JP2022023704A - プラスグレルを有効成分とする錠剤及び口腔内崩壊錠の製造方法、並びに医薬製剤 - Google Patents

プラスグレルを有効成分とする錠剤及び口腔内崩壊錠の製造方法、並びに医薬製剤 Download PDF

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Tatsuya Maehara
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Abstract

【課題】苦みが低減されたプラスグレル含有医薬製剤及びその製造方法を提供することを課題とする。【解決手段】錠剤又は口腔内崩壊錠の製造方法において、プラスグレルと、クエン酸塩及び甘味剤を含む錠剤用添加物とを混合すること、又は、プラスグレル及び賦形剤の混合物と、結合剤を含む造粒液とを用いて、湿式造粒によりプラスグレルを含む粒子を得ること、又は、該湿式造粒により得たプラスグレルを含む粒子を水不溶性高分子で被覆すること、又は、プラスグレルを含む混合物と、結合剤及び賦形剤を含む粒子と、甘味剤及び香料を含む錠剤用添加物とを混合することにより、上記の課題を解決する。【選択図】なし

Description

本発明は、プラスグレルを有効成分とする錠剤及び口腔内崩壊錠の製造方法に関する。本発明は、有効成分としてプラスグレルを含む医薬製剤に関する。本発明は、プラスグレル含有医薬製剤における苦味の低減方法に関する。
プラスグレルは、下記の式(I)で示される化合物であり、その化学名は、5-[(1RS)-2-シクロプロピル-1-(2-フルオロフェニル)-2-オキソエチル]-4,5,6,7-テトラヒドロチエノ[3,2-c]ピリジン-2-イル アセテートである。プラスグレルは、経皮的冠動脈形成術(PCI)が適用される予定の急性冠症候群(不安定狭心症、非ST上昇心筋梗塞又はST上昇心筋梗塞)、安定狭心症又は陳旧性心筋梗塞の患者に用いられる。特許文献1には、プラスグレルを含む医薬組成物にエデト酸塩などのキレート剤を含有させることで、貯蔵安定性が改善されることが記載されている。
Figure 2022023704000001
国際公開第2011/052499号
プラスグレルは苦みを呈することが知られており、服薬コンプライアンスの観点から、プラスグレル含有医薬製剤の苦みのマスキングが求められる。本発明は、苦みを低減したプラスグレル含有医薬製剤及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、プラスグレルと、クエン酸塩及び甘味剤を含む錠剤用添加物とを混合して、打錠用混合物を得る工程と、打錠用混合物を圧縮成型して錠剤を得る工程とを含む、プラスグレルを有効成分とする錠剤の製造方法を提供する。また、本発明は、プラスグレルと、クエン酸塩及び甘味剤を含む錠剤用添加物と、崩壊性粒子とを混合して、打錠用混合物を得る工程と、打錠用混合物を圧縮成型して口腔内崩壊錠を得る工程とを含む、プラスグレルを有効成分とする口腔内崩壊錠の製造方法を提供する。
本発明は、プラスグレル及び賦形剤の混合物と、結合剤を含む溶液又は懸濁液とを用いて、湿式造粒により、プラスグレルを含む粒子を得る工程と、該粒子を乾燥させる工程と、乾燥させた粒子と、甘味剤を含む錠剤用添加物とを混合して、打錠用混合物を得る工程と、打錠用混合物を圧縮成型して錠剤を得る工程とを含む、プラスグレルを有効成分とする錠剤の製造方法を提供する。また、本発明は、プラスグレル及び賦形剤の混合物と、結合剤を含む溶液又は懸濁液とを用いて、湿式造粒により、プラスグレルを含む粒子を得る工程と、該粒子を乾燥させる工程と、乾燥させた粒子と、甘味剤を含む錠剤用添加物と、崩壊性粒子とを混合して、打錠用混合物を得る工程と、打錠用混合物を圧縮成型して口腔内崩壊錠を得る工程とを含む、プラスグレルを有効成分とする口腔内崩壊錠の製造方法を提供する。
本発明は、プラスグレル及び賦形剤の混合物と、結合剤を含む溶液又は懸濁液とを用いて、湿式造粒により、プラスグレルを含む粒子を得る工程と、該粒子を乾燥させる工程と、水不溶性高分子を含む溶液又は懸濁液を用いて、乾燥させた粒子をコーティングする工程と、コーティングした粒子と、錠剤用添加物とを混合して、打錠用混合物を得る工程と、打錠用混合物を圧縮成型して錠剤を得る工程とを含む、プラスグレルを有効成分とする錠剤の製造方法を提供する。また、本発明は、プラスグレル及び賦形剤の混合物と、結合剤を含む溶液又は懸濁液とを用いて、湿式造粒により、プラスグレルを含む粒子を得る工程と、該粒子を乾燥させる工程と、水不溶性高分子を含む溶液又は懸濁液を用いて、乾燥させた粒子をコーティングする工程と、コーティングした粒子と、錠剤用添加物と、崩壊性粒子とを混合して、打錠用混合物を得る工程と、打錠用混合物を圧縮成型して口腔内崩壊錠を得る工程とを含む、プラスグレルを有効成分とする口腔内崩壊錠の製造方法を提供する。
本発明は、賦形剤と、結合剤を含む溶液又は懸濁液とを用いて、湿式造粒により、賦形剤及び結合剤を含む粒子を得る工程と、該粒子を乾燥させる工程と、乾燥させた粒子と、プラスグレル及び賦形剤の混合物と、香料及び甘味剤を含む錠剤用添加物とを混合して、打錠用混合物を得る工程と、打錠用混合物を圧縮成型して錠剤を得る工程とを含む、プラスグレルを有効成分とする錠剤の製造方法を提供する。また、本発明は、賦形剤と、結合剤を含む溶液又は懸濁液とを用いて、湿式造粒により、賦形剤及び結合剤を含む粒子を得る工程と、該粒子を乾燥させる工程と、乾燥させた粒子と、プラスグレル及び賦形剤の混合物と、香料及び甘味剤を含む錠剤用添加物とを混合して、打錠用混合物を得る工程と、打錠用混合物を圧縮成型して錠剤を得る工程とを含む、プラスグレルを有効成分とする口腔内崩壊錠の製造方法を提供する。
本発明は、有効成分としてのプラスグレルと、クエン酸塩と、甘味剤とを含む医薬製剤を提供する。本発明は、有効成分としてプラスグレルを含む粒子と、甘味剤とを含む医薬製剤を提供する。本発明は、有効成分としてプラスグレルを含む粒子であって、水不溶性高分子を含むマスキング層で被覆された粒子を含む医薬製剤を提供する。本発明は、有効成分としてプラスグレルを含む混合物と、賦形剤及び結合剤を含む粒子と、香料と、甘味剤とを含む医薬製剤を提供する。
本発明は、クエン酸塩と甘味剤とを含有させることによる、プラスグレル含有医薬製剤における苦味の低減方法を提供する。また、本発明は、賦形剤及び結合剤を含む粒子と、香料と、甘味剤とを含有させることによる、プラスグレル含有医薬製剤における苦味の低減方法を提供する。
本発明によれば、苦みが低減されたプラスグレル含有医薬製剤及びその製造方法が提供される。
[1.直接打錠法による製造方法]
(錠剤の製造方法)
第1の実施形態は、直接打錠法(直接粉末圧縮法とも呼ばれる)による、プラスグレルを有効成分とする錠剤の製造方法である。この製造方法では、まず、プラスグレルと、クエン酸塩及び甘味剤を含む錠剤用添加物とを混合して、打錠用混合物を得る。そして、得られた打錠用混合物を圧縮成型して、プラスグレルを有効成分とする錠剤を得る。この製造方法で得られる錠剤では、クエン酸塩及び甘味剤を含むことにより、プラスグレルの苦みが低減される。
本明細書において「プラスグレル」との用語は、上記の式(I)で示される化合物、その鏡像異性体及びそれらの混合物、並びにそれらの薬学的に許容される塩及びそれらの溶媒和物を包含する。上記の式(I)で示される化合物の鏡像異性体は、上記の式(I)におけるベンジル基のα位の不斉炭素に由来する。薬学的に許容される塩とは、有効成分の化合物と、ヒトを含む哺乳動物への投与が許容される有機又は無機の酸とから形成される塩をいう。そのような薬学的に許容される塩としては、例えば、ハロゲン化水素酸塩(塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩など)、無機酸塩(硝酸塩、硫酸塩、リン酸塩など)、低級アルキルスルホン酸塩(メタンスルホン酸塩、トリフルオロメタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩など)、アリールスルホン酸塩(ベンゼンスルホン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩など)、有機酸塩(酢酸塩、リンゴ酸塩、フマル酸塩、コハク酸塩、クエン酸塩、アスコルビン酸塩、酒石酸塩、シュウ酸塩、マレイン酸塩など)、アミノ酸塩(グリシン塩、リジン塩、アルギニン塩、オルニチン塩、グルタミン酸塩、アスパラギン酸塩など)などが挙げられる。本実施形態では、有効成分としてプラスグレル塩酸塩が好ましい。
薬学的に許容される溶媒和物とは、有効成分の化合物と、ヒトを含む哺乳動物への投与が許容される溶媒とから形成される固体分子をいう。そのような溶媒としては、例えば水、酢酸、エタノールなどが挙げられる。
本実施形態では、プラスグレルの形状は、固体であれば特に限定されず、例えば粉末、結晶などのいずれの形状であってもよい。それらの中でも、プラスグレルの粉末を用いることが好ましい。プラスグレルの粉末とは、粉末の形状にあるプラスグレルであり、例えば、結晶の形状にあるプラスグレルを砕いて得ることができる。市販のプラスグレル粉砕品を、プラスグレルの粉末として用いてもよい。プラスグレルの粉末の粒子径は特に限定されないが、例えば、プラスグレルの粉末の50%粒子径(D50)は通常1~100μm、好ましくは1~50μm、より好ましくは1~10μmである。本明細書では、D50は、レーザー回折・散乱式粒度分布測定装置により測定される値をいう。そのような測定装置としては、マイクロトラック・ベル株式会社の「エアロトラックLDSA-SPR」、Malvern Panalytical社の「Mastersizer 3000」などが挙げられる。
錠剤用添加物は、錠剤の製造に通常用いられる添加物であり、薬学的に許容される賦形剤、崩壊剤、結合剤、甘味剤、滑沢剤、着色剤などから適宜選択できる。錠剤用添加物自体は公知である。この実施形態では、錠剤用添加物として、特にクエン酸塩及び甘味剤が含まれる。
クエン酸塩としては、例えばクエン酸ナトリウム、クエン酸二ナトリウム、クエン酸二水素ナトリウム、クエン酸カルシウムなどが挙げられる。これらのクエン酸塩は水和物であってもよい。クエン酸塩は一種でもよいし、二種以上を組み合わせてもよい。それらの中でも、クエン酸ナトリウム及びクエン酸二ナトリウムが好ましく、クエン酸ナトリウムが特に好ましい。
本実施形態の製造方法で得られる錠剤におけるクエン酸塩の含有量は、当業者が適宜決定できるが、例えば0.01重量%以上10重量%以下であり、好ましくは0.1重量%以上5重量%以下であり、より好ましくは0.5重量%以上2重量%以下である。
甘味剤としては、例えばアセスルファムカリウム、スクラロース、アスパルテーム、サッカリンナトリウムなどが挙げられる。甘味剤は一種でもよいし、二種以上を組み合わせてもよい。それらの中でも、アセスルファムカリウム、スクラロースが特に好ましい。
第1の実施形態の製造方法で得られる錠剤における甘味剤の含有量は、当業者が適宜決定できるが、例えば0.5重量%以上20重量%以下であり、好ましくは1重量%以上10重量%以下であり、より好ましくは2重量%以上7.5重量%以下である。本明細書では、甘味剤以外の用途(例えば賦形剤、結合剤など)のために添加した錠剤用添加物が甘味剤としても使用できるものであっても、当該錠剤用添加物は甘味剤に含めない。例えば、賦形剤としてD-マンニトールを添加した場合、D-マンニトールの重量は甘味剤の重量に含めない。
クエン酸塩及び甘味剤以外の錠剤用添加物としては、例えば次のものが挙げられる。賦形剤としては、D-マンニトール、D-ソルビトール、キシリトール、マルチトールなどの糖アルコール類、結晶セルロース、カルメロース、カルメロースナトリウム、クロスカルメロースナトリウム、カルボキシメチルセルロースカルシウム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロースなどのセルロース類、乳糖、白糖、ブドウ糖などの糖類、トウモロコシデンプン、アルファー化デンプンなどのデンプン類などが挙げられる。崩壊剤としては、クロスポビドン、カルメロースカルシウム、クロスカルメロースナトリウム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、トウモロコシデンプンなどが挙げられる。結合剤としては、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒプロメロース、エチルセルロース、ポリビニルピロリドンなどが挙げられる。着色剤としては、三二酸化鉄、黄色三二酸化鉄などが挙げられる。滑沢剤としては、軽質無水ケイ酸、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、タルクなどが挙げられる。これらの添加物はそれぞれ、一種でもよいし、二種以上を組み合わせてもよい。本明細書では、特に言及されている場合を除いて、錠剤用添加物の含有量は特に限定されず、当業者が適宜決定できる。
プラスグレルは、苦みの他に独特の不快な臭いを有することも知られている。そこで、錠剤用添加物として、香料をさらに用いてもよい。香料としては、例えばペパーミントミクロン、ピーチミクロン、ライチミクロン、パイナップルミクロンなどが挙げられる。香料は一種でもよいし、二種以上を組み合わせてもよい。香料の配合量は特に限定されず、当業者が適宜決定できる。本実施形態の製造方法で得られる錠剤における香料の含有量は、例えば0.1重量%以下であってもよい。
第1の実施形態の製造方法における打錠用混合物を得る工程及び錠剤を得る工程は、具体的には、次のようにして行われる。まず、プラスグレルと、クエン酸塩及び甘味剤を含み且つ滑沢剤を除く錠剤用添加物とを混合する。次いで、得られた混合物に滑沢剤を添加して混合し、打錠用混合物を得る。そして、得られた打錠用混合物を公知の打錠機で圧縮成型することにより、プラスグレルを有効成分とする錠剤を得ることができる。必要に応じて、得られた錠剤を、糖衣錠又はフィルムコーティング錠としてもよい。錠剤のコーティングは、パンコーティング法、流動層コーティング法などの公知の方法により行うことができる。
本実施形態では、錠剤1錠当たりの重量は、例えば80 mg以上500 mg以下であり、好ましくは100 mg以上420 mg以下である。また、錠剤1錠当たりの有効成分の含量は、有効成分が塩又は溶媒和物の場合、プラスグレル(式(I)で示される化合物)として例えば1mg以上30 mg以下、好ましくは2mg以上25 mg以下、より好ましくは2.5 mg以上20 mg以下含まれる量である。
(口腔内崩壊錠の製造方法)
第1の実施形態では、錠剤は口腔内崩壊錠(以下、OD錠とも呼ぶ)であってもよい。すなわち、直接打錠法による、プラスグレルを有効成分とするOD錠の製造方法が提供される。この製造方法では、まず、プラスグレルと、クエン酸塩及び甘味剤を含む錠剤用添加物と、崩壊性粒子とを混合して、打錠用混合物を得る。そして、打錠用混合物を圧縮成型して、プラスグレルを有効成分とするOD錠を得る。プラスグレル、クエン酸塩、甘味剤及び錠剤用添加物の種類、含有量などの詳細は、上記のとおりである。
本実施形態のOD錠の製造方法では、水の存在下で急速に崩壊するという性質を錠剤に付与するため、崩壊性粒子を用いる。崩壊性粒子自体は当該技術分野で公知であり、例えば国際公開第2017/217494号に記載されている(当該文献は、参照により本明細書に組み込まれる)。
崩壊性粒子は、薬学的に許容される、デンプン由来の崩壊剤を含むことが好ましい。デンプン由来の崩壊剤としては、例えばトウモロコシデンプン、部分アルファー化デンプン、バレイショデンプン、ヒドロキシプロピルスターチ、低置換度ヒドロキシプロピルセルロースなどが挙げられる。これらの中でも、トウモロコシデンプン及び部分アルファー化デンプンが特に好ましい。デンプン由来の崩壊剤は、一種でもよいし、二種以上を組み合わせてもよい。
崩壊性粒子は、薬学的に許容される添加物(賦形剤、上記以外の崩壊剤、結合剤、流動化剤、着色剤など)をさらに含んでもよい。賦形剤としては、D-マンニトール、乳糖、結晶セルロースなどが挙げられる。本実施形態ではD-マンニトールが特に好ましい。デンプン由来以外の崩壊剤としては、クロスポビドン、クロスカルメロースナトリウムなどが挙げられる。結合剤としてはエチルセルロースなどが挙げられる。流動化剤としては、軽質無水ケイ酸、合成ケイ酸アルミニウム、含水二酸化ケイ素などが挙げられる。着色剤としては、三二酸化鉄、黄色三二酸化鉄などが挙げられる。これらの添加物はそれぞれ、一種でもよいし、二種以上を組み合わせてもよい。
崩壊性粒子は、例えば、次のようにして得ることができる。まず、賦形剤、結合剤、及び流動化剤を含む混合物に、デンプン由来の崩壊剤を含む溶液又は懸濁液を添加して、湿式造粒により顆粒を得る。例えば、流動層造粒の場合では、結合剤、及び流動化剤を含む混合物を気流で流動化させて混和し、この状態で、デンプン由来の崩壊剤を含む溶液又は懸濁液を噴霧することにより、顆粒を得る。得られた顆粒を乾燥及び整粒して、崩壊性粒子を得る。
本実施形態のOD錠の製造方法の各工程は、例えば、次のようにして行われる。まず、プラスグレルと、崩壊性粒子と、クエン酸塩及び甘味剤を含み且つ滑沢剤を除く錠剤用添加物とを混合する。次いで、得られた混合物に滑沢剤を添加して混合し、打錠用混合物を得る。そして、得られた打錠用混合物を公知の打錠機で圧縮成型することにより、プラスグレルを有効成分とするOD錠を得ることができる。
本実施形態では、OD錠1錠当たりの重量は、例えば80 mg以上500 mg以下であり、好ましくは100 mg以上400 mg以下である。また、OD錠1錠当たりの有効成分の含量は、有効成分が塩又は溶媒和物の場合、プラスグレル(式(I)で示される化合物)として例えば1mg以上30 mg以下、好ましくは2mg以上25 mg以下、より好ましくは2.5 mg以上20 mg以下含まれる量である。
第1の実施形態の製造方法は、プラスグレルに、クエン酸塩と甘味剤とを含有させることにより、得られた医薬製剤においてプラスグレルの苦味を低減する方法ともいえる。よって、さらなる実施形態は、クエン酸塩と甘味剤とを含有させることによる、プラスグレル含有医薬製剤における苦味の低減方法である。プラスグレル含有医薬製剤の形態(剤形)は特に限定されないが、錠剤が特に好ましい。錠剤としては、普通錠、OD錠、フィルムコーティング錠、糖衣錠、多層錠、徐放錠、トローチ錠、チュアブル錠、舌下錠などが挙げられる。それらの中でもOD錠が好ましい。
[2.造粒法による製造方法]
(錠剤の製造方法)
第2の実施形態は、造粒法による、プラスグレルを有効成分とする錠剤の製造方法である。この製造方法では、まず、プラスグレル及び賦形剤の混合物と、結合剤を含む溶液又は懸濁液とを用いて、湿式造粒により、プラスグレルを含む粒子を得る。この製造方法で得られる錠剤では、プラスグレルを含む粒子を用いることにより、口腔内での有効成分の溶出が遅くなると考えられ、プラスグレルの苦みが低減される。
プラスグレルと混合される賦形剤は、薬学的に許容される賦形剤から適宜選択することができ、例えば糖アルコール類、糖類、セルロース類、デンプン類などが挙げられる。糖アルコール類としては、D-マンニトール、D-ソルビトール、キシリトール、マルチトールなどが挙げられる。糖類としては、乳糖(乳糖水和物ともいう)、白糖、ブドウ糖などが挙げられる。セルロース類としては、結晶セルロース、カルメロース、カルメロースナトリウム、クロスカルメロースナトリウム、カルボキシメチルセルロースカルシウム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロースなどが挙げられる。デンプン類としては、部分アルファー化デンプン、トウモロコシデンプンなどが挙げられる。それらの中でも、糖アルコール類及び糖類が好ましい。特にD-マンニトール、乳糖が好ましい。賦形剤は一種でもよいし、二種以上を組み合わせてもよい。賦形剤の形状は、固体であれば特に限定されず、例えば粉末、結晶などのいずれの形状であってもよい。
プラスグレル及び賦形剤の混合物は、プラスグレルと賦形剤とを当該技術分野で公知の方法で混合することにより得ることができる。混合を用手法で行う場合は、例えば、プラスグレルと賦形剤とを適当な袋に入れて撹拌する袋混合を行ってもよい。あるいは、当該技術分野で公知の粉体混合機を用いて混合してもよい。粉体混合機は、特に限定されず、例えばV型混合機、二重円錐型混合機、リボン型混合機、円錐スクリュー型混合機などが挙げられる。
混合物におけるプラスグレルと賦形剤との混合割合は特に限定されないが、賦形剤が多い方が好ましい。本実施形態では、混合物におけるプラスグレルと賦形剤との重量比(プラスグレル:賦形剤)は、通常1:0.5~5であり、好ましくは1:0.5~3であり、特に好ましくは1:1である。
第2の実施形態では、上記のようにして得られた混合物と、結合剤を含む溶液又は懸濁液とを用いて、湿式造粒により、プラスグレルを含む粒子を得る。結合剤は、薬学的に許容されるものから適宜選択することができ、例えばセルロース類、ビニル系高分子、アクリル系高分子、デンプン類、ステアリルアルコール、ゼラチン、デキストリン、アラビアゴム、プルラン、マクロゴールなどが挙げられる。セルロース類としては、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(ヒプロメロース)、結晶セルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、エチルセルロース、メチルセルロースなどが挙げられる。ビニル系高分子としては、ポリビニルピロリドン(ポビドン)、ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテート、ポリビニルアルコール完全けん化物、ポリビニルアルコール部分けん化物、カルボキシビニルポリマー、ポリ塩化ビニルなどが挙げられる。アクリル系高分子としては、アミノアルキルメタクリレートコポリマー(E又はRS)、メタクリル酸コポリマー(L、LD又はS)、アクリル酸エチル・メタクリル酸メチルコポリマー分散液などが挙げられる。デンプン類としては、デンプン(溶性)、デンプングリコール酸ナトリウムなどが挙げられる。結合剤は、一種でもよいし、二種以上を組み合わせてもよい。それらの中でも、ヒドロキシプロピルセルロースが特に好ましい。
本実施形態では、結合剤を薬学的に許容される溶媒中に溶解させた溶液、又は結合剤を該溶媒中に分散させた懸濁液を、湿式造粒における造粒液として用いる。薬学的に許容される溶媒としては、例えば精製水、エタノール及びこれらの混液が挙げられる。なお、造粒液における結合剤の含有量は特に限定されず、当業者が適宜決定できる。造粒液は、着色剤をさらに含んでもよい。着色剤としては、例えば三二酸化鉄、黄色三二酸化鉄などが挙げられる。着色剤は、一種でもよいし、二種以上を組み合わせてもよい。造粒液における着色剤の含有量は特に限定されない。例えば、錠剤における着色剤の含有量が0.1重量%以下となるように、造粒液に着色剤を添加してもよい。
本実施形態では、湿式造粒の手法に従って、結合剤を含む溶液又は懸濁液を混合物に添加することにより、プラスグレルを含む粒子を得ることができる。湿式造粒の種類は特に限定されないが、例えば流動層造粒、撹拌造粒、押し出し造粒、転動造粒、破砕造粒、噴霧造粒などの公知の造粒法から適宜選択できる。それらの中でも、流動層造粒が特に好ましい。流動層造粒は、公知の流動層造粒機を用いて行うことができる。流動層造粒機では、プラスグレル及び賦形剤の混合物を気流で流動化させた状態で、結合剤を含む溶液又は懸濁液を噴霧することで、混合物を、結合剤を含む溶液又は懸濁液で凝集させて、プラスグレルを含む粒子を生じる。
本実施形態の製造方法で得られる錠剤における、プラスグレルを含む粒子を構成する結合剤の含有量は、当業者が適宜決定できるが、例えば0.1重量%以上10重量%以下であり、好ましくは0.3重量%以上5重量%以下であり、より好ましくは0.5重量%以上3重量%以下である。
第2の実施形態では、上記の湿式造粒により得られたプラスグレルを含む粒子を乾燥させる。乾燥手段は特に限定されず、公知の乾燥機を用いればよい。好ましくは、真空乾燥により粒子を乾燥させる。真空乾燥は、公知の真空乾燥機を用いて行うことができる。造粒機に真空乾燥機能が付加されている場合は、その造粒機により乾燥させてもよい。本実施形態では、乾燥させた粒子を整粒して、所定の粒度分布となるようにすることが好ましい。得られたプラスグレルを含む粒子は、錠剤を製造するための打錠用顆粒として用いることができる。
第2の実施形態では、乾燥させた上記の粒子と、甘味剤を含む錠剤用添加物とを混合して、打錠用混合物を得る。そして、打錠用混合物を圧縮成型して錠剤を得る。甘味剤及びその他の錠剤用添加物の種類、含有量などの詳細は、第1の実施形態で述べたことと同様である。錠剤用添加物には香料が含まれてもよい。香料の種類、含有量などの詳細は、第1の実施形態で述べたことと同様である。
第2の実施形態の製造方法における打錠用混合物を得る工程及び錠剤を得る工程は、具体的には、次のようにして行われる。まず、乾燥させたプラスグレルを含む粒子と、甘味剤を含み且つ滑沢剤を除く錠剤用添加物とを混合する。次いで、得られた混合物に滑沢剤を添加して混合し、打錠用混合物を得る。そして、得られた打錠用混合物を公知の打錠機で圧縮成型することにより、プラスグレルを有効成分とする錠剤を得ることができる。必要に応じて、得られた錠剤を、糖衣錠又はフィルムコーティング錠としてもよい。錠剤のコーティングは、パンコーティング法、流動層コーティング法などの公知の方法により行うことができる。
第2の実施形態の製造方法で得られる錠剤1錠当たりの重量及び有効成分の含量は、第1の実施形態の錠剤の製造方法について述べたことと同様である。
(口腔内崩壊錠の製造方法)
第2の実施形態では、錠剤はOD錠であってもよい。すなわち、造粒法による、プラスグレルを有効成分とするOD錠の製造方法が提供される。この製造方法において、プラスグレルを含む粒子を得る工程、及び該粒子を乾燥させる工程の詳細は、第2の実施形態の錠剤の製造方法について述べたことと同様である。
本実施形態では、OD錠は、乾燥させたプラスグレルを含む粒子を用いて、例えば次のようにして製造される。乾燥させたプラスグレルを含む粒子と、崩壊性粒子と、甘味剤を含み且つ滑沢剤を除く錠剤用添加物とを混合する。次いで、得られた混合物に滑沢剤を添加して混合し、打錠用混合物を得る。そして、得られた打錠用混合物を公知の打錠機で圧縮成型することにより、プラスグレルを有効成分とするOD錠を得ることができる。崩壊性粒子の組成、製法などの詳細、並びに甘味剤及びその他の錠剤用添加物の種類、含有量などの詳細は、第1の実施形態で述べたことと同様である。
第2の実施形態の製造方法で得られるOD錠1錠当たりの重量及び有効成分の含量は、第1の実施形態のOD錠の製造方法について述べたことと同様である。
第2の実施形態の製造方法は、プラスグレルを含む粒子に甘味剤を含有させることにより、得られた医薬製剤においてプラスグレルの苦味を低減する方法ともいえる。よって、さらなる実施形態は、プラスグレルを含む粒子に甘味剤を含有させることによる、プラスグレル含有医薬製剤における苦味の低減方法である。プラスグレル含有医薬製剤の形態(剤形)の詳細は、上記のとおりである。剤形は錠剤が好ましく、OD錠がより好ましい。
[3.造粒法及びコーティング法による製造方法]
(錠剤の製造方法)
第3の実施形態は、プラスグレルを含む粒子をコーティングすることを含む、プラスグレルを有効成分とする錠剤の製造方法である。この製造方法において、プラスグレルを含む粒子を得る工程、及び該粒子を乾燥させる工程の詳細は、第2の実施形態の錠剤の製造方法について述べたことと同様である。この製造方法で得られる錠剤では、プラスグレルを含む粒子が水不溶性高分子で被覆されることにより、口腔内での有効成分の溶出が妨げられて、プラスグレルの苦みが低減される。また、プラスグレルを含む粒子が被覆されているので、プラスグレルの臭いもマスキングされる。
本実施形態では、水不溶性高分子を含む溶液又は懸濁液を用いて、乾燥させたプラスグレルを含む粒子をコーティングする。以下、コーティングにより粒子上に形成された層を「マスキング層」とも呼ぶ。粒子のコーティングは、湿式の粒子コーティング法により行うことができる。そのようなコーティング法自体は公知であり、例えば流動層コーティング法などが挙げられる。流動層コーティング法では、例えば転動流動層造粒機、ワースター流動層造粒機、複合型流動層造粒機などの公知の流動層造粒機を用いて、粒子を気流で流動化させた状態で、水不溶性高分子を含む溶液又は懸濁液を噴霧することにより、粒子が水不溶性高分子で被覆される。
水不溶性高分子には、pH非依存性の水不溶性高分子及びpH依存性の水不溶性高分子がある。pH非依存性の水不溶性高分子としては、例えば、エチルセルロース、アミノアルキルメタアクリレートコポリマーRS、アクリル酸エチル・メタクリル酸メチルコポリマー分散液などが挙げられる。水不溶性高分子は、一種でもよいし、二種以上を組み合わせてもよい。それらの中でも、エチルセルロースが特に好ましい。
pH依存性の水不溶性高分子には、胃溶性高分子と腸溶性高分子があり、胃溶性高分子としては、例えば、アミノアルキルメタアクリレートコポリマーE、ポリビニルアルコールジエチルアミノアセテートが挙げられ、腸溶性高分子としては、例えば、メタクリル酸コポリマー(L、LD又はS)、メタクリル酸共重合体、セルロースアセテートフタレート、ヒプロメロースフタレート、ポリビニルアルコールアセテートフタレートが挙げられる。
本実施形態の製造方法で得られる錠剤における、プラスグレルを含む粒子のマスキング層を構成する水不溶性高分子の含有量は、当業者が適宜決定できるが、例えば0.5重量%以上20重量%以下であり、好ましくは1重量%以上10重量%以下であり、より好ましくは2重量%以上7.5重量%以下である。
水不溶性高分子、胃溶性高分子又は腸溶性高分子を含む溶液又は懸濁液は、必要に応じて、薬学的に許容されるその他のコーティング剤、着色剤,可塑剤などをさらに含んでもよい。その他のコーティング剤としては、例えばタルク、酸化チタン、珪酸などが挙げられる。着色剤としては、例えば三二酸化鉄、黄色三二酸化鉄、黄色4号アルミニウムレーキ、黄色5号アルミニウムレーキなどが挙げられる。可塑剤としては,マクロゴール6000、クエン酸トリエチル、プロピレングリコール、トリアセチンなどが挙げられる。
第3の実施形態では、上記のようにしてコーティングしたプラスグレルを含む粒子と、錠剤用添加物とを混合して、打錠用混合物を得る。そして、打錠用混合物を圧縮成型して錠剤を得る。錠剤用添加物の詳細は、第1の実施形態で述べたことと同様である。上述のように、プラスグレルを含む粒子が水不溶性高分子で被覆されることにより、苦みと臭いをマスキングするので、甘味剤及び香料を用いなくてもよい。よって、第3の実施形態では、甘味剤及び香料の添加は任意である。
第3の実施形態の製造方法における打錠用混合物を得る工程及び錠剤を得る工程は、具体的には、次のようにして行われる。まず、コーティングしたプラスグレルを含む粒子と、滑沢剤を除く錠剤用添加物とを混合する。次いで、得られた混合物に滑沢剤を添加して混合し、打錠用混合物を得る。そして、得られた打錠用混合物を公知の打錠機で圧縮成型することにより、プラスグレルを有効成分とする錠剤を得ることができる。
第3の実施形態の製造方法で得られる錠剤1錠当たりの重量及び有効成分の含量は、第1の実施形態の錠剤の製造方法について述べたことと同様である。
(口腔内崩壊錠の製造方法)
第3の実施形態では、錠剤はOD錠であってもよい。すなわち、造粒法による、プラスグレルを有効成分とするOD錠の製造方法が提供される。この製造方法において、プラスグレルを含む粒子を得る工程、該粒子を乾燥させる工程、及び水不溶性高分子を含む溶液又は懸濁液を用いて、乾燥させた粒子をコーティングする工程の詳細は、第3の実施形態の錠剤の製造方法について述べたことと同様である。
本実施形態では、OD錠は、コーティングしたプラスグレルを含む粒子を用いて、例えば次のようにして製造される。コーティングしたプラスグレルを含む粒子と、崩壊性粒子と、滑沢剤を除く錠剤用添加物とを混合する。次いで、得られた混合物に滑沢剤を添加して混合し、打錠用混合物を得る。そして、得られた打錠用混合物を公知の打錠機で圧縮成型することにより、プラスグレルを有効成分とするOD錠を得ることができる。崩壊性粒子の組成、製法などの詳細、並びに錠剤用添加物の種類、含有量などの詳細は、第1の実施形態で述べたことと同様である。
第3の実施形態の製造方法で得られるOD錠1錠当たりの重量及び有効成分の含量は、第1の実施形態のOD錠の製造方法について述べたことと同様である。
第3の実施形態の製造方法は、水不溶性分子でコーティングされたプラスグレルを含む粒子を含有させることにより、得られた医薬製剤においてプラスグレルの苦味を低減する方法ともいえる。よって、さらなる実施形態は、プラスグレルを含む粒子であって、水不溶性高分子を含むマスキング層で被覆された前記粒子を含有させることによる、プラスグレル含有医薬製剤における苦味の低減方法である。プラスグレル含有医薬製剤の形態(剤形)の詳細は、上記のとおりである。剤形は錠剤が好ましく、OD錠がより好ましい。
[4.甘味剤及び香料を用いる製造方法]
(錠剤の製造方法)
第4の実施形態は、甘味剤及び香料を用いる、プラスグレルを有効成分とする錠剤の製造方法である。この製造方法では、賦形剤を含む混合物と、結合剤を含む溶液又は懸濁液とを用いて、湿式造粒により賦形剤及び結合剤を含む粒子を得て、これを乾燥させる。そして、乾燥させた粒子と、プラスグレル及び賦形剤の混合物と、香料及び甘味剤を含む錠剤用添加物とを混合して打錠用混合物を得て、この打錠用混合物を圧縮成型して錠剤を得る。この製造方法で得られる錠剤では、甘味剤及び香料が、賦形剤及び結合剤を含む粒子と共に含まれることにより、プラスグレルの苦み及び臭いが低減される。
プラスグレルと混合される賦形剤の詳細は、第2の実施形態について述べたことと同じである。賦形剤は一種でもよいし、二種以上を組み合わせてもよい。好ましい賦形剤はD-マンニトールである。また、プラスグレル及び賦形剤の混合物は、第2の実施形態と同様にして得ることができる。本実施形態では、必要に応じて、袋混合又は混合機によって得たプラスグレル及び賦形剤の混合物を、ピンミル、ハンマーミルなどの公知の衝撃式粉砕機によってさらに混合してもよい。また、衝撃式粉砕機により混合した混合物をさらに袋混合又は混合機によって混合してもよい。
第4の実施形態の製造方法では、湿式造粒により得た、賦形剤及び結合剤を含む粒子を用いる。なお、当該粒子はプラスグレルを含まない。賦形剤及び結合剤を含む粒子は、湿式造粒の手法に従って、造粒液として結合剤を含む溶液又は懸濁液を、賦形剤に添加することにより得ることができる。本実施形態では、賦形剤及びその他の錠剤用添加物の混合物に、上記の造粒液を添加して、賦形剤及び結合剤を含む粒子を得てもよい。そのような錠剤用添加物としては、例えば着色剤などが挙げられる。着色剤としては、例えば三二酸化鉄、黄色三二酸化鉄などが挙げられる。湿式造粒の種類、造粒液の調製法、並びに賦形剤及び結合剤の種類及び含有量などの詳細は、第2の実施形態について述べたことと同じである。賦形剤及び結合剤はそれぞれ、一種でもよいし、二種以上を組み合わせてもよい。造粒される賦形剤は、上記のプラスグレルと混合される賦形剤と同じでもよいし、異なってもよい。好ましい賦形剤はD-マンニトールであり、好ましい結合剤はヒドロキシプロピルセルロースである。
第4の実施形態では、上記の湿式造粒により得られた、賦形剤及び結合剤を含む粒子を乾燥させる。乾燥手段の詳細は、第2の実施形態で述べたことと同様である。本実施形態では、乾燥させた粒子を整粒して、所定の粒度分布となるようにすることが好ましい。得られた賦形剤及び結合剤を含む粒子は、錠剤を製造するための打錠用顆粒として用いることができる。
第4の実施形態では、乾燥させた上記の粒子と、プラスグレル及び賦形剤の混合物と、香料及び甘味剤を含む錠剤用添加物とを混合して、打錠用混合物を得る。そして、打錠用混合物を圧縮成型して錠剤を得る。香料、甘味剤及びその他の錠剤用添加物の種類、含有量などの詳細は、第1の実施形態で述べたことと同様である。
第4の実施形態の製造方法における打錠用混合物を得る工程及び錠剤を得る工程は、具体的には、次のようにして行われる。まず、乾燥させた賦形剤及び結合剤を含む粒子と、プラスグレル及び賦形剤の混合物と、香料及び甘味剤を含み且つ滑沢剤を除く錠剤用添加物とを混合する。次いで、得られた混合物に滑沢剤を添加して混合し、打錠用混合物を得る。そして、得られた打錠用混合物を公知の打錠機で圧縮成型することにより、プラスグレルを有効成分とする錠剤を得ることができる。必要に応じて、得られた錠剤を、糖衣錠又はフィルムコーティング錠としてもよい。錠剤のコーティングは、パンコーティング法、流動層コーティング法などの公知の方法により行うことができる。
第4の実施形態の製造方法で得られる錠剤1錠当たりの重量及び有効成分の含量は、第1の実施形態の錠剤の製造方法について述べたことと同様である。
(口腔内崩壊錠の製造方法)
第4の実施形態では、錠剤はOD錠であってもよい。すなわち、造粒法による、プラスグレルを有効成分とするOD錠の製造方法が提供される。この製造方法において、賦形剤及び結合剤を含む粒子を得る工程、及び該粒子を乾燥させる工程の詳細は、第4の実施形態の錠剤の製造方法について述べたことと同様である。
本実施形態では、OD錠は、例えば次のようにして製造される。乾燥させた賦形剤及び結合剤を含む粒子と、プラスグレル及び賦形剤の混合物と、香料及び甘味剤を含み且つ滑沢剤を除く錠剤用添加物とを混合する。好ましい実施形態では、乾燥させた賦形剤及び結合剤を含む粒子と、プラスグレル及び賦形剤の混合物と、香料、甘味剤及び崩壊剤を含み且つ滑沢剤を除く錠剤用添加物とを混合する。崩壊剤としては、例えばクロスポビドン、カルメロースカルシウム、クロスカルメロースナトリウム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、トウモロコシデンプンなどが挙げられる。崩壊剤は一種でもよいし、二種以上を組み合わせてもよい。好ましい崩壊剤は、クロスポビドン及びクロスカルメロースナトリウムである。
次いで、得られた混合物に滑沢剤を添加して混合し、打錠用混合物を得る。そして、得られた打錠用混合物を公知の打錠機で圧縮成型することにより、プラスグレルを有効成分とするOD錠を得ることができる。香料、甘味剤及びその他の錠剤用添加物の種類、含有量などの詳細は、第1の実施形態で述べたことと同様である。
第4の実施形態の製造方法で得られるOD錠1錠当たりの重量及び有効成分の含量は、第1の実施形態のOD錠の製造方法について述べたことと同様である。
第4の実施形態の製造方法は、プラスグレルを含む混合物に、賦形剤及び結合剤を含む粒子と、香料と、甘味剤とを含有させることにより、得られた医薬製剤においてプラスグレルの苦味を低減する方法ともいえる。よって、さらなる実施形態は、賦形剤及び結合剤を含む粒子と、香料と、甘味剤とを含有させることによる、プラスグレル含有医薬製剤における苦味の低減方法である。プラスグレル含有医薬製剤の形態(剤形)の詳細は、上記のとおりである。剤形は錠剤が好ましく、OD錠がより好ましい。
[5.プラスグレルを含む医薬製剤]
本発明の範囲には、有効成分としてプラスグレルを含む医薬製剤も含まれる。医薬製剤の形態(剤形)の詳細は、上記のプラスグレル含有医薬製剤について述べたことと同じである。本実施形態では、剤形は錠剤が好ましく、OD錠がより好ましい。医薬製剤が錠剤又はOD錠である場合、錠剤又はOD錠1錠当たりの重量及び有効成分の含量は、第1の実施形態について述べたことと同様である。
一つの実施形態は、有効成分としてのプラスグレルと、クエン酸塩と、甘味剤とを含む医薬製剤である。この医薬製剤は、例えば、上記の第1の実施形態の錠剤又はOD錠の製造方法によって得ることができる。別の実施形態は、有効成分としてプラスグレルを含む粒子と、甘味剤とを含む医薬製剤である。この医薬製剤は、例えば、上記の第2の実施形態の錠剤又はOD錠の製造方法によって得ることができる。これらの医薬製剤は、香料をさらに含んでもよい。香料としては、例えばペパーミントミクロン、ピーチミクロン、ライチミクロン及びパイナップルミクロンが挙げられる。
別の実施形態は、有効成分としてプラスグレルを含む粒子であって、水不溶性高分子を含むマスキング層で被覆された該粒子を含む医薬製剤である。この医薬製剤は、例えば、上記の第3の実施形態の錠剤又はOD錠の製造方法によって得ることができる。
別の実施形態は、有効成分としてプラスグレルを含む混合物と、賦形剤及び結合剤を含む粒子と、香料と、甘味剤とを含む医薬製剤である。プラスグレルを含む混合物は、プラスグレル及び賦形剤の混合物であることが好ましい。香料としては、例えばペパーミントミクロン、ピーチミクロン、ライチミクロン及びパイナップルミクロンが挙げられる。この医薬製剤は、クロスポビドン、クロスカルメロースナトリウムなどの崩壊剤をさらに含んでもよい。この医薬製剤は、例えば、上記の第4の実施形態の錠剤又はOD錠の製造方法によって得ることができる。
以下に、本発明を実施例により詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[試験例1]
試験例1では、第1の実施形態の製造方法(直接打錠法)により製造した口腔内崩壊錠(実施例1)、第2の実施形態の製造方法(造粒法)により製造した口腔内崩壊錠(実施例2)、及び第3の実施形態の製造方法(造粒法及びコーティング法)により製造した口腔内崩壊錠(実施例3及び4)について官能試験を行い、苦みを評価した。
1.口腔内崩壊錠の製造
(1.1) 崩壊性粒子の製造
表1に、崩壊性粒子の各成分の配合比(重量比)を示す。崩壊性粒子を次のようにして製造した。D-マンニトール、軽質無水ケイ酸及びエチルセルロースを流動層造粒機へ投入し、トウモロコシデンプン及びクロスポビドンを精製水に分散させた分散液をスプレーした。得られた粒子を乾燥及び整粒して、崩壊性粒子を得た。
Figure 2022023704000002
(1.2) 実施例1の口腔内崩壊錠の製造
表2に、実施例1の口腔内崩壊錠の処方(1錠当たりの成分量)を示す。実施例1の口腔内崩壊錠を次のようにして製造した。プラスグレル塩酸塩の粉末(粒度D50:1.98μm)、上記(1.1)で得た崩壊性粒子、錠剤用添加物としてD-マンニトール、アセスルファムカリウム、クエン酸ナトリウム及び軽質無水ケイ酸をポリエチレン袋で混合した。さらにステアリン酸マグネシウムを加えて混合し、打錠用混合物を得た。得られた打錠用混合物を、ロータリー式打錠機を用いて打錠して、実施例1の口腔内崩壊錠(式(I)で示されるプラスグレルとして20 mg含有)を得た。
Figure 2022023704000003
(1.3) 実施例2の口腔内崩壊錠の製造
表3に、実施例2の口腔内崩壊錠の処方(1錠当たりの成分量)を示す。実施例2の口腔内崩壊錠を次のようにして製造した。プラスグレル塩酸塩の粉末(粒度D50:1.98μm)とD-マンニトールとをポリエチレン袋で混合して、混合物を得た。ヒドロキシプロピルセルロースを精製水に溶解して、造粒液を得た。プラスグレル塩酸塩を含む混合物を流動層造粒機に投入し、造粒液をスプレーして造粒し、乾燥した後、整粒して、プラスグレル塩酸塩を含む粒子を得た。得られた粒子、上記(1.1)で得た崩壊性粒子、及びアセスルファムカリウムをポリエチレン袋で混合した。さらにステアリン酸マグネシウムを加えて混合し、打錠用混合物を得た。得られた打錠用混合物を、ロータリー式打錠機を用いて打錠し、実施例2の口腔内崩壊錠(式(I)で示されるプラスグレルとして20 mg含有)を得た。
Figure 2022023704000004
(1.4) 実施例3及び4の口腔内崩壊錠の製造
表4に、実施例3及び4の口腔内崩壊錠の処方(1錠当たりの成分量)を示す。実施例3の口腔内崩壊錠を次のようにして製造した。プラスグレル塩酸塩の粉末(粒度D50:1.98μm)とD-マンニトールとをポリエチレン袋で混合して、混合物を得た。ヒドロキシプロピルセルロースを精製水に溶解して、造粒液を得た。プラスグレル塩酸塩を含む混合物を流動層造粒機に投入し、造粒液をスプレーして造粒し、乾燥した後、整粒して、プラスグレル塩酸塩を含む粒子を得た。エタノール溶液にエチルセルロースを溶解させ、タルクを分散し、コーティング液を得た。プラスグレル塩酸塩を含む粒子を流動層造粒機に投入し、コーティング液をスプレーした後、乾燥及び整粒して、プラスグレル塩酸塩を含むコーティング粒子を得た。得られたコーティング粒子と、上記(1.1)で得た崩壊性粒子とを拡散式混合機に投入し、混合した。さらにステアリン酸マグネシウムを投入して混合し、打錠用混合物を得た。得られた打錠用混合物を、ロータリー式打錠機を用いて打錠し、実施例3の口腔内崩壊錠を得た。実施例4の口腔内崩壊錠は、コーティングに用いるエチルセルロース及びタルクの量を変更したこと以外は実施例3と同様にして製造した。実施例3及び4の口腔内崩壊錠はいずれも、式(I)で示されるプラスグレルとして20 mg含有する。
Figure 2022023704000005
2.官能試験
実施例1のOD錠については3名の被検者により、実施例2~4の各OD錠については4名の被検者により官能試験を実施し、各OD錠の苦みを評価した。本試験では、各OD錠を口に含んで崩壊した時に感じる苦み(崩壊時味と呼ぶ)と、口に含んでから30秒後に吐き出した後に感じる苦み(服用後味と呼ぶ)を、ビジュアルアナログスケール(VAS)法を用いて味の程度を0点から5点までの数値として表現し、苦みをスコア化した。味のVASスコアは、悪い場合を0点とし、良い場合を5点とした。表5に、各OD錠についてスコアの平均値を示す。
Figure 2022023704000006
表5に示されるように、実施例1~4のOD錠のいずれにおいても、プラスグレルの苦みが低減されていることが示された。
[試験例2]
試験例2では、第2の実施形態の製造方法(造粒法)により製造した、各種香料を含む口腔内崩壊錠(実施例5~8)及び香料を含まない口腔内崩壊錠(実施例2)を用いて官能試験を行い、苦みと臭いを評価した。
1.実施例5~8の口腔内崩壊錠の製造
表6に、実施例5~8の口腔内崩壊錠の処方(1錠当たりの成分量)を示す。参考のため、実施例2の処方も示した。実施例5~8の口腔内崩壊錠はそれぞれ、香料としてペパーミントミクロン、ピーチミクロン、ライチミクロン及びパイナップルミクロンを含むこと以外は実施例2と同様にして製造した。表中、「微量」とは、錠剤1錠の重量に対して0.1重量%以下であることを示す。
Figure 2022023704000007
2.官能試験
実施例2及び5~8の各OD錠について4名の被検者により官能試験を実施し、各OD錠の苦みと臭いを評価した。本試験では、各OD錠の崩壊時味及び服用後味と、各OD錠を口に含んで崩壊した時に感じる臭いを、VAS法を用いて味及び臭いの程度をそれぞれ0点から5点までの数値として表現し、味及び臭いをスコア化した。味及び臭いのVASスコアは、悪い場合を0点とし、良い場合を5点とした。表7に、各OD錠についてスコアの平均値を示す。
Figure 2022023704000008
表7に示されるように、香料を添加した実施例5~8のOD錠はいずれも、無香料のOD錠に比べて、臭いのスコアが高かった。特にピーチミクロン及びライチミクロンを添加した実施例6及び7では臭いのスコアがより高く、味のスコアも高かった。このように、本実施形態の製造方法において香料を添加してOD錠を製造することで、プラスグレルに特有の不快な臭い及び苦みを低減できることが示された。
[製造例]
第4の実施形態の製造方法による製造例として、表8に、プラスグレルOD錠3.75 mg(実施例9)及びプラスグレルOD錠20 mg(実施例10)の処方(1錠当たりの成分量)を示す。表中、「微量」とは、錠剤1錠の重量に対して0.1重量%以下であることを示す。
Figure 2022023704000009
実施例9のOD錠を次のようにして製造した。プラスグレル塩酸塩の粉末(粒度D50:1.98μm)とD-マンニトールとをポリエチレン袋で粗混合した後、衝撃式粉砕機でさらに分散した。分散させた粉末をポリエチレン袋でさらに混合して、プラスグレル塩酸塩を含む混合物を得た。ヒドロキシプロピルセルロースを精製水に溶解し、さらに三二酸化鉄を分散させて、造粒液を得た。D-マンニトールを流動層造粒機に投入し、造粒液をスプレーして造粒し、乾燥した後、整粒して、D-マンニトール及びヒドロキシプロピルセルロースを含む粒子を得た。得られた粒子、上記の混合物、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、スクラロース及びペパーミントミクロンをポリエチレン袋で混合し、打錠用混合物を得た。ステアリン酸マグネシウムを分散させた精製水を外部滑沢噴霧装置で噴霧しながら、打錠用混合物をロータリー式打錠機で打錠し、実施例9のOD錠(式(I)で示されるプラスグレルとして3.75 mg含有)を得た。
実施例10のOD錠(式(I)で示されるプラスグレルとして20 mg含有)は、打錠用混合物を得る際に結晶セルロースをさらに添加して袋混合したことを除いて、実施例9のOD錠と同様にして製造した。なお、実施例9のOD錠の製造において、プラスグレル塩酸塩と賦形剤などの添加物の量を変更することにより、式(I)で示されるプラスグレルとして2.5 mg又は5 mg含有するOD錠を同様にして得ることができる。

Claims (21)

  1. プラスグレルと、クエン酸塩及び甘味剤を含む錠剤用添加物とを混合して、打錠用混合物を得る工程と、
    前記打錠用混合物を圧縮成型して錠剤を得る工程と
    を含む、プラスグレルを有効成分とする錠剤の製造方法。
  2. プラスグレルと、クエン酸塩及び甘味剤を含む錠剤用添加物と、崩壊性粒子とを混合して、打錠用混合物を得る工程と、
    前記打錠用混合物を圧縮成型して口腔内崩壊錠を得る工程と
    を含む、プラスグレルを有効成分とする口腔内崩壊錠の製造方法。
  3. 前記クエン酸塩が、クエン酸ナトリウム、クエン酸二ナトリウム、クエン酸二水素ナトリウム、クエン酸カルシウム及びそれらの水和物からなる群より選択される少なくとも1つである請求項1又は2に記載の方法。
  4. プラスグレル及び賦形剤の混合物と、結合剤を含む溶液又は懸濁液とを用いて、湿式造粒により、プラスグレルを含む粒子を得る工程と、
    前記粒子を乾燥させる工程と、
    乾燥させた前記粒子と、甘味剤を含む錠剤用添加物とを混合して、打錠用混合物を得る工程と、
    前記打錠用混合物を圧縮成型して錠剤を得る工程と
    を含む、プラスグレルを有効成分とする錠剤の製造方法。
  5. プラスグレル及び賦形剤の混合物と、結合剤を含む溶液又は懸濁液とを用いて、湿式造粒により、プラスグレルを含む粒子を得る工程と、
    前記粒子を乾燥させる工程と、
    乾燥させた前記粒子と、甘味剤を含む錠剤用添加物と、崩壊性粒子とを混合して、打錠用混合物を得る工程と、
    前記打錠用混合物を圧縮成型して口腔内崩壊錠を得る工程と
    を含む、プラスグレルを有効成分とする口腔内崩壊錠の製造方法。
  6. プラスグレル及び賦形剤の混合物と、結合剤を含む溶液又は懸濁液とを用いて、湿式造粒により、プラスグレルを含む粒子を得る工程と、
    前記粒子を乾燥させる工程と、
    水不溶性高分子を含む溶液又は懸濁液を用いて、乾燥させた前記粒子をコーティングする工程と、
    コーティングした前記粒子と、錠剤用添加物とを混合して、打錠用混合物を得る工程と、
    前記打錠用混合物を圧縮成型して錠剤を得る工程と
    を含む、プラスグレルを有効成分とする錠剤の製造方法。
  7. プラスグレル及び賦形剤の混合物と、結合剤を含む溶液又は懸濁液とを用いて、湿式造粒により、プラスグレルを含む粒子を得る工程と、
    前記粒子を乾燥させる工程と、
    水不溶性高分子を含む溶液又は懸濁液を用いて、乾燥させた前記粒子をコーティングする工程と、
    コーティングした前記粒子と、錠剤用添加物と、崩壊性粒子とを混合して、打錠用混合物を得る工程と、
    前記打錠用混合物を圧縮成型して口腔内崩壊錠を得る工程と
    を含む、プラスグレルを有効成分とする口腔内崩壊錠の製造方法。
  8. 前記水不溶性高分子が、エチルセルロースである請求項6又は7に記載の方法。
  9. 賦形剤と、結合剤を含む溶液又は懸濁液とを用いて、湿式造粒により、賦形剤及び結合剤を含む粒子を得る工程と、
    前記粒子を乾燥させる工程と、
    乾燥させた前記粒子と、プラスグレル及び賦形剤の混合物と、香料及び甘味剤を含む錠剤用添加物とを混合して、打錠用混合物を得る工程と、
    前記打錠用混合物を圧縮成型して錠剤を得る工程と
    を含む、プラスグレルを有効成分とする錠剤の製造方法。
  10. 賦形剤と、結合剤を含む溶液又は懸濁液とを用いて、湿式造粒により、賦形剤及び結合剤を含む粒子を得る工程と、
    前記粒子を乾燥させる工程と、
    乾燥させた前記粒子と、プラスグレル及び賦形剤の混合物と、香料及び甘味剤を含む錠剤用添加物とを混合して、打錠用混合物を得る工程と、
    前記打錠用混合物を圧縮成型して口腔内崩壊錠を得る工程と
    を含む、プラスグレルを有効成分とする口腔内崩壊錠の製造方法。
  11. 前記香料が、ペパーミントミクロン、ピーチミクロン、ライチミクロン及びパイナップルミクロンからなる群より選択される少なくとも1つである請求項9及び10のいずれか1項に記載の方法。
  12. 前記結合剤が、ヒドロキシプロピルセルロースである請求項4~11のいずれか1項に記載の方法。
  13. 有効成分としてのプラスグレルと、クエン酸塩と、甘味剤とを含む医薬製剤。
  14. 有効成分としてプラスグレルを含む粒子と、甘味剤とを含む医薬製剤。
  15. 有効成分としてプラスグレルを含む粒子であって、水不溶性高分子を含むマスキング層で被覆された前記粒子を含む医薬製剤。
  16. 有効成分としてプラスグレルを含む混合物と、賦形剤及び結合剤を含む粒子と、香料と、甘味剤とを含む医薬製剤。
  17. 前記香料が、ペパーミントミクロン、ピーチミクロン、ライチミクロン及びパイナップルミクロンからなる群より選択される少なくとも1つである請求項16に記載の医薬製剤。
  18. 錠剤の形態にある請求項13~17のいずれか1項に記載の医薬製剤。
  19. 前記錠剤が口腔内崩壊錠である請求項18に記載の医薬製剤。
  20. クエン酸塩と甘味剤とを含有させることによる、プラスグレル含有医薬製剤における苦味の低減方法。
  21. 賦形剤及び結合剤を含む粒子と、香料と、甘味剤とを含有させることによる、プラスグレル含有医薬製剤における苦味の低減方法。
JP2020126820A 2020-07-27 2020-07-27 プラスグレルを有効成分とする錠剤及び口腔内崩壊錠の製造方法、並びに医薬製剤 Pending JP2022023704A (ja)

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