JP2022025745A - 流量調整弁 - Google Patents

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将和 永尾
Showa Nagao
裕章 那須
Hiroaki Nasu
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【課題】弁体が弁座に対して片当たりすることがなく、またステムの撓みを吸収することができる流量調整弁を提供すること。【解決手段】柱状部51のステム3端面と接する面51a及びステム3の柱状部51と接する面3aには、表面の磁極が異なる磁石8A、8Bが配設されている。磁石8は、磁力の高い、例えばネオジウム磁石等を使用することが好ましい。通常、磁石は磁極の異なる磁石同士が吸着した場合、吸着面と直交する方向には磁力の影響により強い力で引き合うが吸着面と平行な方向には容易く移動する。【選択図】 図1

Description

本発明は流量調整弁に関し、より詳しくは、アクチュエータから延設されるステムの撓み等による弁体・弁座の摩耗を防止する流量調整弁に関する。
流量調整弁、特に精密な流量制御が必要な電子バルブでは、弁体が弁座に着座した全閉位置を全閉検知信号から判断し、マイコン等の制御手段でモータ(例えば、ステッピングモータ)を制御し、広範囲のCv値制御を可能としている(例えば、特許文献1参照)。
一般に、この種の流量調整弁は、アクチュエータとしてのステッピングモータの回転を、ボールネジを介して直線運動に変換し、先端に弁体を形成したステムを移動させるようにしている。弁座に対して、弁体の先端の傾斜面が当接して流体の流れを阻止し、弁体が弁座から離間することで流体の流れを許容するようにしている。
また、全閉位置の検出方法として、アクチュエータとして用いるモータのトルクを検知し、ステム先端の弁体が着座することによって閾値を越えたことで全閉位置を検知する技術も公開されている(例えば、特許文献2参照)。
特公平07-058444号公報 国際公開第2018-199063号
図6に従来の流量調整弁100を示す。この流量調整弁100では、弁体5を弁座70対して当接離間するアクチュエータ4から延設されるステム3は、弁体5とネジを介して固定されている。またステム3は、ボンネット6内でシール部材60に囲繞され、流路20内の流体の外部への漏洩を抑制している。この種の流量調整弁10では、ステム3は比較的長尺となり、シール部材60の下端から弁座70間のステム3に撓みなどが発生すると、弁体5の弁座70と当接する当接部50が弁座70に対して片当たりすることとなり、弁体5の当接部50及び弁座70に偏摩耗が発生する。この摩耗が進行すると、流量調整弁100の全閉時に流体の漏れが発生する原因となる。これは、多くの場合には組立時に既に弁座70の軸心と弁体5の軸心とが若干ズレているにも拘らず、当初弁体5の当接部50や弁座70には摩耗が生じておらず、若干程度に撓んだ状態のステム3でも全閉時の漏れは殆ど生じることがなく、使用に伴って弁体5の片当たりによる摩耗が進行し、漏れに繋がると考えられている。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、弁体が弁座に対して片当たりすることがなく、またステムの撓みを吸収することができる流量調整弁を提供することである。
上記課題を解決するためになされた本発明に係る流量調整弁は、ボディ内部に形成される流入口と流出口とを連通する流路と、この流路に配設される端面に弁座を形成した筒状体と、弁座に当接離間し、流路を連通遮断する弁体と、弁体を移動させるアクチュエータとを備える流体調整弁であって、弁体は、弁座と当接する傾斜面を備えた当接部及びアクチュエータから延設されるステムと接続される柱状部が同軸上に形成され、柱状部のステム端面と接する面及びステムの柱状部と接する面には、表面の磁極が異なる磁石を配設するするようにしている。
この流量調整弁は、弁体の柱状部がステムと磁石を介して接続されるから、軸方向には強固に連結されるとともに、ステムの軸心に対して直交する方向へのずれは、弁体側が容易に移動し、ステムの軸心に対する撓みを吸収する。
この場合において、弁座を形成する筒状体は、流入口と連通し反流入口側の端面に弁座を形成する小径路と、小径路と同心で、前記弁体の柱状部が摺接する小径路よりも大径の大径路と、大径路と流出口とを連通する排出路とから構成することができる。筒状体の大径路に、弁体の当接部と同心の柱状部が摺接することで、弁体が筒状体である弁座の軸心からズレることがない。
本発明に係るバルブによれば、弁体の柱状部とステムが磁石によって連結されているから、弁体はステムに対し軸心と直交する方向に移動可能となっている。そのためステムが多少撓んだ場合でもステムの軸心のみが弁座の軸心からズレ、弁座の軸心に対して弁体の軸心がズレることなく、弁体及び弁座に偏荷重が係ることを抑制することができる。
本発明に係る流量調整弁の全閉状態を示す一部切り欠きの正面断面図である。 同流量調整弁の全開状態を示す一部切り欠きの正面断面図である。 同流量調整弁の弁体とステムの接合部を示す概略図で、(a)弁座の軸心に対し、ステムの軸心がLだけズレた状態の接合部を示す一部切欠き断面の正面図、(b)は(a)の状態からステムが全閉状態に移動し、弁体の軸心がステムの軸心よりLだけズレて弁座の軸心と一致した状態を示す。 同流量調整弁の別の実施例を示す一部切り欠きの正面断面図である。 同別の実施例の流量調整弁の弁座及び弁体部を示す概略図で、(a)は弁座を形成する筒状体の断面斜視図、(b)は筒状体に弁体を組み込んだ状態を示す斜視図である。 従来の流量調整弁の全閉状態を示す一部切り欠きの正面断面図である。
以下、本発明に係るバルブの好適な実施形態について、図面を参照しながら説明する。この実施例に記載されている構成部品の形状、その相対的配置等は特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例に過ぎない。また、便宜的に図面上での方向によって部材等の方向を上下左右と指称することがあるが、これらは本発明の範囲を限定するものではない。
<実施形態1>
本第1の発明に係る流量調整弁1の実施形態を、図1~図3に示す。
本発明に係る流量調整弁1は、ボディ2内部に形成される流入口21と流出口22とを連通する流路20と、この流路20に配設される端面に弁座70を形成した筒状体7と、弁座70に当接離間し、流路20を連通遮断する弁体5と、弁体5を移動させるアクチュエータ4とを備えている。
そして、弁体5は、弁座70と当接する傾斜面を備えた当接部50及びアクチュエータ4から延設されるステム3と接続される柱状部51が同軸上に形成される。本実施形態では、当接部50の反対側に雄ねじ形成し、柱状部51の一端面に形成した雌ねじに螺合するようにしている。
そして、柱状部51のステム3端面と接する面51a(柱状部51の他端面)及びステム3の柱状部51と接する面3aには、表面の磁極が異なる磁石8A、8B(以下、単に磁石8ということがある。)が配設されている。磁石8は、磁力の高い、例えばネオジウム磁石等を使用することが好ましい。通常、磁石は磁極の異なる磁石同士が吸着した場合、吸着面と直交する方向には磁力の影響により強い力で引き合うが吸着面と平行な方向には容易く移動する。本発明では、この磁石の性質を利用し、ステム3が組立時等に撓んだ状態でも、弁体5の軸心と弁座70との軸心は保持した状態で、弁体5とステム3の軸心はステム3が撓んだ分だけずれるものの、接続状態を維持し、流量調整弁としての機能を発揮するようにしたものである。
[アクチュエータ]
アクチュエータ4は、弁体5を弁座70に対し当接離間するようにステム3を上下動させるものであれば特に限定するものではないが、本実施形態ではステッピングモータを採用している。アクチュエータ4のステッピングモータの回転軸は、アクチュエータ4内に上下動可能に備えられたスライダ(図示省略)に配設されるボールネジと接続されている。このボールネジによって、ステッピングモータの回転運動をスライダの直進運動に変換し、スライダに接続されるステムを軸方向に移動させるようにしている
[ボディ]
流入口21、流出口22及びこれらを連通する流路20を形成するボディ2は、その上部に、ステム3が挿通されるボンネット6が配置される。ボンネット6は、ボンネットナット62によってボディ2に固定される。ボンネット6内にはボディ2内を流通する流体が外部に漏洩することを防止する環状のシール部材60が配設され、ボンネット6の上部に螺合するグランドナット61によってシール部材60は固定されている。
ボンネット6の外周面中央部には雄ネジが形成されており、アキュムレータ4から延設される脚部40Aの下部に形成された内周面に雌ネジを備えた環状の取付部が螺合され、ロックナット40Bによって固定される。脚部40Aは、2本のバー形状で、アキュムレータ4と環状の取付部と一体構造、例えば鋳物構造であっても構わない。
流路20に形成される弁座70は、ボンネット6と同心上の適所に形成されるもので、本実施形態では、ボディ2に螺合するよう外周面に雄ネジが刻設された筒状体7の内周端面に形成するようにしている。
ボディ2に螺合される弁座70を形成する筒状体7の適所にはOリング等のシール部材を配設し、流入口21側からの流体が流出口22側に漏洩することを防止するようにしている。
[弁体]
弁体5は、従来例ではステム3の端面(下端面)に形成されるネジ穴3b雌ねじに螺合されていたが、本実施例では、弁体5の柱状部51の一端面に形成した雌ねじに、当接部50の反対側に形成した雄ねじを螺合するようにして一体化し、柱状体51の他端面51aに磁石8Aを配設するようにしている。他端面51aには磁石の形状に合わせた切欠部を形成し、磁石8Aは柱状部51が磁性体であれば端に載置するだけでも構わないが脱落防止の観点から接着剤やねじ止めなどによって固定することが好ましい。
次に、ステム3の軸心S1が弁座70の軸心S0に対し偏心した状態で組み立てられた時(組立時において弁体5の軸心も弁座70の軸心に対して偏心した状態となる)の、弁体5の軸心補正について説明する。
例えば、図3(a)に示すように、ステム3が組立時の撓みなどによって弁座70の軸心S0に対し正面視で右にLだけズレている場合、アクチュエータ4の作動によって全開状態(図3(a)参照)からステム3が下降を始めると、弁体5の当接部50の右側が先に当接し、なおもステム3が下降すると弁体5は、軸方向の規制は抑制されているものの、上述した通り、磁石の特性によって軸心に直交する方向には移動可能に構成されているから、下側に移行しつつ、軸心に直交する左側に移動する(図3(b)参照)。そして、弁座70に対して当接部50が均一に当接した状態で、弁体5の下側への移行は止まり全閉位置検知手段(図示省略)によって全閉位置が検知され、全閉位置として記録し、アクチュエータ4(例えば、ステッピングモータ)の基本位置として制御装置(図示省略)に記録され、流量調整弁1の運転制御行う。このように、組立時に生じたステムの若干の撓みやズレに限られず、経年変化によって生じることのあるステム3の撓みにたいしても、本発明の流量調整弁1では、弁体5の軸心は弁座70の軸心に対してずれることなく、ステムの撓みによって生じる弁体5及び弁座70の偏摩耗を防止し、流体の漏れを確実に抑制することができる。
<実施形態1の別の実施例>
本第1の発明に係る流量調整弁10の実施形態の別の実施例を、図4~図5に示す。
この流量調整弁10は、弁座70を形成する筒状体7の形状が異なる以外、実施形態1と同様の構成であり、同様の構成についてはその説明を省略する。
本実施例に使用する筒状体7は、図5(a)に示すように、流入口21と連通し反流入口側の端面7aに弁座70を形成する小径路71と、小径路71と同心で、弁体5の柱状部51のが摺接する大径路72と、大径路72と流出口22とを連通する排出路73とを備えている。排出路73の数は、特に限定するものではないが、周方向に複数形成することが好ましい。
大径路72に柱状部51を摺接させることで、組立時の弁体5が弁座70に着座する前から、換言するとアキュムレータ4を作動し、開弁状態から閉弁状態に移行させることなく両者の軸心は一致し、ステム3の軸心がズレているときは開弁状態の時から、弁体5の軸心は、ステム3の軸心から移動し、弁座70の軸心と一致し、その位置を保持する。
本発明の流量調整弁は、弁体と弁座の軸心のズレが生じることがなく経年変化による流体の漏れを抑制することができるから、流体の精密な制御用として、また、カロリーメータの冷媒制御、水素燃料、圧縮天然ガス等の流量制御を行うための流量調整弁として好適に用いることができる。さらに、ステムと弁体を取り換えることで、既設の流量調整弁の改造の用途にも用いることができる。
1 流量調整弁
2 ボディ
20 流路
21 流入口
22 流出口
3 ステム
4 アクチュエータ
5 弁体
50 当接部
51 柱状部
52 幅広溝部
53 幅狭溝部
6 ボンネット
7 筒状体
70 弁座
71 小径路
72 大径路
73 排出路
8 磁石
8A 磁石
8B 磁石

Claims (2)

  1. ボディ内部に形成される流入口と流出口とを連通する流路と、
    該流路に配設される端面に弁座を形成した筒状体と、
    該弁座に当接離間し、前記流路を連通遮断する弁体と、
    該弁体を移動させるアクチュエータとを備える流体調整弁であって、
    前記弁体は、前記弁座と当接する傾斜面を備えた当接部及びアクチュエータから延設されるステムと接続される柱状部が同軸上に形成され、
    前記柱状部の前記ステム端面と接する面及び前記ステムの前記柱状部と接する面には、表面の磁極が異なる磁石を配設した流量調整弁。
  2. 前記筒状体は、流入口と連通し反流入口側の端面に弁座を形成する小径路と、
    該小径路と同心で、前記弁体の柱状部が摺接する大径路と、
    大径路と流出口とを連通する排出路とを備えた請求項1に記載の流量調整弁。

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