JP2022023530A - モータ制御装置 - Google Patents

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尚紀 山野
Hisanori Yamano
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Abstract

【課題】所望のモータトルクが出力されるまでの時間的な遅れを低減できるモータ制御装置を提供する。【解決手段】スレーブ制御部は、回転方向判断部81によりモータの回転方向が逆転した旨が判断された場合に、トルク指令値T1*に基づいて演算された電流指令値I2*´の正負の符号を反転させて得られる電流指令値I2*を用いて第2の巻線群に対する給電を制御する。【選択図】図3

Description

本発明は、モータ制御装置に関する。
従来、この種のモータ制御装置としては、例えば、特許文献1に記載のモータの制御装置が知られている。
特許文献1に記載のモータ制御装置(以下、制御装置と称する)は、車両のステアリング装置に搭載される操舵機構に対して動力を付与するモータの制御に適用される。同制御装置は、モータに設けられた第1巻線に対する給電を制御するマスター制御部と、モータに設けられた第1巻線とは独立した第2巻線に対する給電を制御するスレーブ制御部とを備えている。
マスター制御部は、モータが発生すべきトルクの指令値である第1トルク指令値を生成し、当該第1トルク指令値に基づいて、第1巻線に対する給電を実施する。また、第1トルク指令値は、マスター制御部とスレーブ制御部との間で行われる制御部間の通信を通じて、スレーブ制御部に出力される。そして、スレーブ制御部は、マスター制御部が生成する第1トルク指令値に基づいて、第2巻線に対する給電を実施する。
特開2019-93903号公報
ところで、各制御部間の通信に遅れが生じると、マスター制御部は第1巻線への給電の際に最新の第1トルク指令値を用いる一方で、スレーブ制御部は第2巻線への給電の際に上記最新ではなく、例えば、1周期前にマスター制御部が生成する第1トルク指令値を用いることになる。この場合、例えば、上記最新の第1トルク指令値と上記1周期前の第1トルク指令値とがモータを回転させようとする方向が反対方向であると、所望のモータトルクを出力すべくマスター制御部がモータを回転させようとする制御をスレーブ制御部が妨げるように制御してしまうことが考えられる。これにより、モータでは、所望のモータトルクが出力されるまでの時間的な遅れが生じることになる。
本発明の目的は、所望のモータトルクが出力されるまでの時間的な遅れを低減できるモータ制御装置を提供することにある。
上記目的を達成するためのモータ制御装置は、モータに設けられた複数の巻線にそれぞれ対応する複数の制御部を備え、前記複数の制御部間の通信を通じて得られる各種情報を用いた前記制御部の各々の制御を通じて前記複数の巻線の各々に対する給電を制御するモータ制御装置において、前記モータの回転方向を判断する回転方向判断部を有しており、前記複数の制御部は、前記複数の巻線の各々に対する給電を制御するために必要な制御情報として前記モータが発生するモータトルクを制御するための給電制御指令値を生成するマスター制御部と、当該マスター制御部が生成する前記給電制御指令値を前記制御部間の通信を経路として得られる毎に更新することで、最新の前記給電制御指令値に基づいて対応する前記巻線に対する給電を制御するスレーブ制御部と、を含み、前記スレーブ制御部は、前記回転方向判断部により前記モータの回転方向が逆転した旨が判断された場合に、前記マスター制御部が生成する前記給電制御指令値との偏差が小さくなるように機能する代替給電制御指令値を用いて対応する前記巻線に対する給電を制御する。
ここで、各制御部間の通信に起因した、所望のモータトルクを出力すべくマスター制御部がモータを回転させようとする制御をスレーブ制御部が妨げるように制御してしまう状況は、モータの回転方向が逆転する際に生じ得る。これは、マスター制御部は対応する巻線への給電の際に最新の給電制御指令値を用いる一方で、スレーブ制御部は対応する巻線への給電の際に上記最新ではなく、例えば、1周期前にマスター制御部が生成する給電制御指令値を用いることになるなかで、それぞれの給電制御指令値がモータを回転させようとする方向が反対方向になるからである。
そこで、上記構成では、モータの回転方向が逆転した旨を判断することができるように構成し、当該逆転した旨が判断された場合には、スレーブ制御部が、マスター制御部で制御に用いられている最新の給電制御指令値との偏差が小さくなるように機能する代替給電制御指令値を用いて制御を実行するようにしている。この場合、スレーブ制御部は、所望のモータトルクを出力すべくマスター制御部がモータを回転させようとする制御を妨げるような制御を実行し難くなる。これにより、マスター制御部で制御に用いられる最新の給電制御指令値と、スレーブ制御部で制御に用いられる上記最新でない給電制御指令値とがそれぞれモータを回転させようとする方向が反対方向であったとしても、所望のモータトルクを出力すべくマスター制御部がモータを回転させようとする制御をスレーブ制御部が妨げるように制御することが抑えられる。したがって、所望のモータトルクが出力されるまでの時間的な遅れを低減することができる。
具体的には、前記スレーブ制御部は、前記回転方向判断部を構成している。
上記モータ制御装置において、前記スレーブ制御部には、前記モータの回転角を検出する回転角センサが接続されており、前記回転方向判断部は、前記回転角センサの検出結果に基づいて前記モータの回転方向を判断するものであり、前記スレーブ制御部は、前記回転方向判断部により前記モータの回転方向が逆転した旨が判断された場合に、前記マスター制御部が生成する前記給電制御指令値によって制御されるときの前記モータの回転方向を逆転させるように機能する前記代替給電制御指令値を用いて対応する前記巻線に対する給電を制御することが好ましい。
同構成によれば、モータの回転方向が逆転した旨が判断された場合、スレーブ制御部は、マスター制御部が生成する給電制御指令値によって制御されるモータの回転方向を逆転させるように機能する代替給電制御指令値を生成する処理を実行するのみでよくなる。この場合、モータの回転方向を少なくとも考慮すればよく複雑な演算が必要なくなり、 所望のモータトルクが出力されるまでの時間的な遅れを低減するための変更規模を抑えることができる。
具体的には、前記回転方向判断部は、前記モータの角速度の方向の変化に基づいて、前記モータの回転方向を判断する。
上記モータ制御装置において、前記スレーブ制御部は、前記マスター制御部が生成する前記給電制御指令値に対応する情報として、当該マスター制御部と同一手法のもとでスレーブ側給電制御指令値を生成するように構成されており、前記回転方向判断部は、前記マスター制御部により生成された給電制御指令値であるマスター側給電制御指令値と、前記スレーブ制御部により生成された前記スレーブ側給電制御指令値とを比較して、前記マスター側給電制御指令値と前記スレーブ側給電制御指令値とが一致すると判断できる場合には、前記モータの回転方向が逆転していない旨を判断し、前記マスター側給電制御指令値と前記スレーブ側給電制御指令値とが一致しないと判断できる場合には、前記モータの回転方向が逆転した旨を判断するものであり、前記スレーブ制御部は、前記回転方向判断部により前記モータの回転方向が逆転した旨が判断された場合に、前記スレーブ側給電制御指令値を用いて対応する前記巻線に対する給電を制御することが好ましい。
ここで、マスター側給電制御指令値及びスレーブ側給電制御指令値は、同一手法の下でマスター制御部及びスレーブ制御部によりそれぞれ生成された値である。すなわち、スレーブ側給電制御指令値は、マスター側給電制御指令値を推定して生成された値とみなすことができる。このため、スレーブ側給電制御指令値がモータを回転させようとする方向は、マスター側給電制御指令値がモータを回転させようとする方向と同一となる。
これに対して、上記構成によれば、回転方向判断部によりモータの回転方向が逆転した旨が判断された場合、スレーブ制御部が、自身で生成するスレーブ側給電制御指令値を用いて対応する巻線に対する給電を制御する。この場合、マスター制御部及びスレーブ制御部のそれぞれの給電制御指令値のモータを回転させようとする方向が一致するようになる。したがって、所望のモータトルクが出力されるまでの時間的な遅れを低減することができる。
上記モータ制御装置は、車両の転舵輪を転舵させる動力を付与するステアリング装置に設けられたモータを制御対象とすることが好ましい。
同構成によれば、所望のモータトルクが出力されるまでの時間的な遅れが低減されるため、ステアリング装置の操作フィーリングが損なわれることを抑制できる。
本発明によれば、所望のモータトルクが出力されるまでの時間的な遅れを低減できる。
第1実施形態のモータ制御装置が適用された電動パワーステアリング装置の構成図。 第1実施形態のモータ制御装置の構成図。 第1実施形態の第1のマイクロコンピュータ及び第2のマイクロコンピュータの機能を示すブロック図。 第2実施形態の第1のマイクロコンピュータ及び第2のマイクロコンピュータの機能を示すブロック図。
<第1実施形態>
以下、図1~図3を参照して、モータ制御装置の第1実施形態について説明する。
図1に示すように、本実施形態のモータ制御装置(以下、「制御装置」という。)40は、車両の転舵輪18を転舵させる動力を付与する電動パワーステアリング装置(以下、「EPS」という。)に設けられたモータ20を制御対象とする。
EPS1は、ベルト式減速機構25を介してモータ20の回転運動をボールねじ機構24に伝達し、モータ20の回転運動をラックシャフト15の直線運動に変換することにより、運転者のステアリング操作を補助する。
EPS1は、運転者のステアリングホイール10の操作に基づいて回転するステアリングシャフト11、ステアリングシャフト11の回転に応じて転舵輪18を転舵させる操舵機構2、及び運転者のステアリング操作を補助するアシスト機構3を備えている。
ステアリングシャフト11は、車両のステアリングホイール10と連結されたコラムシャフト12、コラムシャフト12の先端部に連結されたインターミディエイトシャフト13及びインターミディエイトシャフト13の先端部に連結されたピニオンシャフト14を有している。
操舵機構2は、ステアリングシャフト11の一部であるピニオンシャフト14、及びステアリングシャフト11の回転に連動して軸線方向に往復動するラックシャフト15を備えている。
ピニオンシャフト14の先端部は、ラックアンドピニオン機構16を介してラックシャフト15に連結されている。ラックアンドピニオン機構16は、ピニオンシャフト14の先端部に設けられたピニオン歯14aと、ラックシャフト15に設けられたラック歯15aとを噛合することにより構成されている。したがって、ステアリングシャフト11の回転運動は、ラックアンドピニオン機構16を介してラックシャフト15の軸線方向の往復動に変換される。なお、ラックシャフト15の軸線方向は、図1における左右方向である。
ラックシャフト15の両端には、タイロッド17を介して転舵輪18がそれぞれ連結されている。ラックシャフト15の往復動が、各タイロッド17を介して左右の転舵輪18に伝達されることにより、転舵輪18の転舵角が変更される。なお、各タイロッド17は、ラックシャフト15の軸線方向に対して傾斜した状態でラックシャフト15に連結されている。
アシスト機構3は、アシスト力の発生源であるモータ20と、モータ20の回転をラックシャフト15に伝達するようにモータ20及びラックシャフト15を機械的に接続する動力伝達機構DKとにより構成される。動力伝達機構DK及びラックシャフト15はハウジング19により覆われている。
モータ20は、その回転軸21がラックシャフト15に対して平行となるようにハウジング19の外壁にボルト22により組み付けられている。モータ20の回転軸21は、ハウジング19に設けられた貫通孔23を通じてハウジング19の内部にまで延びている。動力伝達機構DKは、ラックシャフト15の外周に取り付けられたボールねじ機構24、及びモータ20の回転軸21の回転をボールねじ機構24に減速して伝達するベルト式減速機構25からなる。
モータ20には、制御装置40が接続されている。制御装置40には、第1の回転角センサ26と、第2の回転角センサ27と、車速センサ90と、第1のトルクセンサ91と、第2のトルクセンサ92とが接続されている。
第1の回転角センサ26及び第2の回転角センサ27は、後述するモータ20のロータ30の回転角θm1及び回転角θm2を360°の範囲内の相対角でそれぞれ検出する。第1の回転角センサ26と第2の回転角センサ27とは、同一の構成を有している。
車速センサ90は、車両の走行速度である車速を示す値である車速値Vを検出する。
第1のトルクセンサ91及び第2のトルクセンサ92は、運転者のステアリング操作によりステアリングシャフト11に付与されたトルクを示す値である操舵トルクTh1及び操舵トルクTh2をそれぞれ検出する。各操舵トルクTh1,Th2は、例えばステアリングホイール10が時計回りに操舵された場合に正の値、反時計回りに操舵された場合に負の値として検出される。第1のトルクセンサ91と第2のトルクセンサ92とは、同一の構成を有している。
制御装置40は、モータ20の駆動を制御することによって、操舵機構2にモータトルクを付与することで、運転者のステアリング操作を補助する制御を実行する。
図2に示すように、本実施形態のモータ20は、三相のブラシレスモータである。モータ20は、ロータ30、第1の巻線群31、第2の巻線群32、第1の回転角センサ26、及び第2の回転角センサ27を備えている。第1の巻線群31及び第2の巻線群32は、U相巻線、V相巻線、及びW相巻線をそれぞれ備えている。
制御装置40とモータ20との間、すなわち、制御装置40と、第1の巻線群31及び第2の巻線群32との間は、バスバーあるいはケーブルなどによって互いに接続されている。制御装置40は、第1の巻線群31及び第2の巻線群32に対する給電を系統毎に個別に制御する。制御装置40は、第1の巻線群31に対する給電を制御するマスター制御部50と、第2の巻線群32に対する給電を制御するスレーブ制御部70とを有している。本実施形態において、モータ20の駆動は、第1の巻線群31及びマスター制御部50の第1の系統による制御と、第2の巻線群32及びスレーブ制御部70の第2の系統による制御とで実行される。
マスター制御部50は、制御回路としての第1のマイクロコンピュータ(以下、「第1のマイコン」という。)51、第1のインバータ回路52、及び第1の電流センサ53を有している。
第1のマイコン51には、第1の回転角センサ26と、第1の電流センサ53と、車速センサ90と、第1のトルクセンサ91とが接続されている。第1の電流センサ53は、第1の巻線群31に流れている電流値である実電流値I1を検出する。なお、実電流値I1は、第1のインバータ回路52と、第1の巻線群31との間の給電経路に生じる各相の電流値として検出される。図2では、説明の便宜上、各相の接続線及び各相の電流センサをそれぞれ1つにまとめて図示している。
第1のマイコン51は、第1のインバータ回路52に対するPWM信号としての指令信号S1を生成する。第1のマイコン51は、回転角θm1と、実電流値I1とを使用して第1の巻線群31に対する給電を制御する。
第1のインバータ回路52は、PWM方式の三相インバータであって、第1のマイコン51により生成される指令信号S1に基づいて各相のスイッチング素子がスイッチングすることにより、直流電源から供給される直流電力を三相交流電力に変換する。第1のインバータ回路52を通じて指令信号S1に応じた電流が第1の巻線群31に供給される。
スレーブ制御部70は、基本的にマスター制御部50と同様の構成を有している。すなわち、スレーブ制御部70は、制御回路としての第2のマイクロコンピュータ(以下、「第2のマイコン」という。)71、第2のインバータ回路72、及び第2の電流センサ73を有している。
第2のマイコン71には、第2の回転角センサ27と、第2の電流センサ73と、車速センサ90と、第2のトルクセンサ92とが接続されている。第2の電流センサ73は、第2の巻線群32に流れている電流値である実電流値I2を検出する。なお、実電流値I2は、第2のインバータ回路72と、第2の巻線群32との間の給電経路に生じる各相の電流値として検出される。図1では、説明の便宜上、各相の接続線及び各相の電流センサをそれぞれ1つにまとめて図示している。
第2のマイコン71は、第2のインバータ回路72に対するPWM信号としての指令信号S2を生成する。第2のマイコン71は、回転角θm2と、実電流値I2とを使用して第2の巻線群32に対する給電を制御する。
第2のインバータ回路72は、PWM方式の三相インバータであって、第2のマイコン71により生成される指令信号S2に基づいて各相のスイッチング素子がスイッチングすることにより、直流電源から供給される直流電力を三相交流電力に変換する。第2のインバータ回路72を通じて指令信号S2に応じた電流が第2の巻線群32に供給される。
第1のマイコン51及び第2のマイコン71は、通信バスLを介して情報としてデジタル信号の送受信を相互に行う。こうした第1のマイコン51と、第2のマイコン71との間で行われる通信バスLを通じた通信(以下、「制御部間の通信」という。)の通信周期は、第1の回転角センサ26及び第2の回転角センサ27の検出周期よりも長い。制御部間の通信の規格としては、例えば、同期式のシリアル通信の規格の一種であるSPI(Serial Peripheral Interface)が採用される。
第1のマイコン51は、デジタル信号として自己の属する系統の状態を示す信号を含む各種の信号COM1を生成し、この生成される信号COM1を通信バスLを介して第2のマイコン71へ送信する。また、第2のマイコン71は、デジタル信号として自己の属する系統の状態を示す信号を含む各種の信号COM2を生成し、この生成される信号COM2を通信バスLを介して第1のマイコン51へ送信する。こうして通信バスLを経路として得られる各信号COM1,COM2に示される情報は、所定のタイミングで得られる毎に受信した各マイコン51,71によって最新の情報となるように更新される。
次に、第1のマイコン51及び第2のマイコン71の機能について説明する。
各マイコン51,71は、図示しない中央処理装置であるCPU51a,71aやメモリ51b,71bを備えており、所定の演算周期ごとにメモリ51b,71bに記憶されたプログラムをCPU51a,71aが実行する。これにより、各種の処理が実行される。
図3に、各マイコン51,71が実行する処理の一部を示す。図3に示す処理は、メモリ51b,71bに記憶されたプログラムをCPU51a,71aが実行することで実現される処理の一部を、実現される処理の種類毎に記載したものである。
第1のマイコン51には、回転角θm1、実電流値I1、操舵トルクTh1、及び車速値Vが入力される。第1のマイコン51は、これら入力された各状態変数に基づいて、指令信号S1を生成して出力する。
具体的には、第1のマイコン51は、トルク指令値T1*を演算する第1のトルク指令値演算部60と、指令信号S1を生成する第1の電流制御部61とを備えている。
第1のトルク指令値演算部60には、操舵トルクTh1及び車速値Vが入力される。第1のトルク指令値演算部60は、これら入力された状態変数に基づいて、トルク指令値T1*を生成するように演算する。こうして得られたトルク指令値T1*は、第1の電流制御部61に出力されるとともに、通信バスLを介して信号COM1の一つの信号として第2のマイコン71に出力される。トルク指令値T1*は、モータ20に要求されるトータルとしての発生トルクの半分(50%)を第1の巻線群31及び第2の巻線群32によりそれぞれ発生させるために必要とされる電流量の値に設定される。なお、トルク指令値T1*は、給電制御指令値の一例である。
なお、以下の説明では、「フィードバック」という文言を「F/B」と記すことがある。
第1の電流制御部61は、電流指令値I1*を演算する第1の電流指令値演算部61aと、指令信号S1を生成する第1の電流F/B制御部61bとを有している。
第1の電流指令値演算部61aには、トルク指令値T1*が入力される。第1の電流指令値演算部61aは、トルク指令値T1*に基づいて、dq座標系における電流指令値I1*を生成するように演算する。こうして得られた電流指令値I1*は、第1の電流F/B制御部61bに出力される。
第1の電流F/B制御部61bには、電流指令値I1*、回転角θm1、及び実電流値I1が入力される。第1の電流F/B制御部61bは、回転角θm1に基づいて、実電流値I1をdq座標上に写像することにより、dq座標系における実電流値を演算する。第1の電流F/B制御部61bは、dq座標系における実電流値を、dq座標系における電流指令値I1*に追従させるべく、各座標上の各電流偏差に基づいて電流フィードバック制御を実行する。この電流フィードバック制御により、第1の電流F/B制御部61bは、第1のインバータ回路52への電圧指令値を演算し、当該電圧指令値に基づくデューティ比を有するデューティ指令値を含む指令信号S1を生成する。なお、上記電圧指令値は、dq座標系における二相の電圧指令値と、これらを座標変換して得られる三相の電圧指令値とを含む。
こうして得られた指令信号S1は、第1のインバータ回路52に出力される。これにより、第1の巻線群31には、第1のインバータ回路52から指令信号S1に応じた駆動電力が供給される。
第2のマイコン71には、第1のマイコン51で生成されたトルク指令値T1*、回転角θm2、実電流値I2、操舵トルクTh2、及び車速値Vが入力される。第2のマイコン71は、これら入力された各状態変数に基づいて、指令信号S2を生成して出力する。
具体的には、第2のマイコン71は、第1のマイコン51が生成するトルク指令値T1*に対応する情報としてスレーブ側トルク指令値を演算する第2のトルク指令値演算部80と、モータ20の回転方向を判断する回転方向判断部81と、指令信号S2を生成する第2の電流制御部82とを備えている。
第2のトルク指令値演算部80には、操舵トルクTh2及び車速値Vが入力される。第2のトルク指令値演算部80は、これら入力された状態変数に基づいて、スレーブ側トルク指令値を生成するように演算する。こうして得られたスレーブ側トルク指令値は、通信バスLを介して信号COM2の一つの信号として第1のマイコン51に出力される。スレーブ側トルク指令値は、第1のマイコン51と同一手法のもとで演算されるものであり、トルク指令値T1*を推定して演算される推定トルク指令値ということができる。なお、スレーブ側トルク指令値は、各マイコン51、71にて、第1のマイコン51が生成するトルク指令値T1*との比較を通じてマイコン自身に異常がないか監視のために用いられる。
回転方向判断部81には、回転角θm2が入力される。回転方向判断部81は、モータ20の回転方向を判断する判断処理部81aを有している。
判断処理部81aには、回転角θm2を時間微分する微分器81bを通じて得られた角速度ωmが入力される。判断処理部81aは、角速度ωmの方向の変化に基づいて、モータ20の回転方向が逆転したか否かを判断する。判断処理部81aは、ロータ30の回転方向の判断を通じてモータ20の回転方向が逆転したか否かを判断する。具体的には、判断処理部81aは、今回の制御周期で得られた角速度ωmの今回値と、例えば、1周期前の過去の制御周期で得られた角速度ωmの前回値との正負の符号の比較に基づいて、ロータ30の回転方向を判断する。この場合、判断処理部81aは、角速度ωmについて、今回値と、前回値との間で符号が異なっていれば、ロータ30の回転方向が逆転していること、すなわちモータ20の回転方向が逆転していることを判断する。そして、判断処理部81aは、モータ20の回転方向が逆転していることを判断する場合に、その旨を示す情報として逆転FLGを生成する。こうして得られた逆転FLGは、第2の電流指令値演算部82aに出力される。
なお、判断処理部81aは、角速度ωmについて、今回値と、前回値との間で正負の符号が同一であれば、ロータ30の回転方向が逆転していないこと、すなわちモータ20の回転方向が逆転していないことを判断することができる。この場合、判断処理部81aは、モータ20の回転方向が逆転していない旨を示す情報を生成するように構成することもできる。こうして得られたモータ20の回転方向が逆転していない旨を示す情報は、第2の電流指令値演算部82aに出力されるように構成することもできる。
第2の電流制御部82は、電流指令値I2*を演算する第2の電流指令値演算部82aと、指令信号S2を生成する第2の電流F/B制御部82bとを有している。
第2の電流指令値演算部82aには、第1のマイコン51で生成されたトルク指令値T1*及び逆転FLGが入力される。第2の電流指令値演算部82aは、トルク指令値T1*及び逆転FLGに基づいて、dq座標系における電流指令値I2*を生成するように演算する。
具体的には、第2の電流指令値演算部82aは、逆転FLGが入力されない場合に、トルク指令値T1*に基づいて電流指令値I2*´を演算し、当該電流指令値I2*´を今回の制御周期で用いる電流指令値I2*として生成するように演算する。一方、第2の電流指令値演算部82aは、逆転FLGが入力される場合に、トルク指令値T1*に基づいて演算される電流指令値I2*´について、当該電流指令値I2*´の正負の符号を反転させて得られるものを今回の制御周期で用いる電流指令値I2*として生成するように演算する。この場合、マスター制御部50の電流指令値I1*と、スレーブ制御部70の電流指令値I2*´とがモータ20を回転させようとする方向が反対方向であるのに対して、マスター制御部50の電流指令値I1*と、スレーブ制御部70の電流指令値I2*とがモータ20を回転させようとする方向が同一方向である。つまり、マスター制御部50の電流指令値I1*と、スレーブ制御部70の電流指令値I2*´との偏差に対して、マスター制御部50の電流指令値I1*とスレーブ制御部70の電流指令値I2*との偏差が小さくなる。なお、電流指令値I2*のうち電流指令値I2*´の正負の符号を反転させて得られる電流指令値I2*は、代替給電制御指令値の一例である。こうして得られた電流指令値I2*は、第2の電流F/B制御部82bに出力される。
第2の電流F/B制御部82bには、電流指令値I2*、回転角θm2、及び実電流値I2が入力される。第2の電流F/B制御部82bは、回転角θm2に基づいて、実電流値I2をdq座標上に写像することにより、dq座標系における実電流値を演算する。第2の電流F/B制御部82bは、dq座標系における実電流値を、dq座標系における電流指令値I2*に追従させるべく、各座標上の各電流偏差に基づいて電流フィードバック制御を実行する。この電流フィードバック制御により、第2の電流F/B制御部82bは、第2のインバータ回路72への電圧指令値を演算し、当該電圧指令値に基づくデューティ比を有するデューティ指令値を含む指令信号S2を生成する。なお、上記電圧指令値は、dq座標系における二相の電圧指令値と、これらを座標変換して得られる三相の電圧指令値とを含む。
こうして得られた指令信号S2は、第2のインバータ回路72に出力される。これにより、第2の巻線群32には、第2のインバータ回路72から指令信号S2に応じた駆動電力が供給される。
本実施形態の作用について説明する。
制御部間の通信に起因した、所望のモータトルクを出力すべくマスター制御部50がモータ20を回転させようとする制御をスレーブ制御部70が妨げるように制御してしまう状況は、モータ20の回転方向が逆転する際に生じ得る。こうした状況は、マスター制御部50は第1の巻線群31への給電の際に最新のトルク指令値T1*を用いる一方で、スレーブ制御部70は第2の巻線群32への給電の際に上記最新ではなく、例えば、1周期前の過去にマスター制御部50が生成するトルク指令値T1*を用いる場合に生じ得る。このとき、マスター制御部50が最新のトルク指令値T1*に基づいて生成される電流指令値I1*と、スレーブ制御部70が上記最新ではないトルク指令値T1*に基づいて生成される電流指令値I2*とが、モータ20を回転させようとする方向が反対方向になる。
そこで、本実施形態のスレーブ制御部70は、回転方向判断部81によりモータ20の回転方向が逆転した旨が判断された場合に、トルク指令値T1*に基づいて演算された電流指令値I2*´の正負の符号を反転させたものを電流指令値I2*として用いて制御を実行するようにしている。これにより、マスター制御部50が用いる最新のトルク指令値T1*と、スレーブ制御部70が用いる上記最新でないトルク指令値T1*とがそれぞれモータ20を回転させようとする方向が反対方向であったとしても、マスター制御部50の電流指令値I1*と、スレーブ制御部70の電流指令値I2*との偏差を小さくすることができるようになる。特に、本実施形態では、マスター制御部50と、スレーブ制御部70とがそれぞれモータ20を回転させようとする方向を同一方向にすることができるようになる。この場合、スレーブ制御部70は、所望のモータトルクを出力すべくマスター制御部50がモータ20を回転させようとする制御を妨げるような制御を実行し難くなる。
本実施形態の効果について説明する。
(1)本実施形態によれば、所望のモータトルクを出力すべくマスター制御部50がモータ20を回転させようとする制御をスレーブ制御部70が妨げるように制御することが抑えられる。したがって、所望のモータトルクが出力されるまでの時間的な遅れを低減することができる。
(2)本実施形態によれば、モータ20の回転方向が逆転した旨が判断された場合、スレーブ制御部70は、上記最新ではないトルク指令値T1*に基づいて演算された電流指令値I2*´の正負の符号を反転する処理を実行するのみでよくなる。この場合、複雑な演算が必要なくなり、所望のモータトルクが出力されるまでの時間的な遅れを低減するための変更規模を抑えることができる。
(3)本実施形態の制御装置40は、EPS1に設けられたモータ20を制御対象とする。これにより、所望のモータトルクが出力されるまでの時間的な遅れが低減されるため、EPS1の操作フィーリングが損なわれることを抑制できる。
<第2実施形態>
以下、図4を参照して、制御装置40の第2実施形態について、第1実施形態との相違点を中心に説明する。
本実施形態において、第1実施形態と同一の構成については同一の符号を付すとともに、第1実施形態と対応する構成については、第1実施形態の符号「**」に「100」を加算した「1**」を付すことにより、重複する説明を省略する。
本実施形態の第2のマイコン71は、第1実施形態の回転方向判断部81とはモータ20が逆転しているか否かを判断するための条件が異なる回転方向判断部181を有している。また、本実施形態の第2の電流制御部182は、トルク指令値T2*として適切な値を選択するための切替部183を有している。
回転方向判断部181には、第1のトルク指令値演算部60で生成されたトルク指令値T1*と、第2のトルク指令値演算部80で生成されたスレーブ側トルク指令値TS*とが入力される。なお、第1のマイコン51が生成するトルク指令値T1*に対応する情報として、スレーブ側トルク指令値TS*が第1のマイコン51と同一手法のもとで第2のトルク指令値演算部80によって演算されることは、上記第1実施形態と同様である。なお、トルク指令値T1*は、マスター側給電制御指令値の一例である。また、スレーブ側トルク指令値TS*は、スレーブ側給電制御指令値の一例である。
回転方向判断部181は、トルク指令値T1*と、スレーブ側トルク指令値TS*との比較に基づいて、ロータ30の回転方向を判断する。この場合、回転方向判断部181は、トルク指令値T1*とスレーブ側トルク指令値TS*とが一致しなければ、ロータ30の回転方向が逆転していること、すなわちモータ20の回転方向が逆転していることを判断する。具体的には、回転方向判断部181は、トルク指令値T1*と、スレーブ側トルク指令値TS*との偏差の大きさが閾値以上の場合に、これら指令値が一致していないと判断する。閾値は、トルク指令値T1*と、スレーブ側トルク指令値TS*とがそれぞれモータ20を回転させようとする方向が反対方向であることを判断できるとして実験的に求められる範囲の値が設定されている。そして、回転方向判断部181は、モータ20の回転方向が逆転した旨を判断する場合に逆転FLGを生成する。こうして得られた逆転FLGは、切替部183に出力される。
なお、回転方向判断部181は、トルク指令値T1*と、スレーブ側トルク指令値TS*との偏差の大きさが閾値よりも小さい場合に、これらが一致していると判断する。回転方向判断部181は、トルク指令値T1*とスレーブ側トルク指令値TS*とが一致していると判断すれば、ロータ30の回転方向が逆転していないこと、すなわちモータ20の回転方向が逆転してないことを判断することができる。この場合、回転方向判断部181は、モータ20の回転方向が逆転していない旨を示す情報を生成するように構成することもできる。こうして得られたモータ20の回転方向が逆転していない旨を示す情報は、切替部183に出力されるように構成することもできる。
切替部183には、トルク指令値T1*と、スレーブ側トルク指令値TS*とが入力される。切替部183は、トルク指令値T1*と、スレーブ側トルク指令値TS*とのどちらか一方を適切なトルク指令値として選択する。
具体的には、切替部183は、逆転FLGが入力されない間、すなわち、回転方向判断部181によりトルク指令値T1*とスレーブ側トルク指令値TS*とが一致すると判断される間、トルク指令値T1*を今回の制御周期で用いるトルク指令値T2*として第2の電流指令値演算部82aに出力する。また、切替部183は、逆転FLGが入力されると、すなわち、回転方向判断部181によりトルク指令値T1*とスレーブ側トルク指令値TS*とが一致しないと判断されると、スレーブ側トルク指令値TS*を今回の制御周期で用いるトルク指令値T2*として第2の電流指令値演算部82aに出力する。
こうして適切な値として選択されたトルク指令値T2*は、今回の制御周期で用いるトルク指令値T2*として第2の電流指令値演算部82aに出力される。そして、第2の電流指令値演算部82aは、トルク指令値T2*に基づいて、dq座標系における電流指令値I2*を生成するように演算する。
なお、逆転FLGが入力される間、すなわち、回転方向判断部181によりトルク指令値T1*とスレーブ側トルク指令値TS*とが一致しないと判断される間、マスター制御部50が制御に用いるトルク指令値T1*と、スレーブ制御部70が制御に用いるトルク指令値T1*とがモータ20を回転させようとする方向は反対方向である。これに対して、逆転FLGが入力される間、すなわち、回転方向判断部181によりトルク指令値T1*とスレーブ側トルク指令値TS*とが一致しないと判断される間であっても、マスター制御部50のトルク指令値T1*とスレーブ制御部70のスレーブ側トルク指令値TS*とがモータ20を回転させようとする方向は同一方向である。つまり、マスター制御部50が制御に用いるトルク指令値T1*と、スレーブ制御部70が制御に用いるトルク指令値T1*との偏差に対して、マスター制御部50のトルク指令値T1*とスレーブ制御部70のスレーブ側トルク指令値TS*との偏差が小さくなる。
本実施形態の作用について説明する。
トルク指令値T1*及びスレーブ側トルク指令値TS*は、同一手法の下でマスター制御部50及びスレーブ制御部70によりそれぞれ生成された値である。すなわち、スレーブ側トルク指令値TS*は、トルク指令値T1*を推定して生成された値とみなすことができる。このため、スレーブ側トルク指令値TS*がモータ20を回転させようとする方向は、トルク指令値T1*がモータ20を回転させようとする方向と同一となる。
これに対して、本実施形態の制御装置40によれば、回転方向判断部181によりモータ20の回転方向が逆転した旨が判断された場合、すなわち、切替部183に逆転FLGが入力された場合、切替部183は、スレーブ側トルク指令値TS*を今回の制御周期で用いるトルク指令値T2*として第2の電流F/B制御部82bに出力する。つまり、スレーブ制御部70は、制御部間の通信を通じて得られたトルク指令値T1*を用いる代わりに、自身で生成するトルク指令値T2*を用いて第2の巻線群32に対する給電を制御する。
本実施形態の効果について説明する。
(4)スレーブ制御部70は、回転方向判断部181によりモータ20の回転方向が逆転した旨が判断された場合に、トルク指令値T1*を用いる代わりに、トルク指令値T2*を用いて第2の巻線群32に対する給電を制御する。これにより、マスター制御部50が生成するトルク指令値T1*と、スレーブ制御部70が生成するトルク指令値T2*とのモータ20を回転させようとする方向が一致するようになる。したがって、所望のモータトルクが出力されるまでの時間的な遅れを低減することができる。
(5)切替部183によりトルク指令値T2*として選択されたスレーブ側トルク指令値TS*は、トルク指令値T1*を推定して生成された値とみなすことができる。このため、トルク指令値T1*に基づいて第1の巻線群31に給電されることによりモータ20が発生するモータトルクと、トルク指令値T2*に基づいて第2の巻線群32に給電されることによりモータ20が発生するモータトルクとの総和が、モータ20が発生すべき所望のモータトルクを超えることがなくなる。すなわち、EPS1に所望のトルクを超えるトルクが付与されることがなくなる。したがって、EPS1の操作フィーリングが損なわれることを抑制できる。
<変更例>
上記各実施形態は、以下のように変更して実施することができる。上記各実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・第1実施形態において、回転方向判断部81は、第1の回転角センサ26の検出結果である回転角θm1を用いてモータ20の回転方向が逆転したか否かを判断してもよい。この場合、回転方向判断部81は、回転角θm1を時間微分して得られる角速度ωmの変化に基づいてモータ20の回転方向を判断する。
・第1実施形態において、回転方向判断部81には、第1の回転角センサ26の検出結果を時間微分して得られる角速度ωmが入力されるようにしてもよい。これは、第2の回転角センサ27として、回転角θm2に加えて角速度ωmも演算して出力できる機能を有するものを採用したり、第2のマイコン71が回転角θm1を時間微分して得られる角速度ωmを演算するための演算部を備えるようにしたりすることで実現することができる。
・第1実施形態において、モータ20は、第1の回転角センサ26及び第2の回転角センサ27のどちらか一方のみを備えるものであってもよい。
・第1実施形態において、回転方向判断部81は、第1のトルクセンサ91または第2のトルクセンサ92の検出結果に基づいてモータ20の回転方向が逆転したか否かを判断するものであってもよい。この場合、回転方向判断部81が、操舵トルクTh1または操舵トルクTh2の正負の符号の比較に基づいてモータ20の回転方向を判断することは、上記第1実施形態において、回転方向判断部81が、角速度ωmの方向の変化に基づいてモータ20の回転方向を判断することと同様である。
・第1実施形態において、回転方向判断部81は、ステアリングシャフト11の回転角を360°を超える範囲で積算して得られる絶対角を検出する絶対角センサの検出結果の変化に基づいてモータ20の回転方向を判断するものであってもよい。
・第1実施形態において、第2の電流指令値演算部82aは、逆転FLGが入力されると、電流指令値I2*´の正負の符号を反転させることに代えて、トルク指令値T1*の正負の符号を反転させる機能を有するものであってもよい。この場合、第2の電流指令値演算部82aは、トルク指令値T1*の正負の符号を反転させて得られるトルク指令値を用いて電流指令値I2*を生成する。本変更例では、トルク指令値T1*の正負の符号を反転させて得られるトルク指令値が代替給電制御指令値に相当する。
・第1実施形態において、第2の電流指令値演算部82aは、逆転FLGが入力されると、電流指令値I2*´の正負の符号を反転させることに代えて、トルク指令値T1*または電流指令値I2*の絶対値を小さくする機能を有するものであってもよい。例えば、第2の電流指令値演算部82aは、トルク指令値T1*または電流指令値I2*としてゼロ値を演算してもよい。本変更例では、絶対値が小さくなるように演算されるトルク指令値T1*または電流指令値I2*が代替給電制御指令値に相当する。
・第1実施形態において、マスター制御部50は、トルク指令値T1*を制御部間の通信を通じてスレーブ制御部70に出力することに代えて、電流指令値I1*を制御部間の通信を通じてスレーブ制御部70の第2の電流指令値演算部82aに出力する機能を有するものであってもよい。この場合、第2の電流指令値演算部82aは、逆転FLGが入力されない場合に、電流指令値I1*を今回の制御周期で用いる電流指令値I2*として生成するように演算する。一方、第2の電流指令値演算部82aは、逆転FLGが入力される場合に、電流指令値I1*の正負の符号を反転させて得られるものを今回の制御周期で用いる電流指令値I2*として生成するように演算する。こうした場合であっても、上記第1実施形態と同様の効果を得ることができる。本変更例では、電流指令値I1*が給電制御指令値に相当する。また、電流指令値I1*の正負の符号を反転させて得られる電流指令値I2*が代替給電制御指令値に相当する。
・第1実施形態において、図3に二点鎖線にて示すように、回転方向判断部81は、第2の電流指令値演算部82aに代えて、第2の電流F/B制御部82bに逆転FLGを出力してもよい。この場合、第2の電流指令値演算部82aは、トルク指令値T1*に基づいて演算した電流指令値I2*´を今回の制御周期で用いる電流指令値I2*として演算することになる。その一方で、第2の電流F/B制御部82bは、逆転FLGが入力されると、電流指令値I2*に基づいて演算する二相または三相の電圧指令値の正負の符号を反転させた電圧指令値を生成したり、三相の電圧指令値に基づいて演算するデューティ指令値の正負の符号を反転させたデューティ指令値を生成したりする。また、本変更例において、第1のマイコン51が第2のマイコン71に分配する指令値は、指令信号S1、すなわちPWM信号の生成の過程で得られるデューティ指令値や二相または三相の電圧指令値であったりしてもよい。ただし、第1のマイコン51が第2のマイコン71に分配する指令値は、正負の符号を反転させる対象の指令値である、または当該指令値よりも演算上の上流側で演算される指令値である必要がある。こうした構成であっても、上記第1実施形態と同様の効果を得ることができる。なお、本変更例において、二相または三相の電圧指令値やデューティ指令値は、給電制御指令値に相当する。
・第2実施形態において、第1のマイコン51が第2のマイコン71に分配する指令値は、電流指令値I1*であったり、指令信号S1、すなわちPWM信号であったり、当該PWM信号の生成の過程で得られるデューティ指令値や二相または三相の電圧指令値であったりしてもよい。この場合、第2のマイコン71は、第2のトルク指令値演算部80を有する代わりに、第1のマイコン51が第2のマイコン71に分配する指令値を第1のマイコン51と同一手法のもとで演算する指令値演算部を有する。本変更例において、第1のマイコン51が第2のマイコン71に分配する指令値は、マスター側給電制御指令値に相当する。また、第2のマイコン71の上記指令値演算部が演算する指令値は、スレーブ側給電制御指令値に相当する。
・上記各実施形態では、制御装置40の制御対象の一例として、EPS1に設けられたモータ20を例示したが、これに限定されない。制御装置40の制御対象としては、ステアリングホイール10と、転舵輪18との間の動力伝達路が分離可能な構造とするステアバイワイヤ式のステアリング装置において、転舵輪18を転舵させるための動力である転舵トルクを付与するモータであってもよい。この場合、ステアリングホイール10と、転舵輪18との間の動力伝達路は、機械的に常時分離した構造であってもよいし、クラッチにより分離可能な構造であってもよい。また、制御装置40の制御対象は、その他の種々のモータであってもよい。
・上記各実施形態において、制御装置40を構成する各CPU51a,71aは、コンピュータプログラムを実行する1つ以上のプロセッサ、あるいは各種処理のうち少なくとも一部の処理を実行する特定用途向け集積回路等の1つ以上の専用ハードウェア回路、あるいは上記プロセッサ及び上記専用ハードウェア回路の組み合わせを含む回路として実現してもよい。また、メモリには、汎用または専用のコンピュータでアクセスできるあらゆる利用可能な媒体によって構成してもよい。
・上記各実施形態において、回転方向判断部81,181は、各マイコン51、71とは別の第3のマイコンにより構成することもできる。ただし、第2のマイコン71と第3のマイコンとの制御部間の通信周期は、第1のマイコン51と第2のマイコン71の制御部間の通信周期よりも短いことが必要である。第3のマイコンは、例えば、コンピュータプログラムを実行する1つ以上のプロセッサ、あるいは各種処理のうち少なくとも一部の処理を実行する特定用途向け集積回路等の1つ以上の専用ハードウェア回路、あるいは上記プロセッサ及び上記専用ハードウェア回路の組み合わせを含む回路として実現することができる。
1…EPS(ステアリング装置)
18…転舵輪
20…モータ
26…第1の回転角センサ
27…第2の回転角センサ
31…第1の巻線群
32…第2の巻線群
40…モータ制御装置
50…マスター制御部
70…スレーブ制御部
81,181…回転方向判断部

Claims (6)

  1. モータに設けられた複数の巻線にそれぞれ対応する複数の制御部を備え、前記複数の制御部間の通信を通じて得られる各種情報を用いた前記制御部の各々の制御を通じて前記複数の巻線の各々に対する給電を制御するモータ制御装置において、
    前記モータの回転方向を判断する回転方向判断部を有しており、
    前記複数の制御部は、前記複数の巻線の各々に対する給電を制御するために必要な制御情報として前記モータが発生するモータトルクを制御するための給電制御指令値を生成するマスター制御部と、当該マスター制御部が生成する前記給電制御指令値を前記制御部間の通信を経路として得られる毎に更新することで、最新の前記給電制御指令値に基づいて対応する前記巻線に対する給電を制御するスレーブ制御部と、を含み、
    前記スレーブ制御部は、前記回転方向判断部により前記モータの回転方向が逆転した旨が判断された場合に、前記マスター制御部が生成する前記給電制御指令値との偏差が小さくなるように機能する代替給電制御指令値を用いて対応する前記巻線に対する給電を制御する、
    モータ制御装置。
  2. 前記スレーブ制御部は、前記回転方向判断部を構成している、
    請求項1に記載のモータ制御装置。
  3. 前記スレーブ制御部には、前記モータの回転角を検出する回転角センサが接続されており、
    前記回転方向判断部は、前記回転角センサの検出結果に基づいて前記モータの回転方向を判断するものであり、
    前記スレーブ制御部は、前記回転方向判断部により前記モータの回転方向が逆転した旨が判断された場合に、前記マスター制御部が生成する前記給電制御指令値によって制御されるときの前記モータの回転方向を逆転させるように機能する前記代替給電制御指令値を用いて対応する前記巻線に対する給電を制御する、
    請求項1または請求項2に記載のモータ制御装置。
  4. 前記回転方向判断部は、前記モータの角速度の方向の変化に基づいて、前記モータの回転方向を判断する、
    請求項3に記載のモータ制御装置。
  5. 前記スレーブ制御部は、前記マスター制御部が生成する前記給電制御指令値に対応する情報として、当該マスター制御部と同一手法のもとでスレーブ側給電制御指令値を生成するように構成されており、
    前記回転方向判断部は、前記マスター制御部により生成された前記給電制御指令値であるマスター側給電制御指令値と、前記スレーブ制御部により生成された前記スレーブ側給電制御指令値とを比較して、前記マスター側給電制御指令値と前記スレーブ側給電制御指令値とが一致すると判断できる場合には、前記モータの回転方向が逆転していない旨を判断し、前記マスター側給電制御指令値と前記スレーブ側給電制御指令値とが一致しないと判断できる場合には、前記モータの回転方向が逆転した旨を判断するものであり、
    前記スレーブ制御部は、前記回転方向判断部により前記モータの回転方向が逆転した旨が判断された場合に、前記スレーブ側給電制御指令値を用いて対応する前記巻線に対する給電を制御する、
    請求項1または請求項2に記載のモータ制御装置。
  6. 車両の転舵輪を転舵させる動力を付与するステアリング装置に設けられたモータを制御対象とする、
    請求項1~請求項5のいずれか一項に記載のモータ制御装置。
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