池2内の温度を検出する温度センサ22の検出値に基づいて、燃料電池2が所定の運転温度に到達したか否かの判定を行う(温度判定工程:S1)。
制御装置5は、温度判定工程S1において、温度センサ22の温度が基準値以上であると判定した場合には、燃料電池システム1の運転状態を、酸化ガスの供給量を最大にした運転状態(コンプレッサ34の出力を最大にした運転状態)に切替える(酸化ガス最大供給工程:S2)。一方、制御装置2は、温度判定工程S1において、温度センサ22の温度が基準値未満であると判定した場合には、一定時間の燃料電池システム1の運転又は予熱を行い(運転継続工程:S3)、その後、温度判定工程S1に戻って処理を続行する。なお、制御装置2は、温度判定工程S1において温度センサ22の温度が基準値未満であると判定した場合に処理を終了することもできる。
酸化ガス最大供給工程S2に次いで、制御装置5は、燃料電池2に設けられた電圧センサ21の検出値を取得する(出力検出工程:S4)。また、制御装置5は、出力検出工程S4における出力電圧の検出と同じタイミングで、出力電圧の補正に用いる種々のデータ、具体的には、酸化ガス配管系3に設けた流量センサ37及び温度センサ38の検出値(実際に流れた酸化ガスの流量データ及び温度データ)を取得する。なお、酸化ガスは外気から取り入れられるので、酸化ガスの温度を直接的に測定する代わりに外気温を測定し、外気温に基づいて燃料電池2内に供給される酸化ガスの温度を推定することもできる。
次いで、制御装置5は、出力検出工程S4で得られたデータに基づき、出力電圧の補正を行う(出力補正工程:S5・S6)。補正処理は、例えば、以下の手順で行う。
まず、制御装置5は、酸化ガスの流量データ(流量センサ37の検出値)に基づき、出力電圧測定時における酸化ガスの流量が実際に最大流量であるか否かの判定を行い、最大流量である場合は、電圧センサ21の検出値がそのまま最大流量の時の出力電圧であるので、この値をそのまま用いる。一方、コンプレッサ34の不具合等に起因して実際の酸化ガスの流量が最大流量でない場合は、電圧センサ21の検出値を最大流量時の出力電圧に補正する。具体的には、流量と出力電圧との関係を規定するマップ等を用いて、最大流量時の出力電圧を求める第1の補正を行う(第1の出力補正工程:S5)。
次に、制御装置5は、酸化ガスの温度データ(温度センサ38の検出値)に基づき、出力電圧測定時における酸化ガス中の酸素のモル量(反応気体量)が最大であるか否かの判定を行い、最大値である場合には、特に補正を行うことなく次の工程に移行する。一方、最大値でない場合には、測定された出力電圧(第1の補正を行った場合は補正後の値)を、モル量最大時の出力電圧に補正する。具体的には、モル量と温度との関係を規定する関係式や、モル量と出力電圧との関係を規定するマップ等を用いて、モル量最大時の出力電圧を求める第2の補正を行う(第2の出力補正工程:S6)。
そして、制御装置5は、これら出力補正工程S5・S6を経て算出した出力電圧データを、診断対象出力として制御装置5のRAM等に記憶させる。出力補正工程S5・S6は、本発明における出力算出工程の一実施形態に相当するものである。
続いて、制御装置5は、出力補正工程S5・S6で得られた診断対象出力を、燃料電池2の使用開始当初における酸素のモル量最大時の出力電圧と比較し、出力低下量が所定の基準値以内であるか否か判定する(出力判定工程:S7)。ここで、燃料電池2の使用開始当初における酸素のモル量最大時の出力電圧から所定の基準値を減じた値は、本発明における所定の判定値に相当する。制御装置5は、出力低下量が基準値以内であれば(すなわち診断対象出力が所定の判定値以上であれば)、合格と判定し、基準値を越えていれば(すなわち診断対象出力が所定の判定値未満であれば)、経年劣化により規定の出力が得られないものとして、要交換と判定する。この後、制御装置5は、出力診断処理を終了する。
なお、本実施形態に係る燃料電池システム1は、所定の周期あるいはタイミングで燃料電池2の出力診断を行うことができる。例えば、制御装置5に格納されたプログラムにより、所定の条件を満たした時(例えば、車両停止指令信号を受けた時)に自動で出力診断を開始してもよいし、車両の定期点検時等に点検員の操作により手動で出力診断を開始してもよい。
以上説明した実施形態に係る燃料電池システム1においては、制御装置5が、燃料電池2の出力診断処理を行い、診断時の燃料電池2の出力が所定の判定値以上か否かによって、合格か否かを判定する。出力診断処理は、燃料電池2の出力電圧を検出する電圧センサの検出値をそのまま用いるのでなく、診断時の酸化ガスの流量及び温度に基づき、酸化ガス中の酸素のモル量(反応気体量)が最大の場合の燃料電池2の出力電圧を算出するように検出値を補正し、この補正した出力電圧を診断対象出力とするものである。このような補正を行うと、供給されたモル量が最大の場合の過去の出力電圧データと比較できる。すなわち、同一条件での過去の出力電圧データと現在の出力電圧データを比較することができるので、温度環境の変動に起因したモル量の変動の影響を排除した出力診断を行うことができるため、燃料電池2の出力診断の精度を向上させることができる。
なお、以上の実施形態においては、電圧センサ21で燃料電池2全体の出力電圧を検出して燃料電池2全体の出力診断を行った例を示したが、各単電池に電圧センサを設けて単電池毎に出力診断を行ったり、複数の単電池を積層したブロックごとに出力診断を行ったりすることもできる。このようにすれば、燃料電池2内のどの部分で出力が低下したのかを判定することができ、劣化した部分のみを交換することができる。
また、以上の実施形態においては、本発明に係る燃料電池システムを燃料電池車両に搭載した例を示したが、燃料電池車両以外の各種移動体(例えばロボット、船舶、航空機、電車等)に本発明に係る燃料電池システムを搭載することもできる。また、本発明に係る燃料電池システムを、建物(例えば住宅、ビル、工場等)用の発電設備として用いられる定置用発電システムに適用してもよい。
1…燃料電池システム、2…燃料電池、3…酸化ガス配管系(反応ガス供給系)、5…制御装置(出力診断手段)、21…電圧センサ(出力センサ)、34…コンプレッサ(反応ガス供給装置)、38…温度センサ。
Claims (5)
- 反応ガスの供給を受けて発電を行う燃料電池と、この燃料電池の出力を診断する出力診断手段と、を備える燃料電池システムであって、
前記出力診断手段は、前記燃料電池に供給される反応ガスに含まれる反応気体量が最大である時の前記燃料電池の出力を診断対象出力として算出するとともに、前記診断対象出力が所定の判定値以上であるか否かを判定し、前記診断対象出力が前記判定値未満である場合に前記燃料電池の出力が異常であると診断するものである、
燃料電池システム。 - 前記燃料電池に反応ガスを供給する反応ガス供給装置と、
前記燃料電池の出力を検出する出力センサと、
前記燃料電池に供給される反応ガスの温度を検出する温度センサと、を備え、
前記出力診断手段は、前記反応ガス供給装置の最大出力時における前記出力センサでの検出値と、前記温度センサでの検出値と、に基づいて前記診断対象出力を算出するものである、
請求項1に記載の燃料電池システム。 - 前記反応ガス供給装置は、前記燃料電池に酸化ガスを供給するコンプレッサであり、
前記温度センサは、前記燃料電池に供給される酸化ガスの温度を検出するものであり、
前記出力診断手段は、前記コンプレッサの最大出力時における前記出力センサでの検出値を前記温度センサでの検出値に基づいて補正し、この補正後の値を前記診断対象出力とするものである、
請求項2に記載の燃料電池システム。 - 前記燃料電池は、複数の単電池を複数積層してなる燃料電池スタックを有し、
前記出力センサは、前記燃料電池スタックの出力電圧又は前記燃料電池スタックを構成する前記単電池の出力電圧を検出するものである、
請求項2又は3に記載の燃料電池システム。 - 反応ガスの供給を受けて発電を行う燃料電池を備える燃料電池システムの前記燃料電池の出力を診断する方法であって、
前記燃料電池に供給される反応ガスに含まれる反応気体量が最大である時の前記燃料電池の出力を診断対象出力として算出する出力算出工程と、
前記診断対象出力が所定の判定値以上であるか否かを判定し、前記診断対象出力が前記判定値未満である場合に前記燃料電池の出力が異常であると診断する出力判定工程と、
を備える、
燃料電池の出力診断方法。
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