JP2022023749A - フッ素ゴムと繊維強化樹脂の直接接着法 - Google Patents

フッ素ゴムと繊維強化樹脂の直接接着法 Download PDF

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洋平 宇津木
Yohei Utsuki
毅 大貫
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Abstract

【課題】フッ素ゴムと繊維強化樹脂の直接接着法の提供。【解決手段】パーオキサイド加硫のできるフッ素ゴムコンパウンドとビスマレイミド化合物が含有されたマトリックス樹脂にて含浸された繊維強化樹脂プリプレグを密着させ熱硬化する。【選択図】なし

Description

本発明は異種材料の接着技術に関し、具体的には含フッ素エラストマー(以下FKMと略す)と繊維強化樹脂(以下FRPと略す)の接着に関する。
ガラス繊維や炭素繊維等の基材にマトリックス樹脂を含浸させたプリプレグを、熱などで硬化させて得られるFRPは、軽量、且つ強度に優れていることから、金属の代替材料として広く使用されている。
FRPのマトリックス樹脂となる熱硬化性組成物は、複数の官能基を有するモノマーやオリゴマーの複合物から成り立っており、得られるFRPの特性を決定付ける要素になっている。
例えばビスマレイミド化合物とビスフェノール化合物からなる熱硬化性組成物は、得られる硬化物のガラス転移点温度が200℃以上におよぶことから、耐熱性FRP用のマトリックス樹脂として知られている(特許文献1)。
一方、FKMは一般的に最も耐熱性に優れたエラストマー材料であることが知られているが、その耐熱温度も200℃を超える。
これら耐熱性を有するFRPとFKMの接着された複合材料は、軽量で高強度、且つ耐熱性を有するゴム弾性を持った材料として期待される。
具体的にはFRP側から見れば、緩衝性、絶縁性、シール性、制振性等の機能を付与することができ、FKM側から見れば、既存の金属や繊維等の材料に替わる補強性を付与することができる。
しかし、このようなFRPとFKMの複合材料を得る場合、FRPとFKMの界面を十分に接着する必要が生じる。
例えば、接着剤を用いて界面を接着する方法があるものの、その場合は接着強度の他、接着剤の耐熱性等も考慮に入れなくてはならず、可能であればFRPとFKMを簡単、且つ直接的に接着できることが好ましい。
WO2006-115702A1
ゴム工業便覧第4版,日本ゴム協会
FKMとFRPの直接接着法を提供することを課題とした。
上記課題を解決するために、パーオキサイド加硫のできるFKMコンパウンドとビスマレイミド化合物が含有されたマトリックス樹脂にて含浸されたFRPプリプレグを密着させ熱硬化することでFKMとFRPの複合材料を得た。
本発明を遂行することにより得られた、耐熱性を有するFKMとFRPの複合材料は、軽量で高強度、且つ耐熱性を有するゴム弾性を持った材料として期待される。
以下、本発明の具体的な実施形態について説明する。
本発明で用いられるFKMは、パーオキサイド加硫のできるFKMを選択する必要があり、例えば、ダイエルG801、ダイエルG-952、ダイエルG-901、ダイエルG-902、ダイエルG-912(何れもダイキン工業株式会社製)等が市販され、入手することができる。
FKMは加硫(硬化)に必要な過酸化物架橋剤(パーオキサイド)および架橋助剤(トリアリルイソシアヌレート)からなる必須成分と、その他カーボンブラックや無機フィラー等が添加されたゴムコンパウンドに調製される。
本発明において、FKMゴムコンパウンドの組成内容や調製方法についてはパーオキサイド加硫が可能な状態であれば任意であるが、FKMメーカーが推奨する配合処方が好ましい。
一方、FRPは炭素繊維やガラス繊維に課題を達成させるべく適切に調製されたマトリックス樹脂を含浸させ、プリプレグを作製する。
マトリックス樹脂の組成に関しては、主となる熱硬化性樹脂に対して単一または複数のビスマレイミド化合物を併用することが必須となり、ビスマレイミド化合物はマトリックス樹脂の耐熱性、即ちガラス転移点温度を向上させるだけではなく、FKMとFRPを接着させる機能も兼ね備える故に必須となる。
主となる熱硬化性樹脂とは、熱硬化性のフェノール樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ジアリルフタレート樹脂等を指すが、ビスフェノール化合物が好ましく、特に2,2’-ジアリルビスフェノールA(以下DABPAと略す)が好適である。
一方ビスマレイミド化合物としては、化学構造的に芳香族、脂肪族、脂環式ビスマレイミド類の中から選択することができ、必要に応じてそれらを複数併用することもできる。
例えば、芳香族ビスマレイミド化合物は、耐熱性の面で好ましく、代表的な化合物として4,4’-ジフェニルメタンビスマレイミド(以下BMIと略す)が挙げられる。
また、脂肪族ビスマレイミド化合物は、マトリックス樹脂のハンドリング性を改善し、代表的な化合物として2-メチルペンタン-1,5-ビスマレイミド(以下2MPBMと略す)が挙げられる。
更には、脂環式ビスマレイミド化合物は、着色の少ないビスマレイミド化合物であり、代表的な化合物として1-マレイミド-3-マレイミドメチル-3,5,5-トリメチルシクロヘキサン(以下IPBMと略す)が挙げられる。
マトリックス樹脂組成中のビスマレイミド化合物の適切な重量比率は30~70wt%であり、含有量を高めるほど耐熱性が向上するが、マトリックス樹脂の粘度も高まり、樹脂のハンドリング性が悪化する。
例えば、BMIまたはIPBMを単独で使用する場合、ハンドリング性が損なわない程度に樹脂粘度を調整するには、重量比率は30~40wt%に制限される。
ビスマレイミド化合物の含有量を高め、且つ樹脂のハンドリング性を確保するには、BMIやIPBMと共に2MPBMを併用する。
その場合のビスマレイミド化合物中の2MPBMの重量比率は10~60wt%であり、その範囲で適切な粘度になるように調整すればよい。
その他、ビスマレイミドとビスフェノール以外にも必要に応じて添加剤を添加することができる。例えば、可塑剤、開始剤、硬化促進剤、無機フィラーや着色剤等が該当し、ハンドリング性や耐熱性、接着性を著しく損なわないものであれば、任意に添加をすることができる。
マトリックス樹脂の作製手法は、溶融混合による一般的なものである。即ち耐腐食性のあるガラスやプラスチック、金属性の容器に各材料を入れ、所定温度で加熱・混合し、溶融混合物(マトリックス樹脂)を得るが、各構成材料の完溶とゲル化防止の観点から混合温度は80~130℃の範囲が好ましい。
また、FRP化に用いる繊維類に関しても市販されているものが使用される。ガラス繊維や炭素繊維を細断したものや、繊維を集束し、織って糸やシート化したものが使用され、用途に応じて使い分けることができる。
プリプレグの作製は繊維類へマトリックス樹脂を含浸させることで得られ、具体的には予め余熱をした繊維へ同じく余熱をしたマトリックス樹脂を、ヘラ等を用いて繊維へ均一に含浸させる。余熱温度はマトリックス樹脂の粘度によるが、およそ80~130℃の範囲が好ましい。
以上、得られたパーオキサイド加硫のできる調製された未加硫のFKMゴムコンパウンドとビスマレイミドが含有されたマトリックス樹脂が含浸された硬化前のプリプレグを張り合わせ(密着させ)、熱硬化させることでFKMとFRPの複合材料が得られる。
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
[FRP用マトリックス樹脂の組成および調製と樹脂のハンドリング性]
試験結果を表1に示す。
Figure 2022023749000001
表1に示す各樹脂組成物は、ポリプロピレン製容器へ各材料を所定の重量比率で計り取り、130℃で30分間攪拌混合することで各組成物が完溶し、樹脂組成物を得た。
各樹脂組成物の粘度は、ガラス繊維リボン上に樹脂を一定量載せ、80℃で30分間加熱静置した後の状態を観察することで評価を行った。ガラス繊維上の樹脂が繊維へ染み込むほど樹脂の粘度が低く、繊維に対する含浸性も高い。繊維に対して容易に含浸したものを○印、悪かったものを×印とした。
組成3の樹脂組成物では、全ビスマレイミド含有量が60%であっても粘度が低く、繊維に対して十分な含浸性を有する。一方2MPBMが含有されていない場合は、組成2の如く十分に含浸させるには、ビスマレイミド化合物(BMI)の含有量を30wt%まで減ずる必要があった。
ビスマレイミドの析出性(耐再結晶性)は樹脂組成物を作製した後、室温下で2週間静置した後の状態を観察し評価したものであり、析出が起こらなかったものを○、起きたものを×とした。
組成3では室温下2週間静置後でも析出が起こらなかったが、組成1では翌日には析出が起き、組成3並みに析出を抑制させるためには、組成2の如くBMIの含有量を30wt%まで減量させる必要があった。
[各マトリックス樹脂を用いた炭素繊維プリプレグの調製および耐熱性能評価]
表1に示す各樹脂組成物を用いたプリプレグの作製法は次の通りである。
100℃の雰囲気下で炭素繊維シート(トレカクロスCO6151B、トレカクロスCO6347B、東レ株式会社製)に各マトリックス樹脂を含浸させ、1、3層目にCO6151Bを2層目にCO6347Bとなるように3枚積層し、CFRPプリプレグを得た。
プリプレグに用いたマトリックス樹脂の組成および、参考として得られたプリプレグの硬化後のガラス転移点温度を表2に示す。(硬化条件:180℃/90分の型による一次硬化および、200℃/2時間、220℃/2時間、230℃/2時間の熱空気下での二次硬化)
Figure 2022023749000002
[FKMコンパウンドの配合および調製]
次にFKMの配合内容を表3に示す。
Figure 2022023749000003
表3におけるFKM配合内容は、密閉式混合機による一般的な混練り方法に従ってコンパウンドを作製し、詳しくはFKMに表3で示したMTカーボンブラックを混練し、その後オープンロールにてパーヘキサ25B-40(パーオキサイド)とトリアリルイソシアヌレート(架橋助剤)を添加し、シート化することでFKM未加硫コンパウンドを得た。
[FKMとCFRPプリプレグの加硫接着および剥離試験]
実施例1
各マトリックス樹脂が含浸されたプリプレグ(硬化前)を10mm×60mmの短冊に調製し、10mm×10mm(FKMとの接着面)を残してマスキングをした。次にプリプレグの短冊を未加硫FKMコンパウンドのシートへ乗せ、密着させ、160℃に余熱をした2mm厚の加硫金型にセットして15分および、180℃/90分の加圧加硫接着を行った。その後、金型から外して熱空気下で200℃/2時間、220℃/2時間、230℃/2時間の二次硬化を行い、剥離試験用試料を得た。
比較例1
各マトリックス樹脂が含浸されたプリプレグを予め硬化(180℃/90分の型による一次硬化)し、実施例1と同様にマスキングを行った。次に一次硬化したプリプレグの短冊を未加硫FKMコンパウンドのシートへ乗せ、実施例1と同様に金型による加圧加硫接着と熱空気による二次硬化を行い、剥離試験用試料を得た。
比較例2
比較例1と同様に一次硬化したプリプレグの接着面(10mm×10mm)へ、プリプレグに使用したものと同じマトリックス樹脂を接着剤として塗布し、比較例1と同様に未加硫FKMコンパウンドと加圧加硫接着と熱空気下での後硬化を行い、剥離試験用試料を得た。
直接加硫接着の試験結果を表4に示す。
Figure 2022023749000004
接着性は、得られた各試験片の引張試験機による180°剥離試験を行い、剥離状態を観察した。FKM/CFRP間の界面で剥離が起こらず、FKM側(ゴム側)の破壊が起こったものを○印、FKM/CFRP間の界面で部分的に剥離が起こったものを△印、まったく接着しなかったものを×印とした。
その結果、実施例1にて何れのマトリックス組成で含浸したプリプレグとFKM間でも接着が確認された。
一方、接着位置のずれとは、CFRP/FKMの加硫接着時に起こる接着点のずれのことを指す。目視による確認により、ずれがほとんど生じない場合は○印。ずれが多少生じた場合は△印とした。
その結果、マトリックス樹脂組成3の接着位置のずれが最小であり、同樹脂組成のハンドリング性の良さが確認できた。
以上より、本発明に従えば、パーオキサイド加硫のできるFKMコンパウンドとビスマレイミド化合物が含有されたマトリックス樹脂にて含浸されたFRPプリプレグを密着させ熱硬化することで、FKMとFRP間で接着が起こり、FKMとFRP複合物を得ることができた。

Claims (4)

  1. ビスマレイミド化合物を含有した熱硬化性樹脂組成物からなるマトリックス樹脂をガラス繊維または炭素繊維に含浸させたプリプレグとパーオキサイド加硫が可能なフッ素ゴム組成物を張り合わせ、硬化させて得られるフッ素ゴムと繊維強化樹脂が接着した複合材料。
  2. 請求項1で用いられるビスマレイミド化合物が、化1で示す2-メチルペンタン-1,5-ビスマレイミドを含有する、フッ素ゴムと繊維強化樹脂が接着した複合材料。
    Figure 2022023749000005
  3. 請求項1で用いられるビスマレイミド化合物を、マトリックス樹脂重量比で30~70wt%含有する、フッ素ゴムと繊維強化樹脂が接着した複合材料。
  4. 請求項2のビスマレイミド化合物中、化1で示す2-メチルペンタン-1,5-ビスマレイミドを10~60wt%含有する、フッ素ゴムと繊維強化樹脂が接着した複合材料。
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